説明

退出検出装置

【課題】本発明は、車両の本線道路から退出路への退出を精度良く検出することができる退出検出装置の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、車両の本線道路から退出路への退出を検出する退出検出装置において、車両に搭載され、車両周辺の道路区間線を検出する道路区間線検出手段(12、16)を備え、前記道路区間線検出手段の検出結果に基づいて、車両が本線道路の特定車線を走行している状態から所定の道路区画線を跨いだと判定した場合に、前記車両の退出路への退出を検出することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の本線道路から退出路への退出を検出する退出検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、道路情報を記憶した道路情報記憶手段と、道路上の自車位置を検出する自車位置検出手段と、車速を検出する車速検出手段と、記憶されている道路情報から属性の異なる道路を接続する接続路(ランプウェイ)を検出する接続路検出手段と、自車位置と検出された接続路に基づき、制御区間を設定する制御区間設定手段と、自動的に変速比を選択する自動変速装置と、前記制御区間内において、車速から変速比を変更し得る範囲を決定する変速比規制手段と、運転者の運転操作を検出する運転操作検出手段と、前記自動変速装置の選択する変速比を、所定の運転操作に基づき、決定された範囲内とするように設定する変速比設定手段とを有することを特徴とする車両制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−141491号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上述の従来技術では、上述の従来技術では、記憶されている道路情報から接続路を検出しているので、道路情報の精度や自車位置の検出精度によっては、接続路を精度良く検出できない虞がある。
【0004】
そこで、本発明は、車両の本線道路から退出路への退出を精度良く検出することができる退出検出装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、第1の発明は、車両の本線道路から退出路への退出を検出する退出検出装置において、
車両に搭載され、車両周辺の道路区間線を検出する道路区間線検出手段を備え、
前記道路区間線検出手段の検出結果に基づいて、車両が本線道路の特定車線を走行している状態から所定の道路区画線を跨いだと判定した場合に、前記車両の退出路への退出を検出することを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、第1の発明に係る退出検出装置において、
前記特定車線は、本線道路に設けられる登坂車線、又は登坂車線が無い区間における本線道路の路肩側の走行車線であることを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、第1の発明に係る退出検出装置において、
前記所定の道路区画線は、本線道路と退出路を区分ける破線であることを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、第1〜3のうちの何れかの発明に係る退出検出装置において、
前記道路区間線検出手段は、車体後部に取り付けられ車両後方の路面を撮像するバックカメラを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、車両の本線道路から退出路への退出を精度良く検出することができる退出検出装置が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
【0011】
図1は、本発明による退出検出装置の一実施例を含む退出路制御システムのシステム構成図である。本実施例の退出検出装置は、ナビゲーション装置の主要機能を実現するナビゲーションECU20を中心に構成される。ナビゲーションECU20は、通常的なECU(電子制御ユニット)と同様、図示しないバスを介して互いに接続されたCPU、ROM、及びRAM等からなるマイクロコンピュータとして構成されている。
【0012】
ナビゲーションECU20は、通常的なナビゲーション機能(例えば経路検索機能や経路案内機能)の他、以下で詳説する如く、後述する地図データ及び画像認識結果に基づいて、有料道路の退出路を検出する機能を有する。
【0013】
ナビゲーションECU20には、DVD、CD−ROM等の記録媒体上に地図データを保有する地図データベース22や、地図表示や経路案内表示を映像により出力する液晶ディスプレイ等の表示装置24、ユーザインターフェースとなるタッチパネル等の操作入力部26等が接続されている。
【0014】
地図データベース22には、地図データには、通常的な道路情報と同様、有料道路の合流点/分岐点(本線道路に対する退出路の退出地点)に各々対応する各ノードの座標情報、隣接するノードを接続するリンク情報、各リンクに対応する道路の幅員情報、各リンクのレーン情報(走行車線数や、例えば登坂車線の有無のような走行車線の種別)、各リンクに対応する国道・県道・高速道路等の道路種別、各リンクの通行規制情報及び各リンク間の通行規制情報等が含まれている。尚、退出路の退出地点の位置情報は、後述の如く、画像処理装置16の破線の検出結果(破線認識結果)に基づいて補正されてもよいし、新たに生成されて地図データベースに事後的に格納されてもよい。この目的のため、地図データベースはハードディスクのような書き込み可能な記録媒体により構成されるのが好ましい。
【0015】
ナビゲーションECU20は、自車位置検出手段28を備えている。自車位置検出手段28は、GPS(Global Positioning System)受信機、ビーコン受信機及びFM多重受信機や、車速センサやジャイロセンサ等の各種センサを含む。自車位置は、GPS受信機によりGPSアンテナを介してGPS衛星が出力するGPS信号に基づいて測位・演算される。測位方法は、単独測位や相対測位(干渉測位を含む。)等の如何なる方法であってもよいが、好ましくは精度の高い相対測位が用いられる。この際、自車位置は、車速センサやジャイロセンサ等の各種センサの出力や、ビーコン受信機及びFM多重受信機を介して受信される各種情報に基づいて補正されてよい。また、自車位置は、公知のマップマッチング技術により、不定期的に、地図データベース22内の地図データを用いて適宜補正されてよい。
また、ナビゲーションECU20には、画像処理装置16が接続されている。この画像処理装置16には、バックカメラ12が接続される。バックカメラ12は、車両後方の風景を下向きに撮像するように搭載され、例えば車両の背面のバックドアパネルに下向きに固定される。尚、バックカメラ12は、後述する破線認識のためのみならず、他の用途、例えば駐車時の後方視界を支援するために利用されてもよい。
【0016】
画像処理装置16は、ナビゲーションECU20からの破線認識指示に応答して動作し、バックカメラ12の撮像画像を受信及び処理することにより、本線道路と退出路を区分ける道路上にペイントされた太い破線(図3,図4参照)の存在を認識・検出する。この破線は、2以上の車線数がある本線道路で隣り合う走行車線を区分ける線70(図3,図4参照)とは、太さと各線分の長さが異なる。以下、破線という用語は、特に言及しない限り、本線道路と退出路を区分ける破線(図3,図4参照)を意味する。この破線は、その長手方向において所定間隔で特徴点を有するので、画像処理装置16においてパターンマッチング等により例えば線の太さや、破線の長さ、破線間の間隔などの既知の特徴に基づいて検出されてよい。画像処理装置16による破線の検出結果(破線認識結果)は、ナビゲーションECU20に供給される。
【0017】
画像処理装置16は、また、ナビゲーションECU20からのレーン認識指示に応答して動作し、バックカメラ12の撮像画像を受信及び処理することにより、車両の走行道路における車両両側の道路区画線を検出・認識する。画像処理装置16によるレーンの検出結果(道路区画線認識結果)は、ナビゲーションECU20に供給される。ナビゲーションECU20は、道路区画線認識結果と地図データベース22内のレーン情報とに基づいて、車両が複数の走行車線のうちのどの走行車線を走行しているかを検出することができる。
【0018】
ナビゲーションECU20には、車両制御ECU10が接続される。ナビゲーションECU20は、有料道路における退出路への車両の退出が検出された場合には、その旨を表す信号(退出検出信号)を車両制御ECU10に供給する。
【0019】
車両制御ECU10は、退出検出信号を受信すると、退出路を車両が適切に走行できるように、必要に応じて各種制御対象デバイスに各種制御指示を出して退出路制御を行う。
【0020】
上記の制御対象デバイスは、ブレーキ、エンジンやトランスミッションのような車両の運動を制御する運動制御装置のみならず、インジケータや、ディスプレイ、オーディオのような警報装置として機能できる装置を含む。
【0021】
車両制御ECU10には、CAN(controller area network)などの適切な通信ネットワークを介して、上記の制御デバイスの他、車両内の各種の電子部品(車速センサのような各種センサや各種ECU)が接続される。
【0022】
車両制御ECU10は、これら各種の電子部品との通信を介して、退出路制御の実行に必要な各種情報を取得する。例えば、運転操作情報を提供する各種電子部品として、例えばアクセルペダルの操作態様を検出するアクセル開度センサ(アクセルポジションセンサ)、シフトの操作位置を検出するシフトポジションセンサ、ブレーキペダルの操作態様を検出するブレーキストロークセンサ(ブレーキ踏力センサ、マスタシリンダ圧センサ)、及び、ステアリングハンドルの操作態様を検出するステアリングセンサ等がある。また、走行状態情報を提供する各種電子部品として、車速を検出する車輪速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ等がある。
【0023】
退出路制御は、退出路を車両が適切に走行できるように行う減速支援であるが、同趣旨の警報出力を含んでもよい。例えば、退出路制御は、車両の減速能力が通常時に比べて高くなるように、エンジン、トランスミッションなどの制御態様(エンジンブレーキ領域や変速比)を変更するものであってよい。或いは、退出路制御は、車両の現在の走行状態(車速等)に基づいて必要に応じてエンジン、トランスミッション、ブレーキを制御して(例えば、スロットル開度を強制的に小さくしたり、強制的にシフトダウンをしたり、ブレーキアクチュエータによりホイールシリンダ圧を強制的に高めたりする制御を行って)、車両の減速を強制的に実現するものであってもよい。また、警報装置による警報の出力態様は、減速を促すような態様で、音響的、視覚的、触覚的(例えば振動発生)を含む如何なる態様で実施されてもよい。尚、退出路制御は、退出路の区間長や形状等に応じて制御態様(例えば減速能力)が可変とされてもよい。
【0024】
次に、図2以降を参照して、ナビゲーションECU20により実現される退出検出方法について説明する。
【0025】
図2は、ナビゲーションECU20により実行される退出検出処理の主要部を示すフローチャートである。図2に示す処理ルーチンは、例えば地図データベース22内の地図データ(退出路位置情報)と自車位置検出手段28により得られる自車位置情報とに基づいて、車両前方に退出路が検出された場合に、起動されてよい。尚、ナビゲーションECU20は、図2に示す処理ルーチンを起動する際に、画像処理装置16に対してレーン認識指示及び破線認識指示を出力する。画像処理装置16からの認識結果は、随時、ナビゲーションECU20に供給される。
【0026】
図3及び図4は、図2の退出検出方法の説明図であり、図3は、本線道路に登坂車線が存在しない状況を示し、図4は、本線道路に登坂車線が存在する状況を示している。
【0027】
図2を参照するに、ステップ100では、ナビゲーションECU20は、前方に検出された退出路の退出パターンが、図4に示すような登坂車線から退出路があるタイプの退出パターンであるか否かを判定する。この退出パターンの判定は、例えば地図データベース22内の地図データのレーン情報(登坂車線の有無に関する情報)に基づいて実行されてもよい。この場合、ナビゲーションECU20は、レーン情報が登坂車線の存在を示す場合に、図4に示すような登坂車線から退出路があるタイプの退出パターンであると判定してよい。また、地図データのレーン情報として、登坂車線の有無に関する情報が収録されていない場合であって、道路形状を表す情報が収録されている場合には、当該道路形状情報とレーン情報(車線数等)に基づいて、本ステップ100の退出パターン判定が実現されてもよい。これは、登坂車線から退出路があるタイプの退出パターンと、通常走行車線から退出路があるタイプの退出パターンとでは、図3及び図4に示すように、道路形状が異なることを利用するものである。
【0028】
本ステップ100において、前方に検出された退出路の退出パターンが、図4に示すような登坂車線から退出路があるタイプの退出パターンであると判定された場合には、ステップ110に進み、それ以外の場合、例えば図3に示すような通常走行車線から退出路があるタイプの退出パターンである場合には、ステップ130に進む。
【0029】
ステップ110では、ナビゲーションECU20は、現在走行中の車線(レーン)の種別を判定する。即ち、ナビゲーションECU20は、現在走行中の車線が、登坂車線であるか若しくは通常走行車線(追い越し車線等を含む)であるかを判定する。この走行レーン判定は、画像処理装置16から得られる道路区画線認識結果に基づいて実現されてよい。例えば、日本のような左車線を走行する国においては、車両の左側の道路区画線が実線であり、且つ、右側の道路区画線が破線である場合、あるいは、車両の両側の道路区画線が破線である場合に、登坂車線を走行中であると判定してよい。また、車両の左側の道路区画線が破線であり、且つ、右側の道路区画線が実線(参照符号70で図示するような線を含む)である場合には、1つ左側の車線が登坂車線であると判定してよい(即ち、登坂車線の1つ右側の通常走行車線を走行中である判定してよい)。
【0030】
ステップ120では、ナビゲーションECU20は、上記のステップ110の判定結果と、画像処理装置16から得られる破線認識結果とに基づいて、現在登坂車線走行中であり、且つ、車両が破線を跨いだか否かを判定する。後者について、具体的には、ナビゲーションECU20は、画像処理装置16からバックカメラ12の画像内に破線が認識されたことを表す破線認識結果が得られた場合に、車両が当該破線を跨いだと判定する。これにより、図4に示すような状況で、車両が車両位置Cから車両位置Dへと移動した場合(路肩側の通常走行車線から退出路に入った場合)には、その際に車両が破線を跨ぐことになるので、本ステップ120において車両が破線を跨いだと判定されることになる。
【0031】
本ステップ120において、上記の2つの条件の何れも満たされた場合には、ステップ140に進み、何れか一方若しくは双方が満たされない場合には、ステップ130に進む。
【0032】
ステップ130では、ナビゲーションECU20は、退出検出処理の終了条件を判定する。例えば、ナビゲーションECU20は、地図データベース22内の地図データ(退出路位置情報)と自車位置検出手段28により得られる自車位置情報とに基づいて、車両が退出路から退出できないような位置に至った(退出路の入口を通り過ぎた)と判断される場合に、退出検出処理の終了条件が満たされたと判断する。退出検出処理の終了条件が満たされた場合には、今回検出された退出路に対する退出検出処理が終了される。一方、退出検出処理の終了条件が満たされていない場合には、ステップ100に戻る。尚、この場合のステップ100の判定は、前回の判定結果がそのまま利用されてよい。
【0033】
ステップ140では、ナビゲーションECU20は、車両が退出路上を走行していると判定する(即ち、車両が登坂車線若しくは通常走行車線から退出路に入ったと判断する)。即ち、ナビゲーションECU20は、車両の退出路への退出を検出する。この場合、ナビゲーションECU20は、退出検出信号を車両制御ECU10に供給する。この結果、車両制御ECU10により上述の退出路制御が実行されることになる。
【0034】
ステップ150では、ナビゲーションECU20は、画像処理装置16から得られる破線認識結果に基づいて、車両が破線を跨いだか否かを判定する。具体的には、ナビゲーションECU20は、画像処理装置16からバックカメラ12の画像内に破線が認識されたことを表す破線認識結果が得られた場合に、車両が当該破線を跨いだと判定する。これにより、図3に示すような状況で、車両が車両位置Aから車両位置Bへと移動した場合(路肩側の通常走行車線から退出路に入った場合)には、その際に車両が破線を跨ぐことになるので、本ステップ150において車両が破線を跨いだと判定されることになる。
【0035】
本ステップ150において、車両が破線を跨いだと判定した場合には、ステップ140に進み、ステップ140では、車両が退出路上を走行していると判定する。即ち、ナビゲーションECU20は、車両の退出路への退出を検出する。この結果、車両制御ECU10により上述の退出路制御が実行されることになる。車両が破線を跨いでいないと判定した場合には、ステップ130に進み、上述の終了条件が判定されることになる。
【0036】
ところで、図4に示すような登坂車線のある本線道路には、通常走行車線と登坂車線との区分ける道路区画線として、本線道路と退出路を区分け破線と同様の特徴を持つ破線80が存在する。従って、単に車両が破線を跨いだか否かで退出路を検出するような比較構成では、図5に示すように、車両が車両位置Eから車両位置Fへと移動した場合(通常走行車線から登坂車線に車線変更しただけの場合)にも、通常走行車線と登坂車線との区分ける破線80が検出されることにより、車両が退出路に入ったと誤判定する虞がある。
【0037】
これに対して、本実施例による退出検出処理によれば、図5に示すように、車両が車両位置Eから車両位置Fへと移動した場合でも、上記のステップ120にて登坂車線走行中であるという条件を満たさないが故に否定判定されるので、車両が退出路に入ったと誤判定することが防止される。即ち、本実施例による退出検出処理によれば、図4に示すような道路環境では、車両が登坂車線を走行(図6にて車両位置Gのような登坂車線を横切るような走行を含む。)している状態から破線跨ぎが検出された場合に限り、車両が退出路に入ったと判定するので、図5に示すような状況において上述の比較構成で生ずるような誤判定を防止することができる。
【0038】
以上の通り、本実施例による退出検出処理によれば、退出路付近の本線道路に登坂車線が存在するか否かを考慮することで、単に車両が破線を跨いだか否かで退出路を検出する構成に比べて、退出路を精度良く検出することができる。
【0039】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【0040】
例えば、上述の実施例は、有料道路における退出路への退出の検出方法に関するものであったが、本発明は、有料道路に限られず、高速道路や自動車専用道路、都市間道路等のような、本線道路と速度差のある道路が接続された如何なる退出路への退出の検出に対しても適用可能である。
【0041】
また、上述の実施例では、破線跨ぎ検出に好適なバックカメラ12の画像を用いているが、左右のドアミラーに下向きにセットされたサイドカメラ等を適切に用いて破線跨ぎ検出を実現することも可能である。
【0042】
また、上述の実施例では、バックカメラ12により破線が捕捉された場合に破線跨ぎが検出されているが、より高い精度を実現するために、画像中の破線の長手方向が画像縦方向でない(即ち、実質的に横方向又は斜め横方向である)場合に、破線跨ぎを検出することとしてもよい。或いは、同様の観点から、破線跨ぎ時には車両の向きの変化が伴われることを利用し、舵角センサの出力値やターニングランプの点灯状態を考慮して、破線跨ぎの検出精度を高めることとしてもよい。
【0043】
また、上述の実施例において、現在車両が走行している車線の種別(通常走行車線、登坂車線の種別)は、地図データベース22内の地図データ(レーン情報及び幅員情報)と、自車位置検出手段28により得られる自車位置情報とに基づいて、車両が道路幅方向のどの位置に位置するかを検出することにより、特定されてもよい。また、現在車両が走行している車線は、バックカメラ12により取得される画像に代えて若しくはそれに加えて、前方監視カメラのような他の撮像手段により取得される画像を用いて認識・特定されてもよい。
【0044】
また、上述の実施例では、登坂車線の存在する道路環境は、地図データベース22内の地図データに基づいて検出されているが、例えば登坂車線が前方に存在する場合に設置されている看板を利用し、当該看板に示された情報を画像認識することにより検出されてもよい。
【0045】
また、上述の実施例において、現在走行中の車線が登坂車線であることは、他の方法により検出されてもよい。例えば、登坂車線の存在する環境下で車両が通常走行車線を走行している状態から上述と同様の破線跨ぎが検出された場合に(例えば、図6に示すように、通常走行車線から車両位置Gに至った場合に)、現在走行中の車線が登坂車線に変化した(現在登坂車線走行中である)と判定することとしてもよい。
【0046】
また、上述の実施例では、ナビゲーションECU20と車両制御ECU10は、互いに異なるECUとして構成されているが、1つのECUに統合されてもよいし、また、何れか一方の機能の一部が他方により実現されてもよい。また、ナビゲーションECU20に画像処理装置16の機能が組み込まれてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明による退出検出装置の一実施例を含む退出路制御システムのシステム構成図である。
【図2】ナビゲーションECU20により実行される退出検出処理の主要部を示すフローチャートである。
【図3】本線道路に登坂車線が存在しない状況下での退出検出方法の説明図である。
【図4】本線道路に登坂車線が存在する状況下での退出検出方法の説明図である。
【図5】図4と同様の道路環境において、車両の進路が図4とは異なる状況を示す図である。
【図6】図4と同様の道路環境において、車両の退出路への進入態様が図4とは異なる状況を示す図である。
【符号の説明】
【0048】
10 車両制御ECU
12 バックカメラ
16 画像処理装置
20 ナビゲーションECU
22 地図データベース
24 表示装置
26 操作入力部
28 自車位置検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の本線道路から退出路への退出を検出する退出検出装置において、
車両に搭載され、車両周辺の道路区間線を検出する道路区間線検出手段を備え、
前記道路区間線検出手段の検出結果に基づいて、車両が本線道路の特定車線を走行している状態から所定の道路区画線を跨いだと判定した場合に、前記車両の退出路への退出を検出することを特徴とする、退出検出装置。
【請求項2】
前記特定車線は、本線道路に設けられる登坂車線、又は登坂車線が無い区間における本線道路の路肩側の走行車線である、請求項1に記載の退出検出装置。
【請求項3】
前記所定の道路区画線は、本線道路と退出路を区分ける破線である、請求項1に記載の退出検出装置。
【請求項4】
前記道路区間線検出手段は、車体後部に取り付けられ車両後方の路面を撮像するバックカメラを含む、請求項1〜3のうちの何れか1項に記載の退出検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−139104(P2008−139104A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−324143(P2006−324143)
【出願日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】