距離センサ及び距離画像センサ
【課題】不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供すること。
【解決手段】距離画像センサ1は、光入射面1FTと裏面1BKとを有する半導体基板1A、フォトゲート電極PG、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2、第1及び第2半導体領域FD1,FD2、並びに第3半導体領域SR1を備えている。フォトゲート電極PGは、光入射面1FT上に設けられる。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、フォトゲート電極PGに隣接して設けられる。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、各ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ込む電荷を蓄積する。第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から裏面1BK側に離れて設けられ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と逆の導電型である。
【解決手段】距離画像センサ1は、光入射面1FTと裏面1BKとを有する半導体基板1A、フォトゲート電極PG、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2、第1及び第2半導体領域FD1,FD2、並びに第3半導体領域SR1を備えている。フォトゲート電極PGは、光入射面1FT上に設けられる。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、フォトゲート電極PGに隣接して設けられる。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、各ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ込む電荷を蓄積する。第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から裏面1BK側に離れて設けられ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と逆の導電型である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離センサ及び距離画像センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアクティブ型の光測距センサは、LED(Light Emitting Diode)などの投光用の光源から対象物に光を照射し、対象物における反射光を光検出素子で検出することで、対象物までの距離に応じた信号を出力するものとして知られている。PSD(Position Sensitive Detector)などは、対象物までの距離を簡易に測定することができる光三角測量型の光測距センサとして知られているが、近年、より精密な距離測定を行うため、光TOF(Time-Of-Flight)型の光測距センサの開発が期待されている。
【0003】
距離情報と画像情報を同時に、同一チップで取得できるイメージセンサが車載用、工場の自動製造システム用などにおいて求められている。車両前方にイメージセンサを設置すれば、先方車両の検知・認識、歩行者などの検知・認識に使用することが期待される。画像情報とは別に、単一の距離情報又は複数の距離情報からなる距離画像を取得するイメージセンサも期待されている。このような測距センサにはTOF法を用いることが好ましい。
【0004】
TOF法は、投光用の光源から、対象物に向けてパルス光を出射し、対象物で反射されたパルス光を光検出素子で検出することで、パルス光の出射タイミングと検出タイミングの時間差を測定している。この時間差(Δt)は、対象物までの距離dの2倍の距離(2×d)をパルス光が光速(=c)で飛行するのに要する時間であるため、d=(c×Δt)/2が成立する。時間差(Δt)は、光源からの出射パルスと検出パルスの位相差と言い換えることもできる。この位相差を検出すれば、対象物までの距離dを求めることができる。
【0005】
電荷振り分け方式のイメージセンサは、TOF法によって測距を行うための光検出素子として着目されている。すなわち、電荷振り分け方式のイメージセンサでは、例えば、検出パルスの入射に応じてイメージセンサ内において発生するパルス的に発生する電荷を、出射パルスのON期間の間に一方のポテンシャル井戸内に振り分け、OFF期間の間に他方のポテンシャル井戸に振り分ける。この場合、左右に振り分けられた電荷量の比率が、検出パルスと出射パルスの位相差、すなわち、対象物までの距離の2倍の距離をパルス光が光速で飛行するのに要する時間に比例することになる。なお、電荷の振り分け方法としては種々のものが考えられる。
【0006】
特許文献1には、電荷振り分け方法の距離センサ(距離画像センサ)として、半導体基板と、半導体基板の表面上に設けられ、平面形状が互いに対向する2辺を有するフォトゲート電極と、当該表面上においてフォトゲート電極の2辺に隣接してそれぞれ設けられた複数のゲート電極と、半導体基板とは異なる導電型を有し且つフォトゲート電極の直下の領域から各ゲート電極の直下の領域に流れ込む電荷をそれぞれ読み出すための複数の半導体領域と、を備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2007−526448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような電荷振り分け方法の距離センサ(距離画像センサ)では、距離測定に先立ってリセットするために、各半導体領域にバイアス電圧(例えば、5V)を印加している。このとき、空乏層が、フォトゲート電極の直下の領域からだけでなく、各半導体領域からも拡がることとなる。空乏層が各半導体領域から拡がってしまうと、発生した電荷は、フォトゲート電極の直下の領域から拡がる空乏層に取り込まれることなく、各半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれてしまうことがある。電荷振り分け方法の距離センサ(距離画像センサ)では、フォトゲート電極の直下に到達し且つゲート電極により振り分けられた電荷に基づく信号が距離情報に寄与することとなるため、各半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれて、各半導体領域に蓄積された電荷は、不要なノイズ成分(DC成分)となってしまう。
【0009】
本発明は、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る距離センサは、光入射面と当該光入射面に対向する裏面とを有する半導体基板と、光入射面上に設けられたフォトゲート電極と、光入射面上においてフォトゲート電極に隣接して設けられた第1及び第2ゲート電極と、フォトゲート電極の直下の領域から第1及び第2ゲート電極の直下に流れ込む電荷をそれぞれ読み出すための第1及び第2半導体領域と、第1及び第2半導体領域から裏面側に離れて設けられ、第1及び第2半導体領域と逆の導電型である第3半導体領域と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る距離センサでは、第1及び第2半導体領域と逆の導電型である第3半導体領域が、第1及び第2半導体領域から上記裏面側に離れて設けられている。このため、第1及び第2半導体領域から拡がる空乏層は、その裏面側への拡がりが第3半導体領域により抑えられ、第3半導体領域を超えて裏面側に伸びていくことはない。この結果、発生した電荷が第1及び第2半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。
【0012】
なお、フォトゲート電極の直下の領域から拡がる空乏層は、その拡がりが第3半導体領域により抑えられることはなく、光入射面の裏面側へ向けて拡がることとなる。したがって、第3半導体領域が、フォトゲート電極の直下の領域から拡がる空乏層への電荷の取り込みを阻害することはない。また、第3半導体領域は、第1及び第2半導体領域から離れて設けられているため、フォトゲート電極の直下の領域から第1及び第2半導体領域の領域に向うポテンシャルの傾斜に障壁が形成されるようなことはなく、電荷の転送に支障が生じることもない。
【0013】
そして、本発明に係る距離画像センサは、一次元状又は二次元状に配置された複数のユニットからなる撮像領域を半導体基板上に備え、ユニットから出力される電荷量に基づいて、距離画像を得る距離画像センサにおいて、1つのユニットは、上記距離センサであることを特徴とする。本発明では、上述したように、発生した電荷が第1及び第2半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。
【0014】
第1及び第2ゲート電極は、第1及び第2半導体領域のそれぞれの周囲に該第1及び第2半導体領域を囲んで設けられていてもよい。この場合、第1及び第2ゲート電極は第1及び第2半導体領域の周辺に位置することになるが、逆に、第1及び第2ゲート電極の周辺にも第1及び第2半導体領域が位置することとなる。第1及び第2ゲート電極は第1及び第2半導体領域を囲んでいるため、第1及び第2ゲート電極へ電荷を転送するための信号を与えることで、全方向からの電荷を第1及び第2半導体領域に転送することが可能となる。すなわち、第1及び第2ゲート電極の周辺領域を実質的に全て電荷発生領域として機能させることが可能となり、開口率が更に著しく改善する。したがって、信号量を増加させ、S/N比の良い距離画像を得ることができる。1つの距離センサに着目すると、第1及び第2ゲート電極の外側の全方向から内側の第1及び第2半導体領域に電荷を転送させることができるので、多くの電荷が収集でき、かかる電荷に基づいて距離を求めると、S/N比の良い距離出力を得ることができる。
【0015】
第1及び第2ゲート電極の形状は、環状であってもよい。この場合、全方位から第1及び第2ゲート電極の直下の領域に流れ込む電荷を着実に収集し、また、その流入を阻止することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る測距装置の構成を示す説明図である。
【図2】距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
【図3】距離画像センサの概略平面図である。
【図4】距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図5】図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。
【図6】信号電荷の蓄積動作を説明するための、ポテンシャル分布を示す図である。
【図7】画素の構成を説明するための模式図である。
【図8】空乏層の拡がりを模式的に示す図である。
【図9】第1及び第2半導体領域が設けられた位置での半導体基板の厚み方向でのポテンシャル分布を示す図である。
【図10】空乏層の拡がりを模式的に示す図である。
【図11】第1及び第2半導体領域が設けられた位置での半導体基板の厚み方向でのポテンシャル分布を示す図である。
【図12】信号電荷の蓄積動作を説明するための、ポテンシャル分布を示す図である。
【図13】距離画像センサの変形例の概略平面図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV線に沿った断面構成を示す図である。
【図15】空乏層の拡がりを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、測距装置の構成を示す説明図である。
【0020】
この測距装置は、距離画像センサ1と、近赤外光を出射する光源3と、光源3にパルス駆動信号SPを与える駆動回路4と、距離画像センサ1の各画素に含まれる第1及び第2ゲート電極(TX1,TX2:図4参照)に、パルス駆動信号SPに同期した検出用ゲート信号S1、S2を与える制御回路2と、距離画像センサ1の第1〜第2半導体領域(FD1〜FD2:図4参照)から読み出された距離情報を示す信号d’(m,n)から、歩行者などの対象物Hまでの距離を演算する演算回路5を備えている。距離画像センサ1から対象物Hまでの水平方向Dの距離をdとする。
【0021】
制御回路2は、パルス駆動信号SPを駆動回路4のスイッチ4bに入力している。LED又はレーザダイオードからなる投光用の光源3は、スイッチ4bを介して電源4aに接続されている。したがって、スイッチ4bにパルス駆動信号SPが入力されると、パルス駆動信号SPと同じ波形の駆動電流が光源3に供給され、光源3からは測距用のプローブ光としてのパルス光LPが出力される。
【0022】
パルス光LPが対象物Hに照射されると、対象物Hによってパルス光が反射され、パルス光LDとして、距離画像センサ1に入射して、パルス検出信号SDを出力する。
【0023】
距離画像センサ1は、配線基板10上に固定されており、配線基板10上の配線を介して、距離情報を有する信号d’(m,n)が各画素から出力される。
【0024】
パルス駆動信号SPの波形は、周期Tの方形波であり、ハイレベルを「1」、ローレベルを「0」とすると、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
パルス駆動信号SP:
・V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
・V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
・V(t+T)=V(t)
【0025】
検出用ゲート信号S1、S2の波形は、周期Tの方形波であり、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
検出用ゲート信号S1:
・V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
・V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
・V(t+T)=V(t)
検出用ゲート信号S2(=S1の反転):
・V(t)=0(但し、0<t<(T/2)の場合)
・V(t)=1(但し、(T/2)<t<Tの場合)
・V(t+T)=V(t)
【0026】
上記パルス信号SP,S1、S2、SDは、全てパルス周期2×TPを有していることとする。検出用ゲート信号S1及びパルス検出信号SDが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ1、検出用ゲート信号S2及びパルス検出信号SDが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ2とする。
【0027】
距離画像センサ1における一方の検出用ゲート信号S1とパルス検出信号SDの位相差は、他方の検出用ゲート信号S2とパルス検出信号SDが「1」の時の重複期間において、距離画像センサ1において発生した電荷量Q2に比例する。すなわち、電荷量Q2は、検出用ゲート信号S2とパルス検出信号SDの論理積が「1」である期間において発生した電荷量である。1画素内において発生する全電荷量をQ1+Q2とし、駆動信号SPの半周期のパルス幅をTPとすると、Δt=TP×Q2/(Q1+Q2)の期間だけ、駆動信号SPに対してパルス検出信号SDが遅れていることになる。1つのパルス光の飛行時間Δtは、対象物までの距離をd、光速をcとすると、Δt=2d/cで与えられるため、特定の画素からの距離情報を有する信号d’(m,n)として2つの電荷量(Q1,Q2)が出力されると、演算回路5は、入力された電荷量Q1,Q2と、予め判明している半周期パルス幅TPに基づいて、対象物Hまでの距離d=(c×Δt)/2=c×TP×Q2/(2×(Q1+Q2))を演算する。
【0028】
上述のように、電荷量Q1、Q2を分離して読み出せば、演算回路5は、距離dを演算することができる。なお、上述のパルスは繰り返して出射され、その積分値を各電荷量Q1,Q2として出力することができる。
【0029】
電荷量Q1,Q2の全体電荷量に対する比率は、上述の位相差、すなわち、対象物Hまでの距離に対応している。演算回路5は、この位相差に応じて対象物Hまでの距離を演算している。上述のように、位相差に対応する時間差をΔtとすると、距離dは、好適にはd=(c×Δt)/2で与えられるが、適当な補正演算をこれに加えて行ってもよい。例えば、実際の距離と、演算された距離dとが異なる場合、後者を補正する係数βを予め求めておき、出荷後の製品では演算された距離dに係数βを乗じたものを最終的な演算距離dとしてもよい。外気温度を測定しておき、外気温度に応じて光速cが異なる場合には、光速cを補正する演算を行ってから、距離演算を行うこともできる。演算回路に入力された信号と、実際の距離との関係を予めメモリに記憶しておき、ルックアップテーブル方式によって、距離を演算してもよい。センサ構造によっても演算方法は変更することができ、これには従来から知られている演算方法を用いることができる。
【0030】
図2は、距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
【0031】
距離画像センサ1は、表面入射型の距離画像センサであって、半導体基板1Aを備えている。距離画像センサ1には、半導体基板1Aの光入射面1FTからパルス光LDが入射する。距離画像センサ1の光入射面1FTとは逆側の裏面1BKは、接着領域ADを介して配線基板10に接続されている。接着領域ADは、絶縁性の接着剤やフィラーを有している。距離画像センサ1は、所定の位置に開口が形成された遮光層LIを備えている。遮光層LIは、光入射面1FTの前方に配置されている。
【0032】
図3は、距離画像センサの概略平面図である。
【0033】
距離画像センサ1では、半導体基板1Aが、二次元状に配列した複数の画素P(m,n)からなる撮像領域1Bを有している。各画素P(m,n)からは、上述の距離情報を有する信号d’(m,n)として2つの電荷量(Q1,Q2)が出力される。各画素P(m,n)は微小測距センサとして対象物Hまでの距離に応じた信号d’(m,n)を出力する。したがって、対象物Hからの反射光を、撮像領域1Bに結像すれば、対象物H上の各点までの距離情報の集合体としての対象物の距離画像を得ることができる。一つの画素P(m,n)は、一つの距離センサとして機能する。
【0034】
図4は、距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。図5は、図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。図4では、導体11の図示を省略している。
【0035】
距離画像センサ1は、互いに対向する光入射面1FTと裏面1BKとを有する半導体基板1Aを備えている。半導体基板1Aは、裏面1BK側に位置するp型の第1領域1Aaと、第1領域1Aaよりも不純物濃度が低く且つ光入射面1FT側に位置するp−型の第2領域1Abと、からなる。半導体基板1Aは、例えば、p型の半導体基板上に、当該半導体基板よりも不純物濃度が低いp−型のエピタキシャル層を成長させることにより得ることができる。
【0036】
距離画像センサ1は、フォトゲート電極PGと、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、第3半導体領域SR1と、を備えている。フォトゲート電極PGは、光入射面1FT上に絶縁層1Eを介して設けられている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、光入射面1FT上において絶縁層1Eを介してフォトゲート電極PGに隣接して設けられている。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、各ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ込む電荷を蓄積する。第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から裏面1BK側に離れて設けられ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と逆の導電型である。本例の半導体基板1AはSiからなり、絶縁層1EはSiO2からなる。
【0037】
フォトゲート電極PGは、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、フォトゲート電極PGは、長方形状を呈している。すなわち、フォトゲート電極PGは、互いに対向する第1及び第2長辺LS1,LS2と、互いに対向する第1及び第2短辺SS1,SS2と、を有する平面形状を呈している。半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGに対応する領域(フォトゲート電極PGの直下の領域)は、入射光に応じて電荷が発生する光感応領域として機能する。フォトゲート電極PGはポリシリコンからなるが、他の材料を用いてもよい。
【0038】
第1半導体領域FD1は、フォトゲート電極PGの第1長辺LS1側において当該第1長辺LS1に沿って配置されている。第2半導体領域FD2は、フォトゲート電極PGの第2長辺LS2側において当該第2長辺LS2に沿って配置されている。第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とは、第1及び第2長辺LS1,LS2の対向方向(以下、単に「対向方向」と称することもある)で、フォトゲート電極PGを挟んで対向している。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、フォトゲート電極PGの長辺方向をその長辺方向とする長方形状を呈している。
【0039】
第1ゲート電極TX1は、フォトゲート電極PGと第1半導体領域FD1との間に設けられている。第2ゲート電極TX2は、フォトゲート電極PGと第2半導体領域FD2との間に設けられている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、フォトゲート電極PGの長辺方向をその長辺方向とする長方形状を呈している。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の長辺方向での長さは、同じに設定されている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2はポリシリコンからなるが、これらは他の材料を用いてもよい。
【0040】
第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と裏面1BKとの間に位置し、裏面1BKに直交する方向から見て、第1及び第2半導体領域FD1,FD2を覆うように形成されている。第3半導体領域SR1は、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、第3半導体領域SR1は、フォトゲート電極PGの長辺方向をその長辺方向とする長方形状を呈している。
【0041】
第1及び第2半導体領域FD1,FD2は高不純物濃度のn型半導体からなる領域であり、フローティング・ディフュージョン領域である。第3半導体領域SR1は、半導体基板1Aと同じ導電型であり且つ半導体基板1Aよりも不純物濃度が高い、すなわち高不純物濃度のp型半導体からなる領域である。第3半導体領域SR1は、p型拡散領域であってもよく、また、p型ウエル領域であってもよい。
【0042】
各領域の厚さ/不純物濃度は以下の通りである。
・半導体基板1Aの第1領域1Aa:厚さ10〜700μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
・半導体基板1Aの第2領域1Ab:厚さ3〜50μm/不純物濃度1×1012〜1015cm−3
・第1及び第2半導体領域FD1,FD2:厚さ0.1〜0.4μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
・第3半導体領域SR1:厚さ0.5〜5μm/不純物濃度1×1015〜1019cm−3
【0043】
絶縁層1Eには、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の表面を露出させるためのコンタクトホールが設けられている。コンタクトホール内には、第1及び第2半導体領域FD1,FD2を外部に接続するための導体11が配置される。
【0044】
遮光層LIには、フォトゲート電極PGに対応する位置に開口LIaが形成されている。したがって、遮光層LIの開口LIaを通して、半導体基板1A(フォトゲート電極PGの直下の領域)に入射する。半導体基板1Aにおける第1及び第2半導体領域FD1,FD2が配置された領域は、遮光層LIに覆われており、第1及び第2半導体領域FD1,FD2に光が入射するのを防止している。これにより、第1及び第2半導体領域FD1,FD2に入射した光による不要電荷の発生を防止することができる。遮光層LIは、例えば、金属(Al、Cu等)製の配線等からなる。
【0045】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に、ハイレベルの信号(正電位)を与えると、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の下のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷(電子)は、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の方向に引き込まれ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。n型の半導体は、正にイオン化したドナーを含んでおり、正のポテンシャルを有し、電子を引き付ける。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に、ローレベルの信号(グランド電位)を与えると、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2内には引き込まれない。
【0046】
距離画像センサ1では、投光用の光の入射に応答して半導体深部で発生した電荷を、光入射面1FT側に設けられたポテンシャル井戸に引き込み、高速で正確な測距が可能としている。
【0047】
半導体基板1Aの光入射面1FTから入射した対象物からのパルス光LDは、半導体基板1Aの表面側に設けられたフォトゲート電極PGの直下の領域に至る。パルス光の入射に伴って半導体基板1A内で発生した電荷は、フォトゲート電極PGの直下の領域から、これに隣接する第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に振り分けられる。すなわち、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に光源の駆動信号SPに同期した検出用ゲート信号S1,S2を、配線基板10を介して、交互に与えると、フォトゲート電極PGの直下の領域で発生した電荷が、それぞれ第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ、これらから第1及び第2半導体領域FD1,FD2に流れ込む。
【0048】
第1半導体領域FD1又は第2半導体領域FD2内に蓄積された電荷量Q1,Q2の全体電荷量(Q1+Q2)に対する比率は、駆動信号SPを光源に与えることによって出射された出射パルス光と、対象物Hによって出射パルス光が反射されることによって戻ってきた検出パルス光の位相差に対応する。
【0049】
距離画像センサ1は、図示は省略するが、半導体基板1Aの電位を基準電位に固定するためのバックゲート半導体領域を備えている。
【0050】
図6は、信号電荷の蓄積動作を説明するための、半導体基板1Aの光入射面1FT近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。図6では、下向きがポテンシャルの正方向である。
【0051】
光入射時において、フォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルφPGは、基板電位よりも若干高く設定されている。図には、第1ゲート電極TX1の直下の領域のポテンシャルφTX1、第2ゲート電極TX2の直下の領域のポテンシャルφTX2、第1半導体領域FD1のポテンシャルφFD1、及び、第2半導体領域FD2のポテンシャルφFD2が示されている。
【0052】
検出用ゲート信号S1の高電位が、第1ゲート電極TX1に入力されると、図6(a)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第1ゲート電極TX1の直下の領域を介して、第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内に蓄積される。第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内には電荷量Q1が蓄積されることとなる。
【0053】
検出用ゲート信号S1に続いて、検出用ゲート信号S2の高電位が、第2ゲート電極TX2に入力されると、図6(b)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第2ゲート電極TX2の直下の領域を介して、第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内に蓄積される。第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内には電荷量Q2が蓄積されることとなる。
【0054】
図7は、画素の構成を説明するための模式図である。
【0055】
第1ゲート電極TX1には、検出用ゲート信号S1が与えられる。第2ゲート電極TX2には、検出用ゲート信号S2が与えられる。すなわち、第1ゲート電極TX1と、第2ゲート電極TX2とには、異なる位相の電荷転送信号が与えられる。
【0056】
フォトゲート電極PGの直下の光感応領域において発生した電荷は、第1ゲート電極TX1にハイレベルの検出用ゲート信号S1が与えられている場合には、第1半導体領域FD1によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第1半導体領域FD1に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Q1に対応した出力(Vout1)として第1半導体領域FD1から読み出される。フォトゲート電極PGの直下の光感応領域において発生した電荷は、第2ゲート電極TX2にハイレベルの検出用ゲート信号S2が与えられている場合には、第2半導体領域FD2によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第2半導体領域FD2に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Q2に対応した出力(Vout2)として第2半導体領域FD2から読み出される。これらの出力(Vout1,Vout2)は、上述した信号d’(m,n)に相当する。
【0057】
ところで、距離画像センサ1では、距離測定に先立ってリセットするために、第1及び第2半導体領域FD1,FD2にバイアス電圧(例えば、5V)を印加している。このとき、空乏層DL1,DL2は、図8に示されるように、フォトゲート電極PGの直下の領域からだけでなく、第1及び第2半導体領域FD1,FD2からも拡がることとなる。
【0058】
しかしながら、距離画像センサ1では、第3半導体領域SR1が、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から裏面1BK側に離れて設けられているため、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2は、裏面1BK側への拡がりが第3半導体領域SR1により抑えられる。すなわち、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2は、第3半導体領域SR1を超えて裏面1BK側に拡がっていくことはない。この結果、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。したがって、距離画像センサ1によれば、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことができる。
【0059】
電荷を振分ける際には、第1ゲート電極TX1と第2ゲート電極TX2のうち、通常は、一方のゲート電極(例えば、第1ゲート電極TX1)に正のハイレベルの検出用信号が与えられると共に、他方のゲート電極(例えば、第2ゲート電極TX2)には180度位相が異なった検出用信号が与えられる。このとき、他方のゲート電極(例えば、第2ゲート電極TX2)に印加する検出用信号をよりローレベル(例えば、負のバイアス電圧)を印加すると、第2ゲート電極TX2の直下のポテンシャルが上がり、ポテンシャルの山が形成される。これにより、電荷がフォトゲート電極PG側から第2半導体領域FD2へ流れ難くなり、不要なノイズ成分の発生を抑制することができる。
【0060】
図9は、半導体基板1Aにおいて第1及び第2半導体領域FD1,FD2が設けられた位置での半導体基板1Aの厚み方向でのポテンシャル分布を示す図である。図9では、下向きがポテンシャルの正方向である。図9に示されるように、第3半導体領域SR1が設けられることにより、半導体基板1Aの厚み方向での裏面1BK側から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に向うポテンシャルの傾斜が形成されることはない。このことからも、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2に直接取り込まれるのが抑制されることが理解できる。
【0061】
一方、第3半導体領域SR1が設けられていない場合には、図10に示されるように、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DLは、フォトゲート電極PGから拡がる空乏層DLと同様に、裏面1BKに向けて拡がる。このため、図11に示されるように、半導体基板1Aの厚み方向での裏面1BK側から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に向うポテンシャルの傾斜が形成されることとなり、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DLに直接取り込まれてしまう。特に、近赤外光を出射する光源を用いる場合、近赤外光の入射に応じて発生した電荷の発生領域は、半導体基板1Aの光入射面1FTより深い位置となるため、空乏層DLに取り込まれやすい。
【0062】
フォトゲート電極PGの直下の領域から拡がる空乏層DL1は、その拡がりが第3半導体領域SR1により抑えられることはなく、図8に示されるように、裏面1BK側へ向けて拡がることとなる。したがって、第3半導体領域SR1が、フォトゲート電極PGの直下の領域から拡がる空乏層DL1への電荷の取り込みを阻害することはない。近赤外光を出射する光源3を用いる場合、上述したように、近赤外光の入射に応じて発生した電荷の発生領域は半導体基板1Aの光入射面1FTより深い位置となるが、第3半導体領域SR1により空乏層DL2の拡がりが抑制されるため、空乏層DL2に電荷が取り込まれるのを抑制することができる。
【0063】
第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から離れて設けられているため、フォトゲート電極PGの直下の領域から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に対応する領域に向うポテンシャルの傾斜に障壁が形成されるようなことはなく、電荷の転送に支障が生じることもない。これに対して、第3半導体領域SR1が、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の直下に接して設けられている場合、図12に示されるように、フォトゲート電極PGの直下の領域から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に対応する領域に向うポテンシャルの傾斜に障壁が形成されることとなり、電荷の転送に支障が生じてしまう。上記観点から、半導体基板1Aの厚み方向での第1及び第2半導体領域FD1,FD2と第3半導体領域SR1との間隔は、0〜3μmに設定することが好ましい。
【0064】
次に、図13〜図14を参照して、距離画像センサ1の変形例について説明する。図13は、距離画像センサの変形例の概略平面図である。図14は、図13におけるXIV−XIV線に沿った断面構成を示す図である。
【0065】
フォトゲート電極PGは、平面視で格子形状を呈している。すなわち、フォトゲート電極PGは、X軸方向に伸びる電極部分と、Y軸方向に伸びる電極部分と、を有している。遮光層LIの開口LIaは、フォトゲート電極PGの形状に対応させて、遮光層LIが格子形状となるように形成されている。
【0066】
第1半導体領域FD1及び第2半導体領域FD2は、フォトゲート電極PGのX軸方向に伸びる電極部分とY軸方向に伸びる電極部分とで囲まれる位置しており、X軸方向及びY軸方向に交互に配置されている。本変形例では、第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、正方形状を呈している。
【0067】
第1ゲート電極TX1は、第1半導体領域FD1のそれぞれの周囲に当該第1半導体領域FD1を囲んで設けられている。X軸方向及びY軸方向に見て、フォトゲート電極PGと第1半導体領域FD1との間に、第1ゲート電極TX1の一辺が位置することとなる。第2ゲート電極TX2は、第2半導体領域FD2のそれぞれの周囲に当該第2半導体領域FD2を囲んで設けられている。X軸方向及びY軸方向に見て、フォトゲート電極PGと第2半導体領域FD2との間に、第2ゲート電極TX2の一辺が位置することとなる。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、環状を呈しており、本変形例では、角環状を呈している。
【0068】
第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と裏面1BKとの間に位置し、裏面1BKに直交する方向から見て、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の全体を覆うように形成されている。第3半導体領域SR1は、平面視で正方形状を呈している。
【0069】
本変形例においても、図15に示されるように、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2は、裏面1BK側への拡がりが第3半導体領域SR1により抑えられる。この結果、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。したがって、本変形例によっても、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0071】
例えば、半導体基板1Aの裏面1BK側に半導体基板1Aと同じ導電型であり且つ半導体基板1Aよりも高い不純物濃度を有する高濃度層が形成されていると共に、裏面1BKに不規則な凹凸が形成され、当該裏面1BKが光学的に露出していてもよい。この不規則な凹凸は、半導体基板1Aの裏面1BKにパルスレーザ光としてピコ秒〜フェムト秒パルスレーザ光を照射することにより形成することができる。
【0072】
上記構成によれば、半導体基板1Aの裏面1BKに不規則な凹凸が形成されていると、半導体基板1Aに入射した光は当該領域にて反射、散乱、又は拡散されて、半導体基板1A内を長い距離進む。これにより、半導体基板1Aに入射した光は、その大部分が半導体基板1Aを透過することなく、半導体基板1Aで吸収されることとなる。したがって、半導体基板1Aに入射した光の走行距離が長くなり、光が吸収される距離も長くなるため、近赤外の波長帯域での分光感度特性が向上する。
【0073】
半導体基板1Aに入射した光は、半導体基板1Aの裏面1BKに形成された不規則な凹凸により反射、散乱、又は拡散されるため、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の下の領域に至り、当該領域で電荷を発生させる可能性がある。しかしながら、第3半導体領域SR1により空乏層DL2の拡がりが抑制されるため、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の下の領域で電荷が発生したとしても、当該電荷が空乏層DL2に取り込まれるのを防ぐことができる。
【0074】
上記高濃度層が形成されているため、裏面1BK側で光によらずに発生する不要キャリアが再結合され、暗電流を低減できる。また、高濃度層は、半導体基板1Aの裏面1BK付近で光により発生したキャリアが該裏面1BKでトラップされるのを抑制する。このため、光により発生したキャリアは、光感応領域へ効率的に移動し、光検出感度が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、工場の製造ラインにおける製品モニタや車両等に搭載される距離センサ及び距離画像センサに利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1…距離画像センサ、1A…半導体基板、1B…撮像領域、1BK…裏面、1FT…光入射面、DL1,DL2…空乏層、FD1…第1半導体領域、FD2…第2半導体領域、PG…フォトゲート電極、SR1…第3半導体領域、TX1…第1ゲート電極、TX2…第2ゲート電極。
【技術分野】
【0001】
本発明は、距離センサ及び距離画像センサに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のアクティブ型の光測距センサは、LED(Light Emitting Diode)などの投光用の光源から対象物に光を照射し、対象物における反射光を光検出素子で検出することで、対象物までの距離に応じた信号を出力するものとして知られている。PSD(Position Sensitive Detector)などは、対象物までの距離を簡易に測定することができる光三角測量型の光測距センサとして知られているが、近年、より精密な距離測定を行うため、光TOF(Time-Of-Flight)型の光測距センサの開発が期待されている。
【0003】
距離情報と画像情報を同時に、同一チップで取得できるイメージセンサが車載用、工場の自動製造システム用などにおいて求められている。車両前方にイメージセンサを設置すれば、先方車両の検知・認識、歩行者などの検知・認識に使用することが期待される。画像情報とは別に、単一の距離情報又は複数の距離情報からなる距離画像を取得するイメージセンサも期待されている。このような測距センサにはTOF法を用いることが好ましい。
【0004】
TOF法は、投光用の光源から、対象物に向けてパルス光を出射し、対象物で反射されたパルス光を光検出素子で検出することで、パルス光の出射タイミングと検出タイミングの時間差を測定している。この時間差(Δt)は、対象物までの距離dの2倍の距離(2×d)をパルス光が光速(=c)で飛行するのに要する時間であるため、d=(c×Δt)/2が成立する。時間差(Δt)は、光源からの出射パルスと検出パルスの位相差と言い換えることもできる。この位相差を検出すれば、対象物までの距離dを求めることができる。
【0005】
電荷振り分け方式のイメージセンサは、TOF法によって測距を行うための光検出素子として着目されている。すなわち、電荷振り分け方式のイメージセンサでは、例えば、検出パルスの入射に応じてイメージセンサ内において発生するパルス的に発生する電荷を、出射パルスのON期間の間に一方のポテンシャル井戸内に振り分け、OFF期間の間に他方のポテンシャル井戸に振り分ける。この場合、左右に振り分けられた電荷量の比率が、検出パルスと出射パルスの位相差、すなわち、対象物までの距離の2倍の距離をパルス光が光速で飛行するのに要する時間に比例することになる。なお、電荷の振り分け方法としては種々のものが考えられる。
【0006】
特許文献1には、電荷振り分け方法の距離センサ(距離画像センサ)として、半導体基板と、半導体基板の表面上に設けられ、平面形状が互いに対向する2辺を有するフォトゲート電極と、当該表面上においてフォトゲート電極の2辺に隣接してそれぞれ設けられた複数のゲート電極と、半導体基板とは異なる導電型を有し且つフォトゲート電極の直下の領域から各ゲート電極の直下の領域に流れ込む電荷をそれぞれ読み出すための複数の半導体領域と、を備えたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特表2007−526448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したような電荷振り分け方法の距離センサ(距離画像センサ)では、距離測定に先立ってリセットするために、各半導体領域にバイアス電圧(例えば、5V)を印加している。このとき、空乏層が、フォトゲート電極の直下の領域からだけでなく、各半導体領域からも拡がることとなる。空乏層が各半導体領域から拡がってしまうと、発生した電荷は、フォトゲート電極の直下の領域から拡がる空乏層に取り込まれることなく、各半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれてしまうことがある。電荷振り分け方法の距離センサ(距離画像センサ)では、フォトゲート電極の直下に到達し且つゲート電極により振り分けられた電荷に基づく信号が距離情報に寄与することとなるため、各半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれて、各半導体領域に蓄積された電荷は、不要なノイズ成分(DC成分)となってしまう。
【0009】
本発明は、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る距離センサは、光入射面と当該光入射面に対向する裏面とを有する半導体基板と、光入射面上に設けられたフォトゲート電極と、光入射面上においてフォトゲート電極に隣接して設けられた第1及び第2ゲート電極と、フォトゲート電極の直下の領域から第1及び第2ゲート電極の直下に流れ込む電荷をそれぞれ読み出すための第1及び第2半導体領域と、第1及び第2半導体領域から裏面側に離れて設けられ、第1及び第2半導体領域と逆の導電型である第3半導体領域と、を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明に係る距離センサでは、第1及び第2半導体領域と逆の導電型である第3半導体領域が、第1及び第2半導体領域から上記裏面側に離れて設けられている。このため、第1及び第2半導体領域から拡がる空乏層は、その裏面側への拡がりが第3半導体領域により抑えられ、第3半導体領域を超えて裏面側に伸びていくことはない。この結果、発生した電荷が第1及び第2半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。
【0012】
なお、フォトゲート電極の直下の領域から拡がる空乏層は、その拡がりが第3半導体領域により抑えられることはなく、光入射面の裏面側へ向けて拡がることとなる。したがって、第3半導体領域が、フォトゲート電極の直下の領域から拡がる空乏層への電荷の取り込みを阻害することはない。また、第3半導体領域は、第1及び第2半導体領域から離れて設けられているため、フォトゲート電極の直下の領域から第1及び第2半導体領域の領域に向うポテンシャルの傾斜に障壁が形成されるようなことはなく、電荷の転送に支障が生じることもない。
【0013】
そして、本発明に係る距離画像センサは、一次元状又は二次元状に配置された複数のユニットからなる撮像領域を半導体基板上に備え、ユニットから出力される電荷量に基づいて、距離画像を得る距離画像センサにおいて、1つのユニットは、上記距離センサであることを特徴とする。本発明では、上述したように、発生した電荷が第1及び第2半導体領域から拡がる空乏層に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。
【0014】
第1及び第2ゲート電極は、第1及び第2半導体領域のそれぞれの周囲に該第1及び第2半導体領域を囲んで設けられていてもよい。この場合、第1及び第2ゲート電極は第1及び第2半導体領域の周辺に位置することになるが、逆に、第1及び第2ゲート電極の周辺にも第1及び第2半導体領域が位置することとなる。第1及び第2ゲート電極は第1及び第2半導体領域を囲んでいるため、第1及び第2ゲート電極へ電荷を転送するための信号を与えることで、全方向からの電荷を第1及び第2半導体領域に転送することが可能となる。すなわち、第1及び第2ゲート電極の周辺領域を実質的に全て電荷発生領域として機能させることが可能となり、開口率が更に著しく改善する。したがって、信号量を増加させ、S/N比の良い距離画像を得ることができる。1つの距離センサに着目すると、第1及び第2ゲート電極の外側の全方向から内側の第1及び第2半導体領域に電荷を転送させることができるので、多くの電荷が収集でき、かかる電荷に基づいて距離を求めると、S/N比の良い距離出力を得ることができる。
【0015】
第1及び第2ゲート電極の形状は、環状であってもよい。この場合、全方位から第1及び第2ゲート電極の直下の領域に流れ込む電荷を着実に収集し、また、その流入を阻止することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことが可能な距離センサ及び距離画像センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る測距装置の構成を示す説明図である。
【図2】距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
【図3】距離画像センサの概略平面図である。
【図4】距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。
【図5】図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。
【図6】信号電荷の蓄積動作を説明するための、ポテンシャル分布を示す図である。
【図7】画素の構成を説明するための模式図である。
【図8】空乏層の拡がりを模式的に示す図である。
【図9】第1及び第2半導体領域が設けられた位置での半導体基板の厚み方向でのポテンシャル分布を示す図である。
【図10】空乏層の拡がりを模式的に示す図である。
【図11】第1及び第2半導体領域が設けられた位置での半導体基板の厚み方向でのポテンシャル分布を示す図である。
【図12】信号電荷の蓄積動作を説明するための、ポテンシャル分布を示す図である。
【図13】距離画像センサの変形例の概略平面図である。
【図14】図13におけるXIV−XIV線に沿った断面構成を示す図である。
【図15】空乏層の拡がりを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
図1は、測距装置の構成を示す説明図である。
【0020】
この測距装置は、距離画像センサ1と、近赤外光を出射する光源3と、光源3にパルス駆動信号SPを与える駆動回路4と、距離画像センサ1の各画素に含まれる第1及び第2ゲート電極(TX1,TX2:図4参照)に、パルス駆動信号SPに同期した検出用ゲート信号S1、S2を与える制御回路2と、距離画像センサ1の第1〜第2半導体領域(FD1〜FD2:図4参照)から読み出された距離情報を示す信号d’(m,n)から、歩行者などの対象物Hまでの距離を演算する演算回路5を備えている。距離画像センサ1から対象物Hまでの水平方向Dの距離をdとする。
【0021】
制御回路2は、パルス駆動信号SPを駆動回路4のスイッチ4bに入力している。LED又はレーザダイオードからなる投光用の光源3は、スイッチ4bを介して電源4aに接続されている。したがって、スイッチ4bにパルス駆動信号SPが入力されると、パルス駆動信号SPと同じ波形の駆動電流が光源3に供給され、光源3からは測距用のプローブ光としてのパルス光LPが出力される。
【0022】
パルス光LPが対象物Hに照射されると、対象物Hによってパルス光が反射され、パルス光LDとして、距離画像センサ1に入射して、パルス検出信号SDを出力する。
【0023】
距離画像センサ1は、配線基板10上に固定されており、配線基板10上の配線を介して、距離情報を有する信号d’(m,n)が各画素から出力される。
【0024】
パルス駆動信号SPの波形は、周期Tの方形波であり、ハイレベルを「1」、ローレベルを「0」とすると、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
パルス駆動信号SP:
・V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
・V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
・V(t+T)=V(t)
【0025】
検出用ゲート信号S1、S2の波形は、周期Tの方形波であり、その電圧V(t)は以下の式で与えられる。
検出用ゲート信号S1:
・V(t)=1(但し、0<t<(T/2)の場合)
・V(t)=0(但し、(T/2)<t<Tの場合)
・V(t+T)=V(t)
検出用ゲート信号S2(=S1の反転):
・V(t)=0(但し、0<t<(T/2)の場合)
・V(t)=1(但し、(T/2)<t<Tの場合)
・V(t+T)=V(t)
【0026】
上記パルス信号SP,S1、S2、SDは、全てパルス周期2×TPを有していることとする。検出用ゲート信号S1及びパルス検出信号SDが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ1、検出用ゲート信号S2及びパルス検出信号SDが共に「1」のときに距離画像センサ1内で発生する電荷量をQ2とする。
【0027】
距離画像センサ1における一方の検出用ゲート信号S1とパルス検出信号SDの位相差は、他方の検出用ゲート信号S2とパルス検出信号SDが「1」の時の重複期間において、距離画像センサ1において発生した電荷量Q2に比例する。すなわち、電荷量Q2は、検出用ゲート信号S2とパルス検出信号SDの論理積が「1」である期間において発生した電荷量である。1画素内において発生する全電荷量をQ1+Q2とし、駆動信号SPの半周期のパルス幅をTPとすると、Δt=TP×Q2/(Q1+Q2)の期間だけ、駆動信号SPに対してパルス検出信号SDが遅れていることになる。1つのパルス光の飛行時間Δtは、対象物までの距離をd、光速をcとすると、Δt=2d/cで与えられるため、特定の画素からの距離情報を有する信号d’(m,n)として2つの電荷量(Q1,Q2)が出力されると、演算回路5は、入力された電荷量Q1,Q2と、予め判明している半周期パルス幅TPに基づいて、対象物Hまでの距離d=(c×Δt)/2=c×TP×Q2/(2×(Q1+Q2))を演算する。
【0028】
上述のように、電荷量Q1、Q2を分離して読み出せば、演算回路5は、距離dを演算することができる。なお、上述のパルスは繰り返して出射され、その積分値を各電荷量Q1,Q2として出力することができる。
【0029】
電荷量Q1,Q2の全体電荷量に対する比率は、上述の位相差、すなわち、対象物Hまでの距離に対応している。演算回路5は、この位相差に応じて対象物Hまでの距離を演算している。上述のように、位相差に対応する時間差をΔtとすると、距離dは、好適にはd=(c×Δt)/2で与えられるが、適当な補正演算をこれに加えて行ってもよい。例えば、実際の距離と、演算された距離dとが異なる場合、後者を補正する係数βを予め求めておき、出荷後の製品では演算された距離dに係数βを乗じたものを最終的な演算距離dとしてもよい。外気温度を測定しておき、外気温度に応じて光速cが異なる場合には、光速cを補正する演算を行ってから、距離演算を行うこともできる。演算回路に入力された信号と、実際の距離との関係を予めメモリに記憶しておき、ルックアップテーブル方式によって、距離を演算してもよい。センサ構造によっても演算方法は変更することができ、これには従来から知られている演算方法を用いることができる。
【0030】
図2は、距離画像センサの断面構成を説明するための図である。
【0031】
距離画像センサ1は、表面入射型の距離画像センサであって、半導体基板1Aを備えている。距離画像センサ1には、半導体基板1Aの光入射面1FTからパルス光LDが入射する。距離画像センサ1の光入射面1FTとは逆側の裏面1BKは、接着領域ADを介して配線基板10に接続されている。接着領域ADは、絶縁性の接着剤やフィラーを有している。距離画像センサ1は、所定の位置に開口が形成された遮光層LIを備えている。遮光層LIは、光入射面1FTの前方に配置されている。
【0032】
図3は、距離画像センサの概略平面図である。
【0033】
距離画像センサ1では、半導体基板1Aが、二次元状に配列した複数の画素P(m,n)からなる撮像領域1Bを有している。各画素P(m,n)からは、上述の距離情報を有する信号d’(m,n)として2つの電荷量(Q1,Q2)が出力される。各画素P(m,n)は微小測距センサとして対象物Hまでの距離に応じた信号d’(m,n)を出力する。したがって、対象物Hからの反射光を、撮像領域1Bに結像すれば、対象物H上の各点までの距離情報の集合体としての対象物の距離画像を得ることができる。一つの画素P(m,n)は、一つの距離センサとして機能する。
【0034】
図4は、距離画像センサの画素の構成を説明するための模式図である。図5は、図4におけるV−V線に沿った断面構成を示す図である。図4では、導体11の図示を省略している。
【0035】
距離画像センサ1は、互いに対向する光入射面1FTと裏面1BKとを有する半導体基板1Aを備えている。半導体基板1Aは、裏面1BK側に位置するp型の第1領域1Aaと、第1領域1Aaよりも不純物濃度が低く且つ光入射面1FT側に位置するp−型の第2領域1Abと、からなる。半導体基板1Aは、例えば、p型の半導体基板上に、当該半導体基板よりも不純物濃度が低いp−型のエピタキシャル層を成長させることにより得ることができる。
【0036】
距離画像センサ1は、フォトゲート電極PGと、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2と、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と、第3半導体領域SR1と、を備えている。フォトゲート電極PGは、光入射面1FT上に絶縁層1Eを介して設けられている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、光入射面1FT上において絶縁層1Eを介してフォトゲート電極PGに隣接して設けられている。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、各ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ込む電荷を蓄積する。第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から裏面1BK側に離れて設けられ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と逆の導電型である。本例の半導体基板1AはSiからなり、絶縁層1EはSiO2からなる。
【0037】
フォトゲート電極PGは、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、フォトゲート電極PGは、長方形状を呈している。すなわち、フォトゲート電極PGは、互いに対向する第1及び第2長辺LS1,LS2と、互いに対向する第1及び第2短辺SS1,SS2と、を有する平面形状を呈している。半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGに対応する領域(フォトゲート電極PGの直下の領域)は、入射光に応じて電荷が発生する光感応領域として機能する。フォトゲート電極PGはポリシリコンからなるが、他の材料を用いてもよい。
【0038】
第1半導体領域FD1は、フォトゲート電極PGの第1長辺LS1側において当該第1長辺LS1に沿って配置されている。第2半導体領域FD2は、フォトゲート電極PGの第2長辺LS2側において当該第2長辺LS2に沿って配置されている。第1半導体領域FD1と第2半導体領域FD2とは、第1及び第2長辺LS1,LS2の対向方向(以下、単に「対向方向」と称することもある)で、フォトゲート電極PGを挟んで対向している。第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、フォトゲート電極PGの長辺方向をその長辺方向とする長方形状を呈している。
【0039】
第1ゲート電極TX1は、フォトゲート電極PGと第1半導体領域FD1との間に設けられている。第2ゲート電極TX2は、フォトゲート電極PGと第2半導体領域FD2との間に設けられている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、フォトゲート電極PGの長辺方向をその長辺方向とする長方形状を呈している。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の長辺方向での長さは、同じに設定されている。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2はポリシリコンからなるが、これらは他の材料を用いてもよい。
【0040】
第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と裏面1BKとの間に位置し、裏面1BKに直交する方向から見て、第1及び第2半導体領域FD1,FD2を覆うように形成されている。第3半導体領域SR1は、平面視で矩形状を呈している。本実施形態では、第3半導体領域SR1は、フォトゲート電極PGの長辺方向をその長辺方向とする長方形状を呈している。
【0041】
第1及び第2半導体領域FD1,FD2は高不純物濃度のn型半導体からなる領域であり、フローティング・ディフュージョン領域である。第3半導体領域SR1は、半導体基板1Aと同じ導電型であり且つ半導体基板1Aよりも不純物濃度が高い、すなわち高不純物濃度のp型半導体からなる領域である。第3半導体領域SR1は、p型拡散領域であってもよく、また、p型ウエル領域であってもよい。
【0042】
各領域の厚さ/不純物濃度は以下の通りである。
・半導体基板1Aの第1領域1Aa:厚さ10〜700μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
・半導体基板1Aの第2領域1Ab:厚さ3〜50μm/不純物濃度1×1012〜1015cm−3
・第1及び第2半導体領域FD1,FD2:厚さ0.1〜0.4μm/不純物濃度1×1018〜1020cm−3
・第3半導体領域SR1:厚さ0.5〜5μm/不純物濃度1×1015〜1019cm−3
【0043】
絶縁層1Eには、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の表面を露出させるためのコンタクトホールが設けられている。コンタクトホール内には、第1及び第2半導体領域FD1,FD2を外部に接続するための導体11が配置される。
【0044】
遮光層LIには、フォトゲート電極PGに対応する位置に開口LIaが形成されている。したがって、遮光層LIの開口LIaを通して、半導体基板1A(フォトゲート電極PGの直下の領域)に入射する。半導体基板1Aにおける第1及び第2半導体領域FD1,FD2が配置された領域は、遮光層LIに覆われており、第1及び第2半導体領域FD1,FD2に光が入射するのを防止している。これにより、第1及び第2半導体領域FD1,FD2に入射した光による不要電荷の発生を防止することができる。遮光層LIは、例えば、金属(Al、Cu等)製の配線等からなる。
【0045】
第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に、ハイレベルの信号(正電位)を与えると、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の下のポテンシャルが半導体基板1Aにおけるフォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルに対して低くなる。これにより、負の電荷(電子)は、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の方向に引き込まれ、第1及び第2半導体領域FD1,FD2によって形成されるポテンシャル井戸内に蓄積される。n型の半導体は、正にイオン化したドナーを含んでおり、正のポテンシャルを有し、電子を引き付ける。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に、ローレベルの信号(グランド電位)を与えると、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2によるポテンシャル障壁が生じる。したがって、半導体基板1Aで発生した電荷は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2内には引き込まれない。
【0046】
距離画像センサ1では、投光用の光の入射に応答して半導体深部で発生した電荷を、光入射面1FT側に設けられたポテンシャル井戸に引き込み、高速で正確な測距が可能としている。
【0047】
半導体基板1Aの光入射面1FTから入射した対象物からのパルス光LDは、半導体基板1Aの表面側に設けられたフォトゲート電極PGの直下の領域に至る。パルス光の入射に伴って半導体基板1A内で発生した電荷は、フォトゲート電極PGの直下の領域から、これに隣接する第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に振り分けられる。すなわち、第1及び第2ゲート電極TX1,TX2に光源の駆動信号SPに同期した検出用ゲート信号S1,S2を、配線基板10を介して、交互に与えると、フォトゲート電極PGの直下の領域で発生した電荷が、それぞれ第1及び第2ゲート電極TX1,TX2の直下の領域に流れ、これらから第1及び第2半導体領域FD1,FD2に流れ込む。
【0048】
第1半導体領域FD1又は第2半導体領域FD2内に蓄積された電荷量Q1,Q2の全体電荷量(Q1+Q2)に対する比率は、駆動信号SPを光源に与えることによって出射された出射パルス光と、対象物Hによって出射パルス光が反射されることによって戻ってきた検出パルス光の位相差に対応する。
【0049】
距離画像センサ1は、図示は省略するが、半導体基板1Aの電位を基準電位に固定するためのバックゲート半導体領域を備えている。
【0050】
図6は、信号電荷の蓄積動作を説明するための、半導体基板1Aの光入射面1FT近傍におけるポテンシャル分布を示す図である。図6では、下向きがポテンシャルの正方向である。
【0051】
光入射時において、フォトゲート電極PGの直下の領域のポテンシャルφPGは、基板電位よりも若干高く設定されている。図には、第1ゲート電極TX1の直下の領域のポテンシャルφTX1、第2ゲート電極TX2の直下の領域のポテンシャルφTX2、第1半導体領域FD1のポテンシャルφFD1、及び、第2半導体領域FD2のポテンシャルφFD2が示されている。
【0052】
検出用ゲート信号S1の高電位が、第1ゲート電極TX1に入力されると、図6(a)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第1ゲート電極TX1の直下の領域を介して、第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内に蓄積される。第1半導体領域FD1のポテンシャル井戸内には電荷量Q1が蓄積されることとなる。
【0053】
検出用ゲート信号S1に続いて、検出用ゲート信号S2の高電位が、第2ゲート電極TX2に入力されると、図6(b)に示されるように、フォトゲート電極PGの直下で発生した電荷は、ポテンシャル勾配にしたがって、第2ゲート電極TX2の直下の領域を介して、第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内に蓄積される。第2半導体領域FD2のポテンシャル井戸内には電荷量Q2が蓄積されることとなる。
【0054】
図7は、画素の構成を説明するための模式図である。
【0055】
第1ゲート電極TX1には、検出用ゲート信号S1が与えられる。第2ゲート電極TX2には、検出用ゲート信号S2が与えられる。すなわち、第1ゲート電極TX1と、第2ゲート電極TX2とには、異なる位相の電荷転送信号が与えられる。
【0056】
フォトゲート電極PGの直下の光感応領域において発生した電荷は、第1ゲート電極TX1にハイレベルの検出用ゲート信号S1が与えられている場合には、第1半導体領域FD1によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第1半導体領域FD1に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Q1に対応した出力(Vout1)として第1半導体領域FD1から読み出される。フォトゲート電極PGの直下の光感応領域において発生した電荷は、第2ゲート電極TX2にハイレベルの検出用ゲート信号S2が与えられている場合には、第2半導体領域FD2によって構成されるポテンシャル井戸に信号電荷として流れ込む。第2半導体領域FD2に蓄積された信号電荷は、蓄積された電荷量Q2に対応した出力(Vout2)として第2半導体領域FD2から読み出される。これらの出力(Vout1,Vout2)は、上述した信号d’(m,n)に相当する。
【0057】
ところで、距離画像センサ1では、距離測定に先立ってリセットするために、第1及び第2半導体領域FD1,FD2にバイアス電圧(例えば、5V)を印加している。このとき、空乏層DL1,DL2は、図8に示されるように、フォトゲート電極PGの直下の領域からだけでなく、第1及び第2半導体領域FD1,FD2からも拡がることとなる。
【0058】
しかしながら、距離画像センサ1では、第3半導体領域SR1が、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から裏面1BK側に離れて設けられているため、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2は、裏面1BK側への拡がりが第3半導体領域SR1により抑えられる。すなわち、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2は、第3半導体領域SR1を超えて裏面1BK側に拡がっていくことはない。この結果、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。したがって、距離画像センサ1によれば、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことができる。
【0059】
電荷を振分ける際には、第1ゲート電極TX1と第2ゲート電極TX2のうち、通常は、一方のゲート電極(例えば、第1ゲート電極TX1)に正のハイレベルの検出用信号が与えられると共に、他方のゲート電極(例えば、第2ゲート電極TX2)には180度位相が異なった検出用信号が与えられる。このとき、他方のゲート電極(例えば、第2ゲート電極TX2)に印加する検出用信号をよりローレベル(例えば、負のバイアス電圧)を印加すると、第2ゲート電極TX2の直下のポテンシャルが上がり、ポテンシャルの山が形成される。これにより、電荷がフォトゲート電極PG側から第2半導体領域FD2へ流れ難くなり、不要なノイズ成分の発生を抑制することができる。
【0060】
図9は、半導体基板1Aにおいて第1及び第2半導体領域FD1,FD2が設けられた位置での半導体基板1Aの厚み方向でのポテンシャル分布を示す図である。図9では、下向きがポテンシャルの正方向である。図9に示されるように、第3半導体領域SR1が設けられることにより、半導体基板1Aの厚み方向での裏面1BK側から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に向うポテンシャルの傾斜が形成されることはない。このことからも、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2に直接取り込まれるのが抑制されることが理解できる。
【0061】
一方、第3半導体領域SR1が設けられていない場合には、図10に示されるように、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DLは、フォトゲート電極PGから拡がる空乏層DLと同様に、裏面1BKに向けて拡がる。このため、図11に示されるように、半導体基板1Aの厚み方向での裏面1BK側から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に向うポテンシャルの傾斜が形成されることとなり、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DLに直接取り込まれてしまう。特に、近赤外光を出射する光源を用いる場合、近赤外光の入射に応じて発生した電荷の発生領域は、半導体基板1Aの光入射面1FTより深い位置となるため、空乏層DLに取り込まれやすい。
【0062】
フォトゲート電極PGの直下の領域から拡がる空乏層DL1は、その拡がりが第3半導体領域SR1により抑えられることはなく、図8に示されるように、裏面1BK側へ向けて拡がることとなる。したがって、第3半導体領域SR1が、フォトゲート電極PGの直下の領域から拡がる空乏層DL1への電荷の取り込みを阻害することはない。近赤外光を出射する光源3を用いる場合、上述したように、近赤外光の入射に応じて発生した電荷の発生領域は半導体基板1Aの光入射面1FTより深い位置となるが、第3半導体領域SR1により空乏層DL2の拡がりが抑制されるため、空乏層DL2に電荷が取り込まれるのを抑制することができる。
【0063】
第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から離れて設けられているため、フォトゲート電極PGの直下の領域から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に対応する領域に向うポテンシャルの傾斜に障壁が形成されるようなことはなく、電荷の転送に支障が生じることもない。これに対して、第3半導体領域SR1が、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の直下に接して設けられている場合、図12に示されるように、フォトゲート電極PGの直下の領域から第1及び第2半導体領域FD1,FD2に対応する領域に向うポテンシャルの傾斜に障壁が形成されることとなり、電荷の転送に支障が生じてしまう。上記観点から、半導体基板1Aの厚み方向での第1及び第2半導体領域FD1,FD2と第3半導体領域SR1との間隔は、0〜3μmに設定することが好ましい。
【0064】
次に、図13〜図14を参照して、距離画像センサ1の変形例について説明する。図13は、距離画像センサの変形例の概略平面図である。図14は、図13におけるXIV−XIV線に沿った断面構成を示す図である。
【0065】
フォトゲート電極PGは、平面視で格子形状を呈している。すなわち、フォトゲート電極PGは、X軸方向に伸びる電極部分と、Y軸方向に伸びる電極部分と、を有している。遮光層LIの開口LIaは、フォトゲート電極PGの形状に対応させて、遮光層LIが格子形状となるように形成されている。
【0066】
第1半導体領域FD1及び第2半導体領域FD2は、フォトゲート電極PGのX軸方向に伸びる電極部分とY軸方向に伸びる電極部分とで囲まれる位置しており、X軸方向及びY軸方向に交互に配置されている。本変形例では、第1及び第2半導体領域FD1,FD2は、正方形状を呈している。
【0067】
第1ゲート電極TX1は、第1半導体領域FD1のそれぞれの周囲に当該第1半導体領域FD1を囲んで設けられている。X軸方向及びY軸方向に見て、フォトゲート電極PGと第1半導体領域FD1との間に、第1ゲート電極TX1の一辺が位置することとなる。第2ゲート電極TX2は、第2半導体領域FD2のそれぞれの周囲に当該第2半導体領域FD2を囲んで設けられている。X軸方向及びY軸方向に見て、フォトゲート電極PGと第2半導体領域FD2との間に、第2ゲート電極TX2の一辺が位置することとなる。第1及び第2ゲート電極TX1,TX2は、環状を呈しており、本変形例では、角環状を呈している。
【0068】
第3半導体領域SR1は、第1及び第2半導体領域FD1,FD2と裏面1BKとの間に位置し、裏面1BKに直交する方向から見て、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の全体を覆うように形成されている。第3半導体領域SR1は、平面視で正方形状を呈している。
【0069】
本変形例においても、図15に示されるように、第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2は、裏面1BK側への拡がりが第3半導体領域SR1により抑えられる。この結果、発生した電荷が第1及び第2半導体領域FD1,FD2から拡がる空乏層DL2に直接取り込まれるのが抑制されることとなり、不要なノイズ成分が生じるのを抑制することができる。したがって、本変形例によっても、不要なノイズ成分の発生を抑制し、高精度な距離検出を行なうことができる。
【0070】
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0071】
例えば、半導体基板1Aの裏面1BK側に半導体基板1Aと同じ導電型であり且つ半導体基板1Aよりも高い不純物濃度を有する高濃度層が形成されていると共に、裏面1BKに不規則な凹凸が形成され、当該裏面1BKが光学的に露出していてもよい。この不規則な凹凸は、半導体基板1Aの裏面1BKにパルスレーザ光としてピコ秒〜フェムト秒パルスレーザ光を照射することにより形成することができる。
【0072】
上記構成によれば、半導体基板1Aの裏面1BKに不規則な凹凸が形成されていると、半導体基板1Aに入射した光は当該領域にて反射、散乱、又は拡散されて、半導体基板1A内を長い距離進む。これにより、半導体基板1Aに入射した光は、その大部分が半導体基板1Aを透過することなく、半導体基板1Aで吸収されることとなる。したがって、半導体基板1Aに入射した光の走行距離が長くなり、光が吸収される距離も長くなるため、近赤外の波長帯域での分光感度特性が向上する。
【0073】
半導体基板1Aに入射した光は、半導体基板1Aの裏面1BKに形成された不規則な凹凸により反射、散乱、又は拡散されるため、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の下の領域に至り、当該領域で電荷を発生させる可能性がある。しかしながら、第3半導体領域SR1により空乏層DL2の拡がりが抑制されるため、第1及び第2半導体領域FD1,FD2の下の領域で電荷が発生したとしても、当該電荷が空乏層DL2に取り込まれるのを防ぐことができる。
【0074】
上記高濃度層が形成されているため、裏面1BK側で光によらずに発生する不要キャリアが再結合され、暗電流を低減できる。また、高濃度層は、半導体基板1Aの裏面1BK付近で光により発生したキャリアが該裏面1BKでトラップされるのを抑制する。このため、光により発生したキャリアは、光感応領域へ効率的に移動し、光検出感度が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、工場の製造ラインにおける製品モニタや車両等に搭載される距離センサ及び距離画像センサに利用できる。
【符号の説明】
【0076】
1…距離画像センサ、1A…半導体基板、1B…撮像領域、1BK…裏面、1FT…光入射面、DL1,DL2…空乏層、FD1…第1半導体領域、FD2…第2半導体領域、PG…フォトゲート電極、SR1…第3半導体領域、TX1…第1ゲート電極、TX2…第2ゲート電極。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光入射面と前記光入射面に対向する裏面とを有する半導体基板と、
前記光入射面上に設けられたフォトゲート電極と、
前記光入射面上において前記フォトゲート電極に隣接して設けられた第1及び第2ゲート電極と、
前記フォトゲート電極直下の領域から前記第1及び第2ゲート電極直下に流れ込む電荷をそれぞれ読み出すための第1及び第2半導体領域と、
前記第1及び第2半導体領域から前記裏面側に離れて設けられ、前記第1及び第2半導体領域と逆の導電型である第3半導体領域と、を備えていることを特徴とする距離センサ。
【請求項2】
一次元状又は二次元状に配置された複数のユニットからなる撮像領域を半導体基板上に備え、前記ユニットから出力される電荷量に基づいて、距離画像を得る距離画像センサにおいて、
1つの前記ユニットは、請求項1に記載の距離センサであることを特徴とする距離画像センサ。
【請求項3】
前記第1及び第2ゲート電極は、前記第1及び第2半導体領域のそれぞれの周囲に該第1及び第2半導体領域を囲んで設けられていることを特徴とする請求項2に記載の距離画像センサ。
【請求項4】
前記第1及び第2ゲート電極の形状は、環状であることを特徴とする請求項3に記載の距離画像センサ。
【請求項1】
光入射面と前記光入射面に対向する裏面とを有する半導体基板と、
前記光入射面上に設けられたフォトゲート電極と、
前記光入射面上において前記フォトゲート電極に隣接して設けられた第1及び第2ゲート電極と、
前記フォトゲート電極直下の領域から前記第1及び第2ゲート電極直下に流れ込む電荷をそれぞれ読み出すための第1及び第2半導体領域と、
前記第1及び第2半導体領域から前記裏面側に離れて設けられ、前記第1及び第2半導体領域と逆の導電型である第3半導体領域と、を備えていることを特徴とする距離センサ。
【請求項2】
一次元状又は二次元状に配置された複数のユニットからなる撮像領域を半導体基板上に備え、前記ユニットから出力される電荷量に基づいて、距離画像を得る距離画像センサにおいて、
1つの前記ユニットは、請求項1に記載の距離センサであることを特徴とする距離画像センサ。
【請求項3】
前記第1及び第2ゲート電極は、前記第1及び第2半導体領域のそれぞれの周囲に該第1及び第2半導体領域を囲んで設けられていることを特徴とする請求項2に記載の距離画像センサ。
【請求項4】
前記第1及び第2ゲート電極の形状は、環状であることを特徴とする請求項3に記載の距離画像センサ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−57987(P2012−57987A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−199259(P2010−199259)
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月6日(2010.9.6)
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)
【Fターム(参考)】
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