説明

車載通信装置

【課題】携帯電話に備えられた操作部や表示部を利用することなく、携帯電話から公衆無線通信網を介して入金決済を行う。
【解決手段】ユーザに入金決済の指示を確認し(S100)、入金決済の指示が確認された場合、携帯電話2に決済機能の起動を指示し(S102)、入金決済のために必要な情報(認証情報、入金金額など)をセンタ3へ送信するように携帯電話2に指示する(S114)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済機能を有する携帯電話と通信する車載通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スーパーやコンビニエンスストア等で決済機能付き携帯電話を利用して料金支払いの決済を行うシステムが実用化されている。このような携帯電話は、例えば、公衆無線通信網(例えば、パケット通信網)を介して特定のサイトへアクセスし、予め登録しておいた銀行口座等から残高を移し替えて入金(チャージ)することが可能となっている。
【0003】
なお、このような通信による料金決済を行う装置として、自動車に狭帯域無線機とカードリーダライタを備え、自動車が路側に設置されたインフラ側アンテナの通信エリアに入ると、自動車に備えられた狭帯域無線機とインフラ側アンテナとの間で行われる狭帯域通信を介して、プリペイド管理会社とカードリーダライタに装着されたICカード(プリペイドカード)との間で料金決済のためのデータの送受信が行われ、振込、入金等の料金決済を実施できるようにしたシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2002−170062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載のシステムは、自動車が路側に設置されたインフラ側アンテナの狭帯域通信エリア内といった非常に狭いエリア内に位置する場合にしか料金決済を行うことができない。
【0005】
また、携帯電話から公衆無線通信網を介して特定のサイトへアクセスして、入金(チャージ)のための操作を行う場合、公衆無線通信網のサービスエリア内であれば、どこでも携帯電話を操作して入金(チャージ)することが可能であるが、携帯電話の操作部や表示部は比較的小さいため操作性がよくない。また、自動車の運転中に携帯電話の操作を行うのは危険であるため、運転中に入金決済のための操作を行うのは困難である。
【0006】
本発明は上記点に鑑みたもので、携帯電話に備えられた操作部や表示部を利用することなく、携帯電話から公衆無線通信網を介して入金決済を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の特徴は、ユーザに入金決済の指示を確認する第1の確認手段と、第1の確認手段によって入金決済の指示が確認された場合、携帯電話に決済機能の起動を指示する起動指示手段と、ユーザに入金決済のために必要な情報を確認する第2の確認手段と、第2の確認手段によって確認された入金決済のために必要な情報をセンタへ送信するように携帯電話に指示する情報送信指示手段と、を備えたことである。
【0008】
このような構成では、ユーザに入金決済の指示を確認し、入金決済の指示が確認された場合、携帯電話に決済機能の起動の指示がなされ、ユーザに確認した入金決済のために必要な情報をセンタへ送信するように携帯電話に指示がなされる。したがって、携帯電話に備えられた操作部や表示部を利用することなく、携帯電話から公衆無線通信網を介して入金決済を行うことができる。
【0009】
また、本発明の第2の特徴は、ユーザの操作面へのタッチ操作の位置を検出するタッチスイッチにより指示内容を確認するタッチスイッチモードとユーザが発する音声を認識して指示内容を確認する音声認識モードと、を有し、車両が走行中であるか否かを判定する走行状態判定手段を備え、第2の確認手段は、走行状態判定手段によって車両が走行中でないと判定された場合、タッチスイッチモードにて入金決済のために必要な情報を確認し、走行状態判定手段によって車両が走行中であると判定された場合、音声認識モードにて入金決済のために必要な情報を確認することである。
【0010】
このような構成では、車両が走行中でないと判定された場合、タッチスイッチモードにて入金決済のために必要な情報が確認され、車両が走行中であると判定された場合、音声認識モードにて入金決済のために必要な情報が確認される。したがって、車両が走行中でない場合、ユーザはタッチスイッチへのタッチ操作により入金決済のために必要な情報を指示することができ、車両が走行中の場合、ユーザは入力操作を行うことなく、音声にて入金決済のために必要な情報を指示することが可能である。
【0011】
また、本発明の第3の特徴は、ユーザに入金決済の指示を確認する第1の確認手段と、第1の確認手段によって入金決済の指示が確認された場合、携帯電話に決済機能の起動を指示する起動指示手段と、入金決済のために必要な情報を記憶する記憶手段と、記憶手段から入金決済のために必要な情報を読み出して、入金決済のために必要な情報をセンタへ送信するように携帯電話に指示する情報送信指示手段と、を備えたことである。
【0012】
このような構成では、ユーザに入金決済の指示を確認し、入金決済の指示が確認された場合、携帯電話に決済機能の起動の指示がなされ、記憶手段から入金決済のために必要な情報を読み出して、入金決済のために必要な情報をセンタへ送信するように携帯電話に指示がなされる。したがって、ユーザは、予め入金決済のために必要な情報を記憶手段に記憶させる操作を実施しておけば、入金決済の指示をするだけで携帯電話から公衆無線通信網を介して入金決済を行うことが可能である。
【0013】
また、本発明の第4の特徴は、ユーザによって特定された施設を検索する施設検索手段と、施設検索手段によって携帯電話の決済機能を利用した料金支払いが可能な施設が検索された場合、携帯電話から残高を示す情報を取得する残高情報取得手段と、残高情報取得手段によって取得された残高を示す情報に基づいて表示装置の表示画面に残高を表示させる残高表示手段と、を備えたことである。
【0014】
このような構成では、携帯電話の決済機能を利用した料金支払いが可能な施設が検索された場合、携帯電話から取得した残高を示す情報に基づいて表示装置の表示画面に残高が表示されるので、ユーザは表示装置の表示画面で残高を確認することができる。
【0015】
また、本発明の第5の特徴は、残高情報取得手段によって取得された残高が予め設定された設定金額以下であるか否かを判定する残高判定手段を備え、第1の確認手段は、残高判定手段によって残高が設定金額以下であると判定された場合、ユーザに入金決済の指示を確認することである。
【0016】
このような構成では、残高が設定金額以下であると判定された場合、ユーザに入金決済の指示の確認がなされるので、ユーザはこの指示にしたがって、事前に入金決済の指示を行うことが可能である。
【0017】
また、本発明の第6の特徴は、携帯電話から入金決済のための処理が完了したことを示す完了通知を受信した場合、入金決済のための処理が完了したことをユーザに通知する完了通知手段を備えたことである。
【0018】
このような構成では、携帯電話から入金決済のための処理が完了したことを示す完了通知を受信した場合、入金決済のための処理が完了したことがユーザに通知されるので、ユーザはこの通知により入金決済のための処理が完了したことを確認することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る車載通信装置、決済機能付き携帯電話およびセンタの全体構成を図1に示す。本実施形態における車載通信装置は車載ナビゲーション装置1として構成されている。車載ナビゲーション装置1と決済機能付き携帯電話2は、それぞれブルートゥースによる通信機能を備えており、該ブルートゥースによる相互通信が可能となっている。また、決済機能付き携帯電話2は、ユーザの操作に応じて決済機能を起動すると公衆無線通信網(例えば、パケット通信網)を介してセンタ3に接続して該センタ3との間で決済のための通信を開始し、入金決済や残高表示を行うようになっている。
【0020】
車載ナビゲーション装置1のブロック構成を図2に示す。車載ナビゲーション装置1は、位置検出器10、地図データ入力器15、操作スイッチ群16、外部メモリ18、表示装置19、通信モジュール20、音声コントローラ21、スピーカ22、音声認識装置23、マイク24、リモコンセンサ25と、これら各装置が接続された制御装置17を備えている。
【0021】
位置検出器10は、いずれも周知の地磁気センサ11、ジャイロスコープ12、距離センサ13およびGPS受信機14等のセンサを有しており、これらセンサから現在位置を特定するための情報を制御装置17へ入力する。
【0022】
地図データ入力器15は、地図データが記憶された地図データ記憶媒体(図示せず)から、該地図データ記憶媒体に格納されている位置検出の精度向上のためのいわゆるマップマッチング用データ、地図データ及び目印データを含む各種データを入力するための装置である。地図データ記憶媒体としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、HDD等を用いてもよい。
【0023】
操作スイッチ群16は、表示装置19のディスプレイに重ねて設けられたタッチスイッチおよび表示装置19のディスプレイの周囲に設けられたメカニカルなスイッチ等によって構成され、ユーザの操作に応じた信号を出力する。
【0024】
外部メモリ18は、後述する制御装置17のメモリとは別に設けられる記憶部で、HDDなどから構成され、各種のデータやプログラムなどが記憶されるようになっている。
【0025】
表示装置19は、液晶、有機EL等のフルカラー表示が可能なディスプレイを有し、制御装置17から入力される映像信号に応じた映像をディスプレイに表示させる。
【0026】
通信モジュール20は、ブルートゥースによる無線通信を行うためのもので、ブルートゥースによる通信機能を有する外部機器と無線通信による相互通信を行う。
【0027】
音声認識装置23は、マイク24を介して入力される音声信号と、内部に記憶する認識辞書(図示せず)中の語彙データ(比較対象パターン)とを照合して音声認識を行い、音声認識の結果を音声コントローラ21に出力する。
【0028】
音声コントローラ21は、音声認識装置23の認識結果を制御装置17へ出力するとともに、制御装置17から入力される音声信号をスピーカ22へ出力する。また、音声コントローラ21は、マイク24から入力される音声信号に応じた音声をスピーカ22からトークバック出力(音声出力)させる。
【0029】
マイク24は、ユーザの発する音声に応じた音声信号を音声認識装置23に入力するためのものである。
【0030】
リモコンセンサ25は、ユーザの操作に基づいて赤外線等による無線信号を送信するリモコン25aから受信した信号を制御回路24へ出力する。
【0031】
制御装置17は、CPU、メモリ、I/O等を備えたコンピュータとして構成されている。制御装置17のCPUは、メモリに記憶されたプログラムに従って各種処理を実行する。制御装置17のCPUが実行する処理としては、位置検出器10から入力される信号に基づいて自車位置を検出する自車位置検出処理、自車位置周辺の地図を表示する地図表示処理、目的地を検索する目的地検索処理、目的地に至る案内経路を探索する経路探索処理、案内経路に従って走行案内を行う経路案内処理等がある。
【0032】
次に、図3に従って、車載ナビゲーション装置1の制御装置17の処理について説明する。なお、ユーザが決済機能付き携帯電話2から公衆無線通信網を介してセンタ3に接続して決済処理を行う場合、予め必要な情報を登録しておく必要がある。ここでは、ユーザの決済機能付き携帯電話2の操作により、本人確認のための認証情報、入金(チャージ)する際の引き落とし口座等の決済処理に必要な情報が予めセンタ3に登録されているものとして説明する。また、既に車載ナビゲーション装置1と携帯電話2との間で認証処理が行われ、ブルートゥースによる相互通信が確立しているものとして説明する。
【0033】
まず、ユーザに入金決済の指示を確認する(S100)。具体的には、表示装置19の表示画面に入金(チャージ)の指示を確認するための「入金ボタン」を表示させ、タッチスイッチによって検出される「入金ボタン」の表示部へのタッチ操作に基づいて入金決済の指示を確認する。
【0034】
ユーザによる「入金ボタン」の表示部へのタッチ操作がない場合、図示してないが、S100の処理を繰り返す。
【0035】
また、ユーザによって「入金ボタン」の表示部がタッチ操作されると、次に、携帯電話2に決済機能の起動を指示する(S102)。具体的には、通信モジュール20を介して携帯電話2に決済機能の起動を指示する情報を送信する。
【0036】
携帯電話2は、この決済機能の起動を指示する情報を受信すると、決済機能を実施するためのプログラムを起動し、公衆無線通信網を介してセンタ3との間で通信接続を行うとともに、センタ3との間の通信が正常か否かを示す応答信号を制御装置17に返信する(S200)。
【0037】
このようにして携帯電話2とセンタ3との間で決済のための通信が開始される(S300)。
【0038】
次に、制御装置17は、走行中か否かを判定する(S104)。具体的には、距離センサ13から入力される信号から車速がゼロであると認識したか否かに基づいて車両が走行中か否かを判定する。
【0039】
本車載ナビゲーション装置1は、ユーザの表示装置19の表示画面(操作面)へのタッチ操作の位置を検出するタッチスイッチにより指示内容を確認するタッチスイッチモードと、ユーザが発する音声を認識して指示内容を確認する音声認識モードの2つのモードを有しており、車両が停車している場合、S104の判定はNOとなり、タッチスイッチモードとなる(S106)。以下、タッチスイッチモードにてユーザに入金決済に必要な情報を確認する。
【0040】
まず、認証情報を確認する(S110)。具体的には、認証情報の入力を促す画面を表示装置19に表示させ、ユーザのタッチ操作によって入力された情報を認証情報として特定する。この認証情報は、センタ3に登録されている認証情報との一致または不一致により認証を行う認証処理で用いられるもので、センタ3に登録されている認証情報と同じである必要がある。
【0041】
次に、入金金額を確認する(S112)。具体的には、入金金額の入力を促す画面を表示装置19に表示させ、ユーザのタッチ操作によって入力された情報を入金金額として特定する
次に、入金決済に必要な情報を携帯電話2へ送信する(S114)。具体的には、先のS110、S112にて確認した認証情報および入金金額をセンタ3へ送信するように携帯電話2に指示する。なお、この指示には、認証情報および入金金額が含まれる。
【0042】
この指示に応じて携帯電話2は、センタ3との間で入金決済処理を実施する(S202)。具体的には、入金決済に必要な情報(認証情報および入金金額)をセンタ3へ送信する。
【0043】
センタ3は、携帯電話2から入金決済に必要な情報(認証情報および入金金額)を受信すると、受信した認証情報と予め登録された認証情報との一致または不一致判定による認証処理を実施するとともに、認証情報が一致した場合には指定された入金金額の入金(チャージ)を受け付け、正常に入金の受け付けが完了すると携帯電話2へ完了通知を送信する入金処理を行う(S302)。
【0044】
携帯電話2は、センタ3からこの完了通知を受信すると、車載ナビゲーション装置1へ入金決済のための処理が完了したことを示す入金処理完了通知を送信する(S204)。
【0045】
制御装置17は、携帯電話2からこの入金処理完了通知を受信すると、表示装置19の表示画面に入金決済のための処理が完了したことをユーザに通知する(S116)。具体的には、表示装置19に入金決済のための処理が完了したことを示すメッセージを表示させる。
【0046】
次に、携帯電話2に決済機能の終了を指示する(S118)。具体的には、通信モジュール20を介して携帯電話2に決済機能の終了を指示する情報を送信する。
【0047】
携帯電話2は、この決済機能の起動を指示する情報を受信すると、決済機能を実施するためのプログラムを終了し、センタ3との間の通信を切断するとともに、決済機能を実施するためのプログラムが終了したことを示す応答信号を制御装置17に返信する(S206)。これにより携帯電話2とセンタ3との間の通信は終了する(S304)。
【0048】
制御装置17は、携帯電話2からの応答信号を受信すると、本処理を終了する。
【0049】
また、車両が走行中の場合、S104の判定はYESとなり、音声認識モードとなり(S108)、音声認識モードにて、認証情報を確認する(S110)。例えば、「パスワードを言って下さい」という問い掛けに対し、音声認識装置23によって認識されるユーザの音声の内容から認証情報を確認する。
【0050】
次に、入金金額を確認する(S112)。例えば、「入金金額を言ってください」という問い掛けに対し、音声認識装置23によって認識されるユーザの音声の内容から入金金額を確認し、S116へ進む。
【0051】
このように、車両が走行中の場合には、音声認識モードにて認証情報、入金金額等の入金決済に必要な情報の確認がなされる。
【0052】
上記した構成によれば、ユーザに入金決済の指示を確認し、入金決済の指示が確認された場合、携帯電話に決済機能の起動の指示がなされ、ユーザに確認した入金決済のために必要な情報をセンタへ送信するように携帯電話に指示がなされる。したがって、携帯電話に備えられた操作部や表示部を利用することなく、携帯電話から公衆無線通信網を介して入金決済を行うことができる。特に、運転中に携帯電話の操作部を操作して入金決済を行うのは安全上問題があるが、運転中であっても携帯電話に備えられた操作部や表示部を操作することなく入金決済を行うことができる。
【0053】
また、携帯電話とブルートゥースによる通信を行うので、携帯電話が車両のどの位置にあっても入金決済を行うことができる。また、ケーブル等の有線を用いて携帯電話と接続する必要がない。
【0054】
また、車両が走行中でないと判定された場合、タッチスイッチモードにて入金決済のために必要な情報が確認され、車両が走行中であると判定された場合、音声認識モードにて入金決済のために必要な情報が確認される。したがって、車両が走行中でない場合、ユーザはタッチスイッチへのタッチ操作により入金決済のために必要な情報を指示することができ、車両が走行中の場合、ユーザは入力操作を行うことなく、音声にて入金決済のために必要な情報を指示することが可能である。
【0055】
また、携帯電話から入金決済のための処理が完了したことを示す完了通知を受信した場合、入金決済のための処理が完了したことがユーザに通知されるので、ユーザはこの通知により入金決済のための処理が完了したことを確認することができる。
【0056】
また、本実施形態では、S100にて表示装置19の表示画面に入金(チャージ)の指示を確認するための「入金ボタン」を表示させ、タッチスイッチによって検出される「入金ボタン」の表示部へのタッチ操作に基づいて入金決済の指示を確認する例を示したが、例えば、音声認識によってユーザに入金決済の指示を確認するようにしてもよい。
【0057】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る車載通信装置、決済機能付き携帯電話およびセンタの構成は、図1に示したものと同じである。以下、上記実施形態と同一部分には、同一符号を付して説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。
【0058】
上記第1実施形態では、携帯電話2に決済機能を起動させた後に、ユーザに認証情報、入金金額等の入金決済に必要な情報を確認して、入金決済のために必要な情報をセンタ3へ送信するように携帯電話2に指示する例を示したが、本実施形態では、予め入金決済に必要な情報をメモリに記憶させておき、このメモリから入金決済に必要な情報を読み出して、入金決済のために必要な情報をセンタ3へ送信するように携帯電話2に指示する。
【0059】
図4に、制御装置17による入金決済に必要な情報をメモリに記憶させる処理を示す。ユーザがメニュー画面に従って入金設定画面の表示を指示する操作を行うと、制御装置17は、図4に示す処理を開始する。
【0060】
まず、入金設定画面を表示装置19の表示画面に表示させる(S400)。これにより、認証情報、入金金額等の入金決済に必要な情報を設定するための入金設定画面が表示される。
【0061】
次に、認証情報を特定する(S402)。具体的には、入金設定画面から認証情報の入力を促す画面を表示させ、タッチスイッチによって検出されるユーザのタッチ操作に基づいて認証情報を特定する。
【0062】
次に、入金金額を特定する(S404)。具体的には、入金設定画面から入金金額の入力を促す画面を表示させ、タッチスイッチによって検出されるユーザのタッチ操作に基づいて入金金額を特定する。例えば、1000円、3000円、5000円、7000円といった金額を選択可能に表示させ、ユーザのタッチ操作によって選択された金額を入金金額として特定する。
【0063】
次に、S402、S404にて特定した認証情報、入金金額をメモリに記憶させ(S406)、本処理を終了する。
【0064】
上記した処理により、認証情報、入金金額等の入金決済に必要な情報がメモリに記憶される。
【0065】
図5に、第2実施形態に係る制御装置17のフローチャートを示す。制御装置17は、ユーザに入金決済の指示を確認し(S100)、入金決済の指示が確認されると、次に、携帯電話2に決済機能の起動を指示する(S102)。
【0066】
制御装置17は、携帯電話2から応答信号が返信されると、メモリを参照する(S120)。具体的には、メモリから図4に示した処理によって記憶された認証情報、入金金額等の入金決済に必要な情報を読み出す。
【0067】
次に、メモリから読み出した入金決済に必要な情報を携帯電話2へ送信する(S114)。具体的には、先のS110、S112にて確認した認証情報および入金金額をセンタ3へ送信するように携帯電話2に指示し、S116へ進む。
【0068】
このように、入金決済の指示が確認されると、入金決済に必要な情報がメモリから読み出され、携帯電話2へ送信される。そして、携帯電話2からセンタ3へ、この入金決済に必要な情報が送信され、センタ3にて認証処理、入金処理が行われる。
【0069】
上記した構成によれば、ユーザに入金決済の指示を確認し、入金決済の指示が確認された場合、携帯電話に決済機能の起動の指示がなされ、メモリから入金決済のために必要な情報を読み出して、入金決済のために必要な情報をセンタへ送信するように携帯電話に指示がなされる。したがって、ユーザは、予め入金決済のために必要な情報をメモリに記憶させる操作を実施しておけば、例えば、入金(チャージ)の指示を確認するための「入金ボタン」をタッチ操作するだけで、入金決済の指示をするだけで携帯電話から公衆無線通信網を介して入金決済を済ませることが可能である。
【0070】
(第3実施形態)
本実施形態に係る車載ナビゲーション装置1は、車載ナビゲーション装置の周辺施設検索により、スーパーやコンビニエンスストアのような決済機能付き携帯電話を利用した料金支払いが可能な施設が検索された場合、決済機能の残高を表示する機能や、更に、決済機能の残高が予め設定された金額以下の場合には、ユーザに入金決済の指示を促す機能を備えている。
【0071】
なお、周辺施設検索は、「ガソリンスタンド」、「スーパー」、「コンビニ」、「駐車場」等の施設を表示させ、これらの中から、例えば、ユーザによって「コンビニ」の表示部がタッチ操作されると、地図データから現在位置の周辺にあるコンビニエンスストアを検索して表示する機能である。
【0072】
図6に、第3実施形態に係る制御装置17のフローチャートを示す。制御装置17は、ユーザの操作により周辺施設検索の指示がなされると、図に示す処理を開始する。
【0073】
まず、周辺施設検索を実施する(S150)。具体的には、上記したように「ガソリンスタンド」、「スーパー」、「コンビニ」、「駐車場」等の施設を選択可能に表示装置19の表示画面に表示させ、ユーザによって選択された施設を地図データから検索し、検索された現在位置周辺の施設を表示装置19に表示させる。
【0074】
本実施形態では、スーパーとコンビニエンスストアを、決済機能付き携帯電話2を利用した料金支払いが可能な施設とし、「スーパー」または「コンビニ」を検索対象として周辺施設検索が実施された場合には、S152へ進み、「スーパー」と「コンビニ」以外の施設を検索対象として周辺施設検索が実施された場合には、本処理を終了する。
【0075】
先のS150にて、「スーパー」または「コンビニ」を検索対象として周辺施設検索を実施した場合、次に、携帯電話2から決済機能の残高を取得する(S152)。具体的には、携帯電話2に決済機能の残高を要求する情報を送信すると、携帯電話2を介してセンタ3へ残高の要求がなされ、携帯電話2から残高を示す情報が通知される。このようにして携帯電話2から決済機能の残高を取得する。
【0076】
次に、取得した残高を示す情報に基づいて表示装置19の表示画面に残高を表示させる(S152)。
【0077】
次に、残高が予め設定された設定金額以下であるか否かを判定する(S156)。本実施形態では、ユーザがメニュー画面に従って予め設定金額を設定し、この設定金額はメモリに記憶されるようになっており、残高がメモリに記憶された設定金額以下であるか否かを判定する。
【0078】
残高が設定金額以下の場合、S152の判定はYESとなり、図3のS100へ進む。すなわち、表示装置19の表示画面に入金(チャージ)の指示を確認するための「入金ボタン」を表示させて、ユーザに入金決済の指示を確認する。
【0079】
また、残高が設定金額よりも多い場合、S152の判定はNOとなり、入金決済の指示を確認することなく、本処理を終了する。
【0080】
上記した構成によれば、携帯電話の決済機能を利用した料金支払いが可能な施設が検索された場合、携帯電話から取得した残高を示す情報に基づいて表示装置の表示画面に残高が表示されるので、ユーザは表示装置の表示画面で残高を確認することができる。
【0081】
また、残高が設定金額以下であると判定された場合、ユーザに入金決済の指示の確認がなされるので、ユーザはこの指示にしたがって、事前に入金決済の指示を行うことが可能である。
【0082】
なお、本実施形態では、スーパーとコンビニエンスストアを、決済機能付き携帯電話2を利用した料金支払いが可能な施設として説明したが、これらの施設は一例であり、決済機能付き携帯電話2を利用した料金支払いが可能な施設としては、これらの施設に限定されるものではない。
【0083】
また、本実施形態では、S156でYESと判定された場合、図3のS100へ進み、入金決済の指示を確認する例を示したが、図5のS100へ進み、入金決済に指示を確認するようにしてもよい。
【0084】
また、本実施形態では、S150において周辺施設検索により決済機能付き携帯電話2を利用した料金支払いが可能な施設が検索対象として検索された場合にS152へ進む例を示したが、例えば、目的地検索によって決済機能付き携帯電話2を利用した料金支払いが可能な施設が目的地や経由地として設定された場合にS152へ進むようにしてもよい。
【0085】
(その他の実施形態)
上記実施形態において、車載ナビゲーション装置を用いて車載通信装置を構成した例を示したが、車載ナビゲーション装置を用いることなく、車載通信装置を構成してもよい。
【0086】
また、上記実施形態では、車載ナビゲーション装置1と携帯電話2との間でブルートゥースによる通信を行うように構成した例を示したが、ブルートゥースによる通信に限定されるものではなく、例えば、赤外線通信や有線通信により通信を行うように構成してもよい。
【0087】
上記第1実施形態では、図3のS104において、距離センサ13から入力される信号から車速がゼロであると判定されたか否かに基づいて車両が停車中であるか否かを判定する例を示したが、このような車速による判定に限られるものではなく、例えば、制御装置17に、車両からパーキングブレーキの状態を示す信号およびイグニッションスイッチの操作位置を示す信号が入力されるように構成し、距離センサ13から入力される信号から車速がゼロであると判定され、かつ、パーキングブレーキがオン状態(パーキングブレーキが効いている状態)であることを示す信号が入力され、かつ、イグニッションスイッチがオフ位置にあることを示す信号が入力されている場合に、停車中であると判定してもよい。
【0088】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、S100が第1の確認手段に相当し、S102が起動指示手段に相当し、S114が情報送信指示手段に相当し、S110、S112が第2の確認手段に相当し、S104が走行状態判定手段に相当し、制御装置17のメモリが記憶手段に相当し、S150が施設検索手段に相当し、S152が残高情報取得手段に相当し、S154が残高表示手段に相当し、S156が残高判定手段に相当し、S116が完了通知手段に相当する。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車載通信装置、決済機能付き携帯電話およびセンタの全体構成を示す図である。
【図2】車載ナビゲーション装置のブロック構成を示す図である。
【図3】第1実施形態における制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図4】第2実施形態における制御装置の入金決済に必要な情報をメモリに記憶させる処理を示すフローチャートである。
【図5】第2実施形態における制御装置の処理を示すフローチャートである。
【図6】第3実施形態に係る制御装置の処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0090】
1…車載ナビゲーション装置、2…決済機能付き携帯電話、3…センタ、
10…位置検出器、11…地磁気センサ、12…ジャイロスコープ、
13…距離センサ、14…GPS受信機、15…地図データ入力器、
16…操作スイッチ群、17…制御装置、18…外部メモリ、19…表示装置、
20…通信モジュール、21…音声コントローラ、22…スピーカ、
23…音声認識装置、24…マイク、25…リモコンセンサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
決済機能を有する携帯電話と通信する車載通信装置であって、
前記携帯電話は、前記決済機能が起動されると公衆無線通信網を介してセンタに接続し、該センタとの間で決済のための通信を行うようになっており、
ユーザに入金決済の指示を確認する第1の確認手段と、
前記第1の確認手段によって前記入金決済の指示が確認された場合、前記携帯電話に前記決済機能の起動を指示する起動指示手段と、
ユーザに前記入金決済のために必要な情報を確認する第2の確認手段と、
前記第2の確認手段によって確認された前記入金決済のために必要な情報を前記センタへ送信するように前記携帯電話に指示する情報送信指示手段と、を備えたことを特徴とする車載通信装置。
【請求項2】
ユーザの操作面へのタッチ操作の位置を検出するタッチスイッチにより指示内容を確認するタッチスイッチモードとユーザが発する音声を認識して指示内容を確認する音声認識モードと、を有し、
前記車両が走行中であるか否かを判定する走行状態判定手段を備え、
前記第2の確認手段は、前記走行状態判定手段によって前記車両が走行中でないと判定された場合、前記タッチスイッチモードにて前記入金決済のために必要な情報を確認し、前記走行状態判定手段によって前記車両が走行中であると判定された場合、前記音声認識モードにて前記入金決済のために必要な情報を確認することを特徴とする請求項1に記載の車載通信装置。
【請求項3】
決済機能を有する携帯電話と通信する車載通信装置であって、
前記携帯電話は、前記決済機能が起動されると公衆無線通信網を介してセンタに接続し、該センタとの間で決済のための通信を行うようになっており、
ユーザに入金決済の指示を確認する第1の確認手段と、
前記第1の確認手段によって前記入金決済の指示が確認された場合、前記携帯電話に前記決済機能の起動を指示する起動指示手段と、
前記入金決済のために必要な情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から前記入金決済のために必要な情報を読み出して、前記入金決済のために必要な情報を前記センタへ送信するように前記携帯電話に指示する情報送信指示手段と、を備えたことを特徴とする車載通信装置。
【請求項4】
ユーザによって特定された施設を検索する施設検索手段と、
前記施設検索手段によって前記携帯電話の前記決済機能を利用した料金支払いが可能な施設が検索された場合、前記携帯電話から残高を示す情報を取得する残高情報取得手段と、
前記残高情報取得手段によって取得された残高を示す情報に基づいて前記表示装置の表示画面に残高を表示させる残高表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車載通信装置。
【請求項5】
前記残高情報取得手段によって取得された前記残高が予め設定された設定金額以下であるか否かを判定する残高判定手段を備え、
前記第1の確認手段は、前記残高判定手段によって前記残高が前記設定金額以下であると判定された場合、ユーザに前記入金決済の指示を確認することを特徴とする請求項4に記載の車載通信装置。
【請求項6】
前記携帯電話から前記入金決済のための処理が完了したことを示す完了通知を受信した場合、前記入金決済のための処理が完了したことをユーザに通知する完了表示手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車載通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−334793(P2007−334793A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−168523(P2006−168523)
【出願日】平成18年6月19日(2006.6.19)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】