説明

窒素原子を有する少なくとも1つのモノマーを含む水溶性または水分散性共重合体を含む水性製剤

本発明は、少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体およびそれと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体を共重合形態で含有する、カチオン生成基を有する少なくとも1つの水溶性または水分散性共重合体を含む水性製剤に関する。該製剤は、少なくとも1つの化粧料上許容される担体をも含み、pH 4〜pH 6の範囲のpHを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体およびそれと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体を共重合形態で含む、カチオン生成基を有する少なくとも1つの水溶性または水分散性共重合体と、少なくとも1つの化粧料上許容される担体とを含む水性製剤であって、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する、水性製剤に関する。
【0002】
本発明は更に、これらの水性製剤の使用およびそれらの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
化粧料上および製薬上許容される水溶性重合体は化粧品および医薬において広く使用されている。石鹸、クリームおよびローションにおいては、例えば、それらは通常、製剤化用物質、例えば増粘剤、泡安定剤または吸水剤として、あるいは他の成分の刺激作用を軽減するため又は有効成分の皮膚適用を改善するために使用される。
【0004】
髪(ヘア)用化粧品におけるそれらの働きは、髪の特性に影響を及ぼすことである。薬学においては、それらは、例えば固体薬形態のためのコーティング剤または結合剤として使用される。
【0005】
髪用化粧品の場合には、例えば、乾燥時および湿潤時の櫛通り、触感、光沢および外観を改善するための並びに髪に帯電防止特性を付与するためのコンディショナーとして、皮膜形成性重合体が使用される。構造上の理由により、負に帯電した髪の表面に対して、より大きな親和性を有し、髪の帯電を防止する、カチオン官能性を有する水溶性重合体をヘアコンディショナー中に使用することは公知である。種々のヘアトリートメント重合体の構造および作用様態がCosmetic & Toiletries 103 (1988) 23に記載されている。標準的な市販のカチオン性コンディショニング重合体としては、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、N-ビニルピロリドンに基づくカチオン性重合体、例えば、N-ビニルピロリドンと第四級化N-ビニルイミダゾールとの共重合体またはアクリルアミドとジアリルジメチルアンモニウムクロリドとの共重合体が挙げられる。
【0006】
髪型を整えるためには、例えば、ビニルラクタムホモ-および共重合体およびカルボキシレート基含有重合体が使用される。ヘアセット樹脂に要求される要件としては、例えば、高い湿度時の強力な保持能、弾性、髪の被洗浄能、製剤中の適合性、形成される皮膜(被膜)の可能な限り低い粘着性、およびそれで処理された髪の爽快感が挙げられる。
【0007】
複雑な特性プロフィールを有する製品を得ることはしばしば困難である。したがって、感覚的に確かめられうる良好な特性(例えば、爽快感)を髪および皮膚に与えると同時に良好なコンディショニング効果またはセット効果を有する実質的に滑らかで非粘着性の皮膜を形成しうる化粧料製剤が必要とされている。
【0008】
EP-A-670 333は、少なくとも1つの水溶性単量体、少なくとも1つの架橋剤ならびに適当な場合には疎水性および/または両親媒性単量体を重合分散剤の存在下に含む単量体混合物を重合させることにより入手可能な架橋水溶性重合体分散液を記載している。また、使用されうる水溶性単量体は、とりわけ、N-ビニルピロリドン、およびカチオン性の/カチオン化可能な基を有する単量体、例えばN-ビニルイミダゾールである。
【0009】
EP-A-929 285は、化粧料組成物中の成分としてビニルカルボキサミド単位とビニルイミダゾール単位とを共重合形態で含む水溶性共重合体の使用を教示している。
【0010】
WO 00/27893は、N-ビニルカルボキサミドおよび適当な場合にはコモノマー(この場合、とりわけ、N-ビニルピロリドン、N-ビニルイミダゾールおよびN-ビニルイミダゾール誘導体も挙げられる)に基づく水性重合体分散液を記載している。該重合は少なくとも1つの重合分散剤の存在下で生じる。
【0011】
WO 03/92640は、適当な場合には水溶性重合グラフトベースの存在下、アクリルアミドおよび/またはメタクリルアミドと更にそれと共重合可能な水溶性α,β-エチレン不飽和化合物との遊離基共重合により入手可能な少なくとも1つの水溶性共重合体を含む化粧料組成物に関する。
【0012】
先行技術から公知の化粧料用および医薬用製剤における改良が依然として必要とされている。これは、良好な皮膜形成特性に加えて製品のレオロジー特性の調節をも可能にする重合体を含む製剤に関して特に言えることであり、それらが例えばムース、フォームまたはジェル(ゲル)の形態で製剤化されうることを意味する。
【0013】
特に、髪の良好な被洗浄能、可能な限り低い粘着性および処理後の髪の爽快感により更に特徴づけられ、高湿度時でさえも強力な保持能をもたらすと同時に弾性に富む髪型を与える点で更に注目されうる改良されたセット特性を有する、ムースおよびフォーム用途に適した化粧料製剤を見出すことが、本発明の目的である。
【発明の開示】
【0014】
この目的は、少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体およびそれと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体を共重合形態で含む、カチオン生成基を有する少なくとも1つの水溶性または水分散性共重合体と、少なくとも1つの化粧料上許容される担体とを含む水性製剤であって、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する、水性製剤により達成される。
【0015】
したがって、本発明は、
A)a)少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体および
b)それと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体
を共重合形態で含む、カチオン生成基を有する少なくとも1つの水溶性または水分散性共重合体A)、ならびに、
B)少なくとも1つの化粧料上許容される担体
を含んでなる水性製剤であって、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する、水性製剤を提供する。
【0016】
本発明の目的においては、プロトン化されうる窒素原子は、プロトン化により、好ましくは酸の補助により、カチオン性電荷に変換されうる窒素原子である。
【0017】
pHの調節
pHは、水性溶液中のmol/l単位の水素イオン(H+)の濃度cの- log10を意味する、Sorensenにより導入された用語である。
【0018】
水のpH(中性pH範囲)は22℃で7.0である。pHは温度依存性であり、温度の上昇と共に減少する。pHは、pH電極(ガラス電極)を使用する、当業者に公知の電位差測定により、あるいは指示色素(pH紙、リトマス紙、pH棒)を使用する比色法により測定される。指示体の具体例はUllmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry, 6th edition, Vol. 17, p. 645-655に記載されている。電極を使用してpHを測定するためには、すべての商業的に入手可能なpHメーターが使用されうる。
【0019】
本発明の製剤のpHは、当業者に公知の前記方法により20〜25℃の温度で測定される。
【0020】
本発明においては、該水性製剤のpHはpH 4〜pH 6の範囲の値を有する。好ましくは、このpHは、ブレンステッド酸を加えることにより調節される。好ましいブレンステッド酸は水溶性の有機および無機酸である。
【0021】
考えられうる有機酸としては、所望により置換されていてもよい脂肪族および芳香族一塩基および多塩基カルボン酸、所望により置換されていてもよい脂肪族および芳香族一塩基および多塩基スルホン酸、または所望により置換されていてもよい脂肪族および芳香族一塩基および多塩基リン酸が挙げられうる。
【0022】
好ましい有機酸はヒドロキシカルボン酸、すなわち、1以上のH原子がヒドロキシル基により置換されたカルボン酸誘導体である。
【0023】
ヒドロキシカルボン酸の具体例としては、グリコール酸、乳酸、酒石酸およびクエン酸が挙げられうる。
【0024】
したがって、ヒドロキシ酸、特に好ましくは乳酸を加えることにより、該製剤のpHを調節することが好ましい。
【0025】
挙げられうる好ましい無機酸は、リン酸、ホスホン酸、硫酸、亜硫酸および塩酸である。
【0026】
好ましい実施形態においては、該水性製剤のpHは、少なくとも4.5、好ましくは5、特に好ましくは5.2、特に5.4、かつ、多くとも6、好ましくは5.8、特に5.6の値を有する。しかし、本発明においては、pHは、好ましくは、5.1、5.3、5.5、5.7または5.9の値をも有しうる。
【0027】
本発明においては、該製剤のpHは、好ましくは、成分Aの製造が完了した時点、すなわち、該重合が完了した時点で調節される。
【0028】
成分Aの製造は、該製剤中の未反応単量体の含量が成分Aの全質量に対して5未満、好ましくは2未満、特に好ましくは0.1未満、非常に特に好ましくは0.05未満である場合に、完了したとみなされる。
【0029】
本発明においては、該製剤のpHは、成分Aの製造が完了した後の任意の時点で調節されうる。
【0030】
本発明においては、成分Aの製造が完了した後の水性製剤のpHの調節に加えて、成分Aの製造の前または途中に単量体溶液のpHもpH 6〜pH 7の範囲の値に調節されうる。
【0031】
したがって、重合の前または途中に単量体種のpHをpH 6〜pH 7の範囲の値に調節すること、および本発明に従い重合が完了した際に該水性製剤のpHをpH 4〜pH 6に調節することが有利でありうる。
【0032】
したがって、本発明は更に、4〜6の範囲の値へのpH調節を成分A)の製造が完了した後に行う、本発明の製剤の製造方法を提供する。
【0033】
特に好ましい実施形態においては、該製剤がその適用形態(例えば、ジェル、フォーム、スプレー、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、ローション、乳液またはペースト製剤)に既になった後で該製剤のpHを調節する。
【0034】
したがって、本発明においては、化粧料上許容されるジェル、フォーム、スプレー、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、ローション、乳液またはペースト製剤に対してpH調節を行う。
【0035】
本発明の目的においては、「アルキル」なる表現は直鎖および分枝アルキル基を含む。本発明に適した短鎖アルキル基としては、例えば直鎖または分枝C1-C7-アルキル、好ましくはC1-C6-アルキル、特に好ましくはC1-C4-アルキル基が挙げられる。これらには、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、2-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、2-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、1,2-ジメチルプロピル、1,1-ジメチルプロピル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、2-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1-エチル-2-メチルプロピル、n-ヘプチル、2-ヘプチル、3-ヘプチル、2-エチルペンチル、1-プロピルブチル、オクチルなど含まれる。
【0036】
適当な長鎖C8-C30-アルキルおよびC8-C30-アルケニル基としては、直鎖および分枝アルキルならびにアルケニル基が挙げられる。これらは、好ましくは、天然または合成脂肪酸ならびに脂肪アルコールおよびオキソアルコールにおいても見出される主として直鎖アルキル基であり、これらは、適当な場合には更に、一、二または多不飽和でありうる。これらには、例えば、n-ヘキシル(エン)、n-ヘプチル(エン)、n-オクチル(エン)、n-ノニル(エン)、n-デシル(エン)、n-ウンデシル(エン)、n-ドデシル(エン)、n-トリデシル(エン)、n-テトラデシル(エン)、n-ペンタデシル(エン)、n-ヘキサデシル(エン)、n-ヘプタデシル(エン)、n-オクタデシル(エン)、n-ノナデシル(エン)など含まれる。
【0037】
シクロアルキルは、好ましくはC5-C8-シクロアルキル、例えばシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルである。
【0038】
アリールは非置換および置換アリール基を包含し、好ましくは、フェニル、トリル、キシリル、メシチル、ナフチル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニル、特にフェニル、トリル、キシリルまたはメシチルである。
【0039】
以下においては、アクリル酸およびメタクリル酸に由来する化合物は、アクリル酸由来の化合物に音節「(メタ)」を付け加えることにより略称することがある。
【0040】
本発明の製剤は通常の条件下でフォーム(泡)として有利に製剤化されうる。
【0041】
本発明の目的においては、水溶性単量体および重合体は、20℃で少なくとも1g/lの量で水に溶解する単量体および重合体を意味すると理解される。
【0042】
水分散性単量体および重合体は、せん断力の適用下(例えば、攪拌により)分散性粒子に崩壊する単量体および重合体を意味すると理解される。
【0043】
親水性単量体は、好ましくは、水溶性または少なくとも水分散性である。
【0044】
共重合体A)を製造するためには、少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する単量体、特にN-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、ならびにα,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸と少なくとも1つの第一級もしくは第二級アミノ基を有するジアミンとのアミドを使用する。したがって、本発明の好ましい実施形態においては、共重合体A)は、N-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、ならびにα,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸と非第四級化形態の少なくとも1つの第一級もしくは第二級アミノ基を有するジアミンとのアミドから選ばれる、少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体を含む。
【0045】
これに関して、「第四級化形態」は、プロトン化によってではなく例えばアルキル化により生じる、窒素原子のカチオン電荷状態を意味すると理解される。
【0046】
共重合体A)の製造のために、非荷電N-ビニルイミダゾール(誘導体)とは異なる他の荷電N-ビニルイミダゾール(誘導体)を使用することも可能である。さらに、N-ビニルイミダゾール(誘導体)とは異なる他のカチオン生成性および/またはカチオン性単量体(すなわち、非、部分または完全プロトン化および/または第四級化形態の他の単量体)を使用することが可能である。
【0047】
好ましくは、共重合体A)は、共重合形態でアニオン生成性および/またはアニオン性基を有する単量体を含まない。
【0048】
単量体a)
本発明の製造において使用する共重合体A)は、該重合に使用する単量体の総重量に対して好ましくは0.5〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%、非常に特に好ましくは3〜20重量%、特に3〜15重量%の少なくとも1つの単量体a)を共重合形態で含む。特定の実施形態においては、単量体a)の含量は多くとも25重量%である。
【0049】
本発明の製剤中で使用する共重合体A)は、共重合形態で、少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体を含む。
【0050】
少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する好ましい単量体は一般式(I)のN-ビニルイミダゾール化合物である。したがって、特に好ましくは、共重合体A)は、単量体a)として、一般式(I)
【化1】

【0051】
(式中、R7〜R9は、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキルまたはフェニルである)
の少なくとも1つのN-ビニルイミダゾール化合物を共重合形態で含む。
【0052】
一般式(I)の化合物の具体例を以下の表1に示す。
【表1】

【0053】
非常に特に好ましい単量体a)は1-ビニルイミダゾール(N-ビニルイミダゾール)である。
【0054】
また、使用されうるプロトン化されうる単量体a)は、一般式(II)
【化2】

【0055】
のアミノアルキルアクリレートおよびメタクリレートならびにアミノアルキルアクリルアミドおよび-メタクリルアミドである。
ここで、R14およびR15は、互いに独立して、水素、C1-C8直鎖または分枝アルキル、メトキシ、メトキシ、エトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-メトキシエトキシおよび2-エトキシエチルよりなる群から選ばれ、好ましくは、水素、メチルまたはエチルである。
R17は水素またはメチルである。
R18は、アルキルにより所望により置換されていてもよい、1〜24個の炭素原子を有するアルキレンまたはヒドロキシアルキレン、好ましくはC2H4、C3H6、C4H8、CH2-CH(OH)-CH2である。
gは0または1である。
Zは、gが1である場合には窒素であり、あるいはgが0である場合には酸素である。
R25およR26は、各場合に、互いに独立して、水素、C1-C40直鎖または分枝アルキル、ホルミル、C1-C10直鎖または分枝アシル、N,N-ジメチルアミノエチル、2-ヒドロキシエチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、エトキシプロピルまたはベンジルよりなる群から選ばれ、好ましくは、水素、メチル、エチル、n-プロピルおよびベンジルである。
【0056】
該アミドは、非置換体、N-アルキル-またはN-アルキルアミノ-モノ置換体またはN,N-ジアルキル置換体またはN,N-ジアルキルアミノジ置換体として存在することが可能であり、ここで、該アルキルまたはアルキルアミノ基はC1-C40直鎖、C3-C40分枝鎖またはC3-C40炭素環単位に由来する。
【0057】
式(II)の好ましいプロトン化されうるコモノマーa)としては、N,N-ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノヘキシル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノオクチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0058】
好ましいものとしては、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N-[2-(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミド、N-[8-(ジメチルアミノ)オクチル]メタクリルアミド、N-[12-(ジメチルアミノ)ドデシル]メタクリルアミド、N-[3-(ジエチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドおよびN-[3-(ジエチルアミノ)プロピル]アクリルアミドも挙げられる。
【0059】
非常に好ましいものとしては、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-メチルアミノエチルメタクリレート、N-[3-(メチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、アミノエチルメタクリレートおよびN-[3-アミノプロピル]メタクリルアミドが挙げられる。
【0060】
特に、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミドが好ましい。
【0061】
また、プロトン化されうる単量体a)は、一般式(III)
【化3】

【0062】
(式中、R27は水素またはC1-C24アルキルである)のジアリルアミンからも選ばれうる。特に好ましいものとしては、N,N-ジアリルアミンおよびN,N-ジアリル-N-メチルアミン、特にN,N-ジアリル-N-メチルアミンが挙げられる。
【0063】
また、単量体a)は、1,3-ジビニルイミダゾリド-2-オンまたは一般式(IV):
【化4】

【0064】
のN-ジ置換ビニルアミンのような化合物から選ばれうる。
ここで、R14およびR15は、互いに独立して、水素、C1-C8直鎖または分枝アルキル、メトキシ、エトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-メトキシエトキシおよび2-エトキシエチルよりなる群から選ばれ、好ましくは、水素、メチルまたはエチルである。
【0065】
nは0、1または2である。
R28は、水素、C1-C40直鎖または分枝アルキル基、ホルミル、C1-C10直鎖または分枝アシル、N,N-ジメチルアミノエチル、2-ヒドロキシエチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、ヒドロキシプロピル、メトキシプロピル、エトキシプロピルまたはベンジル、好ましくはメチル、エチル、n-プロピルおよびベンジルである。n=0の場合には、両方がR28基は同時に水素となることはない。
【0066】
単量体b)
本発明の製造において使用する共重合体A)は、該重合に使用する単量体の総重量に対して好ましくは20〜99.5重量%、特に好ましくは20〜70重量%、特に30〜70重量%の、それと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体b)を共重合形態で含む。特定の実施形態においては、単量体b)の含量は少なくとも50重量%である。
【0067】
単量体b1)
好ましくは、共重合体A)は更に、少なくとも1つのN-ビニルラクタム b1)を共重合形態で含む。適当な単量体b1)は非置換N-ビニルラクタム、およびN-ビニルラクタム誘導体であり、これは例えば1以上のC1-C6-アルキル置換基、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどを有しうる。これらには、例えばN-ビニルピロリドン、N-ビニルピペリドン、N-ビニルカプロラクタム、N-ビニル-5-メチル-2-ピロリドン、N-ビニル-5-エチル-2-ピロリドン、N-ビニル-6-メチル-2-ピペリドン、N-ビニル-6-エチル-2-ピペリドン、N-ビニル-7-メチル-2-カプロラクタム、N-ビニル-7-エチル-2-カプロラクタムなど及びそれらの混合物が含まれる。
【0068】
N-ビニルピロリドン、N-ビニルカプロラクタムまたはそれらの混合物を使用することが好ましい。
【0069】
特定の実施形態においては、本発明の製剤は、成分A)として、前記単量体a)およびb1)の単量体単位のみよりなる共重合体を含む。
【0070】
したがって、好ましくは、これらの共重合体A)は、0.5〜40重量%、特に好ましくは1〜30重量%、特に3〜20重量%の少なくとも1つの単量体a)を共重合形態で含む。したがって、これらの共重合体A)は、好ましくは、60〜99.5重量%、特に好ましくは70〜99重量%、特に80〜97重量%の少なくとも1つのb)を共重合形態で含む。
【0071】
好ましい実施形態においては、本発明の製剤は、成分A)として、前記単量体a)およびb1)に加えて、それらとは異なる少なくとも1つの他の単量体b2)を共重合形態で含む共重合体を含む。
【0072】
単量体b2)
共重合体A)は更に、成分a)およびb1)とは別のそれらと共重合しうる少なくとも1つのノニオン性水溶性単量体b2)を含みうる。
【0073】
好ましくは、単量体b2)の含量は、該重合に使用する単量体の総重量に対して0〜50重量%、特に好ましくは5〜50重量%、特に10〜40重量%である。
【0074】
好ましくは、成分b2)は、
b2.1) 飽和C1-C8-モノカルボン酸のN-ビニルアミド、
b2.2) アミド基のカルボニル炭素原子に加えて多くとも8個の追加的炭素原子を有する、α,β-エチレン不飽和モノカルボン酸およびそのN-アルキルおよびN,N-ジアルキル誘導体の第一級アミド、
b2.3) α,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とジオールとのエステル、
b2.4) 第一級または第二級アミノ基を有するアミノアルコールとα,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とのアミド、
b2.5) ポリエーテルアクリレート
およびそれらの混合物から選ばれる。
【0075】
単量体b2.1)として適した開鎖状N-ビニルアミド化合物としては、例えば、N-ビニルホルムアミド、N-ビニル-N-メチルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド、N-ビニル-N-メチルアセトアミド、N-ビニル-N-エチルアセトアミド、N-ビニルプロピオンアミド、N-ビニル-N-メチルプロピオンアミドおよびN-ビニルブチルアミドが挙げられる。
【0076】
適当な単量体b2.2)は、例えばアクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(tert-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミドおよびモルホリニル(メタ)アクリルアミドであり、ここで、(メタ)アクリルアミドが好ましく、メタクリルアミドが特に好ましい。
【0077】
適当な単量体b2.3)は、例えば2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシエチルエタクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシプロピルアクリレート、3-ヒドロキシプロピルメタクリレート、3-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシブチルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、6-ヒドロキシヘキシルアクリレート、6-ヒドロキシヘキシルメタクリレート、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルアクリレートおよび3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルメタクリレートである。
【0078】
適当なb2.4)は、例えば2-ヒドロキシエチルアクリルアミド、2-ヒドロキシエチルメタクリルアミド、2-ヒドロキシエチルエタクリルアミド、2-ヒドロキシプロピルアクリルアミド、2-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3-ヒドロキシプロピルアクリルアミド、3-ヒドロキシプロピルメタクリルアミド、3-ヒドロキシブチルアクリルアミド、3-ヒドロキシブチルメタクリルアミド、4-ヒドロキシブチルアクリルアミド、4-ヒドロキシブチルメタクリルアミド、6-ヒドロキシヘキシルアクリルアミド、6-ヒドロキシヘキシルメタクリルアミド、3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルアクリルアミドおよび3-ヒドロキシ-2-エチルヘキシルメタクリルアミドである。
【0079】
適当な単量体b2.5)はポリエーテルアクリレートであり、これは、本発明の目的においては、一般には、α,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とポリエーテロール(polyetherol)とのエステルを意味すると理解される。適当なポリエーテロールは、エーテル結合を含む末端ヒドロキシル基を有する直鎖状または分枝状物質である。一般には、それらは約150〜20 000の範囲の分子量を有する。適当なポリエーテロールはポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラヒドロフランおよびアルキレンオキシド共重合体である。アルキレンオキシド共重合体の製造のための適当なアルキレンオキシドは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、エピクロロヒドリン、1,2-および2,3-ブチレンオキシドである。アルキレンオキシド共重合体は共重合アルキレンオキシド単位をランダム分布形態またはブロック形態で含みうる。好ましいのはエチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体である。
【0080】
成分b2.5)としては、一般式V
【化5】

【0081】
のポリエーテルアクリレートが好ましい。
ここで、アルキレンオキシド単位の順序は任意である。
kおよびlは、互いに独立して、0〜1000の整数であり、kとlとの和は少なくとも5である。
R4は水素、C1-C30-アルキルまたはC5-C8-シクロアルキルである。
R5は水素またはC1-C8-アルキルである。
Y2はOまたはNR6であり、ここで、R6は水素、C1-C30-アルキルまたはC5-C8-シクロアルキルである。
【0082】
好ましくは、kは1〜500、特に3〜250の整数である。好ましくは、lは0〜100の整数である。
【0083】
好ましくは、R5は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルまたはn-ヘキシル、特に水素、メチルまたはエチルである。
【0084】
好ましくは、式IV中のR4は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ラウリル、パルミチルまたはステアリルである。
【0085】
好ましくは、式IV中のY2はOまたはNHである。
【0086】
適当なポリエーテルアクリレートb2.5)は、例えば、前記α,β-エチレン不飽和モノおよび/またはジカルボン酸およびそれらの酸クロリド、酸アミドおよび無水物とポリエーテロールとの縮合重合産物である。適当なポリエーテロールは、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシドおよび/またはエピクロロヒドリンを開始分子、例えば水または短鎖アルコールR4-OHと反応させることにより容易に製造されうる。該アルキレンオキシドは、個別に又は次から次へと交互に又は混合物として使用されうる。本発明で使用する重合体を製造するために、ポリエーテルアクリレートc)を単独で又は混合物中で使用することが可能である。
【0087】
また、適当なポリエーテルアクリレートb2.5)は、アルキレンオキシド基を有するウレタン(メタ)アクリレートである。そのような化合物はDE 198 38 851 (成分e2))(その全体を参照により本明細書に組み入れる)に記載されている。
【0088】
前記単量体b2)は単独で又は任意の混合物の形態で使用されうる。
【0089】
本発明の好ましい実施形態においては、該製剤は、成分Aとして、5〜15重量%の単量体a)、30〜70重量%の単量体b1)および20〜35重量%の単量体b2)を共重合形態で含むターポリマーを含む。ただし、単量体a)〜b2)の量の和は100重量%である。
【0090】
単量体b3)
共重合体A)は更に、カチオン性親水性基を有するα,β-エチレン不飽和水溶性化合物から選ばれる、a)、b1)およびb2)とは異なる少なくとも1つの水溶性単量体b3)を共重合形態で含みうる。
【0091】
好ましくは、単量体b3)の含量は、該重合に使用する単量体の総重量に対して0〜30重量%、特に好ましくは0〜20重量%、特に0〜10重量%である。
【0092】
成分b3)のカチオン性基は、好ましくは、窒素含有基、例えば第四級アンモニウム基である。
【0093】
これらの荷電カチオン性基は、例えば成分a)に関して前記で特定されているアルキル化剤を使用する第四級化によりアミン窒素から生じうる。アルキル化剤の具体例としては、C1-C4-アルキル ハリドまたはスルフェート、例えばエチルクロリド、エチルブロミド、メチルクロリド、メチルブロミド、ジメチルスルフェートおよびジエチルスルフェートが挙げられる。第四級化は、一般には、該重合の前または後に行われうる。
【0094】
適当な単量体b3)は、成分a)を第四級化することにより入手可能な化合物である。そのような荷電単量体b3)の具体例としては、第四級化N-ビニルイミダゾール、特に3-メチル-1-ビニルイミダゾリウム クロリドおよびメトスルフェートが挙げられる。
【0095】
適当な化合物b3)としては、α,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とアミノアルコールとのエステルの第四級化生成物も挙げられる。好ましいアミノアルコールは、アミン窒素上でC1-C8-ジアルキル化されたC2-C12-アミノアルコールである。これらのエステルの酸成分として適当なものとしては、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸、モノブチルマレートおよびそれらの混合物が挙げられる。アクリル酸、メタアクリル酸およびそれらの混合物を酸成分として使用するのが好ましい。
【0096】
好ましい単量体b3)は、N,N-ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N-ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレートおよびN,N-ジメチルアミノシクロヘキシル(メタ)アクリレートの第四級化生成物である。
【0097】
適当な単量体b3)としては、前記α,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸と少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を有するジアミンとのアミドの第四級化生成物も挙げられる。1つの第三級アミノ基と1つの第一級または第二級アミノ基を有するジアミンが好ましい。
【0098】
適当な単量体b3)としては、例えばN-[2-(ジメチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル]メタクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]アクリルアミド、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)ブチル]メタクリルアミド、N-[2-(ジエチルアミノ)エチル]アクリルアミド、N-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]アクリルアミドおよびN-[4-(ジメチルアミノ)シクロヘキシル]メタクリルアミドの第四級化生成物が挙げられる。
【0099】
適当な単量体b3)としては、N,N-ジアリルアミンおよびN,N-ジアリル-N-アルキルアミンの第四級化生成物も挙げられる。この場合のアルキルは、好ましくは、C1-C24-アルキルである。好ましくは、N,N-ジアリル-N,N-ジメチルアンモニウム化合物、例えばクロリドおよびブロミドである。これらには特にN,N-ジアリル-N,N-ジメチルアンモニウムクロリド (DADMAC)が含まれる。
【0100】
適当な単量体b)としては、種々のビニル-およびアリル-置換窒素複素環、例えば2-および4-ビニルピリジン、2-および4-アリルピリジンの第四級化生成物も挙げられる。
【0101】
前記単量体b3)は、各場合において、単独で又は任意の混合物として使用されうる。
【0102】
本発明の好ましい実施形態においては、該製剤は、成分Aとして、5〜15重量%の単量体a)、30〜70重量%の単量体b1)、20〜35重量%の単量体b2)および0〜10重量%の単量体b3)を共重合形態で含む重合体を含む。ただし、単量体a)〜b3)の量の和は100重量%である。
【0103】
単量体c)
共重合体A)は更に、単量体a)〜b3)とは異なる少なくとも1つの単量体c)を共重合形態で含みうる。該追加的単量体c)は、好ましくは、α,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とC1-C30-アルカノールとのエステル、N-アルキル-およびN,N-ジアルキルアミド、アミド基のカルボニル炭素原子に加えて少なくとも9個の他の炭素原子を有するα,β-エチレン不飽和モノカルボン酸、ビニルアルコールおよびアリルアルコールとC1-C30-モノカルボン酸とのエステル、ビニルエーテル、ビニル芳香族化合物、ビニルハライド、ビニリデンハライド、C1-C8-モノオレフィン、少なくとも2つの共役二重結合を有する非芳香族炭化水素、ならびにそれらの混合物から選ばれる。
【0104】
好ましくは、単量体c)の含量は、該重合に使用する単量体の総重量に対して0〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%である。
【0105】
適当な追加的単量体c)としては、メチル (メタ)アクリレート、メチル エタクリレート、エチル (メタ)アクリレート、エチル エタクリレート、n-ブチル (メタ)アクリレート、tert-ブチル (メタ)アクリレート、tert-ブチル エタクリレート、n-オクチル (メタ)アクリレート、1,1,3,3-テトラメチルブチル (メタ)アクリレート、エチルヘキシル (メタ)アクリレート、n-ノニル (メタ)アクリレート、n-デシル (メタ)アクリレート、n-ウンデシル (メタ)アクリレート、トリデシル (メタ)アクリレート、ミリスチル (メタ)アクリレート、ペンタデシル (メタ)アクリレート、パルミチル (メタ)アクリレート、ヘプタデシル (メタ)アクリレート、ノナデシル (メタ)アクリレート、アラキニル (メタ)アクリレート、ベヘニル (メタ)アクリレート、リグノセレニル (メタ)アクリレート、セロチニル (メタ)アクリレート、メリシニル (メタ)アクリレート、パルミトレイニル (メタ)アクリレート、オレイル (メタ)アクリレート、リノリル (メタ)アクリレート、リノレニル (メタ)アクリレート、ステアリル (メタ)アクリレート、ラウリル (メタ)アクリレートおよびそれらの混合物が挙げられる。好ましい単量体c)はα,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とC1-C4-アルカノールとのエステルである。
【0106】
適当な追加的単量体c)としては、N-(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ノニル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-デシル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N-トリデシル(メタ)アクリルアミド、N-ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N-ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N-パルミチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N-ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N-アラキニル(メタ)アクリルアミド、N-ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N-リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、N-セロチニル(メタ)アクリルアミド、N-メリシニル(メタ)アクリルアミド、N-パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N-オレイル(メタ)アクリルアミド、N-リノリル(メタ)アクリルアミド、N-リノレニル(メタ)アクリルアミド、N-ステアリル(メタ)アクリルアミド、N-ラウリル(メタ)アクリルアミも挙げられる。
【0107】
適当な追加的単量体c)としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレートおよびそれらの混合物も挙げられる。
【0108】
適当な追加的単量体c)としては、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、スチレン、α-メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、ビニルフルオリド、ビニリデンフルオリドおよびそれらの混合物も挙げられる。
【0109】
前記の追加的単量体c)は単独で又は任意の混合物の形態で使用されうる。
【0110】
架橋剤d)
共重合体A)は、所望により、少なくとも1つの架橋剤(すなわち、2以上のエチレン不飽和非共役二重結合を有する化合物)を共重合形態で含みうる。
【0111】
架橋剤は、好ましくは、該重合に使用する単量体の総重量に対して0.01〜3重量%、特に好ましくは0.1〜2重量%の量で使用される。
【0112】
適当な架橋剤d)としては、例えば少なくとも二価アルコールのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アリルエーテルまたはビニルエーテルが挙げられる。親アルコールのOH基は完全または部分的にエーテル化またはエステル化されうるが、該架橋剤は少なくとも2つのエチレン不飽和基を含む。
【0113】
親アルコールの具体例としては、二価アルコール、例えば1,2-エタンジオール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ブタ-2-エン-1,4-ジオール、1,2-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-ドデカンジオール、1,12-ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチルペンタン-1,5-ジオール、2,5-ジメチル1,3-ヘキサンジオール、2,2,4-トリメチル1,3-ペンタンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、ネオペンチルグリコールモノヒドロキシピバレート、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシプロピル)フェニル]プロパン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、3-チオペンタン-1,5-ジオールおよびポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリテトラヒドロフラン(各場合において200〜10 000の分子量を有するもの)が挙げられる。エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドのホモ重合体のほかに、エチレンオキシドもしくはプロピレンオキシドのブロック共重合体、または組込まれたエチレンオキシドおよびプロピレンオキシド基を含む共重合体を使用することも可能である。3以上のOH基を有する親アルコールの具体例としては、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、1,2,5-ペンタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリエトキシシアヌル酸、ソルビタン、糖、例えばスクロース。グルコース、マンノースが挙げられる。該多価アルコールは、勿論、対応するエトキシレートまたはプロポキシレートとしてそれぞれエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドとの反応後にも使用されうる。該多価アルコールを、まず、エピクロロヒドリンとの反応により、対応するグリシジルエーテルに変換することも可能である。
【0114】
他の適当な架橋剤d)としては、ビニルエステルまたは一価不飽和アルコールとエチレン不飽和C3-C6-カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸またはフマル酸)のエステルが挙げられる。そのようなアルコールの具体例としては、アリルアルコール、1-ブテン-3-オール、5-ヘキセン-1-オール、1-オクテン-3-オール、9-デセン-1-オール、ジシクロペンテニルアルコール、10-ウンデセン-1-オール、シンナミルアルコール、シトロネロール、クロチルアルコールまたはcis-9-オクタデカン-1-オールが挙げられる。一方、一価不飽和アルコールを多塩基カルボン酸、例えばマロン酸、酒石酸、トリメリト酸、フタル酸、テレフタル酸、クエン酸またはコハク酸でエステル化することも可能である。
【0115】
他の適当な架橋剤d)としては、不飽和カルボン酸と前記多価アルコール、例えばオレイン酸、クロトン酸、ケイ皮酸または10-ウンデセン酸とのエステルが挙げられる。
【0116】
適当な架橋剤d)としては、少なくとも2つの二重結合(これは、脂肪族炭化水素の場合には、共役していてはならない)を有する、直鎖状または分枝状の直線状または環状の脂肪族または芳香族の炭化水素、例えばジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、1,7-オクタジエン、1,9-デカジエン、4-ビニル-1-シクロヘキセン、トリビニルシクロヘキサンまたはポリブタジエン(200〜20 000の分子量を有するもの)も挙げられる。
【0117】
他の適当な架橋剤d)としては、アクリルアミド、メタクリルアミドおよびN-アリルアミン(少なくとも二官能性アミンのもの)が挙げられる。そのようなアミンとしては、例えばが1,2-ジアミノメタン、1,2-ジアミノエタン、1,3-ジアミノプロパン、1,4-ジアミノブタン、1,6-ジアミノヘキサン、1,12-ドデカンジアミン、ピペラジン、ジエチレントリアミンまたはイソホロンジアミンが挙げられる。同様に、適当なものとして、アリルアミンと不飽和カルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸または少なくとも二塩基カルボン酸(前記のもの)とのアミドが挙げられる。
【0118】
また、架橋剤d)として、トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、例えばトリアリルメチルアンモニウムクロリドまたはメチルスルフェートも適している。
【0119】
同様に適当なものとしては、例えば尿素、エチレン尿素、プロピレン尿素または酒石酸ジアミドのような、尿素誘導体、少なくとも二官能性アミド、シアヌレートまたはウレタンのN-ビニル化合物、例えばN,N'-ジビニルエチレン尿素またはN,N'-ジビニルプロピレン尿素が挙げられる。
【0120】
他の適当な架橋剤d)としては、ジビニルジオキサン、テトラアリルシランまたはテトラビニルシランが挙げられる。
【0121】
勿論、前記化合物d)の混合物も使用されうる。水溶性架橋剤d)を使用することが好ましい。
【0122】
特に好ましく使用される架橋剤d)としては、例えばメチレンビスアクリルアミド、トリアリルアミンおよびトリアリルアルキルアンモニウム塩、ジビニルイミダゾール、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、N,N'-ジビニルエチレン尿素、多価アルコールとアクリル酸またはメタアクリル酸との反応生成物、ポリアルキレンオキシドおよび多価アルコール(これは、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよび/またはエピクロロヒドリンと反応させたものである)のメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステルが挙げられる。
【0123】
非常に特に好ましい架橋剤d)は、ペンタエリトリトールトリアリルエーテル、メチレンビスアクリルアミド、N,N'-ジビニルエチレン尿素、トリアリルアミンおよびトリアリルモノアルキルアンモニウム塩、ならびにグリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンまたはグリセロールのアクリル酸エステル、またはエチレンオキシドおよび/またはエピクロロヒドリンと反応させたグリコール、ブタンジオール、トリメチロールプロパンまたはグリセロールのアクリル酸エステルである。
【0124】
共重合体A)が、
a) N-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体ならびに
b1) 少なくとも1つのN-ビニルラクタム、
b2) 適当な場合には、
b2.1) 飽和C1-C8-モノカルボン酸のN-ビニルアミド、
b2.2) α,β-エチレン不飽和モノカルボン酸ならびにそれらのN-アルキルおよびN,N-ジアルキル誘導体(これは、アミド基のカルボニル炭素原子に加えて、多くとも8個の他の炭素原子を有する)の第一級アミド
から選ばれる少なくとも1つのノニオン性水溶性単量体、
b3) 適当な場合には、N-ビニルイミダゾールおよびジメチルアミノプロピルメタクリルアミドの第四級化生成物から選ばれる少なくとも1つの単量体
を共重合形態で含み、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する製剤が好ましい。
【0125】
また、共重合体A)が
a)0.5〜40重量%のN-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、
b1)20〜99.5重量%の少なくとも1つのN-ビニルラクタム、
b2)成分a)およびb1)とは別のそれらと共重合しうる、0〜50重量%の少なくとも1つのノニオン性水溶性単量体、ならびに
b3)カチオン性親水性基を有するα,β-エチレン不飽和水溶性化合物から選ばれる0〜30重量%の少なくとも1つの単量体
を共重合形態で含み、ただし、成分a)〜b3)の量の和が100重量%であり、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する製剤が好ましい。
【0126】
また、共重合体A)が
a)1〜30重量%のN-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、
b1)20〜70重量%の少なくとも1つのN-ビニルラクタム、
b2)成分a)およびb1)とは別のそれらと共重合しうる、5〜50重量%の少なくとも1つのノニオン性水溶性単量体、ならびに
b3)カチオン性親水性基を有するα,β-エチレン不飽和水溶性化合物から選ばれる0〜20重量%の少なくとも1つの単量体
を共重合形態で含み、ただし、成分a)〜b3)の量の和が100重量%であり、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する製剤が好ましい。
【0127】
さらに、共重合体A)が
a)3〜20重量%のN-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、
b1)30〜70重量%の少なくとも1つのN-ビニルラクタム、
b2)成分a)およびb1)とは別のそれらと共重合しうる、10〜40重量%の少なくとも1つのノニオン性水溶性単量体、ならびに
b3)カチオン性親水性基を有するα,β-エチレン不飽和水溶性化合物から選ばれる0〜10重量%の少なくとも1つの単量体
を共重合形態で含み、ただし、成分a)〜b3)の量の和が100重量%であり、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する製剤が好ましい。
【0128】
好ましい実施形態においては、共重合体A)は、前記単量体a)、b1)ならびに適当な場合にはb2)および/またはb3)に由来する繰返し単位のみよりなる。
【0129】
特に好ましい製剤においては、共重合体A)は、
a)3〜15重量%のN-ビニルイミダゾール、
b)30〜70重量%のN-ビニルピロリドン、
c)20〜35重量%のメタクリルアミド、
d)0〜10重量%の第四級化N-ビニルイミダゾール
を共重合形態で含み、ただし、成分a)〜b3)の量の和が100重量%である。
【0130】
共重合体A)は、当業者に公知の通常の方法、例えば溶液、沈殿、懸濁または乳化重合により製造される。溶液または沈殿重合により製造が好ましい。
【0131】
溶液重合のための好ましい溶媒は水性溶媒、例えば水、および水と水混和性溶媒、例えばアルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール、n-ヘキサノールおよびシクロヘキサノールならびにグリコール、例えばエチレングリコール、プロピレングリコールおよびブチレングリコール、ならびに二価アルコールのメチルまたはエチルエーテル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール(約3000までの数平均分子量を有するもの)、グリセロールならびにジオキサンとの混合物である。特に好ましいのは、水中または水/アルコール混合物中、例えば水/エタノール混合物中での重合である。
【0132】
溶媒成分として水を使用する場合には、好ましくは脱イオン水が使用される。
【0133】
沈殿重合は、例えば、溶媒としてのエステル、例えば酢酸エチルまたは酢酸ブチル中で行われる。生じた重合体粒子を反応溶液から析出させ、通常の方法、例えば減圧濾過により単離することが可能である。沈殿重合においては、一般には、溶液重合の場合より高い分子量を有する重合体が得られる。
【0134】
重合温度は、好ましくは、約30〜120℃、特に好ましくは40〜100℃の範囲である。重合は、通常、大気圧下で行うが、減圧または加圧下で進行させることも可能である。適当な圧力範囲は1〜5 barである。
【0135】
重合体A)を製造するためには、遊離基を生成する開始剤の補助により単量体を重合させることが可能である。
【0136】
遊離基重合に使用されうる開始剤は、この目的に通常使用されるペルオキソおよび/またはアゾ化合物、例えばアルカリ金属またはアンモニウムペルオキシジスルフェート、ジアセチルペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド、スクシニルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペルピバレート、tert-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサネート、tert-ブチルペルマレート、クメンヒドロペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシジカルバマート、ビス(o-トルイル)ペルオキシド、ジデカノイルペルオキシド、ジオクタノイルペルオキシド、ジラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルイソブチレート、tert-ブチルペルアセテート、ジ-tert-アミルペルオキシド、tert-ブチルヒドロペルオキシド、アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩 (Wako Pure Chemicals Industries, Ltd.のV50)、または2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)である。また、開始剤混合物またはレドックス開始系、例えばアスコルビン酸/鉄(II)スルフェート/ナトリウムペルオキソジスルフェート、tert-ブチルヒドロペルオキシド/ナトリウムジスルフィット、tert-ブチルヒドロペルオキシド/ナトリウムヒドロキシメタンスルフィネート、H2O2/CuIも適している。
【0137】
分子量を調節するためには、少なくとも1つの調節剤の存在下で重合を行うことが可能である。使用されうる調節剤としては、当業者に公知の通常の化合物、例えば硫黄化合物、例えばメルカプトエタノール、2-エチルヘキシルチオグリコレート、チオグリコ−ル酸またはドデシルメルカプタンおよびトリブロモクロロメタン、または生じる重合体の分子量に調節効果をもたらす他の化合物が挙げられる。好ましい調節剤はシステインである。
【0138】
低い残留単量体含量を有する可能な限り純粋な重合体を得るためには、重合(主重合)の後で、後重合工程を行うことが可能である。後重合工程は、主重合と同じ又は異なる開始系の存在下で行われうる。後重合は、好ましくは、主重合と少なくとも同じ温度、好ましくは、主重合より高い温度で行われる。所望により、反応混合物を、重合後または第1重合工程と第2重合工程との間に、水蒸気によるストリッピングまたは水蒸気蒸留に付されうる。
【0139】
本発明においては、pH 4〜pH 6の範囲の値への該水性製剤のpHの調節は水蒸気でのストリッピングまたは水蒸気蒸留の前または後に行われうる。
【0140】
該重合体の製造において有機溶媒を使用する場合には、当業者に公知の通常の方法、例えば減圧蒸留により、これを除去することが可能である。
【0141】
重合は、好ましくは、6〜9、特に好ましくは6.5〜7.5の範囲のpHで行う。pHは、適当な酸を加えることにより又は適当な塩基を加えることにより調節される。
【0142】
得られた液体重合体組成物は種々の乾燥法、例えば噴霧乾燥、流動化噴霧乾燥、回転乾燥または凍結乾燥により粉末形態に変換されうる。噴霧乾燥を用いることが好ましい。このようにして得られた重合体乾燥粉末は再び、水への溶解または再分散によりそれぞれ水性溶液または分散液に有利に変換されうる。粉末共重合体は、より良好な貯蔵性、より容易な輸送性の利点を有し、一般には、微生物の攻撃を受けにくい。
【0143】
本発明のもう1つの主題は、重合完了後、かつ、乾燥および/または粉末形態への変換の前に、液体重合体組成物をpH 4〜pH 6の範囲のpHに調節することである。
【0144】
化粧料上許容される担体B)
本発明の製剤は、
i)水、
ii)水混和性有機溶媒、好ましくはC2-C4-アルカノール、特にエタノール、
iii)油、脂肪、ロウ、
iv)iii)とは異なる、C6-C30-モノカルボン酸と一価、二価または三価アルコールとのエステル、
v)飽和非環状および環状炭化水素、
vi)脂肪酸、
vii)脂肪アルコール、
viii)噴射ガス
およびそれらの混合物
から選ばれる化粧料上および/または製薬上許容される担体B)を含有する。
【0145】
本発明の製剤は、例えば、低極性の炭化水素、例えば鉱油;直鎖状飽和炭化水素、好ましくは9個以上の炭素原子を有するもの、例えばテトラデカン、ヘキサデカン、オクタデカンなど;環状炭化水素、例えばデカヒドロナフタレン;分枝状炭化水素;動物および植物油;ロウ;ロウ(ワックス)エステル;石油ゼリー;エステル、好ましくは脂肪酸のエステル、例えばC1-C24-モノアルコールとC1-C22-モノカルボン酸とのエステル、例えばイソプロピルイソステアレート、n-プロピルミリステート、イソプロピルミリステート、n-プロピルパルミテート、イソプロピルパルミテート、ヘキサコサニルパルミテート、オクタコサニルパルミテート、トリアコンタニルパルミテート、ドトリアコンタニルパルミテート、テトラトリアコンタニルパルミテート、ヘキサコサニルステアレート、オクタコサニルステアレート、トリアコンタニルステアレート、ドトリアコンタニルステアレート、テトラトリアコンタニルステアレート;サリシレート、例えばC1-C10-サリシレート、例えばオクチルサリシレート;ベンゾエートエステル、例えばC10-C15-アルキルベンゾエート、ベンジルベンゾエート;他の化粧料用エステル、例えば脂肪酸トリグリセリド、プロピレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコールモノラウレート、C10-C15-アルキルラクテートなど、およびそれらの混合物から選ばれる油または脂肪成分B)を含有する。
【0146】
適当なシリコーン油B)としては、例えば直鎖状ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)、環状シロキサンおよびそれらの混合物が挙げられる。ポリジメチルシロキサンおよびポリ(メチルフェニルシロキサン)の数平均分子量は、好ましくは、約1 000〜150 000g/molの範囲である。好ましい環状シロキサンは4〜8員環を有する。適当な環状シロキサンは例えばシクロメチコーンの名称で商業的に入手可能である。
【0147】
好ましい油または脂肪成分B)は、パラフィンおよびパラフィン油;石油ゼリー;天然油脂、例えばヒマシ油、ダイズ油、ラッカセイ油、オリーブ油、ヒマワリ油、ゴマ油、アボカド油、カカオ脂、アーモンド油、桃仁油、ヒマシ油、タラ肝油、ラード、鯨蝋油、マッコウクジラ油、麦芽油、マカダミアナッツ油、マツヨイグサ油、ホホバ油;脂肪アルコール、例えばラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール;脂肪酸、例えばミリスチン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸ならびにそれらとは異なる飽和、不飽和および置換脂肪酸;ロウ、例えば蜜ロウ、カルナウバロウ、鯨蝋ならびに前記油脂成分の混合物から選ばれる。
【0148】
適当な化粧料上および製薬上許容される油脂成分B)はKarl-Heinz Schrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics], 2nd edition, Verlag Huethig, Heidelberg, pp. 319-355(それを参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0149】
適当な親水性担体B)は、水、一価、二価または多価アルコール(好ましくは1〜8個の炭素原子を有するもの)、例えばエタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトールなどから選ばれる。
【0150】
本発明の化粧料製剤は、皮膚化粧品、髪化粧品、皮膚科、衛生用または医薬組成物でありうる。それらの皮膜形成特性に基づけば、前記製剤は髪および皮膚化粧品に特に適している。
【0151】
本発明の製剤は、好ましくは、ジェル、フォーム、スプレー、ムース、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、ローション、乳液またはペーストの形態である。所望により、リポソームまたはミクロスフェアも用いられうる。
【0152】
本発明の化粧料上または製薬上活性な製剤は更に、化粧料上および/または皮膚科的に活性な成分および補助剤を含みうる。
【0153】
本発明の化粧料製剤は、好ましくは、前記の少なくとも1つの共重合体A)、前記の少なくとも1つの担体B)、およびそれらとは別の、化粧品的に活性な成分、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香油、増粘剤、ヘアポリマー、ヘアおよびスキンコンディショナー、グラフト重合体、水溶性または分散性シリコーン含有重合体、光防護剤、漂白剤、ゲル形成剤、ケア剤、着色剤、染髪剤、日焼け剤、染料、顔料、稠度付与剤、保湿(湿潤)剤、再脂肪化(refatting)剤、コラーゲン、タンパク質加水分解産物、脂質、抗酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、柔軟剤および軟化剤から選ばれる少なくとも1つの成分を含む。
【0154】
そのような製剤中の通常の増粘剤としては、架橋ポリアクル酸およびその誘導体、多糖およびその誘導体、例えばキサンタンガム、寒天、アルギネートまたはチロース、セルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースまたはヒドロキシカルボキシメチルセルロース、脂肪アルコール、モノグリセリドおよび脂肪酸、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドンが挙げられる。ノニオン性増粘剤を使用することが好ましい。
【0155】
好ましくは、本発明の製剤は更に、少なくとも1つのノニオン性増粘剤を含む。
【0156】
適当な化粧料上および/または皮膚科的に活性な成分としては、例えば着色活性成分、皮膚および髪色素成分、染髪剤、日焼け剤、漂白剤、ケラチン硬化物質、抗微生物有効成分、光フィルター有効成分、忌避有効成分、充血作用を有する物質、角質溶解および角質形成作用を有する物質、抗フケ成分、抗炎症剤、ケラチン化作用を有する物質、抗酸化作用またはフリーラジカル捕捉作用を有する有効成分、皮膚を潤し皮膚の水分を保持させる物質、再脂肪化(refatting)有効成分、抗紅斑または抗アレルギー有効成分およびそれらの混合物が挙げられる。
【0157】
皮膚を人工的に日焼けさせ、紫外線の自然照射または人工的照射を伴うことなく皮膚を日焼けさせるのに適した有効成分として、例えばジヒドロキシアセトン、アロキサンおよびクルミ殻抽出物が挙げられる。適当なケラチン硬化物質は、通常、抗発汗剤中においても使用される有効成分、例えばカリウムアルミニウムスルフェート、アルミニウムヒドロキシクロリド、アルミニウムラクテートなどである。抗微生物有効成分は、微生物を破壊するために又はそれらの増殖を抑制して保存剤として及び体臭の生成もしくは強さを軽減する防臭物質の両方として機能するよう使用される。これらには、例えば、当業者に公知の通常の保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エステル、イミダゾリジニル尿素、ホルムアルデヒド、ソルビン酸、安息香酸、サリチル酸などが含まれる。そのような防臭物質としては、例えばリシノール酸亜鉛、トリクロサン、ウンデシレン酸アルキロールアミド、トリエチルシトレート、クロルヘキジンなどが含まれる。適当な光フィルター有効成分としては、UV-Bおよび/またはUV-A領域の紫外(UV)線を吸収する物質が挙げられる。適当なUVフィルターとしては、例えば、好ましくはヒドロキシ、アルコキシ、特にメトキシ、アルコキシカルボニル、特にメトキシカルボニルおよびエトキシカルボニルならびにそれらの混合物から選ばれる少なくとも1つの置換基をアリール基が各場合において含有しうる2,4,6-トリアリール-1,3,5-トリアジンが挙げられる。p-アミノベンゾエート、シンナマート、ベンゾフェノン、ショウノウ誘導体、ならびに紫外線を阻止する色素、例えば二酸化チタン、タルクおよび酸化亜鉛も適している。適当な忌避有効成分は、ある動物、特に昆虫を追い払い又はヒトに近づけないようにしうる化合物である。これらには、例えば2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、N,N-ジエチル-m-トルアミドなどが含まれる。皮膚の血流を促進する、充血活性を有する適当な物質としては、例えば精油、例えば矮小マツ(dwarf pine)、ラベンダー、ローズマリー、ネズの実、炒られたクリの抽出物、カバノキ葉抽出物、草の種子の抽出物、酢酸エチル、ショウノウ、メントール、ハッカ油、ローズマリー抽出物、ユーカリ油などが挙げられる。適当な角質溶解および角質形成物質としては、例えばサリチル酸、カルシウム チオグリコレート、チオグリコール酸およびその塩、硫黄などが挙げられる。適当な抗フケ有効成分としては、例えば硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレート、硫黄リシノールポリエトキシレート、亜鉛ピリチオン、アルミニウムピリチオンなどが挙げられる。皮膚刺激を阻止する適当な抗炎症剤としては、例えばアラントイン、ビサボロール、ドラゴサントール(Dragosantol)、カミツレ抽出物、パンテノールなどが挙げられる。
【0158】
本発明の化粧料製剤は、化粧料および/または医薬活性成分(そしてまた、適当な場合には、補助剤)として、少なくとも1つの他の化粧料上または製薬上許容される重合体を含みうる。これらには、ごく一般には、カチオン性、両性および中性重合体が含まれる。
【0159】
本発明の水性製剤は、重合体A)とは異なる水溶性重合体をも含みうる。
【0160】
適当な重合体としては、例えば、INCI名Polyquaterniumを有するカチオン性重合体、例えばビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩の共重合体 (Luviquat (登録商標) FC, Luviquat(登録商標) HM, Luviquat(登録商標) MS, Luviquat(登録商標) Care, Luviquat(登録商標) UltraCare)、ジエチル硫酸で第四級化されたN-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体 (Luviquat(登録商標) PQ 11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩の共重合体 (Luviquat(登録商標) Hold); カチオン性セルロース誘導体 (Polyquaternium-4および-10)、アクリルアミド共重合体 (Polyquaternium-7) およびキトサンが挙げられる。適当なカチオン性(第四級化)重合体としては、Merquat(登録商標) (ジメチルジアリルアンモニウムクロリドに基づく重合体)、Gafquat(登録商標) (ポリビニルピロリドンと第四級アンモニウム化合物との反応により生成する第四級重合体)、重合体 JR (カチオン性基を有するヒドロキシエチルセルロース) および植物に基づくカチオン性重合体、例えばグアー重合体、例えばRhodia由来のJaguar (登録商標)等級も挙げられる。
【0161】
他の適当な重合体としては、中性重合体、例えばポリビニルピロリドン、N-ビニルピロリドンおよびビニルアセテートおよび/またはビニルプロピオネートおよび/またはステアリル(メタ)アクリレートの共重合体、ポリシロキサン、ポリビニルカプロラクタム、N-ビニルピロリドンとの他の共重合体、ポリエチレンイミンおよびその塩、セルロース誘導体、ポリアスパラギン酸塩および誘導体が挙げられる。これらには、例えば、Luviflex (登録商標) Swing (ポリビニルアセテートおよびポリエチレングリコールの部分加水分解共重合体, BASF) またはKollicoat(登録商標) IRも挙げられる。
【0162】
適当な重合体としては、WO 03/092640に記載されているもの、特に、実施例1〜50(表1、40 ff頁)および実施例51〜65(表2、43頁)(この点においてその全体を参照により本明細書に組み入れることとする)に記載されている(メタ)アクリルアミド共重合体も挙げられる。
【0163】
適当な重合体としては、ノニオン性水溶性または水分散性重合体またはオリゴマー、例えばポリビニルカプロラクタム、例えばLuviskol (登録商標) Plus (BASF) またはポリビニルピロリドンおよびその共重合体、特にビニルエステル、例えばビニルアセテートとの共重合体、例えばLuviskol(登録商標) VA 37 (BASF); ポリアミド、例えばイタコン酸および脂肪族ジアミンに基づくもの(例えば、DE-A-43 33 238に記載されているもの)も挙げられる。
【0164】
適当な重合体としては、両性または両性イオン重合体、例えばオクチルアクリルアミド/メチルメタクリレート/tert-ブチルアミノエチルメタクリレート/2-ヒドロキシプロピルメタクリレート共重合体(Amphomer(登録商標) (National Starch)なる名称で入手可能なもの)、およびドイツ国特許出願DE 39 29 973, DE 21 50 557, DE 28 17 369およびDE 37 08 451に開示されている両性イオン重合体も挙げられる。アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリル酸またはメタクリル酸共重合体およびそれらのアルカリ金属およびアンモニウム塩は好ましい両性イオン重合体である。他の適当な両性イオン重合体としては、Amersette(登録商標) (AMERCHOL)なる名称で商業的に入手可能なメタクロイルエチルベタイン/メタクリレート共重合体、およびヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレートおよびアクリル酸の共重合体 (Jordapon(登録商標))が挙げられる。
【0165】
適当な重合体としては、ノニオン性シロキサン含有水溶性または水分散性重合体、例えばポリエーテルシロキサン、例えばTegopren(登録商標) (Goldschmidt) またはBelsil(登録商標) (Wacker)が挙げられる。
【0166】
適当なものとしては、他の生体高分子、すなわち、天然で再生可能な原料から得られ天然単量体構成単位から構成される重合体、例えばセルロース誘導体、キチン、キトサン、DNA、ヒアルロン酸およびRNA誘導体も挙げられる。
【0167】
本発明の他の製剤は、少なくとも1つの他の水溶性重合体、特に、種々の分子量のキトサン(ポリ(D-グルコサミン))および/またはキトサン誘導体を含む。
【0168】
アニオン性重合体
本発明の製剤に適した他の重合体としては、カルボン酸基を含有する共重合体が挙げられる。これらとしては、主鎖および/または側鎖内に比較的多数のアニオン性に解離可能な基を有する高分子電解質が挙げられる。それらは、共重合体A)と高分子電解質複合体(シンプレックス (symplex))を形成しうる。
【0169】
好ましい実施形態においては、本発明の組成物中で使用する高分子電解質複合体は過剰のアニオン生成性/アニオン性基を有する。
【0170】
少なくとも1つの前記共重合体A)を含むことに加えて、該高分子電解質複合体は少なくとも1つの酸基含有重合体をも含む。
【0171】
該高分子複合体は、好ましくは、共重合体A)および酸基含有重合体を50:1〜1:20、特に好ましくは20:1〜1:5の定量的重量比で含む。
【0172】
適当なカルボン酸基含有重合体は、例えば、α,β-エチレン不飽和単量体の遊離基重合により入手可能である。この場合、少なくとも1つの遊離基重合可能なα,β-エチレン不飽和二重結合と、少なくとも1つのアニオン生成性および/またはアニオン性基(1分子当たり)とを含む単量体m1)を使用する。
【0173】
適当なカルボン酸基含有重合体としては、カルボン酸基含有ポリウレタンも挙げられる。
【0174】
該単量体は、好ましくは、モノエチレン不飽和カルボン酸、スルホン酸、ホスホン酸およびそれらの混合物から選ばれる。
【0175】
単量体m1)には、3〜25個、好ましくは3〜6個の炭素原子を有するモノエチレン不飽和モノおよびジカルボン酸が含まれ、これらはそれらの塩および無水物の形態としても使用されうる。それらの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸およびフマル酸が挙げられる。単量体には、4〜10個、好ましくは4〜6個の炭素原子を有するモノエチレン不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸)の半エステル(例えば、モノメチルマレート)も含まれる。該単量体には、モノエチレン不飽和スルホン酸およびホスホン酸、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-アクリルオキシプロピルスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、ビニルホスホン酸およびアリルホスホン酸も含まれる。該単量体には、前記酸の塩、特にナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩、ならびに前記アミンとの塩も含まれる。該単量体は単独で又はお互いとの混合物として使用されうる。記載されている重量比率はすべて、酸形態を示す。
【0176】
単量体m1)は、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸、アコニット酸およびそれらの混合物、特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸およびそれらの混合物から選ばれる。
【0177】
前記単量体m1)は、各場合において、単独で又は任意の混合物の形態で使用されうる。
【0178】
カルボン酸基含有重合体の製造に概ね適したコモノマーとしては、共重合体A)の成分として前記で特定された化合物a)〜d)が挙げられる。ただし、該カルボン酸基含有単量体が共重合形態で含むアニオン生成性およびアニオン性基のモル比はカチオン生成性およびカチオン性基のモル比より大きい。
【0179】
好ましい実施形態においては、該カルボン酸基含有重合体は、前記架橋剤d)から選ばれる少なくとも1つの単量体を共重合形態で含む。適当な及び好ましい架橋剤d)が参照される。
【0180】
該カルボン酸基含有重合体は更に、好ましくは、一般式(VI)
【化6】

【0181】
の化合物から選ばれる少なくとも1つの単量体m2)を共重合形態で含む。式中、
R1は水素またはC1-C8-アルキルである。
Y1はO、NHまたはNR3である。
R2およびR3は、互いに独立して、C1-C30-アルキルまたはC5-C8-シクロアルキルであり、ここで、該アルキル基中には、O、SおよびNHから選ばれる4個までの非隣接へテロ原子またはヘテロ原子含有基が介在していてもよい。
【0182】
好ましくは、式VI中のR1は水素またはC1-C4-アルキル、特に水素、メチルまたはエチルである。
【0183】
好ましくは、式VI中のR2はC1-C8-アルキル、好ましくはメチル、エチル、n-ブチル、isoブチル、tert-ブチルまたは式-CH2-CH2-NH-C(CH3)3の基である。
【0184】
R3がアルキルである場合には、それは、好ましくは、C1-C4-アルキル、例えばメチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、isoブチルまたはtert-ブチルである。
【0185】
適当な単量体m2)としては、メチル (メタ)アクリレート、メチル エタクリレート、エチル (メタ)アクリレート、エチル エタクリレート、tert-ブチル (メタ)アクリレート、tert-ブチル エタクリレート、n-オクチル (メタ)アクリレート、1,1,3,3-テトラメチルブチル (メタ)アクリレート、エチルヘキシル (メタ)アクリレート、n-ノニル (メタ)アクリレート、n-デシル (メタ)アクリレート、n-ウンデシル (メタ)アクリレート、トリデシル (メタ)アクリレート、ミリスチル (メタ)アクリレート、ペンタデシル (メタ)アクリレート、パルミチル (メタ)アクリレート、ヘプタデシル (メタ)アクリレート、ノナデシル (メタ)アクリレート、アラキニル (メタ)アクリレート、ベヘニル (メタ)アクリレート、リグノセレニル (メタ)アクリレート、セロチニル (メタ)アクリレート、メリシニル (メタ)アクリレート、パルミトレイニル (メタ)アクリレート、オレイル (メタ)アクリレート、リノリル (メタ)アクリレート、リノレニル (メタ)アクリレート、ステアリル (メタ)アクリレート、ラウリル (メタ)アクリレートおよびそれらの混合物が挙げられる。
【0186】
適当な単量体m2)としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N-(tert-ブチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、ピペリジニル(メタ)アクリルアミドおよびモルホリニル(メタ)アクリルアミド、N-(n-オクチル)(メタ)アクリルアミド、N-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)(メタ)アクリルアミド、N-エチルヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(n-ノニル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-デシル)(メタ)アクリルアミド、N-(n-ウンデシル)(メタ)アクリルアミド、N-トリデシル(メタ)アクリルアミド、N-ミリスチル(メタ)アクリルアミド、N-ペンタデシル(メタ)アクリルアミド、N-パルミチル(メタ)アクリルアミド、N-ヘプタデシル(メタ)アクリルアミド、N-ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N-アラキニル(メタ)アクリルアミド、N-ベヘニル(メタ)アクリルアミド、N-リグノセレニル(メタ)アクリルアミド、N-セロチニル(メタ)アクリルアミド、N-メリシニル(メタ)アクリルアミド、N-パルミトレイニル(メタ)アクリルアミド、N-オレイル(メタ)アクリルアミド、N-リノリル(メタ)アクリルアミド、N-リノレニル(メタ)アクリルアミド、N-ステアリル(メタ)アクリルアミドおよびN-ラウリル(メタ)アクリルアミドも挙げられる。
【0187】
さらに、該カルボン酸基含有重合体は、好ましくは、一般式VII
【化7】

【0188】
の化合物から選ばれる少なくとも1つの単量体m3)を共重合形態で含む。前記式中、
アルキレンオキシド単位の順序は任意である。
kおよびlは、お互いに独立して、0〜1000の整数であり、ここで、kとlとの和は少なくとも5である。
R4は水素、C1-C30-アルキルまたはC5-C8-シクロアルキルである。
R5は水素またはC1-C8-アルキルである。
Y2はOまたはNR6であり、ここで、R6は水素、C1-C30-アルキルまたはC5-C8-シクロアルキルである。
【0189】
好ましくは、式VII中、kは1〜500、特に3〜250の整数である。lは、好ましくは、0〜100の整数である。
【0190】
好ましくは、R5は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルまたはn-ヘキシル、特に水素、メチルまたはエチルである。
【0191】
好ましくは、式VII中のR4は水素、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ラウリル、パルミチルまたはステアリルである。
【0192】
好ましくは、式VII中のY2はOまたはNHである。
【0193】
適当なポリエーテルアクリレートVII)としては、例えば、前記α,β-エチレン不飽和モノ-および/またはジカルボン酸およびそれらの酸クロリド、アミドおよび無水物とポリエーテロールとの縮合重合生成物が挙げられる。適当なポリエーテロールは、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシドおよび/またはエピクロロヒドリンを開始分子、例えば水または短鎖アルコールR4-OHと反応させることにより容易に製造されうる。該アルキレンオキシドは、個別に又は次から次へと交互に又は混合物として使用されうる。本発明で使用する重合体を製造するために、ポリエーテルアクリレートVII)を単独で又は混合物中で使用することが可能である。適当なポリエーテルアクリレートb2・5)としては、アルキレンオキシド基を有するウレタン(メタ)アクリレートも挙げられる。そのような化合物はDE 198 38 851 (成分e2))(その全体を参照により本明細書に組み入れる)に記載されている。
【0194】
カルボン酸基含有重合体として好ましいアニオン性重合体としては、例えば、アクリル酸およびメタクリル酸およびそれらの塩のホモ重合体および共重合体が挙げられる。これらには、INCI名Carbomerで入手可能な、アクリル酸の架橋重合体も含まれる。アクリル酸のそのような架橋ホモ重合体は、例えば、NoveonからCarbopol(登録商標)なる名称で商業的に入手可能である。疎水修飾架橋ポリアクリレート重合体、例えば、NoveonからのCarbopol (登録商標) Ultrez 21が好ましい。
【0195】
アクリル酸およびメタクリル酸のホモ重合体および共重合体に基づく高分子電解質複合体は、ジェル、例えばセット用ジェルとしての製剤化に、また、フォームの製剤化に好適である。
【0196】
適当なアニオン性重合体の他の具体例としては、アクリル酸およびアクリルアミドおよびそれらの塩の共重合体;ポリヒドロキシカルボン酸、水溶性または水分散性ポリエステル、ポリウレタンおよびポリ尿素のナトリウム塩が挙げられる。特に適した重合体としては、(メタ)アクリル酸およびポリエーテルアクリレートの共重合体が挙げられ、ここで、該ポリエーテル鎖はC8-C30-アルキル基で終結している。これらには、例えば、Rohm und HaasからAculyn(登録商標)なる名称で入手可能なアクリレート/ベヘネス(beheneth)-25メタクリレート共重合体が含まれる。特に適した重合体としては、t-ブチルアクリレート、エチルアクリレート、メタクリル酸の共重合体(例えば、Luvimer (登録商標) 100P、Luvimer (登録商標) Pro55)、エチルアクリレートおよびメタクリル酸の共重合体(Luvimer (登録商標) MAE)、N-tert-ブチルアクリルアミド、エチルアクリレート、アクリル酸の共重合体 (Ultrahold (登録商標) 8, Ultrahold (登録商標) Strong)、酢酸ビニル、クロトン酸および適当な場合には他のビニルエステルの共重合体 (例えば、Luviset (登録商標) 等級)、無水マレイン酸共重合体(適当な場合には、アルコールと反応させたもの)、アニオン性ポリシロキサン、例えばカルボキシ官能性、t-ブチルアクリレート、メタクリル酸 (例えば、Luviskol (登録商標) VBM)、アクリル酸およびメタクリル酸と疎水性単量体、例えばメタ(アクリル酸)のC4-C30-アルキルエステル、C4-C30-アルキルビニルエステル、C4-C30-アルキルビニルエーテルおよびヒアルロン酸との共重合体も挙げられる。アニオン性重合体の具体例としては、例えばResyn (登録商標)(National Starch) およびGafset (登録商標) (GAF) なる名称で商業的に入手可能な酢酸ビニル/クロトン酸重合体、ならびに例えばLuviflex (登録商標) (BASF) なる名称で入手可能なビニルピロリドン/ビニルアクリレート共重合体も挙げられる。他の適当な重合体としては、Luviflex (登録商標) VBM-36 (BASF)なる名称で入手可能なビニルピロリドン/アクリレートターポリマー、およびナトリウムスルホネート含有ポリアミドまたはナトリウムスルホネート含有ポリエステルが挙げられる。
【0197】
適当なアニオン性重合体の群には、例えばBalance (登録商標) CR (National Starch; アクリレート共重合体)、Balance (登録商標) 0/55 (National Starch; アクリレート共重合体)、Balance (登録商標) 47 (National Starch; オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレート共重合体)、Aquaflex (登録商標) FX 64 (ISP; イソブチレン/エチルマレイミド/ヒドロキシ-エチルマレイミド共重合体)、Aquaflex (登録商標) SF-40 (ISP / National Starch; VP/ビニルカプロラクタム/DMAPAアクリレート共重合体)、Allianz (登録商標) LT-120 (ISP/Rohm & Haas; アクリレート/C1-2スクシネート/ヒドロキシアクリレート共重合体)、Aquarez (登録商標) HS (Eastman; ポリエステル-1)、Diaformer (登録商標) Z-400 (Clariant; メタクリロイルエチルベタイン/メタクリレート共重合体)、Diaformer (登録商標) Z-711 (Clariant; メタクリロイルエチルN-オキシド/メタクリレート共重合体)、Diaformer (登録商標) Z-712 (Clariant; メタクリロイルエチルN-オキシド/メタクリレート共重合体)、Omnirez (登録商標) 2000 (ISP; エタノール中のポリ(メチルビニルエーテル/マレイン酸のモノエチルエステル)、Amphomer (登録商標) HC (National Starch; アクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体)、Amphomer (登録商標) 28-4910 (National Starch; オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチル-アミノエチルメタクリレート共重合体)、Advantage (登録商標) HC 37 (ISP; ビニルカプロラクタム/ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートのターポリマー)、Advantage (登録商標) LC55およびLC80またはLC AおよびLC E、Advantage (登録商標) Plus (ISP; VA/ブチルマレート/イソボルニルアクリレート共重合体)、Aculyne (登録商標) 258 (Rohm & Haas; アクリレート/ヒドロキシエステルアクリレート共重合体)、Luviset (登録商標) P.U.R. (BASF, ポリウレタン-1)、Luviflex (登録商標) Silk (BASF)、Eastman (登録商標) AQ 48 (Eastman)、Styleze (登録商標) CC-10 (ISP; VP/DMAPAアクリレート共重合体)、Styleze (登録商標) 2000 (ISP; VP/アクリレート/ラウリルメタクリレート共重合体)、DynamX (登録商標) (National Starch; ポリウレタン-14 AMP-アクリレート共重合体)、Resyn XP (登録商標) (National Starch; アクリレート/オクチルアクリルアミド共重合体)、Fixomer (登録商標) A-30 (Ondeo Nalco; ポリメタクリル酸 (および) アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸)、Fixate (登録商標) G-100 (Noveon; AMP-アクリレート/アリルメタクリレート共重合体) も含まれる。
【0198】
適当なカルボン酸基含有重合体としては、US 3,405,084に記載のビニルピロリドン/C1-C10-アルキル、シクロアルキルおよびアリール(メタ)アクリレートおよびアクリル酸のターポリマーも含まれる。適当なカルボン酸基含有重合体としては、EP-A-0 257 444およびEP-A-0 480 280に記載のビニルピロリドン、tert-ブチル(メタ)アクリレートおよび(メタ)アクリル酸のターポリマーも挙げられる。適当なカルボン酸基含有重合体としては、少なくとも1つの(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸およびN-ビニルピロリドンおよび/またはN-ビニルカプロラクタムを共重合形態で含むDE-A-42 23 066に記載の共重合体も挙げられる。これらの文書の開示を参照により本明細書に組み入れることとする。
【0199】
前記のカルボン酸基含有重合体の製造は、共重合体A)に関して前記で説明されているとおりの公知方法、例えば溶液、沈殿、懸濁または乳化重合により行われる。
【0200】
適当なカルボン酸基含有重合体としては、カルボン酸基含有ポリウレタンも挙げられる。
【0201】
EP-A-636361は、カルボン酸および/またはスルホン酸基を有する、ポリシロキサンブロックとポリウレタン/ポリ尿素ブロックとを有する適当なブロック共重合体を開示している。適当なシリコーン含有ポリウレタンもWO 97/25021およびEP-A-751 162に記載されている。
【0202】
適当なポリウレタンは、DE-A-42 25 045(その全体を参照により本明細書に組み入れることとする)にも記載されている。
【0203】
該カルボン酸基含有重合体の酸基は部分的または完全に中和されうる。したがって、該酸基の少なくともいくつかは脱プロトン化形態であり、対イオンは、好ましくは、アルカリ金属イオン、例えばNa+、K+、アンモニウムイオンおよびそれらの有機誘導体などから選ばれる。
【0204】
本発明の製剤は薬学の分野においても使用されうる。本発明の医薬製剤の製剤化基剤は、好ましくは、製薬上許容される補助剤を含む。製薬上許容される補助剤は、薬学、食品技術および関連分野において有用であることが知られている補助剤、特に、関連する薬局方(例えば、DAB Ph. Eur. BP NF)に掲載されているもの、および特性が生理的用途を妨げない他の補助剤である。
【0205】
適当な補助剤は、滑沢剤、湿潤剤、乳化および懸濁剤、保存剤、抗酸化剤、抗刺激物質、キレート剤、エマルション安定剤、皮膜形成剤、ゲル(ジェル)形成剤、消臭剤、樹脂、ヒドロコロイド、溶媒、溶解促進剤、中和剤、透過性促進剤、顔料、第四級アンモニウム化合物、再脂肪化(refatting)および超脂肪化(superfatting)剤、軟膏基剤、クリーム基剤または油基剤、シリコーン誘導体、安定剤、殺菌剤、噴射剤、乾燥剤、乳濁剤、増粘剤、ロウ、軟化剤、ホワイトオイルでありうる。これに関する製剤化は、例えばFiedler, H. P. Lexikon der Hilfsstoffe fur Pharmazie, Kosmetik und angrenzende Gebiete [Lexicon of auxiliaries for pharmacy, cosmetics and related fields], 4th ed., Aulendorf: ECV-Editio-Kantor-Verlag, 1996に記載の専門的な知見に基づくものである。
【0206】
本発明の皮膚科用製剤を製造するためには、有効成分を適当な補助剤(賦形剤)と混合し又は適当な補助剤(賦形剤)で希釈する。賦形剤は、有効成分のためのビヒクル、担体または媒体として働きうる固体、半固体または液体物質でありうる。所望により、当業者に公知の方法により、他の補助剤の混合を行う。また、該製剤は、薬学における、特に固体薬物形態のためのコーティングまたは結合剤における補助剤として適している。それらはクリーム剤中で並びに錠剤コーティングおよび錠剤結合剤としても使用されうる。
【0207】
好ましい実施形態においては、本発明の製剤は皮膚洗浄組成物である。
【0208】
好ましい皮膚洗浄製剤は、液体ないしジェル様の稠度の石鹸、例えば透明石鹸、高級石鹸、防臭石鹸、クリーム石鹸、ベビー石鹸、皮膚保護石鹸、研磨石鹸および合成洗剤、ペースト石鹸、ソフト(soft)石鹸および洗浄用ペースト、液体洗剤、シャワーおよびバス用製剤、例えば洗浄用ローション、シャワーバスおよびシャワー浴およびシャワー用ゲル状洗浄剤、泡浴、油浴およびスクラブ製剤、シェービング(髭剃り用)フォーム、ローションおよびクリームである。
【0209】
もう1つの好ましい実施形態においては、本発明の製剤は、皮膚のケアおよび保護のための化粧料製剤、ネイル(爪)ケア組成物またはメイクアップ化粧品用製剤である。
【0210】
適当な皮膚化粧料製剤としては、例えばフェイス(顔面)用トニック、フェイス用マスク、防臭用および他の化粧ローションが挙げられる。メイクアップ化粧品において使用する組成物には、例えばコンシーラー(concealer)ペンシル、ステイジ・メイクアップ、マスカラおよびアイシャドー、口紅、コールペンシル、アイライナー、頬紅、パウダーおよびペンシル状まゆ墨が含まれる。
【0211】
本発明のスキンケア組成物としては、特に、W/OまたはO/Wスキンクリーム、昼用および夜用クリーム、アイクリーム、フェイスクリーム、抗皺クリーム、保湿クリーム、漂白クリーム、ビタミンクリーム、スキンローション、ケアローションおよび保湿ローションが挙げられる。
【0212】
前記製剤に基づく皮膚化粧品および皮膚科用組成物は有利な効果を示す。該製剤は、とりわけ、皮膚の保湿およびコンディショニングに、ならびに皮膚の感覚における改善に寄与しうる。該製剤は製剤製品中の増粘剤としても機能しうる。本発明の重合体を加えることにより、ある製剤製品中の皮膚適合性における相当な改善を達成することが可能である。
【0213】
本発明の皮膚化粧品および皮膚科用組成物は好ましくは、該組成物の総重量に対して約0.001〜30重量%、好ましくは0.01〜20重量%、非常に特に好ましくは0.1〜12重量%の量の少なくとも1つの共重合体A)を含む。
【0214】
共重合体A)に基づく光保護剤は特に、ポリビニルピロリドンのような通常の補助剤と比べてUV吸収成分の残留時間を増加させる特性を有する。
【0215】
利用分野に応じて、本発明の組成物は、スキンケアに適した形態、例えばクリーム、フォーム(泡)、ジェル(ゲル)、ペンシル、ムース、乳液、スプレー(ポンプスプレーまたは噴射剤含有スプレー)またはローションの形態で適用されうる。
【0216】
共重合体A)および適当な担体を含むことに加えて、本発明の皮膚化粧料組成物は、皮膚化粧品中で通常使用される及び前記のとおりの他の有効成分および補助剤をも含みうる。これらには、好ましくは、乳化剤、保存剤、香油、化粧品有効成分、例えばフィタントリオール、ビタミンA、EおよびC、レチノール、ビサボロール、ペンテノール、光保護剤、漂白剤、着色剤、染髪剤、日焼け剤、コラーゲン、タンパク質加水分解産物、安定剤、pH調節剤、染料、塩、増粘剤、ゲル形成剤、稠度付与剤、シリコーン、保湿剤、再脂肪化(refatting)剤および他の通常の添加剤が含まれる。
【0217】
皮膚化粧品および皮膚科用組成物の好ましい油脂成分としては、前記の鉱油および合成油、例えばパラフィン、シリコーン油および脂肪族炭化水素(9個以上の炭素原子を有するもの)、動物および植物油、例えばヒマワリ油、ヤシ油、アボカド油、オリーブ油、ラノリンまたはロウ、脂肪酸、脂肪酸エステル、例えばC6-C30-脂肪酸のトリグリセリド、ロウ(ワックス)エステル、例えばホホバ油、脂肪アルコール、石油ゼリー、水素化ラノリンおよびアセチル化ラノリンならびにそれらの混合物が挙げられる。
【0218】
本発明の製剤は、特定の特性が定まった通常の重合体をも含みうる。
【0219】
ある特性(例えば、触感、塗布挙動、耐水性ならびに/または有効成分および補助剤、例えば顔料の結合性の改善)を定めるためには、該皮膚化粧品および皮膚科用製剤は更に、シリコーン化合物に基づく調整物質をも含みうる。適当なシリコーン化合物としては、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサンまたはシリコーン樹脂が挙げられる。
【0220】
該化粧料または皮膚科用製剤は、当業者に公知の通常の方法により製造される。
【0221】
該化粧料または皮膚科用組成物は、好ましくは、エマルションの形態、特に油中水(W/O)型または水中油(O/W)型エマルションである。しかし、他のタイプの製剤、例えばヒドロ分散液(hydrodispersion)、ジェル(ゲル)、油、オレオゲル、複合エマルション、例えばW/O/WまたはO/W/Oエマルション形態のもの、無水軟膏または軟膏基剤などを選択することも可能である。
【0222】
該エマルションは公知方法により製剤される。少なくとも1つの共重合体A)のほかに、該エマルションは通常、通常の成分、例えば脂肪アルコール、脂肪酸エステル、特に脂肪酸トリグリセリド、脂肪酸、ラノリンおよびその誘導体、中性または合成油またはロウおよび乳化剤を水の存在下に含む。エマルション型特異的添加剤および適当なエマルションの製造の選択は、例えばSchrader, Grundlagen und Rezepturen der Kosmetika [Fundamentals and formulations of cosmetics], Huthig Buch Verlag, Heidelberg, 2nd edition, 1989, third part(これを参照により明示的に本明細書に組み入れることとする)に記載されている。
【0223】
適当なエマルション、例えばスキンクリームなどのためのエマルションは、一般には、油または脂肪相において適当な乳化剤系で乳化された水相を含む。本発明の製剤は、該水相の製造のために使用されうる。
【0224】
該エマルションの脂肪相中に存在しうる好ましい脂肪成分としては、炭化水素油、例えばパラフィン油、パーセリン(purcellin)油、ペルヒドロスクアレン、、およびこれらの油中のミクロクリスタリンワックスの溶液;動物または植物油、例えばスイートアーモンド油、アボカド油、カロフィルム(calophylum)油、ラノリンおよびその誘導体、ヒマシ油、ゴマ油、オリーブ油、ホホバ油、カリテ(karite)油、ホプロステツス(hoplostethus)油;大気圧下での蒸留開始温度が約250℃であり蒸留終了温度が410℃である鉱油、例えばワセリン油;飽和または不飽和脂肪酸のエステル、例えばアルキルミリステート、例えばi-プロピル、ブチルまたはセチルミリステート、ヘキサデシルステアレート、エチルまたはイソプロピルパルミテート、オクタンまたはデカン酸トリグリセリドおよびセチルリシノレートが挙げられる。
【0225】
該脂肪相は、他の油、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサンおよびシリコーングリコール共重合体、脂肪酸および脂肪アルコールに可溶性のシリコーン油をも含みうる。
【0226】
共重合体A)以外に、ロウ、例えばカルナウバロウ、カンデリラロウ、蜜ロウ、ミクロクリスタリンワックス、臭ロウならびにCa、MgおよびAlオレート、ミリステート、リノレートおよびステアレートを使用することも可能である。
【0227】
また、本発明のエマルションはO/Wエマルションの形態で存在しうる。このタイプのエマルションは通常、油相と、水相中の油相を安定化する乳化剤と、通常は増粘化形態で存在する水相とを含む。適当な乳化剤は、好ましくは、O/W乳化剤、例えばポイグリセロールエステル、ソルビタンエステルおよび部分エステル化グリセリドである。
【0228】
もう1つの好ましい実施形態においては、本発明の製剤はシャワー用ゲル状洗浄剤、シャンプー製剤または浴用剤である。
【0229】
本発明のそのような製剤は、少なくとも1つの共重合体A)、基礎界面活性剤としての通常はアニオン性の界面活性剤、ならびに共界面活性剤(cosurfactant)としての両性および/またはノニオン界面活性剤を含む。他の適当な有効成分および/または補助剤は、一般には、脂質、香油、染料、有機酸、保存剤および抗酸化剤、また、増粘剤/ゲル形成剤、スキンコンディショニング剤および保湿剤から選ばれる。
【0230】
これらの製剤は好ましくは、該製剤の総重量に対して2〜50重量%、好ましくは5〜40重量%、特に好ましくは8〜30重量%の界面活性剤を含む。
【0231】
ボディ(身体)洗浄用組成物において通常使用されるすべてのアニオン、中性、両性またはカチオン界面活性剤が該洗浄用、シャワー用および浴用製剤において使用されうる。
【0232】
適当なアニオン界面活性剤としては、例えばアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N-アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイソチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、α-オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩が挙げられる。該アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは分子内に1〜10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有しうる。
【0233】
これらには、例えばナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートが含まれる。
【0234】
適当な両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテートまたはアルキルアンホプロピオネート、アルキルアンホジアセテートまたはアルキルアンホジプロピオネートが挙げられる。
【0235】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインまたはナトリウムコカンホプロピオネートが使用されうる。
【0236】
適当なノニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖状または分枝状でありうるアルキル鎖内に6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはアルキルフェノールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの反応生成物が挙げられる。アルキレンオキシドの量はアルコール1mol当たり約6〜60molである。アルキルアミンオキシド、モノまたはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、エトキシ化脂肪酸アミド、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエーテルエステルも適している。
【0237】
該洗浄用、シャワー用および浴用製剤は通常のカチオン界面活性剤、例えば第四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドをも含みうる。
【0238】
また、シャワー用ジェル(ゲル)/シャンプー用製剤は増粘剤、例えば塩化ナトリウム、PEG-55、プロピレングリコールオレート、PEG-120-メチルグルコースジオレートなど、ならびに保存剤、他の有効成分および補助剤および水を含みうる。
【0239】
もう1つの好ましい実施形態においては、本発明の製剤はヘアトリートメント組成物である。
【0240】
本発明のヘアトリートメント組成物は好ましくは、該組成物の総重量に対して約0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜20重量%の量の少なくとも1つの共重合体A)を含む。
【0241】
本発明のヘアトリートメント組成物は、好ましくは、セット用フォーム、ヘアムース、ヘアジェル、シャンプー、ヘアスプレー、ヘアフォーム、最終流体、パーマネントウェーブ用の中和剤、染毛剤および漂白剤またはホットオイルトリートメントの形態である。使用分野に応じて、該髪化粧用製剤は、(エアゾール)スプレー、(エアゾール)フォーム、ジェル(ゲル)、ジェルスプレー、クリーム、ローションまたはワックス(ロウ)の形態で適用されうる。ヘアスプレーには、エアゾールスプレー、および噴射ガスを使用しないポンプスプレーの両方が含まれる。ヘアフォームには、エアゾールフォーム、および噴射ガスを使用しないポンプフォームの両方が含まれる。ヘアスプレーおよびヘアフォームは、好ましくは、主として又は専ら水溶性または水分散性成分を含む。本発明のヘアスプレーおよびヘアフォームにおいて使用する化合物が水分散性である場合には、それは、通常は1〜350nm、好ましくは1〜250nmの粒径を有する水性微小分散物の形態で適用されうる。これらの微小分散物は、一般には、それらの安定化のためには乳化剤も界面活性剤も必要としない。
【0242】
好ましい実施形態においては、本発明の髪化粧料製剤は、
A)0.05〜20重量%の少なくとも1つの共重合体A)、
B)20〜99.95重量%の水および/またはアルコール、
C)0〜50重量%の少なくとも1つの噴射ガス、
D)0〜5重量%の少なくとも1つの乳化剤、
E)0〜3重量%の少なくとも1つの増粘剤、および
F)25重量%までの他の成分
を含み、ここで、該製剤のpHはpH 4〜pH 6の範囲の値を有する。
【0243】
アルコールは、化粧品において通常使用されるすべてのアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、n-プロパノールを意味すると理解される。
【0244】
他の成分は、化粧品において通常使用される添加剤、例えば噴射剤、消泡剤、界面活性化合物、すなわち界面活性剤、乳化剤、泡形成剤および可溶化剤を意味すると理解される。使用する界面活性化合物はアニオン性、カチオン性、両性または中性でありうる。また、他の通常の成分は、例えば保存剤、香油、乳濁剤、有効成分、UVフィルター、ケア物質、例えばパンテノール、コラーゲン、ビタミン、タンパク質加水分解産物、αおよびβ-ヒドロキシカルボン酸、安定剤、pH調節剤、染料、粘度調節剤、ゲル形成剤、塩、保湿剤、再脂肪化(refatting)剤、錯化剤および他の通常の添加剤でありうる。
【0245】
これらには、非常に特定の特性が定められ本発明の重合体と共に使用されうる、化粧品において公知のすべての整髪用およびコンディショニング用重合体も含まれる。
【0246】
適当な通常の髪化粧料重合体としては、例えば、参照により本明細書に組み入れる前記のカチオン性、アニオン性、中性、ノニオン性および両性重合体が挙げられる。
【0247】
ある特性を定めるためには、該製剤は更に、シリコーン化合物に基づくコンディショニング(調整用)物質をも含みうる。適当なシリコーン化合物としては、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサン、シリコーン樹脂またはジメチコーン共重合体(CTFA)およびアミノ官能性シリコーン化合物、例えばアミノジメチコーン(CTFA)が挙げられる。
【0248】
本発明の重合体は特に、整髪剤、特にヘアスプレー(エアゾールスプレー、および噴射ガスを使用しないポンプスプレー)およびヘアフォーム(エアゾールフォーム、および噴射ガスを使用しないポンプフォーム)中のセット剤として適している。
【0249】
好ましい実施形態においては、スプレー製剤は、
A)0.1〜3重量%の少なくとも1つの共重合体A)、
B)0.1〜3重量%の少なくとも1つの他の重合体、
C)20〜99.9重量%の水および/またはアルコール、
D)0〜70重量%の少なくとも1つの噴射剤、
E)0〜20重量%の他の成分
を含み、ここで、該製剤のpHはpH 4〜pH 6の範囲の値を有する。
【0250】
噴射剤は、ヘアスプレーまたはエアゾールフォームに通常使用される噴射剤である。プロパン/ブタン、ペンタン、ジメチルエーテル、1,1-ジフルオロエタン (HFC-152 a)、二酸化炭素、窒素または圧縮空気の混合物が好ましい。
【0251】
本発明において好ましいエアゾールヘアフォーム用の製剤は、
A)0.1〜10重量%の少なくとも1つの共重合体A)、
B)55〜99.8重量%の水および/またはアルコール、
C)5〜20重量%の噴射剤、
D)0.1〜5重量%の乳化剤、
E)0〜10重量%の他の成分
を含み、ここで、該製剤のpHはpH 4〜pH 6の範囲の値を有する。
【0252】
使用されうる乳化剤としては、ヘアフォームにおいて通常使用されるすべての乳化剤が挙げられる。適当な乳化剤はノニオン性、カチオン性またはアニオン性または両性でありうる。
【0253】
ノニオン性乳化剤の具体例(INCI命名法)としては、Laureths、例えばLaureth-4; Ceteths、例えばCeteth-1、ポリエチレングリコールセチルエーテル; Ceteareths、例えばCeteareth-25、ポリグリコール脂肪酸グリセリド、ヒドロキシル化レシチン、脂肪酸のラクチルエステル、アルキルポリグリコシドが挙げられる。
【0254】
カチオン乳化剤の具体例としては、セチルジメチル-2-ヒドロキシエチルアンモニウム二水素ホスフェート、セチルトリモニウムクロリド、セチルトリモニウムブロミド、ココトリモニウムメチルスルフェート、Quaternium-1〜x (INCI)が挙げられる。
【0255】
アニオン乳化剤は、例えば、アルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N-アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、α-オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩よりなる群から選ばれうる。該アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは分子内に1〜10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有しうる。
【0256】
本発明において整髪用ジェルに適した製剤は、例えば以下の組成:
A)0.1〜10重量%の少なくとも1つの共重合体A)、
B)80〜99.85重量%の水および/またはアルコール、
C)0〜3重量%、好ましくは0.05〜2重量%のジェル(ゲル)形成剤、
D)0〜20重量%の他の成分
を有することが可能であり、ここで、該製剤のpHはpH 4〜pH 6の範囲の値を有する。
【0257】
ゲル形成剤の使用は、該ゲルの特定のレオロジー又は他の性質を得るために有利でありうる。使用されうるゲル形成剤としては、化粧品において通常使用されるすべてのゲル形成剤が挙げられる。
【0258】
これらには、例えばセルロース誘導体、例えばヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カチオン修飾セルロース、多糖、例えばキサンタンガム、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ナトリウムアクリレート共重合体、Polyquaternium-32 (および) Paraffinum Liquidum (INCI)、ナトリウムアクリレート共重合体 (および) Paraffinum Liquidum (および) PPG-1 Trideceth-6、アクリルアミドプロピルトリモニウムクロリド/アクリルアミド共重合体、Steareth-10アリルエーテルアクリレート共重合体、Polyquaternium-37 (および) Paraffinum Liquidum (および) PPG-1 Trideceth-6, Polyquaternium 37 (および) プロピレングリコールジカプレート ジカプリレート (および) PPG-1 Trideceth-6、Polyquaternium-7、Polyquaternium-44が含まれる。
【0259】
本発明の製剤はコンディショニング剤として化粧料製剤(化粧品製剤)中で使用されうる。
【0260】
本発明の製剤は、好ましくは、セット剤および/またはコンディショニング剤としてシャンプー製剤中で使用されうる。好ましいシャンプー製剤は、
A)0.05〜10重量%の少なくとも1つの共重合体A)、
B)25〜94.95重量%の水、
C)5〜50重量%の界面活性剤、
D)0〜5重量%のもう1つのコンディショニング剤、
E)0〜10重量%の他の化粧料成分
を含み、ここで、該製剤のpHはpH 4〜pH 6の範囲の値を有する。
【0261】
シャンプーにおいて通常使用されるすべてのアニオン性、中性、両性またはカチオン性界面活性剤が該シャンプー製剤において使用されうる。
【0262】
適当なアニオン界面活性剤としては、例えばアルキルスルフェート、アルキルエーテルスルフェート、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルスクシネート、アルキルスルホスクシネート、N-アルコイルサルコシネート、アシルタウレート、アシルイセチオネート、アルキルホスフェート、アルキルエーテルホスフェート、アルキルエーテルカルボキシレート、α-オレフィンスルホネート、特にアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウムおよびアンモニウムおよびトリエタノールアミン塩が挙げられる。該アルキルエーテルスルフェート、アルキルエーテルホスフェートおよびアルキルエーテルカルボキシレートは分子内に1〜10個のエチレンオキシドまたはプロピレンオキシド単位、好ましくは1〜3個のエチレンオキシド単位を有しうる。
【0263】
例えば、ナトリウムラウリルスルフェート、アンモニウムラウリルスルフェート、ナトリウムラウリルエーテルスルフェート、アンモニウムラウリルエーテルスルフェート、ナトリウムラウリルサルコシネート、ナトリウムオレイルスクシネート、アンモニウムラウリルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、トリエタノールアミンドデシルベンゼンスルホネートが適している。
【0264】
適当な両性界面活性剤としては、例えばアルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、アルキルスルホベタイン、アルキルグリシネート、アルキルカルボキシグリシネート、アルキルアンホアセテートまたはアンホプロピオネート、アルキルアンホジアセテートまたはアンホジプロピオネートが挙げられる。
【0265】
例えば、ココジメチルスルホプロピルベタイン、ラウリルベタイン、コカミドプロピルベタインまたはナトリウムコカンホプロピオネートが使用されうる。
【0266】
適当なノニオン界面活性剤としては、例えば、直鎖状または分枝状でありうるアルキル鎖内に6〜20個の炭素原子を有する脂肪族アルコールまたはアルキルフェノールとエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの反応生成物が挙げられる。アルキレンオキシドの量はアルコール1mol当たり約6〜60molである。アルキルアミンオキシド、モノまたはジアルキルアルカノールアミド、ポリエチレングリコールの脂肪酸エステル、アルキルポリグリコシドまたはソルビタンエーテルエステルも適している。
【0267】
さらに、該シャンプー製剤は通常のカチオン界面活性剤、例えば第四級アンモニウム化合物、例えばセチルトリメチルアンモニウムクロリドを含みうる。
【0268】
該シャンプー製剤においては、ある効果をもたらすために、共重合体A)と共に通常のコンディショニング剤が使用されうる。これらには、例えば、INCI名Polyquaterniumを有する前記のカチオン性重合体、特に、ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩の共重合体 (Luviquat (登録商標) FC, Luviquat(登録商標) HM, Luviquat(登録商標) MS, Luviquat(登録商標) Care, Luviquat(登録商標) UltraCare)、ジエチル硫酸で第四級化されたN-ビニルピロリドン/ジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体 (Luviquat(登録商標) PQ 11)、N-ビニルカプロラクタム/N-ビニルピロリドン/N-ビニルイミダゾリウム塩の共重合体 (Luviquat(登録商標) Hold); カチオン性セルロース誘導体 (Polyquaternium-4および-10)、アクリルアミド共重合体 (Polyquaternium-7) が含まれる。タンパク質加水分解産物、およびシリコーン化合物に基づくコンディショニング(調整用)物質、例えばポリアルキルシロキサン、ポリアリールシロキサン、ポリアリールアルキルシロキサン、ポリエーテルシロキサンまたはシリコーン樹脂を使用することも可能である。他の適当なシリコーン化合物としては、ジメチコーン共重合体(CTFA)およびアミノ官能性シリコーン化合物、例えばアミノジメチコーン(CTFA)が挙げられる。また、カチオン性グアー誘導体、例えばグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(INCI)が使用されうる。
【実施例】
【0269】
以下の非限定的な実施例を参照することにより、本発明を更に詳しく例示する。
【0270】
実施例
単量体は重量%で示す。
1.共重合体の製造(溶液中の遊離基重合)
実施例S1:N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) (55/10/35)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
121.5 g 脱イオン水
17.5 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.75 g N-ビニルイミダゾール
4.12 g N-ビニルピロリドン
0.03 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
78.5 g N-ビニルピロリドン
14.2 g N-ビニルイミダゾール
332 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.6 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.5 g 脱イオン水
【0271】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合(after-重合体ized)させた。
【0272】
70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0273】
実施例S2: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) / N-ビニルイミダゾール メトスルフェート (QVI) (60/5/30/5)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
164 g 脱イオン水
14.4 g メタクリルアミド 溶液 (水中、15重量%の強度)
0.36 g N-ビニルイミダゾール
4.32 g N-ビニルピロリドン
0.8 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
0.04 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
86.0 g N-ビニルピロリドン
7.1 g N-ビニルイミダゾール
285.0 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
16.0 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.85 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.49 g 脱イオン水
【0274】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら65℃に加熱した。65℃の温度に達したら、供給1を2時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。
【0275】
65℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0276】
実施例S3: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) / N-ビニルイミダゾール メトスルフェート (QVI) (55/5/35/5)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
121.5 g 脱イオン水
17.5 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.37 g N-ビニルイミダゾール
4.1 g N-ビニルピロリドン
0.82 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
0.04 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
78 g N-ビニルピロリドン
7.1 g N-ビニルイミダゾール
332.5 g メタクリルアミド 溶液 (水中、15重量%の強度)
15.9 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.70 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.49 g 脱イオン水
【0277】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。
【0278】
70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0279】
実施例 S4: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) / N-ビニルイミダゾールメトスルフェート (QVI) (55/5/35/5)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
121.5 g 脱イオン水
17.5 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.37 g N-ビニルイミダゾール
4.04 g N-ビニルピロリドン
0.82 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
0.04 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
78 g N-ビニルピロリドン
7.1 g N-ビニルイミダゾール
332.5 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
15.9 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.70 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.49 g 脱イオン水
【0280】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。
【0281】
70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0282】
実施例S5: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) (55/10/35)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
121.5 g 脱イオン水
17.5 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.75 g N-ビニルイミダゾール
4.10 g N-ビニルピロリドン
0.03 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
78.0 g N-ビニルピロリドン
14.0 g N-ビニルイミダゾール
332.5 g メタクリルアミド溶液(水中、15重量%の強度)
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.55 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.49 g 脱イオン水
【0283】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。乳酸を加えることにより、供給1を5.5のpHに調節した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。
【0284】
70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0285】
実施例 S6: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) (55/10/35)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
121 g 脱イオン水
17.65 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.7 g N-ビニルイミダゾール
3.77 g N-ビニルピロリドン
0.03 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
0.3 g 乳酸
供給 1: 以下の単量体混合物:
79.0 g N-ビニルピロリドン
14.0 g N-ビニルイミダゾール
供給 2: 以下の単量体混合物:
332.0 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
4.8 g 乳酸
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.6 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 4: 以下の開始剤溶液
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.5 g 脱イオン水
【0286】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および4つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2および3を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0287】
実施例 S7: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) / N-ビニルイミダゾールメトスルフェート (QVI) (55/5/35/5)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
121.5 g 脱イオン水
17.5 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.37 g N-ビニルイミダゾール
4.10 g N-ビニルピロリドン
0.83 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
0.04 g Wako(登録商標) V 50 [2,2-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 2: 以下の単量体混合物:
79.0 g N-ビニルピロリドン
16.0 N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
7.1 g N-ビニルイミダゾール
供給 1: 以下の単量体混合物:
332.0 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.70 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 4: 以下の開始剤溶液
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.49 g 脱イオン水
【0288】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および4つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら65℃に加熱した。乳酸を加えることにより、供給2を6.0のpH値に調節した。65℃の温度に達したら、供給1および3を4時間にわたって計量供給し、供給2を3時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。65℃で、供給4を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却し、乳酸を加えることにより、pHをpH 5.5の値に調節した。
【0289】
実施例 S8: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) / N-ビニルイミダゾールメトスルフェート (QVI) (55/8/29/8)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
166.0 g 脱イオン水
15.7 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.65 g N-ビニルイミダゾール
4.45 g N-ビニルピロリドン
1.45 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
0.04 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
274.0 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
78 g N-ビニルピロリドン
25.2 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
11.3 g N-ビニルイミダゾール
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.70 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 3: 以下の開始剤溶液
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.49 g 脱イオン水
【0290】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。乳酸を加えることにより、供給1を6.0のpHに調節した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却し、乳酸を加えることにより、pHをpH 5.5の値に調節した。
【0291】
実施例 S9: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) / N-ビニルイミダゾールメトクロリド (QVI) (55/10/29/6)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
166.0 g 脱イオン水
15.7 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.80 g N-ビニルイミダゾール
4.45 g N-ビニルピロリドン
1.10 g N-ビニルイミダゾールメトクロリド溶液 (水中、45重量%の強度)
0.04 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
274.0 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
78.0 g N-ビニルピロリドン
19.0 g N-ビニルイミダゾールメトクロリド溶液 (水中、45重量%の強度)
14.2 g N-ビニルイミダゾール
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.70 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 脱イオン水
供給 3: 以下の開始剤溶液
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.49 g 脱イオン水
【0292】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。乳酸を加えることにより、供給1を6.0のpHに調節した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0293】
実施例 S10: N-ビニルピロリドン (VP) / N-ビニルイミダゾール (VI) / メタクリルアミド (MAM) / N-ビニルイミダゾールメトスルフェート (QVI) (55/10/29/6)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
324.0 g 脱イオン水
31.8 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
1.6 g N-ビニルイミダゾール
9.0 g N-ビニルピロリドン
2.2 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
0.08 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
548.0 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
156 g N-ビニルピロリドン
37.8 g N-ビニルイミダゾールメトスルフェート溶液 (水中、45重量%の強度)
28.5 g N-ビニルイミダゾール
供給 2: 以下の開始剤溶液:
1.4 g Wako(登録商標) V 50
41.9 g 脱イオン水
供給 3: 以下の溶液
1.28 g 70%強度のtert.-ブチルヒドロペルオキシド
20 g 脱イオン水
供給 4: 以下の溶液
0.76 g 二亜硫酸ナトリウム
11 g 脱イオン水
【0294】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する2Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。リン酸を加えることにより、供給1を6.5のpHに調節した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。温度を75℃に上昇させた。75℃で、供給3をバッチ式で計量供給した。10分後、供給4を2分割で5分間にわたって加え、該混合物を3時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0295】
実施例 S11: N-ビニルピロリドン VP)/ ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド (DMAPMAM) / メタクリルアミド (MAM)の共重合体
初期仕込み: 以下の単量体混合物
121.5 g 脱イオン水
17.5 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
0.75 g ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
4.12 g N-ビニルピロリドン
0.03 g Wako(登録商標) V 50 [2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン) 二塩酸塩]
供給 1: 以下の単量体混合物:
82.5 g N-ビニルピロリドン
15 g ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド
350 g メタクリルアミド溶液 (水中、15重量%の強度)
供給 2: 以下の開始剤溶液:
0.6 g Wako(登録商標) V 50
20.97 g 水
供給 3: 以下の開始剤溶液:
0.45 g Wako(登録商標) V 50
10.5 g 水
【0296】
計量装置、還流冷却器、内部温度計および3つの別々の供給装置を有する1Lパイロットスターラーにおいて、初期仕込み物を窒素雰囲気下、攪拌しながら70℃に加熱した。70℃の温度に達したら、供給1を3時間にわたって計量供給し、供給2を4時間にわたって計量供給した。ついで該混合物を2時間、後重合させた。
【0297】
70℃で、供給3を10分間にわたって計量供給し、該混合物を再び4時間、後重合させた。ついで該混合物を30分間水蒸気蒸留に付し、40℃に冷却した。
【0298】
適用実施例
合成実施例S1〜S11に従い合成した共重合体を、以下の組成によりフォーム製剤に製造した(実施例SF1〜SF16)。
【0299】
SF1-SF16: フォーム製剤:
2.00 g Luviquat(登録商標) Mono LS
0.20 g 香油
2.00 g AI* 重合体
0.10 g Euxyl(登録商標) K 100
適量 Phenonip(登録商標)
100 gに調整 脱イオン水
10.00 g プロパン/ブタン 3.5 bar
【0300】
製剤化:該成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズした。ついで該調製物を適当な容器に詰め、噴射ガスを加えた。
*AI: 有効成分重合体は全製剤100g中のgで示されている。
【0301】
SF2, SF4, SF7, SF9, SF14: 表2に詳記されている重合体に基づくフォーム製剤のpHを、乳酸を使用して、表2に示されてるpHに調節した。
【0302】
SF11およびSF12は、重合の完了後であってフォーム形態への製剤化の前に該水性製剤のpHが調節されたフォーム製剤である。
【0303】
SF16、SF18: 表2に詳記されている重合体に基づくフォーム製剤のpHを、リン酸を使用して、表2に記載のpHに調節した。
【0304】
SF1、SF3、SF5、SF6、SF8、SF10、SF13およびSF15は、重合が完了した後に該水性剤のpHが調節されていないフォーム製剤(比較実施例)である。
【0305】
K値の決定
K値は、Fikentscher, Cellulosechemie [Cellulose Chemistry], Vol. 13, pp. 58-64 (1932)に従い、水性/エタノール性またはエタノール性溶液中で25℃で測定され、分子量の尺度である。該重合体の水性/エタノール性またはエタノール性溶液は溶液100ml中に1gの重合体を含む。該重合体が水性分散液の形態である場合には、濃度が溶液100ml中で重合体1gとなるよう、該分散液の重合体含量に応じて、該分散液の対応量をエタノールで100mlまで増加させる。K値は、SchottのMicro-UbbelohdeキャピラリータイプM Icで測定する。
【0306】
エタノール中の水に関する混合補正を伴うK値の計算
混合補正のための以下の等式中に示されている因数は専ら、25℃の測定温度におけるこのタイプのキャピラリーを意味する。
【0307】
K値の計算:
【数1】

【0308】
混合補正の計算:
エタノール中の水の混合物は、水の含量に対して、溶媒混合物の粘度における非比例変化を示す。
サンプル(重合体の水性懸濁液)の性質により、該サンプルの初期重量から、水を該エタノール性サンプル溶液中に導入する。この水量は、混合補正により、該溶媒の実施(run)時間に含まれ、相対粘度が水の添加に対して適切に補正される。
【0309】
溶媒混合物の実施(run)時間
tSOL = to + tM
実施時間補正:
tM = - 7.486100e-5 * cW4 + 3.785884 E-3 * cW3
- 8.063441E-2 * cW2 + 1.999207 * cW + 2.959258E-2
【0310】
溶媒中の水含量:
cW = c / SC / 100 * ( 1 - SC / 100 )
c 測定溶液の濃度 [g/100ml]
cW 測定溶液中の水の濃度 [g/100ml]
SC サンプル中の固体含量 [g/100g]
HCSOL 溶媒のHagenbach補正 [-s]
HCSLN 測定溶液のHagenbach補正 [-s]
tSOL 混合補正された、溶媒の実施時間 [s]
tSLN 測定された、測定溶液の実施時間 [s]
t0 測定された、溶媒の実施時間 [s]
tM 計算された溶媒混合物に関する実施時間補正 [s]
z Fikentscher式におけるηrel (K値計算)
【0311】
カール保持力
湿った髪房(hair tress)を濾紙の間で押さえつけ、該重合体溶液(噴射ガスを含有しない製剤)に3回浸漬し、挟んで手で取り出し、濾紙の間で再び押さえつける。ついで該髪房をテフロン棒に巻き、濾紙およびゴム輪を使用して固定した。該髪房を加熱室内で70〜80℃で約90分間乾燥させる。室温へ冷却した後、該カールを、その形状を維持したまま取り出し、この目的に特別に作られたフレームに吊るし、付属の目盛りでcm単位でカール長(L0)を測定する。
カール保持力値を測定するためには、5つの髪カールを使用すべきである。該カールを、20℃および相対湿度75%または90%の温度湿度制御室内に吊るす。5時間後、長さ(Lt)を読み取る。
カール保持力は以下のとおりに計算される。
【数2】

【0312】
示されているカール保持力は、20℃ならびに75%および90%の相対湿度での5時間後の5個の測定の平均である。
【0313】
曲げ剛性
乾燥した秤量した髪房を脱イオン水に3回浸漬し、取り出し、濾紙の間で押さえつけ、秤量する。ついで該髪を被検重合体溶液(噴射ガスを含有しない製剤)に3回浸漬し、引っぱり出すようにして手で取り出し、同様に濾紙の間で押さえつけ、秤量する。ついで、横断面が可能な限り円形となるよう、該髪房を手で形作る。該髪房を、温度湿度制御室(21℃および相対湿度65%)内で、クランプにより自由に吊り下がるよう、一晩吊るす。
【0314】
引張/圧力試験装置(model Easytest 86 802, Frank)を使用して、21℃および相対湿度65%の温度湿度制御室内で試験を行う。該髪房をサンプルホルダーの2本の円柱ロール(直径4mm、間隔90mm)上に配置する。ついで、円形ポンチを使用して、該髪房を上方から、中央部で40mm曲げる(重合体皮膜の破壊)。これに要した力を、ロードセル(50Nまたは10N)を使用して測定し、ニュートン単位で表す。5つの異なる髪房において、各重合体溶液を試験する。
用いた結果は、5つの測定の平均である。
【0315】
K値、pH、カール保持力および曲げ剛性の測定は、表2に示す製剤に関して行った。
【表2】

【0316】
PF1〜PF11) ポンプスプレー
【表3】

【0317】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0318】
製造: 該成分のすべてを秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、乳酸またはリン酸でpHをpH 5〜pH 6の値に調節する。
【0319】
GF1〜GF11) セット用ジェル1
【表4】

【0320】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0321】
製造: 該成分のすべてを秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、乳酸またはリン酸でpHをpH 5〜pH 6の値に調節する。
【0322】
GF12〜GF22) セット用ジェル2
【表5】

【0323】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0324】
製造: 該成分のすべてを秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズする。
【0325】
HS1〜HS11) 水性手動ポンプスプレー
【表6】

【0326】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0327】
製造: 該成分のすべてを秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズする。
【0328】
SF19〜SF29) セット用フォーム1
【表7】

【0329】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0330】
製造: 該成分のすべてを秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズする。ついで該製剤をボトルに詰め、噴射ガスを加える。
【0331】
SF30〜SF40) セット用フォーム2
【表8】

【0332】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0333】
製造: 該成分のすべてを秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズする。ついで該製剤をボトルに詰め、噴射ガスを加える。
【0334】
SF41〜SF51) セット用フォーム3
【表9】

【0335】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0336】
製造: 該成分のすべてを秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズする。ついで該製剤をボトルに詰め、噴射ガスを加える。
【0337】
CS1〜CS11) コンディショナーシャンプー1
【表10】

【0338】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0339】
相AおよびBを秤量し、攪拌しながら別々に溶解する。乳酸(水中、20重量%)で相Aを5〜6のpHに調節し、水で100重量%にする。相Bを相A中へゆっくりと攪拌する。
【0340】
CS12〜CS22) コンディショナーシャンプー2
【表11】

【0341】
相AおよびBを秤量し、攪拌しながら別々に溶解する。乳酸(水中、20重量%)で相Aを5〜6のpHに調節し、水で100重量%にする。相Bを相A中へゆっくりと攪拌する。
【0342】
CS23〜CS33) コンディショナーシャンプー3
【表12】

【0343】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0344】
製造: 該成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、乳酸またはリン酸でpHをpH 5〜pH 6の値に調節し、水で100重量%にする。
【0345】
CM1〜CM11) コンディショナームース1
【表13】

【0346】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0347】
製造: 該成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、乳酸またはリン酸でpHをpH 5〜pH 6の値に調節し、水で100重量%にする。ついで該製剤をボトルに詰め、噴射ガスを加える。
【0348】
CM12〜CM22) コンディショナームース2
【表14】

【0349】
更に、保存剤、可溶性エトキシ化シリコーン、香油および他の通常の化粧品成分を該製剤に加えることも可能である。
【0350】
製造: 該成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、乳酸またはリン酸でpHをpH 5〜pH 6の値に調節し、水で100重量%にする。ついで該製剤をボトルに詰め、噴射ガスを加える。
【0351】
SM1〜SM11) スタイリングムース1
【表15】

【0352】
製造: 相AおよびBの成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、相BのpHを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、相Bを水で100重量%にする。ついでAおよびBを混合し、該製剤をボトルに詰め、噴射ガス(相C)を加える。
【0353】
SM12〜SM22) スタイリングムース2
【表16】

【0354】
製造: 相AおよびBの成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、相BのpHを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、相Bを水で100重量%にする。ついでAおよびBを混合し、該製剤をボトルに詰め、噴射ガス(相C)を加える。
【0355】
SM23〜SM33) スタイリングムース3
【表17】

【0356】
製造: 相AおよびBの成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、相BのpHを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、相Bを水で100重量%にする。ついでAおよびBを混合し、相Cを加え、該製剤をボトルに詰め、噴射ガス(相D)を加える。
【0357】
SM34〜SM44) スタイリングムース4
【表18】

【0358】
製造: 相AおよびBの成分を秤量し、攪拌しながら室温でゆっくりホモジナイズし、相BのpHを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、相Bを水で100重量%にする。ついでAおよびBを混合し、相Cを加え、該製剤をボトルに詰め、噴射ガス(相D)を加える。
【0359】
SM45〜SM55) スタイリングムース5
【表19】

【0360】
製造: 相AおよびBを秤量し、攪拌しながら別々に溶解し、混合する。相Bを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、適当な場合には、他の物質、例えば保存剤または香油を相AまたはBに加える。ボトル詰めし、噴射ガス(相C)を加える。
【0361】
SM56〜SM66) スタイリングムース6
【表20】

【0362】
製造: 相AおよびBを秤量し、攪拌しながら別々に溶解し、混合する。相Bを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、適当な場合には、他の物質、例えば保存剤または香油を相AまたはBに加える。ボトル詰めし、噴射ガス(相C)を加える。
【0363】
SM67〜SM77) スタイリングムース7
【表21】

【0364】
製造: 相AおよびBを秤量し、攪拌しながら別々に溶解し、混合する。相Bを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、適当な場合には、他の物質、例えば保存剤または香油を相AまたはBに加える。ボトル詰めし、噴射ガス(相C)を加える。
【0365】
SM78〜SM88) スタイリングムース8
【表22】

【0366】
製造: 相AおよびBを秤量し、攪拌しながら別々に溶解し、混合する。相Bを乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6の値に調節し、適当な場合には、他の物質、例えば保存剤または香油を相AまたはBに加える。ボトル詰めし、噴射ガス(相C)を加える。
【0367】
SM89〜SM99) スタイリングムース9
【表23】

【0368】
製造: 成分を秤量し、攪拌しながら溶解し、混合する。乳酸またはリン酸を使用して、pHをpH 5〜pH 6の値に調節し、適当な場合には、他の物質、例えば保存剤または香油を加える。ボトル詰めし、噴射ガスを加える。
【0369】
皮膚化粧品における用途:
C1〜C11) 標準的なO/Wクリーム
【表24】

【0370】
製造:油相および水相を秤量し、約80℃の温度で、攪拌しながら別々にホモジナイズし、水相を乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6のpHに調節する。水相を油相中へゆっくりと攪拌導入する。攪拌しながら室温へゆっくり冷却する。
【0371】
T1〜T11 昼用ローション
【表25】

【0372】
製造:油相および水相を秤量し、約80℃の温度で、攪拌しながら別々にホモジナイズする。水相を乳酸またはリン酸でpH 5〜pH 6のpHに調節し、油相中へゆっくりと攪拌導入する。攪拌しながら室温へゆっくり冷却する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)a)少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体および
b)それと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体
を共重合形態で含む、カチオン生成基を有する少なくとも1つの水溶性または水分散性共重合体A)、ならびに、
B)少なくとも1つの化粧料上許容される担体
を含んでなる水性製剤であって、該水性製剤のpHがpH 4〜pH 6の範囲の値を有する、水性製剤。
【請求項2】
共重合体A)が、
a)N-ビニルイミダゾール、その誘導体、ならびにα,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸と少なくとも1つの第一級または第二級アミノ基を有するジアミンとのアミドから選ばれる、少なくとも1つのプロトン化されうる窒素原子を有する少なくとも1つの単量体、ならびに
b)それと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体
を共重合形態で含む、請求項1記載の水性製剤。
【請求項3】
共重合体A)が、
a)N-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、ならびに
b)それと共重合しうる少なくとも1つの他の単量体
を共重合形態で含む、請求項1または2記載の水性製剤。
【請求項4】
共重合体A)が、
a)N-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、ならびに
b1)少なくとも1つのN-ビニルラクタム
を共重合形態で含む、請求項3記載の製剤。
【請求項5】
共重合体A)が更に、
b2.1)飽和C1-C8-モノカルボン酸のN-ビニルアミド、
b2.2)アミド基のカルボニル炭素原子に加えて多くとも8個の追加的炭素原子を有する、α,β-エチレン不飽和モノカルボン酸ならびにそのN-アルキルおよびN,N-ジアルキル誘導体の第一級アミド、
b2.3)α,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とジオールとのエステル、
b2.4)第一級または第二級アミノ基を有するアミノアルコールとα,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とのアミド、
b2.5)ポリエーテルアクリレートおよびそれらの混合物
から選ばれる、a)およびb1)とは別のそれらと共重合しうる少なくとも1つのノニオン性水溶性単量体b2)を共重合形態で含む、請求項1〜4のいずれか1項記載の製剤。
【請求項6】
共重合体A)が更に、カチオン性親水性基を有するα,β-エチレン不飽和水溶性化合物から選ばれる少なくとも1つの単量体b3)を共重合形態で含む、請求項1〜5のいずれか1項記載の製剤。
【請求項7】
単量体b3)が単量体a)の第四級化生成物から選ばれる、請求項6記載の製剤。
【請求項8】
共重合体A)が、
a)0.5〜40重量%のN-ビニルイミダゾールおよび/またはその誘導体、
b1)20〜99.5重量%の少なくとも1つのN-ビニルラクタム、
b2)b2.1)飽和C1-C8-モノカルボン酸のN-ビニルアミド、
b2.2)アミド基のカルボニル炭素原子に加えて多くとも8個の追加的炭素原子を有する、α,β-エチレン不飽和モノカルボン酸ならびにそのN-アルキルおよびN,N-ジアルキル誘導体の第一級アミド、
b2.3)α,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とジオールとのエステル、
b2.4)第一級または第二級アミノ基を有するアミノアルコールとα,β-エチレン不飽和モノおよびジカルボン酸とのアミド、
b2.5)ポリエーテルアクリレートおよびそれらの混合物
から選ばれる0〜50重量%の少なくとも1つの単量体b2)、ならびに
b3)カチオン性親水性基を有するα,β-エチレン不飽和水溶性化合物から選ばれる0〜30重量%の少なくとも1つの単量体
を共重合形態で含み、成分a)〜b3)の量の和が100重量%である、請求項1〜7のいずれか1項記載の製剤。
【請求項9】
共重合体A)が、
a)1〜30重量%の単量体a)、
b1)20〜70重量%の単量体b1)、
b2)5〜50重量%の単量体b2)および
b3)0〜30重量%の単量体b3)
を共重合形態で含み、成分a)〜b3)の量の和が100重量%である、請求項8記載の製剤。
【請求項10】
共重合体A)が、
a)3〜20重量%の単量体a)、
b1)30〜70重量%の単量体b1)、
b2)10〜40重量%の単量体b2)および
b3)0〜10重量%の単量体b3)
を共重合形態で含み、成分a)〜b3)の量の和が100重量%である、請求項9記載の製剤。
【請求項11】
共重合体A)が、
a)N-ビニルイミダゾール、
b1)N-ビニルピロリドン、
b2)場合によっては、少なくとも1つの単量体b2)、
b3)場合によっては、N-ビニルイミダゾールの及びジメチルアミノプロピルメタクリルアミドの第四級化生成物から選ばれる少なくとも1つの単量体b3)
を共重合形態で含む、請求項8〜10のいずれか1項記載の製剤。
【請求項12】
共重合体A)が、
a)3〜15重量%のN-ビニルイミダゾール、
b1)30〜70重量%のN-ビニルピロリドン、
b2)20〜35重量%のメタクリルアミド、
b3)0〜10重量%の第四級化N-ビニルイミダゾール
を共重合体形態で含み、成分a)〜b3)の量の和が100重量%である、請求項1〜11のいずれか1項記載の製剤。
【請求項13】
成分B)が、
i)水、
ii)水混和性有機溶媒、好ましくはC2-C4-アルカノール、特にエタノール、
iii)油、脂肪、ロウ、
iv)iii)とは異なる、C6-C30-モノカルボン酸と一価、二価または三価アルコールとのエステル、
v)飽和非環状および環状炭化水素、
vi)脂肪酸、
vii)脂肪アルコール、
viii)噴射ガス
ならびにそれらの混合物から選ばれる、請求項1〜12のいずれか1項記載の製剤。
【請求項14】
化粧料的に活性な成分、乳化剤、界面活性剤、保存剤、香油、増粘剤、ヘアポリマー、ヘアおよびスキンコンディショナー、グラフト重合体、水溶性または分散性シリコーン含有重合体、光防護剤、漂白剤、ゲル形成剤、ケア剤、着色剤、染髪剤、日焼け剤、染料、顔料、稠度付与剤、保湿剤、再脂肪化(refatting)剤、コラーゲン、タンパク質加水分解産物、脂質、抗酸化剤、消泡剤、帯電防止剤、柔軟剤ならびに軟化剤から選ばれる、成分A)およびB)とは異なる少なくとも1つの添加剤を含む、請求項1〜13のいずれか1項記載の製剤。
【請求項15】
少なくとも1つの他の水溶性重合体を含む、請求項1〜14のいずれか1項記載の製剤。
【請求項16】
水溶性重合体がキトサンおよび/またはキトサン誘導体である、請求項15記載の製剤。
【請求項17】
ジェル、フォーム、スプレー、ムース、軟膏、クリーム、エマルション、懸濁液、ローション、乳液またはペーストの形態である、請求項1〜16のいずれか1項記載の製剤。
【請求項18】
少なくとも1つのノニオン性増粘剤を更に含む、請求項1〜17のいずれか1項記載の製剤。
【請求項19】
pHがpH 5〜pH 6の範囲の値を有する、請求項1〜18のいずれか1項記載の製剤。
【請求項20】
ヒドロキシカルボン酸を加えることによりpHを調節する、請求項1〜19のいずれか1項記載の製剤。
【請求項21】
無機酸を加えることによりpHを調節する、請求項1〜19のいずれか1項記載の製剤。
【請求項22】
成分A)の製造が完了した後にpH調節を行う、請求項1〜21のいずれか1項記載の水性製剤の製造方法。
【請求項23】
皮膚洗浄組成物、皮膚のケアおよび保護のための組成物、ネイルケア組成物、メイクアップ化粧品用製剤ならびにヘアトリートメント組成物における、請求項1〜21のいずれか1項記載の製剤の使用。
【請求項24】
セット用剤および/またはコンディショナーとしてのヘアトリートメント組成物における、請求項23記載の使用。
【請求項25】
該組成物がヘアジェル、シャンプー、セット用フォーム、ヘアトニック、ヘアスプレーまたはヘアフォームの形態である、請求項23または24記載の使用。

【公表番号】特表2008−503454(P2008−503454A)
【公表日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−515864(P2007−515864)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006401
【国際公開番号】WO2005/123014
【国際公開日】平成17年12月29日(2005.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】