説明

車両用スケジュール管理装置

【課題】ユーザーの行動を適切に把握することが可能な車両用スケジュール管理装置を提供すること。
【解決手段】ユーザーによる情報入力が可能な情報入力手段と、自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、施設の位置を含む地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、所定条件を満たす場合に、情報入力手段を用いて施設の利用目的を入力するようにユーザーに要求する入力要求手段と、入力要求手段による入力要求の結果としてユーザーにより前記情報入力手段を用いて入力された施設の利用目的を施設と対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、を備える車両用スケジュール管理装置であって、所定条件は、現在位置取得手段により取得された自車両の現在位置が、地図情報に含まれる施設の位置から所定距離以内となることであることを特徴とする車両用スケジュール管理装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用スケジュール管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、登録されたユーザーの所有する自動車の消耗部品のデータや整備履歴を、送信設備を有する特定の整備店やガソリンスタンドからサービスセンターに送信し、サービスセンターにおいてこれを劣化度の汎用テーブルと照合した結果、点検、整備、又は交換すべき部品がある場合に、ユーザーに部品の点検等の必要がある旨を通知する、自動車の故障予防支援サービス方法についての発明が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】国際公開第03/083742号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の方法では、送信設備を有する特定の整備店やガソリンスタンド以外の場所で整備等が行なわれた場合に、当該整備等の情報を反映させることができない。また、自動車において把握可能なユーザーの行動は、自動車の整備に限られるものではない。
【0004】
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、ユーザーの行動を適切に把握することが可能な車両用スケジュール管理装置を提供することを、主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための本発明の第1の態様は、ユーザーによる情報入力が可能な情報入力手段と、自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、施設の位置を含む地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、所定条件を満たす場合に、情報入力手段を用いて施設の利用目的を入力するようにユーザーに要求する入力要求手段と、入力要求手段による入力要求の結果としてユーザーにより情報入力手段を用いて入力された施設の利用目的を施設と対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、を備える車両用スケジュール管理装置であって、所定条件は、現在位置取得手段により取得された自車両の現在位置が、地図情報に含まれる施設の位置から所定距離以内となることであることを特徴とする車両用スケジュール管理装置である。
【0006】
この本発明の第1の態様によれば、自車両の現在位置が地図情報に含まれる施設の位置から所定距離以内となり、ユーザーがこれから施設を利用すると推察される場面において、施設の利用目的を入力するように要求するから、ユーザーが自らシステムを立ち上げて入力操作を行なう煩わしさを軽減することができ、また、利用目的を漏れなく入力せしめることができる。これにより、ユーザーの行動を適切に把握することができる。
【0007】
本発明の第2の態様は、ユーザーによる情報入力が可能な情報入力手段と、自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、施設の位置を含む地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、ユーザーにより車載ナビゲーション装置における目的地を入力可能な目的地入力手段と、所定条件を満たす場合に、情報入力手段を用いて施設の利用目的を入力するようにユーザーに要求する入力要求手段と、入力要求手段による入力要求の結果としてユーザーにより情報入力手段を用いて入力された施設の利用目的を施設と対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、を備える車両用スケジュール管理装置であって、所定条件は、現在位置取得手段により取得された自車両の現在位置が、目的地入力手段により車載ナビゲーション装置における目的地として入力された施設であって地図情報に含まれる施設の位置から所定距離以内となることであることを特徴とする車両用スケジュール管理装置である。
【0008】
また、本発明の第1又は第2の態様において、自車両の走行駆動機関の駆動状態を検出する走行駆動機関状態検出手段を備え、所定条件は、走行駆動機関状態検出手段により自車両の走行駆動機関の停止が検出されたことを更に含むものとしてもよい。
【0009】
また、本発明の第1又は第2の態様において、入力要求手段による入力要求の際に、地図情報に含まれる施設のうち位置が現在位置取得手段により取得された自車両の現在位置から所定距離以内となった施設に対応する利用目的を地図情報記憶手段から検索してユーザーに提示することを特徴とすると好適である。この場合、施設情報記憶手段は、例えば、施設に対応する利用目的を含む情報を記憶する手段であり、予め記憶された施設に対応する利用目的に関する情報に、情報入力手段を用いて入力された施設の利用目的が付加されて更新されることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の第1又は第2の態様において、施設情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、所定の通知タイミングで施設の利用を促す通知を行なう通知手段を備えることを特徴とすると、より好適である。
【0011】
また、本発明の第1又は第2の態様は、例えば、入力要求手段は、入力要求時において、所定の利用周期をもってなされる施設の利用であるか否かを入力するようにユーザーに要求し、所定の利用周期をもってなされる施設の利用である旨が入力された場合には、所定の利用周期を入力するようにユーザーに要求する手段であり、施設情報記憶手段は、入力要求手段による入力要求の結果としてユーザーにより情報入力手段を用いて入力された所定の利用周期を記憶する手段であり、所定の通知タイミングは、施設情報記憶手段に記憶された所定の利用周期に基づいて決定されることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の第1又は第2の態様は、例えば、施設情報記憶手段に記憶された施設に対応する利用目的から、所定の利用周期をもってなされる施設の利用を抽出する周期的利用目的抽出手段を備え、施設情報記憶手段は、抽出された所定の利用周期を記憶する手段であり、所定の通知タイミングは、施設情報記憶手段に記憶された所定の利用周期に基づいて決定されることを特徴とするものである。
【0013】
なお、本発明の第1又は第2の態様において、地図情報記憶手段と、施設情報記憶手段とは、同一の記憶媒体により実現されてよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ユーザーの行動を適切に把握することが可能な車両用スケジュール管理装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付図面を参照しながら実施例を挙げて説明する。
【実施例】
【0016】
以下、図1〜3を用いて、本発明に係る車両用スケジュール管理装置の一実施例について説明する。図1は、本発明の一実施例に係る車両用スケジュール管理装置1の全体構成の一例を示す図である。車両用スケジュール管理装置1は、既存の車載ナビゲーション装置が備えるハードウエア構成を用いて実現可能である。車両用スケジュール管理装置1は、主要な構成として、GPS(Global Positioning System)受信機10と、マルチディスプレイ20と、音声入出力装置30と、メモリ40と、ナビゲーション装置用ECU(Electronic Control Unit)50と、を備える。なお、以下の説明における車両内の機器間の通信は、CAN(Controller Area Network)等の適切な通信プロトコルを用いて行なわれる。
【0017】
GPS受信機10は、GPS衛星から衛星の軌道と時刻のデータを含む電波信号を受信する。当該受信されたデータはナビゲーション装置用ECU50に送信され、電波信号の時間差に基づく演算により自車両の現在位置(緯度、経度、高度)が取得される。なお、自車両の現在位置は、ナビゲーション装置用ECU50において、車速センサーやジャイロセンサー等の各種センサーの出力や、ビーコン受信機及びFM多重受信機を介して受信される各種情報に基づいて補正されてよい。
【0018】
マルチディスプレイ20は、動画を含む画像表示を行なうと共に、タッチパネルとしてユーザーによる種々の入力操作(経路案内に係る目的地の入力を含む)を可能に構成されたディスプレイ装置である。マルチディスプレイ20は、その表面にユーザーがタッチ操作したことによる電圧の変化を検出して、操作された位置を認識する。また、その画面脇には、操作ボタンが並設されている。マルチディスプレイ20になされた入力操作はナビゲーション装置用ECU50に送信され、マルチディスプレイ20の表示内容はナビゲーション装置用ECU50により決定される。
【0019】
音声入出力装置30は、スピーカー及び音声入力が可能なマイクにより構成される。音声入出力装置30は、一般的な車載ナビゲーション装置の機能としての経路案内に係る音声出力や、本発明に特有の機能としての、施設の利用を促す通知に係る音声出力を行なう。また、音声入出力装置30は、マルチディスプレイ20になされる種々のタッチ操作と同様の入力操作を音声により行なうことが可能であり、特に、自車両の走行に伴って安全のためマルチディスプレイ20へのタッチ操作が禁止された際に、代替入力手段としての役割を果たす。音声入出力装置30になされた音声入力はナビゲーション装置用ECU50に送信され、音声入出力装置30の出力内容はナビゲーション装置用ECU50により決定される。
【0020】
メモリ40は、ハードディスクやDVD,CD−ROM等の読書き可能な記憶媒体である。メモリ40には、地図情報42及び施設情報44が記憶されている。
【0021】
地図情報42は、一般的な車載ナビゲーション装置の地図情報と同様に、座標(緯度及び経度)を有するノード点をリンクで接続した態様で記憶された道路の情報、及び、特定の施設の位置(緯度及び経度)からなる。
【0022】
施設情報44は、上記各施設をラベルとして構成される、利用目的情報44A及び過去の利用情報44Bからなる。利用目的情報44Aは、各施設において実行可能な利用目的の一覧である。過去の利用情報44Bは、ユーザーにより各施設が利用された日付、及び各施設の利用が周期的なものであるか(周期的なものである場合は、その周期;毎週、隔週、毎月、毎年等)についての情報である。図2は、施設情報44のデータ格納例を示す図である。また、施設に付随しない利用目的の一覧(すなわち、あらゆる施設において考え得る利用目的の一覧)も含まれる。
【0023】
なお、過去の利用情報44Bには、その施設を利用する前の車両の走行履歴や他施設の利用状況、すなわち経路情報が含まれてよい。経路情報とは、単に自車両の現在位置の履歴から求められるものであってもよいし、ナビゲーション装置において経由地と最終目的地が指定された場合には、最終目的地に相当する施設と経由地に相当する施設の情報が紐付けられてよい。このように経路情報を施設情報44と紐付けることにより、後述する施設の利用を促す通知を適切に行なうことができる。
【0024】
地図情報42に含まれる施設の情報や、施設情報44は、製品の納入時等に予めメモリ42に記憶されているものとする。また、後述する如くユーザーによる入力により更新されてもよいし、車載インターネット施設等により随時最新のものに更新されてもよい。
【0025】
施設において実行可能な利用目的の一覧は、例えば、施設がディーラー店や自動車整備工場であれば、車検やタイヤ交換、オイル交換、パーツ交換等が考えられる。また、施設が学校であれば、PTA集会や授業参観等が考えられる。
【0026】
周期的な利用とは、オイル交換の如く消耗部品等の耐用期間から凡その周期が割り出されるものがまず考えられるが、こうした部品の交換や修理に関するものに限られず、例えば、上記学校における定期的なPTA集会や、毎月特定の日に行なわれるスーパーの特売、毎週特定の曜日に行なわれるスイミングスクール、毎年特定の日に開催される観光行事(大文字送り火や祇園祭り等)などの利用が考えられる。
【0027】
このように、自動車の整備等に限らず、種々の情報が施設情報44として記憶される。従って、ユーザーの様々な行動を把握した上で、後述する施設の利用を促す通知を適切に行なうことができる。
【0028】
ナビゲーション装置用ECU50は、例えば、CPUを中心としてROMやRAM等がバスを介して相互に接続されたコンピューターユニットであり、その他、入出力インターフェイスやタイマー、カウンター等を備える。ナビゲーション装置用ECU50には、車両のエンジン制御を集中的に行なうエンジンECU60等の車載ECU類が接続されており、エンジンECU60からはエンジンの運転状況(エンジン回転数等)に関する状態信号が定期的に送信されている。
【0029】
ナビゲーション装置用ECU50は、一般的な車載ナビゲーション装置の機能として、マルチディスプレイ20を用いて選択された目的地までの経路案内を行なう。また、ナビゲーション装置用ECU50は、上記ハードウエアを用いて実現される本発明に特徴的な機能ブロックとして、入力要求部52と、通知部54と、を備える。
【0030】
入力要求部52は、所定条件を満たす場合に、マルチディスプレイ20及び/又は音声入出力装置30を用いて施設の利用目的を入力するように、マルチディスプレイ20及び/又は音声入出力装置30を用いてユーザーに要求する。本実施例において上記所定条件は、GPS受信機10から入力されるデータにより取得される自車両の現在位置が目的地として入力された施設の位置から所定距離以内となり、且つ、エンジンECU60から送信される状態信号によりエンジンが停止していると判定されたことである。後者の判定は、例えば、エンジン回転数が所定回転数未満となったことをもってエンジンが停止していると判定すればよい。このような所定条件が成立するのは、目的地として入力した施設に自車両が到達してエンジンが停止され、その後ユーザーが降車して施設を利用すると推察される場面である。そこで、このような場面において、施設の利用目的を入力するようにユーザーに要求することとしている。
【0031】
施設の利用目的の入力は、まず、当該施設に付随する情報として利用目的候補情報44Aに含まれる利用目的が提示され、その後に入力という手順で行なわれる。この際に、提示された利用目的の中に存在しない新規な利用目的を入力することも可能である。また、周期的な利用であるか否か(周期的な利用である場合は、その周期;前述の如く、毎週、隔週、毎月、毎年等)も併せて入力される。図3は、マルチディスプレイ20を用いて入力する場合の、入力操作用画面の初期状態の一例を示す図である。図示する如く、当該画面上では、到達した施設名を表示する施設名表示部分22と、利用目的(の候補)を表示すると共にタッチ操作により利用目的を選択することが可能な利用目的選択スイッチ24と、施設の利用が周期的なものであるか否かを選択するためのYESスイッチ26A及びNOスイッチ26Bとが設けられる。そして、利用目的選択スイッチ24のうち「その他」が選択されると、施設に付随しないあらゆる利用目的の一覧が表示され、その中からユーザーが利用目的を選択できるようになっている。また、YESスイッチ26Aがタッチ操作されると、周期の入力画面に移行し、毎週、隔週、毎月、毎年等の別を入力することができる。
【0032】
また、利用周期の決定は、ユーザーの入力によるものに限られず、例えばオイル交換の場合には自動的に6ヶ月程度に決定してもよいし、毎年同じ日に行なわれる観光行事についても自動的に1年に決定してもよい。こうした判断は、予めメモリ40に判断用データ(利用周期が自動的に決定可能な利用目的の一覧、及び、毎年同じ日に行なわれる観光行事等の一覧等)を記憶しておき、ナビゲーション装置用ECU50において、これを参照することにより行なうことができる。
【0033】
このように、車両用スケジュール管理装置1が所定条件の下で自発的に入力要求をすることにより、ユーザーが自らシステムを立ち上げて入力操作を行なう煩わしさを軽減することができ、また、利用目的を漏れなく入力せしめることができる。
【0034】
入力された利用目的は、日付と共に施設情報44に記憶される。具体的には、新規な利用目的が入力された場合には、これが利用目的情報44Aに追加される。また、周期的な利用である場合には、利用周期が過去の利用情報44Bに追加又は更新される。そして、日付が当該利用目的に対応する前回の利用日として記憶される。
【0035】
通知部54は、各施設について、前回の利用日と利用周期とから次回利用されるべき日を割り出し、その日が近づくと、所定の通知タイミングで利用を促す通知を行なうようにマルチディスプレイ20及び/又は音声入出力装置30を制御する。なお、通知タイミングの具体的な決定方法には特段の制限が無いが、例えば、利用周期との関係で前日から前月程度の間で変動してよい。図2の例に即して説明すると、利用周期が2ヶ月であるPTA集会については1週間前を通知タイミングとし、「来週の*月*日はPTA集会の日です」等の通知を行なう。また、利用周期が1ヶ月であるスーパーの特売については数日前を通知タイミングとし、「3日後の*月*日はスーパーAの特売日です」等の通知を行なう。同様に、利用周期が1週間であれば前日又は2日前程度に、1年であれば前月程度に通知タイミングを定めてよい。
【0036】
所定の通知タイミングは、利用周期に基づいて決定されるものに限らず、施設情報44においてその施設に紐付けられた経路情報に基づいて決定されてもよい。例えば、特定のスイミングスクールを利用した後には特定の店で買い物をすることが施設情報44に記憶されている場合、当該スイミングスクールを利用した後に当該店から所定距離以内となったときに、通知を行なうことが考えられる。
【0037】
また、通知部54は、特に車両整備の場合において、代替可能な施設が施設情報44中に存在する場合は、当該利用目的について利用可能な施設の一覧を表示又は音声出力するものとしてもよい。更に、利用可能な施設は、経路情報に基づいて最適なものから順序付けした上で表示又は音声出力されてもよい。すなわち、単に距離に基づいて順序付けするだけでなく、道路のいずれの側に在るか、間に川等が存在しないか、までを考慮して順序付けする。中央分離帯の存在により向かって右側の施設を利用するのが煩わしい場合等もあるからである。
【0038】
また、この際に、当該目的のために前回利用した施設を通知すると好適である。例えば、「前回は自動車整備工場Aを利用しましたが、今回はどうしますか?利用可能な施設は、‥」等のアナウンスを行なう。
【0039】
このような機能により、周期的な利用について、利用日が近づいたことをユーザーに適切に通知することができる。また、その他の場合においても、経路情報等を考慮することで、複雑なユーザーの行動パターンやスケジュールに応じた情報提供を行なうことができる。
【0040】
以上説明した本実施例の車両用スケジュール管理装置1によれば、ユーザーがこれから施設を利用すると推察される場面において、施設の利用目的を入力するようにユーザーに要求するから、ユーザーが自らシステムを立ち上げて入力操作を行なう煩わしさを軽減することができ、また、利用目的を漏れなく入力せしめることができる。これにより、ユーザーの行動を適切に把握することができる。
【0041】
また、自動車の整備等に限らず、種々の情報が施設情報44として記憶される。従って、ユーザーの様々な行動を把握した上で、周期的な利用については利用日が近づいたことをユーザーに適切に通知することができる。
【0042】
また、車両用スケジュール管理装置1は、既存の車載ナビゲーション装置が備えるハードウエア構成を用いて実現可能であるため、設備負担が過大なものとならない。
【0043】
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0044】
例えば、利用目的の入力を要求するための所定条件は、エンジンが停止したことを含むものとしたが、エンジンが停止したことに代えて、シフト位置がPポジションに移行したことを条件に含んでもよいし、特に電気自動車の場合はモータへの通電の停止を条件に含んでもよい。
【0045】
また、こうしたエンジンやモータ等の走行駆動機関の停止を、利用目的の入力を要求するための所定条件に含まないこととしてもよい。すなわち、GPS受信機10から入力されるデータにより取得される自車両の現在位置が目的地として入力された施設の位置から所定距離以内となった場合に利用目的の入力を要求するのである。こうすれば、入力要求の頻度が高くなり、実際にはユーザーが施設を利用しない場面における不要な入力要求がなされる可能性は否定できないが、実施例のものに比して入力要求を前倒しに行なうことができるという利点がある。
【0046】
また、目的地として入力された施設に限らず、あらゆる施設から所定距離以内となった場合、或いは、あらゆる施設から所定距離以内となり且つ走行駆動機関の停止を検出した場合に、入力要求を行なうこととしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明は、自動車製造業や自動車部品製造業等に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施例に係る車両用スケジュール管理装置1の全体構成の一例を示す図である。
【図2】施設情報44のデータ格納例を示す図である。
【図3】マルチディスプレイ20を用いて入力する場合の、入力操作用画面の初期状態の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 車両用スケジュール管理装置
10 GPS受信機
20 マルチディスプレイ
22 施設名表示部分
24 利用目的選択スイッチ
26A YESスイッチ
26B NOスイッチ
30 音声入出力装置
40 メモリ
42 地図情報
44 施設情報
44A 利用目的情報
44B 過去の利用情報
50 ナビゲーション装置用ECU
52 入力要求部
54 通知部
60 エンジンECU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーによる情報入力が可能な情報入力手段と、
自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
施設の位置を含む地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、
所定条件を満たす場合に、前記情報入力手段を用いて施設の利用目的を入力するようにユーザーに要求する入力要求手段と、
該入力要求手段による入力要求の結果としてユーザーにより前記情報入力手段を用いて入力された施設の利用目的を施設と対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、を備える車両用スケジュール管理装置であって、
前記所定条件は、前記現在位置取得手段により取得された自車両の現在位置が、前記地図情報に含まれる施設の位置から所定距離以内となることであることを特徴とする、
車両用スケジュール管理装置。
【請求項2】
ユーザーによる情報入力が可能な情報入力手段と、
自車両の現在位置を取得する現在位置取得手段と、
施設の位置を含む地図情報が記憶された地図情報記憶手段と、
ユーザーにより車載ナビゲーション装置における目的地を入力可能な目的地入力手段と、
所定条件を満たす場合に、前記情報入力手段を用いて施設の利用目的を入力するようにユーザーに要求する入力要求手段と、
該入力要求手段による入力要求の結果としてユーザーにより前記情報入力手段を用いて入力された施設の利用目的を施設と対応付けて記憶する施設情報記憶手段と、を備える車両用スケジュール管理装置であって、
前記所定条件は、前記現在位置取得手段により取得された自車両の現在位置が、前記目的地入力手段により車載ナビゲーション装置における目的地として入力された施設であって前記地図情報に含まれる施設の位置から所定距離以内となることであることを特徴とする、
車両用スケジュール管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の車両用スケジュール管理装置であって、
自車両の走行駆動機関の駆動状態を検出する走行駆動機関状態検出手段を備え、
前記所定条件は、前記走行駆動機関状態検出手段により自車両の走行駆動機関の停止が検出されたことを更に含む、車両用スケジュール管理装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用スケジュール管理装置であって、
前記入力要求手段による入力要求の際に、前記地図情報に含まれる施設のうち位置が前記現在位置取得手段により取得された自車両の現在位置から所定距離以内となった施設に対応する利用目的を前記地図情報記憶手段から検索してユーザーに提示することを特徴とする、車両用スケジュール管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車両用スケジュール管理装置であって、
前記施設情報記憶手段は、施設に対応する利用目的を含む情報を記憶する手段であり、予め記憶された施設に対応する利用目的に関する情報に、前記情報入力手段を用いて入力された施設の利用目的が付加されて更新されることを特徴とする、車両用スケジュール管理装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかに記載の車両用スケジュール管理装置であって、
前記施設情報記憶手段に記憶された情報に基づいて、所定の通知タイミングで施設の利用を促す通知を行なう通知手段を備えることを特徴とする、
車両用スケジュール管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の車両用スケジュール管理装置であって、
前記入力要求手段は、入力要求時において、所定の利用周期をもってなされる施設の利用であるか否かを入力するようにユーザーに要求し、所定の利用周期をもってなされる施設の利用である旨が入力された場合には、該所定の利用周期を入力するようにユーザーに要求する手段であり、
前記施設情報記憶手段は、該入力要求手段による入力要求の結果としてユーザーにより前記情報入力手段を用いて入力された所定の利用周期を記憶する手段であり、
前記所定の通知タイミングは、該施設情報記憶手段に記憶された所定の利用周期に基づいて決定されることを特徴とする、車両用スケジュール管理装置。
【請求項8】
請求項6又は7に記載の車両用スケジュール管理装置であって、
前記施設情報記憶手段に記憶された施設に対応する利用目的から、所定の利用周期をもってなされる施設の利用を抽出する周期的利用目的抽出手段を備え、
前記施設情報記憶手段は、該抽出された所定の利用周期を記憶する手段であり、
前記所定の通知タイミングは、該施設情報記憶手段に記憶された所定の利用周期に基づいて決定されることを特徴とする、車両用スケジュール管理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−40754(P2008−40754A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−213617(P2006−213617)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】