説明

身体の動作解析方法、システムおよびプログラム

【課題】 解析精度をより高くすることができる身体の動作解析方法、システムおよびプログラムを提供する。
【解決手段】 身体の所定の関節部分に付されたマーカJiを三次元動作計測して、基準点J0に対するマーカJiの位置(xi,yi,zi)よりマーカ同士を繋いだリンクの動作を解析する。ここで、各リンクの静止状態における長さを測定しておき、リンク基準長さLiとする。そして、身体の動作時の各リンク長さを実測値liとして計測する。こうして計測された実測値liと対応するリンク基準長さLiとを比較して、その誤差δLiを算出する。そして、当該算出された誤差δLiに基づいて、測定された各マーカ位置を第1の補正により、実測値liがリンク基準長さLiに対して所定の誤差範囲内にするべく補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体の所定箇所を基準点とし、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、前記マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点に対する各リンクの動作を解析する三次元動作計測による身体の動作解析方法、システムおよびプログラムに関する。特に、頭部の中心を基準点とし、首、肩、肘、手首および手に握られたゴルフクラブのクラブヘッドをそれぞれマーカによりマーキングし、首−肩、肩−肘、肘−手首および手首−クラブヘッドを結んだリンクのそれぞれを順に繋いだ4リンクモデルを用いて、前記規準点に対する各リンクの動作を解析するDLT法によるゴルフスイングの動作解析方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の性能が飛躍的に向上し、計測技術が進歩するのに伴い、身体運動に関する研究も急速に発展している。例えば、人間工学やバイオメカニクスに加えて、スポーツ工学と呼ばれる分野も確立され、研究がなされている。スポーツ工学は、スポーツに欠かすことのできない用具の開発や身体運動を工学的に解明することによってスポーツの技能の向上やスポーツにおける身体的負担から生じる障害の予防を図ることを目的としている。
【0003】
このような身体の動作に関する研究では、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いた研究が公知である(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、これらの動作計測の多くはDLT(Direct Linear Transformation)法と呼ばれる三次元動作解析方法およびこれを用いた三次元動作計測装置により計測される。
【特許文献1】特開2004−344418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このような従来のマルチリンクモデルを用いた身体の動作解析方法においては、以下のような問題があった。すなわち、三次元動作計測装置で計測するマーカは、皮膚または衣服の上に取り付けるため、実際の関節位置(可動点)と必ずしも一致しておらず、身体の動作によりマーカ位置と関節位置とがずれることにより、測定誤差が生じる場合があった。また、マーカを小さくすると観測不良等の原因となるため、マーカはある程度の大きさが必要となるが、このようなマーカ自身の大きさによる誤差も無視できない場合があった。
【0006】
このような誤差を少なくするべく、複数回の測定結果について平均値を算出する等の対策も行われるが、十分な精度を確保するには至っていない。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、解析精度をより高くすることができる身体の動作解析方法、システムおよびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る身体の動作解析方法は、身体の所定箇所を基準点とし、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、前記マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点に対する各リンクの動作を解析する三次元動作計測による身体の動作解析方法であって、静止状態で測定したリンクの長さをリンク基準長さとし、三次元動作計測により測定された実測値に対し、当該実測値とリンク基準長さとの誤差を算出し、当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行うことを特徴とするものである。
【0009】
上記方法においては、身体の所定の関節部分に付されたマーカを三次元動作計測して、基準点に対するマーカの位置よりマーカ同士を繋いだリンクの動作を解析する。ここで、各リンクの静止状態における長さを測定しておき、リンク基準長さとする。そして、身体の動作時の各リンク長さを実測値として計測する。こうして計測された実測値と対応するリンク基準長さとを比較して、その誤差を算出する。そして、当該算出された誤差に基づいて、測定された各マーカ位置を第1の補正により、実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内にするべく補正する。
【0010】
このように、関節間の長さ、すなわち、マーカ間のリンクの長さが一定であることに基づいて、測定されたリンクの長さの実測値がリンク基準長さに略一致するように各マーカ位置を補正することにより、各関節の本来の位置を高い精度で推定することができるため、身体の動作を高い精度で解析することができる。
【0011】
好ましくは、前記第1の補正は、リンク両端のマーカ位置に対して測定したリンクの両端に前記誤差の1/W(ただし、Wは2以上の実数)ずつを誤差が少なくなるように加減算した位置に補正するものであり、補正されたリンクの長さが前記所定の誤差範囲内か否かを判定し、当該誤差範囲内でない場合に、当該補正されたリンクの長さとリンク基準長さとの誤差を算出した上で当該補正されたリンクの長さに対して、再び当該誤差が少なくなるように第1の補正を行い、補正されたリンクの長さが前記所定の誤差範囲内になるまで前記加減算および判定を繰り返す。
【0012】
この場合、リンク両端のマーカ位置のそれぞれが、リンクの長さの実測値とリンク基準長さとの誤差の1/W(例えば、1/2)ずつ誤差が少なくなるように加算または減算され、リンクの長さがリンク基準長さに近くなるように補正される。そして、当該加算または減算されたリンクの長さが所定の誤差範囲内になったか否かが判定される。誤差範囲内になっていない場合には、再び、当該補正されたリンク長さに対し、リンク基準長さとの誤差を算出して、第1の補正を所定の誤差範囲内に収まるまで繰り返す。
【0013】
したがって、測定されたリンクの長さの実測値が当該第1の補正を繰り返すことによって、より確実にリンク基準長さに略一致する長さに補正することができる。
【0014】
好ましくは、前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行う。
【0015】
この場合、第1の補正に加えて、身体の動作は時系列で滑らかに動くという条件を満たすように第2の補正が行われる。
【0016】
したがって、第2の補正を行うことにより、第1の補正によって身体の動作の軌跡(マーカの軌跡)に歪みを生じさせることを防止し、より実際の動作に近い身体の動作解析を行うことができる。
【0017】
好ましくは、前記第2の補正は、各マーカの座標系を球面極座標系に座標変換した上で、所定の高次方程式に沿うように補正する。
【0018】
この場合、各マーカの座標系を球面極座標系に変換することにより、第1の補正におけるリンク長さ一定の条件を崩すことを防止した上で、所定の高次方程式に沿うように補正する(カーブフィッティングを行う)。
【0019】
これにより、第1の補正の効果を最大限に生かしつつ、より実際の身体の動作に近いリンクモデルとすることができる。
【0020】
好ましくは、前記三次元動作計測は、DLT法によって行われる。
【0021】
この場合、三次元動作計測の方法として一般的かつ確立されているDLT(Direct Linear Transformation)法を用いることにより、計測精度を高く維持することができる。
【0022】
また、本発明に係るゴルフスイングの動作解析方法は、頭部の中心を基準点とし、首、肩、肘、手首および手に握られたゴルフクラブのクラブヘッドをそれぞれマーカによりマーキングし、首−肩、肩−肘、肘−手首および手首−クラブヘッドを結んだリンクのそれぞれを順に繋いだ4リンクモデルを用いて、前記規準点に対する各リンクの動作を解析するDLT法によるゴルフスイングの動作解析方法であって、静止状態で測定したリンクの長さをリンク基準長さとし、三次元動作計測により測定された実測値に対し、当該実測値とリンク基準長さとの誤差を算出し、当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行い、前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行うことを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明に係る身体の動作解析システムは、身体の所定箇所を基準点とし、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、前記マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点に対する各リンクの動作を解析する三次元動作計測による身体の動作解析システムであって、絶対座標として空間を規定し、三次元動作計測を行う三次元動作計測装置と、静止状態で測定されたリンクの長さであるリンク基準長さおよび前記マーカのそれぞれの座標を記憶する記憶手段と、前記マーカの座標から測定による各リンクの長さの実測値を算出し、前記リンク基準長さのそれぞれと比較して、前記実測値とリンク基準長さとの誤差を算出する誤差算出手段と、当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行う第1補正手段と、前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行う第2補正手段とを具備することを特徴とするものである。
【0024】
さらに、本発明に係る身体の動作解析プログラムは、所定箇所を基準点とし、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、前記マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点に対する各リンクの動作を解析する三次元動作計測による身体の動作解析プログラムであって、コンピュータを、絶対座標として空間を規定し、三次元動作計測を行う三次元動作計測装置において測定された静止状態のリンクの長さであるリンク基準長さおよび前記マーカのそれぞれの座標を記憶する記憶手段、前記マーカの座標から測定による各リンクの長さの実測値を算出し、前記リンク基準長さのそれぞれと比較して、前記実測値とリンク基準長さとの誤差を算出する誤差算出手段、当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行う第1補正手段、および前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行う第2補正手段として機能させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係る身体の動作解析方法、システムおよびプログラムによれば、関節間の長さ、すなわち、マーカ間のリンクの長さが一定であることに基づいて、測定されたリンクの長さの実測値がリンク基準長さに略一致するように各マーカ位置について第1の補正をすることにより、各関節の本来の位置を高い精度で推定することができるため、身体の動作を高い精度で解析することができる。
【0026】
さらに、第2の補正を行うことにより、第1の補正によって身体の動作の軌跡(マーカの軌跡)に歪みを生じさせることを防止し、より実際の動作に近い身体の動作解析を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る身体の動作解析システムに用いられるリンクモデルを概略的に示す図である。また、図2は本実施形態における身体の動作解析システムを示す図である。なお、本実施形態においては、ゴルフスイングの動作解析について適用した場合に基づいて説明するが、本発明はこれに限られず、身体の種々の動作解析について、特にシステムの変更を行うことなく適用可能であるし、また、それぞれの動作に応じて最適なシステムとなるように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更を行うことも可能である。
【0028】
本実施形態に係る身体の動作解析システムは、図1に示すように、被験者Mの身体の所定箇所(頭部)を基準点J0とし、複数の関節部分をマーカJi(i=0,1,2,…)によりマーキングし、前記マーカJi同士を結んだリンクLiのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点J0に対する各リンクLiの動作を三次元動作計測により解析する。より具体的には、本実施形態において図1に示すように、被験者Mの首(マーカJ1)、肩(マーカJ2)、肘(マーカJ3)、手首(マーカJ4)および手に握られたゴルフクラブのクラブヘッド(マーカJ5)をそれぞれマーカによりマーキングし、首−肩(リンクL1)、肩−肘(リンクL2)、肘−手首(リンクL3)および手首−クラブヘッド(リンクL4)を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだ4リンクモデルを用いて、前記基準点J0に対する各リンクLi(i=1,2,3,4)の動作を三次元動作計測により解析する。マーカJiは、衣服の上からマーキングすることとしてもよいが、できるだけ発生誤差を少なくするために、好ましくは、身体に密着した衣服の上から、より好ましくは、身体に直接マーキングする。マーカJiの大きさは、できるだけ測定誤差を少なくするために、後述するカメラ11がマーカJiを認識できる範囲で、できる限り小さいものとすることが好ましい。
【0029】
このような4リンクモデルを解析するために、身体の動作解析システムは、図2に示すように、絶対座標として空間Sを規定し、三次元動作計測を行う三次元動作計測装置1と、静止状態で測定されたリンクLiの長さであるリンク基準長さLiおよび前記マーカJiのそれぞれの座標(xi,yi,zi)を記憶する記憶手段21と、前記マーカJiの座標(xi,yi,zi)から測定による各リンクの長さの実測値liを算出し、前記リンク基準長さLiのそれぞれと比較して、前記実測値liとリンク基準長さLiとの誤差δLiを算出する誤差算出手段22と、当該誤差δLiに基づいて実測値liがリンク基準長さLiに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行う第1補正手段23と、前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカJiの動作が時間tmに関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行う第2補正手段24とを具備することを特徴とする。
【0030】
本実施形態において、三次元動作計測装置1は、図2に示すように、2台のカメラ(高速度カメラ)11が設置されており、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ2の三次元動作計測手段25から当該2台のカメラ11に対し測定空間Sを同期撮影可能に制御する。コンピュータ2は、身体の動作解析プログラムが記憶されたハードディスク等の外部記憶手段26を有し、コンピュータ2のCPU3を三次元動作計測手段25として機能させる。なお、2台のカメラ11の配置については、種々の身体の動作に応じて、測定される関節位置(マーカJiの位置)ができるだけ隠れることのないように最適化して配置される。
【0031】
本実施形態において、測定空間Sは、図2に示すように、ゴルフクラブヘッドのインパクト位置を原点Oとし、飛球線方向をX軸、地面に垂直な方向をY軸および地面に水平かつ飛球線に垂直な方向(奥行き方向)をZ軸とした座標空間を規定している。
【0032】
特に、ゴルフスイングは、ある1つの平面(スイング平面Pとする)上でスイングしている状態に近いため、スイング平面P上においてスイングしていると仮定することができる。したがって、2台のカメラ11により撮影した画像から算出した各マーカの三次元座標をスイング平面Pでの二次元座標に変換して解析を行う。図3はスイング平面への座標変換を示す概略図である。
【0033】
図2および図3に示すように、スイング平面Pは、水平面に対して角度αだけ傾いている。このスイング平面Pの傾き角αは、クラブヘッドの計測点(マーカJ5)のy座標およびz座標値から最小二乗法を用いて決定される。これにより決定されたスイング平面Pの傾き角αを用いて、被験者Mに付された各マーカJiの測定空間Sにおける三次元座標をスイング平面P上の二次元座標に変換する。
【0034】
計測された被験者MのマーカJiの三次元座標を(xi,yi,zi)とし、座標変換後のスイング平面P上の二次元座標を(Xi,Yi)とすると、座標変換の式は、次式で示される。ただし、βをスイング平面Pと原点OおよびマーカJiを含む直線とのなす角とする。
【数1】

【数2】

【0035】
上記のような座標変換を行った各マーカJiの位置座標を元に各関節の角度、角速度、角加速度および関節トルクを算出し、動作解析を行う。
【0036】
本実施形態において、2台のカメラ11により撮影した画像から各マーカJiについての三次元座標を算出する三次元動作計測の方法として、DLT(Direct Linear Transformation)法が用いられる。一般に、三次元動作計測をする際には、例えばカメラから被験者Mまでの距離、2つのカメラ11の設置角度およびカメラレンズの焦点距離等の値を予め決定しておく必要があるが、これらの数値を正確に求めることは困難な場合が多い。これに対し、DLT法は、コントロールポイントと呼ばれる既知の三次元座標を持つ点を被験者Mとともに撮影し、その画像から上記数値を逆算することができる。したがって、上記数値を直接測定することなく、求めた上記の数値を用いて被験者に付されたマーカJiの三次元座標を容易に算出することが可能となるものである。したがって、三次元動作計測の方法として一般的かつ確立されているDLT法を用いることにより、計測精度を高く維持することができる。
【0037】
本実施形態においては、三次元動作計測手段25において、2台のカメラ11により撮影した画像から上記DLT法を用いて各マーカJiについての三次元座標が算出される。コンピュータ2は、図1に示すように、データ等を一時記憶するメモリである記憶手段21を有し、算出された三次元座標は、記憶手段21および/または外部記憶手段26に記憶される。
【0038】
また、コンピュータ2は、計測者が各種設定・入力を行うためのマウス、キーボード等の入力手段27、動作計測/解析の結果を表示するモニタ、プリンタ等の出力手段28を有しており、CPU3、記憶手段21、外部記憶手段26、入力手段27および出力手段28は信号バス29により相互に通信可能に構成される。さらに、コンピュータ2のCPU3は、身体の動作解析プログラムにより、以下で詳述する誤差算出手段22、第1補正手段23および第2補正手段24として機能する。
【0039】
このように、本実施形態においては、1台のコンピュータ2で三次元動作計測および動作解析(第1および第2の補正を含む)を行い得る構成となっているが、既存の三次元動作計測装置/動作解析システムに外部から別のコンピュータを繋いで当該コンピュータにおいて第1および第2の補正処理のみを行うこととしてもよい。
【0040】
ここで、本実施形態における測定誤差補正処理について説明する。本発明に係る補正方法としては、各関節間およびゴルフクラブの長さは、動作の間で時間によらず一定となるはずであるから、各マーカJi間のリンクLiの長さも時間によらず一定となるように補正することを第1の趣旨とするものである。また、人間を始めとする被験者Mの身体の動作は滑らかであり、関節の位置も滑らかに動くはずであるから、各マーカJiの位置座標の変化が時間tmに関して滑らかとなるように補正することを第2の趣旨とするものである。以下、順に説明する。
【0041】
図4は本実施形態における測定誤差補正処理についてのフローチャートである。
【0042】
まず、各リンクLiの静止状態における長さを測定しておき、リンク基準長さLiとして外部記憶手段26または記憶手段21に読み込み、記憶しておく(ステップS1)。このリンク基準長さLiの測定は、2台のカメラ11を用いて測定してもよいし、実際にメジャー等で測定した値を入力手段27より入力することとしてもよい。なお、リンクLiの起点として被験者Mの頭部に設けた基準点J0および当該基準点J0と首部のマーカJ1との間の基準リンクL0についても同様に処理する。これにより、基準点J0を起点として基準リンクL0および各リンクL1,L2,…,L4が順に連結されたリンクモデルとして取り扱える。したがって、基準点J0を基準として、各マーカJ1,J2,…,J4の各座標が順に定められる。なお、基準点J0は、頭部に設ける必要はないが、動作の間、できるだけ座標が変化しない位置に設けることが好ましい。基準点J0を不動点として取り扱うことによって、より容易かつ確実に各マーカJiの各座標を定めることができる。さらに、基準点J0を不動点として取り扱う場合には、時間ごとの基準点J0の座標の平均値を基準点J0の座標とすることが好ましい。
【0043】
次いで、コンピュータ2のCPU3は、三次元動作計測手段25により測定されたマーカJi,Ji+1の三次元座標(xi,yi,zi),(xi+1,yi+1,zi+1)のデータを読み込む(ステップS2)。
【0044】
そして、コンピュータ2のCPU3は、読み込まれた三次元座標から測定によるリンクLiのリンク長さの実測値liを算出する(ステップS3)。サンプリング時刻tmにおける測定されたリンクの長さの実測値liは、次式で示される。
【数3】

【0045】
続いて、CPU3は、誤差算出手段22として機能し、当該測定による実測値liとリンク基準長さLiとを比較してその誤差δLi=Li−liを算出する(ステップS4)。
【0046】
CPU3は、算出された誤差δLiが所定の誤差範囲内にあるか否かを判定する(ステップS5)。本実施形態においては、図4に示すように誤差の絶対値が0.01mm以下であることを誤差の許容範囲として設定(誤差の基準値として0.01mmを設定)し、これに基づいて判定する。すなわち、誤差δLiの絶対値が誤差の基準値0.01mm以下である場合(ステップS5でNo)、後述する第1の補正を行うことなく処理を続行する。一方、誤差δLiの絶対値が誤差の基準値0.01mmより大きい値である場合(ステップS5でYes)、CPU3は、第1補正手段23として機能し、リンクの実測値liがリンク基準長さLiに対して上記誤差範囲内の長さとなるように、当該算出された誤差δLiに基づいてリンクLiの両端のマーカJi,Ji+1の位置座標に対して第1の補正を行う(ステップS6)。
【0047】
ステップS6において第1の補正が行われたマーカJi,Ji+1について再びステップS3,S4により補正後のマーカ位置における誤差δLiを算出し、ステップS5における誤差の判定を行う。こうして、算出される誤差δLiが所定の誤差範囲内となるまで(ステップS5にてNoとなるまで)第1の補正処理(ステップS3〜S6)を繰り返す。つまり、測定された各マーカJi,Ji+1の位置を第1の補正により、リンクの実測値liがリンク基準長さLiに対して所定の誤差範囲内にするべく補正する。この第1の補正は、サンプリング時刻tmごとに行われる。
【0048】
ここで、本実施形態における第1の補正について、より具体的に説明する。図5は本実施形態における第1の補正方法を概略的に示す図である。
【0049】
本実施形態において、第1の補正は、リンクLiの両端のマーカJi,Ji+1の位置を、測定したリンクの実測値liの両端に前記誤差δLiの1/2ずつを加えた位置J’i,J’i+1に補正する(δLiは、Li>liのとき正(加算を意味する)であり、li>Liのとき負(減算を意味する)である)。
【0050】
すなわち、各マーカJi(i=1,2,3,4)の座標を当該マーカJiに繋がれたリンクLi,Li-1における誤差δLi,δLi-1に基づいて、各座標成分ごとに、以下のように補正する。
【数4】

【0051】
ただし、クラブヘッドにおけるマーカJ5については、リンク間のマーカではないため、片方のリンクL4のみに基づいて、以下のように補正する。
【数5】

【0052】
この場合、リンク両端のマーカ位置のそれぞれが、リンクの長さの実測値とリンク基準長さとの誤差の1/2ずつ加えられ、リンクの長さがリンク基準長さに略等しくなるように補正される。
【0053】
したがって、測定されたリンクの長さの実測値liが当該第1の補正によりリンク基準長さLiに略一致させることができる。
【0054】
このように、関節間の長さ、すなわち、マーカJi間のリンクLiの長さが一定であることに基づいて、測定されたリンクの長さの実測値liがリンク基準長さLiに略一致するように各マーカJiの位置(xi,yi,zi)を補正することにより、各関節の本来の位置を高い精度で推定することができるため、身体の動作を高い精度で解析することができる。
【0055】
リンクLiについての測定誤差δLiの絶対値が誤差の基準値0.01mm以下である場合および第1の補正により誤差の基準値0.01mm以下となった場合(ステップS5でNo)、CPU3は、第2補正手段24として機能し、当該誤差の範囲内に収まった各マーカJiの動作が時間tmに関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行う。この場合、身体の動作は時系列で滑らかに動くという条件を満たすように第2の補正が行われる。つまり、第1の補正処理においてはサンプリング時刻tmごとに独立して補正を行っているため、時々刻々の各マーカJiの三次元座標は、時系列で連続となっていない。したがって、各マーカJiの座標を時間に対して連続となるように、しかも、そのときにリンクの長さが変化しないように(第1の補正の効果が減殺されることのないように)、補正する。
【0056】
本実施形態において、第2の補正は、各マーカJiの座標系を球面極座標系に座標変換した上で、所定の高次方程式に沿うように補正する。この場合、各マーカJiの座標系を球面極座標系に変換することにより、第1の補正におけるリンク長さ一定の条件を崩すことを防止した上で、所定の高次方程式に沿うように補正する(カーブフィッティングを行う)。図6は本実施形態における第2の補正処理についてのフローチャートである。また、図7は本実施形態における第2の補正処理に用いる球面極座標系を示す図である。
【0057】
まず、図7に示すように、各リンクLiについて各リンク端であるマーカJiの座標系を原点とする球面極座標系に変換(すなわち、(xi,yi,zi)→(ri,θi,φi))する(ステップS71)。この場合、球面極座標系の座標(ri,θi,φi)は、もとの座標系(xi,yi,zi)を用いて次式のように表せる。
【数6】

ただし、0≦θi≦π,0≦φi≦2πである。
【0058】
したがって、このとき球面極座標系におけるri成分は、リンクLiの長さとなるため、残りのθiおよびφi成分について時間に対して連続となるように補正すれば、リンクLiの長さを変化させることなく(第1の補正の効果を減殺することなく)補正することができる。
【0059】
このように球面極座標系に変換したマーカJiの時系列変化について、所定の高次方程式を入力手段27より入力するか、または、予め外部記憶手段26に記憶された所定の高次方程式を選択することにより、CPU3は、当該高次方程式を読み込む(ステップS72)。
【0060】
高次方程式は、n次の場合、以下のように表せる。
【数7】

【0061】
このような高次方程式の係数は、最小二乗法を用いて求められる。また、次数nは、実験的に予め設定されたものを使用することとしてもよいし、CPUにおいて自動的に判断するものとしてもよい。
【0062】
CPU3は、上記高次方程式を用いてθi成分およびφi成分の時間的変化について近似(カーブフィッティング)を行う(ステップS73)。ステップS72,S73のカーブフィッティングについては、具体的には、既存のカーブフィッティングプログラムを採用可能である。近似の後、以降の動作解析処理のために、もとの三次元直交座標系に再変換し(ステップS74)、第2の補正処理を終了する。
【0063】
以上のような、第2の補正を行うことにより、第1の補正によって身体の動作の軌跡(マーカの軌跡)に歪みを生じさせることを防止し、第1の補正の効果を最大限に生かしつつ、より実際の動作に近いリンクモデルとなるように補正することができるため、より実際の動作に近い身体の動作解析を行うことができる。
【0064】
なお、本実施形態における第1の補正において、リンクLiの両端のマーカJi,Ji+1の位置を、測定したリンクの実測値liの両端に前記誤差δLiの1/2ずつを加えた位置に補正したが、1/2には限られず、誤差δLiの1/W(Wは2以上の実数)ずつを加えた位置に補正してもよい。補正値としてそれぞれ1/2より小さい値を加えることにより、補正幅を小さくして、より細かい補正を行うことにより、所定誤差範囲内に収束するまでの補正回数を少なくすることも可能である。
【0065】
また、リンクLiのマーカの一端Jiにおける補正値とマーカの他端Ji+1における補正値との比がU:1−U(0<U<1)となるようにそれぞれのマーカ端部Ji,Ji+1の位置を補正することとしてもよい。
【0066】
また、マーカJiにおいて時間変化に関わらない不動点がある場合には、当該不動点を基準として、不動点を端部とするリンクから順にリンク長さ一定となるように他の端部となるマーカ位置を決定し、以降、隣接するリンクの他の端部となるマーカ位置を順に決定することにより補正することとしてもよい。
【0067】
また、第1の補正のみを行い、第2の補正を行わない構成でもよい。第2の補正を行わないことにより、補正のための計算速度を速くすることができる。ただし、リンクLiの数が多くなればなる程、誤差が生じ易くなるため、第2の補正を併用することが好ましい。
【実施例1】
【0068】
ここで、本発明に係る身体の動作解析システムにおいて上記実施形態における4リンクモデルの精度評価を実施例として比較例と対比しつつ説明する。
【0069】
<精度評価方法>
予め誤差の含んでいない理想的なスイング動作を仮定し、それにモンテカルロ・シミュレーションで想定される誤差をランダムに発生させ、理想スイングモデルに挿入し、数多くの動作解析を行った。次に、補正方法による精度の違いを理想的なスイング動作の解析結果と比較して評価を行った。モンテカルロ・シミュレーションにおける試行回数は1000回とした。
【0070】
<角度による評価方法>
本発明の補正(第1および第2の補正)処理を行った場合(実施例)、第2の補正処理のみ行った場合(参考例)および補正なしの場合(比較例)のそれぞれについて、モンテカルロ・シミュレーションを用いて、関節角度への誤差の影響を調べ、それぞれにおける確率密度関数を求めて比較、評価した。
【0071】
<関節トルクによる評価方法>
関節トルクへの影響を調べるために各関節トルクの最大値となるときの値を用いて比較した。理想モデルにおける各関節モデルの最大値(τo,max)と誤差モデルにおける各関節モデルの最大値(τe,max)との比を次式で定義し、モンテカルロ・シミュレーションを用いて解析した。このときのばらつきから確率密度関数を求めて評価した。
【数8】

【0072】
<角度による評価結果>
図8は肩関節における角度誤差の各確率密度分布を示す図である。また、図9は手首関節における角度誤差の各確率密度分布を示す図である。
【0073】
補正なしの場合は、誤差の影響をそのまま受けており、誤差のばらつきが大きい。これに対し、本発明の補正を行った場合では、補正なしの場合に比べて理想値に近い場合の確率が高く、ばらつきも非常に小さくなる結果となった。第2の補正のみの場合と比べても理想値に近い場合の確率がより高く、ばらつきもより小さくなる結果が得られた。したがって、第1の補正を行うことにより、より精度を高くすることができた。図9においても同様に、本発明の補正を行うことにより、より精度を高くすることができた。
【0074】
<関節トルクによる評価結果>
図10は手首関節における関節トルクの最大値の比に関する確率密度分布を示す図である。
【0075】
第2の補正のみの場合に比べ、第1の補正および第2の補正を行った場合の方が関節トルク最大値比rτは1に近い確率の分布が大きくなり、ばらつきもかなり小さくなる結果となった。したがって、関節トルクについても第1の補正を行うことにより、より精度を高くすることができた。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本発明の身体の動作解析方法、システムおよびプログラムは、人間の身体運動における経験的、感覚的に論じられる用具の開発や身体運動を工学的に解明することによって、スポーツの技能の向上およびスポーツにおける身体的負担から起こる障害の予防を図ること等に利用することができる。例えば、ゴルフスイングの動作解析、テニススイングの動作解析または投球フォームの解析等を行うことにより、ゴルフクラブやテニスラケットの開発を行ったり、スイングやフォームの向上のための示唆を得ることができる。また、歩行について解析することによりリハビリ等の理学療法に利用することもできる。さらに、人間だけでなく、動物等の動作解析にも利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【図1】本発明の一実施形態に係る身体の動作解析システムに用いられるリンクモデルを概略的に示す図である。
【図2】本実施形態における身体の動作解析システムを示す図である。
【図3】スイング平面への座標変換を示す概略図である。
【図4】本実施形態における測定誤差補正処理についてのフローチャートである。
【図5】本実施形態における第1の補正方法を概略的に示す図である。
【図6】本実施形態における第2の補正処理についてのフローチャートである。
【図7】本実施形態における第2の補正処理に用いる球面極座標系を示す図である。
【図8】首関節における角度誤差の各確率密度分布を示す図である。
【図9】肩関節における角度誤差の各確率密度分布を示す図である。
【図10】手首関節における関節トルクの最大値の比に関する確率密度分布を示す図である。
【符号の説明】
【0078】
1 三次元動作計測装置
2 コンピュータ
21 記憶手段
22 誤差算出手段
23 補正手段
24 補正手段
0 基準点
i マーカ
i リンク
i リンクの長さの実測値
S 測定空間
m サンプリング時刻
δLi 誤差

【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の所定箇所を基準点とし、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、前記マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点に対する各リンクの動作を解析する三次元動作計測による身体の動作解析方法であって、
静止状態で測定したリンクの長さをリンク基準長さとし、三次元動作計測により測定された実測値に対し、当該実測値とリンク基準長さとの誤差を算出し、
当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行うことを特徴とする身体の動作解析方法。
【請求項2】
前記第1の補正は、リンク両端のマーカ位置に対して測定したリンクの両端に前記誤差の1/W(ただし、Wは2以上の実数)ずつを誤差が少なくなるように加減算した位置に補正するものであり、
補正されたリンクの長さが前記所定の誤差範囲内か否かを判定し、当該誤差範囲内でない場合に、当該補正されたリンクの長さとリンク基準長さとの誤差を算出した上で当該補正されたリンクの長さに対して、再び当該誤差が少なくなるように第1の補正を行い、補正されたリンクの長さが前記所定の誤差範囲内になるまで前記加減算および判定を繰り返すことを特徴とする請求項1記載の身体の動作解析方法。
【請求項3】
前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行うことを特徴とする請求項1または2記載の身体の動作解析方法。
【請求項4】
前記第2の補正は、各マーカの座標系を球面極座標系に座標変換した上で、所定の高次方程式に沿うように補正することを特徴とする請求項3記載の身体の動作解析方法。
【請求項5】
前記三次元動作計測は、DLT法によることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の身体の動作解析方法。
【請求項6】
頭部の中心を基準点とし、首、肩、肘、手首および手に握られたゴルフクラブのクラブヘッドをそれぞれマーカによりマーキングし、首−肩、肩−肘、肘−手首および手首−クラブヘッドを結んだリンクのそれぞれを順に繋いだ4リンクモデルを用いて、前記規準点に対する各リンクの動作を解析するDLT法によるゴルフスイングの動作解析方法であって、
静止状態で測定したリンクの長さをリンク基準長さとし、三次元動作計測により測定された実測値に対し、当該実測値とリンク基準長さとの誤差を算出し、
当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行い、
前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行うことを特徴とするゴルフスイングの動作解析方法。
【請求項7】
身体の所定箇所を基準点とし、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、前記マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点に対する各リンクの動作を解析する三次元動作計測による身体の動作解析システムであって、
絶対座標として空間を規定し、三次元動作計測を行う三次元動作計測装置と、
静止状態で測定されたリンクの長さであるリンク基準長さおよび前記マーカのそれぞれの座標を記憶する記憶手段と、
前記マーカの座標から測定による各リンクの長さの実測値を算出し、前記リンク基準長さのそれぞれと比較して、前記実測値とリンク基準長さとの誤差を算出する誤差算出手段と、
当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行う第1補正手段と、
前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行う第2補正手段とを具備することを特徴とする身体の動作解析システム。
【請求項8】
身体の所定箇所を基準点とし、複数の関節部分をマーカによりマーキングし、前記マーカ同士を結んだリンクのそれぞれを順に繋いだマルチリンクモデルを用いて、前記基準点に対する各リンクの動作を解析する三次元動作計測による身体の動作解析プログラムであって、
コンピュータを、
絶対座標として空間を規定し、三次元動作計測を行う三次元動作計測装置において測定された静止状態のリンクの長さであるリンク基準長さおよび前記マーカのそれぞれの座標を記憶する記憶手段、
前記マーカの座標から測定による各リンクの長さの実測値を算出し、前記リンク基準長さのそれぞれと比較して、前記実測値とリンク基準長さとの誤差を算出する誤差算出手段、
当該誤差に基づいて実測値がリンク基準長さに対して所定の誤差範囲内になるように、測定された各マーカ位置について第1の補正を行う第1補正手段、および
前記第1の補正の後、当該第1の補正後の各マーカの動作が時間に関して滑らかとなるように、測定された各マーカ位置について第2の補正を行う第2補正手段として機能させることを特徴とする身体の動作解析プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−61121(P2007−61121A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−247079(P2005−247079)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年3月18日 社団法人日本機械学会関西支部発行の「関西支部 第80期定時総会講演会講演論文集」に発表
【出願人】(399030060)学校法人 関西大学 (208)
【Fターム(参考)】