説明

転がり軸受

【課題】クリープの発生を極力抑えながらクリープ発生時のクリープトルクを軽減した転がり軸受を提供すること。
【解決手段】少なくとも、相対的に回転可能に配設した外輪10及び内輪20と、該外輪及び内輪の間に転動自在に組み込まれる複数個の転動体40とからなり、外輪がハウジング(図示しない)に嵌合されるとともに内輪が軸(図示しない)に嵌合されて当該軸とハウジングの間の回転を支える転がり軸受において、ハウジングの嵌合面(図示しない)と外輪の外径面13との間、又は軸の嵌合面と内輪の内径面23との間のいずれか一方若しくは双方に、ハウジングの嵌合面と外輪の外径面の間、又は軸の嵌合面と内輪の内径面との間の摩擦係数を抑えた弾性材からなるOリング30が備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファンモーター等で、モーターハウジングと嵌合してファンモーター等の軸とモーターハウジングの間の回転を支える用途で用いられる転がり軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばファンモーター等で用いられる転がり軸受では、図6の転がり軸受の径方向の断面に示すように、内輪20及びその内輪20の外周を覆うように配される外輪10が相対的に回転可能に配設され、内輪20の外径面には内輪軌道21が周方向に連続して備えられ、外輪10の内径面には外輪軌道11が周方向に連続して備えられ、当該内輪軌道21と外輪軌道11との間には、複数個の転動体40が保持器41によって等間隔に保持されて転動自在に組み込まれている。
【0003】
さらに、外輪10と内輪20との間には、軸受の側面で軸受内部を密封するためのシール部材42が組み込まれている。このシール部材42として図面では、シールド構造のシール部材を例示しているが、転がり軸受の構成や種類に応じて接触シールや非接触シールが提供される場合もある。なお、転動体40として図面では、玉を例示しているが、転がり軸受の構成や種類に応じて、コロが適用される場合もある。
【0004】
そして、転がり軸受の外輪10はファンモーターを収容するハウジング(モーターハウジング:図示しない)と嵌合固定され、内輪20はファンモーターの回転軸(図示しない)と嵌合固定されることにより、当該軸とモーターハウジング間は転がり軸受によって回転可能に支えられている。
ところが、転がり軸受の外輪10とモーターハウジングとが嵌合する面において、嵌合固定された外輪10が、内輪20の回転方向と相対回転してしまう現象、所謂クリープが発生することが知られている。このクリープが発生すると、嵌合面の摩耗に至り、転がり軸受の機能を損なってしまうことがある。そこで、このようなクリープの発生を防止するために、従来は、転がり軸受の外輪とモーターハウジングをキーやピンによって連結したり、外輪とモーターハウジングを接着剤で固定したりするなどしてクリープを外力によって抑えたり、モーターハウジングと外輪との隙間を小さくする方法や、弾性体によってクリープ運動を抑止する方法が知られている。
【0005】
図6に示す例では、外輪10の外径面13に形成した凹溝(周方向溝)12に弾性体(例えば所定の硬度のゴム製Oリング30)を嵌入し、当該弾性体の弾性力によって外輪をモーターハウジングに固定している。
具体的には、外輪10の外径面13には、周方向に連続した径方向断面矩形状の凹溝(周方向溝)12が、軸方向に間隔をあけて複数本設けられている。例えば、図6では軸方向に間隔をあけて2本の凹溝12が配されている。さらに、この凹溝12にOリング30が嵌め合わされる。なお、Oリング30の外径寸法は、外輪10の外径寸法よりも大径に形成され、外輪10の凹溝12に嵌め合わされた場合には、Oリング30の外径側が外輪10の外径面13から突出する(特許文献1、特許文献2)。
【0006】
これにより、Oリング30の外径がモーターハウジングの嵌合面と外輪10との間に介在して、ゴムの弾性力で突っ張ることにより、Oリング30とモーターハウジングの嵌合面との間に、クリープの相対回転トルクに打ち勝つ摩擦力を生み出してクリープの発生を阻止しようとするものである。
このような方法によれば、Oリング30の厚みによってモーターハウジングと外輪10との隙間を小さくする効果と、Oリング30の緊迫力によって外輪10に密着しつつゴムの弾性で外輪10とモーターハウジングとの間に摩擦力を生み出してクリープによる外輪10の相対回転の運動を抑止する効果を期待することができる。
【特許文献1】特開2002−130309
【特許文献2】特開2004−176785
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来では、軸受の外輪10とモーターハウジングとの間の摩擦力を大きくすることによって、外輪10をモーターハウジングに強固に固定してクリープが発生しないようにしていたが、クリープを発生させようとする応力が摩擦力を上回るか、摩擦力が一時的に低下するなどの要因によって、クリープが発生してしまうこともあった。そして、一旦クリープが発生した場合には、外輪10の相対回転によって異常に大きなトルク(クリープトルク)がもたらされ、このときのクリープトルクが外輪とモーターハウジングとの間に作用することによって支障を来たす虞もある。
【0008】
ところで、クリープトルクMは、遠心荷重Pと外輪Dの半径と摩擦係数μとを乗じることで算定され、その大きさは、例えばM=μ・P・(D/2)の式で表わすことができる。
この場合において、半径(D/2)及び所定回転時の遠心荷重Pを定数として考えれば、クリープトルクMを小さく抑えるためには、唯一の変数である摩擦係数μの値を小さく抑えればよいことがわかる。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その目的は、クリープの発生を極力抑えながらクリープ発生時のクリープトルクを軽減した転がり軸受を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を達成するために、本発明は、少なくとも、相対的に回転可能に配設した外輪及び内輪と、該外輪及び内輪の間に転動自在に組み込まれる複数個の転動体とからなり、外輪がハウジングに嵌合されるとともに内輪が軸に嵌合されて当該軸とハウジングの間の回転を支える転がり軸受において、ハウジングの嵌合面と外輪の外径面との間、又は軸の嵌合面と内輪の内径面との間のいずれか一方若しくは双方に、ハウジングの嵌合面と外輪の外径面の間、又は軸の嵌合面と内輪の内径面との間の摩擦係数を抑えた弾性材からなるOリングが備えられている。その場合のOリングは、外輪の外径面に嵌合可能な円環状に形成されるとともに、少なくともハウジングの嵌合面と線接触する接触部を備えて、その径方向断面は多角形の形状に形成されても良い。
【0011】
また、外輪の外径面には、Oリングを固定するためにOリングを嵌め込み可能な周方向に連続した凹溝が備えられ、その凹溝は、内底面とその内底面の両端から立ち上がる立ち上がり面を備え、その立ち上がり面に対向するOリングの各頂点は、当該立ち上がり面に当接して支持される。また、凹溝の内底面の両端から立ち上がる立ち上がり面間の幅寸法は、内底面に向けて広く形成されていても良い。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、クリープの発生を極力抑えながらクリープ発生時のクリープトルクを軽減した転がり軸受を提供することができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下本発明の実施の一形態を図に基づいて説明する。
本発明は、例えばファンモーターなどに組み込まれる転がり軸受であるが、特に、ファンモーターのモーターハウジングの嵌合面と外輪10の外径面13との間と、回転軸の嵌合面と内輪20の内径面23との間とのいずれか一方若しくは双方に備えられるクリープ防止手段としてのOリング30の構成に特徴を有している。即ち、前記Oリング30は、前記嵌合面と外輪10の外径面13との間や、嵌合面と内輪20の内径面23との間の摩擦係数が小さい弾性材で構成され、クリープトルクを小さくしているものであり、具体的な実施の形態を以下、図1乃至図5にて詳細に説明する。
【0014】
なお、このOリング30以外の軸受構成は前述した従来技術の軸受構成その他のこの種の軸受構成が採用可能であるため、ここでは本発明特有構成であるOリング30を中心に説明し、それ以外の構成についての説明は省略する。図1乃至図5では、Oリング30の構成として、外輪10の外径面13に嵌合可能な径方向断面が多角形の円環状に形成するとともに少なくとも嵌合面と線接触する接触部を備えている実施の一形態を示す。
【0015】
図1は本発明の一実施形態であり、本実施形態では、モーターハウジングの嵌合面と外輪10の外径面13との間のクリープを防止するために、外輪10の外径面13に設けた凹溝10にOリング30を嵌合して備えた実施の一形態である。
本実施形態のOリング30は、径方向で切断したときの断面形状が多角形、例えば奇数角形の一例として断面三角形状を採用し、その三角形状が周方向に連続して円環状に形成されている。なお、三角形の具体的な形状は図示例に限定解釈されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
そして、その三角形状の底辺34が凹溝12の内底面123と接触するように嵌合するとともに、その底辺34と対向する頂点(円環状に形成された周方向に同一高さをもって連続する)31が凹溝12内から外方に突出して嵌合面と線接触する。
従って、本実施形態によれば、この頂点31が接触部として機能する。なお、これら三角形を形成する頂点の角度は特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
【0016】
このような構成によれば、転がり軸受をモーターハウジングに嵌合固定すると、外輪10の外径面13とモーターハウジングの嵌合面との間には、外輪10の外径面13から突出したOリング30の接触部(頂点31)が介在することとなる。周方向に連続した頂点31によって接触部が形成されていることから、Oリング30は、嵌合固定によってOリング30が潰された形状に変形することを考慮しても、Oリング30の径方向断面形状が円形である場合と比較して、モーターハウジングの嵌合面に対して狭い面積で接触(線接触)する。従って、接触面積が小さいことから接触摩擦が軽減され、外輪10とモーターハウジングとの間の摩擦係数μを抑えることができるので、クリープが発生時のクリープトルクは比較的小さなトルクとなる。なお、Oリング30はモーターハウジングの嵌合面と接触して外輪10を固定しているので、クリープの発生を極力抑えることができる。
【0017】
また、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、以下のように変更しても良い。その変形例として、図2に示すOリング30は、径方向で切断したときの断面形状が断面五角形状(断面奇数多角形状)であり、その五角形状が周方向に連続して円環状に形成されている。なお、五角形の具体的な形状は図示例に限定解釈されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
この場合には、その五角形の底辺34が凹溝12の内底面123と接触するように嵌合するとともに、その底辺34と対向する頂点31が凹溝12内から外方に突出して嵌合面と線接触し、接触部として機能する。なお、頂点31(接触部)の角度は特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能である。これにより、接触部(頂点31)とモーターハウジングの嵌合面とは狭い面積で接触(線接触)するので、接触摩擦が軽減される。
【0018】
また、本実施形態では、五角形の全幅を構成する2つの頂点32,33と凹溝12の内底面123との距離D2を凹溝12の深さD1よりも短く形成している。
このような構成によれば、Oリング30に対して軸方向にずらすような応力が作用した場合には、その五角形の全幅を構成する2つの頂点32,33が、凹溝12の内底面123の両端から立ち上がる立ち上がり面121,122に当接して支持されるので、Oリング30が凹溝12から外れてしまうことがなく、嵌め合いが安定する。
【0019】
なお、Oリング30に対して軸方向にずらすような応力が作用したときに、Oリング30の2つの頂点32,33が立ち上がり面121,122に支持されるためには、凹溝12の幅寸法がOリング30の幅と同等か或いは僅かに広く形成されれば良い。なお、その他の構成及び作用効果は上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0020】
また、本発明は以下のように変更しても良い。その変形例として、図2に示すOリング30は、径方向で切断したときの断面形状が断面星形状であり、その星形状が周方向に連続して円環状に形成されている。星形状の具体的な形状は図示例に限定解釈されず本発明の範囲内で設計変更可能である。
この場合には、その星形状の図中下向きに配される2つの頂点34,35がその底辺34の凹溝12の内底面123と接触するように嵌合するとともに、その2つの頂点34,35と対向する頂点31が凹溝12内から外方に突出して嵌合面と線接触し、接触部として機能する。なお、これら星形状を形成する頂点31(接触部)の角度は特に限定されず本発明の範囲内で設計変更可能である。これにより、接触部(頂点31)とモーターハウジングの嵌合面とは狭い面積で接触(線接触)するので、接触摩擦が軽減される。
【0021】
この場合も、Oリング30の径方向断面が五角形状の場合と同様に、星形状の全幅を構成する2つの頂点32,33と凹溝12の内底面123との距離D2は、凹溝12の深さD1よりも短く形成されていることが好ましい。なお、その他の構成及び作用効果は上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0022】
さらに、上述した実施形態において、Oリング30の径方向断面を形成する多角形の各頂点がなだらかに形成されていても良い。例えば図4は、星形状に形成された径方向断面の各頂点をなだらかに形成した場合を示す。
この場合にも、Oリング30の径方向断面が星形状の場合と同様に、頂点がなだらかに形成された星形状の図中下向きに配される2つの頂点が凹溝12の内底面123と接触するように嵌合するとともに、その2つの頂点と対向する頂点31が凹溝12内から外方に突出して嵌合面と線接触し、接触部として機能する。これにより、接触部(頂点31)とモーターハウジングの嵌合面とは狭い面積で接触(線接触)するので、接触摩擦が軽減される。
また、Oリング30の径方向断面が五角形状の場合と同様に、頂点がなだらかに形成された星形状の全幅を形成する2つの頂点32,33と凹溝12の内底面123との距離D2は、凹溝12の深さD1よりも短く形成されていることが好ましい。なお、その他の構成及び作用効果は上述した実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0023】
上述した各実施形態では、Oリング30の全体形状として、断面形状が多角形の円環状に形成しているが、断面形状が多角形以外の形態であってもよく、円環状に形成するとともに、少なくともモーターハウジングの嵌合面に線接触する接触部を備えているものであれば特に断面形状は限定解釈されるものではない。例えば図示はしないが、断面円形の円環状に形成するとともに、その外周に、周方向に連続する凸条部を備え、その凸条部の先端(頂点)が嵌合面と線接触する形態などがその一例として挙げられる。
また、本実施形態では、周方向に連続する単一の接触部を備えている実施の一例を説明したが、この接触部は本発明の範囲内で複数個備えることも可能である。
【0024】
また、Oリング30の材質は、上述の実施形態では一例として、ゴムや樹脂の弾性体による場合を示しているが、転がり軸受の設置環境や用途により要求される弾性の特性や硬さが変動し、その要求にあわせた材質が選択可能であるので、ここでは特に限定しない。例えば、上述の実施形態ではOリング30の接触部(頂点31)とモーターハウジングの嵌合面とは狭い面積で接触(線接触)することで接触摩擦を軽減しているが、このようなOリング30の形状的特徴に加えて、Oリング30の材質として摩擦係数を抑えた材質を選択することもできる。
【0025】
また、上述の実施形態では、転がり軸受のOリング31が嵌め合わされる凹溝12は径方向断面が矩形となるように形成されているので、Oリング30を凹溝12に対して強固に固定することができる。例えば、図1の径方向断面が三角形状のOリング30が凹溝12に嵌め合わされる場合を挙げて説明すると、凹溝12の内底面123に、Oリング30の三角形の底辺34が沿わされて嵌め合わされている。これにより、凹溝12の内底面123とOリング30とは広い面積で接触するので、Oリング30がその弾性材の緊迫力によって外輪10にしっかりと密着する。従って、内底面123とOリング30との間には大きな摩擦力が作用して強固に固定される。なお、凹溝12の数や配置間隔については、本実施形態では一例として、軸方向に間隔をあけて2本備えた場合を示しているが、転がり軸受の設置環境や用途により凹溝12の本数は増減可能である。
【0026】
また、上述した実施形態では、周溝12の径方向断面形状が矩形状に形成された場合を説明したが、凹溝12の立ち上がり面121,122は、外輪10の外径面13に対して垂直な角度を有していなくても良く、例えば、凹溝12の立ち上がり面121,122の幅寸法は内底面123に向けて広く形成されていても良い。具体的には図5に示すように、凹溝12の立ち上がり面121,122間の幅寸法は、外輪10の外径面13側の幅寸法W2よりも内底面123側の幅寸法W1の方が広く設定され、所謂蟻溝形状に形成されている。このような構成によれば、立ち上がり面121,122の幅寸法は内底面123側の幅寸法に対して外径面13側の幅寸法が狭くなるので、Oリング30を嵌め合わせた場合には、Oリング30の全幅を構成する2つの頂点(例えば図2中符号32,33)が、凹溝12の外径面13側の立ち上がり面121,122と常に当接した状態となって支持され、Oリング30に対して軸方向にずらすような応力が作用しても、Oリング30が凹溝12から外れてしまうことがなく、嵌め合いがさらに安定する。
【0027】
さらに、本実施形態では、Oリング30が外輪10の外径面13に嵌合される実施の一形態を示したが、これに代えて、モーターハウジングの嵌合面に周方向に連続する凹溝12を設け、該凹溝12内にOリング30を嵌合させることも可能で本発明の範囲内である。また、内輪20の内径面23や、回転軸側にOリング30を備えることも本発明の範囲内である。
また、凹溝12を備えない形態の場合、例えば外輪10の外径面13などに直接Oリング30を嵌合させるものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る転がり軸受の構成を示す断面図。
【図2】本発明の変形例に係る転がり軸受の構成を示す断面図。
【図3】本発明の他の変形例に係る転がり軸受の構成を示す断面図。
【図4】本発明の他の変形例に係る転がり軸受の構成を示す断面図。
【図5】凹溝の他の形状を示す断面図。
【図6】従来の転がり軸受の構成を示す断面図。
【符号の説明】
【0029】
10 外輪
20 内輪
30 Oリング
40 転動体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、相対的に回転可能に配設した外輪及び内輪と、該外輪及び内輪の間に転動自在に組み込まれる複数個の転動体とからなり、外輪がハウジングに嵌合されるとともに内輪が軸に嵌合されて当該軸とハウジングの間の回転を支える転がり軸受において、
ハウジングの嵌合面と外輪の外径面との間、又は軸の嵌合面と内輪の内径面との間のいずれか一方若しくは双方に、ハウジングの嵌合面と外輪の外径面の間、又は軸の嵌合面と内輪の内径面との間の摩擦係数を抑えた弾性材からなるOリングが備えられていることを特徴とする転がり軸受。
【請求項2】
Oリングは、外輪の外径面に嵌合可能な円環状に形成されるとともに、少なくともハウジングの嵌合面と線接触する接触部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項3】
Oリングの径方向断面は、多角形の形状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の転がり軸受。
【請求項4】
断面多角形の角数は奇数であることを特徴とする請求項3に記載の転がり軸受。
【請求項5】
外輪の外径面には、Oリングを嵌め込み可能な周方向に連続した凹溝が備えられ、当該凹溝にOリングが固定されることを特徴とする請求項3又は4に記載の転がり軸受。
【請求項6】
凹溝は、内底面と、その内底面の両端から立ち上がる立ち上がり面を備え、その立ち上がり面に対向するOリングの各頂点は、当該立ち上がり面に当接して支持されることを特徴とする請求項5に記載の転がり軸受。
【請求項7】
凹溝の内底面の両端から立ち上がる立ち上がり面間の幅寸法は、内底面に向けて広く形成されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の転がり軸受。
【請求項8】
ファンモーターに使用されることを特徴する請求項1〜7のいずれかに記載の転がり軸受。
【請求項9】
外輪がモーターハウジングに嵌合されるとともに内輪が軸に嵌合されて、軸とモーターハウジングの間の回転を支える請求項1〜7のいずれかに記載の転がり軸受を用いたファンモーター。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−247695(P2007−247695A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−68672(P2006−68672)
【出願日】平成18年3月14日(2006.3.14)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】