説明

車両用情報処理装置

【課題】 運転者による入力操作をより確実に拒否し、助手席側や後部座席の乗員による入力操作をより確実に受け付ける。
【解決手段】
車両の走行中において、運転者は両手をハンドルから離すことはないということを前提とし、特定の入力操作に対して、両手を使用しないと入力操作ができない構成とする。具体的には、特定の入力操作を行う操作キーが配置されている装置(例えば、リモコン装置や、モニタ装置)と同一装置内(例えば、同一の筐体内)に、入力操作キーとは別に、入力操作をする手と反対側の手の確認を行うための確認スイッチ部(ボタンやセンサ)を配置する。そして、例えば左手でリモコンの確認スイッチを押している場合にのみ、右手による入力操作を有効にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報処理装置に係り、例えば、車両に搭載されたナビゲーションやオーディオ等の入力操作の受付及び拒否に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置に代表される車両用情報処理装置が車両に搭載されるようになっている。
このような車両用情報処理装置では、車両が走行中であると判断されると、複雑な操作に対して設定操作制限がかかるようになっている。
例えば、ナビゲーション装置の場合、車両走行中は、目的地を新たに設定する等のキー入力が禁止されて、入力操作を受け付けないようになっている。
【0003】
これに対して、運転者による操作に対して入力操作を制限し、助手席や後部座席の乗員による操作については受け付けるようにした技術が特許文献1や特許文献2で提案されている。
特許文献1では、リモコンの受光部に受光方向を判断する手段を設け、運転席側から受光したか、助手席側から受光したかを判断して、運転席側から操作した場合は操作の受付を禁止し、助手席側から受光した場合は操作を許可するようにしている。
また、特許文献2では、運転者が操作できない位置、例えば、助手席のドア側のダッシュパネル上部に別途スイッチを設け、そのスイッチが押された時に限り、車両の走行中においてもスイッチの操作を受け付けるようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−248466
【特許文献2】特開平 5−164565
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし上記特許文献1記載技術では、運転者が助手席側に手をのばしてリモコンを操作することが可能である。これに対して、助手席側の指向性を強くすると、助手席側での操作もリモコンの位置によっては操作が受け付けられなくなる可能性がある。
一方、特許文献2記載技術では、助手席の乗員がドア側のスイッチを押し、運転者が入力操作を行うというように、助手席乗員と運転者とが分担することで、運転者による入力が可能になる。
【0006】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、車両用情報処理装置に対する入力操作に関し、運転者による入力操作をより確実に拒否し、助手席側や後部座席の乗員による入力操作をより確実に受け付けることが可能な車両用情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載した発明では、入力装置本体と、前記入力装置本体に配置された1又は複数の操作キーと、前記操作キーとは別に独立して前記入力装置本体に配置された確認スイッチと、前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーの受付を拒否し、前記確認スイッチがオン状態で操作された操作キーを受け付けて該操作キーに対応する処理を行う制御部と、を車両用情報処理装置に具備させて前記目的を達成する。
請求項2に記載した発明では、リモートコントローラ本体と、このリモートコントローラ本体から送信される信号に対応した処理を行う制御部とを備え、前記リモートコントローラは、1又は複数の操作キーと、前記操作キーとは別に独立して配置された確認スイッチと、前記確認スイッチのオン状態と、入力操作された操作キーとに対応する信号を送信する送信手段とを備え、前記制御部は、記送信手段から送信される、前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーに対応する信号の受付を拒否し、前記確認スイッチがオン状態で操作された操作キーに対応する信号を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う、ことで前記目的を達成する。
請求項3に記載した発明では、請求項1又は請求項2に記載の車両用情報処理装置において、前記制御部は、特定処理に対応する操作キーである場合に、前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーに対応する信号の受付を拒否し、特定処理に対応しない操作キーである場合には該操作キーに対応する処理を行う、ことを特徴とする。
請求項4に記載した発明では、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両用情報処理装置において、前記確認スイッチは複数配置され、少なくとも2つ以上が押下されている場合に、確認スイッチのオン状態となることを特徴とする。
請求項5に記載した発明では、リモートコントローラ本体と、このリモートコントローラ本体から送信される信号に対応した処理を行う制御部とを備え、前記リモートコントローラは、1又は複数の操作キーと、前記操作キーとは別に独立して配置された確認スイッチと、前記確認スイッチのオン状態と、入力操作された操作キーとに対応する信号を送信する送信手段とを備え、前記制御部は、車両が走行中であると判断した場合に、記送信手段から送信される、前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーに対応する信号の受付を拒否し、前記確認スイッチがオン状態で操作された操作キーに対応する信号を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う、ことで前記目的を達成する。
請求項6に記載した発明では、請求項5に記載の車両用情報処理装置において、前記制御部は、車両が走行中でないと判断した場合に、操作された全ての操作キーに対応する信号を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、操作キーが配置された本体と同一の本体に、操作キーとは別個独立して確認スイッチを配置し、確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーの受付を拒否し、確認スイッチがオン状態で操作された操作キーを受け付けて該操作キーに対応する処理を行うようにしたので、操作キーが受け付けられるためには両手での操作が必要になるため、運転者による入力操作をより確実に拒否し、助手席側や後部座席の乗員による入力操作をより確実に受け付けることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の車両用情報処理装置について、ナビゲーション装置に適用した場合の好適な実施形態について、図1から図6を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、車両の走行中において、運転者は両手をハンドルから離すことはないということを前提として、特定の入力操作に対して、両手を使用しないと入力操作ができない構成としている。すなわち両手の使用が検出された場合には運転者以外の乗員の操作と判断できるので入力操作を有効にする構成になっている。
具体的には、特定の入力操作を行う操作キーが配置されている装置(例えば、リモコン装置や、モニタ装置)と同一装置内(例えば、同一の筐体内)に、入力操作キーとは別に、操入力操作をする手と反対側の手の確認を行うための確認スイッチ部(ボタンやセンサ)を配置する。
そして、例えば左手でリモコンの確認スイッチを押している場合にのみ、右手による入力操作を有効にする。
【0010】
このような構成とすることで、リモコンやモニタ装置等を片手では操作できないため、特定の入力操作について運転者による走行中の操作ができなくなると共に、両手を使用することが可能な助手席や後部座席の乗員による操作が可能となる。
【0011】
(2)実施形態の詳細
図1は、ナビゲーション装置の構成を表したものである。
図1に示されるように、ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置全体を制御するナビゲーション制御部10と、ナビゲーション制御部10に対して入力手段として機能し各種操作の入力を行うリモコン(リモートコントローラ20)を備えている。
このナビゲーション制御部10には、表示装置11、スピーカ12、現在位置検出部13、記憶部14、停止状態検出部15が接続されている。
【0012】
ナビゲーション制御部10は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムで構成されており、RAMを所定の作業領域としてROMや記憶部14に格納された各種プログラムを実効することで、本実施形態における操作受付処理を含め、目的地設定、経路探索、経路案内、各種情報の提供等の各種機能を実現するようになっている。
【0013】
表示装置11は、液晶ディスプレイ11aを備えており、この液晶ディスプレイ11aには、経路案内に必要な目的地設定用の画面を表示したり、走行中の現在位置を地図と共に表示したり、さらに経路案内において車両の走行すべき経路を表示したりするようになっている。
なお、本実施形態の表示装置11としては液晶ディスプレイ11aが使用されるが、他にCRTやプラズマディスプレイ等を使用するようにしてもよい。
【0014】
液晶ディスプレイ11aには、また、表示画面の内容に応じてユーザが操作し得る操作キーが表示される。例えば、現在地周辺の地図を表示している画面において、目的地設定を選択するための目的地設定キー、表示している地図の縮尺を変更するためのキー、オーディオの操作を選択するキー等の各種操作キーが表示される。
なお、これらの操作キーは、液晶ディスプレイ11aの外側の外側パネル部11bに常設された専用操作キーとして配置するようにしてもよい。
【0015】
表示装置11は、液晶ディスプレイ11aの表面にタッチパネルが配置されており、液晶ディスプレイ11aに表示された各種操作キーに対応する表示部位を押圧(タッチ)することで当該部位に対応した操作キーが選択されるようになっている。
また、例えば、目的地を設定する所定の操作において、表示された地図上の地点を押圧することで、押圧点に対応する地図上の地点が選択されるようになっている。
【0016】
表示装置11の外側パネル部11bには、リモコン受光部11cが配置されている。
リモコン受光部11cは、リモコン20から送信される情報の受信手段として機能する。
本実施形態におけるリモコン20は、赤外線リモコンが採用されており、赤外線によるシリアル通信により入力された操作内容に対応する信号が送信され、リモコン受光部11cでこれを受光してナビゲーション制御部10で受信内容が解析されるようになっている。
【0017】
なお、リモコン20の通信方式としては、赤外線に限られるものではなく、ブルートゥース等の他の無線通信方式により構成するようにしてもよい。
その場合、リモコン受光部11cに代えて、リモコン20の通信方式に対応したリモコン受信部が外側パネル部11bに配置され、対応した受信情報の解析がナビゲーション制御部10で行われるように構成される。
【0018】
スピーカ12は、図示しない音声プロセッサが接続され、ナビゲーション制御部10による制御のもと各種音声を出力するようになっている。
スピーカ12からは、例えば、「この道300m先を右方向です」といった経路案内用の音声や、液晶ディスプレイ11aに表示された各種画面操作方法についての操作案内音声等が出力されるようになっている。
なお、スピーカ12は、車両に配置されているオーディオ用のスピーカを兼用するようにしてもよい。
【0019】
現在位置検出部13は、ナビゲーション装置を搭載している車両の現在位置(例えば、緯度、経度による絶対位置)を検出する。検出した現在位置は、例えば、経路案内において道路データとのマッチング等に使用され、液晶ディスプレイ11aに表示された地図上に車両の現在位置として表示される。
現在位置検出部13としては、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)、車速センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、舵角センサ、距離センサ等の1又は複数を備えている。
【0020】
記憶部14は、プログラム記憶部14aとデータ記憶部14bを備えている。
プログラム記憶部14aには、本実施形態における操作受付プログラムの他、経路案内を行うための各種プログラムとして目的地設定プログラム、経路探索プログラム、経路案内プログラム、その他各種プログラムが格納されている。
データ記憶部14bには、ナビゲーション処理に必要な各種データとして、地図データ、道路データ、操作受付プログラムで使用される走行中禁止操作テーブル等の各種データが格納されている。
【0021】
走行中禁止操作テーブルには、本実施形態の操作受付プログラムにおいて、走行中には受付が禁止される操作(操作に対応する識別データ)が格納されている。
走行中の受付が禁止される操作としては、例えば、目的地設定(住所入力など複数の階層順に項目を選択する場合、電話番号入力など)、ナビゲーションの案内表示方法の設定変更などがある。
一方、走行中でも操作禁止としない操作で、走行中禁止操作テーブルには規定されていない操作として、例えば、縮尺の切り替え、ワンタッチで目的地設定できる操作(登録済みの自宅へ帰るなど)、などがある。
【0022】
停止状態検出部15は、車両が停止状態であるか否かをナビゲーション制御部10で判断するための状態を検出する。
本実施形態での停止状態検出部15は、車速センサを備え、車速がナビゲーション制御部10に供給される。ナビゲーション制御部10では車速V=0の場合にナビゲーション停止状態であると判断するようになっている。
なお、ナビゲーション制御部10は、車速V>所定車速v1(例えば、5km/h)である場合に停止状態と判断するようにしてもよい。
また、停止状態検出部15は、シフトレバー位置を検出し、又はサイドブレーキのオン、オフを検出してナビゲーション制御部10に供給するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション制御部10は、シフトレバー位置がパーキングP位置である場合、サイドブレーキがオンである場合に停止状態と判断する。
なお、停止状態検出部15の車速センサは、現在位置検出部13の車速センサと兼用するようにしてもよい。
【0023】
次にこのようなナビゲーション装置において使用されるリモコン20の構成を説明する。
図2は、リモコン20の外観構成を表したものである。
リモコン20は、図2に示されるように、送信部21と、カーソル移動キー22、縮尺選択キー23、その他の操作キー24、及び確認ボタン30を備えている。
【0024】
送信部21からは、赤外線により操作内容等の各種操作信号が送信される。
カーソル移動キー22は、液晶ディスプレイ11aに表示されている操作キーのなかから、仮選択状態(未決定状態)にあるキーの位置を上下、左右に変更するためのキーである。カーソル移動キー22の上下、左右に表示された三角マーク位置に対応した位置が押されると、その位置に対応した方向にキーの仮選択状態の変更を指示する操作信号が出力されるようになっている。また、カーソル移動キー22の中心部の円マーク部が決定キーに対応しており、ここが押されると仮選択状態にあるキーに対する決定を指示する操作信号が出力されるようになっている。
【0025】
縮尺選択キー23は、液晶ディスプレイ11aに表示されている地図の縮尺変更を指示するためのキーである。
縮尺選択キー23は、現在表示されている地図に対して、広域キーが押下されると1段階大きな縮尺率の地図の表示を指示する操作信号が出力され、詳細キーが押下されると1段階小さな縮尺率の地図の表示を指示する操作信号が出力される。
【0026】
その他の操作キー24には、例えば、音声の大きさを変更するための音声キー等がある。
【0027】
確認ボタン30は、操作キー22〜24を操作する手と反対側の手でリモコン20を保持していることを確認するためのボタンである。
この確認ボタン30は、操作キー22〜24が配置されたリモコンと同一の筐体に配置されているので、2名の者が確認ボタン30の押下と操作キーの操作とを分担して行うことはまず考えられず、1名が操作していると判断することができる。
また、確認ボタン30は、リモコンの操作キー22〜24が配置されている操作面に配置され、上から押下することでオン状態になる構造になっている。このように、リモコンを持った手で確認ボタン30を押下している間は、操作キー22〜24を操作しにくい構造となっている。
このため、確認ボタン30の押下と、操作キーの操作とが同時に行われている場合には、それぞれ異なる手で行われている、すなわち両手が使用されていると判断することができる。
【0028】
なお、本実施形態では確認ボタン30を1つ操作面に配置したが、確認ボタン30の配置位置に対応する裏面(操作面の反対側)に第2の確認ボタン30bを配置するようにしてもよい。
これにより、操作者はリモコン20を親指と他の指の2指でリモコン20を摘むような状態で確認ボタン30、30bを押下しながらリモコン20を保持することになるので、操作キー22〜24を、より確実に他方の手で操作させるようにすることができる。
【0029】
このように構成されたリモコン20では、操作キー22〜24に対応した操作信号が送信部21から送信される。
また、確認ボタン30が押下された状態で操作キー22〜24のいずれかが操作された場合、操作キー22〜24に対応した操作信号と共に確認ボタン30が同時に押下されていることを示す操作信号も送信される。
【0030】
なお、操作キー22〜24に対応した操作信号としては、操作キー単独で操作された場合と、確認ボタン30の押下と共に操作された場合とで異なる操作信号を送信するようにしてもよい。
この方式は図4、5で後述する他のリモコン20を採用した場合も同様である。
【0031】
本実施形態のナビゲーション装置では、このようなリモコン20から送信される操作信号をリモコン受光部11cで受光し、ナビゲーション制御部10でリモコン20の操作を受け付けるか否かが判断される。
図3は、操作受付プログラムによる操作受付処理の動作を表したフローチャートである。
【0032】
ナビゲーション制御部10は、リモコン受光部11cで操作信号を受光したか否かを監視している(ステップ10)。
操作信号を受信すると(ステップ10;Y)、ナビゲーション制御部10は、停止状態検出部15で検出される車速から車両が走行中か否かを判断する(ステップ20)。
本実施形態においてナビゲーション制御部10は、車両が走行中か否かの判断は、車速V>0である場合に走行中であると判断し、車速V=0の場合に車両が停止中であると判断する。
【0033】
なお、本実施形態では、ステップ20において車両が停止中か否かを判断するが、車速Vが所定値V1(例えば、5km/h)より大きいか否かを判断するようにしてもよい。
すなわち、車速がV>V1の場合ステップ30に移行し、車速V≦V1の微速である場合にステップ31に移行するようにしてもよい。
【0034】
車両が停止中である場合、すなわち車両が走行中で無い場合(ステップ20;N)、運転者による操作を含めて全ての操作を可能にするため、ナビゲーション制御部10は、リモコン20から送信した操作信号に対応する入力操作を受付けて(ステップ31)、メインルーチンにリターンする。
【0035】
一方、車両が走行中である場合(ステップ20;Y)、ナビゲーション制御部10は、受信した操作信号から、リモコン20が両手で操作されているか否かを判断する(ステップ30)。
両手で操作されているか否かについては、送信される操作信号に、確認ボタン30が同時に押下されていることを示す信号が含まれているか判断し、含まれている場合に両手で操作されていると判断する。
【0036】
なお、上述したように、リモコン20の各操作キー22〜24単独の操作と、確認ボタン30の押下と共に操作された場合とで異なる操作信号が送信される場合、ナビゲーション制御部10は、後者の操作信号か否かが判断され、後者であればステップ31に移行し、前者であればステップ32に移行するようにする。
【0037】
リモコン20が両手で操作されていると判断できる場合(ステップ30;Y)、運転者以外の乗員による操作であると判断できるので、ナビゲーション制御部10は、ステップ31に移行して入力操作を受け付ける。
【0038】
一方、リモコン20が両手で操作されていると判断できない場合(ステップ30;N)、運転者による操作の可能性があるので、ナビゲーション制御部10は、走行中における運転者の操作が禁止されている操作か否かを判断する(ステップ32)。
すなわち、ナビゲーション制御部10は、受信した操作信号に対応する操作がデータ記憶部14bの走行中禁止操作テーブルに格納されている場合に禁止されている操作であると判断する。
【0039】
ナビゲーション制御部10は、走行中禁止操作でなければ(ステップ32;N)ステップ31に移行して入力操作を受付ける。
一方、走行中禁止操作であれば(ステップ32;Y)、ナビゲーション制御部10は、
リモコン20からの受信した操作信号を廃棄して、入力操作の受付を禁止して(ステップ33)、メインルーチンにリターンする。
【0040】
ステップ31においてリモコン20の入力を受け付けた場合、ナビゲーション制御部10は、受け付けた操作信号(受信した操作信号)に対応する処理を実行する。
例えば、現在実行中の処理が目的地の設定処理であれば、初期画面から最終的な目的地の決定までの各種処理状態や液晶ディスプレイ11aの表示状態に応じて、表示内容を変更したり、次の処理に移行したりする。
【0041】
なお、図3に示した操作受付処理では、リモコンが両手で操作されているか否かの判断(ステップ30)の後に走行中禁止操作か否かの判断(ステップ32)を行うようにしたが、その逆でもよい。
すなわち、ナビゲーション制御部10は、走行中禁止操作であり、かつ、リモコンが両手で操作されたていない場合に、リモコンからの入力を受付禁止にし、それ以外の場合には入力を受け付けるようになっていれば、判断の順は問わない。
【0042】
次に、リモコン20における他の実施形態について説明する。
図4は、リモコン20に配置される他の確認スイッチについて表したものである。
図4(a)に示した例では、リモコン20の側面部両側に確認ボタン31aと31bを配置したものである。
なお、操作キー22〜24の配置は図2に示したリモコン20と同じである(他のリモコンも同じ)。
このリモコン20によれば、両側の確認ボタン31a、31bの両方が押されている場合に、片方の手でリモコン20を握るような状態で保持されていると判断できるので、確認ボタン31が押下されていることを示す操作信号が送信される。
【0043】
図4(b)に示したリモコン20では、確認ボタン30、31に代えて、リモコンの側面部両側に確認センサ32a、32bを配置したものである。
確認センサ32a、32bとしては、赤外線センサ、温度センサ、タッチセンサ等の手が接触していることを検出する各種センサを採用することができる。この確認センサでは、ユーザの手が接触(タッチ)している場合に、確認センサの押下が検出される(本件出願において同じ)。
この図4(b)のリモコン20も図4(a)と同様に、リモコン20の両側面部に同時に手が接触している場合に、片手でリモコン20を握った状態で保持していると判断できる。
そこで、両確認センサ32a、32bの接触が検出されると、リモコン20からは、確認センサ32が押下されていることを示す操作信号が送信される。
【0044】
なお、図2で説明したリモコン20の確認ボタン30や、リモコンの表裏両面に配置された確認ボタン30、30b(図2の変形例として説明)に代えて、確認センサを配置するようにしてもよい。
【0045】
図5は、リモコン20のさらに他の実施形態について表したものである。
この図5に示される各リモコン20では、操作キー22〜24が配置されたリモコン本体に把持部40が配設され、この把持部40に確認スイッチが配設されている。
図5に示した確認スイッチ34〜36は、図2で説明したボタンでもよく、図4(b)で説明したセンサでもよい。
【0046】
図5(a)に示したリモコン20は、リモコン本体の長手方向に伸びる把持部40aが配設されている。
図5(b)、(c)のリモコン20では、確認スイッチ40b、cが配設された所定長さの把持部と、この把持部を手の指が入る所定間隔を開けてリモコン本体に固定する固定部から構成されている。
図5(b)のリモコン20の場合には、2つの固定部が把持部の両端でリモコン本体に固定するようになっている。
図5(c)のリモコン20の場合には、1つの固定部が把持部の長手方向ほぼ中央でリモコン本体に固定するようになっている。
【0047】
なお、1つの固定部を把持部のいずれかの端部、または端部から所定距離中心よりの位置でリモコンに固定するようにしてもよい。
また、把持部に配設する確認スイッチ40は、1つだけでなく、平行な2つの面(裏、表、又は左右)に1つずつ(合計2つ)を配置するようにしてもよい。
さらに、把持部をリモコン20の背面(操作キーの配置面の反対側の面)に、所定間隔を開けて固定部で固定するようにしてもよい。
【0048】
図6は、他の実施形態である表示装置16を表したものである。
図6に示されるように、表示装置16には、確認スイッチ50が配置されている。この確認スイッチ50も、図2で説明したボタン、図4(b)で説明したセンサのいずれでもよい。
確認スイッチ50は、液晶ディスプレイ11aに表示される操作キー51〜53からできるだけ離れた位置に配置することが好ましく、本実施形態では、図6に示されるように、液晶ディスプレイ11aの外側パネル部11bの所定箇所、例えば、左上部に配置される。
【0049】
そして、本実施形態では、液晶ディスプレイ11aに表示される各種操作キー51〜53のうち、走行中禁止操作に対応する操作キーは、操作キー52又は53、好ましくは操作キー52の位置に配置する。
【0050】
なお、この実施形態においても確認スイッチ50を表示装置11の側面に配置するようにしたり、また、2つ配置することで、両手による操作が一層保証されることになる。
また、表示装置11の左面下側と下面左側の2カ所に確認スイッチを配置することで、更に両手による操作を保証することができる。
【0051】
本実施形態のように、表示装置11に確認スイッチ50を配置した場合、ナビゲーション制御部10による操作受付処理(図3)は、以下のように変更される。
すなわち、ステップ10では表示装置11から入力操作がされたか否かが判断される。
ステップ30では、表示装置11は両手を使用して操作されているか否か、すなわち、確認スイッチ50が押下された状態で各種操作キーが操作されたか否かについて判断される。
そして、ステップ31では表示装置11からの入力を受付、ステップ33では表示装置からの入力が禁止される。
【0052】
以上説明したように、本実施形態のナビゲーション装置によれば、操作キーが配置されたリモコン20や表示装置11に確認キーを配置したので、走行中禁止操作に対応する操作キーの操作を有効にするためには、必ず両手を使用する必要がある。
このため、走行中禁止操作の運転者による入力操作をより確実に拒否することが可能になる。
【0053】
以上、本発明の車両用情報処理装置をナビゲーション装置に適用した場合の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、車両用情報処理装置をナビゲーション装置に適用したが、車両用インターネット装置、電子メール装置、テレビ電話、ファクシミリ装置等に適用するようにしてもよい。
例えば、ラジオ受信装置に適用した場合、放送局の登録操作(周波数の選択と登録処理等)を走行中禁止操作とすることができる。
【0054】
また、説明した実施形態では、走行中禁止操作とそれ以外の操作とを区別したが、両者を区別せずに、走行中において両手を使用していないと判断される操作(ステップ30;Nの場合)は全て入力操作を禁止するようにしてもよい。
【0055】
また、説明した実施形態では、2つの確認スイッチ(ボタン、センサ)を配置する場合について説明したが、3つ以上の確認スイッチを配置するようにしてもよい。
この場合、少なくとも2つ以上が押下されている場合に確認スイッチをオン状態とする。
また、全てが押下されている場合にのみ確認スイッチのオン状態とするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図2】ナビゲーション装置で使用されるリモコンの外観構成図である。
【図3】操作受付プログラムによる操作受付処理の動作を表したフローチャートである。
【図4】リモコンに配置される他の確認スイッチについて表した説明図である。
【図5】リモコンのさらに他の実施形態について表したものである。
【図6】他の実施形態である表示装置の外観構成図である。
【符号の説明】
【0057】
10 ナビゲーション制御部
11 表示装置
11a 液晶ディスプレイ
11b 外側パネル部
11c リモコン受光部
12 スピーカ
13 現在位置検出部
14 記憶部
14a プログラム記憶部
14b データ記憶部
15 停止状態検出部
20 リモコン
21 送信部
22 カーソル移動キー
23 縮尺選択キー
24 その他の操作キー
30 確認ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置本体と、
前記入力装置本体に配置された1又は複数の操作キーと、
前記操作キーとは別に独立して前記入力装置本体に配置された確認スイッチと、
前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーの受付を拒否し、前記確認スイッチがオン状態で操作された操作キーを受け付けて該操作キーに対応する処理を行う制御部と、
を具備したことを特徴とする車両用情報処理装置。
【請求項2】
リモートコントローラ本体と、このリモートコントローラ本体から送信される信号に対応した処理を行う制御部とを備え、
前記リモートコントローラは、
1又は複数の操作キーと、
前記操作キーとは別に独立して配置された確認スイッチと、
前記確認スイッチのオン状態と、入力操作された操作キーとに対応する信号を送信する送信手段とを備え、
前記制御部は、
記送信手段から送信される、前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーに対応する信号の受付を拒否し、前記確認スイッチがオン状態で操作された操作キーに対応する信号を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う、
ことを特徴とする車両用情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、特定処理に対応する操作キーである場合に、前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーに対応する信号の受付を拒否し、特定処理に対応しない操作キーである場合には該操作キーに対応する処理を行う、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用情報処理装置。
【請求項4】
前記確認スイッチは複数配置され、少なくとも2つ以上が押下されている場合に、確認スイッチのオン状態となることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載の車両用情報処理装置。
【請求項5】
リモートコントローラ本体と、このリモートコントローラ本体から送信される信号に対応した処理を行う制御部とを備え、
前記リモートコントローラは、
1又は複数の操作キーと、
前記操作キーとは別に独立して配置された確認スイッチと、
前記確認スイッチのオン状態と、入力操作された操作キーとに対応する信号を送信する送信手段とを備え、
前記制御部は、
車両が走行中であると判断した場合に、
記送信手段から送信される、前記確認スイッチがオフ状態で操作された操作キーに対応する信号の受付を拒否し、前記確認スイッチがオン状態で操作された操作キーに対応する信号を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う、
ことを特徴とする車両用情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、車両が走行中でないと判断した場合に、操作された全ての操作キーに対応する信号を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う、
ことを特徴とする請求項5に記載の車両用情報処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−46905(P2007−46905A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228325(P2005−228325)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】