説明

車両用情報提示装置

【課題】車両が目的位置に到達するにあたり、到達までの時間を短縮することが可能な車両用情報提示装置を提供する。
【解決手段】車両用情報提示装置1は、車内の表示部60により画像を提示するものであって、自車両の位置を検出すると共に、目的位置を設定し、且つ、検出した自車両の位置から、設定した目的位置に到達するための最適経路を算出するナビゲーション装置20と、ナビゲーション装置20により算出された最適経路に対する自車両のズレ方向を算出すると共に、表示部60に表示させる画像を、算出したズレ方向とは逆方向に回転させる表示制御部50とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用情報提示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車にあたり、車両を移動させるのに必要なスペースがあるか否かを運転者に容易に確認させる駐車支援装置が知られている。この駐車支援装置によれば、車両が駐車するにあたり車両内の表示手段に側方スペース線を表示する。この側方スペース線は、車両が旋回して駐車するのに必要な横幅を示しており、運転者は、駐車時に側方スペース線に描かれる領域に障害物等が存在しなければ、駐車できると判断できることとなる(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−203365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、駐車支援装置には駐車に至る最適経路を表示するものもある。しかし、特許文献1の駐車支援装置のように、線などによって最適経路を表示してしまうと、運転者は最適経路上を通過しなければならないと思い、切り返し操舵などが増えて駐車までの時間が長くなってしまう可能性があった。なお、この問題は駐車に限らず、車両が現在位置から特定の目的位置にまで到達する場合において共通する問題である。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、車両が目的位置に到達するにあたり、到達までの時間を短縮することが可能な車両用情報提示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の車両用情報提示装置は、車内の表示手段により画像を提示する車両用情報提示装置であって、自車両の位置を検出する車両位置検出手段と、目的位置を設定する目的位置設定手段と、前記車両位置検出手段により検出された自車両の位置から、前記目的位置設定手段により設定された目的位置に到達するための最適経路を算出する最適経路算出手段と、前記最適経路算出手段により算出された最適経路に対する自車両のズレ方向を算出するズレ方向算出手段と、前記表示手段に表示させる画像を、前記ズレ方向算出手段により算出されたズレ方向とは逆方向に回転させる表示制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、最適経路に対する自車両のズレ方向を算出し、表示させる画像を、算出されたズレ方向とは逆方向に回転させるため、運転者は、表示画像の回転方向によりズレ方向を認識できることとなり、ハンドル操作をすることができる。しかも、表示画像はズレ方向とは逆方向に回転するため、運転者は回転した方向にハンドルを切れば、最適経路に近づけるように運転できることとなる。特に、本発明では、最適経路を線などによって表示していないことから、運転者は最適経路上を通過しようと切り返し等を頻繁に行う可能性も少なくなる。従って、車両が目的位置に到達するにあたり、到達までの時間を短縮すること可能な車両用情報提示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態の車両用情報提示装置を示すブロック図であり、(a)は車両上面の外観を示し、(b)は車両内部等を示している。
【図2】本実施形態に係る車両用情報提示装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】最適経路と限界経路とを示す図である。
【図4】年齢による時間及び速度による係数を示すグラフであり、(a)は年齢による時間を示し、(b)は速度による係数を示している。
【図5】目的位置までの距離Distに応じた係数を示すグラフである。
【図6】表示部による表示状態を示す図であり、(a)は画像が貼り付けられる曲面を示し、(b)はコントロールカーブを示している。
【図7】表示画像例を示す図であり、(a)は画像を回転させなかった場合の例を示し、(b)は本実施形態による車両用情報提示装置により画像を回転させた場合の例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態の車両用情報提示装置を示すブロック図であり、(a)は車両上面の外観を示し、(b)は車両内部等を示している。図1(a)に示すように、車両用情報提示装置は、後方撮像カメラ10を有している。後方撮像カメラ10は車両後方の所定範囲(後方180°)を撮像可能となっている。
【0010】
また、図1(b)に示すように、車両用情報提示装置は、ナビゲーション装置20と、車速センサ30と、情報提供部40と、表示制御部50と、表示部60とを備えている。なお、図1(b)においては、接続関係を明確とするために後方撮像カメラ10についても図示している。
【0011】
ナビゲーション装置20は、自車両を目的地まで誘導するための経路を算出するものであって、自車両の位置を検出する車両位置検出機能と、目的位置を検出する目的位置設定機能とを備えている。このナビゲーション装置20は、GPS衛星からの電波を受信して自車両の位置を検出する(車両位置検出機能)。また、ナビゲーション装置20は、操作部を介してある特定箇所が指定されることで、目的位置を設定する(目的位置設定機能)。
【0012】
さらに、ナビゲーション装置20は、検出した自車両の位置から設定した目的位置に到達するまでの最適経路を算出する最適経路算出機能を有している。さらに、ナビゲーション装置20は、算出した最適経路の情報を表示制御部50に送信する。なお、上記した目的位置とは、目的地と異なる概念である。すなわち、目的地とは○○町や○○市役所などを示すのに対し、目的位置とは、ある駐車場の1つの駐車スペースや測道のある一定スペースなど、自車両のその周囲数cm又は数mの領域を示すものである。
【0013】
車速センサ30は、車両の速度を検出するためものである。この車速センサ30は、車速に応じたパルスを表示制御部50に出力する。表示制御部50は、車速センサ30からのパルスに応じて自車両の速度を検出することとなる。
【0014】
情報提供部40は、ドライバが自身の情報を入力する入力機能と、ハンドルの回転角を検出する回転角検出機能を有している。この情報提供部40は、ドライバが例えばICカードやボタン操作などにより自身の情報を入力すると、表示制御部50にその情報を送信する(入力機能)。また、情報提供部40は、ハンドルの回転角を検出するセンサにより、その情報を表示制御部50に送信する。
【0015】
表示制御部50は、後方撮像カメラ10からの画像情報に基づいて、表示部60に画像を表示させる制御を実行するものである。また、この表示制御部50は、ズレ方向算出機能と、位置予測機能と、表示制御機能と、ズレ量算出機能とを有している。
【0016】
位置予測機能は、所定時間経過後の自車両の位置を予測する機能である。この位置予測機能は、車速センサ30からの車速パルスと、情報提供部40からのハンドル回転角との情報から、所定時間経過後の自車両の位置を予測する。なお、この位置予測機能は、情報提供部40に入力された運転者の年齢及び運転経験の情報に基づいて所定時間を算出し、その所定時間経過後の自車両の位置を予測する。また、位置予測機能は、ハンドルの反力に基づいて所定時間を算出し、その所定時間経過後の自車両の位置を予測する。ハンドルの反力は、車速に応じて変化するものであり、位置予測機能は車速に基づいてハンドルの反力を算出する。
【0017】
ズレ方向算出機能は、ナビゲーション装置20により算出された最適経路に対する自車両のズレ方向を検出するものである。ズレ方向の算出にあたってズレ方向算出機能は、位置予測機能により予測された所定時間経過後の自車両の位置に対する最適経路からのズレ方向を算出する。なお、ズレ方向算出機能は、位置予測機能により算出された所定時間経過後の自車両の位置に限らず、現在の自車両の位置に対するズレ方向を算出するようになっていてもよい。この場合、現在の自車両の位置情報はナビゲーション装置20から逐一送信されるため、表示制御部50は、逐一送信される自車両の位置の情報とから、最適経路に対するズレ方向を算出することとなる。
【0018】
表示制御機能は、表示部60に表示させる表示画像を、ズレ方向算出機能により算出したズレ方向と逆方向に画像を回転させる機能である。これにより、表示画像は、実際に後方撮像カメラ10により撮像された画像とは横方向にズレた画像が表示されることとなる。運転者は、画像が横方向にズレると、そのズレを知覚して、ズレに対応した動作を取る傾向にある。これにより、運転者は無意識下にズレを修正するハンドル操作を行うこととなる。特に、ズレ方向算出機能が所定時間経過後の自車両の位置に対するズレ方向を算出していた場合、運転者は将来のズレを修正するハンドル操作を行うこととなり、より一層ズレを修正しやすくなる。
【0019】
ズレ量算出機能は、最適経路に対する、所定時間経過後の自車両の位置のズレ量を算出する機能である。表示制御機能は、ズレ方向算出機能により算出されたズレ量に基づいて表示画像の回転量を調整する。すなわち、表示制御機能は、ズレ量が大きくなるに従って、回転量を大きくする。これにより、運転者は回転量の多さからズレの大きさを感覚的に把握できることとなる。
【0020】
また、表示制御機能は、所定時間経過後の自車両の位置から、設定された目的位置までの距離が小さくなるほど、回転量を小さくする。これにより、目的位置が近くなって最終調整を行う際に、最終調整を安定させることができる。
【0021】
次に、フローチャートを参照して、本実施形態に係る車両用情報提示装置の動作について説明する。図2は、本実施形態に係る車両用情報提示装置の動作を示すフローチャートである。なお、図2に示すフローチャートでは、ナビゲーション装置20が逐一自車両の位置を検出しているものとする。
【0022】
まず、運転者により目的位置が入力されると、ナビゲーション装置20は目的位置を設定する(S1)。なお、目的位置の設定は、ナビゲーション装置20に限らず、他の装置によって行われてもよい。また、目的位置は、自動及び手動のいずれによって設定されてもよい。
【0023】
次に、ナビゲーション装置20は、自車両の位置から目的位置に到達するための最適経路を算出する(S2)。その後、ナビゲーション装置20は、自車両の位置から目的位置に到達するための限界経路を算出する(S3)。
【0024】
図3は、最適経路と限界経路とを示す図である。図3に示すように、最適経路Cとは、現在の自車両の位置から目的地に到達するための最短経路である。また、限界経路A,Bとは、ハンドルを最大限きった状態で目的位置まで到達できる経路である。ナビゲーション装置20は、
【0025】
再度、図2を参照する。図2に示すように、限界経路の算出後(S3の後)、ナビゲーション装置20は、一時的最適経路を算出する(S4)。ここで、一時的最適経路とは、車両が目的位置に近づきつつある最中に算出される最適経路である。その後、表示制御部50は、所定時間を算出し(S5)、所定時間経過後の自車両の位置を予測する(S6)。
【0026】
ここで、所定時間Tは、T=200msec+年齢による時間×車速による係数、により算出される。図4は、年齢による時間及び速度による係数を示すグラフであり、(a)は年齢による時間を示し、(b)は速度による係数を示している。図4(a)に示すように、人は年齢が高くなるに従って反応に要する時間が長くなる傾向にある。このため、将来の自車両の位置を予測する際には、年齢に応じて所定時間を長くしていなければならない。すなわち、所定時間をあまりに短くしてしまうと、高齢の運転者にとっては、将来過ぎる時間帯における自車両の位置が予測されてしまい、アンマッチとなってしまうからである。また、図4(b)に示すように、車速が低くなるに従ってハンドルの反力が大きくなる傾向がある。ハンドルの反力が大きくなるとハンドル操作に時間を要することとなる。このため、将来の自車両の位置を予測する際には、車速に応じて所定時間を短くしていなければならない。すなわち、所定時間をあまりに長くしてしまうと、運転者の操作の方が速く行われて、アンマッチとなってしまうからである。
【0027】
再度、図2を参照する。所定時間の算出後(S5の後)、表示制御部50は将来の自車両の位置を予測する(S6)。このとき、表示制御部50は、車速センサ30からの車速パルスと、情報提供部40からのハンドル回転角と、ステップS5において算出した所定時間の情報から、所定時間経過後の自車両の位置を予測する。
【0028】
次に、表示制御部50は、表示画像の回転量を算出する(S7)。この際、表示制御部50は、ズレ方向算出機能とズレ量算出機能とによって回転方向と回転量とを算出する。この際、まず表示制御部50は、ステップS6において予測した自車両の位置の情報を入力する。そして、表示制御部50は、予測された自車両の位置におけるズレ方向とズレ量を算出する。
【0029】
再度、図3を参照する。図3に示すように、車両は最適経路C上を通過するとは限らず、限界経路A,B間のいずれかの経路を通過する可能性がある。このとき、表示制御部50は、予測した自車両の位置Fが最適経路Cからどちら側にズレているかを判断する。次に、表示制御部50は、予測した自車両の位置Fから最も近い最適経路C1までの距離を算出し、これをズレ量dとする。また、表示制御部50は、最適経路C1から近い方向の限界経路Aの最も近い点A1までの距離を算出し、これを最大値Dとする。
【0030】
その後、表示制御部50は、目的位置までの距離Distに応じた係数を算出する。図5は、目的位置までの距離Distに応じた係数を示すグラフである。図5に示すように、目的位置までの距離Distに応じた係数は、目的位置までの距離Distが小さくな
るに従って高くなるように設定されている。表示制御部50は、このような情報を記憶しており、これに基づいて目的位置までの距離Distに応じた係数を算出する。
【0031】
その後、表示制御部50は、回転量θを、θ=(15°×d/D)×距離Distに応じた係数、なる演算式から算出する(S7)。その後、表示制御部50は、表示部60に後方画像を表示させる(S8)。この際、表示制御部50は、ズレ方向とは逆方向に画像を回転させると共に、その回転量をステップS7で算出した回転量とする。また、表示制御部50は、コントロールカーブCCによって定義される曲面上に画像を貼り付けるようにして表示する。
【0032】
図6は、表示部60による表示状態を示す図であり、(a)は画像が貼り付けられる曲面を示し、(b)はコントロールカーブCCを示している。図6(a)に示すように、表示制御部50は、後方撮像カメラ10により撮像された画像を、ステップS7において算出した回転量だけ回転させて表示部60に表示させる。この際、表示制御部50は、図6(a)に示すX−Z平面上に位置するコントロールカーブCCを、Y軸方向に伸ばした曲面に貼り付ける。
【0033】
また、コントロールカーブCCは、図6(b)に示すように、6つの特徴点P1〜P6を通過する2次のスプラインカーブである。ここで、原点Oと特徴点Pn(nは1から6までの整数)との距離をOPnとすると、OP1=OP2=OP5=OP6=Rであり、OP3=OP4=0.7Rである。ここで、Rとは、図1(b)に示すように、後方撮像カメラ10から撮像範囲10aの側方端部点Pまでの距離とほぼ一致する。
【0034】
さらに、特徴点P5はZ軸に対して角度αだけ傾いており、特徴点P6はZ軸に対して角度γだけ傾いている。また、特徴点P3はZ軸に対して角度α’だけ傾いており、特徴点P4はZ軸に対して角度γ’だけ傾いている。なお、α’=(90−α/2)であり、γ’=(90−γ/2)である。
【0035】
再度、図2を参照する。後方画像を表示した後(S8の後)、表示制御部50は目的位置に到達したか否かを判断する(S9)。この際、表示制御部50はナビゲーション装置20からの情報に基づいて目的位置に到達したか否かを判断する。目的位置に到達していないと判断した場合(S9:NO)、処理はステップS4に移行する。一方、目的位置に到達したと判断した場合(S9:YES)、図2に示す処理は終了する。
【0036】
ここで、表示画像の例を説明する。図7は、表示画像例を示す図であり、(a)は画像を回転させなかった場合の例を示し、(b)は本実施形態による車両用情報提示装置により画像を回転させた場合の例を示している。なお、図7においては、後方撮像カメラ10の撮像範囲10aの中央に目的位置O1が位置しているとする。また、車両の左後方には障害物O2が位置しているものとする。
【0037】
図7(a)に示すように、最適経路Cからのズレに応じて画像を回転させなかった場合、表示部60の中央に目的位置O1が表示される。このため、運転者は、最適経路C(障害物O2)を意識することなく、車両を真っ直ぐ後方に移動させる可能性がある。ところが、図7(b)に示すように、画像が回転している場合、障害物O2が車両の後方に位置するように見え、目的位置O1が車両の右後方にズレているかのように見えるため、運転者は無意識的にハンドルを操作することとなる。これにより、運転者は最適経路Cを通過するように走行できることとなる。また、最適経路C上を走行できることから、車両が目的位置O1に到達するにあたり、切り返し等の回数が減り、到達までの時間を短縮することができる。
【0038】
このようにして、本実施形態に係る車両用情報提示装置によれば、最適経路Cに対する自車両のズレ方向を算出し、表示させる画像を、算出されたズレ方向とは逆方向に回転させるため、運転者は、表示画像の回転方向によりズレ方向を認識できることとなり、ハンドル操作をすることができる。しかも、表示画像はズレ方向とは逆方向に回転するため、運転者は回転した方向にハンドルを切れば、最適経路Cに近づけるように運転できることとなる。特に、本実施形態では、最適経路Cを線などによって表示していないことから、運転者は最適経路C上を通過しようと切り返し等を頻繁に行う可能性も少なくなる。従って、車両が目的位置に到達するにあたり、到達までの時間を短縮すること可能な車両用情報提示装置を提供することができる。
【0039】
また、予測された所定時間経過後の自車両の位置に対するズレ方向を算出するため、現在のハンドル位置によって将来的に最適経路Cからどちらにズレるかを判断することができ、この将来的なズレに応じて表示画像を回転させることとなる。これにより、運転者は将来的な到達位置を調整することができ、切り返し等の頻度を低減させることができる。
【0040】
また、予測された自車両の位置からのズレ量が大きくなるに従って表示画像の回転量を大きくするため、運転者は回転量の多さからズレの大きさを感覚的に把握できることとなる。これにより、運転者は切り返し時におけるハンドル操作を適切に行いやすくなることから、車両が目的位置に到達するにあたり、一層到達までの時間を短縮し易い車両用情報提示装置を提供することができる。
【0041】
また、予測された自車両の位置から目的位置までの距離が小さくなるほど、表示画像の回転量を小さくするため、目的位置が近くなって最終調整を行う際に、最終調整を安定させることができる。
【0042】
また、運転者の年齢及び運転経験に基づいて所定時間を算出し、その所定時間経過後の自車両の位置を予測する。このため、運転者の年齢や運転技術という反応速度に関する要因に基づいて所定時間を算出することとなり、運転者の運転リズムにあった情報提供を行うことができる。
【0043】
また、ハンドルの反力に基づいて所定時間を算出し、その所定時間経過後の自車両の位置を予測するため、ハンドルの反力が高く、ハンドル操作の遅れにつながるような場合において、それに応じた所定時間を算出でき、運転者の運転リズムにあった情報提供を行うことができる。
【0044】
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…後方撮像カメラ
20…ナビゲーション装置(車両位置検出手段、目的位置設定手段、最適経路算出手段)30…車速センサ
40…情報提供部
50…表示制御部(表示制御手段、ズレ方向算出手段、位置予測手段、ズレ量算出手段)60…表示部(表示手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内の表示手段により画像を提示する車両用情報提示装置であって、
自車両の位置を検出する車両位置検出手段と、
目的位置を設定する目的位置設定手段と、
前記車両位置検出手段により検出された自車両の位置から、前記目的位置設定手段により設定された目的位置に到達するための最適経路を算出する最適経路算出手段と、
前記最適経路算出手段により算出された最適経路に対する自車両のズレ方向を算出するズレ方向算出手段と、
前記表示手段に表示させる画像を、前記ズレ方向算出手段により算出されたズレ方向とは逆方向に回転させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする車両用情報提示装置。
【請求項2】
所定時間経過後の自車両の位置を予測する位置予測手段をさらに備え、
前記ズレ方向算出手段は、前記位置予測手段により予測された所定時間経過後の自車両の位置に対するズレ方向を算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の車両用情報提示装置。
【請求項3】
前記最適経路算出手段により算出された最適経路に対する、前記位置予測手段により予測された自車両のズレ量を算出するズレ量算出手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、前記ズレ量算出手段により算出されたズレ量が大きくなるに従って回転量を大きくする
ことを特徴とする請求項2に記載の車両用情報提示装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、前記位置予測手段により予測された自車両の位置から、前記目的位置設定手段により設定された目的位置までの距離が小さくなるほど、回転量を小さくする
ことを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の車両用情報提示装置。
【請求項5】
前記位置予測手段は、運転者の年齢及び運転経験に基づいて所定時間を算出し、当該所定時間経過後の自車両の位置を予測する
ことを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の車両用情報提示装置。
【請求項6】
前記位置予測手段は、ハンドルの反力に基づいて所定時間を算出し、当該所定時間経過後の自車両の位置を予測する
ことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載の車両用情報提示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−231360(P2010−231360A)
【公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−76526(P2009−76526)
【出願日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】