説明

車載用表示装置

【課題】携帯情報端末機やゲーム機器等の外部機器を接続した際の操作性や使い易さが向上した車載用表示装置を提供する。
【解決手段】共通の表示部に形成されて異なる視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面にそれぞれ画像を表示する車載用表示装置であって、外部機器500を接続するための外部機器接続端子155を有し、外部機器接続端子155へ外部機器500が接続されると、第1及び第2の画面の少なくとも一方に外部機器が接続されていることを示す外部機器用画像を表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、車両の運転席と助手席との間等に設けられる車載用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
共通の表示パネル上で異なる視野からそれぞれ画像を視認できる、いわゆるマルチビュー表示装置としては、例えば、液晶パネルの前に視差バリアを設け、1ピクセルごとにバックライトからの光の進行方向を振り分けることで、左右において異なる情報(画像)を表示できるものが知られている(例えば、特許文献1等参照)。このような表示装置を車両に搭載することにより、運転者がナビゲーション画像を観ている間に助手席の搭乗者がテレビ等の他の画像を観ることが可能となる。
【特許文献1】特開2005−78080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記したようなマルチビュー表示装置の画像や音声のソースとしては、ナビゲーションシステム、CD,DVD、TV等種々挙げられるが、例えば、携帯情報端末機やゲーム機器等の外部機器からの情報などを画面に表示し、これらの外部機器を表示装置側で操作できると、マルチビュー表示装置の有用性がさらに高まる。
しかしながら、例えば、マルチビュー表示装置に外部機器を接続した場合に、その接続を知らせる画像を画面に自動表示すれば、外部機器の使いやすさが向上すると考えられるが、走行中に運転席側の画面に外部機器に関する画像を表示させるのは、安全走行の観点から好ましくない。
【0004】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、携帯情報端末機やゲーム機器等の外部機器を接続した際の操作性、使い易さ等が向上した車載用表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の観点に係る車載用表示装置は、共通の表示部に形成されて異なる視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面にそれぞれ画像を表示する車載用表示装置であって、情報を送受可能な外部機器を検出する外部機器検出手段を有し、前記外部機器を検出すると、前記第1及び第2の画面の少なくとも一方に前記外部機器と情報を送受可能であることを示す外部機器用画像を表示する、ことを特徴としている。
この構成によれば、有線、無線に限らず、情報を送受可能な外部機器が検出されると、画面に情報を送受可能であることを示す外部機器用画像が自動表示されるので、外部機器の使いやすさが向上する。
【0006】
本発明に係る車載用表示装置は、共通の表示部に形成されて異なる視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面にそれぞれ画像を表示する車載用表示装置であって、外部機器を接続するための外部機器接続端子を有し、外部機器接続端子へ外部機器が接続されると、第1及び第2の画面の少なくとも一方に外部機器が接続されていることを示す外部機器用画像を表示する、ことを特徴としている。
この構成によれば、外部機器の接続に応じて外部機器用画像が表示されるので、接続状態を容易に認識できる。
【0007】
上記構成において、第1及び第2の画面の一方に外部機器用画像を表示する、構成を使用できる。
この構成によれば、外部機器用画像を2画面のうち一方にのみ表示することができれば、他方の画面の視認を妨害することがない。例えば、車両の走行中に助手席側の画面にのみ外部機器用画像を表示できれば、運転の妨げになるのを防止できる。
【0008】
上記構成において、外部機器用画像が選択操作されると、外部機器を操作するための外部機器操作用画面を表示する、構成を採用できる。
この構成によれば、外部機器を操作するための画像を外部機器用画像を選択操作するだけで表示させることができ、表示画面を使用して外部機器の操作が可能になる。
【0009】
上記構成において記第1及び第2の画面のうち、外部機器用画像を表示させる画面を選択する選択手段を有する、構成を採用できる。
この構成によれば、ユーザの意思により外部機器用画像を表示させる画面を自由に選択できる。
【0010】
上記構成において、第1及び第2の画面のうち操作権の設定された画面に、外部機器用画像を表示する、構成を採用できる。
この構成によれば、外部機器用画像を表示する画面に操作権を与えることにより、他方の画面が操作されてしまうのを防止できる。
【0011】
本発明に係る車載用表示装置の表示方法は、共通の表示部に形成されて異なる視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面にそれぞれ画像を表示する車載用表示装置の表示方法であって、情報を送受可能な外部機器を検出すると、前記第1及び第2の画面の少なくとも一方に前記外部機器と情報を送受可能であることを示す外部機器用画像を表示する、ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、共通の表示パネル上で異なる視野からそれぞれ画像を視認できるマルチビュー表示装置において、外部機器を接続した際の操作性や利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る車両用表示装置の基本構成を説明するための図である。
この車載用表示装置は、図1に示すように、表示制御部10、表示部100等から構成されている。
表示制御部10は、第1の画像ソース300Aから画像データ(画像信号)DT1が供給されると共に第2の画像ソース300Bから画像データ(画像信号)DT2が供給されて、これら第1及び第2の画像データDT1,DT2からなる画像データ(画像信号)ADTを共通の表示部100へ出力する。尚、表示制御部10の具体的な構成については後述する。
また、第1及び第2の画像ソース300A,300Bは、後述するカメラ、TV受信部、DVD再生部、HD再生部、ナビゲーション部等の複数のソースで構成される。
【0014】
表示部100は、後述するように、液晶パネル、バックライト、視差バリア等から構成されており、第1の画像データDT1に基づく第1の画像IM1を右方向から観察者OBRが視認できると共に第2の画像データDT2に基づく第2の画像IM2を左方向から観察者OBLが視認できるように共通の表示画面に表示する。尚、表示部100の具体的な構成については後述する。
【0015】
図2は本発明の一実施形態に係る車載用表示装置の外観斜視図、図3は本発明の一実施形態に係る車載用表示装置の表示部の正面図である。
図2に示す車載用表示装置の装置本体100Aは、車両のダッシュボード部分に内蔵されると共に、表示部100は、図2に示すように運転席DSと助手席ASとの間に配置される。
また、運転席DSに着席した乗員が上記の観察者OBRとなり、助手席ASに着席した乗員が上記の観察者OBLとなる。そして、これらの搭乗者は、それぞれ運転席DS側又は助手席AS側から表示部100に表示された異なる第1の画像IM1及び第2の画像IM2を同時に観ることができる。
【0016】
表示部100は、図3に示すように、後述する液晶パネル110及びタッチパネル130の両側に、複数の操作ボタン151、操作権切替ボタン152、モード切替ボタン153、外部機器接続端子155等が設けられている。
複数の操作ボタン151は、表示装置の各種操作のためのボタンである。
モード切替ボタン153は、単一の画像ソースに基づいて同一の画像を運転席側画面及び助手席側画面に表示するシングル表示モードと、異なるあるいは同一の画像ソースに基づいて運転席側画面及び助手席側画面に画像をそれぞれ表示し得るデュアル表示モードとを切替えるためのボタンである。
【0017】
操作権切替ボタン152は、デュアル表示モードにおいて、操作ボタン151やタッチパネル130の操作のうち、運転席側画面に対する操作と助手席画面に対する操作との間の優先権を切替えるためのボタンである。例えば、運転席側の画面にナビゲーション画像を表示し、助手席側の画面にそれ以外のDVD画像等を表示した場合ような場合に、助手席側の画面についてタッチパネル130や複数の操作ボタン151を操作して変更しようとすると、運転席側のナビゲーション画像が変化してしまう可能性がある。同様に、運転席側の画面についてタッチパネル130や複数の操作ボタン151を操作して変更しようとすると、助手席側のナビゲーション画像が変化してしまう可能性がある。これを防止するために、操作権切替ボタン152により、タッチパネル130や複数の操作ボタン151の操作権を運転席側及び助手席側の一方に選択的に与える。
外部機器接続端子155は、例えば、音楽や画像等の再生装置などの携帯情報端末やゲーム機器等からなる外部機器を接続するための端子である。外部機器接続端子155に外部を接続することにより、外部機器が提供する画像や音声を表示装置で視聴することができる。
【0018】
図4ないし図10は本発明の一実施形態に係る表示装置の具体的な構成を示す図であって、図4は表示装置の機能ブロック図、図5は制御部の構成を示す機能ブロック図、図6は第1及び第2の画質調整回路の機能ブロック図、図7は画像出力部の機能ブロック図、図8は液晶パネルの断面構造及び作用を説明するための図、図9は液晶パネルの正面図、及び図10はTFT基板の回路図である。
【0019】
この表示装置は、図4に示すように、表示部100に加えて、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成されている。尚、上記した表示制御部10は、制御部20、分配回路30、第1及び第2の画質調整回路50A,50B、画像出力部70等から構成される。
【0020】
制御部20は、図5に示すように、プロセッサ(CPU)21、インターフェース22、ROM23、RAM24等から構成され、ROM23に記憶されたプログラムに従って表示装置を総合的に制御する。
また、制御部20は、後述するように、表示部100に表示される第1の画像IM1及び第2の画像IM2の重なりにより互いに隔てられた第1の画像IM1の可視範囲と第2の画像IM1の可視範囲とを、第1の画像IM1及び第2の画像IM2の少なくとも一方の画質を調整して所定範囲になるように制御する。
【0021】
制御部20は、図4に示すように、車両に搭載されて画像や音声を供給する供給源としての、車両の周囲等を撮像するカメラ310、音楽や画像を再生するCD/MD(コンパクトディスク/ミニディスク)再生部320、アンテナからラジオ放送波を受信するラジオ受信部330、アンテナからセレクタを介してTV放送波を受信するTV受信部340、DVD(ディジタルバーサタイルディスク)から音楽情報や画像を再生するDVD再生部350、HD(ハードディスク)に記録された画像や音楽情報を再生するHD再生部360、VICS情報受信部371が受信した道路情報やGPS情報受信部372が受信した地理情報に基づいて地図やルート案内画像を出力するナビゲーション部370、上記した外部機器接続端子155等と接続されて、これらとの間でデータを授受すると共にこれらをコントロールする。
制御部20は、外部機器接続端子155に対する外部機器500の図示しない差込プラグの挿抜を自動的に検出する。すなわち、制御部20は、情報を送受可能な外部機器を検出する外部機器検出手段として機能する。
尚、外部機器接続端子155に対する外部機器500の挿抜を自動的に検出した場合の具体的な処理については後述する。
また、制御部20には、各種データを記憶する外部メモリ140、表示装置を操作するための操作部150、車両に備わるライトスイッチや光センサで構成されて車両内の明るさを検知する明るさ検知センサ190、運転席や助手席に設けられる感圧センサ等で構成されて車両の乗員を検出する乗員検知センサ200等が接続され、制御部20は、これらから得られる各種データに基づいて各種制御が可能となっている。
【0022】
操作部150は、図3に示した、複数の操作ボタン151、操作権切替ボタン152、モード切替ボタン153等から構成されている。
【0023】
分配回路30は、図4に示すように、上記したカメラ310、CD/MD再生部320、ラジオ受信部330、TV受信部340、DVD再生部350、HD再生部360、ナビゲーション部370等から供給される音声データや画像データを、制御部20からの制御指令に応じて、音声調整回路60、第1の画質調整回路50A、あるいは、第2の画質調整回路50Bへ分配する。
【0024】
音声調整回路60は、図4に示すように、分配回路30から供給された音声データを調整してスピーカ61へ出力する。
【0025】
第1及び第2の画質調整回路50A,50Bは、図6に示すように、それぞれコントラスト調整部51、輝度調整部52、色調調整部53、ガンマ値調整部54等から構成され、制御部20からの制御指令に応じて、第1及び第2の画像データの画質(コントラスト、輝度、色調、ガンマ値)をそれぞれ調整する。
【0026】
画像出力部70は、図7に示すように、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bにおいてそれぞれ画質調整された第1及び第2の画像データがそれぞれ書き込まれる第1及び第2の書込回路71,72、VRAM(Video RAM)73、液晶パネル駆動部74等から構成されている。
第1及び第2の書込回路71,72は、第1及び第2の画質調整回路50A,50Bで画質調整された第1及び第2の画像データを合成すべく、VRAM73の所定アドレスにそれぞれ書き込む。
VRAM73は、第1及び第2の画像データを合成した画像データを保持する。この合成した画像データは、表示部100の各画素にそれぞれ対応している。
液晶パネル駆動部74は、後述する液晶パネル110を駆動する回路であり、VRAM73に保持されている合成画像データに基づいて、液晶パネル110の対応する画素を駆動する。
【0027】
表示部100は、図4に示すように、液晶パネル110、液晶パネル110の背面側から照明光を当てるバックライト120、表示装置を操作する信号を入力するためのタッチパネル130等から構成されている。
タッチパネル130は、図示しないが、透明なシート状に形成されて液晶パネル110の前面に貼着される。
【0028】
液晶パネル110は、図8に示すように、バックライト120側から順に配置された、偏光板111、TFT(Thin Film Transistor)基板112、液晶層113、RGBの3原色の画素をもつカラーフィルタ基板114、視差バリア115、ガラス板116、偏光板117等から構成された周知の構造を有する。
この液晶パネル110は、図8及び図9に示すように、例えば、水平方向に800画素、垂直方向に480画素が配列された表示画面を有すると共に、この表示画面には、水平方向において左側表示用画素118(以下、助手席側表示用画素118ともいう。)と右側表示用画素119(以下、運転席側表示用画素119ともいう。)とが交互に配列されて構成されている。
【0029】
視差バリア115は、図8及び図9に示すように、ストライプ状に形成されて遮蔽部と透光部を有し、その遮蔽部は隣接する左側表示用画素118と右側表示用画素119との間に配置される。視差バリア115をカラーフィルタ基板114の前面に配置することにより、左側表示用画素118を透過した照明光は、左側に向かう照明光のみ選択的に視差バリア115の透光部を通過し、右側表示用画素119を透過した照明光は、右側に向かう照明光のみが選択的に視差バリア115の透光部を通過する。これにより、図8に示すように、液晶パネル110の右側(運転席側)からは第1の画像IM1が視認でき、左側(助手席側)からは第2の画像IM2が視認できるようになっている。
尚、視差バリア115は、特開平10−123461号公報や特開平11−84131号公報等に開示されているものと同様のものを使用できる。
【0030】
TFT基板112は、図10に示すように、データ線駆動回路DR1、走査線駆動回路DR2、垂直方向に配列された走査線SCL、水平方向に配列されたデータ線DTL、走査線SCLとデータ線DTLとの交差する領域毎に形成されたTFT素子EL、に対応して形成された画素電極EP等を備え、走査線SCL及びデータ線DTLで囲まれた各領域がサブピクセルSBPを構成しており、データ線DTLに沿う各列のサブピクセルSBPは交互に左側表示用画素118と右側表示用画素119とに割り当てられる。
データ線駆動回路DR1は、液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、画素電極EPへの印加電圧を制御する。
走査線駆動回路DR2は、液晶パネル駆動部74によりその駆動タイミングを制御されて、TFT素子ELを選択走査する。
【0031】
ここで、液晶の一例としてTN(Twisted Nematic)型液晶の駆動原理について図11及び図12を参照して説明すると、TN型液晶では、図11(a)に示すように、光が通らないように偏光方向を直交させた2枚の偏光フィルタFa,Fb(偏光板)の間にねじれた液晶を挟むと、上から入った光は液晶分子の隙間に沿って90度ねじれるので、下の偏光フィルタFbを通過できる。図11(b)に示すように、液晶に電圧を印加すると、液晶分子が直立してねじれが取れ、上から入った光は、そのまま下に向かうので、下のフィルタFbを通過できない。すなわち、図12に示すように、液晶分子に電圧を印加していない状態では光が透過し、電圧を印加すると光が遮断されて画面上では黒くなり、電圧により液晶が光のシャッターの機能を果たす。このことから、液晶への印加電圧の制御により、輝度制御が可能となる。また、左側用表示画像と右側用表示画像に対応する液晶への印加電圧をそれぞれ制御することにより、左側用、右側用それぞれの画像の輝度制御が可能となる。
【0032】
メモリ140は、例えば、フラッシュメモリ等の電気的書き換え可能な不揮発性メモリ又はバッテリバックアップされた揮発性メモリにより構成されており、制御部20による制御に必要なデータ等を記憶している。車両のハンドル位置等の車両情報を記憶保持する。
【0033】
次に、外部機器500に関連する制御部20による表示制御の一例について図13及び
図15を参照して説明する。
先ず、図3に示したモード切替ボタン153を操作して、シングル表示モードからデュアル表示モードに切替えると、運転席側画面(D席画面)と助手席側画面(P席画面)には、異なる画像ソースからそれぞれ画像を表示できる状態となる。
例えば、図13(a)に示すように、D席画像としてナビゲーション画像を表示し、P席画像として、TV画像及び各種操作画像を表示できる。
【0034】
P席側の操作者がP席画像を操作するためには、上記した操作権切替ボタン152を操作して操作権をP席画面に切替える。
この状態で、例えば、図13(a)に示すP席画像における操作ボタン(オーディオモードボタン)を選択すると、P席画像は、例えば、図13(b)に示すように、各種オーディオビジュアル機器を選択する画面に変わる。
【0035】
P席側の操作者が、図13(b)に示す状態において、上記した外部機器500を外部機器接続端子155に接続すると、制御部20はこれを検知し、例えば、図14(a)に示すように、外部機器用画像IMAをP席画面に表示する。尚、外部機器500を外部機器接続端子155から抜くと、制御部20はこれを検知し、外部機器用画像IMAをP席画面から消去する。
外部機器用画像IMAは、外部機器接続端子155に外部機器が接続されていることを示す画像であり、又、外部機器との間で情報の送受が可能であることを示す画像である。
【0036】
そして、図14(a)に示す状態において、画面上で外部機器用画像IMAを選択操作すると、例えば、図14(b)に示すような外部機器500を操作するための外部機器操作用画像IMPがP席画面に表示される。これにより、操作者は、外部機器操作用画像IMPを選択操作することにより、外部機器500を動作させることができる。
例えば、外部機器500が半導体メモリやハードディスクドライブを用いた音楽再生装置の場合には、図14(b)に示すような操作画面IMPに基づいて、選曲操作や再生操作が可能になる。
【0037】
上記実施形態では、シングル表示モードからデュアル表示モードへ切替えた後に、外部機器用画像を表示する構成について説明したが、例えば、シングル表示モード状態において、外部機器接続端子へ外部機器が接続されると、自動的にデュアル表示モードに切り替え、2画面のうち少なくとも一方に外部機器用画像を表示する構成とすることも可能である。
【0038】
上記実施形態では、単一の外部機器接続端子を設けた場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、外部機器接続端子を複数設けることも可能である。2つの外部機器を接続した場合には、各々の外部機器についての情報を2つの画面にそれぞれ表示することも可能である。例えば、ゲーム機器を外部機器とした場合には、2つの画面を用いて例えば、対戦型ゲームのような複数人で同時に楽しむことができるゲームをすることができる。
【0039】
上記実施形態では、外部機器用画像をP席側の画面に外部機器用画像を表示した場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、D席側の画面に表示することも可能である。
尚、車両の走行中にD席側の画面に外部機器用画像を表示させることは安全運転の観点からは好ましくないので、走行中においては、P席側の画面にのみ外部機器用画像及び外部機器操作用の画面を表示する構成とすることが好ましい。
【0040】
上記実施形態では、操作権の設定された画面に外部機器用画像を表示する構成の場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、操作権のない画面に外部機器用画像を表示することも可能である。
【0041】
上記実施形態において、外部機器接続用端子から外部機器を抜いた際に、外部機器用画像を消去する前に、消去する旨の警告(例えば、音や表示)を行うことも可能である。このような構成を採用することにより、ユーザが意図せずに外部機器の接続が遮断されたことを知らせることができる。また、消去後はソース選択画面や、端子接続前に見ていたソースの画像を表示することも可能である。
【0042】
上記実施形態において、接続された外部機器の種別を自動判別し、その外部機器に対応した画面を表示させることも可能である。
【0043】
上記実施形態において、外部機器を接続した当初には、助手席側画面に選択用の画像(アイコン)やメニューを表示し、その後、表示内容を確認するために、運転席側に画面を切替える構成とすることも可能である。
【0044】
上記実施形態では、操作権の設定された画面に外部機器用画像を表示する構成の場合について説明したが、これに限定されるわけではなく、例えば、外部機器用画像を表示する画面を選択する選択ボタン(選択手段)を設けて、ユーザが外部機器用画像を表示する画面を選択できる構成とすることも可能である。
【0045】
上記実施形態では、表示装置に外部機器接続用端子を設けてこれに外部機器のプラグが挿入されたかを検出する場合について説明したが、これに限定されるわけではない。例えば、ブルートゥース規格等のような近距離無線通信を利用して表示装置と情報の送受を行う外部機器や携帯情報端末等の外部機器の場合には、無線信号等を利用して外部機器と情報を送受できることを検出し、これに応じて外部機器用画像を画面に表示する構成としてもよい。また、実際に情報を送受している状態(接続された状態)において、対応する外部機器用画像を画面に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の基本構成を説明するための図である。
【図2】表示装置の車両への適用例を示す斜視図である。
【図3】表示装置の正面図である。
【図4】表示装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】制御部の構成を示す機能ブロック図である。
【図6】第1及び第2の画質調整回路の構成を示す機能ブロック図である。
【図7】画像出力部の構成を示す機能ブロック図である。
【図8】表示部の断面構造を示す図である。
【図9】液晶パネルの正面図である。
【図10】TFT基板の回路図である。
【図11】液晶の動作原理を説明するための図である。
【図12】シャッターとしての液晶の機能を説明するための図である。
【図13】外部機器を接続前の運手席用画面及び助手席用画面に表示される画像の一例を示す図である。
【図14】外部機器を接続した後の運手席用画面及び助手席用画面に表示される画像の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0047】
10…表示制御部
20…制御部
30…分配回路
50A,50B…第1及び第2の画質調整回路
60…音声調整回路
70…画像出力部
100…表示部
110…液晶パネル
120…バックライト
130…タッチパネル
140…メモリ
150…操作部
151…操作ボタン
152…操作権切替ボタン
153…モード切替ボタン
155…外部機器接続端子
190…明るさ検知センサ
200…乗員検知センサ
300A,300B…画像ソース
310…カメラ
320…CD/MD再生部
330…ラジオ受信部
340…TV受信部
350…DVD再生部
360…HD再生部
370…ナビゲーション部
500…外部機器
DS…運転席(D席)
AS…助手席(P席)
IMA…外部機器用画像
IMP…外部機器操作用画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共通の表示部に形成されて異なる視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面にそれぞれ画像を表示する車載用表示装置であって、
情報を送受可能な外部機器を検出する外部機器検出手段を有し、前記外部機器を検出すると、前記第1及び第2の画面の少なくとも一方に前記外部機器と情報を送受可能であることを示す外部機器用画像を表示する、ことを特徴とする車載用表示装置。
【請求項2】
共通の表示部に形成されて異なる視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面にそれぞれ画像を表示する車載用表示装置であって、
外部機器を接続するための外部機器接続端子を有し、前記外部機器接続端子へ前記外部機器が接続されると、前記第1及び第2の画面の少なくとも一方に前記外部機器が接続されていることを示す外部機器用画像を表示する、ことを特徴とする車載用表示装置。
【請求項3】
前記第1及び第2の画面の一方にのみ外部機器用画像を表示することを特徴とする請求項1又は2に記載の車載用表示装置。
【請求項4】
前記外部機器用画像が選択操作されると、前記外部機器を操作するための外部機器操作用画面を表示することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車載用表示装置。
【請求項5】
前記第1及び第2の画面のうち、前記外部機器用画像を表示させる画面を選択する選択手段を有する、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車載用表示装置。
【請求項6】
前記第1及び第2の画面のうち操作権の設定された画面に、前記外部機器用画像を表示することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の車載用表示装置。
【請求項7】
共通の表示部に形成されて異なる視野からそれぞれ視認できる第1及び第2の画面にそれぞれ画像を表示する車載用表示装置の表示方法であって、
情報を送受可能な外部機器を検出すると、前記第1及び第2の画面の少なくとも一方に前記外部機器と情報を送受可能であることを示す外部機器用画像を表示する、
ことを特徴とする車載用表示装置の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2007−147816(P2007−147816A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−339799(P2005−339799)
【出願日】平成17年11月25日(2005.11.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】