説明

空間位相フィーチャ・ロケーション

基板上のアラインメント・マークを突き止める方法を説明する。一般に、基板は、基板アラインメント・マークに隣接する1つまたは複数のロケータ・マークを含む。ロケータ・マークは、減らされた大きさの相対変位を伴ってリソグラフィ・システム内で基板をテンプレートと位置合わせするのに基板アラインメント・マークを使用できるように、基板アラインメント・マークの相対ロケーションを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、その両方が参照によって本明細書に組み込まれている、2007年12月5日に出願した米国仮出願第60/992416号の、米国特許法第119(e)(1)条の下での利益を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
ナノファブリケーションは、100ナノメートル以下程度のフィーチャを有する非常に小さい構造の製造を含む。ナノファブリケーションがかなり大きい影響を有してきた1つの応用例が、集積回路の処理である。半導体処理産業は、基板上に形成される単位面積あたりの回路を増やしながら、より高い製造歩留まりを求めて努力し続けており、したがって、ナノファブリケーションは、ますます重要になっている。ナノファブリケーションは、形成される構造の最小フィーチャ寸法の相次ぐ縮小を可能にしながら、より高いプロセス制御をもたらす。ナノファブリケーションが使用されてきた開発の他の領域は、バイオテクノロジ、光テクノロジ、機械システム、および類似物を含む。
【0003】
現在使用されている例示的なナノファブリケーション技法を、一般に、インプリント・リソグラフィと称する。例示的なインプリント・リソグラフィ・プロセスは、そのすべてが参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2004/0065976号、米国特許公開第2004/0065252号、および米国特許第6936194号など、多数の刊行物で詳細に説明されている。
【0004】
前述の2つの米国特許公開および米国特許のそれぞれで開示されるインプリント・リソグラフィ技法は、形成可能層(重合可能)内でのレリーフ・パターンの形成および基礎になる基板へのレリーフ・パターンに対応するパターンの転写を含む。基板を移動ステージに結合して、パターニング・プロセスを容易にするための所望の位置決めを得ることができる。パターニング・プロセスは、基板から離隔されたテンプレートおよびテンプレートと基板との間に適用される形成可能な液体を使用する。形成可能な液体は、固体化されて、形成可能な液体と接触するテンプレートの表面の形状に適合するパターンを有する堅固な層を形成する。固体化の後に、テンプレートは、堅固な層から分離され、テンプレートおよび基板が離隔される。基板および固体化された層は、その後、固体化された層内のパターンに対応するレリーフ・イメージを基板に転写するために、追加プロセスを受ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許公開第2004/0065976号
【特許文献2】米国特許公開第2004/0065252号
【特許文献3】米国特許第6936194号
【特許文献4】米国特許第6873087号
【特許文献5】米国特許第7157036号
【特許文献6】米国特許公開第2005/0187339
【特許文献7】米国特許第6932934号
【特許文献8】米国特許公開第2004/0124566号
【特許文献9】米国特許公開第2004/0188381号
【特許文献10】米国特許公開第2004/0211754号
【特許文献11】米国特許第7136150号
【特許文献12】米国特許第7070405号
【特許文献13】米国特許第6916584号
【特許文献14】米国特許公開第2004/0189996号
【0006】
本発明をより詳細に理解できるようにするために、本発明の実施形態の説明を、添付図面に示された実施形態を参照して行う。添付図面は、本発明の通常の実施形態のみを示し、したがって、範囲について限定的と考えられてはならないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明の実施形態によるリソグラフィ・システムを示す単純化された側面図である。
【図2】その上にパターニングされた層を配置された図1に示された基板を示す単純化された側面図である。
【0008】
【図3A】一方向に沿ったミスアラインメントを示す、基板と重ね合わされたテンプレートを示す単純化された立面図である。
【0009】
【図3B】2つの横方向に沿ったミスアラインメントを示す、基板と重ね合わされたテンプレートを示す上面図である。
【0010】
【図3C】角度ミスアラインメントを示す、基板と重ね合わされたテンプレートを示す上面図である。
【0011】
【図4A】フィールドの周りの複数のアラインメント測定ユニットを有する例示的なアラインメント・システムを示す単純化された上面図である。
【0012】
【図4B】基板を示す単純化された上面図である。
【0013】
【図5A】テンプレート・アラインメント・マークに隣接する例示的なロケータ・マークを示す図である。
【0014】
【図5B】基板アラインメント・マークに隣接する例示的なロケータ・マークを示す図である。
【図5C】基板アラインメント・マークに隣接する例示的なロケータ・マークを示す図である。
【図5D】基板アラインメント・マークに隣接する例示的なロケータ・マークを示す図である。
【0015】
【図6】イメージ・フレーム内のロケータ・マークのピクセル・ロケーションを識別する例示的な方法を示す流れ図である。
【0016】
【図7】イメージ・フレーム内のロケータ・マークのピクセル・ロケーションを識別するもう1つの例示的な方法を示す流れ図である。
【0017】
【図8】ロケータ・マークを使用してテンプレートを基板に位置合わせする例示的な方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図面、具体的には図1を参照すると、基板12上にレリーフ・パターンを形成するのに使用されるリソグラフィ・システム10が示されている。基板12を、基板チャック14に結合することができる。図示されているように、基板チャック14は、真空チャックである。しかし、基板チャック14を、真空、ピンタイプ、溝タイプ、静電気、電磁、および/または類似物を含むがこれらに限定はされない任意のチャックとすることができる。例示的なチャックは、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第6873087号に記載されている。
【0019】
基板12および基板チャック14を、さらに、ステージ16によって支持することができる。ステージ16は、x軸、y軸、およびz軸に沿った移動を実現することができる。ステージ16、基板12、および基板チャック14を、ベース(図示せず)上で位置決めすることもできる。
【0020】
基板12から離隔されているのが、テンプレート18である。テンプレート18は、そこから基板12に向かって延びるメサ20を含むことができ、メサ20は、その上にパターニング表面22を有する。さらに、メサ20を、モールド20と称する場合がある。その代わりに、テンプレート18を、メサ20なしで形成することができる。
【0021】
テンプレート18および/またはモールド20は、溶融石英、石英、珪素、有機重合体、シロキサン重合体、ホウケイ酸ガラス、フルオロカーボン重合体、金属、硬化サファイヤ、および/または類似物を含むがこれらに限定されない材料から形成することができる。図示されているように、パターニング表面22は、複数の離隔された凹窩24および/または突起26によって画定されるフィーチャを含むが、本発明の実施形態は、そのような構成に限定されない。パターニング表面22は、基板12上に形成されるパターンの基礎を形成する任意のオリジナル・パターンを画定することができる。
【0022】
テンプレート18をチャック28に結合することができる。チャック28は、真空、ピンタイプ、溝タイプ、静電気、電磁、および/または他の類似するチャック・タイプとして構成することができるが、これらに限定はされない。例示的なチャックは、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第6873087号にさらに記載されている。さらに、チャック28をインプリント・ヘッド30に結合することができ、チャック28および/またはインプリント・ヘッド30を、テンプレート18の移動を容易にするように構成することができる。
【0023】
システム10は、さらに、流体ディスペンス・システム(fluid dispense system)32を含むことができる。流体ディスペンス・システム32を使用して、基板12上に重合可能材料34を堆積することができる。重合可能材料34は、ドロップ・ディスペンス(drop dispense)、スピンコーティング、浸漬コーティング、化学蒸着(CVD)、物理蒸着(PVD)、薄膜析出、厚膜溶着、および/または類似物などの技法を使用して基板12上に配置することができる。重合可能材料34を、設計考慮事項に依存して、所望の体積がモールド20と基板12との間で画定される前および/または後に、基板12に配置することができる。重合可能材料34は、いずれもが参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第7157036号および米国特許公開第2005/0187339に記載されているように単量体混合物を含むことができる。
【0024】
図1および2を参照すると、システム10は、さらに、経路42に沿ってエネルギ40を向けるように結合されたエネルギ源38を含むことができる。インプリント・ヘッド30およびステージ16を、経路42に重ね合わせてテンプレート18および基板12を位置決めするように構成することができる。システム10を、ステージ16、インプリント・ヘッド30、流体ディスペンス・システム32、および/または源38と通信するプロセッサ54によって調整することができ、システム10は、メモリ56に格納されたコンピュータ可読プログラム上で動作することができる。
【0025】
インプリント・ヘッド30またはステージ16のいずれかあるいはその両方が、重合可能材料34によって充てんされる、モールド20と基板12との間の所望の体積を画定するために、その間の距離を変更することができる。たとえば、インプリント・ヘッド30は、モールド20が重合可能材料34と接触するように、テンプレート18に力を印加することができる。所望の体積が重合可能材料34によって充てんされた後に、源38は、エネルギ40、たとえば紫外線放射を作り、重合可能材料34に固体化させ、かつ/または架橋させ、基板12上でパターニングされた層46を画定する、基板12の表面44およびパターニング表面22の形状に適合される。パターニングされた層46は、残留層48ならびに突起50および凹窩52として図示された複数のフィーチャを含むことができ、突起50は、厚さt1を有し、残留層は、厚さt2を有する。
【0026】
上で述べたシステムおよびプロセスを、さらに、それぞれが参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第6932934号、米国特許公開第2004/0124566号、米国特許公開第2004/0188381号、および米国特許公開第2004/0211754号で言及されたインプリント・リソグラフィのプロセスおよびシステムで使用することができる。
【0027】
テンプレート18と基板12との間の所望のアラインメントを確かめることは、テンプレート18と基板12との間のパターン転写を容易にするのを助けることができる。図3Aを参照すると、テンプレート18と基板12との間の所望のアラインメントは、テンプレート18のアラインメント・マーク74が基板12のアラインメント・マーク72と重ね合わされる時に発生すると仮定される。たとえば、図3Aでは、テンプレート18と基板12との間の所望のアラインメントは、この2つのマークが距離Oだけオフセットされていることによって示されているように、発生していない。さらに、オフセットOは、一方向の線形オフセットとして示されているが、オフセットを、図3Bに示されたO1およびO2として示された2つの方向に沿って広げることができることを理解されたい。一方向または二方向の前述の線形オフセットに加えてまたはその代わりに、テンプレート18と基板12との間のオフセットを、図3Cで角度Θとして示されている、角度オフセットからなるものとすることもできる。複数のアラインメント・マークは、テンプレート18および基板12に追加される時に、組合せ(たとえば、倍率、スキュー、台形ひずみ、および類似物)で他のミスアラインメント項をも示すことができる。
【0028】
図4Aおよび4Bを参照すると、アラインメントを容易にするために、テンプレート18上のアラインメント・マーク74および基板12上のアラインメント・マーク72を利用するアラインメント・システム60を使用することができる。図4Aに、複数のアラインメント測定ユニット62(たとえば、顕微鏡)を有するアラインメント・システム60の単純化された図を示す。インプリント・リソグラフィ処理で使用されるアラインメント・マーク74および/または72ならびにアラインメント・システム60の例が、そのすべてが参照によって本明細書に組み込まれている米国特許第7136150号、米国特許第7070405号、米国特許第6916584号、および米国特許公開第2007/0231421号に詳細に記載されている。
【0029】
アラインメント・システム60を、フィールドごとのアラインメント・プロセスに使用することができる。図1、4A〜4B、5A〜Cに示されているように、インプリント中に、ステージ16およびインプリント・ヘッド30を、テンプレート18がメモリ56に格納された座標に基づいて基板12の所望のフィールド70上で方位を定められるように移動することができる。基板12の各フィールド70は、テンプレート18上のアラインメント・マーク74に対応する複数のアラインメント・マーク72を含むことができる。テンプレート18上のアラインメント・マーク74を、参照によって本明細書に組み込まれている米国特許公開第2004/0189996号に記載されているモアレ・パターンの評価によって、基板12上にインプリントされる特定のフィールド70のアラインメント・マーク72と位置合わせすることができる。フィールド70がインプリントされた後に、ステージ16を移動して、基板12の別のフィールド70上でテンプレート18の方位を定めることができる。したがって、アラインメントを、基板12の個々のフィールド70内で行うことができる。
【0030】
一般に、当技術分野では、モアレじまに関する関心領域の最適ロケーションは、手動で決定される。さらに、単一座標系の欠如は、一般に、あるカメラ・システムの座標系を別のカメラ・システムの座標系に位置合わせするために複数のオフセットが必要なので、アラインメントを複雑にする。さらに、これらのオフセットは、機械的ドリフト(たとえば、熱ドリフト)に敏感である可能性がある。
【0031】
モアレじまに関する関心領域の適切なロケーションをもたらすために、それぞれ基板12およびテンプレート18上のアラインメント・マーク72および/または74のロケーションを、1つまたは複数のロケータ・マーク76によって決定することができる。たとえば、アラインメント・マーク72および/または74に隣接するロケータ・マーク76の空間位相ロケーションを提供することによって、アラインメント・マーク72および/または74の相対ロケーションを決定することができる。一般に、ロケータ・マーク76のロケーションは、基準イメージを使用せずに決定することができ、機器にテンプレート18および/または基板12に関して移動させる可能性がある機械的振動に対して、より頑健である可能性がある。さらに、テンプレート18上のロケータ・マーク76を識別することによって、気体(たとえば、ヘリウム)がテンプレート18および基板12の環境内の屈折率を変更する時に見られる、誘導イメージ雑音干渉を減らすことができる。
【0032】
ロケータ・マーク76は、アラインメント・マーク72および/または74に実質的に類似する材料から、これに実質的に類似する形で形成することができる。ロケータ・マーク76は、全般的に、アラインメント・マーク72および74に隣接して配置され、アラインメント・マーク72および/または74のロケーションのレジストレーションを提供することができ、さらに、その場で、実質的にリアルタイムでアラインメント・マーク72および/または74のロケーションのレジストレーションをはかどらせることができる。たとえば、モアレじまは、一般に、リソグラフィ・システム10内にロードされた、基板12ではなくテンプレート18のみを用いて決定することができない。しかし、テンプレート18上のロケータ・マーク76のロケーションを、リソグラフィ・システム10内に基板12をロードせずに決定することができる。したがって、ロケータ・マーク76は、基板12のローディングの前にモアレじまがある可能性がある相対ロケーションを提供できる可能性がある。
【0033】
図5Aに、アラインメント・マーク72のコーナー領域に隣接する6つの別々のロケータ・マーク76の使用を示す。各ロケータ・マーク76を、幅wおよび高さhによって定義することができる。類似する形で、図5Bに、アラインメント・マーク74のコーナー領域に隣接する6つの別々のロケータ・マーク76の使用を示す。図5Cに、各ロケータ・マーク76がアラインメント・マーク72の少なくとも1つの側面に隣接する、2つのロケータ・マーク76の使用を示す。図5Dに、アラインメント・マーク72の少なくとも1つの側面に隣接する少なくとも1つのロケータ・マーク76を有し、周期性を示す、もう1つの例示的実施形態を示す。
【0034】
基板12および/またはテンプレート18上の1つまたは複数のロケータ・マーク76を使用して、基板12および/またはテンプレート18上の任意の関心領域を識別することができ、したがって、ロケータ・マーク76が、アラインメント・マーク72および/または74のロケーションおよびレジストレーションへの使用に限定されない可能性があることに留意されたい。しかし、説明を単純にするために、アラインメント・マーク72に関するロケータ・マーク76の使用を、下でさらに詳細に説明する。
【0035】
一般に、ロケータ・マーク76をアラインメント・システム60と共に使用して、ロケータ信号(たとえば、正弦波)を供給することができる。たとえば、ロケータ信号は、アラインメント・システム60によって処理される時に、4Hz正弦波を供給することができる。ロケータ・マーク76によって供給されるロケータ信号の周波数、位相、および/または振幅は、事前に決定されるものとすることができる。事前に決定されたロケータ信号を使用して、ロケータ・マーク76の位置を、イメージ・フレーム内で識別することができる。一般に、イメージ・フレームを検索して、ロケータ信号を識別し、したがって、ロケータ・マーク76のロケーションを提供することができる。
【0036】
図6に、イメージ・フレーム内のロケータ・マーク76のピクセル・ロケーションを識別する例示的な方法100の流れ図を示す。次のステップの一部を、MATLABまたは他の類似するコンピューティング環境内で提供できることに留意されたい。ステップ102で、ロケータ・マーク76の特性およびロケータ信号の特性を決定することができる。たとえば、周期の個数、ロケータ・マーク76の幅w、および/またはロケータ・マーク76の高さhを決定することができる。ステップ104で、ロケータ・マーク76を有する基板12の関心領域のイメージ・フレームを獲得することができる。このイメージ・フレームは、幅Wおよび高さHによって定義することができる。たとえば、このイメージ・フレームを、Wピクセル幅およびHピクセル高さとすることができる。ステップ106で、基板12のイメージ・フレームを、2次元イメージから1次元ベクトルにつぶすことができる。たとえば、イメージ・フレームを、
strip=avg(r:r+w,c:c+h) (式1)
を提供することによってつぶすことができ、ここで、イメージ・フレームが、Wピクセル幅およびHピクセル高さであり、ロケータ・マーク76が、wピクセル幅およびhピクセル高さなので、
c=1からW−wまで (式2)
r=1からH−hまで (式3)
である。ステップ108で、第N離散フーリエ変換(dft)を、
fc=dft(strip,N) (式4)
によって決定することができる。ステップ110で、フーリエ係数の大きさを
m(r,c)=abs(fc) (式5)
によって決定することができる。一般に、フーリエ係数の大きさの最大値mmaxは、当初は0である。ステップ112で、この値を、m(r,c)がmmaxより大きいかどうかを決定することによって継続的に更新することができる。m(r,c)がmmaxより大きい場合には、mmax=m(r,c)である。ステップ114で、フーリエ係数の位相を、
p(r,c)=angle(fc) (式6)
によって決定する。ステップ116で、大きさ(たとえば、c=1からW−wまで、r=1からH−hまで、およびm(r,c))を、0と1との間に正規化することができる。ステップ118で、位相値(たとえば、c=1からW−wまで、r=1からH−hまで、p(r,c))を、0と1との間に正規化することができる。ステップ120で、目的関数を使用して、正規化された大きさおよび位相値に基づいてロケータ・マーク76を識別することができる。たとえば、ロケータ・マーク76を、ピクセル・ロケーション(mr,mc)が一般にロケータ・マーク76のロケーションであり、mr=rかつmc=cになるように、
(m(r,c)+p(r,c))>mmax (式7)
を決定することによって識別することができる。
【0037】
図6に示された方法100は、この手順の多数の変形を使用できるので、ロケータ・マーク76のロケーションの識別の1つの例にすぎない。たとえば、行ストライドおよび列ストライドを調整して、ロケータ・マーク76を粗く突き止めることができる。さらに、目的関数を変更して、0.0以外の位相について最適化するようにバイアスをかけ、空間的に異なるコンポーネントを含むロケータ・マーク76の位置を突き止め、かつ/または他の類似する変更を行うことができる。
【0038】
図7は、イメージ・フレーム内のロケータ・マーク76のピクセル・ロケーションを識別するもう1つの方法200の流れ図である。一般に、ロケータ・マーク76のdftは、周期性の方向に沿ったロケータ・マーク76のロケーションを決定するのに使用することができる。たとえば、図5Dに示されているように、ロケータ・マーク76は、垂直方向および/または水平方向に沿った周期性を示す場合がある。図5Dでは、ロケータ・マーク76は、垂直方向に沿った周期性を示す(たとえば、約5周期)。dftの大きさを、この周期性で最大化することができる。したがって、各ロケータ・マーク76の水平ロケーションのロケーションを、所与のイメージ・フレームについて決定することができる。さらに、ロケータ・マーク76のロケーションを、ロケータ・マーク76とその1次元強度マップとの間の相互相関関数を最大化することによって決定することができる。たとえば、相互相関関数を使用して、各ロケータ・マーク76の垂直位置(たとえば、Y位置)を突き止めることができる。一般に、ロケータ・マーク76は、アラインメント・マーク72の少なくとも1つの側面にまたがる(たとえば、図5Bおよび5Dに示されたロケータ・マーク76)。
【0039】
ステップ202で、ロケータ・マーク76の特性およびロケータ信号の特性を決定することができる。たとえば、周期の個数、ロケータ・マーク76の幅w、および/またはロケータ・マーク76の高さhを決定することができる。ステップ204で、ロケータ・マーク76を有する基板12の関心領域のイメージ・フレームを獲得することができる。このイメージ・フレームは、幅Wおよび高さHによって定義することができる。たとえば、イメージ・フレームは、Wピクセル幅およびHピクセル高さとすることができる。ステップ206で、列cを、イメージ・フレームから識別することができる。ステップ208で、列cの第m dft係数を
col=イメージからの列c (式8)
fc=dft(col,m) (式9)
strip(c)+=abs(fc) (式10)
によって決定することができ、ここで、
binMax=round(H/Np)+1 (式11)
strip(1:W)=0 (式12)
for m=binMax−4からbinMax+4まで
であり、Npは、その周期性の方向(たとえば、図5Dの垂直方向)に沿ったロケータ・マーク76のピクセル周期の個数である。
【0040】
ステップ210で、ストリップ・データをフィルタリングすることができる。たとえば、ストリップ・データを、均一の単位重みおよび長さを有する移動平均ウィンドウによってフィルタリングすることができる。ステップ212で、フィルタリングされたストリップ・データの最大値(mv)および対応するインデックス(cmax)を決定することができる。ステップ214で、ロケータ・マーク76の水平位置を、
mc=cmax (式13)
として決定することができる。
【0041】
ステップ216で、ロケータ・マーク76のジオメトリを使用して、周期性の方向に沿ってロケータ・マーク76の類似する強度マップを有するベクトルT(1:H)を作成することができる。ステップ218で、関心領域内の列を、1次元ベクトルにつぶすことができる。ステップ220で、強度マップとつぶされた列との間の1次元正規化相互相関を決定することができる。ステップ222で、相互相関の最大値および対応するインデックスを決定することができる。ステップ224で、ロケータ・マーク76の垂直位置を、最大値オカレンス・インデックスから決定することができる。
【0042】
図8に、少なくとも1つのロケータ・マーク76を使用する基板12へのテンプレート18のアラインメントの例示的な方法300の流れ図を示す。ステップ302で、テンプレート18をリソグラフィ・システム10にロードすることができる。ステップ304で、各アラインメント測定ユニット62によって提供されるイメージ内の少なくとも1つのアラインメント・マーク74を提供するために、複数のアラインメント測定ユニット62を調整することができる。たとえば複数のアラインメント測定ユニット62を、各アラインメント測定ユニット62によって提供されるイメージの左上コーナーのテンプレート18の少なくとも1つのアラインメント・マーク74を提供するように調整することができる。ステップ306で、基板12をリソグラフィ・システム10にロードすることができる。ステップ308で、基板12および/またはテンプレート18を、基板12に対してテンプレート18を粗く見当合わせする(たとえば、重ね合わせて置く)ために調整することができる。ステップ310で、アラインメント・マーク72および/または74のロケーションを決定するために、ロケータ・マーク76を使用して、高分解能レジストレーションを実行することができる。高分解能レジストレーションは、約10nm精度でテンプレート18に対する基板12の相対変位を提供することができる。ステップ312で、そのすべてが参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第7136150号、米国特許第7070405号、米国特許第6916584号、および米国特許公開第2007/0231421号で詳細に説明されているように、アラインメント・マーク72および/または74ならびにアラインメント・システム60を使用して、基板12およびテンプレート18を位置合わせすることができる。ステップ314で、そのすべてが参照によって本明細書に組み込まれている、米国特許第6932934号、米国特許公開第2004/0124566号、米国特許公開第2004/0188381号、および米国特許公開第2004/0211754号に記載されているシステムおよびプロセスを使用して、フィールドを基板12上にインプリントすることができる。
【符号の説明】
【0043】
10 リソグラフィ・システム; 12 基板12; 14 基板チャック;
16 ステージ; 18 テンプレート; 20 モールド;
22 パターニング表面; 28 チャック; 30 インプリント・ヘッド;
32 流体ディスペンス・システム; 34 重合可能材料34;
38 エネルギ源; 40 エネルギ; 42 経路; 44 表面;
46 パターニングされた層; 50 突起; 54 プロセッサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モールド、複数のアラインメント・マーク、および複数のロケータ・マークを有するテンプレートを、リソグラフィ・システム内で基板に位置合わせする方法であって、
前記リソグラフィ・システムには、複数の調整可能なアラインメント測定ユニットを有するアラインメント・システムが含まれ、そのリソグラフィ・システム内でテンプレートを位置決めすることと、
少なくとも1つのアラインメント測定ユニットによって、イメージ・フレームを提供することと、
前記提供されるイメージ・フレーム内で少なくとも1つのテンプレート・アラインメント・マークおよび1つのテンプレート・ロケータ・マークを提供するために前記アラインメント測定ユニットを調整することと、
基板がテンプレートと重ね合わされるように、リソグラフィ・システム内で基板を位置決めすることと、
テンプレート・アラインメント・マークのロケーションを提供するために前記イメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを決定することと、
テンプレート・アラインメント・マークを使用してテンプレートを基板に位置合わせすることと
を含む、方法。
【請求項2】
前記イメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを決定することは、周期性の方向でロケータ・マークのロケーションを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記周期性の方向でロケータ・マークのロケーションを決定することは、ロケータ・マークとロケータ・マークから入手された1次元強度マップとの間の相互相関関数を最大にすることを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記イメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを決定することは、
ロケータ・マークの水平位置を識別することと、
ロケータ・マークの垂直位置を識別することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記イメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを決定することは、イメージ・フレーム内のロケータ・マークのピクセル・ロケーションを決定することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記提供されるイメージ・フレーム内で少なくとも1つのテンプレート・アラインメント・マークおよび1つのテンプレート・ロケータ・マークを提供するために前記アラインメント測定ユニットを調整することは、リソグラフィ・システム内に基板を位置決めする前に行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
テンプレートと基板との間で重合可能材料を位置決めすることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
重合可能材料を固体化することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記イメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを決定することは、テンプレート・アラインメント・マークのエッジのロケーションを提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
テンプレート・アラインメント・マークのロケーションを提供するために前記イメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを決定することは、リソグラフィ・システム内の基板の位置決めの前に発生する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
テンプレート上のアラインメント・マークを突き止める方法であって、前記テンプレートは、前記アラインメント・マークに隣接する複数のロケータ・マークを有しており、
複数の調整可能なアラインメント測定ユニットを有するアラインメント・システムを含むリソグラフィ・システム内で、テンプレートを位置決めすることと、
少なくとも1つのアラインメント測定ユニットによって、イメージ・フレームを提供することと、
前記提供されるイメージ・フレーム内で少なくとも1つのテンプレート・アラインメント・マークおよび少なくとも1つのテンプレート・ロケータ・マークを提供するために前記アラインメント測定ユニットを調整することと、
テンプレート・アラインメント・マークの相対ロケーションを提供するために前記イメージ・フレーム内のテンプレート・ロケータ・マークのロケーションを決定することと
を含む、方法。
【請求項12】
前記イメージ・フレーム内のテンプレート・ロケータ・マークのロケーションを決定することは、テンプレート・ロケータ・マークのピクセル・ロケーションを決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記イメージ・フレーム内のテンプレート・ロケータ・マークのロケーションを決定することは、周期性の方向でテンプレート・ロケータ・マークのロケーションを決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記周期性の方向でテンプレート・ロケータ・マークのロケーションを決定することは、テンプレート・ロケータ・マークとテンプレート・ロケータ・マークから入手された1次元強度マップとの間の相互相関関数を最大にすることを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
リソグラフィ・システム内に基板をロードすることであって、テンプレートは、基板に重ね合わされる、ロードすること
をさらに含み、テンプレート・アラインメント・マークの相対ロケーションを提供するために前記イメージ・フレーム内のテンプレート・ロケータ・マークのロケーションを決定することは、リソグラフィ・システム内の基板のロードの前に予測されたモアレじまの相対ロケーションを提供する
請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記テンプレートは、インプリント・テンプレートである、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
リソグラフィ・システム内でテンプレートを基板に位置合わせする方法であって、前記基板は、複数のアラインメント・マークおよび複数のロケータ・マークを有しており、
複数の調整可能なアラインメント測定ユニットを有するアラインメント・システムを含むリソグラフィ・システム内で、テンプレートを位置決めすることと、
少なくとも1つのアラインメント測定ユニットによって、イメージ・フレームを提供することと、
前記提供されるイメージ・フレーム内で少なくとも1つのテンプレート・アラインメント・マークおよび1つのテンプレート・ロケータ・マークを提供するために前記アラインメント測定ユニットを調整することと、
インプリント・テンプレートが基板と重ね合わされるように、リソグラフィ・システム内で基板を位置決めすることであって、前記基板は、複数の基板アラインメント・マークを有する、位置決めすることと、
前記提供されるイメージ・フレーム内のテンプレートのロケータ・マークのロケーションを決定することと、
前記提供されるイメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを使用して、少なくとも1つのテンプレート・アラインメント・マークに対する少なくとも1つの基板アラインメント・マークの相対変位の大きさを決定することと、
相対変位の大きさを実質的になくすために基板を調整することと、
テンプレート・アラインメント・マークおよび基板アラインメント・マークを使用してテンプレートを基板に位置合わせすることと
を含む、方法。
【請求項18】
前記イメージ・フレーム内のロケータ・マークのロケーションを決定することは、周期性の方向でロケータ・マークのロケーションを決定することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記周期性の方向でロケータ・マークのロケーションを決定することは、ロケータ・マークとロケータ・マップから入手された1次元強度マップとの間の相互相関関数を最大にすることを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
テンプレートと基板との間で重合可能材料を位置決めすることをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
重合可能材料を固体化することをさらに含む、請求項20に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2011−509516(P2011−509516A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536933(P2010−536933)
【出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2008/013395
【国際公開番号】WO2009/073206
【国際公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(503193362)モレキュラー・インプリンツ・インコーポレーテッド (94)
【Fターム(参考)】