説明

複合材料管の製造

繊維強化複合材料から形成される管を製造するための装置において、内部のマンドレル空洞(5)と、繊維強化材料(9)により巻き付けられて、複合材料の積層体(10)を形成する外表面(7)とを有する細長状中空マンドレル(3)と、異なる温度の伝熱流体がマンドレル空洞(5)を通って循環し、温度が上昇した流体が循環する場合、熱が複合材料の積層体を硬化あるいは形成するために、流体から複合材料の積層体に向けてマンドレル(3)を通って伝わることを可能にするための流体流れ手段(11)と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に繊維強化複合材料からなる部品の製造に関し、とりわけこのような材料からなるチューブおよびパイプの製造を提供する。本発明は円筒状のチューブおよびパイプの製造に関して述べられると同時に、本発明が傾斜あるいは曲げたチューブおよびパイプ、並びに非円形断面からなるチューブおよびパイプの製造に適用されることが認識されるべきである。
【背景技術】
【0002】
本出願において用いられる“管”という用語は、チューブおよびパイプの両方共、さらには他の細長状中空部品を指す。
【0003】
高品質の繊維強化複合材料部品は、現在、硬化温度および使用圧力が正確に制御されるオートクレーブ(autoclave)またはオーブン(oven)を用いて製造されている。繊維強化複合材料管の場合、このような管を製造する一つの工程において、予め含浸された材料が巻き付けられる。すなわち未硬化樹脂で予め含浸されたガラス繊維織物または炭素繊維クロスが円筒形状の周囲に巻き付けられ、真空バッグ(vacuum bag)内で巻き付けられた複合材料の積層体(lay-up)が結果として圧縮され、オートクレーブまたはオーブンの室内に、全体を組立て配置することにより複合材料の積層体を硬化させている。この製造方法は、例えばUS特許3962394(Hall)に述べられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複合材料の積層体を硬化するためにオートクレーブあるいはオーブンを用いる場合にいくつかの欠点がある。第一に、製造される複合材料部品の長さ、幅あるいは高さがオートクレーブの室の内部寸法によって制限される。さらに、オートクレーブあるいはオーブンの室内を加熱するために多くのガス量が必要となるため、温度がオートクレーブあるいはオーブンの室内は比較的ゆっくりと上昇していく。それにもかかわらず、厚い積層板を製造する場合、硬化される樹脂内で制御不能な発熱反応を避けるために温度の上昇速度を制限する必要がある。このことにより、オートクレーブが損傷されることおよび安全上の問題が生じることの可能性と同様にして製造部品が破壊される。このような反応が起こる場合、反応を止めようとするためにオートクレーブ内の温度を迅速に下げることが常にできるわけではない。このため、このような可能性のある問題を避けるために温度をゆっくりと上昇させる必要がある。しかしながら、温度が十分に高く上昇しない場合、製品が少なくとも部分的に硬化されない可能性がある。硬化される積層板の厚さに応じて、複合材料管はオートクレーブまたはオーブン内において硬化するために約8時間かかることが製造段取(production set-up)において見出された。
【0005】
また、熱可塑性物質材料を用いて複合材料部品を製造するために、オーブンまたはオートクレーブを使うことは困難である。なぜなら、これらの材料は液状になり、製造される複合材料部品の構造を完全に保有するために迅速に部品を冷却する必要があるからである。オートクレーブおよびオーブンは、一般に冷却するためにかなり長くかかり、熱可塑性物質材料の使用が制限される。
【0006】
オートクレーブおよびオーブンを使うことが無く、繊維強化複合材料から形成される管を製造することができることは有利である。このことにより、オートクレーブおよびオーブンの使用に関連する欠点が避けられる。
【0007】
またオートクレーブおよびオーブンを使用した場合に比べて、迅速に繊維強化複合材料から形成される管を製造できることは有利である。
【0008】
さらに硬化された樹脂あるいは熱可塑性物質の母材のいずれかを用いて繊維強化材料からなる管を形成することができることは有利である。
【0009】
そのため本発明は、オートクレーブおよびオーブンを必要とすることが無く、繊維強化複合材料から形成される管を製造することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
このことを考慮して、本発明の1つの特徴によれば、繊維強化複合材料から形成される管を製造するための装置において、内部のマンドレル空洞と、繊維強化材料により巻き付けられて、複合材料の積層体を形成する外表面とを有する細長状中空マンドレルと、異なる温度の伝熱流体がマンドレル空洞を通って循環し、温度が上昇した流体が循環する場合、熱が複合材料の積層体を硬化あるいは形成するために、流体から複合材料の積層体に向けてマンドレルを通って伝わることを可能にするための流体流れ手段と、を備えている。
【0011】
繊維強化材料は、熱硬化性の樹脂が予め含浸されたガラス繊維、炭素繊維、ケブラーフィラメント(kevlar filament)からなる織物のシートあるいは束(bundle)によって与えられ、および/または、巻き付けられる材料を先に迅速に湿らすために樹脂槽にさっと浸してもよい。樹脂は流体から伝達される熱によって硬化される。
【0012】
本発明による装置において用いられる繊維強化材料の他の形式において、強化繊維の母材を供給するために熱可塑性物質が使われる。熱可塑性物質は、強化繊維と混合するフィラメントとして形成され、あるいは強化繊維に混合される熱可塑性物質の粉末として形成される。Saint-Gobain Vetrotex社は、“Twintex“(商標)という名前の材料を製造している。この材料は微細で均質に混合される連続的なガラスフィラメントおよび熱可塑性物質であって好適なポリプロピレンのフィラメントから構成されている。これらのフィラメントは、本発明のマンドレル周囲に容易に巻き付けることができるようにシート状に織られている。循環する流体から伝わる熱により、ガラスフィラメントに浸される熱可塑性物質のフィラメントが溶融する。その後より低い温度の流体が循環され、熱可塑性物質の母材を凝固する。
【0013】
また繊維強化材料は、マンドレル上に敷かれるとともに、マンドレルに巻き付けられる場合に加熱される熱可塑性物質のシートあるいは帯板(strip)によって与えられると予想される。熱可塑性物質材料を加熱することは、伝熱流体がマンドレル空洞を通って循環することによる同じ方法で得られる。このことにより、熱可塑性物質材料の外側表面を溶融させるという効果が得られる。このため、必要な強化を設けるために材料が溶融されない、あるいは部分的にだけ溶融される内部を形成する一方で、さまざまな積層が結合される。熱可塑性物質が伸びて、溶融されない材料においてポリマー鎖が正しい方向を向き、次に、最終製品としての複合材料部品にとって必要な繊維強化を与える。
【0014】
例えばPAG(ポリアルキレングリコール)、あるいはPEG(ポリエチレングリコール)からなる油などの流体は、空気よりも伝熱メカニズムがより効率的であり、複合材料の積層体へおよび複合材料の積層体からより一層迅速に熱を伝えることができる。異なる温度の流体は、マンドレル空洞を通って循環され、複合材料部品を比較的迅速に加熱するとともにその後冷却することができる。この結果、温度を変えることが比較的遅いオートクレーブあるいはオーブンを使う場合よりも製造サイクル時間が短くなる。このことにより、本発明による装置を使った製造工程において、コストおよび時間が大幅に節約される。複合材料の積層体を迅速に冷却することにより、熱硬化樹脂内に制御することができない発熱反応により損傷が生じることが防止されあるいは最小化させられる。このためこの装置は、複合材料管を完全に硬化させる時間を減らすことができる。エポキシ樹脂を含浸した繊維強化材料を使った装置の実施の形態で行われた経験に基づく試験において、複合材料管は約7分で完全に硬化した。このため本発明により、オートクレーブあるいはオーブンを用いる場合よりも複合材料管を硬化させる時間がかなり短くなる。
【0015】
また熱可塑性物質を含む繊維強化材料を用いる場合、複合材料の積層体を迅速に冷却させることが不可欠である。材料が迅速に冷却されない場合、一旦液状に移行すると熱可塑性物質材料は繊維強化材料から失われる。このため迅速に冷却することにより熱可塑性物質の繊維強化材料を適切に形成することが確保される。
【0016】
マンドレルの外側表面は一定の直径を有する円筒状であるが、マンドレルの一端の直径がマンドレルの反対端の直径よりも大きくなるように傾斜していてもよい。しかしながら外表面は、他の断面、例えば正方形、長方形、長円形、楕円形、三角形、あるいは他の非円形の断面を有していることが予想される。このことにより、さまざまな断面を有する管を製造することができる。また本発明は曲がった管を製造する場合にも適用される。
【0017】
マンドレルは、循環される流体から複合材料の積層体へ向けて熱を伝えることを容易にさせるアルミニウムあるいは鋼からなる金属管から形成されている。さらに、マンドレルの金属と複合材料の積層体との間の膨張係数の違いにより、マンドレルは、加熱工程の間接触が維持される。その後、装置の冷却工程の間、硬化された複合材料管から分離される。このことにより、硬化あるいは形成工程の終わりにマンドレルから複合材料管がかなり容易に取り外される。
【0018】
液体流れ手段が、マンドレル空洞の注入口および排出口の少なくとも一方に設けられている。注入口および排出口は、マンドレルの開口端に設けられたフランジに固定された板上に配置されている。マンドレル空洞は、マンドレルの開口端からマンドレルの長手方向に少なくとも十分に延びるとともに、マンドレルの反対端において閉ざされている。パイプが注入口からマンドレル空洞に向けて延び、液体が排出口の室を通って循環して戻る前に、マンドレル空洞の末端へ移動することができるようになっている。また前記注入口が、マンドレルの一端に設けられるとともに前記排出口がマンドレルの反対端に設けられることが予想される。
【0019】
マンドレル空洞は、全体に巻き付けられた複合材料の積層体が、均一に加熱されて硬化または形成されるように、マンドレルの全体の長さに渡って十分に延びている。しかしながら、流体が循環するマンドレル空洞は、マンドレルの長さの一部だけに沿って延びることが予想される。すなわち断熱端部分がマンドレルの一端あるいは両端に設けられることが予想される。これは、例えば熱硬化樹脂を使って形成された複合材料管の末端が、硬化されないあるいは部分的にだけ硬化されることが必要な場合に望ましい。他の繊維強化複合材料部品あるいは他の複合材料管でさえ、本出願人の国際特許出願PCT/AU01/00224で述べられた共硬化(co-curing)方法を用いて管の端部に連結させることができる。ここで、この国際出願に述べられた共硬化方法は、引用されることにより本願の一部とされる。例えば、本出願人の共硬化方法により、フランジは管の端部に連結され、フランジおよび管が、つなぎ目が不連続になることがなく、均一の材料部分を有して完全に連結され、共に硬化されることが確保される。管が熱可塑性物質の母材からなる場合、熱可塑性物質は管の端部において再加熱され、溶融されて再び形成され、フランジあるいは他の複合材料管が管の端部に連結されるようになる。またフランジは硬化あるいは形成工程の間、複合材料管の端部において完全に形成されることが予想される。
【0020】
注入口および排出口は外部流体供給システムに連結され、流体がマンドレルを通って循環できるようになっている。この流体供給システムは、さまざまな温度の流体に適合する一連のタンクと、各タンク間の流体の流路を制御する流路制御システムとを有している。このようなシステムは、例えば本出願人のオーストラリア特許No.697678に述べられており、引用することにより本願の一部とされる。熱可塑性物質の母材を有する管を製造する場合、管を製造プラントの外側で自然冷却することができるため、一つあるいは二つだけのタンクが必要とされる。このことは、このような管を製造するサイクル時間がより一層早くなるという利点を有している。
【0021】
製造時間が大幅に減少することにより、以上に述べた装置を用いることができると同時に、さらに液体供給システムに、装置の注入口および排出口を常に連結することおよび連結を絶つことの必要性を排除することができることは有利である。
【0022】
このため、他の好適な実施の形態によれば、流体流れ手段は、流体が循環する本体室を含む内部本体を有している。内部本体はマンドレル空洞内に収容され、内部本体は密接に隣接して、そこに収容された場合に、マンドレル空洞の壁表面に通常接触する外壁を含んでいる。このためマンドレルは、熱が内部本体の外壁とマンドレル空洞の壁表面との間を伝わるように、内部本体上をスリーブのように取り付けられる。注入口および排出口は内部本体の一端に配置され、液体供給システムに連結される。一連のマンドレルは、製造プラント領域から離れて、繊維強化材料が各々前もって予め巻き付けられたマンドレルとして使用される。各マンドレルは、製造工程の始めにおいて内部本体上を摺動し、最後に内部本体から摺動して外れる。各マンドレルは簡単な構造で、例えば厚い壁を有した管からなっている。この構造は、各製造工程の始めと終わりにおいて、注入口および排出口に連続的に連結することおよび連結を断つことの必要性を排除している。
【0023】
内部本体の外壁は、マンドレルへの熱が伝わることを容易にするために、例えばアルミニウムあるいは鋼などの金属からなっている。内部本体の外壁およびマンドレルの両方に使われる金属が同じとなる場合、内部本体およびマンドレル空洞の両方が、マンドレル空洞内の内部本体が拘束されることを防止するために、公差を厳しくして機械加工される。しかしながら、マンドレルおよび内部本体に使われる金属が異なる場合、各々の金属の膨張係数が異なり、冷却流体が、硬化後に複合材料部品を冷却するために内部本体を通って循環する場合、内部本体の外壁は、マンドレル空洞の壁表面との接触が部分的に失われる。このことが、熱が伝わる効率に影響を及ぼす。この目的のために、内部本体の外壁が、少なくとも弾性変形自在な材料から形成されている。このため、他の好適な実施の形態によれば、内部本体の外壁は弾性変形自在な壁を含んでいる。本体室を通って循環する流体により加圧されて、内部本体の外壁が外方に延び、全体製造工程を通して、マンドレル空洞の壁表面との接触が確実に維持される。内部本体からの流体は、マンドレル空洞から内部本体に容易に開放される外壁の内側に曲がった部分に最後に排出される。マンドレルは、その長手に沿って延びる膨張連結部を含んでいる。このことにより、内部本体がマンドレルに対して十分に加圧された場合、マンドレルの幅を延ばすことができる。このことは、製造工程の間要求される複合材料の積層体に引張力を作用させることができる。最終製品としての複合材料管の改良された材料特性を導くために複合材料の積層体をさらに圧縮させる。また積層体を容易に圧縮させるために振動を与えることが用いられる。
【0024】
また、長手に沿ってマンドレルが二以上の部分に分割されることが予想される。このことにより、直線となることなく、かつマンドレルとして曲がった部分を有する管の製造のためにマンドレルを使い、硬化あるいは形成された管からより容易に引き抜くことができる。
【0025】
内部本体は、弾性変形自在な外壁を支持する内部剛体コアを含んでいる。外壁は一般的に、例えばEPDMあるいはシリコンゴムなどの耐高温性のゴムのような材料から形成されている。またこの出願において他の弾性材料を使うことが予想される。内部コアは注入口及び排出口を支持し、例えば鋼などの材料からなっている。また、アルミニウムなどの材料を使うことが予想される。内部コアは外部シリンダ、および横方向に延びるとともに壁の端部を支持する内部フランジによって取り囲まれる中央内部管を含んでいる。このため、空気ギャップが内部管と外部シリンダとの間に設けられ、断熱材として作用し、これらの間を伝わる熱が最小化される。弾性変形自在な外壁は、ギャップを通って流体が流れるために設けられた流体流れギャップを有した外部シリンダの周りの内部フランジによって支持される。流体は内部管を通ってギャップへ供給される。内部フランジは、内部コアの注入口および排出口に対して内部コアの反対端に配置される。流体放出ジェットは、フランジ上に支持され、流体は中央内部管を出て流体流れギャップを通ってらせん状の流れへ向けて案内される。このことにより、外壁を通って伝わる熱が最大化される。その他に、あるいはさらに付け加えて、一連の排出口を、内部コアの排出口端部に設けられた反対側の外部フランジに沿って設けてもよく、この場合は流体のらせん状の流れを誘発させ、これを維持する。他の実施の形態において、内部管は、外部シリンダ内の開口を通って流体流れギャップに入るフック部分で終端する。このことにより、内部管のフック部分から出る流体が流体流れギャップを通って流体のらせん状の流れを誘発させるように導かれるため、流体放出ジェットの必要性が排除される。流体が高温かつ高圧で供給される場合、弾性変形自在な外壁を通ってマンドレルに熱が伝わる。さらに、外壁は高温流体からの圧力により膨張し、マンドレル空洞の表面に対してわずかに押し付け、最適に熱を伝えることが容易になる。
【0026】
巻き付けられた複合材料の積層体は、従来の方法として積層体上に真空バッグを用いることによって最初は圧縮されている。その他に、収縮テープが必要な圧縮をさせるために巻き付けられた積層体上に巻き付けてもよい。一般に、マイラーテープがこの目的のために用いられる。またこのようなテープを用いることにより、最終製品としての複合材料管の外部表面端が改良される。厚い複合材料の壁を有し、より大きな直径を有する管を製造する場合、複合材料の積層体を圧縮する付加手段が設けられることが有用であり、必要ならば硬化するために、付加的に熱が供給されることが有用である。この目的のために、外部スリーブは、複合材料の積層体の外表面上に配置される。外部スリーブは、巻き付けられた複合材料の積層体およびマンドレル上を延びる弾性変形自在な被覆(seath)として容易に形成され、積層体が圧縮されることを補完する。その他に、外部スリーブは、硬化するための熱をいくらか供給する。この目的のために、外部スリーブは、高温かつ高圧の流体が循環することができる流体流路を含む。このことにより、積層体を硬化させるための付加的な外部熱源を設けることができる。
【0027】
好適な実施の形態において、外部スリーブは、外部剛体壁と弾性変形自在な内部壁との間に設けられるギャップを含んだ、弾性変形自在な内部壁を支持する外部剛体管状壁を含み、流体が循環されるようになっている。この目的のために、流体の注入口および排出口は外部スリーブ上に配置される。外部スリーブはマンドレル上に配置され、マンドレル空洞内に配置される内部本体とともに複合材料の積層体を覆う。しかしながら外部スリーブだけは、内部本体がない状態で用いられて複合材料の積層体を硬化させることが予想される。このため、外部スリーブから複合材料の積層体にのみ熱が伝わり、熱がマンドレルを通って伝わることがない。
【0028】
弾性変形自在な外壁を有する内部本体と弾性変形自在な内部壁を有する外部スリーブとの両方が用いられる場合、同一圧力の伝熱流体が内部本体と外部スリーブとを通って循環される。このため内部本体と外部スリーブとの両方が“圧力室”として機能し、内部本体と外部スリーブとの両方がマンドレルおよび複合材料の積層体に各々圧力を加える。このことにより、“均一な圧力”をマンドレル/複合材料の積層体の反対側に作用させることができる。このことにより、複合材料の積層体をより圧縮させ、これにより、硬化あるいは形成工程を受けている間、複合材料の積層体が、複合材料管が変形することを確実に防止することができ、かつ材料特性を改善させることができる。さらに、母材が液状になると、本出願人の国際出願No.PCT/AU02/00078において述べられた“均一な密度”の効果により、積層体を通して材料が均一に確実に分配され、かつ液状化した材料が流れ出すことを防止させる。ここでこの国際出願に述べられた“均一な密度”の効果は、引用されることにより本願の一部とされる。
【0029】
また多数の細長状部材に分割されたマンドレルが、接着剤あるいは機械的留め具を用いて内部本体の弾性変形自在な外壁に直接固定されることが予想される。マンドレルの直径は、マンドレルの直径を増大させるために、流体が内部本体を通って循環することにより、あるいは直径を減少させるためにマンドレルを排除することによって制御される。このことにより、製造工程の間複合材料の積層体が容易に圧縮させられることと同様にして、最終製品としての複合材料管からマンドレルが容易に取り除かれる。
【0030】
本発明の他の特徴によれば、繊維強化複合材料からなる管を製造する方法は、一般に管状形状の複合材料の積層体を供給する繊維強化材料を、内部マンドレル空洞を有する細長状中空マンドレルの周囲に巻き付ける工程と、マンドレルの外壁の温度を上昇させて、複合材料の積層体の少なくとも多くの部分を硬化あるいは形成するためにマンドレル空洞を通って高温の伝熱流体を循環させる工程とを備えている。
【0031】
さらにこの方法は、硬化あるいは形成のために先の複合材料の積層体を圧縮する工程を備えている。積層体は、真空バッグによって、複合材料の積層体の外表面の周囲に巻き付けられた収縮テープによって、あるいは弾性変形自在な外部被覆によって圧縮される。その他に、あるいはさらに付け加えると、高温流体によって与えられる圧力により製造工程の間圧縮される。また製造工程の間、複合材料の積層体を圧縮するために振動が与えられる。
【0032】
さらにこの方法は、流体が循環し、マンドレル空洞内に収容される内部本体上にマンドレルを配置する工程を備える。
【0033】
さらにこの方法は、複合材料の積層体上に、高温の流体が循環する流路を含む外部スリーブを配置する工程を備える。
【0034】
本発明による複合材料管の製造システムの好適な実施の形態を示す添付図面を参照して本発明をさらに述べることが好都合である。本発明の他の実施の形態が可能であり、結果として添付図面の特徴点は、本発明の上述した説明の大部分に取って代わるものとして理解されるものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下の図面において、同一の参照番号は、実施の形態を明瞭に記載するために同一の特徴に用いられる。
【0036】
まず図1を参照すると、本発明による装置の第1の好適な実施の形態が示されている。装置1は、長手方向に沿って延びる内部マンドレル空洞5を有する細長状の中空マンドレル3を備えている。マンドレル3は、繊維強化材料9により巻き付けられる滑らかな外表面7を有している。この繊維強化材料は、例えばガラス繊維織物のシート若しくは帯板、または樹脂を予め含浸した炭素繊維材料から形成されている。その他に、樹脂槽(図示せず)を設けて、繊維強化材料が直前に樹脂に浸けられて湿らされ、マンドレル3に巻き付けるようにしてもよい。
【0037】
他に使用される繊維強化材料は、例えばガラス繊維などの繊維強化フィラメントが混合された熱可塑性物質のフィラメントから形成されている。この材料は、“Twintex”(商標)という名前で、Saint-Gobain Vetrotexによって売られている。その他に、熱可塑性物質の粉末、ペレット(pellet)、あるいは顆粒(prill)が、強化繊維全体に散布され、複合材料管を形成するための母材材料が供給される。繊維強化材料は、繊維が材料内にポリマー鎖によって与えられる熱可塑性物質によって供給されてもよい。加熱工程の間、各々のシートあるいは材料の外表面だけが溶融され、その内部はほとんど溶融されず、最終製品としての複合材料成分に必要な繊維強化が形成される。流体流れ手段11は、伝熱流体が、高圧流体供給器2からマンドレル空洞5を通って循環することができるように設けられている。伝熱流体は、注入口12に向けて注入口ライン13を通って、マンドレル空洞5に入り、室を出て排出口14を通って排出口ライン15を通る。
【0038】
図1に示すように、注入口12は、中空マンドレル3の一端におけるフランジ19に固定された支持板16に配置され、排出口14は、マンドレル3の反対端におけるフランジ19aに固定された第2の支持板16aに配置されている。しかしながらこの配置においては、注入口ライン13および排出口ライン15が各々の生産工程の前後においてマンドレルの各端部に固定されることおよび取り外されることが必要となる。また、伝熱流体の損失を防止するために、ラインがマンドレル空洞5から取り外される場合、注入口12および排出口14に栓をすることが必要とされる。このため、第2の好適な実施の形態によれば、図2に示すように、注入口12および排出口14の両方が、中空マンドレル3の開口端に配置されるフランジ19に固定された同一の支持板17に配置される。注入口管21は、注入口12からマンドレル空洞5内に向けて延び、伝熱流体がマンドレル空洞5の全長に渡って流れるようになっている。一般的に伝熱流体は、油、あるいは例えばPAG(ポリアルキレングリコール)若しくはPEG(ポリエチレングリコール)のような他の流体から形成されている。
【0039】
マンドレル3は、手作業で、またはスピンドル上に保持され、繊維強化材料9をより迅速におよび正確に巻き付けることを可能とするようにしている。繊維強化材料9が巻き付けられてマンドレルの外表面7上に複合材料の積層体10が形成され、複合材料の積層体10上に真空バッグ23が配置されて、前記積層体を圧縮して硬化するようになっている。その代わりの方法として、収縮テープが、複合材料の積層体10の周りに巻き付けられて前記積層体10を圧縮することができる。
【0040】
複合材料の積層体10は、伝熱流体がマンドレル空洞5を通って循環することによって硬化され、あるいは形成され、同時に、外表面7にマンドレル3の壁を通って伝熱流体から熱が伝わり、複合材料の積層体10に熱が伝わり、積層体が硬化あるいは形成される。硬化あるいは形成工程の終わりに、温度が低い伝熱流体はマンドレル空洞5を通って循環され、マンドレル3を冷却するとともに、複合材料の積層体10が硬化あるいは形成される。複合材料の積層体10が、例えばアルミニウムなどの金属から一般的に形成されるマンドレル3に対して異なる膨張係数を有しているため、硬化あるいは形成された複合材料の積層体10は、冷却工程の間マンドレル3の外表面7から分離され、硬化あるいは形成された複合材料部品がそこから容易に取り除かれる。
【0041】
図3は、本発明による第3の好適な実施の形態を示している。第1および第2の好適な実施の形態において、各々の硬化あるいは形成工程の後に連結を絶つために注入口ライン13および排出口ライン15が必要とされている。このことによりマンドレル3が解放され、マンドレル3に繊維強化材料が再び巻き付けられることができる。一般的にこのことは、材料がマンドレルに巻き付けられるために供給されている間、スピンドル上に配置されたマンドレルを回転させることによって実現される。この第3の実施の形態は、同様に内部マンドレル空洞5と、繊維強化材料9が巻き付けられる外表面7とを有する中空マンドレル3を備えている。しかしながら、製造工程を容易にするために、流体流れ手段11が、マンドレル空洞5内に収容自在な内部本体25によって設けられている。伝熱流体は、内部本体がマンドレル空洞5内に配置される間、この内部本体25を通って循環される。製造工程の後に、マンドレル3は内部本体25を摺動して外れ、繊維強化材料9が予め巻き付けられた他のマンドレル3が、製造工程を再び始めるために内部本体25上に挿入される。注入口ライン13および排出口ライン15がこの内部本体25に連結されるため、硬化あるいは形成工程の後にこれらのラインの連結を絶つことは不要となる。また、多くのマンドレル3に予め巻き付けておき硬化させることができる。
【0042】
内部本体25は、内部コア27と外壁29とを有している。内部コア27は注入口12と、少なくとも一つの排出口14とを支持している。注入口12は、流体通路32を含む中央内部管31に連結され、流体通路32は、内部本体25の反対端33通って注入口12から移動される熱を運ぶようになっている。中央内部管31は、外部シリンダ35によって囲まれ、中央内部管31をある程度断熱させるために、中央内部管31と外部シリンダ35との間に空気ギャップ37が設けられている。伝熱流体が中央内部管31を出ると、内部コア25の外部シリンダ35と外壁29との間に設けられた流体流れギャップ41から内部フランジ43によって分離される分配室39に一旦入る。伝熱流体は、分配室39から、内部フランジ43から延びる流体放出ジェット45を通って運ばれ、流体流れギャップ41内において伝熱流体がらせん状の流れを引き起こすようになっている。このことにより、伝熱流体から外壁29へ伝わる熱の程度を最大化させる。伝熱流体は、最終的には排出口15を通って排出される。この排出口14は外部フランジ47上に支持され、一連の排出口がフランジ47の周りに規則的に間隔を開けることが考えられる。この場合、排出口14が円形状に配置されて設けられ、伝熱ギャップ41を通る伝熱流体のらせん状の流れを強化あるいは維持するために役立てられる。
【0043】
図4は、図3におけるA−A線に沿った断面図であり、本発明の装置1の部品を異なった処理でより良く示している。伝熱流体は中央内部管31内に入り、流体通路32を通る。空気ギャップ37により、内部本体25の外部シリンダ35から中央内部管31が分離される。流体流れギャップ41は、内部本体25の外部シリンダ35と外壁29との間に設けられている。外壁29を含む内部本体25のさまざまな部品が、例えば鋼あるいはアルミニウムを含む金属などの剛体材料から形成されている。内部本体25の他の好適な実施の形態によれば、中央内部管31と、外部シリンダ35と内部フランジ43とを有する内部コア27は、例えば金属などの剛体材料からなっている。しかしながら外壁29は、例えばゴムなどの弾性変形自在な材料からなっている。このような弾性変形自在な材料を用いる利点は、伝熱流体がマンドレル空洞5の内表面6(図1に最も良く図示)に対して内部本体25の外壁29を押し付けて加圧することができるということである。このことにより、全体の硬化工程中、外壁29はマンドレル空洞壁6に確実に接触し続けられる。(図4において、図を明らかにさせるために外壁29とマンドレル空洞5の内表面6との間に小さなギャップが示されている。しかしながら実際のところ、外壁29は加熱および冷却工程の間マンドレル空洞表面6に接触し、ギャップは存在しないと認識するべきである。)
【0044】
マンドレル3の外表面7上に繊維強化材料9が巻き付けられる。その後真空バッグあるいは収縮テープ23が、製造工程においてこの材料を圧縮するために材料9を覆う。
【0045】
繊維強化材料9は、製造工程から引き離されたマンドレル3の周囲に予め巻き付けられる。このことにより多くのマンドレルが、製造工程に向けて準備され、本発明による製造工程の全体時間をさらに減らすことができる。
【0046】
図5は、容易に利用可能な部品から構成される図4の内部本体25の配置を修正した図を示している。内部本体25は、注入口12および排出口14を支持する外部フランジ47を有する先の実施の形態に類似している。また弾性変形自在な材料からなる外壁29が設けられている。中央内部管31は排出口フランジ47から延び、フック状排出口端部31aで終端となり、内部本体25内のらせん状の流れに高温流体を循環させるようになっている。中央内部管31は、外部シリンダ35内に、内部環状サポート、および外部シリンダ35内に一般に同軸に配置される中央内部管31を保持するシール35aにより、同様に支持される。中央管31のフック状端部は、外部シリンダ35と外壁29との間に配置される流体流れギャップ41に向けて中央シリンダの開口を貫通して延びる。またその構成は、外壁29の一方の端部を支持するために外部フランジ47から延びる円筒状支持スリーブ59を用いることにより単純化される。外壁29の端部は、支持スリーブ59上を摺動することができ、ホース留め具63により適切な位置で保持される。端部キャップ61が内部本体25の反対端に設けられ、外壁29の反対端を閉じるようになっている。この端部キャップ61は、外部シリンダ35の反対端を閉ざし、外壁の反対端を摺動自在にする円筒状部分61aを含み、他のホース留め具63により外壁29が適切な位置で保持される。またフランジシール65は、端部キャップ61の周囲に設けられ、外壁29の末端を保持するとともに送り出すようになっている。
【0047】
図6は、端部においてマンドレルを通って伝わる熱を制限する対向した断熱端部8を有する改良した中空マンドレル3を示している。断熱端部8は、断熱材料からなるカラーによって設けられ、および/または冷却剤が循環する流路を有する温度制御カラーによって設けられていてもよい。このことにより、マンドレルの端部が硬化温度より低い温度に保持される。このことにより、熱硬化性樹脂を有する繊維強化材料を用いた複合材料管が、その端部が部分的にだけあるいは全体的に硬化されることなく製造される。このため、本出願人の上述したオーストラリア特許出願2001237133において述べられているように、共硬化工程を用いる複合材料管の端部に、例えばフランジなどの他の部品を連結することが容易になる。連結するために迅速に再溶融される熱可塑性物質の母材からなる複合材料管において、このような構造は必要とされない。このため、熱可塑性物質の複合材料管の一方の端部は再加熱されて溶融され、例えばフランジあるいは他の管などの他の熱可塑性物質の部品に連結される。管の端部は熱源を使って加熱される、あるいは管の端部を共に押し付けながら、他の管に対してその細長状軸(elongate axis)周りに管の一方を回転させることによって生じる摩擦により加熱されても良い。
【0048】
また製造工程の間、複合材料管の残りの部分と一体となるフランジを形成することができる。このことは、図7に示すように、中空マンドレル3の一方の端部あるいは両端においてフランジ3aを形成することによって得られる。マンドレルに巻き付けられる間、フランジ表面上に繊維複合材料10が敷かれる。図7に示す構造において、フランジ3aはマンドレルに取り外し自在に固定され、最終製品としての複合材料管がマンドレル3から取り外すことができるようになっている。フランジは、複合材料管の不可欠な部分として製造工程の間形成される。
【0049】
製造される複合材料管の壁厚さは相対的に厚く、一般的に10mmあるいはそれより厚く、複合材料の積層体9の周囲の断熱ブランケット(図示せず)をさらに巻き付け、複合材料管の最外表面が適切に確実に硬化されることが好ましい。断熱ブランケットは、従来から用いられている断熱材料から形成されている。あるいは断熱ブランケットは、巻き付けられた複合材料の積層体10上を伸び、例えばゴムなどの弾性変形自在な材料から形成されていてもよい。もちろんこのような被覆配置により、複合材料の積層体10がさらに圧縮される。しかしながら第2の熱源が複合材料管を硬化させるために設けられることが予想される。この目的のための外部スリーブ49を図8に示す。外部スリーブ49は、対向するフランジ50を含み、フランジ50間に外部剛体管状壁51を支持している。外部剛体壁51内に、フランジ50によって対向する端部が支持される内側弾性変形自在壁53が支持される。流体流れギャップ55は、外部管状壁と内側壁53との間に設けられている。伝熱流体は、外部管状壁15の一方の端部に連結される注入口ライン57を通って供給される。伝熱流体は、外部管状壁51の反対端に配置される排出口ライン59を通って排出される。この外部スリーブ49は巻き付けられた複合材料の積層体10上を摺動することができ、伝熱流体は、硬化または形成工程の間外部スリーブ49を通って循環する。このように熱が、同時に複合材料の積層体10の内側表面および外側表面の両方に供給され、複合材料の積層体10が確実に硬化され形成されるようになる。しかしながら、伝熱流体がマンドレル空洞5を通って循環することなく、マンドレル3上に巻き付けられた複合材料の積層体10を硬化あるいは形成するように外部スリーブ49だけが用いられることが必要となることが予想される。外部スリーブ49は、流れギャップ55から流体を吸い出すことによって、硬化あるいは形成された複合材料管から迅速に取り外され、最終製品としての管から内側壁53を引き離すことができる。また外部スリーブ49は2以上の部分に長手に沿って分割されることが予想される。このことにより、管を直線状でなくあるいは曲げて製造することができるようになる。
【0050】
内部本体25と外部スリーブ49が共に用いられる場合、等しく加圧された高温流体を内部本体25および外部スリーブ49の両方を通って循環させることができる。このことにより、内部本体25および外部スリーブ49が共にマンドレル3およびそこに配置された複合材料の積層体9に適用される均一な圧力を適用する圧力室として用いることができる。
【0051】
この技術分野の当業者にとって明らかであると考えられる修正および変更は、添付した特許請求の範囲に記載した本発明の範囲内に含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】図1は、繊維強化複合材料から形成される管の製造装置の第1の好適な実施の形態の垂直断面を示す概略図である。
【図2】図2は、本発明による装置の第2の好適な実施の形態の垂直断面を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明による装置の第3の可能な実施の形態の垂直断面を示す概略図である。
【図4】図4は、図2のA−A線断面を示す図である。
【図5】図5は、本発明による内部本体の他の好適な実施の形態の側面を示す概略図である。
【図6】図6は、断熱端部を含むマンドレルの垂直断面を示す概略図である。
【図7】図7は、本発明によるマンドレルの他の実施の形態の側面を示す概略図である。
【図8】図8は、本発明による外部スリーブの垂直断面を示す概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維強化複合材料から形成される管を製造するための装置において、
内部のマンドレル空洞と、繊維強化材料により巻き付けられて、複合材料の積層体(lay-up)を形成する外表面とを有する細長状中空マンドレルと、
異なる温度の伝熱流体がマンドレル空洞を通って循環し、温度が上昇した流体が循環する場合、熱が複合材料の積層体を硬化あるいは形成するために、流体から複合材料の積層体に向けてマンドレルを通って伝わることを可能にするための流体流れ手段と、を備えたことを特徴とする装置。
【請求項2】
流体流れ手段は、流体が循環する本体室を含む内部本体と、
マンドレル空洞内に収容された場合に、マンドレル空洞の内壁表面に少なくとも密接に隣接する外壁と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
流体が本体室を通って循環する場合、マンドレル空洞の内壁表面との接触が維持されるように、外壁が弾性変形自在な材料から形成されることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
マンドレルは、円筒状の金属管から形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
管は、両端にフランジを有することを特徴とする請求項4に記載の装置。
【請求項6】
マンドレルは、長手に沿って延びる膨張連結部分を有することを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項7】
マンドレルが、長手に沿って少なくとも二つの分割部分に分割されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項8】
管は、熱が伝わることを制限し、マンドレルの端部に対向して設けられた断熱端部分を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項9】
繊維強化材料は、熱硬化性樹脂で予め含浸されたガラス繊維、炭素繊維、あるいはケブラ(Kevlar)を含む強化繊維からなる織物のシートあるいは束(bundle)によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項10】
繊維強化材料は、熱可塑性物質のフィラメント、粉末、ペレット(pellet)、あるいは顆粒(prill)を混合したガラス繊維、炭素繊維、あるいはケブラを含む強化繊維からなるシートあるいは束(bundle)によって形成されることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項11】
弾性変形自在な内壁を支持する外部剛体壁を含む外部スリーブと、
外壁と内壁との間に設けられたギャップを通って、高温および高圧下の流体が循環する手段と、を更に有し、
外部スリーブが、マンドレルの少なくとも多くの部分の周囲に配置自在であり、外部スリーブ上の複合材料の積層体は、これにより積層体に付加的に熱および圧力を与えることを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項12】
繊維強化複合材料からなる管を製造する方法において、
一般に管状形状の複合材料の積層体を供給する繊維強化材料を、内部マンドレル空洞を有する細長状中空マンドレルの周囲に巻き付ける工程と、
マンドレルの外壁の温度を上昇させて、複合材料の積層体の少なくとも多くの部分を硬化あるいは形成するためにマンドレル空洞を通って高温の伝熱流体を循環させる工程と、を備えたことを特徴とする方法。
【請求項13】
積層体は、真空バッグ、収縮テープ(shrink tape)、あるいは弾性変形自在な外部被覆(seath)によって複合材料の積層体を硬化または形成するために複合材料の積層体を圧縮する工程を更に備えたことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
圧縮させる工程と、
外部剛体壁を含む外部スリーブと、複合材料の積層体上に配置された弾性変形自在な内部壁とによって複合材料積層体を硬化または形成する工程の間、複合材料の積層体に付加的に熱を与える工程と、を更に備え、
伝熱流体が前記外壁と内壁との間に設けられたギャップを通って循環することを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
マンドレル空洞を通って循環する伝熱流体と、複合材料の積層体上に均一な圧力を与えるために外部スリーブを通って循環する伝熱流体との圧力を等しくする工程を備えたことを特徴とする請求項13に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2008−532819(P2008−532819A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−502187(P2008−502187)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【国際出願番号】PCT/AU2006/000382
【国際公開番号】WO2006/099671
【国際公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(502321032)クイックステップ、テクノロジーズ、プロプライエタリ、リミテッド (4)
【氏名又は名称原語表記】QUICKSTEP TECHNOLOGIES PTY,LTD.
【Fターム(参考)】