説明

自動車用の調整可能機構

本発明は、自動車における調整可能要素、特に座席パーツを調整すべく使用される自動車用の調整可能機構に関する。調整可能機構は、軸線を有するスピンドル・ナットを含み、該スピンドル・ナットがネジ付きスピンドルと協働すると共に、その外面上に外部歯を含み、該外部歯が付加的な駆動要素と接触する。本発明に従えば、スピンドル・ナット(1)の外部歯(15)は当該スピンドル・ナット(1)の外面における複数の凹部によって形成されて、それらが放射状に内方に向かって回転させられている。それらの歯の深さはスピンドル・ナット(1)の少なくとも1つの軸線方向端部の方向に向かって減少している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに従った自動車用の調整可能機構に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の調整可能な機構は、自動車における調整可能パーツ、より詳しくはシート・パーツを調整する役割を果たし、スピンドル・ナット(その長手方向軸線周りを回転可能)であり、一方において(好ましくは固定された、即ち回転的に連結された)スピンドルと相互作用する内部歯を有し、他方において更なるギア要素、より詳しくは駆動ウォームと係合する外部歯を有する。よってこのスピンドルの外部歯はその外面(周囲面)を超えて延出している。
【0003】
好適な用途に従えば、このギア装備は一方のシート部を他方のシート・パーツに対して移動させる役割を果たすことができ、例えば、シート長手方向に調整可能である自動車シートが固定されたレール長手方向ガイドの第1レールを、対応する自動車のフロア・アセンブリ上に固定される該レール長手方向ガイドの第2レールに対して移動させる役割を果たすことができる。
【0004】
それによって固定スピンドルは、相互に変位可能である車両パーツの内の一方に対して固定され、更なるギア要素と一緒のスピンドル・ナットと関連された駆動装置(例えば、駆動モータ)は他方の車両パーツ上に取り付けられる。もし、この種の配列で、スピンドル・ナットが駆動装置を介して駆動可能である駆動ウォームによって回転させられれば、それは固定スピンドルに沿って長手方向に移動させられて、それら2つの車両パーツの所望の相対運動に至る。
【0005】
この種の調整可能機構は、シート・パーツの位置とドア側部上のアームレストやセンターコンソール等々の他の車両パーツとを調整できるように為すと共に、それらを様々な車両占有者の要件に適合させるために、自動車において益々必要とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に、本発明の目的は、冒頭で述べたタイプの調整可能機構を提供することであり、小型構造で、最軽量の可能性ある材料を用いながらも良好な安定性をも有する調整可能機構を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
これは、本発明に従って、調整可能機構に請求項1の特徴を具備させることで達成される。
【0008】
これに従えば、スピンドル・ナットの外部歯は(スピンドル・ナットの軸線に対して)径方向内方に向かう該スピンドル・ナットの外面における複数の凹部によって形成され、その歯深さは該スピンドル・ナットの少なくとも一方の軸線端部に向かって減少し、より詳しくは且つ有益にはテーパー状となってゼロとなる。
【0009】
スピンドル・ナットにおける増大された安定性はここで達成される。これは特に重要であり、その理由は、衝突状況において、相当な力が自動車の調整可能機構に対して生じ得るが、より詳しくはこの調整可能機構をシート・パーツを調整するために使用する際に生じ得るが、これらはスピンドル・ナットの関連されたスピンドル上での摺動に至ってはならないからである。特に、衝突状況において破損の増大された危険性に至る、外部歯によって生ずる刻み目張力効果は防止される。よって、スピンドル・ナットの歯の中央領域から一方の軸線端部に向かう軸線方向における歯深さに関する連続的な減少は有益である。しかしながら基本的には、その軸線端部に向かう歯深さに関する任意の突然の変化が可能である。
【0010】
双方の場合、スピンドル・ナットの外部歯が該スピンドル・ナットの外面の軸線延長部の一部のみにわたる軸線方向に延在することによって、スピンドル・ナットは外部歯が設けられていない少なくとも1つのリング形状(より詳しくは円筒状で規定された径の)末端区分を軸線方向における外部歯の他方側に有することが好ましい。この場合、スピンドル・ナットの外部歯は少なくとも一方の軸線末端区分において変化し、その軸線端部に向かって歯深さはスピンドル・ナットの区分内に向かって減少して、そこでは外部歯が全くなく、よって歯領域無しである。この末端区分は非常に薄く形成されて、スピンドル・ナットの外面に沿って円形リング形状となって延在するラインを略形成する(軸線方向において最小延長部を伴う)。
【0011】
もしスピンドル・ナットが外部歯を有しない1つのみの軸線末端区分を有すれば、これは好ましくは最高の機械的歪みが典型的な衝突状況で予想される外部歯の端部によって(軸線方向において)隣接されている。
【0012】
本発明に従った解決策は、スピンドル・ナットが軸線末端区分の各々(外部歯の両側)で歯無しで形成され、そこに規定された径を伴う円筒状面を形成している具体的な実施例において変更されている。スピンドル・ナットのこれら2つの末端区分の間に、歯無し末端区分の径に対して径方向内方に向かう複数の凹部で形成されている外部歯が延在している。
【0013】
径方向から見た場合、好ましくは外部歯はスピンドル・ナットの少なくとも一方の歯無し末端区分を超えて突出していない。言い換えれば、スピンドル・ナットの長手方向軸線(中心或は回転軸線)から外部歯の最大径方向距離は、該スピンドル・ナットの少なくとも1つの歯無し末端区分の半径より小さいか或はせいぜい同等である。
【0014】
他のギア要素との相互作用の際に支持径を増大すべく、スピンドル・ナットの外部歯はウォーム歯車の歯のようにより好ましくは形成され、よって略球状歯として形成される。しかしながら歯経路における円筒状部は、スピンドル・ナットの軸線方向から見た場合、歯の中央領域において螺旋輪郭で設計されて、スピンドル・ナットに対する軸線方向において他のギア要素(より詳しくはウォームの形態)の公差位置を広げて、騒音問題を削減している。
【0015】
よって、スピンドル・ナットの外部歯はその軸線エッジでより詳しくは球形状である。それはスピンドル・ナットの円筒状部から歯無し軸線方向末端区分まで連続的に変化している。外部歯の円筒状部から関連歯無し軸線方向末端区分までのこの連続的な変化は、径方向における歯高さに関して一定の(連続的な)低減を介して達成されている。
【0016】
先に記載された対策は、スピンドル・ナットの所定の最良の可能性ある小型設計によって、特別な安定性を保証して、スピンドル・ナットが、例えば、PA(ポリアロマー)、POM(ポリオキシメチレン)、或は、PEEK(ポリエーテル・エーテル・ケトン)等のプラスチックから(射出成形によって)形成させることを可能としている。
【0017】
スピンドル・ナットの(内部ネジの形態の)内部歯の支持能力を増大するために、これは外部歯よりも大きな長さにわたって軸線方向に延在する。それによってこの内部歯は、好ましくは、スピンドル・ナットの2つの末端区分(それら外側周囲は歯無しである)に向かって延在する。
【0018】
それによって、スピンドル・ナットの(内部ネジの形態の)内部歯の支持能力は増大されて、その内部歯の歯要素の歯厚みが内部歯のギャップ幅より大きく、即ち、好ましくは2倍大きいか或は2倍以上大きい。よって用語「歯」はここでは一般的な意味を有するものであって、スピンドル・ナットの用語「内部歯」は、特に、スピンドル・ナットがスピンドルと相互作用する仲介を為す内部ネジを包含するものである。
【0019】
スピンドル・ナット及び更なるギア要素、より詳しくは、外部歯と相互作用するウォームの形態のギア要素とは、押し込み嵌合連結を介して一体的に嵌合する複数のプレートから、即ち、対向するハウジング・パーツ、より詳しくはプレートの形態のハウジング・パーツから成る2対から構成されているギアボックス・ハウジング内に好ましくは取り付けられている。好適な変形に従えば、U形状断面の2つのハウジング・パーツが設けられて、その(各々がU断面ハウジング・パーツのアームによって形成された)2つの末端側部が付加的なハウジング要素、より詳しくは、スピンドル・ナットの2つの軸線方向端部を支持すべく機能する支持プレートの形態の付加的なハウジング要素と嵌合させられている。これには、この目的のために、各軸線端部に支持カラーが設けられている。代替的には、スピンドル・ナットの2つの末端区分はスピンドル・ナットをギアボックス・ハウジング内に取り付けるべく直接的な機能をも為す。最後の場合、ギアボックス・ハウジングの付加的な支持プレートは省略可能であり、2つのU形状ハウジング・プレートはスピンドル・ナットを支持するために直接的に使用され得る。
【0020】
調整可能機構の軽量構造のため、ギアボックス・ハウジングはプラスチックからも形成されることによって、支持プレートに対して使用されるプラスチックは、スピンドル・ナットの支持カラーに対して使用されたプラスチックと符合される摩擦組み合わせを最適化している。更には、熱消散プラスチック或は金属材料が末端支持点(支持プレート)用或は全体としてのハウジング用に好ましくは使用される。
【0021】
本発明の好適実施例に従えば、スピンドル・ナット用の支持プレートに設けられた支持開口各々は、支持面区画を拡張するために、関連支持プレートから突出するエッジを有する。これは、安定性のため、ギアボックス・ハウジングの2つのU形状ハウジング半部によってフランジ状となっている。
【0022】
更なる好適実施例において、ギアボックス・ハウジングは、少なくとも1つの側方境界壁に、スピンドル・ナット、或は、その外部歯と相互作用する他のギア要素が径方向で係合する凹部を有する。この凹部は、一方で、対応する境界壁における(窓形状)開口或は単なる刻み目であり得る。それによってスピンドル・ナットには、好ましくは、対向する境界壁における2つの凹部が割り当てられる一方で、他のギア要素にはスピンドル・ナットと反対側における1つの凹部が割り当てられている。
【0023】
重要なことは、これら凹部が関連ギア要素(スピンドル・ナット或はウォーム)に対して径方向に配列され、該関連ギア要素(スピンドル・ナット或はウォーム)の回転軸線から径方向に離間されていることである。よって、それらはそれらの中にギア要素が軸線方向に係合する支持開口ではなく、それらの中に取り付けられること無しにそれらの歯付き領域によって径方向に突出している凹部である。調整可能機構に対して必要とされる構造的空間はここで更に最小化されている。関連境界壁における開口としての凹部の設計によって、共鳴を回避することで動作中に展開される騒音を、更に一層、低減することが可能である。
【0024】
柔軟輪郭がハウジング・プレート上に更に取り付けられ、多数成分射出成形プロセスを用いた場合、ハウジング・プレート自体とは異なるプラスチックから形成され得て、ギアボックス・ハウジングと関連された車両パーツとの間の音響学的結合解除を提供する。
【0025】
ギアボックス・ハウジングに対するスピンドル・ナットの支持に関する適切な摺動組み合わせによって、スピンドル・ナットを支持するランアップ・ディスクを完全に省略できる。もし必要であれば、鋼ディスクが良好な熱消散及び低摩擦値によって特徴付けられるランアップ・ディスクとして好ましくは使用される。
【0026】
更には、スピンドル・ナットの支持カラーに対する安定化の理由のため、或は、スピンドル・ナットの軸線末端区分に軸線方向で隣接する各支持カラーに対する安定化の理由のため、ディスク或は強化リングを設けることができ、それが好ましくは金属、より詳しくは鋼で形成されている。この目的のため、ディスク或は強化リングは、例えば、外部歯が設けられているスピンドル・ナットの外面の径と合致し得る最大の可能性ある径を有する。次いでこの要素は、同時に、ランアップ・ディスクとして機能でき、よって騒音低減の目標を伴う。
【0027】
更には、切断リングがスピンドル・ナットを介して係合するネジ付きスピンドルのスピンドル歯上に形成され得る。
【0028】
本発明の好適な更なる発展例に従えば、複数のハウジング・パーツは相互に連結され、より詳しくはそれらの押し込み連結部の領域内で(付加的には)溶接、より詳しくは超音波或はレーザ溶接を介して相互に連結される。外側U形状ハウジング・プレートの材料は、ここでは、溶接に対して使用されるレーザビームに対して好ましくは透明であり、ギアボックス・ハウジングの内側支持プレートの材料はレーザビームに関して(例えば、カーボンブラックを添加することによって)非透明であって、外側U形状ハウジング・プレートとの連結は内側支持プレートを部分的に溶融することによって作製され得る。
【0029】
ギアボックス・ハウジングはU形状断面のホルダ内に好ましくは配置され、そのホルダの側方アームから、例えばシート・レール等の関連された車両パーツに当該ホルダを固定すべく機能する固定フランジを突出させている。ホルダの側方アームはスピンドル・ナットと相互作用するネジ付きスピンドルに対する貫通開口を有し、その保持角度は好ましくは曲げ弾性的に形成されて、衝突の際、側方アームの結着部で丸く曲げることによって平行四辺形状に変形して、貫通開口がスピンドル歯と係合するように移動してそれと引っ掛かる。先に述べた強化リング(1mm未満の厚み)も、衝突の際、好ましくはプラスチック製であるハウジングが破壊された場合、スピンドルが貫通開口を通じて摺動することを防止する補助を為し、強化リングはホルダの側方アームの貫通開口によって衝突力を介して加圧されて、それを閉じる。
【0030】
プラスチックから構成されるスピンドル・ナットと該スピンドル・ナットに対する支持プレートを含むプラスチック製ギアボックス・ハウジングを具備する、本発明に従った調整可能機構を製造する方法は、請求項38に従って特徴付けられ、スピンドル・ナット及び少なくとも支持プレートが1つの同じツール内での射出成形で形成され(多段階射出成形プロセス)、即ち好ましくは、1つずつ2つの連続する射出プロセスで形成される。スピンドル・ナットは、ここでは、射出成形プロセスの最後にギアボックス・ハウジングの支持プレートの関連された支持点内に既に取り付けられている。スピンドル・ナットを後の段階で支持点(より詳しくは支持開口)内に導入する必要はない。
【0031】
本発明に従った方法の変形例に従えば、他のギア要素(よって特にウォーム)はツール内に配置され、次いでギアボックス・ハウジングの2つのU形状ハウジング半部も同じ射出成形ツール内で形成される。代替的には、スピンドル・ナット及びギアボックス・ハウジングが1つの射出成形ツール内で形成された後、ウォームはしかしながら引き続いて該ハウジング内に留めることができる。
【0032】
1つの射出成形ツール内のハウジング・プレートの全ての共通射出成形によって、それらハウジング・プレートは製造中に既に相互に連結されて、それらハウジング・プレートの引き続く一体的な嵌合が必要とされない。
【0033】
しかしながら代替として、個々別々のハウジング・プレートを個別に形成してから一体的に嵌合し得る。次いで押し込み嵌合連結部が、丸く形成するか、付着するか、或は、レーザ溶接、超音波溶接若しくは熱かしめ等の熱的プロセスによって、相互に対して固定される。
【0034】
もしギアボックス・ハウジングのハウジング・プレートがレーザ溶接を介して相互に連結されれば、より詳しくは、押し込み嵌合連結部の領域において相互に連結されれば、ギアボックス・ハウジングの内側ハウジング・プレート(支持プレート)とスピンドル・ナットとの間の軸線方向支持遊びが溶接プロセス前或はその最中に回避される(強制的に消される)。このため、規定された軸線方向に作用する力は内側ハウジング・プレート(支持プレート)に付与され、外側U形状ハウジング・プレートとの押し込み嵌合連結を形成すべく機能する内側ハウジング・プレート(支持プレート)のそれら区画はレーザを介して溶融されることによって、力経路測定が内側支持プレートがスピンドル・ナットの対応する末端区分を支持することを示すときに溶接プロセスは完了する。
【0035】
この種の軸線方向遊び補償を可能とするために、押し込み嵌合連結部が内側支持プレート及び外側U形状ハウジング・プレートの間の軸線方向遊びを伴って設計される。支持プレートのレーザ溶接中、溶融塊がその遊び状態ギャップを満たして他のU形状外側ハウジング・プレートの表面と結着するように形成される。
【0036】
本発明の更なる局面は自動車用のギアボックス・ハウジング内に取り付けられる調整可能機構を据え付ける方法に関し、ギアボックス・ハウジングの少なくとも1つのハウジング・パーツは更なるハウジング・アセンブリと係合させられ、そのハウジング・パーツは該ハウジング・パーツと更なるハウジング・アセンブリとの間の係合区画内で材料を熔解することで更なるハウジング・アセンブリに固定される。材料を溶融してから係合区画を冷却する役割を果たす係合区画の加熱の最後に、対応するハウジング・パーツが溶接された連結の1つのタイプを介して関連された更なるハウジング・アセンブリと連結される。それ故にギアボックス・ハウジングのそれら要素は、好ましくは、プラスチックから構成される。
【0037】
このプロセスは以下のように設計されている。即ち、既に存在する製造及び組み立て遊びを考慮して、最善の可能性ある規定の連結がハウジング・プレートと関連された更なるハウジング・アセンブリとの間に達成される一方で、ギアボックス・ハウジングにおける調整可能機構と該調整可能機構の支持点とに存する遊びは低減される。
【0038】
このため、請求項45に従って提案されることは、ハウジング・パーツ及びハウジング・アセンブリは係合区画内の材料の融解中に相互に対して弾性的に張力付与される。これは外的プレストレスの作用を介しての溶接プロセスと対応する。
【0039】
プレストレスの作用を通じて(外部からの付与)、配置移動が溶融中に行われ得ることによって、ハウジング・パーツと関連された更なるアセンブリがプレストレス力の作用下で相互に対して(プレストレス方向において)移動して、調整可能機構及び/或はギアボックス・ハウジング内に存在し得る任意の遊びが出来る限り大きく補償されて、ハウジング・パーツが最終的に関連された更なるハウジング・アセンブリを支持する。
【0040】
このため、張力装置は少なくとも1つのハウジング・パーツ及び/或は更なるハウジング・アセンブリと係合して、それらのハウジング・パーツ及び更なるハウジング・アセンブリを相互に対して張力付与する。(ハウジング・プレートは規定されたプレストレス力で関連された張力装置によってバイアスされ且つ更なるハウジング・アセンブリが例えば空間的に固定されているので、更なるハウジング・アセンブリは非直接的にプレストレスが付与される。)
【0041】
張力を出来る限り一定に保持するために、ハウジング・パーツ及び更なるハウジング・アセンブリの相対的移動を考慮して、張力装置は、弾性要素の仲介、より詳しくは圧縮バネの形態の弾性要素の仲介を伴ってハウジングの関連された要素に好ましくは作用する。
【0042】
係合区画を形成するために、少なくとも1つのハウジング・パーツ及び更なるハウジング・アセンブリは据え付け軸線に沿って好ましくは相互に係合させられ、即ち好ましくは一体的に嵌合させられてその係合区画が押し込み嵌合区画によって形成されるように為す。
【0043】
少なくとも1つのハウジング・パーツ及び更なるハウジング・アセンブリに張力付与することは据え付け軸線に沿って一方側で行われるか、或は、据え付け軸線を横切る力成分でも他方側で、より詳しくは全体として据え付け軸線と直交する力成分でも他方側で行われる。
【0044】
本発明の一実施例に従えば、第2ハウジング・パーツは更なるハウジング・アセンブリとしての役割を果たし得ることによって、2つのハウジング・パーツが係合区画を溶融することを介して直接的に相互に固定される。
【0045】
本発明の別の実施例に従えば、更なるハウジング・アセンブリは第1及び第2のハウジング・パーツの間に嵌合されることによって、それら2つのハウジング・パーツがハウジング・アセンブリの各末端側部と係合して、関連ハウジング・パーツのハウジング・アセンブリの関連された末端側部との係合区画内においてハウジング・パーツ及び/或はハウジング・アセンブリの材料を溶融することで関連された末端側部に固定させる。本発明のこの実施例によって、張力は2つのハウジング・パーツを相互に対して支えることによって好ましくは付与されることによって、ハウジング・パーツの内の少なくとも一方が更なるハウジング・アセンブリに対して同時に張力付与される。
【0046】
この特定の実施例によっても、少なくとも1つのハウジング・パーツの関連された他のハウジング・アセンブリに対する張力付与は、据え付け軸線の方向に、その据え付け軸線と直交する成分を有する方向に沿って、或は、その据え付け軸線と全体として直交するように配向された方向に沿って行われ得る。
【0047】
更なるハウジング・アセンブリは、次いで、相互に対向する2つのハウジング要素によって、即ち、先に述べた2つのハウジング・パーツが相互に対向している方向と直交する2つのハウジング要素によって形成され得る。
【0048】
好ましくはプラスチック製であるハウジング・パーツ及びハウジング要素として特に適合するものはハウジング・プレートである。
【0049】
少なくとも1つのハウジング・パーツの関連されたハウジング・アセンブリとの係合区画における材料を溶融すべく、レーザを用いてレーザ溶接プロセスをもたらすことが可能である。
【0050】
溶融されることがないが溶接プロセス中にレーザビームに露出されるハウジングの区画は、レーザビームを通過させる材料から好ましくは構成されるが、溶融されることになる区画はレーザビームを吸収する材料から構成される。
【0051】
溶融或は溶接プロセスは少なくとも1つの事前決定可能な規準に依存して制御されて、連結はハウジング・パーツと更なるハウジング・アセンブリとの間に特定の所望特性を伴って信頼性をもって獲得される。
【0052】
このため、溶融及び溶接プロセスの持続時間は少なくとも1つのハウジング・パーツの配置移動に依存して、即ち、例えば、その配置移動の速度及び/或は力学に依存して制御されることが可能であって、配置移動の速度に関する規定された変化、或は、少なくとも1つのハウジング・パーツの更なるアセンブリに対する張力付与中の反力に関する規定された変化は規準として使用されて、溶融或は溶接プロセスは所望結果が達成されるために終了され得るように為す。よって例えば、配置移動の速度における鋭い降下、或は、少なくとも1つのハウジング・パーツの更なるハウジング・アセンブリに対する張力付与中の反力における鋭い上昇は、その所望配置移動が少なくとも1つのハウジング・パーツの関連されたハウジング・アセンブリに対する遊び無しの規定された接触に至り得ると云う事実を明らかに示す。
【0053】
他方、溶融プロセスの持続時間も配置移動の程度に依存して制御され得て、溶融プロセスは、少なくとも1つのハウジング・パーツの更なるハウジング・アセンブリに対する配置移動中、特定の事前決定可能な経路がカバーされた際に終了される。この変形は特に有益であり、即ち、もし、少なくとも1つのハウジング・パーツの関連された更なるハウジング・アセンブリとの係合区画が押し込み嵌合区画を通じて形成されて、その押し込み嵌合区画内で連結されることになる2つの押し込み区分の内の1つが特大サイズを有して、特大サイズの押し込み区分の溶融後、ハウジング・パーツの関連された更なるハウジング・アセンブリに対する配置移動がある程度だけ、即ち特定の最小経路だけ実行された時に、少なくとも1つのハウジング・パーツと関連された更なるハウジング・アセンブリが規定された遊び無しで相互に支持されるように為されれば、特に有益である。
【0054】
他方、溶融及び溶接プロセスの持続時間も実験的な値に基づく始動から固定され得る。
【0055】
材料の溶融によって形成された溶融塊が流入され得る、少なくとも1つのハウジング・パーツの更なるハウジング・アセンブリとの係合区画(押し込み区画)に隙間が好ましくは設けられ得る。
【0056】
更には、少なくとも1つのハウジング・パーツと更なるハウジング・アセンブリとの間の連結の品質を検査、より詳しくはこれら2つのハウジング構成要素が相互に対して規定されたように横たわっているかの疑問に関する検査が、溶融プロセス中に少なくとも1つのハウジング・パーツの関連された更なるハウジング・アセンブリに対する移動の程度から同様に可能である。もし、押し込み区画として形成されたハウジング・パーツの関連されたハウジング・アセンブリとの係合区画が的確な特大サイズで意識的に形成されれば、配置移動はその選択された特大サイズと少なくとも対応する程度に到達するはずであって、それらハウジング構成要素間の的確な接触支持が達成される。これを保証するために、提案され得ることは、溶融に対して使用されるレーザのパワーは的確な配置移動の達成が確約されるように制御されることである。
【0057】
以下、本発明の更なる特徴及び長所等は図面に図示された実施例の以下の記載から明らかとなるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0058】
図1a乃至図1cと図2とに図示された自動車用の調整可能機構、より詳しくは、長手方向ガイド・レールによって自動車シートのシート長手方向位置を調整するための調整可能機構は、固定された(回転的に連結された)ネジ付きスピンドル100と、その上に回転可能に取り付けられたスピンドル・ナット1と、該スピンドル・ナットを駆動する駆動ウォーム2とを備える。スピンドル・ナット1及び駆動ウォーム2はギアボックス・ハウジング3,4内に取り付けられている。
【0059】
このギア装備を、相互に係合すると共に相互に変位可能である2つのガイド・レールを備えるシート長手方向調整器に用いるため、固定されたネジ付きスピンドル100はそれら2つのガイド・レールの内の一方に固定され、ギアボックス3,4はスピンドル・ナット1及びウォーム2と一緒に他方のガイド・レール上にホルダ5を介して取り付けられると共にこのガイド・レールと連結される。駆動ウォーム2には駆動部(図面中には不図示)、例えば駆動モータの形態での駆動部が割り当てられ、該駆動モータは起動中に駆動ウォーム2の回転運動をトリガーし、次いで該駆動ウォームが、ウォーム歯25と係合するスピンドル・ナット1にその外部歯15を介して回転運動をもたらす。スピンドル・ナット1の回転的に連結されたネジ付きスピンドル100との相互作用の結果、スピンドル・ナット1及びネジ付きスピンドル100の長手方向軸線Lに沿って該スピンドル・ナット1に対してのネジ付きスピンドル100の変位が存在する。次いでこれはその長手方向Lに沿って2つのガイド・レールに相対運動をもたらすが、その理由としては、一方のガイド・レールがネジ付きスピンドル100に割り当てられ且つ他方のガイド・レールがスピンドル・ナット1に割り当てられ、それらスピンドル・ナット1及びネジ付きスピンドル100の長手方向軸線Lが相互に対して変位可能であるそれらガイド・レールの調整方向と対応しているからである。
【0060】
この種の調整可能機構は自動シート用として知られている。図1a乃至図1cと図2とに図示された調整可能機構の特別な特徴は以下に説明されて、この調整可能機構は特別に小型で軽量であると同時に安定構造となる。
【0061】
スピンドル・ナット1は円筒状輪郭(円筒スリーブとして形成された外面10を伴う)を有し、それに外部歯15が加工されているが、その2つの軸線末端区分11,12の各々には歯無し区画となっている。スピンドル・ナット1の外部歯15は、該スピンドル・ナット1の歯無し軸線末端区分11,12と比較して、半径方向r(スピンドル・ナット1の長手方向或は回転軸線方向Lと直交)の内側に向かっていることで特徴付けられる。これが意味することは、半径方向rにおけるスピンドル・ナット1の延長が外部歯15の領域内であることであり、その外部歯は歯無し末端区分11,12よりも小さいか或は該各区分においてともかくも歯無し末端区分11,12と少なくとも同じ大きさであり、該末端区分の各々は軸線方向aにおいて外部歯15を支持している。代替的には、スピンドル・ナット1は1つのみの外部歯無しの末端区分を有するように為すことも可能である。
【0062】
よって、スピンドル・ナット1の少なくとも1つの歯無し末端区分11,12は該スピンドル・ナット1の軸線方向aにおいて薄いので、スピンドル・ナット1の外周囲周りのラインを実質的に形成し、スピンドル・ナット1の外部歯15は該スピンドル・ナットの最も外側のエッジまで実際上は伸びていて、そのエッジに直に隣接する歯付き区画無しの軸線末端区分11或は12において変化するのみである。
【0063】
スピンドル・ナット1の外部歯15の駆動シャフト20上に取り付けられた駆動ウォーム2のウォーム歯25との相互作用中において、支持径及び断面を拡張するために、スピンドル・ナット1の外部歯15は、該外部歯15が実質的に球様であることを意味するウォーム歯車歯(球様歯)状に形成されている。しかしながら軸線方向aにおける外部歯15の中央領域16は、歯輪郭(例えば、螺旋歯状)を有する歯経路内において円筒部状に設計されていることで、駆動ウォーム2のスピンドル・ナット1に対する軸線方向における公差位置を広げ、それによって騒音の問題を回避している。外部歯15の中間区画16の両側で、スピンドル・ナット1の歯領域は、当該外部歯15の軸線方向エッジ領域17,18における歯深さ(歯高さ)に関して一定した径方向の低減を介してスピンドル・ナット1の歯無し末端区分11,12に向かって連続的に変化している。
【0064】
スピンドル・ナット1の略線形歯無し末端区分11,12の場合、歯無し末端区分11,12への移行と対応する歯深さ或は歯高さに関するゼロへの低減は、スピンドル・ナット1の関連軸線方向末端で直に生ずることを意味する。最大限の安定性のため、スピンドル・ナットの少なくとも一方の軸線方向末端での歯深さはゼロへ向かって移動して(値ゼロを帯びる)、外部歯無しの末端区分11或は12はそこに形成される(たとえ軸線方向においてより薄くとも)ことが有益である。
【0065】
末端区分11,12を超えて径方向rに突出していない内側に向かって形成された外部歯15を伴って記載されたスピンドル・ナット1の外面10の設計全体は、特別軽量な材料としてのプラスチックで結果として作製され得るスピンドル・ナット1の安定性を増大する点で相当に補助している。
【0066】
特別な特徴は、ネジ山として設計されたスピンドル・ナット1の内部歯19が該ネジ山が外部歯15よりも長い長さにわたって軸線方向aに延在して、そのネジ山の支持能力を増大すると云う事実にある。その内部歯19(内部ネジ山の形態)はスピンドル・ナット1の全軸線長にわたって延在し、よって外側における歯無しの末端区分11,12に沿って延在する(適用可能であれば、狭義で、スピンドル・ナットの1つの構成部を形成していない関連支持カラー13,14に沿っても延在する)。更には、スピンドル・ナット1の内部歯19(内部歯の形態)の歯要素(ネジ付き要素)は厚みd(軸線方向aでの延長)を有し、それはギャップ幅eよりも大きく、そしてより詳しくは少なくとも2倍大、例えば、70:30の比に対応する。結果として、ネジ付きスピンドル100の外側ネジ109の歯要素(ネジ付き要素)はスピンドル・ナット1の内部歯19(内側ネジ)のものよりも相当に薄い。ネジ付きスピンドル100の歯要素(ネジ付き要素)の厚みは、スピンドル・ナット1の内部歯19のギャップ幅eと略対応する。
【0067】
スピンドル・ナット1及び関連の駆動ウォーム2はギアボックス・ハウジング3,4内に取り付けられ、該ギアボックスはプラスチック製であると共に、2つの支持プレート31,32を伴う支持構成部3と略U形状断面の2つのハウジング・プレート41,42を有する外側ハウジング構成要素4とから構成されている。
【0068】
2つの支持プレート31,32はプラスチック製であり、それらがスピンドル・ナット1の関連された支持カラー13,14に対する支持点としての支持開口33,34をそれぞれ有し、それらカラーの各々はスピンドル・ナット1の各側から軸線方向に遠ざかるように突出している。2つの支持区分33,34は支持開口によって形成され、支持プレート31,32の厚みと比較して軸線方向aに拡張された延長部を有して、関連の支持開口33,34周りと係合する対応する壁区分33a,34aは関連の支持プレート31,32と直交する軸線方向aから遠ざかるように且つ該軸線方向aに突出している。(スピンドル・ナットの軸線方向隙間は支持プレート31,32を軸線方向にスライドさせることで最少化させることができる。)支持プレート31,32に対するプラスチック、より詳しくはそれらの支持点33,34は、同じようにプラスチックから成るスピンドル・ナット1の関連の支持カラー13,14との相互作用中に最適な摩擦対が獲得されるように選択される。しかしながら関連された駆動ウォームは、好ましくは、金属から成る。
【0069】
強化リング、より詳しくは、好ましくは金属(鋼)から成るディスクの形態の強化リングは関連の支持カラー13,14上に取り付け可能であり、スピンドル・ナットを、より詳しくは歯無し末端区分11,12の非常に薄い軸線方向設計で安定化する役割を果たす。この種のリングの径は出来る限り大きく選択され、より詳しくは、それが軸線方向の末端区分11,12の径と合致するように選択される。この関連のリングは、スピンドル・ナット1の関連された軸線方向末端区分11,12と関連された支持プレート31,32との間における関連の支持カラー13,14上に見られるように軸線方向aにおいて配置されて、関連の支持プレート31,32はスピンドル・ナット1の関連された軸線末端区分11,12上の関連のリングを通じて支持され得る。
【0070】
更には、支持プレート3或はギアボックス・ハウジング3,4を製造するために使用されるプラスチックは熱伝導性であり得て、調整可能機構の動作中に支持点33,34で生ずる熱が消散され得るように為す。
【0071】
同じようにプラスチック製のギアボックス・ハウジング3,4の2つの外側ハウジング・プレート41,42は、各々、ベース面410,420とそれから突出している側方アーム411,412及び421,422とを具備するU形状断面を伴うように形成されている。それらは、末端側部で、それらのアーム411,412及び421,422内に、押し込み連結を作り出すべく、支持プレート31,32の末端側部35上に押し込み(スライド)可能である凹部45を有する。加えて、組み立て状態でのU形状ハウジング・プレート41,42は湾曲凹部43,44で支持プレート3,4の支持区分33,34周りと係合して、それらの据え付けを補助する。
【0072】
図1b及び図1cから明らかなように、支持プレート31,32は、ギアボックス・ハウジング3,4の組み立て状態において、U形状ハウジング・プレート41,42によって多かれ少なかれ完全に取り囲まれている。駆動ウォーム2を支持すべく、ハウジング・プレート41,42は対応する支持開口46を有する。
【0073】
図面を参照して記載された実施例の変更例において、スピンドル・ナット1はギアボックス・ハウジング内の末端区分11,12によって直に取り付けられることも可能であり、即ち、U形状外側ハウジング・プレート41,42の円弧状凹部43,44内に直に取り付けられることも可能である。内側支持プレート31,32はそのときは省略可能である。
【0074】
更には、2つのハウジング・プレート41,42の各々は、そのベース・プレート410及び420において、窓様開口48の形態の開口を有し、そこにスピンドル・ナット1がその外部歯15によって径方向に突出している。2つの対向する窓様開口48はスピンドル・ナット1の長手方向軸線L(回転軸線)と平行するように延在すると共に、該スピンドル・ナットから径方向rに離間されている。よってそれはスピンドル・ナット1に対する支持開口33,34と略直交するように整列されている。
【0075】
対応するように、アーム411,412及び421,422の間における組み立て状態の2つのU形状ハウジング・プレート41,42は更なる窓様開口46を形成し、それらは駆動ウォーム2の回転(駆動シャフト20)の軸線と平行するように延在すると共に、スピンドル・ナットから径方向に離間されている。これは、スピンドル・ナット1から遠隔側における窓様開口49内に、駆動ウォーム2のそのウォーム歯25による径方向係合を可能としている。
【0076】
これら窓様開口48,49は調整可能機構の小型構造を更に改善する。それで、スピンドル・ナット1及び駆動ウォーム2のための空間はギアボックス・ハウジング3,4内部には全体的に設けられる必要性がないが、ギア要素1,2はギアボックス・ハウジングの側方境界壁(ハウジング・プレート41,42)内に部分的に突入できる。同時にこれは、共鳴の結果として、ギアボックス・ハウジング内部の騒音の展開を防止する。
【0077】
例えば、射出成形結合解除要素の形態の柔軟要素は2つの外側プレート41,42と、適用可能である場合には支持プレート31,32とに設けられ得て、ギアボックス・ハウジング3,4が搭載される共に固定されている車両パーツ(例えば、ガイド・レールの形態のシート・パーツ)からの音響学的結合解除をもたらす。これら柔軟要素(結合解除要素)は、ハウジング・パーツを製造する多数成分射出成形プロセスを用いる際、ハウジング・パーツ自体よりも様々なプラスチックから形成され得る。代替的には対応する柔軟要素は、ギアボックス・ハウジング3,4に別個の構成要素パーツとしても取り付けられ得る。
【0078】
自動車シート用のガイド・レールの形態である自動車パーツにギアボックス・ハウジング3,4を固定すべく、ベース50と、ネジ付きスピンドル100に対する貫通開口53,54を各々が有する2つの側方アーム51,52と、を具備する略U形状断面の金属製ホルダ5が、図2に従って使用されている。そのホルダの2つのアーム51,52から該ホルダ間にハウジング3,4が収容されているので、支持プレート33,34は(U形状ハウジング・プレート41,42のアーム411,412;421,422の介在を伴った)各アームと対向し、そのアームがホルダ5を自動車シートのガイド・レール上に固定させることが出来る固定開口57及び58の形態の固定点を有する固定フランジ55,56を突出させている。
【0079】
調整可能機構1,2と関連されたギアボックス・ハウジング3,4との安定構成の結果として、それと共に、調整可能機構1,2及びギアボックス・ハウジング3,4のU形状ホルダ5によっての安定保持の結果として、外力に対する全体構成の特別高い抵抗性、より詳しくは衝突状況の場合に対する全体構成の特別高い抵抗性は、調整可能機構1,2及びギアボックス・ハウジング3,4の軽量及び小型の構造設計にもかかわらず、達成される。衝突状況、より詳しくは対応する車両の前方或は後方の衝突において、保証されなければならないことは、スピンドル・ナット1がネジ付きスピンドル100の長手方向に沿ってスライドしないことであり、これは関連された車両シートの占有者への損傷の増大された危険性を伴って該車両シートの対応する加速をもたらすことになる。このため、スピンドル・ナット1は支持プレート31,32とU形状ホルダ5のアーム51,52との間に安定保持され、衝突状況において、軸線方向aに信頼性をもって支持されて、スピンドル100に沿って軸線長手方向Lにスリップできないように為している。
【0080】
ギアボックス・ハウジング3,4を伴う図1a乃至図3に示された調整可能機構1,2を製造するために、多数成分射出成形プロセスが好ましくは使用されて、全ての方法ステップが好ましくは単一射出成形ツール内で実行される。先ずスピンドル・ナット1が任意のツール内で射出されて、2つの支持プレート31,32が同一のツール内で射出される。射出成形中、スピンドル・ナット1はそれら2つの支持プレート31,32内に成形されて、それら支持プレート31,52及びスピンドル・ナット1の引き続く組み立てが何等要求されない。
【0081】
次いで、駆動ウォーム2がその射出成形ツール内に嵌合されて、(支持プレート31,32及び駆動ウォーム2の射出成形ツール内への配置の結果として)外側U形状ハウジング・プレート41,42が射出されて、その射出成形中に、凹部45内の支持プレート31,32と関連された支持開口46内の駆動ウォーム2の支持に関する連結が為される。次いで、完全に仕上げられたギアボックス・ハウジング3,4は、その中に取り付けられた調整可能機構1,2を伴って射出成形ツールから除去され得る。
【0082】
ここに記載された方法ステップによって、個々の場合における調整可能機構及びギアボックス・ハウジングの設計に依存して、そのプロセス段階から成るシーケンスを変更することができる。また、駆動ウォーム2の据え付けはギアボックス・ハウジング3,4に留めることだけで後で行うことが出来る。
【0083】
多数成分射出成形プロセスの範囲内で、様々なプラスチックが、スピンドル・ナット1、支持プレート31,32、並びに、外側U形状ハウジング・プレート41,42のために使用され得る。
【0084】
別の製造方法に従えば、支持プレート31,32及び外側U形状ハウジング・プレート41,42は、個々別々のパーツとして、プラスチックから別々に形成され、それらの押し込み嵌合連結部35,45で一体的に嵌合してから、その押し込み嵌合連結部の領域内に、例えばレーザ溶接、熱かしめ、超音波溶接、或は、接着剤を介して等の他の何等かの方法等々の再成形或は熱プロセスを通じて相互に当接して固定される。
【0085】
各場合において、個々別々のハウジング・パーツ31,32;41,42の連結(よって外側U形状ハウジング・プレート41,42を伴う支持プレート31,32)は押し込み嵌合連結部35,45だけで行われ、それによって、ハウジング・パーツ31,32;41,42の全空間方向に沿っての相互に対する位置は固定される。ハウジング・パーツ31,32;41,42間の連結点として押し込み嵌合連結部35,45だけでその役割を好ましくは果たしており、それら押し込み嵌合連結部は、1つの射出成形ツール内での全ハウジング・パーツの射出成形中に直接的に形成されて固定されるか、或は、個々別々のハウジング・パーツの個別の射出成形の場合に、一体的に嵌合することで引き続いて形成されてから、付加的な連結ステップで相互に対して固定される。
【0086】
レーザ溶接は、外側U形状ハウジング・プレート41,42を押し込み嵌合連結部35,45の領域内で支持プレート31,32と連結するための付加的な連結ステップとして特に適合する。このため、外側U形状ハウジング・プレート41,42は、好ましくは、内側支持プレート31,32が使用されるレーザビームを吸収して溶融する一方で、該レーザビームに対して透明である材料から構成されて、押し込み嵌合連結部の領域内の内側支持プレート31,32及び外側U形状ハウジング・プレート41,42の間で連結が為される。内側支持プレート31,32を通じてのレーザビームの所望の吸収はカーボンブラックをそれら支持プレートの材料に添加することで達成可能である。
【0087】
ギアボックス・ハウジング3,4のハウジング・プレート31,32;41,42の溶接前或は溶接中、溶接プロセスが完了する前に、支持プレート31,32に規定された軸線方向力を付与することによって、支持プレート31,32及びスピンドル・ナット1の間における軸線方向支持遊びを削除することが可能である。
【0088】
ギアボックス・ハウジング3,4の関連された支持領域における調整可能機構のギア要素1,2の支持遊び等の可能性ある遊び、及び/或は、調整可能機構1,2自体のギア要素の相互作用中の遊び若しくはギアボックス・ハウジング3,4の押し込み嵌合連結35,45の領域内の遊び、を低減或は削除する特に有益な方法は、図4a乃至図7を参照して以下に説明される。
【0089】
このため、図4aに従えば、押し込み嵌合連結部35,45の領域内の材料の溶融中、張力装置によって張力Fがハウジング・プレートの形態である外部ハウジング・プレート41に対して付勢される。
【0090】
この張力装置は、対応するハウジング・プレート41の外側に当接する張力プレートPを備え、圧縮バネの形態の弾性要素Eを通じて該ハウジング・プレートに対して、ガイド・スライドK内をガイドされる長手方向に移動可能な圧力発生スライダDが規定された張力Fで作用する。対応するハウジング・プレート41は対向するハウジング・プレート42に対して張力付与され、該対向するハウジング・プレート42は適切な方法で空間的に固定されるか或はプレストレスが付与されるべく同じように弾性的に固定され、そして同時に、その間に横たわる2つの支持プレート31,32を含むハウジング・アセンブリに対して張力付与される。
【0091】
張力付与は、図4aに図示される実施例でアセンブリ軸線A(図1a参照)に沿って生じており、それに沿って外側ハウジング・プレート41,42は、一体的な嵌合のため、支持プレート31,32上で設けられ得る。しかしながら張力付与は、据え付け方向Aを横切る方向でも生じ得る。
【0092】
図5を参照して示されるように、支持プレート31,32は、好ましくは、据え付け方向Aにおいて、特大サイズUを有し、即ち、押し込み区分として機能すると共に突起として形成された関連支持プレート31,32の末端側部35は延長部を有し、その関連支持プレート31,32の延長部が据え付け軸線Aに沿って完成された組み立て済みギアボックス・ハウジング内に設けられたものより全体的に大きくなるように為す。
【0093】
この特大サイズは、図6a及び図6bに従えば、レーザビームLによるレーザ溶接或は超音波溶接によって、支持プレート31,32の突起で形成された末端側部35が溶融された際、最終サイズまで低減される。支持プレート31或は32の対応する末端側部35の溶融された材料の一部は、溶融材料Gとして、対応するハウジング・プレート41の凹部45における隙間内に流入し、その中に関連支持プレート31或は32が係合して、その関連された末端側部35で係合部或は押し込み区画35,45を形成する。対応する隙間45aの形成は、各支持プレート31,32の関連末端側部35上の肩部35aを介して可能となる。
【0094】
溶融プロセスは、好ましくは、この目的のために設けられたハウジング3,4の要素に対する、例えば外側ハウジング・プレート41,42の内の少なくとも1つに対するプレストレス力の付与後の移動中に、レーザビームLを発生するレーザを始動することで設定される。
【0095】
ストレス力Fの作用下、ハウジング・プレート41は据え付け軸線Aに沿ってのプレストレス方向に安定化移動sを実行し、調整可能機構1,2における遊びと共に、ハウジング3,4内の調整可能機構1,2のギア要素の支持点における遊びの意図された除去或は低減が行われ得る。
【0096】
図7は支持プレート31の末端側部の変更例を示し、ここではその末端側部は各々が肩部35aを形成している多数の突起35’を有する。
【0097】
レーザビームLは支持プレート31,32の突起35に照準を定めて作用可能であるので、ハウジング・プレート41,42は対応するレーザビームLに対して透明である材料から好ましくは形成される。
【0098】
溶融プロセスを制御或は規制すべく、到達された際、溶融或は溶接プロセスを停止する少なくとも1つのスイッチ-オフ規準を規定することが可能である。
【0099】
このため、例示的に提案されることは、プレストレス下のハウジング・プレート41或は42の安定化移動sの速度及び/或は力学をモニタすることである。
【0100】
次いでスイッチ-オフ規準は、例えば、プレストレス下のハウジング・プレート41の対向するハウジング・プレート42或は支持プレート31,32に対する移動となる安定化移動sの速度が、特定の最小値に達しないことに存する。これが意味することは、調整可能機構1,2内或はギアボックス・ハウジング3,4内の任意の既存遊びが除去されて、停止が例えば近づいて更なる任意の安定化移動sがもはや許容しないように為す。これは、例えば、ハウジング・プレート41,42が支持プレート31,32の関連された末端側部の停止部内へ駆動されると云う事実に起因し得る。
【0101】
他方、このプロセスは強制制御され得て、図4bに従ってスイッチ-オフ規準は、ハウジング・プレート41に対する張力装置の作用を通じて発生させられる反作用の力又は反力Fを(作用同等反作用の原理を観察しながら)モニタすることで規定される。この力Fは溶融或は溶接プロセスの始動時に略一定であり、その訳は、圧縮バネの形態の弾性要素Eであって、それを通じて張力装置がハウジング・プレート41に作用することになる圧縮バネの形態の弾性要素Eが、ハウジング・プレート41の安定化移動sの方向への安定化移動中に圧力発生スライダDの追跡を可能とするからである。もし遊び補償が、事実上、停止部の対抗停止部との相互作用を通じて最終的に終結されれば、更なる安定化移動sはもはや不可能であり、次いで力Fは急激に立ち上がって最大力Fmaxに到達して、溶融及び溶接プロセスを終了するためのスイッチ-オフ規準として機能する。
【0102】
更には、スイッチ-オフ規準として、ハウジング・プレート41の例えば安定化移動s中に特定の安定化経路に到達することを用いることも可能である。このスイッチ-オフ規準は、到達されるべき安定化経路が据え付け軸線Aに沿っての支持プレート31,32の特大サイズUとひとたびギアボックス・ハウジングが組み立てられた際の目標最終寸法、よって特に溶融或は溶接プロセスの終結後の目標最終寸法との間の少なくとも差と対応する。
【0103】
更には、特に簡単なスイッチ-オフ規準は、溶融及び溶接プロセスの特定時間長が事前に決定されて、よってそのプロセスをトリガーするレーザがある特定事前決定時間にわたってだけ動作させられることでも規定され得る。
【0104】
たとえもし、特定最小安定化経路への到達に基づかない他のスイッチ-オフ規準の内の1つが用いられれば、それらの場合にも、事前決定最小安定化経路の到達は品質基準として付加的に用いられ得て、溶接プロセスの適切な終結に対する必要条件として、安定化移動が事前決定最小安定化経路に届くことが判明される。
【0105】
可能な限り事前決定最小安定化経路への到達を保証するため、レーザ・パワーはその安定化移動の速度に応じて規制され得て、より詳しくは、溶接プロセス中の安定化速度が事前に決定された正常値を下回る際にレーザ・パワーが増大し、逆に安定化速度が事前に決定された正常値を上回る際にレーザ・パワーが減少する。
【0106】
もし事前決定最小安定化経路が溶接プロセス中に到達されなければ、遊びの努力された除去は存分には生ぜずに、対応するギアボックス・ハウジングは再仕上げ或は適合可能であれば故障パーツとして廃棄されなければならないと云う事実が参照され得る。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】図1aはギアボックス・ハウジングを具備する自動車用の調整可能機構の分解図であり、図1bは組み立て状態の図1aの調整可能機構であり、図1cは部分的に破断された組み立て状態の図1aの調整可能機構である。
【図2】図2は、スピンドル形態の付加的なギア要素とホルダとを伴う図1a乃至図1cの調整可能機構である。
【図3】図3は、一方側の図2のスピンドルと他方側の調整可能機構のスピンドルとの相互係合しているネジの好適実施例である。
【図4】図4aは、ハウジング・プレートとハウジングの更なる支持プレートとの間のレーザ溶接を介しての連結の製造中、図1a乃至図1cのギアボックス・ハウジングのハウジング・プレートに対する作用中の張力装置であり、図4bは、溶接プロセス中、張力装置に作用する反力を図示する力経路線図である。
【図5】図5は、図1a乃至図1cのギアボックス・ハウジングの支持プレートの斜視図である。
【図6】図6aは、レーザ溶接に先行して、ハウジング・プレートの図1a乃至図1cのハウジングの関連された支持プレートとの係合区画の概略図であり、図6bは、レーザ溶接後、支持プレートの図1a乃至図1cのギアボックス・ハウジングのハウジング・プレートとの係合区画の概略図である。
【図7】図7は、係合領域を形成するために設けられた、図6a及び図6bの支持プレートの押し込み区分の変更例である。
【符号の説明】
【0108】
1 スピンドル・ナット
2 駆動ウォーム
3,4 ギアボックス・ハウジング
5 ホルダ
10 スピンドル・ナットの外面
11,12 スピンドル・ナットの軸線末端区分
13,14 支持カラー
15 スピンドル・ナットの外部歯
19 スピンドル・ナットの内部歯
25 ウォーム歯
31,32 支持プレート
33,34 支持点
41,42 ハウジング・プレート
100 ネジ付きスピンドル
【図1A】

【図1B】

【図1C】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線を規定すると共に、一方においてネジ付きスピンドルに対して相互作用し且つ他方において外部歯を外部面内に有して、それを介して更なるギア要素と係合するスピンドル・ナットによって自動車における調整可能パーツ、より詳しくはシート・パーツを調整する自動車用の調整可能機構であって、
前記スピンドル・ナット(1)の外部歯(15)が当該スピンドル・ナット(1)の外面(10)内に径方向内方に向かった刻み目を通じて形成され、その歯深さは当該スピンドル・ナット(1)の少なくとも一方の軸線端部に向かって減少していることを特徴とする調整可能機構。
【請求項2】
前記外部歯(15)の前記歯深さが前記スピンドル・ナット(1)の少なくとも一方の軸線端部でゼロに減少していることを特徴とする、請求項1に記載の調整可能機構。
【請求項3】
前記スピンドル・ナット(1)の前記外部歯(15)が当該スピンドル・ナット(1)の前記外面(10)の軸線延長部の一部にわたってのみ軸線方向(a)に延在して、当該スピンドル・ナット(1)が前記軸線方向(a)における前記外部歯(15)の他方側に外部歯無しの少なくとも1つの末端区分(11,12)を有することを特徴とする、請求項1或は2に記載の調整可能機構。
【請求項4】
外部歯無しの前記スピンドル・ナット(1)の前記少なくとも1つの軸線末端区分(11,12)が略環状線として形成されていることを特徴とする、請求項3に記載の調整可能機構。
【請求項5】
前記スピンドル・ナット(1)の前記外部歯(15)が、当該スピンドル・ナット(1)の少なくとも一方の末端区分(11,12)に関して、当該スピンドル・ナット(1)の前記外面(10)内における刻み目によって形成されていることを特徴とする、請求項1乃至4の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項6】
前記スピンドル・ナット(1)が前記軸線方向(a)における前記外部歯(15)の両側に外部歯無しの末端区分(11,12)を有する、請求項1乃至5の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項7】
前記スピンドル・ナット(1)が円筒状スリーブの形態の外面(10)を有し、前記外部歯(15)が前記外面(10)内における刻み目によって形成されることによって、前記少なくとも一方の末端区分(11,12)の径が、好ましくは、刻み目が具備された前記外面(10)の径よりも大きいか或は同等であることを特徴とする、請求項3乃至6の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項8】
前記外部歯(15)の領域内における前記スピンドル・ナット(1)が前記少なくとも一方の末端区分(11,12)を超えて径方向(r)に突出していないことを特徴とする、請求項3乃至7の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項9】
前記外部歯(15)が球形状であり、より詳しくはその軸線エッジ領域(17,18)内において球状歯を有することを特徴とする、請求項1乃至8の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項10】
前記外部歯(15)が前記軸線方向(a)における中間区分(16)内において螺旋状輪郭を有することを特徴とする、請求項1乃至9の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項11】
前記スピンドル・ナット(1)がプラスチック製であることを特徴とする、請求項1乃至10の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項12】
前記スピンドル・ナット(1)が、その外部歯(15)を介して、更なるギア要素としてのウォームと相互作用することを特徴とする、請求項1乃至11の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項13】
前記スピンドル(100)と関連された前記スピンドル・ナット(1)の内部歯(19)が、前記外部歯(15)よりも大きな長さにわたって前記軸線方向(a)に延在して、その内部歯(19)が少なくとも一方の末端区分(11,12)まで軸線方向に延在していることを特徴とする、請求項1乃至12の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項14】
前記ネジ付きスピンドル(100)と相互作用する前記スピンドル・ナット(1)の前記内部歯(19)の歯厚み(d)がそのギャップ幅(e)よりも大きいことを特徴とする、請求項1乃至13の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項15】
前記スピンドル・ナット(1)及び前記更なるギア要素(2)がギアボックス・ハウジング(3,4)内に取り付けられていることを特徴とする、請求項1乃至14の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項16】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)がハウジング・パーツ(31,32;41,42)、より詳しくはハウジング・プレートの形態のハウジング・パーツによって形成されることを特徴とする、請求項15に記載の調整可能機構。
【請求項17】
前記ハウジング・パーツ(31,32;41,42)が押し込み嵌合連結部(35,45)を介して相互に連結されると共に、全ての空間方向に沿って相互に対して整列されていることを特徴とする、請求項16に記載の調整可能機構。
【請求項18】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)が対向するハウジング・パーツ(31,32;41,42)から成る1対或は2対から構成されていることを特徴とする、請求項16或は17に記載の調整可能機構。
【請求項19】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)が、U形状断面を有する2つの外部ハウジング・パーツ(41,42)を含むことを特徴とする、請求項16乃至18の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項20】
前記外側ハウジング・パーツ(41,42)が、前記スピンドル・ナット(1)を支持すべく前記軸線方向(a)に相互に対向して取り付けられた支持パーツ(31,32)周りに係合することを特徴とする、請求項19に記載の調整可能機構。
【請求項21】
前記外側ハウジング・パーツ(41,42)が前記支持パーツ(31,32)の支持区分(33,44)を取り囲んでいることを特徴とする、請求項20に記載の調整可能機構。
【請求項22】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)がプラスチック製であることを特徴とする、請求項15乃至21の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項23】
前記ギアボックス・ハウジングが支持点(33,34;46)、より詳しくは前記スピンドル・ナット(1)及び/或は前記更なるギア要素(2)に対する支持開口の形態の支持点を有することを特徴とする、請求項15乃至22の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項24】
前記スピンドル・ナット(1)を支持する支持カラー(13,14)が該スピンドル・ナット(1)の前記軸線末端区分(11,12)から突出していることを特徴とする、請求項1乃至23の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項25】
前記末端区分(11,12)が同時に前記スピンドル・ナット(1)を支持する支持部として機能することによって、軸線方向及び径方向の支持部がギアボックス・ハウジングのハウジング・パーツ(41,42)から成る1対を介して作り出されることを特徴とする、請求項6乃至23の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項26】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)が少なくとも1つの境界壁内に凹部(48,49)を有し、そこに前記スピンドル・ナット(1)及び/或は更なるギア要素(2)が径方向に係合していることを特徴とする、請求項15乃至25の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項27】
前記凹部(48,49)が前記関連境界壁内における開口を介して形成されていることを特徴とする、請求項26に記載の調整可能機構。
【請求項28】
前記凹部が前記関連境界壁内における刻み目を介して形成されていることを特徴とする、請求項26に記載の調整可能機構。
【請求項29】
前記ギア・ハウジング(3,4)に、前記スピンドル・ナット(1)に対する当該スピンドル・ナット(1)の軸線(L)を横切って相互に対向するように設定された2つの凹部(46)が形成されていることを特徴とする、請求項26乃至28の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項30】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)の境界壁に、前記スピンドル・ナット(1)から遠隔の前記更なるギア要素(2)の側部に対する凹部(49)が形成されていることを特徴とする、請求項26乃至29の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項31】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)と該ギアボックス・ハウジング(3,4)の関連されたホルダ(5)との間に、好ましくは柔軟要素として形成された音響学的結合解除に対する少なくとも1つの要素が存在することを特徴とする、請求項15乃至30の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項32】
前記弾性要素が前記ギアボックス・ハウジング上に一体物として成形されること、より詳しくは射出されることを特徴とする、請求項31に記載の調整可能機構。
【請求項33】
前記スピンドル・ナット(1)の少なくとも1つの軸線端部と前記ギアボックス・ハウジング(3,4)との間に、前記スピンドル・ナット(1)の支持カラー(13,14)上に好ましくは取り付けられた個別の強化リングが存在することを特徴とする、請求項11乃至28の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項34】
前記ハウジング・パーツ(31,32;41,42)がレーザ溶接を介して相互に連結されることを特徴とする、請求項15乃至33の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項35】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)が内部ハウジング・パーツ(31,32)及び外部ハウジング・パーツ(41,42)を有し、前記外部ハウジング・パーツ(41,42)の材料が溶接用に使用されるレーザビームに対して透明であるように設計され、前記内部ハウジング・パーツ(31,32)の材料が前記レーザビームに対して非透明であるように設計されて、前記外部ハウジング・パーツ(41,42)との連結が前記内部ハウジング・パーツ(31,32)の部分的溶融を介して作り出されることを特徴とする、請求項34に記載の調整可能機構。
【請求項36】
少なくとも前記スピンドル・ナット(1)と前記ギアボックス・ハウジング(3,4)の前記支持プレート(31,32)とが、1つの射出成形ツールで一体的に形成されることを特徴とする、請求項11、20、並びに、22の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項37】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)がU形状断面のホルダ(5)内に設けられ、該ホルダによって前記ギアボックスが関連された調整可能パーツに対して固定されることを特徴とする、請求項1乃至36の内の何れか一項に記載の調整可能機構。
【請求項38】
前記スピンドル・ナット(1)及び前記支持パーツ(31,32)が、多数段階射出成形プロセスにおける1つの射出成形ツールで一体的に形成されることを特徴とする、請求項1、11、20、並びに、22の特徴を具備した調整可能機構を製造する方法。
【請求項39】
前記スピンドル・ナット(1)及び前記支持パーツ(31,32)が射出成形を介して次々に前記射出成形ツールで成形されることによって、各々が先行して形成された構造的アセンブリ・ユニットが、形成されるべき次のアセンブリ・ユニットが射出されている間に、前記射出成形ツール内に残存してることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)の更なるパーツが、先行して形成された構造的アセンブリ(1,31,32)が前記射出成形ツール内に残存している間に、該射出成形ツール内で形成されることを特徴とする、請求項38或は39に記載の方法。
【請求項41】
前記ギアボックス・ハウジング(3,4)の外側U形状ハウジング・パーツ(41,42)が前記射出成形ツール内で形成されることを特徴とする、請求項7乃至40の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記更なるギア要素(2)が、当該更なるギア要素(2)を支持するために設けられた前記ギアボックス・ハウジング(3,4)の前記パーツ(41,42)が射出成形で形成される前に、前記射出成形ツール内に挿入されることを特徴とする、請求項38乃至41の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項43】
レーザ溶接によっての前記ハウジング・パーツ(31,32;41,42)の連結前或は連結中、前記ギアボックス・ハウジング(3,4)の内側ハウジング・パーツ(31,32)と前記スピンドル・ナット(1)との間の任意の軸線方向支持遊びが除去されることを特徴とする、請求項34の特徴を具備する調整可能機構を製造する、請求項38乃至42の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記軸線方向支持遊びが、
a)前記内側パーツ(31,32)に規定された軸線方向力を付与することと、
b)前記外側ハウジング・パーツ(41,42)の前記押し込み区分(45)によって取り囲まれた前記内側ハウジング・パーツ(31,32)の領域を溶融することと、
c)前記スピンドル・ナット(1)の前記少なくとも1つの末端区分(11,12)が前記ギアボックス・ハウジング(3,4)と当接すると、前記レーザ溶接を終了することと、
によって除去することを特徴とする、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
自動車用のギアボックス・ハウジング(3,4)内に調整可能機構(1,2)を取り付ける方法であって、少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)が更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3,42)と係合させられ、前記ハウジング・パーツ(41)がその更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3,42)に対して固定されて、材料が前記ハウジング・パーツ(41)における前記ハウジング・アセンブリ(3,42)との係合区画(35,45)内で溶融させられ、より詳しくは、請求項1乃至37の内の何れか一項に記載の調整可能機構を組み立てるための方法であって、前記ハウジング・パーツ(41)及び前記更なるハウジング・アセンブリ(3,42)が前記溶融中に相互に対して弾性的に張力付与されることを特徴とする方法。
【請求項46】
張力装置が前記ハウジング・パーツ(41)及び/或は前記更なるハウジング・アセンブリ(3,42)と係合して、それらハウジング・パーツ(41)及び更なるハウジング・アセンブリ(3,42)に相互に対して張力付与することを特徴とする、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記張力装置が、弾性要素(E)の介在を伴って、前記ハウジング(3,4)の前記関連された要素(3,41,42)と係合することを特徴とする、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
圧縮バネが前記弾性要素(E)として使用されることを特徴とする、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
前記ハウジング・パーツ(41)及び前記更なるハウジング・アセンブリ(3,42)が据え付け軸線(A)に沿って相互に係合させられることを特徴とする、請求項45乃至48の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項50】
前記係合区画(35,45)が押し込み区画によって形成され、前記ハウジング・パーツ(41)及び前記更なるハウジング・アセンブリ(3,42)が一方から他方へ嵌合することによって相互に係合させられることを特徴とする、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記ハウジング・パーツ(41)及び前記更なるハウジング・アセンブリ(3,42)が前記据え付け軸線(A)に沿って相互に対して張力付与されていることを特徴とする、請求項49或は30に記載の方法。
【請求項52】
前記ハウジング・パーツ(41)及び前記更なるハウジング・アセンブリ(3,42)が前記据え付け軸線(A)を横切る方向成分を有する方向(a)に相互に対して張力付与されていることを特徴とする、請求項49或は51に記載の方法。
【請求項53】
前記ハウジング・パーツ(41)及び前記更なるハウジング・アセンブリ(3,42)が前記据え付け軸線(A)と直交するように相互に対して張力付与されていることを特徴とする、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
第2ハウジング・パーツ(42)が前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニットとして使用されることを特徴とする、請求項45乃至53の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記2つのハウジング・パーツ(41,42)が相互に対して直に固定されていることを特徴とする、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記更なるハウジング・アセンブリ・グループ(3)が前記ハウジング・パーツ(41)及び第2ハウジング・パーツ(42)の間に収容されることによって、それら2つのハウジング・パーツ(41,42)が、各々、前記ハウジング・アセンブリ・ユニット(3)の一方の末端側部(35)と係合させられると共に前記関連された末端側部(35)に対して固定され、前記ハウジング・パーツ(41,42)及び/或は前記ハウジング・アセンブリ・ユニット(3)の材料が前記関連ハウジング・パーツ(41,42)における前記ハウジング・アセンブリ・ユニット(3)の前記関連された末端側部(35)との係合区画(45)内で溶解させられることを特徴とする、請求項45乃至53の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記2つのハウジング・パーツ(41,42)が相互に対して張力付与されることによって、前記2つのハウジング・パーツ(41,42)の内の少なくとも1つは前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3)に対しても張力付与されていることを特徴とする、請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記2つのハウジング・パーツ(41,42)が前記据え付け軸線(A)に沿って相互に対して張力付与されることを特徴とする、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記2つのハウジング・パーツ(41,42)が、前記据え付け軸線(A)に直交する方向成分を有する方向(a)に沿って相互に対して張力付与されることを特徴とする、請求項57或は48に記載の方法。
【請求項60】
前記2つのハウジング・パーツ(41,42)が、前記据え付け軸線(A)に直交して延在する方向に沿って相互に対して張力付与されることを特徴とする、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3)が、前記2つのハウジング・パーツ(41,42)と直交して相互に対向する2つのハウジング要素(31,32)によって形成されていることを特徴とする、請求項50乃至60の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項62】
ハウジング・プレートが前記少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)に対して使用されていることを特徴とする、請求項45乃至61の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項63】
前記係合区画(35,45)における前記材料の溶融中、前記少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)が前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニットに対して安定化移動を実行することを特徴とする、請求項45乃至62の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記安定化移動が前記弾性プレストレスの方向で生ずることを特徴とする、請求項63に記載の方法。
【請求項65】
前記材料がレーザによって前記係合区画(35,45)内で溶融されることを特徴とする、請求項45乃至63の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記ハウジング(3,4)の非溶融区分(41,42)が使用される前記レーザビームに対して透過性である材料から形成されていることを特徴とする、請求項65に記載の方法。
【請求項67】
前記溶融プロセスの持続期間が事前決定可能な規準で制御されることを特徴とする、請求項45乃至66の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記溶融プロセスの持続期間が、前記少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)の前記安定化移動に依存して制御されることを特徴とする、請求項63、64、並びに、67の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項69】
前記溶融プロセスの持続期間が前記安定化移動の速度及び/或は力学に依存して制御されることを特徴とする、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記溶融プロセスの持続期間が、前記少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)の前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3,42)に対する張力付与中、反力(F)に関する変化に依存して制御されることを特徴とする、請求項67乃至69の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項71】
前記溶融プロセスの持続期間が前記安定化移動の程度に依存して制御されることを特徴とする、請求項68に記載の方法。
【請求項72】
前記溶融プロセスの持続期間が前記溶融プロセスの始動時に既に固定されていることを特徴とする、請求項67に記載の方法。
【請求項73】
前記少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)の前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3)との係合区画(35,45)において、前記材料の溶融によって形成された溶融塊(G)が流入する隙間(45a)があることを特徴とする、請求項45乃至72の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記隙間(45a)が前記押し込み区画(35,45)内に形成されていることを特徴とする、請求項70乃至73の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)と前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3,42)との間の前記連結の品質が、前記溶融プロセス中、前記ハウジング・パーツ(41)の前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3,42)に対する移動の程度からモニタされることを特徴とする、請求項45乃至74の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項76】
前記レーザ・パワーが前記安定化移動の速度に依存して規制されることを特徴とする、請求項63、65、並びに、75の内の何れか一項に記載の方法。
【請求項77】
前記少なくとも1つのハウジング・パーツ(41)と前記更なるハウジング・アセンブリ・ユニット(3,42)とがプラスチック製であることを特徴とする、請求項45乃至74の内の何れか一項に記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公表番号】特表2007−510099(P2007−510099A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522882(P2006−522882)
【出願日】平成16年7月16日(2004.7.16)
【国際出願番号】PCT/DE2004/001569
【国際公開番号】WO2005/015054
【国際公開日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(500093708)ブローゼ・ファールツォイクタイレ・ゲーエムベーハー・ウント・コンパニ・コマンディットゲゼルシャフト・コーブルク (15)
【Fターム(参考)】