説明

薄層構造の製造方法

マクロ多孔性の支持構造基板上に、犠牲層を成長させる。その後、上記支持構造基板の背面を部分的に除去し、該支持構造基板の背面において、該犠牲層の一領域を露出させる。上記支持構造基板の背面の表面、および、上記犠牲層の露出した領域に薄層を成長させ、細孔内の上記犠牲層を、該薄層に関して選択的に除去し、該薄層によって細孔底面を形成する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、薄層構造の製造方法に関する。
【0002】
今日、多くの技術的なアプリケーションでは、薄い自由支持層(窓)が求められている。この非常に薄い自己支持層を(例えば、サブミクロン領域において)製造するために、非常に小さな(10μmのオーダの大きさ)開口部を有し、同時に高い空隙率を有する支持構造が必要とされている。
【0003】
従来、X線窓は、ベリリウムのような小さなZ値(原子の原子番号)を含有する材料から製造されていたか、または、例えば有機膜を(例えばシリコン製の)支持構造に載せること、つまり形成することによって製造されていた。しかし、特にベリリウムは有害廃棄物を発生させ、これを厄介な方法でしか廃棄できないという、大きな欠点を有している。
【0004】
X線窓の他の一製造方法は、[1]に記載されている。
【0005】
[1]に記載の方法は、第1領域101(図1参照)において、シリコンウエハ100を完全には貫通せずに伸びている細孔103を、シリコンウエハ100内にエッチングすること、および、該細孔の壁を薄膜104によって被膜することに基づいている。その後、細孔103は、シリコンウエハ100の背面から、薄膜104が残るようにエッチングされることによって露出する。第2領域102では、図1に示したように、シリコンウエハ100に伸び、しかし完全にはこれを貫通していない細孔103が設けられており、そのため、第2領域102の細孔103の下方では、シリコンウエハ100の基板材料がそのまま残っている。該基板材料によって、穿孔された加工部材、つまり加工されたシリコンウエハ100の安定性は強まる。
【0006】
さらに[2]には、図2aに示したように、半導体ウエハ200を有するX線光学素子が開示されている。該半導体ウエハ200には、ビーム方向に平行に伸びている直径0、1μmから100μm(好ましくは0、5μmから20μm)のマイクロ細孔201が、エッチングされている。マイクロ細孔201に薄層202が導入され、半導体ウエハ200の細孔壁と細孔底部とを安定化させている。
【0007】
さらなるステップでは、半導体ウエハ200の基板材料の背面側は、マイクロ細孔201に導入された薄層202が半導体ウエハ200の背面側に露出するまで除去される(図2b参照)。
【0008】
上記した方法の欠点は、上記窓材料を、アスペクト比が非常に高い細孔内に堆積しなければならないという点である。このため、スパッタ法、蒸着法、または、プラズマCVD法を用いて成膜される薄膜を、上記技術によって成膜することはできない。なぜなら、これらの方法の空洞への侵入深さは小さいからである。今のところ、SiO薄膜およびSi薄膜を細孔内に堆積することだけは成功しており、従って、これらの材料からなる窓を、上記した方法を用いて製造することは可能となっている。
【0009】
しかしながら、上記層(SiO薄膜およびSi薄膜)は、特にX線窓の場合は有効でない。なぜなら、シリコンが比較的重い元素であるため(原子番号Z>10)、X線を大幅に吸収するからである。
【0010】
それに対して、ダイアモンド窓は、ダイアモンドが原子番号Z=6を有するので、大変有効である。しかしながら、ダイアモンド窓は、特に単体で構成される窓としては、高価すぎる。
【0011】
[3]には、マイクロチャネルプレートととも呼ばれる、ガラス基板が開示されている。これは、互いに選択的にエッチングしあうことが可能な2つの異なる種類のガラスからできている。
【0012】
[4]には、薄い平坦部または膜からなる自由支持マイクロ構造の製造方法、および、該方法により、微弱なガス流の測定装置における抵抗グリッドとして製造されたマイクロ構造の使用が開示されている。上記方法に従って、まずキャリア枠を製造する。該キャリア枠の開口部は、その一方側において同じ高さとなるように設けられた補助層によってひっぱられる。補助層とキャリア枠との共通の平面上に所望の構造が形成された後、該補助層は、例えばエッチングによって除去される。
【0013】
本明細書には、以下の刊行物を引用している。
[1]DE 198 20 756 C1
[2]DE 198 52 955 A1
[3]Microchannel Plate、Principle of Operation
http://hea−www.Harvard.edu/HRC/mcp/mcp.html、調査日2005年2月15日
[4]WO 00/59824
本発明の目的は、高アスペクト比の細孔構造とほぼ同一面上に薄層構造を、低コストかつ簡単に、しかも信頼性高く製造する方法を達成することである。
【0014】
基板層の全体の層厚を貫通していない複数の細孔を有するマクロ多孔性の支持構造基板において、該支持構造基板の細孔壁および細孔底部の表面に犠牲層を成長させる、薄層構造の製造方法を提供する。その後、上記支持構造基板の背面側を部分的に除去することによって、該支持構造基板の背面において、上記犠牲層の一領域を露出させる。上記支持構造基板の背面の表面、および、上記犠牲層の露出した領域上に薄層を成長させ、上記細孔内の該犠牲層を該薄層に関して選択的に除去する。その結果、上記細孔底部が上記薄層によって形成される。
【0015】
上記方法は、任意の所望の材料による薄膜を、スパッタ法、蒸着法、またはプラズマ法によって成長させることができるという利点を有している。これは、上記従来技術による方法では不可能である。なぜなら、上記従来技術による方法は、SiOおよびSiである材料を除いて、薄層を上記細孔内に完全に成長させるには、空洞への侵入深さが小さすぎるからである。
【0016】
本発明の一形態は、具体的には、薄層構造の製造方法において、犠牲層を上記細孔に導入すること、または、該細孔の側壁または該細孔底部に犠牲層を成長させることである。この場合、上記犠牲層は、例えば、製造する薄層構造とは異なる他の材料から形成される。
【0017】
ここでは、犠牲層とは、例えば製造された薄層構造内にはもはや残存しない、つまり、特に該薄層構造が完成する前に、完全または部分的に除去される層であると理解されたい。上記犠牲層は、明らかに、一時的な担体の役割を果たしており、その上に、上記薄層構造を形成する層を容易に成長できるため、上記薄層構造自体を該細孔内に堆積する必要はない。なぜなら、上記犠牲層は、上記支持構造基板から少なくとも部分的にはみ出しているからである。そのため、上記従来技術では、上記細孔内への侵入が浅すぎるために用いることができなかった材料も、この方法では、上記材料はもっと広い領域で成長するだけであるので、上記薄層構造を形成するために用いることができる。従って、上記したようにX線窓の場合に大きな利点を有するダイアモンドでも、このような薄層構造に用いることができる。
【0018】
具体的には、本発明の一形態では、上記従来技術に関して説明した上記細孔に成長した薄層を、基板(犠牲的な層、つまり犠牲層)として後に続く堆積プロセスのために用いる。
【0019】
本発明の好ましい構成を、従属請求項に記載した。
【0020】
本発明の好ましい一構成によって、犠牲層形成方法の用法を提供する。上記犠牲層形成方法は、上記細孔壁および上記細孔底部を熱酸化させることによって上記犠牲層を形成する方法である。
【0021】
上記方法は、シリコンを基板材料として用いて、高アスペクト比の細孔とほぼ同一面上に犠牲層を形成する場合に特に適している。
【0022】
本発明の他の一構成では、上記犠牲層を、化学気相成長法によって、上記支持構造基板の細孔壁および細孔底部に成長させる。
【0023】
この方法では、上記細孔壁および上記細孔底部を覆うために、他の材料を同様に用いてもよい。これにより、上記犠牲層に用いる材料をかなり柔軟に選択できることになる。
【0024】
本発明のさらに他の一実施形態では、上記犠牲層を、原子層エピタキシ法によって、上記支持構造基板の細孔壁および細孔底部に成長させる。
【0025】
この方法は、エッジ部を完全に覆うことができるという利点を有し、この全体的に一様な堆積を、任意のアスペクト比を有する細孔に対して用いることができる。
【0026】
本発明の他の一実施形態では、上記支持構造基板は、シリコン材料から製造されており、従って、非常に低コストでこの支持構造を製造できる。
【0027】
犠牲層として、特に熱酸化法により上記支持構造基板の細孔壁および細孔底部に成長される酸化シリコン層を成長させることができる。
【0028】
または、犠牲層として、例えばCVD法によって上記支持構造基板の細孔壁と細孔底部に成長される窒化シリコン層を成長させてもよい。
【0029】
本発明のさらに他の一実施形態では、上記支持構造基板は、アルミニウム材料(Al)から製造されている。
【0030】
他の一実施形態では、上記犠牲層は、ALD法によって上記支持構造基板の細孔壁と細孔底部とに成長される酸化アルミニウム層である。
【0031】
さらに他の好ましい一実施形態では、上記支持構造基板の背面側での部分的な除去を、エッチバック法により実施する。エッチング処理される材料に応じて、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、または、プラズマエッチング法のような、所望のエッチング方法を任意選択して用いることができる。
【0032】
本発明の他の一実施形態では、上記薄層を、スパッタ法または蒸着法またはプラズマCVD法によって成長させる。
【0033】
薄層としてダイアモンド薄層を成長させることができる。または、薄層として金属薄層を成長させてもよい。
【0034】
もしくは他の一構成において、薄層として複数の部分薄層を有する連続層を成長させてもよい。
【0035】
上記犠牲層を、エッチングにより、選択的に除去できる。
【0036】
本発明の一形態を、[1](例えば[1]に記載された酸化窓または窒化窓)の薄層窓を用いる場合に、基板として、つまり犠牲層(犠牲的な層)として、後に続く堆積プロセスに用いてもよい。
【0037】
本発明の実施形態を、図面を参照しながら、以下にさらに詳細に説明する。
【0038】
図1は、貫通している細孔を有する第1領域と、貫通していない細孔を有する第2領域とを有する、従来技術のマクロ多孔性の半導体支持構造基板を示す図である。この場合、これらの細孔壁には薄層が設けられている。
【0039】
図2aおよび図2bは、従来技術による、半導体支持構造基板のマイクロ細孔の内面において安定させる層を有するマクロ多孔性の上記半導体支持構造基板を示す図であり、該基板を部分的に除去する前(図2a)、および、除去した後(図2b)を示す。
【0040】
図3aないし図3eは、本発明の一実施形態による、支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【0041】
図4aないし図4fは、本発明の他の実施形態による、マイクロチャネルプレート支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【0042】
本発明の第1実施形態による薄層構造の製造方法では、図3aに示したように、シリコンからなる支持構造基板300を、典型的には、10μmの正方形の細孔301と、その間に厚さd=1μmの壁302とを設けて製造する。これは、上記基板内において、複数の細孔301が、規則的な模様でマトリクス状に、それぞれ1μm(2つの隣接する細孔301の互いに直接隣接する側壁の間を測定した)の間隔dを空けて配置されていることを意味している。
【0043】
支持構造基板300の材料として代替できる材料は、任意の、あらゆる適切な半導体材料、および、例えばガリウム砒素、インジウムリンなどのような、化合物半導体材料(例えば、III−V族化合物半導体材料またはII−VI族化合物半導体材料)である。
【0044】
本発明の本実施形態では、上記支持構造基板300をフッ化水素酸(HF)中で電解エッチングすることによって、細孔301を製造する。
【0045】
図3bに示したように、上記支持構造基板300の細孔301において、(例えば、熱酸化法またはCVDプラズマ法によって)約100nmの層厚を有する均一な犠牲層303(SiO層を熱酸化法によって、または、Si層をCVDプラズマ法によって)を成膜する。さらに、上記支持構造基板300の背面には、追加的に酸化シリコン層304を形成する。
【0046】
図3cに示したように、上記追加的に形成した酸化シリコン層304を剥離し、上記支持構造基板300の背面の該追加的に形成した酸化シリコン層304を(例えば、HFを用いて)除去した後、細孔底部領域305内の犠牲層303が上記支持構造基板300の背面の方に露出するまで、該支持構造基板300の背面を(例えば水酸化カリウム(KOH)を用いて)エッチバックする。本発明の本実施形態では、犠牲層303の半球形の部分は、犠牲層303のシリンダー形の部分までほぼ露出されている。
【0047】
次に、図3dに示したように、所望の層厚(例えば層厚150nm)を有する所望の薄膜306を(スパッタ法、蒸着法、またはプラズマCVD法によって)上記エッチバックされた支持構造基板300の背面の表面、および、露出した細孔底部領域305の表面に成長させる。この接続においては、露出した基板表面の間、つまり上記エッチバックされた支持構造基板300の背面の表面と上記薄膜材料との間の密着性が(例えば、堆積の直前にHFディップを短時間行うことによって)良好になるように留意するとよい。
【0048】
最終的に、図3eに示したように、(例えば酸化シリコン層である)犠牲層303を(例えば、HF中などでエッチングを行うことによって)除去して、薄膜306を、上記エッチバックされた支持構造基板300のみによって支えるとともに、支持構造基板300に支持されている箇所以外が自由な状態となるようにする。
【0049】
本発明の他の一実施形態では、多孔性の支持構造基板300をアルミニウム材料から製造する。その後、犠牲層として酸化アルミニウム層を、ALD法を用いて上記支持構造基板の細孔壁および細孔底部に成長させる。
【0050】
次に、上記支持構造基板の背面の酸化アルミニウム層を除去した後、細孔底部の酸化アルミニウム層が背面の方に露出するまで、該支持構造基板の背面を選択的にエッチバックする。
【0051】
次のステップでは、所望の層厚(例えば150nm)を有する所望の薄膜を、(スパッタ法、蒸着法、またはプラズマCVD法によって)上記支持構造基板の背面上に成長させる。ここでは、上記露出した基板表面と上記薄膜材料との間の密着性が(例えば、堆積の直前にHFディップを短時間行うことによって)良好になるように留意するとよい。
【0052】
本発明の他の一実施形態では、図4aに示したように、支持構造基板として、マイクロチャネルプレートとも呼ばれる第1の種類のガラスからなる、ガラス基板400を用いている。これは、[3]に記載されているように、貫通している多数のマイクロチャネル401を有している。
【0053】
マイクロチャネル401は、図4bに示したように、ガラス基板400の背面上に第2の種類のガラスからなるガラス層402を形成することによって、閉鎖される。ガラス層402は、ガラス基板400の上記第1の種類のガラスに対して選択的にエッチングが可能である。
【0054】
次に、図4cに示したように、薄層403を犠牲層として、上記マイクロチャネルの壁および上記マイクロチャネルの底部に成長させる。
【0055】
次のステップでは、図4dに示したように、ガラス基板400の背面のガラス層402を除去して、マイクロチャネル401内の犠牲層403を、ガラス基板400の背面の方に露出させる。
【0056】
その後、図4eに示したように、ガラス基板400の背面上に、ベリリウム、窒化ホウ素、または、ダイアモンドのいずれか任意の材料からなる薄膜404を、例えばCVD法によって成長させる。
【0057】
最後に、図4fで示したように、選択エッチングによって、上記細孔内の犠牲層403を除去し、上記支持構造基板400の背面上に自由支持の薄膜構造を形成する。
【0058】
例えば、層厚わずか数10μmであるダイアモンド層404は、その原子番号が小さいので、X線窓としての使用に好適である。同様に、窒化ホウ素層またはベリリウム層も、有毒ではあるが、X線窓としての使用に好適である。
【0059】
他の一実施形態では、薄膜として干渉構造(多層)を形成する。この連続した層は複数の部分層を有し、該部分層は異なる材料から形成されていてもよい。
【0060】
本発明の上記した実施形態による上記プロセス概略の利点は、一般的に、犠牲層を細孔内において用いることによって基板を生成し、該基板を、上記支持構造基板の背面上に薄膜を成長させる任意の方法にとっての初期ベースとして利用できる点である。このため、上記方法は、上記従来技術による支持構造基板の細孔内での薄膜形成方法とは異なり、成長させる薄膜材料の、空洞における侵入の深さには左右されない。従って、ダイアモンドまたは窒化ホウ素のような薄層材料の使用も可能となる。該ダイアモンドまたは該窒化ホウ素は、例えば、炭素、ホウ素、および、窒素の原子番号が小さいことにより、上記従来技術の方法の場合にX線窓に使用されている材料である酸化シリコンまたは窒化シリコンよりも、X線窓としての使用により適している。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】貫通している細孔を有する第1領域と、貫通していない細孔を有する第2領域とを有する、従来技術のマクロ多孔性の半導体支持構造基板を示す図である。この場合、これらの細孔壁には薄層が設けられている。
【図2a】従来技術による、半導体支持構造基板のマイクロ細孔の内面において安定させる層を有するマクロ多孔性の上記半導体支持構造基板を示す図であり、該基板を部分的に除去する前を示す。
【図2b】従来技術による、半導体支持構造基板のマイクロ細孔の内面において安定させる層を有するマクロ多孔性の上記半導体支持構造基板を示す図であり、該基板を部分的に除去した後を示す。
【図3a】本発明の一実施形態による、支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図3b】本発明の一実施形態による、支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図3c】本発明の一実施形態による、支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図3d】本発明の一実施形態による、支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図3e】本発明の一実施形態による、支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図4a】本発明の他の実施形態による、マイクロチャネルプレート支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図4b】本発明の他の実施形態による、マイクロチャネルプレート支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図4c】本発明の他の実施形態による、マイクロチャネルプレート支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図4d】本発明の他の実施形態による、マイクロチャネルプレート支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図4e】本発明の他の実施形態による、マイクロチャネルプレート支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【図4f】本発明の他の実施形態による、マイクロチャネルプレート支持構造基板上に薄層構造を製造するためのプロセスの概略図である。
【符号の説明】
【0062】
100 シリコンウエハ
101 第1領域シリコンウエハ
102 第2領域シリコンウエハ
103 細孔
200 半導体ウエハ
201 マイクロ細孔
202 薄層
300 支持構造基板
301 正方形の細孔
302 壁
303 犠牲層
304 酸化シリコン層
305 細孔底部領域
306 薄膜
400 ガラス基板
401 マイクロチャネル
402 ガラス層
403 薄層
404 薄膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板層の全体の層厚を貫通していない複数の細孔(301)を有する上記マクロ多孔性の支持構造基板(300)において、上記支持構造基板(300)の細孔壁(302)と細孔底部(305)との表面上に犠牲層(303)を成長させ、
その後、上記支持構造基板(300)の背面側を部分的に除去し、上記支持構造基板(300)の背面側に犠牲層(303)の一領域を露出させ、
上記支持構造基板(300)の背面の表面上、および、上記犠牲層(303)の露出した領域上に、薄層(306)を成長させ、
上記細孔内の上記犠牲層(303)を、薄層(303)に対して選択的に除去して、薄層(306)により細孔底部(305)を形成する、薄層構造の製造方法。
【請求項2】
上記犠牲層(303)を、細孔壁(302)および細孔底部(305)を熱酸化させることによって形成する、請求項1に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項3】
上記犠牲層(303)を、化学気相成長法によって、上記支持構造基板(300)の細孔壁(302)と細孔底部(305)とに成長させる、請求項1に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項4】
上記犠牲層(303)を、原子層エピタキシ法によって、上記支持構造基板(300)の細孔壁(302)と細孔底部(305)とに成長させる、請求項3に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項5】
上記支持構造基板(300)は、シリコン材料から製造されている、請求項1〜4のいずれかに1項に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項6】
上記犠牲層(303)として、特に熱酸化法によって上記支持構造基板(300)の細孔壁(302)と細孔底部(305)とに成長される酸化シリコン層を成長させる、請求項5に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項7】
上記犠牲層(303)として、特にCVD法によって上記支持構造基板(300)の細孔壁(302)と細孔底部(305)とに成長される窒化シリコン層を成長させる、請求項5に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項8】
上記支持構造基板(300)は、Al材料から製造されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項9】
上記犠牲層(303)は、ALD法によって上記支持構造基板(300)の細孔壁(302)と細孔底部(305)とに成長される酸化アルミニウム層である、請求項8に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項10】
上記支持構造基板(300)の背面側の部分的除去を、エッチバック法を用いることによって実施する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項11】
上記薄層(306)を、スパッタ法、または蒸着法、またはプラズマCVD法によって成長させる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項12】
上記薄層(306)として、ダイアモンド薄層を成長させる、請求項11に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項13】
上記薄層(306)として、金属薄層を成長させる、請求項11に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項14】
上記薄層(306)として、複数の部分薄層を有する連続層を成長させる、請求項1〜13のいずれか1項に記載の薄層構造の製造方法。
【請求項15】
上記犠牲層(303)を、エッチングにより選択的に除去する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の薄層構造の製造方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図4E】
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【図4F】
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【公表番号】特表2008−538810(P2008−538810A)
【公表日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−557318(P2007−557318)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000248
【国際公開番号】WO2006/092114
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(506211850)キモンダ アクチエンゲゼルシャフト (110)
【Fターム(参考)】