車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラム
【課題】携帯機器から、携帯機器から取得した地点情報の種別に応じて、適切な処理を行うことができる車載機器等を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の車載機器10は、任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器30と通信を行う通信手段110と、通信確立された後に、携帯機器30から地点情報を取得する地点情報取得手段130と、地点情報取得手段130により取得された地点情報に関する処理の種別を判別する地点情報判別手段140と、地点情報判別手段140により判別された種別に基づき、地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行う地点情報処理手段200と、目的地設定を行った場合、当該目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段180と、を備えたものである。
【解決手段】本発明の車載機器10は、任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器30と通信を行う通信手段110と、通信確立された後に、携帯機器30から地点情報を取得する地点情報取得手段130と、地点情報取得手段130により取得された地点情報に関する処理の種別を判別する地点情報判別手段140と、地点情報判別手段140により判別された種別に基づき、地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行う地点情報処理手段200と、目的地設定を行った場合、当該目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段180と、を備えたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器と通信可能な車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器から地点情報を受信する受信部と、受信した地点情報に基づいて走行経路を設定する走行経路設定部と、設定した走行経路に基づいて経路誘導を行う経路誘導部と、を備えた車載機器が知られている(例えば、特許文献1)。この車載機器によれば、携帯機器に登録された地点情報に基づいて、自動的に走行経路を設定することができるため、ユーザが車両に搭乗した後、車載機器側に対して目的地を設定する手間を省くことができるといった効果がある。また、携帯機器からスケジュールデータを取得して目的地設定を行う車載機器も知られている(例えば、特許文献2)。この車載機器によれば、携帯機器に登録されたスケジュールデータに含まれる地点情報に基づいて、自動的に目的地を設定することができるといった効果がある。
【特許文献1】特開2003−177027号公報
【特許文献2】特開2000−146617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1に記載の車載機器の場合、携帯機器に登録された地点情報が、全て目的地設定のためのものであるとは限らない。例えば、カーナビゲーション機器には、通常「地点登録機能(自宅や職場などよく行く場所や過去に目的地設定した場所などを登録する機能)」が搭載されているが、地点登録を目的として地点情報を登録し、携帯機器から車載機器に転送する使い方も考えられる。また、特許文献2に記載の車載機器の場合も、携帯機器に登録されているスケジュールデータが、必ずしも車両移動を伴う(ユーザが経路誘導を所望する)ものばかりとは限らない。例えば、電車移動や徒歩など、他の交通手段を用いて目的地まで行くことを想定したスケジュールデータであることも考えられる。このように、従来の車載機器では、携帯機器に登録された地点情報が、目的地設定のみに用いられていたため、携帯機器において、単に場所を記録しておく(地点登録する)といった目的で、地点情報を登録することができなかった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑み、携帯機器から取得した地点情報の種別に応じて、適切な処理を行い得る車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の車載機器は、任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信を行う通信手段と、通信確立された後に、携帯機器から地点情報を取得する地点情報取得手段と、地点情報取得手段により取得された地点情報に関する処理の種別を判別する地点情報判別手段と、地点情報判別手段により判別された種別に基づき、地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行う地点情報処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の車載機器の通信制御方法は、任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信可能な車載機器の通信制御方法であって、車載機器が、通信確立された後に、携帯機器から地点情報を取得するステップと、取得された当該地点情報に関する処理の種別を判別するステップと、判別された種別に基づき、地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行うステップと、を実行することを特徴とする。
【0007】
これらの構成によれば、地点情報を取得した後、当該地点情報の種別を判別し、その判別結果に応じて地点登録または目的地設定を行うため、地点情報の種別に応じた適切な処理を行うことができる。つまり、携帯機器から受信した地点情報が、地点登録を目的としたものであるか、目的地設定を目的としたものであるかを判別できるため、携帯機器側ではそれら2種類の地点情報を区別して登録することができる。したがって、予め携帯機器側で地点登録や目的地設定を行っておくことが可能となり、車両搭乗後、車載機器側でこれらを行うための手間を省くことができる。
なお、「地点情報」とは、任意の地点を示す緯度・経度情報そのものだけでなく、マップコード、住所、電話番号など、間接的に任意の地点を特定できる情報を指す。また、携帯機器が携帯電話の場合など、アドレス帳(電話帳)機能を有する場合は、当該アドレス帳に保持された住所や電話番号を、地点情報として取得しても良い。
また、携帯機器との通信は、有線通信および無線通信(非接触通信)のいずれであっても良い。さらに、「地点情報に関する処理の種別の判別」は、地点情報に付加された情報の有無やその種類によって判別しても良いし、地点情報そのものの情報形式(例えば、マップコードの場合は目的地設定で、住所や電話番号の場合は地点登録など)によって判別しても良い。また、地点情報の送信前後に携帯機器から別途送信された情報に基づいて、処理の種別を判別しても良い。
【0008】
上記に記載の車載機器において、地点情報は、目的地を示す目的地情報、または地点登録するための地点登録情報であり、地点情報判別手段は、地点情報取得手段により取得した地点情報が目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別し、地点情報処理手段は、地点情報が地点登録情報であると判別された場合、当該地点登録情報を用いて地点登録を行う地点登録手段と、地点情報が目的地情報であると判別された場合、当該目的地情報を用いて目的地設定を行う目的地設定手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、携帯機器から、目的地情報および地点登録情報の2種類の地点情報を取得することができる。これにより、車載機器側で目的地設定したり行き先を検索したりする際の利便性を高めることができる。
【0010】
上記に記載の車載機器において、携帯機器との通信確立時に、当該携帯機器に対し、地点情報の転送予約の有無を確認する転送予約確認手段をさらに備え、地点情報取得手段は、転送予約確認手段により、携帯機器に転送予約があることを確認した場合、当該携帯機器から地点情報を取得することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、携帯機器との通信確立時に、地点情報の転送予約の有無を確認し、転送予約があることを確認した場合に地点情報を取得するため、ユーザが意図しない地点情報まで取得することがない。なぜなら、携帯機器に、地点情報の転送予約があるということは、ユーザが車載機器への情報転送を所望していると考えられるためである。また、携帯機器との通信確立時に転送予約を確認するため、ユーザは地点情報を取得するための特別な操作を行う必要がなく、ひいては情報取得漏れの心配もない。つまり、本構成によれば、所望する地点情報の取得を、迅速且つ確実に行うことができる。
【0012】
上記に記載の車載機器において、地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、携帯機器から取得した地点情報に基づいて目的地を設定し、当該目的地までの経路誘導を行うことができる。つまり、車両誘導装置(カーナビゲーション装置)に、本発明を適用することができる。
【0014】
上記に記載の車載機器において、通信手段による優先通信の対象となる1の携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、地点情報取得手段は、最初に当該優先機器から地点情報の取得を試み、優先機器に転送すべき地点情報がない場合であって通信手段により当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立できた場合には、当該他の携帯機器に対して地点情報の取得を試みることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、優先機器を設定できるため、車内に無線通信可能な携帯機器が複数ある場合でも、優先機器で転送予約された地点情報を確実に取得することができる。また、優先機器に転送予約がないことを確認した場合であって、当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立できた場合は、当該他の携帯機器に対して地点情報の取得を試みるため、優先機器の設定を変更することなく、優先機器以外の携帯機器から地点情報を取得することができる。
【0016】
上記に記載の車載機器において、通信手段による優先通信の対象となる1の携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、転送予約確認手段は、最初に優先機器の転送予約を確認し、当該優先機器に転送予約がないことを確認した場合であって、且つ通信手段により当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立できた場合、当該他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、優先機器を設定できるため、車内に無線通信可能な携帯機器が複数ある場合でも、優先機器で転送予約された地点情報を確実に取得することができる。また、優先機器に転送予約がないことを確認した場合は、当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立して転送予約の有無を確認するため、優先機器の設定を変更することなく、優先機器以外の携帯機器から地点情報を取得することができる。
なお、通信手段により優先機器と通信を確立できなかった場合も、優先機器に転送予約がないものとみなし、他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認することが好ましい。
【0018】
上記に記載の車載機器において、転送予約確認手段により、他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認し、地点情報処理手段により、当該他の携帯機器から取得した地点情報を用いて目的地設定した場合、優先機器設定手段は、当該他の携帯機器を優先機器として設定することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、目的地設定した地点情報の転送元となる他の携帯機器を、容易に優先機器として設定することができる。つまり、優先機器として設定されている携帯機器の所有者以外のユーザが車両を運転するような場合、車載機器との通信確立前に、わざわざ自分の携帯機器を優先機器に設定し直す必要がなく、地点情報の転送予約をしておくだけで良い。
【0020】
上記に記載の車載機器において、他の携帯機器から取得した地点情報を用いて目的地設定した場合、当該他の携帯機器を優先機器として設定するか否かをユーザに選択させるための優先機器選択手段をさらに備え、優先機器設定手段は、優先機器選択手段により「設定する」と選択された場合、他の携帯機器を優先機器として設定することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、他の携帯機器を優先機器として設定するか否かをユーザに選択させるため、ユーザの意図に反して、優先機器の設定変更が行われることがない。
なお、「優先機器選択手段」は、ユーザに選択を促す画面を表示する表示手段を含んでも良いし、ユーザに選択を促す音声案内を行う音声出力手段を含んでも良い。
【0022】
上記に記載の車載機器において、携帯機器は、目的地情報を、日時情報と共に登録可能であり、通信手段により、目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、地点情報取得手段により、複数の目的地情報を取得した場合、取得した複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を、日時情報に応じて抽出する目的地情報抽出手段をさらに備え、目的地設定手段は、目的地情報抽出手段により抽出された1以上の目的地情報に基づいて、目的地を設定することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、複数の目的地情報を取得した場合でも、携帯機器に登録された日時情報に応じて1以上の目的地情報を抽出するため、ユーザが、車載機器側で目的地設定の対象となる目的地情報を選択する必要がない。したがって、複数の目的地情報を取得した場合でも、迅速に目的地を設定することができる。
なお、目的地情報抽出手段により複数の目的地情報を抽出した場合、目的地設定手段は、当該複数の目的地情報に基づく複数の目的地を経由地として設定する構成でも良いし、1の目的地までの経路誘導を終了した後、自動的に次の目的地設定を行うといった構成でも良い。後者の場合は、抽出された目的地情報の数だけ、連続して経路誘導が行われることとなる。
また、目的地情報抽出手段により抽出された1以上の目的地情報の中から、さらに目的地設定の対象となる目的地情報を絞るための(ユーザに選択させるための)目的地情報選択手段をさらに備えても良い。この場合、「目的地情報選択手段」は、ユーザに選択を促す画面を表示する表示手段を含んでも良いし、ユーザに選択を促す音声案内を行う音声出力手段を含んでも良い。
また、「日時情報」とは、日付、時刻および曜日などを含む情報を指す。さらに、「日時情報」は、ユーザが入力した情報を登録しても良いし、地点情報を登録した日時などを自動的に登録(付加)しても良い。
【0024】
上記に記載の車載機器において、目的地設定の対象となる目的地情報を抽出するための日時条件を設定する日時条件設定手段をさらに備え、目的地情報抽出手段は、複数の目的地情報のうち、日時条件設定手段により設定された日時条件と、日時情報とを照合することによって、1以上の目的地情報を抽出することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、ユーザの好みやニーズに応じて、車載機器側で目的地情報を抽出するための日時条件を設定することができる。
なお、「日時条件」とは、日付、時刻および曜日などに関する条件を指す。
【0026】
上記に記載の車載機器において、通信手段により、目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、地点情報取得手段により、複数の目的地情報を取得した場合、取得した複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の地点情報をユーザに選択させるための目的地情報選択手段をさらに備え、目的地設定手段は、目的地情報選択手段により選択された1以上の目的地情報に基づいて、目的地を設定することを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、複数の目的地情報を取得した場合、その中からユーザが1以上の目的地情報を選択できるため、ユーザが所望する目的地を設定することができる。
なお、目的地情報選択手段により複数の目的地情報が選択された場合、目的地設定手段は、当該複数の目的地情報に基づく複数の目的地を経由地として設定する構成でも良いし、1の目的地までの経路誘導を終了した後、自動的に次の目的地設定を行うといった構成でも良い。後者の場合は、選択された目的地情報の数だけ、連続して経路誘導が行われることとなる。
また、「目的地情報選択手段」は、ユーザに選択を促す画面を表示する表示手段を含んでも良いし、ユーザに選択を促す音声案内を行う音声出力手段を含んでも良い。
【0028】
上記に記載の車載機器において、通信手段により、目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、地点情報取得手段により、複数の目的地情報を取得した場合、地点情報処理手段は、取得した複数の目的地情報に基づいて、複数の経由地を設定する経由地設定手段を含み、経由地設定手段により設定された複数の経由地にしたがって経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、複数の目的地情報を取得した場合、複数の経由地を設定し、当該複数の経由地にしたがって経路誘導を行うことができる。
なお、「経路誘導手段」は、複数の経由地のうち、現在位置から近い順番に経路誘導を行っても良いし、各目的地情報に日時情報(到着予定時刻など)が付加されている場合は、その日時情報にしたがって経路誘導を行っても良い。
【0030】
上記に記載の車載機器において、現在位置から、地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの所要時間、および当該目的地への到着時刻のいずれかを算出する算出手段と、算出手段により算出された所要時間または到着時刻を、地点情報の転送元となる携帯機器に対して通知する通知手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、地点情報を転送した携帯機器に、目的地までの所要時間、または目的地への到着時刻を通知することができるため、携帯機器側において、スケジュール管理などに利用することができる。
なお、地点情報の転送元となる携帯機器において、車載機器から通知された所要時間または到着時刻を、他の情報機器に転送する手段を設けても良い。この構成によれば、例えば人物A(他の情報機器)から、場所X(地点情報)まで迎えに来てほしい旨のメールを、人物B(地点情報の転送元となる携帯機器)に送信した場合、人物Aに対して場所Xまでの所要時間、または場所Xへの到着時刻を通知することができるため、便利である。
【0032】
上記に記載の車載機器において、目的地設定手段により設定された目的地情報、または地点登録手段により登録された地点登録情報の転送元となる携帯機器に対し、当該目的地情報または当該地点登録情報の登録削除指令を送信する削除指令送信手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、目的地設定手段により設定された目的地情報、または地点登録手段により登録された地点登録情報など、利用された地点情報については、その送信元となる携帯機器に登録削除指令を送信するため、携帯機器側で地点情報の登録を削除する手間を省くことができる。
【0034】
本発明の情報通信システムは、上記に記載の車載機器と、携帯機器と、から成ることを特徴とする。
【0035】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0036】
これらの構成によれば、車載機器が、ユーザが所望する地点情報のみを携帯機器から取得することができる情報通信システムまたはプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施形態に係る車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムについて説明する。本実施形態では、車載機器として、携帯機器(例えば、携帯電話)との通信機能およびカーナビゲーション機能を有する情報機器を例示する。
【0038】
図1は、車載機器10の制御ブロック図である。同図に示すように、車載機器10は、GPS(Global Positioning System)受信機11、アンテナ12、自立航法センサ13、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン受光器16、リモコン17、マイク18、通信部19、制御部20、地図データベース(以下、「地図DB」と記載する)24、地点登録データベース(以下、「地点登録DB」と記載する)25および接続バス26を備えている。なおディスプレイ14は必ずしも車載機器と一体である必要はなく、車載機器10とは独立した構成としてもよい。
【0039】
GPS(Global Positioning System)受信機11は、アンテナ12を介してGPS情報(位置情報および時刻情報を含む)を受信する。自立航法センサ13は、角度センサおよび距離センサから成り(いずれも、図示省略)、GPS受信機11との組み合わせにより、車両位置を特定するために利用される。ディスプレイ14は、経路案内情報を表示すると共に、必要に応じて各種確認画面(ユーザに対して確認を促すための画面)を表示する。スピーカー15は、音声による経路案内情報を出力すると共に、各種音声確認(ユーザに対して確認を促すための音声案内)を行う。
【0040】
リモコン受光器16は、リモコン17から操作信号を取得する。リモコン17は、操作子を用いて各種操作を行うものであり、本実施形態では、主に上記の確認画面や音声確認に対する、ユーザ回答を入力するために用いられる。マイク18は、ハンズフリーで各種操作を行うものであり、リモコン17と同様、ユーザ回答の入力に用いられる。また、マイク18は、携帯機器30が携帯電話の場合、ハンズフリー通話を行うためにも用いられる。
【0041】
通信部19は、携帯機器30とBluetooth通信(無線通信の一例として本実施例で示したものであり、「Bluetooth」は登録商標である。以下、「ブルートゥース」とも記載する。)や赤外線通信を行う。なお、通信部19は、これら非接触通信ではなく、バス接続などの有線通信を行っても良い。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22およびRAM(Random Access Memory)23から成る。CPU21は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。なお、特に図示しないが、CPU21は、現在時刻を計時するタイマを有している。ROM22は、CPU21が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶し、RAM23は、CPU21が各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。なお、RAM23内には、目的地設定の対象となる目的地情報を一時的に格納しておくための目的地候補リスト23aが記憶されている。
【0042】
地図DB24は、経路案内を行うための地図データを記憶する。地点登録DB25は、地点登録された地点登録情報を記憶するものであり、一般的に自宅、会社、学校など、頻繁に行く場所が地点登録情報として登録される。また、目的地設定された目的地情報も、後日検索できるように地点登録される。なお、以下の説明では、地点登録情報および目的地情報を「地点情報」と総称する。
【0043】
次に、図2を参照し、車載機器10および携帯機器30から成る情報通信システムSYの機能構成について説明する。携帯機器30は、主な機能構成として、地点情報登録手段310、日付情報登録手段320、転送予約手段330および通信手段340を有している。
【0044】
地点情報登録手段310は、地点情報として、目的地設定するための目的地情報や、地点登録するための地点登録情報を、ユーザが登録するためのものである。なお、携帯機器30が携帯電話の場合、地点情報は、携帯電話の一機能である電話帳(住所録)から、電話番号や住所を選択したものでも良いし、地図サイトにアクセスして、地図データ上に直接マーキングした結果であっても良い。後者の場合、緯度・経度またはマップコードが地点情報となる。
【0045】
日付情報登録手段320は、地点情報に、当該地点情報の利用日時を指定するための日時情報を関連付けて登録するものであり、本実施形態では、地点情報が目的地情報の場合に、日時情報を登録(入力)できるようになっている。ここで、「日時情報」とは、日付、時刻および曜日などを含む情報を指す。したがって、日時情報が日付の場合、車載機器10側で、その日付と通信日時が合致することを条件として、目的地設定の対象となる目的地情報が抽出される(図5のS58参照)。
【0046】
転送予約手段330は、地点情報(目的地情報の場合は、日時情報を含む)の転送予約を行うものである。本実施形態の携帯機器30は、ユーザにより地点情報が登録され、且つ転送が指示された時点で、車載機器10と通信不可能な状態にある場合は、自動的に転送予約状態となる。なお、車載機器10と通信可能な状態にある場合は、そのまま地点情報が送信される。通信手段340は、車載機器10との情報の入出力(送受信)を行うためのものであり、主に地点情報の送信に用いられる。なお、地点情報は、その種別(目的地情報または地点登録情報)を示す情報を、地点情報と同時に、若しくは地点情報の送信前後に別途送信する。
【0047】
続いて、車載機器10側の機能構成について説明する。車載機器10は、主な機能構成として、通信手段110、転送予約確認手段120、地点情報取得手段130、地点情報判別手段140、目的地情報抽出手段150、目的地情報選択手段160、目的地設定手段170、経路誘導手段180、地点登録手段190、優先機器設定手段210および優先機器選択手段220を有している。なお、目的地設定手段170および地点登録手段190により、地点情報処理手段200が実現される。
【0048】
通信手段110は、携帯機器30との情報の入出力を行うためのものであり、通信部19を主要構成要素とする。転送予約確認手段120は、携帯機器30との通信確立時に、当該携帯機器30に対して、地点情報の転送予約の有無(転送予約手段330により転送予約されているか否か)を確認するものである。また、地点情報取得手段130は、転送予約確認手段120により、携帯機器30に転送予約があることを確認した場合、当該携帯機器30から地点情報を取得するものである。なお、転送予約確認手段120および地点情報取得手段130は、制御部20および通信部19を主要構成要素とする。
【0049】
地点情報判別手段140は、地点情報取得手段130により取得した地点情報に関する処理の種別を判別するものであり、具体的には、取得した地点情報が、目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別する。また、目的地情報抽出手段150は、地点情報取得手段130により、複数の目的地情報を取得した場合、当該複数の目的地情報の中から、共に取得した日時情報に応じて、目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を抽出するものである。この場合、目的地情報に付加されている日時情報と、通信手段110により通信を確立した通信日時と、を照合し、通信日時が日時情報に合致する場合、当該日時情報が付加されている目的地情報を抽出する。なお、地点情報判別手段140および目的地情報抽出手段150は、制御部20を主要構成要素とする。
【0050】
目的地情報選択手段160は、目的地情報抽出手段150により抽出された1以上の目的地情報の中から、1の目的地情報をユーザに選択させるためのものであり、制御部20、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン17およびマイク18を主要構成要素とする。つまり、目的地情報選択手段160は、目的地設定の最終候補となる1の目的地情報の選択をユーザに促す画面(最終目的地情報選択画面)をディスプレイ14上に表示しても良いし、当該1の目的地情報の選択を促す音声案内をスピーカー15から出力しても良い。一方、ユーザは、リモコン17またはマイク18を用いて選択操作を行うことができる。
【0051】
目的地設定手段170は、目的地情報選択手段160により選択された1の目的地情報に基づいて、目的地を設定するものであり、制御部20および地図DB24を主要構成要素とする。また、経路誘導手段180は、目的地設定手段170により設定された目的地までのルート探索および経路誘導(経路誘導表示および音声案内)を行うものであり、GPS受信機11、自立航法センサ13、制御部20および地図DB24を主要構成要素とする。また、地点登録手段190は、目的地設定手段170により目的地設定された地点情報(目的地情報)、または地点情報判別手段140により地点登録情報と判別された地点情報を地点登録DB25に登録するものであり、制御部20および地点登録DB25を主要構成要素とする。
【0052】
優先機器設定手段210は、通信手段110による優先通信の対象となる1の携帯機器30である優先機器を設定するものであり、ディスプレイ14およびリモコン17を主要構成要素とする。つまり、ディスプレイ14に優先機器設定画面を表示し、リモコン17操作によって、優先機器となる携帯機器30の機器名や識別情報(例えば、MACアドレスやブルートゥース(登録商標)アドレスとも称されるハードウェア固有の物理アドレス)を設定することができる。なお、優先機器とは、具体的に、ハンズフリー通話の対象となる携帯機器30、および/またはインターネット接続を行う場合の接続機器となる携帯機器30を指す。以下の説明では、当該優先機器に設定された携帯機器30を「ドライバー機器」と称する。
【0053】
優先機器選択手段220は、転送予約確認手段120により、ドライバー機器以外の他の携帯機器30に対して転送予約の有無を確認し、地点情報取得手段130により、当該他の携帯機器30から目的地情報を取得し、さらに目的地設定手段170により当該目的地情報に基づいて目的地を設定した場合、当該他の携帯機器30をドライバー機器として設定するか否かをユーザに選択させるためのものである。ここで、ユーザにより「ドライバー機器として設定する」と選択された場合、優先機器設定手段210は、当該他の携帯機器30をドライバー機器として設定する。なお、優先機器選択手段220は、目的地情報選択手段160と同様に、制御部20、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン17およびマイク18を主要構成要素とする。
【0054】
次に、図3ないし図5のフローチャートを参照し、第1実施形態に係る携帯機器30および車載機器10の動作を説明する。図3は、携帯機器30の動作(地点情報の転送処理)を示すフローチャートであり、図4および図5は、車載機器10の動作(携帯機器30との通信から経路誘導を開始するまでの一連の処理)を示すフローチャートである。
【0055】
図3に示すように、携帯機器30は、ユーザにより地点情報の登録および転送指示が行われると(S11)、車載機器10と通信が確立しているか否かを判別する(S12)。ここで、通信が確立していない場合は(S12:No)、登録された地点情報が、目的地設定および地点登録のいずれを目的としたものであるかを判別する(S13)。当該判別は、地点情報が目的地設定欄または地点登録欄のいずれに入力されたか、または地点情報の入力前後における種別指定などに基づいて行う。
【0056】
S13において、地点登録を目的としたものであると判定した場合は、地点登録情報の転送予約を行う(S14)。また、S13において、目的地設定を目的としたものであると判定した場合は、さらにユーザに対して日時情報の入力を促し(S15)、日時情報が入力されると、目的地情報(日時情報が付加されたもの)の転送予約を行う(S16)。
【0057】
一方、車載機器10と通信が確立している場合は(S12:Yes)、S13と同様に、目的地設定および地点登録のいずれを目的としているかを判別し(S17)、地点登録を目的としたものであると判定した場合は、車載機器10に対して地点登録情報を送信する(S18)。また、目的地設定を目的としたものであると判定した場合は、ユーザに対して日時情報の入力を促し(S19)、日時情報が入力されると、車載機器10に対して目的地情報(日時情報が付加されたもの)を送信する(S20)。
【0058】
なお、上記のフローチャートにおいて、目的地情報の入力(S15,S19)を、地点情報の登録(S11)と同時に行っても良い。また、通信が確立している状態(S12:Yes)でも、転送予約状態に設定できるようにしても良い。
【0059】
続いて、車載機器10側の動作を説明する。ここでは、ドライバー機器が予め設定されており、当該ドライバー機器は電源オン状態である(通信可能状態である)ものとする。図4に示すように、車載機器10は、電源オン状態になると(S31)、通信部19により携帯機器30のブルートゥース(登録商標)探索を行う(S32)。ここで、優先機器として設定されているドライバー機器と通信が確立すると(S33)、ドライバー機器に地点情報の転送予約があるか否かを判別する(S34)。
【0060】
ドライバー機器に転送予約がある場合は(S34:Yes)、ドライバー機器から地点情報を取得して(S35)、当該地点情報が目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別する(S36)。ここで、地点登録情報と判定した場合は、さらにユーザが地点登録DB25への登録を許可したか否かを判別する(S37)。すなわち、地点登録DB25への登録を許可するか否かをユーザに選択させるための画面をディスプレイ14上に表示し、当該画面に対する選択操作を取得する。ここで、ユーザが、地点登録DB25への登録を許可した場合は(S37:Yes)、地点登録情報を地点登録DB25に登録する(S38)。また、ユーザが、地点登録DB25への登録を許可しなかった場合は(S37:No)、そのまま処理を終了する。
【0061】
一方、S36において、取得した地点情報が目的地情報であると判定した場合は、ユーザが地点登録DB25への登録と、目的地設定を許可したか否かを判別する(S39)。ここで、ユーザが許可した場合は(S39:Yes)、目的地情報を地点登録DB25に地点登録し(S40)、さらに登録地点を目的地に設定する(S41)。また、当該目的地までのルート探索を行った後(S42)、経路誘導を行う(S43)。また、S39において、ユーザが許可しなかった場合は(S39:No)、そのまま処理を終了する。
【0062】
続いて、図5を参照し、ドライバー機器に転送予約がなかった場合の動作(図4のS34:No)について説明する。ここでは、ドライバー機器以外に通信可能な携帯機器30が少なくとも1台以上、車内に存在するものとする。車載機器10は、ドライバー機器以外の他の携帯機器30と通信を確立すると(S51)、当該他の携帯機器30に目的地情報の転送予約があるか否かを判別する(S52)。目的地情報の転送予約がある場合は(S52:Yes)、当該他の携帯機器30から目的地情報を取得し(S53)、目的地候補リスト23a(図1参照)に登録する(S54)。つまり、他の携帯機器30については、地点登録情報の転送予約があった場合でも、これを無視する(取得しない)(S52:No)。
【0063】
続いて、車内に存在する全ての携帯機器30(他の携帯機器30)の転送予約を確認したか否かを判別し(S55)、判別していない場合は(S55:No)、S51〜S55の工程を繰り返す。また、全ての携帯機器30の転送予約を確認した場合は(S55:Yes)、目的地候補リスト23aに目的地情報があるか否かを判別し(S56)、目的地情報がない場合は(S56:No)、処理を終了する。
【0064】
一方、目的地情報がある場合は(S56:Yes)、目的地情報が1つであるか否かを判別し(S57)、1つでない場合は(S57:No)、目的地設定の対象となる1の目的地情報の抽出(日時情報に基づく)および選択を行う(S58)。当該S58は、目的地情報抽出手段150および目的地情報選択手段160により実現される。図6は、地点情報を選択するためにディスプレイ14上に表示される選択画面の一例を示す図である。ここで、選択候補50は、目的地情報抽出手段150によって抽出された目的地情報を示している。目的地情報としては、「○○駅」や「○○病院」など、地点名称を表示したり、「○○○○自宅」や「○○市○○町○丁目○番地」など、自宅名や住所を表示する。これらの表記の違いは、携帯機器30側における目的地情報の登録の違いによるものである。例えば、携帯機器30から地図サイトにアクセスし、地図データ上に直接マーキングすることによって目的地情報が登録された場合は、前者の通り地点名称を表示する。また、携帯機器30に備えられたアドレス帳から、電話番号や住所を選択することによって目的地情報が登録された場合は、後者の通り自宅名や住所を表示する。なお、フローチャートには記載していないが、S58(目的地情報選択手段160)により選択された目的地情報以外は、目的地候補リスト23aから削除する。
【0065】
また、1の目的地情報が選択された場合(S58)、若しくは目的地情報が1つの場合(S57:Yes)、その目的地情報の転送元となる携帯機器30をドライバー機器に設定するか否かをユーザに選択させ(S59)、「ドライバー機器に設定する」と選択された場合は(S59:Yes)、ドライバー機器の設定変更を行い(S60)、図4のS39以降の動作を行う。また、「ドライバー機器に設定しない」と選択された場合は(S59:No)、ドライバー機器の設定変更を行うことなく、図4のS39以降の動作を行う。
【0066】
なお、上記のフローチャートにおいて、図4のS37,S39、図5のS59などの確認工程を省略しても良い。また、ドライバー機器以外の他の携帯機器30からも地点登録情報の転送予約を確認し、転送予約がある場合には、これを取得するようにしても良い。また逆に、ドライバー機器からも目的地情報のみ、転送予約を確認しても良い。すなわち、取得した地点情報が地点登録情報の場合は(S36:地点登録情報)、そのまま処理を終了するようにしても良い。
【0067】
また、図5のS58において、目的地情報の抽出を行った結果、通信日時と日時情報とが合致しなかったことにより、目的地情報が1つも抽出されなかった場合は、目的地候補リスト23aにある全ての目的地情報から、1の目的地情報を選択可能としても良い。但し、この場合は、通信日時と日時情報とが合致しなかった旨をディスプレイ14上に表示した上で、ユーザに選択を促すことが好ましい。また、図5のS58において、目的地情報の抽出を行った結果、1の目的地情報しか抽出されなかった場合は、ユーザに対する地点情報の選択確認を省略しても良い。
【0068】
次に、図7および図8を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、まずドライバー機器に対して転送予約の確認を行い、ドライバー機器に転送予約がない場合に、他の携帯機器30に対して転送予約の確認を行ったが、本実施形態では、ドライバー機器であるか否かに関わらず、通信可能な全ての携帯機器30に対して転送予約を確認する点で異なる。また、通信可能な全ての携帯機器30において転送予約されている全ての地点登録情報を取得して地点登録を行う点、並びに複数箇所の目的地設定(経由地設定)が可能である点も第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態に係る車載機器10の動作をフローチャートで説明する。なお、本例においても、通信可能な携帯機器30が少なくとも1台以上、車内に存在するものとする。また、携帯機器30の動作は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
図7に示すように、車載機器10は、電源オン状態になると(S71)、携帯機器30のブルートゥース(登録商標)探索を行い(S72)、携帯機器30と通信を確立する(S73)。また、通信を確立した携帯機器30に転送予約があるか否かを判別し(S74)、転送予約がある場合は(S74:Yes)、当該携帯機器30から地点情報を取得して(S75)、当該地点情報が目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別する(S76)。ここで、地点登録情報と判定した場合は、ユーザが地点登録DB25への登録を許可したか否かを判別し(S77)、許可した場合は(S77:Yes)、地点登録情報を地点登録DB25に登録する(S78)。また、S76において、目的地情報と判定した場合は、目的地候補リスト23aに登録する(S79)。
【0070】
その後、転送予約されている全ての地点情報を取得したか否かを判別し(S80)、取得していない場合は(S80:No)、S75〜S80の工程を繰り返す。また、全ての地点情報を取得した場合は(S80:Yes)、通信可能な全ての携帯機器30の転送予約を確認したか否かを判別し(S81)、確認していない場合は(S81:No)、S73〜S81の工程を繰り返す。また、全ての携帯機器30の転送予約を確認した場合は(S81:Yes)、図8に示す動作に移行する。
【0071】
全ての携帯機器30の転送予約を確認し終えた車載機器10は、図8に示すように、目的地候補リスト23aに目的地情報があるか否かを判別し(S91)、目的地情報がない場合は(S91:No)、処理を終了する。また、目的地情報がある場合は(S91:Yes)、目的地情報が1つであるか否かを判別し(S92)、1つでない場合は(S92:No)、複数の目的地情報の中から、利用する1以上の目的地情報の抽出(日時情報に基づく)および選択を行う(S93)。当該S93も、目的地情報抽出手段150および目的地情報選択手段160により実現される。また、S93により最終的に選択された目的地情報以外は、目的地候補リスト23aから削除する。
【0072】
その後、S93による抽出・選択結果にしたがって、経由地または目的地を表示する(S94)。つまり、最終的に1の目的地情報が抽出(または選択)された場合は、目的地設定となり、複数の目的地情報が抽出(または選択)された場合は、経由地設定となる(経由地設定手段)。後者の場合、複数の経由地のうち、現在位置から近い順番に経由地を表示しても良いし、各目的地情報に付加されている日時情報(到着予定時刻など)にしたがって経由地を表示しても良い。なお、目的地候補リスト23aに目的地情報が1つしかないと判定した場合も(S92:Yes)、その目的地情報に基づく目的地を表示する(S94)。
【0073】
その後、ユーザが経由地または目的地設定を許可したか否かを判別し(S95)、ユーザが許可した場合は(S95:Yes)、ルート探索を行った後(S96)、経路誘導を行う(S97)。また、ユーザが許可しなかった場合は(S95:No)、そのまま処理を終了する。
【0074】
次に、図9を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。上記の第1実施形態および第2実施形態では、目的地設定または経由地設定の対象となる目的地情報を、車載機器10側で抽出するものとしたが、本実施形態では、携帯機器30側で抽出(判別)する点で異なる。以下、第3実施形態に係る携帯機器30の動作をフローチャートで説明する。なお、ここでは、地点情報の登録と、地点情報が目的地情報の場合の日時情報の登録が既に行われているものとする。
【0075】
携帯機器30は、車載機器10との通信を確立すると(S101)、車載機器10からの転送予約確認が目的地情報のみであるか否かを判別する(S102)。ここで、目的地情報のみの転送予約確認である場合は(S102:Yes)、通信日時が日時情報に該当する目的地情報があるか否かを判別する(S103)。日時情報に該当する目的地情報がある場合は(S103:Yes)、車載機器10に目的地情報の転送予約ありと返答し(S104)、日時情報に該当する目的地情報がない場合は(S103:No)、車載機器10に目的地情報の転送予約なしと返答する(S105)。
【0076】
一方、転送予約確認が目的地情報のみでない場合は(S102:No)、通信日時が日時情報に該当する目的地情報、および地点登録情報のいずれかがあるか否かを判別する(S106)。ここで、いずれかの情報がある場合は(S106:Yes)、車載機器10に転送予約ありと返答し(S107)、いずれの情報もない場合は(S106:No)、車載機器10に転送予約なしと返答する(S108)。
【0077】
なお、上記のフローチャートでは、転送予約確認が、目的地情報のみか否かを判別したが(S102参照)、地点情報の種別を判別し、種別毎に転送予約の有無を返答しても良い。また、車載機器10側からの種別を指定しない転送予約確認に対して、「地点登録情報の転送予約あり、目的地情報の転送予約なし」など、両種別の転送予約の有無を返答しても良い。
【0078】
次に、図10を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、上記の各実施形態を用いた応用例であり、ドライバー(車載機器10を搭載した車両の運転者)に対して、ある人物が所定の場所までの迎えを依頼する場合の利便性を追求した情報通信システムSYである。以下、ある人物が所有する携帯機器を「携帯機器A」、ドライバーが所有する携帯機器を「携帯機器B」として、携帯機器A、携帯機器Bおよび車載機器10間における一連の処理を説明する。なお、本実施形態では、車載機器10による転送予約確認の工程については説明を省略し、車載機器10と携帯機器Bとは常に通信可能な状態にあるものとする。
【0079】
まず、携帯機器Aは、迎えを依頼するための電子メールである「お迎えメール」を、携帯機器Bに対して送信する(S111)。なお、お迎えメールには、目的地情報と、当該電子メールが「お迎えメール」である旨の情報が含まれているものとする。また、携帯機器Aに、GPS受信機など現在位置を特定可能な機能が搭載されている場合、お迎えメール機能の起動時に、自動的に現在位置情報を取得し、当該現在位置情報を目的地情報として、お迎えメールを送信できることが好ましい。
【0080】
携帯機器Bは、携帯機器Aからお迎えメールを受信すると(S112)、お迎え用の目的地情報(以下、「お迎え目的地情報」と称する)を、車載機器10に対して送信する(S113)。なお、お迎え目的地情報は、お迎え用の目的地情報である旨の情報が付加されているものとする。
【0081】
車載機器10は、携帯機器Bからお迎え目的地情報を取得すると(S114)、これをディスプレイ14上に表示し(S115)、ユーザにより目的地設定が許可されたか否かを判別する(S116)。ここで、目的地設定が許可された場合は(S116:Yes)、ルート検索を行って、到着予定時刻(若しくは車両の現在位置から目的地までの所要時間)を算出し(S117,算出手段)、算出した到着予定時刻を携帯機器Bに対して返信する(S118,通知手段)。なお、当該S118が、お迎え目的地情報を取得した場合の追加工程である。その後、車載機器10は、ルート検索結果に基づいて、経路誘導を行う(S119)。なお、ユーザにより目的地設定が許可されなかった場合は(S116:No)、そのまま処理を終了する。
【0082】
携帯機器Bは、車載機器10から到着予定時刻を受信すると(S120)、これを携帯機器Aに転送する(S121)。なお、転送先に関する情報は、S112のお迎えメールを受信した時点で記憶しておくものとする。携帯機器Aは、携帯機器Bから到着予定時刻を受信すると(S122)、これを携帯機器Aに備えられた画面上に表示する(S123)。
【0083】
このように、本発明の第4実施形態に係る情報通信システムSYによれば、迎えを依頼する人物は、お迎えメールを送信することで、到着予定時刻を確認することができるため、便利である。また、迎えに行く人物は、お迎えメールを受け取った後、目的地設定を許可する操作だけを行えば良く、メールを確認した旨や到着予定時刻を通知する必要がないため、運転中であっても、支障なく対応することができる。
【0084】
また、第4実施形態に記載したシステムを、タクシー利用に適用すれば、顧客は携帯機器30を用いた予約が可能となり、より手軽にタクシーを利用できる。また、タクシー会社側も、迅速且つ正確な配車が可能となる。さらに、タクシー会社が複数の車両を保有している場合、それらを統括管理する管理サーバを用意し、当該管理サーバに一旦お迎えメールを送信する構成としても良い。この場合、管理サーバは、お迎えメールに含まれる目的地情報から、目的地から最も近い車両を特定し、その車両に搭載された車載機器10に対して、お迎えメールを転送することが好ましい。
【0085】
以上説明したとおり、本発明の車載機器10によれば、携帯機器30から受信した地点情報が、地点登録を目的としたものであるか、目的地設定を目的としたものであるかを判別できるため、携帯機器30側ではそれら2種類の地点情報(地点登録情報と目的地情報)を区別して登録することができる。したがって、予め携帯機器30側で地点登録や目的地設定を行っておくことが可能となり、車両搭乗後、車載機器10側でこれらを行うための手間を省くことができる。また、本発明の情報通信システムSYは、携帯機器30側で転送予約を行っておき、車載機器10が転送予約の有無を確認してから地点情報を取得する構成であるため、ユーザが意図しない地点情報まで車載機器10に転送されることがない。また、車載機器10は、携帯機器30との通信確立時に転送予約を確認するため、ユーザは地点情報を取得するための特別な操作を行う必要がなく、ひいては情報取得漏れの心配もない。つまり、ユーザが所望する地点情報の取得を、迅速且つ確実に行うことができる。
【0086】
なお、上記の実施形態では、目的地情報と共に、日時情報を登録可能であり、当該日時情報に基づいて目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を抽出する(第4実施形態では、日時情報に基づいて目的地情報の転送予約の有無を返答する)ものとしたが、目的地情報だけでなく地点登録情報についても、日時情報を登録可能としても良い。
【0087】
また、上記の実施形態では、地点情報(目的地情報)と共に、ユーザが入力した日時情報を登録可能であるものとしたが(図3のS15,S19参照)、日時情報として、ユーザが地点情報を登録した日時を利用しても良い。つまり、この場合、ユーザは目的地情報であるか地点登録情報であるかに関わらず、日時情報の登録の必要はない(地点情報のみを登録すれば良い)。また、この場合、目的地設定の対象となる1以上の地点情報の抽出は、日時情報(登録日)が、通信日時の日付と一致するか、日時情報(登録曜日)が通信日時の曜日と一致するか、などに基づいて行われる。
【0088】
また、目的地情報を登録する際には、日時情報の入力が必要であるものとしたが、日時情報の入力を必須条件としない構成でも良い。この場合、携帯機器30側では、日時情報の登録が行われなかった場合、日時情報として、登録日時(最後にアクセスした日時)を自動的に付加する。一方、車載機器10側では、地点情報の抽出を行う前に、取得した複数の地点情報について日時情報の有無を判別し、日時情報が付加されていない地点情報が存在する場合は、登録日時が最も近いものだけを抽出する、などの構成であっても良い。また、日時情報の有無を判別することなく、取得した複数の地点情報の中から、過去24時間以内に登録されたものだけを抽出する、などの構成であっても良い。さらに、日時情報の扱いをどのようにするか(日時情報に基づく地点情報の抽出の要否、日時情報が登録されていない地点情報を抽出するか否か等)を、ユーザがカスタマイズできるようにしても良い。
【0089】
また、上記の実施形態では、日時情報と通信日時とが合致するか否かに応じて目的地情報の抽出を行ったが、車載機器10側で、目的地情報を抽出するための日時条件を設定しても良い(日時条件設定手段)。この場合、目的地情報抽出手段150は、設定された日時条件と、取得した日時情報とを照合することによって目的地情報を抽出する。日時条件としては、○○日〜××日までの日付を示す日時情報を抽出対象とする、△曜日と▲曜日を示す日時情報を抽出対象とする、通信日時から○○日以内の日付を示す日時情報を抽出対象とする、などを設定可能である。この構成によれば、ユーザの好みやニーズに応じて、車載機器10側で目的地情報を抽出するための日時条件を設定することができる。
【0090】
また、日時情報に基づいて地点情報の抽出を行うのではなく、日時情報を、最終目的地情報選択画面(目的地設定の最終候補となる1の目的地情報の選択をユーザに促す画面)に反映させても良い。この場合、最終目的地情報選択画面において、日時情報(登録日時)の新しい順に地点情報の選択候補を表示する、通信日時から○○日以内の日付を示す日時情報が付加された地点情報のみを選択候補として表示する、日時情報が示す曜日別に地点情報の選択候補を表示する、などが考えられる。
【0091】
また、図2に示した車載機器10の構成に、携帯機器30に対して地点情報の登録削除指令を送信する削除指令送信手段(図示省略)をさらに追加しても良い。この削除指令送信手段は、目的地設定手段170により設定された目的地情報、または地点登録手段190により登録された地点登録情報の転送元となる携帯機器30に対し、当該目的地情報または当該地点登録情報の登録削除指令を送信するものである。ここで、図11のフローチャートを参照し、登録削除指令に関連する車載機器10の動作を説明する。なお、同図は、図4のS35以降に実行される動作を示したものであり、括弧書きで示す番号は、対応する工程番号を示したものである。車載機器10は、ドライバー機器から取得した地点情報が、目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別し(S136)、地点登録情報と判定した場合は、さらにユーザが地点登録DB25への登録を許可したか否かを判別する(S137)。ユーザが、地点登録DB25への登録を許可した場合は(S137:Yes)、地点登録情報を地点登録DB25に登録し(S138)、地点登録情報の転送元となる携帯機器30(ドライバー機器)に対して、当該地点登録情報の登録削除指令を送信する(S139)。登録削除指令を受信した携帯機器30は、該当する地点登録情報を削除する。また、ユーザが、地点登録DB25への登録を許可しなかった場合は(S137:No)、そのまま処理を終了する。一方、S136において、取得した地点情報が目的地情報であると判定した場合は、ユーザが地点登録DB25への登録と、目的地設定を許可したか否かを判別する(S140)。ここで、ユーザが許可した場合は(S140:Yes)、目的地情報を地点登録DB25に地点登録すると共に(S141)、登録地点を目的地に設定し(S142)、目的地情報の転送元となる携帯機器30に、当該目的地情報の登録削除指令を送信する(S143)。登録削除指令を受信した携帯機器30は、該当する目的地情報を削除する。その後、車載機器10は、設定した目的地までのルート探索を行うと共に(S144)、経路誘導を行う(S145)。また、S140において、ユーザが許可しなかった場合は(S140:No)、そのまま処理を終了する。この構成によれば、車載機器10側で利用された地点情報については、一般的に不要となるため、ユーザが携帯機器30側で地点情報の登録を削除する手間を省くことができる。
【0092】
また、上記の実施形態では、携帯機器30側における地点情報の転送予約の有無を確認した後、地点情報を取得するものとしたが(図4のS34、図5のS52、図7のS74参照)、当該転送予約の確認を省略しても良い。すなわち、転送予約の有無を確認することなく、携帯機器30に登録されている地点情報を直接読み出すようにしても良い。また、地点情報を取得した後、その地点情報に関する処理の種別を判別するものとしたが(図4のS36、図7のS76参照)、当該判別処理を省略しても良い。すなわち、携帯電話30から取得した地点情報は、全て地点登録情報、若しくは全て目的地情報であると判断して、その後の処理を行っても良い。
【0093】
なお、上記の実施形態に示した車載機器10や携帯機器30における各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、車載機器10や携帯機器30の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載機器の制御ブロック図である。
【図2】情報通信システムの機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る携帯機器の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係る車載機器の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】目的地情報の選択画面の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る車載機器の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7に続くフローチャートである。
【図9】第3実施形態に係る携帯機器の動作を示すフローチャートである。
【図10】第4実施形態に係る情報通信システムの一連の処理を示すフローチャートである。
【図11】登録削除指令に関連する車載機器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
10…車載機器 11…GPS受信機 12…アンテナ 13…自立航法センサ 14…ディスプレイ 15…スピーカー 16…リモコン受光器 17…リモコン 18…マイク 19…通信部 20…制御部 21…CPU 22…ROM 23…RAM 23a…目的地候補リスト 24…地図データベース 25…地点登録データベース 26…接続バス 30…携帯機器 SY…情報通信システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器と通信可能な車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器から地点情報を受信する受信部と、受信した地点情報に基づいて走行経路を設定する走行経路設定部と、設定した走行経路に基づいて経路誘導を行う経路誘導部と、を備えた車載機器が知られている(例えば、特許文献1)。この車載機器によれば、携帯機器に登録された地点情報に基づいて、自動的に走行経路を設定することができるため、ユーザが車両に搭乗した後、車載機器側に対して目的地を設定する手間を省くことができるといった効果がある。また、携帯機器からスケジュールデータを取得して目的地設定を行う車載機器も知られている(例えば、特許文献2)。この車載機器によれば、携帯機器に登録されたスケジュールデータに含まれる地点情報に基づいて、自動的に目的地を設定することができるといった効果がある。
【特許文献1】特開2003−177027号公報
【特許文献2】特開2000−146617号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところが、特許文献1に記載の車載機器の場合、携帯機器に登録された地点情報が、全て目的地設定のためのものであるとは限らない。例えば、カーナビゲーション機器には、通常「地点登録機能(自宅や職場などよく行く場所や過去に目的地設定した場所などを登録する機能)」が搭載されているが、地点登録を目的として地点情報を登録し、携帯機器から車載機器に転送する使い方も考えられる。また、特許文献2に記載の車載機器の場合も、携帯機器に登録されているスケジュールデータが、必ずしも車両移動を伴う(ユーザが経路誘導を所望する)ものばかりとは限らない。例えば、電車移動や徒歩など、他の交通手段を用いて目的地まで行くことを想定したスケジュールデータであることも考えられる。このように、従来の車載機器では、携帯機器に登録された地点情報が、目的地設定のみに用いられていたため、携帯機器において、単に場所を記録しておく(地点登録する)といった目的で、地点情報を登録することができなかった。
【0004】
本発明は、上記の問題点に鑑み、携帯機器から取得した地点情報の種別に応じて、適切な処理を行い得る車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の車載機器は、任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信を行う通信手段と、通信確立された後に、携帯機器から地点情報を取得する地点情報取得手段と、地点情報取得手段により取得された地点情報に関する処理の種別を判別する地点情報判別手段と、地点情報判別手段により判別された種別に基づき、地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行う地点情報処理手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明の車載機器の通信制御方法は、任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信可能な車載機器の通信制御方法であって、車載機器が、通信確立された後に、携帯機器から地点情報を取得するステップと、取得された当該地点情報に関する処理の種別を判別するステップと、判別された種別に基づき、地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行うステップと、を実行することを特徴とする。
【0007】
これらの構成によれば、地点情報を取得した後、当該地点情報の種別を判別し、その判別結果に応じて地点登録または目的地設定を行うため、地点情報の種別に応じた適切な処理を行うことができる。つまり、携帯機器から受信した地点情報が、地点登録を目的としたものであるか、目的地設定を目的としたものであるかを判別できるため、携帯機器側ではそれら2種類の地点情報を区別して登録することができる。したがって、予め携帯機器側で地点登録や目的地設定を行っておくことが可能となり、車両搭乗後、車載機器側でこれらを行うための手間を省くことができる。
なお、「地点情報」とは、任意の地点を示す緯度・経度情報そのものだけでなく、マップコード、住所、電話番号など、間接的に任意の地点を特定できる情報を指す。また、携帯機器が携帯電話の場合など、アドレス帳(電話帳)機能を有する場合は、当該アドレス帳に保持された住所や電話番号を、地点情報として取得しても良い。
また、携帯機器との通信は、有線通信および無線通信(非接触通信)のいずれであっても良い。さらに、「地点情報に関する処理の種別の判別」は、地点情報に付加された情報の有無やその種類によって判別しても良いし、地点情報そのものの情報形式(例えば、マップコードの場合は目的地設定で、住所や電話番号の場合は地点登録など)によって判別しても良い。また、地点情報の送信前後に携帯機器から別途送信された情報に基づいて、処理の種別を判別しても良い。
【0008】
上記に記載の車載機器において、地点情報は、目的地を示す目的地情報、または地点登録するための地点登録情報であり、地点情報判別手段は、地点情報取得手段により取得した地点情報が目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別し、地点情報処理手段は、地点情報が地点登録情報であると判別された場合、当該地点登録情報を用いて地点登録を行う地点登録手段と、地点情報が目的地情報であると判別された場合、当該目的地情報を用いて目的地設定を行う目的地設定手段と、を含むことを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、携帯機器から、目的地情報および地点登録情報の2種類の地点情報を取得することができる。これにより、車載機器側で目的地設定したり行き先を検索したりする際の利便性を高めることができる。
【0010】
上記に記載の車載機器において、携帯機器との通信確立時に、当該携帯機器に対し、地点情報の転送予約の有無を確認する転送予約確認手段をさらに備え、地点情報取得手段は、転送予約確認手段により、携帯機器に転送予約があることを確認した場合、当該携帯機器から地点情報を取得することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、携帯機器との通信確立時に、地点情報の転送予約の有無を確認し、転送予約があることを確認した場合に地点情報を取得するため、ユーザが意図しない地点情報まで取得することがない。なぜなら、携帯機器に、地点情報の転送予約があるということは、ユーザが車載機器への情報転送を所望していると考えられるためである。また、携帯機器との通信確立時に転送予約を確認するため、ユーザは地点情報を取得するための特別な操作を行う必要がなく、ひいては情報取得漏れの心配もない。つまり、本構成によれば、所望する地点情報の取得を、迅速且つ確実に行うことができる。
【0012】
上記に記載の車載機器において、地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、携帯機器から取得した地点情報に基づいて目的地を設定し、当該目的地までの経路誘導を行うことができる。つまり、車両誘導装置(カーナビゲーション装置)に、本発明を適用することができる。
【0014】
上記に記載の車載機器において、通信手段による優先通信の対象となる1の携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、地点情報取得手段は、最初に当該優先機器から地点情報の取得を試み、優先機器に転送すべき地点情報がない場合であって通信手段により当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立できた場合には、当該他の携帯機器に対して地点情報の取得を試みることを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、優先機器を設定できるため、車内に無線通信可能な携帯機器が複数ある場合でも、優先機器で転送予約された地点情報を確実に取得することができる。また、優先機器に転送予約がないことを確認した場合であって、当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立できた場合は、当該他の携帯機器に対して地点情報の取得を試みるため、優先機器の設定を変更することなく、優先機器以外の携帯機器から地点情報を取得することができる。
【0016】
上記に記載の車載機器において、通信手段による優先通信の対象となる1の携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、転送予約確認手段は、最初に優先機器の転送予約を確認し、当該優先機器に転送予約がないことを確認した場合であって、且つ通信手段により当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立できた場合、当該他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認することを特徴とする。
【0017】
この構成によれば、優先機器を設定できるため、車内に無線通信可能な携帯機器が複数ある場合でも、優先機器で転送予約された地点情報を確実に取得することができる。また、優先機器に転送予約がないことを確認した場合は、当該優先機器以外の他の携帯機器と通信を確立して転送予約の有無を確認するため、優先機器の設定を変更することなく、優先機器以外の携帯機器から地点情報を取得することができる。
なお、通信手段により優先機器と通信を確立できなかった場合も、優先機器に転送予約がないものとみなし、他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認することが好ましい。
【0018】
上記に記載の車載機器において、転送予約確認手段により、他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認し、地点情報処理手段により、当該他の携帯機器から取得した地点情報を用いて目的地設定した場合、優先機器設定手段は、当該他の携帯機器を優先機器として設定することを特徴とする。
【0019】
この構成によれば、目的地設定した地点情報の転送元となる他の携帯機器を、容易に優先機器として設定することができる。つまり、優先機器として設定されている携帯機器の所有者以外のユーザが車両を運転するような場合、車載機器との通信確立前に、わざわざ自分の携帯機器を優先機器に設定し直す必要がなく、地点情報の転送予約をしておくだけで良い。
【0020】
上記に記載の車載機器において、他の携帯機器から取得した地点情報を用いて目的地設定した場合、当該他の携帯機器を優先機器として設定するか否かをユーザに選択させるための優先機器選択手段をさらに備え、優先機器設定手段は、優先機器選択手段により「設定する」と選択された場合、他の携帯機器を優先機器として設定することを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、他の携帯機器を優先機器として設定するか否かをユーザに選択させるため、ユーザの意図に反して、優先機器の設定変更が行われることがない。
なお、「優先機器選択手段」は、ユーザに選択を促す画面を表示する表示手段を含んでも良いし、ユーザに選択を促す音声案内を行う音声出力手段を含んでも良い。
【0022】
上記に記載の車載機器において、携帯機器は、目的地情報を、日時情報と共に登録可能であり、通信手段により、目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、地点情報取得手段により、複数の目的地情報を取得した場合、取得した複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を、日時情報に応じて抽出する目的地情報抽出手段をさらに備え、目的地設定手段は、目的地情報抽出手段により抽出された1以上の目的地情報に基づいて、目的地を設定することを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、複数の目的地情報を取得した場合でも、携帯機器に登録された日時情報に応じて1以上の目的地情報を抽出するため、ユーザが、車載機器側で目的地設定の対象となる目的地情報を選択する必要がない。したがって、複数の目的地情報を取得した場合でも、迅速に目的地を設定することができる。
なお、目的地情報抽出手段により複数の目的地情報を抽出した場合、目的地設定手段は、当該複数の目的地情報に基づく複数の目的地を経由地として設定する構成でも良いし、1の目的地までの経路誘導を終了した後、自動的に次の目的地設定を行うといった構成でも良い。後者の場合は、抽出された目的地情報の数だけ、連続して経路誘導が行われることとなる。
また、目的地情報抽出手段により抽出された1以上の目的地情報の中から、さらに目的地設定の対象となる目的地情報を絞るための(ユーザに選択させるための)目的地情報選択手段をさらに備えても良い。この場合、「目的地情報選択手段」は、ユーザに選択を促す画面を表示する表示手段を含んでも良いし、ユーザに選択を促す音声案内を行う音声出力手段を含んでも良い。
また、「日時情報」とは、日付、時刻および曜日などを含む情報を指す。さらに、「日時情報」は、ユーザが入力した情報を登録しても良いし、地点情報を登録した日時などを自動的に登録(付加)しても良い。
【0024】
上記に記載の車載機器において、目的地設定の対象となる目的地情報を抽出するための日時条件を設定する日時条件設定手段をさらに備え、目的地情報抽出手段は、複数の目的地情報のうち、日時条件設定手段により設定された日時条件と、日時情報とを照合することによって、1以上の目的地情報を抽出することを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、ユーザの好みやニーズに応じて、車載機器側で目的地情報を抽出するための日時条件を設定することができる。
なお、「日時条件」とは、日付、時刻および曜日などに関する条件を指す。
【0026】
上記に記載の車載機器において、通信手段により、目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、地点情報取得手段により、複数の目的地情報を取得した場合、取得した複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の地点情報をユーザに選択させるための目的地情報選択手段をさらに備え、目的地設定手段は、目的地情報選択手段により選択された1以上の目的地情報に基づいて、目的地を設定することを特徴とする。
【0027】
この構成によれば、複数の目的地情報を取得した場合、その中からユーザが1以上の目的地情報を選択できるため、ユーザが所望する目的地を設定することができる。
なお、目的地情報選択手段により複数の目的地情報が選択された場合、目的地設定手段は、当該複数の目的地情報に基づく複数の目的地を経由地として設定する構成でも良いし、1の目的地までの経路誘導を終了した後、自動的に次の目的地設定を行うといった構成でも良い。後者の場合は、選択された目的地情報の数だけ、連続して経路誘導が行われることとなる。
また、「目的地情報選択手段」は、ユーザに選択を促す画面を表示する表示手段を含んでも良いし、ユーザに選択を促す音声案内を行う音声出力手段を含んでも良い。
【0028】
上記に記載の車載機器において、通信手段により、目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、地点情報取得手段により、複数の目的地情報を取得した場合、地点情報処理手段は、取得した複数の目的地情報に基づいて、複数の経由地を設定する経由地設定手段を含み、経由地設定手段により設定された複数の経由地にしたがって経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0029】
この構成によれば、複数の目的地情報を取得した場合、複数の経由地を設定し、当該複数の経由地にしたがって経路誘導を行うことができる。
なお、「経路誘導手段」は、複数の経由地のうち、現在位置から近い順番に経路誘導を行っても良いし、各目的地情報に日時情報(到着予定時刻など)が付加されている場合は、その日時情報にしたがって経路誘導を行っても良い。
【0030】
上記に記載の車載機器において、現在位置から、地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの所要時間、および当該目的地への到着時刻のいずれかを算出する算出手段と、算出手段により算出された所要時間または到着時刻を、地点情報の転送元となる携帯機器に対して通知する通知手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
【0031】
この構成によれば、地点情報を転送した携帯機器に、目的地までの所要時間、または目的地への到着時刻を通知することができるため、携帯機器側において、スケジュール管理などに利用することができる。
なお、地点情報の転送元となる携帯機器において、車載機器から通知された所要時間または到着時刻を、他の情報機器に転送する手段を設けても良い。この構成によれば、例えば人物A(他の情報機器)から、場所X(地点情報)まで迎えに来てほしい旨のメールを、人物B(地点情報の転送元となる携帯機器)に送信した場合、人物Aに対して場所Xまでの所要時間、または場所Xへの到着時刻を通知することができるため、便利である。
【0032】
上記に記載の車載機器において、目的地設定手段により設定された目的地情報、または地点登録手段により登録された地点登録情報の転送元となる携帯機器に対し、当該目的地情報または当該地点登録情報の登録削除指令を送信する削除指令送信手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0033】
この構成によれば、目的地設定手段により設定された目的地情報、または地点登録手段により登録された地点登録情報など、利用された地点情報については、その送信元となる携帯機器に登録削除指令を送信するため、携帯機器側で地点情報の登録を削除する手間を省くことができる。
【0034】
本発明の情報通信システムは、上記に記載の車載機器と、携帯機器と、から成ることを特徴とする。
【0035】
本発明のプログラムは、コンピュータに、上記に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのものであることを特徴とする。
【0036】
これらの構成によれば、車載機器が、ユーザが所望する地点情報のみを携帯機器から取得することができる情報通信システムまたはプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明の一実施形態に係る車載機器、情報通信システム、車載機器の通信制御方法およびプログラムについて説明する。本実施形態では、車載機器として、携帯機器(例えば、携帯電話)との通信機能およびカーナビゲーション機能を有する情報機器を例示する。
【0038】
図1は、車載機器10の制御ブロック図である。同図に示すように、車載機器10は、GPS(Global Positioning System)受信機11、アンテナ12、自立航法センサ13、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン受光器16、リモコン17、マイク18、通信部19、制御部20、地図データベース(以下、「地図DB」と記載する)24、地点登録データベース(以下、「地点登録DB」と記載する)25および接続バス26を備えている。なおディスプレイ14は必ずしも車載機器と一体である必要はなく、車載機器10とは独立した構成としてもよい。
【0039】
GPS(Global Positioning System)受信機11は、アンテナ12を介してGPS情報(位置情報および時刻情報を含む)を受信する。自立航法センサ13は、角度センサおよび距離センサから成り(いずれも、図示省略)、GPS受信機11との組み合わせにより、車両位置を特定するために利用される。ディスプレイ14は、経路案内情報を表示すると共に、必要に応じて各種確認画面(ユーザに対して確認を促すための画面)を表示する。スピーカー15は、音声による経路案内情報を出力すると共に、各種音声確認(ユーザに対して確認を促すための音声案内)を行う。
【0040】
リモコン受光器16は、リモコン17から操作信号を取得する。リモコン17は、操作子を用いて各種操作を行うものであり、本実施形態では、主に上記の確認画面や音声確認に対する、ユーザ回答を入力するために用いられる。マイク18は、ハンズフリーで各種操作を行うものであり、リモコン17と同様、ユーザ回答の入力に用いられる。また、マイク18は、携帯機器30が携帯電話の場合、ハンズフリー通話を行うためにも用いられる。
【0041】
通信部19は、携帯機器30とBluetooth通信(無線通信の一例として本実施例で示したものであり、「Bluetooth」は登録商標である。以下、「ブルートゥース」とも記載する。)や赤外線通信を行う。なお、通信部19は、これら非接触通信ではなく、バス接続などの有線通信を行っても良い。制御部20は、CPU(Central Processing Unit)21、ROM(Read Only Memory)22およびRAM(Random Access Memory)23から成る。CPU21は、中央処理装置であり、各種演算処理を行う。なお、特に図示しないが、CPU21は、現在時刻を計時するタイマを有している。ROM22は、CPU21が各種演算処理を行うための制御プログラムを記憶し、RAM23は、CPU21が各種演算処理を行う際のワークエリアとして用いられる。なお、RAM23内には、目的地設定の対象となる目的地情報を一時的に格納しておくための目的地候補リスト23aが記憶されている。
【0042】
地図DB24は、経路案内を行うための地図データを記憶する。地点登録DB25は、地点登録された地点登録情報を記憶するものであり、一般的に自宅、会社、学校など、頻繁に行く場所が地点登録情報として登録される。また、目的地設定された目的地情報も、後日検索できるように地点登録される。なお、以下の説明では、地点登録情報および目的地情報を「地点情報」と総称する。
【0043】
次に、図2を参照し、車載機器10および携帯機器30から成る情報通信システムSYの機能構成について説明する。携帯機器30は、主な機能構成として、地点情報登録手段310、日付情報登録手段320、転送予約手段330および通信手段340を有している。
【0044】
地点情報登録手段310は、地点情報として、目的地設定するための目的地情報や、地点登録するための地点登録情報を、ユーザが登録するためのものである。なお、携帯機器30が携帯電話の場合、地点情報は、携帯電話の一機能である電話帳(住所録)から、電話番号や住所を選択したものでも良いし、地図サイトにアクセスして、地図データ上に直接マーキングした結果であっても良い。後者の場合、緯度・経度またはマップコードが地点情報となる。
【0045】
日付情報登録手段320は、地点情報に、当該地点情報の利用日時を指定するための日時情報を関連付けて登録するものであり、本実施形態では、地点情報が目的地情報の場合に、日時情報を登録(入力)できるようになっている。ここで、「日時情報」とは、日付、時刻および曜日などを含む情報を指す。したがって、日時情報が日付の場合、車載機器10側で、その日付と通信日時が合致することを条件として、目的地設定の対象となる目的地情報が抽出される(図5のS58参照)。
【0046】
転送予約手段330は、地点情報(目的地情報の場合は、日時情報を含む)の転送予約を行うものである。本実施形態の携帯機器30は、ユーザにより地点情報が登録され、且つ転送が指示された時点で、車載機器10と通信不可能な状態にある場合は、自動的に転送予約状態となる。なお、車載機器10と通信可能な状態にある場合は、そのまま地点情報が送信される。通信手段340は、車載機器10との情報の入出力(送受信)を行うためのものであり、主に地点情報の送信に用いられる。なお、地点情報は、その種別(目的地情報または地点登録情報)を示す情報を、地点情報と同時に、若しくは地点情報の送信前後に別途送信する。
【0047】
続いて、車載機器10側の機能構成について説明する。車載機器10は、主な機能構成として、通信手段110、転送予約確認手段120、地点情報取得手段130、地点情報判別手段140、目的地情報抽出手段150、目的地情報選択手段160、目的地設定手段170、経路誘導手段180、地点登録手段190、優先機器設定手段210および優先機器選択手段220を有している。なお、目的地設定手段170および地点登録手段190により、地点情報処理手段200が実現される。
【0048】
通信手段110は、携帯機器30との情報の入出力を行うためのものであり、通信部19を主要構成要素とする。転送予約確認手段120は、携帯機器30との通信確立時に、当該携帯機器30に対して、地点情報の転送予約の有無(転送予約手段330により転送予約されているか否か)を確認するものである。また、地点情報取得手段130は、転送予約確認手段120により、携帯機器30に転送予約があることを確認した場合、当該携帯機器30から地点情報を取得するものである。なお、転送予約確認手段120および地点情報取得手段130は、制御部20および通信部19を主要構成要素とする。
【0049】
地点情報判別手段140は、地点情報取得手段130により取得した地点情報に関する処理の種別を判別するものであり、具体的には、取得した地点情報が、目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別する。また、目的地情報抽出手段150は、地点情報取得手段130により、複数の目的地情報を取得した場合、当該複数の目的地情報の中から、共に取得した日時情報に応じて、目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を抽出するものである。この場合、目的地情報に付加されている日時情報と、通信手段110により通信を確立した通信日時と、を照合し、通信日時が日時情報に合致する場合、当該日時情報が付加されている目的地情報を抽出する。なお、地点情報判別手段140および目的地情報抽出手段150は、制御部20を主要構成要素とする。
【0050】
目的地情報選択手段160は、目的地情報抽出手段150により抽出された1以上の目的地情報の中から、1の目的地情報をユーザに選択させるためのものであり、制御部20、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン17およびマイク18を主要構成要素とする。つまり、目的地情報選択手段160は、目的地設定の最終候補となる1の目的地情報の選択をユーザに促す画面(最終目的地情報選択画面)をディスプレイ14上に表示しても良いし、当該1の目的地情報の選択を促す音声案内をスピーカー15から出力しても良い。一方、ユーザは、リモコン17またはマイク18を用いて選択操作を行うことができる。
【0051】
目的地設定手段170は、目的地情報選択手段160により選択された1の目的地情報に基づいて、目的地を設定するものであり、制御部20および地図DB24を主要構成要素とする。また、経路誘導手段180は、目的地設定手段170により設定された目的地までのルート探索および経路誘導(経路誘導表示および音声案内)を行うものであり、GPS受信機11、自立航法センサ13、制御部20および地図DB24を主要構成要素とする。また、地点登録手段190は、目的地設定手段170により目的地設定された地点情報(目的地情報)、または地点情報判別手段140により地点登録情報と判別された地点情報を地点登録DB25に登録するものであり、制御部20および地点登録DB25を主要構成要素とする。
【0052】
優先機器設定手段210は、通信手段110による優先通信の対象となる1の携帯機器30である優先機器を設定するものであり、ディスプレイ14およびリモコン17を主要構成要素とする。つまり、ディスプレイ14に優先機器設定画面を表示し、リモコン17操作によって、優先機器となる携帯機器30の機器名や識別情報(例えば、MACアドレスやブルートゥース(登録商標)アドレスとも称されるハードウェア固有の物理アドレス)を設定することができる。なお、優先機器とは、具体的に、ハンズフリー通話の対象となる携帯機器30、および/またはインターネット接続を行う場合の接続機器となる携帯機器30を指す。以下の説明では、当該優先機器に設定された携帯機器30を「ドライバー機器」と称する。
【0053】
優先機器選択手段220は、転送予約確認手段120により、ドライバー機器以外の他の携帯機器30に対して転送予約の有無を確認し、地点情報取得手段130により、当該他の携帯機器30から目的地情報を取得し、さらに目的地設定手段170により当該目的地情報に基づいて目的地を設定した場合、当該他の携帯機器30をドライバー機器として設定するか否かをユーザに選択させるためのものである。ここで、ユーザにより「ドライバー機器として設定する」と選択された場合、優先機器設定手段210は、当該他の携帯機器30をドライバー機器として設定する。なお、優先機器選択手段220は、目的地情報選択手段160と同様に、制御部20、ディスプレイ14、スピーカー15、リモコン17およびマイク18を主要構成要素とする。
【0054】
次に、図3ないし図5のフローチャートを参照し、第1実施形態に係る携帯機器30および車載機器10の動作を説明する。図3は、携帯機器30の動作(地点情報の転送処理)を示すフローチャートであり、図4および図5は、車載機器10の動作(携帯機器30との通信から経路誘導を開始するまでの一連の処理)を示すフローチャートである。
【0055】
図3に示すように、携帯機器30は、ユーザにより地点情報の登録および転送指示が行われると(S11)、車載機器10と通信が確立しているか否かを判別する(S12)。ここで、通信が確立していない場合は(S12:No)、登録された地点情報が、目的地設定および地点登録のいずれを目的としたものであるかを判別する(S13)。当該判別は、地点情報が目的地設定欄または地点登録欄のいずれに入力されたか、または地点情報の入力前後における種別指定などに基づいて行う。
【0056】
S13において、地点登録を目的としたものであると判定した場合は、地点登録情報の転送予約を行う(S14)。また、S13において、目的地設定を目的としたものであると判定した場合は、さらにユーザに対して日時情報の入力を促し(S15)、日時情報が入力されると、目的地情報(日時情報が付加されたもの)の転送予約を行う(S16)。
【0057】
一方、車載機器10と通信が確立している場合は(S12:Yes)、S13と同様に、目的地設定および地点登録のいずれを目的としているかを判別し(S17)、地点登録を目的としたものであると判定した場合は、車載機器10に対して地点登録情報を送信する(S18)。また、目的地設定を目的としたものであると判定した場合は、ユーザに対して日時情報の入力を促し(S19)、日時情報が入力されると、車載機器10に対して目的地情報(日時情報が付加されたもの)を送信する(S20)。
【0058】
なお、上記のフローチャートにおいて、目的地情報の入力(S15,S19)を、地点情報の登録(S11)と同時に行っても良い。また、通信が確立している状態(S12:Yes)でも、転送予約状態に設定できるようにしても良い。
【0059】
続いて、車載機器10側の動作を説明する。ここでは、ドライバー機器が予め設定されており、当該ドライバー機器は電源オン状態である(通信可能状態である)ものとする。図4に示すように、車載機器10は、電源オン状態になると(S31)、通信部19により携帯機器30のブルートゥース(登録商標)探索を行う(S32)。ここで、優先機器として設定されているドライバー機器と通信が確立すると(S33)、ドライバー機器に地点情報の転送予約があるか否かを判別する(S34)。
【0060】
ドライバー機器に転送予約がある場合は(S34:Yes)、ドライバー機器から地点情報を取得して(S35)、当該地点情報が目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別する(S36)。ここで、地点登録情報と判定した場合は、さらにユーザが地点登録DB25への登録を許可したか否かを判別する(S37)。すなわち、地点登録DB25への登録を許可するか否かをユーザに選択させるための画面をディスプレイ14上に表示し、当該画面に対する選択操作を取得する。ここで、ユーザが、地点登録DB25への登録を許可した場合は(S37:Yes)、地点登録情報を地点登録DB25に登録する(S38)。また、ユーザが、地点登録DB25への登録を許可しなかった場合は(S37:No)、そのまま処理を終了する。
【0061】
一方、S36において、取得した地点情報が目的地情報であると判定した場合は、ユーザが地点登録DB25への登録と、目的地設定を許可したか否かを判別する(S39)。ここで、ユーザが許可した場合は(S39:Yes)、目的地情報を地点登録DB25に地点登録し(S40)、さらに登録地点を目的地に設定する(S41)。また、当該目的地までのルート探索を行った後(S42)、経路誘導を行う(S43)。また、S39において、ユーザが許可しなかった場合は(S39:No)、そのまま処理を終了する。
【0062】
続いて、図5を参照し、ドライバー機器に転送予約がなかった場合の動作(図4のS34:No)について説明する。ここでは、ドライバー機器以外に通信可能な携帯機器30が少なくとも1台以上、車内に存在するものとする。車載機器10は、ドライバー機器以外の他の携帯機器30と通信を確立すると(S51)、当該他の携帯機器30に目的地情報の転送予約があるか否かを判別する(S52)。目的地情報の転送予約がある場合は(S52:Yes)、当該他の携帯機器30から目的地情報を取得し(S53)、目的地候補リスト23a(図1参照)に登録する(S54)。つまり、他の携帯機器30については、地点登録情報の転送予約があった場合でも、これを無視する(取得しない)(S52:No)。
【0063】
続いて、車内に存在する全ての携帯機器30(他の携帯機器30)の転送予約を確認したか否かを判別し(S55)、判別していない場合は(S55:No)、S51〜S55の工程を繰り返す。また、全ての携帯機器30の転送予約を確認した場合は(S55:Yes)、目的地候補リスト23aに目的地情報があるか否かを判別し(S56)、目的地情報がない場合は(S56:No)、処理を終了する。
【0064】
一方、目的地情報がある場合は(S56:Yes)、目的地情報が1つであるか否かを判別し(S57)、1つでない場合は(S57:No)、目的地設定の対象となる1の目的地情報の抽出(日時情報に基づく)および選択を行う(S58)。当該S58は、目的地情報抽出手段150および目的地情報選択手段160により実現される。図6は、地点情報を選択するためにディスプレイ14上に表示される選択画面の一例を示す図である。ここで、選択候補50は、目的地情報抽出手段150によって抽出された目的地情報を示している。目的地情報としては、「○○駅」や「○○病院」など、地点名称を表示したり、「○○○○自宅」や「○○市○○町○丁目○番地」など、自宅名や住所を表示する。これらの表記の違いは、携帯機器30側における目的地情報の登録の違いによるものである。例えば、携帯機器30から地図サイトにアクセスし、地図データ上に直接マーキングすることによって目的地情報が登録された場合は、前者の通り地点名称を表示する。また、携帯機器30に備えられたアドレス帳から、電話番号や住所を選択することによって目的地情報が登録された場合は、後者の通り自宅名や住所を表示する。なお、フローチャートには記載していないが、S58(目的地情報選択手段160)により選択された目的地情報以外は、目的地候補リスト23aから削除する。
【0065】
また、1の目的地情報が選択された場合(S58)、若しくは目的地情報が1つの場合(S57:Yes)、その目的地情報の転送元となる携帯機器30をドライバー機器に設定するか否かをユーザに選択させ(S59)、「ドライバー機器に設定する」と選択された場合は(S59:Yes)、ドライバー機器の設定変更を行い(S60)、図4のS39以降の動作を行う。また、「ドライバー機器に設定しない」と選択された場合は(S59:No)、ドライバー機器の設定変更を行うことなく、図4のS39以降の動作を行う。
【0066】
なお、上記のフローチャートにおいて、図4のS37,S39、図5のS59などの確認工程を省略しても良い。また、ドライバー機器以外の他の携帯機器30からも地点登録情報の転送予約を確認し、転送予約がある場合には、これを取得するようにしても良い。また逆に、ドライバー機器からも目的地情報のみ、転送予約を確認しても良い。すなわち、取得した地点情報が地点登録情報の場合は(S36:地点登録情報)、そのまま処理を終了するようにしても良い。
【0067】
また、図5のS58において、目的地情報の抽出を行った結果、通信日時と日時情報とが合致しなかったことにより、目的地情報が1つも抽出されなかった場合は、目的地候補リスト23aにある全ての目的地情報から、1の目的地情報を選択可能としても良い。但し、この場合は、通信日時と日時情報とが合致しなかった旨をディスプレイ14上に表示した上で、ユーザに選択を促すことが好ましい。また、図5のS58において、目的地情報の抽出を行った結果、1の目的地情報しか抽出されなかった場合は、ユーザに対する地点情報の選択確認を省略しても良い。
【0068】
次に、図7および図8を参照し、本発明の第2実施形態について説明する。上記の第1実施形態では、まずドライバー機器に対して転送予約の確認を行い、ドライバー機器に転送予約がない場合に、他の携帯機器30に対して転送予約の確認を行ったが、本実施形態では、ドライバー機器であるか否かに関わらず、通信可能な全ての携帯機器30に対して転送予約を確認する点で異なる。また、通信可能な全ての携帯機器30において転送予約されている全ての地点登録情報を取得して地点登録を行う点、並びに複数箇所の目的地設定(経由地設定)が可能である点も第1実施形態と異なる。以下、第2実施形態に係る車載機器10の動作をフローチャートで説明する。なお、本例においても、通信可能な携帯機器30が少なくとも1台以上、車内に存在するものとする。また、携帯機器30の動作は、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0069】
図7に示すように、車載機器10は、電源オン状態になると(S71)、携帯機器30のブルートゥース(登録商標)探索を行い(S72)、携帯機器30と通信を確立する(S73)。また、通信を確立した携帯機器30に転送予約があるか否かを判別し(S74)、転送予約がある場合は(S74:Yes)、当該携帯機器30から地点情報を取得して(S75)、当該地点情報が目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別する(S76)。ここで、地点登録情報と判定した場合は、ユーザが地点登録DB25への登録を許可したか否かを判別し(S77)、許可した場合は(S77:Yes)、地点登録情報を地点登録DB25に登録する(S78)。また、S76において、目的地情報と判定した場合は、目的地候補リスト23aに登録する(S79)。
【0070】
その後、転送予約されている全ての地点情報を取得したか否かを判別し(S80)、取得していない場合は(S80:No)、S75〜S80の工程を繰り返す。また、全ての地点情報を取得した場合は(S80:Yes)、通信可能な全ての携帯機器30の転送予約を確認したか否かを判別し(S81)、確認していない場合は(S81:No)、S73〜S81の工程を繰り返す。また、全ての携帯機器30の転送予約を確認した場合は(S81:Yes)、図8に示す動作に移行する。
【0071】
全ての携帯機器30の転送予約を確認し終えた車載機器10は、図8に示すように、目的地候補リスト23aに目的地情報があるか否かを判別し(S91)、目的地情報がない場合は(S91:No)、処理を終了する。また、目的地情報がある場合は(S91:Yes)、目的地情報が1つであるか否かを判別し(S92)、1つでない場合は(S92:No)、複数の目的地情報の中から、利用する1以上の目的地情報の抽出(日時情報に基づく)および選択を行う(S93)。当該S93も、目的地情報抽出手段150および目的地情報選択手段160により実現される。また、S93により最終的に選択された目的地情報以外は、目的地候補リスト23aから削除する。
【0072】
その後、S93による抽出・選択結果にしたがって、経由地または目的地を表示する(S94)。つまり、最終的に1の目的地情報が抽出(または選択)された場合は、目的地設定となり、複数の目的地情報が抽出(または選択)された場合は、経由地設定となる(経由地設定手段)。後者の場合、複数の経由地のうち、現在位置から近い順番に経由地を表示しても良いし、各目的地情報に付加されている日時情報(到着予定時刻など)にしたがって経由地を表示しても良い。なお、目的地候補リスト23aに目的地情報が1つしかないと判定した場合も(S92:Yes)、その目的地情報に基づく目的地を表示する(S94)。
【0073】
その後、ユーザが経由地または目的地設定を許可したか否かを判別し(S95)、ユーザが許可した場合は(S95:Yes)、ルート探索を行った後(S96)、経路誘導を行う(S97)。また、ユーザが許可しなかった場合は(S95:No)、そのまま処理を終了する。
【0074】
次に、図9を参照し、本発明の第3実施形態について説明する。上記の第1実施形態および第2実施形態では、目的地設定または経由地設定の対象となる目的地情報を、車載機器10側で抽出するものとしたが、本実施形態では、携帯機器30側で抽出(判別)する点で異なる。以下、第3実施形態に係る携帯機器30の動作をフローチャートで説明する。なお、ここでは、地点情報の登録と、地点情報が目的地情報の場合の日時情報の登録が既に行われているものとする。
【0075】
携帯機器30は、車載機器10との通信を確立すると(S101)、車載機器10からの転送予約確認が目的地情報のみであるか否かを判別する(S102)。ここで、目的地情報のみの転送予約確認である場合は(S102:Yes)、通信日時が日時情報に該当する目的地情報があるか否かを判別する(S103)。日時情報に該当する目的地情報がある場合は(S103:Yes)、車載機器10に目的地情報の転送予約ありと返答し(S104)、日時情報に該当する目的地情報がない場合は(S103:No)、車載機器10に目的地情報の転送予約なしと返答する(S105)。
【0076】
一方、転送予約確認が目的地情報のみでない場合は(S102:No)、通信日時が日時情報に該当する目的地情報、および地点登録情報のいずれかがあるか否かを判別する(S106)。ここで、いずれかの情報がある場合は(S106:Yes)、車載機器10に転送予約ありと返答し(S107)、いずれの情報もない場合は(S106:No)、車載機器10に転送予約なしと返答する(S108)。
【0077】
なお、上記のフローチャートでは、転送予約確認が、目的地情報のみか否かを判別したが(S102参照)、地点情報の種別を判別し、種別毎に転送予約の有無を返答しても良い。また、車載機器10側からの種別を指定しない転送予約確認に対して、「地点登録情報の転送予約あり、目的地情報の転送予約なし」など、両種別の転送予約の有無を返答しても良い。
【0078】
次に、図10を参照し、本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態は、上記の各実施形態を用いた応用例であり、ドライバー(車載機器10を搭載した車両の運転者)に対して、ある人物が所定の場所までの迎えを依頼する場合の利便性を追求した情報通信システムSYである。以下、ある人物が所有する携帯機器を「携帯機器A」、ドライバーが所有する携帯機器を「携帯機器B」として、携帯機器A、携帯機器Bおよび車載機器10間における一連の処理を説明する。なお、本実施形態では、車載機器10による転送予約確認の工程については説明を省略し、車載機器10と携帯機器Bとは常に通信可能な状態にあるものとする。
【0079】
まず、携帯機器Aは、迎えを依頼するための電子メールである「お迎えメール」を、携帯機器Bに対して送信する(S111)。なお、お迎えメールには、目的地情報と、当該電子メールが「お迎えメール」である旨の情報が含まれているものとする。また、携帯機器Aに、GPS受信機など現在位置を特定可能な機能が搭載されている場合、お迎えメール機能の起動時に、自動的に現在位置情報を取得し、当該現在位置情報を目的地情報として、お迎えメールを送信できることが好ましい。
【0080】
携帯機器Bは、携帯機器Aからお迎えメールを受信すると(S112)、お迎え用の目的地情報(以下、「お迎え目的地情報」と称する)を、車載機器10に対して送信する(S113)。なお、お迎え目的地情報は、お迎え用の目的地情報である旨の情報が付加されているものとする。
【0081】
車載機器10は、携帯機器Bからお迎え目的地情報を取得すると(S114)、これをディスプレイ14上に表示し(S115)、ユーザにより目的地設定が許可されたか否かを判別する(S116)。ここで、目的地設定が許可された場合は(S116:Yes)、ルート検索を行って、到着予定時刻(若しくは車両の現在位置から目的地までの所要時間)を算出し(S117,算出手段)、算出した到着予定時刻を携帯機器Bに対して返信する(S118,通知手段)。なお、当該S118が、お迎え目的地情報を取得した場合の追加工程である。その後、車載機器10は、ルート検索結果に基づいて、経路誘導を行う(S119)。なお、ユーザにより目的地設定が許可されなかった場合は(S116:No)、そのまま処理を終了する。
【0082】
携帯機器Bは、車載機器10から到着予定時刻を受信すると(S120)、これを携帯機器Aに転送する(S121)。なお、転送先に関する情報は、S112のお迎えメールを受信した時点で記憶しておくものとする。携帯機器Aは、携帯機器Bから到着予定時刻を受信すると(S122)、これを携帯機器Aに備えられた画面上に表示する(S123)。
【0083】
このように、本発明の第4実施形態に係る情報通信システムSYによれば、迎えを依頼する人物は、お迎えメールを送信することで、到着予定時刻を確認することができるため、便利である。また、迎えに行く人物は、お迎えメールを受け取った後、目的地設定を許可する操作だけを行えば良く、メールを確認した旨や到着予定時刻を通知する必要がないため、運転中であっても、支障なく対応することができる。
【0084】
また、第4実施形態に記載したシステムを、タクシー利用に適用すれば、顧客は携帯機器30を用いた予約が可能となり、より手軽にタクシーを利用できる。また、タクシー会社側も、迅速且つ正確な配車が可能となる。さらに、タクシー会社が複数の車両を保有している場合、それらを統括管理する管理サーバを用意し、当該管理サーバに一旦お迎えメールを送信する構成としても良い。この場合、管理サーバは、お迎えメールに含まれる目的地情報から、目的地から最も近い車両を特定し、その車両に搭載された車載機器10に対して、お迎えメールを転送することが好ましい。
【0085】
以上説明したとおり、本発明の車載機器10によれば、携帯機器30から受信した地点情報が、地点登録を目的としたものであるか、目的地設定を目的としたものであるかを判別できるため、携帯機器30側ではそれら2種類の地点情報(地点登録情報と目的地情報)を区別して登録することができる。したがって、予め携帯機器30側で地点登録や目的地設定を行っておくことが可能となり、車両搭乗後、車載機器10側でこれらを行うための手間を省くことができる。また、本発明の情報通信システムSYは、携帯機器30側で転送予約を行っておき、車載機器10が転送予約の有無を確認してから地点情報を取得する構成であるため、ユーザが意図しない地点情報まで車載機器10に転送されることがない。また、車載機器10は、携帯機器30との通信確立時に転送予約を確認するため、ユーザは地点情報を取得するための特別な操作を行う必要がなく、ひいては情報取得漏れの心配もない。つまり、ユーザが所望する地点情報の取得を、迅速且つ確実に行うことができる。
【0086】
なお、上記の実施形態では、目的地情報と共に、日時情報を登録可能であり、当該日時情報に基づいて目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を抽出する(第4実施形態では、日時情報に基づいて目的地情報の転送予約の有無を返答する)ものとしたが、目的地情報だけでなく地点登録情報についても、日時情報を登録可能としても良い。
【0087】
また、上記の実施形態では、地点情報(目的地情報)と共に、ユーザが入力した日時情報を登録可能であるものとしたが(図3のS15,S19参照)、日時情報として、ユーザが地点情報を登録した日時を利用しても良い。つまり、この場合、ユーザは目的地情報であるか地点登録情報であるかに関わらず、日時情報の登録の必要はない(地点情報のみを登録すれば良い)。また、この場合、目的地設定の対象となる1以上の地点情報の抽出は、日時情報(登録日)が、通信日時の日付と一致するか、日時情報(登録曜日)が通信日時の曜日と一致するか、などに基づいて行われる。
【0088】
また、目的地情報を登録する際には、日時情報の入力が必要であるものとしたが、日時情報の入力を必須条件としない構成でも良い。この場合、携帯機器30側では、日時情報の登録が行われなかった場合、日時情報として、登録日時(最後にアクセスした日時)を自動的に付加する。一方、車載機器10側では、地点情報の抽出を行う前に、取得した複数の地点情報について日時情報の有無を判別し、日時情報が付加されていない地点情報が存在する場合は、登録日時が最も近いものだけを抽出する、などの構成であっても良い。また、日時情報の有無を判別することなく、取得した複数の地点情報の中から、過去24時間以内に登録されたものだけを抽出する、などの構成であっても良い。さらに、日時情報の扱いをどのようにするか(日時情報に基づく地点情報の抽出の要否、日時情報が登録されていない地点情報を抽出するか否か等)を、ユーザがカスタマイズできるようにしても良い。
【0089】
また、上記の実施形態では、日時情報と通信日時とが合致するか否かに応じて目的地情報の抽出を行ったが、車載機器10側で、目的地情報を抽出するための日時条件を設定しても良い(日時条件設定手段)。この場合、目的地情報抽出手段150は、設定された日時条件と、取得した日時情報とを照合することによって目的地情報を抽出する。日時条件としては、○○日〜××日までの日付を示す日時情報を抽出対象とする、△曜日と▲曜日を示す日時情報を抽出対象とする、通信日時から○○日以内の日付を示す日時情報を抽出対象とする、などを設定可能である。この構成によれば、ユーザの好みやニーズに応じて、車載機器10側で目的地情報を抽出するための日時条件を設定することができる。
【0090】
また、日時情報に基づいて地点情報の抽出を行うのではなく、日時情報を、最終目的地情報選択画面(目的地設定の最終候補となる1の目的地情報の選択をユーザに促す画面)に反映させても良い。この場合、最終目的地情報選択画面において、日時情報(登録日時)の新しい順に地点情報の選択候補を表示する、通信日時から○○日以内の日付を示す日時情報が付加された地点情報のみを選択候補として表示する、日時情報が示す曜日別に地点情報の選択候補を表示する、などが考えられる。
【0091】
また、図2に示した車載機器10の構成に、携帯機器30に対して地点情報の登録削除指令を送信する削除指令送信手段(図示省略)をさらに追加しても良い。この削除指令送信手段は、目的地設定手段170により設定された目的地情報、または地点登録手段190により登録された地点登録情報の転送元となる携帯機器30に対し、当該目的地情報または当該地点登録情報の登録削除指令を送信するものである。ここで、図11のフローチャートを参照し、登録削除指令に関連する車載機器10の動作を説明する。なお、同図は、図4のS35以降に実行される動作を示したものであり、括弧書きで示す番号は、対応する工程番号を示したものである。車載機器10は、ドライバー機器から取得した地点情報が、目的地情報および地点登録情報のいずれであるかを判別し(S136)、地点登録情報と判定した場合は、さらにユーザが地点登録DB25への登録を許可したか否かを判別する(S137)。ユーザが、地点登録DB25への登録を許可した場合は(S137:Yes)、地点登録情報を地点登録DB25に登録し(S138)、地点登録情報の転送元となる携帯機器30(ドライバー機器)に対して、当該地点登録情報の登録削除指令を送信する(S139)。登録削除指令を受信した携帯機器30は、該当する地点登録情報を削除する。また、ユーザが、地点登録DB25への登録を許可しなかった場合は(S137:No)、そのまま処理を終了する。一方、S136において、取得した地点情報が目的地情報であると判定した場合は、ユーザが地点登録DB25への登録と、目的地設定を許可したか否かを判別する(S140)。ここで、ユーザが許可した場合は(S140:Yes)、目的地情報を地点登録DB25に地点登録すると共に(S141)、登録地点を目的地に設定し(S142)、目的地情報の転送元となる携帯機器30に、当該目的地情報の登録削除指令を送信する(S143)。登録削除指令を受信した携帯機器30は、該当する目的地情報を削除する。その後、車載機器10は、設定した目的地までのルート探索を行うと共に(S144)、経路誘導を行う(S145)。また、S140において、ユーザが許可しなかった場合は(S140:No)、そのまま処理を終了する。この構成によれば、車載機器10側で利用された地点情報については、一般的に不要となるため、ユーザが携帯機器30側で地点情報の登録を削除する手間を省くことができる。
【0092】
また、上記の実施形態では、携帯機器30側における地点情報の転送予約の有無を確認した後、地点情報を取得するものとしたが(図4のS34、図5のS52、図7のS74参照)、当該転送予約の確認を省略しても良い。すなわち、転送予約の有無を確認することなく、携帯機器30に登録されている地点情報を直接読み出すようにしても良い。また、地点情報を取得した後、その地点情報に関する処理の種別を判別するものとしたが(図4のS36、図7のS76参照)、当該判別処理を省略しても良い。すなわち、携帯電話30から取得した地点情報は、全て地点登録情報、若しくは全て目的地情報であると判断して、その後の処理を行っても良い。
【0093】
なお、上記の実施形態に示した車載機器10や携帯機器30における各構成要素をプログラムとして提供することが可能である。また、そのプログラムを記録媒体(図示省略)に格納して提供することも可能である。すなわち、コンピュータを、車載機器10や携帯機器30の各構成要素として機能させるためのプログラム、およびそれを記録した記録媒体も、本発明の権利範囲に含まれるものである。その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】本発明の一実施形態に係る車載機器の制御ブロック図である。
【図2】情報通信システムの機能ブロック図である。
【図3】第1実施形態に係る携帯機器の動作を示すフローチャートである。
【図4】第1実施形態に係る車載機器の動作を示すフローチャートである。
【図5】図4に続くフローチャートである。
【図6】目的地情報の選択画面の一例を示す図である。
【図7】第2実施形態に係る車載機器の動作を示すフローチャートである。
【図8】図7に続くフローチャートである。
【図9】第3実施形態に係る携帯機器の動作を示すフローチャートである。
【図10】第4実施形態に係る情報通信システムの一連の処理を示すフローチャートである。
【図11】登録削除指令に関連する車載機器の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0095】
10…車載機器 11…GPS受信機 12…アンテナ 13…自立航法センサ 14…ディスプレイ 15…スピーカー 16…リモコン受光器 17…リモコン 18…マイク 19…通信部 20…制御部 21…CPU 22…ROM 23…RAM 23a…目的地候補リスト 24…地図データベース 25…地点登録データベース 26…接続バス 30…携帯機器 SY…情報通信システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信を行う通信手段と、
通信確立された後に、前記携帯機器から前記地点情報を取得する地点情報取得手段と、
前記地点情報取得手段により取得された地点情報に関する処理の種別を判別する地点情報判別手段と、
前記地点情報判別手段により判別された種別に基づき、前記地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行う地点情報処理手段と、を備えたことを特徴とする車載機器。
【請求項2】
前記地点情報は、前記目的地を示す目的地情報、または地点登録するための地点登録情報であり、
前記地点情報判別手段は、前記地点情報取得手段により取得した前記地点情報が前記目的地情報および前記地点登録情報のいずれであるかを判別し、
前記地点情報処理手段は、
前記地点情報が前記地点登録情報であると判別された場合、当該地点登録情報を用いて地点登録を行う地点登録手段と、
前記地点情報が前記目的地情報であると判別された場合、当該目的地情報を用いて目的地設定を行う目的地設定手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記携帯機器との通信確立時に、当該携帯機器に対し、前記地点情報の転送予約の有無を確認する転送予約確認手段をさらに備え、
前記地点情報取得手段は、前記転送予約確認手段により、前記携帯機器に転送予約があることを確認した場合、当該携帯機器から前記地点情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項4】
前記地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項5】
前記通信手段による優先通信の対象となる1の前記携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、
前記地点情報取得手段は、最初に当該優先機器から地点情報の取得を試み、前記優先機器に転送すべき前記地点情報がない場合であって前記通信手段により当該優先機器以外の他の前記携帯機器と通信を確立できた場合には、当該他の携帯機器に対して地点情報の取得を試みることを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項6】
前記通信手段による優先通信の対象となる1の前記携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、
前記転送予約確認手段は、最初に前記優先機器の転送予約を確認し、当該優先機器に転送予約がないことを確認した場合であって、且つ前記通信手段により当該優先機器以外の他の前記携帯機器と通信を確立できた場合、当該他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認することを特徴とする請求項3に記載の車載機器。
【請求項7】
前記地点情報処理手段により、当該他の携帯機器から取得した前記地点情報を用いて目的地設定した場合、前記優先機器設定手段は、当該他の携帯機器を前記優先機器として設定することを特徴とする請求項6に記載の車載機器。
【請求項8】
前記他の携帯機器から取得した前記地点情報を用いて目的地設定した場合、当該他の携帯機器を前記優先機器として設定するか否かをユーザに選択させるための優先機器選択手段をさらに備え、
前記優先機器設定手段は、前記優先機器選択手段により「設定する」と選択された場合、前記他の携帯機器を前記優先機器として設定することを特徴とする請求項7に記載の車載機器。
【請求項9】
前記携帯機器は、前記目的地情報を、日時情報と共に登録可能であり、
前記通信手段により、前記目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の前記目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、前記地点情報取得手段により、複数の前記目的地情報を取得した場合、
取得した前記複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を、前記日時情報に応じて抽出する目的地情報抽出手段をさらに備え、
前記目的地設定手段は、前記目的地情報抽出手段により抽出された前記1以上の目的地情報に基づいて、前記目的地を設定することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項10】
前記目的地設定の対象となる前記目的地情報を抽出するための日時条件を設定する日時条件設定手段をさらに備え、
前記目的地情報抽出手段は、前記複数の目的地情報のうち、前記日時条件設定手段により設定された前記日時条件と、前記日時情報とを照合することによって、前記1以上の目的地情報を抽出することを特徴とする請求項9に記載の車載機器。
【請求項11】
前記通信手段により、前記目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の前記目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、前記地点情報取得手段により、複数の前記目的地情報を取得した場合、
取得した前記複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の地点情報をユーザに選択させるための目的地情報選択手段をさらに備え、
前記目的地設定手段は、前記目的地情報選択手段により選択された前記1以上の目的地情報に基づいて、前記目的地を設定することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項12】
前記通信手段により、前記目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の前記目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、前記地点情報取得手段により、複数の前記目的地情報を取得した場合、
前記地点情報処理手段は、取得した前記複数の目的地情報に基づいて、複数の経由地を設定する経由地設定手段を含み、
前記経由地設定手段により設定された前記複数の経由地にしたがって経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項13】
現在位置から、前記地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの所要時間、および当該目的地への到着時刻のいずれかを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記所要時間または前記到着時刻を、前記地点情報の転送元となる前記携帯機器に対して通知する通知手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項14】
前記目的地設定手段により設定された目的地情報、または前記地点登録手段により登録された地点登録情報の転送元となる前記携帯機器に対し、当該目的地情報または当該地点登録情報の登録削除指令を送信する削除指令送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の車載機器と、前記携帯機器と、から成ることを特徴とする情報通信システム。
【請求項16】
任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信可能な車載機器の通信制御方法であって、
前記車載機器が、
通信確立された後に、前記携帯機器から前記地点情報を取得するステップと、
取得された当該地点情報に関する処理の種別を判別するステップと、
判別された種別に基づき、前記地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行うステップと、を実行することを特徴とする車載機器の通信制御方法。
【請求項17】
コンピュータに、請求項16に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
【請求項1】
任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信を行う通信手段と、
通信確立された後に、前記携帯機器から前記地点情報を取得する地点情報取得手段と、
前記地点情報取得手段により取得された地点情報に関する処理の種別を判別する地点情報判別手段と、
前記地点情報判別手段により判別された種別に基づき、前記地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行う地点情報処理手段と、を備えたことを特徴とする車載機器。
【請求項2】
前記地点情報は、前記目的地を示す目的地情報、または地点登録するための地点登録情報であり、
前記地点情報判別手段は、前記地点情報取得手段により取得した前記地点情報が前記目的地情報および前記地点登録情報のいずれであるかを判別し、
前記地点情報処理手段は、
前記地点情報が前記地点登録情報であると判別された場合、当該地点登録情報を用いて地点登録を行う地点登録手段と、
前記地点情報が前記目的地情報であると判別された場合、当該目的地情報を用いて目的地設定を行う目的地設定手段と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項3】
前記携帯機器との通信確立時に、当該携帯機器に対し、前記地点情報の転送予約の有無を確認する転送予約確認手段をさらに備え、
前記地点情報取得手段は、前記転送予約確認手段により、前記携帯機器に転送予約があることを確認した場合、当該携帯機器から前記地点情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項4】
前記地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項5】
前記通信手段による優先通信の対象となる1の前記携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、
前記地点情報取得手段は、最初に当該優先機器から地点情報の取得を試み、前記優先機器に転送すべき前記地点情報がない場合であって前記通信手段により当該優先機器以外の他の前記携帯機器と通信を確立できた場合には、当該他の携帯機器に対して地点情報の取得を試みることを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項6】
前記通信手段による優先通信の対象となる1の前記携帯機器である優先機器を設定する優先機器設定手段をさらに備え、
前記転送予約確認手段は、最初に前記優先機器の転送予約を確認し、当該優先機器に転送予約がないことを確認した場合であって、且つ前記通信手段により当該優先機器以外の他の前記携帯機器と通信を確立できた場合、当該他の携帯機器に対して転送予約の有無を確認することを特徴とする請求項3に記載の車載機器。
【請求項7】
前記地点情報処理手段により、当該他の携帯機器から取得した前記地点情報を用いて目的地設定した場合、前記優先機器設定手段は、当該他の携帯機器を前記優先機器として設定することを特徴とする請求項6に記載の車載機器。
【請求項8】
前記他の携帯機器から取得した前記地点情報を用いて目的地設定した場合、当該他の携帯機器を前記優先機器として設定するか否かをユーザに選択させるための優先機器選択手段をさらに備え、
前記優先機器設定手段は、前記優先機器選択手段により「設定する」と選択された場合、前記他の携帯機器を前記優先機器として設定することを特徴とする請求項7に記載の車載機器。
【請求項9】
前記携帯機器は、前記目的地情報を、日時情報と共に登録可能であり、
前記通信手段により、前記目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の前記目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、前記地点情報取得手段により、複数の前記目的地情報を取得した場合、
取得した前記複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の目的地情報を、前記日時情報に応じて抽出する目的地情報抽出手段をさらに備え、
前記目的地設定手段は、前記目的地情報抽出手段により抽出された前記1以上の目的地情報に基づいて、前記目的地を設定することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項10】
前記目的地設定の対象となる前記目的地情報を抽出するための日時条件を設定する日時条件設定手段をさらに備え、
前記目的地情報抽出手段は、前記複数の目的地情報のうち、前記日時条件設定手段により設定された前記日時条件と、前記日時情報とを照合することによって、前記1以上の目的地情報を抽出することを特徴とする請求項9に記載の車載機器。
【請求項11】
前記通信手段により、前記目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の前記目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、前記地点情報取得手段により、複数の前記目的地情報を取得した場合、
取得した前記複数の目的地情報のうち、目的地設定の対象となる1以上の地点情報をユーザに選択させるための目的地情報選択手段をさらに備え、
前記目的地設定手段は、前記目的地情報選択手段により選択された前記1以上の目的地情報に基づいて、前記目的地を設定することを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項12】
前記通信手段により、前記目的地情報の転送予約がある複数の携帯機器および/または複数の前記目的地情報の転送予約がある携帯機器と通信を確立したことによって、前記地点情報取得手段により、複数の前記目的地情報を取得した場合、
前記地点情報処理手段は、取得した前記複数の目的地情報に基づいて、複数の経由地を設定する経由地設定手段を含み、
前記経由地設定手段により設定された前記複数の経由地にしたがって経路誘導を行う経路誘導手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項13】
現在位置から、前記地点情報処理手段により目的地設定された目的地までの所要時間、および当該目的地への到着時刻のいずれかを算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された前記所要時間または前記到着時刻を、前記地点情報の転送元となる前記携帯機器に対して通知する通知手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の車載機器。
【請求項14】
前記目的地設定手段により設定された目的地情報、または前記地点登録手段により登録された地点登録情報の転送元となる前記携帯機器に対し、当該目的地情報または当該地点登録情報の登録削除指令を送信する削除指令送信手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2に記載の車載機器。
【請求項15】
請求項1ないし14のいずれか1項に記載の車載機器と、前記携帯機器と、から成ることを特徴とする情報通信システム。
【請求項16】
任意の地点を示す地点情報の転送予約機能を有する携帯機器と、通信可能な車載機器の通信制御方法であって、
前記車載機器が、
通信確立された後に、前記携帯機器から前記地点情報を取得するステップと、
取得された当該地点情報に関する処理の種別を判別するステップと、
判別された種別に基づき、前記地点情報を用いて、少なくとも地点登録または目的地設定を行うステップと、を実行することを特徴とする車載機器の通信制御方法。
【請求項17】
コンピュータに、請求項16に記載の車載機器の通信制御方法における各ステップを実行させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−54337(P2010−54337A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−219500(P2008−219500)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000005016)パイオニア株式会社 (3,620)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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