説明

積層コンデンサ及び積層コンデンサの実装構造

【課題】サージ耐電圧を高めることができ、それによって静電気放電に際しての破壊等が生じ難い、信頼性に優れた積層コンデンサを提供する。
【解決手段】セラミック積層体2内に、セラミック層を介して第1,第2の内部電極3,4が重なるように配置されており、セラミック積層体2の外表面に、第1の内部電極に電気的に接続されている第1の外部電極5と第2の内部電極に電気的に接続されている第2の外部電極6と、第3の外部電極7A、7Bとが形成されており、第1の内部電極3と、第2の内部電極4とに異なる電位が接続されるように構成されており、第3の外部電極が、第1,第2の内部電極のいずれにも電気的に接続されておらず、かつ第1,第2の外部電極5,6間に位置する電極部分を有するようにセラミック積層体2の外表面に形成されており、第3の外部電極からサージ電流が逃がされるように構成されている、積層コンデンサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コンデンサに関し、より詳細には、サージ電流による影響を防止する構造が備えられた積層コンデンサ及びその実装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サージ電流による積層コンデンサの絶縁破壊を防止するために、バリスタやサージアブソーバなどの部品が用いられていた。しかしながら、近年、電子機器の軽薄短小化に伴い、実装基板における実装面積を削減することが強く求められている。そのため、積層コンデンサ自体に耐サージ機能を付加することにより、上記サージ吸収用の部品を省略することが提案されている。
【0003】
例えば、下記の特許文献1には、図17に示す積層コンデンサ501が開示されている。積層コンデンサ501では、ある電位に接続される内部電極が引き出されているセラミック積層体502の第1の端面を覆うように第1の外部電極503が形成されている。そして、第1の端面503と反対側の第2の端面を覆うように第2の外部電極504が形成されている。第2の外部電極504は、複数の内部電極505に電気的に接続されている。内部電極505は、外部電極503に電気的に接続されている内部電極(図示されず)とは異なる電位に接続される内部電極である。
【0004】
外部電極503,505のセラミック積層体502の上面に至っている回り込み部503a,504aに連なるように、放電用電極506,507が形成されている。放電用電極506,507は、セラミック積層体502の上面において所定の距離を隔てて対向されている。
【0005】
上記放電用電極506,507間の距離は、外部電極503,504間の距離よりも小さくされており、従って、放電用電極506,507間で放電を生じさせ、サージを吸収することが可能とされている。
【0006】
他方、特許文献1には、図18に示す積層コンデンサ511も開示されている。ここでは、セラミック積層体512の第1の端面を覆うように、図示されていない内部電極に接続されている第1の外部電極513が形成されている。第1の端面とは反対側の第2の端面を覆うように、第2の外部電極514が形成されている。外部電極514は、複数の内部電極515に電気的に接続されている。他方、セラミック積層体512内には、内部電極515とは異なる電位に接続される複数の内部電極516が形成されており、内部電極516は、ラミック積層体512の側面において、第3の外部電極517に電気的に接続されている。従って、3端子型の積層コンデンサが構成されている。
【0007】
第3の外部電極517は、セラミック積層体512の長さ方向中央において、一対の側面から上面及び下面に至るように設けられている。そして、セラミック積層体512の上面においては、第1の外部電極513,514のセラミック積層体512の上面に至っている回り込み部513a,514aから、第3の外部電極517側に向かって突出された放電電極518,519が、回り込み部513a,514aと連ねられて設けられている。
【0008】
他方、セラミック積層体512の上面において、第1,第2の外部電極513,514側に突出している放電電極520,521が第3の外部電極517に連ねられている。積層コンデンサ511においても、放電電極518,520間及び519,521間の距離が短くされているので、これらの間で放電を生じさせることにより、サージを吸収することができるとされている。
【0009】
他方、サージ電流からの保護機能とは全く別の目的を達成するための構造として、下記の特許文献2には、図19に示すセラミック電子部品の実装構造が開示されている。
【0010】
図19に示す実装構造601では、配線基板602上に、セラミックス素子603が実装されている。配線基板602の上面には、電極ランド604〜606が形成されている。セラミックス素子603は、一方端に電極部607を有し、他方端に電極部608を有する。電極部607,608は、外部と電気的に接続するための電極部分であり、半田609,610を介して、電極ランド604,606に電気的に接続されている。
【0011】
他方、セラミックス素子603の下面中央には、電極部607,607とは別に、ダミー電極611が形成されている。ダミー電極611は、配線基板602の上面に設けられた電極ランド605に接合されている。ダミー電極611を、電極ランド605に接合することにより、セラミックス素子603の配線基板602に対する接合強度が高められるとされている。
【特許文献1】特開平6−251981号公報
【特許文献2】特開平11−40918号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
図17に示した積層コンデンサ501では、例えば放電電極506から放電電極507側に放電した電流は、外部電極504を経て内部電極505側に戻ってくる可能性が存在する。そのため、積層コンデンサ501の絶縁破壊を防止することはできるものの、他の実装部品が破壊されるおそれがあった。
【0013】
図18に示した積層コンデンサ511では、アース電位に接続される外部電極517と、内部電極516とが電気的に接続されているので、例えば放電電極518,519から放電電極520,521に放電した電流が、内部電極516側に流れ、セラミック積層体512が破壊するおそれがあった。すなわち、アース電位に接続される外部電極517を有する3端子型の積層コンデンサ511では、上記放電電極518〜521を設けたとしても、放電電流による積層コンデンサ511の破壊が生じるという問題があった。
【0014】
特許文献2に記載の実装構造では、セラミック素子603の下面中央にダミー電極611が形成されていた。ダミー電極611と電極ランド605とを、半田などの導電性接合剤で接合する場合、導電性接合剤の逃げ場が存在しないため、導電性接合剤が押し拡げられがちであった。その結果、導電性接合剤が、電極部607,608を電極ランド604,606に接合するための半田609,610に接触し、短絡するおそれがあった。
【0015】
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、サージ耐電圧を効果的に高めることが可能とされており、それによって静電気放電に際しての破壊等が生じ難い、信頼性に優れた積層コンデンサ及びそのような積層コンデンサの実装構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願の第1の発明に係る積層コンデンサは、対向し合っている第1,第2の主面と、第1,第2の主面を結ぶ複数の側面とを有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体内において、前記第1,第2の主面に平行な方向に延びるように配置された第1の内部電極と、前記内部電極とセラミック層を介して重なり合うように配置された第2の内部電極と、前記第1の内部電極に電気的に接続されるように設けられた第1の外部電極と、前記第2の内部電極に電気的に接続されるように設けられた第2の外部電極とを備え、第2の外部電極は第1の外部電極とは異なる電位に接続され、前記第2の主面側から実装される、積層コンデンサであって、前記セラミック積層体の少なくとも前記第1の主面または前記側面において、前記第1の外部電極と第2の外部電極との間に位置する部分を有するように設けられた第3の外部電極をさらに備え、第3の外部電極は、前記第1の内部電極及び第2の内部電極のいずれにも電気的に接続されないように配置されていることを特徴とする。
【0017】
第1の発明の積層コンデンサでは、第1の外部電極と第2の外部電極との間に、電位差が与えられ、静電容量が取り出されるが、第3の外部電極は、第1の内部電極及び第2の内部電極のいずれにも電気的に接続されないように、かつ第1の外部電極と第2の外部電極との間に位置する部分を有するように設けられているので、セラミック積層体の外表面において、第1の外部電極と第2の外部電極との間でサージ電流が流れようとした場合、第1の外部電極または第2の外部電極と第3の外部電極との間でサージ電流が放電し、サージ電流が第3の外部電極に逃がされることになる。従って、第3の外部電極をサージリーク回路等に接続することにより、サージ電流を逃すことができる。よって、サージ耐電圧を高めることが可能とされている。
【0018】
第1の発明の積層コンデンサのある特定の局面では、前記セラミック積層体の前記複数の側面が、対向し合っている第1,第2の側面と、対向し合っている第3,第4の側面とを有する。従って、汎用されている直方体状の形状を有する積層コンデンサとして、サージ耐電圧性に優れた本発明の積層コンデンサを提供することができる。
【0019】
第1の発明の積層コンデンサの他の特定の局面では、前記第1の外部電極が前記第1の側面に形成されており、前記第2の外部電極が前記第2の側面に形成されている。この場合には、第1,第2の外部電極が、対向し合っている第1,第2の側面に形成されているので、本発明のコンデンサの実装の容易化、第1,第2の外部電極間の距離の増大を容易に図ることができる。
【0020】
本願の第2の発明に係る積層コンデンサは、対向し合っている第1,第2の主面と、対向し合っている第1,第2の側面と、対向し合っている第3,第4の側面とを有するセラミック積層体と、前記セラミック積層体内において、第1,第2の主面に平行な方向に延びるように形成された複数の内部電極と、前記複数の内部電極の内のいずれかの内部電極に電気的に接続されるように前記セラミック積層体の第1の側面に設けられた第1の外部電極と、前記複数の内部電極の内のいずれかの内部電極に電気的に接続されるように前記セラミック積層体の第2の側面に設けられた第2の外部電極とを備え、前記第2の外部電極は、前記第1の外部電極とは異なる電位に接続され、第2の側面側から実装されるように構成されており、前記セラミック積層体内において、異なる電位に接続される内部電極同士がセラミック層を介して重なり合うことにより、静電容量を取り出すための容量取り出しユニットが配置されている積層コンデンサであって、前記セラミック積層体の少なくとも第1の主面または側面において、前記第1の外部電極と前記第2の外部電極との間であって、かつ、前記容量取り出しユニットの端部の内、第1,第2の外部電極によって囲まれていない容量取り出しユニットの端部が位置している部分の前記セラミック積層体外表面部分を覆うように設けられた第3の外部電極をさらに備え、前記第3の外部電極は、前記複数の内部電極のいずれにも電気的に接続されないように配置されていることを特徴とする。
【0021】
第2の発明に係る積層コンデンサでは、第3の外部電極が、内部電極のいずれにも電気的に接続されないようにかつ第1,第2の外部電極間に位置する部分を有するように設けられている。従って、第3の外部電極をサージリーク回路などに接続することにより、サージ電流を逃がすことができ、サージ耐電圧を高めることが可能とされている。
【0022】
第2の発明に係る積層コンデンサにおけるセラミック積層体内の容量取り出しユニットの構成は様々に変形することができる。
【0023】
第2の発明のある特定の局面では、前記複数の内部電極として、前記セラミック積層体の第1の側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック積層体の前記第2の側面に引き出された第2の内部電極と、前記第1,第2の内部電極に対してセラミック層を介して重なり合うように配置されており、かつ前記セラミック積層体の第1,第2の側面に至っていない非接続型内部電極とを有し、前記第1の内部電極と前記非接続型内部電極とが重なり合っている部分により第1の容量取り出しユニットが構成されており、前記非接続型内部電極と前記第2の内部電極とが重なり合っている部分により第2の容量取り出しユニットが構成されている。
【0024】
また、第2の発明の積層コンデンサの他の特定の局面では、前記複数の内部電極として、前記セラミック積層体の第1の側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック積層体の第2の側面に引き出された第2の内部電極と、前記第1の内部電極にセラミック層を介して重なり合うように配置された第1の非接続型内部電極と、前記第1の非接続型内部電極及び前記第2の内部電極にセラミック層を介して重なり合うように配置された第2の非接続型内部電極とを有し、前記第1の内部電極と前記第1の非接続型内部電極とが重なり合っている領域により第1の容量取り出しユニットが構成されており、前記第1,第2の非接続型内部電極が重なり合っている部分により第2の容量取り出しユニットが構成されており、前記第2の非接続型内部電極と前記第2の内部電極とが重なり合っている部分により第3の容量取り出しユニットが構成されている。
【0025】
第2の発明に係る積層コンデンサのさらに他の特定の局面では、前記複数の内部電極として、前記第1の側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック積層体の第2の側面に引き出された第2の内部電極とを有し、第1,第2の内部電極がセラミック積層体内において、第1,第2の側面を結ぶ方向中央において第1,第2の内部電極が重なり合っている部分により上記容量取り出しユニットが構成されており、該容量取り出しユニットの前記第1の主面側端部及び第2の主面側端部が、前記第1,第2の外部電極よりもセラミック積層体の内側に位置している。
【0026】
第1,第2の発明(本発明)の積層コンデンサでは、好ましくは、前記第1の外部電極が少なくとも前記第3の側面または前記第4の側面に回り込んだ第1の回り込み部を有し、前記第2の外部電極が少なくとも前記第3の側面または前記第4の側面に回り込んだ第2の回り込み部を有し、前記第3の外部電極は、前記セラミック積層体の前記第3の側面または第4の側面において、前記第1の回り込み部と前記第2の回り込み部との間に設けられている。この場合には、セラミック積層体の第1の主面側及び第2の主面側を導電性ペーストなどに浸漬する浸漬法により、第1,第2の回り込み部を有する第1,第2の外部電極を容易に形成することができる。また、第3の外部電極が、第1,第2の回り込み部間に設けられているので、サージ電流を容易に逃がすことができ、サージ耐電圧をより一層高めることができる。
【0027】
好ましくは、前記第3の外部電極が、前記第2の主面に回り込む第3の回り込み部を有し、前記第3の回り込み部は、前記第3の側面または前記第4の側面上に位置している前記第3の外部電極部分から遠ざかるにつれて面積が小さくなるような形状とされている。この場合には、第3の回り込み部が上記のような形状とされているので、基板上に第2の主面側から積層コンデンサが実装された際に、第1,第2の外部電極を基板上の電極ランドと接続するための導電性接合剤と、第3の回り込み部との接触が生じ難く、所望でない短絡を確実に防止することができる。
【0028】
上記第3の回り込み部が第3,第4の側面上に位置している第3の外部電極部分から遠ざかるにつれて面積が小さくなる形状としては、例えば半円または半楕円形状が挙げられる。
【0029】
本発明に係る積層コンデンサのさらに他の特定の局面では、前記第3の外部電極が、前記セラミック積層体の第1の主面から、前記第3,第4の側面を経て、第2の主面に至るように形成されている。
【0030】
本発明に係る積層コンデンサの他の特定の局面では、前記第1の外部電極として、複数の第1の外部電極を有し、前記第2の外部電極として複数の第2の外部電極を有し、前記セラミック積層体の第1の側面に、少なくとも1つの第1の外部電極及び少なくとも1つの第2の外部電極が形成されており、前記第2の側面に、残りの第1の外部電極及び残りの第2の外部電極が形成されており、前記第1,第2の外部電極が、セラミック積層体の第1の主面に至っている第1,第2の回り込み部をそれぞれ有し、前記第3の外部電極が、前記第1の主面において、前記第1,第2の回り込み部間に至るように形成されている。
【0031】
このように、複数の第1の外部電極及び複数の第2の外部電極が設けられている積層コンデンサにおいても、第1,第2の外部電極の第1,第2の回り込み部間に第3の外部電極を配置することにより、サージ電流を第3の外部電極から確実に逃がすことができる。
【0032】
この場合においても、好ましくは、前記第3の外部電極が、前記第3の側面または前記第4の側面から前記第2の主面に回り込む第3の回り込み部を有し、前記第3の回り込み部は、前記第3の側面または前記第4の側面に形成された前記第3の外部電極本体から遠ざかるにつれて面積が小さくなるような形状とされている。このような形状としては、半円または半楕円形状が好適に用いられる。
【0033】
本発明に係る積層コンデンサでは、第3の外部電極は、セラミック積層体の第1の主面上にのみ形成されていてもよい。この場合においても、第3の外部電極をサージリーク回路等に接続することにより、サージ電流を確実に逃がすことができる。
【0034】
本発明に係る積層コンデンサのさらに他の特定の局面では、前記セラミック積層体が、内部電極が積層されているセラミック層部分に比べて、比誘電率が相対的に高い高誘電率セラミック層を有し、該高誘電率セラミック層が、前記内部電極が積層されているセラミック層部分の積層方向外側に設けられている。この場合には、セラミック積層体の表面に比誘電率が高い高誘電率セラミック層が配置されていることになるため、沿面放電がより一層生じやすく、従ってサージ耐電圧をより一層高めることができる。
【0035】
本発明に係る積層コンデンサのさらに別の特定の局面では、前記高誘電率セラミック層が、前記セラミック積層体の内部電極がセラミック層を介して積層されている部分の外側であって、前記セラミック積層体の側面側にも配置されている。
【0036】
本発明に係る積層コンデンサの実装構造は、本発明に従って構成された積層コンデンサと、前記積層コンデンサを実装するための実装基板とからなり、前記実装基板は、前記第1の外部電極と電気的に接続される第1のランド電極と、前記第2の外部電極と電気的に接続される第2のランド電極と、前記第3の外部電極と電気的に接続される第3のランド電極とを備えることを特徴とする。
【0037】
また、本発明の積層コンデンサの実装構造の他の特定の局面では、本発明に従って構成された積層コンデンサと、前記積層コンデンサを実装するための実装基板とからなり、前記実装基板は、前記第1の外部電極と電気的に接続される第1のランド電極と、前記第2の外部電極と電気的に接続される第2のランド電極と、前記第3の外部電極と電気的に接続される第3のランド電極とを備え、前記第3の外部電極と前記第3のランド電極とが、半田または導電性接着剤により接続されている。
【0038】
本発明に係る積層コンデンサの実装構造のさらに他の特定の局面では、本発明に従って構成された積層コンデンサと、前記積層コンデンサを実装するための実装基板とからなり、前記実装基板は、前記第1の外部電極と電気的に接続される第1のランド電極と、前記第2の外部電極と電気的に接続される第2のランド電極と、前記第3の外部電極電気的に接続される第3のランド電極とを備え、前記第3の外部電極と前記第3のランド電極とがワイヤボンディングにより接続されている。
【発明の効果】
【0039】
第1の発明に係る積層コンデンサでは、第1の内部電極に電気的に接続されている第1の外部電極と、第2の内部電極に電気的に接続されている第2の外部電極とが異なる電位に接続される。すなわち、第1,第2の外部電極間に電位差を与えることにより、コンデンサとしての機能を得ることができ、第1の外部電極と第2の外部電極との間に位置する部分を外表面に有するように第3の外部電極が形成されており、第3の外部電極は、第1,第2の内部電極のいずれにも電気的に接続されていない。従って、第1の外部電極と第2の外部電極との間でサージ電流が流れようとした場合、第1の外部電極または第2の外部電極と第3の外部電極との間で放電が生じ、サージ電流を第3の外部電極に逃がすことができる。すなわち、第3の外部電極をサージ電流を逃がすための電極または回路部分に接続することにより、積層コンデンサのサージ耐電圧を効果的に高めることが可能となる。よって、電流が流れた場合にも、破壊等が生じ難い、信頼性に優れた、積層コンデンサを提供することが可能となる。
【0040】
第2の発明に係る積層コンデンサでは、第1,第2の外部電極が、容量取り出しユニットを構成している複数の内部電極のいずれかに電気的に接続されており、セラミック積層体の少なくとも第1の主面または側面において、第1の外部電極と第2の外部電極との間であって、かつ容量取り出しユニットの端部の内、第1,第2の外部電極によって囲まれていない容量取り出しユニット端部が位置している部分のセラミック積層体外表面部分を覆うように第3の外部電極が形成されているので、第1,第2の外部電極間にサージ電流が流れようとした場合、第1の内部電極または第2の外部電極と第3の外部電極との間で放電が生じる。従って、サージ電流を第3の外部電極に逃がすことができる。よって、第3の外部電極をサージ電流を逃がすための電極または回路部分に接続することにより、積層コンデンサのサージ耐電圧を効果的に高めることが可能となる。
【0041】
第2の発明では、上記サージ耐電圧を高め得るだけでなく、第3の外部電極が容量取り出しユニット端部が位置しているセラミック積層体外表面部分を覆うように形成されているので、電歪効果によるセラミック積層体の変形を抑制することができ、セラミック積層体のクラックや破壊を確実に防止することが可能となる。
【0042】
上記のように、本願の第1,第2の発明は、異なる電位に接続される第1,第2の外部電極間に内部電極に電気的に接続されない第3の外部電極を配置したことにより、第1の外部電極または第2の外部電極から第3の外部電極にサージ電流を速やかに流し、サージ電流による破壊等を抑制し、サージ耐電圧を高めたことにおいて共通するものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0044】
図1(a)及び(b)は、本発明の第1の実施形態に係る積層コンデンサが実装基板に実装されている実装構造を示す正面図及び底面図であり、図2(a),(b)及び(c)は、第1の実施形態の積層コンデンサの横断面図、正面断面図及び積層コンデンサ実装構造における各部分の寸法を説明するための模式的平面図である。
【0045】
図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態の積層コンデンサ1は、セラミック積層体2を有する。セラミック積層体2は、適宜の誘電体セラミックスを用いて形成されている。このような誘電体セラミックスとしては、例えばBaTiO、CaTiO、SrTiOまたはCaZrOなどを用いることができる。なお、誘電体セラミックスの焼成温度は、後述する内部電極を構成する金属の融点よりも低くされることが求められ、従って内部電極構成金属の融点を考慮して誘電体セラミックスが選択される。
【0046】
セラミック積層体2は、直方体状の形状を有する。すなわち、セラミック積層体2は、第1の主面としての上面2aと、第2の主面としての下面2bと、上面2a及び下面2bを結ぶ第1〜第4の側面とを有する。図2(b)においては、第1の側面2cと第1の側面2cと対向している第2の側面2dが図示されており、図2(a)では、第3の側面2eと、第3の側面2eと対向している第4の側面2fが図示されている。
【0047】
セラミック積層体2内には、複数の第1の内部電極3と、複数の第2の内部電極4とがセラミック層を介して重なり合うように配置されている。複数の第1の内部電極3と複数の第2の内部電極4とがセラミック層を介して重なり合う部分が容量取り出しユニットを構成している。本実施例では、1つの容量取り出しユニットが構成されている。複数の第1,第2の内部電極3,4は、上面2a及び下面2bと平行な方向に延ばされている。そして、複数の第1の内部電極3が、第1の側面2cに引き出されており、複数の第2の内部電極4が、第2の側面2dに引き出されている。内部電極3,4は、第3,第4の側面2e、2fには至っていない(図2(a)参照)。
【0048】
上記内部電極3,4は、後述するように、セラミックグリーンシート上に導電ペーストを塗布し、導電ペーストが塗布されたセラミックグリーンシートを積層し、一体焼成することにより、導電ペーストの焼き付け電極層として形成される。この場合、導電ペーストとしては、金属粉末と、有機バインダーと、ガラスフリットと、溶剤とを含む導電ペーストが用いられるが、上記電極構成金属材料は特に限定されない。このような内部電極を構成する金属材料としては、例えば、Cu、Ni、Ag、Pt、Auなどを挙げることができる。
【0049】
上記セラミック積層体2の製造に際しては、上述したように、セラミックグリーンシート上に、第1,第2の内部電極3,4に応じた電極パターンを導電ペーストをスクリーン印刷することにより形成する。しかる後、電極パターンが印刷された複数のセラミックグリーンシートを適宜の枚数、積層する。そして、上下に、電極パターンが印刷されていないセラミックグリーンシートを適宜の枚数積層し、未焼成のセラミック積層体を得る。この未焼成のセラミック積層体を焼成することにより、セラミック積層体2が得られる。このようなセラミック積層体2を得る方法は、積層セラミックコンデンサの製造方法として従来よりの周知の製法である。
【0050】
第1の側面2c上には、第1の外部電極5が形成されており、第2の側面2d上には、第2の外部電極6が形成されている。第1の外部電極5は、第1の側面2c上において複数の第1の内部電極3に電極に接続されている。また、第1の外部電極5は、第1の回り込み部5aを有する。第1の回り込み部5aとは、外部電極5に連なっており、セラミック積層体2の上面2a、下面2b及び第3,第4の側面2e、2f上に至っている外部電極部分である。
【0051】
他方、第2の外部電極6は、第2の回り込み部6aを有する。第2の回り込み部6aは、セラミック積層体2の上面2a、下面2b及び第3,第4の側面2e,2fに至っている外部電極部分である。
【0052】
また、積層コンデンサ1では、セラミック積層体2の長さ方向中央において、第3の外部電極7A,7Bが形成されている。第3の外部電極7A,7Bは、それぞれ、セラミック積層体2の上面2aから、第3,第4の側面2e,2fを経て下面2bに至っている。すなわち、第3の外部電極7A,7Bは、それぞれ、第3,第4の側面2e,2f上に位置している第3の外部電極本体部と、外部電極本体部に連なっており、かつセラミック積層体2の上面2a及び下面2b上に至っている回り込み部7a,7bを有する。回り込み部7a,7bの内、第2の主面に至っている回り込み部7bが、本発明における第3の回り込み部である。
【0053】
図3(a)は、本実施形態の積層コンデンサ1の外観を示す斜視図である。図3(a)に示されているように、第3の外部電極7A,7Bの回り込み部7a,7aは、それぞれ、上記第3の外部電極本体部から遠ざかるにつれて面積が小さくなる形状とされ、より具体的には平面視した場合に半円形状を有するように構成されている。回り込み部7b,7bもまた回り込み部7a,7aと同様の形状とされている。
【0054】
このような第3の外部電極7A,7Bは、例えば、導電ペーストを第3の外部電極7A,7Bの幅に応じたスリットを介して付与することにより形成することができる。
【0055】
すなわち、図3(b)に略図的に示すように、スリット102が上面に開いている治具101を用意する。スリット102は、上記第3の外部電極7A,7Bの外部電極本体部の幅方向寸法に応じた幅方向寸法を有し、スリット102の長さ方向寸法、すなわち図3(b)における紙面−紙背方向の寸法が、上記セラミック積層体2の上面と下面との間の距離よりも大きくされている。スリット102の下方には、導電ペースト貯溜部が設けられており、該導電ペースト貯溜部は、スリット102よりも大きな空間を有し、導電ペースト貯溜部内に、導電ペースト103が収納されている。治具101のスリット102が設けられている側とは反対側の面に、弾性部材104が圧接されている。治具101の上面から、セラミック積層体2を押し付けることにより、弾性部材104が押圧され、該弾性部材104の反発力により、導電ペースト103が、セラミック積層体2の外表面に付着される。この場合、スリット102の長さ方向寸法が、セラミック積層体2の厚み方向寸法、すなわち上面2aと下面2bとを結ぶ方向よりも長くされているので、導電ペーストは、セラミック積層体2の側面2eだけでなく、上面2a,下面2bにも至るように付与される。このようにして、上記回り込み部7a,7bを有する第3の外部電極7Aを形成することができる。
【0056】
もっとも、第3の外部電極7A,7Bは、上記以外の方法で形成されてもよい。
【0057】
第1〜第3の外部電極5〜7A,7Bを構成する電極材料は特に限定されない。このような電極材料としては、Cu、Ni、Ag、Pt、またはAg−Pdなどを挙げることができる。
【0058】
もっとも、外部電極5〜7A,7Bは、半田付により積層コンデンサ1を実装する場合には、外表面にSiメッキ層を有するように形成されていることが望ましい。この場合、導電性に優れたCu層上に、Niメッキ層及びSnメッキ層を順に積層した積層膜により外部電極5〜7A,7Bを形成することが、導電抵抗を低くし、かつ半田付性を高めることができるので、好ましい。
【0059】
また、導電性接着剤を用いて積層コンデンサ1が実装される場合には、外部電極はAg、PdまたはAg−Pdなどの導電性が高い電極材料により形成されていることが望ましい。さらに、ワイヤボンディングにより積層コンデンサ1が接続される場合には、外部電極5〜7A,7Bは、Auのように、ワイヤボンディングが可能であり、かつ導電性が高い金属材料により形成されていることが望ましい。
【0060】
本実施形態の積層コンデンサ1では、第1の外部電極5と第2の外部電極6とが、実装時に異なる電位に接続され、第1,第2の外部電極5,6間で静電容量が取り出される。本実施形態の積層コンデンサ1の特徴は、第3の外部電極7A,7Bが、セラミック積層体2の外表面に設けられていることにある。
【0061】
すなわち、第3の外部電極7A,7Bは、第1の外部電極5と第2の外部電極6との間に位置するように設けられており、かつ第3の外部電極7A,7Bは、第1の内部電極3及び第2の内部電極4のいずれにも電極に接続されていない。従って、第3の外部電極7A,7Bをサージ電流をリークされ得る回路部分または電極に接続することにより、サージ耐電圧を効果的に高めることが可能とされている。これを図1(a)及び(b)〜図5を参照しつつ説明する。
【0062】
図1(a)及び(b)に示すように、積層コンデンサ1は、例えば実装基板10上に表面実装される。このような実装基板10は、適宜の絶縁性材料からなり、上面に第1〜第3の電極ランド11〜13を有する。積層コンデンサ1の第1の外部電極5が、第1の電極ランド11上に、第2の外部電極6が第2の電極ランド12上に、第3の外部電極7A,7Bが、第3の電極ランド13上に載置され、半田や導電性接着剤(図示せず)により接合され実装されている。
【0063】
実使用時には、第1の電極ランド11と第2の電極ランド12との間で静電容量が取り出されるが、第3の外部電極7A,7Bは、第3の電極ランド13に電気的に接続されたサージリーク回路14に電気的に接続されている。サージリーク回路14とは、サージ電流をリークさせ得る適宜の回路部分であり、このようなサージリーク回路としては、例えばグラウンド電位に接続されている電極あるいはサージ電流を吸収し得る適宜の回路を挙げることができる。
【0064】
本実施形態の積層コンデンサ1では、第3の外部電極7A,7Bは、上記サージリーク回路14に電気的に接続されているので、例えば、第1の外部電極5から第2の外部電極6側にサージ電流が流れようとした場合、第1の外部電極5と、第3の外部電極7A,7Bとの間でサージ電流が放電し、サージ電流が第3の外部電極7A,7Bから第3の電極ランド13を介してサージリーク回路14に逃がされることになる。一般に、沿面放電は、電極間の距離が短いほど発生しやすくなることが知られている。平等電界下で測定された空間放電電界強度は、以下の実験式(1)で表わされることが知られている。
【0065】
Es=24.05×δ×{1+0.328/√(δ×d)}…式(1)
実験式(1)において、Esは、空間放電電界強度(kV/cm)を示し、δは相対空気密度であり、通常は1であり、dは放電距離(cm)を示す。
【0066】
この場合、放電電圧Vaは、以下の式で表わされる。
【0067】
Va=Es・d
なお、放電電圧Vaの単位はkVとなる。
【0068】
他方、従来より、サージ電流が放電する際の電極間の距離、すなわち放電距離と、放電電圧とには、図4に示す関係のあることが知られている。この図4に示す結果は、例えば、高電圧工学(電気学会編)などに記載されている。
【0069】
一般に、沿面放電は空間放電よりも低い電圧で生じる。また、比誘電率に差がある材料同士が接している場合には、その界面で沿面放電が生じ、比誘電率が大きいほど沿面放電が生じ易いことが知られている。積層コンデンサ1では、第3の外部電極7A,7Bの少なくとも一部が、第1の外部電極5と、第2の外部電極6との間に設けられているため、言い換えれば、第1の外部電極5と第3の外部電極7A,7Bとの距離は、第1,第2の外部電極5,6間の距離よりも小さい。また、セラミック積層体2は、誘電体セラミックスを用いて構成されているので、セラミック積層体2とその周囲の空気との間に大きな比誘電率差が生じ、かつセラミック積層体の比誘電率が比較的高いため、第1の外部電極5から第3の外部電極7A,7Bにサージ電流が放電しやすくなっている。そのため、サージ電流を第3の外部電極7A,7Bからサージリーク回路14に速やかにかつ確実に逃がすことが可能とされている。
【0070】
第3の外部電極7A,7Bは、上記のように、サージ電流を逃がすための電極すなわちサージリーク電極として機能するものである。この場合、第3の外部電極の電気抵抗は小さいほど望ましい。従って、上記のように、第3の外部電極7A,7Bは、第1,第2の外部電極5,6と同様に、金属材料を用いて形成されていることが望ましい。もっとも、第3の外部電極7A,7Bは、サージ電流をにがすことができる限り、金属以外の材料、例えば導電性樹脂などの適宜の導電性材料により形成されていてもよい。
【0071】
次に、第1の実施形態の積層コンデンサ1において、第1,第3の外部電極5,7A、7B間の距離と、放電電圧との関係をより具体的な実験結果に基づき説明する。
【0072】
図2(c)に各寸法を示すように、いま、積層コンデンサ1の第1,第2の側面2c,2dを結ぶ方向を長手方向とし、第3,第4の側面2e,2fを結ぶ方向を幅方向とする積層コンデンサ1の長手方向寸法をL、幅方向寸法をW、セラミック積層体2の幅方向寸法をWa、第1,第2の外部電極5,6の上記積層コンデンサ長手方向寸法をe、外部電極5と外部電極6との間の距離をgとする。この場合、積層コンデンサ長手方向においては、L=2e+gの関係がある。
【0073】
いま、Lを約1.0〜3.2mm、Wを約0.5〜2.5mmの範囲とした積層コンデンサを想定する。
【0074】
第3の外部電極7A,7Bの上記積層コンデンサ長手方向寸法をa、幅方向寸法をbとし、第1の外部電極5と第3の外部電極7A,7Bとの間の距離をc1、第3の外部電極7A,7Bと、第2の外部電極6との間の距離をc2と表わすこととする。この場合、第3の外部電極7A,7Bの寸法は、以下の式で示される。
【0075】
a=g−(c1+c2)
従って、前述した図3から明らかなように、放電距離が短いほど、言い換えれば第3の外部電極7A,7Bが、第1の外部電極5に近いほど、すなわち距離c1が小さいほど、沿面放電開始電圧を低下させることができる。
【0076】
よって、距離c1が約0.1〜3.0mmの範囲で、距離c1を選択することにより、所望の耐電圧特性を得ることができることがわかる。
【0077】
なお、距離c1=c2である必要は必ずしもない。もっとも、c1<c2である場合には、第3の外部電極7A,7B側を入力側に用いることが望ましい。すなわち、第3の外部電極7A,7Bとの間の距離が短い側の第1または第2の外部電極5,6を入力側とする必要があるため、第1,第2の外部電極5,6の方向性が規定されるおそれがある。これに対して、c1=c2の場合には、第1,第2の外部電極5,6のいずれを入力側に用いたとしても、サージ耐電圧性は変わらないため、方向性をなくすことができる。
【0078】
従って、好ましくは、距離c1=c2である。なお、この場合、外部電極7の上記積層コンデンサ長手方向寸法aは、約0.1〜2.8mmとなる。
【0079】
本実施形態では、第3の外部電極7A,7Bの外表面間の距離bは、図2(c)に示されているようにb=Wとされているが、bはWと等しい必要は必ずしもない。
【0080】
また、第3の外部電極7A,7Bの厚みをhとしたとき、hは、(W−Wa)/2とほぼ等しくされることになり、hは10〜80μmの範囲で設定すればよい。
【0081】
上述した通り、本実施形態の積層コンデンサ1では、実使用時に際し、入力側から流入してきたサージ電流を、第1の外部電極5または第2の外部電極6と第3の外部電極7A,7Bとの間で放電させ、サージ回路へ逃がすことができる。従って、サージ耐電圧性を高め、積層コンデンサ1の破壊を確実に防止することが可能となる。
【0082】
特に、本実施形態では、第3の外部電極7A,7Bは、上述したように、セラミック積層体2の第3,第4の側面2e,2f上に位置している第3の外部電極本体部と、第3の外部電極本体部に連ねられており、上面2a及び下面2b上に至っている回り込み部7a,7bをそれぞれ有している。しかも、回り込み部7a,7bは、半円状の形状を有し、第3の外部電極本体部から遠ざかるにつれて面積が小さくされているため、上面2a及び下面2b上において、大きな面積を占めておらず、下面2bの中央に至っていない。図19に示した従来の実装構造では、セラミック素子の下面中央にダミー電極611が形成されており、該ダミー電極611を、電極ランド605に接続するための電気的接続剤が押し拡げられて、短絡するおそれがあった。
【0083】
これに対して、本実施形態の積層コンデンサ1では、上記のように、第3の外部電極7A,7Bの第3の回り込み部7bは、セラミック積層体2の下面2bの中央に至らないように形成されている。従って、たとえ、回り込み部7b,7bや、第3の外部電極本体部をサージ電流をリークするための回路部分または電極に接続するに際し、接続に用いた電気的接合剤が押し拡げられたとしても、短絡を引き起こすおそれが小さい。
【0084】
このような短絡を防止するには、好ましくは、第3の外部電極7A,7Bは、実装面である下面2b上に至っていないことが望ましい。もっとも、本実施形態のように、比較的小さな第4の回り込み部7a,7bが下面2b上に位置していてもよい。その場合には、下面2b上における沿面放電にも容易に対応することができる。加えて、上面2a及び下面2b、あるいは第3,第4の側面2e,2fのいずれの面側から実装基板に実装してもよいため、実装に際しての設計の自由度も高められる。また、実装後に、サージリーク回路との接続も容易に行うことができる。
【0085】
図5(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る積層コンデンサを実装基板に実装してなる積層コンデンサの実装構造を示す正面図及び平面図である。
【0086】
第2の実施形態の積層コンデンサ21においては、セラミック積層体2の上面2a上に、第3の外部電極22が形成されている。第3の外部電極22は、セラミック積層体2の上面において、略中央に部分的に形成されている。第3の外部電極22が、上記のように形成されている点を除いては、積層コンデンサ21は、第1の実施形態積層コンデンサ1と同様に形成されている。
【0087】
本実施形態では、第3の外部電極22の積層コンデンサの幅方向に沿う寸法bは約0.1〜2.5mmの範囲で任意に設定することができる。
【0088】
また、実装基板23上には、第1の電極ランド24と、第2の電極ランド25とが設けられており、第1,第2の電極ランド24,25に、第1,第2の外部電極5,6が電気的に接続されるようにして、積層コンデンサ21が実装基板23上に実装されている。
【0089】
第3の外部電極22は、リード線27により、サージリーク回路28に電気的に接続されている。このように、第3の外部電極22は、リード線27などのボンディングワイヤにより、サージリーク回路に電気的に接続されていてもよい。
【0090】
また、リード線27により、サージリーク回路28に接続すればよいため、サージリーク回路を積層基板24上において、適宜の位置に配置することができ、それによって設計の自由度を高めることができる。すなわち、積層コンデンサ21の近傍にサージリーク回路を配置することができない場合であっても、サージリーク回路に積層コンデンサ21の第3の外部電極22を容易にかつ確実に接続することができる。
【0091】
また、第3の外部電極22のように、サージ電流をリークさせる機能を有する第3の外部電極は、セラミック積層体2の上面2aの一部にのみ限定されて設けられていてもよい。
【0092】
図5(b)では、第3の外部電極22は、上面2aに設けられていたが、側面2eまたは側面2fに設けられていてもよい。すなわち、第1の実施形態のように、セラミック積層体2の側面から上面及び下面に至るように形成されていてもよく、いずれにしても、セラミック積層体2の少なくとも第1の主面としての上面2aまたは側面2e,2fに形成されておればよい。
【0093】
なお、第3の外部電極22は、セラミック積層体2の1つの面だけでなく、複数の面にそれぞれ形成されていてもよい。
【0094】
図6(a)は本発明の第3の実施形態に係る積層コンデンサの正面断面図であり、(b)は該積層コンデンサを基板上に実装した実装構造の模式的平面図であり、(c)は実装構造における積層コンデンサの横断面方向を示す断面図である。
【0095】
第3の実施形態の積層コンデンサ111では、直方体状のセラミック積層体112が用いられている。セラミック積層体112は、前述したセラミック積層体2と同様の誘電体セラミックスにより構成されている。セラミック積層体112は、第1の主面としての上面112aと、第2の主面としての下面112bと、対向し合う第1,第2の側面112c,112dと、対向し合う第3,第4の側面112e,112fとを有する。
【0096】
上面112a,及び下面112bと平行に延びるように、セラミック積層体112内には、複数の第1の内部電極113と、複数の非接続型内部電極114と、複数の第2の内部電極115とが形成されている。複数の第1の内部電極113は、第1の側面112cに引き出されており、かつセラミック層を介して、非接続型内部電極114と重なり合っている。複数の第1の内部電極113と、複数の非接続型内部電極114とが重なり合っている部分において、第1の容量取り出しユニットが構成されている。
【0097】
他方、非接続型内部電極114は、第1の側面112c及び第2の側面112dに露出していないが、第1の側面112cと第2の側面112dとを結ぶ方向に延ばされている。
【0098】
そして、第2の内部電極115が、セラミック積層体112の第2の側面112dに引き出されている。非接続型内部電極114と、複数の第2の内部電極115がセラミック層を介して重なり合っている部分において、第2の容量取り出しユニットが構成されている。
【0099】
他方、第1の実施形態の積層コンデンサ1と同様に、第1,第2の外部電極116,117が、第1,第2の側面112c,112dを覆うように形成されている。
【0100】
第1の外部電極116は、複数の第1の内部電極113に電気的に接続されており、第2の外部電極117は、複数の第2の内部電極115に電気的に接続されている。従って、第1,第2の外部電極116,117間には、2つの容量取り出しユニットが直列に接続されていることになる。
【0101】
本実施形態においても、外部電極116,117は、それぞれ、セラミック積層体112の上面112a,112b及び側面112e,112fの一部に至る図1の回り込み部116a及び第2の回り込み部117aをそれぞれ有する。また、第1,第2の外部電極116,117間に、第3の外部電極118A,118Bが形成されている。ここでは、第1の内部電極113と、非接続型内部電極114とが重なり合って構成されている第1の容量取り出しユニットの一方の端部は、一点鎖線Z1で示す位置にあり、この位置は、第1の外部電極116の第1の回り込み部116aで囲まれた領域に位置している。同様に、第2の取り出しユニットの側面112d側の端部は、第2の外部電極117で囲まれている領域に位置している。
【0102】
他方、第1の容量取り出しユニットのセラミック積層体112の内側の端部は、一点鎖線Z4の位置にある。同様に、第2の容量取り出しユニットのセラミック積層体112の内側の端部は、一点鎖線Z5で示す位置にある。
【0103】
なお、一点鎖線Z2は、第1の外部電極116の第1の回り込み部106aの内側端部が位置している部分を示し、一点鎖線Z3,Z6は、それぞれ、第3の外部電極118Aの端部が位置している部分を示し、一点鎖線Z3と一点鎖線Z6との間の寸法が外部電極118Aの幅方向寸法に相当する。また、一点鎖線Z6は、第2の外部電極117の第2の回り込み部117aの先端が位置する部分を示す。一点鎖線Z6と、一点鎖線Z7との間が、第3の外部電極118Aと、回り込み部112bとの間の距離を示し、一点鎖線Z2と一点鎖線Z3との間の距離が、第3の外部電極118Aと第1の回り込み部116aとの間の距離を示す。また、第1の外部電極116の外側表面と、一点鎖線Z2との間の距離が、外部電極116の外側表面から回り込み部116aの先端までの距離を示す。
【0104】
上記のように、第3の外部電極118A,118Bは、第1,第2の容量取り出しユニットの上記内側端部を囲むように形成されている。言い換えれば、第1,第2の容量取り出しユニットの内側端部が位置している部分のセラミック積層体112の外表面部分を覆うように、第3の外部電極118A,118Bが形成されている。
【0105】
第3の外部電極118A,118Bは、前述した第1の実施形態の第3の外部電極7A,7Bと同様に、第1,第2の外部電極116,117間に位置しており、それぞれ、第3、第4の側面112e,112f間から上面112a,下面112bに至るように形成されている。従って、第3の外部電極118A,118Bは、サージ電流をリークするための回路や電極部分に電気的に接続された場合、第1の外部電極116または第2の外部電極117から沿面放電により流れてきたサージ電流を効果的に逃がすことができる。
【0106】
従って、好ましくは、第1の実施形態の場合と同様に、図2(c)を参照して説明した寸法関係となるように第1,第2の外部電極116,117、セラミック積層体112、第3の外部電極118A,118B及び積層コンデンサ111の外寸を設定することが望ましい。
【0107】
ところで、積層コンデンサ111に電圧が印加された場合、異なる電位に接続される電極間では、電歪効果により、セラミック積層体112の一部が伸縮する。例えば、第1の内部電極113と、非接続型内部電極114とが積層されている部分、すなわち第1の容量取り出しユニットでは、セラミック層が厚み方向に伸び、セラミック積層体112の長さ方向及び幅方向には縮むような変位が生じる。この場合、容量取り出しユニットと、容量取り出しユニット以外の部分との界面において応力が生じる。従って、容量取り出しユニットの端部においてクラックが発生する可能性がある。
【0108】
しかしながら、本実施形態では、第1の容量取り出しユニットの外側端部は、第1の外部電極116で囲まれている領域に設けられており、内側端部は、一点鎖線Z4で示す位置にあり、第3の外部電極118A,118Bで囲まれている領域に存在する。従って、第1の外部電極116及び第3の外部電極118A,118Bの存在により、上記電歪効果による歪みを抑制でき、セラミック積層体112の破壊等が生じ難い。
【0109】
第2の容量取り出しユニットにおいても同様であり、容量取り出しユニットの外側端部が第2の外部電極117で囲まれた領域に位置しており、内側端部が、一点鎖線Z5の位置にあり、第3の外部電極118A,118Bで囲まれ領域に存在する。従って、第2の容量取り出しユニットが設けられている部分においても、電歪効果によるセラミック積層体112の破壊が生じ難い。
【0110】
本実施形態においても、図6(a)に示すように、第3の外部電極118A,118Bは、第2の主面としての下面に至る第3の回り込み部118a,118bを有する。回り込み部118a,118bの平面形状は図6(b)に示されている正面側の回り込み部と同様に、半円形状とされている。すなわち、側面112e,112f上に位置している第3の外部電極本体部から遠ざかるにつれて、回り込み部118a,118bは面積が小さくなる形状とされている。従って、導電性接着剤等により、回り込み部118a,118bが電極ランド13に押し付けられた場合に、導電性接着剤が押し拡げられたとしても、他の部分との短絡が生じ難い。
【0111】
図7及び図8は、上記第3の実施形態の積層コンデンサ111の変形例を説明するための各正面断面図である。図7に示す積層コンデンサ121では、セラミック積層体112内において、3個の容量取り出しユニットが構成されている。すなわち、複数の第1の内部電極123が第1の外部電極116と電気的に接続されるように、セラミック積層体112の第1の側面112cに引き出されている。そして、第1の内部電極123とセラミック層を介して重なり合うように、複数の第1の非接続型内部電極124が形成されている。また、第1の非接続型内部電極124と部分的にセラミックスを介して重なり合うように第2の非接続型内部電極125が形成されている。
【0112】
複数の第2の非接続型内部電極125とセラミックスを介して重なり合うように、かつセラミック積層体112の第2の側面112dに引き出されるように、第2の内部電極126が形成されている。
【0113】
従って、第1の内部電極123と第1の非接続型内部電極124とが重なり合っている部分において、第1の容量取り出しユニットが形成されており、第1,第2の非接続型内部電極124,125がセラミック層を介して重なり合う部分により第2の容量取り出しユニットが構成されており、第2の非接続型内部電極125と第2の内部電極126とがセラミック層を介して重なり合う部分により第3の容量取り出しユニットが構成されている。そして、複数の第3の外部電極127A、128Aがセラミック積層体112の長さ方向において隔てられて形成されている。本実施形態においても、第3の外部電極127A,128Aと対向するように、図示されていない側の側面部分に、それぞれ、第3の外部電極が対向配置されている。そして、第3の外部電極127A,128Aにより、サージ電流に対する保護を図ることができる。
【0114】
また、本変形例においては、第1の容量取り出しユニットの外側端部が、一点鎖線V1で示す位置にあり、この部分では、第1の外部電極116により取り込まれている。第1の容量取り出しユニットの内側端部は、一点鎖線V2で示す位置にあり、第3の外部電極127Bともう一方の第3の外部電極により取り囲まれている。また、第2の容量取り出しユニットの一方端部は一点鎖線V3の位置にあり、第3の外部電極127Bと、外部電極127Bと対をなす第3の外部電極に囲まれている。第2の容量取り出しユニットの他方端部は一点鎖線V4で示す位置にあり、第3の外部電極128Bと、第3の外部電極128Bと対向配置された第3の外部電極に囲まれた位置にある。また、第3の容量取り出しユニットの内側端部は一点鎖線V5で示す位置にあり、第3の外部電極128Bと、外部電極128Bと対をなす第3の外部電極に囲まれている。第3の容量取り出しユニットの外側端部は、第2の外部電極127に囲まれた位置にある。従って、本変形例においても、電歪効果によるチップの変形を確実に防止することができる。
【0115】
図8は、第3の実施形態の積層コンデンサ111のさらに他の変形例を示す正面断面図である。本変形例の積層コンデンサ131では、複数の第1の内部電極132と、複数の第2の内部電極133とが、セラミック積層体112の長さ方向中央においてのみセラミック層を介して重なり合っている。従って、容量取り出しユニットの一方端部は、一点鎖線Z1で示す位置にあり、他方端部は一点鎖線Z2で示す位置にある。第3の外部電極7A及び対をなす第3の外部電極は、上記一点鎖線Z1,Z2で示す位置よりもセラミック積層体112の長さ方向外側に至るように形成されている。従って、容量取り出しユニットの両端を取り囲むように、第3の外部電極7B及び対をなす第3の外部電極が形成されているため、電歪効果によるセラミック積層体112の破損を抑制することができる。
【0116】
加えて、本実施形態では、第3の外部電極7Aにより、サージ電流からの保護を図ることができる。
【0117】
なお、本実施形態では、第2の内部電極133が形成されている位置に、第1のダミー電極134が形成されており、第1の内部電極132が形成されている高さ位置に第2のダミー電極135がそれぞれ形成されている。ダミー電極134,135は、特に設けられずともよい。
【0118】
前述した第2の実施形態の積層コンデンサ21からも明らかなように、本発明においてサージリーク電極として機能する第3の外部電極は様々な形態でセラミック積層体2の外表面に形成することができる。このような変形例を、図9〜図11に示す。
【0119】
図9(a)及び(b)に示す積層コンデンサ34では、第3の外部電極35,36は、上面2aには至っていないことを除いては、前述した外部電極7A,7Bと同様に形成されている。
【0120】
また、図10に示す積層コンデンサ37では、第3の外部電極38は、セラミック積層体2の上面2aを横断し、側面2e,2fに至り、かつ下面2b上を横断するように形成されている。すなわち、外部電極38は、セラミック積層体2を巻回するように形成されている。
【0121】
図9及び図10から明らかなように、第1,第2の外部電極5,6間に位置する電極部分を有する、サージリーク電極としての第3の外部電極は、様々な形態で形成され得る。
【0122】
図11(a)は、本発明の第4の実施形態に係る積層コンデンサの横断面図であり、図11(b)は、第4の実施形態の積層コンデンサの変形例を説明するための積層コンデンサの正面断面図である。
【0123】
図11(a)に示す積層コンデンサ41では、第3の外部電極7A,7Bは、第1の実施形態の第3の外部電極7A,7Bと同様に形成されている。本実施形態では、セラミック積層体2において、上面2a側、下面2b側及び側面2e,2f側に、それぞれ、内部電極積層部分のセラミック層よりも相対的に比誘電率が高い高誘電率層42a〜42dが設けられている。前述したように、沿面放電は、比誘電率が異なる材料間の界面で生じやすく、かつ比誘電率が高い材料の表面ほど、沿面放電が生じやすい。第4の実施形態では、セラミック積層体2の外表面が、上記高誘電率セラミック層42a〜42dで形成されているため、沿面放電がより一層生じやすくされており、従って、第3の外部電極7A,7Bと、例えば入力側外部電極としての第1の外部電極5または第2の外部電極6との間の放電が生じやすくされている。従って、サージ電流をより速やかにサージリーク回路に逃がすことができる。
【0124】
図11(b)に示す変形例の積層コンデンサ43では、セラミック積層体2の上面2a及び下面2b側にのみ高誘電率セラミック層44a,44bが設けられている。このように、高誘電率セラミック層44a,44bは、側面2e,2f側には設けられずともよい。
【0125】
もっとも、好ましくは、図11(a)に示したように、上面2a及び下面2b側だけでなく、側面2e,2f側にも高誘電率セラミック層42a〜42dを設けることにより、放電をより容易に起こさせることができ、望ましい。
【0126】
上記のような高誘電率セラミック層42a〜42d及び44a,44bを形成するセラミック材料については特に限定されず、内部電極同士が積層されている内側のセラミック層部分のセラミックスよりも比誘電率が高い適宜のセラミックスを用いることができる。
【0127】
前述してきた変形例では、1つの外部電極と1つの第2の外部電極とを有する積層コンデンサにつき説明したが、本発明は、第1,第2の外部電極が複数設けられている積層コンデンサにも適用することができる。このような変形例を図12(a)及び(b)〜図16を参照して説明する。
【0128】
図12(a)に示す積層コンデンサ51では、セラミックスよりなるセラミック積層体52が用いられている。セラミック積層体52は、図13に示す第1のセラミックグリーンシート53と、第2のセラミックグリーンシート54を適宜の枚数交互に積層し、上下に無地のセラミックグリーンシートを適宜の枚数積層して得られたセラミック積層体を焼成することにより得られている。第1のセラミックグリーンシート53においては、第1の内部電極55が導電ペーストの印刷により形成されており、第2のセラミックグリーンシート54には、同じく導電性ペーストの印刷により第2の内部電極56が形成されている。
【0129】
第1の内部電極55は、セラミックグリーンシート53の一方の側縁に引き出されている電極引き出し部55a,55bと、他方の側縁に引き出されている電極引き出し部55c,55dとを有する。また、内部電極56も、一方の側縁に引き出されている電極引き出し部56a,56bと、他方の側縁に引き出されている電極引き出し部56c,56dとを有する。
【0130】
図12(a)に示したセラミック積層体52は、上面52aと、下面52bと、第1〜第4の側面52c,52d、52e、52fを有する。上記電極引き出し部55a,55b,56a,56bは、最終的に、セラミック積層体52の第3の側面53cに引き出されている。そして、第3の側面53c上においては、上下方向に延びるように、第1の外部電極57,58と、第2の外部電極59,60とが形成されている。
【0131】
同様に、側面58f側においても、複数の第1の外部電極61,62と、複数の第2の外部電極63,64が形成されている。上記第1の外部電極57,58,61,62は、それぞれ、前述した電極引き出し部55a,55b,55c,55dに接続されており、第2の外部電極59,60,63,64は,電極引き出し部56a,56b,56c,56dに接続されている。
【0132】
従って、第1の外部電極57,58と、第2の外部電極59,60とがセラミック積層体52の長さ方向において交互に配置されており、同様に、第1の外部電極61,62と第2の外部電極63,64もまた、セラミック積層体52の第1,第2の側面52c,52dを結ぶ方向に長さ方向において交互に配置されている。
【0133】
本実施形態においては、第3の外部電極65が、隣り合う第1,第2の外部電極間に位置する電極部分を有するように形成されている。すなわち、第3の外部電極65は、セラミック積層体52の上面52aから、対向し合っている52c,52dを経て、下面52bに至るように形成されている。従って、側面52c側の外部電極57〜60と、側面52f側の外部電極61〜64との間に、第3の外部電極65が存在することとなる。また、第3の外部電極65は、セラミック積層体52の幅方向に延びる電極部分65a〜65cを有する。電極部分65a〜65cは、いずれも、隣り合う第1,第2の外部電極回り込み部間に至るように設けられている。例えば、第1の外部電極57と、第2の外部電極59のセラミック積層体52の上面52aにおける第1の回り込み部57aと、第2の回り込み部59aとの間に至るように、外部電極部分65aが設けられている。従って、第1,第2の外部電極58,59間においては、いずれか一方からサージ電流がいずれか他方に流れようとした場合、外部電極65に向って放電し、サージ電流が速やかに、第3の外部電極65からサージリーク回路に流されることになる。
【0134】
また、第3の外部電極65は、第2の主面に至る第3の回り込み部65d,65dを有する。回り込み部65d,65dは、第3の外部電極65の側面上に位置している部分から遠ざかるにつれて面積が小さくなる形状、すなわち半円形状とされている。従って、第3の回り込み部65dが、基板上の電極ランド等に導電性接着剤等により接合された際に、導電性接着剤が押し拡げられたとしても、他の部分の短絡のおそれが少ない。このように、面積が遠ざかるにつれて小さくなる形状としては、半円形状に限らず、半楕円形状であってもよい。
【0135】
図14(a)及び(b)は、本発明の積層コンデンサのさらに他の変形例の斜視図及び底面図である。積層コンデンサ71は、直方体状のセラミック積層体72を有する。セラミック積層体72は、図12に示す第1〜第4のセラミックグリーンシート73〜76を図示の順序で複数回積層する工程を経られて得られたセラミック積層体である。従って、セラミック積層体72内においては、第1の内部電極77,78と、第2の内部電極79,80とが図12に示すように交互に積層されている。
【0136】
セラミック積層体72においては、第3,第4の側面72e,72f上に、それぞれ、第1の外部電極81,82,83,84が形成されている。第1の外部電極81は、第1の内部電極78の電極引き出し部78aに引き出されており、第2の外部電極82が、第2の内部電極79の電極引き出し部79aに引き出されている。第1の外部電極83が、第1の内部電極77の電極引き出し部材77aに、第2の外部電極84が、第2の内部電極80の電極引き出し部80aに接続されている。
【0137】
本実施形態においても、第3の外部電極85が、第1の外部電極81,83と、第2の外部電極82、84との間に位置する電極部分を有するように形成されている。すなわち、外部電極81〜84は、セラミック積層体72の上面72a及び下面72bに至る第1,第2の回り込み部81a〜84aをそれぞれ有するが、第3の外部電極85は、上面72a上において、これらの回り込み部間に位置する部分を有するように、十字状の形状を有している。そして、第3の外部電極85は、側面72c,72dを経て、下面に至っている。第3の外部電極85は、第2の主面上に至っている第3の回り込み部85a,85aを有する。第3の回り込み部85a,85aは、第3の回り込み部65dと同様に、半円形状とされており、第3の外部電極本体部から遠ざかるにつれて面積が小さくなる形状とされている。
【0138】
他方、図16に示す変形例の積層コンデンサ91は、積層コンデンサ71のセラミック積層体72と類似した構造を有する。もっとも、積層コンデンサ91では、セラミック積層体92の第3の側面92eに、複数の第1の外部電極93,94が、第4の側面92fに、複数の第2の外部電極95,96が形成されている。外部電極93〜96は、それぞれ、第1,第2の回り込み部93a,94a,95a,96aを有する。回り込み部93a,94a,96aは、上面92aと、下面92bに設けられている。従って、第3の外部電極97は、上面92aにおいて、回り込み部93aと、95aとの間に位置するように、かつ外部電極98は、回り込み部94aと回り込み部94bとの間に位置するように設けられている。
【0139】
さらに、第3の外部電極97,98は、それぞれ、側面92cまたは側面92dを経由して、下面に至るように形成されている。
【0140】
図12〜図16に示した各変形例から明らかなように、本発明の積層コンデンサは、セラミック積層体の1つの側面に複数の極性が異なる外部電極が形成されている構造を有していてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0141】
【図1】(a)は、本発明の第1の実施形態の積層コンデンサを実装基板に実装した実装構造を示す正面図であり、(b)は、その平面図。
【図2】(a)は、本発明の第1の実施形態の積層コンデンサの横断面であり、(b)は、正面断面図であり、(c)は、その各部分の寸法を説明するため平面図。
【図3】(a)及び(b)は、第1の実施形態の積層コンデンサの斜視図及び第1の実施形態の積層コンデンサの製造に際し、セラミック積層体に第3の外部電極を形成する工程を説明するための部分切欠正面断面図。
【図4】放電距離と放電電圧との関係を示す図。
【図5】(a)及び(b)は、本発明の第2の実施形態に係る積層コンデンサを実装基板に実装してなる実装構造の正面図及び平面図。
【図6】(a)は、本発明の第3の実施形態の積層コンデンサの正面断面図であり、(b)及び(c)は、第3の実施形態の積層コンデンサを基板上に実装した実装構造の平面図及び模式的断面図。
【図7】第3の実施形態の積層コンデンサの変形例を示す正面断面図。
【図8】第3の実施形態の積層コンデンサの他の変形例を示す正面断面図。
【図9】(a)及び(b)は、本発明の積層コンデンサの他の変形例を説明するための斜視図及び底面図。
【図10】本発明の積層コンデンサさらに他の変形例を説明するための横断面図。
【図11】(a)は、本発明の第4の実施形態の積層コンデンサの横断面であり、(b)は、第4の実施形態の変形例に係る積層コンデンサの正面断面図。
【図12】(a)は、本発明の積層コンデンサのさらに他の変形例を説明するための斜視図であり、(b)は、該積層コンデンサの底面図。
【図13】図12に示した積層コンデンサを製造するのに用いられた複数枚のセラミックグリーンシート及びセラミックグリーンシート上に形成されている電極パターンを説明するための分解斜視図。
【図14】(a)は、本発明の積層コンデンサのさらに他の変形例を説明するための斜視図であり、(b)は、該積層コンデンサの底面図。
【図15】図14に示した積層コンデンサの製造に際して用意された複数枚のセラミックグリーンシート及びその上に形成される電極パターンを説明する分解斜視図。
【図16】本発明の積層コンデンサのさらに別の変形例を説明するための斜視図。
【図17】従来の積層コンデンサの一例を説明するための斜視図。
【図18】従来の積層コンデンサの他の例を説明するための斜視図。
【図19】従来のセラミック電子部品の実装構造の一例を示す正面断面図。
【符号の説明】
【0142】
1…積層コンデンサ
2…セラミック積層体
2a…上面(一方主面)
2b…下面(他方主面)
2c,2d…第1,第2の側面
2e,2f…第3,第4の側面
3…第1の内部電極
4…第2の内部電極
5…第1の外部電極
5a…第1の回り込み部
6…第2の外部電極
6a…第2の回り込み部
7…第3の外部電極
10…実装基板
11〜13…第1〜第3の電極ランド
14…サージリーク回路
21…積層コンデンサ
22…第3の外部電極
24…実装基板
25,26…第1,第2の電極ランド
27…リード線
28…サージリーク回路の電極
31…積層コンデンサ
32,33…第3の外部電極
34…積層コンデンサ
35,36…第3の外部電極
37…積層コンデンサ
38…第3の外部電極
41…積層コンデンサ
42a〜42d…高誘電率セラミック層
43…積層コンデンサ
44a、44b…高誘電率セラミック層
51…積層コンデンサ
52…セラミック積層体
52a…上面
52b…下面
52c,52d,52e,52f…第1〜第4の側面
53,54…セラミックグリーンシート
55…第1の内部電極
55a〜55d…電極引き出し部
56…第2の内部電極
56a〜56d…電極引き出し部
57,59,61,61…第1の外部電極
57a…第1の回り込み部
59,60,63,64…第2の外部電極
59a…第2の回り込み部
65…第3の外部電極
65a〜65c…外部電極部分
65d…第3の回り込み部
71…積層コンデンサ
72…セラミック積層体
72a…上面
72b…下面
72c,72d…第1,第2の側面
72e,72f…第3,第4の側面
73〜76…セラミックグリーンシート
77〜80…内部電極
77a〜80a…電極引き出し部
81,83…第1の外部電極
82,84…第2の外部電極
85…第3の外部電極
85a…第3の回り込み部
91…積層コンデンサ
92…セラミック積層体
92a…上面
92b…下面
92c〜92f…側面
93,94…第1の外部電極
95,96…第2の外部電極
96,98…第3の外部電極
111…積層コンデンサ
112…セラミック積層体
112a…上面
112b…下面
112c,112d…第1,第2の側面
112e,112f…第3,第4の側面
113…第1の内部電極
114…非接続型内部電極
115…第2の内部電極
116,117…第1,第2の外部電極
116a,117a…第1,第2の回り込み部
118A,118B…第3の外部電極
118a,118b…第3の回り込み部
121…積層コンデンサ
123…第1の内部電極
124…第1の非接続型内部電極
125…第2の非接続型内部電極
126…第2の内部電極
127A,128A…第3の外部電極
131…積層コンデンサ
132…第1の内部電極
133…第2の内部電極
134,135…ダミー電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向し合っている第1,第2の主面と、第1,第2の主面を結ぶ複数の側面とを有するセラミック積層体と、
前記セラミック積層体内において、前記第1,第2の主面に平行な方向に延びるように配置された第1の内部電極と、
前記内部電極とセラミック層を介して重なり合うように配置された第2の内部電極と、
前記第1の内部電極に電気的に接続されるように設けられた第1の外部電極と、
前記第2の内部電極に電気的に接続されるように設けられた第2の外部電極とを備え、第2の外部電極は第1の外部電極とは異なる電位に接続され、前記第2の主面側から実装される、積層コンデンサであって、
前記セラミック積層体の少なくとも前記第1の主面または前記側面において、前記第1の外部電極と第2の外部電極との間に位置する部分を有するように設けられた第3の外部電極をさらに備え、第3の外部電極は、前記第1の内部電極及び第2の内部電極のいずれにも電気的に接続されないように配置されている、積層コンデンサ。
【請求項2】
前記セラミック積層体の前記複数の側面が、対向し合っている第1,第2の側面と、対向し合っている第3,第4の側面とを有する、請求項1に記載の積層コンデンサ。
【請求項3】
前記第1の外部電極が前記第1の側面に形成されており、前記第2の外部電極が前記第2の側面に形成されている、請求項2に記載の積層コンデンサ。
【請求項4】
対向し合っている第1,第2の主面と、対向し合っている第1,第2の側面と、対向し合っている第3,第4の側面とを有するセラミック積層体と、
前記セラミック積層体内において、第1,第2の主面に平行な方向に延びるように形成された複数の内部電極と、
前記複数の内部電極の内のいずれかの内部電極に電気的に接続されるように前記セラミック積層体の第1の側面に設けられた第1の外部電極と、
前記複数の内部電極の内のいずれかの内部電極に電気的に接続されるように前記セラミック積層体の第2の側面に設けられた第2の外部電極とを備え、前記第2の外部電極は、前記第1の外部電極とは異なる電位に接続され、第2の側面側から実装されるように構成されており、前記セラミック積層体内において、異なる電位に接続される内部電極同士がセラミック層を介して重なり合うことにより、静電容量を取り出すための容量取り出しユニットが配置されている積層コンデンサであって、
前記セラミック積層体の少なくとも第1の主面または側面において、前記第1の外部電極と前記第2の外部電極との間であって、かつ、前記容量取り出しユニットの端部の内、第1,第2の外部電極によって囲まれていない容量取り出しユニットの端部が位置している部分の前記セラミック積層体外表面部分を覆うように設けられた第3の外部電極をさらに備え、前記第3の外部電極は、前記複数の内部電極のいずれにも電気的に接続されないように配置されている、積層コンデンサ。
【請求項5】
前記複数の内部電極として、前記セラミック積層体の第1の側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック積層体の前記第2の側面に引き出された第2の内部電極と、前記第1,第2の内部電極に対してセラミック層を介して重なり合うように配置されており、かつ前記セラミック積層体の第1,第2の側面に至っていない非接続型内部電極とを有し、前記第1の内部電極と前記非接続型内部電極とが重なり合っている部分により第1の容量取り出しユニットが構成されており、前記非接続型内部電極と前記第2の内部電極とが重なり合っている部分により第2の容量取り出しユニットが構成されている、請求項4に記載の積層コンデンサ。
【請求項6】
前記複数の内部電極として、前記セラミック積層体の第1の側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック積層体の第2の側面に引き出された第2の内部電極と、前記第1の内部電極にセラミック層を介して重なり合うように配置された第1の非接続型内部電極と、前記第1の非接続型内部電極及び前記第2の内部電極にセラミック層を介して重なり合うように配置された第2の非接続型内部電極とを有し、前記第1の内部電極と前記第2の非接続型内部電極とが重なり合っている領域により第1の容量取り出しユニットが構成されており、前記第1,第2の非接続型内部電極が重なり合っている部分により第2の容量取り出しユニットが構成されており、前記第2の非接続型内部電極と前記第2の内部電極とが重なり合っている部分により第3の容量取り出しユニットが構成されている、請求項4に記載の積層コンデンサ。
【請求項7】
前記複数の内部電極として、前記第1の側面に引き出された第1の内部電極と、前記セラミック積層体の第2の側面に引き出された第2の内部電極とを有し、第1,第2の内部電極がセラミック積層体内において、第1,第2の側面を結ぶ方向中央において第1,第2の内部電極が重なり合っている部分により前記容量取り出しユニットが構成されており、該容量取り出しユニットの前記第1の主面側端部及び第2の主面側端部が、前記第1,第2の外部電極よりもセラミック積層体の内側に位置している、請求項4に記載の積層コンデンサ。
【請求項8】
前記第1の外部電極が少なくとも前記第3の側面または前記第4の側面に回り込んだ第1の回り込み部を有し、
前記第2の外部電極が少なくとも前記第3の側面または前記第4の側面に回り込んだ第2の回り込み部を有し、
前記第3の外部電極は、前記セラミック積層体の前記第3の側面または第4の側面において、前記第1の回り込み部と前記第2の回り込み部との間に設けられていることを特徴とする、請求項3〜7のいずれか1項に記載の積層コンデンサ。
【請求項9】
前記第3の外部電極が、前記第2の主面に回り込む第3の回り込み部を有し、
前記第3の回り込み部は、前記第3の側面または前記第4の側面上に位置している前記第3の外部電極部分から遠ざかるにつれて面積が小さくなるような形状であることを特徴とする、請求項8に記載の積層コンデンサ。
【請求項10】
前記第3の回り込み部は、半円または半楕円形状であることを特徴とする、請求項9に記載の積層コンデンサ。
【請求項11】
前記第1の外部電極として、複数の第1の外部電極を有し、前記第2の外部電極として複数の第2の外部電極を有し、
前記セラミック積層体の第1の側面に、少なくとも1つの第1の外部電極及び少なくとも1つの第2の外部電極が形成されており、
前記第2の側面に、残りの第1の外部電極及び残りの第2の外部電極が形成されており、
前記第1,第2の外部電極が、セラミック積層体の第1の主面に至っている第1,第2の回り込み部をそれぞれ有し、
前記第3の外部電極が、前記第1の主面において、前記第1,第2の回り込み部間に至るように形成されている、請求項2〜10のいずれか1項に記載の積層コンデンサ。
【請求項12】
前記第3の外部電極が、前記第3の側面または前記第4の側面から前記第2の主面に回り込む第3の回り込み部を有し、
前記第3の回り込み部は、前記第3の側面または前記第4の側面上に位置している前記第3の外部電極部分から遠ざかるにつれて面積が小さくなるような形状であることを特徴とする、請求項11に記載の積層コンデンサ。
【請求項13】
前記第3の回り込み部は、半円または半楕円形状であることを特徴とする、請求項12に記載の積層コンデンサ。
【請求項14】
前記第3の外部電極が、前記セラミック積層体の第1の主面上のみに形成されている、請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層コンデンサ。
【請求項15】
前記セラミック積層体が、内部電極が積層されているセラミック層部分に比べて、比誘電率が相対的に高い高誘電率セラミック層を有し、該高誘電率セラミック層が、前記内部電極が積層されているセラミック層部分の積層方向外側に設けられている、請求項1〜14のいずれか1項に記載の積層コンデンサ。
【請求項16】
前記高誘電率セラミック層が、前記セラミック積層体の内部電極がセラミック層を介して積層されている部分の外側であって、前記セラミック積層体の側面側にも配置されている、請求項15に記載の積層コンデンサ。
【請求項17】
請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載された積層コンデンサと、
前記積層コンデンサを実装するための実装基板とからなり、
前記実装基板は、
前記第1の外部電極と電気的に接続される第1のランド電極と、
前記第2の外部電極と電気的に接続される第2のランド電極と、
前記第3の外部電極と電気的に接続される第3のランド電極とを備えることを特徴とする、積層コンデンサの実装構造。
【請求項18】
請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載された積層コンデンサと、
前記積層コンデンサを実装するための実装基板とからなり、
前記実装基板は、
前記第1の外部電極と電気的に接続される第1のランド電極と、
前記第2の外部電極と電気的に接続される第2のランド電極と、
前記第3の外部電極と電気的に接続される第3のランド電極とを備え、
前記第3の外部電極と前記第3のランド電極とが、半田または導電性接着剤により接続されていることを特徴とする、積層コンデンサの実装構造。
【請求項19】
請求項1〜16のいずれか1項に記載された積層コンデンサと、
前記積層コンデンサを実装するための実装基板とからなり、
前記実装基板は、
前記第1の外部電極と電気的に接続される第1のランド電極と、
前記第2の外部電極と電気的に接続される第2のランド電極と、
前記第3の外部電極電気的に接続される第3のランド電極とを備え、
前記第3の外部電極と前記第3のランド電極とが、ワイヤボンディングにより接続されていることを特徴とする、積層コンデンサの実装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2007−294839(P2007−294839A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−226553(P2006−226553)
【出願日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(000006231)株式会社村田製作所 (3,635)
【Fターム(参考)】