説明

運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラム

【課題】本線上にてブレーキ操作を行なうことで後続車両の走行態様に影響を与えるような事態を回避することができる、運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムを提供すること。
【解決手段】
回生ブレーキ機構30を備えた車両が本線から退出路へ退出する際の運転支援を行う運転支援装置60であって、現在地点検出部61aと、退出路に設定された規制速度と規制開始地点の情報を含む地図情報を格納する地図情報DB62aと、回生ブレーキ機構30により所定の回生効率以上の回生効率を得ることができる所定の減速度に基づいて、規制開始地点における速度を規制速度とするために回生ブレーキによる減速を開始すべき回生開始地点を決定する回生開始地点決定部61cと、回生開始地点が退出路にある場合には第1の運転支援方法による案内を行い、回生開始地点が本線にある場合には第2の運転支援方法による案内を行う案内部61dとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回生ブレーキを備えた車両において、回生ブレーキの操作タイミングを案内することで、回生ブレーキにより回収できる制動エネルギーの量を増加させて燃費の向上を図ることが提案されている。例えば、車両の進行方向の前方に要減速地点が設定されている場合に、この要減速地点における目標車速を設定し、現在車速から当該設定された目標車速まで回生ブレーキで減速を行う場合に必要な減速距離を算出し、要減速地点よりも当該算出された減速距離分だけ手前に位置する地点に車両が到達した場合に、回生ブレーキのブレーキ操作を開始するように運転者に案内を行う車両用運転支援装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−221889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の車両用運転支援装置により、車両が本線から退出路へ退出する際の運転支援を行う場合においては、要減速地点よりも減速距離分だけ手前に位置する地点が退出路にあるか本線にあるかに関わらず、単に車両が当該地点に到達した際に、回生ブレーキのブレーキ操作を開始させるための画一的な案内を行っていた。このため、例えば、要減速地点が本線上に設定されている場合には、当該本線上の要減速地点にてブレーキ操作を開始するように運転者に案内が行われることとなるが、本線上にてブレーキ操作を行なうと、後続車両の走行態様に影響を与えてしまう可能性があり、交通流を悪化させてしまう可能性があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、本線上にてブレーキ操作を行なうことで後続車両の走行態様に影響を与えるような事態を回避することができる、運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の運転支援装置は、回生ブレーキ機構を備えた車両が本線から退出路へ退出する際の運転支援を行う運転支援装置であって、前記車両の現在地点を検出する現在地点検出手段と、前記退出路に設定された規制速度と当該規制速度による規制開始地点の情報を含む地図情報を格納する地図情報格納手段と、前記車両の現在車速、前記地図情報格納手段に格納された前記規制速度、及び前記回生ブレーキ機構により所定の回生効率以上の回生効率を得ることができる所定の減速度に基づいて、前記規制開始地点における前記車両の速度を前記規制速度とするために前記回生ブレーキ機構が備える回生ブレーキによる減速を開始すべき回生開始地点を決定する回生開始地点決定手段と、前記回生開始地点が前記退出路にある場合には、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、前記回生開始地点が前記本線にある場合には、前記第1の運転支援方法とは異なる所定の第2の運転支援方法による案内を行う案内手段とを備えた。
【0007】
また、請求項2に記載の運転支援装置は、請求項1に記載の運転支援装置において、前記案内手段は、前記第1の運転支援方法では、前記車両が前記回生開始地点に到達した時点で、ブレーキ操作を開始すべき旨の案内を行い、前記第2の運転支援方法では、前記本線において、アクセルオフを行うべき旨の案内を行うと共に、前記車両が前記退出路に進入した時点で、前記ブレーキ操作を開始すべき旨の案内を行う。
【0008】
また、請求項3に記載の運転支援装置は、請求項2に記載の運転支援装置において、前記案内手段は、前記第2の運転支援方法では、前記本線においてアクセルオフを行う開始地点を、前記現在車速、前記規制速度、及びアクセルオフ時の減速度に基づいて決定し、前記アクセルオフを行う開始地点に到達した時点で、前記アクセルオフを行うべき旨の案内を行う。
【0009】
また、請求項4に記載の運転支援装置は、請求項3に記載の運転支援装置において、前記案内手段は、前記第2の運転支援方法では、前記退出路の開始地点から前記規制開始地点に至る間を前記回生ブレーキにより前記所定の減速度で減速しながら走行することにより、前記規制開始地点における前記車両の速度を前記規制速度とするための、前記退出路の開始地点における目標車速を算定し、前記退出路の開始地点における前記車両の速度を前記目標車速とするために、アクセルオフによって制動力を伴わない自然減速を行いながら前記本線を走行する場合における、当該自然減速の開始地点を決定し、前記車両が前記自然減速の開始地点に到達した時点で、前記アクセルオフを行うべき旨の案内を行い、前記車両が前記退出路の開始地点に到達した時点で、前記ブレーキ操作を開始すべき旨の案内を行う。
【0010】
また、請求項5に記載の運転支援方法は、回生ブレーキ機構を備えた車両が本線から退出路へ退出する際の運転支援を行う運転支援方法であって、前記車両の現在地点を検出する現在地点検出ステップと、前記車両の現在車速、前記退出路に設定された規制速度と当該規制速度による規制開始地点の情報を含む地図情報を格納する地図情報格納手段に格納された前記規制速度、及び前記回生ブレーキ機構により所定の回生効率以上の回生効率を得ることができる所定の減速度に基づいて、前記規制開始地点における前記車両の速度を前記規制速度とするために前記回生ブレーキ機構が備える回生ブレーキによる減速を開始すべき回生開始地点を決定する回生開始地点決定ステップと、前記回生開始地点が前記退出路にある場合には、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、前記回生開始地点が前記本線にある場合には、前記第1の運転支援方法とは異なる所定の第2の運転支援方法による案内を行う案内ステップとを含む。
【0011】
また、請求項6に記載の運転支援プログラムは、請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の運転支援装置、請求項5に記載の運転支援方法、及び請求項6に記載の運転支援プログラムによれば、回生開始地点が退出路にある場合には、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、回生開始地点が本線にある場合には、第1の運転支援方法とは異なる所定の第2の運転支援方法による案内を行うので、減速を開始すべき地点に応じた適切な案内を行うことが可能となり、本線上でブレーキ操作を行なうと交通流を悪化させる可能性があることを考慮して、確実に規制開始地点にて規制速度とさせるための案内を行うことが可能となる。
【0013】
請求項2に記載の運転支援装置によれば、本線上に回生開始地点が存在する場合であっても、本線上ではアクセルオフによる減速を行い、退出路に進入した時点で、ブレーキ操作による減速を開始させるため、本線上でブレーキ操作をさせることなく、規制開始地点にて規制速度とすることが可能となり、後続車の交通流を妨げることなく、適切な減速を行うことができる。
【0014】
請求項3に記載の運転支援装置によれば、第2の運転支援方法では、現在車速、規制速度、アクセルオフ時の減速度に基づいて、アクセルオフを行う最適な開始地点を決定し、この開始地点を適切なタイミングで案内することができる。
【0015】
請求項4に記載の運転支援装置によれば、交通流を悪化させることなく回生効率の良い減速を行うことが可能となる。すなわち、回生ブレーキにより制動エネルギーを回収する場合よりも、制動力を伴わない自然減速を行った方が燃費を一層向上させることができるが、上述した従来の車両用運転支援装置では、回生ブレーキの操作タイミングを案内することしか行われず、アクセルオフによる自然減速については考慮されていなかったので、アクセルオフによる自然減速により燃費を向上させることには寄与しないものであった。ただし、現在車速を目標車速とするためには、回生ブレーキを使用する場合に比べて、アクセルオフによる自然減速のみを行った場合には減速距離が長くするため、回生ブレーキを一切使用せずに単にアクセルオフによる自然減速のみを行うような案内を行うことには問題がある。例えば、高速道路の退出路に設定されている規制開始地点に向けて自然減速のみによる減速を行う場合、退出路の開始地点に至るかなり前の本線上の地点でアクセルオフによる自然減速を開始する必要が生じる可能性があり、本線上での安全性が低下する可能性がある。これに対して、請求項4に記載の運転支援装置によれば、第1の運転支援方法では、回生ブレーキによる減速を開始すべき旨の案内を行い、第2の運転支援方法では、本線においてはアクセルオフにより制動力を伴わない自然減速を行いように案内を行うので、交通流を悪化させることなく燃費効率の良い減速を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態に係る運転支援システムを例示するブロック図である。
【図2】運転支援システムが運転支援対象としている運転状況を模式的に示す図である。
【図3】案内処理のフローチャートである。
【図4】案内処理のフローチャートである。
【図5】速度と距離の関係を示す図であり、自車両の現在速度が比較的低速である場合の図である。
【図6】速度と距離の関係を示す図であり、自車両の現在速度が比較的高速である場合の図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る運転支援装置、運転支援方法、及び運転支援プログラムの実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(構成)
まず、本実施の形態に係る運転支援システムの構成を説明する。図1は、本実施の形態に係る運転支援システム1を例示するブロック図である。図1に示すように、運転支援システム1は、現在地点検出処理部10、車速センサ20、回生ブレーキ機構30、ディスプレイ40、スピーカ50、及び運転支援装置60を備えている。
【0019】
(構成−現在地点検出処理部)
現在地点検出処理部10は、運転支援装置60が取り付けられた車両(以下、自車両)の現在地点を検出する現在地点検出手段である。具体的には、現在地点検出処理部10は、GPS、地磁気センサ、距離センサ、又はジャイロセンサ(いずれも図示省略)の少なくとも一つを有し、現在の自車両の地点(座標)及び方位等を公知の方法にて検出する。
【0020】
(構成−車速センサ)
車速センサ20は、自車両の車輪の回転速度等を運転支援装置60に出力するものであり、公知の車速センサを用いることができる。
【0021】
(構成−回生ブレーキ機構)
回生ブレーキ機構30は、回生ブレーキによる制動やバッテリの充電を行うものである。すなわち、自車両は、内燃機関及び電動機を搭載したハイブリッド自動車として構成されており、自車両の制動エネルギーによって回生発電された電力をバッテリに蓄電し、このバッテリの電力によって電動機を駆動等することが可能となっている。なお、これら、内燃機関、電動機、バッテリ等については図示を省略する。
【0022】
(構成−ディスプレイ)
ディスプレイ40は、運転支援装置60によって案内された画像を表示する表示手段である。ディスプレイ40の具体的な構成は任意であり、公知の液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの如きフラットパネルディスプレイを使用することができる。
【0023】
(構成−スピーカ)
スピーカ50は、運転支援装置60の制御に基づいて各種の音声を出力する出力手段である。スピーカ50より出力される音声の具体的な態様は任意であり、必要に応じて生成された合成音声や、予め録音された音声を出力することができる。
【0024】
(構成−運転支援装置)
運転支援装置60は、運転支援を行う運転支援手段であり、制御部61及びデータ記録部62を備えている。
【0025】
(構成−運転支援装置−制御部)
制御部61は、運転支援装置60を制御する制御手段であり、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである。特に、本実施の形態に係る運転支援プログラムは、任意の記録媒体又はネットワークを介して運転支援装置60にインストールされることで、制御部61の各部を実質的に構成する。
【0026】
この制御部61は、機能概念的に、現在地点検出部61a、残距離算定部61b、回生開始地点決定部61c、及び案内部61dを備えている。現在地点検出部61aは、自車両の現在地点を検出する現在地点検出手段である。残距離算定部61bは、現在地点検出部61aにて検出された現在地点と、後述する地図情報DB62aに格納された規制開始地点とに基づいて、当該現在地点から当該規制開始地点までの残距離を算定する残距離算定手段である。回生開始地点決定部61cは、自車両の現在車速、地図情報DB62aに格納された規制速度、及び回生ブレーキ機構30により所定の回生効率以上の回生効率を得ることができる所定の減速度に基づいて、規制開始地点における自車両の速度を規制速度とするために回生ブレーキ機構30が備える回生ブレーキによる減速を開始すべき回生開始地点を決定する回生開始地点決定手段である。案内部61dは、回生開始地点が退出路にある場合には、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、回生開始地点が本線にある場合には、第1の運転支援方法とは異なる所定の第2の運転支援方法による案内を行う案内手段である。これらの制御部61の各構成要素によって実行される処理の詳細については後述する。
【0027】
ここで、本実施の形態に係る運転支援システム1が運転支援対象としている運転状況について説明する。図2は、運転状況を模式的に示す図である。この図2には、自車両が走行する本線と当該本線から退出するための退出路とから構成される分岐路を示しており、退出路には規制速度(図2では40Km/h)が設けられている。このような分岐路は、代表的には高速道路のインターやジャンクションであるが、高速道路に限られず、退出路に規制速度が設けられている全ての分岐路を対象とする。以下、この条件に合致する分岐路を「対象分岐路」と称する。このような対象分岐路において、退出路が開始する地点を「退出路開始地点」、退出路において規制速度による速度規制が開始される地点を「規制開始地点」と称する。また、規制開始地点から退出路開始地点までの距離を「退出路開始距離」と称する。また、回生ブレーキ機構30が備える回生ブレーキによる減速を開始すべき地点を「回生開始地点」、アクセルオフ走行する場合における当該アクセルオフを開始する地点を「アクセルオフ開始地点」と称する。また、規制開始地点から回生開始地点までの距離を「回生開始距離」、規制開始地点からアクセルオフ開始地点までの距離を「アクセルオフ開始距離」と称する(回生開始地点、アクセルオフ開始地点、回生開始距離、及びアクセルオフ開始距離は図2には図示せず)。ここで、「アクセルオフ走行」とは、アクセルオフによる走行によって減速することを意味する。このアクセルオフ走行は、回生ブレーキによる制動を行いつつ減速する走行(以下、制動減速)と、回生ブレーキによる制動を行うことなく減速する走行(以下、非制動減速)を含む。より詳細には、制動減速は、回生ブレーキ機構30を備えた車両において、エンジンブレーキ相当の弱い回生ブレーキを利かせる電子制御を行う減速であり、非制動減速は、このように回生ブレーキを利かせることなくニュートラル走行を行う減速であって、制動力を伴わない自然減速である。これら制動減速と非制動減速のいずれのアクセルオフ走行においても、ブレーキ操作を伴わない減速であるために交通流を悪化させることを回避できる。このため、本実施の形態では、本線上で減速を行う場合には、これらのアクセルオフ走行を行うように案内を行う。ただし、エネルギ効率を向上させるためには、制動減速よりも非制動減速の方がより好ましいことから、以下の説明では、アクセルオフ走行としては、非制動減速を行うものとする。
【0028】
(構成−運転支援装置−データ記録部)
図1において、データ記録部62は、運転支援装置60の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記録する記録手段であり、例えば、外部記録装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されている。ただし、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記録媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記録媒体を含む、その他の任意の記録媒体を用いることができる。
【0029】
このデータ記録部62は、地図情報データベース(以下、データベースを「DB」と称する)62aを備えている。地図情報DB62aは、地図情報を格納する地図情報格納手段である。「地図情報」とは、交差点や一時停止地点を含む各種の地点の特定に必要な情報であり、例えば、交差点データ(交差点座標等)や、地図をディスプレイ40に表示するための地図表示データ等を含んで構成されている。また、地図情報DB62aは、少なくとも対象分岐路における退出路の退出路開始地点、規制速度、及び規制開始地点とを含む。さらに、データ記録部62には、後述する案内処理において必要な情報を任意形式で記憶することができる。
【0030】
(処理)
次に、このように構成される運転支援装置60によって実行される案内処理について説明する。図3及び図4は案内処理のフローチャートである(以下の各処理の説明ではステップを「S」と略記する)。この案内処理は、例えば、自車両のエンジン始動後に自動的に起動される。
【0031】
案内処理の起動後、制御部61は、自車両の前方に、対象分岐路が有るか否かを継続的に監視する(SA1)。対象分岐路が有るか否かの判定は、例えば、現在地点検出処理部10にて検出された自車両の現在地点と、地図情報DB62aに格納された地図情報に基づいて、自車両の走行経路上(例えば、自車両の走行ルートが設定されている場合には当該走行ルート上であり、自車両の走行ルートが設定されていない場合には自車両の進行方向前方)において、自車両の現在地点から所定範囲(例えば1Km)以内に、規制速度が設定されている退出路があるか否かによって判定する。
【0032】
対象分岐路が有る場合(SA1、Yes)、制御部61は、当該対象分岐路の退出路の退出路開始地点を決定する(SA2)。具体的には、制御部61は、地図情報DB62aから退出路開始地点の座標を取得することにより、退出路開始地点を決定する。また、この際、制御部61は、当該取得した退出路開始地点の座標と、地図情報DB62aから取得した退出路における規制速度地点の座標及び退出路の形状とから、規制速度地点から退出路開始地点までの退出路開始距離を算定する。
【0033】
次に、制御部61は、規制速度を地図情報DB62aから取得し(SA3)、所定の回生効率以上の回生効率を得るための減速度を取得する(SA4)。すなわち、油圧ブレーキが作動するような大きな減速度で減速を行った場合には、回生ブレーキのみを作動させた場合に回収できる制動エネルギーが回収できなくなり、いわゆる回生オーバー状態となって制動エネルギーの回収効率が低下するため、回生オーバー状態とならない程度の減速度で減速するための当該減速度(以下、回生減速度)を取得する。この回生減速度は、例えば、道路の形状(勾配等)に応じて予めデータ記録部62に設定されており、制御部61は、対象分岐路の退出路の形状を地図情報DB62aから取得し、当該退出路の形状に合致する回生減速度をデータ記録部62から取得する。
【0034】
次いで、制御部61は、アクセルオフ走行による減速度を取得する(SA5)。この減速度は、例えば、道路の形状(勾配等)に応じて予めデータ記録部62に設定されており、制御部61は、対象分岐路の本線の形状を地図情報DB62aから取得し、当該本線の形状に合致する減速度(以下、アクセルオフ減速度)をデータ記録部62から取得する。あるいは、アクセルオフ減速度は、車両状態(例えば、搭乗者の人数や積載物の重量)によっても異なり得るため、走行開始時に利用者が操作部を介して搭乗者の人数等を入力していたり、車内センサによって搭乗者の人数等を検知できる場合には、当該入力や検知にて取得した情報を考慮して、アクセルオフ減速度を公知の方法にて補正してもよい。このアクセルオフ減速度は、回生減速度より小さい(緩やかな)減速度として設定される。
【0035】
その後、SA6からSA16までの各処理を含む案内判定ループを実行する。この案内判定ループは、案内を行う方法とタイミングを決定するためのループである。この案内判定ループにおいて、まず、制御部61は、車速センサ20からの出力に基づいて、自車両の現在速度を取得する(SA7)。
【0036】
次いで、残距離算定部61bは、規制開始地点から現在地点までの残距離を算定する(SA8)。具体的には、残距離算定部61bは、対象分岐路の本線と退出路の形状を地図情報DB62aから取得し、これら本線と退出路の形状と、現在地点検出処理部10にて検出された自車両の現在地点とに基づいて、自車両の現在地点から退出路開始地点を経て規制開始地点に至るまでの距離を算定し、当該算定した距離を残距離とする。
【0037】
また、回生開始地点決定部61cは、回生ブレーキによる減速を開始すべき回生開始地点を決定する(SA9)。具体的には、回生開始地点決定部61cは、SA7で取得された自車両の現在車速、地図情報DB62aから取得された退出路の規制速度、及びSA4で取得された回生減速度に基づいて、規制開始地点において退出路の規制速度になるように現在車速を減速する場合における必要距離を公知の計算方法で決定する。さらに、回生開始地点決定部61cは、当該決定した必要距離と、SA2で決定した退出路開始地点と、地図情報DB62aから取得した本線と退出路の形状とに基づいて、SA2で決定した退出路開始地点から当該決定した必要距離だけ進行方向手前の地点を特定し、当該地点を回生開始地点として決定する。また、この際、回生開始地点決定部61cは、当該必要距離を、回生開始距離とする。
【0038】
その後、案内部61dは、回生開始地点が本線にあるのか否かを判定する(SA10)。具体的には、案内部61dは、SA2で算定した退出路開始距離と、SA9で算定した回生開始距離とを比較し、回生開始距離が退出路開始距離以下である場合には、回生開始地点が退出路にあると判定し、回生開始距離が退出路開始距離を越えている場合には、回生開始地点が本線にあると判定する。なお、この判定は、SA2で算定した退出路開始地点と、SA9で算定した回生開始地点とに基づいて行うこともでき、回生開始地点が退出路開始地点より進行方向手前側に位置していない場合には、回生開始地点が退出路にあると判定し、回生開始地点が退出路開始地点より進行方向手前側に位置している場合には、回生開始地点が本線にあると判定する。そして、案内部61dは、回生開始地点が退出路にあると判定した場合には(SA10、No)、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、回生開始地点が本線にあると判定した場合には(SA10、Yes)、所定の第2の運転支援方法による案内を行う。
【0039】
最初に、所定の第1の運転支援方法による案内を行う場合について説明する。この場合、案内部61dは、自車両が退出路に入ったか否かを監視する(SA18)。この監視は、例えば、SA8で算定した残距離が、SA2で算定した退出路開始距離以下になったか否かを監視することにより行い、残距離が退出路開始地点以下になった場合には、自車両が退出路に入ったと判定する。ただし、この判定は、現在地点検出処理部10から取得した自車両の現在地点が、SA2で決定した退出路開始地点に到達したか否かによって行ってもよい。
【0040】
退出路に入っていない場合(SA18、No)、案内部61dは、早めに退出路に進入することを促す所定の案内を行う(SA19)。この案内の具体的な内容や方法は任意であるが、例えば、「退出路に進入できる場合には、早めに退出路に進入して下さい。」との文字をディスプレイ40に表示したり、同様の音声をスピーカ50から出力する。
【0041】
その後、SA6からSA16までの各処理を含む案内判定ループが繰り返し実行されることで、自車両の走行に伴って、SA8で残距離が随時更新される。この間も、案内部61dは、自車両が退出路に入ったか否かを繰り返し監視しており(SA18)、退出路に入った場合には(SA18、Yes)、自車両の現在地点が回生開始地点に到達したか否かを監視する(SA20)。この監視は、例えば、SA8で算定した残距離が、SA9で決定した回生開始距離以下になったか否かを監視することにより行い、残距離が回生開始距離以下になった場合には、自車両の現在地点が回生開始地点に到達したと判定する。ただし、この判定は、現在地点検出処理部10から取得した自車両の現在地点が、SA9で決定した回生開始地点に到達したか否かによって行ってもよい。
【0042】
自車両の現在地点が回生開始地点に到達した場合(SA20、Yes)、案内部61dは、回生ブレーキによる減速を開始することを利用者に促す案内を行う(SA17)。この案内の具体的な内容や方法は任意であるが、例えば、「ブレーキによる減速を行ってください。」との文字をディスプレイ40に表示したり、同様の音声をスピーカ50から出力する。この際には、回生ブレーキのみが作動する程度にブレーキペダルを操作してもらうための具体的な案内を公知の内容や方法で行うことがより好ましい。これにて案内制御処理が終了する。
【0043】
次に、所定の第2の運転支援方法による案内を行う場合について説明する。この場合、案内部61dは、アクセルオフ走行を行うべきアクセルオフ開始地点を決定する(SA11)。具体的には、案内部61dは、自車両の現在車速、SAで取得した規制速度、及びSA4で取得したアクセルオフ減速度に基づいて、アクセルオフ開始地点を決定する。
【0044】
より具体的には、案内部61dは、最初に、退出路開始地点から規制開始地点に至る間を回生減速度で減速しながら走行することにより、規制開始地点における自車両の速度を規制速度とするための、退出路開始地点における目標車速を算定する。この目標車速は、SA2で算定した退出路開始距離と、SA3で取得した規制速度と、SA4で取得した回生減速度とに基づいて、公知の方法で算定することができる。次いで、案内部61dは、退出路開始地点における自車両の速度を当該算定した目標車速とするために、アクセルオフ走行で本線を走行する場合におけるアクセルオフ開始地点を決定する。このアクセルオフ開始地点は、SA2で算定した退出路開始距離と、当該算定した目標速度と、自車両の現在速度と、SA5で取得したアクセルオフ減速度とに基づいて、公知の方法で算定することができる。また、この際、案内部61dは、このように決定したアクセルオフ開始地点から退出路開始地点までのアクセルオフ開始距離を、地図情報DB62aから取得した本線と退出路の形状とに基づいて算定する。
【0045】
その後、案内部61dは、自車両がアクセルオフ開始地点に到達したか否かを監視する(SA12)。この監視は、例えば、SA8で算定した残距離が、SA11で算定したアクセルオフ開始距離以下になったか否かを監視することにより行い、残距離がアクセルオフ開始距離以下になった場合には、自車両がアクセルオフ開始地点に到達したと判定する。ただし、この判定は、現在地点検出処理部10から取得した自車両の現在地点が、SA11で決定したアクセルオフ開始地点に到達したか否かによって行ってもよい。
【0046】
アクセルオフ開始地点に到達していない場合(SA12、No)、SA16に移行し、その後、SA6からSA16までの各処理を含む案内判定ループが繰り返し実行されることで、自車両の走行に伴って、SA8で残距離が随時更新される。この間も、案内部61dは、自車両がアクセルオフ開始地点に到達したか否かを繰り返し監視しており(SA12)、アクセルオフ開始地点に到達した場合には(SA12、Yes)、アクセルオフ走行を開始することを利用者に促す案内を行う(SA13)。この案内の具体的な内容や方法は任意であるが、例えば、「アクセルペダルから足を離して走行してください。」との文字をディスプレイ40に表示したり、同様の音声をスピーカ50から出力する。このような案内を行った後、アクセルペダルがオフになったことが図示しないアクセル機構からの出力により検知された場合には、運転支援装置60は、ブレーキ機構に制御信号を送信し、通常のニュートラル走行とは異なり、回生ブレーキによる制動をオフとして、制動を伴わない減速を行うことを可能とする。
【0047】
次いで、案内部61dは、早めに退出路に進入することを促す所定の案内を行う(SA14)。この案内の具体的な内容や方法は任意であるが、例えば、SA19と同様に行うことができる。
【0048】
その後、案内部61dは、自車両が退出路に入ったか否かを監視する(SA15)。この監視は、例えば、SA18と同様に行うことができる。退出路に入っていない場合(SA15、No)、SA16に移行し、その後、SA6からSA16までの各処理を含む案内判定ループが繰り返し実行されることで、自車両の走行に伴って、SA8で残距離が随時更新される。この間も、案内部61dは、自車両が退出路に入ったか否かを繰り返し監視しており(SA15)、退出路に入った場合には(SA15、Yes)、回生ブレーキによる減速を開始することを利用者に促す案内を行う(SA17)。これにて案内制御処理が終了する。
【0049】
最後に、このように実施される案内処理の意義について説明する。図5、6は、速度と距離の関係を示す図であり、図5は、自車両の現在速度が比較的低速である場合の図、図6は、自車両の現在速度が比較的高速である場合の図である。図5に示すように、自車両の現在速度が比較的低速である場合、退出路に進入してから回生ブレーキで回生減速度による減速を行うことで、自車両の現在速度を、規制開始地点において規制速度にまで減速することができる。従って、この場合には、上記第1の運転支援方法による案内を行うことで、自車両が退出路に進入してから、回生減速を行う旨を案内する。
【0050】
しかしながら、図6に示すように、自車両の現在速度が比較的高速である場合、退出路に進入してから回生ブレーキで回生減速度による減速を行ったのでは、自車両の現在速度を、規制開始地点において規制速度にまで減速することができない。このため、上記従来の車両用運転支援装置によれば、図6に「従来の回生開始地点」として示すように、本線上において回生ブレーキでの回生減速度による減速を開始する必要があった。これに対して、本実施の形態によれば、この場合には、上記第2の運転支援方法による案内を行うことで、自車両が本線上を走行している場合には、自車両がアクセルオフ開始地点に到達した時点で、アクセルオフ減速度によるアクセルオフ走行を行わせることで、回生減速よりも緩やかな減速度での減速を行わせ、自車両が退出路開始地点に到達した際における現在速度を低下させておくことで、退出路に進入してから回生ブレーキで回生減速度による減速を行っても、自車両の現在速度を、規制開始地点において規制速度にまで減速することができるようにする。
【0051】
(効果)
このように本実施の形態によれば、回生開始地点が退出路にある場合には、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、回生開始地点が本線にある場合には、第1の運転支援方法とは異なる所定の第2の運転支援方法による案内を行うので、減速を開始すべき地点に応じた適切な案内を行うことが可能となり、本線上でブレーキ操作を行なうと交通流を悪化させる可能性があることを考慮して、確実に規制開始地点にて規制速度とさせるための案内を行うことが可能となる。
【0052】
また、本実施の形態によれば、本線上に回生開始地点が存在する場合であっても、本線上ではアクセルオフによる減速を行い、退出路に進入した時点で、ブレーキ操作による減速を開始させるため、本線上でブレーキ操作をさせることなく、規制開始地点にて規制速度とすることが可能となり、後続車の交通流を妨げることなく、適切な減速を行うことができる。
【0053】
また、本実施の形態によれば、第2の運転支援方法では、現在車速、規制速度、アクセルオフ時の減速度に基づいて、アクセルオフを行う最適な開始地点を決定し、この開始地点を適切なタイミングで案内することができる。
【0054】
また、本実施の形態によれば、交通流を悪化させることなく回生効率の良い減速を行うことが可能となる。すなわち、回生ブレーキにより制動エネルギーを回収する場合よりも、制動力を伴わない自然減速を行った方が燃費を一層向上させることができるが、上述した従来の車両用運転支援装置では、回生ブレーキの操作タイミングを案内することしか行われず、アクセルオフによる自然減速については考慮されていなかったので、アクセルオフによる自然減速により燃費を向上させることには寄与しないものであった。ただし、現在車速を目標車速とするためには、回生ブレーキを使用する場合に比べて、アクセルオフによる自然減速のみを行った場合には減速距離が長くするため、回生ブレーキを一切使用せずに単にアクセルオフによる自然減速のみを行うような案内を行うことには問題がある。例えば、高速道路の退出路に設定されている規制開始地点に向けて自然減速のみによる減速を行う場合、退出路の開始地点に至るかなり前の本線上の地点でアクセルオフによる自然減速を開始する必要が生じる可能性があり、本線上での安全性が低下する可能性がある。これに対して、本実施の形態に係る運転支援装置60によれば、第1の運転支援方法では、回生ブレーキによる減速を開始すべき旨の案内を行い、第2の運転支援方法では、本線においてはアクセルオフにより制動力を伴わない自然減速を行いように案内を行うので、交通流を悪化させることなく燃費効率の良い減速を行うことが可能となる。
【0055】
〔実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0056】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏することがある。
【0057】
(自車両の構成について)
上記実施の形態では、自車両がハイブリッド自動車である場合について説明したが、電気モータのみを動力源とする電気自動車である場合においても、本発明を同様に適用することが可能である。
【0058】
(各地点と各距離について)
上記実施の形態では、退出路開始地点と退出路開始距離、回生開始地点と回生開始距離、アクセルオフ開始地点とアクセルオフ開始距離を、それぞれ両方取得するものとして説明しているが、いずれか一方を省略してもよい。例えば、退出路開始地点、回生開始地点、及びアクセルオフ開始地点のみを決定し、現在地点検出処理部10から取得した自車両の現在地点に基づいて、各処理を行うタイミングを決定してもよい。この場合には、残距離算定手段による残距離の算定も省略することができる。あるいは、退出路開始距離、回生開始距離、及びアクセルオフ開始距離のみを算定し、残距離算定手段にて算定された残距離に基づいて、各処理を行うタイミングを決定してもよい。
【0059】
(第1の運転支援方法による案内と第2の運転支援方法による案内について)
第1の運転支援方法による案内や、第2の運転支援方法による案内としては、上述した案内に限定されることなく、種々の異なる案内を行うことができる。例えば、第1の運転支援方法による案内として、案内部は、退出路開始地点から規制開始地点までに十分な距離がある場合には、退出路開始地点に入ってから回生開始地点に至るまでの間に、アクセルオフ走行を行うことを運転者に促すような案内を行ってもよい。また、例えば、第2の運転支援方法による案内として、案内部は、本線において回生減速を行うような案内を行ってもよいが、地図情報DB62aを参照して本線に最低速度が設定されているか否かを判定し、最低速度が設定されていると判定した場合には、自車両の速度が当該最低速度以下に低下しないように、その旨の注意喚起を促す案内を行ったり、自車両の速度が当該最低車速から所定範囲内に入った場合には警告を案内してもよい。
【0060】
(本線における最低速度について)
さらに、上記のように本線に最低速度が設定されていると判定した場合には、例えば、案内部は、目標速度と最低速度を比較し、目標速度が最低速度よりも小さい場合(本線において自車両の速度を当該最低速度より小さい速度にしなければならない場合)には、第2の運転支援方法による案内を行わないようにしてもよい。ただし、案内部は、VICS等を介して本線の渋滞状態を取得し、退出路から本線にかけて渋滞が発生している等のために、本線において自車両の速度を当該最低速度より小さい速度にすることが可能である場合には、目標速度が最低速度よりも小さい場合であっても、第2の運転支援方法による案内を行うようにしてもよい。
【符号の説明】
【0061】
1 運転支援システム
10 現在地点検出処理部
20 車速センサ
30 回生ブレーキ機構
40 ディスプレイ
50 スピーカ
60 運転支援装置
61 制御部
61a 現在地点検出部
61b 残距離算定部
61c 回生開始地点決定部
61d 案内部
62 データ記録部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回生ブレーキ機構を備えた車両が本線から退出路へ退出する際の運転支援を行う運転支援装置であって、
前記車両の現在地点を検出する現在地点検出手段と、
前記退出路に設定された規制速度と当該規制速度による規制開始地点の情報を含む地図情報を格納する地図情報格納手段と、
前記車両の現在車速、前記地図情報格納手段に格納された前記規制速度、及び前記回生ブレーキ機構により所定の回生効率以上の回生効率を得ることができる所定の減速度に基づいて、前記規制開始地点における前記車両の速度を前記規制速度とするために前記回生ブレーキ機構が備える回生ブレーキによる減速を開始すべき回生開始地点を決定する回生開始地点決定手段と、
前記回生開始地点が前記退出路にある場合には、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、前記回生開始地点が前記本線にある場合には、前記第1の運転支援方法とは異なる所定の第2の運転支援方法による案内を行う案内手段と、
を備えた運転支援装置。
【請求項2】
前記案内手段は、
前記第1の運転支援方法では、
前記車両が前記回生開始地点に到達した時点で、ブレーキ操作を開始すべき旨の案内を行い、
前記第2の運転支援方法では、
前記本線において、アクセルオフを行うべき旨の案内を行うと共に、前記車両が前記退出路に進入した時点で、前記ブレーキ操作を開始すべき旨の案内を行う、
請求項1に記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記案内手段は、
前記第2の運転支援方法では、
前記本線においてアクセルオフを行う開始地点を、前記現在車速、前記規制速度、及びアクセルオフ時の減速度に基づいて決定し、前記アクセルオフを行う開始地点に到達した時点で、前記アクセルオフを行うべき旨の案内を行う、
請求項2に記載の運転支援装置。
【請求項4】
前記案内手段は、
前記第2の運転支援方法では、
前記退出路の開始地点から前記規制開始地点に至る間を前記回生ブレーキにより前記所定の減速度で減速しながら走行することにより、前記規制開始地点における前記車両の速度を前記規制速度とするための、前記退出路の開始地点における目標車速を算定し、
前記退出路の開始地点における前記車両の速度を前記目標車速とするために、アクセルオフによって制動力を伴わない自然減速を行いながら前記本線を走行する場合における、当該自然減速の開始地点を決定し、
前記車両が前記自然減速の開始地点に到達した時点で、前記アクセルオフを行うべき旨の案内を行い、
前記車両が前記退出路の開始地点に到達した時点で、前記ブレーキ操作を開始すべき旨の案内を行う、
請求項3に記載の運転支援装置。
【請求項5】
回生ブレーキ機構を備えた車両が本線から退出路へ退出する際の運転支援を行う運転支援方法であって、
前記車両の現在地点を検出する現在地点検出ステップと、
前記車両の現在車速、前記退出路に設定された規制速度と当該規制速度による規制開始地点の情報を含む地図情報を格納する地図情報格納手段に格納された前記規制速度、及び前記回生ブレーキ機構により所定の回生効率以上の回生効率を得ることができる所定の減速度に基づいて、前記規制開始地点における前記車両の速度を前記規制速度とするために前記回生ブレーキ機構が備える回生ブレーキによる減速を開始すべき回生開始地点を決定する回生開始地点決定ステップと、
前記回生開始地点が前記退出路にある場合には、所定の第1の運転支援方法による案内を行い、前記回生開始地点が前記本線にある場合には、前記第1の運転支援方法とは異なる所定の第2の運転支援方法による案内を行う案内ステップと、
を含む運転支援方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法をコンピュータに実行させる運転支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−211810(P2011−211810A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−76257(P2010−76257)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】