説明

車両の燃料系部品保護装置

【課題】エンジンの後端側に燃料系部品が配置される場合であっても、燃料系部品を容易にかつ的確に保護することのできる車両の燃料系部品保護装置を提供する。
【解決手段】エンジン12とこれに対し車両前後方向の後方側から対向するダッシュボード61とが衝突荷重によって相対変位するときに、これらの間で変形することにより衝撃を吸収する衝撃吸収部材を備える車両の燃料系部品保護装置であって、EGRパイプ44,46と、これらの間の排気冷却管47を収納するケース部49を有するEGRクーラ45と、EGRパイプ44,46と協働してEGRクーラ45をエンジン12に隙間を隔てて支持させる連結支持部材51,52とが、それぞれ衝撃吸収部材の一部として構成されるとともに、ケース部49の一端部49aと他端部49bとの気筒中心軸線方向高さ位置が互いに相違するように、EGRクーラ45が、エンジン12に対し傾斜姿勢で搭載されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の燃料系部品保護装置に関し、特に車両に搭載される内燃機関の燃料配管等の燃料系部品を衝突発生時の衝撃から保護するのに好適な車両の燃料系部品保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
内燃機関を搭載した車両においては、衝突等により車両が損傷しても燃料配管や燃料タンク等の燃料系部品から燃料が漏れることを防止する必要がある。そのため、衝突時の衝撃荷重(以下、単に衝撃荷重という)による破壊部位を特定の車両搭載部品に集中させ、その破壊部にエネルギを吸収させることで燃料系部品の損傷を軽減するようにする技術がある。
【0003】
例えば、バッテリの後方側に配置された燃料フィルタを保護すべく、その燃料フィルタを取り囲むプロテクタの前方側にバッテリの後端面に向って突出する突出部を設けて、衝突時にはプロテクタの突起部によってバッテリの後端部を破壊するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、高圧燃料ポンプである燃料系部品を保護するプロテクタにその燃料系部品の高剛性部に向って突出する突起部を設けておき、衝撃荷重により燃料系部品とプロテクタが接近するときに保護部材の突起部が高剛性部に突き当たり、保護部材が燃料系部品の低剛性部に当らないか当ったとしてもその衝撃が小さく抑えられるようにしたものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
一方、多気筒内燃機関においては、その機関本体の後端部に近接してEGR(Exhaust Gas Recirculation;排気再循環)装置の一部を構成するEGRクーラ(排気冷却器)を横置きするとともに、その吸気分岐通路壁の上部にEGR弁ケース取付座を設けて、EGR弁を機関本体の側方上部に突出して配置するようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平06−280710号公報
【特許文献2】特開2007−138847号公報
【特許文献3】特開2007−085301号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述のような従来の車両の燃料系部品保護装置は、プロテクタによって燃料系部品の損傷を軽減する保護形態のものであり、エンジンとダッシュボード(エンジンルームの後方側で車室側とエンジンルーム側とを区画する壁面部の意)が接近してしまうほどの車体変形を伴う大きな衝撃(例えば、車両の衝突時における衝撃)が加わったときには、これらの間の燃料系部品を十分に保護できない可能性があった。
【0008】
また、上述の従来例の内燃機関のように後端部の背後にEGRクーラが横置きされるものにあっては、EGRクーラがエンジンの後端部上端の背後にシリンダヘッドの短手方向に対し平行な姿勢で配置されていたため、エンジンとダッシュボードが近接または当接してしまうほどの車体変形を伴う大きな衝撃が加わったときには、エンジンの後端部に衝撃荷重が集中し易く、エンジンの上部に配置される燃料系部品、例えば高圧ポンプが損傷する可能性があり、さらに、その近傍の高圧燃料配管や筒内噴射用のインジェクタ(燃料噴射弁)まで損傷させてしまう可能性もあった。すなわち、エンジンの後端部付近に高圧燃料配管や高圧燃料ポンプが存在する場合、衝突時に高圧燃料配管からの燃料漏れが生じないようにすることが非常に困難であった。
【0009】
そこで、本発明は、エンジンの後端側に燃料系部品が配置される場合であっても、燃料系部品を容易にかつ的確に保護することのできる車両の燃料系部品保護装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る車両の燃料系部品保護装置は、上記課題解決のため、(1)排気再循環装置付の内燃機関および該内燃機関に燃料を供給するよう装着された燃料系部品を含む車両駆動装置と、該車両駆動装置を搭載する車両の一部を構成し前記内燃機関に対し車両前後方向の後方側から対向する車体側対向部材と、前記車両駆動装置および前記車体側対向部材の間に配置され、前記車両に作用する衝撃荷重によって前記内燃機関および前記車体側対向部材が相対変位するとき、前記内燃機関および前記車体側対向部材の間で変形することにより前記衝撃荷重による衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、を備え、前記車両に前記衝撃荷重が作用するとき、前記衝撃吸収部材によって前記燃料系部品を保護する車両の燃料系部品保護装置であって、前記内燃機関の排気管から吸気管側に排気ガスを還流させる排気還流管と、前記排気還流管の一部を収納するケース部を有する排気冷却器と、前記排気還流管と協働して前記排気冷却器を前記内燃機関に隙間を隔てて支持させるよう前記排気冷却器および前記内燃機関の間に介装された連結支持部材とが、それぞれ前記衝撃吸収部材の一部として構成されるとともに、前記ケース部の長手方向における一端部と他端部との気筒中心軸線方向の高さ位置が互いに相違するように、前記排気冷却器が、前記内燃機関に対し傾斜姿勢で搭載されていることを特徴とする。
【0011】
この構成により、排気冷却器が、車体側対向部材とそれに対向する内燃機関の端部との間で気筒中心軸線方向およびそれと直交する方向に共に延在することで、排気冷却器の長さおよび排気冷却面積が十分に確保される一方、内燃機関と車体側対向部材が近接または当接してしまうほどの車体変形を伴う大きな衝撃が加わったときには、排気冷却器とこれを内燃機関に支持させる排気還流管および連結支持部材とが塑性変形するとともに、内燃機関と車体側対向部材の間の排気冷却器が、気筒中心軸線方向の上方側から中心側に亘る広い範囲(いわゆるクラッシャブルゾーン)において押し潰され、大きな衝撃のエネルギが十分に吸収される。したがって、車体側対向部材に対向する内燃機関の端部側、特に燃料系部品が装備されるその上部側に対して衝撃が集中することが回避され、車体側対向部材と燃料系部品が干渉することも有効に抑制されることになり、車体側対向部材に対向する内燃機関の端部側に燃料系部品が配置される場合であっても、燃料系部品を容易にかつ的確に保護することが可能となる。
【0012】
本発明の車両の燃料系部品保護装置においては、(2)前記燃料系部品は、少なくとも前記衝撃荷重によって前記内燃機関および前記車体側対向部材が相対変位するときに前記排気冷却器を圧縮するよう縮小する縮小領域に対し、外方側に配置されていることが望ましい。
【0013】
この構成により、内燃機関と車体側対向部材が近接または当接してしまうほどの車体変形を伴う大きな衝撃が加わっても、縮小領域外の燃料系部品は、内燃機関と車体側対向部材の間で押し潰されることがなく、的確に保護される。
【0014】
また、本発明の車両の燃料系部品保護装置においては、(3)前記燃料系部品が、前記燃料を高圧に加圧して前記内燃機関の複数の気筒に供給する高圧燃料ポンプと、前記高圧燃料パイプにより加圧された前記燃料を貯留するとともに前記複数の気筒に分配するよう前記複数の気筒に沿って延在する高圧デリバリーパイプと、前記高圧燃料ポンプにより加圧された前記燃料を前記高圧燃料ポンプから前記高圧デリバリーパイプに供給する高圧燃料パイプと、を含み、前記高圧燃料パイプが、前記高圧デリバリーパイプに対し略直交する方向に接続されていることが好ましい。
【0015】
この構成により、高圧デリバリーパイプへの高圧燃料パイプの接続位置を車体側対向部材に対向する内燃機関の端部から離すことが容易に可能となり、衝撃吸収部材や車体側対向部材と燃料系部品との干渉がより有効に抑制できることになる。
【0016】
上記(3)記載の場合、(4)前記排気冷却器の前記ケース部の長手方向における一端部が、前記高圧デリバリーパイプより前記気筒中心軸線方向の上方側に位置し、前記ケース部の長手方向における他端部が、前記高圧デリバリーパイプより前記気筒中心軸線方向の下方側に位置していることが好ましい。
【0017】
この構成により、内燃機関と車体側対向部材の間の排気冷却器が、気筒中心軸線方向の上方側から中心側に亘る広範囲で押し潰されるが、高圧デリバリーパイプに干渉し難い配置が可能となる。
【0018】
また、上記(4)記載の場合、(5)前記ケース部の長手方向における一端部に前記内燃機関の排気管側から吸気管側への前記排気ガスの還流を許容する開弁状態および前記内燃機関の排気管側から吸気管側への前記排気ガスの還流を制限する閉弁状態に切替え可能な排気還流制御弁が装着され、前記排気還流制御弁が、前記高圧燃料ポンプ、前記高圧デリバリーパイプおよび前記高圧燃料パイプに対して前記車両前後方向の後方側に位置するとともに、前記高圧デリバリーパイプより前記気筒中心軸線方向の上方側に配置されていることが好ましい。
【0019】
この構成により、排気冷却器のみならず排気還流制御弁も高圧デリバリーパイプに干渉し難い配置が可能となる。
【0020】
上記いずれの場合も、(6)前記車両駆動装置が、前記内燃機関と協働する電動機と、前記電動機に電力を供給するパワーケーブルと、を含み、前記パワーケーブルの一部が、前記衝撃吸収部材の一部として、前記衝突荷重により前記内燃機関および前記車体側対向部材が相対変位するときに前記排気冷却器と共に圧縮されるよう、前記内燃機関および前記車体側対向部材の間に配置されていることが好ましい。
【0021】
この構成により、パワーケーブルも衝撃吸収部材の一部として機能することになり、大きな衝撃のエネルギでも十分に吸収可能となるから、専用の衝撃吸収部材を別設することなく、燃料系部品をより的確に保護することができる。
【0022】
また、上記(6)記載の場合、(7)前記内燃機関が、前記車両に縦置き状態で搭載され、前記車両駆動装置が、前記電動機を含み前記内燃機関より前記車両前後方向の後方側に配置されたハイブリッドトランスミッションと、該ハイブリッドトランスミッションに対し車両左右方向の一方側に配置されるとともに前記電動機に前記パワーケーブルを介して接続されたインバータアッシと、を含んで構成されていることが好ましい。
【0023】
この構成により、衝突荷重により内燃機関および車体側対向部材が相対変位するときにパワーケーブルが排気冷却器と共に圧縮されるように容易に配置可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、傾斜姿勢の排気冷却器が気筒中心軸線方向およびそれと直交する方向に共に延在することで排気冷却器の長さおよび排気冷却面積が十分に確保される一方、内燃機関と車体側対向部材が近接または当接してしまうほど大きな衝撃が加わったときに、排気冷却器と排気還流管および連結支持部材とが塑性変形するとともに、内燃機関と車体側対向部材の間で、排気冷却器が気筒中心軸線方向の上方側から中心側に亘る広い範囲において押し潰され、大きな衝撃のエネルギが十分に吸収されるようにしているので、車体側対向部材に対向する内燃機関の端部側、特に燃料系部品が装備されるその上部側に対して衝撃が集中することを回避するとともに、車体側対向部材と燃料系部品が干渉することを有効に抑制し、車体側対向部材に対向する内燃機関の端部側に燃料系部品が配置される場合であっても、燃料系部品を容易にかつ的確に保護することが可能な車両の燃料系部品保護装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る車両の燃料系部品保護装置の概略構成を示す模式平面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る車両の燃料系部品保護装置の概略平面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る車両の燃料系部品保護装置の概略後面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る車両の燃料系部品保護装置の概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1〜図4は、本発明の一実施形態に係る車両の燃料系部品保護装置を示している。
【0028】
なお、本実施形態は、本発明をいわゆるFR(フロントエンジン・リヤドライブ)方式のハイブリッド車両に適用したものであり、従来であればV型6気筒のエンジンおよびそれに対応するハイブリッドトランスミッションを搭載する程度のプラットフォーム(共用可能な車台フレームやボディ、サスペンション、ステアリング等の組合せ)に、縦置きの直列4気筒のエンジンおよびそれに対応するハイブリッドトランスミッションを搭載してダウンサイジングを図り、そのエンジンの後端部側に本実施形態の燃料系部品の保護装置を配置した構成となっている。
【0029】
図1に示すように、本実施の形態の車両(全体は図示していない)は、詳細を図示しないが、前部のエンジンルーム15および中央部の車室16を有するプラットフォーム11と、エンジンルーム15内に配置されるとともに図示しないマウント装置を介してプラットフォーム11に搭載された縦置きのエンジン12と、このエンジン12の後端下部側に一体的に結合された状態でエンジン12と共にハイブリッド駆動装置13(車両駆動装置)を構成するハイブリッドトランスミッション14と、ハイブリッド駆動装置13以降の駆動車輪までの動力伝達をなす図示しないパワートレーン等を、備えている。
【0030】
エンジン12は、シリンダブロック12aおよびシリンダヘッド12bを含む機関本体12Mに4つ(複数)の気筒12cを直列(インライン)に配置した多気筒の内燃機関であり、詳細を図示しないが、各気筒12cにはピストンが収納されて燃焼室が形成され、複数のピストンにコネクティングロッドを介してクランク軸が連結されている。また、複数の気筒12cの燃焼室の上部側には、吸気弁および排気弁とそれらを開閉させる動弁機構とが装備されている。なお、エンジン12のピストンクランク機構や動弁機構、点火装置等については、公知のものと同様に構成されるので、ここでは詳述しない。
【0031】
エンジン12の後端側の上部には、エンジン12内に筒内噴射用の高圧燃料を供給するための燃料系部品として、高圧燃料ポンプ21、高圧デリバリーパイプ22、高圧燃料パイプ23および図示しない複数の筒内噴射用のインジェクタが設けられている。さらに、高圧燃料ポンプ21および高圧燃料パイプ23よりも車両前方側には、エンジン12内にポート噴射用の低圧燃料を供給するための燃料系部品として、低圧デリバリーパイプ25および複数のポート噴射用のインジェクタが設けられている。
【0032】
ここで、高圧燃料ポンプは、エンジン12で消費される燃料、例えばガソリンを高圧に加圧して複数の気筒に供給するものであり、例えば公知のプランジャとそれを往復させる駆動カム、チェック弁、電磁スピル弁等によって構成されている。高圧デリバリーパイプ22は、高圧燃料ポンプ21により加圧された燃料を貯留するとともにエンジン12の複数の気筒に対応して設けられた複数の筒内噴射用のインジェクタに燃料を分配するよう、エンジン12の複数の気筒(シリンダブロックの側壁面)に沿って車両前後方向に延在しており、鋳造管を主な構成要素とする比較的高剛性の部品である。高圧燃料パイプ23は、高圧燃料ポンプ21により加圧された燃料を高圧燃料ポンプ21から高圧デリバリーパイプ22に供給する金属製の配管であり、比較的高靭性あるいは高延性の素材からなる。低圧デリバリーパイプ25は、例えば比較的薄い板金を曲げ加工したりろう付けしたりして製造されたもので、エンジン12の複数の気筒に対応して設けられた複数の図示しないポート噴射用のインジェクタに燃料を分配するよう、エンジン12の複数の気筒に沿って車両前後方向に延在している。
【0033】
エンジン12は、その排気の一部を排気マニホールド32(排気管)側から吸気マニホールド31側に還流させ再循環させるEGR装置40(排気再循環装置)を備えている。このEGR装置40は、エンジン12の各気筒内の燃焼室をバイパスして排気マニホールド32内の排気通路から吸気マニホールド31内の吸気通路に延びるEGRガス通路41を有しており、このEGRガス通路41の途中には、EGRガスの還流量を調整する電磁式のEGRバルブ42(排気還流制御弁)と、EGRガス通路41を通るEGRガスを冷却するEGRクーラ45とが設けられている。
【0034】
EGRガス通路41は、エンジン12の排気通路側から吸気通路側に排気の一部をEGRガスとして還流させる排気還流通路であり、そのEGRガス通路41の一部の区間がEGRクーラ45(排気冷却器)の中のEGRガス冷却通路となっている。すなわち、EGRガス通路41は、吸気マニホールド31(吸気管)および排気マニホールド32の間に介装された排気側のEGRパイプ44(排気還流管の一部)、EGRクーラ45および吸気側のEGRパイプ46(排気還流管の一部)を相互に接続して、それらの内部に形成されている。
【0035】
EGRクーラ45は、エンジン12からの冷却水とEGRガス通路41側からのEGRガスとの熱交換によりEGRガスを冷却できるようになっている。具体的には、EGRクーラ45は、EGRパイプ44,46の間に互いに並列しつつ介在する複数の偏平な排気冷却管47(排気還流管の一部)と、これらの排気冷却管47の回りに冷却水通路48を形成するよう複数の排気冷却管47を収納する略直方体形状の金属製のケース部49とを有している。また、そのEGRクーラ45のケース部49には、エンジン12のウォータージャケットを通過した冷却水を冷却水通路48に導入する冷却水導入管部52と、冷却水通路48を通過した冷却水をエンジン12のウォータージャケットの上流側部分に戻す冷却水排出管部51とが一体的に連結されている。
【0036】
これら冷却水導入管部52および冷却水排出管部51は、エンジン12の機関本体12MとEGRクーラ45の板金製のケース部49との間に介在し、EGRパイプ44,46と協働してEGRクーラ45をエンジン12に対し予め設定された前後隙間を隔てて支持させるように、機関本体12MとEGRクーラ45のケース部49とを互いに連結する複数の連結支持部材として機能するようになっている。なお、連結支持部材は、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51のような配管でなく、支持用の取付板等であってもよいことはいうまでもない。
【0037】
EGRバルブ42は、EGRクーラ45のケース部49の長手方向における一端部49aに固定されて、EGRクーラ45と吸気側のEGRパイプ46との間に介在しており、エンジン12の排気マニホールド32側から吸気マニホールド31側への排気ガスの還流を許容する開弁状態と、エンジン12の排気マニホールド32側から吸気マニホールド31側への排気ガスの還流を制限する閉弁状態とに切替え可能になっている。そして、EGRバルブ42とEGRパイプ46とによって、EGRクーラ45と吸気マニホールド31の間のEGRガス通路41の一部が、開閉可能な通路として形成されている。なお、EGRパイプ46は、例えば吸気マニホールド31に内蔵された図示しないEGRガス分配管に接続されており、そのEGRガス分配管からエンジン12の複数の気筒のそれぞれにEGRガスが分配供給されるようになっている。
【0038】
ところで、エンジンルーム15の車両後方側の壁面61aを形成するダッシュボード61(車体側対向部材、プラットフォーム11の一部)は、プラットフォーム11の一部を構成するとともに、プラットフォーム11に搭載されるエンジン12の後端部に対して、比較的小さい車両前後方向の離間距離を隔てて対向している。
【0039】
そして、EGRガス通路41を形成する排気側のEGRパイプ44、EGRクーラ45、EGRバルブ42および吸気側のEGRパイプ46と、EGRクーラ45と共に冷却水通路を形成する冷却水導入管部52および冷却水排出管部51は、いずれもエンジン12の後端部とダッシュボード61との間の比較的前後方向に狭い空間領域(圧縮領域)内に配置されている。
【0040】
これらEGRパイプ44,46、EGRクーラ45、EGRバルブ42、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51は、車両のプラットフォーム11に大きな衝撃荷重(例えば衝突時のように大きな衝撃荷重)が作用し、その衝突荷重によってエンジン12およびダッシュボード61が互いに接近するよう相対変位するとき、それぞれエンジン12およびダッシュボード61の間で衝撃荷重による圧縮方向の塑性変形または/および弾性変形を生じることによってその衝撃荷重による衝撃のエネルギを吸収する衝撃吸収部材となっており、これら全体としてEGR装置40の主要部を兼ねた衝撃吸収機構50を構成している。この衝撃吸収機構50は、車両に大きな衝撃荷重が作用するときその衝撃のエネルギを吸収するよう変形し、エンジン12の後端部側に近付けて配置される燃料系部品、すなわち、高圧燃料ポンプ21、高圧デリバリーパイプ22、高圧燃料パイプ23および複数の筒内噴射用のインジェクタを保護するようになっている。
【0041】
ここで、燃料系部品である高圧燃料ポンプ21、高圧デリバリーパイプ22、高圧燃料パイプ23および複数の筒内噴射用のインジェクタ、並びに、低圧デリバリーパイプ25および複数のポート噴射用のインジェクタは、少なくともプラットフォーム11に加わる大きな衝撃荷重によってエンジン12およびダッシュボード61が互いに接近するときに、EGRクーラ45を圧縮するよう縮小するエンジン12およびダッシュボード61の間の縮小領域に対して、外方側に配置されている。
【0042】
また、高圧デリバリーパイプ22の後端は、エンジン12の後端より前方側に位置しており、エンジン12およびダッシュボード61が互いに当接する程度に接近しても、高圧デリバリーパイプ22の後端部が高剛性部品や衝撃吸収部材と直接干渉しないか干渉しても非金属部や高圧デリバリーパイプ22より低剛性の部品が接触する程度となるような配管・配線類の配置が選択されている。
【0043】
高圧燃料パイプ23は、高圧デリバリーパイプ22に対し略直交する鉛直方向に接続された下端部23aと、高圧燃料ポンプ21の吐出部21pに接続された上端部23bと、を有しており、全体として略鉛直方向に延びている。この高圧燃料パイプ23の高圧デリバリーパイプ22への接続部位である下端部23aは、エンジン12を気筒中心軸線方向Dと直交する方向に見たときにエンジン12の側面の範囲内に配置されており、かつ、高圧デリバリーパイプ22の後端位置より、車両前方側に位置している。
【0044】
EGRクーラ45は、そのケース部49の長手方向における一端部49a側と他端部49b側とで気筒中心軸線方向D(図3参照)の高さ位置が互いに相違するように、エンジン12の機関本体12Mに対して傾斜姿勢で搭載されている。
【0045】
具体的には、EGRクーラ45のケース部49の長手方向における一端部49aは、高圧デリバリーパイプ22より気筒中心軸線方向Dの上方側に位置しており、EGRクーラ45のケース部49の長手方向における他端部49bは、高圧デリバリーパイプ22より気筒中心軸線方向Dの下方側に位置している。また、ケース部49の長手方向一端部49aに固定されたEGRバルブ42は、高圧燃料ポンプ21、高圧デリバリーパイプ22および高圧燃料パイプ23に対して車両前後方向の後方側に位置するとともに、高圧デリバリーパイプ22より気筒中心軸線方向Dの上方側に配置されている。ここで、EGRクーラ45の長手方向が気筒中心軸線方向Dと直交する方向に対し傾斜する傾斜角度は、衝突試験(例えば車両の正面衝突試験あるいは高圧デリバリーパイプ側となる車両の前方片側を障壁(Offset Deformable Barrier)に衝突させる試験)等の実験結果に基づいて設定されるが、高圧デリバリーパイプ22に対するケース部49の長手方向の一端部49aおよび他端部49bの上下の位置関係が満足されるのがよい。
【0046】
一方、本実施形態におけるハイブリッド駆動装置13は、エンジン12と協働する第1の発電電動機MG1(電動機)および第2の発電電動機MG2(電動機)と、図示しないハイブリッドバッテリに接続され直流から交流電流に変換したりその電圧および周波数を制御したりすることができるインバータアッシ71と、インバータアッシ71と発電電動機MG1,MG2とを接続する複数本のパワーケーブル72,73とを含んで構成されている。
【0047】
パワーケーブル72,73は、車両中の他の配線に比べ高電圧・大電流用の電線を絶縁体および保護カバーで被覆した太いケーブルとなっており、それらパワーケーブル72,73は、衝撃吸収機構50の一部を構成する衝撃吸収部材として、プラットフォーム11に作用する大きな衝撃荷重によりエンジン12およびダッシュボード61が相対変位するときに、EGRクーラ45等と共に圧縮されるよう、エンジン12およびダッシュボード61の間に配置されている。
【0048】
また、エンジン12は車両のプラットフォーム11に縦置き状態で搭載され、ハイブリッドトランスミッション14はそのエンジン12より車両前後方向の後方側に配置され、かつ、インバータアッシ71はそのハイブリッドトランスミッション14に対し車両左右方向の一方側に配置されている。したがって、パワーケーブル72,73は、車両左右方向の一方側から中央側に延びるとともに、ハイブリッドトランスミッション14とインバータアッシ71との間に鉛直方向上方側に向って凸となる湾曲形状で実装されており、図2および図3に示すように、これらパワーケーブル72,73がハイブリッドトランスミッション14の上方側で、かつ、EGRクーラ45のケース部49の長手方向一端部49aおよびEGRバルブ42の後方側を通過する実装形態となっている。
【0049】
次に、作用について説明する。
【0050】
上述のように構成された本実施形態の車両の燃料系部品保護装置においては、EGRクーラ45が、ダッシュボード61とそれに対向するエンジン12の後端部との間で気筒中心軸線方向Dおよびそれと直交するシリンダヘッド12bの短手方向に共に延びる傾斜姿勢をとっているので、EGRクーラ45の長さおよび排気冷却面積が十分に確保される。
【0051】
一方、エンジン12と図2に仮想線で示すダッシュボード61のように、エンジン12とダッシュボード61が近接または当接してしまうほどの車体変形を伴う大きな衝撃が車両のプラットフォーム11に加わったときには、EGRクーラ45とこれをエンジン12に支持させるEGRパイプ44,46、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51とが、それぞれ塑性変形するとともに、エンジン12とダッシュボード61の間のEGRクーラ45が、気筒中心軸線方向Dの上方側から中心側に亘る広い範囲をクラッシャブルゾーンとして押し潰され、大きな衝撃のエネルギが十分に吸収される。したがって、ダッシュボード61に対向するエンジン12の後端部側、特に燃料系部品が装備されるその上部側に対して衝撃が集中することが回避され、ダッシュボード61と高圧燃料ポンプ21、高圧デリバリーパイプ22、高圧燃料パイプ23および複数の筒内噴射用のインジェクタ等の燃料系部品(以下、高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品という)とが干渉することも有効に抑制される。したがって、ダッシュボード61に対向するエンジン12の後端部側に高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品が配置される場合であっても、それら高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品を容易にかつ的確に保護することができる。
【0052】
特に、本実施形態では、高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品は、少なくとも衝撃荷重によってエンジン12およびダッシュボード61が相対変位するときにEGRクーラ45を圧縮するよう縮小する縮小領域に対して、その領域の外方側に配置されているので、エンジン12とダッシュボード61が近接または当接してしまうほどの車体変形を伴う大きな衝撃が加わっても、縮小領域外の燃料系部品は、エンジン12とダッシュボード61の間で押し潰されることがなく、的確に保護されることになる。
【0053】
また、高圧燃料パイプ23が、高圧デリバリーパイプ22に対し略直交する方向に接続されていることから、高圧デリバリーパイプ22への高圧燃料パイプ23の接続位置をダッシュボード61に対向するエンジン12の後端部から前方側に離すことが容易に可能となり、衝撃吸収部材であるEGRクーラ45等やダッシュボード61と高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品との干渉がより有効に抑制できることになる。
【0054】
しかも、EGRクーラ45のケース部49の一端部49aが、高圧デリバリーパイプ22より気筒中心軸線方向Dの上方側に位置し、ケース部49の他端部49bが、高圧デリバリーパイプ22より気筒中心軸線方向Dの下方側に位置しているので、エンジン12とダッシュボード61の間のEGRクーラ45が、気筒中心軸線方向Dの上方側から中心側に亘る広範囲のクラッシャブルゾーンで押し潰されることになるとともに、高圧デリバリーパイプ22に干渉し難い配置が可能となる。
【0055】
また、EGRクーラ45のケース部49の長手方向における一端部49aに装着されたEGRバルブ42が、高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品に対して車両前後方向の後方側に位置するとともに、高圧デリバリーパイプ22より気筒中心軸線方向Dの上方側に配置されているので、EGRクーラ45のみならずEGRバルブ42も高圧デリバリーパイプ22に干渉し難い配置が可能となる。
【0056】
加えて、パワーケーブル72,73が、衝撃吸収部材の一部としてエンジン12およびダッシュボード61の間に配置されているので、プラットフォーム11に大きな衝撃が作用しても、その衝撃のエネルギを十分に吸収可能となる。したがって、専用の衝撃吸収部材を別設することなく、エンジン12の後端部側に配置される高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品をより的確に保護することができる。
【0057】
また、ハイブリッドトランスミッション14に対し車両左右方向の一方側に配置されるインバータアッシ71とハイブリッドトランスミッション14の発電電動機MG1,MG2の間に介装されるパワーケーブル72,73は、EGRクーラ45とダッシュボード61の間に容易に配置でき、EGRクーラ45およびEGRバルブ42との相対位置も適宜設定可能であるから、衝突荷重によりエンジン12およびダッシュボード61が相対変位するときにパワーケーブル72,73をEGRクーラ45と共に容易にかつ確実に圧縮させることができ、所要の衝撃吸収能力を得ることができる。
【0058】
このように、本実施形態の車両の燃料系部品保護装置においては、傾斜姿勢のEGRクーラ45が気筒中心軸線方向Dおよびそれと直交する方向に共に延在することでEGRクーラ45の長さおよび排気冷却面積が十分に確保され、しかも、エンジン12とダッシュボード61が近接または当接してしまうほど大きな衝撃がプラットフォーム11に加わったときに、EGRクーラ45、EGRパイプ44,46、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51がそれぞれ塑性変形するとともに、エンジン12とダッシュボード61の間のEGRクーラ45が気筒中心軸線方向Dの上方側から中心側に亘る広い範囲において押し潰され、大きな衝撃のエネルギが十分に吸収されるので、ダッシュボード61に対向するエンジン12の後端部側、特に高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品が装備されるその上部側に対して衝撃が集中することを回避することができるとともに、ダッシュボード61と高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品が干渉することを有効に抑制し、ダッシュボード61に対向するエンジン12の後端部側に高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品が配置される場合であっても、それら高圧燃料ポンプ21等の燃料系部品を容易にかつ的確に保護することが可能な車両の燃料系部品保護装置を提供することができる。
【0059】
なお、上述の一実施形態に係る車両の燃料系部品保護装置においては、EGRクーラ45やEGRパイプ44,46、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51は、それぞれ金属の塑性変形により衝撃エネルギを吸収するものとしたが、部分的にゴム弾性部分を含んでいてもよい。また、EGRクーラ45のケース部49は略直方体形状としたが、円柱形状等のような他の形状であってもよい。さらに、大きな衝撃荷重によってEGRクーラ45が全体的に押し潰される場合にそれに先立って配管や連結支持部等での部分的な塑性変形が始まるような形状設定であれば、EGRクーラ45とエンジン12の後端部との間に部分的に前後方向の隙間が形成され、双方が部分的に近接または接触するような形状となっていてもよい。また、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51は、それぞれ必ずしもケース部49と一体である必要はなく、例えば、冷却水導入管部52がエンジン12のシリンダヘッド12bと一体に形成されてもよいし、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51がそれぞれ弾性あるいは可撓性のホース等で構成されてもよい。勿論、上述のようにエンジン12とEGRクーラ45の間に介在する連結支持部材は、冷却水導入管部52および冷却水排出管部51のような配管でなく、支持用の取付板等であってもよい。
【0060】
以上説明したように、本発明に係る車両の燃料系部品保護装置は、傾斜姿勢の排気冷却器が気筒中心軸線方向およびそれと直交する方向に共に延在することで排気冷却器の長さおよび排気冷却面積が十分に確保される一方、内燃機関と車体側対向部材が近接または当接してしまうほど大きな衝撃が加わったときに、排気冷却器と排気還流管および連結支持部材とが塑性変形するとともに、排気冷却器が気筒中心軸線方向の上方側から中心側に亘る広い範囲において押し潰され、大きな衝撃のエネルギが十分に吸収されるようにしているので、車体側対向部材に対向する内燃機関の端部側、特に燃料系部品が装備されるその上部側に対して衝撃が集中することを回避するとともに、車体側対向部材と燃料系部品が干渉することを有効に抑制し、車体側対向部材に対向する内燃機関の端部側に燃料系部品が配置される場合であっても、燃料系部品を容易にかつ的確に保護することが可能な車両の燃料系部品保護装置を提供することができるという効果を奏するものであり、車両に搭載される内燃機関の燃料配管等の燃料系部品を衝突発生時の衝撃から保護するのに好適な車両の燃料系部品保護装置全般に有用である。
【符号の説明】
【0061】
11 プラットフォーム
12 エンジン(内燃機関)
12M 機関本体
12b シリンダヘッド
12c 気筒
13 ハイブリッド駆動装置(車両駆動装置)
14 ハイブリッドトランスミッション
15 エンジンルーム
21 高圧燃料ポンプ(燃料系部品)
22 高圧デリバリーパイプ(燃料系部品)
23 高圧燃料パイプ(燃料系部品)
25 低圧デリバリーパイプ(燃料系部品)
31 吸気マニホールド(吸気管)
32 排気マニホールド(排気管)
40 EGR装置(排気再循環装置)
41 EGRガス通路
42 EGRバルブ(排気還流制御弁)
44,46 EGRパイプ(排気還流管の一部)
45 EGRクーラ(排気冷却器)
47 排気冷却管(排気還流管の一部)
48 冷却水通路
49 ケース部
49a 一端部
49b 他端部
50 衝撃吸収機構
51 冷却水排出管部(連結支持部材)
52 冷却水導入管部(連結支持部材)
61 ダッシュボード(プラットフォームの一部、車体側対向部材)
71 インバータアッシ
72,73 パワーケーブル
MG1,MG2 発電電動機(電動機)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排気再循環装置付の内燃機関および該内燃機関に燃料を供給するよう装着された燃料系部品を含む車両駆動装置と、該車両駆動装置を搭載する車両の一部を構成し前記内燃機関に対し車両前後方向の後方側から対向する車体側対向部材と、前記車両駆動装置および前記車体側対向部材の間に配置され、前記車両に作用する衝突荷重によって前記内燃機関および前記車体側対向部材が相対変位するとき、前記内燃機関および前記車体側対向部材の間で変形することにより前記衝撃荷重による衝撃を吸収する衝撃吸収部材と、を備え、前記車両に前記衝撃荷重が作用するとき、前記衝撃吸収部材によって前記燃料系部品を保護する車両の燃料系部品保護装置であって、
前記内燃機関の排気管から吸気管側に排気ガスを還流させる排気還流管と、前記排気還流管の一部を収納するケース部を有する排気冷却器と、前記排気還流管と協働して前記排気冷却器を前記内燃機関に隙間を隔てて支持させるよう前記排気冷却器および前記内燃機関の間に介装された連結支持部材とが、それぞれ前記衝撃吸収部材の一部として構成されるとともに、
前記ケース部の長手方向における一端部と他端部との気筒中心軸線方向の高さ位置が互いに相違するように、前記排気冷却器が、前記内燃機関に対し傾斜姿勢で搭載されていることを特徴とする車両の燃料系部品保護装置。
【請求項2】
前記燃料系部品は、少なくとも前記衝撃荷重によって前記内燃機関および前記車体側対向部材が相対変位するときに前記排気冷却器を圧縮するよう縮小する縮小領域に対し、外方側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の車両の燃料系部品保護装置。
【請求項3】
前記燃料系部品が、前記燃料を高圧に加圧して前記内燃機関の複数の気筒に供給する高圧燃料ポンプと、前記高圧燃料パイプにより加圧された前記燃料を貯留するとともに前記複数の気筒に分配するよう前記複数の気筒に沿って延在する高圧デリバリーパイプと、前記高圧燃料ポンプにより加圧された前記燃料を前記高圧燃料ポンプから前記高圧デリバリーパイプに供給する高圧燃料パイプと、を含み、
前記高圧燃料パイプが、前記高圧デリバリーパイプに対し略直交する方向に接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2のうちいずれか1項に記載の車両の燃料系部品保護装置。
【請求項4】
前記排気冷却器の前記ケース部の長手方向における一端部が、前記高圧デリバリーパイプより前記気筒中心軸線方向の上方側に位置し、前記ケース部の長手方向における他端部が、前記高圧デリバリーパイプより前記気筒中心軸線方向の下方側に位置していることを特徴とする請求項3に記載の車両の燃料系部品保護装置。
【請求項5】
前記ケース部の長手方向における一端部に前記内燃機関の排気管側から吸気管側への前記排気ガスの還流を許容する開弁状態および前記内燃機関の排気管側から吸気管側への前記排気ガスの還流を制限する閉弁状態に切替え可能な排気還流制御弁が装着され、
前記排気還流制御弁が、前記高圧燃料ポンプ、前記高圧デリバリーパイプおよび前記高圧燃料パイプに対して前記車両前後方向の後方側に位置するとともに、前記高圧デリバリーパイプより前記気筒中心軸線方向の上方側に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の車両の燃料系部品保護装置。
【請求項6】
前記車両駆動装置が、前記内燃機関と協働する電動機と、前記電動機に電力を供給するパワーケーブルと、を含み、
前記パワーケーブルの一部が、前記衝撃吸収部材の一部として、前記衝撃荷重により前記内燃機関および前記車体側対向部材が相対変位するときに前記排気冷却器と共に圧縮されるよう、前記内燃機関および前記車体側対向部材の間に配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のうちいずれか1項に記載の車両の燃料系部品保護装置。
【請求項7】
前記内燃機関が、前記車両に縦置き状態で搭載され、
前記車両駆動装置が、前記電動機を含み前記内燃機関より前記車両前後方向の後方側に配置されたハイブリッドトランスミッションと、該ハイブリッドトランスミッションに対し車両左右方向の一方側に配置されるとともに前記電動機に前記パワーケーブルを介して接続されたインバータアッシと、を含んで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の車両の燃料系部品保護装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−87735(P2012−87735A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−236711(P2010−236711)
【出願日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】