説明

車両のアイドルストップスタート制御装置

【課題】燃費改善を維持しつつ、始動時と走行時との安全性向上を両立可能な車両のアイドルストップスタート制御装置を提供する。
【解決手段】アイドルストップ制動中にスタート釦22aのプッシュ操作が行われると、スタートスイッチ判定部52が電源オフとし、ABSバルブユニット28による制動作動が停止される。更に、ブレーキペダル操作状態で、再び、スタート釦22aのプッシュ操作を行うと、電源が全てオンとされると共に、エンジン始動指令が発信される。自動ブレーキ制御部71によるブレーキ圧が所定の目標圧力になった時点で、再始動制御部63がエンジン2の再始動を許可し、エンジン始動が実行される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイドルストップスタート機構とエンジン始動時の安全状態を機械的に検知するインターロック機構とを協調制御可能な車両のアイドルストップスタート制御装置に関するものである。
【0002】
従来、燃費向上、排気エミッションの低減、振動や騒音の防止等を図るため、アイドルストップスタートシステム(ISS:Idle Stop Start System)が知られている。ISSは、車両の停車時に、所定のエンジン停止条件、例えば、車速が零、走行レンジ及びブレーキスイッチがオンの条件が成立したときは、エンジンを自動的に停止させ、所定の再始動条件、例えば、走行レンジ及びブレーキスイッチがオフの条件が成立したときは、エンジンを自動的に再始動させるよう構成されている。
【0003】
また、車両の盗難防止を図るため、認証コード照合システム(SKE:Smart Keyless Entry System)もまた知られている。SKEは、乗員が携帯する電子キー等の携帯用送受信装置(携帯機)と車両に搭載される車両側送受信装置(車載機)との間で無線交信を行う。携帯機から送信されてきたIDコードが車両側の正規のIDコードと認証されたとき、乗員がエンジンスタート釦を押すことでエンジンの始動が許可されるよう構成されている。
【0004】
特許文献1は、ISSとSKEとを備える車両において、乗員による携帯機の車外への持出し可能性を判定し、持出し可能性が無いと判定したときは認証コードの照合を行うことなくエンジンを自動再始動し、持出し可能性が有ると判定したときは認証コードの照合をエンジンの自動再始動の条件とする技術を提案している。特許文献1によれば、盗難防止性能を低下させることなく、エンジンの自動再始動時に携帯機のID認証障害が生じることにより再始動ができなくなるという不具合を回避できる。
【0005】
【特許文献1】特開2006−214357号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
通常、SKEではIDコードの照合後、乗員がプッシュ式のエンジンスタート釦を押すことでエンジン始動を行っている。つまり、スタート釦は、車両停止状態では、プッシュ操作によって車両の電源オンとエンジンの始動指令を発信する第1作動を実行し、車両運転状態では、同様のプッシュ操作によって車両の電源オフとエンジンの停止指令を発信する第2作動を実行する利便性の高い仕様となっている。
【0007】
前述したISSとSKEとを備える車両では、例えば、駐車場で車両を駐車するとき、乗員は、アイドルストップによるエンジンの自動停止が行われた後、スタート釦のプッシュ操作によって作動している車両の電源オフ(第3作動)、所謂車両の完全停止を行う。しかしながら、第3作動による機能を搭載した車両の場合、次のような問題が新たに発生する。
【0008】
つまり、ISSは自動停止条件が成立すると乗員の操作に拘わらず自動的にエンジンを停止することから、乗り慣れない車両を運転する乗員或いはアイドルストップ機能を認識していない乗員等は、車両が自動停止したとき、慌ててスタート釦を押す行動を行う。すると、第3作動を搭載した車両の場合は、電源がオフ作動することとなり車両が完全に停止する。この様な事態は、交差点で後続車両が存在する場合、他車両を含めて円滑な走行を阻害し、また、乗員は再度スタート釦を押す等、更に慌てる状況となり、安全面で問題が生じる恐れがある。
【0009】
一方、車両始動時の安全状態を機械的に保証するインターロックシステムが知られている。インターロックシステムは、通常のエンジン始動時、制御系の暴走等に起因する車両の飛び出し等を機械的に防止することを目的とするもので、例えばAT車では、PレンジまたはNレンジ状態に操作されたときのみエンジンの始動を許可し、MT車では、クラッチカット状態に操作されたときのみエンジンの始動を許可するよう構成している。
【0010】
車両の安全性確保のためには、前述したISSを備える車両にも前記インターロックシステムを搭載して協調制御を行うことが望ましい。しかしながら、通常のエンジン始動と、アイドルストップからの再始動とは、同じエンジンの始動であっても実行されるときの環境が異なっており、両者をバランスさせて協調制御を行うことは困難である。
【0011】
具体的には、ISSとインターロックシステムとを搭載した車両では、前述したようなアイドルストップからのエンジンの自動停止時、スタート釦を押すと電源がオフとなり、更に、再度スタート釦を押しても、インターロックシステムの作動によってエンジンの始動はインターロックされている。つまり、自動停止条件は走行レンジが1つの実行条件であるため、スタート釦の操作で車両の電源はオフとすることができても、走行レンジをPレンジまたはNレンジ、所謂通常のエンジン始動の状態に切替える操作を行わなければエンジンを再始動できない。このような走行中の煩雑な操作追加は、走行安全性の低下を招くことになる。
【0012】
本発明の目的は、燃費改善を維持しつつ、始動時と走行時との安全性向上を両立可能な車両のアイドルストップスタート制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の車両のアイドルストップスタート制御装置は、車両停止状態における乗員の所定操作によって車両電源の供給とエンジンの始動指令を発信する第1作動と車両運転状態における乗員の前記所定操作によって車両電源の停止とエンジンの停止指令を発信する第2作動とを実行可能なエンジン始動スイッチと、車両始動時の安全状態を検知するインターロック検知手段と、このインターロック検知手段による安全状態の検知と前記エンジン始動スイッチの前記第1作動によるエンジン始動指令とを条件としてエンジンの始動を許可するスタータ制御手段と、所定の自動停止条件が成立したとき、エンジンを自動停止させると共に、所定の自動再始動条件が成立したとき、エンジンを自動再始動させる自動停止再始動制御手段とを有する。
【0014】
請求項1の発明は、前記エンジン始動スイッチは、前記自動停止条件成立によるエンジン停止時に乗員が前記所定操作を行ったとき、車両電源の停止を行う第3作動が実行可能とされると共に、前記エンジン始動スイッチの第3作動後における乗員の前記所定操作に基づき車両電源の供給とエンジンの再始動とを行う再始動制御手段を有することを特徴とする。
【0015】
請求項1の発明では、エンジン始動スイッチにより第3作動が実行可能であるため、アイドルストップから円滑に車両停止を行うことができる。また、再始動制御手段を有するため、エンジン始動スイッチの第3作動後には、インターロック検知手段を介することなく、乗員の前記所定操作に基づき車両電源の供給とエンジンの再始動ができる。
【0016】
請求項2の発明は、請求項1に記載の発明において、乗員が携帯する携帯機の認証コードと車両側で記憶する認証コードとが一致するか否かを判定する認証コード照合手段を有し、前記スタータ制御手段は、車両停止時、前記インターロック検知手段による安全状態の検知と前記認証コード照合手段による認証コードの一致と前記第1作動によるエンジンの始動指令とを条件としてエンジンの始動を許可することを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の発明において、乗員によるブレーキペダルの作動を検知するブレーキ作動検知手段を有し、このブレーキ作動検知手段によってブレーキ作動が検知されたとき、前記再始動制御手段が作動することを特徴とする。
【0018】
請求項4の発明は、請求項1〜3の何れかに記載の発明において、前記再始動制御手段は、前記インターロック検知手段の検知状態を車両の安全状態を検知した状態に切替える切替手段を有することを特徴とする。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1〜4の何れかに記載の発明において、前記自動停止条件成立によるエンジン停止時、所定のブレーキ圧を車両に作用させて車両の停止状態を維持する自動ブレーキ制御手段を有し、この自動ブレーキ制御手段のブレーキ圧が所定値以上のとき、前記再始動制御手段が作動することを特徴とする。
【0020】
請求項6の発明は、請求項5に記載の発明において、前記自動ブレーキ制御手段は、ブレーキ圧が所定値未満のとき、このブレーキ圧を増圧することを特徴とする。
【0021】
請求項7の発明は、請求項5に記載の発明において、乗員による車両の発進操作を検出する発進操作検出手段を有し、この発進操作検出手段によって車両の発進操作が検出されたとき、前記自動ブレーキ制御手段は、車両の停止状態を維持するブレーキ圧を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
請求項1の発明によれば、燃費改善を維持しつつ、始動時と走行時との安全性向上を両立できる。
【0023】
つまり、エンジン始動スイッチの第3作動後には、インターロック検知手段を介することなく、乗員の所定操作に基づき車両電源の供給とエンジンの再始動ができるため、アイドルストップ時、誤って車両を完全停止したとしても、円滑にエンジン再始動が可能となる。つまり、アイドルストップスタート機構による燃費改善を維持しつつ、インターロック機構による始動時安全性と走行時安全性とを確保できる。
【0024】
請求項2の発明によれば、前記スタータ制御手段は、車両停止時、前記インターロック検知手段による安全状態の検知と前記認証コード照合手段による認証コードの一致と前記第1作動によるエンジンの始動指令とを条件としてエンジンの始動を許可するため、燃費改善を維持しつつ、盗難防止性と安全性との両立が可能となる。
【0025】
請求項3の発明によれば、ブレーキ作動検知手段によってブレーキ作動が検知されたとき、前記再始動制御手段が作動するため、安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。
【0026】
請求項4の発明によれば、再始動制御手段は、前記インターロック検知手段の検知状態を車両の安全状態を検知した状態に切替える切替手段を有するため、インターロック検知手段に大幅な変更を加えることなく、簡易な構成でアイドルストップスタート機構とインターロック機構とを協調制御可能となる。
【0027】
請求項5の発明によれば、自動停止条件成立によるエンジン停止時、所定のブレーキ圧を車両に作用させて車両の停止状態を維持する自動ブレーキ制御手段を有し、この自動ブレーキ制御手段のブレーキ圧が所定値以上のとき、前記再始動制御手段が作動するため、安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。
【0028】
請求項6の発明によれば、自動ブレーキ制御手段は、ブレーキ圧が所定値未満のとき、このブレーキ圧を増圧するため、一層安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。
【0029】
請求項7の発明によれば、発進操作検出手段によって車両の発進操作が検出されたとき、前記自動ブレーキ制御手段は、車両の停止状態を維持するブレーキ圧を解除するため、乗員の発進意志を確認でき、更に、安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明を実施する為の最良の形態について説明する。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。図1は本アイドルストップスタート制御装置のブロック図を示し、図2は本アイドルストップスタート制御装置の要部回路図を示す。
【0032】
図1に示すように、車両1のエンジン2は、図示しないトルクコンバータや自動変速機からなるパワートレインを介して車両1を駆動する。エンジン2はベルトを介してスタータモータ3と連結し、スタータモータ3の回転によって始動する。エンジン2の燃料噴射及び点火は統合コントローラ4の一部を構成する第2制御ユニット6によって制御される。
【0033】
車両1の動作を制御する統合コントローラ4は、第1制御ユニット5と、第2制御ユニット6と、第3制御ユニット7から構成しており、夫々のユニット5〜7はCAN8(通信回線)によって信号を送受信可能に接続されている。
【0034】
統合コントローラ4には、乗員が携帯する携帯用送受信機(携帯機)9の認証コード信号、エンジン2の回転数を検出するエンジン回転数センサ10の信号、車速を検出する車速センサ11の信号、ブレーキペダルの踏み込み操作によってオンとなるブレーキスイッチ12の信号、自動変速機のシフトレバーの操作位置によって走行レンジを検出するインヒビタスイッチ13のレンジ信号が入力される。
【0035】
また、統合コントローラ4には、エンジン2の冷却水温を検出する水温センサ14の信号、自動変速機の油温を検出する油温センサ15の信号、自動変速機の油圧を検出する油圧センサ16の信号、エアコンやスタータモータ3等の電気負荷への電力供給用バッテリ21の残量を検出するバッテリ残量センサ17の信号、ブレーキブースタ負圧を検出するブースタ負圧センサ18の信号、ブレーキ液圧を検出するブレーキ液圧センサ19の信号、アクセルペダルの踏み込み操作によってオンとなるアクセルスイッチ20、エンジン2の始動時、乗員によってプッシュ操作されるスタート釦22aの作動を検出するエンジンスタートスイッチ22、ドアの開閉を検出するドア開閉スイッチ29の信号等が入力される。
【0036】
第1制御ユニット5は、内部に認証コード照合部51(認証コード照合手段)とスタートスイッチ判定部52とにより構成している。第1制御ユニット5は、携帯機9との間で無線交信が可能な車両側送受信装置(車載機)として機能するよう構成している。
【0037】
車両1には、車載機5から携帯機9に向けてリクエスト信号を送信するため、室外用送信アンテナと室内用送信アンテナが夫々設置されている。また、携帯機9からのレスポンス信号としての固有の認証コード信号(IDコード)を受信する受信アンテナが車室内に設置されている。
【0038】
また、第1制御ユニット5は、エンジンスタートスイッチ22、ドア開閉スイッチ29、図示しないドアリクエストスイッチ及び受信アンテナ等から情報を入力して、ドアロックアクチュエータ、メータユニット及び車外用ブザー等に制御信号を出力するよう構成している。
【0039】
認証コード照合部51は、携帯機9からレスポンスされた認証コードと車両側で記憶する認証コードとが一致するか否かを判定するよう構成している。尚、認証コードの照合方法については、公知の技術のため、詳細な説明を省略する。
【0040】
スタートスイッチ判定部52は、インパネに設置されたスタート釦22aのプッシュ操作を検出するエンジンスタートスイッチ22のオンオフ信号を受信する。スタートスイッチ判定部52は、車両1の停止状態におけるスタート釦22aのプッシュ操作、所謂第1始動時のオン信号の受信によって各制御ユニット5〜7、スタータモータ3等の各部材及び図示しないラジオ等のACC電源関連機器に電源を供給すると共に、エンジン2の始動指令を第2ユニット6に発信する第1作動を行う。
【0041】
また、スタートスイッチ判定部52は、車両1の運転状態におけるスタート釦22aのプッシュ操作に基づくオフ信号の受信によって各制御ユニット5〜7、スタータモータ3等の各部材及びラジオ等のACC電源関連機器への電源供給の停止とエンジン2の停止指令を発信する第2作動を行う。
【0042】
更に、スタートスイッチ判定部52は、後述するアイドルストップ中におけるスタート釦22aのプッシュ操作に基づくオフ信号の受信によって、各制御ユニット5〜7、スタータモータ3等の各部材及びラジオ等のACC電源関連機器への電源供給の停止を行う(第3作動)。また、第3作動後、更に、スタート釦22aのプッシュ操作が行われた場合、各制御ユニット5〜7、スタータモータ3等の各部材及びラジオ等のACC電源関連機器に電源を供給すると共に、所定の実行条件を満たした上で、エンジン2の始動指令を第2ユニット6に発信する第1作動と同様の第4作動を行うよう構成している。
【0043】
つまり、図2に示すように、車両1の停止状態で乗員がスタート釦22aをプッシュ操作した場合、エンジンスタートスイッチ22が接続された結果、ユニットリレー回路R1、ACCリレー回路R2、モータリレー回路R3がオン作動し、バッテリ21aから電源回線C1〜C3を介して電源供給が行われる。尚、21b,21c,21dは夫々電源を示す。
【0044】
また、車両1の運転状態で乗員がスタート釦22aをプッシュ操作した場合、エンジンスタートスイッチ22が接続解除された結果、ユニットリレー回路R1、ACCリレー回路R2、モータリレー回路R3がオフ作動し、バッテリ21aから電源回線C1〜C3を介して電源供給が停止される。尚、ACC電源のみ作動させるときは、ACCリレー回路R2がオン作動し、ユニットリレー回路R1とモータリレー回路R3とがオフ作動している。
【0045】
乗員が携帯する携帯機9は、携帯機制御部91、図示しない受信アンテナ及び送信アンテナ等を有している。携帯機制御部91は、受信アンテナから情報を入力して、送信アンテナに制御信号を出力し、これにより、車載機5からのリクエスト信号の受信と、車載機5に向けたレスポンス信号としての認証コード信号の送信とを行う。尚、携帯機9は、駆動源の電池と、システムフェイル時等に車両1を強制始動可能な緊急キーを備えている。
【0046】
第2制御ユニット6は、スタータ3の作動を制御するスタータ制御部61(スタータ制御手段)とエンジン2のアイドルストップ及び再始動を制御する自動停止再始動制御部62(自動停止再始動制御手段)とから構成され、エンジン2の燃料噴射及び点火等を制御している。
【0047】
スタータ制御部61は、スタータ回路部23と電気的に接続されている。スタータ制御部61は、インターロック検知部24(インターロック検知手段)による安全状態の検知と前記認証コード照合部51による認証コードの一致を成立条件として、スタートスイッチ判定部52からのエンジン2の始動指令に対して始動可否の信号をスタータ回路部23に送信するよう構成している。
【0048】
スタータ回路部23は、オン状態でスタータモータ3を作動させる作動スイッチ25と、インターロック検知部24の検知結果に基づき作動スイッチ25をオン作動させる第1スイッチ26と、この第1スイッチ26がオフ状態であっても、アイドルストップからのエンジン自動再始動、つまり、補機類等は作動している状態で、エンジン2の運転のみ停止された状態からのエンジン始動条件が成立した第2始動時、作動スイッチ25をオン作動させる第2スイッチ27(切替手段)から構成している。
【0049】
図2に示すように、作動スイッチ25は、作動スイッチ部25aと作動コイル部25bとからなるリレー構造とされている。作動スイッチ部25aの一端は電源回路C3を介してバッテリ21aに接続され、作動スイッチ部25aの他端はスタータモータ3に接続される。また、作動コイル部25bの一端は電源回路C3を介してバッテリ21aに接続される。作動コイル部25bが通電されたとき、作動スイッチ部25aはオン作動して、スタータモータ3にバッテリ21aから電力が供給されるよう構成している。
【0050】
第1スイッチ26は、第1スイッチ部26aと第1コイル部26bとからなるリレー構造とされている。第1スイッチ部26aの一端は作動コイル部25bの他端に接続され、第1スイッチ部26aの他端は第1制御ユニット6に接続される。また、第1コイル部26bの一端は電源回路C3を介してバッテリ21aに接続される。第1コイル部26bが通電されたとき、第1スイッチ部26aはオン作動して、作動コイル部25bに通電可能に構成している。
【0051】
第1コイル部26bの他端は、インターロック検知部24のインターロックスイッチ24aの一端に接続されている。インターロックスイッチ24aは、第1始動時の安全状態を確保するため、シフトレバーがNレンジまたはPレンジに操作されたとき、シフトレバーの機械的作動によりオン作動して、第1コイル部26bに通電するよう構成している。つまり、エンジン2の駆動力が車輪に伝わることがないNレンジまたはPレンジ状態、所謂インターロック解除条件を、シフトレバーの機械的作動に連動するインターロックスイッチ24aによって検知している。
【0052】
本実施例では、NレンジまたはPレンジをインターロック解除条件としているが、MT車に適用する場合は、エンジン2の駆動力が車輪に伝わらないクラッチカット状態、或いはギア位置がニュートラルであることをインターロック解除条件とすることも可能である。
【0053】
以上の構成によって、第1始動時、認証コードが一致しており、インターロック解除条件の成立、所謂インターロックスイッチ24aがオン状態の場合、第1スイッチ部26aがオン作動され、これにより第2制御ユニット6と作動コイル部25bとが電気的に接続される。ここで、エンジンスタートスイッチ22がオン作動された場合、第2制御ユニット6の指令に基づき作動コイル部25bが通電され、作動スイッチ部25aがオン作動することでスタータモータ3に電力が供給される。
【0054】
第2スイッチ27は、第1スイッチ26がオフ状態であっても、第2始動条件が成立したとき、作動スイッチ25をオン作動させるよう構成している。具体的には、一端が第2制御ユニット6に接続され、他端が第1コイル部26bの他端に接続されたインターロックリレー駆動線27aと第1スイッチ26とによって第2スイッチ27を構成している。つまり、インターロックスイッチ24aがオフ状態であっても、第2制御ユニット6の指令により第1コイル部26bに通電することが可能となり、これによりインターロック解除の擬似状態を形成している。
【0055】
また、スタータ制御部61内部には、再始動制御部63が設けられている。再始動制御部63は、例えば、アイドルストップ中、誤ってスタート釦22aを押した場合等第3作動による車両1の完全停止後、乗員のスタート釦22aのプッシュ操作、所謂第3始動時、第4作動に基づくエンジン2の始動指令を許可するよう構成されている。
【0056】
再始動制御部63によるエンジン2の始動指令許可は、第3始動時、後述するブレーキ圧が所定圧以上、ブレーキペダルが操作された状態、及びスタート釦22aがプッシュ操作されることが全て成立することで実行可能となっている。つまり、ブレーキペダルの操作及びスタート釦22aのプッシュ操作でスタートスイッチ判定部52が電源供給を行うが、ブレーキ圧が所定圧以上になるまではエンジン2の始動指令は許可されないように構成している。尚、前記実行条件に、走行レンジの選択を追加しても良い。
【0057】
尚、ブレーキペダルが操作された状態とは、ブレーキスイッチ12によって乗員によるブレーキペダルの踏み込み操作が検知され、ブレーキ圧が所定圧発生している状態とされる。また、ブレーキペダル操作状態の検知は、乗員の操作を検知できるものであれば良く、ブレーキペダルストロークセンサ等別のセンサで代用可能である。
【0058】
自動停止再始動制御部62は、車両1が走行中、所定の自動停止条件が成立したとき、エンジン2を自動停止させると共に、所定の自動再始動条件が成立したとき、所謂第2始動時、エンジン2を自動再始動させるよう構成している。
【0059】
アイドルストップ時における所定の自動停止条件は、以下の全ての項目に該当したときに条件成立としている。
(1) 車速センサ11の検出値が零
(2) ブレーキペダルが踏み込まれブレーキスイッチ12の検出値がオン
(3) インヒビタスイッチ13によるシフトポジションの検出値が走行レンジ
(4) エンジン水温センサ14の検出値が所定値以上
(5) 自動変速機の油温センサ15の検出値が所定値以上
(6) 自動変速機の油圧センサ16の検出値が所定値以上
(7) バッテリ残量センサ17の検出値が所定値以上
(8) ブースタ負圧センサ18の検出値の絶対値が所定値以上
尚、本実施例においては、前記(1)〜(8)の項目全ての成立を条件としているが、制御系の簡略化を狙いとして、少なくとも(1)〜(3)の成立を基礎条件とすることも可能であり、(4)〜(8)は車両1の仕様に基づき省略しても良い。
【0060】
第2始動時における所定の自動再始動条件は、(11)の項目の成立を必須条件とし、(12)〜(17)の項目の内、何れかの項目に該当すれば自動再始動条件成立と判定している。
(11)インヒビタスイッチ13によるシフトポジションの検出値が走行レンジ
(12)ブレーキスイッチ12の検出値がオフ
(13)エンジン水温センサ14の検出値が所定値未満
(14)自動変速機の油温センサ15の検出値が所定値未満
(15)バッテリ残量センサ17の検出値が所定値未満
(16)ブースタ負圧センサ18の検出値の絶対値が所定値未満
(17)アクセルペダルが踏み込まれアクセルスイッチ20の検出値がオン
尚、制御系の簡略化を狙いとして、自動再始動条件を、(11)及び(12)の項目のみで判定することも可能である。
【0061】
自動停止再始動制御部62は自動停止条件を判定し、自動停止条件が不成立の場合、所謂アイドルストップ実行不可能状態のとき、図示しないアイドルストップ報知装置を作動させて乗員に報知する。自動停止条件が成立の場合、所定時間、例えば3秒間車両1の停止状態が継続したとき、エンジン2の燃料噴射及び点火を停止する指令を送信する。
【0062】
また、第2始動時、自動停止再始動制御部62は自動再始動条件を判定し、自動再始動条件が成立の場合、スタータ制御部13にスタータモータ3の作動指令を送ると共に、エンジン2に対して燃料噴射の実行及び点火実行の指令を送信する。尚、スタータモータ3の作動指令は、エンジン回転数が所定回転数以上に達するまで継続される。
【0063】
第3制御ユニット7は、各車輪のブレーキ機構毎に設けられたABSバルブユニット28によって各車輪のブレーキ圧を制御し、各車輪がロック状態にならないよう各車輪の制動力を制御している。ABSバルブユニット28は、各車輪に設けられた図示しないディスクとマスタシリンダとの間に設けられ、モータ駆動式の油ポンプと切換バルブとアキュムレータとから構成している。ABSの構成は公知の技術のため、詳細な説明を省略する。
【0064】
第3制御ユニット7内には、自動ブレーキ制御部71が設けられている。自動ブレーキ制御部71は、アイドルストップ時、車両1の停止状態を維持すると共に、第3始動時の停止状態を維持するため、ABSバルブユニット28を作動するよう構成している。ABSバルブユニット28による制動は、自動停止条件の成立からアクセルスイッチ20によってオン状態が検出されるまで継続される。
【0065】
エンジン2により駆動されるオイルポンプを備えたAT車は、エンジン停止時には油圧源がないため、発進クラッチが解放された状態になる。第2始動時では、オイルポンプが駆動されるものの、発進クラッチの締結圧として十分な吐出圧が得られないことがあり、プリチャージフェーズが完了する前にイナーシャフェーズが開始された状態でオイルポンプの吐出圧が確保されると車両1の飛び出し及びショックが発生する。
【0066】
従って、アイドルストップ制動終了時期を、乗員による発進操作意志、つまり、アクセルスイッチ20(発進操作検出手段)オンの検出時期とすることで、プリチャージフェーズの完了期間を確保している。
【0067】
自動ブレーキ制御部71は、ブレーキ液圧センサ19の検出値と所定の目標圧力に基づき、アイドルストップ制動時の目標制動力を制御している。目標制動力は、エンジン2の始動時に発生するクリープ力と等しい値とされ、道路勾配が所定値以上の場合、道路勾配の勾配率に比例して制動力が大きくなるよう目標制動力を補正している。この目標制動力に基づきABSバルブユニット28は、アイドルストップ中、車両1に所定のブレーキ圧を作用させるよう調整制御を実行している。
【0068】
次に、第3始動時の車両1の停止状態維持について説明する。
アイドルストップ制動中にスタート釦22aのプッシュ操作が行われると、スタートスイッチ判定部52が第3作動を実行し、車両1が電源オフにされると共に、ABSバルブユニット28による制動作動が停止される。第3作動に引き続き、ブレーキペダル操作のある状態で、再度スタート釦22aのプッシュ操作が行われると、車両1の電源が全てオンとされ、エンジン始動指令が発信される。
【0069】
自動ブレーキ制御部71は、車両1の電源オンと同時に、アイドルストップ制動時と同様に目標制動力を設定し、車両1に所定のブレーキ圧を作用させる。ブレーキ圧が所定の目標圧力になった時点で、再始動制御部63がエンジン2の再始動を許可し、エンジン始動が実行される。尚、自動ブレーキ制御部71による自動ブレーキは、アクセルスイッチ20によってオン状態が検出されるまで継続される。尚、ブレーキ解除条件は、乗員の発進意志を反映するものであれば良く、ブレーキスイッチ12のオフ検出で代用することも可能である。
【0070】
次に、図3及び図4のフローチャートに基づき、本アイドルストップスタート制御処理について説明する。尚、Si(i=1,2,…)は各ステップを示す。
【0071】
まず、シフトレンジ位置、車速、ブレーキスイッチ等各種信号を読込む(S1)。尚、本制御処理は車両1が走行しているとき、数100mmsec毎に実行されている。次に、S2に移行し、携帯機9が車室内に有るか否か判定を行う。S2の判定の結果、携帯機9が車室内に有る場合、S3に移行し、携帯機9が車室内に存在しない場合、S1に戻る。携帯機9から車載機5にレスポンスした認証コードと車両1側で記憶する認証コードとが一致するか否かによって携帯機9の存在を判定している。
【0072】
S3の判定の結果、アイドルストップ条件が成立の場合、S4に移行し、車両1が完全に停止したか否かを判定する。ここで、アイドルストップ条件は、前述した(1)〜(8)の項目の成立である。S3の判定の結果、アイドルストップ条件が不成立の場合、S1に戻る。車両1の完全停止は、車速零が所定時間継続したことにより判定する。
【0073】
S4の判定の結果、車両1が完全停止の場合、S5に移行し、ABSバルブユニット28を作動させて自動ブレーキ制御を実行する。車両1が完全停止していない場合、車両1が完全に停止するまで判定を継続する。ABSバルブユニット28によって各車輪のブレーキ液圧を目標制動力になるよう調整制御した後、アイドルストップを実行し(S6)、S7に移行する。アイドルストップ中は、エンジン2の燃料噴射及び点火等を停止しているが、エアコン等の所定の電気負荷は作動している。
【0074】
S7では、アイドルストップ中にスタート釦22aがプッシュ操作されたか否か判定する。S7の判定の結果、プッシュ操作されない場合、S8に移行し、アイドルストップ再始動条件成立か否か判定する。ここで、アイドルストップ再始動条件は、前述した(11)の項目の成立を必須条件とし、(12)〜(17)の項目の内、何れかの項目に該当すれば自動再始動条件成立と判定している。
【0075】
S8の判定の結果、アイドルストップ再始動条件不成立の場合、S9に移行し、ドアが開閉されたか否か判定する。S8の判定の結果、アイドルストップ再始動条件成立の場合、S11に移行し、ABSバルブユニット28を作動させて自動ブレーキ制御を実行する。
S9の判定の結果、ドアの開閉があった場合、S10に移行し、携帯機9が車室内に有るか否か判定を行う。S9の判定の結果、ドアの開閉がない場合、S6に戻る。
【0076】
S10の判定の結果、携帯機9が車室内にない場合、S11に移行する。S10の判定の結果、携帯機9が車室内にある場合、S6に戻る。尚、S9及びS10は、アイドルストップ中、別の乗員が携帯機9を持った状態で降車した場合を想定し、運転している乗員によるエンジン再始動を実行可能にするステップである。
【0077】
S11の判定の結果、目標制動力に対応したブレーキ圧以上の場合、S12に移行し、自動停止再始動制御部62が、スタータ制御部61にスタータモータ3の作動指令を送り、第2スイッチ27をオン作動させると共に、エンジン2に対して燃料噴射の実行及び点火実行の指令を送信する。スタータモータ3が始動(S13)後、S14に移行する。S11の判定の結果、目標制動力に対応したブレーキ圧未満の場合、ABSバルブユニット28を作動させてブレーキ圧を目標制動力になるよう増圧し(S17)、S12に移行する。
【0078】
S14の判定の結果、エンジン2の再始動完了の場合、S15に移行し、乗員の発進意志の有無を判定する。エンジン2の再始動完了は、完爆すると共にエンジン2の回転数が所定回転数以上か否かによって判定している。尚、本実施例では、スタータモータ3の作動を再始動完了の時点まで継続している。S14の判定の結果、エンジン2の再始動が未完了の場合、再始動を継続する。
【0079】
S15の判定の結果、発進意志の有の場合、自動ブレーキ制御を解除し(S16)、リターンし、発進意志の無の場合、発進意志の判定を継続する。
本実施例では、乗員の発進意志有りの判断をアクセルスイッチ20のオン作動、所謂踏み込み操作によって判定している。尚、ブレーキペダルの踏み込みから踏み込み解除の操作状態の判別によって判断することも可能である。
【0080】
S7の判定の結果、スタート釦22aがプッシュ操作された場合、スタートスイッチ判定部52が、電源回路C1〜C3への電源供給の停止を行い(S18)、車両1の完全停止を行う。
【0081】
S19では、第3始動、つまり、アイドルストップからの車両の完全停止に引き続き、所定の条件の下、スタート釦22aがプッシュ操作されたか否かを判定する。
S19の判定の結果、ブレーキペダルの操作のある状態でスタート釦22aのプッシュ操作があった場合、スタートスイッチ判定部52が、電源回路C1〜C3への電源供給を行い(S20)、S11に移行する。S19の判定の結果、Noの場合、S18に戻る。
【0082】
S19の判定では、走行レンジが選択される状態であっても、ブレーキペダルの操作のある状態でスタート釦22aのプッシュ操作された場合、S20に移行して電源オンとできる。また、Pレンジ或いはNレンジの場合は、インターロック条件が解除されているため、前記と同様に電源オンとなる。
【0083】
次に、本実施例に係る本アイドルストップスタート制御装置の作用、効果を説明する。
第3作動後、インターロック検知部24の検知結果によらず、乗員のスタート釦22aのプッシュ操作に基づき車両電源の供給とエンジン2の再始動ができるため、アイドルストップ時、誤ってエンジン2を完全停止したとしても、インターロック解除操作を行うことなく、円滑なエンジン始動が可能となる。
【0084】
また、スタータ制御部61は、車両停止時、インターロック検知部24による安全状態の検知と認証コード照合部51による認証コードの一致と前記第1作動によるエンジンの始動指令とを条件としてエンジン2の始動を許可するため、燃費改善を維持しつつ、盗難防止性と安全性との両立が可能となる。
【0085】
更に、ブレーキスイッチ12によってブレーキ作動が検知されたとき、再始動制御部63が作動するため、安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。再始動制御部63は、インターロック検知部24の検知状態を車両1の安全状態を検知した状態、所謂Pレンジ或いはNレンジを検知した擬似状態に切替える第2スイッチ27を有するため、インターロック検知部24に大幅な変更を加えることなく、簡易な構成でアイドルストップスタート機構とインターロック機構とを協調制御可能となる。
【0086】
自動停止条件成立によるエンジン停止時、所定のブレーキ圧を車両1に作用させて車両1の停止状態を維持する自動ブレーキ制御部71を有し、この自動ブレーキ制御部71のブレーキ圧が所定値以上のとき、再始動制御部63が作動するため、安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。更に、自動ブレーキ制御部71は、ブレーキ圧が所定値未満のとき、このブレーキ圧を増圧するため、一層安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。
【0087】
また、アクセルスイッチ20によって乗員の発進意志が検出されたとき、自動ブレーキ制御部71は、車両1の停止状態を維持するブレーキ圧を解除するため、安全性を確保したエンジン再始動が可能となる。
【0088】
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、第1スイッチがリレー構造の例を説明したが、少なくとも、リレー機能を備えるものであればよく、トランジスタ、或いはFET(Field Effect Transistor)等により第1スイッチを構成しても良い。
【0089】
2〕前記実施例においては、第1制御ユニットと第2制御ユニットと第3制御ユニットを有する例を説明したが、アイドルストップスタート制御と認証コード照合制御と自動ブレーキ制御とを単一のユニットで構成することも可能である。
【0090】
3〕前記実施例においては、AT車の例を説明したが、本発明をMT車に適用することも可能である。MT車に適用する場合、自動停止条件は、クラッチ−オフ、ニュートラルギア、車速零の項目が全て成立であり、自動再始動条件は、クラッチペダルの踏込みとする。また、インターロック条件は、クラッチカットスイッチ−オン、つまり、クラッチペダルの踏込み状態とする。
【0091】
4〕前記実施例においては、プッシュ操作式エンジンスタート釦の例を説明したが、回転式の操作部材に本発明を適用することも可能である。
【0092】
5〕前記実施例においては、アイドルストップからの車両の完全停止に引き続き、所定の条件の下、スタート釦がプッシュ操作されたか否かを判定する例を説明したが、アイドルストップから所定時間、例えば10分間は第3始動可能とし、所定時間以降は通常始動のみ許可することも可能である。
【0093】
6〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の実施例に係るアイドルストップスタート制御装置のブロック図である。
【図2】実施例に係るアイドルストップスタート制御装置の要部回路図である。
【図3】実施例に係るアイドルストップスタート制御処理のフローチャートの一部である。
【図4】実施例に係るアイドルストップスタート制御処理のフローチャートの残部である。
【符号の説明】
【0095】
1 車両
2 エンジン
3 スタータモータ
5 第1制御ユニット
6 第2制御ユニット
7 第3制御ユニット
20 アクセルスイッチ
21a バッテリ
22 エンジンスタートスイッチ
22a スタート釦
23 スタータ回路部
24 インターロック検知部
25 作動スイッチ
26 第1スイッチ
27 第2スイッチ
27a インターロックリレー駆動線
28 ABSバルブユニット
51 認証コード照合部
52 スタートスイッチ判定部
61 スタータ制御部
62 自動停止再始動制御部
63 再始動制御部
71 自動ブレーキ制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両停止状態における乗員の所定操作によって車両電源の供給とエンジンの始動指令を発信する第1作動と車両運転状態における乗員の前記所定操作によって車両電源の停止とエンジンの停止指令を発信する第2作動とを実行可能なエンジン始動スイッチと、車両始動時の安全状態を検知するインターロック検知手段と、このインターロック検知手段による安全状態の検知と前記エンジン始動スイッチの前記第1作動によるエンジン始動指令とを条件としてエンジンの始動を許可するスタータ制御手段と、所定の自動停止条件が成立したとき、エンジンを自動停止させると共に、所定の自動再始動条件が成立したとき、エンジンを自動再始動させる自動停止再始動制御手段とを有する車両のアイドルストップスタート制御装置であって、
前記エンジン始動スイッチは、前記自動停止条件成立によるエンジン停止時に乗員が前記所定操作を行ったとき、車両電源の停止を行う第3作動が実行可能とされると共に、
前記エンジン始動スイッチの第3作動後における乗員の前記所定操作に基づき車両電源の供給とエンジンの再始動とを行う再始動制御手段を有することを特徴とする車両のアイドルストップスタート制御装置。
【請求項2】
乗員が携帯する携帯機の認証コードと車両側で記憶する認証コードとが一致するか否かを判定する認証コード照合手段を有し、
前記スタータ制御手段は、車両停止時、前記インターロック検知手段による安全状態の検知と前記認証コード照合手段による認証コードの一致と前記第1作動によるエンジンの始動指令とを条件としてエンジンの始動を許可することを特徴とする請求項1に記載の車両のアイドルストップスタート制御装置。
【請求項3】
乗員によるブレーキペダルの作動を検知するブレーキ作動検知手段を有し、
このブレーキ作動検知手段によってブレーキ作動が検知されたとき、前記再始動制御手段が作動することを特徴とする請求項1または2に記載の車両のアイドルストップスタート制御装置。
【請求項4】
前記再始動制御手段は、前記インターロック検知手段の検知状態を車両の安全状態を検知した状態に切替える切替手段を有することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の車両のアイドルストップスタート制御装置。
【請求項5】
前記自動停止条件成立によるエンジン停止時、所定のブレーキ圧を車両に作用させて車両の停止状態を維持する自動ブレーキ制御手段を有し、
この自動ブレーキ制御手段のブレーキ圧が所定値以上のとき、前記再始動制御手段が作動することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の車両のアイドルストップスタート制御装置。
【請求項6】
前記自動ブレーキ制御手段は、ブレーキ圧が所定値未満のとき、このブレーキ圧を増圧することを特徴とする請求項5に記載の車両のアイドルストップスタート制御装置。
【請求項7】
乗員による車両の発進操作を検出する発進操作検出手段を有し、
この発進操作検出手段によって車両の発進操作が検出されたとき、前記自動ブレーキ制御手段は、車両の停止状態を維持するブレーキ圧を解除することを特徴とする請求項5に記載の車両のアイドルストップスタート制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2010−121511(P2010−121511A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295498(P2008−295498)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000003137)マツダ株式会社 (6,115)
【Fターム(参考)】