説明

車両用認証装置

【課題】ユーザーが携帯機器を紛失・盗難等された場合においても、車両のセキュリティを維持しつつ、予備の携帯機器によって車両を利用することが可能な車両用認証装置を提供すること。
【解決手段】キー照合ECU6は予め登録された識別情報の各々に対し、当該識別情報が無効化・有効化されていることを示すフラグを有する。動作モードが通常モードに設定されている場合において、受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のいずれかと一致した場合でも、当該識別情報に対応するフラグがセットされている場合、キー照合ECU6は、当該識別情報が携帯機器62または予備の携帯機器から送信された識別情報ではないものと判断し、認証失敗信号をバス8を介してリモートECU7へと送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザーが携帯機器を紛失・盗難等された場合においても、車両のセキュリティを維持しつつ、予備の携帯機器によって車両を利用することが可能な車両用認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両のメカキーまたはスマートキーのいずれかが紛失・盗難された場合に、当該キーを使用不可とする装置が公知である。例えば、特許文献1の装置では、車両のメカキーが紛失・盗難等された場合、ユーザーは車両に搭載されたドアロック装置、トランク開閉装置及びエンジンがメカキーによって機能しないよう要求する要求信号を携帯電話から送信させる。データセンターは、前述の要求信号を基地局を介して受信し、車両に搭載されたリモートECUのテーブルの内容を書き換えるコマンド信号を、当該基地局を介して車両へと送信する。車両に搭載されたリモートECUは、前述のコマンド信号によってテーブルの内容を書き換え、メカキーによってドアロック装置、トランク開閉装置及びエンジンが機能しないよう設定する。スマートキーが紛失・盗難された場合も同様である。
【特許文献1】特開2005−97835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、スマートキーに代表される携帯型の電子キー(以下、携帯機器とする)は、通常、ユーザーが紛失・盗難等された場合を考慮して、予備の携帯機器が用意されている。携帯機器が紛失・盗難等された場合、ユーザーは予備の携帯機器によって車両を利用することとなるが、車両のセキュリティを維持することを考えた場合、従来装置をそのまま利用することはできない。従来装置では、紛失・盗難等されたキーの種類ごとに、車両に搭載された各種装置の使用を不可とするため、従来装置をそのまま利用すると、携帯機器が紛失・盗難等された場合、予備の携帯機器まで含めて使用不可となってしまう。
【0004】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、ユーザーが携帯機器を紛失・盗難等された場合においても、車両のセキュリティを維持しつつ、予備の携帯機器によって車両を利用することが可能な車両用認証装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の車両用認証装置では、車両のユーザーが所持する複数の携帯機器の識別情報が登録されている登録手段と、携帯機器から識別情報を取得する取得手段と、取得手段が取得した識別情報が登録手段に登録されている場合には、車両の利用を許可する認証手段とを備えた車両用認証装置であって、登録手段に登録された識別情報のうち、無効化する識別情報を選定して、選定した識別情報を示す信号を出力する選定手段と、登録手段に登録された複数の識別情報のうち、選定手段によって出力された信号に対応する識別情報を無効化する無効化手段とを設け、認証手段は、取得手段が取得した識別情報が無効化手段によって無効化されている場合には、車両の利用を不許可とすることを特徴とする。
【0006】
このように、本発明の車両用認証装置では、選定手段は、登録手段に登録された識別情報のうち、無効化する識別情報を選定して信号を出力し、無効化手段は、選定手段から出力される信号に対応する識別情報を無効化する。そして、認証手段は、取得手段が取得した識別情報が無効化手段によって無効化されている場合には、車両の利用を不許可とする。これにより、ユーザーが携帯機器を紛失・盗難等された場合でも、登録手段に登録された識別情報のうち、盗難・紛失等された携帯機器の識別情報のみを選定手段によって選定して無効化できるとともに、予備の携帯機器は引き続き使用することが可能となる。その結果として、ユーザーが携帯機器を紛失・盗難等された場合においても、車両のセキュリティを維持しつつ、予備の携帯機器によって車両を利用することが可能となる。
【0007】
請求項2に記載のように、登録手段は、登録されている識別情報が無効化されるとセットされるフラグを各識別情報毎に有し、無効化手段は、選定手段によって選定された識別情報を登録手段に登録したままで、当該識別情報に対応するフラグをセットすることにより、当該識別情報を無効化することが望ましい。これにより、選定手段によって選定された識別情報を、登録手段に登録したままで、一時的に無効化することができる。
【0008】
請求項3に記載のように、無効化手段は、選定手段によって選定された識別情報を登録手段から消去することで、当該識別情報を無効化することが望ましい。ユーザーが紛失・盗難された携帯機器の識別情報を登録手段から消去することにより、車両のセキュリティをより向上させることができる。
【0009】
請求項4に記載のように、選定手段は、ユーザーからの指示操作に基づいて、登録手段に登録された識別情報のうちのいずれかを選定して信号を出力することが望ましい。これにより、選定手段によって設定する識別情報をユーザー自身が選定することができる。
【0010】
請求項5に記載のように、ユーザーが所持する携帯型通信機器と通信を行う通信手段と、通信手段が携帯型通信機器から送信される無効化モード設定指示を受信すると、車両用認証装置の動作モードを無効化モードに設定するモード設定手段とを設け、選定手段は、モード設定手段によって動作モードが無効化モードに設定されている場合に、取得手段が単数または複数の識別情報を取得すると、登録手段に登録された識別情報のうち、取得手段が取得した単数または複数の識別情報以外の全ての識別情報を選定して信号を出力することが望ましい。携帯機器が紛失・盗難等された場合、当該携帯機器はユーザーの手元にないため、その識別情報をユーザーが直接的に無効化するのは困難である。一方、予備の携帯機器はユーザーの手元にあるため、これを利用して紛失・盗難等された識別情報を無効化するのは、上述した場合と比較して容易である。そこで、モード設定手段によって動作モードを無効化モードに設定し、予備の単数または複数の携帯機器の識別情報を取得手段に取得させるとともに、取得手段が取得した単数または複数の識別情報以外の全ての識別情報を無効化する。これにより、ユーザーは紛失・盗難等された携帯機器の識別情報を容易に無効化できる。
【0011】
請求項6に記載のように、登録手段に登録された識別情報のうち、取得手段が取得した単数または複数の識別情報以外の全ての識別情報を選定手段が選定して信号を出力した場合、報知動作を行う第1報知手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは第1報知手段の報知動作から、紛失・盗難等された携帯機器の識別情報が無効化されたのを察知できる。
【0012】
請求項7に記載のように、モード設定手段は、携帯型通信機器から送信される解除モード設定指示を通信手段が受信すると、車両用認証装置の動作モードを解除モードに設定し、モード設定手段によって動作モードが解除モードに設定されている場合に、取得手段が無効化手段によって無効化された単数または複数の識別情報を取得すると、当該単数または複数の識別情報の無効化を解除する第1解除手段を設けることが望ましい。これにより、紛失・盗難等された単数または複数の携帯機器が後に発見された場合でも、ユーザーは当該携帯機器によって車両を再び利用することができる。
【0013】
請求項8に記載のように、第1解除手段が無効化解除動作を行った際、報知動作を行う第2報知手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは第2報知手段が行う報知動作から、発見された携帯機器によって車両を再び利用できることを察知できる。
【0014】
請求項9に記載のように、携帯型通信機器から送信される、無効化手段によって無効化された識別情報のうちのいずれかを解除するよう指示する解除指示を通信手段が受信すると、当該解除指示が示す識別情報の無効化を解除する第2解除手段を設けることとしても良い。このようにしても、紛失・盗難等された携帯機器が後に発見された場合でも、ユーザーは発見された携帯機器によって車両を再び利用することができる。
【0015】
請求項10に記載のように、第2解除手段が無効化解除動作を行った場合、通知情報を通信手段から携帯型通信機器へと送信させ、ユーザーに通知を行う第1通知手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは第2解除手段が無効化解除動作を行ったことについて確実に把握することができる。
【0016】
請求項11に記載のように、ユーザーの所持する携帯型通信機器と通信を行う通信手段を設け、選定手段は、携帯型通信機器から送信される無効化指示を通信手段が受信すると、認証手段が車両の利用を前回許可した際に、取得手段が取得した識別情報である前回識別情報を選定して信号を出力することが望ましい。これにより、ユーザーが前回使用した携帯機器が紛失・盗難等された場合でも、携帯型通信機器を利用して当該携帯機器の識別情報を即座に無効化できる。
【0017】
請求項12に記載のように、無効化手段が前回識別情報を無効化したことを通知する通知情報を、通信手段から携帯型通信機器へと送信させ、ユーザーに通知を行う第2通知手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは、認証手段が車両の利用を前回許可した際に取得手段が取得した識別情報を、無効化手段が無効化したことについて確実に把握することができる。
【0018】
請求項13に記載のように、取得手段が無効化手段によって無効化された識別情報を取得した場合、警戒動作を行う警戒手段を設けることが望ましい。これにより、紛失・盗難等された携帯機器で車両が利用されようとすると、警戒手段が警戒動作を行うため、車両のセキュリティをより向上させることができる。
【0019】
請求項14に記載のように、取得手段が無効化された識別情報を取得した場合、警告情報を通信手段から携帯型通信機器へと送信させ、ユーザーに警告を行う警告手段を設けることが望ましい。これにより、ユーザーは紛失・盗難等された携帯機器によって車両が利用されようとしたことを、確実に把握できる。
【0020】
請求項15に記載のように、取得手段が無効化された識別情報を取得した場合、警告情報を通信手段から携帯型通信機器へと送信させる警告手段を設け、携帯型通信機器は、警告情報を受信してユーザーに警告を行うことが望ましい。紛失・盗難等された携帯機器の識別情報が無効化されたまま所定期間が経過した場合、すなわち、紛失・盗難等された携帯機器が発見されずに所定期間が経過した場合、当該携帯機器がその後に発見される可能性は低い。そこで、このような場合には、当該携帯機器の識別情報を登録手段から消去する。これにより、当該携帯機器は完全に利用できなくなり、車両のセキュリティをさらに高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態における車両用認証装置の全体構成を示すブロック図である。本車両用認証装置は、車載制御機器に組み込まれて動作する。この車載制御機器は、図1に示すように、ドアロックECU1、トランクECU2、サンルーフECU3、パワーウィンドウECU4、エンジンECU5、キー照合ECU6、リモートECU7がバス8を介して相互に接続される。さらに、キー照合ECU6には受信機61がバス8を介さずに接続され、リモートECU7には通信ECU71がバス8を介さずに接続される。
【0022】
ドアロックECU1は、図示しない車両の各ドアのロック・アンロックを制御するECUであり、リモートECU7からバス8を介してドアロック信号およびドア指定信号を受信すると、ドア指定信号の示すドアをロックする。また、リモートECU7からバス8を介してアンロック信号およびドア指定信号を受信すると、ドア指定信号の示すドアをアンロックする。前述のドア指定信号は、単一のドアを指定する場合もあれば、全てのドアを指定する場合もありえる。
【0023】
トランクECU2は、図示しない車両のトランクを開放させる図示しないトランク開放用モータの駆動を制御するECUであり、リモートECU7からバス8を介してトランクオープン信号を受信すると、トランク開放用モータを駆動させてトランクを開放させる。
【0024】
サンルーフECU3は、図示しない車両のサンルーフを開閉させる図示しないサンルーフ開閉用モータの駆動を制御するECUであり、リモートECU7からバス8を介してサンルーフオープン信号を受信すると、サンルーフ開閉用モータを駆動させてサンルーフを開放させる。また、リモートECU7からバス8を介してサンルーフクローズ信号を受信すると、同じくサンルーフ開閉用モータを駆動させてサンルーフを閉じさせる。
【0025】
パワーウィンドウECU4は、図示しない車両の各ドアのウィンドウを開閉させる図示しないウィンドウ開閉用モータの各々の駆動を制御するECUであり、リモートECU7からバス8を介してウィンドウオープン信号およびドア指定信号を受信すると、ドア指定信号の示すドアと対応するウィンドウ開閉用モータを駆動させて、当該ドアのウィンドウを開放させる。また、リモートECU7からバス8を介してウィンドウクローズ信号およびドア指定信号を受信すると、同じくドア指定信号の示すドアと対応するウィンドウ開閉用モータを駆動させて、当該ドアのウィンドウを閉じさせる。前述のドア指定信号は、単一のドアを指定する場合もあれば、全てのドアを指定する場合もありえる。
【0026】
エンジンECU5は、図示しない車両のアクセルペダルの踏み込み度合いを取得するとともに、当該踏み込み度合いに応じて、図示しないインジェクタからの燃料噴射量を調整したり、図示しないイグナイタによる燃料点火時期を調整することにより、図示しない車両のエンジンの駆動を制御する。また、エンジンの水温やエンジン回転数を計測するとともに、エンジン水温信号やエンジン回転数信号をバス8を介してリモートECU7へと送信することも行う。
【0027】
受信機61は、車載用の小型無線受信機であり、ユーザーが所持する携帯機器62または図示しない予備の携帯機器から送信される識別情報を受信する。また、受信機61は、携帯機器62または予備の携帯機器から送信されるドアロック・アンロック指示、トランク開放指示、サンルーフ開閉指示、ウィンドウ開閉指示を受信することも行う。この受信機61は、取得手段として機能するものである。
【0028】
キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報を取得して認証動作を行う。
【0029】
具体的には、キー照合ECU6には、携帯機器62の識別情報と予備の携帯機器の識別情報とが予め登録されている。さらに、登録されている各識別情報に対して、当該識別情報が無効化されているか否かを示すフラグが設けられる。キー照合ECU6は、その動作モードが通常モードである場合に、受信機61が識別情報を受信すると、当該識別情報が予め登録された識別情報のうちのいずれかと一致するか否かを調べる。受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のうちのいずれかと一致する場合には、当該識別情報に対応するフラグをさらに調べる。そして、受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のいずれかと一致し、かつ、当該識別情報に対応するフラグがリセットされている場合(すなわち、当該識別情報が有効化されている場合)には、キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報が携帯機器62または予備の携帯機器から送信された識別情報であると判断し、認証成功信号をバス8を介してリモートECU7へと送信する。その後、受信機61がドアロック・アンロック指示、トランク開放指示、サンルーフ開閉指示、ウィンドウ開閉指示を受信すると、当該指示に含まれる識別情報を調べ、認証動作時に使用した識別情報と一致する場合には、当該指示をバス8を介してリモートECU7へと送信する。一方、受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のいずれとも一致しない場合や、予め登録された識別情報のいずれかと一致するものの、当該識別情報に対応するフラグがセットされている場合(すなわち、当該識別情報が無効化されている場合)には、当該識別情報が携帯機器62または予備の携帯機器から送信された識別情報ではないものと判断し、認証失敗信号をバス8を介してリモートECU7へと送信する。なお、初期状態においては、キー照合ECU6に登録された各識別情報に対応するフラグは、全てリセット(有効化)されている。
【0030】
さらに、キー照合ECU6は、前述の通常モードに加え、無効化モードと解除モードの2つの動作モードを有し、予め登録されている識別情報のうち、ユーザーが選定した識別情報を無効化・有効化(無効化の解除)することも行う。
【0031】
具体的には、キー照合ECU6は、リモートECU7からバス8を介して無効化モード設定信号を受信すると、その動作モードを無効化モードに設定する。その後、受信機61が識別情報を受信すると、キー照合ECU6は、当該識別情報が予め登録された識別情報のいずれかと一致するかを調べる。受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のいずれかと一致する場合、キー照合ECU6は、当該識別情報以外の全ての識別情報がユーザーによって選定されたものと判断し、当該識別情報以外の全ての識別情報に対応する各フラグをセットした後、動作モードを通常モードに設定する。
【0032】
また、キー照合ECU6は、リモートECU7からバス8を介して解除モード設定信号を受信すると、その動作モードを解除モードに設定する。その後、受信機61が識別情報を受信すると、キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報が、予め登録された識別情報のうち対応するフラグがセットされている識別情報のいずれかと一致するかを調べる。受信機61が受信した識別情報が、予め登録された識別情報のうちで対応するフラグがセットされている識別情報のいずれかと一致する場合、キー照合ECU6は、当該識別情報と対応するフラグをリセットした後、動作モードを通常モードに設定する。
【0033】
このキー照合ECU6は、登録手段、認証手段、無効化手段、第1解除手段、選定手段、モード設定手段として機能するものである。
【0034】
通信ECU71は、公衆回線を介して車外の情報センター72と通信を行う機能を有し、ユーザーの所持する携帯電話73(携帯型通信機器)から送信される無効化モード設定指示や解除モード設定指示を、情報センター72を介して受信する。また、リモートECU7から出力された警告情報を情報センター72を介して携帯電話73へ送信することも行う。この通信ECU71は、通信手段として機能するものである。
【0035】
リモートECU7は、図示しない操作スイッチやリモコン、キー照合ECU6からの指示に従って、車両の各ドアのロック・アンロック、トランクの開放、サンルーフの開閉、車両の各ドアのウィンドウの開閉を行うよう各種ECUに対して指示する。
【0036】
具体的には、リモートECU7は、キー照合ECU6からバス8を介して認証成功信号を受信すると、車両の利用が許可されたものと判断する。その後、操作スイッチやリモコンからドアロック・アンロック指示を受けたり、キー照合ECU6からバス8を介してドアロック・アンロック指示を受信すると、リモートECU7は、ドアロック信号およびドア指定信号や、アンロック信号およびドア指定信号を、バス8を介してドアロックECU1へと送信する。同じく、操作スイッチやリモコンからトランク開放指示を受けたり、キー照合ECU6からバス8を介してトランク開放指示を受信すると、リモートECU7は、トランクオープン信号をバス8を介してトランクECU2へと送信する。同じく、操作スイッチやリモコンからサンルーフ開閉指示を受けたり、キー照合ECU6からバス8を介してサンルーフ開閉指示を受信すると、リモートECU7は、サンルーフオープン信号やサンルーフクローズ信号を、バス8を介してサンルーフECU3へと送信する。同じく、操作スイッチやリモコンからウィンドウ開閉指示を受けたり、キー照合ECU6からバス8を介してウィンドウ開閉指示を受信すると、リモートECU7は、ウィンドウオープン信号およびドア指定信号や、ウィンドウクローズ信号およびドア指定信号を、バス8を介してパワーウィンドウECU4へと送信する。また、リモートECU7は、エンジンECU5から送信されるエンジン水温信号やエンジン回転数信号をバス8を介して受信するとともに、エンジン水温信号の示すエンジン水温や、エンジン回転数信号の示すエンジン回転数を図示しない表示器に表示させることも行う。なお、リモートECU7は、キー照合ECU6からバス8を介して認証失敗信号を受信した場合には、車両が不正に利用されようとしていると判断し、車両の利用を不許可として各種ECUへの各種信号の送信は行わず、図示しないヘッドライトやテールライトを点灯させ、図示しないホーンの吹鳴を行わせる(警戒動作)とともに、警告情報を通信ECU71へ出力する。このリモートECU7は、警戒手段、警告手段として機能するものである。
【0037】
また、リモートECU7は、通信ECU71が無効化モード設定指示または解除モード設定指示を受信すると、無効化モード設定信号または解除モード設定信号をバス8を介してキー照合ECU6へと送信する。
【0038】
図2は、本実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECU6に予め登録されている識別情報のいずれかを無効化する処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、ユーザーが携帯電話73に無効化モード設定指示を入力すると実行が開始される。
【0039】
ステップ201では、携帯電話73は、無効化モード設定指示を情報センター72へと送信する。ステップ202では、情報センター72は、ステップ201で携帯電話73から送信された無効化モード設定指示を受信して、車載制御機器へと送信する。
【0040】
ステップ203では、車載制御機器の通信ECU71は、ステップ202で情報センター72から送信された無効化モード設定指示を受信する。ステップ204では、リモートECU7は、ステップ203で通信ECU71が無効化モード設定指示を受信すると、無効化モード設定信号をバス8を介してキー照合ECU6へと送信する。
【0041】
ステップ205では、キー照合ECU6は、ステップ204でリモートECU7から送信された無効化モード設定信号をバス8を介して受信し、動作モードを無効化モードに設定する。
【0042】
ステップ206では、キー照合ECU6は、受信機61が識別情報を受信したか否かを判定する。受信機61が識別情報を受信した場合には、ステップ207へ進む。受信機61が未だ識別情報を受信していない場合は、前述の判定を繰り返す。
【0043】
ステップ207では、キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報が、予め登録された識別情報のいずれかと一致するか否かを判定する。予め登録された識別情報のいずれかと一致する場合は、ステップ208へ進む。予め登録された識別情報のいずれとも一致しない場合は、ステップ206へ戻り、前述の判定を繰り返す。
【0044】
ステップ208では、キー照合ECU6は、予め登録された識別情報のうち、受信機61が受信した識別情報以外の全ての識別情報の各々に対応するフラグをセットする。これにより、ユーザーは紛失・盗難等された携帯機器の識別情報を容易に無効化できる。ステップ209では、キー照合ECU6は、動作モードを通常モードに設定し、処理を終了する。
【0045】
図3は、本実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECU6に予め登録されている識別情報のうち、無効化された識別情報を有効化する処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、ユーザーが携帯電話73に解除モード設定指示を入力すると実行が開始される。
【0046】
ステップ301では、携帯電話73は、解除モード設定指示を情報センター72へと送信する。ステップ302では、情報センター72は、ステップ301で携帯電話73から送信された解除モード設定指示を受信し、車載制御機器へと送信する。
【0047】
ステップ303では、車載制御機器の通信ECU71は、ステップ302で情報センター72から送信された解除モード設定指示を受信する。ステップ304では、リモートECU7は、ステップ303で通信ECU71が解除モード設定指示を受信すると、解除モード設定信号をバス8を介してキー照合ECU6へと送信する。
【0048】
ステップ305では、キー照合ECU6は、ステップ304でリモートECU7から送信された解除モード設定信号をバス8を介して受信し、動作モードを解除モードに設定する。
【0049】
ステップ306では、キー照合ECU6は、受信機61が識別情報を受信したか否かを判定する。受信機61が識別情報を受信した場合には、ステップ307へ進む。受信機61が未だ識別情報を受信していない場合は、前述の判定を繰り返す。
【0050】
ステップ307では、キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報が、予め登録された識別情報のうちで対応するフラグがセットされている識別情報のいずれかと一致するか否かを判定する。いずれかと一致する場合は、ステップ308へ進む。いずれとも一致しない場合は、ステップ306へ戻り、前述の判定を繰り返す。
【0051】
ステップ308では、キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報に対応するフラグをリセットする。これにより、紛失・盗難等された携帯機器が後に発見された場合でも、ユーザーは発見された携帯機器によって車両を再び利用できる。ステップ309では、キー照合ECU6は、動作モードを通常モードに設定し、処理を終了する。
【0052】
図4は、本実施形態の車両用認証装置において、車両が不正に利用されようとしていることをユーザーに警告する処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、キー照合ECU6の動作モードが通常モードに設定されている場合に、受信機61が識別情報を受信すると、実行が開始される。
【0053】
ステップ401では、キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のいずれかに一致するか否かを判定する。予め登録された識別情報のいずれかに一致する場合には、ステップ402へ進む。予め登録された識別情報のいずれにも一致しない場合は、処理を終了する。
【0054】
ステップ402では、キー照合ECU6は、受信機61が受信した識別情報に対応するフラグがセットされているか否かを判定する。前述のフラグがセットされている場合には、ステップ403へ進む。前述のフラグがリセットされている場合には、認証動作に成功したものと判断して処理を終了する。その後、認証成功信号をバス8を介してリモートECU7へと送信するとともに、携帯機器62の指示操作に従ってドアロック・アンロック、トランク開放、サンルーフ開閉、ウィンドウ開閉を行うこととなる。
【0055】
ステップ403では、キー照合ECU6は、認証失敗信号をバス8を介してリモートECU7へと送信する。ステップ404では、リモートECU7は、ステップ403でキー照合ECU6から送信された認証失敗信号をバス8を介して受信し、ヘッドライトやテールライトを点灯させ、ホーンの吹鳴を行わせるとともに、警告情報を通信ECU71へと出力する。
【0056】
ステップ405では、通信ECU71は、ステップ404でリモートECU7から出力された警告情報を情報センター72へと送信する。ステップ406では、情報センター72は、ステップ405で車載制御機器から送信された警告情報を受信し、携帯電話73へと送信する。
【0057】
ステップ407では、携帯電話73は、ステップ406で情報センター72から送信された警告情報を受信し、ユーザーに対して警告動作を行う。これにより、ユーザーは紛失・盗難等された携帯機器によって車両が利用されようとしたことを把握でき、車両のセキュリティをより向上させることができる。
【0058】
このように、本実施形態の車両用認証装置では、キー照合ECU6は予め登録された識別情報の各々に対し、当該識別情報が無効化・有効化されていることを示すフラグを有する。動作モードが無効化モードに設定されている場合に、受信機61が識別情報を受信すると、キー照合ECU6は当該識別情報に対応するフラグをセットする。動作モードが通常モードに設定されている場合において、受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のいずれかと一致した場合でも、当該識別情報に対応するフラグがセットされている場合、キー照合ECU6は、当該識別情報が携帯機器62または予備の携帯機器から送信された識別情報ではないものと判断し、認証失敗信号をバス8を介してリモートECU7へと送信する。これにより、ユーザーが携帯機器を紛失・盗難等された場合でも、キー照合ECU6に予め登録された識別情報のうち、盗難・紛失等された携帯機器の識別情報のみを無効化することができるとともに、予備の携帯機器は引き続き使用することが可能となる。その結果として、ユーザーが携帯機器を紛失・盗難等された場合においても、車両のセキュリティを維持しつつ、予備の携帯機器によって車両を利用することが可能となる。
【0059】
本実施形態では、携帯電話73から無効化モード設定指示および解除モード設定指示が送信されることに起因して、キー照合ECU6の動作モードが無効化モードおよび解除モードに設定された。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば携帯機器62の操作キーが長押しされたことに起因して(携帯機器62から操作信号が所定時間以上送信されることに起因して)、キー照合ECU6の動作モードを無効化モードおよび解除モードに設定することとしても良い。また、例えば、前述した携帯機器62の操作キーの長押しや、車両のドアの開閉、車両のドアのロック・アンロックが所定の手順で行われたことに起因して、キー照合ECU6の動作モードを無効化モードおよび解除モードに設定されることとしても良い。
【0060】
また、本実施形態では、キー照合ECU6は動作モードが無効化モードに設定されている場合に、受信機61が受信した識別情報が予め登録された識別情報のいずれかと一致すると、当該識別情報以外の全ての識別情報がユーザーによって選定されたものと判断し、当該識別情報以外の全ての識別情報に対応する各フラグをセットした後、動作モードを通常モードに設定する。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えばキー照合ECU6の動作モードが無効化モードに設定されてから、所定時間が経過すると通常モードに設定されるものとする。そして、動作モードが無効化モードに設定されている間に、受信機61が受信した単数または複数の識別情報が予め登録された識別情報のいずれかと一致すると、当該識別情報以外の全ての識別情報に対応する各フラグをセットすることとしても良い。これにより、予備の携帯機器が多数ある場合においても、全ての予備の携帯機器で車両を利用可能とすることができる。また、その際には、図示しないハザードを点灯させたり、図示しないブザーを吹鳴させることとしても良く、ユーザーは紛失・盗難等された携帯機器の識別情報が無効化されたのを察知できる。
【0061】
また、本実施形態では、キー照合ECU6は動作モードが解除モードに設定されている場合において、受信機61が受信した識別情報が、予め登録された識別情報のうちで対応するフラグがセットされている識別情報のいずれかと一致する場合、当該識別情報と対応するフラグをリセットした後、動作モードを通常モードに設定する。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えばキー照合ECU6の動作モードが解除モードに設定されてから、所定時間が経過すると通常モードに設定されるものとする。そして、動作モードが解除モードに設定されている間に、受信機61が受信した単数または複数の識別情報が、予め登録された識別情報のうちで対応するフラグがセットされている識別情報のいずれかと一致する場合、当該識別情報と対応するフラグをリセットすることとしても良い。これにより、紛失・盗難等された単数または複数の携帯機器が後に発見された場合でも、ユーザーは当該携帯機器によって車両を再び利用することができる。また、その際には、図示しないハザードを点灯させたり、図示しないブザーを吹鳴させることとしても良く、ユーザーは発見された携帯機器によって車両を再び利用できることを察知できる。
【0062】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の車両用認証装置では、キー照合ECU6は、車両が前回利用された際に行われた認証動作に使用された識別情報を記憶しており、無効化指示信号を受信すると記憶された識別情報に対応するフラグをセットする。また、有効化すべき識別情報を含む有効化指示(解除指示)信号を受信すると、当該信号の示す識別情報に対応するフラグをリセットする。上述した点が、本実施形態のポイントである。
【0063】
通信ECU71は、携帯電話73から送信された、車両が前回利用された際に行われた認証動作に使用された識別情報を無効化するよう指示する無効化指示を、情報センター72を介して受信する。さらに、通信ECU71は、携帯電話73から送信された、キー照合ECU6に予め登録された識別情報のうち無効化された識別情報のいずれかを有効化するよう指示する有効化指示を、情報センター72を介して受信する。また、通信ECU71は、リモートECU7から出力される通知情報を情報センター72を介して携帯電話73へ送信することも行う。
【0064】
リモートECU7は、通信ECU71が無効化指示または有効化指示を受信すると、これに対応する無効化指示信号または有効化指示信号をバス8を介してキー照合ECU6へと送信する。また、キー照合ECU6からバス8を介して通知信号を受信すると、通知情報を通信ECU71へ出力する。このリモートECU7は、第2通知手段としても機能するものである。
【0065】
キー照合ECU6は、車両が前回利用された際に行われた認証動作に使用された識別情報を記憶している。リモートECU7からバス8を介して無効化指示信号を受信すると、キー照合ECU6は、記憶している識別情報に対応するフラグをセットし、通知信号をバス8を介してリモートECU7へ送信する。また、リモートECU7からバス8を介し有効化指示信号を受信すると、キー照合ECU6は、当該信号の示す識別情報に対応するフラグをリセットする。このキー照合ECU6は、第2解除手段としても機能するものである。
【0066】
その他の構成に関しては、前述した第1の実施形態の場合と同様であるため、説明を省略する。以下に、本実施形態に特徴的な動作について示す。
【0067】
図5は、本実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECU6に予め登録される識別情報のうち、車両が前回利用された際に行われた認証動作に使用された識別情報を無効化する処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、ユーザーが携帯電話73に無効化指示を入力すると実行が開始される。
【0068】
ステップ501では、携帯電話73は、無効化指示を情報センターへと送信する。ステップ502では、情報センター72は、ステップ501で携帯電話73から送信された無効化指示を受信し、車載制御機器へと送信する。
【0069】
ステップ503では、車載制御機器の通信ECU71は、ステップ502で情報センター72から送信された無効化指示を受信する。ステップ504では、リモートECU7は、ステップ503で通信ECU71が無効化指示を受信すると、無効化指示信号をバス8を介してキー照合ECU6へと送信する。
【0070】
ステップ505では、キー照合ECU6は、リモートECU7から送信される無効化指示信号をバス8を介して受信すると、記憶している識別情報に対応するフラグをセットする。ステップ506では、キー照合ECU6は、通知信号をバス8を介してリモートECU7へと送信する。
【0071】
ステップ507では、リモートECU7は、ステップ506でキー照合ECU6から送信される通知信号をバス8を介して受信し、通信ECU71へ通知情報を出力する。ステップ508では、通信ECU71は、ステップ507でリモートECU7から出力された通知情報を取得し、情報センター72へと送信する。
【0072】
ステップ509では、情報センター72は、ステップ508で車載制御機器から送信された通知情報を受信し、携帯電話73へと送信する。ステップ510では、携帯電話73は、ステップ509で情報センター72から送信された通知情報を受信し、ユーザーに対して通知動作を行う。これにより、ユーザーは、車両が前回利用された際に行われた認証動作に使用された識別情報が無効化されたことを確実に把握できる。
【0073】
図6は、本実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECU6に予め登録される識別情報のうち、無効化された識別情報を有効化指示によって有効化する処理に関するフローチャートである。本フローチャートの処理は、ユーザーが携帯電話73に有効化指示を入力すると実行が開始される。
【0074】
ステップ601では、携帯電話73は、有効化指示を情報センターへと送信する。ステップ602では、情報センター72は、ステップ601で携帯電話73から送信された有効化指示を受信し、車載制御機器へと送信する。
【0075】
ステップ603では、車載制御機器の通信ECU71は、ステップ602で情報センター72から送信された有効化指示を受信する。ステップ604では、リモートECU7は、ステップ603で通信ECU71が有効化指示を受信すると、有効化指示信号をバス8を介してキー照合ECU6へと送信する。
【0076】
ステップ605では、キー照合ECU6は、リモートECU7から送信される有効化指示をバス8を介して受信すると、当該信号の示す識別情報に対応するフラグをリセットする。ステップ606では、キー照合ECU6は、通知信号をバス8を介してリモートECU7へと送信する
ステップ607では、リモートECU7は、ステップ606でキー照合ECU6から送信される通知信号をバス8を介して受信し、通信ECU71へ通知情報を出力する。ステップ608では、通信ECU71は、ステップ607でリモートECU7から出力された通知情報を取得し、情報センター72へと送信する。
【0077】
ステップ609では、情報センター72は、ステップ608で車載制御機器から送信された通知情報を受信し、携帯電話73へと送信する。ステップ610では、携帯電話73は、ステップ609で情報センター72から送信された通知情報を受信し、ユーザーに対して通知動作を行う。これにより、ユーザーは有効化指示の示す識別情報を有効化したことを確実に把握できる。
【0078】
このように、本実施形態の車両用認証装置では、キー照合ECU6は、車両が前回利用された際に行われた認証動作に使用された識別情報を記憶する。キー照合ECU6は、無効化指示信号を受信すると、記憶している識別情報に対応するフラグをセットする。また、有効化指示信号を受信すると、当該信号の示す識別情報に対応するフラグをリセットする。これにより、ユーザーが前回使用した携帯機器が紛失・盗難等された場合でも、携帯電話73を利用して当該携帯機器の識別情報を即座に無効化できる。また、紛失・盗難等された携帯機器が発見された場合にも、ユーザーは当該携帯機器によって車両を再び利用できる。
【0079】
本実施形態では、キー照合ECU6は、リモートECU7からバス8を介し有効化指示信号を受信すると、当該信号の示す識別情報に対応するフラグをリセットした。この有効化指示の内容は、具体的には、キー照合ECU6に登録されている識別情報に割り振られた固有の番号であり、キー照合ECU6は、当該番号に該当する識別情報のフラグをリセットするものである。なお、前述したフラグのリセットを行う際には、ユーザーの所持する携帯電話73に通知情報を送信することとしても良い。これにより、ユーザーは当該識別情報の無効化が解除されたことを確実に把握することができる。
【0080】
前述した各実施形態では、キー照合ECU6に登録された識別情報に対応するフラグが設けられ、当該フラグをセットすることによって識別情報を無効化した。しかしながら、これに限定されるものではなく、キー照合ECU6に登録された識別情報を消去することとしても良い。
【0081】
また、前述した各実施形態では、ユーザーの所持する携帯機器62や携帯電話73を利用して無効化する識別情報の選定を行った。しかしながら、これに限定されるものではなく、パソコン等を利用して、ユーザーからの指示操作に基づいて選定した識別情報を示す信号を出力できるよう構成しても良い。
【0082】
前述した各実施形態では、キー照合ECU6には、予め登録された各識別情報が無効化・有効化されていることを示すフラグが設けられた。そして、受信機61が受信した識別情報が、予め登録された識別情報のいずれかに一致するが、当該識別情報に対応するフラグがセットされている場合には、認証失敗信号をバス8を介してリモートECU7へと送信した。前述の方法は、ユーザーが所持する携帯機器が紛失・盗難等された場合に、当該携帯機器の識別情報のみを一時的に無効化できる点で有効である。しかしながら、紛失・盗難等された携帯機器の識別情報が無効化されたまま所定期間が経過する、すなわち、紛失・盗難等された携帯機器が発見されずに所定期間が経過することもあり、このような場合には、当該携帯機器がその後に発見される可能性は低い。そこで、キー照合ECU6は、紛失・盗難等された携帯機器の識別情報が無効化されたまま所定期間が経過した場合には、当該携帯機器の識別情報を消去することが望ましい。これにより、当該携帯機器は完全に利用できなくなるため、車両のセキュリティをさらに高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1の実施形態における車両用認証装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECUに予め登録されている識別情報のいずれかを無効化する処理に関するフローチャートである。
【図3】第1の実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECUに予め登録されている識別情報のうち、無効化された識別情報を有効化する処理に関するフローチャートである。
【図4】第1の実施形態の車両用認証装置において、車両が不正に利用されようとしていることをユーザーに警告する処理に関するフローチャートである。
【図5】第2の実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECUに予め登録される識別情報のうち、車両が前回利用された際に行われた認証動作に使用された識別情報を無効化する処理に関するフローチャートである。
【図6】第2の実施形態の車両用認証装置において、キー照合ECUに予め登録される識別情報のうち、無効化された識別情報を有効化指示によって有効化する処理に関するフローチャートである。
【符号の説明】
【0084】
1…ドアロックECU、 2…トランクECU、 3…サンルーフECU、 4…パワーウィンドウECU、 5…エンジンECU、 6…キー照合ECU、 61…受信機、 62…携帯機器、 7…リモートECU、 71…通信ECU、 72…情報センター、 73…携帯電話、 8…バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のユーザーが所持する複数の携帯機器の識別情報が登録されている登録手段と、
前記携帯機器から識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した識別情報が前記登録手段に登録されている場合には、前記車両の利用を許可する認証手段とを備えた車両用認証装置であって、
前記登録手段に登録された識別情報のうち、無効化する識別情報を選定して、選定した識別情報を示す信号を出力する選定手段と、
前記登録手段に登録された複数の識別情報のうち、前記選定手段によって出力された信号に対応する識別情報を無効化する無効化手段とを設け、
前記認証手段は、前記取得手段が取得した識別情報が前記無効化手段によって無効化されている場合には、前記車両の利用を不許可とすることを特徴とする車両用認証装置。
【請求項2】
前記登録手段は、登録されている識別情報が無効化されるとセットされるフラグを各識別情報毎に有し、
前記無効化手段は、前記選定手段によって選定された識別情報を前記登録手段に登録したままで、当該識別情報に対応するフラグをセットすることにより、当該識別情報を無効化することを特徴とする請求項1記載の車両用認証装置。
【請求項3】
前記無効化手段は、前記選定手段によって選定された識別情報を前記登録手段から消去することで、当該識別情報を無効化することを特徴とする請求項1記載の車両用認証装置。
【請求項4】
前記選定手段は、前記ユーザーからの指示操作に基づいて、前記登録手段に登録された識別情報のうちのいずれかを選定して信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両用認証装置。
【請求項5】
前記ユーザーが所持する携帯型通信機器と通信を行う通信手段と、
前記通信手段が前記携帯型通信機器から送信される無効化モード設定指示を受信すると、前記車両用認証装置の動作モードを無効化モードに設定するモード設定手段とを設け、
前記選定手段は、前記モード設定手段によって前記動作モードが前記無効化モードに設定されている場合に、前記取得手段が単数または複数の識別情報を取得すると、前記登録手段に登録された識別情報のうち、前記取得手段が取得した単数または複数の識別情報以外の全ての識別情報を選定して信号を出力することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の車両用認証装置。
【請求項6】
前記登録手段に登録された識別情報のうち、前記取得手段が取得した単数または複数の識別情報以外の全ての識別情報を前記選定手段が選定して信号を出力した場合、報知動作を行う第1報知手段を設けることを特徴とする請求項5記載の車両用認証装置。
【請求項7】
前記モード設定手段は、前記携帯型通信機器から送信される解除モード設定指示を前記通信手段が受信すると、前記車両用認証装置の動作モードを解除モードに設定し、
前記モード設定手段によって前記動作モードが前記解除モードに設定されている場合に、前記取得手段が前記無効化手段によって無効化された単数または複数の識別情報を取得すると、当該単数または複数の識別情報の無効化を解除する第1解除手段を設けることを特徴とする請求項5または請求項6記載の車両用認証装置。
【請求項8】
前記第1解除手段が前記無効化解除動作を行った際、報知動作を行う第2報知手段を設けることを特徴とする請求項7記載の車両用認証装置。
【請求項9】
前記携帯型通信機器から送信される、前記無効化手段によって無効化された識別情報のうちのいずれかを解除するよう指示する解除指示を前記通信手段が受信すると、当該解除指示が示す識別情報の無効化を解除する第2解除手段を設けることを特徴とする請求項5記載の車両用認証装置。
【請求項10】
前記第2解除手段が前記無効化解除動作を行った場合、通知情報を前記通信手段から前記携帯型通信機器へと送信させ、前記ユーザーに通知を行う第1通知手段を設けることを特徴とする請求項5から請求項9のいずれかに記載の車両用認証装置。
【請求項11】
前記ユーザーの所持する携帯型通信機器と通信を行う通信手段を設け、
前記選定手段は、前記携帯型通信機器から送信される無効化指示を前記通信手段が受信すると、前記認証手段が前記車両の利用を前回許可した際に、前記取得手段が取得した識別情報である前回識別情報を選定して信号を出力することを特徴とする請求項1記載の車両用認証装置。
【請求項12】
前記無効化手段が前記前回識別情報を無効化したことを通知する通知情報を、前記通信手段から前記携帯型通信機器へと送信させ、前記ユーザーに通知を行う第2通知手段を設けることを特徴とする請求項11記載の車両用認証装置。
【請求項13】
前記取得手段が前記無効化手段によって無効化された識別情報を取得した場合、警戒動作を行う警戒手段を設けることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれかに記載の車両用認証装置。
【請求項14】
前記取得手段が無効化された識別情報を取得した場合、警告情報を前記通信手段から前記携帯型通信機器へと送信させ、前記ユーザーに警告を行う警告手段を設けることを特徴とする請求項5から請求項13のいずれかに記載の車両用認証装置。
【請求項15】
前記無効化手段は、前記無効化された識別情報について、当該識別情報が無効化されたまま所定期間が経過した場合には、当該識別情報を前記登録手段から消去することを特徴とする請求項1から請求項14のいずれかに記載の車両用認証装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−50885(P2008−50885A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−229698(P2006−229698)
【出願日】平成18年8月25日(2006.8.25)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】