説明

表示装置及び表示システム

【課題】メニュー情報などを表示する表示装置に電力の供給源を設けないことで、表示装置の軽量化を図る。
【解決手段】電子メニュー表示装置は、複数の表示体を備え、そのうちの1つの表示体は、リーダライタ装置から電力が供給され、その電力を用いて、各々の表示体に対応するページ単位に区分されたデータを、アンテナ部を用いてリーダライタ装置から取得する。複数の表示体の各々は、アンテナ部に供給された電力を用いて、取得されたデータのうち、自表示体に対応するページのデータを取得し、記憶性を有する表示手段に取得したデータに応じた画像を表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報を表示する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
レストランなどの飲食店においては、紙やプラスチックに印刷されたメニューが使用されているが、この場合、提供する料理が変わるたびに新たなメニューを作成しなければならない。そのため、近年では、メニューを電子化して液晶パネルなどに表示させる、いわゆる電子メニュー表示装置が提案されている(特許文献1及び2参照)。
【特許文献1】特開2001−175954号公報
【特許文献2】特開2004−133870号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記特許文献1及び2に記載されているような電子メニュー表示装置には、メニュー情報の表示処理や料理の注文処理などを行う際に用いられる電力を供給するために、大容量のバッテリーや電池が搭載されている。そのため、電子メニュー表示装置が重たくなってしまい、利用客は、その重たい電子メニュー表示装置を持ちながら料理を選ばなければならない。また、電子メニュー表示装置が重たいと、例えば利用客が電子メニュー表示装置をテーブルから落としてしまった場合には、その自重で電子メニュー表示装置が破損したり、場合によっては、落下した電子メニュー表示装置が利用客に接触してけがをさせてしまう恐れもある。
【0004】
本発明は、このような背景に鑑みてなされたものであり、情報を表示する表示装置の軽量化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、複数の表示体を備え、前記複数の表示体のうち少なくとも1つの表示体は、データ供給装置から電力が供給され、当該電力を用いて前記データ供給装置と通信を行う通信手段と、各々の前記表示体に対応するページ単位に区分されたデータを、前記通信手段を用いて前記データ供給装置から取得するデータ取得手段とを備え、前記複数の表示体の各々は、前記通信手段に供給された電力を用いて、前記データ取得手段によって取得されたデータのうち、自表示体に対応するページのデータを取得するページ取得手段と、複数の表示素子を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が用いられ、当該画像が表示された後は、電力が用いられなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、前記通信手段に供給された電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記ページ取得手段によって取得されたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする表示装置を提供する。この構成によれば、情報を表示する表示装置の軽量化を図ることができる。
【0006】
また、本発明は、データ供給装置と、複数の表示体を有する表示装置とを備え、前記データ供給装置は、各々の前記表示体に対応するページ単位に区分されたデータを記憶するデータ記憶手段と、前記複数の表示体のうち少なくとも1つの表示体に電力を供給して当該表示体と通信を行う第1通信手段と、前記第1通信手段を用いて、前記データ記憶手段に記憶されているデータを前記少なくとも1つの表示体に供給するデータ供給手段とを備え、前記少なくとも1つの表示体は、前記第1通信手段から電力が供給され、当該電力を用いて当該第1通信手段と通信を行う第2通信手段と、前記データ供給手段によって供給されるデータを前記第2通信手段を用いて取得するデータ取得手段とを備え、前記複数の表示体の各々は、前記第2通信手段に供給された電力を用いて、前記データ取得手段によって取得されたデータのうち、自表示体に対応するページのデータを取得するページ取得手段と、複数の表示素子を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が用いられ、当該画像が表示された後は、電力が用いられなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、前記第2通信手段に供給された電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記ページ取得手段によって取得されたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする表示システムを提供する。この構成によれば、情報を表示する表示装置の軽量化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の表示装置及び表示システムの実施形態である電子メニュー表示装置を用いた注文システムについて、図面を参照しながら説明する。
[構成]
(注文システムの構成)
図1は、本実施形態に係る注文システム1の全体構成を示す図である。この注文システム1は、例えばレストランなどの飲食店に設置されており、飲食店の料理のメニューを表示する表示システムとしての役割を担う。図に示すように、注文システム1は、管理装置10と、電子メニュー表示装置20と、選択ペン30と、テーブル2の内部に設けられたリーダライタ装置40と、会計装置50とを備えている。管理装置10、リーダライタ装置40及び会計装置50は、LAN(Local Area Network)などのネットワークNを介して接続されている。なお、図示は省略しているが、飲食店には図に示すようなテーブル2が複数あり、電子メニュー表示装置20、選択ペン30及びリーダライタ装置40は、各々のテーブル2毎に設けられている。
【0008】
(管理装置の構成)
図2は、図1に示した管理装置10の構成を示す図である。この管理装置10は、飲食店において調理が行われる厨房などに配置されている。図に示すように、管理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、メモリ12と、記憶部13と、通信部14と、操作部15と、表示部16とを備えている。CPU11は、メモリ12又は記憶部13に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。メモリ12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などを備え、CPU11によって用いられるプログラム等を記憶している。
【0009】
通信部14は、ネットワークNを介して会計装置50やリーダライタ装置40とデータ通信を行う。操作部15は、キーボードとマウスなどの操作子を備え、操作者の操作に応じた信号をCPU11に供給する。CPU11はこの操作に応じた処理を行う。表示部16は、コレステリック液晶や電気泳動などを利用した記憶性表示パネルなどを備え、これらの表示素子がCPU11によって供給されるデータに応じて駆動されることで、画像を表示する。この記憶性表示パネルにおいては、表示素子が駆動されて画像を表示するまでの駆動期間においては電力が必要であるが、その駆動期間が経過して画像が表示された後は、電力が用いられなくてもその画像を表示し続けることができる。これを表示の記憶性という。
【0010】
記憶部13は、ハードディスクなどを備え、CPU11によって用いられるプログラムを記憶している。また、この記憶部13には、料理のメニューを表す複数のメニュー情報Dが記憶されている。例えば、ランチのメニューを表すメニュー情報D、ディナーのメニューを表すメニュー情報D、冬季限定のメニューを表すメニュー情報D、英語でメニューが表記されたメニュー情報Dなどが記憶部13に記憶されている。各メニュー情報Dは、複数のページ単位に区分された構成になっている。ここでは、2種類のページがあり、1つが料理のメニューを表すメニューページであり、もう1つが注文を確認するための注文確認ページであるものとする。
【0011】
このメニュー情報Dには、飲食店の利用客に提供される各々の料理の料理名と、その料理に割り当てられた識別番号である料理番号と、その料理の値段を表す値段情報とが含まれている。料理の料理名と識別番号の少なくともいずれか一方は、商品である各料理を識別する商品識別情報として利用される。また、値段情報は、商品である各料理の対価を表す対価情報として利用される。すなわち、メニュー情報Dには、各々の商品を識別する商品識別情報と、その商品の対価を表す対価情報とが対応付けられて含まれていることになる。さらに、メニュー情報Dに含まれる各料理名には、電子メニュー表示装置20に表示されたときの電子メニュー表示装置20上の2次元座標の座標値が対応付けられている。なお、ここでは、電子メニュー表示装置20に表示されるときの各料理名の位置が予め決められているものとする。
【0012】
(電子メニュー表示装置の構成)
図3は、図1に示した電子メニュー表示装置20の構成を示す平面図である。電子メニュー表示装置20は、複数の表示体21を備えた表示装置である。図3では、電子メニュー表示装置20が4つの表示体21a〜21dで構成されている例を示している。表示体21aと、表示体21b〜21dとは構成が異なっているところがあるので、以下では、これら表示体21a〜21dの共通の構成をまず説明し、その後で、表示体21aの固有の構成について説明する。ただし、以下の説明において表示体21a〜21dを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「表示体21」という。
【0013】
表示体21a〜21dはそれぞれ、記憶性表示パネル22a〜22dと、回路基板23a〜23dとを備えている。以下の説明において、記憶性表示パネル22a〜22dを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「記憶性表示パネル22」という。同様に、回路基板23a〜23dについても、「回路基板23」という。記憶性表示パネル22は、コレステリック液晶や電気泳動などの複数の表示素子を備えている。これらの表示素子が回路基板23から供給されるデータに応じて駆動されることで、記憶性表示パネル22に画像が表示される。この記憶性表示パネル22は、表示の記憶性を有している。したがって、記憶性表示パネル22においては、表示素子が駆動されて画像を表示するまでの駆動期間においては電力が必要であるが、その駆動期間が経過して画像が表示された後は、電力が用いられなくてもその画像を表示し続けることができる。
【0014】
各々の表示体21において、記憶性表示パネル22と回路基板23とは、複数の導線が束ねられたパネル接続部24によって接続されている。これにより、回路基板23から記憶性表示パネル22へとデータ及び電力が供給されるようになっている。また、隣り合う回路基板23の間はそれぞれ、複数の導線が束ねられた基板間接続部25によって連結されている。この基板間接続部25は、電流及びデータが伝送可能であり、例えばFPC(Flexible printed circuits)などのように容易に撓む可撓部材によって構成されている。つまり、各表示体21は、電流及びデータが伝送される可撓部材によって互いに隣り合うように連結されている。
【0015】
表示体21a〜21cはそれぞれ、自表示体の隣にある表示体に対し、基板間接続部25を介してデータ及び電力を供給する。図に示した構成では、各基板間接続部25を介して、表示体21aから表示体21b、表示体21bから表示体21c、表示体21cから表示体21dへと順に、データ及び電力が供給されるようになっている。これにより、各表示体21の間が自在に折り曲がるようになっているので、利用客は、料理のメニューを見たいときは、電子メニュー表示装置20を開いて複数の表示体21が横に並んだ状態とし、メニューを見ないときは、電子メニュー表示装置20を閉じて複数の表示体21が重なった状態にすることができる。
【0016】
回路基板23a〜23dにはそれぞれ、表示体21の各部を制御する制御回路27a〜27dが設けられている。この制御回路27a〜27dは、記憶性表示パネル22の表示素子を駆動して画像を表示させる表示制御などを行う制御手段である。制御回路27a〜27dにはそれぞれ、自回路に接続された記憶性表示パネル22の表示する画像のページ数を記憶するメモリ71a〜71dが設けられている。ここでは、制御回路27aのメモリ71aには、1ページ目を表す「1」というページ数が記憶されており、制御回路27bのメモリ71bには2ページ目を表す「2」というページ数が、制御回路27cのメモリ71cには3ページ目を表す「3」というページ数が、制御回路27dのメモリ71dには4ページ目を表す「4」というページ数が記憶されているものとする。なお、以下の説明において、制御回路27a〜27dやメモリ71a〜71dを特に区別する必要がない場合には、それぞれ「制御回路27」、「メモリ71」という。
【0017】
また、表示体21a〜21dの端部などの所定の複数の位置には、位置検出用ICタグ29a〜29hが設けられている。なお、以下の説明において、位置検出用ICタグ29a〜29hを特に区別する必要がない場合には、これらを総称して「位置検出用ICタグ29」という。位置検出用ICタグ29は、制御部と、メモリと、アンテナ部とを備えており、これらが1チップ化されている。アンテナ部は、導線が巻き回されてなるループアンテナであり、電磁誘導作用を利用して電力の供給を受けるとともに、無線信号を用いて無線通信を行う。制御部は、アンテナ部に供給された電力を用いて、メモリからのデータ読み出しや、アンテナ部を用いたデータ送受信などを行う。メモリには、自身が配置されている位置を表す位置情報が記憶されている。例えば、位置検出ICタグ29aのメモリには、電子メニュー表示装置20の左上に配置されていることを表す「左上」という位置情報が記憶されており、位置検出用ICタグ29bのメモリには、電子メニュー表示装置20の左下に配置されていることを表す「左下」という位置情報が記憶されているといった具合である。すなわち、位置検出ICタグ29は、表示体21の所定の複数の位置にそれぞれ設けられ、その位置を表す位置情報を記憶する位置情報記憶手段である。
【0018】
次に、表示体21aの固有の構成について説明する。
表示体21aの回路基板23aには、上述した制御回路27aのほか、メニュー情報用ICタグ26と、電源回路28とが設けられている。メニュー情報用ICタグ26は、制御部61と、データを記憶するメモリ62と、アンテナ部63とを備えており、これらが1チップ化されている。アンテナ部63は、導線が巻き回されてなるループアンテナであり、電磁誘導による電力の供給を受け、その電力を用いて無線信号による無線通信を行う。制御部61は、アンテナ部63に供給された電力を用いて、メモリ62からのデータ読み出しや、アンテナ部63を用いたデータ送受信などを行う。電源回路28は、メニュー情報用ICタグ26のアンテナ部63に供給された電力の電圧を変圧して、制御回路27a及び記憶性表示パネル22aに供給する。制御回路27aは、電源回路28から供給された電力を、基板間接続部25を介して、表示体21bの制御回路27b及び記憶性表示パネル22bに供給する。以降、表示体21bから表示体21c、表示体21cから表示体21dへと順に電力が供給される。
【0019】
(選択ペンの構成)
図4は、図1に示した選択ペン30の構成を示す図である。この選択ペン30は、利用客によって把持されて利用される入力装置である。利用客は、料理のメニューを注文するときにこの選択ペン30を使用する。図に示すように、選択ペン30の先端には、ペン用ICタグ31が設けられている。このペン用ICタグ31は、上述した電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26と同様に、制御部、メモリ及びアンテナ部を備えている。メモリには、選択ペン30に設けられたペン用ICタグ31であることを特定するためのペン特定情報である「pen」が記憶されている。
【0020】
(リーダライタ装置の構成)
図5は、図1に示したリーダライタ装置40の構成を示す平面図である。このリーダライタ装置40は、電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26に対してデータの書き込みを行うデータ供給装置である。図に示すように、リーダライタ装置40は、電源部41と、通信部42と、CPU43と、メモリ44と、アンテナ部45とを備えている。電源部41は、図示せぬ商用電源に接続されており、リーダライタ装置40の各部に電力を供給する。通信部42は、ネットワークNを介して管理装置10や会計装置50とデータ通信を行う。CPU43は、メモリ44に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。メモリ44は、例えばRAMやフラッシュメモリなどを備え、CPU43によって用いられるプログラムの他に、リーダライタ装置40が設けられたテーブル2を識別するテーブル番号を記憶している。ここでは、「10番」というテーブル番号がメモリ44に記憶されているものとする。また、このメモリ44には、管理装置10から提供されるメニュー情報Dが記憶される。
【0021】
アンテナ部45は、導線が巻き回されてなる複数のループアンテナ45aがマトリックス状に配置されたものである。各ループアンテナ45aは、磁界を発生させて、電磁誘導により電力供給を行うとともに、無線信号を用いて無線通信を行う通信手段である。また、これらのループアンテナ45aには、アンテナ部45の配置面において仮想的に設定された2次元座標の座標値が割り当てられており、各ループアンテナ45aの識別子とともにメモリ44に記憶されている。この座標値は、各ループアンテナ45aの位置情報として用いられる。
【0022】
(会計装置の構成)
図6は、図1に示した会計装置50の構成を示す図である。この会計装置50は、例えば飲食店の出入り口付近など、会計が行われる場所に配置されている。図に示すように、会計装置50は、CPU51と、メモリ52と、通信部53と、操作キー54と、表示部55と、印字部56と、リーダライタ部57とを備えている。CPU51は、メモリ52に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。メモリ52は、ROMやRAMなどを備え、CPU51によって用いられるプログラム等を記憶している。通信部53は、ネットワークNを介して管理装置10やリーダライタ装置40とデータ通信を行う。
【0023】
操作キー54は、会計金額を入力する操作を受け付けて、その操作に応じた信号をCPU51に供給する。飲食店の従業員は、操作キー54を操作して、利用客によって支払われた会計金額を入力する。表示部55は、コレステリック液晶や電気泳動などを利用した記憶性表示パネルなどを備え、これらの表示素子がCPU51によって供給されるデータに応じて駆動されることで画像を表示する。この記憶性表示パネルは、表示の記憶性を有している。印字部56は、サーマルプリンタなどを備え、CPU51によって供給されたデータをレシート紙などに印字する。リーダライタ部57は、リーダライタ部57の各部を制御する制御部と、データを記憶するメモリと、上述したリーダライタ装置40のループアンテナ45aと同様のアンテナ部とを備えている。
【0024】
(料理番号記憶用ICタグの構成)
図1に示したテーブル2には、利用客によって注文された料理の入った食器が運ばれてくる。このとき、各々の料理は、料理毎に決められた食器に入れられて運ばれるようになっている。各食器の底部には、その食器に入れられた料理の識別番号である料理番号を記憶した料理番号記憶用ICタグが取り付けられている。この料理番号は、商品である各料理を識別する商品識別情報として利用される。すなわち、料理番号記憶用ICタグは、商品に取り付けられ、その商品を識別する商品識別情報を記憶する商品識別情報記憶装置である。
【0025】
図7は、食器の一例である皿3の底部に設けられた料理番号記憶用ICタグ70を示す図である。この料理番号記憶用ICタグ70は、上述した電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26と同様に、制御部、メモリ及びアンテナ部を備えており、メモリには、皿3に盛られる料理を識別する料理番号が記憶されている。例えば、皿3がステーキ用の皿である場合には、料理番号記憶用ICタグ70のメモリにはステーキの料理番号である「020」が記憶されているといった具合である。
【0026】
[動作]
次に、注文システム1の動作を説明する。
(メニュー情報の表示)
まず、図8に示すシーケンス図を参照して、メニュー情報を表示するときの動作について説明する。飲食店の従業員は、電子メニュー表示装置20と選択ペン30とを図1に示すようにテーブル2の上に置いた後、管理装置10の操作部15を操作して、メニュー情報選択画面の表示を指示する。管理装置10のCPU11は、この操作に応じて、メニュー情報選択画面を表示部16に表示させる(ステップSA10)。
図9は、このときに表示部16に表示されるメニュー情報選択画面Sを示す図である。図に示すように、このメニュー情報選択画面Sには、記憶部13に記憶されている各メニュー情報Dを選択するための選択ボタンb1〜b6が配置されている。
【0027】
メニュー情報選択画面Sが表示されると、従業員は、操作部15を操作して、所望のメニュー情報Dを選択する。例えば、ディナー料理のメニューを表すメニュー情報Dを選択したい場合、従業員は、操作部15を操作して「ディナーメニュー」という選択ボタンb2を選択する。選択ボタンb2が選択されると、管理装置10のCPU11は、ディナーの料理のメニューを表すメニュー情報Dを記憶部13から読み出し、このメニュー情報Dを通信部14からリーダライタ装置40に送信する(ステップSA20)。
【0028】
図10は、通信部14から送信されるメニュー情報Dのデータ構造Fを示す図である。CPU11は、記憶部13から読み出したメニュー情報Dに基づいて、図に示すような各ページ単位の構造のデータを生成し、これを1ページ分ずつ通信部14からリーダライタ装置40に送信していく。図の例では、データの先頭に「ファイル名」が配置され、続いて「各ページのデータ」が配置され、最後にファイルの終端を表す「EOF」という情報が配置される。ファイル名には、そのデータが何ページ目のデータであるかを表すページ数が含まれている。例えば、メニュー情報Dの1ページ目のデータには、そのページ数である「1」を含む「L1」というファイル名が付けられるといった具合である。同様にして、メニュー情報の2ページ目のデータには「2」を含む「L2」というファイル名が付けられ、3ページ目のデータには「3」を含む「L3」というファイル名が、4ページ目のデータには「4」を含む「L4」というファイル名が付けられる。この場合、通信部14からは、まず「L1」、メニュー情報Dの「1ページ目のデータ」、「EOF」というデータ列が送信され、続いて、「L2」、メニュー情報Dの「2ページ目のデータ」、「EOF」というデータ列、「L3」、メニュー情報Dの「3ページ目のデータ」、「EOF」というデータ列、そして「L4」、メニュー情報Dの「4ページ目のデータ」、「EOF」というデータ列が送信される。
【0029】
管理装置10の通信部14からメニュー情報Dが送信されてくると、リーダライタ装置40のCPU43は、このメニュー情報Dを通信部42によって受信する(ステップSA30)。続いて、CPU43は、受信したメニュー情報Dをメモリ44に記憶させてから、そのメニュー情報Dをアンテナ部45に供給する。すなわち、メモリ44は、複数のページ単位に区分されたデータであるメニュー情報Dを記憶するデータ記憶手段である。続いて、CPU43は、アンテナ部45を用いて、そのメニュー情報Dを表す無線信号を発信させる(ステップSA40)。すなわち、CPU43は、メモリ44に記憶されているメニュー情報Dを電子メニュー表示装置20のすくなくとも1つの表示体21aに供給するデータ供給手段として機能する。このメニュー情報Dには、上述したように、各料理の料理識別情報である料理名及び料理番号と、その料理の対価情報である値段情報とが対応付けられて含まれている。
【0030】
上述したように、電子メニュー表示装置20は、リーダライタ装置40を内蔵したテーブル2の上に置かれている。このとき、表示体21aのメニュー情報用ICタグ26のアンテナ部63は、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発生される磁界内に入っているため、電磁誘導作用によりアンテナ部63に電力が発生する。この電力は、メニュー情報用ICタグ26の各部と電源回路28とに供給される。メニュー情報用ICタグ26の制御部61は、アンテナ部63から供給される電力を用いて、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発信された無線信号をアンテナ部63によって受信する(ステップSA50)。続いて、制御部61は、この無線信号によって表わされるメニュー情報Dをメモリ62に記憶させる。このようにして、表示体21aの制御部61は、リーダライタ装置40から供給される1ページ目から4ページ目までのメニュー情報Dを取得する。すなわち、表示体21aの制御部61は、各々の表示体21に対応するページ単位に区分されたデータを、アンテナ部63を用いてリーダライタ装置40から取得するデータ取得手段として機能する。そして、取得されたメニュー情報Dは全て、表示体21aのメモリ62にいったん記憶されることになる。
【0031】
アンテナ部63から電力が供給されると、電源回路28は、その電力の電圧を各々に適した電圧に変圧して、制御回路27a及び記憶性表示パネル22aに供給する。表示体21aの制御回路27aは、電源回路28から供給された電力を用いて、メモリ62からメニュー情報Dを読み出し、読み出したメニュー情報Dのうち、メモリ71aに記憶されている「1」というページ数を含むファイル名「L1」のデータ、すなわち1ページ目のデータを取得する。そして、制御回路27aは、1ページ目のデータを除いたメニュー情報Dと、電源回路28から供給された電力とを、基板間接続部25を介して表示体21bの制御回路27bに供給する。制御回路27bは、上述した制御回路27aと同様にして、メモリ71bに記憶されているページ数「2」を含むファイル名「L2」のデータを取得し、取得したデータを除いたメニュー情報Dと電力とを次の表示体21cの制御回路27cに供給する。制御回路27cも、同様に、メモリ71bに記憶されているページ数「3」を含むファイル名「L3」のデータを取得し、取得したデータを除いたメニュー情報Dと電力とを次の表示体21dの制御回路27dに供給する。制御回路27dについても同様である。ただし、制御回路27dは、最後のページである4ページ目のデータしか供給されないため、メニュー情報Dを次の制御回路27に供給する処理を行う必要はない。
【0032】
このようにして、各表示体21の制御回路27は、自表示体に対応するページのデータを取得する(ステップSA60)。上述したように、各々の表示体21の制御回路27は、アンテナ部63に供給される電力を用いて動作している。したがって、各表示体21の制御回路27は、アンテナ部63に供給された電力を用いて、上述したステップSA50において取得されたデータのうち、自表示体に対応するページのデータを取得するページ取得手段として機能する。そして、各制御回路27は、取得したデータ以外のデータと電源回路28から供給された電力とを、可撓部材である基板間接続部25を介して、自表示体の隣にある表示体に供給する。
【0033】
続いて、制御回路27a〜27dはそれぞれ、供給された電力を用いて自回路と接続された記憶性表示パネル22の表示素子を駆動し、取得したメニュー情報Dに応じた画像をその記憶性表示パネル22に表示させる(ステップSA70)。これにより、表示体21aの記憶性表示パネル22aにはメニュー情報Dの1ページ目が表示される。同様に、表示体21bの記憶性表示パネル22bには2ページ目が、表示体21cの記憶性表示パネル22cには3ページ目が、表示体21dの記憶性表示パネル22dには4ページ目がそれぞれ表示される。
【0034】
図11は、記憶性表示パネル22a〜22dにメニュー情報Dが表示されている様子を示す図である。図に示すように、このメニュー情報Dにおいては、1〜3ページ目までが料理のメニューを表すメニューページになっており、4ページ目が注文を確認するための注文確認ページになっている。また、メニューページには、「前菜」、「魚料理」、「肉料理」、「デザート」、「ワイン」といった項目毎に、各料理の料理番号、料理名及び値段情報が対応付けられて配置されている。例えば、「前菜」の項目には、「鮮魚テリーヌ」という料理名と、その料理番号である「001」と、その料理の値段情報である「800円」とが対応付けられて配置されている。
【0035】
飲食店の利用客は、着席すると、テーブル2の上に置かれた電子メニュー表示装置20に表示されているメニュー情報Dを見ながら注文する料理を選択する。このとき、例えば利用客が電子メニュー表示装置20をテーブル2から持ち上げると、電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26のアンテナ部63は、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発生された磁界の外に移動させられてしまうので、リーダライタ装置40から電子メニュー表示装置20に対して電力が供給されなくなってしまう。この場合であっても、上述したように記憶性表示パネル22は記憶性を有しているため、記憶性表示パネル22に表示されたメニュー情報Dは消えることなく、表示され続ける。
【0036】
また、電子メニュー表示装置20には、バッテリーや電池などの電源が搭載されていないため、その分だけ軽量に構成されている。したがって、利用客は、電子メニュー表示装置20を持って料理を選択する場合にも、疲労感を感じることがない。また、電子メニュー表示装置20は軽量であるため、たとえ利用客が電子メニュー表示装置20をテーブル2から落下させてしまったとしても、その自重で電子メニュー表示装置20が破損するといったことも少なくなる。
【0037】
(料理の注文)
次に、図12に示すシーケンス図を参照して、料理の注文を受けるときの動作について説明する。
利用客は、電子メニュー表示装置20に表示されているメニュー情報Dを見ながら注文する料理を検討する。注文する料理が決まると、利用客は、まず電子メニュー表示装置20をテーブル2の上に置く。続いて、利用客は、選択ペン30を持ち、注文する料理の料理名が表示されている電子メニュー表示装置20上の位置に選択ペン30の先端を接触させることで、注文する料理を指定する。なお、ここでいう料理名が表示されている位置とは、料理名を表す画像が表示されている位置だけでなく、それを含む所定の領域内の位置をも含むものである。
【0038】
選択ペン30の先端が電子メニュー表示装置20上に接触させられると、電子メニュー表示装置20がリーダライタ装置40上に置かれているため、選択ペン30のペン用ICタグ31のアンテナ部は、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発生された磁界内に入る。これにより、選択ペン30のペン用ICタグ31のアンテナ部には電磁誘導作用によって電力が発生し、ペン用ICタグ61の各部に電力が供給される。また、電子メニュー表示装置20の位置検出用ICタグ29a〜29hの各アンテナ部も、上述したように利用客によってテーブル2の上に置かれることにより、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発生された磁界内に入る。これにより、位置検出用ICタグ29a〜29hの各アンテナ部にも電磁誘導作用による電力が発生し、位置検出用ICタグ29の各部に電力が供給される。
【0039】
選択ペン30のペン用ICタグ31に電力が供給されると、ペン用ICタグ31の制御部は、その電力を用いて、メモリから「pen」というペン特定情報を読み出し、このペン特定情報を表す無線信号をアンテナ部から発信させる。ペン用ICタグ31のアンテナ部から発信された無線信号は、選択ペン30の下方に配置されている、リーダライタ装置40のアンテナ部45を構成するループアンテナ45aのいずれかによって受信される。このようにして、リーダライタ装置40のCPU43は、アンテナ部45を構成する複数のループアンテナ45aのいずれかを用いて、ペン用ICタグ31に記憶されているペン特定情報を読み取ることができる(ステップSB10)。そして、CPU43は、この無線信号を受信したループアンテナ45aの位置情報をメモリ44に記憶させる。すなわち、CPU43は、複数のループアンテナ45aのうちのいずれかを用いて、ペン用ICタグ31に記憶されているペン特定情報を読み取る特定情報読取手段として機能する。
【0040】
一方、電子メニュー表示装置20の位置検出用ICタグ29a〜29hに電力が供給されると、位置検出用ICタグ29a〜29hの各制御部は、供給された電力を用いて、メモリから位置情報を読み出し、読み出した位置情報を表す無線信号をアンテナ部から発信させる。位置検出用ICタグ29a〜29hの各アンテナ部から発信された無線信号は、各位置検出用ICタグ29の下方に配置されている、リーダライタ装置40のアンテナ部45を構成するループアンテナ45aのいずれかによって受信される。リーダライタ装置40のCPU43は、アンテナ部45によって受信された無線信号が表す位置情報と、これらの各位置情報を表す無線信号を受信したアンテナ部45の位置とをメモリ44に記憶させる。このようにして、リーダライタ装置40のCPU43は、アンテナ部45を構成する複数のループアンテナ45aのいずれかを用いて、位置検出用ICタグ29a〜29hに記憶されている位置情報を読み取ることができる(ステップSB20)。すなわち、CPU43は、複数のループアンテナ45aのうちのいずれかを用いて、位置検出用ICタグ29に記憶されている位置情報を読み取る位置情報読取手段として機能する。
【0041】
続いて、リーダライタ装置40のCPU43は、メモリ44に記憶されている各情報に基づいて、選択ペン30を用いて指定された料理名を特定する(ステップSB30)。
図13は、選択ペン30を用いて指定された料理名を特定する方法を説明する図である。ここでは、利用客によって選択ペン30の先端が電子メニュー表示装置20上の位置P1に接触させられた場合を想定する。この場合、上述したステップSB10では、位置P1に配置されているループアンテナ45aによって、「pen」というペン特定情報を表す無線信号が受信される。従って、リーダライタ装置40のCPU43は、選択ペン30の先端が接触した位置P1を、ループアンテナ45aの位置として特定することができる。また、上述したステップSB20では、位置検出用ICタグ29a〜29hの位置Pa〜Phに配置されているループアンテナ45aによって、各々の位置情報を表す無線信号が受信される。例えば、位置検出用ICタグ29aの位置Paに配置されているループアンテナ45aによって、「左上」という位置情報を表す無線信号が受信され、位置検出ICタグ29bの位置Pbに配置されているループアンテナ45aによって、「左下」という位置情報を表す無線信号が受信される。リーダライタ装置40のCPU43は、これらのループアンテナ45aによって受信された無線信号が表す位置情報に基づいて、電子メニュー表示装置20が配置されている位置や向きなどを特定することができる。そして、CPU43は、特定した電子メニュー表示装置20の配置に基づいて、アンテナ部45の配置面に仮想的に割り当てられた座標系を、電子メニュー表示装置20における座標系に変換し、電子メニュー表示装置20において位置P1に表示されている料理名を特定する。
【0042】
つまり、CPU43は、上述したステップSB10においてペン特定情報の読み取りに用いられたループアンテナ45aの位置と、上述したステップSB20において読み取られた位置情報と、その位置情報の読み取りに用いられたループアンテナ45aの位置と、メニュー情報Dが表す画像における各々の料理名の画像の位置とに基づいて、各表示体21に表示されている料理名のうち、利用客により把持された選択ペン30によって指定された料理名を特定する商品識別情報特定手段として機能する。
【0043】
例えば、利用客が、電子メニュー表示装置20上の「ステーキ」という料理名が表示されている位置に選択ペン30の先端を接触させ、さらに、「赤ワイン」という料理名が表示されている位置に選択ペン30の先端を接触させた場合を想定する。この場合、上述したステップSB30では、「ステーキ」という料理名と「赤ワイン」という料理名とが特定される。このようにして、選択ペン30を用いて指定された料理名を特定すると、CPU43は、特定した料理名をメモリ44に記憶させる。これにより、メモリ44には、ステップSB30において特定された料理名である「ステーキ」と「ワイン」とが記憶される。すなわち、メモリ44は、ステップSB30において特定された料理名を記憶する商品識別情報記憶手段として機能する。
【0044】
続いて、リーダライタ装置40のCPU43は、ステップSB30において特定した料理名及びそれに対応する料理番号と、テーブル番号とをメモリ44から読み出し、通信部42から管理装置10に送信する(ステップSB40)。この例では、「020 ステーキ」及び「040 赤ワイン」と、「10番」というテーブル番号とが管理装置10に送信される。管理装置10のCPU11は、これらの情報を通信部14によって受信する(ステップSB50)。そして、CPU11は、受信した料理名及び料理番号とテーブル番号とに基づいて注文リストを作成し、作成した注文リストを表示部16に表示させる(ステップSB60)。
【0045】
図14は、作成された注文リストLが表示部16に表示されている様子を示す図である。注文リストLには、テーブル番号である「10番」と、利用客によって注文された料理を表す「020 ステーキ」及び「040 赤ワイン」と、チェックボックスc1、c2とが対応付けて配置されている。上述したように、管理装置1は厨房に配置されており、厨房で調理を担当している従業員は、管理装置1の表示部16に表示されたこの注文リストLを見ながら、利用客によって注文された料理を調理する。この例では、ステーキが調理されるとともに、赤ワインが準備される。
【0046】
また、リーダライタ装置40のCPU43は、アンテナ部45を用いて、メモリ44に記憶されている料理名、それに対応する料理番号及び値段情報を表す無線信号を発信させる(ステップSB70)。この例では、「020 ステーキ 2,500円」と、「040 赤ワイン 900円」とを表す無線信号が発信される。すなわち、CPU43は、ステップSB30において特定され、メモリ44に記憶されている料理名と料理番号とを電子メニュー表示装置20に供給する商品識別情報供給手段として機能するとともに、その料理名に対応付けられた値段情報を電子メニュー表示装置20に供給する対価情報供給手段として機能する。
【0047】
電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26の制御部61は、アンテナ部63に供給された電力を用いて、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発信された無線信号をアンテナ部63によって受信する(ステップSB80)。そして、制御部61は、受信した無線信号が表す料理名、料理番号及び値段情報を注文確認情報としてメモリ62に記憶させる。すなわち、メニュー情報用ICタグ26の制御部61は、ステップSB70においてリーダライタ装置40によって供給される料理名、料理番号および値段情報を、アンテナ部63を用いて取得する対価情報取得手段として機能する。これにより、メモリ62には、ステップSB30において特定された料理名、料理番号及び値段情報が記憶される。注文確認情報がメモリ62に記憶されると、各制御回路27は、上述と同様にして、基板間接続部25を介して隣の表示体21の制御回路27にこの注文確認情報を供給していく。この注文確認情報は、4ページ目のデータであるので、制御回路27dによって取得される。制御回路27dは、注文確認情報を取得すると、アンテナ部63に供給された電力を用いて、この注文確認情報を記憶性表示パネル22dに表示させる(ステップSB90)。
【0048】
図15は、表示体21dの記憶性表示パネル22dに注文確認情報が表示されている様子を示す図である。図に示すように、この注文確認情報には、利用客によって注文された料理を表す「020 ステーキ 2,500円」及び「040 赤ワイン 900円」と、チェックボックスd1、d2とがそれぞれ対応付けては配置されている。利用客は、この注文確認情報を見ることにより、自分が注文した料理を確認することができる。
【0049】
(料理の配膳)
次に、図16に示すシーケンス図を参照して、料理が配膳されたときの動作について説明する。厨房で調理を担当する従業員によって注文された料理が調理されると、配膳を担当する従業員は、調理された料理を食器に入れてテーブル2へと運ぶ。この例では、調理されたステーキがステーキ用の皿に盛られるとともに、赤ワインが赤ワイン用のグラスに注がれてテーブル2に運ばれる。
【0050】
図17は、ステーキが盛られた皿3と、赤ワインが注がれたグラス4とがテーブル2の上に置かれた様子を示す図である。この皿3の底面には、ステーキの料理番号である「020」を記憶する料理番号記憶用ICタグ70aが設けられており、グラス4の底面には、赤ワインの料理番号である「040」を記憶する料理番号記憶用ICタグ70bが設けられている。このとき、料理番号記憶用ICタグ70a、70bの各アンテナ部は、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発生された磁界内に入る。これにより、料理番号記憶用ICタグ70a、70bの各アンテナ部には電磁誘導作用による電力が発生し、料理番号記憶用ICタグ70a、70bの各部に電力が供給される。また、このとき、電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26のアンテナ部63も、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発生された磁界内に入っているため、上述と同様に、メニュー情報用ICタグ26の各部と電源回路28に電力が供給される。
【0051】
リーダライタ装置40のCPU43は、料理番号記憶用ICタグ70a、70bに電力が供給されると、アンテナ部45を構成する複数のループアンテナ45aのいずれかを用いて、料理番号記憶用ICタグ70a、70bの各メモリに記憶されている料理番号を読み取る(ステップSC10)。すなわち、CPU43は、複数のループアンテナ45aのいずれかを用いて、料理番号記憶用ICタグ70a、70bに記憶されている料理番号を読み取る商品識別情報読取手段として機能する。具体的には、料理番号記憶用ICタグ70a、70bの各制御部は、アンテナ部に供給された電力を用いて、メモリに記憶されている料理番号を表す無線信号をアンテナ部から発信させる。料理番号記憶用ICタグ70a、70bの各アンテナ部から発信された無線信号は、皿3とグラス4が置かれた位置の下方に配置されているリーダライタ装置40のループアンテナ45aによって受信される。リーダライタ装置40のCPU43は、ループアンテナ45aによって受信された無線信号が表す料理番号をメモリ44に記憶させる。この例では、番号記憶用ICタグ70a、70bの各メモリから「020」、「040」という料理番号がそれぞれ読み取られ、メモリ44に記憶される。
【0052】
続いて、リーダライタ装置40のCPU43は、メモリ44に記憶されている料理番号を通信部42から管理装置10に送信する(ステップSC20)。この例では、「020」及び「040」という料理番号が管理装置10に送信される。管理装置10のCPU11は、送信されてきた料理番号を通信部14によって受信する(ステップSC30)。続いて、CPU11は、上述したステップSB60において作成した注文リストに含まれる料理番号と、受信した料理番号のうち互いに一致するものを判別し、一致すると判別された料理番号については、その料理番号に対応付けられたチェックボックスにチェック記号を入力する(ステップSC40)。このチェック記号とは、対応する料理名の料理が提供されたことを表す画像である。
【0053】
この例では、図14に示した注文リストLに含まれる料理番号である「020」及び「040」と、受信した料理番号とがいずれも一致するため、チェックボックスc1、c2にそれぞれチェック記号が入力された状態で表示部16に表示される。これにより、従業員は、テーブル番号が「10番」のテーブル2の利用客によって注文された料理が配膳済みであることを確認することができる。なお、仮にステップSC30において注文リストLに含まれるいずれかの料理Noしか受信されなかった場合には、その料理No以外の料理Noに対応するチェックボックスにはチェック記号が入力されないことになる。この場合、従業員は、チェック記号が入力されていない料理名の料理については、配膳されていないことを把握することができる。
【0054】
また、リーダライタ装置40のCPU43は、アンテナ部45を用いて、上述したステップSC10において読み取った料理番号を表す無線信号をアンテナ部45から発信させる(ステップSC50)。この例では、「020」及び「040」という料理番号を表す無線信号がアンテナ部45から発信される。これにより、ステップSC10において読み取られた料理番号が電子メニュー表示装置20に供給される。電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26の制御部61は、アンテナ部63に供給された電力を用いて、リーダライタ装置40のアンテナ部45から発信された無線信号をアンテナ部63によって受信する(ステップSC60)。そして、制御部61は、アンテナ部63に供給された電力を用いて、受信した無線信号が表す料理番号をメモリ62に記憶させる。上述したように、メニュー情報用ICタグ26の制御部61は、ステップSB70においてリーダライタ装置40から供給される料理番号を取得している。したがって、メニュー情報用ICタグ26の制御部61は、ステップSB70においてリーダライタ装置40から供給される料理番号と、ステップSC50においてリーダライタ装置40から供給される料理番号とを取得する商品識別情報取得手段として機能することになる。
【0055】
続いて、制御回路27aは、アンテナ部63に供給された電力を用いて、この料理番号とメモリ62に記憶されている注文確認情報に含まれる料理番号のうち互いに一致するものを判別し、一致すると判別された料理番号については、その料理番号に対応付けられたチェックボックスにチェック記号を入力する(ステップSC70)。すなわち、制御回路27aは、アンテナ部63に供給された電力を用いて、ステップSB80において取得した料理番号とステップSC60において取得した料理番号のうち互いに一致するものを判別する判別手段として機能する。
【0056】
この例では、図15に示した注文確認情報に含まれる料理番号である「020」及び「040」と、受信した料理番号とがいずれも一致するため、チェックボックスd1、d2にそれぞれチェック記号が入力された状態で表示体21dに表示される。これにより、利用客は、注文した料理が配膳されたことを確認することができる。なお、仮にステップSC60において注文確認情報に含まれるいずれかの料理Noしか受信されなかった場合には、その料理No以外の料理Noに対応するチェックボックスにはチェック記号が入力されないことになる。この場合、利用客は、チェック記号が入力されていない料理名の料理については、配膳されていないことを確認することができる。
【0057】
続いて、制御回路27aは、アンテナ部63に供給された電力を用いて、メモリ62に記憶されている注文確認情報に含まれる各々の値段情報に基づいて、各値段情報が表す値段の合計を算出し、算出した値段の合計を表す会計情報をメニュー情報用ICタグ26のメモリ62に記憶させる(ステップSC80)。すなわち、制御回路27aは、アンテナ部63に供給された電力を用いて、上述したステップSB80において取得された各々の値段情報に基づいて、各値段情報が表す値段の合計を算出する算出手段として機能する。また、メモリ62は、アンテナ部63に供給された電力を用いて、算出された値段の合計を表す会計情報を記憶する会計情報記憶手段である。
【0058】
この例では、ステーキの値段情報である「2,500円」と赤ワインの値段情報である「900円」とに基づいて、2,500円+900円=「3,400円」が算出され、これが会計情報としてメモリ62に記憶される。会計情報がメモリ62に記憶されると、各制御回路27は、上述と同様にして、基板間接続部25を介して隣の表示体21の制御回路27にこの注文確認情報を供給していく。この会計情報は、4ページ目のデータであるため、上述と同様にして制御回路27dによって取得される。制御回路27dは、注文確認情報を取得すると、アンテナ部63に供給された電力を用いて、この会計情報を記憶性表示パネル22dに表示させる。これにより、図15に示した注文確認情報には、この会計情報を表す「会計金額:3,400円」が配置される。
【0059】
(会計)
次に、図18に示すシーケンス図を参照して、利用客によって会計が行われるときの動作について説明する。利用客は、注文した料理を食べ終えると、電子メニュー表示装置20を持って、図1に示した会計装置50の所へ移動する。そして、利用客は、その電子メニュー表示装置20を会計装置50のリーダライタ部57の上に置く。このとき、電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26のアンテナ部63は、会計装置50のリーダライタ部57のアンテナ部から発生された磁界内に入る。これにより、メニュー情報用ICタグ26のアンテナ部63には電磁誘導作用による電力が発生し、上述と同様にして、メニュー情報用ICタグ26の各部と電源回路28に電力が供給される。
【0060】
リーダライタ部57の制御部は、電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26に電力が供給されると、アンテナ部を用いて、このメニュー情報用ICタグ26のメモリ62に記憶されている会計情報を読み取る(ステップSD10)。すなわち、リーダライタ部57の制御部は、アンテナ部を用いて、このメニュー情報用ICタグ26のメモリ62に記憶されている会計情報を読み取る読取手段として機能する。具体的には、リーダライタ部57の制御部は、会計情報の送信を要求する会計情報要求をアンテナ部から発信する。メニュー情報用ICタグ26の制御部61は、アンテナ部63に供給された電力を用いてこの会計情報要求を受信し、この会計情報要求に応じて、メモリ62に記憶されている会計情報である「3,400円」を読み出す。そして、メニュー情報用ICタグ26の制御部61は、アンテナ部63に供給された電力を用いて、この会計情報を表す無線信号をアンテナ部63から発信させる。メニュー情報用ICタグ26のアンテナ部63から発信された無線信号は、リーダライタ部57のアンテナ部によって受信される。リーダライタ部57の制御部は、アンテナ部によって受信された無線信号から「3,400円」という会計情報を取り出す。
【0061】
続いて、会計装置50のCPU51は、この会計情報を表示部55に表示させる(ステップSD20)。これにより、表示部55には、ステップSD10において読み取られた「3,400円」という会計情報が会計金額として表示される。すなわち、表示部55は、ステップSD10において読み取られた会計情報を表示する会計表示手段である。利用客は、会計装置50の表示部55に表示された会計金額を支払う。従業員は、会計装置50の操作キー54を操作して、利用客によって支払われた会計情報を入力するとともに、テーブル番号が「10番」の利用客について清算が完了したことを表す清算完了情報の送信を指示する。
【0062】
会計装置50のCPU51は、この操作に応じて、この清算完了情報を通信部53から管理装置10に送信する(ステップSD30)。会計装置50の通信部53から清算完了情報が送信されてくると、管理装置10のCPU11は、この清算完了情報を通信部14によって受信する(ステップSD40)。清算完了情報を受信すると、CPU11は、この清算完了情報に含まれる「10番」というテーブル番号を含む注文リストの表示を終了させる(ステップSD50)。この例では、図14に示した注文リストLが削除される。
【0063】
このようにして、利用客の清算が完了すると、従業員は、利用客によって会計装置50に移動された電子メニュー表示装置20を回収し、そのメニュー情報用ICタグ26に記憶されているメニュー情報Dを削除した後、再びテーブル2の上に置く。そして、従業員は、上述と同様にして、管理装置10の操作部15を操作して、メニュー情報選択画面の表示を指示する。これにより、電子メニュー表示装置20には図11に示したようなメニュー情報が再び表示される。
【0064】
以上説明した実施形態によれば、メニュー情報を表示する電子メニュー表示装置20にはバッテリーや電池などの電源が搭載されていないため、その分電子メニュー表示装置20が薄くなり、軽量になる。このように電子メニュー表示装置20が軽量化されるため、利用客は、紙媒体に印刷されたメニューの代替として、電子メニュー表示装置20を違和感なく使用することができる。一方、飲食店の従業員も、これらの電子メニュー表示装置20を重ねた状態で保管したり、持ち運んだりすることが容易であるため、便利である。さらに、上述した電子メニュー表示装置20には、電源や高性能のCPUを設ける必要がないため、製造コストも低減することができる。
【0065】
[変形例]
以上が実施形態の説明であるが、この実施形態の内容は以下のように変形し得る。また、以下の変形例を適宜組み合わせてもよい。
(変形例1)
上述した実施形態において、リーダライタ装置40のCPU43は、ペン特定情報を表す無線信号を受信したループアンテナ45aの位置と、位置検出用IDタグから各位置情報を表す無線信号を受信したループアンテナ45aの位置と、メモリ44に記憶されているメニュー情報Dとに基づいて、利用客によって指定された料理名を特定していたが、利用客によって指定された料理名を特定する方法はこれに限らない。
【0066】
例えば、電子メニュー表示装置20の各記憶性表示パネル22上にタッチパネルを設け、このタッチパネルを用いて選択ペン30によって接触された電子メニュー表示装置20上の位置を検出してもよい。この場合、電子メニュー表示装置20のメニュー情報用ICタグ26の制御部61は、検出された位置を表す位置情報を表す無線信号をアンテナ部63から発信させる。このように、タッチパネルを用いて選択ペン30の接触位置を検出する場合には、位置検出用ICタグ29及びペン用ICタグ31を設ける必要がない。ただし、この場合には、タッチパネルを駆動させるために、電子メニュー表示装置20に対してより多くの電力を供給する必要がある。
【0067】
また、上記変形例では、リーダライタ装置40のCPU43が選択ペン30のペン用ICタグ31からペン特定情報を読み取る必要がないため、電子メニュー表示装置20とリーダライタ装置40とが有線で情報をやりとりしてもよい。この場合、電子メニュー表示装置20とリーダライタ装置40には、それぞれ例えばUSB(Universal Serial Bus)規格に従って通信を行う通信部が設けられ、電子メニュー表示装置20は、USBバスパワーを利用してリーダライタ装置40から電力の供給を受け、供給された電力を用いて上述した各種の処理を行う。
【0068】
(変形例2)
上述した実施形態において、管理装置10の記憶部13に記憶されているメニュー情報Dは、従業員による操作部15の操作に従って、変更されてもよい。また、表示部16上にタッチパネルが設けられている場合には、従業員によるタッチパネルの操作に従って、メニュー情報Dが変更されてもよい。この場合、従業員は、スタイラスペンなどを用いてタッチパネル上に情報を書き込むことにより、手書きの情報を追加することもできる。これにより、料理のメニューが変更された場合にも、メニュー情報の変更を簡単に行うことができる。
【0069】
(変形例3)
上述した実施形態では、管理装置10の表示部16および会計装置50の表示部55が記憶性表示パネルを備えている例を挙げて説明したが、これらの表示部16、55に常時電力を供給することができる場合には、表示部16、55が記憶性表示パネルに代えて液晶ディスプレイを備えていてもよい。
【0070】
(変形例4)
上述した実施形態では、位置検出用ICタグ29、ペン用ICタグ31、料理番号記憶用ICタグ70が設けられている例を挙げて説明したが、これらのICタグに代えて、バーコードや2次元コードなどが用いられてもよい。
【0071】
(変形例5)
上述した実施形態では、表示体21aの回路基板23aのみに、メニュー情報用ICタグ26と電源回路28とが設けられていたが、これに限らない。例えば、表示体21aと表示体21dの各回路基板23a、23dにメニュー情報用ICタグ26と電源回路28とが設けられていてもよいし、全ての表示体21a〜21dの回路基板23にメニュー情報用ICタグ26と電源回路28とが設けられていてもよい。
【0072】
(変形例6)
上述した実施形態において、電子メニュー表示装置20の制御部61や制御回路27a〜27dによって行われる処理は、CPUがプログラムに従って実行してもよい。この場合、電子メニュー表示装置20のCPU、管理装置10のCPU11、リーダライタ装置5のCPU43、会計装置50のCPU51によって実行される各プログラムは、磁気テープや磁気ディスクなどの磁気記録媒体、光ディスクなどの光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどの、コンピュータ装置が読み取り可能な記録媒体に記憶された状態で提供し得る。また、このプログラムを、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードさせることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】本実施形態に係る注文システムの構成を示す図である。
【図2】上記注文システムの管理装置の構成を示す図である
【図3】上記注文システムの電子メニュー表示装置の構成を示す平面図である。
【図4】上記注文システムの選択ペンの構成を示す図である。
【図5】上記注文システムのリーダライタ装置の構成を示す平面図である。
【図6】上記注文システムの会計装置の構成を示す図である。
【図7】上記注文システムの料理番号記憶用ICタグを示す図である。
【図8】メニュー情報を表示する処理を示すシーケンス図である。
【図9】メニュー情報選択画面を示す図である。
【図10】メニュー情報のデータ構造を示す図である。
【図11】メニュー情報が表示されている様子を示す図である。
【図12】料理の注文を受けるときの処理を示すシーケンス図である。
【図13】注文された料理名を特定する方法を説明する図である。
【図14】注文リストが表示されている様子を示す図である。
【図15】注文確認情報が表示されている様子を示す図である。
【図16】料理が配膳されたときの処理を示すシーケンス図である。
【図17】皿とグラスとがテーブルの上に置かれた様子を示す図である。
【図18】会計が行われるときの処理を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0074】
1…注文システム、10…管理装置、11…CPU、12…メモリ、13…記憶部、14…通信部、15…操作部、16…表示部、20…電子メニュー表示装置、21…表示体、22…記憶性表示パネル、23…回路基板、24…パネル接続部、25…基板間接続部、26…メニュー情報用ICタグ、61…制御部、62…メモリ、63…アンテナ部、27…制御回路、71…メモリ、28…電源回路、29…位置検出用ICタグ、30…選択ペン、31…ペン用ICタグ、40…リーダライタ装置、41…電源部、42…通信部、43…CPU、44…メモリ、45…アンテナ部、45a…ループアンテナ、50…会計装置、51…CPU、52…メモリ、53…通信部、54…操作キー、55…表示部、56…印字部、57…リーダライタ部、70…料理番号記憶用ICタグ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の表示体を備え、
前記複数の表示体のうち少なくとも1つの表示体は、
データ供給装置から電力が供給され、当該電力を用いて前記データ供給装置と通信を行う通信手段と、
各々の前記表示体に対応するページ単位に区分されたデータを、前記通信手段を用いて前記データ供給装置から取得するデータ取得手段とを備え、
前記複数の表示体の各々は、
前記通信手段に供給された電力を用いて、前記データ取得手段によって取得されたデータのうち、自表示体に対応するページのデータを取得するページ取得手段と、
複数の表示素子を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が用いられ、当該画像が表示された後は、電力が用いられなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、
前記通信手段に供給された電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記ページ取得手段によって取得されたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる制御手段とを備える
ことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
各々の前記表示体は、可撓部材によって互いに隣り合うように連結されており、
前記表示体は、前記データ取得手段によって取得されたデータのうち、自表示体の前記ページ取得手段によって取得されるデータ以外のデータと、前記通信手段に供給された電力とを、前記可撓部材を介して、自表示体の隣にある表示体に供給する
ことを特徴とする請求項1記載の表示装置。
【請求項3】
データ供給装置と、複数の表示体を有する表示装置とを備え、
前記データ供給装置は、
各々の前記表示体に対応するページ単位に区分されたデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記複数の表示体のうち少なくとも1つの表示体に電力を供給して当該表示体と通信を行う第1通信手段と、
前記第1通信手段を用いて、前記データ記憶手段に記憶されているデータを前記少なくとも1つの表示体に供給するデータ供給手段とを備え、
前記少なくとも1つの表示体は、
前記第1通信手段から電力が供給され、当該電力を用いて当該第1通信手段と通信を行う第2通信手段と、
前記データ供給手段によって供給されるデータを前記第2通信手段を用いて取得するデータ取得手段とを備え、
前記複数の表示体の各々は、
前記第2通信手段に供給された電力を用いて、前記データ取得手段によって取得されたデータのうち、自表示体に対応するページのデータを取得するページ取得手段と、
複数の表示素子を有し、当該表示素子が駆動されて画像を表示するまでの期間においては電力が用いられ、当該画像が表示された後は、電力が用いられなくても当該画像を表示し続ける表示手段と、
前記第2通信手段に供給された電力を用いて前記表示手段の表示素子を駆動し、前記ページ取得手段によって取得されたデータに応じた画像を当該表示手段に表示させる制御手段とを備える
ことを特徴とする表示システム。
【請求項4】
利用者によって把持され、自装置を特定する特定情報を記憶した入力装置を備え、
前記データ記憶手段に記憶されているデータには、各々の商品を識別する商品識別情報の画像を表すデータが含まれており、
前記表示装置は、前記表示体の所定の複数の位置にそれぞれ設けられ、当該位置を表す位置情報を記憶する複数の位置情報記憶手段を備え、
前記データ供給装置は、
複数の前記第1通信手段と、
前記複数の第1通信手段のうちのいずれかを用いて、前記入力装置に記憶されている前記特定情報を読み取る特定情報読取手段と、
前記複数の第1通信手段のうちのいずれかを用いて、前記位置情報記憶手段に記憶されている前記位置情報を読み取る位置情報読取手段と、
前記特定情報の読み取りに用いられた前記第1通信手段の位置と、前記位置情報読取手段によって読み取られた前記位置情報と、当該位置情報の読み取りに用いられた前記第1通信手段の位置と、前記データが表す画像における各々の前記商品識別情報の画像の位置とに基づいて、前記表示体に表示されている前記商品識別情報のうち、利用者により把持された前記入力装置によって指定された商品識別情報を特定する商品識別情報特定手段と、
前記商品識別情報特定手段によって特定された商品識別情報を記憶する商品識別情報記憶手段とを備える
ことを特徴とする請求項3記載の表示システム。
【請求項5】
商品に取り付けられ、当該商品を識別する商品識別情報を記憶する商品識別情報記憶装置を備え、
前記データ供給装置は、
前記第1通信手段を用いて、前記商品識別情報記憶手段に記憶されている商品識別情報を第1の商品識別情報として前記表示装置に供給する第1の商品識別情報供給手段と、
前記複数の第1通信手段のいずれかを用いて、前記商品識別情報記憶装置に記憶されている商品識別情報を読み取る商品識別情報読取手段と、
前記第1通信手段を用いて、前記商品識別情報読取手段によって読み取られた商品識別情報を第2の商品識別情報として前記表示装置に供給する第2の商品識別情報供給手段とを備え、
前記表示装置は、
前記第1の商品識別情報供給手段によって供給される第1の商品識別情報と、前記第2の商品識別情報供給手段によって供給される第2の商品識別情報とを、前記第2通信手段を用いて取得する商品識別情報取得手段と、
前記第2通信手段に供給された電力を用いて、前記商品識別情報取得手段によって取得された第1の商品識別情報と第2の商品識別情報のうち互いに一致するものを判別する判別手段とを備え、
前記表示装置の前記制御手段は、前記判別手段によって判別された商品識別情報の表す商品が提供されたことを表す画像を前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項4記載の表示システム。
【請求項6】
会計装置を備え、
前記データ供給装置のデータ記憶手段に記憶されているデータには、各々の商品を識別する商品識別情報と、当該商品の対価を表す対価情報とが対応付けられて含まれており、
前記データ供給装置は、
前記第1通信手段を用いて、前記商品識別情報記憶手段に記憶されている各々の商品識別情報に対応付けられた各対価情報を前記表示装置に供給する対価情報供給手段を備え、
前記表示装置は、
前記データ供給装置の前記対価情報供給手段によって供給される各々の対価情報を、前記第2通信手段を用いて取得する対価情報取得手段と、
前記第2通信手段に供給された電力を用いて、前記対価情報取得手段によって取得された各々の対価情報に基づいて、各対価情報が表す対価の合計を算出する算出手段と、
前記第2通信手段に供給された電力を用いて、前記算出手段によって算出された対価の合計を表す会計情報を記憶する会計情報記憶手段とを備え、
前記会計装置は、
前記表示装置に電力を供給し、当該表示装置と通信を行う第3通信手段と、
前記第3通信手段を用いて、前記表示装置の前記会計情報記憶手段に記憶されている会計情報を読み取る読取手段と、
前記読取手段によって読み取られた会計情報を表示する会計表示手段とを有する
ことを特徴とする請求項4又は5記載の表示システム。
【請求項7】
前記第1、第2及び第3通信手段は、電磁誘導による電力授受及び無線通信を行う
ことを特徴とする請求項3乃至6のいずれかに記載の表示システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2009−192904(P2009−192904A)
【公開日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−34454(P2008−34454)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】