説明

運転診断情報提供装置、及び運転診断情報提供システム

【課題】車両の運転状態に関する診断結果を運転者に提供する運転診断情報提供装置において、有用性や効果をより向上させる。
【解決手段】第1の評価区間についての診断結果と第2の評価区間についての診断結果とを比較して、比較結果に基づきアドバイスを生成して提供する運転診断情報提供装置では、例えば第2の評価区間の終点まではアドバイスを生成できないため、この間は、一言アドバイス(運転に関する所謂豆知識など)やお知らせ情報(交通情報や広告情報など)を運転者に提供する。これにより、運転者が飽きてしまうことを防止でき、例えば運転者に提供される情報に対するその運転者の関心が低減してしまわないようにすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の運転状態に関する診断結果を運転者に提供する装置、及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境汚染や地球温暖化といったような環境に関する問題は益々大きくなっており、例えば車両(自動車)においては、二酸化炭素をはじめとした排気ガスの削減が大きな課題となっている。
【0003】
また、車両においては、交通事故等の増加を背景に、安全性に関する課題も益々大きくなっている。
この点、従来より、環境に関する性能(例えば燃費:燃料消費率)や安全に関する性能を向上させるべく、例えば車両の知能化や高機能化が推し進められ、一定の効果をあげてきた。
【0004】
一方で、個々の運転者が経済的な運転や安全運転を心掛けることによって、燃費の向上(ひいては排出ガスの削減)や交通事故の削減が期待できる。このため、個々の運転者の運転技術を向上させることは重要なテーマとなっている。そこで、例えば運転者の運転状態を診断し、診断結果を運転者に通知することが考えられている。
【0005】
例えば、特許文献1には、車両の走行データをセンタに送信し、センタにて車両の運転診断を行い、運転診断に基づく警報情報を車両に通知するようにした警報システムについて記載されている。
【特許文献1】特開平11−272996号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、特許文献1のような警報システムでは、同じような警報情報が通知され続けると、運転者が飽きてしまう可能性もある。この場合、警報の効果が低減してしまう懸念がある。また、そもそも警報すべき状況でなければ警報情報は通知されず、運転診断を行うことの有用性や効果は低いものとなっている。
【0007】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたもので、車両の運転状態に関する診断結果を運転者に提供する装置及びシステムにおいて、有用性や効果をより向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、車両の状態を表す情報である車両情報を取得する車両情報取得手段と、車両情報取得手段により取得された車両情報に基づき、車両の運転状態を診断する診断手段と、診断手段の診断結果を表す情報である診断情報を運転者に通知する通知手段と、を備えた運転診断情報提供装置において、運転者に通知すべき情報である連絡情報及び運転に役立つ情報である有用情報の両方又は一方を少なくとも取得する有益情報取得手段を備え、通知手段は、所定の条件下において、診断情報に代えて、有益情報取得手段により取得された情報を、運転者に通知するようになっている。
【0009】
連絡情報や有用情報は、例えばネットワークを介した通信により車両の外部から取得されるように構成することができる。
そして、連絡情報としては、例えば、事故情報や渋滞情報などの交通情報、或いは広告情報などが挙げられる。また、有用情報としては、例えば、エコや運転に関する所謂豆知識的な情報などが挙げられる。
【0010】
そして、基本的には診断情報が運転者に通知されることが前提である請求項1の発明では、その診断情報の通知によって運転状態の改善が望めるようになるとともに、診断情報の他、前述したような連絡情報や有用情報が運転者に通知されるようになるため、運転者が飽きないようにすることができる。よって、運転者にとっての嬉しさが向上する。また、運転者に対する各種情報の通知にメリハリができ、診断情報の通知に運転者が慣れてしまうこと、ひいては運転者が診断情報を気にしなくなってしまうことを抑制することができる。従って、診断情報を通知することの効果を、より長期間維持できるようになる。
【0011】
次に、請求項2の運転診断情報提供装置は、請求項1の運転診断情報提供装置において、診断手段は、所定の走行区間毎にその走行区間における車両の運転状態を演算し、診断対象の走行区間(以下、対象走行区間と言う)について演算した運転状態と、他の走行区間について演算した運転状態とを比較して、対象走行区間における運転状態の良否を診断するようになっており、通知手段は、有益情報取得手段により取得された情報を、少なくとも第2番目の走行区間の終了時までの間において運転者に通知するようになっている。
【0012】
本請求項2の装置では、運転状態の良否を相対評価するようにしており、この場合、比較対象同士の範囲では的確な評価ができる。そして、運転者は、例えば現在の運転状態が良くなったのか悪化したのかを簡単かつ明確に把握できるようになる。
【0013】
ところで、上記のような相対評価では、評価対象が存在しない第1番目の走行区間ないし第2番目の走行区間の終了時までは、評価結果(診断情報)を提供できなくなるが、本装置では、その場合でも連絡情報や有用情報が運転者に通知されるようになるため、運転者にとって有益である。
【0014】
次に、請求項3の運転診断情報提供装置は、請求項1,2の運転診断情報提供装置において、診断手段の診断結果に基づき、運転者に提供するためのアドバイスを生成するアドバイス生成手段を備え、通知手段は、アドバイス生成手段により生成されたアドバイスを、診断情報として運転者に通知するようになっている。
【0015】
運転状態の改善という観点では、運転者は、例えばアドバイスに従って具体的な対策をとることができるようになるため、より効果的である。
次に、請求項4の運転診断情報提供装置は、請求項3の運転診断情報提供装置において、通知手段は、アドバイス生成手段により生成されたアドバイスを、停車毎に運転者に通知し、同一アドバイスの通知回数が所定の回数に達すると、その後別のアドバイスが生成されるまでは、有益情報取得手段により取得された情報を、停車毎に運転者に通知するようになっている。
【0016】
この請求項4の装置では、同一アドバイスが所定の回数連続して通知されるわけであるが、これによれば、運転者がアドバイスを見落としてしまうことを防止することができる。一方で、同一アドバイスが所定の回数連続して通知されると、その後は連絡情報や有用情報が運転者に通知されるようになり、運転者が飽きないようにすることができる。
【0017】
次に、請求項5の運転診断情報提供装置は、請求項4の運転診断情報提供装置において、アドバイスが通知された際の停車期間が所定の期間未満の場合は、通知回数がカウントされないように構成されている。
【0018】
これによれば、例えば渋滞時など走行/停止を繰り返しているような場合において、ごく短い停車時における通知で通知回数がカウントされてしまわないようにすることができる。つまり、渋滞時等においてアドバイスの通知が不十分となってしまうことを防止することができる。
【0019】
次に、請求項6の運転診断情報提供装置は、請求項4,5の運転診断情報提供装置において、通知手段は、アドバイス、連絡情報及び有用情報の何れかの通知中に車両が走行を開始すると、そのアドバイス、連絡情報又は有用情報の通知を中断するようになっており、次回の停車時に、前回通知を中断したそのアドバイス、連絡情報又は有用情報を通知するようになっている。
【0020】
車両の走行時には、アドバイス、連絡情報又は有用情報の通知が中断されるため、運転者は、車両の走行中は運転に集中することができ、より安全である。一方、次回の停車時に、前回通知が中断されたアドバイス、連絡情報又は有用情報が再度通知されるため、通知が中断されたままとなることがなく安心である。
【0021】
次に、請求項7の運転診断情報提供装置は、請求項1〜6の運転診断情報提供装置において、有益情報取得手段により取得された連絡情報及び有益情報を記憶装置に記憶する記憶制御手段を備え、通知手段は、連絡情報及び有益情報の両方又は一方を、記憶装置から読み出して運転者に通知するようになっており、連絡情報及び有益情報には、それぞれに有効期限を表す情報が含まれ、記憶制御手段は、記憶装置に記憶した連絡情報及び有益情報のうち、各々に含まれる有効期限が到来した情報は、その記憶装置から削除するようになっている。
【0022】
これによれば、不要に古い情報(連絡情報、有益情報)が運転者に通知されるようなことを防止することができる。逆に言えば、ある程度新鮮な情報(タイムリーな情報)が運転者に通知されるようになり、運転者にとって嬉しいものとなる。
【0023】
次に、請求項8の転診断情報提供装置は、請求項1〜7の運転診断情報提供装置において、連絡情報及び有益情報には予め優先度が定められ、通知手段は、連絡情報及び有益情報を、予め定められた優先度に基づき優先度の高い順に運転者に通知するようになっている。
【0024】
これによれば、予め優先度を定めておくことで、例えばより速やかに運転者に通知すべき連絡情報或いは有用情報が優先的に、運転者に通知されるようにすることができる。このため、連絡情報や有用情報を運転者に通知することの効果をより一層向上させることができる。尚、優先度は、例えば走行区間毎に変更されるものであっても良い。
【0025】
次に、請求項9の発明は、車両に搭載される車載機と、その車載機と通信可能に構成されるサーバとを備えた運転診断情報提供システムである。
サーバは、車両の運転者に通知すべき情報である連絡情報及び運転に役立つ情報である有用情報を記憶する有益情報記憶手段を備えている。
【0026】
車載機は、車両の状態を表す情報である車両情報を取得する車両情報取得手段と、車両情報取得手段により取得された車両情報に基づき、車両の運転状態を診断する診断手段と、診断手段の診断結果を表す情報である診断情報を運転者に通知する通知手段と、連絡情報及び有用情報の両方又は一方をサーバから取得する有益情報取得手段と、を備え、通知手段は、所定の条件下において、診断情報に代えて、有益情報取得手段により取得された情報を、運転者に通知するようになっている。
【0027】
これによれば、請求項1について述べた効果と同じ効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の運転診断情報提供システム1の構成図である。運転診断情報提供システム1は、車両(図示省略)に搭載される運転診断情報提供装置10と、センタ2に設置されるサーバ4とを中心に構成される。
【0029】
運転診断情報提供装置10は、車内LAN200に接続される。また、車内LAN200には、例えば、広域通信装置210と、車速パルス発生器220と、加速度センサ230と、燃料量検知センサ240と、が接続される。尚、センサについては一例であり、車両の状態を検出するための種々のセンサが車内LAN200に接続される。
【0030】
広域通信装置210は、サーバ4との間で通信可能に構成されている。また、例えば道路近傍に配置されたVICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System:道路交通情報システム)サービス用の電波ビーコンや光ビーコンを介して、VICSセンタから交通情報(例えば、事故情報や渋滞情報等)を受信したり、VICSセンタへ車両情報、ユーザ情報等を発信したりすることができる。
【0031】
車速パルス発生器220は、車速に応じたパルス信号を発生する機器である。
加速度センサ230は、車両の加速度に応じた信号を出力するセンサである。
燃料量検知センサ240は、燃料タンク内の燃料量に応じた信号を出力するセンサである。
【0032】
図2は、運転診断情報提供装置10の具体的な構成を表すブロック図である。
運転診断情報提供装置10は、位置検出器101、地図データベース106、操作スイッチ群107、外部メモリ108、表示装置109、音声案内/音声認識装置110、ブルートゥース通信装置(以下、BT通信装置と記載する)111、リモコンセンサ112、車両インタフェース(以下、I/Fと記載する)113、及びそれらを統括制御する制御回路115を備える。
【0033】
位置検出器101は、当該運転診断情報提供装置10を搭載した車両の現在位置や方位(進行方向)を検出するためのセンサ群であり、地磁気センサ102、ジャイロスコープ103、距離センサ104、及びGPS受信機105を備える。
【0034】
GPS受信機105は、GPS(Global Positioning System)用の人工衛星からの送信電波をGPSアンテナ105aを介して受信し、車両の位置、方位(進行方向)、速度等を検出する。
【0035】
地磁気センサ102は、半導体を用いた方位センサであり、地球に生じている南北の地磁気を検出して、方位(進行方向)を検出する。
ジャイロスコープ103は、車両の角速度(方位変化量)を検出するためのセンサであり、車両に加わる回転運動の角速度に応じた検出信号を出力する。
【0036】
距離センサ104は、車両の前後方向の加速度等から走行した距離を検出する。
これらのセンサ群は各々が性質の異なる誤差を持っているため、複数のセンサにより各々補完しながら使用するように構成される。
【0037】
地図データベース106は、地図データを記憶する。地図データとしては、道路を表すリンクデータ、交差点を表すノードデータ、位置を特定する精度を向上するためのいわゆるマップマッチング用のデータ、施設を示すマークデータ、表示用の画像データ、音声案内用の音声データ等がある。
【0038】
操作スイッチ群107は、表示装置109と一体に構成され、表示画面上に設定されるタッチパネル及び表示装置109の周囲に配置される機械的なボタン式スイッチ類を備える入力操作パネルである。タッチパネルと表示装置109とは積層構造により一体化されており、タッチパネルとしては、感圧方式、電磁誘導方式、静電容量方式、あるいはこれらを組み合わせた方式等各種の方式のものがある。
【0039】
外部メモリ108は、制御回路115が実行する各種プログラムや、制御回路115における演算結果等を記憶する。
表示装置109は、操作スイッチ群107と一体となってタッチパネルとして機能する際のボタンの他、運転状態に関する診断結果、地図、探索した道路、テレビ、DVDの画像等を画面に表示する液晶カラーディスプレイである。
【0040】
音声案内/音声認識装置110は、経路案内の音声を出力して音声案内を実現したり、図示しないマイクに対し使用者が発声した音声を電気信号に変換し、内部に格納された認識辞書中の語彙データ(比較対象パターン)と照合し、最も一致度の高いものを認識結果として制御回路115に送ったりする装置である。
【0041】
BT通信装置111は、無線(ブルートゥース)により周辺機器と通信を行うための装置である。
リモコンセンサ112は、使用者により操作されるリモコン120からの赤外線や電波等の無線信号を受信し、受信結果を制御回路115に入力する。使用者は、リモコン120を操作することにより、離れた位置からでも、操作スイッチ群107に対する操作と同様の操作を行なうことができる。
【0042】
車両I/F113は、車両に搭載される各種センサ(例えば、図1における車速パルス発生器220、加速度センサ230、燃料量検知センサ240等)からの信号を受信して制御回路115に入力する。車両には、他には、例えばアクセルセンサ、スロットル開度センサ、ブレーキセンサ、操舵角センサ、車間距離センサ、画像センサ、指示器センサ、照度センサ等が搭載されている。
【0043】
制御回路115は、運転診断部151と、アドバイス生成部153と、有益情報記憶部155とを備えている。
運転診断部151は、車両I/F113を介して、例えば車速パルス発生器220、加速度センサ230、燃料量検知センサ240等からの信号を受信し(言い換えると車両状態を取得し)、運転状態を診断する。尚、車両状態を取得した時刻が、GPSからの送信電波に含まれる時刻データに基づき算出される。また、本実施形態では、所定の走行区間を1単位として、運転状態が診断される。この点については後述する。
【0044】
アドバイス生成部153は、運転診断部151による運転状態の診断結果に基づき、運転者に提供するためのアドバイスを生成する。
有益情報記憶部155は、サーバ4から広域通信装置210を介して受信(ダウンロード)されるお知らせ情報や一言アドバイスを記憶する機能を有する。
【0045】
お知らせ情報とは、運転者に連絡すべき、或いは運転者に連絡することが望まれる情報であり、例えば、事故情報や渋滞情報などの交通情報、或いは広告情報といった類のものである。
【0046】
また、一言アドバイスとは、前述のように運転者に連絡すべき、或いは運転者に連絡することが望まれる情報であって、例えば、運転に関する所謂豆知識的な情報である。
そして、このお知らせ情報及び一言アドバイスのそれぞれには、その情報についての有効期限を表す情報が含まれている。
【0047】
尚、以下の説明において、お知らせ情報及び一言アドバイスを合わせて、有益情報とも記載する。
図3,4は、アドバイスの生成タイミング、提供タイミング、及び有益情報の提供タイミングを表すタイムチャートである。
【0048】
図3において、1段目は、車両のアクセサリスイッチ(ACC)のオン/オフ状態を表す。
2段目は、車両の走行/停止状態の一例を表し、区間(1)〜(10)がそれぞれ、車両が走行状態である区間(車速が0km/hより大きい区間)を表し、それ以外の区間が車両が停止状態である区間(車速が0km/h)を表す。尚、区間毎に付されたkm表示の数値は、走行距離を表す。
【0049】
3段目は、運転状態の診断タイミングを表す。
本実施形態では、診断は、所定の区間を1単位として行われる。具体的に、車両の累積走行距離が0である地点を始点として、車両の累積走行距離が1.6km以上となってからの最初の停車時点を終点とし、その始点から終点までが1単位となる。尚、以下、この1単位の区間を評価区間とも記載する。尚、1.6kmとは、所謂ちょい乗りの感覚(ちょっとそこまでという感覚)で車両が運転される場合の平均的な走行距離(統計的に判明している)である。
【0050】
図3の例では、アクセサリスイッチがオンされた後、最初に車両が走行を開始した地点(区間(1)の始点)が評価区間の始点となる。区間(1)の終点では、累積走行距離は0.8kmであって1.6km以上であることの条件を満たさないため評価区間の終点とはならず、同様に、区間(2)の終点も累積走行距離が1.5kmであって1.6km以上であることの条件を満たさないため評価区間の終点とはならない。区間(3)の終点は、累積走行距離が2.2kmであって1.6km以上であることの条件を満たす(言い換えると、区間(3)の終点は、累積走行距離が1.6km以上となってからの最初の停車位置である)ため、評価区間の終点となる。即ち、区間(1)の始点〜区間(3)の終点が最初の評価区間(以下、第1の評価区間と記載する)となる。そして、診断は、この第1の評価区間について行われる。診断のタイミングは、第1の評価区間の終点(つまり、区間(3)の終点)である。尚、以下、この診断タイミングを診断時Aとも記載する。
【0051】
次の評価区間(以下、第2の評価区間と記載する)は、区間(3)の終点から区間(5)の終点までとなる。第2の評価区間についての診断タイミングは、その第2の評価区間の終点(つまり、区間(5)の終点)である。尚、以下、この診断タイミングを診断時Bとも記載する。
【0052】
次の評価区間(以下、第3の評価区間と記載する)は、区間(5)の終点から区間(9)の終点までとなる。第3の評価区間についての診断タイミングは、その第3の評価区間の終点(つまり、区間(9)の終点)である。尚、以下、この診断タイミングを診断時Cとも記載する。
【0053】
4段目は、アドバイス生成タイミング(アドバイス生成処理の実行タイミング)を表す。ここでは、前回の評価区間における診断結果と、今回の評価区間における診断結果とが比較されて今回の診断結果が相対的に評価され、その評価結果に基づくアドバイスが生成される。このため、第1の評価区間の終点(診断時A)においては、前回の評価区間の診断結果が存在しない(前回の評価区間が存在しない)ため、アドバイスは生成されないようになっている。
【0054】
一方、第2の評価区間の終点(診断時B)において、第1の評価区間の診断結果と第2の評価区間の診断結果とが比較され、その第2の評価区間の診断結果が相対評価されてアドバイスが生成される。また、第3の評価区間の終点(診断時C)において、第2の評価区間の診断結果と第3の評価区間の診断結果とが比較され、その第3の評価区間の診断結果が相対評価されてアドバイスが生成される。
【0055】
5段目は、アドバイス提供タイミングを表す。
アドバイスの提供は、アドバイス生成のタイミングと同期して、停車時に行われる。また、その後、同一の評価区間内において再度停車した場合には同一のアドバイスが提供される。同一のアドバイスの提供は2回までである。つまり、同一のアドバイスは、停車毎に1回、合計2回まで提供されるようになっている。
【0056】
6段目は、有益情報(お知らせ情報或いは一言アドバイス)の提供タイミングを表す。
有益情報は、まず第1に、アドバイスが生成されない区間(提供区間(1):第1の評価区間及び第2の評価区間)において、停車時に提供されるようになっている。第2に、アドバイスが生成される区間(提供区間(2):第2の評価区間)において、3回目以降の停車時に提供されるようになっている。尚、提供区間(2)において、1,2回目の停車時は、前述のようにアドバイスが提供されるようになっている。
【0057】
次に、図4について説明する。
図4において、1,2段目は図3と同じである。
そして、3段目にアドバイス提供タイミングを示すが、本例では、何らかの理由でアドバイスが生成されないようになっている。
【0058】
そして、4段目には、有益情報の提供タイミングを示す。ここで、アドバイスの生成が無い場合には、本来アドバイスが生成される評価区間の終点(第2、第3の評価区間の終点)において、有益情報が提供される。また、同一の評価区間内において、停車毎に有益情報が提供される(提供区間(3))。
【0059】
次に、図5は、制御回路115のアドバイス生成部153において実行されるアドバイス生成処理を表すフローチャートである。この図5のアドバイス生成処理により、図6に一例として示す診断項目について、アドバイスが生成される。
【0060】
図6に示すように、診断項目には、少なくとも、エコモード走行割合、エコランプ点灯割合、特定モード選択割合、アクセル踏み過ぎ割合、及び不適当ギア選択割合、に関する項目がある。尚、エコモードとは、低燃費モードのことである。低燃費モードでは、例えばエアコンの稼動状態が通常時より抑制されたり、アクセルの踏み込み量に対する燃料噴射量の増加割合が通常時よりも抑制されたりして、燃費が抑えられるようになっている。尚、図示しないエコスイッチ(以下、エコSWとも記載する)を押下することにより、車両のモードがエコモードとなるようになっている。また、エコランプとは、車両の走行状態が経済的な状態(例えば燃費を抑えた状態)である場合に点灯するランプである。
【0061】
エコモード走行割合に係る診断では、所定の走行区間(走行距離)のうち、車両のモードがエコモードである状態でその車両が走行した距離の割合が診断される。
エコランプ点灯割合に係る診断では、所定の走行区間(走行距離)のうち、エコランプが点灯した状態で車両が走行した距離の割合が診断される。
【0062】
特定モード選択割合に係る診断では、所定の走行区間(走行距離)のうち、走行モードが特定モード(スポーツモードやパワーモード)に設定された状態で車両が走行した距離の割合が診断される。尚、スポーツモード/パワーモードとは、走行性を重視したモードであり、例えばアクセル操作やブレーキ操作のレスポンスを向上させたり、加速性等を向上させたりしたモードである。
【0063】
アクセル踏み過ぎ割合に係る診断では、所定の走行区間(走行距離)のうち、アクセルの踏み込み量がある閾値以上の状態で車両が走行した距離の割合が診断される。
不適当ギア選択割合に係る診断では、所定の走行区間(走行距離)のうち、エンジンのトルク特性に合致しないギア(シフト)が選択された状態で車両が走行した距離の割合が診断される。
【0064】
また、図6において、(n)は今回の評価区間における診断結果の値であることを示し、(n−1)は、前回の評価区間(今回の評価区間の1つ前の評価区間)における診断結果の値であることを示す。
【0065】
図5に戻り、アドバイス生成処理では、まずS110において、今回のエコモード走行割合から前回のエコモード走行割合を減じた値(言い換えると、今回のエコモード走行割合と前回のエコモード走行割合との間の変化量であり、以下、エコモード変化量と記載する)の絶対値が、今回のエコランプ点灯割合から前回のエコランプ点灯割合を減じた値(言い換えると、今回のエコランプ点灯割合と前回のエコランプ点灯割合との間の変化量であり、以下、エコランプ変化量と記載する)の絶対値以上か否かを判定し、前者のエコモード変化量が後者のエコランプ変化量以上でないと判定すると(S110::NO)、S120に移行する。
【0066】
S120では、エコランプ変化量が0より大きいか否かを判定し、エコランプ変化量が0より大きくないと判定すると(S120:NO)、S130に移行する。
S130では、今回のエコランプ点灯割合が0.8より大きいか否かを判定し、今回のエコランプ点灯割合が0.8以下であると判定すると(S130:NO)、S140)に移行する。
【0067】
S140では、今回のエコランプ点灯割合と前回のエコランプ点灯割合とが同じか否か(つまり、エコランプ変化量が0か否か)を判定し、同じでないと判定すると(S140:NO)、S150に移行する。
【0068】
一方、S140で今回のエコランプ点灯割合と前回のエコランプ点灯割合とが同じであると判定すると(S14:YES)、S190に移行する。
S190では、今回のエコランプ点灯割合が0.5より大きいか否かを判定し、0.5以下であると判定すると(S190:NO)、S150に移行する。
【0069】
S150では、今回の特定モード選択割合から前回の特定モード選択割合を減じた値(つまり、今回の特定モード選択割合と前回の特定モード選択割合との間の変化量であり、以下、特定モード変化量と記載する)を演算する。
【0070】
また、今回のアクセル踏み過ぎ割合から前回のアクセル踏み過ぎ割合を減じた値(つまり、今回のアクセル踏み過ぎ割合と前回のアクセル踏み過ぎ割合との間の変化量であり、以下、アクセル変化量と記載する)を演算する。
【0071】
また、今回の不適当ギア選択割合から前回の不適当ギア選択割合を減じた値(つまり、今回の不適当ギア選択割合と今回の不適当ギア選択割合との間の変化量であり、以下、不適当ギア変化量と記載する)を算出する。
【0072】
S150の後はS160に進み、特定モード変化量、アクセル変化量、及び不適当ギア変化量のうち、変化量が最も大きい項目を判定する。
S160にて、特定モード変化量が最も大きいと判定すると、S280に移行し、特定モードに関する注意喚起を行う。具体的に、例えば特定モードでの走行を控えるべき旨のアドバイスを生成し、表示装置109の表示画面に表示させる。
【0073】
また、S160にてアクセル変化量が最も大きいと判定すると、S290に移行し、アクセル踏み過ぎに関する注意喚起を行う。具体的に、例えばアクセルの踏み過ぎに注意すべき旨のアドバイスを生成し、表示装置109の表示画面に表示させる。
【0074】
また、S160にて、特定モード変化量及び不適当ギア変化量の何れも最大でないと判定すると、S170に移行する。尚、S160では、特定モード変化量及び不適当ギア変化量が共に最大値をとる(同値)と判定した場合も、S170に移行する。
【0075】
S170では、不適当ギア変化量が最小か否かを判定し、最小でない(つまり最大である)と判定すると(S170:YES)、S295に移行し、不適当ギア選択に関する注意喚起を行う。具体的に、例えばギア(シフト)の選択を適切に行うべき旨のアドバイスを生成し、表示装置109の表示画面に表示させる。
【0076】
一方、S170にて不適当ギア変化量が最小であると判定すると(S170:YES)、S180に移行し、特定モード変化量、アクセル変化量、及び不適当ギア変化量のうち、最大のものを抽出する。尚、S180に移行する場合とは、実際には、特定モード変化量及びアクセル変化量が同値で最大となる場合であり、このためS180では、その特定モード変化量及びアクセル変化量がともに抽出される。
【0077】
次に、S300に進み、特定モード変化量及びアクセル変化量に関し、注意喚起を行う(例えば、S280,S290に準じた処理を実行する)。
ここで、S110にて、エコモード変化量がエコランプ変化量以上であると判定すると(S110:YES)、S200に移行する。
【0078】
S200では、エコモード変化量が0より大きいか否かを判定し、0より大きいと判定すると(S200:YES)、S240に移行し、エコモード走行割合が大きいこと(つまり、運転状態が経済的であること)を褒めるアドバイスを生成し、表示装置109の表示画面に表示させる。
【0079】
また、S200においてエコモード変化量が0以下である(つまり悪化している)と判定すると(S200:NO)、S210に移行する。
S210では、今回のエコモード走行割合と前回のエコモード走行割合とが同じか否か(つまり、エコモード変化量が0か否か)を判定し、同じでないと判定すると(S210:NO)、S230に移行する。
【0080】
一方、S210にて今回のエコモード走行割合と前回のエコモード走行割合とが同じであると判定すると(S210:YES)、S220に移行する。
S220では、今回のエコモード走行割合が0.5より大きいか否かを判定し、0.5より大きいと判定すると(S220:YES)、S120に移行する。
【0081】
一方、S220にて今回のエコモード走行割合が0.5以下であると判定すると(S220:NO)、S230に移行する。
S230では、今回のエコモード走行割合が0か否かを判定し、0であると判定すると(S230:YES)、S250に移行し、エコSWがオフのままであることを注意喚起する。具体的に、例えば、エコSWがオフのままである旨のアドバイスを生成し、表示装置109の表示画面に表示する。
【0082】
一方、S230にて、今回のエコモード走行割合が0でないと判定すると(S230:NO)、S260に移行し、エコモード走行割合に関する注意喚起を行う。具体的に、エコモード走行割合が低い旨のアドバイスを生成して表示装置109の表示画面に表示させる。
【0083】
次に、S120にてエコランプ変化量が0より大きいと判定すると(S120:YES)、S270に移行し、エコランプの点灯時間が長くなったことを褒めるアドバイスを生成し、表示装置109の表示画面に表示させる。
【0084】
ここで、S130にて今回のエコランプ点灯割合が0.8より大きいと判定した場合は(S130:YES)、アドバイスを生成しないようになっている。
S190にて今回のエコランプ点灯割合が0.5より大きいと判定した場合も(S190:YES)、アドバイスを生成しないようになっている。
【0085】
次に、制御回路115において実行される有益情報提供処理について図7,8を用いて説明する。
図7の有益情報提供処理は、提供区間(1)(図3参照)において実行される処理であり、図8の有益情報提供処理は、提供区間(2),(3)(同図参照)において実行される処理である。尚、以下の説明において、図5の処理で生成されるアドバイスのことを、一言アドバイスとの区別を明確にすべく、通常アドバイスとも記載する。
【0086】
図7の有益情報提供処理は、アクセサリスイッチがオンされた後、最初のアドバイス生成タイミング(第2の評価区間の終点:図3参照)までの間において定期的に実行される。
【0087】
図7の処理では、まず、S310にて、有効期限が到来していないお知らせ情報が有益情報記憶部155に記憶されているか否かを判定し、記憶されていないと判定すると(S310:NO)、S320に移行する。尚、有益情報記憶部155に記憶されているお知らせ情報は定期的にチェックされ、有効期限が到来したお知らせ情報はそのチェックの際に削除されるようになっている。一言アドバイスについても同様である。
【0088】
S320では、有益情報記憶部155に記憶されている一言アドバイスであって未提供の一言アドバイスを、その一言アドバイス毎に予め定められている優先度が高いものから順番に表示装置109の表示画面に表示させる。未提供であるか否かは、例えばフラグ情報により管理される。フラグ情報は、当該図7の終了時(通常アドバイスが新たに生成された際)にリセットされる。
【0089】
次にS330に移行し、通常アドバイスの生成が行われたか否かを判定し、通常アドバイスが生成されていないと判定すると(S330:NO)、再びS320に戻る。
一方、S330で通常アドバイスが生成されたと判定すると(S330:YES)、そのまま当該処理を終了する。
【0090】
また、S310で有効期限が到来していないお知らせ情報が有益情報記憶部155に記憶されていると判定すると(S310:YES)、S340に移行する。
S340では、有益情報記憶部155に記憶されているお知らせ情報であって未提供のお知らせ情報を、そのお知らせ情報毎に予め定められている優先度が高いものから順番に表示装置109の表示画面に表示させる。未提供であるか否かは、前述のように例えばフラグ情報により管理される。フラグ情報は、当該図7の終了時(通常アドバイスが新たに生成された際)にリセットされる。
【0091】
次にS350に進み、通常アドバイスが生成されたか否かを判定し、生成されていないと判定すると(S350:NO)、再びS340に戻る。
一方、S350で通常アドバイスが生成されたと判定すると(S350:YES)、そのまま当該処理を終了する。
【0092】
次に、図8の有益情報提供処理について説明する。
図8の処理は、最初のアドバイス生成タイミング(第2の評価区間の終点:図3参照)以降において定期的に実行される。
【0093】
図8の処理では、まず、S410において、有益情報記憶部155に記憶されている一言アドバイスであって未提供の一言アドバイスを、その一言アドバイス毎に予め定められている優先度が高いものから順番に表示装置109の表示画面に表示させる。未提供であるか否かは、例えばフラグ情報により管理される。フラグ情報は、当該図8の終了時(通常アドバイスが新たに生成された際)にリセットされる。
【0094】
次にS420に進み、有益情報記憶部155に記憶されている一言アドバイスを全て提供したか否か(表示画面に表示したか否か)を判定し、一部について未提供であると判定すると(S420:NO)、S440に移行する。
【0095】
S440では、新たな通常アドバイスが生成されたか否かを判定し、新たな通常アドバイスが生成されていないと判定すると(S440:NO)、再びS410に戻る。
一方、S440にて新たな通常アドバイスが生成されたと判定すると(S440:YES)、そのまま当該処理を終了する。
【0096】
また、S420にて一言アドバイスを全て提供したと判定すると(S420:YES)、S430に移行し、有効期限が到来していないお知らせ情報が有益情報記憶部155に記憶されているか否かを判定する。
【0097】
S430にて有効期限が到来していないお知らせ情報が有益情報記憶部155に記憶されていないと判定すると(S430:NO)、再びS410に戻る。
一方、S430にて有効期限内のお知らせ情報が有益情報記憶部155に記憶されていると判定すると(S430:YES)、S450に移行する。
【0098】
S450では、有益情報記憶部155に記憶されているお知らせ情報であって未提供のお知らせ情報を、そのお知らせ情報毎に予め定められている優先度が高いものから順番に表示装置109の表示画面に表示させる。未提供であるか否かは、前述のように例えばフラグ情報により管理される。フラグ情報は、当該図8の終了時(通常アドバイスが新たに生成された際)にリセットされる。
【0099】
S450の後はS460に進み、有益情報記憶部155に記憶されているお知らせ情報を全て提供したか否かを判定し、全て提供したと判定すると(S460:YES)、再びS410に戻る。
【0100】
一方、S460にて一部のお知らせ情報について未提供であると判定すると(S460:NO)、S470に移行する。
S470では、新たな通常アドバイスが生成されたか否かを判定し、新たな通常アドバイスが生成されていないと判定すると(S470:NO)、再びS450に戻る。
【0101】
一方、S470にて新たな通常アドバイスが生成されたと判定すると(S470:YES)、そのまま当該処理を終了する。
次に、図9は、本実施形態における表示画面の一例である。
【0102】
図9に示す表示画面では、詳細は後述するが、ステータス情報、エコレベル、燃費情報、累積ポイント、アドバイス、が少なくとも表示されるようになっている。
ステータス情報は、運転者の運転レベル・運転技術の階級を色分けにより表示するものである。尚、文字の表示色自体がレベルに応じて色分けされるようになっている。例えば、ゴールドが最も優れており、シルバーが次に優れており、ブルーがその次に優れていることを示す。
【0103】
エコレベルは、運転の経済性の度合いを表示するものである。例えば、燃費、エコモード走行割合、エコランプ点灯割合、特定モード選択割合、アクセル踏み過ぎ割合、及び不適当ギア選択割合、などの診断項目の診断結果が総合的に評価され、レベル付けされる。また、評価の区間(期間)は、1分間としたり、或いはトリップ期間(例えばアクセサリスイッチのオンからオフまでの期間)としたり、運転者が任意に設定することができる。
【0104】
燃費情報では、所定の時点の燃費が表示される。
累積ポイントは、運転者に現在付与されているポイントの合計である。ここでポイントについて説明する。本実施形態では、運転状態に関する診断結果が、運転診断情報提供装置10からサーバ4に送信され、サーバ4では、その診断結果に基づき、運転者に付与すべきポイントが演算、記録されるようになっている。そして、運転診断情報提供装置10において、ポイントの情報はサーバ4からダウンロードできるようになっている。運転者に付与されるポイントはサーバ4にて管理され、ショッピング、給油、高速道路料金所などの様々な場面での各種支払いに利用できる。これは、経済的な運転や安全運転を行う運転者を優遇する趣旨である。ひいては、経済的な運転や安全運転を促して、燃費向上(排出ガス削減)や交通事故の減少に繋げようとするものである。
【0105】
アドバイスの欄には、図5の処理により生成されたアドバイス、或いはお知らせ情報/一言アドバイスが表示される。尚、図10に、アドバイスの欄に表示されるアドバイスの一例を示す。
【0106】
以上説明したように、本実施形態においては、運転状態の診断結果に基づくアドバイスが運転者に通知され、これにより運転状態の改善が望めるようになる。一方で、アドバイスの他、前述したようなお知らせ情報や一言アドバイスが運転者に通知されるようになるため、運転者が飽きないようにすることができる。よって、運転者に通知される情報に対するその運転者の関心が低減してしまわないようにすることができる。
【0107】
特に、上記実施形態では、例えばアドバイスを提供できない期間(第1の評価区間ないし第2の評価区間:図3参照)、或いはアドバイスを提供しない区間(区間(7),(8))においてお知らせ情報や一言アドバイスが運転者に通知されるようになっており、このため、通常アドバイスの提供が阻害されることがない。
【0108】
また、上記実施形態では、同一のアドバイスは停車時毎に1回づつ、合計2回まで提供されるようになっており(例えば、区間(5)〜(6))、これによれば、運転者がアドバイスを見落としてしまうことを防止することができる。そして、同一のアドバイスが合計2回提供されると、その後はお知らせ情報や一言アドバイスが運転者に提供されるため、運転者の飽きを防止できる。
【0109】
また、上記実施形態では、有益情報記憶部155に記憶されたお知らせ情報及び一言アドバイスのうち、有効期限の到来した情報は削除されるようになっているため、例えば不要に古い情報が運転者に提供されてしまうことを防止することができる。
【0110】
また、上記実施形態では、一言アドバイス、及びお知らせ情報は、予め定められた優先度に従って順番に提供されるため、例えばより有用性の高い情報が速やかに運転者に通知されるようになって効果的である。
【0111】
尚、本実施形態において、車両I/F113が車両情報取得手段に相当し、運転診断部151が診断手段に相当し、S240〜S300の処理がアドバイス生成手段、通知手段に相当し、S320,S340,S410,S450が有益情報取得手段に相当している。
【0112】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術範囲内において種々の形態をとることができる。
例えば、上記実施形態において、アドバイスは停車時毎に1回づつ、合計2回まで提供されるが、停車の継続期間が所定期間より短ければ、その際のアドバイス提供は回数にカウントされないようにしても良い。
【0113】
また、上記実施形態において、停車時に、アドバイス、一言アドバイス或いはお知らせ情報と提供し、その提供の最中に車両が走行を開始した場合には、提供を中断するようにしても良い。運転者が運転に集中できるようにするためである。そしてこの場合、次回の停車時に、その中断した情報を再度提供するようにすると良い。
【0114】
また、上記実施形態において、「お知らせ情報」や「一言アドバイス」といった情報は一例であり、その他種々の情報が運転者に提供されても良い。
また、上記実施形態において、図9における燃費情報としては、所定の期間における平均燃費が表示されるようにしても良い。また、所定の期間における燃費の推移がグラフ表示されるようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0115】
【図1】本発明の運転診断情報提供システム1の構成図である。
【図2】運転診断情報提供装置10の具体的な構成を表すブロック図である。
【図3】アドバイスの生成タイミング、提供タイミング、及び有益情報の提供タイミングを表すタイムチャートである(その1)。
【図4】アドバイスの生成タイミング、提供タイミング、及び有益情報の提供タイミングを表すタイムチャートである(その2)。
【図5】制御回路115のアドバイス生成部153において実行されるアドバイス生成処理を表すフローチャートである。
【図6】診断項目を説明する図面である。
【図7】制御回路115において実行される有益情報提供処理を表すフローチャートである(その1)。
【図8】制御回路115において実行される有益情報提供処理を表すフローチャートである(その2)。
【図9】表示画面の一例を表す図面である。
【図10】表示画面に表示されるアドバイスの一例を表す図面である。
【符号の説明】
【0116】
1…運転診断情報提供システム、10…運転診断情報提供装置、101…位置検出器、102…地磁気センサ、103…ジャイロスコープ、104…距離センサ、105…GPS受信機、105a…GPSアンテナ、106…地図データベース、107…操作スイッチ群、108…外部メモリ、109…表示装置、110…音声案内/音声認識装置、111…BT通信装置、112…リモコンセンサ、113…車両I/F、115…制御回路、120…リモコン、151…運転診断部、153…アドバイス生成部、155…有益情報記憶部、210…広域通信装置、220…車速パルス発生器、230…加速度センサ、240…燃料量検知センサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の状態を表す情報である車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報取得手段により取得された前記車両情報に基づき、車両の運転状態を診断する診断手段と、
前記診断手段の診断結果を表す情報である診断情報を運転者に通知する通知手段と、
を備えた運転診断情報提供装置において、
運転者に通知すべき情報である連絡情報及び運転に役立つ情報である有用情報の両方又は一方を少なくとも取得する有益情報取得手段を備え、
前記通知手段は、所定の条件下において、前記診断情報に代えて、前記有益情報取得手段により取得された情報を、運転者に通知するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の運転診断情報提供装置において、
前記診断手段は、所定の走行区間毎にその走行区間における車両の運転状態を演算し、診断対象の走行区間(以下、対象走行区間と言う)について演算した運転状態と、他の走行区間について演算した運転状態とを比較して、対象走行区間における運転状態の良否を診断するようになっており、
前記通知手段は、前記有益情報取得手段により取得された情報を、少なくとも第2番目の走行区間の終了時までの間において運転者に通知するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の運転診断情報提供装置において、
前記診断手段の診断結果に基づき、運転者に提供するためのアドバイスを生成するアドバイス生成手段を備え、
前記通知手段は、前記アドバイス生成手段により生成されたアドバイスを、前記診断情報として運転者に通知するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項4】
請求項3に記載の運転診断情報提供装置において、
前記通知手段は、前記アドバイス生成手段により生成されたアドバイスを、停車毎に運転者に通知し、同一アドバイスの通知回数が所定の回数に達すると、その後別のアドバイスが生成されるまでは、前記有益情報取得手段により取得された情報を、停車毎に運転者に通知するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項5】
請求項4に記載の運転診断情報提供装置において、
アドバイスが通知された際の停車期間が所定の期間未満の場合は、前記通知回数がカウントされないように構成されていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の運転診断情報提供装置において、
前記通知手段は、前記アドバイス、前記連絡情報及び前記有用情報の何れかの通知中に車両が走行を開始すると、そのアドバイス、連絡情報又は有用情報の通知を中断するようになっており、次回の停車時に、前回通知を中断したそのアドバイス、連絡情報又は有用情報を通知するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6の何れか1項に記載の運転診断情報提供装置において、
前記有益情報取得手段により取得された前記連絡情報及び前記有益情報を記憶装置に記憶する記憶制御手段を備え、
前記通知手段は、前記連絡情報及び前記有益情報の両方又は一方を、前記記憶装置から読み出して運転者に通知するようになっており、
前記連絡情報及び前記有益情報には、それぞれに有効期限を表す情報が含まれ、
前記記憶制御手段は、記憶装置に記憶した連絡情報及び有益情報のうち、各々に含まれる有効期限が到来した情報は、その記憶装置から削除するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項7の何れか1項に記載の運転診断情報提供装置において、
前記連絡情報及び前記有益情報には予め優先度が定められ、
前記通知手段は、前記連絡情報及び前記有益情報を、予め定められた優先度に基づき優先度の高い順に運転者に通知するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供装置。
【請求項9】
車両に搭載される車載機と、その車載機と通信可能に構成されるサーバとを備え、
前記サーバは、
車両の運転者に通知すべき情報である連絡情報及び運転に役立つ情報である有用情報を記憶する有益情報記憶手段を備え、
前記車載機は、
車両の状態を表す情報である車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記車両情報取得手段により取得された前記車両情報に基づき、車両の運転状態を診断する診断手段と、
前記診断手段の診断結果を表す情報である診断情報を運転者に通知する通知手段と、
前記連絡情報及び前記有用情報の両方又は一方を前記サーバから取得する有益情報取得手段と、を備え、
前記通知手段は、所定の条件下において、前記診断情報に代えて、前記有益情報取得手段により取得された情報を、運転者に通知するようになっていることを特徴とする運転診断情報提供システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−39640(P2010−39640A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200005(P2008−200005)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】