説明

美白剤および抗酸化剤ならびに活性酸素除去剤

【課題】優れた効果を発揮する美白剤および抗酸化剤を提供する。
【解決手段】ホウロクタケ培養菌糸体に含まれる美白効果および抗酸化効果を有するクロマン骨格を持つ低分子化合物を単離、精製し、その構造を決定した。この化合物を、優れた美白効果、抗酸化効果および活性酸素除去効果を有することが示された。従って、この化合物、およびその誘導体を、皮膚外用剤や食品、医薬品等に配合することで優れた効果を発揮する美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のクロマン化合物を含有する美白剤および抗酸化剤ならびに活性酸素除去剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品や医薬品等に使用する皮膚外用剤、食品添加物、薬品などの素材の多くは、様々な生物が生産する有効成分を利用し開発されてきた。これらの素材の多くは、生物から抽出、精製し得られた化合物をそのまま或いは、その化合物をリード化合物として有機合成された物質が用いられている。現在使用されている様々な皮膚外用剤、食品添加物、医薬品などの素材もこのようにして開発されている。特に美白剤と抗酸化剤、活性酸素除去剤は、医薬、美容面からの関心が高く様々な素材が開発されている。これは、未だ安全性および安定性が高く、かつ高い美白作用、抗酸化作用、活性酸素除去作用を有する化合物が開発されていないことにも起因している。
【0003】
美白剤としてこれまでに、ハイドロキノン誘導体、コウジ酸、アスコルビン酸およびその誘導体、プラセンタエキス等が開発されてきた。これらの美白剤は、太陽光線によるしみ、そばかすなどの色素沈着の原因となるメラニンの生成の抑制あるいは、既成メラニンの還元、表皮内のメラニンの排泄促進、メラノサイトへの選択毒性等の作用を有する事により、表皮内のメラニン量を減少させる効果を示す。
【0004】
しかしながら、上述の美白剤はいずれも美白作用が不十分であり、安定性および安全性にも問題がある美白剤も多い。例えば、アスコルビン酸およびその誘導体は安定性が低く、その美白作用も不十分である。ハイドロキノン誘導体およびコウジ酸は人体に対する安全性に問題があり、現在我国ではその使用が制限されている。安定性、安全性に優れ、十分な効果を発揮する美白剤は未だ開発されていない。
【0005】
抗酸化剤は、物質の酸化を阻害する、還元作用に優れた物質である。この還元作用により他の物質の酸化を防ぐ。また、スーパーオキシドラジカルやヒドキシラジカルのような活性酸素や過酸化脂質などのラジカルを消去する効果も併せ持つ。活性酸素除去剤は、活性酸素を除去する効果を有する物質である。活性酸素や過酸化脂質は生体に対して大きな損傷を与え、炎症や老化、発癌などの原因となる。
【0006】
抗酸化剤および活性酸素除去剤としてもこれまでにいくつかの種類の化合物が開発されている。人工合成により供給されている抗酸化剤としては、ブチルヒドロキシアンニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)などがあるが、これらは人体に対する安全性に問題がある。一方、天然由来の抗酸化剤または活性酸素除去剤には、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、α−トコフェロール、アスコルビン酸、β−カロチン、ケルセチンなどがある。これら天然由来の抗酸化剤または活性酸素除去剤は、抗酸化剤として人工的に合成された化合物よりも、抗酸化作用または活性酸素除去作用が弱い場合が多い。ケルセチンは強い効果を有すが、毒性が懸念されている。また、これら既存の天然の抗酸化剤または活性酸素除去剤は、安定性に欠けるため、着色や変色、においの変化の原因となるなどの問題がある場合が多い。そのため、安定性および安全性に優れ、かつ高い抗酸化活性および活性酸素除去活性を有する化合物が望まれる。
【0007】
安全かつ安定な天然素材由来の美白剤、フリーラジカル消去剤等を、キノコの子実体、培養菌糸体の培養液または抽出物から調製する方法を、本発明者らは、既に開発した(特許文献1)。特許文献1では、高い美白作用、フリーラジカル消去作用を有する抽出物および培養液が開示されているが、そのような効果を有する化合物の精製は、行われていない。様々な物質の夾雑物たる抽出物および培養液から精製した単一の活性物質を美白剤および抗酸化剤として用いることにより、その作用は大きく増強され、夾雑物による刺激も減退する。また、その構造を同定することによって、これら活性を有する化合物を人工的に合成するこが可能となる。従って、これら活性を有する化合物を単離・精製し、構造決定をすることが望まれる。
【特許文献1】特願2004-052518
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、美白作用および抗酸化作用、活性酸素除去作用に優れた新規の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような状況を鑑み、本発明者らは新規の美白作用、抗酸化作用、および/または活性酸素除去作用を有する化合物の開発に着手した。その結果、キノコ培養物の抽出物から、以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、化合物を単離、精製、構造決定し、これら化合物が、優れた美白作用および抗酸化作用、活性酸素除去作用を発揮することを見出し、本発明の完成に至った。
【0010】
【化1】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0011】
【化2】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0012】
【化3】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0013】
【化4】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
【0014】
これらの化合物はJ.Y.Goujonら(J.Y.Goujon,F.Zammatio,S.Pagnonceil,Y.Boursereau,B.Kirschleger,ANew and Efficient Synthesis of Substituted 2−Hydroxyl−2−methyl−2H−Chromenes,France,Faculte des Sciences et des Techniques,Synlett,No.2,322−324,2002)によって有機合成されているが、美白作用および抗酸化作用、活性酸素除去作用をはじめ一切の生理作用についての報告はない。また天然物から単離されたという報告もない。
【0015】
また、特開2001-2558では、上記構造とは異なる構造を有するクロマン化合物について開示している。しかし、特開2001-2558には、上記構造の化合物について何ら開示も示唆もしていない。
【0016】
したがって、本発明は以下を提供する。
(項目1)以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、美白剤:
【0017】
【化5】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0018】
【化6】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0019】
【化7】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0020】
【化8】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
(項目2)以下の構造式に表される化合物を含有する、項目1に記載の美白剤:
【0021】
【化9】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
(項目3)以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、抗酸化剤:
【0022】
【化10】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0023】
【化11】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0024】
【化12】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0025】
【化13】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
(項目4)以下の構造式に表される化合物を含有する、項目3に記載の抗酸化剤:
【0026】
【化14】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
(項目5)以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、活性酸素除去剤:
【0027】
【化15】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0028】
【化16】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0029】
【化17】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0030】
【化18】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
(項目6)以下の構造式に表される化合物を含有する、項目5に記載の活性酸素除去剤:
【0031】
【化19】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
(項目7)以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、皮膚外用剤:
【0032】
【化20】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0033】
【化21】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0034】
【化22】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0035】
【化23】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
(項目8)以下の構造式に表される化合物を含有する、項目7に記載の皮膚外用剤:
【0036】
【化24】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
(項目9)ホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Coo
ke) Yasuda)の培養菌糸体から、以下:
【0037】
【化25】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0038】
【化26】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0039】
【化27】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0040】
【化28】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物からなる群から選択される化合物を調製する方法であって、以下の工程:
a)ホウロクタケの子実体または菌糸体、あるいはこれらの培養物を得る工程;
を包含する方法。
(項目10)項目9に記載の方法であって、さらに、以下の工程:
b)該濃縮物をヘキサンと水で分配工程;
c)該濃縮物を酢酸エチルと水で分配する工程;および
d)酢酸エチル可溶部をシリカゲルクロマトグラフィーにより分離する工程、
を包含する、方法。
(項目11)項目9に記載の方法であって、ここで調製される化合物が、以下の式を有し
【0041】
【化29】

ここで、R=H、R=OH、R=Hである、方法。
(項目12)以下の構造を有し、+体の光学活性を有する化合物。
【0042】
【化30】

(項目13)以下の構造を有する化合物。
【0043】
【化31】

(項目14)以下の構造を有する化合物を含有する、抗酸化剤。
【0044】
【化32】

(項目15)以下の構造を有する化合物を含有する、皮膚外用剤。
【0045】
【化33】

(項目16)菌糸体を用いて、チロシナーゼ阻害活性、DPPHラジカル消去活性、活性酸素除去活性、美白作用、および抗酸化作用からなる群から選択される活性または作用を有する化合物を生産するための方法であって、
ここで、該方法は、菌糸体を培養する工程を包含し、
ここで、該培地は、
(a)(i)ペプトン、ならびに
(ii)トレハロース、グルコース、およびラクトースからなる群から選択される糖を含むか、または
(b)(iii)ジャガイモ煎汁、ならびに
(iv)グルコース、トレハロース、およびマルトースからなる群から選択される糖を含み、
ここで、該化合物は、以下の構造式に表される化合物:
【0046】
【化34】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0047】
【化35】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0048】
【化36】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0049】
【化37】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物、
からなる群から選択される、方法。
(項目17)前記化合物が、以下の構造式を有する、項目16に記載の方法:
【0050】
【化38】

(項目18)前記培地において(i)ペプトン、ならびに(ii)トレハロース含む、項目16に記載の方法。
【0051】
本発明のチロシナーゼ阻害試験に用いたチロシナーゼは色素沈着の原因となるメラニン合成の律速段階の反応であるチロシンとDOPAの酸化反応を触媒する。よって、このチロシナーゼ活性を阻害する物質はメラニン合成を阻害し、その結果、美白作用がもたらされる。
【0052】
本発明の抗酸化作用はDPPHラジカル消去率測定試験により評価した。DPPHラジカル消去率測定試験に用いた1、1−ジフェニル−2−ピクリルヒドラジル(以下DPPHと略記する。)は分子内に安定なフリーラジカルを持つ。DPPHラジカル消去率測定試験ではこのフリーラジカルの消去率を吸光度の測定により試験物質の抗酸化作用を測定する。DPPHラジカル消去活性を持つ物質は、一重項酸素やヒドロキシラジカル、過酸化脂質のラジカルを除去することが期待できる。これにより抗酸化作用を示す物質は他の物質の酸化を防ぐとともに、炎症や皮膚のシワやタルミなどの老化や細胞の癌化なども防ぐことが期待できる。
【0053】
本発明の活性酸素除去作用はキサンチンオキシダーゼ法(以下XODと略記する。)による活性酸素除去率測定試験から評価した。活性酸素除去活性を示す物質は、生体において発生する活性酸素を除去することで、炎症や細胞の癌化など活性酸素により引き起こされる様々な疾病を予防する。
【0054】
さらに、本発明に従って、以下:
【0055】
【化39】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0056】
【化40】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【0057】
【化41】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【0058】
【化42】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
からなる群から選択される化合物を高濃度に含む画分、あるいはこれらの混合物を1種または2種以上、皮膚外用剤および食品、医薬品に配合することで優れた美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を提供することが出来る。
【発明の効果】
【0059】
本発明において、優れた美白作用および抗酸化作用、活性酸素除去作用を有する新規の化合物が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0060】
以下、本発明を説明する。本明細書の全体にわたり、単数形の表現は、特に言及しない限り、その複数形の概念をも含むことが理解されるべきである。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および科学技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
【0061】
(用語の定義)
本明細書において使用される用語「子実体」とは、菌類において胞子を生じる生殖体であって、用語「担胞子体」と互換可能に使用され得る。子嚢菌類および担子菌類では、それぞれ、子嚢果・担子器果のように、菌糸組織からなる種々の形のものをいう。
【0062】
本明細書において使用される用語「菌糸体」は、用語「菌糸」と互換可能に使用され、糸状菌類の栄養体を構成する基本構造であり、多細胞のものと、多核体のものがある。菌糸は、胞子の発芽管から発達し、先端成長によって伸長する。
【0063】
本発明に用いる美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤は、有機合成または特定の菌類から抽出および精製することにより得ることができるが、これらの方法に限定されない。
【0064】
本発明の化合物を有機合成により得る方法を以下に示すが、本発明はこれに限定されない。
【0065】
(化学合成による方法)
下記の化合物:
【0066】
【化43】

において、R=H、R=H、R=Hで特定される化合物、R=H、R=OH、R=Hで特定される化合物、R=H、R=OCH、R=Hで特定される化合物、R=H、R=Cl、R=Hで特定される化合物、およびR=OH、R=H、R=Hで特定される化合物は、J.Y.Goujonらによって非特許文献1で示されている方法により有機合成することで得ることができる。
【0067】
同様に、下記の化合物
【0068】
【化44】

において、R=Hで特定される化合物は、J.Y.Goujonら(前出)によって示されている方法により有機合成することで得ることができる。
【0069】
これらの類縁化合物も同様の方法により有機合成することができる。また、これらの方法により得られた化合物を基に各種反応により、容易に官能基は酸化し、容易に配糖体やアルキル基、アシル基などの官能基がエーテル結合もしくはエステル結合などの結合により結合した多用な化合物に誘導することができる。
【0070】
本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤は、ホウロクタケ(Daedalea
dickinsii (Berk.ex Cooke) Yasuda)の菌糸体の培養液から以下に示す方法によっても得ることができるが、本発明はこれに限定されない。
【0071】
ホウロクタケの菌糸体は、野生もしくは人工栽培の子実体もしくは菌糸体そのもの、もしくは継代培養、凍結、凍結乾燥、乾燥等の手段により保存されている菌体から無菌的に倍地上で培養した菌体を用いることができる。
【0072】
ホウロクタケの菌体はいずれであっても良い。例えば、日本国内だけでなく、世界各地に自生している菌体の他、世界各地の保存施設において保存されている菌体を用いることもできる。また、ホウロクタケと近縁の菌種であれば同様に用いることもできる。また人工的に栽培された子実体の菌体を用いることもできる。
【0073】
菌糸体の培養に用いる培地は、ポテトデキストロース寒天培地、ポテトスクロース寒天培地、ペプトンデキストロース寒天培地、等の寒天培地の他、ポテトデキストロース培地、ポテトスクロース培地、ペプトンデキストロース培地、等の液体培地の他、菌類の培養に使用できる培地であれば、いずれであっても良い。菌糸体の培養方法、培養条件なども特に限定されないが、20〜30℃で10〜40日間、静地培養もしくは通気培養、振盪培養等により培養することで十分成長した菌糸体を用いることが望ましい。
【0074】
野生の子実体または人工栽培された子実体から菌糸体を誘導する場合は、子実体の内部の組織または子実体の胞子から無菌的に上記の培地上で培養することで菌糸体に誘導することができる。また、既に単離され、継代培養、凍結、凍結乾燥、乾燥等の手段により保存されている菌体であればそのまま上記の培地上で培養することができる。
【0075】
ホウロクタケの菌糸体の培養液または抽出液、菌糸体そのものから、抽出または各種クロマトクロマトグラフィーにより分離、精製することにより、本発明の化合物を得ることができる。ホウロクタケ菌糸体から本発明の化合物を精製または単離する方法は、特に限定されない。いかなる方法においてもホウロクタケの菌糸体から抽出、精製することにより得られた化合物および本発明の化合物を高濃度に含む精製画分を美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤として使用することができる。
上述により得られた化合物を基に各種反応により、容易に官能基は酸化し、容易に配糖体やアルキル基、アシル基などの官能基がエーテル結合もしくはエステル結合などの結合により結合した多用な化合物に誘導することができる。
【0076】
本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤は、皮膚外用剤および食品、医薬品として使用することが出来る。皮膚外用剤および食品、医薬品の形状は特に問わない。その投与方法に応じて如何なる形状をも選択することができる。例えば、液状、ゲル状、クリーム状、顆粒状、固体、エアロゾルのような気体などの形態で使用できる。本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を皮膚外用剤として使用する場合、化粧水、クリーム、ゲル、軟膏、乳液、美容液、パック、洗顔料、クレンジング剤、ヘアケア剤、石鹸、浴用剤、シャンプー、リンス、リップスティック、口紅、ファンデーション等の化粧品や医薬部外品、医薬品に配合することができる。
【0077】
本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を配合した皮膚外用剤は、油脂類、ロウ類、炭化水素類、シリコーン類、脂肪酸類、アルコール類、エステル類、界面活性剤、増粘剤、粉末等の化粧品の基材の他、医薬品および医薬部外品の有効成分、pH調整剤、防腐剤、色素、香料、酸化防止剤、天然由来エキス等も必要に応じて配合することができる。
【0078】
本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を医薬品として用いる場合、薬学的に受容可能なキャリア型(例えば、滅菌キャリア)と組み合わせて処方され得る。「薬学的に受容可能なキャリア」とは、非毒性の固体、半固体、または液体の充填剤、希釈液、被包材、または任意の型の処方補助剤をいう。
【0079】
本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤は、個々の固体、投与方法、投与計画および当業者に公知の他の因子を考慮に入れ、医療実施基準(GMP=good medical practice)を遵守する方式で処方および投薬する。従って、本明細書において目的とする「有効量」は。このような考慮を行って決定される。
【0080】
治療剤を、経口的、直腸内、非経口的、槽内(intracistemally)、膣内、腹腔内、局所的(粉剤、軟膏、ゲル、点滴剤、または経皮パッチによるなど)、口内あるいは経口または鼻腔スプレーとして投与し得る。本明細書で用いる用語「非経口的」とは、静脈内、筋肉内、腹腔内、胸骨内、皮下および関節内の注射および注入を含む投与の様式をいう。
【0081】
以下に実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0082】
(実施例1:ホウロクタケの子実体から菌糸体の培養)
日本国内において自生する野生の担子菌類であるタコウキン科のホウロクタケの子実体から内部の組織を無菌的に切り出した。この組織をペプトンデキストロース寒天培地に移し、25℃で20日間培養した。20日後、成長した菌糸体を新しい寒天培地に継代培養した。この操作を2度繰り返し、ホウロクタケの菌糸体を分離した。得られた菌糸体をペプトンデキストロース液体培地に移植し、40日間、25℃で静置培養した。40日後、培養液と菌糸体をろ紙を用いてろ別した。得られた培養液を減圧濃縮することで水を除き、ホウロクタケ培養菌糸体の培養液の濃縮物を得た。以下にペプトンデキストロース寒天培地とペプトンデキストロース液体培地の組成を示す。
【0083】
(ペプトンデキストロース寒天培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:20g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
粉末寒天:20g
(ペプトンデキストロース液体培地の組成)
ポリペプトン:5g
グルコース:30g
酵母エキス:2g
硫酸マグネシウム七水和物:0.5g
リン酸二水素カリウム:1g
(実施例2:ホウロクタケ菌糸体の培養液から活性物質の精製)
ホウロクタケ菌糸体の培養液の濃縮物(乾燥重量:19.5g)をヘキサンと水で分配後、酢酸エチルと水で分配することで、ホウロクタケ菌糸体の培養液の濃縮物をヘキサン可溶部(0.1g)、酢酸エチル可溶部(2.8g)、水可溶部(16.6g)に分離した。強いDPPHラジカル消去活性の認められた酢酸エチル可溶部を10%ずつ酢酸エチルの配合量を増加させる酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより12画分に分離した。得られた画分の内、50%酢酸エチル/ヘキサン画分(0.28g)から2%〜6%アセトン/クロロホルムによるシリカゲルクロマトグラフィーと14%アセトン/ベンゼンによるシリカゲルクロマトグラフィーにより二度精製することで、以下の化11のR=H、R=OH、R=Hで特定される化合物(83mg)を単離した(化合物A)。単離された化合物は、光学活性を有し、旋光度測定において、[α]29+15.4°の旋光度を示したことから、+体の光学活性を有することが明らかとなった。
【0084】
【化45】

(実施例3:スペクトルデータの測定)
化合物Aの構造を、質量分析(MS)、旋光度、赤外吸収スペクトル(IR)、紫外吸収スペクトル(UV)、核磁器共鳴スペクトル(H−NMR、13C−NMR、二次元NMR(HMQC、HMBC、COSY))を詳細に検討することで決定した。本発明の化合物Aの構造は化11に示すようなクロマン骨格を持つ化合物であった。参考までに、化11のR=H、R=OH、R=Hで特定される化合物Aの性状および各種スペクトルデータを以下に示す。
(スペクトルデータ)
性状:黄色樹脂状物質
質量分析:191.0712[M−H](計算値191.0708:C1111)旋光度:[α]29+15.4°(c1.49,EtOH)
紫外線吸収スペクトル:263nm、ε:2.6×10、λ:333nm、ε:2.4×10
赤外吸収スペクトル(cm−1):3389、2928、2360、2342、1490、1459、1227、1051、816、764、711
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl):δ6.67(1H、d、J=8.6Hz)、δ6.60(1H、dd、J=2.9Hz、J=8.6Hz)、δ6.50(1H、d、J=2.9Hz)、δ6.38(1H、d、J=9.9Hz)、δ5.61(1H、d、J=9.9Hz)、δ3.68(1H、d、J=11.6Hz)、δ3.59(1H、d、J=11.6Hz)、δ1.35(1H、s)
核磁気共鳴スペクトル(13C−NMR、125.8MHz、CDCl):δ149.8(C)、δ146.8(C)、δ128.0(CH)、δ124.7(CH)、δ121.7(C)、δ116.8(CH)、δ115.8(CH)、δ113.2(CH)、δ79.0(C)、δ68.5(CH)、δ22.3(CH
(実施例4:化合物の化学合成)
本発明の化合物Aおよびそれに類似する物質のラセミ体を以下のように合成する。
【0085】
(置換2−ヒドロキシメチル−2−メチル−2H−クロマン(1)の合成スキーム)
置換2−ヒドロキシメチル−2−メチル−2H−クロマン(1)は、Goujon,J.Y.ら、Synlett 2002,No.2,322に記載されるように、市販のサリチルアルデヒド(2)を出発物質として使用してエポキシド(5)を合成し、このエポキシド(5)を6−エキソ様式で環化(求核的エポキシド開環反応)させ、分子内脱水反応させることによって、合成される(スキーム1)。
【0086】
【化46】

エポキシド(5)の調製は、スキーム2に概説される。サリチルアルデヒド(2)を、THF中において、過剰の塩化2−メチルプロペニルマグネシウム(3)で処理することによって、対応するホモアリルアルコール(4)が、良好〜優れた収率で得られる(スキーム2)。
【0087】
【化47】

エポキシド(5)を調製するために、ホモアリルアルコール(4)に対して、CHCl中のm−CPBAを用いる標準的なエポキシド化反応が行われる。この反応は、0℃で4時間実施される。シリカ上でのカラムクロマトグラフィーによって精製して、対応するエポキシド(5)を得る。化合物(5)が不安定性な場合、化合物(2)のフェノール基をTBS基により保護する(Kocienski,P.J.Protecting Groups;Georg Thieme Verlag:New York NY,1994)ことによって、スキーム2のアリルメタル化反応およびエポキシド化反応は、首尾良く進行する。TBAFを用いる化合物(5)のO−シリル脱保護(Kocienski,P.上記)によって、定量的収率で対応するフェノールエポキシド(5)が得られる。これらのエポキシドは、さらなる精製無しで、すぐに、次の工程で使用され得る。
【0088】
【化48】

エポキシド(5)の環化の工程(スキーム3)において、エポキシド(5)を、0℃でTHF中のAlCl(2当量)と反応させると、二環式化合物(7)が得られ得る。ナフタレン誘導体の場合、エポキシド(5)は、このような条件下で、クロマン(1)を与え得る。エポキシド(5)はまた、室温で、CHCl中の触媒量のショウノウスルホン酸(20mol%)を使用すると、二環式化合物(7)に変換され得る。4mol%のp−TSAの存在下で、16時間、ベンゼン中において、二環式化合物(7)を加熱還流すると、クロマン(1)が優れた収率で得られる。2時間、4mol%のCSAとともにベンゼンを還流させて、エポキシド(5)を処理すると、直接、クロマンメタノール(1)が優れた収率で得られ得る
これらの結果は、非常に安定なベンジルカルボカチオンの形成によって説明され得る。このカルボカチオンは、反応条件に依存して、化合物(1)または(7)のいずれかを導き得る(スキーム4)。
【0089】
【化49】

2−官能基化クロマンの調製は、出発物質として市販のサリチルアルデヒド(2)から、容易に作製できる。このアプローチにより、種々の置換クロマンを形成することができる。
【0090】
(実際の合成)
(アルデヒドのアリルメタル化)
塩化メタリルマグネシウム(3)(0.6M、6.3mmol)のTHF溶液に、−20℃で、THF(10mL)中のアルデヒド(2)(2.1mmol)を滴下する。添加後、この混合物を1時間室温で撹拌し、NHClの水溶液でクエンチする。水層をEtOAc(2×20mL)で抽出する。合わせた有機層をHOおよびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、そして濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc混合物)によって精製する。
【0091】
(ホモアリルアルコールのエポキシ化)
CHCl(15mL)中のホモアリルアルコール(4)(2.4mmol)の溶液に、CHCl(20mL)中のm−CPBA(1.2g、4.8mmol)の溶液を0℃で添加し、そしてこの混合物をこの温度で4時間撹拌する。濾過後、この溶液を濃縮し、次いで、粗生成物を、EtOAc(30mL)で希釈する。NaHCO(20%、3×20mL)水溶液およびブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、そして濃縮する。残渣を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc混合物)によって精製する。
【0092】
(エポキシドの環化)
方法A:0℃で、THF(5mL)中のエポキシド(5)(2.57mmol)の溶液を、AlCl(5.15mmol)で処理する。1時間後、NHClの水溶液(10mL)を添加し、水層をEtOAc(2×20mL)で抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、そして濃縮する。残渣を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc混合物)によって精製して、二環式化合物(7)を得る。
【0093】
TsOH・HO(75mg、0.4mmol)を含むベンゼン(20mL)中の二環式化合物(7)(2mmol)の溶液を、16時間還流する。冷却後、溶液を、NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、そして濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc混合物)によって精製して、クロマンメタノール(1)を得る。
【0094】
方法B:ベンゼン(10ml)中のエポキシド5(2.57mmol)およびCSA(23.9mg、4mol%)の溶液を、2時間還流する。冷却後、この溶液を、NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO)し、そして濃縮する。粗生成物を、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン−EtOAc混合物)によって精製して、クロマンメタノール(1)を得る。
【0095】
(合成されたクロマン化合物のラセミ体からの光学活性物質の分離)
実施例2において単離された化合物は、光学活性を有する化合物である。これに対して、上記記載の方法によって生成される化合物は、ラセミ体である。ラセミ体からの光学活性体の分離は、一般的には、キラルカラムなどを用いて行われている。
【0096】
そこで、
カラム:ダイセル化学工業(株) CHIRALPAK AS−RH、
移動相:50%アセトニトリル/水、
流速:0.5mg/ml、
検出器:UV 333nm、
カラム温度:25℃、
ループ:20μl、および
サンプル投入:0.5ml/分にて5μl
という条件を用いて、化学合成されたクロマン化合物ラセミ体からの光学活性物質の分離を試みた。しかし、上記条件では、キラルカラムからのピークが分離できず、そのため、光学活性物質を単離することができなかった。
【0097】
従って、天然に存在するようなクロマン化合物光学活性体を得るためには、天然の供給源を用いるか、または、新たな光学選択的な合成方法を用いることが必要である。
【0098】
また、従来は、本発明のクロマン化合物を単離するための菌糸体などの生物由来の供給源が見出されていなかったため、光学活性を有する本発明のクロマン化合物およびその誘導体を、単離および/または合成することは、不可能であった。
【0099】
ラセミ体の化合物には光学活性を有する化合物と全く逆の光学活性の化合物を半量含むことから、ラセミ体は化学活性を有する天然物よりも活性は低下する可能性があるだけでなく、ラセミ体に含まれる天然には存在しない逆の光学異性体が生体に対して思わぬ毒性を示す可能性もある。
【0100】
(実施例5:チロシナーゼ阻害試験)
化合物Aについて美白作用を調べるため、チロシナーゼ阻害試験を実施した。チロシナーゼ阻害試験は以下の試験方法により実施した。化合物Aのチロシナーゼ阻害活性は、強いチロシナーゼ阻害作用を示す市販の美白剤のアルブチン、および本発明の化合物と同じクロマン骨格を持つ化合物の市販のトロロックスと比較した。参考までにトロロックスの分子構造を以下に示す。
トロロックスの分子構造
【0101】
【化50】

(試験方法)
1.リン酸緩衝液(pH6.8)に、最終添加量がチロシナーゼ 40U/ml、L−チロシン 1mMになるように溶解し、試験物質はDMSOに溶解後、混合した。
2.37℃で60分間インキュベートした。
3.475nmの吸光度の値を次式に代入して、チロシナーゼ活性阻害率を算出した。
チロシナーゼ活性阻害率=100×{(A−B)−(C−D)}/(A−B)
この式において、A、B、C、Dは以下を意味する。
A:コントロール(試験物質無添加)の反応60分後の吸光度の値。
B:コントロール(試験物質無添加)の反応前の吸光度の値。
C:試験物質添加試料の反応60分後の吸光度の値。
D:試験物質添加試料の反応前の吸光度の値。
【0102】
表1に、化合物Aとアルブチン、トロロックスの添加量毎のチロシナーゼ阻害活性を示す。
【0103】
【表1】

化合物Aは0.4mM、0.2mM、0.1mM、0.04mM、0.02mM、0.01mMという少量の添加量で、コントロールとしての市販の美白剤であるアルブチンよりも高いチロシナーゼ阻害活性を示した。また、本発明の化合物と同じクロマン骨格を持つトロロックスは全くチロシナーゼ阻害作用を有しない。このことから、本発明の化合物のチロシナーゼ阻害活性は本発明の化合物に共通する分子構造に由来しているが、その共通構造としては、クロマン骨格のみでは不十分であることが示される。
【0104】
(実施例6:DPPHラジカル消去率測定試験)
化合物Aの抗酸化作用を調べるため、DPPHラジカル消去率を測定した。化合物AのDPPHラジカル消去率は、強い抗酸化剤として市販されているケルセチンと比較した。
【0105】
(試験方法)
1.DPPHをエタノールに溶解し0.1mmolに調整した。
2.50%エタノール水溶液に溶解した試験物質をトリス塩酸緩衝液(pH7.4)に溶解した。
3.1、2の溶液を1対1で混合し20分間、25℃で暗所において反応させた。
4.517nmの吸光度の値を次式に代入して、DPPHラジカル消去率を算出した。
【0106】
DPPHラジカル消去率=100×(A−B)/(C−D)
この式においてA、B、C、Dは以下を意味する。
A:試験物質添加試料の反応後の吸光度の値。
B:試験物質添加試料のDPPHの代わりにエタノールを添加した時の吸光度の値。
C:コントロール(試験物質無添加)の反応後の吸光度の値。
D:コントロール(試験物質無添加)のDPPHの代わりにエタノールを添加した時の吸光度の値。
【0107】
表2に、化合物Aとケルセチンの添加量毎のDPPHラジカル消去率を示す。
【0108】
【表2】

化合物Aは0.1mM、0.04mM、0.02mM、0.01mM、0.004mM、0.002mMという極少量の添加濃度でコントロールよりも高いDPPHラジカル消去率を示した。また、化合物AのDPPHラジカル消去率はケルセチンの消去率に劣るが、少量の添加量で十分にDPPH由来のラジカルを消去する。本発明の化合物は、毒性がないと考えられているキノコであるホウロクタケ由来であるため安全であることが推測される。従って、毒性が懸念されるケルセチンと同程度に高いラジカル消去効果を有する本発明の化合物は、その安全性のために、化粧品、食品などへの応用において非常に有用であると考えられる。
【0109】
(実施例7:活性酸素除去率測定試験)
化合物Aの活性酸素除去作用を調べるため、活性酸素除去率を測定した。化合物Aの活性酸素除去率を、ケルセチンと比較した。
【0110】
(試験方法)
1.リン酸カリウム−ホウ酸ナトリウム緩衝液(pH8.2)に0.5mMになるようにEDTA・2Naを溶解した。
2.ヒポキサンチンを0.5mMになるように1Nの水酸化ナトリウムに溶解した後、1Nの塩酸でpH8.2に中和した。
3.50mMのN−1−ナフチルエチレンジアミン2塩酸塩と5Mのスルファニル酸の混液に酢酸125ml加えた後、蒸留水を加え、全量500mlになるように調整した。
4.1の溶液と2の溶液、10mMヒドロキシルアミン・HCl溶液、蒸留水を2:2:1:1で混合した。
5.DMSOに溶解した試験物質と200mU/mlのキサンチンオキシダーゼ水溶液、4の混合液、を1:1:3で混合し、37℃で30分間反応した。
6.5の反応直後、5の混合液に3の溶液を1:2で混合し、1時間室温で放置した後、
540nmの吸光度を測定した。
7.540nmの吸光度を次式に代入して活性酸素消去率を算出した。
【0111】
活性酸素除去率=100×{1−(A−B)/(C−D)}
この式においてA、B、C、Dは以下を意味する。
A:試験物質添加試料の反応後の吸光度の値。
B:試験物質添加試料のキサンチンオキシダーゼ水溶液の代わりに蒸留水を添加した時の吸光度の値。
C:コントロール(試験物質無添加)の反応後の吸光度の値。
D:コントロール(試験物質無添加)のキサンチンオキシダーゼ水溶液の代わりに蒸留水を添加した時の吸光度の値。
【0112】
【表3】

化合物Aは1mM、0.2mM、0.04mMという少量の添加量でケルセチンと同等以上の強い活性酸素除去率を示した。この結果は、本発明の化合物が高い活性酸素除去活性を有することを示す。
【0113】
(実施例8:モニタリングテスト)
本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤をモニタリングテストにより評価するため、本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を配合した化粧クリーム(クリームA)とコントロールとして本発明の美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤のみ無添加の化粧クリーム(クリームB)を製造した。以下にクリームAとクリームBの成分と製法を示す。
(クリームAの調整)
(A)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0(重量%)
(B)セタノール 8.5(重量%)
(C)モノステアリン酸ソルビタン 1.5(重量%)
(D)ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 1.5(重量%)
(E)流動パラフィン 6.5(重量%)
(F)スクワラン 1.0(重量%)
(G)メチルポリシロキサン 1.0(重量%)
(H)1,3−ブチレングリコール 10(重量%)
(I)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2(重量%)
(J)エタノール 5.0(重量%)
(K)化合物A 0.02(重量%)
(L)上記の残部として、全量100%になるように精製水を添加した。
【0114】
(製法)
1.(A)〜(G)と、(H)、(I)、(L)を別々に加熱調整し、80℃で混合し、ホモミキサーで攪拌した。
2.50℃で(J)に(K)を溶解し、添加した。
3.30℃まで冷却した。
(クリームBの調整)
(A)親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0(重量%)
(B)セタノール 8.5(重量%)
(C)モノステアリン酸ソルビタン 1.5(重量%)
(D)ポリオキシエチレン(15)セチルエーテル 1.5(重量%)
(E)流動パラフィン 6.5(重量%)
(F)スクワラン 1.0(重量%)
(G)メチルポリシロキサン 1.0(重量%)
(H)1,3−ブチレングリコール 10(重量%)
(I)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.2(重量%)
(J)エタノール 5.0(重量%)
(K)上記の残部として、全量100%になるように精製水を添加した。
【0115】
(製法)
1.(A)〜(G)と、(H)、(I)、(K)を別々に加熱調整し、80℃で混合し、ホモミキサーで攪拌した。
2.50℃で(J)を添加した。
3.30℃まで冷却した。
前記の方法で製造したクリームAとクリームBについてモニタリングテストを実施した。方法(1)20〜50歳のモニター20名(女16名、男4名)に、2ヶ月間、朝と夜2回、顔面への使用を依頼した。(2)2ヶ月後、次の評価基準に従ってアンケートの結果を集計し、クリームAとクリームBのアンケート結果を比較した。
【0116】
[美白作用の評価基準] +++:シミや日焼け後の色素沈着の改善に非常に有効。++:シミや日焼け後の色素沈着の改善に有効。+:シミや日焼け後の色素沈着の改善にやや有効。±:シミや日焼け後の色素沈着の改善に無効。
【0117】
[抗酸化作用および活性酸素除去作用の評価基準] +++:シワやタルミなどの老化改善に非常に有効。++:シワやタルミなどの老化改善に有効。+:シワやタルミなどの老化改善にやや有効。±:シワやタルミなどの老化改善に無効。
表4にクリームAとクリームBのモニタリングテストの結果を示す。
【0118】
【表4】

本発明の美白剤および抗酸化剤を配合したクリームAは本発明の美白剤および抗酸化剤の無添加のクリームBよりも美白作用、抗酸化作用について良好な結果が得られた。よって、本発明の美白剤および抗酸化剤は人の肌においても有効な効果を示すことを証明した。次に、クリーム以外に汎用されている剤型で、本発明の化合物の汎用性を調べた。
(実施例9:化合物Aを含む乳液処方物の調整)
乳液を以下の成分と製法を用いて処方した。
(A)ステアリン酸 2.0(重量%)
(B)セチルアルコール 1.5(重量%)
(C)ワセリン 4.0(重量%)
(D)スクワラン 5・0(重量%)
(E)グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル 2.0(重量%)
(F)ソルビタンモノオレイン酸エステル 2.0(重量%)
(G)グリセリン 9.0(重量%)
(H)水酸化カリウム 0.1(重量%)
(I)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5(重量%)
(J)香料 0.001〜0.1(重量%)
(K)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエンン) 0・05〜0.15(重量%)
(L)エタノール 5.0(重量%)
(M)化合物A 0.01(重量%)
(N)上記の残部として、精製水を添加した。
(製法)
1.(A)〜(F)、(O)に溶解した(G)〜(K)を別々に加熱調整し、80℃で混合し、ホモミキサーで攪拌し、その後、50℃まで冷却した。
2.(L)に(M)を溶解した。
3.上記1の溶液と2の溶液を混合し、30℃まで冷却した。
【0119】
(実施例10:化合物Aを含む化粧水の調整)
化粧水を以下の成分と製法を用いて処方した。
(A)POE(20)オレイルアルコール 0.5(重量%)
(B)グリセリン 10(重量%)
(C)メチルセルロース 0.2(重量%)
(D)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5(重量%)
(E)香料 0.001〜0.1(重量%)
(F)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15(重量%)
(G)エタノール 5.0(重量%)
(H)化合物A 0.015(重量%)
(I)上記の残部として、精製水を添加した。
【0120】
(製法)
上記(A)〜(I)までを均一に攪拌し、加熱溶解した。
【0121】
(実施例11:化合物Aを含むパック剤の調整)
パック剤を以下の成分と製法を用いて処方した。
(A)グリセリン 12(重量%)
(B)モンモリロナイト 10(重量%)
(C)酸化チタン 8(重量%)
(D)カオリン 10(重量%)
(E)防腐剤(パラオキシ安息香酸エステル) 0.1〜0.5(重量%)
(F)香料 0.001〜0.1(重量%)
(G)酸化防止剤(ジブチルヒドロキシトルエン) 0.05〜0.15(重量%)
(H)エタノール 5(重量%)
(I)化合物A 0.02(重量%)
(J)上記の残部として、精製水を添加した。
(製法)
上記(A)〜(J)を均一に溶解した。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明はこの実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきことが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することが理解できる。
【0122】
(実施例12:実施例2において単離されたクロマン化合物(化合物A)からの誘導体の合成)
実施例2において単離された化合物Aからベンジル誘導体およびメチル誘導体を合成し、その誘導体が実施例2で単離されたクロマン化合物(化合物A)と同様の活性を有することを確認した。
【0123】
(ベンジル誘導体の合成手順)
100mlのナス型フラスコに化合物A(69.7mg、36.3mmol)を取り、乾燥アセトン(30ml)に溶解した。スターラーで撹拌しながら炭酸カルシウム(400mg)と、ベンジルブロミド(52μl、43.6mmol)を加え、室温で一時間還流した後に、TLC分析で反応の進行を確認した。反応の進行が遅かったので、さらに炭酸水素カルシウム(600mg)とベンジルブロミド(208μl)を加え、室温で五時間還流した後に、TLC分析で反応の進行を確認した。反応液をろ過し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wako C300、10g、20〜25% アセトン/ヘキサン)にて精製を行い、以下の構造を有するベンジル誘導体(2−ヒドロキシメチル−2−メチル−6−O−ベンジル−3−クロメン)131.7mgを得た。
【0124】
【化51】

(ベンジル誘導体のスペクトルデータ)
ベンジル誘導体(2−ヒドロキシメチル−2−メチル−6−O−ベンジル−3−クロメン)のスペクトルデータは、以下のとおりである:
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl)δ:7.40(m,2H),7.37(m,2H),7.31(m,1H),6.76(d,1H),6.73(dd,1H),6.64(d,1H),6.42(d,1H),5.62(d,1H),3.75(s,2H),3.67(d,1H),3.58(d,1H)、1.35(s,3H)
核磁気共鳴スペクトル(13C NMR、125.8MHz、CDCl)δ:153.3(C),146.5(C),137.3(C×2),128.6(CH×2),128.5(CH),127.9(CH),127.5(CH),124.8(CH),121.6(C),116.7(CH),115.6(CH),113.1(CH),79.0(C),70.8(CH),68.6(CH),22.3(CH)。
【0125】
(メチル誘導体の合成手順)
100mlナス型フラスコに化合物A(56.1mg、29.1mmol)を取り、乾燥アセトン(20ml)に溶解した。スターラーで撹拌しながら炭酸カルシウム(200mg)と、ジメチル硫酸(17μl、17.5mmol)を加え、室温で一時間還流した後に、TLC分析で反応の進行を確認した。反応の進行が遅かったので、さらに炭酸カルシウム(300mg)とジメチル硫酸(34ml)を加え、室温で一晩還流した後に、TLCで反応の進行を確認した。完全に反応が進行していなかったので、炭酸カルシウム(200mg)とジメチル硫酸(34ml)を加え、室温で二時間還流した後に、TLC分析で反応の進行を確認した。反応液をろ過し、濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wako C300、4g、20% アセトン/クロロホルム)にて精製を行い、さらに炭酸水素ナトリウム水溶液/酢酸エチルにて分配し、酢酸エチル可溶部をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Wako C300、6g、20% アセトン/ヘキサン)にて再度精製を行い、以下の構造を有するメチル誘導体(2−ヒドロキシメチル−2−メチル−6−メトキシ−3−クロメン)49.1mgを得た。
【0126】
【化52】

(メチル誘導体のスペクトルデータ)
メチル誘導体(2−ヒドロキシメチル−2−メチル−6−メトキシ−3−クロメン)のスペクトルデータは、以下のとおりである:
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl)δ:6.72(d,1H),6.67(dd,1H),6.56(d,1H),6.42(d,1H),5.62(d,1H),3.75(s,3H),3.67(d,1H),3.59(d,1H),1.35(s,3H),
核磁気共鳴スペクトル(13C NMR、125.8MHz、CDCl)δ:154.1(C),146.2(C),127.9(CH),124.9(CH),121.6(C),116.7(CH),114.5(CH),111.9(CH),79.0(C),68.5(CH),55.8(CH),22.3(CH)。
【0127】
(実施例13:ベンジル誘導体およびメチル誘導体の活性測定)
化合物Aのベンジル誘導体およびメチル誘導体についてDPPHラジカル消去試験とチロシナーゼ阻害試験を実施した。
【0128】
(DPPHラジカル消去率測定試験)
実施例6と同様の方法を用いて、実施例2において単離された化合物Aのベンジル誘導体およびメチル誘導体についてDPPHラジカル消去試験を行った。
その試験結果を、化合物A、および、強いDPPHラジカル消去活性を有することが公知であるケルセチンおよびトロロックスの試験結果と比較した。
【0129】
ケルセチンの構造は、以下のとおりである:
【0130】
【化53】

トロロックスの構造は、以下のとおりである。
【0131】
【化54】

上記実験の結果を、表5に示す。
【0132】
【表5】

以上の結果から、ベンジル誘導体およびメチル誘導体は、化合物Aより低いものの、DPPHラジカル消去活性を有したことが示された。その活性は、0.1mMの添加量では、それぞれ、3%と5%のDPPHラジカル消去率であり、化合物Aよりもかなり低かった。
【0133】
(チロシナーゼ阻害試験)
実施例5と同様の方法を用いて、実施例2において単離されたクロマン化合物とそのベンジル誘導体およびメチル誘導体についてチロシナーゼ阻害試験を行った。また、強いDPPHラジカル消去活性を有することが公知であるトロロックス、および強いチロシナーゼ阻害活性を有することが公知であるアルブチンを比較対象に用いた。アルブチンの構造は、以下のとおりである:
【0134】
【化55】

上記実験の結果を、表6に示す。
【0135】
【表6】

ベンジル誘導体およびメチル誘導体は0.4mMの添加量では17%と7%のチロシナーゼ阻害率を示した。しかし、DPPHラジカル消去試験の時と同じように化合物Aと比較すると、その活性は低下している。
【0136】
(実施例14:さらなるクロマン化合物の単離)
本明細書に開示される単離方法を用いて、実施例2において単離された化合物A以外のクロマン化合物の単離を行った。
【0137】
(6−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−クロメンの単離(化合物B))
ホウロクタケの培養濾液(50g)を酢酸エチルと水で分配することにより、酢酸エチル可溶部(5g)と水可溶部に分離した。酢酸エチル可溶部を、0〜70%まで、10%すつ酢酸エチルの配合量を増加させる、酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより9画分に分離した。得られた画分のうち30%酢酸エチル/ヘキサン溶出部(21.3mg)を用いて、20%の酢酸エチル/ヘキサンによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い10画分を得た。さらに60%メタノール/水によるODS高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により再度分離することで、6−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−3−クロメン 3.2mgを単離した。その構造を以下に示す:
【0138】
【化56】

単離した化合物Bのスペクトルデータは、以下のとおりである;
質量分析(MS):176.0839[M](計算値176.0837)
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl)δ:6.65(d,1H),6.57(dd,1H),6.48(d,1H),6.24(d,1H),5.63(d,1H),1.40(s,3H),1.40(s,3H)
核磁気共鳴スペクトル(13C NMR、125.8MHz、CDCl)δ:149.4(C),146.8(C),131.9(CH),122.15(CH),122.13(C),116.9(CH),115.4(CH),112.8(CH),75.8(C),27.6(CH),27.6(CH)。
【0139】
(6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−5−メトキシ−3−クロメンの単離(化合物C))
酢酸エチル可溶部を酢酸エチル/ヘキサンステップワイズ法によるシリカゲルクロマトグラフィーにより9画分に分離した画分のうち、50%酢酸エチル/ヘキサン溶出部(852.8mg)を用いて、20%の酢酸エチル/ヘキサンによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うことで得られた画分(19.1mg)をさらに20%のアセトン/クロロホルムによるシリカゲルカラムクロマトグラフィーを行い5画分を得た。得られた画分(6.1mg、4.3mg)をそれぞれ40%メタノール/水によるODS高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により再度分離することで、6−ヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル−2−メチル−5−メトキシ−3−クロメンを2.6 mg単離した。
【0140】
【化57】

単離した化合物Cのスペクトルデータは、以下のとおりである;
質量分析(MS):222.0890[M](計算値222.0892)
核磁気共鳴スペクトル(H−NMR、500.1MHz、CDCl)δ:6.69(d,1H),6.73(d,1H),6.51(d,1H),5.68(d,1H),3.81(s,3H),3.68(d,1H),3.60(d,1H),1.34(s,3H)
核磁気共鳴スペクトル(13C NMR、125.8MHz、CDCl)δ:145.9(C),142.9(C),142.7(C),127.8(CH),119.2(CH),115.2(CH),114.6(C),112.3(CH),78.6(C),68.4(CH),62.3(CH),22.0(CH)。
【0141】
(実施例15:化合物Aおよび化合物Bの活性測定)
化合物Bおよび化合物CについてDPPHラジカル消去試験を実施した。
【0142】
(DPPHラジカル消去試験)
実施例6と同様の方法を用いて、化合物B、および、化合物CについてDPPHラジカル消去試験を行った。その試験結果を、化合物A、および、強いDPPHラジカル消去活性を有することが公知であるケルセチンおよびトロロックスの試験結果と比較した。
上記の試験結果を、表7に示す。
【0143】
【表7】

以上の結果から、化合物B、および、化合物Cは強いDPPHラジカル消去活性を有したことが示されたが、その活性は化合物Aよりも少し劣る。
【0144】
(実施例16:菌糸体培養条件の検討)
ホウロクタケの菌糸体から、実施例2に記載の化合物Aを、より効率的に産生させるための条件を検討した。
【0145】
(1.材料および方法)
ホウロクタケの菌糸体としては、実施例1に記載の方法で分離した菌糸体を用いた。
【0146】
(i)以下の培地組成の液体培地16種を作成し、それぞれの液体培地に菌糸体を移植し、40日間、25℃で静置培養した。
使用培地1:ペプトン(5g)、グルコース(30g)、酵母エキス(2g)、硫酸マグネシウム七水和物(0.5g)、リン酸二水素カリウム(1g)、純水(1000ml)
使用培地2:使用培地1でグルコースをスクロースに変更
使用培地3:使用培地1でグルコースをフルクトースに変更
使用培地4:使用培地1でグルコースをトレハロースに変更
使用培地5:使用培地1でグルコースをマルトースに変更
使用培地6:使用培地1でグルコースをガラクトースに変更
使用培地7:使用培地1でグルコースをラクトースに変更
使用培地8:使用培地1でグルコースをキシロースに変更
使用培地9:ジャガイモ煎汁(1000ml)、グルコース(30g)
使用培地10:使用培地9でグルコースをスクロースに変更
使用培地11:使用培地9でグルコースをフルクトースに変更
使用培地12:使用培地9でグルコースをトレハロースに変更
使用培地13:使用培地9でグルコースをマルトースに変更
使用培地14:使用培地9でグルコースをガラクトースに変更
使用培地15:使用培地9でグルコースをラクトースに変更
使用培地16:使用培地9でグルコースをキシロースに変更。
【0147】
(ii)40日間培養した後、ろ過し得られた培養ろ液を減圧濃縮し、所定の濃度に調整し、実施例5および6に記載の方法を用いて、チロシナーゼ阻害試験およびDPPHラジカル消去試験を、実施した。
【0148】
(iii)得られた培養ろ液についてHPLC分析を行い、それぞれの培地で培養した後の実施例2に記載の化合物Aの含有量を比較した。
【0149】
(2.結果)
(i)DPPHラジカル消去試験
DPPHラジカル消去試験は使用培地1〜16を用いて培養し得られた培養ろ液の濃縮物を50%エタノール水溶液に溶解した後、最終濃度が0.2mg/mlになるように添加した。DPPHラジカル消去率測定試験の結果を、以下の表8に示す:
【0150】
【表8】

(ii)チロシナーゼ阻害試験結果
チロシナーゼ阻害試験は使用培地1〜16を用いて培養し得られた培養ろ液の濃縮物をDMSOに溶解した後、最終濃度が0.4mg/mlになるように添加した。チロシナーゼ阻害試験の結果を、以下の表9に示す:
【0151】
【表9】

(iii)HPLC分析
(方法)
使用培地1〜16の培地を調整し、40日間、ホウロクタケの菌糸体をこれらの培地で培養した後の培養ろ液を減圧濃縮して移動相に溶解し1mg/mlに調整した。これらの培養ろ液のHPLC分析の保持時間と吸光度の値を、化合物A(1mg/ml)のHPLC分析の保持時間と吸光度を比較することにより、それぞれの培地1lにホウロクタケの菌糸体を40日間静置培養したときに得られる培養濾液の濃縮物中の相対的な化合物Aの含有率(%)、および、それぞれの培地1lにホウロクタケの菌糸体を40日間静置培養したときに得られる化合物Aの生産量(mg)を算出した。
【0152】
(分析条件)
(1)カラム:ODSカラム、内径4.6mm、長さ150mm、粒子経5μm
(2)移動相:60%メタノール/水
(3)流速:0.5ml/min
(4)検出器:UV 333nm
(5)温度:30℃
(6)ループ:20μl
(7)サンプル:1mg/mlにて5μl投入
(結果)
上記の結果を、以下の表10に示す:
【0153】
【表10】

使用培地1〜16約1L用いてホウロクタケの菌糸体を培養した場合、いずれの培地を用いた場合も8.8mg〜132.6mgの量の実施例2に記載の化合物Aが生産された。ホウロクタケ菌糸体を使用培地4を用いて培養することにより実施例2に記載の化合物Aの生産量が増大し(濃縮物中に1.381%含有するまで)、使用培地4を約1L用いて得られる化合物の収量は132.6mgであった。これらの結果から、使用培地4を用いてホウロクタケの菌糸体を培養することによって、最も効率的に実施例2に記載の化合物Aが生産されることが明らかになった。
【0154】
これらの結果から、菌糸体を用いて本発明のクロマン化合物を生産する場合は、ペプトンとトレハロースとの組合せ、ペプトンとグルコースとの組合せ、およびペプトンとラクトースとの組合せ、ならびに、ジャガイモ煎汁とグルコースとの組み合わせ、ジャガイモ煎汁とトレハロースとの組み合わせ、ジャガイモ煎汁とマルトースとの組み合わせが好ましく、ペプトンとトレハロースとの組合せが最も好ましいことが明らかとなった。
【産業上の利用可能性】
【0155】
ホウロクタケ培養菌糸体が生産するクロマン骨格を持つ化合物を美白剤および抗酸化剤として用いることで、優れた効果を有する美白剤および抗酸化剤、活性酸素除去剤を調整することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、美白剤:
【化1】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化2】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化3】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【化4】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
【請求項2】
以下の構造式に表される化合物を含有する、請求項1に記載の美白剤:
【化5】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
【請求項3】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、抗酸化剤:
【化6】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化7】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化8】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【化9】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
【請求項4】
以下の構造式に表される化合物を含有する、請求項3に記載の抗酸化剤:
【化10】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
【請求項5】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、活性酸素除去剤:
【化11】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化12】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化13】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【化14】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
【請求項6】
以下の構造式に表される化合物を含有する、請求項5に記載の活性酸素除去剤:
【化15】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
【請求項7】
以下の構造式に表される化合物からなる群から選択される化合物を含有する、皮膚外用剤:
【化16】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化17】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化18】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【化19】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物。
【請求項8】
以下の構造式に表される化合物を含有する、請求項7に記載の皮膚外用剤:
【化20】

上記化学式において、R=H、R=OH、R=Hである、化合物。
【請求項9】
ホウロクタケ(Daedalea dickinsii (Berk.ex Cook
e) Yasuda)の培養菌糸体から、以下:
【化21】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化22】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化23】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【化24】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物からなる群から選択される化合物を調製する方法であって、以下の工程:
a)ホウロクタケの子実体または菌糸体、あるいはこれらの培養物を得る工程;
を包含する方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、さらに、以下の工程:
b)該濃縮物をヘキサンと水で分配工程;
c)該濃縮物を酢酸エチルと水で分配する工程;および
d)酢酸エチル可溶部をシリカゲルクロマトグラフィーにより分離する工程、
を包含する、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、ここで調製される化合物が、以下の式を有し
【化25】

ここで、R=H、R=OH、R=Hである、方法。
【請求項12】
以下の構造を有し、+体の光学活性を有する化合物。
【化26】

【請求項13】
以下の構造を有する化合物。
【化27】

【請求項14】
以下の構造を有する化合物を含有する、抗酸化剤。
【化28】

【請求項15】
以下の構造を有する化合物を含有する、皮膚外用剤。
【化29】

【請求項16】
菌糸体を用いて、チロシナーゼ阻害活性、DPPHラジカル消去活性、活性酸素除去活性、美白作用、および抗酸化作用からなる群から選択される活性または作用を有する化合物を生産するための方法であって、
ここで、該方法は、菌糸体を培養する工程を包含し、
ここで、該培地は、
(a)(i)ペプトン、ならびに
(ii)トレハロース、グルコース、およびラクトースからなる群から選択される糖を含むか、または
(b)(iii)ジャガイモ煎汁、ならびに
(iv)グルコース、トレハロース、およびマルトースからなる群から選択される糖を含み、
ここで、該化合物は、以下の構造式に表される化合物:
【化30】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R10)、およびエーテル基(−O−R11)からなる群から選択され、
10はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでm=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
11はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでn=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R20)からなる群から選択され、ここでp=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
20はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでq=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化31】

上記化学式において、R、Rは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、エステル基(−O−CO−R30)、およびエーテル基(−O−R31)からなる群から選択され、
30はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでr=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
31はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、および糖類からなる群から選択され、ここでs=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
はアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R40)、ならびに、アミド基(−CONH−R41)からなる群から選択され、
40はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでt=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
41は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでu=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;
【化32】

上記化学式において、Rは水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、フェニル基誘導体、糖類、および、アシル基(−CO−R50)からなる群から選択され、ここでv=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、ここで糖類は、トリオース、テトロオース、ペントース、およびヘキソースからなる群から選択される単糖、または、該単糖が、それぞれ独立して、2〜5個グルコシド結合したオリゴ糖であり、
50はアルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでw=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物;ならびに、
【化33】

上記化学式において、Rはアルデヒド基、カルボン酸およびその塩、エステル基(−COO−R60)、ならびにアミド基(−CONH−R61)からなる群から選択され、R60はアルキル基(−(CH−H)、およびフェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでx=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基であり、
61は水素原子、アルキル基(−(CH−H)、フェニル基、およびフェニル基誘導体からなる群から選択され、ここでy=1〜30であり、ここでフェニル基誘導体はフェニル基の1〜5個の水素原子が、それぞれ独立して、水酸基、ハロゲン原子、アルデヒド基、カルボキシル基、メトキシ(−OCH)、メチル基(−CH)、エチル基およびエトキシ基(−OCHCH)からなる群から選択される官能基で置換されたフェニル基である、化合物、
からなる群から選択される、方法。
【請求項17】
前記化合物が、以下の構造式を有する、請求項16に記載の方法:
【化34】

【請求項18】
前記培地において(i)ペプトン、ならびに(ii)トレハロース含む、請求項16に記載の方法。

【公開番号】特開2006−124386(P2006−124386A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286249(P2005−286249)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 
【出願人】(300029569)ゲオール化学株式会社 (12)
【出願人】(504180239)国立大学法人信州大学 (759)
【Fターム(参考)】