説明

車両制御装置

【課題】自車の路面μを従来の車両制御装置よりも精度良く算出することが出来、より適切なタイヤマップを選択することができる車両制御装置を提供すること。
【解決手段】車両制御装置1は、モータトルクと、車輪トルクと、車輪に作用する荷重とに基づいて、自車の路面μを算出する一方、タイヤマップを4種類以上記憶し、自車の路面μに基づいて、記憶されたタイヤマップから自車に最も適したタイヤマップを選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、アンチロックブレーキ制御を行う車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。車両制御装置は、タイヤと路面との間の摩擦係数(以下、「路面μ」とも称する)とスリップ率との対応関係を示すタイヤマップを複数記憶する。スリップ率は、車輪速を車体速で除算した値である。
【0003】
車両制御装置は、油圧ブレーキによる制動時に、摩擦材と摩擦材が押し当てられる部分との間に作用する圧力pを測定し、圧力pと、摩擦材と摩擦材が押し当てられる部分との間の摩擦係数μbとに基づいて、自車の路面μ(即ち、自車のタイヤと路面との間の摩擦係数)を算出する。例えば、車両制御装置は、油圧ブレーキがディスクブレーキである場合、自車の路面μを以下の式(1)〜(3)により算出する。
【0004】
μ=Fx/Fz …(1)
Fx=Tb/r1 …(2)
Tb=2*μb*p*A*r2 …(3)
Fx:タイヤ前後力、Fz:車輪に作用する荷重、Tb:ブレーキトルク、r1:車輪半径、A:ブレーキパッドの表面積、r2:ロータの有効半径
車両制御装置は、自車の路面μに基づいて、自車に対応するタイヤマップを取得し、自車に対応するタイヤマップが示す路面μが極大値となるスリップ率を目標スリップ率に設定し、この目標スリップ率に基づいて、アンチロックブレーキ制御を行う。
【特許文献1】特開昭62−99249号公報
【非特許文献1】山海堂自動車用ABSの研究(日本エービーエス(株)編)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、車両制御装置は、ブレーキパッドとロータとの間の摩擦係数μbを定数として記憶し、この定数を利用して自車の路面μを算出するが、実際のブレーキパッドとロータとの摩擦係数は、摩擦材の温度等の使用環境により摩擦係数μbより変動するので、検出された路面μも変動しなければならないが、実際には変動を考慮しない値となっている。このため、検出された自車の路面μ(即ち、自車の路面μの実測値)は、精度が悪い。さらに、車両制御装置は、制動時にしか自車の路面μを推定できない。そこで、車両制御装置は、自車の路面μの実測値やスリップ率等の情報に基づいて、自車の路面μが高いか(即ち、高μの範囲に属するか)、中程度か(即ち、中μの範囲に属するか)、低いか(即ち、低μの範囲に属するか)の判定を行う一方で、タイヤマップを高μの範囲用、中μの範囲用、低μの範囲用の3種類程度記憶し、これらのタイヤマップのうち、自車の路面μに当てはまるタイヤマップを取得することにより、スリップ率の急激な変化に対応している。しかし、この方法では、各範囲用のタイヤマップは、少ない情報によって選択されているので、車両制御装置が取得したタイヤマップの精度が十分でない可能性がある。即ち、車両制御装置が取得したタイヤマップの精度にばらつきが生じる。
【0006】
なお、車両制御装置に、例えば4種類以上の多数のタイヤマップを記憶させても、従来の車両制御装置は、どのタイヤマップが自車の路面μに最も合致しているのかを判定することが出来ないので、無意味である。車両制御装置に4種類以上のタイヤマップを記憶させた場合、複数のタイヤマップを高μの範囲、中μの範囲、低μの範囲の何れかに属させることはできるが、車両制御装置は、自車の路面μが高μの範囲、中μの範囲、低μのどの範囲に属するのか程度しか判定することしかできないので、これら多数のタイヤマップのうち、どのタイヤマップが自車に最も適しているのかを判定することが出来ないからである。
【0007】
したがって、従来の車両制御装置には、算出された自車の路面μの精度にばらつきが生じ、ひいては、取得されたタイヤマップの精度にもばらつきが生じるという問題があった。
【0008】
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、自車の路面μを従来の車両制御装置よりも精度良く算出することが出来、より適切なタイヤマップを選択することができる車両制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本願に係る発明は、電気自動車である自車の車輪を回転させるモータのトルクを検出するモータトルク検出手段と、モータのトルクに基づいて、自車の車輪トルクを算出する車輪トルク算出手段と、自車の車輪に作用する荷重を算出する変動輪荷重算出部と、自車の車輪トルクと自車の車輪に作用する荷重とに基づいて、自車の車輪と路面との間の摩擦係数である自車の路面μを算出する路面μ算出手段と、車輪と路面との間の摩擦係数である路面μと、スリップ率との対応関係を示すタイヤマップを4種類以上記憶するタイヤマップ記憶手段と、自車のスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、自車の路面μと、自車のスリップ率とに基づいて、タイヤマップ記憶手段が記憶するタイヤマップのうち、自車に最も適したタイヤマップを取得するタイヤマップ取得手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本願に係る発明は、モータのトルク、自車の車輪トルク、及び自車の車輪に作用する荷重に基づいて、自車の路面μを算出するところ、これらの物理量は摩擦係数μbよりも、路面の状態を反映した正確な値である。したがって、本願に係る発明は、従来の車両制御装置よりも、自車の路面μを精度良く算出することが出来、より適切なタイヤマップを選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る車両制御装置1を示すブロック図である。車両制御装置1は、図示しない電気自動車(以下、「自車」とも称する)に搭載され、モータトルクセンサ2と、油圧センサ3と、前後Gセンサ4と、横Gセンサ5と、車体速センサ6と、車輪速センサ7と、主制御装置8とを備え、制動装置16に接続されている。主制御装置8は、CPU、ROM、RAM等のハードウェア構成を備える。ROMは、タイヤマップ記憶部13として機能する他、主制御装置8の動作に必要なプログラムを記憶する。RAMは、CPUによる作業領域として使用される。CPUは、ROMに記憶されたプログラムをRAMに展開して逐次実行していくことで、車輪トルク演算部9と、変動輪荷重演算部10と、路面μ演算部11と、スリップ率演算部12と、タイヤマップ取得部14と、目標スリップ率演算部15として機能する。即ち、主制御装置8は、実質的に、車輪トルク演算部9と、変動輪荷重演算部10と、路面μ演算部11と、スリップ率演算部12と、タイヤマップ記憶部13と、タイヤマップ取得部14と、目標スリップ率演算部15とを備える。
【0012】
自車には、各車輪に、その車輪を回転させるモータ(即ち、インホイルモータ)が設けられている。さらに、各車輪には、油圧ブレーキが設けられている。
【0013】
図2は、本実施の形態で使用される実座標系や各種の物理量を示す平面図である。flは自車の左前輪のタイヤ、frは自車の右前輪のタイヤ、rlは自車の左後輪のタイヤ、rrは自車の右後輪のタイヤである。本実施の形態で使用される実座標系は、自車の重心を原点とし、路面に平行で、且つ自車の前後方向に伸びる軸をx軸とし、路面に平行で、且つ自車の左右方向に伸びる軸をy軸とする。lfは、前輪の回転軸のx座標を絶対値で表した値であり、lrは、後輪の回転軸のx座標を絶対値で表した値である。dは前輪(または後輪)の回転中心間の距離である。
【0014】
モータトルクセンサ2は、各モータに設けられ、モータに流れる電流iを検出する。モータトルクセンサ2は、モータに流れる電流と、以下の式(4)とに基づいて、モータトルクを算出する。
【0015】
Tm=i*k …(4)
Tm:モータトルク、i:モータに流れる電流、k:トルク係数
ここで、電流iの符号は、加速または定速走行時にモータに流れる方向を正方向とし、減速時にモータに流れる方向を負方向とする。なお、自車は減速時には回生ブレーキも作動させるため、減速時には、加速または低速走行時とは逆方向の電流がモータに流れる。トルク係数は、モータによって定まる定数である。モータトルクセンサ2は、算出されたモータトルクに関する信号を車輪トルク演算部9に出力する。
【0016】
油圧センサ3は、油圧ブレーキ毎に設けられ、油圧センサ3が設けられた油圧ブレーキに作用する油圧を検出し、その結果に関する信号を車輪トルク演算部9に出力する。
【0017】
前後Gセンサ4は、自車の加速度のうち、x軸方向の加速度を検出し、その結果に関する信号を変動輪荷重演算部10に出力する。横Gセンサ5は、自車の加速度のうち、y軸方向の加速度を検出し、その結果に関する信号を変動輪荷重演算部10に出力する。
【0018】
車体速センサ6は、自車の車体速(車輪以外の部分の速度)を検出し、その結果に関する信号をスリップ率演算部12に出力する。車輪速センサ7は、自車の各車輪に設けられ、車輪速センサ7が設けられた車輪の回転速度、即ち自車の車輪速を検出し、その結果に関する信号をスリップ率演算部12に出力する。なお、これらのセンサは、値の算出、検出、及び信号の出力を常時行っている。
【0019】
タイヤマップ記憶部13は、4種類以上のタイヤマップを記憶する。タイヤマップは、路面μとスリップ率との対応関係、即ち各スリップ率における路面μを示す。図3に示す曲線L1〜L5は、それぞれ異なるタイヤマップが示すデータを、横軸をスリップ率、縦軸を路面μとした座標系にプロットしたものである。なお、曲線L1は、ラジアルタイヤと乾燥したコンクリートとの間の路面μを示し、曲線L2は、ラジアルタイヤと乾燥したアスファルトとの間の路面μを示し、曲線L3は、ラジアルタイヤと濡れたアスファルトとの間の路面μを示し、曲線L4は、ラジアルタイヤと柔らかい新雪との間の路面μを示し、曲線L5は、ラジアルタイヤと濡れた氷との間の路面μを示す。なお、スリップ率は、車輪速を車体速で除算した値である。
【0020】
曲線L1〜L5が示すように、路面μとスリップ率との対応関係は、路面状況(例えば、乾燥したアスファルト、濡れたアスファルト、新雪面、濡れた氷上等)に応じて変わりうる。なお、路面μとスリップ率との対応関係は、タイヤの種類(例えば、ラジアルタイヤやスノースパイクタイヤ等)に応じても代わりうる。曲線L1〜L5が示すタイヤマップは、あくまで一例であり、タイヤマップ記憶部13は、曲線L1〜L5が示すタイヤマップの他、様々なタイヤマップを記憶する。これらのタイヤマップは、タイヤの種類及び路面状況の様々な組合せに対して路面μとスリップ率との対応関係を測定することで得られる。
【0021】
次に、車両制御装置1による処理を図4に示すフローチャートに沿って説明する。なお、車両制御装置1は、以下に説明する処理を、車輪毎に行う。ここでは、一例として、左前輪に関する処理を説明する。
【0022】
ステップST1において、車輪トルク演算部9は、左前輪に設けられた油圧センサ3から与えられる信号に基づいて、左前輪の油圧ブレーキが作動したか否かを判定し、左前輪の油圧ブレーキが作動するまで待機する。
【0023】
ステップST2において、車輪トルク演算部9は、ステップST1で待機していた時間(即ち、左前輪の油圧ブレーキが作動していない時間)にモータトルクセンサ2から与えられた信号のうち、最新の信号と、以下の式(5)とに基づいて、左前輪の車輪トルク、即ち左前輪トルクを算出する。
【0024】
Tt=Tm−Im*dω/dt …(5)
Tt:車輪トルク(ここでは、左前輪トルク)、Im:車輪の慣性モーメント(ここでは、左前輪の慣性モーメント)、ω:車輪の角速度(ここでは、左前輪の角速度)
なお、ωの符号は、自車前進時の回転方向を正方向とし、後退時の回転方向を負方向とする。車輪トルク算出手段は、左前輪トルクに関する信号を生成してステップST3に進む。
【0025】
ステップST3において、変動輪荷重演算部10は、前後Gセンサ4及び横Gセンサ5から与えられた信号と、以下の式(6)とに基づいて、左前輪に作用する荷重Fflを算出し、その結果に関する信号を路面μ演算部11に出力する。
【0026】
Ffl=m*g*lr/2/(lf+lr)-m*ax*h/2/(lf*lr)-m*ay*h*lr/d/(lf+lr) …(6)
m:自車の質量、g:重力加速度、h:自車の重心から路面までの距離、ax:自車の前後G
なお、右前輪に作用する荷重Ffrは以下の式(7)で、左後輪に作用する荷重Frlは以下の式(8)で、右後輪に作用する荷重Frrは以下の式(9)で表される。
【0027】
Ffr=m*g*lr/2/(lf+lr)-m*ax*h/2/(lf*lr)+m*ay*h*lr/d/(lf+lr) …(7)
Frl=m*g*lf/2/(lf+lr)+m*ax*h/2/(lf*lr)-m*ay*h*lf/d/(lf+lr) …(8)
Frr=m*g*lf/2/(lf+lr)+m*ax*h/2/(lf*lr)+m*ay*h*lf/d/(lf+lr) …(9)
ステップST4において、路面μ演算部11は、車輪トルク演算部9及び変動輪荷重演算部10から与えられた信号と、以下の式(10)とに基づいて、左前輪の路面μ(即ち、自車の路面μ)を算出する。
【0028】
μ=|Tt/rt|/Fz1 …(10)
Fz1:車輪に作用する荷重、ここでは、左前輪に作用する荷重Ffl、rt:車輪半径
路面μ演算部11は、左前輪の路面μに関する信号を生成して、タイヤマップ取得部14に出力する。
【0029】
ステップST5において、スリップ率演算部12は、車体速センサ6及び左前輪に設けられた車輪速センサ7から与えられた信号に基づいて、左前輪のスリップ率(即ち、自車のスリップ率)を算出し、その結果に関する信号をタイヤマップ取得部14及び制動装置16に出力する。
【0030】
ステップST6において、タイヤマップ取得部14は、路面μ演算部11及びスリップ率演算部12から与えられた信号に基づいて、左前輪に対応する左前輪のタイヤマップ(即ち、自車に対応するタイヤマップ)をタイヤマップ記憶部13から取得する。
【0031】
具体的には、タイヤマップ取得部14は、タイヤマップ記憶部13が記憶する各タイヤマップについて、左前輪のスリップ率に対応する路面μを把握し、把握された路面μと、左前輪の路面μとを比較する。この結果、タイヤマップ取得部14は、左前輪の路面μに最も近い路面μを示すタイヤマップを、左前輪のタイヤマップとして取得する。したがって、左前輪のタイヤマップは、左前輪の路面μと左前輪のスリップ率との対応関係を示すことになる。タイヤマップ取得部14は、左前輪のタイヤマップに関する信号を目標スリップ率演算部15に出力する。
【0032】
ステップST7において、目標スリップ率演算部15は、タイヤマップ取得部14から与えられた信号に基づいて、左前輪の目標スリップ率を設定する。左前輪の目標スリップ率は、左前輪のタイヤマップが示す路面μが極大値となるスリップ率である。目標スリップ率演算部15は、左前輪の目標スリップ率に関する信号を生成し、制動装置16に出力する。その後、車両制御装置1は、本処理を終了する。
【0033】
制動装置16は、スリップ率演算部12及び目標スリップ率演算部15から与えられた信号に基づいて、各輪のスリップ率がその車輪の目標スリップ率に一致するように、アンチロックブレーキ制御を行う。アンチロックブレーキ制御の具体的な内容は、従来と同様であるので、説明を省略する。
【0034】
以上により、車両制御装置1は、式(4)〜(10)を用いて自車の路面μを算出する。ここで、式(4)〜(10)に登場する物理量は、摩擦係数μbよりも、路面の状態を反映した正確な値である。したがって、車両制御装置1は、自車の路面μを、従来の車両制御装置よりも精度良く算出することが出来る。即ち、車両制御装置1は、精度のばらつきのない具体的な1つの値を、自車の路面μとして算出することが出来る。
【0035】
さらに、車両制御装置1は、精度のばらつきのない具体的な1つの値を、自車の路面μとして算出することが出来るので、4種類以上のタイヤマップから、自車に最も適したタイヤマップ(即ち、自車のスリップ率に対応する路面μが自車の路面μに最も近いタイヤマップ)を取得することができる。即ち、車両制御装置1は、従来よりも適切なタイヤマップを選択することができる。これにより、車両制御装置1は、従来の車両制御装置よりも目標スリップ率を精度良く設定することが出来るので、制動装置16は、アンチロックブレーキ制御を従来の車両制御装置よりも精度良く行うことが出来る。具体的には、車両制御装置1が設定する目標スリップ率は、従来の目標スリップ率よりも、実際の自車の路面μが極大値となるスリップ率に近くなるので、制動装置16は、従来の車両制御装置よりも大きな制動力を自車に作用させつつ、アンチロックブレーキ制御を行うことが出来る。
【0036】
さらに、車両制御装置1は、油圧ブレーキが作動していない状態で検出された最新のモータトルクに基づいて、自車の車輪トルクを算出するので、油圧ブレーキが作動していない状態で検出されたモータトルクのうち、最新でないものを用いた場合よりも、車輪トルクを精度良く算出することが出来る。なお、本実施の形態は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能である。例えば、車両制御装置1は、油圧ブレーキの作動中に自車の路面μを検出しても良い。この場合、自車の路面μは、以下の式(11)により算出される。
【0037】
自車の路面μ=((油圧ブレーキトルク)+(モータ回生ブレーキトルク))/(車輪半径)/(変動輪荷重) …(11)
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施の形態に係る車両制御装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施の形態で使用される実座標系を説明する概略平面図である。
【図3】タイヤマップの一例を示す説明図である。
【図4】車両制御装置による処理の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0039】
1…車両制御装置
2…モータトルクセンサ
3…油圧センサ
4…前後Gセンサ
5…横Gセンサ
6…車体速センサ
7…車輪速センサ
8…主制御装置
9…車輪トルク演算部
10…変動輪荷重演算部
11…路面μ演算部
12…スリップ率演算部
13…タイヤマップ記憶部
14…タイヤマップ取得部
15…目標スリップ率演算部
16…制動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車である自車の車輪を回転させるモータのトルクを検出するモータトルク検出手段と、
前記モータのトルクに基づいて、自車の車輪トルクを算出する車輪トルク算出手段と、
自車の車輪に作用する荷重を算出する変動輪荷重算出部と、
前記自車の車輪トルクと前記自車の車輪に作用する荷重とに基づいて、自車の車輪と路面との間の摩擦係数である自車の路面μを算出する路面μ算出手段と、
車輪と路面との間の摩擦係数である路面μと、スリップ率との対応関係を示すタイヤマップを4種類以上記憶するタイヤマップ記憶手段と、
自車のスリップ率を算出するスリップ率算出手段と、
前記自車の路面μと、前記自車のスリップ率とに基づいて、前記タイヤマップ記憶手段が記憶するタイヤマップのうち、自車に最も適したタイヤマップを取得するタイヤマップ取得手段とを備えることを特徴とする車両制御装置。
【請求項2】
自車が備える油圧ブレーキ装置の作動を検出する油圧ブレーキ検出手段を備え、
前記モータトルク検出手段は、前記モータのトルクを繰り返し検出し、
前記車輪トルク算出手段は、前記油圧ブレーキ装置が作動を開始した場合、前記油圧ブレーキが作動していない状態で検出された最新の前記モータのトルクに基づいて、前記自車の車輪トルクを算出することを特徴とする請求項1記載の車両制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−44796(P2009−44796A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−204421(P2007−204421)
【出願日】平成19年8月6日(2007.8.6)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】