説明

運転評価システム及び運転評価プログラム

【課題】地図データを更新する際のタイムラグに起因する誤評価を抑制することができる運転評価システムを提供する。
【解決手段】地図データ34に含まれる道路特性に応じた車両の運転状況を評価し、当該評価に基づく評価結果を含む評価情報35を取得する評価情報取得手段14と、評価情報35を記憶する評価情報記憶手段32と、道路特性の変更を地図データ34に反映させるための更新データを取得して、地図データ34の更新を行う更新処理手段17と、地図データ34が更新された際に、現実の道路特性の変更時から当該道路特性の変更を反映する地図データ34の更新時までの間に取得された評価情報35が有する評価結果を、更新後の地図データ34に含まれる道路特性に基づいて再検討する再検討手段18と、を備えた運転評価システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、環境に優しい運転や安全運転に関する所定の評価項目に係る運転状況を評価する運転評価システム及び運転評価プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
これまでにも、環境に優しい運転や安全運転に関する所定の評価項目に係る運転状況を評価する運転評価システムが知られている。例えば以下の特許文献1に記載された運転評価システムでは、車間距離や速度制限遵守等の評価項目に基づいて運転者が安全運転を行なっているか否かを評価して、その評価結果に応じた安全ポイントを運転者に付与する。同様に、車両の燃費状態等の評価項目に基づいて運転者が環境に優しい運転を行なっているか否かを評価して、その評価結果に応じた環境ポイントを運転者に付与する。この運転評価システムにおいては、運転者が安全運転を行なっているか否かの評価(環境に優しい運転を行なっているか否かの評価も含む)は、主に当該運転評価システムが備えている地図データベースに記憶された、制限速度や一時停止位置等に関する地図データに基づいて行なわれる。
【0003】
【特許文献1】特開2007−293626号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、交通基盤をなす重要な要素の一つとしての道路網は、日々変化している。例えば、次々と新たな道路(一般道路、高速道路を含む)が建設されたり既設の道路が拡張されたりしている。これにより、道路の形状や種別、或いは当該道路上における制限速度等の道路特性も日々変化していることになる。これに応じて地図データベースに記憶された地図データの更新も行なわれるが、現状では、更新用データの作成のために所定の期間が必要であること等により、現実に道路特性が変更された時点と、当該道路特性の変更が反映されるように地図データを更新した時点との間に、所定のタイムラグが生じてしまうことは避けられない。そのため、時期によっては、同一の地点に関して、現実の道路特性と地図データベースに記憶された地図データから把握される道路特性とが異なっている状況が生じ得る。
【0005】
このような状況下において運転者が当該変更のあった道路を走行した場合、特許文献1に記載された運転評価システムでは、当該変更後の道路特性が反映されていない地図データに基づいて運転状況が評価される。そのため、特許文献1に記載された運転評価システムでは、運転者が変更後の現実の道路特性に応じて適切な運転操作を行なった場合であっても、古い地図データに基づいた誤った評価がなされてしまう場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、地図データを更新する際のタイムラグに起因する誤評価を抑制することができる運転評価システム及び運転評価プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するための、本発明に係る運転評価システムの特徴構成は、地図データに含まれる道路特性に応じた車両の運転状況を評価し、当該評価に基づく評価結果を含む評価情報を取得する評価情報取得手段と、前記評価情報を記憶する評価情報記憶手段と、道路特性の変更を前記地図データに反映させるための更新データを取得して、前記地図データの更新を行う更新処理手段と、前記地図データが更新された際に、現実の前記道路特性の変更時から当該道路特性の変更を反映する前記地図データの更新時までの間に取得された前記評価情報が有する前記評価結果を、更新後の前記地図データに含まれる前記道路特性に基づいて再検討する再検討手段と、を備えた点にある。
【0008】
なお、本明細書において「道路特性」は、道路の形状、種別、当該道路上における交通規制、当該道路上又はその周辺の地物の配置等、道路に関する各種の性質を表す概念として用いている。
【0009】
上記の特徴構成によれば、評価情報記憶手段に評価情報を記憶しておくとともに、現実の道路特性の変更時から所定の期間だけ遅れて当該道路特性の変更を反映するように地図データが更新された際に、当該所定の期間中に取得された評価情報が再検討されるので、地図データを更新する際のタイムラグに起因する誤評価を容易に発見することができる。誤評価が発見された場合には、当該誤評価に係る評価情報を修正等のために供することにより、上記タイムラグに起因する誤評価を抑制することができる。
【0010】
ここで、前記評価情報は、当該評価情報が取得された地点の位置座標に関する情報である位置情報をさらに含み、前記再検討手段は、前記位置情報に基づいて前記地図データが更新された範囲に含まれる地点についての前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する構成とすると好適である。
【0011】
この構成によれば、地図データが部分的に更新される場合において、当該更新された範囲に含まれる地点についての評価情報に関してのみ評価結果を再検討するので、再検討すべき評価情報を適切に選択して、再評価のための処理負荷を軽減することができる。
【0012】
また、前記評価情報は、当該評価情報が取得された日時に関する情報である評価時情報をさらに含み、前記再検討手段は、前記評価時情報に基づいて、前記地図データが更新された時点より前の所定期間内に取得された前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する構成とすると好適である。
【0013】
この構成によれば、時期的な観点から、地図データを更新する際のタイムラグに起因する誤評価がなされた可能性があると考えられる評価情報に関してのみ評価結果を再検討するので、再検討すべき評価情報を適切に選択して、再評価のための処理負荷を軽減することができる。
【0014】
また、前記再検討手段が、前記評価時情報に基づいて、前記地図データが更新された時点より前の所定期間内に取得された前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する場合において、前記更新データは、現実の前記道路特性の変更があった日時に関する情報である変更時情報を含み、前記再検討手段は、前記評価時情報に基づいて、現実の前記道路特性の変更があった時点から前記地図データが更新された時点までの期間内に取得された前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する構成とすると好適である。
【0015】
この構成によれば、変更時情報に基づき、現実の道路特性の変更があった時点から地図データが更新された時点までの期間を上記所定期間として設定するので、誤評価の再検討を行なう上で、必要かつ十分な評価情報を抽出することができる。
【0016】
或いは、前記再検討手段は、前記評価時情報に基づいて、前記更新データが取得可能となった時点、前記更新データを取得した時点、及び前記地図データが更新された時点の中から選択されるいずれかの時点より一定期間だけ前の時点の中から、前記地図データが更新された時点までの期間内に取得された前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する構成とすると好適である。
【0017】
この構成によれば、現実の道路特性の変更から更新データの配布、使用者による更新データの受け取り、或いは使用者による地図データの更新までの期間が予め決まっている場合に、それぞれに応じた期間内に生成された評価情報を抽出するので、誤評価の再検討を行なう上で、必要かつ十分な評価情報を抽出することができる。
【0018】
また、前記道路特性は、道路形状及び当該道路上における交通規制のうちのいずれか一方である構成とすると好適である。
【0019】
道路形状(例えば、カーブの曲率等)や道路上における交通規制(例えば、制限速度、一時停止規制等)が変化すると、それに応じた車両の運転状況も変化すると考えられるため、地図データを更新する際のタイムラグに起因して誤った評価がなされやすいと考えられる。したがって、上記の構成のように、道路特性が、道路形状及び当該道路上における交通規制のうちのいずれか一方である場合に、本発明を好適に適用することができる。
【0020】
また、前記再検討手段は、更新前の地図データと更新後の地図データとを比較して前記道路特性の変更内容を導出し、前記道路特性の変更が前記評価結果を変化させるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段が、前記道路特性の変更が前記評価結果を変化させると判定した場合に、当該評価結果を含む前記評価情報を修正する修正手段と、を備える構成とすると好適である。
【0021】
道路特性の変更に伴って地図データが更新される場合、道路特性の変更内容次第では、
地図データを更新する際にタイムラグがあったとしても、地図データを更新することによっては、評価結果は影響を受けず変化しない場合もある。そこで本構成のように、地図データの更新に伴って道路特性が変更されたことによって評価結果が影響を受けて変化すると判定された場合にのみ修正手段により評価情報を修正する構成とすることで、修正すべき評価情報を適切に選択することができる。
【0022】
また、前記評価情報取得手段は、制限速度遵守、一時停止遵守及びカーブ手前減速のうちの少なくとも一つの評価項目について車両の運転状況を評価し、前記判定手段は、前記評価項目に応じて設定された基準に従って、前記道路特性の変更が前記評価結果を変化させるか否かを判定する構成とすると好適である。
【0023】
この構成によれば、車両を安全に操作する上で重要な項目である制限速度遵守、一時停止遵守及びカーブ手前減速のうちの少なくとも一つの評価項目を評価対象とすることで、車両の安全運転の状況を適切に評価することができる。また、判定手段による、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かの判定を、評価項目に応じた適切な基準に従って行なわせることができる。
【0024】
また、前記修正手段は、前記評価結果を含む前記評価情報を、前記評価情報記憶手段から選択的に削除する構成とすると好適である。
【0025】
この構成によれば、再検討の結果、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定された評価結果を選択的に削除することで、比較的簡単な処理内容で、事後的に誤評価を解消することができる。
【0026】
また、車両の運転状況に係る運転履歴を記憶する運転履歴記憶手段を備え、前記修正手段は、前記評価結果を含む前記評価情報の基礎となった前記運転履歴に基づいて、当該運転履歴に係る運転状況を再評価し、当該再評価に基づく再評価結果を新たな評価結果とする構成とすると好適である。
【0027】
この構成によれば、再検討の結果、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定された評価結果の基礎となった運転履歴に係る運転状況を、再評価して新たな評価結果とすることで、実際に行なわれた運転状況に即した評価情報を事後的に取得して記憶することができる。
【0028】
以上の各構成を備えた本発明に係る運転評価システムの技術的特徴は、運転評価方法や運転評価プログラムにも適用可能である。そのため、本発明は、そのような方法やプログラムも権利の対象とすることができる。
【0029】
その場合における、運転評価プログラムの特徴構成は、地図データに含まれる道路特性に応じた車両の運転状況を評価し、当該評価に基づく評価結果を含む評価情報を取得する機能と、前記評価情報を記憶する機能と、道路特性の変更を前記地図データに反映させるための更新データを取得して、前記地図データの更新を行う機能と、前記地図データが更新された際に、現実の前記道路特性の変更時から当該道路特性の変更を反映する前記地図データの更新時までの間に取得された前記評価情報が有する前記評価結果を、更新後の前記地図データに含まれる前記道路特性に基づいて再検討する機能と、をコンピュータに実現させる点にある。
【0030】
当然ながら、この運転評価プログラムも上述した運転評価システムに係る作用効果を得ることができ、更に、その好適な構成の例として挙げたいくつかの付加的技術を組み込むことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ここでは、本発明に係る運転評価システムを、車載端末装置としてのナビゲーション装置1と、ナビゲーション装置1と通信可能に設けられた集中管理装置としてのサーバ装置2と、により構成する場合を例として説明する。図1は、このナビゲーション装置1の概略構成を示すブロック図である。この運転評価システムを構成するナビゲーション装置1は、地図データベース31に記憶された地図データ34に基づいて車両3の運転状況を評価し、当該評価に基づく評価結果を含む評価情報35を取得して記憶する。地図データ34は、現実の道路の道路特性の変更後、所定期間経過後に取得される更新データ64に基づいて更新される。その際、ナビゲーション装置1は、現実の道路特性の変更時から当該道路特性の変更を反映する地図データ34の更新時までの間に取得された評価情報35が有する評価結果を、更新後の地図データ34に含まれる道路特性に基づいて再検討する。そして、再評価により誤評価が発見された場合には、当該誤評価に係る評価情報35を修正のために供する。これにより、同一の地点に関して、現実の道路特性と地図データベース31に記憶された地図データ34から把握される道路特性とが異なっていることに起因する誤評価を抑制することができる。
【0032】
図2は、サーバ装置2の概略構成を示すブロック図である。サーバ装置2は、現実の道路に道路特性の変更を地図データ34に反映させるための更新データ64を配信する。また、サーバ装置2は、車両3に搭載されたナビゲーション装置1から評価情報35を収集して集計し、ユーザデータベース52に記憶する。
【0033】
1.ナビゲーション装置の構成
まず、ナビゲーション装置1の構成について説明する。図1に示すナビゲーション装置1の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。本実施形態においては、ナビゲーション装置1は、送受信部11、自車位置情報取得部12、運転状況取得部13、評価情報取得部14、更新処理部17、再検討部18及びナビゲーション用演算部21を機能部として備えている。そして、これらの各機能部は、デジタル転送バス等の通信線を介して互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。ここで、各機能部がソフトウェア(プログラム)により構成される場合には、当該ソフトウェアは、演算処理装置が参照可能なRAMやROM等の記憶手段に記憶される。また、地図データベース31は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体(記憶手段)をハードウェア構成として備えている。また、メモリ32は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体をハードウェア構成として備えている。このメモリ32は、地図データベース31と共通の記録媒体内に設けられても良い。以下、本実施形態に係るナビゲーション装置1の各部の構成について詳細に説明する。
【0034】
1−1.地図データベース
地図データベース31は、地図データ34が記憶されたデータベースである。地図データ34は、例えば図3に示すように、複数の交差点のそれぞれに対応する複数のノードnと、各ノードn間を接続する道路に対応する複数のリンクkとにより構成される道路ネットワークデータを含んでいる。図3においては、一つの区画の道路ネットワークデータのみを図示し、他の区画の道路ネットワークデータは省略して示している。各ノードnは、緯度及び経度で表現された地図上の位置(座標)の情報を有している。各リンクkはノードnを介して接続されており、図4に示すように、その属性情報として、道路種別、道路長(リンク長)、道路幅、形状補間点m(p)、当該リンクk上における交通規制等の、各種の道路特性に関する情報を有している。形状補完点m(p)は、リンク形状を表現するための情報であり、形状補完点m(p)を結ぶことによりカーブ等の道路形状が表現される。また、交通規制の情報としては、例えば、制限速度を表す情報や、一時停止義務のある地点の位置を表す情報等が記憶されている。なお、図4においては、後述する再検討部18による再検討処理に関わる情報についてのみ具体例を示し、再検討処理とは関係しない情報については「・・・」と省略して示している。また、更新処理部17による更新前の地図データ34が有するリンク情報が図4(a)に示され、更新後の地図データ34が有するリンク情報が図4(b)に示されている。地図データベース31に格納された地図データ34には、この他にも、ナビゲーション用演算部21による地図表示処理に必要な描画情報や経路案内処理に必要な各種の案内情報等を含んでいる。
【0035】
1−2.送受信部
送受信部11は、無線基地局等を介してサーバ装置2との間で無線通信によりデータの送受信を行う通信装置を備えている。このような無線通信方法としては、例えば携帯電話網や無線LAN(Local Area Network)等の公知の通信網を用いることができる。本実施形態においては、送受信部11は、後述するように、サーバ装置2から地図データ34の更新を行なうための更新データ64を受信する。また、送受信部11は、メモリ32に記憶されたポイント規則36を更新するための更新情報も受信する。また、送受信部11は、ポイント規則36に基づいて算出されて取得された評価情報35としてのポイントをサーバ装置2へ送信する。なお、再検討部18による再検討処理の結果、評価情報35としてのポイントが修正された場合にも、当該修正後のポイントをサーバ装置2へ送信する。これらの点については後述する。
【0036】
1−3.自車位置情報取得部
自車位置情報取得部12は、自車両の現在位置を示す自車位置情報を取得する機能部であり、自車位置情報取得手段として機能する。ここでは、自車位置情報取得部12は、GPS受信機41、方位センサ42及び距離センサ43に接続されている。ここで、GPS受信機41は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する装置である。このGPS信号は、通常1秒おきに受信され、自車位置情報取得部12へ出力される。自車位置情報取得部12では、GPS受信機41で受信されたGPS衛星からの信号を解析し、現在の自車位置(座標)、進行方位、移動速度等の情報を取得することができる。方位センサ42は、自車両の進行方位又はその進行方位の変化を検出するセンサである。この方位センサ42は、例えば、ジャイロスコープや、地磁気センサ等により構成される。そして、方位センサ42は、その検出結果を自車位置情報取得部12へ出力する。距離センサ43は、自車両の車速や移動距離を検出するセンサである。この距離センサ43は、例えば、車両のドライブシャフトやホイール等が一定量回転する毎にパルス信号を出力する車速パルスセンサ、自車両の加速度を検知するヨー・Gセンサ及び検知された加速度を積分する回路等により構成される。そして、距離センサ43は、その検出結果としての車速及び移動距離の情報を自車位置情報取得部12へ出力する。
【0037】
自車位置情報取得部12は、これらのGPS受信機41、方位センサ42及び距離センサ43からの出力に基づいて、公知の方法により自車位置を特定する演算を行う。また、自車位置情報取得部12は、地図データベース31に記憶された地図データ34に基づいて、公知のマップマッチング処理を行うことにより自車位置を地図データ34に示される道路上に合わせる補正も行う。このようなマップマッチング処理による自車位置情報の補正結果は自車位置情報に反映される。このようにして、自車位置情報取得部12は、座標(緯度及び経度)で表された現在の自車位置及びその進行方位の情報を含む自車位置情報を取得する。
【0038】
1−4.運転状況取得部
運転状況取得部13は、車両3の運転状況を取得する機能部であり、運転状況取得手段として機能する。本実施形態においては、運転状況取得部13は、アクセル開度センサ44、ブレーキ操作量センサ45及び車速センサ46と接続されている。ここで、アクセル開度センサ44は、アクセルペダルの踏み込み量からアクセル開度を検出するためのセンサである。アクセル開度は、アクセル全閉の場合をアクセル開度0%、アクセル全開の場合をアクセル開度100%として取得される。ブレーキ操作量センサ45は、ブレーキ油圧からブレーキ操作量を検出するためのセンサである。車速センサ46は、車速を検出するためのセンサであり、例えば車両の車輪に駆動連結された駆動軸の回転速度等から車速を検出する。これらに関する情報は評価情報取得部14へ出力され、評価情報35を取得するための処理に供される。
【0039】
1−5.評価情報取得部
評価情報取得部14は、地図データ34に含まれる道路特性に応じた車両3の運転状況を評価し、当該評価に基づく評価結果を含む評価情報35を取得する機能部であり、評価情報取得手段として機能する。本実施形態においては、図1に示すように、評価情報取得部14は、運転評価部15と評価情報生成部16とを備えている。なお、以下では特に明記しない限り、評価情報取得部14は、運転評価部15と評価情報生成部16とを包括する概念として用いる。
【0040】
1−5−1.運転評価部
運転評価部15は、運転状況取得部13から取得した各種の車両3の運転状況に基づき、地図データ34に含まれる道路特性に応じた評価を行なう機能部であり、運転評価手段として機能する。本実施形態においては、上述したように、運転状況取得部13により取得されたアクセル開度、ブレーキ操作量及び車速に関する運転状況が取得され、これらに基づき、制限速度遵守、一時停止遵守及びカーブ手前減速の各評価項目についての評価が行なわれる。このとき、運転評価部15は、まず自車位置情報取得部12により取得された自車位置情報に基づき、当該地点における評価項目及び評価基準を確認する。例えば、制限速度遵守に関しては、車両3が走行中の道路の制限速度に係る情報が地図データ34から取得される。また、一時停止遵守やカーブ手前減速に関しては、車両3の前方に一時停止義務のある地点(以下、一時停止地点)やカーブがある場合には、当該一時停止地点やカーブ進入地点の位置座標の情報が地図データ34から取得され、一時停止地点やカーブ進入地点においてそれぞれ実現されているべき車速やブレーキ操作量等の情報が取得される。一時停止地点やカーブ進入地点においてそれぞれ実現されているべき車速やブレーキ操作量等の情報は、詳しい説明は省略するが、基準データ37としてメモリ32に記憶されている。
【0041】
運転評価部15は、各評価項目についての基準データ37と運転状況取得部13により取得された運転状況とに基づいて、安全運転を行なっているか否かに関する評価を行なう。例えば、制限速度遵守に関しては、車両3が走行中の道路における制限速度と現在の車両3の車速とを比較して評価を行なう。そして、現在の車両3の車速が走行中の道路の制限速度以下であった場合には、制限速度を遵守していたことを表す結果情報35cを生成する。一方、現在の車両3の車速が走行中の道路の制限速度を超過していた場合には制限速度に違反したこと及び速度超過量を表す結果情報35cを生成する。
また例えば、一時停止遵守に関しては、一時停止地点において、基準データ37に記憶されたブレーキ操作量と現在の車両3のブレーキ操作量、及び車速0〔km/h〕と現在の車両3の車速とを比較して評価を行なう。そして、一時停止地点を通過する際に車両3のブレーキ操作量が基準となるブレーキ操作量以上であり、かつ、車両3の車速が0〔km/h〕となった場合には、一時停止を遵守したことを表す結果情報35cを生成する。一方、一時停止地点を通過する際に車両3のブレーキ操作量が基準となるブレーキ操作量以下であるか、或いは、車両3の車速が0〔km/h〕とならなかった場合には、一時停止を遵守しなかったこと及びその程度(車速、ブレーキ操作量等)を表す結果情報35cを生成する。
また例えば、カーブ手前減速に関しては、カーブ進入地点において、基準データ37に記憶されたブレーキ操作量と現在の車両3のブレーキ操作量、及び基準データ37に記憶された車速と現在の車両3の車速とを比較して評価を行なう。そして、カーブ進入地点に差しかかった際に車両3のブレーキ操作量が基準となるブレーキ操作量以上であり、かつ、車両3の車速が基準となる車速以下であった場合には、カーブ手前で適切に減速していたことを表す結果情報35cを生成する。一方、カーブ進入地点に差しかかった際に車両3のブレーキ操作量が基準となるブレーキ操作量以下であるか、或いは、車両3の車速が基準となる車速以上であった場合には、カーブ手前で適切に減速していなかったこと及びその程度(車速、ブレーキ操作量等)を表す結果情報35cを生成する。
【0042】
また、運転評価部15は、各評価項目についての基準データ37と運転状況取得部13により取得された運転状況とに基づいて、環境に優しい運転を行なっているか否かに関する評価も行なう。例えば、低燃費走行に関しては、燃料消費を低く抑えることができる車速とアクセル開度との関係と、現在の車両3の車速及びアクセル開度と、を比較して評価を行なう。そして、現在の車両3の車速及びアクセル開度が燃料消費を低く抑えることができる車速及びアクセル開度以下であった場合には、低燃費走行ができていたことを表す結果情報35cを生成する。一方、現在の車両3の車速及びアクセル開度が燃料消費を低く抑えることができる車速及びアクセル開度以上であった場合には、低燃費走行ができていなかったこと及びその程度を表す結果情報35cを生成する。なお、低燃費走行ができている場合に点灯されるとともに、低燃費走行ができていない場合に消灯される「エコランプ」の点灯状態に基づいて、結果情報35cを生成する構成としてあっても良い。
【0043】
安全運転及び環境に優しい運転に関する評価結果として運転評価部15により生成された結果情報35cは、評価情報生成部16に出力される。
【0044】
1−5−2.評価情報生成部
評価情報生成部16は、運転評価部15による評価結果としての結果情報35cに基づいて評価情報35を生成する機能部であり、評価情報生成手段として機能する。ここで、評価情報35には少なくとも結果情報35cが含まれており、本実施形態においてはさらに、評価時情報35a、位置情報35b及び評価項目が、結果情報35cを含めて互いに関連付けられた状態で記憶されている。ここで、評価時情報35aは評価結果としての結果情報35cが取得された日付及び時刻に関する情報である。位置情報35bは評価結果としての結果情報35cが取得された地点の位置座標に関する情報である。本実施形態においてはさらに、安全運転又は環境に優しい運転に対して付与されるポイントの情報であるポイント情報35dを含んでいる。このポイントは、結果情報35cに基づいて、メモリ32に記憶されたポイント規則36に従って算出される。このポイント規則36は、結果情報35cと付与されるポイントとの関係を規定した規則である。本実施形態においては、一例として、ポイント規則36は、一走行(車両3の主電源のオンからオフまでの走行)毎に所定のポイント(例えば、100ポイント)が付与されるとともに、安全運転又は環境に優しい運転に反するような運転がなされた場合に、当該運転に対応する結果情報35cに応じたポイントが減点されるという規則となっている(例えば、制限速度違反があった場合に、超過速度に応じて1ポイント減点〜10ポイント減点等)。評価情報35はメモリ32に格納されて記憶される。図7には、メモリ32に記憶された評価情報35の一例を示している。本実施形態においては、このメモリ32が本発明における「評価情報記憶手段」に相当する。また、評価情報35に含まれる結果情報35cは再検討部18に出力されて再検討処理のために供される。また、評価情報35に含まれるポイント情報35dは送受信部11を介してサーバ装置2に送信される。
【0045】
1−6.更新処理部
更新処理部17は、更新データ64を取得した際に、地図データ34の更新を行なう機能部であり、更新処理手段として機能する。本実施形態においては、更新処理部17は、サーバ装置2から更新データ64を受信した際には、地図データ34の更新処理を自動的に実行する構成となっている。また、本実施形態においては、更新データ64は、現実に変更があった道路特性の変更内容を差分として表す差分データとして生成される(詳しくは後述する)。したがって、これに応じて更新処理部17による更新処理も、差分更新処理となっている。すなわち、更新処理部17は、差分データである更新データ64に含まれる、地図データベース51(図2を参照)に記憶された地図データ61の追加、変更、又は削除の内容を、地図データベース31に記憶された地図データ34に適用することにより、地図データベース31の差分更新処理を行う。
【0046】
1−7.再検討部
再検討部18は、地図データ34が更新された際に、現実の道路特性の変更時から当該道路特性の変更を反映する地図データ34の更新時までの間に取得された評価情報35が有する評価結果を、更新後の地図データ34に含まれる道路特性に基づいて再検討する機能部であり、再検討手段として機能する。本実施形態においては、図1に示すように、再検討部18は、判定部19と修正部20とを備えている。なお、以下では特に明記しない限り、再検討部18は、判定部19と修正部20とを包括する概念として用いる。
【0047】
1−7−1.判定部
判定部19は、更新前の地図データ34と更新後の地図データ34とを比較して道路特性の変更内容を導出し、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する機能部であり、判定手段として機能する。本実施形態においては、更新データ64は差分データとして配信されるので、判定部19は当該更新データ64の内容を参照して道路特性の変更内容を導出することができる。よって、判定部19はメモリ32に記憶された評価情報35と更新データ64の内容とに基づき、評価項目に応じて設定された基準に従って、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する。
【0048】
ここで、判定部19は、評価情報35に含まれる位置情報35bに基づいて、地図データ34が更新された範囲に含まれる地点についての評価情報35を抽出し、抽出された評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する。より具体的には、本実施形態においては、後述するように更新データ64は道路単位(リンクk単位)での差分データとして配信されるので、判定部19は、更新データ64に含まれ地図データ34の更新処理の対象となる道路(リンクk)上において過去に取得された評価情報35を抽出し、抽出された評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する。このように、地図データ34が更新された範囲に含まれる地点についての評価情報35に関してのみ、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定することで、再検討すべき評価情報35を適切に選択して、再評価のための処理負荷を軽減することができる。
【0049】
また、判定部19は、評価情報35に含まれる評価時情報35aに基づいて、地図データ34が更新された時点より前の所定期間内に取得された評価情報35を抽出し、抽出された評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する。本実施形態においては、判定部19は、現実の道路特性の変更があった時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得された評価情報35を抽出し、抽出された評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する。ここで、本実施形態においては、更新データ64には、後述するように現実の道路特性の変更があった日付及び時刻に関する情報である変更時情報64aが含まれているので、変更時情報64aを参照することにより現実の道路特性の変更があった時点を求めることができる。そして、判定部19は、評価時情報35aに基づき、変更時情報64aを参照して取得される現実の道路特性の変更があった時点以降に取得された評価情報35を抽出し、抽出された評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する。このように、現実の道路特性の変更があった時点以降に取得された評価情報35に関してのみ、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定することで、誤評価の再検討を行なう上で必要かつ十分な評価情報35を抽出し、再評価のための処理負荷を軽減することができる。
【0050】
次に、図5に基づき、判定部19による、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かの判定処理について具体例に即して説明する。ここでは、一例として、2008年7月31日00時00分に、リンクk3に対応する道路においてS字カーブを廃止して新たに比較的曲率の小さなカーブを建設する工事が完成するとともに、2008年8月3日00時00分に、リンクk2に対応する道路において交通規制としての最高速度が50〔km/h〕から60〔km/h〕に変更されたとする。図5のリンクk3においては、廃止されたS字カーブを破線で示し、新たに建設されたカーブを実線で示している。ここで、廃止されたS字カーブの道路形状(リンク形状)は形状補完点m1〜m9で表現され、新たに建設されたカーブの道路形状(リンク形状)は形状補完点p1〜p4で表現されている。なお、リンクk3のリンク形状は変化したものの、ノードn3側のリンク端における一時停止規制に関しては変化がなかったものとする。
【0051】
また、図5に示されたエリア内で、2008年8月2日20時00分に、座標(x1、y1)で表される地点において20〔km/h〕の速度違反が認められ、評価情報取得部14により「7ポイント減点」の評価結果が取得され、識別番号「AAA」と関連付けられて記憶されたとする(図7を参照)。また、2008年8月4日10時00分に、座標(x2、y2)で表される地点においてカーブ進入速度が過大であることが認められ、「3ポイント減点」の評価結果が取得され、識別番号「BBB」と関連付けられて記憶されたとする。また、それに引き続き、座標(x3、y3)で表される地点において一時停止義務に違反したことが認められ、「5ポイント減点」の評価結果が取得され、識別番号「CCC」と関連付けられて記憶されたとする。また、2008年8月7日7時30分に、座標(x4、y4)で表される地点において急アクセルが認められ、「2ポイント減点」の評価結果が取得され、識別番号「DDD」と関連付けられて記憶されたとする。また、2008年8月9日19時00分に、座標(x5、y5)で表される地点において15〔km/h〕の速度違反が認められ、「5ポイント減点」の評価結果が取得され、識別番号「EEE」と関連付けられて記憶されたとする。そして、2008年8月10日00時00分に、これらの道路特性の変更を地図データ34に反映させるための更新データ64が生成され、配信されたとする。
【0052】
ナビゲーション装置1が更新データ64を受信して、更新データ64に基づき更新処理部17が地図データ34の更新処理を行う際、判定部19は、地図データ34が更新された範囲に含まれる地点についての評価情報35を抽出する。本例では、リンクk2及びk3に関する差分更新処理が実行されるので、判定部19は、リンクk2及びk3上の地点である、座標(x1、y1)、(x2、y2)、(x3、y3)及び(x5、y5)で表される地点についての評価情報35を抽出する。一方、リンクk1は差分更新処理の対象ではないので座標(x4、y4)で表される地点についての評価情報35は抽出されない。
【0053】
次に、判定部19は、現実の道路特性の変更があった時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得された評価情報35を抽出する。上述したように、現実の道路特性の変更があった時点は、更新データ64に含まれる変更時情報64aから求められる。本例では、まずリンクk2に関しては、リンクk2は2008年8月3日00時00分に変更されているので、判定部19は、それ以降に取得された評価情報35である、識別番号「EEE」により識別される評価情報35を抽出する。一方、識別番号「AAA」により識別される評価情報35は、リンクk2の変更以前に取得されているので抽出されない。また、リンクk3に関しては、リンクk3は2008年7月31日00時00分に変更されているので、判定部19は、それ以降に取得された評価情報35である、識別番号「BBB」及び「CCC」により識別される評価情報35を抽出する。
【0054】
判定部19は、以上のようにして抽出された評価情報35について、評価項目に応じて設定された基準に従って、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する。例えばまずリンクk2に関して、識別番号「EEE」により識別される評価情報35については、速度違反に関する評価がなされているのに対して、地図データ34の更新処理により、道路特性として交通規制(ここでは、制限速度)が変更されている。この場合、速度違反があったか否かを判定するための基準となる速度が変更されているため、判定部19は、識別番号「EEE」により識別される評価情報35については、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定することになる。また、リンクk3に関しては、識別番号「BBB」及び「CCC」により識別される評価情報35については、それぞれカーブ進入速度(カーブ手前減速)及び一時停止遵守に関する評価がなされているのに対して、地図データ34の更新処理により、道路特性として道路形状のみが変更され、交通規制(ここでは、一時停止義務)は変更されていない。この場合、カーブ進入速度(カーブ手前減速)に関しては、カーブの手前で十分に減速できていたか否かを判定するための基準となる速度は、道路形状(カーブの曲率等)によって異なるため、判定部19は、識別番号「BBB」により識別される評価情報35については、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定することになる。一方、一時停止遵守に関しては、道路形状が変化しても一時停止地点の位置は変化していないため、当該一時停止地点において一時停止しなければならないことに変わりはなく、判定部19は、識別番号「CCC」により識別される評価情報35については、道路特性の変更が評価結果を変化させないと判定することになる。
【0055】
1−7−2.修正部
修正部20は、判定部19が、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定した場合に、当該評価結果を含む評価情報35を修正する機能部であり、修正手段として機能する。本実施形態においては、修正部20は、判定部19が、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定した場合に、当該評価結果を含む評価情報35をメモリ32から選択的に削除するように構成されている。判定部19が、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定した場合にあっては、当該評価結果が誤っている蓋然性が高い。そこで、当該評価結果を含む評価情報35をメモリ32から選択的に削除するように構成することで、比較的簡単な処理内容で、事後的に誤評価を解消することができる。上記の具体例においては、識別番号「BBB」及び「EEE」により識別される評価情報35が、メモリ32から選択的に削除される。
【0056】
1−8.ナビゲーション用演算部
ナビゲーション用演算部21は、自車位置表示、出発地から目的地までの経路計算、目的地までの経路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行するためにアプリケーションプログラムに従って動作する演算処理手段である。例えば、ナビゲーション用演算部21は、地図データベース31から自車両周辺の地図データ34を取得して表示入力装置22に地図の画像を表示するとともに、当該地図の画像上に、自車位置情報に基づいて自位置マークを重ね合わせて表示する処理を行う。また、ナビゲーション用演算部21は、公知の方法により計算された出発地から目的地までの経路と自車位置情報とに基づいて、表示入力装置22及び音声出力装置23の一方又は双方を用いて進路案内を行う。なお、ナビゲーション用演算部21は、この他にも、リモートコントローラや表示入力装置22と一体的に設けられたタッチパネルなどのユーザインタフェース等、ナビゲーション装置1として必要な公知の各種構成に接続されている。
【0057】
2.サーバ装置の構成
次に、サーバ装置2の構成について説明する。図2に示すように、サーバ装置2は、車両3に搭載されたナビゲーション装置1と通信可能に設けられている。そして、サーバ装置2は、現実の道路に道路特性の変更があった場合に、当該道路特性の変更を地図データ34に反映させるための更新データ64を生成して、更新データ64を車両3に搭載されたナビゲーション装置1に配信する。また、サーバ装置2は、車両3に搭載されたナビゲーション装置1から評価情報35としてのポイント情報35dを収集して集計し、ユーザデータベース52に記憶する。
【0058】
図2に示すサーバ装置2の各機能部は、互いに共通の或いはそれぞれ独立のCPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。本実施形態においては、サーバ装置2は、送受信部53、更新データ生成部54、配信処理部55、及び集計処理部56を機能部として備えている。そして、これらの各機能部は、デジタル転送バス等の通信線を介して互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。ここで、各機能部がソフトウェア(プログラム)により構成される場合には、当該ソフトウェアは、前記演算処理装置が参照可能なRAMやROM等の記憶手段に記憶される。また、地図データベース51及びユーザデータベース52は、例えば、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ等のように、情報を記憶及び書き換え可能な記録媒体(記憶手段)をハードウェア構成として備えている。以下、本実施形態に係るサーバ装置2の各部の構成について詳細に説明する。
【0059】
2−1.地図データベース
地図データベース51は、地図データ61が記憶されたデータベースである。地図データ61は、基本的にはナビゲーション装置1が備える地図データベース51に記憶された地図データ34と同様、複数の交差点のそれぞれに対応する複数のノードnと、各ノードn間を接続する道路に対応する複数のリンクkとにより構成される道路ネットワークデータを含んでいる。また、各ノードnは、緯度及び経度で表現された地図上の位置(座標)の情報を有している。各リンクkはノードnを介して接続されており、その属性情報として、道路種別、道路長(リンク長)、道路幅、形状補間点m(p)、当該リンクk上における交通規制等の、各種の道路特性に関する情報を有している。この地図データベース51の内容が、後述する更新データ64を生成するための基準となる。
【0060】
2−2.ユーザデータベース
ユーザデータベース52は、車両3毎に、対応する個人情報データ62及び累計ポイントデータ63が記憶されたデータベースである。個人情報データ62には、車両3の運転者を特定するための情報、車両3の型や装備を表す情報、運転者の運転歴や技能レベル、運転癖等を表す情報等が含まれる。また、本実施形態においては、詳しい説明は省略するが、運転者が取得したポイントは提携サービス事業者4から所定のサービスの提供を受けるための対価として利用可能となっている。そのため、例えば提携サービス事業者4からの広告情報を配信するための基礎情報として、運転者の嗜好に関する情報も含まれている。累計ポイントデータ63は、運転者が一走行毎に安全運転又は環境に優しい運転を行なった場合に付与されるポイント数を累計した累計ポイントを表す情報である。
【0061】
2−3.送受信部
送受信部53は、無線基地局等を介して車両3に搭載されたナビゲーション装置1との間で無線通信によりデータの送受信を行う通信装置を備えている。この無線通信方法には、ナビゲーション装置1の送受信部11と共通のものが使用される。上述したとおり、本実施形態においては、送受信部53は、地図データ34の更新を行なうための更新データ64をナビゲーション装置1へ送信する。また、送受信部53は、メモリ32に記憶されたポイント規則36を更新するための更新情報も送信する。また、送受信部53は、評価情報35としてのポイント情報35dをナビゲーション装置1から受信する。
【0062】
2−4.更新データ生成部
更新データ生成部54は、道路特性の変更を地図データ34に反映させるための更新データ64を生成する機能部であり、更新データ生成手段として機能する。更新データ64は、地図データベース31の更新処理を行うための情報をまとめたデータであり、地図データベース31に変更を加えて更新すべき内容を一つにまとめたデータとされている。本実施形態においては、更新データ64は、サーバ装置2に記憶された地図データベース51の内容を基準として、道路単位(リンクk単位)で、現実に変更があった道路特性の変更内容を差分として表す差分データとして生成される。このような更新データ64の一例を図6に示す。ここでは、上記の再検討処理を説明する際に例として挙げた道路特性の変更に対応する差分データを示している。すなわち、リンクk2に関しては交通規制としての最高速度が50〔km/h〕から60〔km/h〕に変更されているので、その変更内容として、変更後の「最高速度60〔km/h〕」との情報を有している。また、リンクk3に関しては形状補完点m1〜m9により表現される道路形状が形状補完点p1〜p4により表現される道路形状に変更されているので、その変更内容として、変更後の「形状補完点p1〜p4」との情報を有している。なお、これらの道路特性は異なる日時に変更されているが、変更時が比較的近接しているため、本例では、まとめて更新データ64が生成されている。
【0063】
本実施形態においては、更新データ64はさらに変更時情報64aを含み、当該変更時情報64aは現実に変更があった道路特性の変更内容に関連付けられた状態で記憶されている。ここで、変更時情報64aは、現実の道路特性の変更があった日付及び時刻に関する情報である。更新データ64に含まれる変更時情報64aは再検討部18による再検討処理のために供される。
【0064】
2−5.配信処理部
配信処理部55は、更新データ生成部54により生成した更新データ64を、送受信部53を介してナビゲーション装置1へ配信する機能部であり、配信処理手段として機能する。また、配信処理部55は、ポイント規則36や基準データ37を更新するための更新情報が生成された際には、当該更新情報を、送受信部53を介してナビゲーション装置1へ配信する処理も行う。
【0065】
2−6.集計処理部
集計処理部56は、車両3の累計ポイントの集計処理を行う機能部であり、集計処理手段として機能する。集計処理部56は、ユーザデータベース51に記憶された車両3の累計ポイントデータ63と、車両3(ナビゲーション装置1)から受信したポイント情報35d、或いは提携サービス事業者4から所定のサービスの提供を受ける際の対価として利用されたポイントに関する情報と、に基づき、車両3の累計ポイントの集計処理を行う。例えば運転者が評価情報35としてのポイントを取得し、当該ポイントに関する情報をサーバ装置2が受信した場合には、集計処理部56は、ユーザデータベース51から累計ポイントデータ63を読み出し、これに新たに取得したポイントを加算して累計ポイントデータ63を更新する。一方、運転者が提携サービス事業者4から所定のサービスの提供を受けた場合には、集計処理部56は、ユーザデータベース51から累計ポイントデータ63を読み出し、これから提携サービス事業者4に対する対価として利用されたポイントを減算して累計ポイントデータ63を更新する。このようにして、集計処理部56は、ポイント取得後或いはポイント利用後の車両3の累計ポイントデータ63を導出する。
【0066】
3.動作処理の手順
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1において実行される運転評価処理及び再検討処理の手順(運転評価方法及び再検討方法)について説明する。図8は、運転評価処理の手順を示すフローチャートであり、図9は、再検討処理の手順を示すフローチャートである。以下、フローチャートに従って説明する。
【0067】
3−1.運転評価処理の手順
まず、運転評価処理の手順について説明する。図8に示すように、まず、運転状況取得部13は、アクセル開度やブレーキ操作量、車速等、車両3の運転状況を取得する(ステップ#01)。次に、運転評価部15は、ステップ#01で取得された車両3の運転状況と所定の評価基準とに基づいて、道路特性に応じた評価を行なう(ステップ#02)。次に、評価情報生成部16は、ステップ#02における評価結果に基づいて評価情報35を生成し、メモリ32に記憶させる(ステップ#03)。以上で、運転評価処理を終了する。
【0068】
3−2.再検討処理の手順
次に、再検討処理の手順について説明する。図9に示すように、送受信部11により地図データ34の更新データ64が受信された場合(ステップ#11:Yes)、更新処理部17による地図データ34の更新処理が実行される(ステップ#12)。次に、判定部19は、メモリ32に記憶された評価情報35を確認し(ステップ#13)、ステップ#12の更新処理により更新された地点に係る評価情報35があるか否かを判定する(ステップ#14)。更新された地点に係る評価情報35がないと判定された場合には(ステップ#14:No)、再検討処理は終了する。一方、更新された地点に係る評価情報35があると判定された場合には(ステップ#14:Yes)、判定部19は、更新された地点に係る評価情報35を抽出する(ステップ#15)。
【0069】
次に、判定部19は、ステップ#15で抽出された評価情報35の中から、一の評価情報35を選択する(ステップ#16)。判定部19は、評価情報35に含まれる評価時情報35a及び更新データ64に含まれる変更時情報64aを取得し(ステップ#17)、評価時情報35aと変更時情報64aとに基づき、当該評価情報35が現実の道路特性の変更があった時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得されたか否かを判定する(ステップ#18)。当該評価情報35が現実の道路特性の変更があった時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得されたと判定された場合には(ステップ#18:Yes)、判定部19は更新データ64を参照して道路特性の変更内容を導出し(ステップ#19)、道路特性の変更内容が評価結果を変化させるか否かを判定する(ステップ#20)。道路特性の変更内容が評価結果を変化させると判定された場合には(ステップ#20:Yes)、修正部20は、当該評価結果を含む評価情報35をメモリ32から選択的に削除する(ステップ#21)。一方、当該評価情報35が現実の道路特性の変更があった時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得されなかったと判定された場合や(ステップ#18:No)、道路特性の変更内容が評価結果を変化させないと判定された場合には(ステップ#20:No)、ステップ#22に進む。判定部19は、ステップ#15で抽出された全ての評価情報35について再検討が終了したか否かを判定し(ステップ#22)、全ての評価情報35について再検討が終了していないと判定された場合には(ステップ#22:No)、再度ステップ#16からステップ#22の処理を繰り返す。一方、全ての評価情報35について再検討が終了したと判定された場合には(ステップ#22:Yes)、再検討処理は終了する。なお、本実施形態においては、ステップ#16からステップ#22の処理を繰り返すことにより、現実の道路特性の変更があった時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得された評価情報35を抽出する処理と、抽出された評価情報35についての評価結果を再検討する処理とを同時に実行している。
【0070】
〔その他の実施形態〕
(1)上記の実施形態においては、道路単位(リンクk単位)で、現実に変更があった道路特性の変更内容を差分として表す差分データとして更新データ64が生成され、更新処理部17による更新処理もこれに応じた差分更新処理とされる場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば所定の区画(図3を参照)単位で、現実に変更があった道路特性の変更内容を差分として表す差分データとして更新データ64が生成され、更新処理部17による更新処理もこれに応じた差分更新処理とされる構成としても良い。或いは、差分データではなく、現実の変更後の全地図データに対応する更新データ64が生成され、更新処理部17は、地図データベース31に記憶された地図データ34の全部を更新データ64で置き換えることにより更新処理を行う構成等としても良い。
【0071】
(2)上記の実施形態においては、判定部19が、評価情報35に含まれる位置情報35bに基づいて、地図データ34が更新された範囲に含まれる地点についての評価情報35を抽出し、抽出された評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば地図データ34が更新された範囲に含まれる地点についての評価情報35を抽出せずに、全ての評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する構成としても良い。
【0072】
(3)上記の実施形態においては、判定部19が、現実の道路特性の変更があった時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得された評価情報35を抽出し、抽出された評価情報35について、道路特性の変更が評価結果を変化させるか否かを判定する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、地図データ34が更新された時点より前の所定期間内に取得された評価情報35が抽出されるのであれば、例えば更新データ64が取得可能となった時点(更新データ生成部54により更新データ64が生成された時点)より一定期間(例えば一週間であって適宜変更可、以下同様)だけ前の時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得された評価情報35が抽出される構成としても良い。また、ナビゲーション装置1が更新データ64を取得した時点より一定期間だけ前の時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得された評価情報35が抽出される構成としても良い。或いは、更新処理部17により地図データベース31に記憶された地図データ34が更新された時点より一定期間だけ前の時点から地図データ34が更新された時点までの期間内に取得された評価情報35が抽出される構成としても良い。これらの構成によれば、現実の道路特性の変更から、更新データ64の生成及び配信、ナビゲーション装置1による更新データ64の受信、或いは地図データ34の更新までの期間が予め決まっている場合に、それぞれに応じた期間内に生成された評価情報35を抽出するので、誤評価の再検討を行なう上で必要かつ十分な評価情報35を抽出し、再評価のための処理負荷を軽減することができる。
【0073】
(4)上記の実施形態においては、運転評価部15は、安全運転に関して、制限速度遵守、一時停止遵守及びカーブ手前減速を評価項目として車両3の運転状況に基づいた評価を行なう場合を例として説明した。また、環境に優しい運転に関して、低燃費走行を評価項目として車両3の運転状況に基づいた評価を行なう場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、これら以外にも例えば、安全運転に関しては、急アクセル、急ブレーキ、急ハンドル、車間距離、ライト点灯等を評価項目としても良い。また、環境に優しい運転に関しては、エンジン空ふかし、最適変速モード使用、アイドリング等を評価項目としても良い。ただし、これらのうち、地図データ34に含まれる道路特性と車両3の運転状況との関係に基づいて評価結果が決まるものについての評価情報35のみが、再検討部18による再検討処理の対象となる。一方、地図データ34に含まれる道路特性とは無関係に車両3の運転状況のみに基づいて評価結果が決まるものについての評価情報35は、再検討部18による再検討処理の対象とはならない。
【0074】
(5)上記の実施形態においては、修正部20は、判定部19が、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定した場合に、当該評価結果を含む評価情報35をメモリ32から選択的に削除する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば車両3の運転状況に係る運転履歴を運転履歴情報38としてメモリ32に記憶してくとともに、判定部19が、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定した場合に、修正部20は、評価結果を含む評価情報35の基礎となった運転履歴に基づいて当該運転履歴に係る運転状況を再評価し、当該再評価に基づく再評価結果を新たな評価結果とする構成としても良い。この場合、メモリ32は本発明における「運転履歴記憶手段」として機能することになる。この構成によれば、再検討部18による再検討処理の結果、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定された評価結果の基礎となった運転履歴に係る運転状況を再評価して新たな評価結果とすることで、実際に行なわれた運転状況に即した評価情報35を事後的に取得して記憶することができる。
【0075】
ここで、一例として、図5に基づいて説明した具体例の場合における修正部20の処理内容について説明する。ここでは、修正部20が、識別番号「EEE」により識別される評価情報35(図7を参照)を修正する場合について説明する。この場合、識別番号「EEE」により識別される評価情報35の基礎となった車両3の運転状況として「リンクk2で表される道路を時速65〔km/h〕で走行していた」旨の情報が、運転履歴情報38としてメモリ32に記憶されている。判定部19が、道路特性の変更が評価結果を変化させると判定した場合、上記の運転履歴情報38としての「リンクk2で表される道路を時速65〔km/h〕で走行していた」旨の情報がメモリ32から読み出され、当該運転履歴情報38と更新後の地図データ34に含まれる道路特性(ここでは、最高速度60〔km/h〕)とに基づいて、当該運転履歴に係る運転状況が再評価される。本例では、再評価により5〔km/h〕の速度違反が認められることになり、それに応じて「1ポイント減点」の評価結果が取得される。そして、評価時情報35aとしての「2008年8月9日19時00分」、位置情報としての「位置座標(x5、y5)」、結果情報35cとしての「速度違反(5〔km/h〕)」及びポイント情報35dとしての「1ポイント減点」が互いに関連付けられた状態で、新たな評価情報35としてメモリ32に記憶される。この場合において、新たな評価情報35は、識別番号「EEE」により識別される評価情報35の内容を上書きする形で記憶されても良いし、或いは、「EEE」とは異なる識別番号により識別される新たな評価情報35として記憶されても良い。
【0076】
(6)上記の実施形態においては、ナビゲーション装置1が、無線基地局等を介した無線通信によりサーバ装置2から更新データ64を受信して取得する場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば更新データ64が記憶された光ディスクや磁気ディスク等の記録媒体から更新データ64を読み出すことにより、更新データ64を取得する構成としても良い。
【0077】
(7)上記の実施形態において説明した、ナビゲーション装置1とサーバ装置2とのそれぞれが備える機能部の割り当ては単なる一例であり、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、例えば自車位置情報取得部12等のように、ナビゲーション装置1側に備える必要がある機能部を除き、各機能部は、ナビゲーション装置1とサーバ装置2とのいずれに備えた構成としても良い。したがって、例えば、運転評価システムの全ての構成がナビゲーション装置1に備えられた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。この場合、ナビゲーション装置1内に運転評価システムが含まれる構成となる。また、例えば、運転評価システムの主要な構成の全てがサーバ装置2に備えられた構成とすることも、本発明の好適な実施形態の一つである。ここで、運転評価システムの主要な構成には、評価情報取得手段としての評価情報取得部14、評価情報記憶手段としてのメモリ32、更新処理手段としての更新処理部17及び再検討手段としての再検討部18が含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明は、環境に優しい運転や安全運転に関する所定の評価項目に係る運転状況を評価する運転評価システム及び運転評価プログラムに好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施形態に係るサーバ装置の概略構成を示すブロック図
【図3】地図データベースに記憶されている地図データの構成の例を示す図
【図4】地図データを構成するリンクに関するリンク情報の例を示す図
【図5】道路特性の変更に伴う再評価処理の内容を説明するための図
【図6】更新データに含まれる情報の例を示す図
【図7】メモリに記憶される評価情報の例を示す図
【図8】運転評価処理の処理手順を示すフローチャート
【図9】再検討処理の処理手順を示すフローチャート
【符号の説明】
【0080】
14 評価情報取得部(評価情報取得手段)
17 更新処理部(更新処理手段)
18 再検討部(再検討手段)
19 判定部(判定手段)
20 修正部(修正手段)
32 メモリ(評価情報記憶手段、運転履歴記憶手段)
34 地図データ
35 評価情報
35a 評価時情報
35b 位置情報
35c 結果情報
38 運転履歴
64 更新データ
64a 変更時情報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データに含まれる道路特性に応じた車両の運転状況を評価し、当該評価に基づく評価結果を含む評価情報を取得する評価情報取得手段と、
前記評価情報を記憶する評価情報記憶手段と、
道路特性の変更を前記地図データに反映させるための更新データを取得して、前記地図データの更新を行う更新処理手段と、
前記地図データが更新された際に、現実の前記道路特性の変更時から当該道路特性の変更を反映する前記地図データの更新時までの間に取得された前記評価情報が有する前記評価結果を、更新後の前記地図データに含まれる前記道路特性に基づいて再検討する再検討手段と、
を備えた運転評価システム。
【請求項2】
前記評価情報は、当該評価情報が取得された地点の位置座標に関する情報である位置情報をさらに含み、
前記再検討手段は、前記位置情報に基づいて前記地図データが更新された範囲に含まれる地点についての前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する請求項1に記載の運転評価システム。
【請求項3】
前記評価情報は、当該評価情報が取得された日時に関する情報である評価時情報をさらに含み、
前記再検討手段は、前記評価時情報に基づいて、前記地図データが更新された時点より前の所定期間内に取得された前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する請求項1又は2に記載の運転評価システム。
【請求項4】
前記更新データは、現実の前記道路特性の変更があった日時に関する情報である変更時情報を含み、
前記再検討手段は、前記評価時情報に基づいて、現実の前記道路特性の変更があった時点から前記地図データが更新された時点までの期間内に取得された前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する請求項3に記載の運転評価システム。
【請求項5】
前記再検討手段は、前記評価時情報に基づいて、前記更新データが取得可能となった時点、前記更新データを取得した時点、及び前記地図データが更新された時点の中から選択されるいずれかの時点より一定期間だけ前の時点から、前記地図データが更新された時点までの期間内に取得された前記評価情報を抽出し、抽出された前記評価情報についての前記評価結果を再検討する請求項3に記載の運転評価システム。
【請求項6】
前記道路特性は、道路形状及び当該道路上における交通規制のうちのいずれか一方である請求項1から5のいずれか一項に記載の運転評価システム。
【請求項7】
前記再検討手段は、
更新前の地図データと更新後の地図データとを比較して前記道路特性の変更内容を導出し、前記道路特性の変更が前記評価結果を変化させるか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段が、前記道路特性の変更が前記評価結果を変化させると判定した場合に、当該評価結果を含む前記評価情報を修正する修正手段と、
を備える請求項1から6のいずれか一項に記載の運転評価システム。
【請求項8】
前記評価情報取得手段は、制限速度遵守、一時停止遵守及びカーブ手前減速のうちの少なくとも一つの評価項目について車両の運転状況を評価し、
前記判定手段は、前記評価項目に応じて設定された基準に従って、前記道路特性の変更が前記評価結果を変化させるか否かを判定する請求項7に記載の運転評価システム。
【請求項9】
前記修正手段は、前記評価結果を含む前記評価情報を、前記評価情報記憶手段から選択的に削除する請求項7又は8に記載の運転評価システム。
【請求項10】
車両の運転状況に係る運転履歴を記憶する運転履歴記憶手段を備え、
前記修正手段は、前記評価結果を含む前記評価情報の基礎となった前記運転履歴に基づいて、当該運転履歴に係る運転状況を再評価し、当該再評価に基づく再評価結果を新たな評価結果とする請求項7又は8に記載の運転評価システム。
【請求項11】
地図データに含まれる道路特性に応じた車両の運転状況を評価し、当該評価に基づく評価結果を含む評価情報を取得する機能と、
前記評価情報を記憶する機能と、
道路特性の変更を前記地図データに反映させるための更新データを取得して、前記地図データの更新を行う機能と、
前記地図データが更新された際に、現実の前記道路特性の変更時から当該道路特性の変更を反映する前記地図データの更新時までの間に取得された前記評価情報が有する前記評価結果を、更新後の前記地図データに含まれる前記道路特性に基づいて再検討する機能と、
をコンピュータに実現させるための運転評価プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−48655(P2010−48655A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−212757(P2008−212757)
【出願日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】