説明

車載装置及びプログラム

【課題】ユーザにとって適切な範囲での自動料金決済の利用を、当該ユーザに対して促すための効果的な案内を行うことができる車載装置等を提供する。
【解決手段】ETC利用料金の集計金額と、ユーザにより設定された上限額、料金額集計期間、集計情報通知日、上限額到達時における経路案内方法とに基づき、料金実績に関する所定の案内をナビゲーション装置2が実行する。集計金額が上限額以上であれば、その旨をユーザに対して報知する。集計情報通知日を経過していれば、利用料金の集計金額を報知する。また、料金額集計期間を設定することで、利用料金はこの料金額集計期間ごとに集計される。一方、上限額到達時における有料道路の利用可否に基づいて、その設定に基づく経路案内を行う。有料道路を利用不可に設定されている場合、有料道路を利用しないように経路設定を行う。有料道路を利用可に設定されている場合、一般料金ゲートへ誘導する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ETCシステム(Electronic Toll Collection system:自動料金収受システム)等に代表される車両用自動料金決済システムおいて、料金実績に関する情報をユーザへ報知したり経路案内に反映するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高速道路等の有料道路において、料金所におけるノンストップ化による混雑緩和、キャッシュレス化による利便性の向上、料金所の無人化による人件費削減等を目的として、車両が停止せずに自動的に料金の支払いができる料金自動収受システム(ETCシステム)が実用化されている。日本国内のETCシステムは、路上に設置された路上装置と双方向無線通信により料金収受を行う車両側装置(いわゆるETC車載器)とで構成されている(例えば、特許文献1参照)。そして、このETC車載器と路上装置との間で通信が行われ、料金の決済に必要な情報が互いに授受されることで料金の収受が自動的に行われる。
【0003】
このような自動料金決済においては、料金の収受は、事前にユーザからの利用申込みがあった信販(クレジット)会社を介してユーザの預金口座から一定期間ごと(例えば、月々)に引き落とされることによって行われることが一般的である。
【特許文献1】特開平8−235490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような自動料金決済で実現するキャッシュレス化によって、いちいち現金を支払う手間が不要になったという観点においては、確かに利便性が向上している。その反面、現金を直接支払うといった過程を経ないことによって、料金を支払ったというユーザの自覚が希薄になりがちである。その結果、既にどのくらいの金額を支払わなければならないのかという自覚のないまま自動料金決済を利用し過ぎてしまい、クレジット会社からの請求金額がユーザにとって適切な範囲を超えて膨大な金額になってしまうという事態が発生するおそれがある。
【0005】
なお、上述のような問題は、ETCシステムを利用した有料道路の通行料金の決済のみに限らず、ドライブスルーでの買物、ガソリンスタンド、有料駐車場等の料金の精算を車載器と路上装置間の無線通信によって電子的に行うような自動料金決済システムであれば同様に発生する。
【0006】
本発明は、上記のような問題を鑑みなされている。その目的とするとことは、ユーザにとって適切な範囲での自動料金決済の利用を、当該ユーザに対して促すための効果的な案内を行うことができる車載装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の車載装置は、自動料金精算の料金実績と、設定された料金実績に関する条件とに基づいて、ユーザに対して料金実績に関する情報を報知することを特徴とする。
【0008】
具体的には、上記の車載装置は、車両側装置と路上装置とが無線通信を行うことでサービスに対する料金の決済処理を電子的に行う自動料金決済システムにおける車載装置であって、設定手段と、料金額取得手段と、料金実績情報生成手段と、記憶手段と、判定手段と、報知制御手段と、報知手段とを備える。
【0009】
設定手段は、自動料金決済により発生した利用料金額の実績に関する条件を1又は複数のユーザに対してユーザごとに設定するためのものである。料金額取得手段は、自動料金決済により発生した利用料金額を取得する。料金実績情報生成手段は、料金額取得手段により取得された利用料金額に基づいて、この取得した利用料金に対応するユーザの料金実績情報を生成する。記憶手段は、料金実績情報生成手段によって生成されたユーザごとの料金実績情報を記憶する。判定手段は、現在利用中のユーザに対して設定手段によって設定された当該ユーザの条件を満たしたか否かを判定する。報知制御手段は、判定手段によって条件を満たしたと判定された場合、記憶手段に記憶された当該ユーザの料金実績情報に基づく所定の情報を報知手段を介して当該ユーザに対して報知する。報知手段は、ユーザに対して情報を報知する。
【0010】
ここで「料金実績情報」とは、例えば、自動料金決済により発生した料金額の集計や料金発生の履歴情報等である。また、「利用料金額の実績に関する条件」とは、例えば、利用料金額に関する情報を報知するための上限や時期、報知や案内等を行う方法等の種々の条件である。また、報知手段は、例えば、画面に情報を表示するモニタ等の表示装置や音声によって情報を出力する音声出力装置等の何れでもよい。
【0011】
このように構成された車載装置によれば、自動料金精算の料金実績と、設定された料金実績に関する条件とに基づいて、ユーザに対して料金実績に関する情報を報知することができる。これにより、本車載装置はユーザにとって適切な範囲での自動料金決済の利用を促すための効果的な案内を行うことができる。つまり、自動料金決済によって生じた料金に関する情報をユーザが得ることができるので、どのくらいの金額を支払わなければならないのかという自覚のないまま自動料金決済を利用し過ぎてしまうという事態を未然に防ぐことができる。
【0012】
なお、「利用料金額の実績に関する条件」を設定できるユーザは1人であっても複数人であってもよい。特に、複数人のユーザに対して前記条件を設定する場合は、ユーザごとの条件及び料金実績情報に基づいて、当該ユーザの料金実績情報に基づく所定の情報を報知することができる。したがって、各ユーザの事情に適したタイミングで報知を行うことができるので好適である。
【0013】
料金実績情報に基づく所定の情報を報知する際には、次のような条件に基づいて行われるとよい。つまり、使用できる金額を予め上限額として設定しておき、利用料金の集計金額がその上限額以上になった場合である。このような場合に、集計金額が上限額以上になった旨をユーザに報知すれば、利用料金の集計金額が使用できる金額を超えてしまったことをユーザが知ることができるので好適である。
【0014】
そこで、請求項2に記載の車載装置のように構成するとよい。つまり、設定手段は、前記条件として利用料金の集計金額の上限額を設定可能に構成されている。そして、料金実績情報生成手段は、利用料金の集計金額を少なくとも含む料金実績情報を生成する。判定手段は、記憶手段に記憶されている当該ユーザの料金実績情報の集計金額が設定手段によって設定された当該ユーザの上限額以上であるか否かを判定する。そして、報知制御手段は、判定手段によって集計金額が上限額以上であると判定された場合、その旨を報知手段を介して報知する。
【0015】
このように構成された車載装置によれば、取得した利用料金額から算出された集計金額が設定された上限額以上であれば、その旨がユーザに対して報知される。よって、ユーザが自動料金決済をそのユーザにとって適切な範囲を超えて利用し過ぎることを防ぐことができる。
【0016】
一方、利用料金の実績に関する情報を報知する時期を設定することで、適切なタイミングで利用料金の実績に関する情報をユーザが知ることができるので好適である。
そこで、請求項3に記載の車載装置のように構成するとよい。つまり、設定手段は、前記条件として利用料金の実績に関する情報を報知する報知時期を設定可能に構成されている。判定手段は、利用を開始するユーザが確定したときに設定手段によって設定された当該ユーザの報知時期に達したか否かを判定する。そして、報知制御手段は、判定手段によって報知時期に達したと判定された場合、記憶手段に記憶された当該ユーザの料金実績情報に基づく所定の情報を報知手段を介して報知する。
【0017】
なお、報知制御手段がユーザに対して報知する情報の内容としては、例えば、現時点での利用料金の集計金額や、これまでの料金発生の履歴情報(何時、何処で、幾ら等)等が挙げられる。
【0018】
このように構成された車載装置によれば、ユーザによって設定された適宜なタイミングでユーザが利用料金の実績に関する情報を得ることができる。したがって、ユーザに対して計画的な自動料金決済の利用を促すことができる。また、利用を開始するユーザが確定したときに利用料金の実績に関する情報を報知することで、ユーザは事前に利用料金の実績を把握することができ、その後の適切な利用計画を立てることができるので便利である。
【0019】
また、請求項4に記載の車載装置のように、設定手段において前記条件として料金実績蓄積期間を設定可能にして、料金実績情報生成手段は、設定手段によって設定された料金実績蓄積期間ごとの料金実績情報を生成するように構成してもよい。
【0020】
このように、ユーザによって設定された料金実績蓄積期間(例えば、1ヶ月〜数ヶ月)ごとに集計金額や料金発生の履歴等の料金実績情報が生成されることで、ユーザは、その料金実績蓄積期間における集計金額の上限額を設定したり、料金の履歴等を確認する時期を設定することが可能になる。よって、ユーザの都合に適した計画的な自動料金決済の利用に貢献することができる。
【0021】
一方、上記目的を達成するためになされた請求項5に記載の車載装置は、自動料金精算の料金実績と、設定された料金実績に関する条件及び経路案内方法に関する条件とに基づいてユーザに対して経路案内を行うことを特徴とする。
【0022】
具体的には、上記の車載装置は、車両側装置と路上装置とが無線通信を行うことでサービスに対する料金の決済処理を電子的に行う自動料金決済システムにおける車載装置であって、経路案内手段と、報知手段と、設定手段と、料金額取得手段と、料金実績情報生成手段と、記憶手段と、判定手段とを備える。
【0023】
経路案内手段は、現在位置から目的地までの経路を設定し、この設定した経路に基づいて走行案内を報知手段を介して行う。設定手段は、自動料金決済により発生した利用料金額の実績に関する条件として、利用料金の集計金額の上限額、及び利用料金の集計金額が上限額以上である場合の経路案内条件を1又は複数のユーザに対してユーザごとに設定するためのものである。料金額取得手段は、自動料金決済により発生した利用料金額を取得する。料金実績情報生成手段は、料金額取得手段により取得した利用料金額に基づいて、この取得した利用料金額に対応するユーザにおける利用料金の集計金額を少なくとも含む料金実績情報を生成する。記憶手段は、料金実績情報生成手段によって生成されたユーザごとの料金実績情報を記憶する。判定手段は、現在利用中のユーザに対して記憶手段に記憶されている当該ユーザの料金実績情報の集計金額が設定手段によって設定された当該ユーザの上限額以上であるか否かを判定する。報知手段は、ユーザに対して情報を報知する。そして、経路案内手段は、判定手段によって当該ユーザの集計金額が上限額以上であると判定された場合、設定手段によって設定された当該ユーザの経路案内条件に基づく経路案内を行う。
【0024】
なお、経路案内手段は、例えば公知の車載用ナビゲーション装置等を利用することによって実現可能である。
このように構成された車載装置によれば、利用料金の集計金額が上限額以上である場合に、ユーザによって予め設定されている経路案内条件に基づいて経路案内を行うことができる。例えば、上記の経路案内条件として、利用料金の集計金額が上限以上である場合には、自動料金決済を利用する有料道路や有料駐車場、その他車両に関するサービスを提供する施設等の利用を制限するように設定すれば、この設定が経路案内に反映されることで自動料金決済の使いすぎを防止することができる。つまり、ユーザによって設定された条件に基づく経路案内を行うことで、ユーザにとって適切な範囲での自動料金決済の利用を当該ユーザに対して促すことができる。
【0025】
また、設定手段において前記条件として料金実績蓄積期間を設定可能にして、料金実績情報生成手段は、設定手段によって設定された料金実績蓄積期間ごとの料金実績情報を生成するように構成してもよい(請求項6)。このように、ユーザによって設定された料金実績蓄積期間(例えば、1ヶ月〜数ヶ月)ごとに集計金額や料金発生の履歴等の料金実績情報が生成されることで、ユーザの都合に適した計画的な自動料金決済の利用に貢献することができる。
【0026】
ところで、上述のような報知制御手段有する車載装置(請求項1〜4)は、上記の経路案内手段を有する車載装置と一体に構成されているとよい。具体的には、請求項7に記載の車載装置のように構成するとよい。つまり、請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車載装置において、現在位置から目的地までの経路を設定し、この設定した経路に基づいて走行案内を報知手段を介して行う経路案内手段を更に備える。そして、料金実績情報生成手段は、利用料金の集計金額を少なくとも含む料金実績情報を生成する。また、設定手段は、利用料金の集計金額の上限額、及び利用料金の集計金額が上限額以上である場合の経路案内条件を設定可能に構成されている。
【0027】
判定手段は、記憶手段に記憶されている当該ユーザの料金実績情報の集計金額が設定手段によって設定された当該ユーザの上限額以上であるか否かを判定する。そして、経路案内手段は、判定手段によって集計金額が上限額以上であると判定された場合、設定手段によって設定された当該ユーザの経路案内条件に基づく経路案内を行う。
【0028】
このように構成された車載装置によれば、上述の報知制御手段を有する車載装置及び経路案内手段を有する車載装置の双方がもたらす効果を得ることができる。
ところで、ETC等に代表される自動料金決済システムは、現在のところ有料道路における通行料の決済に利用されることが多い。そこで、請求項8に記載の車載装置のように構成するとよい。つまり、料金額取得手段が取得する利用料金額は、有料道路の通行料金額である。また、設定手段によって設定される経路案内条件は、利用料金の集計金額が上限額以上である場合における有料道路の利用の可否である。そして、経路案内手段は、判定手段によって集計金額が上限額以上であると判定された場合、設定手段によって当該ユーザの経路案内条件が有料道路利用不可に設定されていれば非有料道路を優先的に含む経路を設定する。一方、設定手段によって当該ユーザの経路案内条件が有料道路利用可に設定されていれば有料道路を経路として選択可能に経路を設定し、かつ、経路として選択された有料道路において自動料金決済を利用しないように指示する旨の走行案内を所定のタイミングで当該ユーザに対して行う。
【0029】
このように構成された車載装置によれば、通行料金の集計金額が上限以上である場合における有料道路の可否を設定することができる。そして、有料道路を利用不可に設定されている場合は、目的地までの経路として非有料道路(いわゆる一般道路)を優先的に含む経路が設定される。この場合、有料道路を利用しないように経路設定を行うことで自動料金決済による料金が発生しないようにしている。一方、有料道路を利用可に設定されている場合は、有料道路を目的地までの経路として選択可能に経路設定を行うが、その有料道路において自動料金決済を利用しないように指示する旨の走行案内を行う。具体的には、有料道路の料金所において、自動料金決済を利用しない一般精算用のゲートへ進行するように促す表示や音声案内を行うとよい。この場合、有料道路を利用することで通行料金の支払いが発生するものの、一般精算用のゲートへ誘導する等することによって自動料金決済による料金が発生しないようにしている。つまり、通行料金の集計金額が上限以上である場合における有料道路の可否をユーザの都合に応じて何れに設定しても、自動料金決済の使いすぎを防止することができるので好適である。これにより、ユーザにとって適切な範囲で自動料金決済を利用するための制限と、有料道路を利用するか否かの選択の自由とを両立させることができる。
【0030】
以上で説明したような車載装置における設定手段、料金実績情報生成手段、判定手段、報知制御手段、経路案内手段の各手段の機能をコンピュータシステムにて実現するには、請求項9,10に記載のようにコンピュータシステム側で起動するプログラムとして備えればよい。このようなプログラムは、例えば光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、ハードディスク、ROM、RAM等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、必要に応じてコンピュータにロードすることにより、上述の各手段としての機能を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[車載用ナビゲーションシステムの構成の説明]
図1は、実施形態の車載用ナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【0032】
図1に示すように、実施形態の車載用ナビゲーションシステムは、ETC車載器1とナビゲーション装置2とを備えている。
ETC車載器1は、路上に設置された路上装置50と双方向無線通信を行うことにより有料道路等の料金収受を行うための装置である。ETCシステムを利用する際、ユーザはこのETC車載器1の本体に設けられたカードスロット(図示なし)へ利用料金を決済するための情報を記憶するICカード(いわゆるETCカード)を挿入する。そして、このICカードがETC車載器1に挿入された状態でETC車載器1と有料道路の料金所等に設置された路上装置50との間でDSRC(Dedicated Short Range Communication)無線方式による無線通信が行われることで、有料道路の利用料金の決済が自動的に行われる。この無線通信において、ETC車載器1はICカードから読み出した情報を路上装置50へ送信したり、路上装置50から送信された情報をICカードに書き込んだりする。また、ETC車載器1は、自動料金決済を行った際に路上装置50との無線通信によって受信した有料道路の利用料金額等の情報をナビゲーション装置2へ入力する。
【0033】
ナビゲーション装置2は、GPS用の人工衛星から送出される測位用電波を受信するGPSアンテナ20と、位置検出装置21と、車両の回転運動の角速度及び車両の傾きに応じた検出信号を出力するジャイロセンサ22と、車両の各種センサ等から出力される検出信号を入力するための車両信号検出装置23と、ETC車載器1と通信を行うための通信インターフェースであるETCインターフェース(I/F)24と、ディスプレイコントローラ25と、地図や案内画面等の各種表示を行うための表示装置26と、音声制御装置27と、各種のガイド音声等を出力するためのスピーカ28と、ユーザからの各種指示を入力するための操作スイッチ29と、操作スイッチ29と同様に各種指示を入力可能なリモートコントロール端末(リモコン)30aと、リモコン30aからの信号を入力するリモコンセンサ30bと、大容量記憶装置(HDD)31と、地図データや各種情報を記憶した記憶媒体から地図データ等を入力するための地図データ入力器32と、地図データ格納部33と、ナビゲーション装置2が実行する処理のプログラム等を記憶するROM34と、主記憶装置としてのRAM35と、CPU36とを備える。
【0034】
位置検出装置21は、GPSアンテナ20から受信した測位用信号、ジャイロセンサ22から入力された検出信号、及び車両信号検出装置23から入力された車速信号に基づいて、車両の現在位置や進行方向を検出する。
【0035】
ディスプレイコントローラ25は、各種映像信号に基づいて表示装置26での表示を制御する。表示装置26はカラー表示装置であり、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、CRT等の何れを用いてもよい。表示装置26の表示画面には、車両の現在位置と地図データ入力器32より入力された地図データとから特定した現在地を示すマーク、目的地までの誘導経路、名称、目印、各種施設のシンボルマーク等の付加データとを重ねて表示することができる。また、表示装置26はETCの利用料金に関する各種情報を表示することができる。
【0036】
音声制御装置27は、スピーカ28を介して走行案内やETCの利用料金に関する案内等の各種案内の音声を出力する。
操作スイッチ29は、表示装置26と一体に構成され表示画面上に設置されるタッチパネル及び表示装置26の周囲に設けられたメカニカルなキースイッチ等が用いられる。なお、タッチパネルと表示装置26とは積層一体化されており、タッチパネルには、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式など各種の方式があるが、その何れを用いてもよい。
【0037】
HDD31は、記憶媒体であるディスクと読み書き装置であるドライブとが一体となった記憶装置である。HDD31は、プログラムや各種データテーブルの他に、車内でユーザが試聴するために再生装置(図示なし)を介して入力された音楽データや画像データ等を記憶可能である。
【0038】
地図データ入力器32は、位置検出精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データや経路案内用データ等を含む各種のデータを入力するための装置である。これらのデータの記録媒体である地図データ格納部33としては、ハードディスク、DVD−ROM、CD−ROM、メモリ、メモリカード等を用いることができる。なお、この地図データ格納部33として、HDD31を利用することも可能である。
【0039】
CPU36は、ROM34等に記憶されたプログラムに従って、以下のような各種処理を実行する。位置検出装置21によって検出した現在位置及び進行方向から走行軌跡を生成し、この生成した走行軌跡を地図データ入力器32を介して読込んだ地図データと照合し、走行軌跡を道路に一致させて地図上における自車両の位置を特定する(マップマッチング処理)。地図データ入力器32を介して読込んだ現在位置付近の地図や、操作スイッチ29やリモコン30a等の操作によって指示された範囲の地図等を表示装置26に表示する(地図表示処理)。地図データ格納部33に格納された地点データに基づき、操作スイッチ29やリモコン30a等の操作に従って目的地となる施設を選択し、現在位置から目的地までの最適な経路を自動的に求める経路計算を行って経路案内を行う(経路案内処理)。
【0040】
このように自動的に最適な経路を設定する手法として、ダイクストラ法によるコスト計算等の手法が知られている。このダイクストラ法を用いた経路計算は、ノード間のリンクに対するリンク情報を含むリンク間の接続情報を用いて現在位置から各ノードに至るまでの経路コスト(経路に対する評価値)を計算し、目的地までのすべてのコスト計算が終了した段階で、経路コストが最小となるリンクを接続して目的地までの経路を設定する周知の手法である。なお、CPU36は上述のようなマップマッチング処理、地図表示処理や経路案内処理の他に、ユーザによって入力された条件に応じてETCの利用料金に関する情報を報知したり、入力された条件を反映した経路案内等を行うための各種処理も行う。これらの処理についての詳細は後述する。
【0041】
以上、実施形態の車載用ナビゲーションシステムの概略構成について説明したが、本実施形態における車載用ナビゲーションシステムの構成と特許請求の範囲に記載した構成との対応は次のとおりである。本実施形態におけるCPU36が、特許請求の範囲における設定手段、料金実績情報生成手段、判定手段、報知制御手段及び経路案内手段に相当する。また、ETC車載器1が、料金額取得手段に相当する。また、HDD31、ROM34又はRAM35が記憶手段に相当する。また、表示装置26及びスピーカ28が、報知手段に相当する。
【0042】
以下、実施形態の車載用ナビゲーションシステムのCPU36が実行する各処理について図2〜4のフローチャート及び図5の説明図に基づいて説明する。
[設定処理の説明]
図2は、実施形態の車載用ナビゲーションシステムのCPU36が実行する設定処理の手順を示すフローチャートである。この設定処理は、ユーザからの操作スイッチ29やリモコン30aの操作入力を介して、ユーザ名の登録や利用料金の上限等のETCシステムの利用料金額の実績に関する種々の条件を設定する処理である。なお、この設定処理を実行する際には、表示装置26を介して適宜な入力画面が表示される。ユーザは、この表示された入力画面に従って入力操作を行う。
【0043】
まず、ステップ101(以下、単にS101と表記する。他のステップついても同様。)において、ユーザからの操作入力に基づいてユーザ名を登録し、この登録されたユーザ名に対してシリアルなエントリNoを設定する。
【0044】
つづいて、当該ユーザからの操作入力に基づいて任意期間におけるETCの利用料金の上限額を設定する(S102)。なお、この上限額は任意の金額に設定可能であるが、上限なしに設定することも可能である。
【0045】
つぎに、当該ユーザからの操作入力に基づいて、料金額集計期間を設定する(S103)。この料金額集計期間は、当該ユーザのETCの利用料金額を集計する期間を定めるものである。すなわち、発生したETCの利用料金はこの料金額集計期間ごとに集計される。なお、S102において設定された上限額は、この料金額集計期間ごとの集計金額の上限である。また、この料金額集計期間は任意の期間に設定可能であるが、期間を設定しないことも可能である。
【0046】
つぎに、当該ユーザからの操作入力に基づいて、集計情報通知日を設定する(S104)。この集計情報通知日は、現時点での利用料金の集計金額等の情報をユーザに対して通知する日のことである。
【0047】
つぎに、当該ユーザからの操作入力に基づいて、利用料金の集計金額が設定された上限金額に到達した場合における経路案内方法を設定する(S105)。本実施形態では、利用料金の集計金額が設定された上限金額に到達した場合における有料道路の利用可否が設定可能である。ここで、有料道路利用可に設定した場合、利用料金の集計金額が設定された上限金額に到達したときには、有料道路を経路として選択可能に目的地までの経路が設定され、かつ、有料道路の出入り口においてETC専用ゲートではない一般のゲートを通過するように走行案内が行われる。一方、有料道路利用不可に設定した場合、利用料金の集計金額が設定された上限金額に到達したときには、有料道路ではない一般道路を優先的に含む経路が設定される。なお、S102において上限額が設定されていない場合は、S105において有料道路の利用の可否を設定しなくてもよい。
【0048】
以上、上記設定処理において設定されたエントリNo、ユーザ名、上限額、料金額集計期間、集計情報通知日及び上限額到達時における経路案内方法は、図5に示すような設定データテーブルとして、HDD31にユーザごとに記憶される。また、この設定データテーブルを記憶する記憶媒体は、HDD31以外に、ROM34やRAM35であってもよい。
【0049】
[案内処理]
図3は、実施形態の車載用ナビゲーションシステムのCPU36が実行する案内処理の手順を示すフローチャートである。この案内処理は、上記設定処理おいて設定されたユーザごとの条件に基づいて各種案内を実行する処理である。
【0050】
まず、S201において、利用するユーザからのエントリを受け付ける。具体的には、上述の設定処理において登録されたユーザに対応するエントリNoが操作スイッチ29又はリモコン30aを介して入力されることによって利用するユーザのエントリを受け付ける。そして、以降の処理はS201においてエントリしたユーザを対象に実行される。
【0051】
ユーザのエントリを受け付けた後、料金集計処理を開始する(S202)。この料金集計処理は、エントリしたユーザを対象としてETCシステムの利用料金を集計するための処理であり、バックグランドで実行される。なお、この料金集計処理の詳細な説明については後述する。
【0052】
つづいて、設定データテーブル(図5参照)から当該ユーザにおける集計情報通知日の設定を参照し、当該ユーザの集計情報通知日を経過したか否かを判定する(S203)。ここで、集計情報通知日を経過したと判定した場合(S203:YES)、上述の料金集計処理において集計された当該ユーザにおける現時点でのETCの利用料金の集計金額を、表示装置26による画面表示やスピーカ28による音声出力によってユーザへ通知する(S204)。通知後、S205へ移行する。一方、集計情報通知日を経過していないと判定した場合(S203:NO)、S205へ移行する。
【0053】
S205では、操作スイッチ29又はリモコン30aを介して、ユーザからの経路探索操作を受け付ける。この経路探索操作は、公知の車載用ナビゲーション装置等と同様に、現在位置から目的地までの経路を設定するために目的地や経路設定に関する条件等を指定する操作である。なお、本実施形態では経路探索操作として、目的地を指定する他に、目的地までの経路として有料道路を利用可能とするか否かを選択することができる。
【0054】
つづいて、S205の経路探索操作において有料道路を利用可能と設定されたか否かを判定する(S206)。ここで、有料道路を利用不可と設定されたと判定した場合(S206:NO)、そのままこの案内処理を終了し、以降、S205の経路探索操作において入力された目的地や条件に従って、公知の車載用ナビゲーション装置と同様に経路設定及び走行案内を行う。
【0055】
一方、有料道路を利用可能と設定されたと判定した場合(S206)、設定データテーブル(図5参照)における当該ユーザの上限額と、当該ユーザのETCシステムの利用料金の集計金額とを比較して、集計金額が上限額以上であるか否かを判定する(S207)。ここで、集計金額が上限額未満であると判定した場合(S207:NO)、そのまま案内処理を終了し、以降、S205の経路探索操作において入力された目的地や条件に従って、公知の車載用ナビゲーション装置と同様に経路設定及び走行案内を行う。
【0056】
一方、集計金額が上限額以上であると判定した場合(S207:YES)、表示装置26による画面表示やスピーカ28による音声出力によって、ETCシステムの利用料金の集計金額が上限額を超過した旨の通知と利用料金の集計金額とを当該ユーザに対して通知する(S208)。
【0057】
つづいて、設定データテーブル(図5参照)から当該ユーザにおける上限額到達時の経路案内方法の設定を参照し、有料道路の利用が「可」に設定されているか否かを判定する(S209)。ここで、有料道路の利用が「可」に設定されていると判定した場合(S209:YES)、有料道路を必要に応じて経路に適宜含むように、指定された目的地までの経路を設定する(S210)。経路設定後、公知の車載用ナビゲーション装置と同様に、この設定された経路に沿った走行案内が開始される。
【0058】
つづいて、車両の走行中において当該車両が有料道路の入口に近接したか否かを判定する(S212)。ここでは、車両が有料道路の入口に近接していないと判定している間(S212:NO)、この処理を繰り返す。そして、車両が有料道路の入口に近接したと判定した場合(S212:YES)、表示装置26による画面表示やスピーカ28による音声出力によって、ETC専用料金ゲートではない一般料金ゲートへ進入するように誘導する走行案内を行う(S213)。
【0059】
つぎに、車両の走行中において当該車両が有料道路の出口に近接したか否かを判定する(S214)。ここでは、車両が有料道路の出口に近接していないと判定している間(S214:NO)、この処理を繰り返す。そして、車両が有料道路の出口に近接したと判定した場合(S214:YES)、表示装置26による画面表示やスピーカ28による音声出力によって、ETC専用料金ゲートではない一般料金ゲートへ進入するように誘導する走行案内を行う(S215)。
【0060】
一方、S209において、有料道路の利用が「不可」に設定されていると判定した場合(S209:NO)、有料道路ではない一般道路を経路に優先的に含むように、指定された目的地までの経路を設定する(S211)。経路設定後、公知の車載用ナビゲーション装置と同様に、この設定された経路に沿った走行案内が開始される。
【0061】
[料金額集計処理]
図4は、実施形態の車載用ナビゲーションシステムのCPU36が実行する料金集計処理の手順を示すフローチャートである。この料金集計処理は、エントリしたユーザのETCシステムの利用料金を集計するための処理であり、上述の案内処理におけるS202(図3参照)で開始され、バックグランドで実行される。
【0062】
まず、設定データテーブル(図5参照)から現在利用中のユーザ(図3のS201においてエントリしたユーザ)における料金額集計期間の設定を参照し、当該ユーザの集計料金額集計期間を経過したか否かを判定する(S301)。ここで、当該ユーザの料金額集計期間を経過したと判定した場合(S301:YES)、当該ユーザの利用料金の集計金額をリセットする(S302)。集計金額をリセットした後、S303へ移行する。なお、この利用料金の集計金額は、特許請求の範囲でいうところの料金実績情報に相当し、ユーザごとにHDD31に記憶されている。また、この各ユーザごとの利用料金の集計金額を記憶する記憶媒体は、HDD31以外に、ROM34やRAM35であってもよい。
【0063】
一方、当該ユーザの料金額集計期間を経過していないと判定した場合(S301:NO)、S303へ移行する。
つぎに、ETC車載器1によって自動料金決済を行った際に路上装置50との無線通信によってETC車載器1が取得した有料道路の利用料金額の情報がETCI/F24を介して入力されたか否かを判定する(S303)。ここで、有料道路の利用料金額の情報が入力されたと判定した場合(S303:YES)、入力された利用料金額を当該ユーザの集計金額へ加算する(S304)。利用料金額の加算後、S301の処理へ戻る。
【0064】
一方、有料道路の利用料金額の情報が入力されていないと判定した場合(S303:NO)、S301の処理へ戻る。
[効果]
上記実施形態の車載用ナビゲーションシステムによれば、以下のような効果を奏する。
【0065】
ETCシステムの利用料金の集計金額と、ユーザからの入力に基づいて設定された、ユーザごとの上限額、料金額集計期間、集計情報通知日及び上限額到達時における経路案内方法に基づいて、ユーザに対して料金実績に関する種々の情報を報知することができる。すなわち、取得した利用料金額から算出した集計金額が設定された上限額以上であれば、その旨をユーザに対して報知する。これにより、ユーザがETCシステムによる自動料金決済をそのユーザにとって適切な範囲を超えて利用し過ぎることを未然に防ぐことができる。
【0066】
また、設定された集計情報通知日を経過していれば、ユーザエントリした際に当該ユーザの利用料金の集計金額を報知する。これにより、ユーザに対して計画的な自動料金決済の利用を促すことができる。つまり、ユーザは事前に現時点での集計金額を把握することで、その後の適切な利用計画を立てることができる。
【0067】
また、料金額集計期間を設定することで、利用料金はこの料金額集計期間ごとに集計される。つまり、ユーザはその料金額集計期間における集計金額の上限額を設定したり、集計金額を確認する時期を設定することが可能になる。よって、ユーザの都合に適した計画的な自動料金決済の利用に貢献することができる。
【0068】
一方、上限額到達時における経路案内方法として有料道路の利用可否を設定し、それに沿った経路案内を実行することができる。有料道路を利用不可に設定されている場合、有料道路を利用しないように経路設定を行うことでETCシステムによる自動料金決済の料金が発生しないようにしている。一方、有料道路を利用可に設定されている場合は、有料道路を利用することで通行料金の支払いが発生するものの、一般料金ゲートへ誘導することによってETCシステムによる自動料金決済の料金が発生しないようにしている。つまり、ETCシステムの利用料金の集計金額が上限額以上である場合における有料道路の可否をユーザの都合に応じて何れに設定しても、ETCシステムによる自動料金決済の使いすぎを防止することができる。これにより、ユーザにとって適切な範囲でETCシステムによる自動料金決済を利用するための制限と、有料道路を利用するか否かの選択の自由とを両立させることができる。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施形態は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り様々な態様にて実施することが可能である。
【0070】
例えば、日本のETCシステムにおいては、同一のETC車載器であっても、これに挿入するICカードに記憶されたユーザ識別情報によって、ユーザごとに料金の決済を行うことができる。そこで、上記設定処理において登録されたユーザと、当該ユーザが所有するICカードのユーザ識別情報とを対応付けて登録しておき、ICカードがETC車載器1に挿入された時点で挿入されたICカードのユーザ識別情報から利用するユーザを特定することによって、ユーザのエントリを行うように構成してもよい。
【0071】
また、上記料金実績情報として、利用料金の集計金額を算出するだけでなくこれまでの料金発生の履歴情報(何時、何処で、幾ら等)を蓄積し、ユーザに対して報知するように構成してもよい。
【0072】
また、本実施形態では、ETCシステムによる有料道路の通行料金を対象に上記案内処理等の各種処理を実行するが、これに限らず、ドライブスルーでの買物、ガソリンスタンド、有料駐車場等の料金の精算を車載器と路上装置間の無線通信によって電子的に行うような自動料金決済システムであれば、本発明を適用することが可能である。
【0073】
例えば、利用料金の集計金額が上限額以上である場合に、上記のような自動料金決済を利用する施設に近接した場合に、集計金額が上限額を超えている旨を通知し、当該施設で自動料金決済を利用しないように指示したり、代替となる施設までの経路を自動的に設定したりするようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施形態の車載用ナビゲーションシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】実施形態の車載用ナビゲーションシステムのCPU36が実行する設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】実施形態の車載用ナビゲーションシステムのCPU36が実行する案内処理の手順を示すフローチャートである。
【図4】実施形態の車載用ナビゲーションシステムのCPU36が実行する料金集計処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】ユーザ設定テーブルの内容の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0075】
1…ETC車載器、2…ナビゲーション装置、20…GPSアンテナ、21…位置検出装置、22…ジャイロセンサ、23…車両信号検出装置、24…ETCインターフェース(I/F)、25…ディスプレイコントローラ、26…表示装置、27…音声制御装置、28…スピーカ、29…操作スイッチ、30a…リモコン、30b…リモコンセンサ、31…大容量記憶装置(HDD)、32…地図データ入力器、33…地図データ格納部、34…ROM、35…RAM、36…CPU、50…路上装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側装置と路上装置とが無線通信を行うことでサービスに対する料金の決済処理を電子的に行う自動料金決済システムにおける車載装置であって、
自動料金決済により発生した利用料金額の実績に関する条件を1又は複数のユーザに対してユーザごとに設定するための設定手段と、
自動料金決済により発生した利用料金額を取得する料金額取得手段と、
前記料金額取得手段により取得された利用料金額に基づいて、この取得した利用料金に対応するユーザの料金実績情報を生成する料金実績情報生成手段と、
前記料金実績情報生成手段によって生成されたユーザごとの料金実績情報を記憶する記憶手段と、
現在利用中のユーザに対して前記設定手段によって設定された当該ユーザの条件を満たしたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段によって前記条件を満たしたと判定された場合、前記記憶手段に記憶された当該ユーザの料金実績情報に基づく所定の情報を報知手段を介して当該ユーザに対して報知する報知制御手段と、
ユーザに対して情報を報知する報知手段とを備えること
を特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記設定手段は、前記条件として利用料金の集計金額の上限額を設定可能であり、
前記料金実績情報生成手段は、利用料金の集計金額を少なくとも含む料金実績情報を生成し、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている当該ユーザの料金実績情報の集計金額が前記設定手段によって設定された当該ユーザの上限額以上であるか否かを判定し、
前記報知制御手段は、前記判定手段によって集計金額が上限額以上であると判定された場合、その旨を前記報知手段を介して報知すること
を特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の車載装置において、
前記設定手段は、前記条件として利用料金の実績に関する情報を報知する報知時期を設定可能であり、
前記判定手段は、利用を開始するユーザが確定したときに前記設定手段によって設定された当該ユーザの報知時期に達したか否かを判定し、
前記報知制御手段は、前記判定手段によって前記報知時期に達したと判定された場合、前記記憶手段に記憶された当該ユーザの料金実績情報に基づく所定の情報を前記報知手段を介して報知すること
を特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載の車載装置において、
前記設定手段は、前記条件として料金実績蓄積期間を設定可能であり、
前記料金実績情報生成手段は、前記設定手段によって設定された料金実績蓄積期間ごとの料金実績情報を生成すること
を特徴とする車載装置。
【請求項5】
車両側装置と路上装置とが無線通信を行うことでサービスに対する料金の決済処理を電子的に行う自動料金決済システムにおける車載装置であって、
現在位置から目的地までの経路を設定し、この設定した経路に基づいて走行案内を報知手段を介して行う経路案内手段と、
ユーザに対して情報を報知する報知手段と、
自動料金決済により発生した利用料金額の実績に関する条件として、利用料金の集計金額の上限額、及び利用料金の集計金額が上限額以上である場合の経路案内条件を1又は複数のユーザに対してユーザごとに設定するための設定手段と、
自動料金決済により発生した利用料金額を取得する料金額取得手段と、
前記料金額取得手段により取得した利用料金額に基づいて、この取得した利用料金額に対応するユーザにおける利用料金の集計金額を少なくとも含む料金実績情報を生成する料金実績情報生成手段と、
前記料金実績情報生成手段によって生成されたユーザごとの料金実績情報を記憶する記憶手段と、
現在利用中のユーザに対して前記記憶手段に記憶されている当該ユーザの料金実績情報の集計金額が前記設定手段によって設定された当該ユーザの上限額以上であるか否かを判定する判定手段とを備え、
前記経路案内手段は、前記判定手段によって当該ユーザの集計金額が上限額以上であると判定された場合、前記設定手段によって設定された当該ユーザの経路案内条件に基づく経路案内を行うこと
を特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車載装置において、
前記設定手段は、前記条件として料金実績蓄積期間を設定可能であり、
前記料金実績情報生成手段は、前記設定手段によって設定された料金実績蓄積期間ごとの料金実績情報を生成すること
を特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車載装置において、
現在位置から目的地までの経路を設定し、この設定した経路に基づいて走行案内を前記報知手段を介して行う経路案内手段を備え、
前記料金実績情報生成手段は、利用料金の集計金額を少なくとも含む料金実績情報を生成し、
前記設定手段は、利用料金の集計金額の上限額、及び利用料金の集計金額が上限額以上である場合の経路案内条件を設定可能であり、
前記判定手段は、前記記憶手段に記憶されている当該ユーザの料金実績情報の集計金額が前記設定手段によって設定された当該ユーザの上限額以上であるか否かを判定し、
前記経路案内手段は、前記判定手段によって集計金額が上限額以上であると判定された場合、前記設定手段によって設定された当該ユーザの経路案内条件に基づく経路案内を行うこと
を特徴とする車載装置。
【請求項8】
請求項5ないし請求項7の何れか1項に記載の車載装置において、
前記料金額取得手段が取得する利用料金額は、有料道路の通行料金額であり、
前記設定手段によって設定される経路案内条件は、利用料金の集計金額が上限額以上である場合における有料道路の利用の可否であり、
前記経路案内手段は、前記判定手段によって前記集計金額が上限額以上であると判定された場合、前記設定手段によって当該ユーザの経路案内条件が有料道路利用不可に設定されていれば、非有料道路を優先的に含む経路を設定し、前記設定手段によって当該ユーザの経路案内条件が有料道路利用可に設定されていれば、有料道路を経路として選択可能に経路を設定し、かつ、経路として選択された有料道路において自動料金決済を利用しないように指示する旨の走行案内を所定のタイミングで当該ユーザに対して行うこと
を特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載の車載装置が備える設定手段、料金実績情報生成手段、判定手段及び報知制御手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
請求項5ないし請求項8の何れか1項に記載の車載装置が備える設定手段、料金実績情報生成手段、判定手段及び経路案内手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−114850(P2007−114850A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−303014(P2005−303014)
【出願日】平成17年10月18日(2005.10.18)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】