説明

視線誘導装置

【課題】運転者の運転操作性の向上を図ることが可能な視線誘導装置を提供する。
【解決手段】視線誘導装置1は、視線誘導箇所決定装置30により、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定する。提示装置40は、視線誘導箇所決定装置30により決定された箇所で自車両の移動ベクトルが打ち消されるように、該箇所を含む周辺の領域に光を照射する。ここで、運転時には運転者の視線が或る特定の箇所に向くと運転が安定するという傾向がある。また、人間の視界においてオプティカルフローが停止している箇所に視線が向くという傾向がある。このため、上記の如く光を照射することで、運転者にとっては、該箇所のオプティカルフローが停止しているかのように認識されることとなり、運転が安定する特定の箇所に運転者の視線を向けることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、視線誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外線カメラで周囲環境を撮影し、画像処理を施すことによって、歩行者を検出するナイトビジョンシステムが知られている。このシステムでは、歩行者を検出することによって、夜間に運転者の可視範囲が狭まる問題を解決しようとしている(例えば特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−216937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のシステムでは、検出された歩行者について強調表示される構成であるため、運転者の運転操作性の向上に寄与するものではなかった。
【0004】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、運転者の運転操作性の向上を図ることが可能な視線誘導装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の視線誘導装置は、車速検出手段と、旋回検出手段と、視線誘導箇所決定手段と、照射手段とを備えている。車速検出手段は自車両の車速を検出するものであり、旋回検出手段は自車両の旋回状態を検出するものである。視線誘導箇所決定手段は、車速検出手段により検出された車速および旋回検出手段により検出された旋回状態から、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定するものである。照射手段は、視線誘導箇所決定手段により決定された箇所における自車両の移動ベクトルが打ち消される光を該箇所を含む周辺の領域または該箇所を除いた周辺の領域に照射するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定し、決定した箇所で自車両の移動ベクトルが打ち消されるように、該箇所を含む周辺の領域または該箇所を除いた周辺の領域に光を照射することとしている。ここで、運転時には運転者の視線が或る特定の箇所に向くと運転が安定するという傾向がある。また、人間の視界においてオプティカルフローが停止している箇所に視線が向くという傾向がある。このため、本発明のように、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定し、決定した箇所で自車両の移動ベクトルが打ち消されるように、該箇所を含む周辺の領域または該箇所を除いた周辺の領域に光を照射することで、運転者にとっては、該箇所のオプティカルフローが停止しているかのように認識されることとなり、運転が安定する特定の箇所に運転者の視線を向けることが可能となる。従って、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。
【0008】
図1は、本発明の第1実施形態に係る視線誘導装置の構成図である。同図に示すように、視線誘導装置1は、車速センサ(車速検出手段)10と、旋回検出装置(旋回検出手段)20と、視線誘導箇所決定装置(視線誘導箇所決定手段)30と、提示装置(照射手段)40とを備えている。
【0009】
車速センサ10は、自車両の車速を検出するものである。旋回検出装置20は、自車両の旋回状態を検出するものである。この旋回検出装置20は、ナビゲーション装置21と、道路形状判別部22とを有している。ナビゲーション装置21は、自車両を目的地まで誘導する誘導経路を運転者に対して提示するものであり、少なくとも道路形状の情報を記憶している。また、ナビゲーション装置21は、GPS信号を入力して自車位置を特定する構成となっている。道路形状判別部22は、ナビゲーション装置21により検出された自車位置と、ナビゲーション装置21によって記憶される道路形状の情報とから、自車両が走行している道路の形状を特定し、自車両の旋回状態を検出する構成となっている。なお、旋回検出装置20は、旋回角度が所定角以上の場合に右または左旋回を検出し、旋回角度が所定角度を下回る場合にはたとえ数度旋回していたとしても旋回無し(直進)と検出する。
【0010】
視線誘導箇所決定装置30は、車速センサ10により検出された車速およびナビゲーション装置21により検出された旋回状態から、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定するものである。この視線誘導箇所決定装置30は、旋回時局所静止領域演算部31と、直進時局所静止領域演算部32とを有している。旋回時局所静止領域演算部31は、旋回検出装置20により右または左旋回が検出された場合、運転者の視線を誘導すべき箇所を旋回内側と決定するものである。直進時局所静止領域演算部32は、旋回検出装置20により自車両の旋回が検出されなかった場合、運転者の視線を誘導すべき箇所を車両前方と決定するものである。
【0011】
提示装置40は、視線誘導箇所決定装置30により決定された箇所における自車両の移動ベクトルが打ち消される光を該箇所を含む周辺の領域に照射するものである。図2は、図1に示した提示装置40の詳細を示す構成図である。提示装置40は、例えばプロジェクタまたはDLP内臓のヘッドランプによって構成されており、前照灯に近接配置されている。図3は、図1に示した提示装置40により照射される光の一例を示す図である。なお、図3において車両は前進しているものとする。同図に示すように、提示装置40は、路面に自車両の移動ベクトル(前進)が打ち消されるように、自車両に向かうオプティカルフローを前方周辺領域に一様に照射する。なお、提示装置40は、前照灯の明度よりも低い明度の光を照射する構成となっており、前照灯の光と提示装置40との光が一体となってしまうことを防止している。
【0012】
図4〜図6は、図1に示した提示装置40により照射される光を示す図であり、図4は車両直進時を示し、図5は車両左旋回時を示し、図6は車両右旋回時を示している。図4に示すように、車両直進時の移動ベクトルはy軸に対して正方向に伸びるため、自車両の移動ベクトルが打ち消される光はy軸に対して負方向に向かうものとなる。また、図5に示すように、車両左旋回時の移動ベクトルは、x軸に対して負方向且つy軸に対して正方向で伸びるため、自車両の移動ベクトルが打ち消される光はx軸に対して正方向且つy軸に対して負方向に伸びるものとなる。また、図6に示すように、車両右旋回時の移動ベクトルは、x軸に対して正方向且つy軸に対して正方向で伸びるため、自車両の移動ベクトルが打ち消される光はx軸に対して負方向且つy軸に対して負方向に伸びるものとなる。
【0013】
次に、本実施形態に係る視線誘導装置1の動作の概略を説明する。まず、車速センサ10は自車両の車速を検出する。また、旋回検出装置20は自車両の旋回状態を検出する。ここで、旋回検出装置20は、旋回半径R40m(旋回中心から車両までが40mで、旋回中心からカーブ内側までが35m)の左旋回であると判断したとする。このときの各種ベクトルを説明する。
【0014】
図7は、車両左旋回時の各種ベクトルの一例を示す図である。なお、図7では、車両前方5mの地点から15m間隔で路面上に四方に格子を切り、各格子点での移動ベクトル場を示している。
【0015】
図7に示すように、各格子点においては、車両前方方向に40km/hのベクトル成分Vと、ヨー方向の速度成分Vとからなっている。ここで、旋回半径Rをrとし、車両から格子点までの距離をsとし、角速度をwとすると、ヨー方向の速度ベクトルVは、
【数1】

と表すことができる。また、各格子点での移動ベクトルVは、
【数2】

と表される。
【0016】
ここで、旋回時は運転者の視線が旋回内側になることが知られている。特に、旋回時には、運転者の視線が図8に示すような接点に向くと運転が安定する傾向がある。このため、車速センサ10および旋回検出装置20が各種値を検出した後、視線誘導箇所決定装置30の旋回時局所静止領域演算部31は、自車位置とカーブとの関係から接点(Tangent Point)を求める。
【0017】
図8は、接点の一例を示す図である。同図に示すように、接点は自車位置からカーブへの接線を引くことで求めることができる。なお、旋回半径Rの曲率をcとし、道路内側の端から車両位置までの距離をdとし、車両の進行方向(即ち前方)と車両位置から接点への直線との為す角度をθとすると、曲率cは
【数3】

と表される。
【0018】
上記の如く、運転者の視線が上記接点に向くと運転は安定する傾向にある。このため、提示装置40は、視線誘導箇所決定装置30により求められた接点に運転者の視線を向けるべく、接点における自車両の移動ベクトルを打ち消す光を接点を含む周辺領域に一様に照射する。
【0019】
図9は、接点において移動ベクトルを打ち消す光の一例を示す図である。なお、図9では移動ベクトルを打ち消すオプティカルフローを破線矢印にて示している。まず、旋回中心の座標値を(0,0)とし、車両位置の座標値を(40,0)とした場合、接点TPの座標値は(30.625,16.95)となり、移動ベクトルVは、
【数4】

と表される。このため、提示装置40は、
【数5】

のオプティカルフローを有する光を照射する。なお、提示装置40は、接点箇所のみならず、他の箇所にも一様に光を照射する。すなわち、提示装置40は、他の格子点等に対しても接点箇所の移動ベクトルを打ち消す光を照射する。これにより、運転者には、接点箇所以外の格子点において、移動ベクトルと打ち消す光とによる新たなベクトルが認識されるようになる。一方、運転者には接点箇所においてオプティカルフローが停止しているように見える。このように、運転者には新たなベクトルが認識されるなかで、一部だけオプティカルフローの停止が認識されることとなり、運転者の視線が接点TPに誘導されることとなる。
【0020】
以上のように、移動ベクトルを打ち消す光を、接点箇所を含む周辺領域に一様に照射することで、図10に示すような効果が得られる。図10は、本実施形態に係る視線誘導装置1により視線誘導を行った場合と行っていない場合との運転操作性を示す比較図である。なお、図10は、50km/h以下の低速旋回時での運転操作性を示している。
【0021】
同図に示すように、視線誘導を行った場合、初期転舵速度は、視線誘導を行わなかったときと比較して、約20%低下するという結果が得られた。すなわち、視線誘導を行うと運転者はハンドルをゆっくりと転舵させることとなり、運転操作性が向上していることがわかる。ここで,初期転舵速度は転舵開始から1秒間の平均転舵速度をいう。
【0022】
さらに、旋回外側よりも内側の地面の動きがゆっくり流れるように運転者に知覚されて無意識に上記接点箇所に視線が誘導されるため、ディストラクションを感じないという主観的な効果も得られた。これによっても、運転操作性が向上していると言える。
【0023】
次に、車両直進時での視線誘導装置1の動作を説明する。この場合、旋回検出装置20が車両直進であると判断する。そして、視線誘導箇所決定装置30の直進時局所静止領域演算部32は、運転者の視線を誘導すべき箇所を求める。このとき、直進時局所静止領域演算部32は、自車両前方に視線を誘導すべきと決定する。特に、直進時局所静止領域演算部32は、車速センサ10により検出された車速が大きくなるに従って、運転者の視線を誘導すべき箇所を遠方側に決定する。
【0024】
具体的に直進時局所静止領域演算部32は、車速V(km/h)とした場合、運転者の視線を誘導すべき箇所までの距離Sを、
【数6】

なる演算式から求める。ここで、車両直進時において運転者は約1.5秒後に自車両が到達する位置に視線を向けておくと運転が安定する傾向がある。
【0025】
図11は、車速が高くなるほど運転者が遠方を視認することにより運転操作性が向上する様子を示す図である。図11に示すように、車両が直線に近いコースを速度Vで走行しているとする。この場合、車両が速度Vのままで所定時間進んだ場合、所定時間後のコースとのずれεは,yを基準線に対する車両の横変位とし、θをヨーレートとし、yOLを所定時間後の基準線に対する横変位とすると、
【数7】

となり、現在の自車位置と所定時間経過後の自車位置との距離が長いほど、ずれεは大きくなる。すなわち、車速が大きいほどずれεは大きくなる。このため、運転者は車速が高いほど遠方に視線を向けていた方が早い時期にずれを感じて操作の修正を行うことができ、滑らかな運転操作を行うことができる。以上から、直進時局所静止領域演算部32は、車速が大きくなるに従って運転者の視線を誘導すべき箇所を遠方側に決定し、運転者の運転操作性が安定する視線箇所を求めるようにしている。
【0026】
そして、提示装置40は、上記距離Sの地点に運転者の視線を誘導するように光を照射する。この際、まず、直進時局所静止領域演算部32は、自車両の移動ベクトルVを求める。ここで、車両直進時の移動ベクトルVは、自車両が25km/hで走行している場合、
【数8】

となる。次いで、直進時局所静止領域演算部32は、視線を誘導すべき箇所までの距離Sが10.5mであると求める。これにより、提示装置40は、10.5m先でオプティカルフローが停止して認識される光(例えば図3および図4に示すような光)を一様に照射することとなる。
【0027】
図12は、車両直進時に照射する光の一例を示す図である。図12に示すように、提示装置40は、視線の誘導箇所から放射状に広がるオプティカルフローを照射することが望ましい。これにより、運転者が車外を見たときの様子に近づけることとなるからである。また、照射するオプティカルフロー(ベクトル)の長さは、自車両側になるほど長くなることが望ましい。例えば、車両から10.5mの地点では、自車両の移動ベクトルVを打ち消すように25km/hのオプティカルフローを照射するが、車両から5.5mの地点(誘導箇所から5m)では30km/hのオプティカルフローを照射することが望ましい。すなわち、車両から5.5mの地点では、誘導箇所よりも5km/h増加させたオプティカルフローが照射されることが望ましい。ここで、増加量をδは、車両からの距離をxとすると、
【数9】

を用いて計算することができる。この計算式によると自車両の1m手前での増加量δは、9.5km/hとなり、34.5km/hのオプティカルフローが照射されることとなる。
【0028】
また、車両位置からややずれた位置Pでのオプティカルフローは、
【数10】

となる。ここで、θは、誘導箇所の中心点と点Pとを結ぶ直線と、車両進行方向との為す角度である。図12に示す点P1においてθ=12°である場合、照射すべきオプティカルフローは、
【数11】

となる。
【0029】
なお、上記したように、車両が25km/hで走行している場合、誘導箇所には25km/hのオプティカルフローが照射されるため、運転者には誘導箇所のオプティカルフローが停止しているかのように認識されることとなる。一方、他の箇所では、移動ベクトルと打ち消す光とによる新たなベクトルが認識されるようになる。これにより、運転者には新たなベクトルが認識されるなかで、一部だけオプティカルフローの停止が認識されることとなり、運転者の視線が誘導箇所に誘導されることとなる。よって、旋回時と同様に、運転操作性を向上させることができる。
【0030】
このようにして、第1実施形態に係る視線誘導装置1によれば、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定し、決定した箇所で自車両の移動ベクトルが打ち消されるように、該箇所を含む周辺の領域に一様に光を照射することとしている。ここで、運転時には運転者の視線が或る特定の箇所に向くと運転が安定するという傾向がある。また、人間の視界においてオプティカルフローが停止している箇所に視線が向くという傾向がある。このため、本実施形態のように、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定し、決定した箇所で自車両の移動ベクトルが打ち消されるように、該箇所を含む周辺の領域に一様に光を照射することで、運転者にとっては、該箇所のオプティカルフローが停止しているかのように認識されることとなり、運転が安定する特定の箇所に運転者の視線を向けることが可能となる。従って、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。
【0031】
なお、ここでいう移動ベクトルを打ち消すとは、オプティカルフローが完全に「0」となる場合に限らず、運転者にとってオプティカルフローが認識されない程度、または認識されたとしても微小程度である場合を含むものとする。
【0032】
また、右または左旋回が検出された場合、運転者の視線を誘導すべき箇所を旋回内側と決定する。ここで、旋回時には旋回内側に運転者の視線が向くと運転が安定する傾向がある。従って、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。
【0033】
また、自車両の旋回が検出されなかった場合、運転者の視線を誘導すべき箇所を車両前方と決定する。ここで、車両直進時には車両前方に運転者の視線が向くと運転が安定する傾向がある。従って、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。
【0034】
また、車両直進時に検出された車速が大きくなるに従って、運転者の視線を誘導すべき箇所を遠方側に決定する。ここで、車両直進時において運転者は約1.5秒後に自車両が到達する位置に視線を向けておくと運転が安定する傾向がある。従って、車速が大きくなるに従って、運転者の視線を誘導すべき箇所を遠方側に決定することで、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。
【0035】
また、提示装置40は、前照灯の明度よりも低い明度の光を照射する。このため、前照灯からの光と提示装置40からの光とが一体とならず、視線誘導箇所決定装置30により決定された箇所に、運転者の視線を好適に誘導することができる。特に、提示装置40は前照灯の明度よりも低い明度の光を照射するため、前照灯の明度を低下させる必要がなく、提示装置40を車両コンビネーションランプとして組み込むことができる。
【0036】
また、旋回検出装置20は、少なくとも道路形状の情報が記憶されたナビゲーション装置21を含んでいる。このため、ナビゲーション装置21に記憶される道路形状から将来的に自車両の運転者の視線誘導箇所を予測することができ、実際に運転者が運転操作をする前に視線誘導を行うことができる。従って、より運転操作性の向上を図ることができる。なお、ナビゲーション装置21に変えて、車両前方を撮影するカメラと備え、カメラにより撮影された画像を解析することで道路形状を予測するようにしてもよい。この場合も同様に、より運転操作性の向上を図ることができる。
【0037】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る視線誘導装置は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0038】
図13は、本発明の第2実施形態に係る視線誘導装置の構成図である。同図に示すように、視線誘導装置2は、旋回検出装置20の構成が第1実施形態と異なっている。すなわち、第2実施形態において旋回検出装置20は、道路形状判別部22と、舵角センサ23と、旋回演算部24とを備えている。
【0039】
舵角センサ23は、操舵角を検出するものである。また、第2実施形態の道路形状判別部22は、舵角センサ23からの信号に従って、自車両の走行道路が直進道路であるか、旋回道路であるかを判別する構成となっている。さらに、道路形状判別部22は、車両が直進道路を走行していると判断した場合(舵角が30°未満の場合)、その旨の情報を直進時局所静止領域演算部32に送信し、車両が旋回道路を走行していると判断した場合(舵角が30°以上の場合)、その旨の情報を旋回演算部24に送信するようになっている。
【0040】
旋回演算部24は、車速センサ10により検出された車速の情報と、舵角センサ23により検出された舵角の情報とから、自車両走行道路の旋回半径Rを求める。ここで、旋回半径Rをρとすると、旋回演算部24は、旋回半径ρを
【数12】

なる関係式から求める。但し、Aはスタビリティファクタであり、Vは車速であり、Iはホイールベースであり、δは前輪の舵角(ハンドル舵角/ステアリングギア比)である。なお、スタビリティファクタAは、
【数13】

で表される。但し、mは車両質量であり、lは車両重心点と前車輪間の距離であり、lは車両重心点と後車輪間の距離である。また、Kは前輪1輪あたりのタイヤコーナリングパワーであり、Kは後輪1輪あたりのタイヤコーナリングパワーである。
【0041】
旋回演算部24は、上記式から旋回半径Rを求めた後、視線誘導箇所決定装置30の旋回時局所静止領域演算部31に旋回半径Rの情報を送信する。これにより、旋回時局所静止領域演算部31は、第1実施形態と同様にして、運転者の視線の誘導箇所を決定することとなる。
【0042】
なお、視線誘導箇所となる接点TPを算出するにあたり、カーブ内側から車両位置までの距離sの情報が必要となる。第2実施形態では、カーブ内側から車両位置までの距離s(m)を、車両の横幅w(m)とし、カーブ内側から車両側面までの50cmのところを車両が走行していると仮定して、
【数14】

とし、この距離sを用いて演算するものとする。
【0043】
このようにして、第2実施形態に係る視線誘導装置は、第1実施形態と同様に、運転者の運転操作性の向上を図ることができ、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。また、提示装置40を車両コンビネーションランプとして組み込むことができる。
【0044】
また、第2実施形態によれば、旋回検出装置20は、操舵角を検出する舵角センサ23を含んでいる。このため、既存の構成を用いて、簡易に車両の旋回状態を検出することができる。なお、舵角センサ23に代えて、車両の角速度を検出するヨーレートセンサを備えてもよく、この場合も同様に簡易に車両の旋回状態を検出することができる。
【0045】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態に係る視線誘導装置は、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容が異なっている。以下、第1実施形態との相違点を説明する。
【0046】
図14は、本発明の第3実施形態に係る視線誘導装置の構成図である。同図に示すように、第3実施形態に係る視線誘導装置3は提示装置40の構成が第1実施形態のものと異なっている。すなわち、第1実施形態の提示装置40では照明が1つであったが、第3実施形態の提示装置40では5つの照明(第1〜第5照明41a〜41e)を有している。
【0047】
図15は、図14に示した第1〜第5照明41a〜41eの詳細を示す構成図である。同図に示すように、第1〜第5照明41a〜41eは前照灯に近接配置されており、コンビネーションランプ内の片端で縦に並ぶようにして設けられている。
【0048】
図16は、第3実施形態に係る提示装置40による光の照射の様子を示す図である。同図に示すように、提示装置40は例えば第1照明41aから光を照射し、第2照明41bから光を照射せず、第3照明41cから光を照射する。また、提示装置40は、第4照明41dから光を照射し、第5照明41eから光を照射しない。これにより、第3実施形態に係る提示装置40は、路面に縞模様の光を照射するようになっている。そして、第3実施形態に係る視線誘導装置3は、縞模様の光により自車両の移動ベクトルを打ち消すようにすることとなる。
【0049】
図17は、第1照明41aの詳細を示す構成図であり、(a)は一般的な照明を示し、(b)は一般的な照明により照射される光を示し、(c)は本実施形態に係る第1照明41aを示し、(d)は本実施形態に係る第1照明41aにより照射される光を示している。
【0050】
図17(a)に示すように、一般的な照明は例えば光源100と反射板101とレンズ102とからなっており、光源100からの光は、放物回転体をなす反射板101によって反射された後、レンズを介して所定箇所に照射される。この一般的な照明によって照射される光は、図17(b)に示すように、円形または楕円形などの形状となる。
【0051】
本実施形態に係る第1照明41aは、図17(c)に示すように、光源42aと、反射板43aと、レンズ44aと、第1遮光板45aと、第2遮光板46aとからなっている。第1照明41aでは、光源42aからの光が反射板43aによって反射され、反射された光の一部が第1および第2遮光板45a,46aによって遮られるようになっている。また、第1および第2遮光板45a,46aによって遮られなかった光は、レンズ44aを介して所定箇所に照射されることとなる。第1照明41aによって照射される光は、図17(d)に示すように、遮光板45a,46aによって遮られることにより、所定方向に伸びた形状となる。第2〜第5照明41b〜41eについても同様である。
【0052】
このように、提示装置40は、5つの光源42a〜42eと、各光源42a〜42eと対応して設けられる遮光板45a〜45e,46a〜46eとを有し、各光源42a〜42eからの光が遮光板45a〜45e,46a〜46eによって遮られることにより、縞模様の光を照射可能となっている。
【0053】
なお、図17(d)に示す光は、遮光板45a,46aの位置によって、形状を変更できるようになっている。例えば、第1遮光板45aを光源42aに近づけると、光の中心線から下端までの距離L2が長くなり、第1遮光板45aを光源42aから遠ざけると、距離L2が短くなる。また、第2遮光板46aを光源42aに近づけると、光の中心線から上端までの距離L1が長くなり、第2遮光板46aを光源42aから遠ざけると、距離L1が短くなる。
【0054】
図18は、図14に示した提示装置40の他の詳細構成図であり、(a)はステアリングと第1照明41aとの関係を示し、(b)は各照明41a〜41eの回転機構を示している。図18(a)に示すように、ステアリングと第1照明41aとは連動して動くようになっており、第1照明41aは、運転者がステアリングを操作すると、この転舵に応じてロール回転するようになっている。また、他の照明41b〜41eについても同様に転舵に応じてロール回転するようになっている。
【0055】
具体的に提示装置40は、図18(b)に示すように、サーボモータ47と回転軸48とを備え、転舵状態に応じてサーボモータ47が作動し、回転軸48を軸周りに回転させる。回転軸48には、各照明41a〜41eが接続されており、各照明41a〜41eは、回転軸48の回転によって一体的にロール回転するようになっている。
【0056】
次に、第3実施形態に係る提示装置40による光の照射方法について説明する。図19は、第3実施形態に係る提示装置40による光の照射方法を示す第1の図であり、(a)はあるタイミングでの光の照射の様子を示し、(b)は照射される光の変化の様子を示し、(c)は第1〜第5光源42a〜42eの点灯および消灯の様子を示している。
【0057】
図19(a)に示すように、提示装置40は、例えは時刻t=0において、第1光源42a、第3光源42cおよび第5光源42eを点灯させ、第2光源42bおよび第4光源42dを消灯させている。この状態において所定時間T経過したとすると、提示装置40は、各光源42a〜42eの点灯状態を切り替える。すなわち、図19(b)および(c)に示すように、提示装置40は、時刻t=Tとなると、第1光源42a、第3光源42cおよび第5光源42eを消灯させ、第2光源42bおよび第4光源42dを点灯させる。これにより、仮現運動を利用して縞模様の光が自車両に迫ってくるように表現することができる。
【0058】
ここで、仮現運動とは、物理的運動が存在しないにも拘わらず、次々と類似の刺激を与えられることにより、運動があるように感じる現象をいう。例えば、LED(Light−Emitting Diode)が敷き詰められた電光掲示板上では、LEDの点灯パターンにより文字が左から右に流れて提示されるように知覚される。このとき、LED光自体は移動しておらず、LEDが点灯して消えると同時に隣のLEDが点灯し、これを連続的に左から右に繰り返し行っている。
【0059】
本実施形態に係る提示装置40による仮現運動ついてさらに詳しく説明する。図20は、第3実施形態に係る提示装置40による光の照射方法を示す第2の図である。まず、第3実施形態に係る提示装置40は、時刻t1において第3光源42cのみを点灯させる。次に、提示装置40は、時刻t2において第1光源42aおよび第4光源42dを点灯させ、第3光源42cを消灯させる。次いで、提示装置40は、時刻t3において第2光源42bおよび第5光源42eを点灯させ、第1光源42aおよび第4光源42dを消灯させる。時刻t4以降は、時刻t1〜t3と同様に、点灯および消灯が繰り返される。このように、点灯および消灯を行うことにより、仮現運動を利用して縞模様の光が動いているかのように表現することができる。なお、点灯および消灯の周期は、車速が高くなるに従って短くなるようになっている。これにより、車速が高い場合には、縞模様の光が自車両側に早く迫ってくるように知覚されることとなる。
【0060】
図21は、第3実施形態に係る提示装置40による光の照射方法を示す第3の図である。図18に示したように、各照明41a〜41eは、転舵に応じてロール回転するようになっている。このため、図21に示すように、提示装置40は、車両旋回時において路面に縞模様の光を傾けて照射することとなる。さらに、縞模様の光は仮現運動により運転者側に迫ってくるように表現されるため、運転者には図22および図23に示すように縞模様の光が認識される。
【0061】
図22は、旋回時での縞模様の光の動きを示す図であり、(a)は縞模様の光の仮現運動を示し、(b)は縞模様の光の回転を示し、(c)は仮現運動と回転とが合成されたときの縞模様の光の動きベクトルを示し、(d)は仮現運動と回転とが合成されたときの縞模様の光の動きを示している。
【0062】
図22(a)に示すように、車両直進時に縞模様の光が速度V1で運転者側に迫ってくるように表現されるとする。また、図22(b)に示すように、車両旋回時に縞模様の光が速度V2で時計回りに回転するとする。そして、これらの縞模様の光の動きベクトルを足しあわせると、縞の左側については、V1−V2となりV1=V2のときには動きは相殺されることとなる。一方、縞の右側については、V1+V2となる。これにより、図22(d)に示すように、縞模様の左側は停止またはゆっくりとした動きとなり、縞模様の右側は素早く動いて見えることとなる。
【0063】
図23は、旋回時での縞模様の光の動きを示す図であり、運転者の視点からの様子を示している。同図に示すように、提示装置40は、車両旋回時に旋回外側よりも旋回内側の縞の速度を遅く表現することとなる。これにより、旋回内側の点P2あたりでは、自車両の移動ベクトルが打ち消された状態(運転者にオプティカルフローが認識されない状態)となり、運転者の視線が点P2に誘導されて、運転操作性が向上することとなる。
【0064】
なお、図23に示すように、第3実施形態では視線を誘導すべき箇所P2に光を照射せず、道路にのみ光を照射するようにしている。すなわち、提示装置40は、視線誘導箇所決定装置30により決定された箇所における自車両の移動ベクトルが打ち消される光を該箇所を除いた周辺の領域に照射するようにしてもよい。これによっても、旋回内側の点P2に運転者の視線を誘導することができる。
【0065】
また、図23に示すように、道路形状に沿った縞模様の光を表現するためには、転舵に応じて各照明41a〜41eが全体的にロール回転する構成でなく、道路形状に応じて各照明41a〜41eを個別にロール回転させる装置を有することが望ましい。
【0066】
図24は、縞模様の光の他の例を示す図であり、(a)は各照明41a〜41eの輝度変化を示し、(b)は縞模様の光の一例を示している。同図に示すように、提示装置40は、図24(a)に示すように第1照明41aの輝度を変化させる。さらに、提示装置40は、第1照明41aの輝度変化とタイミングをずらして、図24(a)に示すように第2照明41bの輝度を変化させる。他の照明41c〜41eについても同様にタイミングをずらして輝度を変化させる。これにより、提示装置40は、図24(b)に示すような縞模様の光を照射することができる。
【0067】
なお、第3実施形態に係る視線誘導装置3について、他の動作等は、第1実施形態のものと同様であるため、説明を省略する。また、本実施形態では提示装置40が5つの光源42a〜42eを有する例を説明しているが、これに限らず、提示装置40は少なくとも3つの光源を有していればよい。
【0068】
このようにして、第3実施形態に係る視線誘導装置3によれば、第1実施形態と同様に、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定し、決定した箇所で自車両の移動ベクトルが打ち消されるように、該箇所を除いた周辺の領域に光を照射することで、運転者にとっては、該箇所のオプティカルフローが停止しているかのように認識されることとなり、運転が安定する特定の箇所に運転者の視線を向けることが可能となる。従って、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。
【0069】
また、第1実施形態と同様に、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。また、提示装置40を車両コンビネーションランプとして組み込むことができ、実際に運転者が運転操作をする前に視線誘導を行うことができ、より運転操作性の向上を図ることができる。
【0070】
さらに、第3実施形態によれば、自車両の移動ベクトルが打ち消される光を、縞模様の光として照射し、仮現運動を利用して縞模様の光が運転者に迫ってくるように表現する。このため、運転者の視覚情報として増強して光が認識されることとなり、より運転者の運転操作性を向上させることができる。
【0071】
また、提示装置40は、少なくとも3つの光源42と各光源に対応して設けられる遮光板45,46とを有し、各光源42からの光の一部が遮光板45,46によって遮られることにより、縞模様の光を照射可能となっている。通常、光源42からの光は路面に映し出されたとき円形または楕円形等の形状となるが、遮光板45,46により光の一部を遮ることにより容易に縞を表現することができるようになる。特に、遮光板45,46を用いると、縞の明暗(境界部分)をはっきりと表現することができ、運転者に容易に縞模様を認識させることができる。
【0072】
また、提示装置40は、転舵に応じてロール回転することにより、路面に縞模様の光を傾けて照射可能となっているため、車両旋回時に違和感無く自車両側に迫ってくる縞模様を表現することができる。
【0073】
また、提示装置40は、道路形状に応じて各照明41a〜41eを個別にロール回転させる装置を有することが望ましい。これにより、より車両旋回時に違和感無く自車両側に迫ってくる縞模様を表現することができる。
【0074】
また、車両旋回時には旋回外側よりも旋回内側の縞の移動速度を遅くするため、旋回時には、旋回内側で縞の移動が少なく表現されて、運転者の視線を旋回内側方向に誘導することができる。従って、運転者の運転操作性の向上を図ることができる。
【0075】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよいし、各実施形態を組み合わせるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1実施形態に係る視線誘導装置の構成図である。
【図2】図1に示した提示装置の詳細を示す構成図である。
【図3】図1に示した提示装置により照射される光の一例を示す図である。
【図4】図1に示した提示装置により照射される光を示す図であり、車両直進時を示している。
【図5】図1に示した提示装置により照射される光を示す図であり、車両左旋回時を示している。
【図6】図1に示した提示装置により照射される光を示す図であり、車両右旋回時を示している。
【図7】車両左旋回時の各種ベクトルの一例を示す図である。
【図8】接点の一例を示す図である。
【図9】接点において移動ベクトルを打ち消す光の一例を示す図である。
【図10】本実施形態に係る視線誘導装置により視線誘導を行った場合と行っていない場合との運転操作性を示す比較図である。
【図11】車速が高くなるほど運転者が遠方を視認することにより運転操作性が向上する様子を示す図である。
【図12】車両直進時に照射する光の一例を示す図である。
【図13】本発明の第2実施形態に係る視線誘導装置の構成図である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る視線誘導装置の構成図である。
【図15】図14に示した第1〜第5照明の詳細を示す構成図である。
【図16】第3実施形態に係る提示装置による光の照射の様子を示す図である。
【図17】第1照明の詳細を示す構成図であり、(a)は一般的な照明を示し、(b)は一般的な照明により照射される光を示し、(c)は本実施形態に係る第1照明を示し、(d)は本実施形態に係る第1照明により照射される光を示している。
【図18】図14に示した提示装置の他の詳細構成図であり、(a)はステアリングと第1照明との関係を示し、(b)は各照明の回転機構を示している。
【図19】第3実施形態に係る提示装置による光の照射方法を示す第1の図であり、(a)はあるタイミングでの光の照射の様子を示し、(b)は照射される光の変化の様子を示し、(c)は第1〜第5光源の点灯および消灯の様子を示している。
【図20】第3実施形態に係る提示装置による光の照射方法を示す第2の図である。
【図21】第3実施形態に係る提示装置による光の照射方法を示す第3の図である。
【図22】旋回時での縞模様の光の動きを示す図であり、(a)は縞模様の光の仮現運動を示し、(b)は縞模様の光の回転を示し、(c)は仮現運動と回転とが合成されたときの縞模様の光の動きベクトルを示し、(d)は仮現運動と回転とが合成されたときの縞模様の光の動きを示している。
【図23】旋回時での縞模様の光の動きを示す図であり、運転者の視点からの様子を示している。
【図24】縞模様の光の他の例を示す図であり、(a)は各照明の輝度変化を示し、(b)は縞模様の光の一例を示している。
【符号の説明】
【0077】
1〜3…視線誘導装置
10…車速センサ(車速検出手段)
20…旋回検出装置(旋回検出手段)
21…ナビゲーション装置
22…道路形状判別部
23…舵角センサ
24…旋回演算部
30…視線誘導箇所決定装置(視線誘導箇所決定手段)
31…旋回時局所静止領域演算部
32…直進時局所静止領域演算部
40…提示装置(照射手段)
42…光源
45,46…遮光板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の車速を検出する車速検出手段と、
自車両の旋回状態を検出する旋回検出手段と、
前記車速検出手段により検出された車速および前記旋回検出手段により検出された旋回状態から、運転者の視線を誘導すべき箇所を決定する視線誘導箇所決定手段と、
前記視線誘導箇所決定手段により決定された箇所における自車両の移動ベクトルが打ち消される光を該箇所を含む周辺の領域または該箇所を除いた周辺の領域に照射する照射手段と、
を備えることを特徴とする視線誘導装置。
【請求項2】
前記視線誘導箇所決定手段は、前記旋回検出手段により右または左旋回が検出された場合、運転者の視線を誘導すべき箇所を旋回内側と決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の視線誘導装置。
【請求項3】
前記視線誘導箇所決定手段は、前記旋回検出手段により自車両の旋回が検出されなかった場合、運転者の視線を誘導すべき箇所を車両前方と決定する
ことを特徴とする請求項1に記載の視線誘導装置。
【請求項4】
前記視線誘導箇所決定手段は、前記車速検出手段により検出された車速が大きくなるに従って、運転者の視線を誘導すべき箇所を遠方側に決定する
ことを特徴とする請求項3に記載の視線誘導装置。
【請求項5】
前記照射手段は、前照灯の明度よりも低い明度の光を照射する
ことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の視線誘導装置。
【請求項6】
前記旋回検出手段は、車両前方を撮影するカメラ、少なくとも道路形状の情報が記憶されたナビゲーション装置、操舵角を検出する舵角センサ、車両の角速度を検出するヨーレートセンサのいずれか1つを有する
ことを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の視線誘導装置。
【請求項7】
前記照射手段は、自車両の移動ベクトルが打ち消される光を、縞模様の光として照射し、仮現運動を利用して縞模様の光が運転者に迫ってくるように表現する
ことを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の視線誘導装置。
【請求項8】
前記照射手段は、少なくとも3つの光源と各光源に対応して設けられる遮光板とを有し、各光源からの光の一部が遮光板によって遮られることにより、縞模様の光を照射可能となっている
ことを特徴とする請求項7に記載の視線誘導装置。
【請求項9】
前記照射手段は、転舵に応じてロール回転することにより、路面に縞模様の光を傾けて照射可能となっている
ことを特徴とする請求項7または請求項8のいずれかに記載の視線誘導装置。
【請求項10】
前記照射手段は、車両旋回時には旋回外側よりも旋回内側の縞の移動速度を遅くする
ことを特徴とする請求項9に記載の視線誘導装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2007−276527(P2007−276527A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−101909(P2006−101909)
【出願日】平成18年4月3日(2006.4.3)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】