複合ウェブ及びその製造方法
キャリアウェブに取り付けられた構造化ウェブを有する複合ウェブ、及び複合ウェブを製造する方法が開示される。構造化ウェブは、構造化ウェブから突き出る複数個の構造体を包含してもよい。この方法は、溶融ポリマー組成物を、外側表面の中に形成された複数個のくぼみを包含する形成ツールの外側表面上に供給することを伴ってもよい。溶融ポリマーは、形成ツールの外側表面の中のくぼみに入り、その中で固化されて、複数個の構造体がくぼみの形状に形成される。ポリマー組成物の表面薄層はくぼみの間に伸びてもよく、その結果、形成ツール上に形成された構造化ウェブは、構造体に接続する表面薄層を包含する。構造化ウェブは、ポリマー組成物の固化後、キャリアウェブと構造化ウェブとの間に位置する接着剤を使用して、構造化ウェブをキャリアウェブに接着することにより、形成ツールから取り外される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ウェブ、及び複合ウェブを製造する方法に関する。複合ウェブは、構造化ウェブと共にキャリアウェブを包含し、構造化ウェブは、キャリアウェブの少なくとも1つの主表面に取り付けられた複数個のポリマー構造体を包含する。
【背景技術】
【0002】
下層基材に補強及び/又は弾性構成要素の取り付けを必要とする複合ウェブの製造は、多くの異なる取り組みにおける主題である。補強が、全基材にわたって提供される場合もあるが、こうした取り組みは、不必要な費用及び/又は複合ウェブに重量を加える可能性がある。こうした構成がまた、複合ウェブの全表面にわたって剛性を増す場合がある。
【0003】
基材上に不連続ポリマー構造体を提供する多様な取り組みについては、例えば、米国特許出願公開第2003/0085485 A1号、名称「構造化不連続ポリマー領域を有する複合ウェブのためのシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR COMPOSITE WEBS WITH STRUCTURED DISCRETE POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2003/0087098 A1号、名称「補強ポリマー領域及び弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH REINFORCING POLYMERIC REGIONS AND ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2003/0084996 A1号、名称「補強不連続ポリマー領域を有する複合ウェブを製造するための方法(METHODS FOR PRODUCING COMPOSITE WEBS WITH REINFORCING DISCRETE POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2003/0087059 A1号、名称「不連続弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH DISCRETE ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2004/0178544 A1号、名称「ポリマー転移装置、方法、及び複合ウェブ(POLYMER TRANSFER APPARATUS, METHODS, AND COMPOSITE WEBS)」(2003年3月13日出願);及び米国特許出願公開第2004/0180186号、名称「複合ウェブ及び閉鎖システム(COMPOSITE WEBS AND CLOSURE SYSTEMS)」(2003年12月22日出願)に開示されているが、これらの取り組みは、ロール温度、基材の組成などのような特定の観点に限定されている場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、キャリアウェブに取り付けられた構造化ウェブを有する複合ウェブ、及び複合ウェブを製造する方法を提供する。構造化ウェブは、好ましくは、構造化ウェブから突き出る複数個の構造体を包含する。
【0005】
方法は、好ましくは、溶融ポリマー組成物を、外側表面の中に形成された複数個のくぼみを包含する形成ツールの外側表面上に供給することを伴ってもよい。溶融ポリマーは、形成ツールの外側表面の中のくぼみに入り、その中で固化されて、複数個の構造体がくぼみの形状に形成される。ポリマー組成物の表面薄層は、好ましくは、くぼみの間に広がり、その結果、形成ツール上に形成された構造化ウェブは、構造体に接続する表面薄層を包含する。構造化ウェブは、ポリマー組成物の固化後、キャリアウェブと構造化ウェブとの間に位置する接着剤を使用して、構造化ウェブをキャリアウェブに接着することにより、形成ツールから取り外される。
【0006】
構造化ウェブの複数個の構造体に相互接続する表面薄層が、構造体自体の厚さに比べて相対的に薄いことが好ましい場合がある。結果として、表面薄層は特に脆弱である場合がある。構造化ウェブが、その形成中に、及び、形成ツールの外側表面からのその取り外し中に、緩和した状態で保持されることが、本発明の方法では好ましい場合がある。本明細書で使用されるとき、「緩和した」とは、構造化ウェブが張力(溶融状態から硬化する結果として物体にもたらされる場合がある内部応力以外の)下にないことを意味する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明の複合ウェブの構造化ウェブは、例えば、キャリアウェブ(及び、存在する場合はカバーウェブ)が弾性特性を示さないか、又はそれほど十分には示さない複合ウェブに、弾性を提供するために包含される場合がある。こうした複合ウェブでは、構造化ウェブ中の構造体は、キャリアウェブに取り付けられたときに、好ましくは弾性を示す場合があり、その結果複合ウェブは全体として弾性を示す。本明細書で使用されるとき、用語「弾性」(及びその変形)は、問題の物品(例えば、複合ウェブ、又は構造化ウェブ中の構造体)が引き伸ばされた後に、その元の形状の有意な部分を実質的に回復することを意味する。複合ウェブの弾性部分の回復が、適度の引き伸ばしの結果として経験した伸長(例えば、元の長さの約150%の最大伸長を経る)の少なくとも20%であることは、好ましい場合がある。
【0008】
本発明の複合ウェブの構造化ウェブは、好ましくは、熱可塑性ポリマー組成物を使用して形成されてもよい。本発明と関連して使用されるとき、「熱可塑性物質」(及びその変形)とは、熱に曝露されたときに軟化し、室温に冷却されたときにその元の状態又はその元の状態近くに戻るポリマー又はポリマー組成物を意味する。本発明の方法と関連して使用されるポリマー組成物は、好ましくは、本明細書に記載されるように、形成ツール中のくぼみの中に流入する又は入ることができる。
【0009】
構造化ウェブを形成してキャリアウェブに転移するために使用される形成ツールを、ポリマー組成物の溶融加工温度より低く維持することにより、形成ツールに適用された溶融ポリマー組成物は、ポリマー組成物により形成された構造化ウェブが形成ツールから取り外される前に、固化(又は凍結)されることができる。構造化ウェブのポリマー組成物は、キャリアウェブに取り付けられる前に固化されるため、構造化ウェブのポリマー組成物は、キャリアウェブの多孔質表面を湿潤する可能性もなく、又は、繊維状キャリアウェブのいずれかの繊維を封入する可能性もない。また、構造化ウェブの固化されたポリマー組成物が、非多孔質又は非繊維状のキャリアウェブのポリマーと混ざる可能性もない。
【0010】
構造化ウェブを形成ツールから取り外す前に、構造化ウェブのポリマー組成物を固化することが、例えば、構造化ウェブが形成ツールから引き離されるときに発揮される力によって、キャリアウェブの残りから分離し得る繊維状の構成(例えば、織布、不織布、又はニット繊維)をキャリアウェブが包含する場合に、キャリアウェブの内部結合力及び/又はキャリアウェブの引張り強度に関する懸念を減らし得る。取り外し前に構造化ウェブ中のポリマー組成物を固化又は凍結することが、好ましくは、構造化ウェブが形成ツールから取り外されるときにキャリアウェブ上に発揮されるいずれかの力を低減する場合がある。
【0011】
本発明の接着転移及び取り付けプロセスの潜在的利点は、結果として生じる複合ウェブが、構造体をキャリアウェブに取り付けるために溶融ポリマーが使用される複合ウェブより、可撓性が大きい場合があることである。改善された可撓性が、本発明の構造化ウェブのポリマーが取り付けプロセス中に溶融しない、又はキャリアウェブの表面を湿潤しないために提供される場合がある。
【0012】
弾性を示すように設計された複合ウェブの場合には、本発明の接着転移及び取り付け方法の別の潜在的利点が、キャリアウェブのより均一な伸長又は伸張において見出される場合がある。溶融ポリマーが、キャリアウェブの多孔質表面を湿潤する又はキャリアウェブの表面上の繊維を封入する複合ウェブでは、下層の多孔質又は繊維状キャリアウェブの伸長は阻害される場合がある。対照的に、本発明による構造化ウェブのキャリアウェブへの接着が、取り付けられた構造化ウェブの構造体の下に横たわるキャリアウェブの部分でさえ、複合ウェブが引き伸ばされるときに伸長できるようにする場合がある。
【0013】
本発明の接着転移及び取り付け方法の別の潜在的利点は、構造化ウェブの取り付け後も、キャリアウェブがその強度を保つ場合があることである。溶融ポリマーにより形成された構造体の取り付けについて、多孔質キャリアウェブを湿潤する又は繊維状キャリアウェブの繊維を封入する溶融ポリマーに頼る複合ウェブでは、下層のキャリアウェブの引張り強度は、キャリアウェブに融合されたポリマー構造体の縁部では低減される場合がある。
【0014】
本発明の方法の更に別の潜在的利点は、構造体をキャリアウェブに取り付ける能力であり、その場合構造体は、構造体をキャリアウェブに供給する(構造化ウェブの一部として)ために使用される形成ツール中のくぼみにより画定される、選択された形状を有する。構造化ウェブの構造体の形状についての制御は、それらの構造体と関連した機械的特性(例えば、弾性、強度、大きさなど)について改善された制御を提供する場合がある。
【0015】
本発明の方法の更に別の潜在的利点は、構造化ウェブの構造体をキャリアウェブの表面上の選択された配置において提供する能力である。その選択された配置は、形成ツール上のくぼみの対応する配置によって画定され、並びに構造体及び結び付いた表面薄層の取り外し及び取り付けの間に維持されるが、これは、取り外しが形成ツールからキャリアウェブへと直接に達成される(その間構造化ウェブは、好ましくは、緩和した状態に維持される)ためである。
【0016】
1つの態様では、本発明は、複合ウェブを連続プロセスで形成するための方法を提供する。この方法は、溶融ポリマー組成物を形成ツールの外側表面上に供給することであって、溶融ポリマー組成物が、外側表面の中に形成された複数個のくぼみに入り、溶融ポリマー組成物の表面薄層が、形成ツールの外側表面上で複数個のくぼみの間に広がることと、溶融ポリマー組成物を表面薄層中及び形成ツール上の複数個の不連続なくぼみ内で固化することにより、構造化ウェブを形成ツール上に形成することであって、構造化ウェブが、複数個のくぼみの形状に形成された複数個の構造体と、複数個の構造体と相互接続する表面薄層とを含むことと、構造化ウェブが形成ツールの上で緩和した状態にある間に、形成された構造化ウェブを形成ツールから取り外すことであって、取り外すことが、表面薄層と複数個の構造体とをキャリアウェブの第1主表面に、キャリアウェブの第1主表面に露出した接着剤を使用して接着することを含むことと、を備え、キャリアウェブ及びそこに接着された構造化ウェブは、不定長を有する複合ウェブを形成する。
【0017】
別の態様では、本発明は、伸張性キャリアウェブと、構造化ウェブであって、キャリアウェブの第1主表面に、キャリアウェブの第1主表面と構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着され、構造化ウェブが、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を有する、構造化ウェブと、を包含する弾性複合ウェブを提供し、複数個の構造体の構造体は弾性挙動を示し、複数個の構造体は、キャリアの第1主表面上で選択された配置にあり、構造化ウェブは、キャリアウェブの第1主表面上で緩和した状態にある。
【0018】
別の態様では、本発明は、キャリアウェブと、構造化ウェブであって、キャリアウェブの第1主表面に、キャリアウェブの第1主表面と構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着され、構造化ウェブが、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を有する、構造化ウェブと、を包含する複合ウェブを提供し、複数個の構造体は、1ミリメートル以下の厚さを有し、表面薄層は、50マイクロメートル以下の厚さを有し、複数個の構造体は、キャリアの第1主表面上で選択された配置にあり、及び構造化ウェブは、キャリアウェブの第1主表面上で緩和した状態にある。
【0019】
本発明のこれらの及び他の特徴並びに利点が、本発明の様々な、例示的実施形態に関連して以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】キャリアウェブに接着された構造化ウェブを包含する、複合ウェブの1つの実施例の断面図。
【図2】取り付けられた構造化ウェブを有する、図1の複合ウェブの1つの主表面の平面図。
【図3】構造化ウェブが取り付けられた主表面の一部分のみの上に接着剤が位置する、代替的複合ウェブの断面図。
【図4】取り付けられたカバーウェブを包含し、キャリアウェブとカバーウェブとの間に位置する構造化ウェブを有する、別の複合ウェブの断面図。
【図5】本発明の方法により、構造化ウェブを形成するため及び構造化ウェブをキャリアウェブに取り付けるために使用されてもよい、1つのポリマー転移システムの図。
【図6】図5のシステムにおける、ドクターブレードと形成ロール上のくぼみとの間の1つの関係を描写する、拡大概略図。
【図7】複数のポリマー組成物の使用に関連して、形成ツール及び溶融ポリマー供給源の図。
【図8】キャリアウェブに取り付けられた構造化ウェブ中の構造体であって、構造体がその中に形成された開口部を包含する構造体の1つの実施例の平面図。
【図9】図8の構造体を形成するために使用され得る形成ツールの表面中のくぼみの平面図。
【図10】図9の線10−10に沿って取られた、図9のくぼみの断面図。
【図11】本発明による複合ウェブを組み込む場合がある、おむつの形態の代表的な物品の図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述のように、本発明は、キャリアウェブの表面に接着された構造化ウェブを包含する複合ウェブを提供する。複合ウェブは、溶融ポリマー組成物が形成ツールの表面に供給され、そこで溶融ポリマー組成物が形成ツール中のくぼみに入り、形成ツールの外側表面に広がるという方法を使用して好ましくは形成される。固化した後、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の表面薄層によって接続される構造体を包含する構造化ウェブを形成する。構造化ウェブは、構造化ウェブがその形成及びキャリアウェブへの転移の間に、好ましくは緩和した状態のままにあるプロセスにおいて、形成ツールから取り外され、キャリアウェブの主表面に接着される。
【0022】
本発明による複合ウェブ及びそれらを製造する方法の様々な実施形態を説明するために、これから様々な例示的複合ウェブが記載される。これらの例示的実施形態は、本発明を限定するものと考えられるべきではなく、本発明は、後に続く請求項によってのみ限定される。
【0023】
図1は、本発明により製造された1つの複合ウェブの一部分の断面図である。複合ウェブは、第1主表面12及び第2主表面14を有するキャリアウェブ10を包含する。キャリアウェブ10は、好ましくは、主表面に沿って測定されるいずれの寸法よりも著しく小さい、主表面間で測定された厚さを有する、2つの主表面を有するシート又はフィルムの形態である。
【0024】
本明細書で記載されるウェブは、「不定長」を有すると言われる場合があるが、これは、本明細書で使用されるとき、ロールで保存されて加工のために巻き戻される材料を使用するときに起こるように、ウェブの長さが、幅より著しく長いことを意味する。例えば、不定長を有するウェブが、ウェブの幅の100倍以上、好ましくは1000倍以上の長さを有する(その場合、幅は長さに対して横に伸びている)ことが好ましい場合がある。
【0025】
複合ウェブはまた、複数個の不連続な構造体22及び構造体22に接続する表面薄層24を有する構造化ウェブ20を包含する。構造化ウェブ20は、キャリアウェブ10の第1主表面12に接着されている。例えば、構造化ウェブ20とキャリアウェブ10との間の接触を高めるために、構造化ウェブ20の構造体22及び表面薄層24が、キャリアウェブ10の主表面12に面する平面を提供することが好ましい場合がある。キャリアウェブ10の主表面12から見て外方に向く構造化ウェブ20の表面は、相互接続する表面薄層24の上に構造体22が突き出る結果として、成形された輪郭(即ち、平らでない輪郭)を好ましくは有する場合がある。
【0026】
構造化ウェブ20は、構造体22及び接続する表面薄層24の相対的な厚さに基づいて特徴付けられる場合がある。例えば、弾性構造化ウェブ中の構造体22が、250マイクロメートル(約0.010インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。範囲の下端では、弾性構造化ウェブ中の構造体22が、75マイクロメートル(約0.003インチ)以上の厚さを有することが好ましい場合がある。構造体22が、非エラストマーのポリマーから構築される場合には、それらがより厚くなる場合がある。例えば、非弾性構造化ウェブ中の構造体22が、1ミリメートル(約0.040インチ)以下、場合によっては0.5ミリメートル(約0.020インチ)以下、又は更には250マイクロメートル(約0.010インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。
【0027】
本発明の構造化ウェブ中の構造体22に接続する表面薄層24は、構造体22より薄い。表面薄層24が、本発明の複合ウェブにおいていずれかの有意な構造機能を果たさない場合があるため、表面薄層24ができるだけ薄いことが好ましい場合があり、例えば、表面薄層24が、10マイクロメートル(約0.0005インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。場合によっては、表面薄層24は、50マイクロメートル(約0.002インチ)以下の厚さであってもよい。
【0028】
構造体22及び表面薄層24の相対的な厚さは、場合によっては、比及び最大厚さの両方によって特徴付けられる場合がある。例えば、構造体の厚さと表面薄層の厚さとの比が、5:1以上、又は更には10:1以上であることが好ましい場合がある。同時に、表面薄層24が10マイクロメートル(約0.0005インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。
【0029】
構造体22又は表面薄層24の両方の厚さは、キャリアウェブ10(及びその表面12)が平らな配置にあるときには、キャリアウェブ10の表面12に垂直に好ましくは測定される。図1に描写される図では、例えば、構造体22及び表面薄層の厚さは、ページ上をほぼ鉛直に走る線に沿って測定されることになる。構造体について、本明細書で論じられる厚さの測定は、公称最大厚さである(構造体は、それらが構造化ウェブ上に占有する区域(the are)にわたって、不変の均一厚さを有しなくてもよいと理解されている)。
【0030】
本明細書で論じられるように、表面薄層24の厚さは、できるだけ小さいことが好ましい場合がある。多くの場合、表面薄層24は、非常に薄い場合があるため、構造化ウェブ20が上に形成されたツールから、構造化ウェブ20が取り外される場合(本発明の方法による場合を除いて、即ち、表面薄層24に、接着剤を有するキャリアウェブで接触して、表面薄層24及びそれが相互接続する構造体22が、完全に緩和した状態で形成ツールから取り外されるという場合を除いて)、限られた張力のみに耐えることができる。加えて、表面薄層24は非常に薄い場合があるため、例えば、複合ウェブに伸張性を付与するために、ウェブ処理プロセスにおいて、表面薄層24が接着された下層のキャリアウェブ10が引き伸ばされる、ないしは別の方法で張力下に置かれる場合に、表面薄層24は壊れるか又は破断する可能性がある。
【0031】
構造化ウェブ20のキャリアウェブ10への接着は、第1主表面12と構造化ウェブ20との間に好ましくは位置する接着剤30により提供される。キャリアウェブ10の表面12への取り付けの前に、構造化ウェブ20は形成ツール上で好ましくは完全に固化するため、構造化ウェブ20が形成されるポリマー組成物は、キャリアウェブ10のいずれの部分も湿潤せず、又はキャリアウェブ10の表面12上に位置するいずれの繊維も封入しない。
【0032】
接着剤30は、図1においてキャリアウェブ10の第1主表面12と同一の広がりを持つ層として描写されているが、接着剤30は、キャリアウェブ10の第1主表面12と必ずしも同一の広がりを持つとは限らない場合もあることは理解されるべきである。本発明の方法において使用される接着剤(1種又は複数種)は、単一の接着剤であることもできるし(図1に描写されるように)、又は2つ以上の接着剤の組み合わせ若しくはブレンドであることもできる。接着剤(1種又は複数種)は、キャリアウェブの主表面に、例えば、溶媒コーティング、スクリーン印刷、ローラー印刷、溶融押出コーティング、溶融噴霧、ストライプコーティング、ラミネートプロセスなどのいずれかの好適な技術を使用して適用されてもよい。
【0033】
図2は、構造化ウェブの、取り付けられた構造体22及び表面薄層24を有する、キャリアウェブ10の一部分の第1主表面12の平面図である。キャリアウェブ10(及び、結果として生じる複合ウェブ)が、長手方向軸11に沿って不定長、及び長手方向軸11に対してほぼ垂直に測定される、縁部13と15との間の幅を有することが好ましい場合がある。複合ウェブが、不定長のキャリアウェブ10を使用して連続プロセスで製造される場合には、図2に描写された長手方向軸11はまた、キャリアウェブ10(及びそのため、キャリアウェブ10を使用して形成される複合ウェブ)の機械方向と一致する場合がある。
【0034】
構造化ウェブの構造体22の描写された配置は、均一の繰り返しパターンであるが、構造体22は、構造化ウェブ内(及び、そのため、キャリアウェブ10の表面12上)のいずれかの選択された配置に提供されてもよい。構造体22のその選択された配置は、本明細書に記載されるように、形成ツール中のくぼみの配置によって典型的には画定されることになる。構造化ウェブは、好ましくは、キャリアウェブ10に緩和した状態で転移されるため、構造体22の選択された配置は、好ましくは、構造化ウェブのキャリアウェブ10への取り付けの間、維持される。構造化ウェブを緩和した状態で転移することはまた、構造化ウェブがキャリアウェブを曲げる又はひずませるといったいずれかの傾向を低減する場合がある。
【0035】
また、構造化ウェブの構造体22は、すべてが、図2に描写されるように、同じほぼ円形の形状を有してもよいが、本発明の複合ウェブは、例えば、矩形、楕円形、三角形、不規則などいずれかの選択された形状を持つ構造体を有する構造化ウェブを包含してもよい。加えて、キャリアウェブに取り付けられた構造化ウェブの構造体は、すべてが、構造化ウェブ内で同じ形状を有してもよいし、又は単一の構造化ウェブが、異なる形状を有する構造体を包含してもよい。典型的には、しかしながら、構造体の形状(1又は複数)は、複合ウェブの中に組み込まれる構造化ウェブを製造するために使用される形成ツール中のくぼみの形状によって決定されることになる。
【0036】
図3は、本発明による複合ウェブの代替的実施形態の断面図であり、その中で構造化ウェブ120は、キャリアウェブ110の主表面112に取り付けられている。構造化ウェブ120は、接着剤130により、表面112に取り付けられている。図1に描写される実施形態と異なり、接着剤130は、キャリアウェブ110の表面112全体にわたっては提供されていない。むしろ、接着剤130は、キャリアウェブ110の表面112の一部分のみの上に提供されている。
【0037】
接着剤130は、構造化ウェブ120の構造体122とキャリアウェブ110の表面112との間に位置するように描写されるが、接着剤130は、その代わりに、構造化ウェブ120とキャリアウェブ110との間の区域のいずれかの選択された部分を占有する場合がある。
【0038】
接着剤130のパッチが、キャリアウェブ110の表面112上に、例えば、スワールコーティング(swirl coating)、ストリップコーティング(長手方向ないしは別の方向)などのいずれかの好適な技術(1種又は複数種)により提供されてもよい。接着剤130は、上記の接着剤30のように、いずれかの好適な組成物からのものであってもよい。
【0039】
図4は、別の複合ウェブ200を描写し、この中で、カバーウェブ240は、カバーウェブ240とキャリアウェブ210との間に位置する構造化ウェブ220を有する複合ウェブ200に取り付けられている。キャリアウェブ210は、好ましくは、その主表面212上に接着剤230を包含する場合があり、キャリアウェブ210の主表面214はカバーウェブ240から見て外方に向く。接着剤230は、好ましくは、図1及び3に描写される実施形態に関連して上記とほとんど同じ方式で、構造化ウェブ220をキャリアウェブ210に取り付けるために使用されてもよい。
【0040】
カバーウェブ240は、好ましくは、接着剤250を、キャリアウェブ210に面するカバーウェブ240の主表面242上に包含してもよい(カバーウェブ240は、キャリアウェブ210から見て外方に向く主表面244を包含する)。接着剤250は、好ましくは、カバーウェブ240を複合ウェブ200に取り付けるために使用されてもよい。カバーウェブ240の表面242上の接着剤250は、カバーウェブ240を構造化ウェブ220に取り付けてもよい。
【0041】
両方の接着剤230及び250は、キャリアウェブ210の表面212全体にわたって位置するように描写されているが、図3に描写される実施形態と同様に、キャリアウェブ210の表面212の部分が接着剤230を含まない場合もある。加えて、接着剤250は、カバーウェブ240の表面242の一部分のみの上に提供されてもよい。
【0042】
図5は、本発明の原則による、構造体322と、接続する表面薄層324とを包含する構造化ウェブを、キャリアウェブ310の1つの主表面312に接着して複合ウェブ300を形成する1つのシステム及び方法の中のウェブの経路及びロールを描写する。図5に描写されるシステムは、システムを通るウェブの経路を画定する、キャリアウェブ310を包含する。キャリアウェブ310は、様々なロール上の回転矢印により示される下流方向にシステムを進む。供給から巻き戻され、ないしは別の方法で提供された後(例えば、キャリアウェブ310は、図5に描写されるシステムによりインラインで製造されてもよい)、キャリアウェブ310は、形成ツール360とバックアップロール361との間に形成された転移ニップの中に導かれる。
【0043】
複合ウェブは、好ましくは、説明される実施形態ではロールの形態である形成ツールを使用して製造され形成されてもよいが、本発明の形成ツールは、あるいは、例えばエンドレスベルトなどのロール以外の形態で提供されてもよいことは、理解されるべきである。更に、形成ツール(ロールないしは別のもの)は、例えば、機械加工、エッチング、らせん巻きロール(例えば、米国特許第6,190,594 B1号、名称「構造化表面を有する物品のための工作機械(TOOLING FOR ARTICLES WITH STRUCTURED SURFACES)」中のもの)、スタックプレート(stacked plate)技術などのいずれかの好適な技術により製造されてもよい。
【0044】
また、描写されていないが、キャリアウェブ310の主表面312は、好ましくは、接着剤が形成ツール360に面するように、主表面312の上に位置する接着剤を包含する。接着剤は、例えば、連続層、又は不連続区域のいずれかの好適な形態で提供されてもよい。いくつかのシステムでは、図5に描写される、形成及び転移システムとインラインであるプロセスにおいて、接着剤はキャリアウェブ310の表面312に適用されてもよい。あるいは、形成ロール360上に形成されている構造化ウェブは、構造化ウェブがキャリアウェブ310の表面312に接触する前に、接着剤をコーティングされてもよい。別の変形では、接着剤は、形成ロール360とバックアップロール361とによって形成されるニップの中に導かれる別個の違ったウェブとして提供され得る可能性がある。
【0045】
キャリアウェブ310への接着転移のために、構造体322及び接続する表面薄層324を包含する構造化ウェブを提供するプロセスは、溶融ポリマー組成物370の供給を形成ロール360の外面362に供給することを包含し、形成ロール360は、その外面362の中に形成された複数個のくぼみを包含する。溶融ポリマー組成物370は、好ましくは、いずれかの好適な供給装置により、形成ロール360の外面362に供給されてもよい。描写されたシステムでは、溶融ポリマー組成物は、押出機372により供給される。形成ロール360の外側表面に広がる表面薄層324により互いに相互接続される構造体322を包含する構造化ウェブが形成されるように、外面362に対して作用するドクターブレード374により、溶融ポリマー組成物は形成ツールの外面362から拭き取られるか又は取り除かれる。
【0046】
ドクターブレード374は、ポリマー組成物372の溶融加工温度と少なくとも同じ高さの温度まで加熱されてもよい。ドクターブレードの温度が、押出機372により押し出されるときの溶融ポリマー組成物370の温度とほぼ等しい(又は更にはより高い)ことが、好ましい場合がある。
【0047】
描写されたシステム中の押出機372は、溶融ポリマー組成物370を、それがドクターブレード374と形成ツール360の外面362との境界面の中に導かれるように押し出してもよい。場合によっては、溶融ポリマー組成物372は、ブレード374と形成ツール360との間の境界面までドクターブレード374を流れ落ちる場合がある。
【0048】
形成ツール360は、好ましくは、その外面362の中に形成されたくぼみ364を包含する。形成ツール360の外面362の中のくぼみ364は、好ましくは、形成ツール360の外面362上に付着される溶融ポリマー組成物370の一部分によって充填される。くぼみ364を溶融ポリマー組成物370により充填することは、形成ツール360の外面362上のドクターブレード374の拭き取り作用により高められる場合がある。
【0049】
溶融ポリマー組成物370の流速は、好ましくは、溶融ポリマー組成物の体積が、ドクターブレード374を通過するくぼみ364の体積と、好ましくは、ほぼ等しい場合があるように制御されてもよい。構造化ウェブの構造体322及び表面薄層324が形成ロール360の上に形成されるときに、ドクターブレード374の背後の熱可塑性組成物の集積を防ぐ又は低減する場合があるため、その関係が有利な場合がある。ドクターブレード374の背後の熱可塑性組成物の集積は、より低い形成ツールの温度のために有害である場合があり、これは、熱可塑性組成物の粘度を増大する可能性があり、くぼみは適切に充填できず、及び/又は表面薄層は所望されるより厚くなる。
【0050】
図6は、ドクターブレード374と形成ツール360の中のくぼみ364を有する外面362との間の1つの可能性のある好適な関係を描写する、拡大された部分断面図である。形成ツール360の外面362は、好ましくは、ドクターブレード374を、矢印により示される方向に通過する。描写された実施形態の中の溶融ポリマー組成物370は、ドクターブレード374の上面に入射し、ドクターブレード374と形成ツール360の外面362との間の境界面に向かって、ドクターブレード374を流れ落ちる。あるいは、溶融ポリマー組成物の流れは、それが、ドクターブレード374と形成ツール360の外面362との間の境界面に直接流れ込むように調整され得る。
【0051】
形成ツール360の外面362の中のくぼみ364が、ドクターブレード374の下を通過するとき、それらは、好ましくは、図6に見られるように、溶融ポリマー組成物370により充填される。図6に描かれた他の構成要素に比べてそれが相対的に薄いために図6には見られないが、ポリマー組成物370はまた、好ましくは、形成ロール360の外面362上に表面薄層を形成する。
【0052】
描写された実施形態では、溶融ポリマー組成物370の流れは、好ましくは、ドクターブレード374の下を通過するくぼみ364の体積と、くぼみ364の間に伸びる表面薄層を形成するために必要な材料の量とにほぼ等しいように調整される。結果は、好ましくは、形成ツール360とドクターブレード374との境界面に、僅かの量のポリマー組成物が集積するか又は全く集積しないということである。
【0053】
その結果を実現するには、形成ツール360の温度を、次のものの1つ以上と共に制御することを伴う場合がある:ドクターブレード温度、溶融ポリマー組成物温度、形成ツール速度(ドクターブレードに対して)、溶融ポリマー組成物の流速、形成ツール360上にドクターブレード374によって発揮される圧力又は力など。
【0054】
本明細書で論じられるように、本発明は、好ましくは、構造化ウェブの形成ツールからの接着剤に援助された取り外し、及び構造化ウェブのキャリアウェブの主表面への接着を伴う。図5を再び参照すると、本発明の方法は、好ましくは、キャリアウェブ310の表面312への、接着剤に援助された構造化ウェブの転移を伴ってもよい。
【0055】
形成ツール上のくぼみ内のポリマー組成物(又はその部分)が、例えば、多孔質のキャリアウェブの浸潤及び/又はポリマー組成物内の繊維の封入を促進するように、その溶融加工温度に又はその近くに維持される方法とは対照的に、本発明の方法は、好ましくは、ポリマー組成物が形成ツールの上に位置する間にポリマー組成物の固化を結果として生じ、構造化ウェブが、例えば、キャリアウェブ上の接着剤と接触するときに、ポリマー組成物により形成された構造化ウェブが形成ツールから取り外されると共にキャリアウェブに接着されるようにする。
【0056】
構造化ウェブが形成ツールから取り外され及びキャリアウェブに接着される前に、くぼみ内及び形成ツールの表面上のポリマー組成物を固化することにより、多孔質キャリアウェブの湿潤及び/又はキャリアウェブ上の繊維の封入が好ましくは防がれる場合がある。ポリマー組成物を、十分に固化するために、形成ツールが、ポリマー組成物の溶融加工温度より著しく低い温度に保持されることが好ましい場合がある。例えば、溶融ポリマー組成物が、形成ツールの外側表面に接触する前に、形成ツールの外面の温度が、ポリマー組成物の溶融加工温度よりも約20℃以上低い温度に保持されることが好ましい場合がある。
【0057】
構造化ウェブの形成ツールからの取り外し、及び構造化ウェブのキャリアウェブへの取り付けは、好ましくは、構造化ウェブの構造体がくぼみ内に位置するか又はキャリアウェブに取り付けられるかのいずれかであるように同時に起こる(即ち、構造化ウェブは、好ましくは、それがキャリアウェブに接着される前に形成ツールから取り外されない)。しかしながら、場合によっては、構造化ウェブのキャリアウェブへの接着は、初めの取り外し及び接着の後に、追加の加工により増強される場合がある。例えば、そこに接着された構造化ウェブを有するキャリアウェブを包含する複合ウェブは、最初の取り外し及び取り付けの後で構造化ウェブのキャリアウェブへの接着を強化するために、熱、圧力などを受ける場合がある。
【0058】
ポリマー組成物は形成ツールのくぼみの中及び表面上にある間に固化するため、構造化ウェブの構造体は、好ましくは形成ツールのくぼみによって画定される選択された形状を有する。構造化ウェブの構造体は、好ましくは、形成ツール中のくぼみの形状を取り、即ち、構造体はくぼみの痕跡である。更に、くぼみの中に形成されたときの構造体の選択された形状は、構造化ウェブの取り外し及びキャリアウェブへの取り付け中に、構造体がくぼみから取り外されるときに、好ましくは、永久的には変形されない。構造化ウェブの構造体の形状についてのこうした制御は、それらの構造体と関連した機械的特性(例えば、弾性、強度など)についての改善された制御を提供する場合がある。
【0059】
構造体の選択された形状についての制御に加えて、本発明はまた、構造化ウェブ内の選択された配置における構造体を提供する。構造化ウェブの形成ツールからキャリアウェブへの直接的な接着取り外し及び取り付けのために、構造化ウェブの構造体のその選択された配置は、好ましくは複合ウェブにおいて保たれる。本明細書で論じられるように、構造化ウェブの取り外し及び取り付けは、好ましくは、構造化ウェブが緩和した状態にあるときに行われる。こうした緩和した状態にあるとき、構造化ウェブ中の構造体の選択された配置は、好ましくは、転移プロセス中に保たれる。好ましい方法及び複合ウェブでは、構造化ウェブの構造体は、形成ツール上のくぼみ内に位置するか、又は構造化ウェブの一部のキャリアウェブに接着されるかのいずれかである。
【0060】
図5に描写されたシステム及び方法は、キャリアウェブの1つの主表面のみに取り付けられた構造化ウェブを有する複合ウェブを生成するが、本発明は、キャリアウェブの両方の主表面上に構造化ウェブを包含する複合ウェブを製造するために使用されてもよい。こうした方法の1つの例は、2つの別個のキャリアウェブの各々の1つの表面に構造化ウェブを形成する及び取り付けることを備えてもよい。そこに取り付けられた構造化ウェブを包含しない、2つのキャリアウェブの主表面は次に互いに取り付けられて(例えばラミネート加工されて)、両方の主表面に取り付けられた構造化ウェブを有する一体型キャリアウェブを形成してもよい。あるいは、単一のキャリアウェブが、形成ツールの各々が構造化ウェブをキャリアウェブの両方の主表面に取り付ける、2つの形成ツールによって形成されたニップの中に導かれてもよい。別の代替案では、構造化ウェブは、単一キャリアウェブの対向する主表面に連続的に取り付けられることができ、第1構造化ウェブがキャリアウェブの第1主表面に取り付けられ、続いて、第2構造化ウェブが、キャリアウェブの第2主表面に取り付けられる。
【0061】
図5は、溶融ポリマー組成物1つだけの形成ロールへの適用を描写しているが、2つ以上の異なるポリマー組成物が、本発明に関連して使用される形成ツールの外面に適用されて、単一の構造化ウェブが、2つ以上の異なるポリマー組成物から形成されてもよい。図7は、3つの溶融ポリマー組成物(ゾーンA、B、及びC中の)が、形成ツール460(軸461の周りに回転するロールの形態である)の表面の異なる部分に供給される1つのシステムの一部分を描写している。複数の押出機472a、472b、及び472cが使用される場合、異なるポリマー組成物は、異なるゾーン中の溶融ポリマー組成物が、加工中に混合しないような方式で供給されてもよい。ゾーン型フィードブロック(zoned feedblocks)などのような代替的技術が使用されて、異なるゾーン中の溶融ポリマー組成物を供給してもよい。
【0062】
形成ツール460はまた、異なる溶融熱可塑性組成物が適用されてもよい、くぼみの異なるセット464a、464b、及び464cを包含してもよい。形成ツール460上の異なるゾーン中のくぼみは異なる形状であり、異なる大きさを有し、及び異なる間隔を有する。例えば、ゾーンCの中のくぼみは、不規則な、非繰り返しパターンで配置されているが、ゾーンA及びBの中のくぼみは規則的な、繰り返しパターンで配置されている。形状、間隔、及びくぼみの配置において、多くの他の変形が可能である。
【0063】
図2に描写される構造化ウェブ20の構造体22は、構造体22の外部周辺部内に位置する下層のキャリアウェブ10の表面積のすべてを覆うが、本発明の構造化ウェブの構造体は、あるいは1つ以上の空間を包含してもよく、その中で表面薄層の一部分は、周囲のポリマー構造体内に形成された空間を横切って広がる。結果として生じる構成は、例えば、キャリアウェブ中に形成されたボタン穴、スロット、穿孔、又は他の開口部の区域中のキャリアウェブを補強するように使用されてもよい。同様な構造体の他の用途、例えば、複合ウェブの通気性改善などが想定されてもよい。
【0064】
キャリアウェブ510の主表面上のこうした構造体522の1つの実施例が、図8に描写される。構造体522は、表面薄層524の一部分が横切って伸びる内部周辺部523を有する空間を包含するリング形状の物品の形態である。構造体522内に形成された内部周辺部523を横切って伸びる表面薄層524のその部分は、構造体522によって囲まれている。描写されたリング形状の構造体522及びその空間(内部周辺部523によって画定されるような)は両方が細長い楕円形様の形状を有するが、本発明の構造化ウェブ中の構造体は、いずれの所望の形状、例えば円形、正方形、三角形、不規則な形状などにおいて形成されてもよい。
【0065】
更に、こうした構造体中の空間の形状は、構造体の外部周辺部の全体的な形状に対応していてもよいし(構造体522中の空間のように)、又はそれらは異なっていてもよい。例えば、構造体内の空間が異なる外形(例えば、正方形など)を有する一方で、構造体は1つの形状(例えば、円形など)の外部周辺部を有してもよい。加えて、構造体522は、その中に位置する唯一の空間を包含するが、本発明に関連して提供される構造体は、その中に形成された1超過の空間を包含してもよい。例えば、本発明の単一の構造体が、2つ以上の別個の及び違った空間を包含してもよい。
【0066】
図9及び10は、形成ツール560の外面562の中のくぼみ564の1つの実施例を描写している(図9及び10の中にはその一部分のみが描写されている)。くぼみ564は、図8に描写されるように、構造体522を形成するために使用されてもよい。リング形状のくぼみ564は、形成ツールの表面562の中に、くぼみ564によって形成されたリングの中に位置する凸部565を有する細長いトラフの形態で伸びている。
【0067】
くぼみ564の中央に形成された凸部565は、好ましくは、くぼみ564を囲む形成ツールの外面562と同じ高さであってもよい。くぼみ564は、その中に形成された唯一の凸部565を有して描写されているが、本発明の方法に関連して使用されるくぼみは、そう所望される場合には(本明細書で論じられるように、2つ以上の空間を有する構造体を形成するために)、各くぼみ内に位置する2つ以上の凸部を包含してもよい。更に、凸部及び周囲のくぼみの形状はまた変化してもよく、例えば円形の最外部周辺部を有するくぼみが異なる形状を有する凸部と組み合わされてもよい。別の変形では、凸部は、図9及び10に描写されるように、くぼみ内の中心になくてもよい。
【0068】
図9に描写される別の変形は、形成ツール560の表面562に対するくぼみ564の深さの変形であり、くぼみ564は、凸部565に最も近いところで最も深く、及びくぼみ564の最外部周辺部のところでより浅い深さまで上昇する。こうした構成は、結果として生じる構造体の外部周辺部のところ(構造体が周囲の表面薄層と出会うところ)で、より漸進的に薄くなるため構造化ウェブ中の構造体に、より可撓性のある縁部を提供する場合がある。
【0069】
本発明に関連して使用するために好適なポリマー組成物は、それらが、形成ツールの外面上に付着されてドクターブレードによって作用されるときに少なくとも部分的にくぼみを充填するために十分に流動するように溶融加工可能であるが、溶融プロセス中に著しく劣化しないものである。多種多様なポリマー組成物が、くぼみの形状及び加工条件に依存して、本発明のプロセスに使用するために好適な溶融及び流量特性を有する場合がある。例えば、本明細書に記載されるように、形成ツールの表面上の溶融ポリマー組成物を拭き取る間に、ポリマー組成物のいずれかの粘弾性の回復特性が、それらをくぼみから著しく後退させないように、溶融加工可能な材料及び加工条件が選択されることが更に好ましい場合がある。
【0070】
本発明の方法では、構造化ウェブを形成してキャリアウェブへ転移するために使用される形成ツールの外面は、ポリマー組成物の溶融加工温度より低い温度に維持される。本発明のポリマー組成物の「溶融加工温度」は、5秒以下の期間内にポリマー組成物が流動できる又は形成ツール中のくぼみの中に入ることができる(本明細書に記載されるように)最低温度である。場合によっては、溶融加工温度は、非晶質ポリマー組成物についてはガラス転移温度若しくはその僅かに上であってもよいし、又は結晶性若しくは半結晶性ポリマー組成物については溶融温度若しくはその僅かに上であってもよい。ポリマー組成物が、1つ以上の結晶性及び1つ以上の半結晶性ポリマーのどちらか又は両方とブレンドされた1つ以上の非晶質ポリマーを包含する場合、溶融加工温度は、非晶質ポリマーの最高ガラス転移温度又は結晶性及び半結晶性ポリマーの最高溶融温度の内の高い方である。加えて、形成ツールの外面の温度が、形成ツールに付着されたポリマー組成物の溶融加工温度より少なくとも20℃以上低いことが好ましい場合がある。
【0071】
本発明に関連して使用されるポリマー組成物が、熱可塑性ポリマー組成物であることが、好ましい場合がある。好適な可能性のある熱可塑性ポリマー組成物のいくつかの例には、ポリウレタン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリレート、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート変性エチレンビニルアセテートポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、ナイロン、フルオロカーボンなどを挙げてもよいが、これらに限定されない。好適な熱可塑性ポリマーは、一般に、ASTM D1238に指定されるような、ポリマーに対して適切な条件で測定された、5〜200グラム/10分のメルトフローインデックスを有する。更に、熱可塑性組成物は、例えば、熱可塑性ホットメルト接着剤であってもよい。
【0072】
本発明のポリマー組成物は、非エラストマーの又はエラストマーのポリマーのどちらか又は両方を包含してもよい。非エラストマーのポリマーは、ゴム状弾性を周囲条件(例えば、室温及び室内圧力)で示さないポリマーである。本発明に関連して使用されるとき、「非エラストマーの」とは、非エラストマー材料から形成された構造化ウェブ中の構造体が、引き伸ばされて緩和した後にその元の形状を実質的に回復しないことを意味する。更に、非エラストマーのポリマーから形成された構造化ウェブ中の構造体は、好ましくは、変形及び緩和に続く永久歪を持続する場合があり、この永久歪は、好ましくは、適度の伸長、例えば約50%において(破壊又は他の破損なしに50%まで等しく引き伸ばされ得る材料について)、元の長さの少なくとも約20%以上、より好ましくは少なくとも約30%以上である。
【0073】
エラストマーの(又は弾性の)ポリマーは、ゴム状弾性を周囲条件(例えば、室温及び室内圧力)で示すポリマーである。本発明に関連して使用されるとき、「エラストマーの」とは、エラストマー材料から形成された構造化ウェブ中の構造体が、引き伸ばされて緩和した後にその元の形状を実質的に回復することを意味する。更に、エラストマーのポリマーから形成された構造化ウェブ中の構造体は、好ましくは、変形及び緩和に続く小さい永久歪のみを持続する場合があり、この永久歪は、好ましくは、適度の伸長、例えば約50%において、元の長さの約30%以下、より好ましくは約20%以下である。
【0074】
本発明に関連して使用されるエラストマーのポリマー組成物は、純エラストマーと、室温において実質的なゴム状弾性を依然として示すエラストマー相又は内容物とのブレンドとの両方であり得る。米国特許第5,501,679号(クルーガー(Krueger)ら)は、本発明に関連して使用が考えられてもよいエラストマー材料に関して、いくつかの更なる解説を提供している。
【0075】
本発明に関連して使用される弾性ポリマー組成物は、1つ以上のポリマーを包含することができる。例えば、ポリマー組成物は、ポリマーが室温でゴム状弾性を示すように、エラストマー相とのブレンドであり得る。好適な弾性ポリマー組成物には、ブロックコポリマー、例えば従来のA−B又はA−B−Aブロックコポリマー(例えばスチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)、エラストマーポリウレタン、オレフィンエラストマー、特にエラストマーエチレンコポリマー(例えばエチレン酢酸ビニル、エチレン/オクテンコポリマーエラストマー、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーエラストマー)並びにこれらの互いの混合物、他の弾性熱可塑性ポリマーとの混合物又は非弾性ポリマーとの混合物を挙げてもよい。
【0076】
本発明と関連して使用されるポリマー組成物はまた、所望の効果のために様々な添加剤と組み合わせることができる。これらには、例えば、充填剤、粘度低下剤、可塑剤、粘着性付与剤、着色剤(例えば染料又は顔料)、酸化防止剤、帯電防止剤、結合助剤、粘着防止剤、スリップ剤、安定剤(例えば熱及び紫外線)、発泡剤、ミクロスフェア、ガラスバブル、強化用繊維(例えばマイクロファイバー)、内部剥離剤、熱伝導性粒子、導電性粒子などが挙げられる。ポリマー組成物において有用であり得るこうした材料の量は、こうした材料を加工及び使用する分野の当業者により、容易に決定され得る。
【0077】
本発明の複合ウェブにおいて構造化ウェブをキャリアウェブに接着するために使用される接着剤は、例えば硬化性、感圧性、熱活性化、ホットメルトなどのいずれかの好適な組成物からのものであってもよい。接着剤が、感圧性接着剤以外のものである場合には(例えば、硬化性、熱活性化、ホットメルトなど)、それは、好ましくは、構造化ウェブを形成ツールから、転移条件下で取り外すために十分な粘着性を示す。本明細書で論じられたように、構造化ウェブのキャリアウェブへの接着は、取り外し後に(例えば転移点の下流で)更に増強される場合がある。
【0078】
感圧特性を示す接着剤を使用することが好ましい場合がある。感圧性接着剤を識別するための1つの周知の技術は、ダルキスト(Dahlquist)基準である。この基準は、「感圧性接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology)」(ドナタス・サタス(Donatas Satas)(編)、第2版、172ページ、ヴァン・ノストランド・レインホールド(Van Nostrand Reinhold)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York)、1989年)に記載されるように、感圧性接着剤を、1×10−6cm2/ダインを超える1秒クリープコンプライアンスを有する接着剤として定義する。あるいは、弾性率は1次近似まではクリープコンプライアンスの逆数であるため、感圧性接着剤は100kPa(1×106ダイン/cm2)未満のヤング率を有する接着剤として定義されてもよい。感圧性接着剤を識別するための別の周知の技術は、それが室温で積極的に及び永久的に粘着性であり、並びに指又は手の圧力を超える必要のない単なる接触だけで多様な異種表面にしっかりと接着し、並びに「感圧接着テープのための試験方法(Test Methods for Pressure Sensitive Adhesive Tapes)」(感圧テープ協議会(Pressure Sensitive Tape Council)、1996年)に記載されるように、残留物を残すことなく滑らかな表面から取り外される場合があるということである。好適な感圧性接着剤の別の好適な定義は、25℃における周波数に対する弾性率のグラフにプロットしたときに次の点によって画定される区域内に室温貯蔵弾性率をそれが好ましくは有することである:およそ0.1ラジアン/秒(0.017Hz)の周波数における、およそ20kPa(2×105ダイン/cm2)〜40kPa(4×105ダイン/cm2)の弾性率範囲、及びおよそ100ラジアン/秒(17Hz)の周波数における、およそ200kPa(2×106ダイン/cm2)〜800kPa(8×106ダイン/cm2)の弾性率範囲(例えば、「感圧性接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology)」(ドナタス・サタス(Donatas Satas)(編)、第2版、ヴァン・ノストランド・レインホールド(Van Nostrand Rheinhold)、ニューヨーク、1989年)の173ページ、図8〜16参照)。感圧性接着剤を識別するこれらの方法のいずれかを使用して、本発明に関連して使用するために好適な可能性のある感圧性接着剤を識別してもよい。
【0079】
キャリアウェブ(及び/又は存在する場合カバーウェブ)中の材料(1つ又は複数)の種類及び構成は、構造化ウェブを形成ツールから接着取り外しするための適切なキャリアウェブを選択するときに、考慮されるべきである。例えば、キャリアウェブは、構造化ウェブの形成ツールからの接着取り外し中に生成される力のために、それが分離する、薄い層に裂けるなどしないように十分な内部強度を有するべきである。
【0080】
本発明の方法によって製造される複合ウェブの様々な断面図において描写されるキャリアウェブは単層構造体として図解されるが、キャリアウェブが単層の構成であっても又は多層の構成であってもよいことは理解されるべきである。多層の構成が使用される場合、様々な層が同じ又は異なる特性、構成などを有してもよいことは理解される。これらの変形のいくつかは、例えば、係属中の米国特許出願09/257,447、名称「不連続なステム領域を有するウェブ(WEB HAVING DISCRETE STEM REGIONS)」(1999年2月25日出願)(PCT国際公開特許第00/50229号(International Publication No. WO 00/50229)として公開)に記載されるようなものであってもよい。
【0081】
いくつかの好適な可能性のあるキャリアウェブの例には、例えば、織布材料、不織布材料、ニット材料、網目、スクリム、フォーム、紙、フィルム、又はニップ点を通って供給され得るいずれかの他の連続媒体を挙げてもよい。キャリアウェブは、例えば伸張性、弾性、可撓性、適合性、通気性、多孔性、剛性などのような多種多様な特性を有してもよい。更にキャリアウェブは、平坦な平面シート構成からのプリーツ、波形、マイクロクレーピング、又は他の変形を包含してもよい。
【0082】
場合によっては、キャリアウェブが幾らかのレベルの伸張性、及びまた場合によっては、弾性を示す場合がある。好ましい場合がある伸張性ウェブは、少なくとも約50g/cm、好ましくは少なくとも約100g/cmの初期降伏張力を有する場合がある。更に伸張性ウェブは、好ましくは伸張性不織布ウェブであってもよい。
【0083】
本発明に関連して使用されてもよい不織布ウェブを作製するために好適なプロセスには、エアレイイング、スパンボンド、スパンレース、結合メルトブロウンウェブ及び結合カードウェブ形成プロセスを挙げてもよいが、これらに限定されない。スパンボンド不織布ウェブは、溶融された熱可塑性プラスチックを紡糸口金の一連の細密ダイオリフィスからフィラメントとして押し出すことによって作製される。例えば、非排出(non-eductiv)若しくは排出(eductive)流体引き抜き、又は米国特許第4,340,563号(アペル(Appel)ら);第3,692,618号(ドルシュナー(Dorschner)ら);第3,338,992号及び第3,341,394号(キニー(Kinney));第3,276,944号(レビ(Levy));第3,502,538号(ピーターソン(Peterson));第3,502,763号(ハートマン(Hartman))及び第3,542,615号(ドボ(Dobo)ら)に記載されているような他の既知のスパンボンド機構によって、押し出されたフィラメントの直径は張力下で迅速に低減される。スパンボンドウェブは、好ましくは結合されてもよい(ポイント結合又は連続結合)。
【0084】
不織布キャリアウェブはまた、結合カードウェブから作製されてもよい。カードウェブは、分離された短繊維から作製され、この繊維は、ほぼ機械方向に配向された繊維状不織布ウェブを形成するために、短繊維を機械方向に分離及び整列するコーミング又はカーディングユニットを通して送られる。しかしながら、ランダマイザーを使用して、この機械方向の配向を低減することができる。カードウェブが形成されたら、次に好適な引張特性を与えるために、それはいくつかの結合方法の1つ以上によって結合される。1つの結合方法は、粉末結合であって、粉末接着剤がウェブを通して分配され、次いで通常はウェブ及び接着剤を熱風で加熱することによって活性化される。別の結合方法は、加熱されたカレンダーロール又は超音波結合機器を使用して繊維を共に結合するパターン結合であり、通常は局部的結合パターンであるが、そう所望される場合には、ウェブをその全表面にわたって結合することができる。一般に、ウェブのより多くの繊維が共に結合されるほど、不織布ウェブの引張特性は大きくなる。
【0085】
エアレイイングは、本発明において有用な繊維状不織布ウェブが作製できる別のプロセスである。エアレイイングプロセスでは、通常は6〜19ミリメートルの範囲の長さを有する小繊維の束が分離されて、供給空気に同伴され、次いで多くの場合、真空供給の援助によって、形成スクリーン上に付着される。次に、ランダムに付着された繊維が、例えば熱風又は噴霧接着剤を使用して互いに結合される。
【0086】
メルトブロウン不織布ウェブは、複数のダイオリフィスから熱可塑性ポリマーを押し出すことにより形成されてもよく、このポリマー溶融ストリームは、ポリマーがダイオリフィスから出る位置のすぐのところのダイの2つの面に沿う高速熱風又は蒸気によって直ちに細径化される。結果として生じる繊維は、収集表面上に収集される前に、結果として生じる乱気流中で絡み合って凝集性ウェブになる。一般に、本発明に十分な一体性及び強度を提供するために、メルトブロウンウェブは、上記のように空気通過結合、熱又は超音波結合などによって、更に結合されなければならない。
【0087】
いくつかの実施形態では、幾らかの伸張をキャリアウェブ及び/又は複合ウェブ中に付与することが好ましい場合がある。キャリアウェブの伸張又は永久的伸長は、キャリアウェブが不織布ウェブであるときには特に有用である場合がある。いくつかの好適な可能性のあるプロセスの例が、例えば、米国特許出願公開第2005/0214461号に論じられている場合がある。例えば、その参照文献の図3は、物品が永久的に伸長されるように物品の部分が漸増式に引き伸ばされるプロセスを描写している。引き伸ばしに応じて起こる構造的変化によって、物品は引き伸ばしに対して低減された抵抗を有し、物品に取り付けられたエラストマー構造体は、好ましくは、キャリアウェブの永久的伸長によって提供される範囲まで伸びることができてもよい。
【0088】
キャリアウェブの伸張又は伸長は、構造化ウェブを取り付ける前に、又は構造化ウェブを取り付けた後に行われてもよい。キャリアウェブが、キャリアウェブを取り付ける前に引き伸ばされる又は伸長される場合、こうした引き伸ばし又は伸長は、構造化ウェブを取り付けるために使用されることになるキャリアウェブに接着剤を適用する前又は後に行われてもよい。キャリアウェブの引き伸ばし又は伸長は、結果として生じる複合ウェブに有益な特性を提供する場合がある。引き伸ばし又は伸長は、機械方向若しくは下方ウェブ方向であるか、及び/又は横断ウェブ方向であってもよい(これは、例えば、米国特許第4,965,122号及び第4,981,747号(両方ともモルマン(Morman))に論じられるように、ネッキングを生じる場合がある)。キャリアウェブ中にネッキングを生じるプロセスは、キャリアウェブ中に横断ウェブ伸張性を、ひいては複合ウェブ中に弾性を作り出すために有用である可能性がある。
【0089】
「リングロール」と呼ばれることもあるプロセスは、本発明の望ましい漸増式引き伸ばし操作である場合がある。リングロールプロセスでは、相互係合段ロール(corrugated interengaging rolls)が使用されて、物品を永久的に伸長して引き伸ばしに対するその抵抗を低減する。結果として生じる複合体は、リングロールプロセスを受けた部分において、より大きい度合いの伸縮性を有する。したがって、この第2操作は、物品の局部的部分における伸縮特性を実現する際に、追加的な可撓性を提供する場合がある。
【0090】
本発明に関連して使用するために好適な場合がある材料を、機械方向又は機械横方向に漸増式に引き伸ばす及び永久的に変形する相互係合段ロール(corrugated interengaging rolls)を使用することにより、伸張性の又はさもなければ実質的に非弾性の材料に伸縮性を付与するための方法は、米国特許第4,116,892号;第4,834,741号;第5,143,679号;第5,156,793号;第5,167,897号;第5,422,172号;及び第5,518,801号に開示されている。いくつかの実施形態では、物品は、相互係合段ロール(corrugated interengaging rolls)の中に、この第2操作の機械方向に関して傾斜した向きで供給されてもよい。あるいは、第2操作は、圧力下で中間構造体に適用される1対の相互係合溝付きプレートを用いて、局部的部分における中間構造体の漸増的な引き伸ばしを実現してもよい。
【0091】
伸張性はまた、米国特許第5,226,992号及び第5,910,224号(両方とも、キンバリー・クラーク・ワールドワイド社(Kimberly-Clark Worldwide, Inc.)に譲渡)に記載されるように、ネッキングを介してキャリアウェブに付与される場合がある。伸張性を付与する別の方法は、米国特許第5,914,084号及び第6,114,263号(両方とも、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)に記載されるように、圧密化(consolidation)によるものである。
【0092】
複合ウェブが、使用条件下において典型的なひずみを受けたときに、伸張性キャリアウェブが、引き伸ばしに対して抵抗を示さないことが望ましい場合がある。複合ウェブによって経験される使用中のひずみは、例えば、複合ウェブが、着用者に適用される又は着用者から取り外される衣類又は他の物品の中に使用されるとき、及び物品が着用されているときの引き伸ばしが原因である場合がある。こうした複合ウェブ中の伸張性のキャリアウェブは、複合ウェブに所望の伸縮性を付与するために、好ましくは、予めひずみを与えられていてもよい。典型的には、伸張性のキャリアウェブが、使用中の最大ひずみ(典型的には、約250%未満のひずみ)の約1.5倍まで予めひずみを与えられるとき、伸張性のキャリアウェブは、それが使用中のひずみの範囲内のひずみに対して抵抗を示さないように、及び複合ウェブの弾性特性が、複合ウェブ中に使用される構造化ウェブとキャリアウェブ(及び他の構成要素)の弾性特性の合計と実質的に同じであるように、永久的に伸長されるようになる。
【0093】
キャリアウェブ及び/又は複合ウェブはまた、例えば、PCT国際公開特許第96/10481号(アブト(Abuto)ら)に開示されるように、スキップスリットを入れることにより伸張性にすることができる。弾性の、伸張性ウェブが所望である場合には、スリットは不連続であり、一般にウェブがいずれかの弾性構成要素、例えば弾性構造化ウェブに取り付けられる前にウェブの上で切断される。弾性構造化ウェブが非弾性キャリアウェブに取り付けられた後に、スリットを非弾性キャリアウェブ中に作り出すこともまた可能である場合もある。非弾性キャリアウェブ中のスリットの少なくとも一部分は、弾性複合ウェブの伸張性又は弾性の意図された方向(少なくとも最初の方向)に対して、好ましくは、ほぼ垂直である(又は実質的に垂直のベクトルを有する)場合がある。ほぼ垂直とは、選択されたスリット(1つ又は複数)の長手方向軸と伸張性の方向との間の角度が、60〜120°であることを意味する。全体の複合ウェブが弾性であるように、記載されたスリットの十分な数がほぼ垂直である。弾性複合ウェブが、少なくとも2つの異なる方向に弾性を示すことを意図するときは、2つの方向のスリットを提供することが有利である。
【0094】
このように、本発明による複合ウェブ、並びにそれらを製造する方法及びシステムの基礎的特徴のいくつかについて記載してきたが、本発明の1つの代表的な適用が、これから記載される。いくつかの理由により望ましい場合がある弾性、即ち適度の伸長後にそれらの元の形状を少なくとも部分的に回復するための能力を提供するために、本発明のいくつかの複合ウェブが物品中に使用される場合がある。例えば、弾性は、衣類(例えば、おむつ、トレーニングパンツ、ガウンなど)のような品のためのファスニングシステムと関連して有用である場合がある。衣類の弾性は、動的な適合と呼ばれてもよいもの、即ち、着用者の動きに応じて伸びる及び回復する能力を提供することができる。
【0095】
図11は、本発明による複合ウェブから製造された1つ以上の構成要素を包含する場合がある、使い捨ておむつ680の1つの実施例を描写している。おむつ680は、おむつに関連して有用な様々な材料から製造されてもよい本体682を包含する。いくつかの代表的なおむつの構成は、例えば、米国特許第5,399,219号(ロースラー(Roessler)ら)及び同第5,685,873号(ブリューマー(Bruemmer)ら)に記載されている場合がある。本明細書に記載される、本発明の複合ウェブを組み込む場合がある代表的な物品はおむつであるが、本発明の複合ウェブはまた、キャップ、ガウン、靴カバー、女性用ケア物品、失禁衣類などのような他の物品によっても用いられることができる。
【0096】
おむつ680は、物品の使用中に物品のウエストバンド区分を着用者の周りに固定するために、本体682から横に伸びて少なくとも1つのウエストバンド部分683の対向する外側端に接続されるファスニングタブ684を、好ましくは包含してもよい。ファスニングタブ684は、好ましくは、本発明の原則による1つ以上の複合ウェブを組み込んでもよい。
【0097】
おむつ680はまた、おむつ680の対向する末端部でウエストバンド部分685の中に位置するファスニングタブ受け入れ区域686を包含してもよい。ファスニングタブ684は、おむつを着用者の上に保つために、ファスニングタブ受け入れ区域686に取り付けられてもよい。図11には2つの受け入れ区域が描写されているが、場合によっては、ウエストバンド685の区域中のおむつを実質的に横断して伸びる、単一のより大きい受け入れ区域が提供されてもよいことが理解される。
【0098】
ファスニングタブ受け入れ区域686は、ファスニングタブ684を保つためにいずれかの好適な構成を有することができる。例えば、ファスニングタブ684が、その上に形成されるフックを包含する場合には、受け入れ区域686は、例えば、ファスニングタブ684を受け入れ区域686上に保つために、フックと連携するループ状の材料から構築されてもよい。
【実施例】
【0099】
次の非限定的実施例が、本発明のいくつかの原則に従う複合ウェブを製造する1つの方法を説明するためだけに提供される。
【0100】
複合ウェブが、図5に示されるものに類似したシステムを使用して生成された。75mm直径の単軸押出機が使用されて、70重量%のスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロックコポリマー(クレイトン(KRATON)G1657)、30重量%のメタロセン触媒ポリエチレン(エンゲージ(Engage)8452)、及び2pphのTiO2マスターバッチ(クラリアント(Clariant))のブレンドからなる溶融ポリマーを、およそ235℃の溶融温度でネックチューブに供給した。
【0101】
ネックチューブは、およそ185cmの外周を有するスチール製形成ロールの外面に溶融ポリマーを供給するダイに接続された。ダイは、以下に記載されるように、くぼみを持つ形成ロールの部分上に溶融ポリマーを付着するために、溶融ポリマーを2つの別個のストライプで供給するように設計されていた。ダイの基部には、ドクターブロックがあった。
【0102】
形成ロールの外面は、その中に形成された配列した矩形形状のくぼみを有するように、化学エッチングプロセスを使用して機械加工されていた。矩形は、ロール横断方向に1.5mmの幅及び機械(下方ウェブ)方向に2.5mmの長さを有した。矩形は、ロール横断方向及び機械方向の両方において4.2mmの中心間の間隔を有し、正方形の配列に配置された。2つのこうした配列がロール上に存在し、機械方向のストライプにおいて、2つのストライプ間に平らなロール表面(くぼみを持たない)を有して配列された。形成ロールは、くぼみが機械加工された後、剥離剤塗布によりプラズマコーティングされた。操作中、ロールの温度は、ロールの内部を通って循環される水を使用して制御され、水は、ロールに供給されるときに40℃の公称温度で保持された。
【0103】
ダイ及びドクターブロックは、溶融ポリマーのフィルムが、形成ロールの表面上に形成されるように位置付けられた。形成ロールの回転は、ポリマーの薄い表面薄層を形成ロールの外側表面上に形成する間に、ドクターブロックが溶融ポリマーを拭き取ってくぼみの中に入れるようにした。過剰の溶融ポリマーは、このプロセス中に、小さいロールバンク(rolling bank)を形成した。
【0104】
ドクターブロックの拭き取り作用の後、形成ロールは、形成ロールの外側表面上の構造化ウェブが、TESA剥離テープで包まれた適合するバックアップロールに対して、不織布キャリアウェブと強制的に接触させられるまで回転し続けた。
【0105】
不織布キャリアウェブは、27グラム/平方メートルの坪量を有する高伸張カード不織布(プロダクトC0075スタイル3320(Product C0075 Style 3320)、BBA不織布(BBA Nonwovens))であった。構造化ウェブに面する不織布の側面は、177℃の温度で、サミット(Summit)渦巻きパターン(ノードソン(Nordson))において、4.5グラム/平方メートルの坪量で、接着剤を噴霧コーティングされた。
【0106】
構造化ウェブと不織布キャリアウェブとの間に感圧性接着剤結合が得られ、その結果キャリアウェブ/構造化ウェブラミネートが形成ロールから離れる方に導かれるとき、構造化ウェブは形成ロールの表面からきれいに剥離された。
【0107】
図5には描写されていないが、キャリアウェブ/構造化ウェブラミネートは、次に2つのゴムロールの間の第2ニップを通って導かれ、その点で、接着剤を持つ第2の不織布カバーウェブが(キャリアウェブに関して上記のように)構造化ウェブの露出面にラミネートされて、不織布の2つの外層(キャリアウェブ及びカバーウェブ)と、形成ロールにより付与された構造体を持つ2つの内部構造化ウェブとを包含するトリラミネート複合ウェブを形成したが、構造化ウェブは、下方ウェブ方向に2つのストライプにおいて存在した。
【0108】
「含む」という用語及びその変形は、これらの用語が添付の説明及び特許請求の範囲で用いられる場合、限定的な意味を有しない。その上、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は本明細書では交換可能に使用される。
【0109】
本明細書に記載される代表的な実施形態は、本発明の実施について例証している。本発明は、本文書において具体的には記載されていない、いずれかの要素又は品目の無い状態においても好適に実施される場合がある。すべての特許、特許出願、及び刊行物の完全な開示は、個々に組み込まれたかのように、参照によって本文書中に組み込まれる。本発明の様々な修正及び変更は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。本発明は、本明細書中に記載される実例となる実施形態に不当に限定されてはならないことは理解されるべきである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合ウェブ、及び複合ウェブを製造する方法に関する。複合ウェブは、構造化ウェブと共にキャリアウェブを包含し、構造化ウェブは、キャリアウェブの少なくとも1つの主表面に取り付けられた複数個のポリマー構造体を包含する。
【背景技術】
【0002】
下層基材に補強及び/又は弾性構成要素の取り付けを必要とする複合ウェブの製造は、多くの異なる取り組みにおける主題である。補強が、全基材にわたって提供される場合もあるが、こうした取り組みは、不必要な費用及び/又は複合ウェブに重量を加える可能性がある。こうした構成がまた、複合ウェブの全表面にわたって剛性を増す場合がある。
【0003】
基材上に不連続ポリマー構造体を提供する多様な取り組みについては、例えば、米国特許出願公開第2003/0085485 A1号、名称「構造化不連続ポリマー領域を有する複合ウェブのためのシステム及び方法(SYSTEMS AND METHODS FOR COMPOSITE WEBS WITH STRUCTURED DISCRETE POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2003/0087098 A1号、名称「補強ポリマー領域及び弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH REINFORCING POLYMERIC REGIONS AND ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2003/0084996 A1号、名称「補強不連続ポリマー領域を有する複合ウェブを製造するための方法(METHODS FOR PRODUCING COMPOSITE WEBS WITH REINFORCING DISCRETE POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2003/0087059 A1号、名称「不連続弾性ポリマー領域を有する複合ウェブ(COMPOSITE WEBS WITH DISCRETE ELASTIC POLYMERIC REGIONS)」(2001年11月5日出願);米国特許出願公開第2004/0178544 A1号、名称「ポリマー転移装置、方法、及び複合ウェブ(POLYMER TRANSFER APPARATUS, METHODS, AND COMPOSITE WEBS)」(2003年3月13日出願);及び米国特許出願公開第2004/0180186号、名称「複合ウェブ及び閉鎖システム(COMPOSITE WEBS AND CLOSURE SYSTEMS)」(2003年12月22日出願)に開示されているが、これらの取り組みは、ロール温度、基材の組成などのような特定の観点に限定されている場合がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、キャリアウェブに取り付けられた構造化ウェブを有する複合ウェブ、及び複合ウェブを製造する方法を提供する。構造化ウェブは、好ましくは、構造化ウェブから突き出る複数個の構造体を包含する。
【0005】
方法は、好ましくは、溶融ポリマー組成物を、外側表面の中に形成された複数個のくぼみを包含する形成ツールの外側表面上に供給することを伴ってもよい。溶融ポリマーは、形成ツールの外側表面の中のくぼみに入り、その中で固化されて、複数個の構造体がくぼみの形状に形成される。ポリマー組成物の表面薄層は、好ましくは、くぼみの間に広がり、その結果、形成ツール上に形成された構造化ウェブは、構造体に接続する表面薄層を包含する。構造化ウェブは、ポリマー組成物の固化後、キャリアウェブと構造化ウェブとの間に位置する接着剤を使用して、構造化ウェブをキャリアウェブに接着することにより、形成ツールから取り外される。
【0006】
構造化ウェブの複数個の構造体に相互接続する表面薄層が、構造体自体の厚さに比べて相対的に薄いことが好ましい場合がある。結果として、表面薄層は特に脆弱である場合がある。構造化ウェブが、その形成中に、及び、形成ツールの外側表面からのその取り外し中に、緩和した状態で保持されることが、本発明の方法では好ましい場合がある。本明細書で使用されるとき、「緩和した」とは、構造化ウェブが張力(溶融状態から硬化する結果として物体にもたらされる場合がある内部応力以外の)下にないことを意味する。
【0007】
いくつかの実施形態では、本発明の複合ウェブの構造化ウェブは、例えば、キャリアウェブ(及び、存在する場合はカバーウェブ)が弾性特性を示さないか、又はそれほど十分には示さない複合ウェブに、弾性を提供するために包含される場合がある。こうした複合ウェブでは、構造化ウェブ中の構造体は、キャリアウェブに取り付けられたときに、好ましくは弾性を示す場合があり、その結果複合ウェブは全体として弾性を示す。本明細書で使用されるとき、用語「弾性」(及びその変形)は、問題の物品(例えば、複合ウェブ、又は構造化ウェブ中の構造体)が引き伸ばされた後に、その元の形状の有意な部分を実質的に回復することを意味する。複合ウェブの弾性部分の回復が、適度の引き伸ばしの結果として経験した伸長(例えば、元の長さの約150%の最大伸長を経る)の少なくとも20%であることは、好ましい場合がある。
【0008】
本発明の複合ウェブの構造化ウェブは、好ましくは、熱可塑性ポリマー組成物を使用して形成されてもよい。本発明と関連して使用されるとき、「熱可塑性物質」(及びその変形)とは、熱に曝露されたときに軟化し、室温に冷却されたときにその元の状態又はその元の状態近くに戻るポリマー又はポリマー組成物を意味する。本発明の方法と関連して使用されるポリマー組成物は、好ましくは、本明細書に記載されるように、形成ツール中のくぼみの中に流入する又は入ることができる。
【0009】
構造化ウェブを形成してキャリアウェブに転移するために使用される形成ツールを、ポリマー組成物の溶融加工温度より低く維持することにより、形成ツールに適用された溶融ポリマー組成物は、ポリマー組成物により形成された構造化ウェブが形成ツールから取り外される前に、固化(又は凍結)されることができる。構造化ウェブのポリマー組成物は、キャリアウェブに取り付けられる前に固化されるため、構造化ウェブのポリマー組成物は、キャリアウェブの多孔質表面を湿潤する可能性もなく、又は、繊維状キャリアウェブのいずれかの繊維を封入する可能性もない。また、構造化ウェブの固化されたポリマー組成物が、非多孔質又は非繊維状のキャリアウェブのポリマーと混ざる可能性もない。
【0010】
構造化ウェブを形成ツールから取り外す前に、構造化ウェブのポリマー組成物を固化することが、例えば、構造化ウェブが形成ツールから引き離されるときに発揮される力によって、キャリアウェブの残りから分離し得る繊維状の構成(例えば、織布、不織布、又はニット繊維)をキャリアウェブが包含する場合に、キャリアウェブの内部結合力及び/又はキャリアウェブの引張り強度に関する懸念を減らし得る。取り外し前に構造化ウェブ中のポリマー組成物を固化又は凍結することが、好ましくは、構造化ウェブが形成ツールから取り外されるときにキャリアウェブ上に発揮されるいずれかの力を低減する場合がある。
【0011】
本発明の接着転移及び取り付けプロセスの潜在的利点は、結果として生じる複合ウェブが、構造体をキャリアウェブに取り付けるために溶融ポリマーが使用される複合ウェブより、可撓性が大きい場合があることである。改善された可撓性が、本発明の構造化ウェブのポリマーが取り付けプロセス中に溶融しない、又はキャリアウェブの表面を湿潤しないために提供される場合がある。
【0012】
弾性を示すように設計された複合ウェブの場合には、本発明の接着転移及び取り付け方法の別の潜在的利点が、キャリアウェブのより均一な伸長又は伸張において見出される場合がある。溶融ポリマーが、キャリアウェブの多孔質表面を湿潤する又はキャリアウェブの表面上の繊維を封入する複合ウェブでは、下層の多孔質又は繊維状キャリアウェブの伸長は阻害される場合がある。対照的に、本発明による構造化ウェブのキャリアウェブへの接着が、取り付けられた構造化ウェブの構造体の下に横たわるキャリアウェブの部分でさえ、複合ウェブが引き伸ばされるときに伸長できるようにする場合がある。
【0013】
本発明の接着転移及び取り付け方法の別の潜在的利点は、構造化ウェブの取り付け後も、キャリアウェブがその強度を保つ場合があることである。溶融ポリマーにより形成された構造体の取り付けについて、多孔質キャリアウェブを湿潤する又は繊維状キャリアウェブの繊維を封入する溶融ポリマーに頼る複合ウェブでは、下層のキャリアウェブの引張り強度は、キャリアウェブに融合されたポリマー構造体の縁部では低減される場合がある。
【0014】
本発明の方法の更に別の潜在的利点は、構造体をキャリアウェブに取り付ける能力であり、その場合構造体は、構造体をキャリアウェブに供給する(構造化ウェブの一部として)ために使用される形成ツール中のくぼみにより画定される、選択された形状を有する。構造化ウェブの構造体の形状についての制御は、それらの構造体と関連した機械的特性(例えば、弾性、強度、大きさなど)について改善された制御を提供する場合がある。
【0015】
本発明の方法の更に別の潜在的利点は、構造化ウェブの構造体をキャリアウェブの表面上の選択された配置において提供する能力である。その選択された配置は、形成ツール上のくぼみの対応する配置によって画定され、並びに構造体及び結び付いた表面薄層の取り外し及び取り付けの間に維持されるが、これは、取り外しが形成ツールからキャリアウェブへと直接に達成される(その間構造化ウェブは、好ましくは、緩和した状態に維持される)ためである。
【0016】
1つの態様では、本発明は、複合ウェブを連続プロセスで形成するための方法を提供する。この方法は、溶融ポリマー組成物を形成ツールの外側表面上に供給することであって、溶融ポリマー組成物が、外側表面の中に形成された複数個のくぼみに入り、溶融ポリマー組成物の表面薄層が、形成ツールの外側表面上で複数個のくぼみの間に広がることと、溶融ポリマー組成物を表面薄層中及び形成ツール上の複数個の不連続なくぼみ内で固化することにより、構造化ウェブを形成ツール上に形成することであって、構造化ウェブが、複数個のくぼみの形状に形成された複数個の構造体と、複数個の構造体と相互接続する表面薄層とを含むことと、構造化ウェブが形成ツールの上で緩和した状態にある間に、形成された構造化ウェブを形成ツールから取り外すことであって、取り外すことが、表面薄層と複数個の構造体とをキャリアウェブの第1主表面に、キャリアウェブの第1主表面に露出した接着剤を使用して接着することを含むことと、を備え、キャリアウェブ及びそこに接着された構造化ウェブは、不定長を有する複合ウェブを形成する。
【0017】
別の態様では、本発明は、伸張性キャリアウェブと、構造化ウェブであって、キャリアウェブの第1主表面に、キャリアウェブの第1主表面と構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着され、構造化ウェブが、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を有する、構造化ウェブと、を包含する弾性複合ウェブを提供し、複数個の構造体の構造体は弾性挙動を示し、複数個の構造体は、キャリアの第1主表面上で選択された配置にあり、構造化ウェブは、キャリアウェブの第1主表面上で緩和した状態にある。
【0018】
別の態様では、本発明は、キャリアウェブと、構造化ウェブであって、キャリアウェブの第1主表面に、キャリアウェブの第1主表面と構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着され、構造化ウェブが、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を有する、構造化ウェブと、を包含する複合ウェブを提供し、複数個の構造体は、1ミリメートル以下の厚さを有し、表面薄層は、50マイクロメートル以下の厚さを有し、複数個の構造体は、キャリアの第1主表面上で選択された配置にあり、及び構造化ウェブは、キャリアウェブの第1主表面上で緩和した状態にある。
【0019】
本発明のこれらの及び他の特徴並びに利点が、本発明の様々な、例示的実施形態に関連して以下に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】キャリアウェブに接着された構造化ウェブを包含する、複合ウェブの1つの実施例の断面図。
【図2】取り付けられた構造化ウェブを有する、図1の複合ウェブの1つの主表面の平面図。
【図3】構造化ウェブが取り付けられた主表面の一部分のみの上に接着剤が位置する、代替的複合ウェブの断面図。
【図4】取り付けられたカバーウェブを包含し、キャリアウェブとカバーウェブとの間に位置する構造化ウェブを有する、別の複合ウェブの断面図。
【図5】本発明の方法により、構造化ウェブを形成するため及び構造化ウェブをキャリアウェブに取り付けるために使用されてもよい、1つのポリマー転移システムの図。
【図6】図5のシステムにおける、ドクターブレードと形成ロール上のくぼみとの間の1つの関係を描写する、拡大概略図。
【図7】複数のポリマー組成物の使用に関連して、形成ツール及び溶融ポリマー供給源の図。
【図8】キャリアウェブに取り付けられた構造化ウェブ中の構造体であって、構造体がその中に形成された開口部を包含する構造体の1つの実施例の平面図。
【図9】図8の構造体を形成するために使用され得る形成ツールの表面中のくぼみの平面図。
【図10】図9の線10−10に沿って取られた、図9のくぼみの断面図。
【図11】本発明による複合ウェブを組み込む場合がある、おむつの形態の代表的な物品の図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
上述のように、本発明は、キャリアウェブの表面に接着された構造化ウェブを包含する複合ウェブを提供する。複合ウェブは、溶融ポリマー組成物が形成ツールの表面に供給され、そこで溶融ポリマー組成物が形成ツール中のくぼみに入り、形成ツールの外側表面に広がるという方法を使用して好ましくは形成される。固化した後、ポリマー組成物は、ポリマー組成物の表面薄層によって接続される構造体を包含する構造化ウェブを形成する。構造化ウェブは、構造化ウェブがその形成及びキャリアウェブへの転移の間に、好ましくは緩和した状態のままにあるプロセスにおいて、形成ツールから取り外され、キャリアウェブの主表面に接着される。
【0022】
本発明による複合ウェブ及びそれらを製造する方法の様々な実施形態を説明するために、これから様々な例示的複合ウェブが記載される。これらの例示的実施形態は、本発明を限定するものと考えられるべきではなく、本発明は、後に続く請求項によってのみ限定される。
【0023】
図1は、本発明により製造された1つの複合ウェブの一部分の断面図である。複合ウェブは、第1主表面12及び第2主表面14を有するキャリアウェブ10を包含する。キャリアウェブ10は、好ましくは、主表面に沿って測定されるいずれの寸法よりも著しく小さい、主表面間で測定された厚さを有する、2つの主表面を有するシート又はフィルムの形態である。
【0024】
本明細書で記載されるウェブは、「不定長」を有すると言われる場合があるが、これは、本明細書で使用されるとき、ロールで保存されて加工のために巻き戻される材料を使用するときに起こるように、ウェブの長さが、幅より著しく長いことを意味する。例えば、不定長を有するウェブが、ウェブの幅の100倍以上、好ましくは1000倍以上の長さを有する(その場合、幅は長さに対して横に伸びている)ことが好ましい場合がある。
【0025】
複合ウェブはまた、複数個の不連続な構造体22及び構造体22に接続する表面薄層24を有する構造化ウェブ20を包含する。構造化ウェブ20は、キャリアウェブ10の第1主表面12に接着されている。例えば、構造化ウェブ20とキャリアウェブ10との間の接触を高めるために、構造化ウェブ20の構造体22及び表面薄層24が、キャリアウェブ10の主表面12に面する平面を提供することが好ましい場合がある。キャリアウェブ10の主表面12から見て外方に向く構造化ウェブ20の表面は、相互接続する表面薄層24の上に構造体22が突き出る結果として、成形された輪郭(即ち、平らでない輪郭)を好ましくは有する場合がある。
【0026】
構造化ウェブ20は、構造体22及び接続する表面薄層24の相対的な厚さに基づいて特徴付けられる場合がある。例えば、弾性構造化ウェブ中の構造体22が、250マイクロメートル(約0.010インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。範囲の下端では、弾性構造化ウェブ中の構造体22が、75マイクロメートル(約0.003インチ)以上の厚さを有することが好ましい場合がある。構造体22が、非エラストマーのポリマーから構築される場合には、それらがより厚くなる場合がある。例えば、非弾性構造化ウェブ中の構造体22が、1ミリメートル(約0.040インチ)以下、場合によっては0.5ミリメートル(約0.020インチ)以下、又は更には250マイクロメートル(約0.010インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。
【0027】
本発明の構造化ウェブ中の構造体22に接続する表面薄層24は、構造体22より薄い。表面薄層24が、本発明の複合ウェブにおいていずれかの有意な構造機能を果たさない場合があるため、表面薄層24ができるだけ薄いことが好ましい場合があり、例えば、表面薄層24が、10マイクロメートル(約0.0005インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。場合によっては、表面薄層24は、50マイクロメートル(約0.002インチ)以下の厚さであってもよい。
【0028】
構造体22及び表面薄層24の相対的な厚さは、場合によっては、比及び最大厚さの両方によって特徴付けられる場合がある。例えば、構造体の厚さと表面薄層の厚さとの比が、5:1以上、又は更には10:1以上であることが好ましい場合がある。同時に、表面薄層24が10マイクロメートル(約0.0005インチ)以下の厚さを有することが好ましい場合がある。
【0029】
構造体22又は表面薄層24の両方の厚さは、キャリアウェブ10(及びその表面12)が平らな配置にあるときには、キャリアウェブ10の表面12に垂直に好ましくは測定される。図1に描写される図では、例えば、構造体22及び表面薄層の厚さは、ページ上をほぼ鉛直に走る線に沿って測定されることになる。構造体について、本明細書で論じられる厚さの測定は、公称最大厚さである(構造体は、それらが構造化ウェブ上に占有する区域(the are)にわたって、不変の均一厚さを有しなくてもよいと理解されている)。
【0030】
本明細書で論じられるように、表面薄層24の厚さは、できるだけ小さいことが好ましい場合がある。多くの場合、表面薄層24は、非常に薄い場合があるため、構造化ウェブ20が上に形成されたツールから、構造化ウェブ20が取り外される場合(本発明の方法による場合を除いて、即ち、表面薄層24に、接着剤を有するキャリアウェブで接触して、表面薄層24及びそれが相互接続する構造体22が、完全に緩和した状態で形成ツールから取り外されるという場合を除いて)、限られた張力のみに耐えることができる。加えて、表面薄層24は非常に薄い場合があるため、例えば、複合ウェブに伸張性を付与するために、ウェブ処理プロセスにおいて、表面薄層24が接着された下層のキャリアウェブ10が引き伸ばされる、ないしは別の方法で張力下に置かれる場合に、表面薄層24は壊れるか又は破断する可能性がある。
【0031】
構造化ウェブ20のキャリアウェブ10への接着は、第1主表面12と構造化ウェブ20との間に好ましくは位置する接着剤30により提供される。キャリアウェブ10の表面12への取り付けの前に、構造化ウェブ20は形成ツール上で好ましくは完全に固化するため、構造化ウェブ20が形成されるポリマー組成物は、キャリアウェブ10のいずれの部分も湿潤せず、又はキャリアウェブ10の表面12上に位置するいずれの繊維も封入しない。
【0032】
接着剤30は、図1においてキャリアウェブ10の第1主表面12と同一の広がりを持つ層として描写されているが、接着剤30は、キャリアウェブ10の第1主表面12と必ずしも同一の広がりを持つとは限らない場合もあることは理解されるべきである。本発明の方法において使用される接着剤(1種又は複数種)は、単一の接着剤であることもできるし(図1に描写されるように)、又は2つ以上の接着剤の組み合わせ若しくはブレンドであることもできる。接着剤(1種又は複数種)は、キャリアウェブの主表面に、例えば、溶媒コーティング、スクリーン印刷、ローラー印刷、溶融押出コーティング、溶融噴霧、ストライプコーティング、ラミネートプロセスなどのいずれかの好適な技術を使用して適用されてもよい。
【0033】
図2は、構造化ウェブの、取り付けられた構造体22及び表面薄層24を有する、キャリアウェブ10の一部分の第1主表面12の平面図である。キャリアウェブ10(及び、結果として生じる複合ウェブ)が、長手方向軸11に沿って不定長、及び長手方向軸11に対してほぼ垂直に測定される、縁部13と15との間の幅を有することが好ましい場合がある。複合ウェブが、不定長のキャリアウェブ10を使用して連続プロセスで製造される場合には、図2に描写された長手方向軸11はまた、キャリアウェブ10(及びそのため、キャリアウェブ10を使用して形成される複合ウェブ)の機械方向と一致する場合がある。
【0034】
構造化ウェブの構造体22の描写された配置は、均一の繰り返しパターンであるが、構造体22は、構造化ウェブ内(及び、そのため、キャリアウェブ10の表面12上)のいずれかの選択された配置に提供されてもよい。構造体22のその選択された配置は、本明細書に記載されるように、形成ツール中のくぼみの配置によって典型的には画定されることになる。構造化ウェブは、好ましくは、キャリアウェブ10に緩和した状態で転移されるため、構造体22の選択された配置は、好ましくは、構造化ウェブのキャリアウェブ10への取り付けの間、維持される。構造化ウェブを緩和した状態で転移することはまた、構造化ウェブがキャリアウェブを曲げる又はひずませるといったいずれかの傾向を低減する場合がある。
【0035】
また、構造化ウェブの構造体22は、すべてが、図2に描写されるように、同じほぼ円形の形状を有してもよいが、本発明の複合ウェブは、例えば、矩形、楕円形、三角形、不規則などいずれかの選択された形状を持つ構造体を有する構造化ウェブを包含してもよい。加えて、キャリアウェブに取り付けられた構造化ウェブの構造体は、すべてが、構造化ウェブ内で同じ形状を有してもよいし、又は単一の構造化ウェブが、異なる形状を有する構造体を包含してもよい。典型的には、しかしながら、構造体の形状(1又は複数)は、複合ウェブの中に組み込まれる構造化ウェブを製造するために使用される形成ツール中のくぼみの形状によって決定されることになる。
【0036】
図3は、本発明による複合ウェブの代替的実施形態の断面図であり、その中で構造化ウェブ120は、キャリアウェブ110の主表面112に取り付けられている。構造化ウェブ120は、接着剤130により、表面112に取り付けられている。図1に描写される実施形態と異なり、接着剤130は、キャリアウェブ110の表面112全体にわたっては提供されていない。むしろ、接着剤130は、キャリアウェブ110の表面112の一部分のみの上に提供されている。
【0037】
接着剤130は、構造化ウェブ120の構造体122とキャリアウェブ110の表面112との間に位置するように描写されるが、接着剤130は、その代わりに、構造化ウェブ120とキャリアウェブ110との間の区域のいずれかの選択された部分を占有する場合がある。
【0038】
接着剤130のパッチが、キャリアウェブ110の表面112上に、例えば、スワールコーティング(swirl coating)、ストリップコーティング(長手方向ないしは別の方向)などのいずれかの好適な技術(1種又は複数種)により提供されてもよい。接着剤130は、上記の接着剤30のように、いずれかの好適な組成物からのものであってもよい。
【0039】
図4は、別の複合ウェブ200を描写し、この中で、カバーウェブ240は、カバーウェブ240とキャリアウェブ210との間に位置する構造化ウェブ220を有する複合ウェブ200に取り付けられている。キャリアウェブ210は、好ましくは、その主表面212上に接着剤230を包含する場合があり、キャリアウェブ210の主表面214はカバーウェブ240から見て外方に向く。接着剤230は、好ましくは、図1及び3に描写される実施形態に関連して上記とほとんど同じ方式で、構造化ウェブ220をキャリアウェブ210に取り付けるために使用されてもよい。
【0040】
カバーウェブ240は、好ましくは、接着剤250を、キャリアウェブ210に面するカバーウェブ240の主表面242上に包含してもよい(カバーウェブ240は、キャリアウェブ210から見て外方に向く主表面244を包含する)。接着剤250は、好ましくは、カバーウェブ240を複合ウェブ200に取り付けるために使用されてもよい。カバーウェブ240の表面242上の接着剤250は、カバーウェブ240を構造化ウェブ220に取り付けてもよい。
【0041】
両方の接着剤230及び250は、キャリアウェブ210の表面212全体にわたって位置するように描写されているが、図3に描写される実施形態と同様に、キャリアウェブ210の表面212の部分が接着剤230を含まない場合もある。加えて、接着剤250は、カバーウェブ240の表面242の一部分のみの上に提供されてもよい。
【0042】
図5は、本発明の原則による、構造体322と、接続する表面薄層324とを包含する構造化ウェブを、キャリアウェブ310の1つの主表面312に接着して複合ウェブ300を形成する1つのシステム及び方法の中のウェブの経路及びロールを描写する。図5に描写されるシステムは、システムを通るウェブの経路を画定する、キャリアウェブ310を包含する。キャリアウェブ310は、様々なロール上の回転矢印により示される下流方向にシステムを進む。供給から巻き戻され、ないしは別の方法で提供された後(例えば、キャリアウェブ310は、図5に描写されるシステムによりインラインで製造されてもよい)、キャリアウェブ310は、形成ツール360とバックアップロール361との間に形成された転移ニップの中に導かれる。
【0043】
複合ウェブは、好ましくは、説明される実施形態ではロールの形態である形成ツールを使用して製造され形成されてもよいが、本発明の形成ツールは、あるいは、例えばエンドレスベルトなどのロール以外の形態で提供されてもよいことは、理解されるべきである。更に、形成ツール(ロールないしは別のもの)は、例えば、機械加工、エッチング、らせん巻きロール(例えば、米国特許第6,190,594 B1号、名称「構造化表面を有する物品のための工作機械(TOOLING FOR ARTICLES WITH STRUCTURED SURFACES)」中のもの)、スタックプレート(stacked plate)技術などのいずれかの好適な技術により製造されてもよい。
【0044】
また、描写されていないが、キャリアウェブ310の主表面312は、好ましくは、接着剤が形成ツール360に面するように、主表面312の上に位置する接着剤を包含する。接着剤は、例えば、連続層、又は不連続区域のいずれかの好適な形態で提供されてもよい。いくつかのシステムでは、図5に描写される、形成及び転移システムとインラインであるプロセスにおいて、接着剤はキャリアウェブ310の表面312に適用されてもよい。あるいは、形成ロール360上に形成されている構造化ウェブは、構造化ウェブがキャリアウェブ310の表面312に接触する前に、接着剤をコーティングされてもよい。別の変形では、接着剤は、形成ロール360とバックアップロール361とによって形成されるニップの中に導かれる別個の違ったウェブとして提供され得る可能性がある。
【0045】
キャリアウェブ310への接着転移のために、構造体322及び接続する表面薄層324を包含する構造化ウェブを提供するプロセスは、溶融ポリマー組成物370の供給を形成ロール360の外面362に供給することを包含し、形成ロール360は、その外面362の中に形成された複数個のくぼみを包含する。溶融ポリマー組成物370は、好ましくは、いずれかの好適な供給装置により、形成ロール360の外面362に供給されてもよい。描写されたシステムでは、溶融ポリマー組成物は、押出機372により供給される。形成ロール360の外側表面に広がる表面薄層324により互いに相互接続される構造体322を包含する構造化ウェブが形成されるように、外面362に対して作用するドクターブレード374により、溶融ポリマー組成物は形成ツールの外面362から拭き取られるか又は取り除かれる。
【0046】
ドクターブレード374は、ポリマー組成物372の溶融加工温度と少なくとも同じ高さの温度まで加熱されてもよい。ドクターブレードの温度が、押出機372により押し出されるときの溶融ポリマー組成物370の温度とほぼ等しい(又は更にはより高い)ことが、好ましい場合がある。
【0047】
描写されたシステム中の押出機372は、溶融ポリマー組成物370を、それがドクターブレード374と形成ツール360の外面362との境界面の中に導かれるように押し出してもよい。場合によっては、溶融ポリマー組成物372は、ブレード374と形成ツール360との間の境界面までドクターブレード374を流れ落ちる場合がある。
【0048】
形成ツール360は、好ましくは、その外面362の中に形成されたくぼみ364を包含する。形成ツール360の外面362の中のくぼみ364は、好ましくは、形成ツール360の外面362上に付着される溶融ポリマー組成物370の一部分によって充填される。くぼみ364を溶融ポリマー組成物370により充填することは、形成ツール360の外面362上のドクターブレード374の拭き取り作用により高められる場合がある。
【0049】
溶融ポリマー組成物370の流速は、好ましくは、溶融ポリマー組成物の体積が、ドクターブレード374を通過するくぼみ364の体積と、好ましくは、ほぼ等しい場合があるように制御されてもよい。構造化ウェブの構造体322及び表面薄層324が形成ロール360の上に形成されるときに、ドクターブレード374の背後の熱可塑性組成物の集積を防ぐ又は低減する場合があるため、その関係が有利な場合がある。ドクターブレード374の背後の熱可塑性組成物の集積は、より低い形成ツールの温度のために有害である場合があり、これは、熱可塑性組成物の粘度を増大する可能性があり、くぼみは適切に充填できず、及び/又は表面薄層は所望されるより厚くなる。
【0050】
図6は、ドクターブレード374と形成ツール360の中のくぼみ364を有する外面362との間の1つの可能性のある好適な関係を描写する、拡大された部分断面図である。形成ツール360の外面362は、好ましくは、ドクターブレード374を、矢印により示される方向に通過する。描写された実施形態の中の溶融ポリマー組成物370は、ドクターブレード374の上面に入射し、ドクターブレード374と形成ツール360の外面362との間の境界面に向かって、ドクターブレード374を流れ落ちる。あるいは、溶融ポリマー組成物の流れは、それが、ドクターブレード374と形成ツール360の外面362との間の境界面に直接流れ込むように調整され得る。
【0051】
形成ツール360の外面362の中のくぼみ364が、ドクターブレード374の下を通過するとき、それらは、好ましくは、図6に見られるように、溶融ポリマー組成物370により充填される。図6に描かれた他の構成要素に比べてそれが相対的に薄いために図6には見られないが、ポリマー組成物370はまた、好ましくは、形成ロール360の外面362上に表面薄層を形成する。
【0052】
描写された実施形態では、溶融ポリマー組成物370の流れは、好ましくは、ドクターブレード374の下を通過するくぼみ364の体積と、くぼみ364の間に伸びる表面薄層を形成するために必要な材料の量とにほぼ等しいように調整される。結果は、好ましくは、形成ツール360とドクターブレード374との境界面に、僅かの量のポリマー組成物が集積するか又は全く集積しないということである。
【0053】
その結果を実現するには、形成ツール360の温度を、次のものの1つ以上と共に制御することを伴う場合がある:ドクターブレード温度、溶融ポリマー組成物温度、形成ツール速度(ドクターブレードに対して)、溶融ポリマー組成物の流速、形成ツール360上にドクターブレード374によって発揮される圧力又は力など。
【0054】
本明細書で論じられるように、本発明は、好ましくは、構造化ウェブの形成ツールからの接着剤に援助された取り外し、及び構造化ウェブのキャリアウェブの主表面への接着を伴う。図5を再び参照すると、本発明の方法は、好ましくは、キャリアウェブ310の表面312への、接着剤に援助された構造化ウェブの転移を伴ってもよい。
【0055】
形成ツール上のくぼみ内のポリマー組成物(又はその部分)が、例えば、多孔質のキャリアウェブの浸潤及び/又はポリマー組成物内の繊維の封入を促進するように、その溶融加工温度に又はその近くに維持される方法とは対照的に、本発明の方法は、好ましくは、ポリマー組成物が形成ツールの上に位置する間にポリマー組成物の固化を結果として生じ、構造化ウェブが、例えば、キャリアウェブ上の接着剤と接触するときに、ポリマー組成物により形成された構造化ウェブが形成ツールから取り外されると共にキャリアウェブに接着されるようにする。
【0056】
構造化ウェブが形成ツールから取り外され及びキャリアウェブに接着される前に、くぼみ内及び形成ツールの表面上のポリマー組成物を固化することにより、多孔質キャリアウェブの湿潤及び/又はキャリアウェブ上の繊維の封入が好ましくは防がれる場合がある。ポリマー組成物を、十分に固化するために、形成ツールが、ポリマー組成物の溶融加工温度より著しく低い温度に保持されることが好ましい場合がある。例えば、溶融ポリマー組成物が、形成ツールの外側表面に接触する前に、形成ツールの外面の温度が、ポリマー組成物の溶融加工温度よりも約20℃以上低い温度に保持されることが好ましい場合がある。
【0057】
構造化ウェブの形成ツールからの取り外し、及び構造化ウェブのキャリアウェブへの取り付けは、好ましくは、構造化ウェブの構造体がくぼみ内に位置するか又はキャリアウェブに取り付けられるかのいずれかであるように同時に起こる(即ち、構造化ウェブは、好ましくは、それがキャリアウェブに接着される前に形成ツールから取り外されない)。しかしながら、場合によっては、構造化ウェブのキャリアウェブへの接着は、初めの取り外し及び接着の後に、追加の加工により増強される場合がある。例えば、そこに接着された構造化ウェブを有するキャリアウェブを包含する複合ウェブは、最初の取り外し及び取り付けの後で構造化ウェブのキャリアウェブへの接着を強化するために、熱、圧力などを受ける場合がある。
【0058】
ポリマー組成物は形成ツールのくぼみの中及び表面上にある間に固化するため、構造化ウェブの構造体は、好ましくは形成ツールのくぼみによって画定される選択された形状を有する。構造化ウェブの構造体は、好ましくは、形成ツール中のくぼみの形状を取り、即ち、構造体はくぼみの痕跡である。更に、くぼみの中に形成されたときの構造体の選択された形状は、構造化ウェブの取り外し及びキャリアウェブへの取り付け中に、構造体がくぼみから取り外されるときに、好ましくは、永久的には変形されない。構造化ウェブの構造体の形状についてのこうした制御は、それらの構造体と関連した機械的特性(例えば、弾性、強度など)についての改善された制御を提供する場合がある。
【0059】
構造体の選択された形状についての制御に加えて、本発明はまた、構造化ウェブ内の選択された配置における構造体を提供する。構造化ウェブの形成ツールからキャリアウェブへの直接的な接着取り外し及び取り付けのために、構造化ウェブの構造体のその選択された配置は、好ましくは複合ウェブにおいて保たれる。本明細書で論じられるように、構造化ウェブの取り外し及び取り付けは、好ましくは、構造化ウェブが緩和した状態にあるときに行われる。こうした緩和した状態にあるとき、構造化ウェブ中の構造体の選択された配置は、好ましくは、転移プロセス中に保たれる。好ましい方法及び複合ウェブでは、構造化ウェブの構造体は、形成ツール上のくぼみ内に位置するか、又は構造化ウェブの一部のキャリアウェブに接着されるかのいずれかである。
【0060】
図5に描写されたシステム及び方法は、キャリアウェブの1つの主表面のみに取り付けられた構造化ウェブを有する複合ウェブを生成するが、本発明は、キャリアウェブの両方の主表面上に構造化ウェブを包含する複合ウェブを製造するために使用されてもよい。こうした方法の1つの例は、2つの別個のキャリアウェブの各々の1つの表面に構造化ウェブを形成する及び取り付けることを備えてもよい。そこに取り付けられた構造化ウェブを包含しない、2つのキャリアウェブの主表面は次に互いに取り付けられて(例えばラミネート加工されて)、両方の主表面に取り付けられた構造化ウェブを有する一体型キャリアウェブを形成してもよい。あるいは、単一のキャリアウェブが、形成ツールの各々が構造化ウェブをキャリアウェブの両方の主表面に取り付ける、2つの形成ツールによって形成されたニップの中に導かれてもよい。別の代替案では、構造化ウェブは、単一キャリアウェブの対向する主表面に連続的に取り付けられることができ、第1構造化ウェブがキャリアウェブの第1主表面に取り付けられ、続いて、第2構造化ウェブが、キャリアウェブの第2主表面に取り付けられる。
【0061】
図5は、溶融ポリマー組成物1つだけの形成ロールへの適用を描写しているが、2つ以上の異なるポリマー組成物が、本発明に関連して使用される形成ツールの外面に適用されて、単一の構造化ウェブが、2つ以上の異なるポリマー組成物から形成されてもよい。図7は、3つの溶融ポリマー組成物(ゾーンA、B、及びC中の)が、形成ツール460(軸461の周りに回転するロールの形態である)の表面の異なる部分に供給される1つのシステムの一部分を描写している。複数の押出機472a、472b、及び472cが使用される場合、異なるポリマー組成物は、異なるゾーン中の溶融ポリマー組成物が、加工中に混合しないような方式で供給されてもよい。ゾーン型フィードブロック(zoned feedblocks)などのような代替的技術が使用されて、異なるゾーン中の溶融ポリマー組成物を供給してもよい。
【0062】
形成ツール460はまた、異なる溶融熱可塑性組成物が適用されてもよい、くぼみの異なるセット464a、464b、及び464cを包含してもよい。形成ツール460上の異なるゾーン中のくぼみは異なる形状であり、異なる大きさを有し、及び異なる間隔を有する。例えば、ゾーンCの中のくぼみは、不規則な、非繰り返しパターンで配置されているが、ゾーンA及びBの中のくぼみは規則的な、繰り返しパターンで配置されている。形状、間隔、及びくぼみの配置において、多くの他の変形が可能である。
【0063】
図2に描写される構造化ウェブ20の構造体22は、構造体22の外部周辺部内に位置する下層のキャリアウェブ10の表面積のすべてを覆うが、本発明の構造化ウェブの構造体は、あるいは1つ以上の空間を包含してもよく、その中で表面薄層の一部分は、周囲のポリマー構造体内に形成された空間を横切って広がる。結果として生じる構成は、例えば、キャリアウェブ中に形成されたボタン穴、スロット、穿孔、又は他の開口部の区域中のキャリアウェブを補強するように使用されてもよい。同様な構造体の他の用途、例えば、複合ウェブの通気性改善などが想定されてもよい。
【0064】
キャリアウェブ510の主表面上のこうした構造体522の1つの実施例が、図8に描写される。構造体522は、表面薄層524の一部分が横切って伸びる内部周辺部523を有する空間を包含するリング形状の物品の形態である。構造体522内に形成された内部周辺部523を横切って伸びる表面薄層524のその部分は、構造体522によって囲まれている。描写されたリング形状の構造体522及びその空間(内部周辺部523によって画定されるような)は両方が細長い楕円形様の形状を有するが、本発明の構造化ウェブ中の構造体は、いずれの所望の形状、例えば円形、正方形、三角形、不規則な形状などにおいて形成されてもよい。
【0065】
更に、こうした構造体中の空間の形状は、構造体の外部周辺部の全体的な形状に対応していてもよいし(構造体522中の空間のように)、又はそれらは異なっていてもよい。例えば、構造体内の空間が異なる外形(例えば、正方形など)を有する一方で、構造体は1つの形状(例えば、円形など)の外部周辺部を有してもよい。加えて、構造体522は、その中に位置する唯一の空間を包含するが、本発明に関連して提供される構造体は、その中に形成された1超過の空間を包含してもよい。例えば、本発明の単一の構造体が、2つ以上の別個の及び違った空間を包含してもよい。
【0066】
図9及び10は、形成ツール560の外面562の中のくぼみ564の1つの実施例を描写している(図9及び10の中にはその一部分のみが描写されている)。くぼみ564は、図8に描写されるように、構造体522を形成するために使用されてもよい。リング形状のくぼみ564は、形成ツールの表面562の中に、くぼみ564によって形成されたリングの中に位置する凸部565を有する細長いトラフの形態で伸びている。
【0067】
くぼみ564の中央に形成された凸部565は、好ましくは、くぼみ564を囲む形成ツールの外面562と同じ高さであってもよい。くぼみ564は、その中に形成された唯一の凸部565を有して描写されているが、本発明の方法に関連して使用されるくぼみは、そう所望される場合には(本明細書で論じられるように、2つ以上の空間を有する構造体を形成するために)、各くぼみ内に位置する2つ以上の凸部を包含してもよい。更に、凸部及び周囲のくぼみの形状はまた変化してもよく、例えば円形の最外部周辺部を有するくぼみが異なる形状を有する凸部と組み合わされてもよい。別の変形では、凸部は、図9及び10に描写されるように、くぼみ内の中心になくてもよい。
【0068】
図9に描写される別の変形は、形成ツール560の表面562に対するくぼみ564の深さの変形であり、くぼみ564は、凸部565に最も近いところで最も深く、及びくぼみ564の最外部周辺部のところでより浅い深さまで上昇する。こうした構成は、結果として生じる構造体の外部周辺部のところ(構造体が周囲の表面薄層と出会うところ)で、より漸進的に薄くなるため構造化ウェブ中の構造体に、より可撓性のある縁部を提供する場合がある。
【0069】
本発明に関連して使用するために好適なポリマー組成物は、それらが、形成ツールの外面上に付着されてドクターブレードによって作用されるときに少なくとも部分的にくぼみを充填するために十分に流動するように溶融加工可能であるが、溶融プロセス中に著しく劣化しないものである。多種多様なポリマー組成物が、くぼみの形状及び加工条件に依存して、本発明のプロセスに使用するために好適な溶融及び流量特性を有する場合がある。例えば、本明細書に記載されるように、形成ツールの表面上の溶融ポリマー組成物を拭き取る間に、ポリマー組成物のいずれかの粘弾性の回復特性が、それらをくぼみから著しく後退させないように、溶融加工可能な材料及び加工条件が選択されることが更に好ましい場合がある。
【0070】
本発明の方法では、構造化ウェブを形成してキャリアウェブへ転移するために使用される形成ツールの外面は、ポリマー組成物の溶融加工温度より低い温度に維持される。本発明のポリマー組成物の「溶融加工温度」は、5秒以下の期間内にポリマー組成物が流動できる又は形成ツール中のくぼみの中に入ることができる(本明細書に記載されるように)最低温度である。場合によっては、溶融加工温度は、非晶質ポリマー組成物についてはガラス転移温度若しくはその僅かに上であってもよいし、又は結晶性若しくは半結晶性ポリマー組成物については溶融温度若しくはその僅かに上であってもよい。ポリマー組成物が、1つ以上の結晶性及び1つ以上の半結晶性ポリマーのどちらか又は両方とブレンドされた1つ以上の非晶質ポリマーを包含する場合、溶融加工温度は、非晶質ポリマーの最高ガラス転移温度又は結晶性及び半結晶性ポリマーの最高溶融温度の内の高い方である。加えて、形成ツールの外面の温度が、形成ツールに付着されたポリマー組成物の溶融加工温度より少なくとも20℃以上低いことが好ましい場合がある。
【0071】
本発明に関連して使用されるポリマー組成物が、熱可塑性ポリマー組成物であることが、好ましい場合がある。好適な可能性のある熱可塑性ポリマー組成物のいくつかの例には、ポリウレタン、ポリオレフィン(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリメタクリレート、エチレンビニルアセテートコポリマー、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリ塩化ビニル、アクリレート変性エチレンビニルアセテートポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、ナイロン、フルオロカーボンなどを挙げてもよいが、これらに限定されない。好適な熱可塑性ポリマーは、一般に、ASTM D1238に指定されるような、ポリマーに対して適切な条件で測定された、5〜200グラム/10分のメルトフローインデックスを有する。更に、熱可塑性組成物は、例えば、熱可塑性ホットメルト接着剤であってもよい。
【0072】
本発明のポリマー組成物は、非エラストマーの又はエラストマーのポリマーのどちらか又は両方を包含してもよい。非エラストマーのポリマーは、ゴム状弾性を周囲条件(例えば、室温及び室内圧力)で示さないポリマーである。本発明に関連して使用されるとき、「非エラストマーの」とは、非エラストマー材料から形成された構造化ウェブ中の構造体が、引き伸ばされて緩和した後にその元の形状を実質的に回復しないことを意味する。更に、非エラストマーのポリマーから形成された構造化ウェブ中の構造体は、好ましくは、変形及び緩和に続く永久歪を持続する場合があり、この永久歪は、好ましくは、適度の伸長、例えば約50%において(破壊又は他の破損なしに50%まで等しく引き伸ばされ得る材料について)、元の長さの少なくとも約20%以上、より好ましくは少なくとも約30%以上である。
【0073】
エラストマーの(又は弾性の)ポリマーは、ゴム状弾性を周囲条件(例えば、室温及び室内圧力)で示すポリマーである。本発明に関連して使用されるとき、「エラストマーの」とは、エラストマー材料から形成された構造化ウェブ中の構造体が、引き伸ばされて緩和した後にその元の形状を実質的に回復することを意味する。更に、エラストマーのポリマーから形成された構造化ウェブ中の構造体は、好ましくは、変形及び緩和に続く小さい永久歪のみを持続する場合があり、この永久歪は、好ましくは、適度の伸長、例えば約50%において、元の長さの約30%以下、より好ましくは約20%以下である。
【0074】
本発明に関連して使用されるエラストマーのポリマー組成物は、純エラストマーと、室温において実質的なゴム状弾性を依然として示すエラストマー相又は内容物とのブレンドとの両方であり得る。米国特許第5,501,679号(クルーガー(Krueger)ら)は、本発明に関連して使用が考えられてもよいエラストマー材料に関して、いくつかの更なる解説を提供している。
【0075】
本発明に関連して使用される弾性ポリマー組成物は、1つ以上のポリマーを包含することができる。例えば、ポリマー組成物は、ポリマーが室温でゴム状弾性を示すように、エラストマー相とのブレンドであり得る。好適な弾性ポリマー組成物には、ブロックコポリマー、例えば従来のA−B又はA−B−Aブロックコポリマー(例えばスチレン−イソプレン−スチレン、スチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックコポリマー)、エラストマーポリウレタン、オレフィンエラストマー、特にエラストマーエチレンコポリマー(例えばエチレン酢酸ビニル、エチレン/オクテンコポリマーエラストマー、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーエラストマー)並びにこれらの互いの混合物、他の弾性熱可塑性ポリマーとの混合物又は非弾性ポリマーとの混合物を挙げてもよい。
【0076】
本発明と関連して使用されるポリマー組成物はまた、所望の効果のために様々な添加剤と組み合わせることができる。これらには、例えば、充填剤、粘度低下剤、可塑剤、粘着性付与剤、着色剤(例えば染料又は顔料)、酸化防止剤、帯電防止剤、結合助剤、粘着防止剤、スリップ剤、安定剤(例えば熱及び紫外線)、発泡剤、ミクロスフェア、ガラスバブル、強化用繊維(例えばマイクロファイバー)、内部剥離剤、熱伝導性粒子、導電性粒子などが挙げられる。ポリマー組成物において有用であり得るこうした材料の量は、こうした材料を加工及び使用する分野の当業者により、容易に決定され得る。
【0077】
本発明の複合ウェブにおいて構造化ウェブをキャリアウェブに接着するために使用される接着剤は、例えば硬化性、感圧性、熱活性化、ホットメルトなどのいずれかの好適な組成物からのものであってもよい。接着剤が、感圧性接着剤以外のものである場合には(例えば、硬化性、熱活性化、ホットメルトなど)、それは、好ましくは、構造化ウェブを形成ツールから、転移条件下で取り外すために十分な粘着性を示す。本明細書で論じられたように、構造化ウェブのキャリアウェブへの接着は、取り外し後に(例えば転移点の下流で)更に増強される場合がある。
【0078】
感圧特性を示す接着剤を使用することが好ましい場合がある。感圧性接着剤を識別するための1つの周知の技術は、ダルキスト(Dahlquist)基準である。この基準は、「感圧性接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology)」(ドナタス・サタス(Donatas Satas)(編)、第2版、172ページ、ヴァン・ノストランド・レインホールド(Van Nostrand Reinhold)、ニューヨーク州ニューヨーク(New York)、1989年)に記載されるように、感圧性接着剤を、1×10−6cm2/ダインを超える1秒クリープコンプライアンスを有する接着剤として定義する。あるいは、弾性率は1次近似まではクリープコンプライアンスの逆数であるため、感圧性接着剤は100kPa(1×106ダイン/cm2)未満のヤング率を有する接着剤として定義されてもよい。感圧性接着剤を識別するための別の周知の技術は、それが室温で積極的に及び永久的に粘着性であり、並びに指又は手の圧力を超える必要のない単なる接触だけで多様な異種表面にしっかりと接着し、並びに「感圧接着テープのための試験方法(Test Methods for Pressure Sensitive Adhesive Tapes)」(感圧テープ協議会(Pressure Sensitive Tape Council)、1996年)に記載されるように、残留物を残すことなく滑らかな表面から取り外される場合があるということである。好適な感圧性接着剤の別の好適な定義は、25℃における周波数に対する弾性率のグラフにプロットしたときに次の点によって画定される区域内に室温貯蔵弾性率をそれが好ましくは有することである:およそ0.1ラジアン/秒(0.017Hz)の周波数における、およそ20kPa(2×105ダイン/cm2)〜40kPa(4×105ダイン/cm2)の弾性率範囲、及びおよそ100ラジアン/秒(17Hz)の周波数における、およそ200kPa(2×106ダイン/cm2)〜800kPa(8×106ダイン/cm2)の弾性率範囲(例えば、「感圧性接着剤技術ハンドブック(Handbook of Pressure Sensitive Adhesive Technology)」(ドナタス・サタス(Donatas Satas)(編)、第2版、ヴァン・ノストランド・レインホールド(Van Nostrand Rheinhold)、ニューヨーク、1989年)の173ページ、図8〜16参照)。感圧性接着剤を識別するこれらの方法のいずれかを使用して、本発明に関連して使用するために好適な可能性のある感圧性接着剤を識別してもよい。
【0079】
キャリアウェブ(及び/又は存在する場合カバーウェブ)中の材料(1つ又は複数)の種類及び構成は、構造化ウェブを形成ツールから接着取り外しするための適切なキャリアウェブを選択するときに、考慮されるべきである。例えば、キャリアウェブは、構造化ウェブの形成ツールからの接着取り外し中に生成される力のために、それが分離する、薄い層に裂けるなどしないように十分な内部強度を有するべきである。
【0080】
本発明の方法によって製造される複合ウェブの様々な断面図において描写されるキャリアウェブは単層構造体として図解されるが、キャリアウェブが単層の構成であっても又は多層の構成であってもよいことは理解されるべきである。多層の構成が使用される場合、様々な層が同じ又は異なる特性、構成などを有してもよいことは理解される。これらの変形のいくつかは、例えば、係属中の米国特許出願09/257,447、名称「不連続なステム領域を有するウェブ(WEB HAVING DISCRETE STEM REGIONS)」(1999年2月25日出願)(PCT国際公開特許第00/50229号(International Publication No. WO 00/50229)として公開)に記載されるようなものであってもよい。
【0081】
いくつかの好適な可能性のあるキャリアウェブの例には、例えば、織布材料、不織布材料、ニット材料、網目、スクリム、フォーム、紙、フィルム、又はニップ点を通って供給され得るいずれかの他の連続媒体を挙げてもよい。キャリアウェブは、例えば伸張性、弾性、可撓性、適合性、通気性、多孔性、剛性などのような多種多様な特性を有してもよい。更にキャリアウェブは、平坦な平面シート構成からのプリーツ、波形、マイクロクレーピング、又は他の変形を包含してもよい。
【0082】
場合によっては、キャリアウェブが幾らかのレベルの伸張性、及びまた場合によっては、弾性を示す場合がある。好ましい場合がある伸張性ウェブは、少なくとも約50g/cm、好ましくは少なくとも約100g/cmの初期降伏張力を有する場合がある。更に伸張性ウェブは、好ましくは伸張性不織布ウェブであってもよい。
【0083】
本発明に関連して使用されてもよい不織布ウェブを作製するために好適なプロセスには、エアレイイング、スパンボンド、スパンレース、結合メルトブロウンウェブ及び結合カードウェブ形成プロセスを挙げてもよいが、これらに限定されない。スパンボンド不織布ウェブは、溶融された熱可塑性プラスチックを紡糸口金の一連の細密ダイオリフィスからフィラメントとして押し出すことによって作製される。例えば、非排出(non-eductiv)若しくは排出(eductive)流体引き抜き、又は米国特許第4,340,563号(アペル(Appel)ら);第3,692,618号(ドルシュナー(Dorschner)ら);第3,338,992号及び第3,341,394号(キニー(Kinney));第3,276,944号(レビ(Levy));第3,502,538号(ピーターソン(Peterson));第3,502,763号(ハートマン(Hartman))及び第3,542,615号(ドボ(Dobo)ら)に記載されているような他の既知のスパンボンド機構によって、押し出されたフィラメントの直径は張力下で迅速に低減される。スパンボンドウェブは、好ましくは結合されてもよい(ポイント結合又は連続結合)。
【0084】
不織布キャリアウェブはまた、結合カードウェブから作製されてもよい。カードウェブは、分離された短繊維から作製され、この繊維は、ほぼ機械方向に配向された繊維状不織布ウェブを形成するために、短繊維を機械方向に分離及び整列するコーミング又はカーディングユニットを通して送られる。しかしながら、ランダマイザーを使用して、この機械方向の配向を低減することができる。カードウェブが形成されたら、次に好適な引張特性を与えるために、それはいくつかの結合方法の1つ以上によって結合される。1つの結合方法は、粉末結合であって、粉末接着剤がウェブを通して分配され、次いで通常はウェブ及び接着剤を熱風で加熱することによって活性化される。別の結合方法は、加熱されたカレンダーロール又は超音波結合機器を使用して繊維を共に結合するパターン結合であり、通常は局部的結合パターンであるが、そう所望される場合には、ウェブをその全表面にわたって結合することができる。一般に、ウェブのより多くの繊維が共に結合されるほど、不織布ウェブの引張特性は大きくなる。
【0085】
エアレイイングは、本発明において有用な繊維状不織布ウェブが作製できる別のプロセスである。エアレイイングプロセスでは、通常は6〜19ミリメートルの範囲の長さを有する小繊維の束が分離されて、供給空気に同伴され、次いで多くの場合、真空供給の援助によって、形成スクリーン上に付着される。次に、ランダムに付着された繊維が、例えば熱風又は噴霧接着剤を使用して互いに結合される。
【0086】
メルトブロウン不織布ウェブは、複数のダイオリフィスから熱可塑性ポリマーを押し出すことにより形成されてもよく、このポリマー溶融ストリームは、ポリマーがダイオリフィスから出る位置のすぐのところのダイの2つの面に沿う高速熱風又は蒸気によって直ちに細径化される。結果として生じる繊維は、収集表面上に収集される前に、結果として生じる乱気流中で絡み合って凝集性ウェブになる。一般に、本発明に十分な一体性及び強度を提供するために、メルトブロウンウェブは、上記のように空気通過結合、熱又は超音波結合などによって、更に結合されなければならない。
【0087】
いくつかの実施形態では、幾らかの伸張をキャリアウェブ及び/又は複合ウェブ中に付与することが好ましい場合がある。キャリアウェブの伸張又は永久的伸長は、キャリアウェブが不織布ウェブであるときには特に有用である場合がある。いくつかの好適な可能性のあるプロセスの例が、例えば、米国特許出願公開第2005/0214461号に論じられている場合がある。例えば、その参照文献の図3は、物品が永久的に伸長されるように物品の部分が漸増式に引き伸ばされるプロセスを描写している。引き伸ばしに応じて起こる構造的変化によって、物品は引き伸ばしに対して低減された抵抗を有し、物品に取り付けられたエラストマー構造体は、好ましくは、キャリアウェブの永久的伸長によって提供される範囲まで伸びることができてもよい。
【0088】
キャリアウェブの伸張又は伸長は、構造化ウェブを取り付ける前に、又は構造化ウェブを取り付けた後に行われてもよい。キャリアウェブが、キャリアウェブを取り付ける前に引き伸ばされる又は伸長される場合、こうした引き伸ばし又は伸長は、構造化ウェブを取り付けるために使用されることになるキャリアウェブに接着剤を適用する前又は後に行われてもよい。キャリアウェブの引き伸ばし又は伸長は、結果として生じる複合ウェブに有益な特性を提供する場合がある。引き伸ばし又は伸長は、機械方向若しくは下方ウェブ方向であるか、及び/又は横断ウェブ方向であってもよい(これは、例えば、米国特許第4,965,122号及び第4,981,747号(両方ともモルマン(Morman))に論じられるように、ネッキングを生じる場合がある)。キャリアウェブ中にネッキングを生じるプロセスは、キャリアウェブ中に横断ウェブ伸張性を、ひいては複合ウェブ中に弾性を作り出すために有用である可能性がある。
【0089】
「リングロール」と呼ばれることもあるプロセスは、本発明の望ましい漸増式引き伸ばし操作である場合がある。リングロールプロセスでは、相互係合段ロール(corrugated interengaging rolls)が使用されて、物品を永久的に伸長して引き伸ばしに対するその抵抗を低減する。結果として生じる複合体は、リングロールプロセスを受けた部分において、より大きい度合いの伸縮性を有する。したがって、この第2操作は、物品の局部的部分における伸縮特性を実現する際に、追加的な可撓性を提供する場合がある。
【0090】
本発明に関連して使用するために好適な場合がある材料を、機械方向又は機械横方向に漸増式に引き伸ばす及び永久的に変形する相互係合段ロール(corrugated interengaging rolls)を使用することにより、伸張性の又はさもなければ実質的に非弾性の材料に伸縮性を付与するための方法は、米国特許第4,116,892号;第4,834,741号;第5,143,679号;第5,156,793号;第5,167,897号;第5,422,172号;及び第5,518,801号に開示されている。いくつかの実施形態では、物品は、相互係合段ロール(corrugated interengaging rolls)の中に、この第2操作の機械方向に関して傾斜した向きで供給されてもよい。あるいは、第2操作は、圧力下で中間構造体に適用される1対の相互係合溝付きプレートを用いて、局部的部分における中間構造体の漸増的な引き伸ばしを実現してもよい。
【0091】
伸張性はまた、米国特許第5,226,992号及び第5,910,224号(両方とも、キンバリー・クラーク・ワールドワイド社(Kimberly-Clark Worldwide, Inc.)に譲渡)に記載されるように、ネッキングを介してキャリアウェブに付与される場合がある。伸張性を付与する別の方法は、米国特許第5,914,084号及び第6,114,263号(両方とも、プロクター・アンド・ギャンブル社(The Procter & Gamble Company)に譲渡)に記載されるように、圧密化(consolidation)によるものである。
【0092】
複合ウェブが、使用条件下において典型的なひずみを受けたときに、伸張性キャリアウェブが、引き伸ばしに対して抵抗を示さないことが望ましい場合がある。複合ウェブによって経験される使用中のひずみは、例えば、複合ウェブが、着用者に適用される又は着用者から取り外される衣類又は他の物品の中に使用されるとき、及び物品が着用されているときの引き伸ばしが原因である場合がある。こうした複合ウェブ中の伸張性のキャリアウェブは、複合ウェブに所望の伸縮性を付与するために、好ましくは、予めひずみを与えられていてもよい。典型的には、伸張性のキャリアウェブが、使用中の最大ひずみ(典型的には、約250%未満のひずみ)の約1.5倍まで予めひずみを与えられるとき、伸張性のキャリアウェブは、それが使用中のひずみの範囲内のひずみに対して抵抗を示さないように、及び複合ウェブの弾性特性が、複合ウェブ中に使用される構造化ウェブとキャリアウェブ(及び他の構成要素)の弾性特性の合計と実質的に同じであるように、永久的に伸長されるようになる。
【0093】
キャリアウェブ及び/又は複合ウェブはまた、例えば、PCT国際公開特許第96/10481号(アブト(Abuto)ら)に開示されるように、スキップスリットを入れることにより伸張性にすることができる。弾性の、伸張性ウェブが所望である場合には、スリットは不連続であり、一般にウェブがいずれかの弾性構成要素、例えば弾性構造化ウェブに取り付けられる前にウェブの上で切断される。弾性構造化ウェブが非弾性キャリアウェブに取り付けられた後に、スリットを非弾性キャリアウェブ中に作り出すこともまた可能である場合もある。非弾性キャリアウェブ中のスリットの少なくとも一部分は、弾性複合ウェブの伸張性又は弾性の意図された方向(少なくとも最初の方向)に対して、好ましくは、ほぼ垂直である(又は実質的に垂直のベクトルを有する)場合がある。ほぼ垂直とは、選択されたスリット(1つ又は複数)の長手方向軸と伸張性の方向との間の角度が、60〜120°であることを意味する。全体の複合ウェブが弾性であるように、記載されたスリットの十分な数がほぼ垂直である。弾性複合ウェブが、少なくとも2つの異なる方向に弾性を示すことを意図するときは、2つの方向のスリットを提供することが有利である。
【0094】
このように、本発明による複合ウェブ、並びにそれらを製造する方法及びシステムの基礎的特徴のいくつかについて記載してきたが、本発明の1つの代表的な適用が、これから記載される。いくつかの理由により望ましい場合がある弾性、即ち適度の伸長後にそれらの元の形状を少なくとも部分的に回復するための能力を提供するために、本発明のいくつかの複合ウェブが物品中に使用される場合がある。例えば、弾性は、衣類(例えば、おむつ、トレーニングパンツ、ガウンなど)のような品のためのファスニングシステムと関連して有用である場合がある。衣類の弾性は、動的な適合と呼ばれてもよいもの、即ち、着用者の動きに応じて伸びる及び回復する能力を提供することができる。
【0095】
図11は、本発明による複合ウェブから製造された1つ以上の構成要素を包含する場合がある、使い捨ておむつ680の1つの実施例を描写している。おむつ680は、おむつに関連して有用な様々な材料から製造されてもよい本体682を包含する。いくつかの代表的なおむつの構成は、例えば、米国特許第5,399,219号(ロースラー(Roessler)ら)及び同第5,685,873号(ブリューマー(Bruemmer)ら)に記載されている場合がある。本明細書に記載される、本発明の複合ウェブを組み込む場合がある代表的な物品はおむつであるが、本発明の複合ウェブはまた、キャップ、ガウン、靴カバー、女性用ケア物品、失禁衣類などのような他の物品によっても用いられることができる。
【0096】
おむつ680は、物品の使用中に物品のウエストバンド区分を着用者の周りに固定するために、本体682から横に伸びて少なくとも1つのウエストバンド部分683の対向する外側端に接続されるファスニングタブ684を、好ましくは包含してもよい。ファスニングタブ684は、好ましくは、本発明の原則による1つ以上の複合ウェブを組み込んでもよい。
【0097】
おむつ680はまた、おむつ680の対向する末端部でウエストバンド部分685の中に位置するファスニングタブ受け入れ区域686を包含してもよい。ファスニングタブ684は、おむつを着用者の上に保つために、ファスニングタブ受け入れ区域686に取り付けられてもよい。図11には2つの受け入れ区域が描写されているが、場合によっては、ウエストバンド685の区域中のおむつを実質的に横断して伸びる、単一のより大きい受け入れ区域が提供されてもよいことが理解される。
【0098】
ファスニングタブ受け入れ区域686は、ファスニングタブ684を保つためにいずれかの好適な構成を有することができる。例えば、ファスニングタブ684が、その上に形成されるフックを包含する場合には、受け入れ区域686は、例えば、ファスニングタブ684を受け入れ区域686上に保つために、フックと連携するループ状の材料から構築されてもよい。
【実施例】
【0099】
次の非限定的実施例が、本発明のいくつかの原則に従う複合ウェブを製造する1つの方法を説明するためだけに提供される。
【0100】
複合ウェブが、図5に示されるものに類似したシステムを使用して生成された。75mm直径の単軸押出機が使用されて、70重量%のスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロックコポリマー(クレイトン(KRATON)G1657)、30重量%のメタロセン触媒ポリエチレン(エンゲージ(Engage)8452)、及び2pphのTiO2マスターバッチ(クラリアント(Clariant))のブレンドからなる溶融ポリマーを、およそ235℃の溶融温度でネックチューブに供給した。
【0101】
ネックチューブは、およそ185cmの外周を有するスチール製形成ロールの外面に溶融ポリマーを供給するダイに接続された。ダイは、以下に記載されるように、くぼみを持つ形成ロールの部分上に溶融ポリマーを付着するために、溶融ポリマーを2つの別個のストライプで供給するように設計されていた。ダイの基部には、ドクターブロックがあった。
【0102】
形成ロールの外面は、その中に形成された配列した矩形形状のくぼみを有するように、化学エッチングプロセスを使用して機械加工されていた。矩形は、ロール横断方向に1.5mmの幅及び機械(下方ウェブ)方向に2.5mmの長さを有した。矩形は、ロール横断方向及び機械方向の両方において4.2mmの中心間の間隔を有し、正方形の配列に配置された。2つのこうした配列がロール上に存在し、機械方向のストライプにおいて、2つのストライプ間に平らなロール表面(くぼみを持たない)を有して配列された。形成ロールは、くぼみが機械加工された後、剥離剤塗布によりプラズマコーティングされた。操作中、ロールの温度は、ロールの内部を通って循環される水を使用して制御され、水は、ロールに供給されるときに40℃の公称温度で保持された。
【0103】
ダイ及びドクターブロックは、溶融ポリマーのフィルムが、形成ロールの表面上に形成されるように位置付けられた。形成ロールの回転は、ポリマーの薄い表面薄層を形成ロールの外側表面上に形成する間に、ドクターブロックが溶融ポリマーを拭き取ってくぼみの中に入れるようにした。過剰の溶融ポリマーは、このプロセス中に、小さいロールバンク(rolling bank)を形成した。
【0104】
ドクターブロックの拭き取り作用の後、形成ロールは、形成ロールの外側表面上の構造化ウェブが、TESA剥離テープで包まれた適合するバックアップロールに対して、不織布キャリアウェブと強制的に接触させられるまで回転し続けた。
【0105】
不織布キャリアウェブは、27グラム/平方メートルの坪量を有する高伸張カード不織布(プロダクトC0075スタイル3320(Product C0075 Style 3320)、BBA不織布(BBA Nonwovens))であった。構造化ウェブに面する不織布の側面は、177℃の温度で、サミット(Summit)渦巻きパターン(ノードソン(Nordson))において、4.5グラム/平方メートルの坪量で、接着剤を噴霧コーティングされた。
【0106】
構造化ウェブと不織布キャリアウェブとの間に感圧性接着剤結合が得られ、その結果キャリアウェブ/構造化ウェブラミネートが形成ロールから離れる方に導かれるとき、構造化ウェブは形成ロールの表面からきれいに剥離された。
【0107】
図5には描写されていないが、キャリアウェブ/構造化ウェブラミネートは、次に2つのゴムロールの間の第2ニップを通って導かれ、その点で、接着剤を持つ第2の不織布カバーウェブが(キャリアウェブに関して上記のように)構造化ウェブの露出面にラミネートされて、不織布の2つの外層(キャリアウェブ及びカバーウェブ)と、形成ロールにより付与された構造体を持つ2つの内部構造化ウェブとを包含するトリラミネート複合ウェブを形成したが、構造化ウェブは、下方ウェブ方向に2つのストライプにおいて存在した。
【0108】
「含む」という用語及びその変形は、これらの用語が添付の説明及び特許請求の範囲で用いられる場合、限定的な意味を有しない。その上、「a」、「an」、「the」、「少なくとも1つの」及び「1つ以上の」は本明細書では交換可能に使用される。
【0109】
本明細書に記載される代表的な実施形態は、本発明の実施について例証している。本発明は、本文書において具体的には記載されていない、いずれかの要素又は品目の無い状態においても好適に実施される場合がある。すべての特許、特許出願、及び刊行物の完全な開示は、個々に組み込まれたかのように、参照によって本文書中に組み込まれる。本発明の様々な修正及び変更は、本発明の範囲から逸脱することなく当業者には明らかになるであろう。本発明は、本明細書中に記載される実例となる実施形態に不当に限定されてはならないことは理解されるべきである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続プロセスで複合ウェブを形成するための方法であって、
溶融ポリマー組成物を形成ツールの外側表面上に供給することであって、前記溶融ポリマー組成物が、前記外側表面の中に形成された複数個のくぼみに入り、及び、前記溶融ポリマー組成物の表面薄層が、前記形成ツールの前記外側表面上で前記複数個のくぼみの間に広がることと、
前記溶融ポリマー組成物を前記表面薄層中及び前記形成ツール上の前記複数個の不連続なくぼみ内で固化することにより、構造化ウェブを前記形成ツール上に形成することであって、前記構造化ウェブが、前記複数個のくぼみの形状に形成された複数個の構造体と、該複数個の構造体と相互接続する表面薄層とを含むことと、
前記構造化ウェブが前記形成ツールの上で緩和した状態にある間に、前記構造化ウェブを前記形成ツールから取り外すことであって、前記取り外すことが、前記表面薄層と前記複数個の構造体とをキャリアウェブの第1主表面に、前記キャリアウェブの前記第1主表面上に露出した接着剤を使用して接着することを含むことと、
を備え、前記キャリアウェブ及び前記キャリアウェブに接着された前記構造化ウェブが、不定長を有する複合ウェブを形成する、方法。
【請求項2】
前記構造体の厚さと前記表面薄層の厚さとの比が、5:1以上であり、及び、前記表面薄層が10マイクロメートル以下の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャリアウェブが前記構造化ウェブに接着されるとき、前記キャリアウェブが張力下にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構造化ウェブが前記キャリアウェブに接着される前に、前記キャリアウェブが永久的に伸長される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記接着剤が感圧性接着剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記接着剤が、前記キャリアウェブの前記第1主表面と同一の広がりを持つ、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接着剤が、前記キャリアウェブの前記第1主表面の一部分のみの上に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が多孔質であり、及び、前記構造化ウェブの前記ポリマー組成物が、前記多孔質表面を湿潤しない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が繊維状であり、及び、前記構造化ウェブの前記ポリマー組成物が、前記繊維状第1主表面の繊維を封入しない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記形成ツール上の前記複数個のくぼみの2個以上のくぼみが、不均一な深さを有し、及び、前記複数個の構造体の各構造体が、前記不均一な深さに対応する不均一な厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数個のくぼみの2個以上のくぼみが、その中に位置する1個以上の凸部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数個の構造体の各構造体が、前記キャリアウェブの前記第1主表面から見て外方に向く、成形された輪郭を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数個のくぼみが異なる形状を有するくぼみを含み、それによって前記複数個の構造体が異なる形状を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記溶融ポリマー組成物が、エラストマー構成成分を含み、前記構造化ウェブの少なくとも一部分が弾性挙動を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記溶融ポリマー組成物がエラストマー構成成分を含み、前記複数個の構造体の少なくともいくつかの構造体が弾性挙動を示し、及び、前記方法が、前記構造化ウェブを前記キャリアウェブの前記第1主表面に接着した後で前記複合ウェブを引き伸ばして、前記キャリアウェブが前記引き伸ばし後に永久的伸長を示すようにすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記溶融ポリマー組成物を前記形成ツールの前記外側表面上に供給することが、
第1溶融ポリマー組成物を、前記複数個のくぼみの第1セットのくぼみに供給することであって、前記複数個の構造体が、第1形状を有する第1セットの構造体を含むことと、
第2溶融ポリマー組成物を、前記複数個のくぼみの第2セットのくぼみに供給することであって、前記複数個の構造体が、第2形状を有する第2セットの構造体を含むことと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1形状と前記第2形状とが異なる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1溶融ポリマー組成物と前記第2溶融ポリマー組成物とが異なる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、カバーウェブを前記複合ウェブに取り付けることを更に含み、前記カバーウェブが前記キャリアウェブの前記第1主表面に面して、前記構造化ウェブが前記キャリアウェブの前記第1主表面と前記カバーウェブとの間に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記カバーウェブが前記複合ウェブに接着される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記カバーウェブが前記複合ウェブに感圧性接着剤を使用して接着される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記溶融ポリマー組成物がエラストマー構成成分を含み、前記構造化ウェブの前記複数個の構造体の少なくともいくつかの構造体が弾性挙動を示し、及び、前記方法が、前記カバーウェブを前記複合ウェブに取り付けた後で、前記複合ウェブと前記カバーウェブとを引き伸ばして、前記キャリアウェブと前記カバーウェブとが前記引き伸ばし後に永久的に伸長を示すようにすることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
弾性複合ウェブであって、
伸張性キャリアウェブと、
構造化ウェブであって、前記キャリアウェブの第1主表面に、前記キャリアウェブの前記第1主表面と前記構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着され、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を含む、構造化ウェブと、を備え、
前記複数個の構造体が弾性挙動を示し、
前記複数個の構造体が、前記キャリアの前記第1主表面上で選択された配置にあり、
及び、前記構造化ウェブが、前記キャリアウェブの前記第1主表面上で緩和した状態にある、弾性複合ウェブ。
【請求項24】
前記複数個の構造体が、75マイクロメートル以上の厚さを有し、及び、前記表面薄層が、10マイクロメートル以下の厚さを有する、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項25】
前記構造体の厚さと前記表面薄層の厚さとの比が、5:1以上であり、及び、前記表面薄層の厚さが10マイクロメートル以下である、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項26】
前記キャリアウェブが不織布ウェブを含み、該不織布ウェブは前記構造化ウェブが前記キャリアウェブに接着される前に永久的に伸長される、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項27】
パターンが、前記複数個の構造体のすべての前記構造体の間に均一な間隔を有する、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項28】
前記接着剤が感圧性接着剤である、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項29】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が多孔質であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が前記多孔質表面を湿潤しない、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項30】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が繊維状であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が、前記繊維状第1主表面の繊維を封入しない、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項31】
複合ウェブであって、
キャリアウェブと、
前記キャリアウェブの第1主表面に、前記キャリアウェブの前記第1主表面と前記構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着される構造化ウェブであって、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を含む構造化ウェブと、を含み、
前記複数個の構造体が1ミリメートル以下の厚さを有し、及び、前記表面薄層が50マイクロメートル以下の厚さを有し、
前記複数個の構造体が、前記キャリアの前記第1主表面上で選択された配置にあり、
並びに、前記構造化ウェブが、前記キャリアウェブの前記第1主表面上で緩和した状態にある、複合ウェブ。
【請求項32】
前記構造体の厚さと前記表面薄層の厚さとの比が、5:1以上であり、及び、前記表面薄層の厚さが10マイクロメートル以下である、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項33】
前記構造化ウェブが不織布ウェブを含み、該不織布ウェブは前記構造化ウェブが前記キャリアウェブに接着される前に永久的に伸長される、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項34】
前記接着剤が感圧性接着剤である、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項35】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が多孔質であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が、前記多孔質表面を湿潤しない、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項36】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が繊維状であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が、前記繊維状第1主表面の繊維を封入しない、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項1】
連続プロセスで複合ウェブを形成するための方法であって、
溶融ポリマー組成物を形成ツールの外側表面上に供給することであって、前記溶融ポリマー組成物が、前記外側表面の中に形成された複数個のくぼみに入り、及び、前記溶融ポリマー組成物の表面薄層が、前記形成ツールの前記外側表面上で前記複数個のくぼみの間に広がることと、
前記溶融ポリマー組成物を前記表面薄層中及び前記形成ツール上の前記複数個の不連続なくぼみ内で固化することにより、構造化ウェブを前記形成ツール上に形成することであって、前記構造化ウェブが、前記複数個のくぼみの形状に形成された複数個の構造体と、該複数個の構造体と相互接続する表面薄層とを含むことと、
前記構造化ウェブが前記形成ツールの上で緩和した状態にある間に、前記構造化ウェブを前記形成ツールから取り外すことであって、前記取り外すことが、前記表面薄層と前記複数個の構造体とをキャリアウェブの第1主表面に、前記キャリアウェブの前記第1主表面上に露出した接着剤を使用して接着することを含むことと、
を備え、前記キャリアウェブ及び前記キャリアウェブに接着された前記構造化ウェブが、不定長を有する複合ウェブを形成する、方法。
【請求項2】
前記構造体の厚さと前記表面薄層の厚さとの比が、5:1以上であり、及び、前記表面薄層が10マイクロメートル以下の厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記キャリアウェブが前記構造化ウェブに接着されるとき、前記キャリアウェブが張力下にある、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記構造化ウェブが前記キャリアウェブに接着される前に、前記キャリアウェブが永久的に伸長される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記接着剤が感圧性接着剤である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記接着剤が、前記キャリアウェブの前記第1主表面と同一の広がりを持つ、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記接着剤が、前記キャリアウェブの前記第1主表面の一部分のみの上に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が多孔質であり、及び、前記構造化ウェブの前記ポリマー組成物が、前記多孔質表面を湿潤しない、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が繊維状であり、及び、前記構造化ウェブの前記ポリマー組成物が、前記繊維状第1主表面の繊維を封入しない、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記形成ツール上の前記複数個のくぼみの2個以上のくぼみが、不均一な深さを有し、及び、前記複数個の構造体の各構造体が、前記不均一な深さに対応する不均一な厚さを有する、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数個のくぼみの2個以上のくぼみが、その中に位置する1個以上の凸部を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記複数個の構造体の各構造体が、前記キャリアウェブの前記第1主表面から見て外方に向く、成形された輪郭を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記複数個のくぼみが異なる形状を有するくぼみを含み、それによって前記複数個の構造体が異なる形状を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記溶融ポリマー組成物が、エラストマー構成成分を含み、前記構造化ウェブの少なくとも一部分が弾性挙動を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記溶融ポリマー組成物がエラストマー構成成分を含み、前記複数個の構造体の少なくともいくつかの構造体が弾性挙動を示し、及び、前記方法が、前記構造化ウェブを前記キャリアウェブの前記第1主表面に接着した後で前記複合ウェブを引き伸ばして、前記キャリアウェブが前記引き伸ばし後に永久的伸長を示すようにすることを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記溶融ポリマー組成物を前記形成ツールの前記外側表面上に供給することが、
第1溶融ポリマー組成物を、前記複数個のくぼみの第1セットのくぼみに供給することであって、前記複数個の構造体が、第1形状を有する第1セットの構造体を含むことと、
第2溶融ポリマー組成物を、前記複数個のくぼみの第2セットのくぼみに供給することであって、前記複数個の構造体が、第2形状を有する第2セットの構造体を含むことと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1形状と前記第2形状とが異なる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記第1溶融ポリマー組成物と前記第2溶融ポリマー組成物とが異なる、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、カバーウェブを前記複合ウェブに取り付けることを更に含み、前記カバーウェブが前記キャリアウェブの前記第1主表面に面して、前記構造化ウェブが前記キャリアウェブの前記第1主表面と前記カバーウェブとの間に位置する、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記カバーウェブが前記複合ウェブに接着される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記カバーウェブが前記複合ウェブに感圧性接着剤を使用して接着される、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記溶融ポリマー組成物がエラストマー構成成分を含み、前記構造化ウェブの前記複数個の構造体の少なくともいくつかの構造体が弾性挙動を示し、及び、前記方法が、前記カバーウェブを前記複合ウェブに取り付けた後で、前記複合ウェブと前記カバーウェブとを引き伸ばして、前記キャリアウェブと前記カバーウェブとが前記引き伸ばし後に永久的に伸長を示すようにすることを更に含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
弾性複合ウェブであって、
伸張性キャリアウェブと、
構造化ウェブであって、前記キャリアウェブの第1主表面に、前記キャリアウェブの前記第1主表面と前記構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着され、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を含む、構造化ウェブと、を備え、
前記複数個の構造体が弾性挙動を示し、
前記複数個の構造体が、前記キャリアの前記第1主表面上で選択された配置にあり、
及び、前記構造化ウェブが、前記キャリアウェブの前記第1主表面上で緩和した状態にある、弾性複合ウェブ。
【請求項24】
前記複数個の構造体が、75マイクロメートル以上の厚さを有し、及び、前記表面薄層が、10マイクロメートル以下の厚さを有する、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項25】
前記構造体の厚さと前記表面薄層の厚さとの比が、5:1以上であり、及び、前記表面薄層の厚さが10マイクロメートル以下である、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項26】
前記キャリアウェブが不織布ウェブを含み、該不織布ウェブは前記構造化ウェブが前記キャリアウェブに接着される前に永久的に伸長される、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項27】
パターンが、前記複数個の構造体のすべての前記構造体の間に均一な間隔を有する、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項28】
前記接着剤が感圧性接着剤である、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項29】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が多孔質であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が前記多孔質表面を湿潤しない、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項30】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が繊維状であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が、前記繊維状第1主表面の繊維を封入しない、請求項23に記載の弾性複合ウェブ。
【請求項31】
複合ウェブであって、
キャリアウェブと、
前記キャリアウェブの第1主表面に、前記キャリアウェブの前記第1主表面と前記構造化ウェブとの間に位置する接着剤により接着される構造化ウェブであって、複数個の構造体と相互接続する表面薄層を含む構造化ウェブと、を含み、
前記複数個の構造体が1ミリメートル以下の厚さを有し、及び、前記表面薄層が50マイクロメートル以下の厚さを有し、
前記複数個の構造体が、前記キャリアの前記第1主表面上で選択された配置にあり、
並びに、前記構造化ウェブが、前記キャリアウェブの前記第1主表面上で緩和した状態にある、複合ウェブ。
【請求項32】
前記構造体の厚さと前記表面薄層の厚さとの比が、5:1以上であり、及び、前記表面薄層の厚さが10マイクロメートル以下である、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項33】
前記構造化ウェブが不織布ウェブを含み、該不織布ウェブは前記構造化ウェブが前記キャリアウェブに接着される前に永久的に伸長される、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項34】
前記接着剤が感圧性接着剤である、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項35】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が多孔質であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が、前記多孔質表面を湿潤しない、請求項31に記載の複合ウェブ。
【請求項36】
前記キャリアウェブの前記第1主表面が繊維状であり、及び、前記構造化ウェブのポリマー組成物が、前記繊維状第1主表面の繊維を封入しない、請求項31に記載の複合ウェブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公表番号】特表2010−503562(P2010−503562A)
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−528392(P2009−528392)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/077482
【国際公開番号】WO2008/033696
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【国際出願番号】PCT/US2007/077482
【国際公開番号】WO2008/033696
【国際公開日】平成20年3月20日(2008.3.20)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】
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