説明

自動分析装置、発注管理システムおよび発注管理方法

【課題】試薬などの在庫管理、発注管理を使用量に合わせて最適に行うことができ、在庫管理や発注管理にかかる時間を削減するとともに、オペレータの労力を低減すること。
【解決手段】履歴情報を参照して、使用量推定部40aが次の分析に要する期間の試薬使用量を求め、さらに次残量算出部40cがこの試薬使用量を現時点における残試薬量で減算して、次の分析後の残試薬推定量を算出する。そして、この残試薬推定量の値が正の場合に、試薬発注部45aで試薬の発注が必要と判断して、試薬提供元の管理装置に試薬の発注を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生化学分析、免疫検査等の分析を自動で行う自動分析装置、発注管理システムおよび発注管理方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生化学分析等の分析を自動で行う自動分析装置が広く知られている。自動分析装置は、検体供給部、分析部、データ処理部を有している。検体供給部は、採取管を搭載したラックを逐次供給するものである。分析部は、反応槽および試薬保冷庫を有している。反応槽は、内部にキュベットホイールと測定光学系を備え、試薬保冷庫には、検体と反応する試薬を収容した試薬ボトルが収納してある。また、キュベットホイールには、キュベット(反応容器)が収容してあり、試薬ボトルから試薬を分注する一方、採取管から検体を分注する。そして、たとえば測定光学系を用いて、キュベットにおいて反応させた検液(試薬と検体とからなる混合液)の吸光度を測定する。そして、測定した吸光度からデータ処理部が分析結果を取得する。そして、分析開始から分析終了までの間に試薬が不足した場合には、分析を中断し、試薬ボトルを交換することにより試薬を補充する必要がある(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−37171号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、試薬などの在庫数量管理、発注時期管理は、煩雑な作業が伴っており、従来では、必要に応じてオペレータなどの人手を介して行っていたため、時間と労力が嵩んでいた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分析に要する期間と比較対象となる期間の実績試薬使用量をもとに残試薬推定量を算出して、試薬などの発注を行うことで、試薬などの発注管理、在庫管理を使用量に合わせて最適に行うことができ、発注管理や在庫管理にかかる時間を削減するとともに、オペレータの労力を低減することができる自動分析装置、発注管理システムおよび発注管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる自動分析装置は、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する前記試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、前記使用量推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、前記試薬の残量を管理し前記次残量算出手段で算出した試薬の残量が正の値の場合に、前記試薬の発注を試薬提供元に行う試薬発注手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の請求項2にかかる自動分析装置は、試薬の発注を行うホスト装置と接続し、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、前記使用推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、前記次残量算出手段で算出した試薬の残量を前記試薬の残量を管理する前記ホスト装置に通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の請求項3にかかる自動分析装置は、上記発明において、入庫した試薬の試薬量を読み取る情報読取手段を、さらに備え、前記現残量算出手段は前記情報読取手段が読み取った試薬の試薬量を含む現時点の試薬の残量を算出することを特徴とする。
【0009】
本発明の請求項4にかかる自動分析装置は、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、前記備品の使用条件を管理し前記加算手段で累積加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると警報の発生を行わせるとともに前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項5にかかる自動分析装置は、試薬の発注を行うホスト装置と接続し、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、前記加算手段で加算した備品の使用条件を該備品の使用条件を管理する前記ホスト装置に通知する通知手段と、を備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項6にかかる自動分析装置は、上記の発明において、前記備品は、前記洗剤液、ランプ、フェリスタチューブおよびシリンジの少なくとも一つからなり、前記分析履歴記憶手段は、前記洗剤液の使用量、前記ランプの使用時間、前記フェリスタチューブの使用回数および前記シリンジの使用回数の少なくとも1つを前記過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とに対応付けて記憶することを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項7にかかる発注管理システムは、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置を、試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置から前記試薬提供元へ試薬の発注を行う発注管理システムにおいて、前記自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する前記試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、前記使用量推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、前記試薬の残量を管理し前記次残量算出手段で算出した試薬の残量が正の値の場合に、前記試薬の発注を試薬提供元に行う試薬発注手段と、を備え、前記管理装置は、前記自動分析装置からの前記試薬の発注を受け付ける試薬発注受付手段を、備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項8にかかる発注管理システムは、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を、ホスト装置を介して試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置側から前記試薬提供元へ試薬の発注を行う発注管理システムにおいて、各自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、前記使用推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、前記次残量算出手段で算出した試薬の残量を前記ホスト装置に通知する通知手段と、を備え、前記ホスト装置は、各自動分析装置が通知した前記残試薬推定量を加算して全体の残試薬推定量を算出する全試薬残量推定手段と、前記試薬の残量を管理し試薬発注の要否を判定する前記試薬発注を要すると判定した場合に、前記全体の残試薬推定量をもとに前記試薬の発注を試薬提供元に行う試薬発注手段と、前記管理装置は、前記試薬の発注を受け付ける試薬発注受付手段を、備えることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項9にかかる発注管理システムは、上記発明において、各自動分析装置は、入庫した試薬の試薬量を読み取る情報読取手段を、さらに備え、前記試薬残量算出手段は前記情報読取手段が読み取った試薬の試薬量を含む現時点の試薬の残量を算出することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項10にかかる発注管理システムは、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置を、前記分析に使用する備品の提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置から前記備品提供元へ試薬の発注を行う発注管理システムにおいて、前記自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、 次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、前記備品の使用条件を管理し前記加算手段で累積加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると警報の発生を行わせるとともに前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注手段と、を備え、前記管理装置は、前記自動分析装置からの前記備品の発注を受け付ける備品発注受付手段を、備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項11にかかる発注管理システムは、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を、ホスト装置を介して試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置側から前記備品提供元へ備品の発注を行う発注管理システムにおいて、前記自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、前記加算手段で加算した備品の使用条件を該備品の使用条件を管理する前記ホスト装置に通知する通知手段と、を備え、前記ホスト装置は、各自動分析装置が通知した前記備品の使用条件を加算して全体の備品の使用条件を算出する全累積加算手段と、前記累積加算手段で加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると、警報を出力する警報手段と、前記備品の使用条件を管理し前記累積加算手段で加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると、前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注手段と、前記管理装置は、前記備品の発注を受け付ける備品発注受付手段を、備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項12にかかる発注管理方法は、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置を、試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成する構成ステップと、前記自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、前記自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する分析期間の前記履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定ステップと、前記自動分析装置が、現時点の試薬の使用残量を算出する現残量算出ステップと、前記自動分析装置が、前記使用量推定ステップで推定した試薬の使用量を前記現残量算出ステップで算出した現時点の前記試薬の使用量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出ステップと、前記自動分析装置が、前記試薬の残量を管理し前記次残量算出ステップで算出した前記試薬の残量が正の値の場合に、前記試薬の発注を試薬提供元に行う備品発注ステップと、前記管理装置が、前記自動分析装置からの試薬の発注を受け付ける受付ステップと、を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項13にかかる発注管理方法は、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を試薬の発注を行うホスト装置に接続し、かつ前記ホスト装置と試薬提供元の管理装置との間で通信網を構成する構成ステップと、各自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、各自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定ステップと、各自動分析装置が、現時点の試薬の使用量を算出する現残量算部分出ステップと、各自動分析装置が、前記使用量推定ステップで推定した試薬の使用量を前記現残量算出ステップで算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出ステップと、各自動分析装置が、次残量算出ステップで算出した試薬の残量を前記ホスト装置に通知する通知ステップと、前記ホスト装置が、前記試薬の残量を管理し各自動分析装置が通知した前記試薬の残量を加算して全体の残量を算出して、前記全体の残量が正の場合には、または使用限度回数が正の値の場合に、前記備品の発注を行う備品発注ステップと、前記管理装置が、前記ホスト装置からの試薬の発注を受け付ける発注受付ステップと、を含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項14にかかる発注管理方法は、上記発明において、各自動分析装置が、入庫した試薬の試薬量を読み取る情報読取ステップを、さらに含み、前記現残算出ステップでは前記読み取った試薬の試薬量を含む現時点の試薬の残量を算出することを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項15にかかる発注管理方法は、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を備品の発注を行うホスト装置に接続し、かつ前記ホスト装置と試薬提供元の管理装置との間で通信網を構成する構成ステップと、各自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、各自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用量推定ステップと、各自動分析装置が、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算ステップと、各自動分析装置が、前記加算ステップで加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると、警報を出力する警報ステップと、前記備品の使用条件を管理し前記加算手段で累積加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると警報の発生を行わせるとともに前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注ステップと、を含むことを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項16にかかる発注管理方法は、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を備品の発注を行うホスト装置に接続し、かつ前記ホスト装置と備品提供元の管理装置との間で通信網を構成する構成ステップと、各自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶するからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、各自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用条件推定ステップと、各自動分析装置が、前記使用条件推定ステップで推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算ステップと、各自動分析装置が、前記加算ステップで加算した備品の使用条件を該備品の使用条件を管理する前記ホスト装置に通知する通知ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明にかかる自動分析装置、発注管理システムおよび発注管理方法は、過去の分析を行った分析期間と検体数と分析項目からなる履歴情報を記憶し、次の分析に要する期間に相当する分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と検体数とを積算して、次の分析に使用する試薬の使用量を推定するとともに、現時点の試薬の残量を算出する。そして、自動分析装置が推定した試薬使用量を残量で減算して次の分析後の試薬の残量を算出して、前記残量が正の値の場合に試薬を発注して試薬の残量の管理を行うことので、試薬などの在庫管理、発注管理を使用量に合わせて最適に行うことができ、在庫管理や発注管理にかかる時間を削減するとともに、オペレータの労力を低減することができる。
【0023】
また、本発明にかかる自動分析装置、発注管理システムおよび発注管理方法は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶し、次の分析に要する期間に相当する分析期間の履歴情報をもとに、この履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、次の分析に使用する備品の使用条件を推定するとともに、推定された備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する。そして、自動分析装置が加算した備品の使用条件をした備品の使用条件がこの備品の使用限度条件を超えると、警報を出力するとともに、加算した備品の使用条件がこの備品の使用限度条件を超えると、警報を出力させるとともに備品の発注を備品提供元に行って備品の使用条件を管理するので、備品の在庫管理、発注管理を使用量に合わせて最適に行うことができ、在庫管理や発注管理にかかる時間を削減するとともに、オペレータの労力を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に添付図面を参照して、本発明の実施の形態にかかる自動分析装置、発注管理システムおよび発注管理方法を詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0025】
本発明にかかる自動分析装置は、生化学分析、免疫検査等の分析を自動で行う自動分析装置に適用可能であるが、ここでは、臨床検査等に用いられる生化学分析装置を例に説明する。
【0026】
(実施の形態1)
まず、図1〜図10を参照し、実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を説明する。なお、図1は本発明の実施の形態1にかかる発注管理システムの概略構成を示す構成図、図2は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示す正面図、図3は検体供給部および分析部の構成を示す平面図、図4は検体供給部および分析部の構成を示す概念斜視図、図5は、本発明の一実施の形態1に係る検体分注ユニットの構成を模式的に示す図、図6は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示すブロック図、図7は管理データベースに記憶してある試薬用履歴情報の情報構成を示す図、図8は管理データベースに記憶してある試薬残量情報の情報構成を示す図、図9は管理データベースに記憶してある備品用履歴情報の情報構成を示す図、図10は管理データベースに記憶してある一般備品使用情報の情報構成を示す図である。
【0027】
実施の形態1にかかる発注管理システムは、図1に示すように、検体を分析する1つの自動分析装置1と試薬提供元の管理装置10とを公衆回線網15を介して接続し、たとえばIPsecの通信網(IPsec網)16を構成している。そして、IPsecによるセキュリティ機能を利用して自動分析装置1と管理装置10との間で暗号化した試薬発注時のデータ通信を可能としている。
【0028】
自動分析装置1は、図1に示すように、検体供給部2、分析部3、データ処理装置4、制御部5、情報読取装置6を有している。検体供給部2は、図2に示すように、採取管21(たとえば、採血管)を搭載したラック20を分析部3に逐次供給可能である。本実施の形態1にかかるラック20は10本の採取管21が搭載可能であり、検体供給部2に150検体分をセット可能である。採取管21には、採取した検体(たとえば血液)が収容してあり、その側面には、検体を識別するバーコードラベル(図示せず)が貼付してある。このバーコードラベルは、検体に関する情報を表示している。また、分析部3の下部の収納部には、洗剤液が入った洗剤タンク8が収納され、シリンジによって吸引されてキュベットの洗浄を可能にしている。
【0029】
図3に示すように、検体供給部2は、ラック供給コンベア22、ラック搬送コンベア23、ラック回収コンベア24を備えている。ラック供給コンベア22は、搬送方向に対して直交するL字状のアタッチメント22aを複数備えたコンベアであり、アタッチメント22aの相互間にラック20を搭載可能である。したがって、ラック20は、ラック供給コンベア22上で整列し、アタッチメント22aに支承されて倒伏することがない。
【0030】
ラック搬送コンベア23は、検体供給位置にラック20を搬送するものであり、コンベアにより構成してある。ラック搬送コンベア23は、ラック20を間欠的に搬送可能であり、ラック20上の採取管21を検体供給位置に逐次移送可能である。また、ラック搬送コンベア23の搬送方向手前側には、バーコードリーダ25が配設してあり、検体供給位置に搬送する採取管21に収容してある検体の情報を取得可能である。
【0031】
ラック回収コンベア24は、ラック供給コンベア22と同様に、搬送方向に対して直交するL字状のアタッチメント24aを複数備えたコンベアであり、ラック搬送コンベア23から搬送されたラック20をアタッチメント24aの相互間に収容することにより、ラック20を回収可能である。回収されたラック20は、ラック回収コンベア24上で整列し、アタッチメント24aに支承されて倒伏することがない。
【0032】
分析部3は、反応槽31、第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33を備えている。反応槽31は、分析部3の略中央部に配設してある。反応槽31は、内部に加温装置(図示せず)と温度センサ(図示せず)とを備えるとともに、円板状の蓋312により覆ってあり、内部の温度を人体の体温と同一の温度(摂氏37度)で維持する恒温槽を構成している。また、反応槽31は、図4に示すように、内部にキュベットホイール313および測定光学系314を備え、検液(検体と試薬の混合液)の吸光度から分析結果を取得可能である。
【0033】
キュベットホイール313は、リング状に成形された環状の部材であり、間欠して回転可能である。キュベットホイール313の径外方向略中央には、収容凹部313aが周方向に等間隔(以下、この間隔を1ピッチという)で設けてある。また、キュベットホイール313の内側側面と外側側面とには、収容凹部313aに挿通し、キュベットホイール313の外側から内側に光束を案内する測光窓313bが設けてある。収容凹部313aには、キュベットと称される反応容器(以下、「キュベットC」という)が収容してある。キュベットCは、角筒形状の透明容器であり、上方部が開口している。したがって、光束は、キュベットホイール313の外側からキュベットCを通過してキュベットホイール313の内側に案内される。
【0034】
キュベットホイール313の外側となる位置には、キュベットホイール313の径内方向に光を照射する光源314aが設けてあり、光源314aと分析対象となるキュベットを結ぶ直線上には測光センサ314bが設けてある。光源314aは、試薬と検体とが反応したキュベットC内の検液を分析するための照射光(340〜800nm)を出射するものである。測光センサ314bは、キュベットC内の検液を透過し、測光窓313bを通過した平行光を測光するものである。これら光源314aおよび測光センサ314bは、上述した測定光学系314を構成する。
【0035】
測定光学系314は、光源314a、測光センサ314bのほか、キュベットホイールの外側となる位置にコリメーションレンズ314cと、キュベットホイールの内側となる位置にフィルタ(図示せず)と、光源314aの点灯を検出する光源点灯検出部314dとを備えている。コリメーションレンズ314cは、光源314aが出射した光を平行光に収束させるものである。フィルタは、検液に特異的に吸収される波長の光を選択する光学フィルタであり、測定項目毎に予め定めたものが使用される。光源点灯検出部314dは、光源314aの近傍に設けられ、光源314aからの光を検出する光センサなどからなる。この光源点灯検出部314dは、光源314aからの光を検出している間、所定レベルの電気信号を出力しており、制御部5は、この電気信号の出力時間をカウントするたとえばタイマを有し、このタイマによって光源314aの点灯時間を検出している。
【0036】
上述したキュベットホイール313は、4.5秒かけて反時計方向に(1周−1ピッチ)/4回転し(以下「1周期」という)、キュベットホイール313が18秒かけて4周期すると(1周−1ピッチ)回転する。この結果、キュベットCは、4周期で時計方向に1ピッチ移動することになる。
【0037】
ここで、キュベットホイール313が検体供給位置に近接する位置が第一検体分注位置となり、当該第一検体分注位置と略対向する位置が第一試薬分注位置となる。また、第一検体分注位置から時計方向に第一検体分注位置と第一試薬分注位置との間を略二分する位置が第二試薬分注位置となり、第一検体分注位置から反時計方向に第一検体分注位置と第一試薬分注位置との間を略二分する位置が第二検体分注位置となる。さらに、第二試薬分注位置の反時計方向近傍位置が第一攪拌位置となり、第二検体分注位置の時計方向近傍位置が第二攪拌位置となる。またさらに、第二検体分注位置の反時計方向近傍位置が洗浄・乾燥位置となる。
【0038】
そして、反応槽31を覆う蓋312には、これら第一検体分注位置、第二検体分注位置、第一試薬分注位置、第二試薬分注位置、第一攪拌位置、第二攪拌位置、洗浄位置に対応して、図3に示すように、第一検体分注孔312a、第二検体分注孔312b、第一試薬分注孔312c、第二試薬分注孔312d、第一攪拌孔(図示せず)、第二攪拌孔312f、洗浄孔312gが設けてある。
【0039】
第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33は、反応槽31の左部に配設してある。第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33は、それぞれ、内部に冷却装置(図示せず)と温度センサ(図示せず)とを備えるとともに、円盤状の蓋322,332により覆ってあり、内部の温度を所定の温度以下とする保冷庫を構成している。第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33は、内部にターンテーブル(図示せず)を備えている。
【0040】
ターンテーブルは、間欠して回転可能であり、ターンテーブルの上面には、中央部から径外方向に延在する仕切りが複数配設してある。仕切りは、ワンタッチで着脱可能であって、ターンテーブルを任意の領域に画成可能である。
【0041】
各ターンテーブルには、図4に示すように、それぞれ複数の試薬ボトルBが開栓した状態で収容してある。各試薬ボトルBには、検査項目に対応する所定の試薬が収容してあり、その外周面には試薬を識別するバーコードラベル(図示せず)が貼付してある。バーコードラベルは、試薬に関する情報を表示するものであり、たとえば、試薬の種類、製造ロット番号、キャリブレーション値、検量線、有効期限、容量などがコード化して表示してある。また、このバーコードラベルは、試薬ボトルを収納した外装パッケージにも、同様に貼付してある。
【0042】
第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33には、それぞれバーコードリーダ323,333が配設してある。バーコードリーダ323,333は、試薬ボトルBに貼付したバーコードラベルを読み取るものであり、試薬ボトルBに収容した試薬に関する情報を取得可能である。したがって、ターンテーブルは、任意の試薬ボトルBを任意のタイミングで試薬供給位置に移送可能である。
【0043】
そして、第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33を覆う蓋322,332には、図3に示すように、試薬供給位置に対応して、それぞれ第一試薬孔322a、第二試薬孔332aが設けてある。
【0044】
また、分析部3は、検体分注ユニット34、第一試薬分注ユニット35および第二試薬分注ユニット36を備えている。検体分注ユニット34は、検体供給位置に移送された採取管21からキュベットCに所定量の検体を分注するものであり、図5に示すように、金属等の導電性材料から成る細管状のプローブ342と、プローブ342に鉛直方向の昇降動作や水平方向の回転動作を行わせることによってプローブ342を移送するプローブ移送部342bと、液体の試料Spを収容する容器50の近傍に設けられた電極51と、プローブ342と電極51との間の静電容量の変化を検出することによって試料Spの液面を検知する液面センサ342cと、プローブ342の端部と試料Spの液面とが接触することによって生じるプローブ342内部の圧力の変化を検出する圧力センサ342aと、シリンジ342eをピストン駆動するピストン駆動部342fと、シリンジ342eの使用回数を検出する使用回数検出部342gと、検体分注ユニット34の動作を制御するためにCPU(CentralProcessingUnit)等を用いて構成される制御部5と、を備える。
【0045】
アーム341は、検体供給位置と第一検体分注位置との間、および、検体供給位置と第二検体分注位置との間を回動可能、かつ上下方向に昇降可能である。プローブ342は、検体を吸引する部分であり、交換可能なフェリスタチューブ342dを介してシリンジ342eと繋がれている。また、シリンジ342eは、フェリスタチューブ342iを介して洗浄タンク342jに収容された洗浄液Lqを吸引し、プローブ342内の洗浄を可能にしている。液面センサ342cはアーム341の降下時に静電容量を監視することにより、採取管21に収容された検体の液面を検出可能である。
【0046】
また、プローブ342は、所定量の検体を吸引したことを確認する圧力センサ342aを備えている。吸引確認手段としての圧力センサ342aは、吸引時の圧力変化を監視するものである(図5参照)。採取管21が収容されていない場合に検体吸引時の圧力よりも圧力が低くなり、プローブ342に詰まりが生じた場合に検体吸引時の圧力よりも高くなることを利用して検体の吸引を確認可能である。また、検体供給位置と第一検体分注位置とを結ぶ軌跡上には、洗浄部343が設けてある(図3参照)。洗浄部343には、洗浄水タンク342jから洗浄水が供給され、プローブ342を洗浄可能である。使用回数検出部342gは、ピストン駆動部342fが行うシリンジ342eの駆動を検出するもので、たとえばピストン運動の往復動作が行われる度にその往復動作を知らせる電気信号を出力しており、制御部5はこの電気信号を取り込んで、カウントしてフェリスタ中−部342dとシリンジ342eの使用回数を検出している。
【0047】
第一試薬分注ユニット35および第二試薬分注ユニット36は、試薬供給位置に移送された試薬ボトルBからキュベットCに所定量の試薬を分注するものであり、検体分注ユニット34と同様に、それぞれ、アーム351,361とプローブ352,362とを有している。アーム351,361は、試薬供給位置と試薬分注位置との間を回動可能、かつ上下方向に昇降可能である。プローブ352,362は、試薬を吸引する部分であり、アーム351,361の降下時に静電容量を監視することにより、試薬ボトルBに収容された試薬の液面を検出可能である。また、プローブ352,362は、それぞれ、所定量の試薬を吸引したことを確認する吸引確認手段を備えている。吸引確認手段は、吸引時の圧力変化を監視する圧力センサ352a,362a(図6参照)等であり、試薬切れが生じた場合に試薬吸引時の圧力よりも圧力が低くなり、プローブ352,362に詰まりが生じた場合に試薬吸引時の圧力よりも高くなることを利用して試薬の吸引を確認可能である。また、試薬供給位置と試薬分注位置とを結ぶ軌跡上には、洗浄部353,363が設けてある(図3参照)。洗浄部353,363には、図示せぬ洗浄水タンクから洗浄水が供給され、プローブ352,362を洗浄可能である。
【0048】
さらに、分析部3は、第一攪拌ユニット37および第二攪拌ユニット38を備えている。第一攪拌ユニット37および第二攪拌ユニット38は、第一攪拌位置と第二攪拌位置に移送されたキュベットCの混合液(検体と試薬)を攪拌して反応を促進させるものであり、それぞれ、回転アーム371,381と撹拌棒372,382とを備えている。回転アーム371,381は、回転(公転)可能、かつ上下方向に昇降可能であって、平面視略三角形状を有している。撹拌棒372,382は、回転アーム371,381の各頂部近傍に配設してある。撹拌棒372,382は、回転アーム371,381と独立して回転(自転)可能である。また、撹拌棒372,382の公転軌跡上には、洗浄部373,383が設けてある(図3参照)。洗浄部373,383は、図2に示した洗剤タンク8および図示せぬ洗浄水タンクから洗剤液および洗浄水が供給され、撹拌棒372,382を洗浄可能である。
【0049】
またさらに、分析部3は、洗浄・乾燥ユニット39を備えている。洗浄・乾燥ユニット39は、キュベットホイール313が四周期するごと、すなわち1周−1ピッチ回転するごとに上下方向に昇降可能であって、複数のノズル391を有している。これらノズルは、キュベットから分析を終了した検液を吸引する吸引ノズル、キュベットに洗剤液や洗浄液を供給する洗浄ノズル、キュベットから洗浄液を吸引する吸引ノズル、キュベットに圧縮空気を供給するエアノズル等のノズルである。この洗浄・乾燥ユニット39は、洗浄回数を検出するための洗浄回数検出センサ39aを有し、洗浄が行われる度に電気信号を制御部5に出力している。制御部5はこの電気信号を取り込んで、カウントして洗浄回数を検出している。
【0050】
上述した検体供給部2、分析部3の各ユニットおよび構成要素は、制御部5に接続してあり、統括的に制御可能である。制御部5は、たとえば、マイクロコンピュータ等を採用可能である。制御部5は、自動分析装置1の各部の作動を制御するとともに、試薬のロットや有効期限等が設定範囲外の場合、分析作業を規制するように分析部3を制御する。
【0051】
制御部5には、図6に示すように、データ処理装置4(以下、DPR4という)が接続してある。DPR4は、データ処理を行うデータ処理部40、履歴情報などを記憶する管理データベース43(分析履歴記憶手段)、通信インターフェース44、試薬の発注管理を行う試薬管理部45、備品の発注管理を行う一般備品管理部46を備える。データ処理部40は、使用量推定部40a(使用量推定手段)、現残量算出部40b(現残量算出手段)、次残量算出部40c(次残量算出手段)、備品使用推定部40d(使用条件推定手段)、累積加算部40e(加算手段)、入力部41、出力部42を備え、制御部5が取得した各種データおよび入力部41から入力する各種データを処理する。入力部41は、たとえば、キーボードやマウス等であり、検体数および検査項目等の各種情報が入力可能である。検査項目は、個別に入力することも可能であるが、標準検査、精密検査のように大別して入力することも可能である。また、入力部41は、その他に、後述する情報読取装置6が接続してある。出力部42は、たとえば、ディスプレイパネルやプリンタ等であり、分析結果を含む分析内容や警報等の各種情報が出力可能である。また、出力部42には、その他に、後述する報知装置7が接続してある。
【0052】
データ処理部40には、管理データベース43、通信インターフェース44、試薬管理部45、一般備品管理部46が接続してある。管理データベース43は、過去に分析を行ったときの試薬用履歴情報43a、試薬毎の現在の試薬残量43b、過去に分析を行ったときの備品用履歴情報43c、備品毎の現在の使用状況を示す一般備品使用情報43dおよび備品毎の使用限度を示す一般備品使用限度情報43eなどが記憶してある。
【0053】
この試薬残量43bのデータは、分析項目ごとに定められた試薬の種類および当該試薬の残量である。また、試薬用履歴情報43aは、図7に示すように日付に関連付けて検体数と分析項目からなり、たとえば前年の同月同日の検体数と分析項目とが参照可能であるとともに、分析項目で特定される試薬A〜Cが参照可能である。試薬残量の情報は、図8に示すように、各試薬A〜Cの現時点での残量(残試薬量)と次の分析に使用する試薬A〜Cの使用量(次の使用量)とからなり、残試薬量は現残量算出部40bで算出された値であり、次の使用量は使用量推定部40aで推定される実績試薬使用量である。備品用履歴情報43cは、図9に示すように、日付に関連付けて検体数と分析項目と項目毎の使用される洗剤液の使用量、ランプ(光源)の使用時間、フェリスタチューブの使用回数、シリンジの使用回数からなり、試薬用履歴情報43aと同様に、前年の同月同日の検体数と分析項目が参照可能である。
【0054】
なお、1検体に対して1回の検査に使用する洗剤液の使用量は約0.01mlであり、ランプの使用時間は約3分程度である。一般備品使用情報43dは、図10に示すように、各備品の前回までの累積置と、今回の使用値とからなり、今回の検査(たとえば1日分の検査)が終了すると、累積加算部40eによって今回の使用値が累積値に加算され、また備品が新たに搬入されてその情報が情報読取装置6で読み取られると、この累積値はリセットされる。また、履歴情報は、日付に関連付けて検体数と分析項目を記憶したものであればよく、前日の検体数と分析項目とを参照可能としたものでもよく、季節等に対応した一日当たりの検体数と分析項目とを参照可能としたものでもよい。また、管理データベース43には、その他に各種データが記憶してある。この各種データとは、分析に必要な試薬に関する情報(情報読取装置が読み込んだ後述する入庫情報を含む)、残試薬推定量データ、注文書データなどである。
【0055】
通信インターフェース44は、IPsec網16を介して試薬の提供元の管理装置10とデータ通信を行う部分である。この通信インターフェース44は、後述する試薬発注プログラムで作成された発注書を、暗号化して提供元の管理装置10に送信している。
【0056】
試薬管理部45は、データ処理部40で算出された試薬の発注管理を行う試薬発注部45a(試薬発注手段)を有し、次残量算出部40cで算出された残試薬推定量の値が負になる場合、すなわち試薬使用量が全体の残試薬量より小さい場合には、報知装置7から警告を発するように指示を与えるとともに、通信インターフェ‐ス44からたとえば試薬の提供元へ試薬発注の通信を行わせる。一般備品管理部46は、データ処理部40で算出された各備品の発注管理を行う備品発注部46aを有し、累積加算部40eで累積加算された累積値が使用限度条件(洗剤液使用量、ランプ使用時間、フェリスタチューブ使用回数およびシリンジ使用回数)の所定閾値を超えると、報知装置7から警告を発するように指示を与えるとともに、通信インターフェ‐ス44からたとえば試薬の提供元へ試薬発注の通信を行わせる。
【0057】
情報読取装置(情報読取手段)6は、入力部41を介してデータ処理部40と取り外し自在に接続してある。情報読取装置6は、入庫した試薬の外装パッケージに貼付してあるバーコードラベルを読み取る、たとえばバーコードリーダであり、試薬ボトルに収容した試薬に関する情報を取得可能である。この取得した情報は、データ処理部40に出力される。データ処理部40は、入庫した試薬量などの試薬に関する情報を入庫情報(在庫情報)として管理データベース43に登録する。また、分析装置1は、分析を行い試薬ボトル内に試薬がなくなったと判定して、試薬ボトルの交換セットを行い、その情報取得を行うと、データ処理部40が登録した在庫情報から該当する試薬ボトルの出庫登録を行う。また、情報読取装置6は、入庫した上記備品の外装パッケージに貼付してあるバーコードラベルを読み取って、入庫情報(在庫情報)として管理データベース43に登録される。
【0058】
次に、データ処理部40の各部の説明を行う。使用量推定部40aは、使用量推定を実行するためのプログラムを有し、履歴情報を参照して、試薬ごとに次の分析に使用する試薬使用量を推定するものである。具体的には次の分析に要する期間に相当する分析期間の履歴情報、たとえば次の分析に要する期間(月日)に相当する分析期間(前年の同月同日)の分析項目から試薬の種類が求められ、その日の検体数と一回の分注量とを積算することにより過去の実績としての試薬使用量が求められる。この結果、試薬ごとに前年の同月同日の実績試薬使用量が求められる。なお、次の分析に要する期間に相当する分析期間を、前日の検体数と分析項目とすれば、前日の実績試薬使用量が求められ、参照する履歴情報を季節等に対応した一日当たりの検体数と分析項目とすれば、季節に対応した一日当たりの実績試薬使用量が求められる。また、参照する履歴情報を季節に対応した週当たりまたは月当たりの検体数と分析項目とすれば、季節に対応した週当たり、月当たりの実績試薬使用量が求められる。
【0059】
現残量算出部40bは、現時点における試薬の残量(残試薬量)の算出を実行するためのプログラムを有し、試薬ボトルBに収容した試薬量から分析に要した試薬量を減算して個々の試薬ボトルBの残試薬量を算出する工程と、同一種類の試薬全体の残試薬量を算出する工程とがある。まず、試薬ボトルBの残試薬量を算出する工程では、試薬ボトルBに収容した試薬量は、バーコードリーダ323,333が試薬ボトルの側面に貼付したバーコードラベルから読み取った容量を適用し、試薬ボトルBごとに求めることが可能である。分析に要した試薬量は、分析項目ごとに定められた試薬の量と分析回数とを積算して算出可能であり、試薬ごとに算出可能である。したがって、この工程では、これらのデータから試薬ボトルBごとに残試薬量を算出可能である。そして、分析に要した試薬量は分析をするごとに逐次加算され、これにともなって試薬の残試薬量は逐次減算される。この残試薬量は、試薬保冷庫32,33への試薬補充の目安となる。この残試薬量は表示手段としてのディスプレイパネルに表示され、オペレータが視認可能となる。また、この残試薬量データは、上述したように、管理データベース43に記憶される。
【0060】
また、同一種類の試薬全体の残試薬量を算出する工程では、同一種類の試薬全体の残試薬量は、入庫時に情報読取装置6が外装パッケージに貼付したバーコードラベルから読み取った初期容量を適用し、同一種類の試薬全体の残試薬量を求めることが可能である。ここで、同一種類の試薬とは、たとえば試薬の種類と製造ロット番号が同じ試薬をいうものとする。自動分析装置1は、図示しない試薬格納庫と試薬補充装置を備えており、試薬格納庫には、補充すべき試薬が収容された試薬ボトルBが格納可能であって、入荷した試薬は情報読取装置6によって試薬に関する情報が読み取られた後、この試薬格納庫に一旦格納される。試薬補充装置は、第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33から空になった試薬ボトルBを回収する一方、試薬格納庫から第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33に新たな試薬ボトルを補充する。さらに、この残試薬量の算出では、上記の試薬ボトルBごとの残試薬量と、試薬ボトルの交換セットを行った試薬交換情報も適用する。すなわち、この試薬全体の残試薬量を算出する工程では、情報読取装置6が読み取った試薬の試薬量から、交換した試薬ボトルの試薬量(バーコードリーダ323,333が読み取った容量)を減算し、さらに試薬ボトルの残試薬量を加算して、試薬ごとの全体の残試薬量を算出する。この全体の残試薬量は、自動分析装置1が行う試薬発注の目安となる。この全体の残試薬量は表示手段としてのディスプレイパネルに表示することが可能であり、これによってオペレータが視認可能となる。また、この全体の残試薬量データも、管理データベース43に記憶される。
【0061】
次残量算出部40cは、分析後の残試薬量の算出を実行するためのプログラムを有し、使用量推定部40aで推定した試薬ごとの試薬使用量を、現残量算出部40bで算出した現時点における試薬全体の残試薬量で減算して、次の分析後の残試薬量(残試薬推定量)を算出するものである。ここで、試薬使用量が全体の残試薬量より大きい場合には、残試薬推定量の値が正になり、試薬使用量が全体の残試薬量より小さい場合には、残試薬推定量の値が負になる。この算出した値は、次の試薬発注部45aによる試薬発注の要否の判定基準となる。
【0062】
備品使用推定部40dは、次の分析に要する期間に相当する分析期間の履歴情報をもとに、この履歴情報の分析項目で特定される備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、この次の分析に使用する備品の使用条件を推定する。具体的には、次の分析に要する期間に相当する分析期間の履歴情報、たとえば次の分析に要する期間(月日)に相当する分析期間(前年の同月同日から続きの同月同日まで)の分析項目から洗剤使用量などの備品の使用条件が求められ、その分析期間の同じ備品の使用条件を加算することにより過去の実績としての備品毎の使用条件が求められる。
【0063】
累積加算部40eは、備品使用推定部40dで推定された備品の使用条件を含めて、この備品の使用条件を累積加算するものである。すなわち、累積加算部40eは、前回までの累積した備品の使用条件、たとえば図10に示す洗剤使用量の累積値「5l」に、今回の使用値「1,2ml」を加算することで、各備品の累積使用値を算出している。
【0064】
試薬管理部45の試薬発注部45aは、試薬発注を実行するための試薬発注プログラムを有し、試薬発注の要否を判定するものである。試薬発注の要否は、試薬使用量から全体の残試薬量を減算した残試薬推定量の値に基づいて判定され、値が負の場合に試薬の発注が不要と判定し、残試薬推定量の値が正の場合に試薬の発注が必要と判定する。試薬発注部45aは、この次の分析後の試薬ごとの残試薬推定量を、報知手段としてのディスプレイパネルに表示し、オペレータが視認可能とすることができる。たとえばこの表示では、一日当たりの残試薬量に対しては、試薬の発注時期を本日の何時までと、週当たりの残試薬量に対しては、試薬の発注時期を何曜日までと、月当たりの残試薬量に対しては、何月何日までとディスプレイパネルに表示することも可能である。また、この残試薬推定量データも、管理データベース43に記憶される。
【0065】
また、試薬発注部45aは、試薬の発注を要すると判定した場合に、次残量算出部40cで算出した次の分析後の残試薬推定量をもとに試薬の発注を試薬提供元に行うものである。この試薬発注部45aの試薬発注プログラムは、データベース43に記憶してある注文書データをもとに、オペレータの人手を介さずにデータ処理部40が自動で注文書を作成できるようにプログラムしても良いし、またはオペレータがマウスなどの入力部41を使用して選択的に注文書の作成を指示できるようにプログラムしても良い。この作成される注文書の情報には、試薬の種類、現在使用しているロット番号、注文数量、納入期限などの他に、キャリブレーターのロット番号なども添付される。また、試薬発注プログラムは、試薬の注文時期を報知するとともに、注文書の発注をオペレータの人手を介さずにデータ処理部40が自動で行えるようにプログラムしても良いし、またはオペレータの指示で注文書の発注を行うようにプログラムしても良い。
【0066】
備品管理部46の備品発注部46aは、備品発注を実行するための備品発注プログラムを有し、備品発注の要否を判定するものである。備品発注の要否は、備品発注部46aで求めた備品使用条件から使用限度条件を減算した推定値に基づいて判定され、値が負の場合に備品の発注が不要と判定し、推定値が正の場合に試薬の発注が必要と判定する。備品発注部46aは、この次の分析後の備品ごとの推定値を、報知手段としての報知装置7のディスプレイパネルに表示し、オペレータが視認可能とすることができる。
【0067】
また、備品発注部46aは、備品の発注を要すると判定した場合に、備品発注部46aで求めた備品使用条件から使用限度条件を減算した推定値をもとに備品の発注を備品提供元に行うものである。
【0068】
また、データ処理部40は、制御部5を介して測光センサ314bと接続してあり、測光センサ314bが測光した光量(吸光度)に基づいて、検体の成分濃度等を分析する。具体的には、キュベットC内の試薬と検体とからなる検液の吸光度を用いて検体の成分濃度等を分析する。吸光度は、測光センサ314bによって予めブランク試料に関する光量を測定しておくことにより比較対照が可能である。この分析結果は、出力部42に出力可能である。
【0069】
試薬提供元の管理装置10は、図1に示すように、通信インターフェース11、データ処理部12、管理データベース13を有している。通信インターフェース11は、IPsec網16を介して自動分析装置1とデータ通信を行う部分である。この通信インターフェース11は、自動分析装置1で作成され、暗号化された発注書を、受信するものである。データ処理部12は、発注受付手段としての発注受付部12aを備え、通信インターフェース11が受信したデータを処理するもので、データ処理部40と同様に、図示しない入力部と出力部とを備えている。
【0070】
発注受付部12aは、試薬および備品の発注の受け付けを実行する発注受付プログラムを有し、注文先の自動分析装置からIPsec網16を介して受信した試薬または備品の発注書を受け付けて、指定された納期期限に試薬または備品を納品できるように管理するためのものである。この発注受付プログラムは、受信した注文書データをもとに、オペレータの人手を介さずにデータ処理部12が納品リストを作成できるようにプログラムしても良いし、またはオペレータがマウスなどの入力部を使用して選択的に納品リストの作成を指示できるようにプログラムしても良い。この作成される納品リストの情報には、試薬または備品の種類、現在使用しているロット番号、注文数量、納入期限などの他に、試薬に対してはキャリブレーターのロット番号なども添付してある。
【0071】
管理データベース13には、データ処理部12が作成した上記納品リストおよび注文先の自動分析装置の顧客リストなどが記憶してある。この作成される顧客リストの情報は、たとえば顧客の住所、名前、電話番号、メールのアドレス情報、試薬または備品の卸値などの情報からなる。また、管理データベース13は、その他に各種データを記憶してある。各種データとは、暗号化された情報を解読するプログラム、注文先の自動分析装置を認証するためのデータなどである。
【0072】
つぎに、図11〜図16を参照し、上述した本実施の形態1にかかる自動分析装置の作用を説明する。なお、図11は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の分析開始手続を説明するフローチャート、図12は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の分析再開手続を説明するフローチャート、図13は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の試薬残量算出の動作を説明するフローチャート、図14は本発明の実施の形態1にかかる試薬管理部の試薬発注の動作を説明するフローチャート、図15は本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の備品使用条件算出を説明するフローチャート、図16は本発明の実施の形態1にかかる一般備品管理部の備品発注の動作を説明するフローチャートである。
【0073】
まず、図11において、分析にあたって、分析開始手続をおこなう。この分析開始手続は、検体数と検査項目の入力などであって、データ処理部40の入力部41から検体数と検査項目を入力すると(ステップS1)、データ処理部40が試薬保冷庫32,33に収容された試薬ボトルBの残試薬量の算出を行う(ステップS2)。そして、データ処理部40は、試薬ごとに補充の要否を判定し(ステップS3)、試薬ごとに試薬補充要否判定結果および残試薬量をディスプレイパネルに表示する(ステップS3)。したがって、オペレータは、これら試薬補充要否判定結果および残試薬量を確認可能である。その後、自動分析装置1は分析を開始する(ステップS4)。
【0074】
分析を開始すると、検体供給部2では、分析部3に検体を供給する。具体的には、ラック供給コンベア22がラック20をラック搬送コンベア23に供給し、ラック搬送コンベア23が当該ラック20を検体供給位置に搬送する。
【0075】
一方、分析部3では、試薬保冷庫32,33および検体供給部2から試薬および検体をキュベットCに分注し、これらの混合液の反応を測光することにより分析する。具体的に説明する。
【0076】
まず、第一試薬保冷庫32において、分析項目に対応する試薬が収容してある試薬ボトルBを試薬供給位置に移動する。そして、分析項目に対応する試薬ボトルBが試薬供給位置に移動すると、第一試薬分注ユニット35が、試薬ボトルBから第一試薬を吸引して第一試薬分注位置に位置するキュベットCに第一試薬を分注する。そして、分注を終えたプローブ352は洗浄部353で洗浄される。
【0077】
キュベットホイール313が回転し、第一試薬が分注されたキュベットCが検体分注位置に移動すると、検体分注ユニット34が検体供給位置に搬送された採取管21から検体を吸引して、検体分注位置に位置するキュベットCに検体を分注する。そして、分注を終えたプローブ342は洗浄部343で洗浄される。
【0078】
そして、キュベットホイール313が4周期回転すると、第一試薬と検体を分注したキュベットCは、上述したように、第一試薬を分注した位置から時計方向に1ピッチ移動したことになる。したがって、当該キュベットCと反時計方向に隣り合うキュベットCに第一試薬を分注可能となる。
【0079】
その後、キュベットホイール313が回転し、キュベットCが第一攪拌位置に移動すると、第一攪拌ユニット37がキュベットCに収容された第一試薬と検体の混合液を攪拌する。このとき、前回攪拌に用いた撹拌棒372が洗浄部373において洗浄される。
【0080】
そして、キュベットホイール313が回転し、攪拌された混合液を収容したキュベットCが第二試薬分注位置に移動すると、第二試薬が分注可能となる。ここで、通常の分析において第二試薬を分注することはなく、必要に応じて第二試薬を分注する。第二試薬を分注する場合には、第一試薬を分注する場合と同様に、第二試薬保冷庫33において、分析項目に対応する試薬が収容してある試薬ボトルBを試薬供給位置に移動する。そして、分析項目に対応する試薬ボトルBが試薬供給位置に移動すると、第二試薬分注ユニット36が、試薬ボトルBから第二試薬を吸引して第二試薬分注位置に位置するキュベットCに第二試薬を分注する。そして、分注に用いられたプローブ362は洗浄部363で洗浄される。
【0081】
さらに、キュベットホイール313が回転し、混合液に第二試薬を分注したキュベットCが第二攪拌位置に移動すると、第二攪拌ユニット38がキュベットCに収容された混合液が攪拌可能となる。ここで、第二試薬を分注してない場合には攪拌する必要はない。
【0082】
そして、試薬および検体を混合攪拌した検液を収容したキュベットCが測定光学系314を横切るごとに測光センサ314bが測光する。そして、データ処理部40は、測光センサ314bが測光した光量(吸光度)に基づいて、検体の成分濃度等を分析する。
【0083】
このようにして検液の測光が終了したキュベットCは、洗浄・乾燥位置において洗浄・乾燥ユニット39が内部の検液が吸引されて廃棄されるとともに、洗浄水タンクから供給された洗浄水によって内部が洗浄された後、圧縮空気により乾燥される。そして、キュベットCは、再び第一試薬分注ユニット35によって第一試薬が分注され、分析に使用される。
【0084】
分析開始後に、残試薬量が予め定めた所定量となった場合には(ステップS5:Yes)、試薬の補充が必要となる旨の事前告知をディスプレイパネルに表示する(ステップS6)。
【0085】
そして、試薬がなくなった場合(ステップS7:Yes)、すなわち、試薬分注ユニット35,36の吸引確認手段が所定量の試薬を吸引したことを確認できなかった場合には、分析を中断する(ステップS8)。
【0086】
ここで、試薬補充装置が試薬保冷庫32,33から空になった試薬ボトルBを回収して、新たな試薬ボトルBを試薬格納庫から試薬保冷庫32,33に補充すると、試薬保冷庫32,33のバーコードリーダ323,333が試薬ボトルBのバーコードラベルを読み取り、制御部5を介してデータ処理部40が補充した試薬の情報を取得する。
【0087】
その後、図12において、分析を再開するにあたって、分析再開手続を行う。分析再開手続は、キャリブレーション判定等であって、キャリブレーション判定およびQC判定が必要な場合には(ステップS11:Yes)、キャリブレーション判定およびQC判定を実施する(ステップS12)。そして、キャリブレーション判定およびQC判定の結果が正常な場合には(ステップS13:Yes)、分析を再開する(ステップS15)。一方、キャリブレーション判定およびQC判定の少なくとも一方が異常な場合には(ステップS13:No)、分析を中止する(ステップS14)。そして、分析を中止した場合には、その旨をディスプレイパネルに表示する。一方、キャリブレーション判定およびQC判定が不要な場合には(ステップS11:No)、分析を再開する(ステップS15)。
【0088】
なお、キャリブレーション判定およびQC判定が必要な場合とは、補充前の試薬の製造ロットと補充後の試薬の製造ロットとが異なる場合であり、補充前の試薬の製造ロットと補充後の試薬の製造ロットとが同一の場合には、キャリブレーション判定およびQC判定を行う必要がない。
【0089】
上述した実施の形態1にかかる自動分析装置1によれば、試薬ボトルBに収容した試薬量から分析に要した試薬量を減算して残試薬量を算出する。一方分析に要する試薬量と予定分析数とを積算して予定試薬量を算出し、残試薬量と予定試薬量とを比較して、試薬補充の要否を判定する。そして、試薬の補充を要すると判定した場合にその旨をディスプレイパネルに表示するので、オペレータは試薬補充の準備ができる。
【0090】
また、ディスプレイパネルに残試薬量を表示するので、残試薬量を目安として試薬補充のタイミングを図ることができる。
【0091】
したがって、上述したように、補充すべき試薬が報知されている場合には、当該試薬を収容した試薬ボトルBを試薬格納庫に収納しておくことにより、自動分析装置の分析中断時間を短縮し、短時間で分析の再開が可能となる。
【0092】
次に、この実施の形態1にかかる自動分析装置1の試薬残量算出を説明する。まず、自動分析装置1は、図13に示すように、試薬の入庫時に情報読取装置6によって、試薬ボトルBが収納された外装パッケージのバーコードラベルを読み取り、データ処理部40に出力することによって、データ処理部40が補充した試薬の入庫情報を取得する。また、データ処理部40は、分析を行うことによって第一試薬保冷庫32および第二試薬保冷庫33にセットした試薬がなくなって、試薬ボトルを交換したことを示す交換セットの情報や図10で算出した残試薬量のデータを取り込んでおり、現残量算出部40bがこれらの情報から同一種類の試薬全体の残試薬量を算出する(ステップS21)。なお、この入庫情報の読み込みの際には、たとえば使用期限の短い試薬のロット番号をディスプレイに表示してオペレータに視認させ、この試薬を早めに使用するように喚起することも可能である。
【0093】
次に、分析履歴の参照を行って、使用量推定部40aが分析履歴から前年の同月同日(対応日)の検体数と検査項目を参照して、実績試薬使用量を算出し(ステップS22)、次残量算出部40cが同一種類の試薬ごとに残試薬推定量の算出を行う(ステップS23)。さらに、発注条件、納期、使用期限条件などの設定をキーボードなどから入力して(ステップS24:Yes)、これら条件に基づき演算を行い(ステップS25)、結果をデータ処理装置4のディスプレイに表示する(ステップS26)。
【0094】
次に、試薬管理部45の試薬発注部45aの試薬発注動作について図14を用いて説明する。試薬発注部45aは、データ処理部40から演算結果が入力すると(ステップS31)、試薬ごとに試薬発注の要否を判定し、試薬残量の不足があるか否か判断する(ステップS32)。ここで、試薬残量に不足がない場合(ステップS32:No)、次の演算結果の入力を待つ。また、試薬残量に不足がある場合(ステップS32:Yes)、報知装置7に警告を発生させて、同一種類の試薬ごとに試薬発注の要否判定結果および残試薬推定量をデータ処理装置4のディスプレイに表示する(ステップS27)。したがって、オペレータは、これら試薬発注要否判定結果および残試薬量を確認可能である。その後、試薬発注部45aは試薬の注文書を作成してIPsec網16を介して試薬提供元の管理装置10と接続し、管理装置10へ試薬発注を行う(ステップS34)。
【0095】
次に、本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の備品使用条件算出の動作を説明する。図15において、制御部5から検出された光源点灯時間、洗剤液使用量、フェリスタチューブおよびシリンジの使用回数の検出情報が入力すると(ステップS41)、分析履歴の参照を行って、備品使用推定部40dが分析履歴から前年の同月同日(対応日)の検体数と検査項目を参照して、実績備品使用量を算出する(ステップS42)。次に、累積加算部40eが同一種類の備品ごとに実績備品使用量を含む備品使用量の累積加算を行い(ステップS43)、備品の累積結果をデータ処理装置4のディスプレイに表示する(ステップS44)。
【0096】
次に、一般備品管理部46の備品発注部46aの備品発注動作について図16を用いて説明する。備品発注部46aは、累積加算部40eから備品の累積結果が入力すると(ステップS51)、備品ごとに試薬発注の要否を判定し、使用限界の備品があるか否か判断する(ステップS52)。ここで、使用限界の備品がない場合(ステップS52:No)、次の累積結果の入力を待つ。また、使用限界の備品がある場合(ステップS52:Yes)、報知装置7に警告を発生させて、同一種類の備品ごとに備品発注の要否判定結果および使用限度までの残使用量をデータ処理装置4のディスプレイに表示する(ステップS53)。したがって、オペレータは、これら備品発注要否判定結果および残使用量を確認可能である。その後、備品発注部46aは試薬の注文書を作成してIPsec網16を介して試備品提供元の管理装置10(この実施の形態1では試薬提供元と同じ)と接続し、管理装置10へ備品発注を行う(ステップS54)。
【0097】
次に、本発明の実施の形態1にかかる管理装置10の受注管理手続を、図17のフローチャートに基づいて説明する。なお、この管理装置10は、試薬メーカである試薬提供元に設置されている。データ処理部12の通信インターフェース11は、自動分析装置1から接続要求があると、相手先を認証してIPsecを確立してデータ通信を行って、顧客の自動分析装置から発注書を受信し(ステップS61)、発注受付部12aがこの発注書の内容を確認する(ステップS62)。この確認において、発注書の記載内容に不備がある場合には、再送を要求し、記載内容に不備がない場合には、発注受付部12aがこの発注書を受け付けて発注内容を管理データベース13に記録して(ステップS63)、試薬(または備品)納品のための期限管理を行う(ステップS64)。
【0098】
したがって、試薬提供元では、自動分析装置から受信した試薬や備品の注文内容を管理装置が管理するので、この注文内容に応じて、出荷の準備を行うことができ、納品期限内に迅速に試薬を出荷することが可能となる。
【0099】
上述した実施の形態1によれば、試薬の試薬量から分析に要した試薬量を減算して残試薬量を算出するとともに、分析に要する期間に相当する期間の実績試薬使用量を履歴情報から算出する。そして、実績試薬使用量と残試薬量とを比較して、残試薬推定量を算出して、試薬発注の要否を判定するので、試薬などの発注管理、在庫管理を使用量に合わせて最適に行うことができ、試薬の発注管理や在庫管理にかかる時間を削減できるとともに、オペレータの労力を低減することができる。
【0100】
また、実施の形態1では、備品の使用による累積値に分析に要する期間に相当する期間の実績備品使用量を加算して、備品の発注の要否を判定するので、備品に関しても発注管理や在庫管理にかかる時間を削減できるとともに、オペレータの労力をさらに低減することができる。
【0101】
また、実施の形態1によれば、試薬ボトルに収容した試薬量を情報読取装置で読み取るので、試薬などの入庫チェックを最適に行うことができ、入庫チェックにかかる時間を削減できるとともに、さらにオペレータの労力を低減することができる。
【0102】
また、実施の形態1によれば、試薬の試薬量から分析に要した試薬量を減算して現時点の残試薬量を算出する。そして、前年の同月同日の試薬使用量(実績試薬使用量)と残試薬量とを比較して、試薬補充の要否を判定する。そして、試薬の補充を要すると判定した場合にその旨をディスプレイパネルに表示するので、オペレータは試薬補充の準備ができる。
【0103】
また、実施の形態1によれば、次残量算出部で算出した残試薬推定量をディスプレイパネルに表示するので、残試薬推定量を目安として試薬発注のタイミングを図ることができる。
【0104】
また、実施の形態1によれば、試薬発注および備品発注の設定は、オペレータの人手を介さずにデータ処理部40によって通信網を使用した通信で試薬提供元の管理装置10とオンライン接続して発注書を送信することも、オペレータの人手を介して選択的に送信することもできるので、試薬発注において、汎用性の高い装置およびシステムを提供することができる。また、実施の形態1では、オンライン接続で通信することにより、たとえば試薬提供元と自動分析装置側ユーザとの契約などの取り決めにより、試薬の提供などを試薬提供元に委ねることも可能となり、ユーザ側では在庫管理の手間を削減することが可能となる。
【0105】
また、実施の形態1によれば、過去の試薬使用量や備品使用値(使用量、使用時間、使用回数など)の実績から分析に要する期間の試薬使用量や備品使用値を推定するので、試薬や備品の在庫を必要最低限で保管することが可能となるので、保管スペースをこれに併せて最低限のスペースに削減することができる。
【0106】
また、実施の形態1によれば、試薬の使用期限の情報をオペレータなどに報知することができるので、使用期限の短い試薬から使用することができ、試薬の有効利用が可能となる。
【0107】
また、実施の形態1によれば、試薬提供元も自動分析装置を設置しているユーザ側の試薬の使用状況を迅速に入手することができるので、発注に対する試薬の提供を迅速に行うことができ、流通コストの削減を図ることが可能となる。
【0108】
ところで、上述した自動分析装置では、試薬の他に洗剤液、ランプ、フェリスタチューブおよびシリンジなどの備品の発注管理についても説明したが、本発明はこれに限らず、たとえばプローブや撹拌棒などについても同様に発注管理を行うことができる。
【0109】
(実施の形態2)
図18は、本発明の実施の形態2にかかる発注管理システムの概略構成を示す構成図である。この実施の形態2にかかる発注管理システムは、図18に示すように、検体を分析する複数の自動分析装置1a〜1cを管理用のホスト装置50と接続し、かつホスト装置50と試薬提供元の管理装置10とを公衆回線網15を介して接続して、IPsec網16を構成している。
【0110】
各自動分析装置1a〜1cおよび試薬提供元の管理装置10の構成は、図1および図6に示した装置とほぼ同様の構成であるが、異なる点は、各自動分析装置1a〜1cのデータ処理部40が、試薬発注部の代わりに、次残量算出部40cで算出した残試薬推定量のデータをホストコンピュータに通知する通知する通知手段を含む点である。すなわち、各自動分析装置1a〜1cのデータ処理部40では、次残量算出部40cによって試薬ごとの実績試薬使用量と全体の試薬残試薬量とを比較して、残試薬推定量を算出するとともに、累積加算部40eによって各備品の累積使用値を算出する。
【0111】
この算出された残試薬推定量データ、試薬量データおよび各備品の累積使用値のデータは、通信回線を介してホスト装置50へそれぞれ送信される。また、各自動分析装置1a〜1cは、試薬ボトルの交換セットを行った交換セット情報をホスト装置50へ送信している。
【0112】
ホスト装置50は、複数の自動分析装置1a〜1cで使用する試薬および備品の在庫管理を行い、必要に応じて試薬または備品の提供元の管理装置10への試薬または備品の発注を行うものである。ホスト装置50は、図18に示すように、入出力インターフェース51、データ処理部52、管理データベース55、試薬管理部56、一般備品管理部57、通信インターフェース58を有している。
【0113】
入出力インターフェース51は、通信回線を介して自動分析装置1a〜1cとデータ通信を行う部分であり、各自動分析装置1a〜1cから残試薬推定量のデータおよび各備品の累積使用値のデータを受信している。データ処理部52は、入力部53と、出力部54とを備え、入出力インターフェース51が受信したデータおよび入力部53から入力するデータを処理する部分である。入力部41は、たとえば、キーボードやマウス等であり、検体数および検査項目等の各種情報が入力可能である。また、入力部41は、その他に、後述する情報読取装置6が接続してある。出力部42は、たとえば、ディスプレイパネルやプリンタ等であり、分析結果を含む分析内容や警報等の各種情報が出力可能である。また、出力部54は、この他に報知装置7が接続してある。
【0114】
試薬管理部56および一般備品管理部57には、入出力インターフェース51、データ処理部52および管理データベース55が接続してあり、統括的に制御可能である。試薬管理部56および一般備品管理部57は、たとえば、マイクロコンピュータ等を採用可能である。試薬管理部56および一般備品管理部57は、ホスト装置50の各部の作動を制御するとともに、試薬管理部56は、入出力インターフェース51を介して各自動分析装置1a〜1cから受信した試薬残試薬量データや残試薬推定量データをデータ処理部52に出力している。また、一般備品管理部57は、入出力インターフェース51を介して各自動分析装置1a〜1cから受信した全累積加算の結果をデータ処理部52に出力している。また、試薬管理部56および一般備品管理部57は、データ制御部52から取得した後述する入庫情報を、入出力インターフェース51を介して各自動分析装置1a〜1cに送信している。
【0115】
データ処理部52は、全残試薬量推定部52a、全累積加算部52b、入力部53、出力部54を備え、制御部56が取得した各種データおよび入力部53から入力する各種データを処理する。全残試薬量推定部52aは、分析装置1a〜1cから入力する各残試薬量を加算して全体の全残試薬量を算出する。全累積加算部52bは、分析装置1a〜1cから入力する実績備品使用量を含む備品使用量の各累積結果を加算して全体の全累積結果(累積使用値)を算出する。入力部53は、たとえば、キーボードやマウス等であり、検体数および検査項目等の各種情報が入力可能である。検査項目は、個別に入力することも可能であるが、標準検査、精密検査のように大別して入力することも可能である。また、入力部53は、その他に、情報読取装置6が接続してある。出力部54は、たとえば、ディスプレイパネルやプリンタ等であり、分析結果を含む分析内容や警報等の各種情報が出力可能である。
【0116】
データ処理部52には管理データベース55、通信インターフェース58が接続してある。管理データベース55には、分析に必要な試薬や備品に関する情報(情報読取装置6が読み込んだ入庫情報と出庫情報)、各自動分析装置1a〜1cから入力する残試薬量データ、残試薬推定量データ、累積使用値のデータおよび注文書データなどが記憶してある。
【0117】
通信インターフェース58は、IPsec網16を介して試薬の提供元の管理装置10とデータ通信を行う部分である。この通信インターフェース58は、後述する試薬発注部56aおよび備品発注部57aで作成された発注書を、暗号化して提供元の管理装置10に送信している。
【0118】
情報読取装置(情報読取手段)6は、入力部53を介してデータ処理部52と取り外し自在に接続してある。情報読取装置6は、入庫した試薬の外装パッケージに貼付してあるバーコードラベルを読み取る、たとえばバーコードリーダであり、試薬ボトルに収容した試薬に関する情報を取得可能である。この取得した情報は、データ処理部52に出力される。データ処理部52は、入庫した試薬量などの試薬に関する情報を入庫情報(在庫情報)として管理データベース55に登録する。また、データ処理部52は、各自動分析装置1が分析を行い試薬ボトル内に試薬がなくなったと判定して、試薬ボトルの交換セットを行い、その交換セットの情報取得を行うと、データ処理部52が登録した試薬在庫量から該当する試薬ボトルを出庫したことを示す出庫情報の登録(出庫登録)を行う。
【0119】
次に、データ処理部52および試薬管理部56の各部の説明を行う。全残試薬量推定部52aは、各分析装置1a〜1cにおける試薬ごとの残試薬推定量を加算して全体の残試薬推定量を算出するものである。ここで、試薬使用量が全体の残試薬量より大きい場合には、残試薬推定量の値が正になり、試薬使用量が全体の残試薬量より小さい場合には、残試薬推定量の値が負になる。この算出した値は、試薬管理部56の試薬発注部56aによる試薬発注の要否の判定基準となる。
【0120】
試薬発注部56aは、試薬発注を実行するための試薬発注プログラムを有し、試薬発注の要否を判定するもので実施の形態1に示した試薬発注部45aと同様の機能を有するものであり、全体の残試薬推定量の値に基づいて試薬発注の要否が判定され、値が負の場合に試薬の発注が不要と判定し、残試薬推定量の値が正の場合に試薬の発注が必要と判定する。また、試薬発注部56aは、試薬の発注を要すると判定した場合に、次残量算出部40cで算出した次の分析後の残試薬推定量をもとに試薬の発注を試薬提供元に行うものである。
【0121】
備品発注部57aは、備品発注を実行するための備品発注プログラムを有し、備品発注の要否を判定するもので実施の形態1に示した備品発注部46aと同様の機能を有するものであり、備品発注部46aで求めた備品使用条件から使用限度条件を減算した推定値に基づいて備品発注の要否が判定され、値が負の場合に備品の発注が不要と判定し、推定値が正の場合に試薬の発注が必要と判定する。また、備品発注部46aは、備品の発注を要すると判定した場合に、備品発注部46aで求めた備品使用条件から使用限度条件を減算した推定値をもとに備品の発注を備品提供元に行うものである。
【0122】
次に、ホスト装置50の発注管理手続を説明する。図19は、本発明の実施の形態2にかかるホスト装置の発注管理手続を説明するフローチャートである。ホスト装置50は、図19に示すように、試薬の入庫時に情報読取装置6によって、試薬ボトルBが収納された外装パッケージのバーコードラベルを読み取り、データ処理部52に出力することによって、データ処理部52が発注した試薬の入庫情報を取得する(ステップS81)。
【0123】
各分析装置1a〜1cからは、次残量算出部40cによって算出された残試薬推定量データが送信されており、この残試薬推定量データをホスト装置50が受信すると(ステップS82)、全残試薬量推定部52aがこれらの残試薬推定量を加算する演算を行い(ステップS83)、結果をディスプレイに表示する(ステップS84)。そして、試薬発注部56aは、この演算結果をもとに試薬発注の要否を判定し、同一種類の試薬ごとに試薬発注の要否判定結果および残試薬推定量をディスプレイに表示する。したがって、オペレータは、これら試薬発注要否判定結果および残試薬推定量を確認可能である。その後、試薬発注部56aは試薬の注文書を作成してIPsec網16を介して試薬提供元の管理装置10と接続し、管理装置10へ試薬発注を行う。なお、ホスト装置50は、残試薬推定量データの他に、分析を行うことによって試薬ボトルを交換したことを示す交換セット情報、現時点のおける残試薬量データを各自動分析装置1a〜1bから取り込んでおり、これらの情報から同一種類の試薬全体の残試薬推定量を算出することも可能である。
【0124】
試薬提供元では、図17のフローチャートに示したように、ホスト装置50から受信した試薬の注文内容を管理装置10が管理するので、この注文内容に応じて、出荷の準備を行うことができ、納品期限内に迅速に試薬を出荷することが可能となる。
【0125】
また、備品の発注管理も試薬の発注と同様に、全累積加算部52bが備品使用量の各累積結果を加算して全累積結果を算出し、この全累積結果が備品発注部57aに入力すると、備品発注部57aは、この全累積結果をもとに備品発注の要否を判定し、同一種類の備品ごとに備品発注の要否判定結果および使用限度までの残使用値をディスプレイに表示する。したがって、オペレータは、これら備品発注要否判定結果および残使用値を確認可能である。
【0126】
上述した実施の形態2によれば、複数の自動分析装置が実績試薬使用量と試薬残量とを減算して残試薬推定量を算出し、この残試薬推定量データを取得したホスト装置が各残試薬推定量データを加算して装置全体の残試薬推定量を算出して、試薬発注の要否を判定するので、複数の自動分析装置に対する試薬などの発注管理、在庫管理を使用量に合わせて一括して、最適に行うことができ、発注管理や在庫管理にかかる時間をさらに削減できるとともに、オペレータの労力を低減することができる。
【0127】
また、実施の形態2では、入力する備品の備品使用量の各累積結果をホスト装置で累積加算して装置全体の備品の全累積結果を算出して、備品発注の要否を判定するので、複数の自動分析装置に対する備品の発注管理、在庫管理を備品使用値(使用量、使用時間、使用回数など)に合わせて一括して、最適に行うことができ、備品発注管理や在庫管理にかかる時間をさらに削減できるとともに、オペレータの労力を低減することができる。
【0128】
また、実施の形態2によれば、試薬ボトルに収容した試薬量をホスト装置に接続した情報読取装置で読み取るので、試薬などの入庫チェックをホスト装置で一括して最適に行うことができ、入庫チェックにかかる時間を削減できるとともに、オペレータの労力を低減することができる。
【0129】
また、実施の形態2によれば、試薬の試薬量から分析に要した試薬量を減算して現時点の残試薬量を算出する。そして、前年の同月同日の試薬使用量(実績試薬使用量)と残試薬量とを比較して、試薬補充の要否を判定する。そして、試薬の補充を要すると判定した場合にその旨をディスプレイパネルに表示するので、オペレータは試薬補充の準備ができる。
【0130】
また、実施の形態2によれば、全残試薬量推定部で算出した全体の残試薬推定量をディスプレイパネルに表示するので、この残試薬推定量を目安として試薬発注のタイミングを図ることができる。
【0131】
また、実施の形態2によれば、試薬発注の設定は、オペレータの人手を介さずにデータ処理部52によって通信網を使用した通信で試薬提供元の管理装置10とオンライン接続して発注書を送信することも、オペレータの人手を介して選択的に送信することもできるので、試薬発注において、汎用性の高い装置およびシステムを提供することができる。また、実施の形態2では、オンライン接続で通信することにより、たとえば試薬提供元とホスト装置側ユーザとの契約などの取り決めにより、試薬の提供などを試薬提供元に委ねることも可能となり、ユーザ側では在庫管理の手間を削減することが可能となる。
【0132】
また、実施の形態2によれば、各自動分析装置での過去の試薬使用量の実績から分析に要する期間の試薬使用量を推定するので、試薬の在庫を必要最低限で保管することが可能となるので、保管スペースをこれに併せて最低限のスペースに削減することができる。
【0133】
また、実施の形態2によれば、試薬の使用期限の情報をオペレータなどに報知することができるので、使用期限の短い試薬から使用することができ、試薬の有効利用が可能となる。
【0134】
また、実施の形態2によれば、試薬提供元も各自動分析装置を設置しているユーザ側の試薬の使用状況を迅速に入手することができるので、発注に対する試薬の提供を迅速に行うことができ、流通コストの削減を図ることが可能となる。
【0135】
なお、本発明では、たとえば試薬ボトルに収容した試薬量を分析に要する試薬量で除算して分析可能数を算出する一方、分析可能数から実際に分析した分析回数を減算して残分析可能数を算出する。そして、たとえば前年の同月同日の分析回数(実績分析回数)と残分析可能数とを比較して、試薬の発注の要否を判定し、試薬の発注を要すると判定した場合に試薬の発注を管理装置に送信するように構成することも可能である。この場合も、実施の形態2と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる発注管理システムの概略構成を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示す正面図である。
【図3】検体供給部および分析部の構成を示す平面図である。
【図4】検体供給部および分析部の構成を示す概念斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態1に係る検体分注ユニットの構成を模式的に示す図である。
【図6】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の構成を示すブロック図である。
【図7】管理データベースに記憶してある試薬用履歴情報の情報構成を示す図である。
【図8】管理データベースに記憶してある試薬残量情報の情報構成を示す図である。
【図9】管理データベースに記憶してある備品用履歴情報の情報構成を示す図である。
【図10】管理データベースに記憶してある一般備品使用情報の情報構成を示す図である。
【図11】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の分析開始手続を説明するフローチャートである。
【図12】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の分析再開手続を説明するフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の試薬残量算出の動作を説明するフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態1にかかる試薬管理部の試薬発注の動作を説明するフローチャートである。
【図15】本発明の実施の形態1にかかる自動分析装置の備品使用条件算出を説明するフローチャートである。
【図16】本発明の実施の形態1にかかる一般備品管理部の備品発注の動作を説明するフローチャートである。
【図17】本発明の実施の形態1にかかる管理装置の受注管理手続を説明するフローチャートである。
【図18】本発明の実施の形態2にかかる発注管理システムの概略構成を示す構成図である。
【図19】本発明の実施の形態2にかかるホスト装置の発注管理手続を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0137】
1,1a〜1c 自動分析装置
2 検体供給部
3 分析部
4 データ処理装置
5,56 制御部
6 情報読取装置
7 報知装置
8 洗剤タンク
10 管理装置
11,44,57 通信インターフェース
12,40,52 データ処理部
12a 発注受付部
13、43、55 管理データベース
15 公衆回線網
16 IPsec網
31 反応槽
313 キュベットホイール
32 第一試薬保冷庫
323 バーコードリーダ
33 第二試薬保冷庫
333 バーコードリーダ
34 検体分注ユニット
342a 圧力センサ
342e シリンジ
342c 液面センサ
342d フェリスタチューブ
342g 使用回数検出部
35 第一試薬分注ユニット
352a 圧力センサ
36 第二試薬分注ユニット
362a 圧力センサ
39a 洗浄回数検出センサ
40a 使用量推定部
40b 現残量算出部
40c 次残量算出部
40d,52b 試薬発注部
40d 備品使用推定部
40e 累積加算部
43a 試薬用履歴情報
43b 試薬残量
43c 備品用履歴情報
45 試薬管理部
45a 試薬発注部
46,57 一般備品管理部
46a,57a 備品発注部
50 ホスト装置
52a 全残試薬量推定部
52b 全累積加算部
B 試薬ボトル
C キュベット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、
過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、
次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する前記試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、
現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、
前記使用量推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、
前記試薬の残量を管理し前記次残量算出手段で算出した試薬の残量が正の値の場合に、前記試薬の発注を試薬提供元に行う試薬発注手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項2】
試薬の発注を行うホスト装置と接続し、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、
過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、
次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、
現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、
前記使用推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、
前記次残量算出手段で算出した試薬の残量を前記試薬の残量を管理する前記ホスト装置に通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項3】
入庫した試薬の使用量を読み取る情報読取手段を、
さらに備え、前記現残算出手段は前記情報読取手段が読み取った試薬の使用量を含む現時点の試薬の残量を算出することを特徴とする請求項1または2に記載の自動分析装置。
【請求項4】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、
過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、
次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、
前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、
前記備品の使用条件を管理し前記加算手段で累積加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると警報の発生を行わせるとともに前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項5】
試薬の発注を行うホスト装置と接続し、分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置において、
過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、
次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、
前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、
前記加算手段で加算した備品の使用条件を該備品の使用条件を管理する前記ホスト装置に通知する通知手段と、
を備えることを特徴とする自動分析装置。
【請求項6】
前記備品は、前記洗剤液、ランプ、フェリスタチューブおよびシリンジの少なくとも一つからなり、
前記分析履歴記憶手段は、前記洗剤液の使用量、前記ランプの使用時間、前記フェリスタチューブの使用回数および前記シリンジの使用回数の少なくとも1つを前記過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とに対応付けて記憶することを特徴とする請求項4または5のいずれか一つに記載の自動分析装置。
【請求項7】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置を、試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置から前記試薬提供元へ試薬の発注を行う発注管理システムにおいて、
前記自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する前記試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、前記使用量推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、前記試薬の残量を管理し前記次残量算出手段で算出した試薬の残量が正の値の場合に、前記試薬の発注を試薬提供元に行う試薬発注手段と、を備え、
前記管理装置は、前記自動分析装置からの前記試薬の発注を受け付ける試薬発注受付手段を、備えることを特徴とする発注管理システム。
【請求項8】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を、ホスト装置を介して試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置側から前記試薬提供元へ試薬の発注を行う発注管理システムにおいて、
各自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定手段と、現時点の試薬の残量を算出する現残量算出手段と、前記使用推定手段で推定した試薬の使用量を前記現残量算出手段で算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出手段と、前記次残量算出手段で算出した試薬の残量を前記ホスト装置に通知する通知手段と、を備え、
前記ホスト装置は、各自動分析装置が通知した前記残試薬推定量を加算して全体の残試薬推定量を算出する全試薬残量推定手段と、前記試薬の残量を管理し試薬発注の要否を判定する前記試薬発注を要すると判定した場合に、前記全体の残試薬推定量をもとに前記試薬の発注を試薬提供元に行う試薬発注手段と、
前記管理装置は、前記試薬の発注を受け付ける試薬発注受付手段を、備えることを特徴とする発注管理システム。
【請求項9】
各自動分析装置は、入庫した試薬の試薬量を読み取る情報読取手段を、
さらに備え、前記試薬残算出手段は前記情報読取手段が読み取った試薬の試薬量を含む現時点の試薬の残量を算出することを特徴とする請求項7または8に記載の発注管理システム。
【請求項10】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置を、前記分析に使用する備品の提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置から前記備品提供元へ試薬の発注を行う発注管理システムにおいて、
前記自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、 次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、前記備品の使用条件を管理し前記加算手段で累積加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると警報の発生を行わせるとともに前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注手段と、を備え、前記管理装置は、前記自動分析装置からの前記備品の発注を受け付ける備品発注受付手段を、備えることを特徴とする発注管理システム。
【請求項11】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を、ホスト装置を介して試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成し、前記自動分析装置側から前記備品提供元へ備品の発注を行う発注管理システムにおいて、
前記自動分析装置は、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶手段と、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用推定手段と、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算手段と、前記加算手段で加算した備品の使用条件を該備品の使用条件を管理する前記ホスト装置に通知する通知手段と、を備え、
前記ホスト装置は、各自動分析装置が通知した前記備品の使用条件を加算して全体の備品の使用条件を算出する全累積加算手段と、前記累積加算手段で加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると、警報を出力する警報手段と、前記備品の使用条件を管理し前記累積加算手段で加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると、前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注手段と、
前記管理装置は、前記備品の発注を受け付ける備品発注受付手段を、備えることを特徴とする発注管理システム。
【請求項12】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する自動分析装置を、試薬提供元の管理装置と接続して通信網を構成する構成ステップと、
前記自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、
前記自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する分析期間の前記履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定ステップと、
前記自動分析装置が、現時点の試薬の使用残量を算出する現残量算出ステップと、
前記自動分析装置が、前記使用量推定ステップで推定した試薬の使用量を前記現残量算出ステップで算出した現時点の前記試薬の使用量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出ステップと、
前記自動分析装置が、前記試薬の残量を管理し前記次残量算出ステップで算出した前記試薬の残量が正の値の場合に、前記試薬の発注を試薬提供元に行う備品発注ステップと、
前記管理装置が、前記自動分析装置からの試薬の発注を受け付ける受付ステップと、
を含むことを特徴とする発注管理方法。
【請求項13】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を試薬の発注を行うホスト装置に接続し、かつ前記ホスト装置と試薬提供元の管理装置との間で通信網を構成する構成ステップと、
各自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目とからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、
各自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される試薬の使用量と前記分析期間の検体数とを積算して、前記次の分析に使用する試薬の使用量を推定する使用量推定ステップと、
各自動分析装置が、現時点の試薬の使用量を算出する現残量算部分出ステップと、
各自動分析装置が、前記使用量推定ステップで推定した試薬の使用量を前記現残量算出ステップで算出した現時点の試薬の残量で減算して、前記次の分析後の試薬の残量を算出する次残量算出ステップと、
各自動分析装置が、次残量算出ステップで算出した試薬の残量を前記ホスト装置に通知する通知ステップと、
前記ホスト装置が、前記試薬の残量を管理し各自動分析装置が通知した前記試薬の残量を加算して全体の残量を算出して、前記全体の残量が正の場合には、前記薬剤の発注を行う薬剤発注ステップと、
前記管理装置が、前記ホスト装置からの試薬の発注を受け付ける発注受付ステップと、
を含むことを特徴とする発注管理方法。
【請求項14】
各自動分析装置が、入庫した試薬の試薬量を読み取る情報読取ステップを、
さらに含み、前記現残算出ステップでは前記読み取った試薬の試薬量を含む現時点の試薬の残量を算出することを特徴とする請求項12または13に記載の発注管理方法。
【請求項15】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を備品の発注を行うホスト装置に接続し、かつ前記ホスト装置と試薬提供元の管理装置との間で通信網を構成する構成ステップと、
各自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、
各自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用量推定ステップと、
各自動分析装置が、前記使用量推定手段で推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算ステップと、
各自動分析装置が、前記加算ステップで加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると、警報を出力する警報ステップと、
前記備品の使用条件を管理し前記加算手段で累積加算した前記備品の使用条件が該備品の使用限度条件を超えると警報の発生を行わせるとともに前記備品の発注を備品提供元に行う備品発注ステップと、
を含むことを特徴とする発注管理システム。
【請求項16】
分析項目をもとに試薬ボトルから分注した所定量の試薬と所定量の検体とからなる検液を測定することにより検体を分析する複数の自動分析装置を備品の発注を行うホスト装置に接続し、かつ前記ホスト装置と備品提供元の管理装置との間で通信網を構成する構成ステップと、
各自動分析装置が、過去に分析を行った分析期間と検体数と分析項目と前記分析に使用する備品の使用量、使用時間および使用回数のうちのいずれか1つの使用条件からなる履歴情報を記憶するからなる履歴情報を記憶する分析履歴記憶ステップと、
各自動分析装置が、次の分析に要する期間に相当する前記分析期間の履歴情報をもとに、該履歴情報の分析項目で特定される前記備品の使用条件を同じ備品毎に加算して、前記次の分析に使用する備品の使用条件を推定する使用条件推定ステップと、
各自動分析装置が、前記使用条件推定ステップで推定された前記備品の使用条件を含めて、前記備品の使用条件を同じ備品毎に累積加算する加算ステップと、
各自動分析装置が、前記加算ステップで加算した備品の使用条件を該備品の使用条件を管理する前記ホスト装置に通知する通知ステップと、
を含むことを特徴とする発注管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2008−180640(P2008−180640A)
【公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−15188(P2007−15188)
【出願日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】