説明

緊急退避装置

【課題】道路の形状に対応して自車両を停止させることが可能な緊急退避装置を提供する。
【解決手段】緊急退避制御ユニット30は、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26及び前方認識カメラ28が取得した自車両1が走行する道路の形状に関する道路形状情報に応じて自車両1を停止させる停止位置を決定し、車室内カメラ12等が検出した運転者の意識レベルが設定された閾値以下であるときに、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34及びステアリング制御ユニット36が決定した停止位置に自車両1を停止させる。これにより、道路の形状に対応して自車両1を停止させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、緊急退避装置に関し、特には、運転者の意識レベルに応じて自車両を停止させる緊急退避装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転者の意識レベルに応じて自車両を停止させる装置が提案されている。例えば、特許文献1には、スピーカを介して呼びかけを行っても、マイクを介して運転者の応答が無い場合には、運転者の意識が無いと判定する車両制御装置が開示されている。そして、特許文献1の車両制御装置は、地図情報DBに格納されるナビ地図情報と自車位置データから、車両が一番左側の車線を走行していると推定される場合には、車両ECUを介してブレーキランプや左側方向指示器のランプ類を点滅点灯する等して、周囲の他車両に対して、車両に緊急異常状態が発生して緊急停車する旨をアピールしながら、車両ECUを介してブレーキ、エンジン、変速機やステアリング駆動部を駆動制御して当該車両を道路の左側端縁に緊急停車させる。これにより、特許文献1の車両制御装置は、運転者に車両の運転が困難な緊急異常状態が発生した場合においても、自車両を安全に停車させることが可能となるように制御する。
【特許文献1】特開2008−37218号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、自車両を停止させる場所によっては、停止した自車両が周囲に早急に認識されない恐れがある。例えば、自車両を停止させる場所がカーブである場合、カーブ周辺には、後続車両が自車両を視認不可能な死角が生じ、後続車両から自車両が発見され難い状況が発生する可能性がある。
【0004】
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであり、その目的は、道路の形状に対応して自車両を停止させることが可能な緊急退避装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、自車両の運転者の意識レベルを検出する運転者意識レベル検出手段と、自車両が走行する道路の形状に関する道路形状情報を取得する道路形状情報取得手段と、道路形状取得手段が取得した道路形状情報に応じて、自車両を停止させる停止位置を決定する停止位置決定手段と、運転者意識レベル検出手段が検出した運転者の意識レベルが第1閾値以下であるときに、停止位置決定手段が決定した停止位置に自車両を停止させる停止手段とを備えた緊急退避装置である。
【0006】
この構成によれば、停止位置決定手段が、道路形状取得手段が取得した自車両が走行する道路の形状に関する道路形状情報に応じて自車両を停止させる停止位置を決定し、停止手段が、運転者意識レベル検出手段が検出した運転者の意識レベルが第1閾値以下であるときに、停止位置決定手段が決定した停止位置に自車両を停止させるため、道路の形状に対応して自車両を停止させることが可能となる。
【0007】
この場合、停止位置決定手段は、自車両の後続車両の車速を推定し、後続車両の車速に応じて停止位置を決定することが好適である。
【0008】
この構成によれば、停止位置決定手段は、自車両の後続車両の車速を推定し、後続車両の車速に応じて停止位置を決定するため、より適切な停止位置で自車両を停止させることが可能となる。
【0009】
また、道路形状取得手段が自車両の走行する道路は一車線道路であり且つ左カーブであることを示す道路形状情報を取得したときは、停止位置決定手段は道路の右側に停止位置を決定し、道路形状取得手段が自車両の走行する道路は一車線道路であり且つ右カーブであることを示す道路形状情報を取得したときは、停止位置決定手段は道路の左側に停止位置を決定することが好適である。
【0010】
この構成によれば、道路形状取得手段が自車両の走行する道路は一車線道路であり且つ左カーブであることを示す道路形状情報を取得したときは、停止位置決定手段は道路の右側に停止位置を決定し、道路形状取得手段が自車両の走行する道路は一車線道路であり且つ右カーブであることを示す道路形状情報を取得したときは、停止位置決定手段は道路の左側に停止位置を決定するため、自車両が対向車線の無い一車線道路を走行している場合には、左カーブでは後続車両から死角となり難い道路の右側に、右カーブでは後続車両から死角となり難い道路の左側に自車両を停止させることになり、後続車両から自車両が発見され易くすることができる。
【0011】
また、停止位置決定手段は、道路形状取得手段が取得した道路形状情報に基づき、自車両の後続車両が自車両を視認可能な視認可能領域内に停止位置を決定することが好適である。
【0012】
この構成によれば、停止位置決定手段は、道路形状取得手段が取得した道路形状情報に基づき、自車両の後続車両が自車両を視認可能な視認可能領域内に停止位置を決定するため、停止させた自車両を後続車両が視認可能となり、安全性を向上させることが可能となる。
【0013】
この場合、停止位置決定手段は、自車両の車速に応じた停止可能位置を推定し、停止可能位置の後方の視認可能領域の境界と停止可能位置との距離が第2閾値以下であるときは、停止可能位置を停止位置に決定することが好適である。
【0014】
この構成によれば、停止位置決定手段は、自車両の車速に応じた停止可能位置を推定し、停止可能位置の後方の視認可能領域の境界と停止可能位置との距離が第2閾値以下であり、視認可能領域内に入った後続車両が自車両を確認するのに十分な距離がある場合には、当該停止可能位置を停止位置に決定するため、安全性をさらに向上させることが可能となる。
【0015】
さらに、この場合、停止位置決定手段は、自車両の後続車両の車速を推定し、推定した後続車両の車速が速いほど第2閾値を大きく設定することが好適である。
【0016】
この構成によれば、停止位置決定手段は、自車両の後続車両の車速を推定し、推定した後続車両の車速が速いほど第2閾値を大きく設定するため、後続車両の車速が速いほど、視認可能領域内に入った後続車両が自車両を確認するための距離が長いことになり、安全性をさらに向上させることが可能となる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の緊急退避装置によれば、道路の形状に対応して自車両を停止させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本実施形態の緊急退避装置10の構成を示すブロック図である。本実施形態の緊急退避装置10は、自車両に搭載され、自車両の運転者が居眠りや失神等の意識不明状態に陥ったときに、自車両を緊急に停止させて安全を担保するためのものである。図1に示すように、緊急退避装置10は、車室内カメラ12、車速センサ14、加速度センサ16、ヨーレートセンサ18、操舵角センサ20、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26、前方認識カメラ28、緊急退避制御ユニット30、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34、及びステアリング制御ユニット36を備えている。
【0020】
車室内カメラ(運転者意識レベル検出手段)12は、撮像した運転者の頭部の画像をパターン認識し、運転者の眼球の動き及び視線方法を検出することにより運転者の意識レベルを検出するためのものである。運転者の意識レベルを検出するためには、運転者の脈拍、血圧及び体温等を検出するものとしても良い。あるいは、運転者の意識レベルは、車速センサ14、加速度センサ16、ヨーレートセンサ18及び操舵角センサ20により検出した自車両の挙動に基づいて検出しても良い。
【0021】
ここで、運転者の意識レベルとは、例えば、GCS(Glasgow Coma Scale)あるいはJCS(Japan Coma Scale)を基準として検出することができる。例えば、GCSが13〜14点、あるいはJCSが0の意識清明と判断されない場合を閾値(第1閾値)として、運転者の意識レベルがこれら以下である場合は、運転者は意識不明であるとすることができる。
【0022】
緊急退避制御ユニット30には、自車両の車速を計測する車速センサ14、自車両の加速度を検出する加速度センサ16、自車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ18、及び自車両の操舵角を検出する操舵角センサ20が接続されており、各々自車両の走行状態を検出する。
【0023】
ナビゲーションシステム(道路形状情報取得手段)22は、GPS(Global Positioning System)を用いて自車両の現在位置を検出し、地図データと照合することにより、自車両が走行する道路の道路曲率、道路幅、自車線位置等に関する道路形状情報を取得するためのものである。あるいはナビゲーションシステム22は、自車両が走行する道路の制限速度や、当該道路を走行する車両の平均走行速度等の情報も取得する。
【0024】
また、インフラ情報取得センサ(道路形状情報取得手段)24は、道路に設置された光ビーコン等の路側施設から、自車両が走行する道路の道路曲率、道路幅、自車線位置等に関する道路形状情報を取得するためのものである。あるいは、インフラ情報取得センサ24は、自車両が走行する道路の制限速度や、当該道路を走行する車両の平均走行速度等の情報も取得する。なお、自車両が走行する道路の形状に関する道路形状情報、自車両が走行する道路の制限速度、及び当該道路を走行する車両の平均走行速度等の情報は、車車間通信機により、自車両の後続車両から取得するようにしても良い。
【0025】
ミリ波センサ(道路形状情報取得手段)26は、前方にミリ波を照射し、物体に反射して戻ってくる反射波を受信して、自車両前方の道路の形状に関する道路形状情報を取得するためのものである。また、前方認識カメラ(道路形状情報取得手段)28は、自車両前方を撮像し、自車両前方の道路の形状に関する道路形状情報を取得するためのものである。
【0026】
緊急退避制御ユニット(停止位置決定手段、停止手段)30は、物理的にECU(electronic control unit)として構成される。緊急退避制御ユニット30は、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26及び前方認識カメラ28が取得した道路形状情報に応じて、自車両を停止させる停止位置を決定し、車室内カメラ12が検出した運転者の意識レベルが閾値以下であるときに、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34及びステアリング制御ユニット36を駆動させ、決定した停止位置に自車両を停止させるためのものである。
【0027】
緊急退避制御ユニット30には、自車両のスロットル開度を制御するスロットル制御ユニット(停止手段)32、自車両のブレーキ強度を制御するブレーキ制御ユニット(停止手段)34、及び自車両の操舵角を制御するステアリング制御ユニット(停止手段)36が接続されている。
【0028】
以下、本実施形態の緊急退避装置10の動作について説明する。図2は、実施形態に係る緊急退避装置10の動作を示すフロー図であり、図3は、停止位置に対するブラインド判定を示す平面図である。以下の説明では、自車両1が図3に示すようなカーブに接近している場合を想定して説明する。
【0029】
図2に示すように、緊急退避装置10の緊急退避制御ユニット30は、車室内カメラ12、あるいは車速センサ14、加速度センサ16、ヨーレートセンサ18及び操舵角センサ20により検出した自車両1の挙動に基づいて、自車両1の運転者が意識不明状態に陥っているか否かを計測する(S11)。
【0030】
運転者の意識レベルが設定した閾値以下であり、運転者が意識不明状態に陥っていると判断されるときは(S12)、緊急退避制御ユニット30は停止距離を算出する(S13)。一方、運転者が意識不明状態に陥っていないと判断されるときは(S12)、緊急退避制御ユニット30は再度S11の処理を繰り返す。
【0031】
緊急退避制御ユニット30は、自車両1が現在位置から緊急停止した場合の停止距離(停止可能位置)を算出する(S13)。図3に示すように、自車両1が現在位置から緊急停止した場合の停止距離D1は、車速センサ14により検出された自車速をV〔m/s〕、緊急停止時(緊急停止モード)の減速度をG〔m/s〕とした場合、下式(1)により算出することができる。
D1=0.5×V÷G (1)
【0032】
緊急退避制御ユニット30は、ナビゲーションシステム22より、自車両1が対向車線のない一車線道路を走行中か否かの道路形状情報を取得する(S14)。また、緊急退避制御ユニット30は、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26及び前方認識カメラ28により、自車両の走行する道路の道路曲率、道路幅、自車線位置等、自車両に対する前方の道路の形状に関する道路形状情報を取得する(S14)。
【0033】
緊急退避制御ユニット30は、S13で定めた停止位置(現在位置よりD1〔m〕前方)より後方で、後続車両が自車両を視認可能な視認可能領域Aを求める(S15)。この視認可能領域Aの境界と道路中心線Cとの交点Pと、停止位置との距離D2が、所定の距離D3〔m〕(第2閾値)以下であれば、後続車両から発見され難く、安全性が低いため、緊急退避制御ユニット30は、緊急停止するのは好ましくないと判断し、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34及びステアリング制御ユニット36を駆動して低速走行を継続する(S16)。一方、距離D2が距離D3よりも長いときは、緊急退避制御ユニット30は、緊急停止しても後続車両から発見され易いと判断し、緊急停止を行うS17以下の処理を実行する(S17)。
【0034】
距離D3は、後続車両から発見され易いと考えられる距離に設定される。距離D3は、後続車両の車速によって変化すると考えられるため、例えば、ナビゲーションシステム22及びインフラ情報取得センサ24により取得される制限速度情報によって、自車両1が走行する道路の制限速度Vlimit、一般的な運転者が通常操作する減速度をGdriverとして、下式(2)により算出することができる。
D3=0.5×Vlimit÷Gdriver (2)
【0035】
なお、上記制限速度Vlimitは、ナビゲーションシステム22及びインフラ情報取得センサ24により取得される当該道路を走行する車両の平均走行速度としても良い。
【0036】
緊急退避制御ユニット30は、S14で取得した道路形状情報が、自車両1が走行している道路が一車線道路でかつカーブ中であることを示しているときであって(S17)、左カーブであるときは(S18)、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34及びステアリング制御ユニット36を駆動して図4に示すように自車両1を道路の右側のS13で算出した停止可能位置に停止させる(S19)。一方、右カーブであるときは(S18)、緊急退避制御ユニット30は、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34及びステアリング制御ユニット36を駆動して図5に示すように自車両1を道路の左側のS13で算出した停止可能位置に停止させる(S20)。
【0037】
緊急退避制御ユニット30は、S14で取得した道路形状情報が、自車両1が走行している道路が一車線道路でかつカーブ中であることを示していないときは(S17)、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34及びステアリング制御ユニット36を駆動して、S13で算出した停止可能位置に自車両1を緊急停止させる(S21)。
【0038】
本実施形態によれば、緊急退避制御ユニット30は、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26及び前方認識カメラ28が取得した自車両1が走行する道路の形状に関する道路形状情報に応じて自車両1を停止させる停止位置を決定し、車室内カメラ12等が検出した運転者の意識レベルが設定された閾値以下であるときに、スロットル制御ユニット32、ブレーキ制御ユニット34及びステアリング制御ユニット36が決定した停止位置に自車両1を停止させるため、道路の形状に対応して自車両1を停止させることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態によれば、緊急退避制御ユニット30は、自車両1の後続車両の車速を推定し、後続車両の車速に応じて停止位置を決定するため、より適切な停止位置で自車両を停止させることが可能となる。
【0040】
また、本実施形態によれば、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26及び前方認識カメラ28が自車両1の走行する道路は一車線道路であり且つ左カーブであることを示す道路形状情報を取得したときは、緊急退避制御ユニット30は道路の右側に停止位置を決定し、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26及び前方認識カメラ28が自車両1の走行する道路は一車線道路であり且つ右カーブであることを示す道路形状情報を取得したときは、緊急退避制御ユニット30は道路の左側に停止位置を決定するため、自車両1が対向車線の無い一車線道路を走行している場合には、左カーブでは後続車両から死角となり難い道路の右側に、右カーブでは後続車両から死角となり難い道路の左側に自車両1を停止させることになり、後続車両から自車両1が発見され易くすることができる。
【0041】
さらに、本実施形態では、緊急退避制御ユニット30は、ナビゲーションシステム22、インフラ情報取得センサ24、ミリ波センサ26及び前方認識カメラ28が取得した道路形状情報に基づき、自車両1の後続車両が自車両1を視認可能な視認可能領域A内に停止位置を決定するため、停止させた自車両1を後続車両が視認可能となり、安全性を向上させることが可能となる。
【0042】
この場合、本実施形態では、緊急退避制御ユニット30は、自車両1の車速に応じた停止可能位置(現在位置よりD1〔m〕前方)を推定し、停止可能位置の後方の視認可能領域Aの境界と停止可能位置との距離D2が距離D3以下であり、視認可能領域A内に入った後続車両が自車両1を確認するのに十分な距離がある場合には、当該停止可能位置を停止位置に決定するため、安全性をさらに向上させることが可能となる。
【0043】
加えて、本実施形態では、緊急退避制御ユニット30は、自車両1の後続車両の車速を推定し、推定した後続車両の車速が速いほどD3を大きく設定するため、後続車両の車速が速いほど、視認可能領域A内に入った後続車両が自車両1を確認するための距離が長いことになり、安全性をさらに向上させることが可能となる。
【0044】
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態に係る緊急退避装置の構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態に係る緊急退避装置の動作を示すフロー図である。
【図3】停止位置に対するブラインド判定を示す平面図である。
【図4】左カーブにおける停止位置を示す平面図である。
【図5】右カーブにおける停止位置を示す平面図である。
【符号の説明】
【0046】
1…自車両、10…緊急退避装置、12…車室内カメラ、14…車速センサ、16…加速度センサ、18…ヨーレートセンサ、20…操舵角センサ、22…ナビゲーションシステム、24…インフラ情報取得センサ、26…ミリ波センサ、28…前方認識カメラ、30…緊急退避制御ユニット、32…スロットル制御ユニット、34…ブレーキ制御ユニット、36…ステアリング制御ユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の運転者の意識レベルを検出する運転者意識レベル検出手段と、
前記自車両が走行する道路の形状に関する道路形状情報を取得する道路形状情報取得手段と、
前記道路形状取得手段が取得した前記道路形状情報に応じて、前記自車両を停止させる停止位置を決定する停止位置決定手段と、
前記運転者意識レベル検出手段が検出した運転者の意識レベルが第1閾値以下であるときに、前記停止位置決定手段が決定した前記停止位置に前記自車両を停止させる停止手段と、
を備えた緊急退避装置。
【請求項2】
前記停止位置決定手段は、前記自車両の後続車両の車速を推定し、前記後続車両の車速に応じて前記停止位置を決定する、請求項1に記載の緊急退避装置。
【請求項3】
前記道路形状取得手段が前記自車両の走行する前記道路は一車線道路であり且つ左カーブであることを示す前記道路形状情報を取得したときは、前記停止位置決定手段は前記道路の右側に前記停止位置を決定し、
前記道路形状取得手段が前記自車両の走行する前記道路は一車線道路であり且つ右カーブであることを示す前記道路形状情報を取得したときは、前記停止位置決定手段は前記道路の左側に前記停止位置を決定する、請求項1又は2に記載の緊急退避装置。
【請求項4】
前記停止位置決定手段は、前記道路形状取得手段が取得した前記道路形状情報に基づき、前記自車両の後続車両が前記自車両を視認可能な視認可能領域内に前記停止位置を決定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の緊急退避装置。
【請求項5】
前記停止位置決定手段は、前記自車両の車速に応じた停止可能位置を推定し、前記停止可能位置の後方の前記視認可能領域の境界と前記停止可能位置との距離が第2閾値以下であるときは、前記停止可能位置を前記停止位置に決定する、請求項4に記載の緊急退避装置。
【請求項6】
前記停止位置決定手段は、前記自車両の後続車両の車速を推定し、推定した前記後続車両の車速が速いほど前記第2閾値を大きく設定する、請求項5に記載の緊急退避装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−125923(P2010−125923A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−301003(P2008−301003)
【出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】