説明

車載装置

【課題】ユーザに対し、排気ガスの排出を抑えた状態、または、エネルギーの消費を抑えた状態のうちの少なくともいずれか一方の状態での運転であるエコ運転が行われた度合いについての適切な判定結果を速やかに把握させることが可能な車載装置を提供する。
【解決手段】運転開始後1分周期で到来する判定タイミングにおいて、1分前から判定タイミングまでの期間の自車両の運転と、運転開始後から判定タイミングまでの期間(1トリップとも記載)の自車両の運転とについて、複数の異なる観点で、エコ運転が行われた度合いについての判定(エコ運転判定)を行う。そして、ナビゲーション装置は、これらのエコ運転判定の判定結果に基づき、1分間の運転と1トリップの運転について、エコ運転が行われた度合いについての総合的な判定結果であるエコ運転レベルをそれぞれ特定し、表示する(S250)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車両において行われた運転について評価を行う車載装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、京都議定書発行が発効され、先進国には温室効果ガスの削減目標の達成が求められている。これに伴い、地球温暖化等といった地球環境問題に対して社会的関心が高まり、地球環境問題に対する貢献がブームとなっている。このような背景の中、自動車関連メーカにとっては、地球環境問題についての取り組みは、自動車の安全性向上についての取り組みと同様に社会的使命となっている。しかしながら、自動車関連メーカの企業努力のみによる地球環境問題の改善には限界がある。このため、個々のドライバに対し、地球温暖化ガスの排出やエネルギーの消費を抑えることができる運転(以後、エコ運転とも記載)を促すことや、エコ運転のための運転技術を向上させることが非常に重要である。また、エコ運転が行われることにより、車両の燃費が向上するとともに、安全な運転が行われる。したがって、ドライバに対しエコ運転を促すことや、ドライバのエコ運転のための運転技術を向上させることは、非常に好ましいことである。
【0003】
ここで、ドライバに対しエコ運転を促すと共に、ドライバのエコ運転のための運転技術を向上させるためには、ドライバの運転においてエコ運転がどの程度行われているかを示す必要がある。そこで、特許文献1には、車両のトルクパターンやエンジンの回転速度やアクセル操作量等に基づき車両の燃費を算出する車両運転状態評価システムが記載されている。この車両運転状態評価システムでは、平均燃費や瞬間燃費を数値にて表示すると共に、余裕駆動力をバーグラフ形式にて表示する。
【0004】
また、特許文献2には、車両の平均燃費,瞬間燃費,通常燃費,過去最高燃費を表示する装置が記載されており、特許文献3には、ハイブリッド車両の加速度を減速域,低加速域,中加速域,高加速域の四つに分類し、各領域における走行効率や瞬間燃費を表示する装置が記載されている。
【0005】
また、特許文献4には、ハイブリッド車両に搭載される燃費表示装置が記載されている。この燃費表示装置は、ハイブリッド車両がエンジンにて走行している場合には瞬間燃費を表示し、このハイブリッド車両がモータにて走行している場合には、モータにて走行している旨を表示する。
【0006】
また、特許文献5には、車両の瞬間燃費や平均燃費を、バーグラフや、液晶ディスプレイに表示されている画像の輝度や色調等により示す燃費表示装置が記載されている。
特許文献1から特許文献5に記載のシステムや装置は、エンジンの燃料の消費に関する情報を表示しており、これらのシステムや装置を用いることにより、ユーザは、エンジンの燃料の消費がどの程度であったかという観点において、エコ運転をどの程度行うことができたかを把握することができる。一方、上述した燃料の消費についての観点以外にも、例えば、アクセル開度が適切であったか,エアコンをどの程度使用したか,最適なルートで目的地に向かっているか等といった具合に、様々な観点において、エコ運転がどの程度行われたかを評価することができる。しかしながら、特許文献1から特許文献5に記載のシステムや装置を用いた場合には、ユーザは、燃料の消費以外の他の観点においてエコ運転をどの程度行うことができたかを把握することはできない。
【0007】
ここで、特許文献6には、車両の加速度に基づき運転についての採点を行う運転状態表示装置が記載されている。この運転状態表示装置は、急加速または急減速が行われた際に減点を行うことにより運転についての採点を行い、採点結果を燃料消費量や燃費と共に表示する。特許文献6に記載の運転状態表示装置を用いることにより、ユーザは、不要な加速を行うことなく走行したかという観点と、エンジンの燃料の消費を抑えることができたかという観点において、それぞれ、エコ運転をどの程度行うことができたかを把握することができる。しかしながら、この運転状態表示装置は、上述した二つの観点におけるそれぞれの判定結果を表示するのみである。このため、ユーザは、判定結果を見ただけではエコ運転がどの程度行われたかを総合的に判断することが困難であり、エコ運転が行われた度合いについての適切な判定結果を速やかに把握することができない。
【特許文献1】特開2002−89349号公報
【特許文献2】特開2002−225593号公報
【特許文献3】特開2007−253727号公報
【特許文献4】特開2007−253864号公報
【特許文献5】特開2007−256158号公報
【特許文献6】特開2007−22505号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本願発明は上記課題を解決するためになされたものであり、ユーザに対し、エコ運転が行われた度合いについての適切な判定結果を速やかに把握させることが可能な車載装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の車載装置では、自車両において行われた運転について、排気ガスの排出を抑えた状態、または、エネルギーの消費を抑えた状態のうちの少なくともいずれか一方の状態での運転であるエコ運転がどの程度行われたかを判定する。そして、この車載装置は、複数の異なる観点において、エコ運転が行われた度合いについてそれぞれ判定するエコ運転判定を実行する判定手段と、判定手段に複数の異なる観点についてのエコ運転判定を実行させ、判定手段により実行されたエコ運転判定に係るそれぞれの観点における判定結果に基づき、自車両において行われた運転について、エコ運転が行われた度合いについての総合的な評価結果であるエコ運転レベルを特定するエコ運転レベル特定手段とを備える。
【0010】
一般的に、エコ運転がどの程度行われたかに関して、エンジンの燃料の消費を抑えることができたか,アクセル開度が適切であったか,エアコンをどの程度使用したか,最適なルートで目的地に向かっているか等といった具合に、様々な観点から判定することが可能であると考えられる。請求項1における複数の異なる観点とは、例えば、エンジンの燃料の消費を抑えることができたか,アクセル開度が適切であったか,エアコンをどの程度使用したか,最適なルートで目的地に向かっているか等といった観点である。判定手段は、自車両の状態や自車両の走行経路等に基づき、上述した観点において、エコ運転がどの程度行われたかを判定する。
【0011】
また、例えば、エンジンの燃料の消費が平均を下回ったとしても、スピードを出しすぎていた場合等には、エコ運転に関して高い評価を与えるべきではないと考えることができる。また、例えば、同乗者の数が多い場合や、多くの荷物を積載している場合等には走行により消費されるエネルギーが増加するが、このような場合であっても、不要な加速を抑えた運転がなされた場合等には、エコ運転について相応の評価を与えるべきである。このように、様々な観点から総合的な判定を行わないと、エコ運転が行われた度合いについて適切に判定することは困難であると言える。
【0012】
そこで、請求項1に記載の車載装置は、エンジンの燃料の消費を抑えることができたか,アクセル開度が適切であったか等といった複数の観点において、エコ運転がどの程度行われたかをそれぞれ判定する。そして、それぞれの判定結果に基づき、エコ運転が行われた度合いについての総合的な判定結果であるエコ運転レベルを特定する。こうすることにより、車載装置は、特定したエコ運転レベルに基づき様々な処理を行うことができる。したがって、例えば、車載装置が外部装置に対して特定したエコ運転レベルを出力し、この外部装置がエコ運転レベルを表示する等することにより、ユーザに対し、エコ運転が行われた度合いについての適切な判定結果を速やかに把握させることが可能となる。
【0013】
また、アクセル開度が適切であったか,エアコンをどの程度使用したか,エアコンをどの程度使用したか等といった複数の異なる観点によるエコ運転判定のそれぞれの判定結果は、異なる尺度を有しているといえる。このため、これらのエコ運転判定の判定結果に基づきエコ運転が行われた度合いを総合的に判定するためには、それぞれの判定結果を適正化したほうが良いと考えられる。また、それぞれのエコ運転判定に係る観点により、エコ運転レベルを特定するうえでの重要度が異なると言える。
【0014】
そこで、請求項2では、車載装置は、判定手段により実行されたエコ運転判定に係るそれぞれの観点における判定結果に対して重み付けを行なう重み付け手段をさらに備える。そして、エコ運転レベル特定手段は、重み付け手段により重み付けが行われたそれぞれの判定結果に基づき、自車両において行われた運転について、エコ運転が行われた度合いについての総合的な評価結果であるエコ運転レベルを特定する。
【0015】
こうすることにより、車載装置は、ユーザに対し、エコ運転が行われた度合いについて、より適切な判定結果を把握させることが可能となる。
また、車両の装備や仕向け地等といった車両の仕様に応じて、エコ運転判定の重要度が異なる場合を想定することができる。また、車両の仕様に応じて、エコ運転判定の内容が変わる場合を想定することができるが、エコ運転判定の内容が変わることにより、上記重要度が変動すると考えられる。
【0016】
そこで、請求項3では、車載装置は、自車両の仕様に関する情報を特定する情報特定手段をさらに備え、重み付け手段は、情報特定手段により特定された自車両の仕様に関する情報に基づき、それぞれの判定結果に対して重み付けを行う。
【0017】
ここで、情報特定手段は、車載装置に接続されている外部機器から情報を取得することにより、自車両の仕様に関する情報を特定しても良い。また、例えば、車載装置が備える記憶手段に記憶されている情報に基づき、自車両の仕様に関する情報を特定しても良い。
【0018】
こうすることにより、車載装置は、搭載されている車両の仕様に応じて最適な重み付けを行うことができ、車両の仕様に応じて適切なエコ運転レベルを特定することができる。
また、車載装置は、次のようにしてエコ運転レベルをユーザに把握させても良い。
【0019】
すなわち、請求項4に記載されているように、車載装置は、種々の情報を表示するための表示手段と、自車両の運転開始後におけるいずれかの期間を第一の判定期間として、この第一の判定期間における自車両の運転についてのエコ運転レベルである第一のエコ運転レベルをエコ運転レベル特定手段により特定させ、エコ運転レベル特定手段により特定された第一のエコ運転レベルを、表示手段に表示させる制御手段とを備えても良い。
【0020】
尚、自車両の運転開始後におけるいずれかの期間とは、例えば、自車両の運転開始後のいずれかの時点を起点として所定の時間が経過するまでの期間であっても良い。また、自車両の運転開始後のいずれかの時点を起点として、自車両が所定の距離を走行するまでの期間であっても良い。
【0021】
こうすることにより、ユーザは、表示手段を視認することにより、特定の期間に行われた運転についてのエコ運転レベルを把握することができる。したがって、車載装置は、ユーザに対し、的確にエコ運転レベルを把握させることができる。
【0022】
また、車載装置は、次のようにしてエコ運転レベルを特定しても良い。
すなわち、請求項5に記載されているように、車載装置は、自車両の運転開始後に繰り返し到来するタイミングであって、エコ運転レベルを特定するタイミングである判定タイミングの到来を検知するタイミング検知手段をさらに備えても良い。また、制御手段は、タイミング検知手段により判定タイミングの到来が検知されると、前回タイミング検知手段により検知された判定タイミングから、新たにタイミング検知手段により検知された判定タイミングまでの期間を第一の判定期間とし、この第一の判定期間における自車両の運転について第一のエコ運転レベルをエコ運転レベル特定手段により特定させ、エコ運転レベル特定手段により特定された第一のエコ運転レベルを表示手段に表示させても良い。
【0023】
こうすることにより、車載装置は、自車両で行われている運転について、最新のエコ運転レベルを定期的に表示することができる。したがって、ユーザは、自車両にて現在行われている運転について、リアルタイムにエコ運転レベルを把握することが可能となる。
【0024】
尚、判定タイミングとは、次のようなタイミングであっても良い。
すなわち、請求項6に記載されているように、タイミング検知手段は、自車両の運転開始後におけるいずれかの時点を起点として第一の時間が経過する度に、判定タイミングが到来したとみなしても良い。
【0025】
こうすることにより、ユーザは、所定の時間が経過する度に、自車両にて現在行われている運転についてのエコ運転レベルを新たに把握することができる。
また、請求項7に記載されているように、タイミング検知手段は、自車両の運転開始後におけるいずれかの時点を起点として自車両が所定の距離を走行する度に、判定タイミングが到来したとみなしても良い。
【0026】
こうすることにより、ユーザは、自車両が所定の距離を走行する度に、自車両にて現在行われている運転についてのエコ運転レベルを新たに把握することができる。
また、車載装置は、短期間に行われた運転についてのエコ運転レベルと、長期間にわたって行われた運転についてのエコ運転レベルとを表示しても良い。
【0027】
すなわち、請求項8に記載されているように、制御手段は、第一の判定期間における自車両の運転についての第一のエコ運転レベルを、エコ運転レベル特定手段により特定させると共に、第一の判定期間を含む期間である第二の判定期間における自車両の運転についてのエコ運転レベルである第二のエコ運転レベルをエコ運転レベル特定手段により特定させても良い。そして、制御手段は、エコ運転レベル特定手段により特定された第一のエコ運転レベルと、第二のエコ運転レベルとを、表示手段に並行して表示させても良い。
【0028】
こうすることにより、ユーザは、短期間に行われた自車両の運転についてのエコ運転レベルと、長期間にわたって行われた自車両の運転についてのエコ運転レベルとを瞬時に把握することができ、短期間におけるエコ運転レベルと、長期間におけるエコ運転レベルとの比較を容易に行うことができる。これにより、ユーザは、例えば、現在行われている運転についてのエコ運転レベルと、運転開始時から現在にかけての運転についてのエコ運転レベルとを容易に比較することができる。
【0029】
また、車載装置は、次のようにして第一のエコ運転レベルと第二のエコ運転レベルとを表示してもよい。
すなわち、請求項9に記載されているように、制御手段は、第一のエコ運転レベルを特定すると共に、第二のエコ運転レベルを特定した場合、特定した第一のエコ運転レベルと第二のエコ運転レベルを、表示手段に同時に表示させても良い。
【0030】
こうすることにより、車載装置は、表示手段に表示されている第一のエコ運転レベルと第二のエコ運転レベルを同時に更新することができ、表示手段に表示されている第一のエコ運転レベルと第二のエコ運転レベルとを見栄え良く更新することができる。
【0031】
また、車載装置は、次のような期間における自車両の運転について、エコ運転レベルを特定しても良い。
すなわち、請求項10に記載されているように、制御手段は、自車両の運転が開始された時点を起点とした期間におけるエコ運転レベルを、エコ運転レベル特定手段により特定させても良い。
【0032】
こうすることにより、ユーザは、自車両の運転開始後から現在にかけての運転についてのエコ運転レベルを把握することが可能となる。
また、車載装置は、自車両のドライバが交替した場合には、次のようにしてエコ運転レベルを特定しても良い。
【0033】
すなわち、請求項11に記載されているように、車載装置は、ドライバの変更を検知するドライバ変更検知手段をさらに備えても良い。そして、制御手段は、ドライバ変更検知手段によりドライバの変更が検知された場合、ドライバの変更が検知された時点を起点とした期間におけるエコ運転レベルを、エコ運転レベル特定手段により新たに特定させても良い。
【0034】
こうすることにより、車載装置は、ドライバ毎にエコ運転レベルを特定して表示することができる。したがって、ユーザは、それぞれのドライバが行った運転についてのエコ運転レベルを把握することができる。
【0035】
また、車載装置は、次のようなタイミングでエコ運転レベルを表示しても良い。
すなわち、請求項12に記載されていように、制御手段は、エコ運転レベル特定手段にエコ運転レベルを特定させると、自車両の停止中に、エコ運転レベル特定手段により特定されたエコ運転レベルを前記表示手段に表示させても良い。
【0036】
こうすることにより、ドライバは、エコ運転レベルをゆっくり確認することができる。
また、自車両がアイドリング状態である場合、通常時と同一の方法でエコ運転レベルを特定すると、エコ運転レベルを適切に特定できない可能性がある。また、例えば、自車両がアイドリング状態である場合は、自車両が停止しているにもかかわらずエンジンが動作しており、このような状態は、エコ運転という観点から見て好ましくないと言える。
【0037】
そこで、請求項13に記載の車載装置では、制御手段は、自車両が所定の走行状態である場合、表示手段に対し、第一のエコ運転レベルを最低レベルとして表示させる。
ここで、所定の走行状態とは、例えば、自車両のエンジンが動作中に自車両の速度が0になった場合であっても良いし、自車両のエンジンが動作中に、自動変速機のセレクトレバーの位置がパーキングやニュートラルになった場合等であっても良い。
【0038】
こうすることにより、車載装置は、例えば、自車両がアイドリング状態等になった場合に、不適切なエコ運転レベルを表示してしまうことを防ぐことができる。また、ユーザに対し、例えば、アイドリング等が必要以上に行われてしまうことが無いよう注意喚起を行うことができる。
【0039】
また、自車両が所定の走行状態となった後、第一のエコ運転レベルとして最低レベルが表示されるまでの時間が変動してしまうと、ユーザに違和感を与えてしまうおそれがある。
【0040】
そこで、請求項14に記載の車載装置では、制御手段は、自車両が所定の走行状態となった後、第二の時間が経過した際に、表示手段に対し、前記第一のエコ運転レベルを最低レベルとして表示させる。
【0041】
こうすることにより、自車両が所定の走行状態となった場合であっても、違和感無く第一のエコ運転レベルを最低レベルとして表示することができる。
また、自車両に故障が生じた場合等には、エコ運転レベルの特定を適切に行うことができない場合がある。
【0042】
そこで、請求項15に記載の車載装置は、エコ運転レベル特定手段が、エコ運転レベルの特定を適切に行うことができるか否かを判定する異常判定手段をさらに備える。そして、制御手段は、異常判定手段により、エコ運転レベル特定手段がエコ運転レベルの特定を適切に行うことができると判定された場合に限り、エコ運転レベル特定手段にエコ運転レベルを特定させる。
【0043】
ここで、異常判定手段は、自車両に故障が生じた場合に、エコ運転レベルの特定を適切に行うことができないとみなしても良い。
こうすることにより、車載装置は、不適切なエコ運転レベルを特定してしまうことを防ぐことができる。
【0044】
また、請求項16に記載の車載装置は、エコ運転レベル特定手段が、エコ運転レベルの特定を適切に行うことができるか否かを判定する診断手段をさらに備える。そして、制御手段は、エコ運転レベル特定手段により特定されたエコ運転レベルに係る判定期間に、診断手段によりエコ運転レベルの特定を適切に行うことができないと判定された期間である異常期間が含まれている場合、エコ運転レベルに対し、判定期間と異常期間とに基づき補正を行う。
【0045】
尚、診断手段は、自車両に故障が生じた場合に、エコ運転レベルの特定を適切に行うことができないとみなしても良い。また、診断手段は、自車両がアイドリング状態等の所定の状態となり、通常時と同一の方法では適切なエコ運転レベルを特定できないおそれがある場合、エコ運転レベルの特定を適切に行うことができないとみなしても良い。
【0046】
こうすることにより、車載装置は、より適切なエコ運転レベルを特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。尚、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0048】
[第一実施形態]
まず、第一実施形態について説明する。
[構成の説明]
第一実施形態におけるナビゲーション装置10は、自車両にて行われた運転について、排気ガスの排出を抑えた状態での運転、または、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転がどの程度行われたかを示すエコ運転レベルを特定して表示する機能を有している。図1は、第一実施形態におけるナビゲーション装置10と、このナビゲーション装置10に接続されている装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、車内LAN60を介して、エンジンECU20,車速検知装置30,自動変速機制御装置40,エアコンECU50接続されている。
エンジンECU20は、自車両のエンジンを制御するためのECUである。エンジンECU20は、エンジン回転数,アクセル開度,燃料噴射量等を、車内LAN60を介してナビゲーション装置10に100ms周期にて送信する。
【0049】
車速検知装置30とは、車速パルスに基づき自車両の車速を測定し、測定した車速を、車内LAN60を介してナビゲーション装置10に送信する装置である。
自動変速機制御装置40とは、自車両に搭載されている自動変速機を制御するための装置である。自動変速機制御装置40は、セレクトレバーの位置や、パワーモードのON/OFF状態や、スポーツモードのON/OFF状態を、車内LAN60を介してナビゲーション装置10に送信する。尚、パワーモード、及び、スポーツモードとは、自車両のトルクを増加させた状態で走行するためのモードであり、パワーモードON状態やスポーツモードON状態では、自動変速機は、低速ギアを優先的に選択する。パワーモードやスポーツモードのON/OFF状態は、ユーザの操作により設定される。
【0050】
エアコンECU50とは、自車両の空調を行うための装置である。エアコンECU50は、空調を行うためのコンプレッサーのON/OFF状態を、車内LAN60を介してナビゲーション装置10に送信する。
【0051】
また、図2には、ナビゲーション装置10の詳細な構成を示すブロック図が記載されている。ナビゲーション装置10は、操作部11、表示部12、音声出力部13、記憶部14、地図データ入力器15、外部通信機16、制御部17、位置検出器18、及び車内LAN通信部19から構成されている。
【0052】
操作部11は、ユーザからの各種指示を受け付ける部位であり、具体的にはメカニカルなキースイッチや、タッチスイッチ等から構成される。
表示部12は、各種表示を行う部位であり、具体的にはLCDや有機EL等から構成される。
【0053】
音声出力部13は、制御部17から入力された信号に基づき音声を出力する部位である。
記憶部14は、記憶保持動作が不要なデバイス(例えば、HDD)から構成され、各種情報を記憶することができる。また、記憶部14には、自車両の型式と仕向け地とを特定可能な情報が記憶されている。
【0054】
地図データ入力器15は、経路案内等を行う際に使用する地図データや、所定の施設を検索する際に用いる施設検索情報等の各種データを入力するための装置である。これらのデータの記憶媒体としては、そのデータ量が膨大であるため、CD−ROMやDVD−ROMを用いるのが一般的である。
【0055】
外部通信機16は、路側に設置された光ビーコンや電波ビーコン等を介してVICSの情報センタから交通情報(事故情報や渋滞情報等)を取得する。また、FM多重放送によって送信される交通情報も取得する。
【0056】
制御部17は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスライン等からなる周知のマイクロコンピュータを中心に構成される。制御部17は、ROMに記憶されているプログラムに従いナビゲーション装置10の各部位を制御する部位である。また、制御部17は、操作部11を介して、ドライバを特定する情報の入力を受け付ける。
【0057】
位置検出器18は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの電波を、図示しないGPSアンテナを介して受信して車両の位置、方位、速度等を検出するGPS受信器18aと、車両に加えられる回転運動の大きさを検出するジャイロスコープ18bと、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する距離センサ18cとを備えている。そして、これらは、各々が性質の異なる誤差を有しているため、互いに補完しながら使用するように構成されている。
【0058】
車内LAN通信部19は、車内LAN60を介して種々の情報の送受信を行う部位である。車内LAN通信部19は、車内LAN60の異常を検知した場合、その旨を制御部17に通知する。
【0059】
[動作の説明]
次に、第一実施形態におけるナビゲーション装置10の詳細な動作について説明する。
(1)環境運転診断画面について
まず、第一実施形態のナビゲーション装置10の表示部12に表示される環境運転診断画面について説明する。図3には、自車両において行われた運転について、排気ガスの排出を抑えた状態での運転、または、エネルギーの消費を抑えた状態での運転であるエコ運転が行われた度合いについての総合的な判定結果であるエコ運転レベル等を表示する環境運転診断画面100が記載されている。環境運転診断画面100は、判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110と、1トリップのエコ運転レベル表示領域120と、燃費表示領域130と、エコポイント表示領域140と、エコランク表示領域150と、エコ運転アドバイス表示領域160とを有している。
【0060】
まず、判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110について説明する。ナビゲーション装置10は、後述する第一のエコ運転レベル特定処理の開始後1分周期にて、1分前から現時点までの期間(以後、第一の判定対象期間とも記載)についてエコ運転レベルを、0から12までのいずれかのレベルとして特定する。以後、第一の判定対象期間のエコ運転レベルを1分間のエコ運転レベルとも記載する。判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110は、1分間のエコ運転レベルを表示するための領域である。判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110には、1分間のエコ運転レベルがバーグラフ形式により表示される。
【0061】
また、1トリップのエコ運転レベル表示領域120とは、自車両の運転が開始された時点、または、ドライバが変更した時点から、1分間のエコ運転レベルに係る第一の判定対象期間の終点までの期間におけるエコ運転レベル(以後、単に1トリップのエコ運転レベルとも記載)を表示するための領域である。1トリップのエコ運転レベル表示領域120には、0から12までのいずれかのレベルとして特定された1トリップのエコ運転レベルが、バーグラフ形式により表示される。
【0062】
次に、燃費表示領域130について説明する。ナビゲーション装置10は、自車両の運転開始後1分周期にて、1分前から現時点までの期間についての燃費(燃料1リットルあたりの走行距離)を特定するが、燃費表示領域130は、最後に特定した上記燃費を表示するための領域である。
【0063】
また、エコポイント表示領域140とは、1トリップのエコ運転レベルに応じて付与されるエコポイントを表示するための領域である。
また、エコランク表示領域150とは、エコポイントに応じて付与されるエコランクを表示するための領域である。尚、エコランクには、ゴールド,シルバー,ブルーの三つのステータスが存在し、ゴールドが最も高く、ブルーが最も低いステータスとなっている。また、各ステータスには、さらに1から3までの三つのレベルが存在し、3が最も高く、1が最も低いレベルとなっている。
【0064】
また、エコ運転アドバイス表示領域160とは、エコ運転レベルを向上させるための運転アドバイスを表示するための領域である。
(2)第一のエコ運転レベル特定処理について
次に、第一実施形態のナビゲーション装置10がエコ運転レベルを特定して表示する処理である第一のエコ運転レベル特定処理について説明する。本処理は、自車両の運転を開始する旨の操作が行われると共に、ナビゲーション装置10によりドライバが特定され、さらに、ナビゲーション装置10が、ユーザにより設定された目的地までの推奨経路を特定した後に開始される処理である。尚、ナビゲーション装置10は、例えば、スマートエントリーシステムにおける携帯装置から送信されたユーザ情報に基づきドライバを特定しても良い。また、ナビゲーション装置10は、本処理が開始された後に操作部11を介して所定の操作を受け付けると、表示部12に図3に記載の環境運転診断画面100を表示し、1分間のエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとをそれぞれ表示する。
【0065】
S205では、ナビゲーション装置10の制御部17は、1分間のエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとを初期化し、S210に処理を移行する。尚、これらの運転レベルが初期化された状態では、環境運転診断画面100における判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110、及び1トリップのエコ運転レベル表示領域120には、レベル0のエコ運転レベルが表示される。
【0066】
S210では、制御部17は、操作部11を介して、他のドライバを特定する情報が入力されたか否かを判定する。他のドライバを特定する情報が入力された場合(S210:Yes)、制御部17は、ドライバが変更したとみなし、S205に処理を移行する。他のドライバを特定する情報が入力されていない場合(S210:No)、制御部17は、ドライバが変更していないとみなし、S215に処理を移行する。
【0067】
S215では、制御部17は、自車両の運転が終了したか否かを判定する。自車両の運転が終了した場合(S215:Yes)、制御部17は、本処理を終了する。自車両の運転が終了していない場合(S215:No)、制御部17は、S220に処理を移行する。
【0068】
S220では、制御部17は、S205にてエコ運転レベルの初期化が行われた時点、または、前回S220において1分間経過したと判定された時点を起点として1分が経過したか否かを判定する。1分が経過したと判定された場合(S220:Yes)、制御部17は、S225に処理を移行する。1分が経過していないと判定された場合(S220:No)、制御部17は、S210に処理を移行する。尚、S220において制御部17により1分が経過したと判定されたタイミングが、請求項5における判定タイミングに相当する。
【0069】
S225では、制御部17は、自車両がアイドリング中であるか否かを判定する。具体的には、制御部17は、車速検知装置30から受信した車速の履歴に基づき、自車両の車速が所定の時間継続して0km/hであると判定した場合、自車両はアイドリング中であるとみなす。自車両がアイドリング中である場合(S225:Yes)、制御部17は、S230に処理を移行する。自車両がアイドリング中でない場合(S225:No)、制御部17は、S245に処理を移行する。尚、制御部17は、自動変速機制御装置40から受信したセレクトレバーの位置の履歴に基づき、自動変速機のセレクトレバーの位置が所定の時間継続してニュートラル、または、パーキングの位置であると判定した場合、自車両がアイドリング状態であるとみなしても良い。
【0070】
S230では、制御部17は、1分間のエコ運転レベルを0として特定し、S235に処理を移行する。
S235では、制御部17は、1トリップのエコ運転レベルを特定し、S210に処理を移行する。エコ運転レベルの特定方法については、後述する。
【0071】
S240では、制御部17は、表示部12に環境運転診断画面100が表示されている場合には、S230にて特定した1分間のエコ運転レベルと、S235にて特定した1トリップのエコ運転レベルとに基づき、表示部12に表示されている環境運転診断画面100における判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110と、1トリップのエコ運転レベル表示領域120とを同時に更新する。そして、制御部17は、S245に処理を移行する。
【0072】
自車両が停止中でない場合に移行するS245では、制御部17は、S205にてエコ運転レベルが初期化された時点、または、前回S220において1分間経過したと判定された時点を起点として1分が経過するまでの期間(第一の判定対象期間)に、車内LAN60、または、エンジンECU20,車速検知装置30,自動変速機制御装置40,エアコンECU50に異常が発生したか否かを判定する。具体的には、制御部17は、上記期間に車内LAN通信部19を介して車内LAN60に生じた異常を検知した場合、車内LAN60に異常が発生したとみなす。また、制御部17は、第一の判定対象期間に、上記装置から異常が発生した旨の通知を受信した場合、上記装置に異常が発生したとみなす。第一の判定対象期間に車内LAN60等に異常が発生していないと判定された場合(S245:Yes)、制御部17は、S250に処理を移行する。第一の判定対象期間に車内LAN60等に異常が発生したと判定された場合(S245:No)、S210に処理を移行する。
【0073】
S250では、制御部17は、1分間のエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとを特定し、S255に処理を移行する。これらのエコ運転レベルの特定方法については、後述する。
【0074】
S255では、制御部17は、表示部12に環境運転診断画面100が表示されている場合には、S250にて特定した1分間のエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとに基づき、表示部12に表示されている環境運転診断画面100における判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110と、1トリップのエコ運転レベル表示領域120とを同時に更新する。そして、制御部17は、S210に処理を移行する。
【0075】
(3)エコ運転レベルを特定する際の処理について
次に、第一のエコ運転レベル特定処理のS235,S250において、1トリップ、及び、上述した第一の判定対象期間におけるエコ運転レベルを特定する際の処理について説明する。尚、1トリップとは、S205にてエコ運転レベルの初期化が行われた時点を起点として、1分間のエコ運転レベルに係る第一の判定対象期間の終点までの期間である。つまり、1トリップとは、所定のドライバが運転を開始した時点から、1分間のエコ運転レベルの判定タイミングまでの期間を意味する。ナビゲーション装置10の制御部17は、(a)アクセル開度判定,(b)適切ギア使用判定,(c)エアコン使用判定,(d)アクセルオフ使用判定,(e)走行速度遵守判定,(f)エコルート使用判定という六つのエコ運転判定を行い、それぞれのエコ運転判定の判定結果に基づきエコ運転レベルを特定する。まず、これらのエコ運転判定の具体的内容について説明する。
【0076】
(a)アクセル開度判定について
アクセル開度判定とは、アクセル開度が適切であったかという観点においてエコ運転が行われた度合いを特定するためのエコ運転判定である。ナビゲーション装置10は、運転開始後、100ms周期にて車速検知装置30から車速を受信すると共に、100ms周期にてエンジンECU20からアクセル開度を受信する。
【0077】
制御部17は、受信した車速の履歴に基づき、1トリップの自車両の走行距離と、第一の判定対象期間の自車両の走行距離とを算出する。また、制御部17は、アクセル開度が所定の値以下である場合、適正アクセル開度とみなす。そして、制御部17は、受信した車速の履歴とアクセル開度の履歴とに基づき、1トリップにおける適正アクセル開度での走行距離と、第一の判定対象期間における適正アクセル開度での走行距離とを算出する。
【0078】
制御部17は、1トリップ、及び第一の判定対象期間において、適正アクセル開度での走行が行われた度合いを、アクセル開度判定の判定結果とする。具体的には、制御部17は、以下のようにして、1トリップについてのアクセル開度判定の判定結果(ACCP(1トリップ))と、第一の判定対象期間についてのアクセル開度判定の判定結果(ACCP(第一の判定対象期間))を特定する。
【0079】
ACCP(1トリップ)=1トリップにおける適正アクセル開度での走行距離/1トリップの走行距離×100
ACCP(第一の判定対象期間)=第一の判定対象期間における適正アクセル開度での走行距離/第一の判定対象期間の走行距離×100
(b)適切ギア使用判定について
適切ギア使用判定とは、自動変速機の操作が適切であったかという観点においてエコ運転が行われた度合いを特定するためのエコ運転判定である。ナビゲーション装置10は、運転開始後、100ms周期にて車速検知装置30から車速を受信すると共に、100ms周期にて自動変速機制御装置40から、パワーモード、及び、スポーツモードのON/OFF状態を受信する。
【0080】
制御部17は、パワーモード、及び、スポーツモードがOFF状態である場合、ギア使用が適切であると判定し、上記以外の場合は、ギア使用が不適切であると判定する。そして、制御部17は、受信した車速の履歴に基づき、1トリップの自車両の走行距離と、第一の判定対象期間の自車両の走行距離とを算出する。また、制御部17は、受信した車速の履歴と、パワーモード等のON/OFF状態の履歴に基づき、1トリップにおけるギア使用が適切な状態での走行距離と、第一の判定対象期間におけるギア使用が適切な状態での走行距離とを算出する。
【0081】
制御部17は、1トリップ、及び第一の判定対象期間において、ギア使用が適切な状態での走行が行われた度合いを、適切ギア使用判定の判定結果とする。具体的には、制御部17は、以下のようにして、1トリップについての適切ギア使用判定の判定結果(GEAR(1トリップ))と、第一の判定対象期間についての適切ギア使用判定の判定結果(GEAR(第一の判定対象期間))を特定する。
【0082】
GEAR(1トリップ)=1トリップにおけるギア使用が適切な状態での走行距離/1トリップの走行距離×100
GEAR(第一の判定対象期間)=第一の判定対象期間におけるギア使用が適切な状態での走行距離/第一の判定対象期間の走行距離×100
(c)エアコン使用判定について
エアコン使用判定とは、エアコンがどの程度使用されたかという観点においてエコ運転が行われた度合いを特定するためのエコ運転判定である。ナビゲーション装置10は、運転開始後、100ms周期にて車速検知装置30から車速を受信すると共に、100ms周期にてエアコンECU50から、空調を行うためのコンプレッサーのON/OFF状態を受信する。
【0083】
制御部17は、受信した車速の履歴に基づき、1トリップの自車両の走行距離と、第一の判定対象期間の自車両の走行距離とを算出する。また、制御部17は、受信した車速の履歴とコンプレッサーのON/OFF状態の履歴とに基づき、1トリップにおけるコンプレッサーがOFF状態での走行距離と、第一の判定対象期間におけるコンプレッサーがOFF状態での走行距離とを算出する。
【0084】
制御部17は、1トリップ、及び第一の判定対象期間において、コンプレッサーがOFF状態での走行が行われた度合いを、エアコン使用判定の判定結果とする。具体的には、制御部17は、以下のようにして、1トリップについてのエアコン使用判定の判定結果(AIRC(1トリップ))と、第一の判定対象期間についてのエアコン使用判定の判定結果(AIRC(第一の判定対象期間))を特定する。
【0085】
AIRC(1トリップ)=1トリップにおけるコンプレッサーがOFF状態での走行距離/1トリップの走行距離×100
AIRC(第一の判定対象期間)=第一の判定対象期間におけるコンプレッサーがOFFでの走行距離/第一の判定対象期間の走行距離×100
(d)アクセルオフ使用判定について
アクセルオフ使用判定とは、燃料噴射量が0の状態での走行がどの程度行われたかという観点においてエコ運転が行われた度合いを特定するためのエコ運転判定である。ナビゲーション装置10は、運転開始後、100ms周期にて車速検知装置30から車速を受信すると共に、100ms周期にてエンジンECU20から、エンジン回転数,アクセル開度,燃料噴射量を受信する。
【0086】
制御部17は、エンジン回転数が1000rpm以上、アクセル開度が0.5%未満、燃料噴射量が0mlという三つの条件が成立した場合、アクセルオフ状態と判定する。制御部17は、受信した車速の履歴に基づき、1トリップの自車両の走行距離と、第一の判定対象期間の自車両の走行距離とを算出する。また、制御部17は、受信した車速の履歴と、エンジン回転数,アクセル開度,燃料噴射量の履歴とに基づき、1トリップにおけるアクセルオフ状態での走行距離と、第一の判定対象期間におけるアクセルオフ状態での走行距離とを算出する。
【0087】
制御部17は、1トリップ、及び第一の判定対象期間において、アクセルオフ状態での走行が行われた度合いを、アクセルオフ使用判定の判定結果とする。具体的には、制御部17は、以下のようにして、1トリップについてのアクセルオフ使用判定の判定結果(ACOFF(1トリップ))と、第一の判定対象期間についてのアクセルオフ使用判定の判定結果(ACOFF(第一の判定対象期間))を特定する。
【0088】
ACOFF(1トリップ)=1トリップにおけるアクセルオフ状態での走行距離/1トリップの走行距離×500
ACOFF(第一の判定対象期間)=第一の判定対象期間におけるアクセルオフ状態での走行距離/第一の判定対象期間の走行距離×500
(e)走行速度遵守判定について
走行速度遵守判定とは、走行速度が適切であったかという観点においてエコ運転が行われた度合いを特定するための判定である。ナビゲーション装置10は、運転開始後、100ms周期にて車速検知装置30から車速を受信する。
【0089】
制御部17は、受信した車速の履歴に基づき、1トリップの自車両の走行距離と、第一の判定対象期間の自車両の走行距離とを算出する。また、制御部17は、受信した車速の履歴に基づき、1トリップにおける時速112km未満での走行距離と、第一の判定対象期間における時速112km未満での走行距離とを算出する。
【0090】
制御部17は、1トリップ、及び第一の判定対象期間において、時速112km未満での走行が行われた度合いを、走行速度遵守判定の判定結果とする。具体的には、制御部17は、以下のようにして、1トリップについての走行速度遵守判定の判定結果(SP(1トリップ))と、第一の判定対象期間についての走行速度遵守判定の判定結果(SP(第一の判定対象期間))を特定する。
【0091】
SP(1トリップ)=1トリップにおける時速112km未満での走行距離/1トリップの走行距離×100
SP(第一の判定対象期間)=第一の判定対象期間における時速112km未満での走行距離/第一の判定対象期間の走行距離×100
(f)エコルート使用判定について
エコルート使用判定とは、目的地までの経路が適切であったかという観点においてエコ運転が行われた度合いを特定するための判定である。ナビゲーション装置10は、運転開始後、100ms周期にて車速検知装置30から車速を受信する。
【0092】
制御部17は、100ms周期にて車速を受信すると、地図データ入力器15から入力された地図データ及び位置検出器18により自車両の現在地を特定し、さらに、特定した自車両の現在地が、目的地までの推奨経路上であるか否かを判定する。そして、現在地が推奨経路上であると判定された場合は、上記100msの間、推奨経路を走行したとみなす。また、制御部17は、受信した車速の履歴に基づき、1トリップの自車両の走行距離と、第一の判定対象期間の自車両の走行距離とを算出する。そして、制御部17は、受信した車速の履歴と、自車両の現在地が推奨経路上であるか否かの判定結果の履歴とに基づき、1トリップにおける推奨経路の走行距離と、第一の判定対象期間における推奨経路の走行距離とを算出する。
【0093】
制御部17は、1トリップ、及び第一の判定対象期間において、推奨経路の走行が行われた度合いを、エコルート使用判定の判定結果とする。具体的には、制御部17は、以下のようにして、1トリップについてのエコルート使用判定の判定結果(ECORT(1トリップ))と、第一の判定対象期間についてのエコルート使用判定の判定結果(ECORT(第一の判定対象期間))を特定する。
【0094】
ECORT(1トリップ)=1トリップにおける推奨経路の走行距離/1トリップの走行距離×100
ECORT(第一の判定対象期間)=第一の判定対象期間における推奨経路の走行距離/第一の判定対象期間の走行距離×100
次に、1トリップ、及び第一の判定対象期間におけるエコ運転レベルを特定する際の処理について説明する。制御部17は、(a)から(f)の各判定結果について、次の数値を用いて重み付けを行う。
【0095】
(a)アクセル開度判定・・・5
(b)適正ギア使用判定・・・4
(c)エアコン使用判定・・・5
(d)アクセルオフ使用判定・・・1
(e)走行速度遵守判定・・・2
(f)エコルート使用判定・・・1
尚、この重み付けに用いられる数値は、記憶部14に記憶されている。制御部17は、記憶部14に記憶されている自車両の型式と仕向け地とを特定可能な情報を参照し、自車両の型式及び仕向け地に応じた数値を記憶部14から読み出して重み付けを行う。
【0096】
そして、1トリップにおけるエコ運転レベル(ECO(1トリップ))を次のようにして算出する。
ECO(1トリップ)=[ACCP(1トリップ)×(5/18)+GEAR(1トリップ)×(4/18)+AIRC(1トリップ)×(5/18)+ACOFF(1トリップ)×(1/18)+SP(1トリップ)×(2/18)+ECORT(1トリップ)×(1/18)]×12/6
そして、制御部17は、算出したECO(1トリップ)に応じて0〜12までのいずれかのレベルを特定し、特定したレベルをECO(1トリップ)とする。
【0097】
また、第一の判定対象期間におけるエコ運転レベル(ECO(第一の判定対象期間))を次のようにして算出する。
ECO(第一の判定対象期間)=[ACCP(第一の判定対象期間)×(5/18)+GEAR(第一の判定対象期間)×(4/18)+AIRC(第一の判定対象期間)×(5/18)+ACOFF(第一の判定対象期間)×(1/18)+SP(第一の判定対象期間)×(2/18)+ECORT(第一の判定対象期間)×(1/18)]×12/6
さらに、制御部17は、車速検知装置30から受信した車速の履歴に基づき、第一の判定対象期間において自車両が停止していた時間を特定する。そして、第一の判定対象期間の時間である1分から自車両が停止していた時間を減算することにより走行時間を算出し、次のようにして、第一の判定対象期間におけるエコ運転レベルを特定する。
【0098】
ECO(第一の判定対象期間)=ECO(第一の判定対象期間)×走行時間/1分
尚、第一の判定対象期間において、自車両が停止していた期間が、請求項16における異常期間に相当する。
【0099】
そして、制御部17は、算出したECO(第一の判定対象期間)に応じて0〜12までのいずれかのレベルを特定し、特定したレベルをECO(第一の判定対象期間)とする。
尚、言うまでもないことではあるが、制御部17は、上述した(a)から(f)のエコ運転判定とは異なるエコ運転判定を行い、このエコ運転判定の判定結果を用いてエコ運転レベルを特定しても良い。また、異なるエコ運転判定の判定結果を用いる場合には、エコ運転判定の内容に応じて、異なる数値を用いてそれぞれの判定結果への重み付けを行っても良い。
【0100】
[効果]
第一実施形態では、ナビゲーション装置10は、複数のエコ運転判定の判定結果に基づき、エコ運転が行われた度合いについての総合的な判定結果であるエコ運転レベルを特定している(S235,S250)。このため、ナビゲーション装置10は、ユーザに対し、エコ運転が行われた度合いについての適切な判定結果を速やかに把握させることができる。
【0101】
また、ナビゲーション装置10は、記憶部14に記憶されている自車両の型式と仕向け地とを特定可能な情報を参照し、自車両の型式及び仕向け地に応じた数値を用いて、それぞれのエコ運転判定の判定結果に対して重み付けを行っている。したがって、ナビゲーション装置10は、自車両の型式等に応じて適切なエコ運転レベルを特定することができる。
【0102】
また、ナビゲーション装置10は、1分が経過する度に、1分間における運転についてのエコ運転レベル(1分間のエコ運転レベル)を特定して表示する(S250,S255)。したがって、ユーザは、自車両において行われている運転について、リアルタイムにエコ運転レベルを把握することができる。
【0103】
また、ナビゲーション装置10は、1分間のエコ運転レベルを特定すると共に、S205にてエコ運転レベルの初期化が行われた時点、または、自車両のドライバが変更した時点を起点とする期間である1トリップにおける運転についてのエコ運転レベル(1トリップのエコ運転レベル)を特定し、1分間のエコ運転レベルと1トリップのエコ運転レベルを並行して表示する(S255)。このため、ユーザは、1分間に行われた運転についてのエコ運転レベルと、1トリップにおいて行われた運転についてのエコ運転レベルとを瞬時に把握し、これらのエコ運転レベルの比較を容易に行うことができる。これにより、ユーザは、現在行われている運転についてのエコ運転レベルと、運転開始時、またはドライバ変更時から現在にかけての運転についてのエコ運転レベルとを容易に比較することができる。
【0104】
また、ナビゲーション装置10は、1分間のエコ運転レベルと1トリップのエコ運転レベルを新たに特定した際には、これらのエコ運転レベルの表示を同時に更新する(S250)。したがって、ナビゲーション装置10は、1分間のエコ運転レベルの表示と、1トリップのエコ運転レベルの表示を見栄え良く更新することができる。
【0105】
また、ナビゲーション装置10は、ドライバが変更した際には(S210:Yes)、1分間のエコ運転レベルと1トリップのエコ運転レベルをと初期化し(S205)、新たにこれらのエコ運転レベルの特定を開始する。したがって、ナビゲーション装置10は、ドライバ毎にエコ運転レベルを特定して表示することができる。
【0106】
また、自車両がアイドリング状態である場合、通常時と同一の方法でエコ運転レベルを特定すると、エコ運転レベルを適切に特定できない可能性がある。そこで、ナビゲーション装置10は、判定タイミングにおいて自車両がアイドリング状態である場合には(S255:Yes)、1分間のエコ運転レベルを0として特定する(S230)。これにより、ナビゲーション装置10は、自車両がアイドリング状態等になった場合に、不適切なエコ運転レベルを表示してしまうことを防ぐことができる。また、ユーザに対し、例えば、アイドリング等が必要以上に行われてしまうことが無いよう注意喚起を行うことができる。
【0107】
また、ナビゲーション装置10は、第一の判定対象期間(1分間のエコ運転レベルに係る期間)において、車内LAN60、または車内LAN60に接続されている装置に異常が発生していない場合に限り(S245:Yes)、1分間のエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとを特定する(S250)。したがって、不適切なエコ運転レベルを特定してしまうことを防ぐことができる。
【0108】
また、ナビゲーション装置10は、第一の判定対象期間に自車両が停止していた期間が含まれている場合、自車両の停止時間を考慮して1分間のエコ運転レベルを特定している。したがって、ナビゲーション装置10は、1分間のエコ運転レベルをより適切に特定することができる。
【0109】
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
[構成の説明]
第二実施形態においても、第一実施形態におけるナビゲーション装置10と同様のナビゲーション装置が用いられる。また、第二実施形態においても、ナビゲーション装置10は、車内LAN60を介して第一実施形態と同様の装置と接続されている。したがって、ナビゲーション装置10、及びナビゲーション装置10に接続されている装置の構成についての説明と、ナビゲーション装置10の詳細な構成についての説明を省略する。
【0110】
[動作の説明]
次に、第二実施形態におけるナビゲーション装置10の詳細な動作について説明する。
(1)環境運転診断画面について
第二実施形態におけるナビゲーション装置10においても、第一実施形態における環境運転診断画面と同様の画面が用いられる。しかし、第一実施形態と第二実施形態とでは、エコ運転レベルの特定方法が一部異なっている。
【0111】
第一実施形態では、ナビゲーション装置10は、第一のエコ運転レベル特定処理の開始後1分周期にて、1分前から現時点までの期間についてエコ運転レベルを特定していた。これに対し、第二実施形態におけるナビゲーション装置10は、後述する第二のエコ運転レベル特定処理の開始後、自車両が1km走行する度に、この1kmの走行に要した期間(以後、第二の判定対象期間とも記載)についてのエコ運転レベルを、0から12までのいずれかのレベルとして特定する。以後、第二の判定対象期間のエコ運転レベルを1kmのエコ運転レベルとも記載する。
【0112】
このため、第二実施形態では、判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110は、1kmのエコ運転レベルを表示するための領域として用いられる。第二実施形態では、判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110には、1kmのエコ運転レベルがバーグラフ形式により表示される。
【0113】
(2)第二のエコ運転レベル特定処理について
次に、第二実施形態のナビゲーション装置10がエコ運転レベルを特定して表示する処理である第二のエコ運転レベル特定処理について説明する。本処理は、自車両の運転を開始する旨の操作が行われた際に開始される処理である。ナビゲーション装置10は、本処理が開始された後に操作部11を介して所定の操作を受け付けると、表示部12に図3に記載の環境運転診断画面100を表示し、1kmのエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとをそれぞれ表示する。
【0114】
S305では、ナビゲーション装置10の制御部17は、1kmのエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとを初期化し、S310に処理を移行する。尚、これらの運転レベルが初期化された状態では、環境運転診断画面100における判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110、及び1トリップのエコ運転レベル表示領域120には、レベル0のエコ運転レベルが表示される。
【0115】
S310では、制御部17は、操作部11を介して、ドライバが変更する旨の操作を受け付けたか否かを判定する。ドライバが変更する旨の操作を受け付けた場合(S310:Yes)、制御部17は、S305に処理を移行する。ドライバが変更する旨の操作を受け付けていない場合(S310:No)、制御部17は、S315に処理を移行する。
【0116】
S315では、制御部17は、自車両の運転が終了したか否かを判定する。自車両の運転が終了した場合(S315:Yes)、制御部17は、本処理を終了する。自車両の運転が終了していない場合(S315:No)、制御部17は、S320に処理を移行する。
【0117】
S320では、制御部17は、車速検知装置30から100ms周期にて受信した車速の履歴に基づき、S305にてエコ運転レベルの初期化が行われた時点、または、前回S320において自車両が1km走行したと判定された時点を起点として、自車両が1km走行したか否かを判定する。自車両が1km走行したと判定された場合(S320:Yes)、制御部17は、S325に処理を移行する。1km走行していないと判定された場合(S320:No)、制御部17は、S310に処理を移行する。尚、S320において制御部17により自車両が1km走行したと判定されたタイミングが、請求項5における判定タイミングに相当する。
【0118】
S325では、制御部17は、1kmのエコ運転レベルと、1トリップのエコ運転レベルとを特定し、S330に処理を移行する。これらのエコ運転レベルの特定方法については、後述する。
【0119】
S330では、制御部17は、表示部12に環境運転診断画面100が表示されているか否かを判定する。環境運転診断画面100が表示されている場合(S330:Yes)、制御部17は、S335に処理を移行する。環境運転診断画面100が表示されていない場合(S330:No)、制御部17は、S310に処理を移行する。
【0120】
S335では、制御部17は、車速検知装置30から取得した車速に基づき、自車両が停止中であるか否かを判定する。自車両が停止中である場合(S335:Yes)、制御部17は、S340に処理を移行する。自車両が停止中でない場合(S335:No)、制御部17は、S310に処理を移行する。
【0121】
S340では、制御部17は、S325にて特定した1kmのエコ運転レベルと1トリップのエコ運転レベルとに基づき、表示部12に表示されている環境運転診断画面100における判定対象期間のエコ運転レベル表示領域110と、1トリップのエコ運転レベル表示領域120とを同時に更新する。そして、制御部17は、S310に処理を移行する。
【0122】
(3)エコ運転レベルを特定する際の処理について
次に、第二のエコ運転レベル特定処理のS325において、1トリップ、及び、上述した第二の判定対象期間におけるエコ運転レベルを特定する際の処理について説明する。尚、1トリップとは、S305にてエコ運転レベルの初期化が行われた時点を起点として、1kmのエコ運転レベルに係る第二の判定対象期間の終点までの期間である。つまり、1トリップとは、所定のドライバが運転を開始した時点から、1kmのエコ運転レベルの判定タイミングまでの期間を意味する。ナビゲーション装置10の制御部17は、(a)アクセル開度判定,(b)適切ギア使用判定,(c)エアコン使用判定,(d)アクセルオフ使用判定,(e)走行速度遵守判定という五つのエコ運転判定を行い、それぞれの判定結果に基づきエコ運転レベルを特定する。
【0123】
これらの(a)から(e)のエコ運転判定は、それぞれ、第一実施形態における第一のエコ運転レベル特定処理においてエコ運転レベルを特定するために行われる(a)から(e)のエコ運転判定と同様の判定である。第二実施形態では、第一実施形態における(a)から(e)のエコ運転判定と同様の判定が、第一の判定対象期間に替えて第二の判定対象期間に対して行われる。これらの判定が行われた結果、1トリップ、及び、第二の判定対象期間について、次のような判定結果が得られる。
【0124】
(a)アクセル開度判定
ACCP(1トリップ)、ACCP(第二の判定対象期間)
(b)適正ギア使用判定
GEAR(1トリップ)、GEAR(第二の判定対象期間)
(c)エアコン使用判定
AIRC(1トリップ)、AIRC(第二の判定対象期間)
(d)アクセルオフ使用判定
ACOFF(1トリップ)、ACOFF(第二の判定対象期間)
(e)走行速度遵守判定
SP(1トリップ)、SP(第二の判定対象期間)
尚、(a)から(e)のエコ運転判定の具体的内容に関しては、第一実施形態と同様であるため、説明を省略する。
【0125】
次に、1トリップ、及び、第二の判定対象期間におけるエコ運転レベルを特定する際の処理について説明する。制御部17は、(a)から(e)の各判定結果について、次のようにして重み付けを行う。
【0126】
(a)アクセル開度判定・・・5
(b)適正ギア使用判定・・・3
(c)エアコン使用判定・・・6
(d)アクセルオフ使用判定・・・2
(e)走行速度遵守判定・・・2
尚、この重み付けに用いられる数値は、記憶部14に記憶されている。制御部17は、記憶部14に記憶されている自車両の型式と仕向け地とを特定可能な情報を参照し、自車両の型式及び仕向け地に応じた数値を記憶部14から読み出して重み付けを行う。
【0127】
そして、1トリップにおけるエコ運転レベル(ECO(1トリップ))を次のようにして算出する。
ECO(1トリップ)=[ACCP(1トリップ)×(5/18)+GEAR(1トリップ)×(3/18)+AIRC(1トリップ)×(6/18)+ACOFF(1トリップ)×(2/18)+SP(1トリップ)×(2/18)]×12/5
そして、制御部17は、算出した(ECO(1トリップ))に応じて0〜12までのいずれかのレベルを特定し、特定したレベルを(ECO(1トリップ))とする。
【0128】
また、第二の判定対象期間におけるエコ運転レベル(ECO(第二の判定対象期間))を次のようにして算出する。
ECO(第二の判定対象期間)=[ACCP(第二の判定対象期間)×(5/18)+GEAR(第二の判定対象期間)×(3/18)+AIRC(第二の判定対象期間)×(6/18)+ACOFF(第二の判定対象期間)×(2/18)+SP(第二の判定対象期間)×(2/18)]×12/5
さらに、制御部17は、車速検知装置30から受信した車速の履歴に基づき、第二の判定対象期間において自車両が停止していた時間を特定する。そして、第二の判定対象期間の経過に要した時間から自車両が停止していた時間を減算することにより走行時間を算出し、次のようにして、第二の判定対象期間におけるエコ運転レベルを特定する。
【0129】
ECO(第二の判定対象期間)=ECO(第二の判定対象期間)×走行時間/第二の判定対象期間の経過に要した時間
尚、第一の判定対象期間において、自車両が停止していた期間が、請求項16における異常期間に相当する。
【0130】
そして、制御部17は、ECO(第二の判定対象期間)に応じて0〜12までのいずれかのレベルを特定し、特定したレベルをECO(第二の判定対象期間)とする。
尚、言うまでもないことではあるが、制御部17は、上述した(a)から(e)のエコ運転判定とは異なるエコ運転判定を行い、このエコ運転判定の判定結果を用いてエコ運転レベルを特定しても良い。また、異なるエコ運転判定の判定結果を用いる場合には、エコ運転判定の内容に応じて、異なる数値を用いてそれぞれの判定結果への重み付けを行っても良い。
【0131】
[効果]
第二実施形態では、ナビゲーション装置10は、自車両が1km走行する度に、1kmの走行に要した期間についてのエコ運転レベル(1kmのエコ運転レベル)を特定して表示する(S325,S340)。したがって、ユーザは、自車両が1kmを走行する度に、自車両において現在行われている運転について、リアルタイムにエコ運転レベルを把握することができる。
【0132】
また、ナビゲーション装置10は、1kmのエコ運転レベルと1トリップのエコ運転レベルを新たに特定した場合、自車両が停止中である場合に限り(S335:Yes)、表示中の1kmのエコ運転レベルと1トリップのエコ運転レベルを更新する(S340)。したがって、ドライバは、ナビゲーション装置10に表示されたエコ運転レベルをゆっくりと確認することができる。
【0133】
[他の実施形態]
(1)第一実施形態、及び第二実施形態において、ナビゲーション装置10は、記憶部14に記憶されている情報に基づき自車両の型式や仕向け地を特定し、自車両の型式や仕向け地に応じて、判定結果に対して重み付けを行っている。しかし、ナビゲーション装置10は、例えば、車内LAN60を介して接続されている装置から受信した情報に基づき自車両の型式や仕向け地や、自車両に搭載されている装置等を特定し、特定した自車両の型式等に応じて、判定結果に対して重み付けを行っても良い。このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
【0134】
(2)また、例えば、夏や冬は、春や秋に比べてエアコンの使用頻度が高いため、夏や冬にエアコンを使用しないことによる自車両におけるエネルギー消費や排気ガスの排出量の低下度合いは、春や秋にエアコンを使用しないことによる上記低下度合いに比べ、より大きいと言える。このため、夏や冬におけるエアコンを使用しないという行為は、春や秋における上記行為に比べ、エコ運転の観点において重要度がより高いと言える。換言すれば、夏や冬におけるエアコンを使用しないという行為は、春や秋における上記行為に比べ、エコ運転が改善される度合いが高いとも言える。
【0135】
そこで、ナビゲーション装置10は、例えば、現在の年月日時を特定する時計機能により現在の季節を特定し、季節に応じてエコ運転判定の判定結果に対する重み付けを行っても良い。また、ナビゲーション装置10は、現在の天候や、車内や車外の気温を特定し、天候や、車内や車外の気温に応じてエコ運転判定の判定結果に対する重み付けを行っても良い。こうすることにより、エコ運転レベルをより適切に特定することができる。
【0136】
(3)また、ドライバの運転傾向により、エコ運転レベルを向上させるための改善ポイントが異なると言える。そこで、ナビゲーション装置10は、操作部11を介してユーザから受け付けた操作により設定された数値を用いて、エコ運転レベルを特定する際のそれぞれのエコ運転判定の判定結果に対する重み付けを行っても良い。こうすることにより、例えば、ユーザは、エコ運転についての改善ポイントとの関連性が強いエコ運転判定の判定結果に対する重み付けを増加させるといった具合に、ドライバの運転傾向に応じた重み付けを行うことが可能となる。これにより、上記改善ポイントについての注意喚起を行うことができ、エコ運転についての改善を強く促すことが可能となる。
【0137】
(4)また、第一実施形態、及び第二実施形態のナビゲーション装置10は、(e)走行速度遵守判定の判定結果に基づきエコ運転レベルを特定している。しかし、ナビゲーション装置10は、例えば、自車両が高速道路を走行中には、(e)走行速度遵守判定の判定結果に対する重み付けを低下させると共に、他のエコ運転判定の判定結果に対する重み付けを増加させて、第一の判定対象期間、または第二の判定対象期間についてのエコ運転レベルを特定しても良い。このように、自車両の走行状態や、自車両が走行している場所等に応じて、上記判定対象期間のエコ運転判定の判定結果に対する重み付けを一時的に変更しても良い。こうすることにより、上記判定対象期間のエコ運転レベルをより適切に特定することができる。
【0138】
(5)また、第一実施形態、及び第二実施形態において、ナビゲーション装置10は、例えば、自車両が高速道路を走行中には、(e)走行速度遵守判定の判定結果を考慮することなく、第一の判定対象期間、または第二の判定対象期間についてのエコ運転レベルを特定しても良い。このように、自車両の走行状態や、自車両が走行している場所等に応じて、上記判定対象期間のエコ運転レベルの特定に係るエコ運転判定を一時的に変更しても良い。こうすることにより、上記判定対象期間についてのエコ運転レベルをより適切に特定することができる。
【0139】
(6)また、第一実施形態、及び第二実施形態において、ナビゲーション装置10は、(b)適切ギア使用判定の判定結果に基づきエコ運転レベルを特定しており、(b)適切ギア使用判定において、パワーモードがON状態、またはスポーツモードがON状態である場合には、ギア使用が不適切であるとみなしている。このパワーモード及びスポーツモードのON/OFF状態は、ユーザの操作により設定されるが、ナビゲーション装置10は、ユーザによりパワーモード及びスポーツモードがOFF状態に設定されている場合には、(b)適切ギア使用判定の判定結果を考慮することなく、第一の判定対象期間または第二の判定対象期間エコ運転レベルを特定しても良い。また、例えば、エアコンがOFF状態である場合には、ナビゲーション装置10は、(c)エアコン使用判定の判定結果を考慮することなく、上記判定対象期間エコ運転レベルを特定しても良い。このように、ナビゲーション装置10は、エコ運転判定に関連する装置の状態に応じて、上記判定対象期間のエコ運転レベルの特定に係るエコ運転判定を一時的に変更しても良い。こうすることにより、上記判定対象期間についてのエコ運転レベルをより適切に特定することができる。
【0140】
(7)第一実施形態における第一のエコ運転レベル特定処理において、ナビゲーション装置10の制御部17は、S225にて自車両がアイドリング状態であると判定した場合、1分間のエコ運転レベルを0に設定している。しかし、制御部17は、S210からS220の処理を行う際、すなわち、判定タイミングが経過する前に自車両がアイドリング状態であることを検知した場合、アイドリング状態であることを検知した時点から所定の時間(例えば10秒)が経過した際に、アイドリング状態であることを検知した時点を含む第一の判定対象期間についてのエコ運転レベルを0として、表示部12に表示しても良い。こうすることにより、自車両がアイドリング状態となった後から、1分間のエコ運転レベルが0として表示されるまでの時間の変動を抑えることができ、ユーザに違和感を与えることなく、1分間のエコ運転レベルを0として表示することができる。尚、上記所定の時間が、請求項14における第二の時間に相当する。
【0141】
(8)第一実施形態、及び第二実施形態において、ナビゲーション装置10は、自車両が停止していた時間に基づき、第一の判定対象期間、または第二の判定対象期間におけるエコ運転レベルに対して補正を行っている。しかし、ナビゲーション装置10は、自車両が停止していた時間に加えて、車内LAN60に異常が発生した時間や、車内LAN60を介してナビゲーション装置10と接続されているエンジンECU20や、車速検知装置30や、自動変速機制御装置40や、エアコンECU50等に異常が発生した時間に基づき、上記判定対象期間におけるエコ運転レベルに対して補正を行っても良い。こうすることにより、上記判定対象期間におけるエコ運転レベルを、より適切に特定することができる。
【0142】
[特許請求の範囲との対応]
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
【0143】
第一実施形態、及び第二実施形態において、ナビゲーション装置10が車載装置に相当する。また、制御部17がエコ運転レベル特定手段及び制御手段に、表示部12が表示手段に、操作部11がドライバ変更検知手段に相当する。また、記憶部14及び制御部17が、重み付け手段及び情報特定手段に、制御部17及び車内LAN通信部19が診断手段に相当する。また、エコ運転レベルを特定する際に自車両が停止していたと判定された期間が、異常期間に相当する。また、1トリップが第二の判定期間に、1トリップのエコ運転レベルが第二のエコ運転レベルに相当する。
【0144】
また、第一実施形態において、ナビゲーション装置10の制御部17がタイミング検知手段に、制御部17、地図データ入力器15、位置検出器18、及び車内LAN通信部19が、判定手段に、制御部17及び車内LAN通信部19が異常判定手段に相当する。また、第一の判定対象期間が第一の判定期間に、1分間のエコ運転レベルが第一のエコ運転レベルに、第一の判定期間の経過に要する時間である1分が第一の時間に、アイドリング状態が所定の走行状態に相当する。
【0145】
また、第二実施形態において、ナビゲーション装置10の制御部17及び車内LAN通信部19がタイミング検知手段に、制御部17及び車内LAN通信部19が判定手段に相当する。また、第二の判定対象期間が第一の判定期間に、1kmのエコ運転レベルが第一のエコ運転レベルに、第二の判定対象期間において自車両が走行する距離である1kmが所定の距離に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0146】
【図1】ナビゲーション装置10と、ナビゲーション装置10に車内LAN60を介して接続されている装置を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。
【図3】環境運転診断画面100を示す説明図である。
【図4】第一のエコ運転レベル特定処理について説明するためのフローチャートである。
【図5】第二のエコ運転レベル特定処理について説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0147】
10…ナビゲーション装置、11…操作部、12…表示部、13…音声出力部、14…記憶部、15…地図データ入力器、16…外部通信機、17…制御部、18…位置検出器、18a…GPS受信器、18b…ジャイロスコープ、18c…距離センサ、19…車内LAN通信部、20…エンジンECU、30…車速検知装置、40…自動変速機制御装置、50…エアコンECU、60…車内LAN、100…環境運転診断画面、110…判定対象期間のエコ運転レベル表示領域、120…1トリップのエコ運転レベル表示領域、130…燃費表示領域、140…エコポイント表示領域、150…エコランク表示領域、160…エコ運転アドバイス表示領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両において行われた運転について、排気ガスの排出を抑えた状態、または、エネルギーの消費を抑えた状態のうちの少なくともいずれか一方の状態での運転であるエコ運転がどの程度行われたかを判定する車載装置であって、
前記車載装置は、
複数の異なる観点において、前記エコ運転が行われた度合いについてそれぞれ判定するエコ運転判定を実行する判定手段と、
前記判定手段に複数の異なる前記観点についての前記エコ運転判定を実行させ、前記判定手段により実行された前記エコ運転判定に係るそれぞれの前記観点における判定結果に基づき、自車両において行われた運転について、前記エコ運転が行われた度合いについての総合的な評価結果であるエコ運転レベルを特定するエコ運転レベル特定手段と、
を備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項2】
請求項1に記載の車載装置において、
前記車載装置は、前記判定手段により実行された前記エコ運転判定に係るそれぞれの前記観点における前記判定結果に対して重み付けを行なう重み付け手段をさらに備え、
前記エコ運転レベル特定手段は、前記重み付け手段により重み付けが行われたそれぞれの前記判定結果に基づき、自車両において行われた運転について、前記エコ運転が行われた度合いについての総合的な評価結果である前記エコ運転レベルを特定すること、
を特徴とする車載装置。
【請求項3】
請求項2に記載の車載装置において、
前記車載装置は、自車両の仕様に関する情報を特定する情報特定手段をさらに備え、
前記重み付け手段は、前記情報特定手段により特定された自車両の仕様に関する情報に基づき、それぞれの前記判定結果に対して重み付けを行うこと、
を特徴とする車載装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれかに記載の車載装置において、
前記車載装置は、
種々の情報を表示するための表示手段と、
自車両の運転開始後におけるいずれかの期間を第一の判定期間として、この第一の判定期間における自車両の運転についての前記エコ運転レベルである第一のエコ運転レベルを前記エコ運転レベル特定手段により特定させ、前記エコ運転レベル特定手段により特定された前記第一のエコ運転レベルを前記表示手段に表示させる制御手段と、
をさらに備えること、
を特徴とする車載装置。
【請求項5】
請求項4に記載の車載装置において、
前記車載装置は、自車両の運転開始後に繰り返し到来するタイミングであって、前記エコ運転レベルを特定するタイミングである判定タイミングの到来を検知するタイミング検知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記タイミング検知手段により前記判定タイミングの到来が検知されると、前回前記タイミング検知手段により検知された前記判定タイミングから、新たに前記タイミング検知手段により検知された前記判定タイミングまでの期間を前記第一の判定期間とし、この第一の判定期間における自車両の運転について前記第一のエコ運転レベルを前記エコ運転レベル特定手段により特定させ、前記エコ運転レベル特定手段により特定された前記第一のエコ運転レベルを前記表示手段に表示させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項6】
請求項5に記載の車載装置において、
前記タイミング検知手段は、自車両の運転開始後におけるいずれかの時点を起点として第一の時間が経過する度に、前記判定タイミングが到来したとみなすこと、
を特徴とする車載装置。
【請求項7】
請求項5に記載の車載装置において、
前記タイミング検知手段は、自車両の運転開始後におけるいずれかの時点を起点として自車両が所定の距離を走行する度に、前記判定タイミングが到来したとみなすこと、
を特徴とする車載装置。
【請求項8】
請求項4から請求項7のいずれかに記載の車載装置において、
前記制御手段は、前記第一の判定期間における自車両の運転についての前記第一のエコ運転レベルを、前記エコ運転レベル特定手段により特定させると共に、前記第一の判定期間を含む期間である第二の判定期間における自車両の運転についての前記エコ運転レベルである第二のエコ運転レベルを前記エコ運転レベル特定手段により特定させ、前記エコ運転レベル特定手段により特定された前記第一のエコ運転レベルと、前記第二のエコ運転レベルとを、前記表示手段に並行して表示させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項9】
請求項8に記載の車載装置において、
前記制御手段は、前記第一のエコ運転レベルを特定すると共に、前記第二のエコ運転レベルを特定した場合、特定した前記第一のエコ運転レベルと前記第二のエコ運転レベルを、前記表示手段に同時に表示させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項10】
請求項4から請求項9のいずれかに記載の車載装置において、
前記制御手段は、自車両の運転が開始された時点を起点とした期間における前記エコ運転レベルを、前記エコ運転レベル特定手段により特定させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項11】
請求項10に記載の車載装置において、
前記車載装置は、ドライバの変更を検知するドライバ変更検知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記ドライバ変更検知手段によりドライバの変更が検知された場合、ドライバの変更が検知された時点を起点とした期間における前記エコ運転レベルを、前記エコ運転レベル特定手段により新たに特定させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項12】
請求項4から請求項11のいずれかに記載の車載装置において、
前記制御手段は、前記エコ運転レベル特定手段に前記エコ運転レベルを特定させると、自車両の停止中に、前記エコ運転レベル特定手段により特定された前記エコ運転レベルを前記表示手段に表示させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項13】
請求項4から請求項11のいずれかに記載の車載装置において、
前記制御手段は、自車両が所定の走行状態である場合、前記表示手段に対し、前記第一のエコ運転レベルを最低レベルとして表示させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項14】
請求項13に記載の車載装置において、
前記制御手段は、自車両が前記所定の走行状態となった後、第二の時間が経過した際に、前記表示手段に対し、前記第一のエコ運転レベルを最低レベルとして表示させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項15】
請求項4から請求項14のいずれかに記載の車載装置において、
前記車載装置は、前記エコ運転レベル特定手段が、前記エコ運転レベルの特定を適切に行うことができるか否かを判定する異常判定手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記異常判定手段により、前記エコ運転レベル特定手段が前記エコ運転レベルの特定を適切に行うことができると判定された場合に限り、前記エコ運転レベル特定手段に前記エコ運転レベルを特定させること、
を特徴とする車載装置。
【請求項16】
請求項4から請求項14のいずれかに記載の車載装置において、
前記車載装置は、前記エコ運転レベル特定手段が、前記エコ運転レベルの特定を適切に行うことができるか否かを判定する診断手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記エコ運転レベル特定手段により特定された前記エコ運転レベルに係る前記判定期間に、前記診断手段により前記エコ運転レベルの特定を適切に行うことができないと判定された期間である異常期間が含まれている場合、前記エコ運転レベルに対し、前記判定期間と前記異常期間とに基づき補正を行うこと、
を特徴とする車載装置。

【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−38647(P2010−38647A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200007(P2008−200007)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】