説明

車載用ナビゲーション装置

【課題】ユーザが直感的に分かりやすい地図を表示することによって利便性を向上させることができる「車載用ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】地図を表示可能に形成された車載用ナビゲーション装置1であって、ユーザが所定の使用態様として使用した地点を自動的に登録する地点自動登録手段24と、この地点自動登録手段24によって登録された前記地点を示す情報を前記地図上に表示する登録地点情報表示手段25とを備えたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車載用ナビゲーション装置に係り、特に、地図を表示するのに好適な車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車載用ナビゲーション装置では、地図データベースを用いることによって、ディスプレイの表示画面上に、ユーザによって指定された特定領域の地図を表示することが行われていた。
【0003】
また、車載用ナビゲーション装置では、地図を表示する際に、地形図を表示するだけではなく、地図上に存在する代表的な建物の名称もあわせて表示(文字表示)するようになっていた。
【0004】
【特許文献1】特開平7−262213号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述のように、地図上に代表的な建物の名称を表示したとしても、それだけでは、ユーザが、その建物であると認識することが困難な場合があった。例えば、図4には、地図40上に「○○ビル」が表示されているが、これだけでは、この○○ビルが、ユーザが過去に利用した施設をテナントとして含むビルであるか等を把握することができないために、この○○ビルをユーザが過去に訪れたビルであるとして明確に認識することができない場合があった。また、建物そのものが小さい場合には、たとえ、その建物の名称を地図上に表示したとしても、実物を運転中に確認することが困難であり、却ってユーザの混乱を招くことがあったため、実用的ではなかった。
【0006】
すなわち、従来は、ユーザが直感的に分かりやすい地図を表示することができないといった問題が生じていた。
【0007】
そこで、本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、ユーザが直感的に分かりやすい地図を表示することができ、利便性を向上させることができる車載用ナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するため、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、ユーザが所定の使用態様として使用した地点を自動的に登録する地点自動登録手段と、この地点自動登録手段によって登録された前記地点を示す情報を地図上に表示する登録地点情報表示手段とを備えたことを特徴としている。そして、このような構成によれば、地点自動登録手段により、ユーザが所定の使用態様として使用した地点をユーザの操作を待たずに自動的に登録し、登録地点情報表示手段により、地点自動登録手段によって登録された地点を示す情報を地図上に地図の一部として表示することが可能となる。
【0009】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、前記地点自動登録手段が、前記ユーザが所定の使用態様として使用した地点を、前記使用態様の種類ごとに分類して登録するように形成され、前記登録地点情報表示手段が、前記ユーザが所定の使用態様として使用した地点が前記使用態様の種類ごとに分類して登録されていることを利用して、前記地点自動登録手段によって登録された前記地点を示す情報を、前記使用態様の種類ごとに異なる表示状態として表示するように形成されていることを特徴としている。そして、このような構成によれば、地点自動登録手段により、ユーザが所定の使用態様として使用した地点を、使用態様の種類ごとに分類して登録し、登録地点情報表示手段により、ユーザが所定の使用態様として使用した地点が使用態様の種類ごとに分類して登録されていることを利用して、地点自動登録手段によって登録された地点を示す情報を、使用態様の種類ごとに異なる表示状態として表示することが可能となる。
【0010】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置は、前記ユーザが所定の使用態様として使用した前記地点が、目的地として使用した地点、経由地として使用した地点および検索対象として使用した地点の少なくとも1つを含むことを特徴としている。そして、このような構成によれば、地点自動登録手段により、ユーザが目的地として使用した地点、経由地として使用した地点および検索対象として使用した地点を自動的に登録し、登録地点情報表示手段により、地点自動登録手段によって登録された各地点を示す情報を地図上に地図の一部として表示することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、地点自動登録手段により、ユーザが所定の使用態様として使用した地点をユーザの操作を待たずに自動的に登録し、登録地点情報表示手段により、地点自動登録手段によって登録された地点を示す情報を地図上に地図の一部として表示することができる結果、ユーザが直感的に分かりやすい地図を表示することができ、利便性を向上させることができる。
【0012】
また、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、地点自動登録手段により、ユーザが所定の使用態様として使用した地点を、使用態様の種類ごとに分類して登録し、登録地点情報表示手段により、ユーザが所定の使用態様として使用した地点が使用態様の種類ごとに分類して登録されていることを利用して、地点自動登録手段によって登録された地点を示す情報を、使用態様の種類ごとに異なる表示状態として表示することができる結果、ユーザがさらに直感的に分かりやすい地図を表示することができ、利便性をさらに向上させることができる。
【0013】
さらに、本発明に係る車載用ナビゲーション装置によれば、地点自動登録手段により、ユーザが目的地として使用した地点、経由地として使用した地点および検索対象として使用した地点を自動的に登録し、登録地点情報表示手段により、地点自動登録手段によって登録された各地点を示す情報を地図上に地図の一部として表示することができる結果、ユーザがさらに直感的に分かりやすい地図を表示することができ、利便性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態について、図1乃至図3を参照して説明する。
【0015】
図1に示すように、本実施形態における車載用ナビゲーション装置1は、大別して、ナビゲーションメインユニット2と、このナビゲーションメインユニット2の入力側にそれぞれ接続されたデータ読出/書込装置3、入力操作部5、GPSレシーバ6および自律航法センサ7と、ナビゲーションメインユニット2の出力側にそれぞれ接続されたディスプレイ8およびスピーカ9とによって構成されている。なお、入力操作部5は、リモコン、ディスプレイ8のタッチパネルまたはリニアエンコーダ等であってもよい。
【0016】
データ読出/書込装置3には、記憶媒体10が搭載されており、この記憶媒体10には、地図データ、経路計算データおよび検索データ等のナビゲーションに必要な種々のデータが格納されている。記憶媒体10は、DVDであってもよいし、または、ハードディスクであってもよい。
【0017】
GPSレシーバ6は、図示しないGPS衛星から軌道および時刻に関する情報(GPS情報)を受信し、受信したGPS情報をナビゲーションメインユニット2に出力するようになっている。
【0018】
自律航法センサ7は、ジャイロセンサ等によって構成されており、この自律航法センサ7は、自車の走行速度や角速度を検出し、検出結果をナビゲーションメインユニット2に出力するようになっている。
【0019】
次に、ナビゲーションメインユニット2について詳述すると、このナビゲーションメインユニット2は、入力操作部5の出力側に接続された目的地設定部11を有している。この目的地設定部11は、ユーザが、入力操作部5を用いて目的地の設定のための入力操作(例えば、操作画面上の目的地の設定ボタンの操作)を行うと、この入力操作にともなって、ナビゲーションの目的地を設定するようになっている。
【0020】
また、ナビゲーションメインユニット2は、入力操作部5の出力側に接続された経由地設定部12を有している。この経由地設定部12は、ユーザが、入力操作部5を用いて経由地の設定のための入力操作(例えば、操作画面上の経由地の設定ボタンの操作)を行うと、この入力操作にともなって、ナビゲーションの経由地を設定するようになっている。
【0021】
さらに、ナビゲーションメインユニット2は、入力操作部5の出力側に接続された検索部14を有している。この検索部14は、ユーザが、入力操作部5を用いてユーザが希望する条件(例えば、店舗の種別等)を満足する地点を検索するための入力操作(例えば、検索条件を決定するための操作ボタンの操作)を行うと、この入力操作にともなって、施設等の地点を検索するようになっている。この検索には、記憶媒体10に格納された検索データが用いられるようになっている。
【0022】
ナビゲーションメインユニット2は、GPSレシーバ6および自律航法センサ7の出力側に接続された自車位置計算部17を有している。この自車位置計算部17には、GPSレシーバ6から出力されたGPS情報および自律航法センサ7から出力された検出結果がそれぞれ入力されるようになっている。
【0023】
自車位置計算部17は、GPSレシーバ6側から入力されたGPS情報に基づいて、自車位置を絶対座標として算出するようになっている(電波航法)。
【0024】
また、自車位置計算部17は、自律航法センサ7側から入力された検出結果に基づいて、自車位置を前の自車位置からの相対位置として算出するようになっている(自律航法)。
【0025】
ナビゲーションメインユニット2は、自車位置計算部17の出力側であって、入力操作部5の出力側に、データ読出制御部19を有している。
【0026】
データ読出制御部19は、ユーザが、入力操作部5を用いて自車位置およびその周辺の領域(以下、自車周辺領域と称する)の地図を表示するための入力操作(例えば、操作ボタンの操作)を行うと、自車位置計算部17によって算出された自車位置のデータを取得するようになっている。そして、データ読出制御部19は、自車位置計算部17から取得した自車位置のデータに基づいて、自車周辺領域についての地図データを記憶媒体10から読み出すための読み出し要求をデータ読出/書込装置3に出力するようになっている。
【0027】
ナビゲーションメインユニット2は、データ読出/書込装置3の出力側に接続されたバッファ20を有しており、このバッファ20には、データ読出/書込装置3によって記憶媒体10から読み出された自車周辺領域についての地図データが一時的に格納されるようになっている。
【0028】
バッファ20の出力側には、地図描画部21が接続されており、この地図描画部21は、バッファ20から自車周辺領域についての地図データを取得し、取得された地図データに基づいて、自車周辺領域の地図を描画するための地図描画データを生成するようになっている。
【0029】
また、地図描画部21は、ユーザが、入力操作部5を用いて自車周辺領域以外の領域を指定して当該領域の地図を表示するための入力操作を行うと、データ読出/書込装置3がデータ読出制御部19の読み出し要求にしたがって記憶媒体10から読み出した当該領域の地図データに基づいて、当該領域の地図を描画するための地図描画データを生成するようになっている。
【0030】
地図描画部21の出力側には、表示処理部22が接続されており、この表示処理部22には、地図描画部21によって生成された地図描画データが入力されるようになっている。
【0031】
表示処理部22は、地図描画部21側から入力された地図描画データに基づいて、ユーザが入力操作部5の操作によって指定した領域(自車周辺領域またはそれ以外の領域)(以下、地図表示領域と称する)の地図をディスプレイ8の表示画面に表示するようになっている。
【0032】
目的地設定部11、経由地設定部12および検索部14の出力側であって、データ読出/書込装置3の入力側には、地点自動登録手段としての地点自動登録部24が接続されている。
【0033】
この地点自動登録部24は、目的地設定部11から、この目的地設定部11によって設定された目的地のデータ(以下、設定目的地データと称する)を取得し、取得された設定目的地データを記憶媒体10に書き込むための書き込み要求をデータ読出/書込装置3に出力するようになっている。そして、データ読出/書込装置3は、地点自動登録部24によって出力された当該書き込み要求にしたがって、設定目的地データを記憶媒体10に書き込むようになっている。したがって、地点自動登録部24により、ユーザが所定の使用態様としての目的地として使用した地点(設定目的地データ)を、記憶媒体10に自動的に登録することができる。
【0034】
また、地点自動登録部24は、経由地設定部12から、この経由地設定部12によって設定された経由地のデータ(以下、設定経由地データと称する)を取得し、取得された設定経由地データを記憶媒体10に書き込むための書き込み要求をデータ読出/書込装置3に出力するようになっている。そして、データ読出/書込装置3は、地点自動登録部24によって出力された当該書き込み要求にしたがって、設定経由地データを記憶媒体10に書き込むようになっている。したがって、地点自動登録部24により、ユーザが所定の使用態様としての経由地として使用した地点(設定経由地データ)を、記憶媒体10に自動的に登録することができる。
【0035】
さらに、地点自動登録部24は、検索部14から、この検索部14によって検索された地点のデータ(以下、検索地点データと称する)を取得し、取得された検索地点データを記憶媒体10に書き込むための書き込み要求をデータ読出/書込装置3に出力するようになっている。そして、データ読出/書込装置3は、地点自動登録部24によって出力された当該書き込み要求にしたがって、検索地点データを記憶媒体10に書き込むようになっている。したがって、地点自動登録部24により、ユーザが所定の使用態様としての検索対象として使用した地点(検索地点データ)を、記憶媒体10に自動的に登録することができる。
【0036】
さらに、本実施形態において、設定目的地データ、設定経由地データおよび検索地点データを記憶媒体10に書き込むための前述した書き込み要求は、各データを、地点の使用態様の種類(目的地、経由地および検索対象)ごとに分類して記憶媒体10に書き込むことを内容とした書き込み要求とされている。
【0037】
したがって、地点自動登録部24により、ユーザが目的地として使用した地点と、ユーザが経由地として使用した地点と、ユーザが検索対象として使用した地点とを、各使用態様の種類ごとに分類して記憶媒体10内に登録することができる。
【0038】
本実施形態において、ユーザが入力操作部5を用いて地図表示のための入力操作を行うと、データ読出制御部19が、地図表示領域についての地図データとともに、記憶媒体10内に登録された設定目的地データ、設定経由地データおよび検索地点データのうちの地図表示領域内に存在する地点についてのデータ(以下、該当データと称する)を読み出すための読み出し要求をデータ読出/書込装置3に出力するようになっている。
【0039】
そして、データ読出/書込装置3は、当該読み出し要求にしたがって、記憶装置10内から前記該当データを読み出すようになっている。
【0040】
データ読出制御部19によって読み出された前記該当データは、バッファ20に一時的に格納されるようになっている。
【0041】
本実施形態において、バッファ20と表示処理部22との間には、登録地点情報表示手段としての登録地点情報描画部25が接続されている。
【0042】
この登録地点情報描画部25は、バッファ20に格納された前記該当データを取得し、取得された前記該当データに基づいて、地図表示領域内に存在する地点自動登録部24によって登録された地点を示す情報を表示するための登録地点描画データを生成するようになっている。
【0043】
このとき、登録地点情報描画部25は、設定目的地データ、設定経由地データ、検索地点データが、地点の使用態様の種類ごとに分類して登録されていることを利用して、前記登録地点描画データとして、地図表示領域内に存在する地点自動登録部24によって登録された地点を示す情報を、地点の使用態様の種類ごとに異なる表示状態として表示するための登録地点描画データを生成するようになっている。
【0044】
表示処理部22は、登録地点情報描画部25によって生成された登録地点描画データに基づいて、ユーザが目的地として使用した地点を示す情報、ユーザが経由地として使用した地点を示す情報およびユーザが検索対象として使用した地点を示す情報を、ディスプレイ8の表示画面に表示された地図上に、地図の一部として重ねて表示するようになっている。
【0045】
なお、これらのユーザが使用した地点を示す情報は、地点の名称(ビル内に存在する施設の名称等)を文字によって表したものであってもよく、または、地点を図形によって表したものであってもよく、あるいは、文字と図形とを組み合わせたものであってもよい。
【0046】
また、ユーザが使用した地点を示す情報を図形を用いて表示する場合には、その情報を地点の使用態様の種類ごとに異なる表示状態として表示するために、その情報を表す図形の色や形状を、地点の使用態様の種類ごとに異ならせるようにしてもよい。
【0047】
上記構成以外にも、ナビゲーションメインユニット2は、自車位置計算部17と表示処理部22との間に接続された自車位置描画部27を有している。
【0048】
自車位置描画部27は、自車位置計算部17から自車位置のデータを取得し、取得された自車位置のデータに基づいて、自車位置を示すマークを表示するための自車位置マーク描画データを生成するようになっている。
【0049】
そして、表示処理部22は、自車位置描画部27によって生成された自車位置マーク描画データに基づいて、自車位置を示すマークをディスプレイ8の表示画面に表示された地図上に重ねて表示するようになっている。
【0050】
さらに、目的地設定部11、自車位置計算部17およびバッファ20の出力側であって、データ読出制御部19の入力側には、経路計算部28が接続されている。
【0051】
経路計算部28は、自車位置計算部17から自車位置のデータを取得するとともに、目的地設定部11から設定目的地データを取得し、取得された各データに基づいて、自車位置から目的地までの推奨経路を計算するようになっている。
【0052】
また、経路計算部28は、推奨経路の計算の際に、データ読出制御部19を介してデータ読取/書込装置3に経路計算データを読み出すための読み出し要求を出力するようになっている。そして、経路計算部28は、この読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された経路計算データをバッファ20を介して取得し、取得された経路計算データを用いて推奨経路を計算するようになっている。
【0053】
経路計算部28と表示処理部22との間には、案内画像描画部31が接続されており、この案内画像描画部31には、経路計算部28によって算出された推奨経路のデータが入力されるようになっている。
【0054】
案内画像描画部31は、経路計算部28側から入力された推奨経路のデータに基づいて、推奨経路に沿って自車を目的地まで案内するための案内画像(例えば、交差点拡大画像や地図上の道路に推奨経路を重ねて描いた画像)を表示するための案内画像描画データを生成するようになっている。
【0055】
表示処理部22は、案内画像描画部31によって生成された案内画像描画データに基づいて、案内画像をディスプレイ8の表示画面に表示するようになっている。
【0056】
経路計算部28とスピーカ9との間には、音声案内部32が接続されており、この音声案内部32には、経路計算部28によって算出された推奨経路のデータが入力されるようになっている。
【0057】
音声案内部32は、経路計算部28側から入力された推奨経路のデータに基づいて、交差点右左折案内等の音声案内を行うための案内音声データを生成するようになっている。
【0058】
スピーカ9は、音声案内部32によって生成された案内音声データを音声に変換して出力するようになっている。
【0059】
次に、本実施形態の主要な作用について説明する。
【0060】
本実施形態において、例えば、ユーザが、入力操作部5を用いて目的地の設定のための入力操作を行った場合には、この入力操作にともなって、目的地設定部11が目的地を設定する。
【0061】
次いで、目的地設定部11によって目的地が設定されると、地点自動登録部24は、目的地設定部11から設定目的地データを取得する。
【0062】
次いで、地点自動登録部24は、データ読出/書込装置3に対して、設定目的地データをユーザが目的地として使用した地点のデータであると分類して記憶媒体10に書き込むための書き込み要求を出力する。
【0063】
次いで、データ読出/書込装置3は、地点自動登録部24によって出力された設定目的地データの書き込み要求にしたがって、設定目的地データを、ユーザが目的地として使用した地点のデータであると分類して記憶媒体10に書き込む。
【0064】
これにより、ユーザが目的地として使用した地点が、ユーザが他の種類の使用態様(経由地および検索対象)として使用した地点とは異なる分類に属する地点として記憶媒体10内に自動的に登録される。
【0065】
また、本実施形態において、ユーザが、入力操作部5を用いて経由地の設定のための入力操作を行った場合には、この入力操作にともなって、経由地設定部12が経由地を設定する。
【0066】
次いで、経由地設定部12によって経由地が設定されると、地点自動登録部24は、経由地設定部12から設定経由地データを取得する。
【0067】
次いで、地点自動登録部24は、データ読出/書込装置3に対して、設定経由地データをユーザが経由地として使用した地点のデータであると分類して記憶媒体10に書き込むための書き込み要求を出力する。
【0068】
次いで、データ読出/書込装置3は、地点自動登録部24によって出力された設定経由地データの書き込み要求にしたがって、設定経由地データを、ユーザが経由地として使用した地点のデータであると分類して記憶媒体10に書き込む。
【0069】
これにより、ユーザが経由地として使用した地点が、ユーザが他の種類の使用態様(目的地および検索対象)として使用した地点とは異なる分類に属する地点として記憶媒体10内に自動的に登録される。
【0070】
さらに、本実施形態において、ユーザが、入力操作部5を用いて地点の検索のための入力操作を行った場合には、この入力操作にともなって、検索部14が地点の検索を行う。
【0071】
次いで、検索部14によって地点が検索されると、地点自動登録部24は、検索部14から検索地点データを取得する。
【0072】
次いで、地点自動登録部24は、データ読出/書込装置3に対して、検索地点データをユーザが検索対象として使用した地点のデータであると分類して記憶媒体10に書き込むための書き込み要求を出力する。
【0073】
次いで、データ読出/書込装置3は、地点自動登録部24によって出力された検索地点データの書き込み要求にしたがって、検索地点データを、ユーザが検索対象として使用した地点のデータであると分類して記憶媒体10に書き込む。
【0074】
これにより、ユーザが検索対象として使用した地点が、他の種類の使用態様(目的地および経由地)として使用した地点とは異なる分類に属する地点として記憶媒体10に自動的に登録される。
【0075】
次に、ユーザが、入力操作部5の操作によって所定の地図表示領域(自車周辺領域またはそれ以外の領域)の地図を表示するための入力操作を行うと、データ読出制御部19が、地図表示領域についての地図データを記憶媒体10から読み出すための読み出し要求をデータ読出/書込装置3に出力する。
【0076】
この読み出し要求によって記憶媒体10から読み出された地図表示領域についての地図データは、データ読出/書込装置3およびバッファ20を経て地図描画部21に入力される。
【0077】
そして、地図描画部21は、入力された地図データを用いて地図描画データを生成し、生成された地図描画データを表示処理部22に出力する。
【0078】
また、このとき、データ読出制御部19は、前記該当データを読み出すための読み出し要求をデータ読出/書込装置3に出力する。
【0079】
この読み出し要求によって、記憶媒体10から読み出された前記該当データは、データ読出/書込装置3およびバッファ20を経て登録地点情報描画部25に入力される。
【0080】
そして、登録地点情報描画部25は、入力された前記該当データに基づいて、地図表示領域内に存在する地点自動登録部24によって登録された地点を示す情報を表示するための登録地点描画データを生成するようになっている。
【0081】
このとき、登録地点情報描画部25は、設定目的地データ、設定経由地データおよび検索地点データが、地点の使用態様の種類ごとに分類して登録されていることを利用することにより、前記登録地点描画データとして、地図表示領域内に存在する地点自動登録部24によって登録された地点を示す情報を、地点の使用態様の種類ごとに異なる表示状態として表示するための登録地点描画データを生成する。
【0082】
そして、登録地点情報描画部25は生成された登録地点描画データを表示処理部22に出力する。
【0083】
これにより、ディスプレイ8の表示画面8a上には、例えば、図2に示すように、自車位置のマーク34が重ねて表示された地図35上に、ユーザが目的地として使用した地点を示す情報として、○○ビル内に存在する△△レストランを示す情報が地図の一部として重ねて表示される。なお、この△△レストランを示す情報は、△△レストランの名称を表す文字と、星形の図形36とによって構成されている。
【0084】
また、図2よりも縮尺が小さい地図(例えば、広域地図)を表示する場合には、図3に示すように、ディスプレイ8の表示画面8a上に、ユーザが目的地として使用した地点を示す情報として、星形の図形36のみからなる情報が表示される。また、図3に示すように、ディスプレイ8の表示画面8a上には、ユーザが経由地として使用した地点を示す情報として、十字形の図形37からなる情報が表示される。さらに、図3に示すように、ディスプレイ8の表示画面8a上には、ユーザが検索対象として使用した地点を示す情報として、丸形の図形38からなる情報が表示される。なお、図3においても、図2の場合と同様に、各図形36,37,38によって示されている各地点の名称を、各図形36,37,38とともに表示(文字表示)するようにしてもよい。この場合に、各図形36,37,38にタッチパネルの機能をもたせ、各図形36,37,38がユーザによって押された場合に各図形36,37,38に対応する地点の名称が表示されるように構成してもよい。
【0085】
このように、ユーザが使用した地点を示す情報が表示された地図は、ユーザにとって覚えがある地点が表示されているため、ユーザにとって直感的に分かりやすく、ユーザが円滑な運転を行う上で便利な地図となる。また、ユーザにとって覚えがある地点が表示されることによって、ユーザに安心感を与えて安全な運転を行わせることができる。さらに、ユーザが目的地として使用した地点を示す情報が表示された地図は、ユーザが地図上に表示された地点を再び訪れたいという希望を喚起する場合もあるため、ユーザが行き先を決めるための1つの手段として有効に利用することができる。
【0086】
さらに、図3のように、ユーザが使用した地点を示す情報を、使用態様の種類ごとに異なる表示状態(図3における図形36,37,38の形状)として表示することにより、表示された地点が、過去にユーザがどのような使用態様として使用した地点であるかを一目で判別することができる。
【0087】
以上述べたように、本実施形態によれば、地点自動登録部24により、ユーザが目的地、経由地および検索対象として使用した地点を、ユーザの操作を待たずに自動的に登録し、登録地点情報描画部25により、地点自動登録部24によって登録された地点を示す情報を地図上に地図の一部として表示することができる結果、ユーザが直感的に分かりやすい地図を表示することができ、利便性を向上させることができる。
【0088】
なお、本発明は、前述した実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて種々の変更が可能である。
【0089】
例えば、公知の技術として、ユーザが駐車場に所定時間以上駐車した場合にその地点を仮の目的地として設定する技術があるが、このようにして設定された目的地についても、ユーザが目的地として使用した地点であることを妨げないものとする。
【0090】
また、前述した実施形態においては、地図上にユーザが使用した地点を示す情報をすべて表示しているが、本発明は、このような構成に限定されるものではなく、例えば、ユーザの入力操作により、自車位置の周辺に存在する所定数(例えば、10件分)の地点を示す情報のみを地図上に表示することができるように構成してもよい。また、ユーザの入力操作により、地図上に表示するユーザが使用した地点を示す情報を日付によって限定することができるように構成し、例えば、過去一ヶ月以内に登録された地点を示す情報のみを地図上に表示するようにしてもよい。さらに、ユーザの入力操作により、地図上に表示するユーザが使用した地点を示す情報を使用態様の種類によって限定し、例えば、ユーザが目的地として使用した地点を示す情報のみを地図上に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態を示すブロック図
【図2】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、ユーザが使用した地点を示す情報の表示状態の一例を示す図
【図3】本発明に係る車載用ナビゲーション装置の実施形態において、ユーザが使用した地点を示す情報の図2と異なる表示状態の一例を示す図
【図4】従来の地図の表示状態の一例を示す図
【符号の説明】
【0092】
1 車載用ナビゲーション装置
24 地点自動登録部
25 登録地点情報描画部
35 地図

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示可能に形成された車載用ナビゲーション装置であって、
ユーザが所定の使用態様として使用した地点を自動的に登録する地点自動登録手段と、
この地点自動登録手段によって登録された前記地点を示す情報を前記地図上に表示する登録地点情報表示手段と
を備えたことを特徴とする車載用ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地点自動登録手段が、前記ユーザが所定の使用態様として使用した地点を、前記使用態様の種類ごとに分類して登録するように形成され、
前記登録地点情報表示手段が、前記ユーザが所定の使用態様として使用した地点が前記使用態様の種類ごとに分類して登録されていることを利用して、前記地点自動登録手段によって登録された前記地点を示す情報を、前記使用態様の種類ごとに異なる表示状態として表示するように形成されていること
を特徴とする請求項1に記載の車載用ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ユーザが所定の使用態様として使用した前記地点に、目的地として使用した地点、経由地として使用した地点および検索対象として使用した地点の少なくとも1つが含まれていること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の車載用ナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−263576(P2007−263576A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−85125(P2006−85125)
【出願日】平成18年3月27日(2006.3.27)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】