説明

酸化防止剤

本発明は、Rが、明細書で定義された基を有する[脱落]を表す式(I)の化合物の酸化防止剤としての使用、対応する新規な化合物および組成物、ならびに化合物および組成物を調製するための対応する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化防止剤としての、または製品保護のための、または色素沈着制御のための化合物の使用、新規の対応する化合物および組成物、ならびに化合物および組成物を調製するための対応する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明による化合物の用途の一領域は、例えば、化粧品である。ケア化粧品の目的は、可能であればあらゆる場所で、若い皮膚の印象を取得することである。原理的には、本目的を実現する多様な方途が存在する。例えば、不規則な色素沈着またはシワの形成などの実在の皮膚ダメージは、粉末またはクリームで覆うことによって補償し得る。別の手法は、永久的なダメージ、したがって皮膚の老化の元である環境からの影響に対して皮膚を保護することである。したがって、この考えは、保護的な仕方で介入すること、したがって老化プロセスを遅延させることである。これの一例は、UVフィルタであり、これは、ある種の波長範囲を吸収することの結果として、皮膚ダメージを防止または少なくとも低減する。UVフィルタの場合は、ダメージを与える事象、つまりUV放射が皮膚から遮蔽されるが、別の経路は、ダメージを与える事象に対する皮膚の自然の防御または修復機構を援助しようとする試みを含む。最後に、さらなる手法は、この防御または修復機能の低下を代替することが可能な物質を外部から供給することによって、有害な影響に対する皮膚の防御機能の加齢による弱体化を補償することに関係する。例えば、皮膚は、外部または内部のストレス因子によって発生する遊離ラジカルをスカベンジする能力を有する。この能力は、加齢とともに低下するので、この加齢プロセスが加齢とともに加速される。
【0003】
化粧品を調製する際のさらなる困難は、化粧用組成物内に組み込もうとする活性化合物が不安定である場合が多く、組成物内でダメージを受ける恐れがあることである。このダメージは、例えば、大気中の酸素との反応またはUV線の吸収によって引き起こされ得る。こうした仕方でダメージを受けた分子では、例えば、それらの構造変化を介してそれらの色が変化するおよび/またはそれらの活性が失われる場合がある。対応する困難は、一般に、酸化敏感性成分を含む組成物の調製、貯蔵、または使用の際に生ずる。
【0004】
記載の課題を処理するための周知の方策は、酸化防止剤を組成物に添加することの中に存在する。
【0005】
CD Rompp Chemie Lexikon[CD Rompp’s Lexicon of Chemistry]−Version 1.0、Stuttgart/New York:Georg Thieme Verlag、1995によれば、酸化防止剤とは、酸素の作用、とりわけ酸化プロセスによって引き起こされる、保護すべき物質中の望ましくない変化を阻害または防止する化合物である。応用の領域は、例えば、老化に対する保護を目的としたプラスチックおよびゴム中;酸敗臭に対する保護を目的とした脂肪中、ゴム化に対する保護を目的とした油、牧畜飼料、自動車ガソリン、およびジェット燃料中、スラッジ形成に対する変圧器およびタービン油中、悪臭に対しての芳香剤中である。酸化防止剤として有効である化合物は、とりわけ、フェノール、ヒドロキノン、ピロカテコール、芳香族化合物、アミンであり、それぞれが、立体障害基、およびそれらの金属錯体によって置換されている。Romppによれば、酸化防止剤の作用は通常、自動酸化中に生成する遊離ラジカルに対する遊離ラジカルスカベンジャとしてそれらが作用するというものである。
【0006】
しかし、皮膚ケア組成物で使用するのにも適した皮膚耐性酸化防止剤に対する要求が依然として存在する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】CD Rompp Chemie Lexikon[CD Rompp’s Lexicon of Chemistry]−Version 1.0、Stuttgart/New York:Georg Thieme Verlag、1995
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明の目的は、UV線に対する保護作用を有する、および/または体細胞に及ぼす酸化ストレスに対して保護作用を行う、および/または皮膚老化に対抗する組成物を提供することである。
【0009】
したがって、本発明は、第一に、式I
【0010】
【化1】




【0011】
[式中、Rは、次式を表し、
【0012】
【化2】




【0013】
ここで、基Arは、それぞれ相互に独立に、非置換、または一置換もしくは多置換の芳香族環、またはC原子6〜18個を有する縮合環系を表し、該縮合環系の少なくとも1つの環は、芳香族性を有し、さらに、環当り1つまたは2つのCH基が、C=O、N、OまたはSによって置き換えられていてもよく、縮合環系では、さらに、1つまたは2つのCH基は、C=OまたはC=CHによって置き換えられていてもよく、
は、CRまたは単結合を表し、
からXは、それぞれ相互に独立に、C−R、O、NまたはSから選択され、XからXからの2つの隣接基はまた一緒になって、非置換、または一置換もしくは多置換の環、またはC原子6〜18個を有する縮合環系を表し、該縮合環系の少なくとも1つの環は、好ましくは芳香族性を有し、さらに、環当り1つまたは2つのCH基は、C=O、N、OまたはSによって置き換えられていてもよく、縮合環系では、さらに、1つまたは2つのCH基は、C=OまたはC=CHによって置き換えられていてもよく、
は、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基から選択され、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基によって割り込まれていてもよく、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルキル基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルコキシ基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基(複数可)は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、酸素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキルアミノ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基によって割り込まれていてもよく、
あるいは、Rは、カルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらが、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によって任意選択でエステル化またはアルキル化されていてもよく、
およびRは、それぞれ相互に独立に、H、OH、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルキル基から選択され、ヒドロキシル基は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、酸素、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルコキシ基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基(複数可)は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、酸素によって割り込まれていてもよい]
の化合物、または式Iの化合物の塩の酸化防止剤としての使用に関する。
【0014】
ここでは、式Iの化合物が、式Ia、Ib、Ic、またはIdの化合物、
【0015】
【化3】




【0016】
[式中、R〜RおよびR〜R13は、それぞれ相互に独立に、H、OH、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基から選択され、アルキル鎖がまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基によって割り込まれていてもよく、アルキル鎖がまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルキル基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基が、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖がまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルコキシ基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基(複数可)が、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖がまた、酸素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキルアミノ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基によって割り込まれていてもよく、
あるいは、R〜RおよびR〜R13は、それぞれ相互に独立に、カルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらが、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によって任意選択でエステル化またはアルキル化されていてもよい]
または式Ia〜Idの化合物の塩であることが好ましい。
【0017】
ここでの塩用として用い得る対イオンはすべて、対応する用途に対して許容可能であるアニオンである。塩が強酸由来であることがここでは有利である。本発明によれば、塩が塩化物または臭化物であることが特に好ましい。
【0018】
本発明によれば、記載の化合物は、局所用途のための、または化粧用、皮膚用、もしくは医薬用組成物を調製するための、または家事用製品を調製するための活性化合物として使用し得る。それらはまた、食品または食品添加物の調製のために使用し得る。記載の化合物は、製品保護のために用い得る。本出願の目的では、製品保護とは、詳細には、有機もしくは無機染料、酸化防止剤、ビタミン、香水成分、オイル成分などの酸化に敏感な製剤成分、または乳化剤、増粘剤、膜形成剤、および界面活性剤などのマトリックス成分の保護を意味する。本出願は、対応する使用に関連する。
【0019】
本発明はまた、化粧用もしくは医薬用、特に皮膚用組成物、または食品もしくは食品添加物を調製する、または家事用製品を調製するための化合物の使用に関する。
【0020】
〜R11が、それぞれ相互に独立に、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基から選択される、式Iまたは式Ia〜Idの化合物の使用がここでは好ましい。RおよびR11は、特に好ましくは、それぞれ相互に独立に、H、直鎖もしくは分枝のC〜Cアルコキシ基、詳細には、メトキシ、イソプロポキシ、およびtert−ブトキシ、直鎖もしくは分枝のC〜Cアルキル基、詳細には、メチル、イソプロピル、およびtert−ブチル、およびC〜Cジアルキルアミノ基、詳細には、ジメチルアミノまたはジエチルアミノから選択される。
【0021】
、R、R、R10、およびR12が、Hを表す式Iまたは式Ia〜Idの化合物の使用がここでは好ましい。
【0022】
さらに好ましい群の化合物は、RおよびR12が、それぞれ相互に独立に、H、SOHまたはスルホネートを表す式Iまたは式Ia〜Idの化合物である。R12は、特に非常に好ましくは、SOHである。
【0023】
、R、およびR13が、Hを表す式Iまたは式Ia〜Idの化合物の使用がここでは好ましい。
【0024】
さらなる組合せは、特許請求の範囲で開示される。
【0025】
本発明の一変形形態では、Rが、H、C〜Cアルコキシ基、またはC〜Cジアルキルアミノ基から選択され、
11が、直鎖もしくは分枝のC〜Cアルキル基、C〜Cジアルキルアミノ基、またはC〜Cアルコキシ基から選択されることを特徴とする式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物の使用が特に好ましい場合がある。
【0026】
本発明の一変形形態では、Rが、C〜C10アルコキシカルボニルを表すことを特徴とする式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物の使用が特に好ましい場合がある。
【0027】
本発明の一変形形態では、R、R、およびR13からの少なくとも1つの基が、OHを表すことを特徴とする式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物の使用が特に好ましい場合がある。これらの化合物は、特に顕著な酸化防止性能を示す。
【0028】
本発明のさらなる変形形態では、RおよびR11からの少なくとも1つの基が、t−ブチルを表すことを特徴とする式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物の使用が特に好ましい場合がある。
【0029】
本発明によれば、長鎖炭化水素基、特に分枝長鎖炭化水素基を含有する式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物の使用がさらに好ましい場合がある。しばしば特に、これらの化合物は、詳細には油などのビヒクル物質と容易に混合可能であり、したがって特に容易に製剤中で用い得る。本発明の本変形形態では、R〜RおよびR〜R13からの少なくとも1つの基が、分枝もしくは非分枝のC7〜30アルキル、またはC6〜30ヒドロキシアルキル基、またはこの型の基を含有するエステルもしくはエーテルを表すことが特に好ましい。
【0030】
本発明のさらなる変形形態では、Rが、分枝もしくは非分枝のC1〜20アルコキシ、または分枝もしくは非分枝のC2〜20アルキレンオキシスペーサを表し、それが、式Iの1つまたは複数の化合物を含有するオリゴもしくはポリシロキサン鎖とSi原子を介して結合し、Rが、好ましくは、プロパニルオキシ、イソプロパニルオキシ、プロペニルオキシ、イソプロペニルオキシ、または特にアリルオキシスペーサを表し、ケイ素原子が、好ましくは、スペーサ二重結合の1−Cまたは2−Cに結合していることを特徴とする式Iまたは式Ia〜Idの化合物を使用することが好ましい場合がある。
【0031】
2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−ジエチルアミノフェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)フェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−スルホフェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシ−4−スルホフェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシフェノール、2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチル、2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸ヘキシル、2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチルヘキシル、2−[(2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチルヘキシル、3−ヒドロキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン、3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン、または3−(4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オンから選択される式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物の使用がここでは特に好ましい。
【0032】
本発明は、式Iの新規な化合物にさらに関する。
【0033】
これらは、式IbまたはIcの化合物である
【0034】
【化4】




【0035】
[式中、RおよびR11は、それぞれ相互に独立に、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基を表し、
は、H、またはカルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらが、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によってエステル化またはアルキル化されていてもよく、
、R、R、R、R10、R12、およびR13は、Hを表す]。
【0036】
選択された好ましい化合物は、式(1)〜(6)の化合物、
【0037】
【化5】




【0038】
または該化合物の塩、および
【0039】
【化6】




【0040】
または該化合物の塩である。
【0041】
本発明に従って使用し得る特に適切な群の化合物は、式(1)〜(6)の化合物の他に、また式(7)〜(15)の化合物である。
【0042】
【化7−1】

【0043】
【化7−2】

【0044】
【化7−3】

【0045】
本発明は、式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物を含む組成物にさらに関する。組成物は、通常、局所的に施用し得るいずれかの組成物、例えば、化粧用もしくは皮膚用製剤、または食品もしくは食品添加物、または家事用製品である。この場合、組成物は、化粧用としてまたは皮膚用として、食品または家事用製品として適切であるビヒクルと、所望の特性プロフィルに応じて、任意選択でさらに適切な成分とを含む。
【0046】
本発明の目的では、製剤という用語はまた、組成物という用語と同義で使用される。
【0047】
本発明による化合物、または本発明による化合物もしくは本発明による組成物の使用の利点は、特に、以下であり得る:
−例えば、超酸化物遊離ラジカルアニオンもしくはNO遊離ラジカルに対抗して、または例えば一重項酸素および過酸化物に対抗してなどの反応性酸素種に対抗してなどの、UV光、もしくは喫煙などの熱分解プロセスによって誘起される遊離ラジカルに対抗する酸化防止作用、
−好ましい化合物は、強力な酸化防止活性を高分子の安定性と合せる、
−化粧用、医薬用、特に皮膚用製品、または家事用製品、または食品もしくは食品添加物、特に、染料、コンシステンシー用物質または臭気物質を含むものに対する製品安定化作用、
−式Iの好ましい化合物は、組成物中の油成分として適切である、
−式Iの好ましい化合物は、例えば、皮膚感覚などの組成物の医薬特性を改良するために適切である、
−式Iの好ましい化合物は、好ましくは、例えば、結晶性成分用の溶媒として、良好な溶解性および溶媒特性を示す、
−本発明による好ましい群の化合物はまた、皮膚のタンニングを引き起こし得るか、またはジヒドロキシアセトンなどの皮膚タンニング物質の作用を改良する、
−皮膚耐性が十分ある、
−顔料および表面コーティングに及ぼす製品安定化作用、
−式Iの好ましい化合物は、LSF、SPF、PPD、もしくはIPDなどの光保護因子、または遊離ラジカル保護因子の産生または喚起のために適している、
−特に、本用途において以下に記載のPEGまたはPG含有乳化剤などの自動酸化可能なポリエチレングリコール(PEG)またはポリグリセリン(PG)に及ぼす安定化作用、あるいは、自動酸化可能なポリエチレングリコール(PEG)またはポリグリセリン(PG)誘導体の劣化生成物のダメージ作用の低減、
−特に、化粧用、医薬用、特に皮膚用製品、または家事用製品、または食品および食品添加物中の、染料、コンシステンシー物質もしくは臭気物質、または酸化防止剤もしくはビタミン、およびUVフィルタ、ならびに二酸化チタン含有顔料に及ぼす安定化作用、
−大抵の酸化防止剤が遊離ラジカルとの反応後無効になるが、式Iの好ましい化合物は、この反応後UVろ過作用を示し、したがってそれらの保護機能を継続する、
−酸化防止特性を有する本発明による好ましい化合物がまた、色素沈着制御用に用い得るのは、それらが、皮膚領域に対する美白作用を有し得るからである。加えて、ここで記載の好ましい化合物は、無色またはわずかしか着色していないので、したがって、組成物を変色させないか、またはわずかに変色させるのみである。
【0048】
すでに上記したように、本発明は、化粧用または皮膚用組成物、または家事用製品として適切である少なくとも1つのビヒクルと、上記式Iの少なくとも1つの化合物とを含む組成物にさらに関する。
【0049】
本発明によれば、組成物が、式I enの少なくとも1つの化合物を含むことが、ここでは特に好ましい場合がある
【0050】
【化8】




【0051】
[式中、基Ar、ZおよびRが、それぞれ相互に独立に、および式Iの化合物の基と独立に、式Iの化合物に対して上記で定義された意味を有する]。
【0052】
組成物が、式Ia en、Ib enまたはId enの少なくとも1つの化合物を含むことがここでは特に好ましい
【0053】
【化9】




【0054】
[式中、基R〜RおよびR〜R13は、それぞれ相互に独立に、および式Ia、Ib、IcまたはIdの化合物の基と独立に、式Ia、Ib、IcおよびIdの化合物に対して上記で示された意味を有する]。
【0055】
式Iの少なくとも1つの化合物および式I enの少なくとも1つの化合物、または式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物および式Ia en、Ib enまたはId enの少なくとも1つの化合物中の基が、同一であることがここでは特に好ましい。この場合、式Iの化合物は、式I enの化合物のUV吸収ポテンシャルのための貯層として同時に働く、すなわち、したがって、式Iの化合物を使用することによって式I enのUVフィルタの使用濃度の低減が可能になる。使用濃度を適合化することは、当業者にとってはいかなる困難をももたらさない。
【0056】
本発明によれば、式IまたはIa、Ib、IcもしくはIdの化合物は、通常、0.01〜20重量%の量、好ましくは、0.1重量%〜10重量%の量、特に好ましくは、1〜8重量%の量で用いられる。組成物の所望の作用に応じながらそれに対応して量を選択することは、ここでは、当業者にとってはいかなる困難をももたらさない。
【0057】
本発明に従って使用されるべき本発明による化合物、または式Iもしくは式Ia〜Idの化合物が、皮膚に対する遊離ラジカルスカベンジャとして、特に組成物において十分にそれらの有効な作用を発展させることが可能であることを目的として、本発明による化合物がより深く皮膚層内に浸透することが可能であることが好ましい場合がある。この目的のために、いくつかの可能性が利用可能である。第一に、本発明による化合物は、適切な親油性を有することによって皮膚の外層から表皮層内へ浸透することが可能になる。さらなる可能性として、本発明による化合物を皮膚の外層を通って輸送することを可能にする対応する輸送剤、例えば、リポソームがまた、組成物中に供給され得る。最後に、本発明による化合物のシステマチックな輸送も考え得る。次いで、組成物は、例えば、経口投与に適するような仕方で設計される。
【0058】
一般に、式Iの物質は、遊離ラジカルスカベンジャとして働く。この型の遊離ラジカルは、日光によってのみでなく、オゾン、窒素酸化物(例えば、タバコの煙)などの反応性物質の作用、または重金属への曝露(例えば、食品中)によっても外部的に生成する。さらなる例は、チトクロームオキシダーゼの上流への電子流を遮断し、超酸化物遊離ラジカルアニオンの形成を引き起こす酸素欠乏症;とりわけ白血球のメンブランNADPHオキシダーゼによる超酸化物アニオンの形成に関連するが、通常、貪食現象に係わるヒドロキシル遊離ラジカルおよび他の反応性の種の形成(鉄(II)イオンの存在下での不均化を介して)にも関連する炎症;および、一般にヒドロキシル遊離ラジカルによって開始され、脂質アルコキシ遊離ラジカルおよびヒドロペルオキシドを産生する脂質自動酸化である。これらの特性のために、本発明に従って使用されるべき本発明による化合物、または式Iもしくは式Ia〜Idの化合物は、組成物中において、一般に、免疫保護ならびにDNAおよびRNAを保護するためにも適している。詳細には、本発明に従って使用されるべき化合物、または式Iもしくは式Ia〜Idの化合物は、組成物中において、酸化性攻撃に対して、遊離ラジカルに対して、および放射、特にUV放射によるダメージに対してDNAおよびRNAを保護するために適している。本発明に従って使用されるべき本発明による化合物、または式Iもしくは式Ia〜Idの化合物のさらなる利点は、組成物中において、上記の影響によるダメージに対する細胞の保護、特に、ランゲルハンス細胞の保護である。これらの使用のすべて、および対応して用い得る組成物を調製するための本発明による化合物の使用はまた、本発明の主題事項であることは明白である。
【0059】
詳細には、式Iまたは式Ia〜Idの好ましい化合物、およびこれらの化合物を含む組成物はまた、分化および細胞増殖に影響する角質化の欠陥に伴う皮膚疾患の治療;詳細には、尋常性座瘡、コメドニカ(comedonica)座瘡、多形性座瘡、ロサセアエ(rosacea)座瘡、結節性座瘡、集簇性座瘡、加齢性座瘡;日光性座瘡、薬因性座瘡、または職業性座瘡などの、副作用として発生する座瘡の治療;角質化の他の欠陥、詳細には、魚鱗癬、魚鱗癬様状態、ダリエー病、掌蹠角化症、白板症、白板症様状態、皮膚および粘膜(頬側)(苔癬)のヘルペスの治療;角質化の欠陥に伴い、炎症性および/または免疫アレルギー性成分を有する他の皮膚疾患、詳細には、皮膚、粘膜、および指および足指爪を冒すすべての形態の乾癬、乾癬性リューマチ、および湿疹、または呼吸器性アトピー、または歯肉肥大化などの皮膚性アトピーの治療(化合物は、角質化の欠陥に伴わないいくつかの炎症用として使用することがさらに可能である);尋常性疣贅、プラナ(plana)疣贅、疣贅状表皮発育異常症、口腔乳頭腫症、フロリダ乳頭腫症、およびUV放射によって引き起こされる場合がある異常生成物、特に基底細胞上皮腫およびスピノセルラレ(spinocellulare)上皮腫などのウイルス起源の場合がある真皮または表皮の良性または悪性の異常生成物すべての治療;水疱症性皮膚炎およびコラーゲンを冒す疾患などの他の皮膚疾患の治療;ある種の眼疾患、特に角膜疾患の治療;加齢に伴う光起因性皮膚老化を克服またはそれと闘争;色素沈着および日射性角化症を低減;および通常の老化または光起因性老化に伴う疾患すべての治療;局部的にまたは系統的に施用された副腎皮質ホルモンによって引き起こされる表皮および/または真皮の萎縮、および他のすべての型の皮膚萎縮の創傷/瘢痕の予防または治癒;創傷治癒の欠陥の予防または治療;妊娠によって引き起こされる伸展裂創の予防または除去、または創傷治癒の促進;座瘡のhyperseborrhoeaまたは単純性新産児油性脂漏などの皮脂産生の欠陥との闘争;がん類似状態または前がん性状態、特に前骨髄球性白血病との闘争または予防;関節炎などの炎症性疾患の治療;皮膚または身体の他の領域のすべてのウイルス性疾患の治療;脱毛症の予防または治療;皮膚疾患または免疫成分を有する身体の他の領域の疾患の治療;動脈硬化症または高血圧などの高血圧性疾患、および非インスリン依存性糖尿病の治療;UV放射によって引き起こされる皮膚の問題の治療のために適している。
【0060】
式Iまたは式Ia〜Idの化合物の酸化防止作用は、例えば、2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)アッセイによって実際に示し得る。2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルは、溶液中で安定である遊離ラジカルである。不対電子によって515nmでの強い吸収帯がもたらされ、その溶液は、濃紫色である。遊離ラジカルスカベンジャの存在下、電子は対を作り、吸収は消失し、取り込まれた電子を勘定しつつ化学量論的に脱色が進行する。吸収は、光度計で測定される。試験すべき物質の抗遊離ラジカル特性は、用いた2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルの50%が遊離ラジカルスカベンジャと反応した濃度を測定することによって求められる。この濃度は、EC50として表され、この値は、所与の測定条件下で物質の特性と見なすべきである。調査した物質は、標準(例えば、トコフェロール)と比較される。ここでのEC50値は、それぞれの化合物が遊離ラジカルをスカベンジする能力の指標である。EC50値が小さいほど、遊離ラジカルをスカベンジする能力が大きい。本発明の目的では、「遊離ラジカルをスカベンジする大きいまたは高い能力」という表現は、EC50値がトコフェロールのその値より小さい場合に使用される。
【0061】
酸化防止剤の作用に対するさらなる重要な態様は、このEC50値が実現される時間である。分で測定されるこの時間は、TEC50値を与え、これによって、これらの酸化防止剤が遊離ラジカルをスカベンジする速度についての結論を引き出すことが可能になる。本発明の目的では、60分未満以内でこの値を実現する酸化防止剤は早いと見なされ、120分を超えた後にしかEC50値を実現しないものは、時間遅延作用を有すると見なされる。
【0062】
抗遊離ラジカル効率(AE)(J.Sci.Food Agric.1998、76(2)、270〜276でC.Sanchez−Moreno、J.A.LarrauriおよびF.Saura−Calixtoが記載)は、以下の関係に従って上記の量によって与えられる。
【0063】
【数1】




【0064】
小さいAE(×10)は、最高約10までの範囲であり、中程度のAEは、10〜20の範囲であり、大きいAEは、本発明に従って、20を超える値を有する。
【0065】
作用が早い酸化防止剤を遅いまたは時間遅延作用を有するものと合せることがここでは特に好ましい場合がある。作用が早い酸化防止剤と時間遅延酸化防止剤の典型的な重量比は、10:1〜1:10の範囲、好ましくは、10:1〜1:1の範囲であり、皮膚保護組成物では、特に好ましくは、5:1〜2:1の範囲である。しかし、他の同様な好ましい組成物では、時間遅延酸化防止剤が作用の早い酸化防止剤より多量に存在することが、作用の最適化という面で有利である場合がある。次いで、典型的な組成物では、作用の早い酸化防止剤と時間遅延酸化防止剤の重量比は、1:1〜1:10の範囲、好ましくは、1:2〜1:8の範囲である。
【0066】
したがって、組成物が、1つまたは複数の酸化防止剤をさらに含む場合、酸化性ストレスに対する、または遊離ラジカルの影響に対する保護作用は、一層改良し得るが、作用の早いまたは時間遅延の酸化防止剤を適切に選択する上では、当業者にはいかなる困難も一切ない。
【0067】
したがって、本発明の好ましい実施形態では、組成物は、それが、式Iまたは式Ia〜Idの1つまたは複数の化合物の他に、1つまたは複数の酸化防止剤を好ましくは、さらに含むことを特徴とする、酸化性ストレスに対する体細胞を保護するための、特に、皮膚老化を低減するための組成物である。
【0068】
専門家の文献から周知の、酸化防止剤として使用し得る物質、例えば、アミノ酸(例えば、グリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびそれらの誘導体、イミダゾール(例えば、ウロカニン酸)およびそれらの誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えば、アンセリン)などのペプチド、カロテノイド、カロテン、(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびそれらの誘導体、リポ酸およびそれらの誘導体(例えば、ジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えば、チオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、およびそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、およびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、リピド、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、および許容用量が非常に低い(例えば、pモル〜μモル/kg)スルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ、ヘキサ、およびヘプタチオニンスルホキシミン)、およびまた(金属)キレート化剤(例えば、α−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、ビレ酸、ビル抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびそれらの誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、パルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えば、ビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(例えば、ビタミンAパルミテート)、およびベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアイアレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、ケルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体、(例えば、酸化スチルベン、trans−酸化スチルベン)が多数証明されている。
【0069】
適切な酸化防止剤はまた、国際公開第2006/111233号および国際公開第2006/111234号でも記載されている。
【0070】
適切な酸化防止剤はまた、一般式AまたはBの化合物である
【0071】
【化10】




【0072】
[式中、
は、基−C(O)CH、−CO、−C(O)NHおよび−C(O)N(Rから選択することができ、
Xは、OまたはNHを表し、
は、C原子1〜30個を有する直鎖もしくは分枝のアルキルを表し、
は、C原子1〜20個を有する直鎖もしくは分枝のアルキルを表し、
はそれぞれの場合、相互に独立に、H、またはC原子1〜8個を有する直鎖もしくは分枝のアルキルを表し、
は、C原子1〜8個を有する直鎖もしくは分枝のアルキル、またはC原子1〜8個を有する直鎖もしくは分枝のアルコキシを表し、
は、C原子1〜8個を有する直鎖もしくは分枝のアルキル、好ましくは、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロン酸および/または2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロン酸、特に好ましくは、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロン酸ビス(2−エチルヘキシル)(例えば、Oxynex(登録商標)ST Liquid)および/または2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロン酸ビス(2−エチルヘキシル)(例えば、RonaCare(登録商標)AP)の誘導体を表す]。
【0073】
酸化防止剤の混合物も、本発明による化粧用組成物中で使用するのに同様に適している。周知の工業用混合物は、例えば、活性化合物として、レシチン、パルミチン酸L−(+)−アスコルビルおよびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)K LIQUID)、天然供給源からのトコフェロール抽出物、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、パルミチン酸L−(+)−アスコルビル、クエン酸およびレシチンを含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)LM)、またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、パルミチン酸L−(+)−アスコルビルおよびクエン酸を含む混合物(例えば、Oxynex(登録商標)2004)である。この型の酸化防止剤は、通常、本発明による化合物との比が1000:1〜1:1000の範囲、好ましくは、100:1〜1:100の量で組成物中に用いられる。
【0074】
組成物は、さらなる成分としてビタミンを含み得る。本発明による化粧用組成物は、好ましくは、ビタミンA、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、レチナール、ビタミンB、塩化チアミンヒドロクロリド(ビタミンB)、リボフラビン(ビタミンB)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、水素コハク酸トコフェロール、ビタミンK、エスクリン(ビタミンP活性成分)、チアミン(ビタミンB)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB)、パントテン酸、ビオチン、葉酸およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくは、ビタミンAパルミテート、レチノール、ビタミンCおよびそれらの誘導体、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、ニコチン酸、パントテン酸およびビオチンから選択されるビタミンおよびビタミン誘導体を含む。ビタミンは、通常ここでは、1000:1〜1:1000の範囲の比、好ましくは、100:1〜1:100の量比で本発明による化合物とともに用いられる。
【0075】
例えば、β−カロテンおよびトコフェロールなどの酸化防止剤は、本発明による式Iまたは式Ia〜Idの化合物のUVろ過化合物への転換を加速し得ることが、ここで見出された。したがって、本出願は、本発明による化合物を活性化するための酸化防止剤の使用にさらに関する。
【0076】
本発明に従って用いられる化合物は、好ましくは、照射後、UV−Aおよび/またはUV−B領域でUVを吸収する。本発明に従って用いられる化合物は、単独、またはさらなるUVフィルタと組み合わせて用いることができる広帯域UVフィルタ前駆体を含む。同様に好ましい本発明による他の化合物は、UV−B放射とUV−A放射の間の境界領域に最大吸収があるUVフィルタ前駆体である。したがって、UV−AIIフィルタとして、それらは、市販のUV−BおよびUV−A Iフィルタの吸収スペクトルを有利に補完し得る。
【0077】
さらに、好ましい化合物は、組成物内への組入れ上の利点を有する:
−直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、特に、エチルヘキシルオキシ基などの長鎖アルコキシ官能基は、化合物の油溶解性を向上させる
−一部の場合では、この型の化合物は、油成分の形態であり、組成物内に容易に組み込み得るか、または他の製剤成分用の溶媒として機能し得る。
【0078】
しかし、同様に好ましい実施形態では、組成物はまた、溶解度が低い、または組成物マトリックス中に溶解不能である式Iまたは式Ia〜Idの化合物を含み得る。この場合、化合物は、好ましくは、微細に分割された形態で化粧用組成物中に分散される。
【0079】
特に好ましい組成物はまた、サンスクリーンとして働くことができ、したがって、また、本発明による化合物に加えてUVフィルタを含むことができる。
【0080】
UV−Aフィルタとして特に好ましいが、UVBフィルタとしても使用されるジベンゾイルメタン誘導体、または、本発明による化合物と組み合わせて、特にUVBフィルタとして用いられるケイ皮酸誘導体を使用すると、追加の利点が発生する:UV感受性のジベンゾイルメタン誘導体およびケイ皮酸誘導体は、本発明による化合物の存在によってさらに安定化される。したがって、本発明は、組成物中のジベンゾイルメタン誘導体および/またはケイ皮酸誘導体を安定化させるための式Iまたは式Ia〜Idの化合物の使用にさらに関する。
【0081】
原理的には、UVフィルタはすべて、式IまたはIa〜Idの化合物との組合せ用として適している。特に好ましいのは、それが生理的に許容されることがすでに実際に示されているUVフィルタである。UVAフィルタとUVBフィルタの双方で、専門家の文献から周知である多数の証明済の物質、例えば、
3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−ショウノウなどのベンジリデンショウノウ誘導体(例えば、Eusolex(登録商標)6300)、3−ベンジリデンショウノウ(例えば、Mexoryl(登録商標)SD)、N−{(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]−ベンジル}アクリルアミドのポリマー(例えば、Mexoryl(登録商標)SW)、メチル硫酸N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリニウム(例えば、Mexoryl(登録商標)SK)、または(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えば、Mexoryl(登録商標)SL)、
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えば、Eusolex(登録商標)9020)または4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えば、Eusolex(登録商標)8020)などのベンゾイルまたはジベンゾイルメタン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えば、Eusolex(登録商標)4360)または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩(例えば、Uvinul(登録商標)MS−40)などのベンゾフェノン、
メトキシケイ皮酸オクチル(例えば、Eusolex(登録商標)2292)、例えば、異性体の混合物としての4−メトキシケイ皮酸イソペンチル(例えば、Neo Heliopan(登録商標)E 1000)などのメトキシケイ皮酸エステル、
サリチル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OS)、サリチル酸4−イソプロピルベンジル(例えば、Megasol(登録商標))またはサリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)HMS)などのサリチル酸誘導体、
4−アミノ安息香酸、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)6007)、4−アミノ安息香酸エトキシル化エチル(例えば、Uvinul(登録商標)P25)などの4−アミノ安息香酸および誘導体、
2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸およびそのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩(例えば、Eusolex(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびその塩(例えば、Neoheliopan(登録商標)AP)、または2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンゾイミダゾール−6−スルホン酸などのフェニルベンゾイミダゾールスルホン酸;
および、
−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OCR)、
−3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えば、Mexoryl(登録商標)SX)および
−2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えば、Uvinul(登録商標)T150)
−2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(例えば、Uvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)などのさらなる物質が存在する。
【0082】
リストに記載の化合物は、例としてのみ見なされるべきである。当然、他のUVフィルタを使用することも可能である。
【0083】
これらの有機UVフィルタは、一般に、0.5〜10重量%、好ましくは、1〜8重量%の量で化粧用製剤中に組み込まれる。
【0084】
さらなる適切な有機UVフィルタは、例えば、
−2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えば、Silatrizole(登録商標))、
−4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミリオ]ビス(安息香酸)2−エチルヘキシル(例えば、Uvasorb(登録商標)HEB)、
−α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリル)オキシ]ポリ[オキシ(ジメチル[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル)フェノキシ)プロペニル)および0.1〜0.4%の(メチル水素]−シリレン]](n≒60)(CAS No. 207 574−74−1)、
−2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(CAS No.103 597−45−1)、
−2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノナトリウム塩)(CAS No.180 898−37−7)および
−2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.103 597−45−、187 393−00−6)、
−4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(安息香酸)2−エチルヘキシル(例えば、Uvasorb(登録商標)HEB)である。
【0085】
さらなる適切なUVフィルタはまた、以前の独国特許出願DE−A−10232595に対応するメトキシフラボンである。
【0086】
有機UVフィルタは、一般に、0.5〜20重量%、好ましくは、1〜15重量%の量で化粧用製剤中に組み込まれる。
【0087】
可能性のある無機UVフィルタは、例えば、コート付二酸化チタン(例えば、Eusolex(登録商標)T−2000、Eusolex(登録商標)、T−AQUA、Eusolex(登録商標)T−AVO)などの二酸化チタン、酸化亜鉛(例えば、Sachtotec(登録商標))、酸化鉄または酸化セリウムの群からのものである。これらの無機UVフィルタは、一般に、0.5〜20重量%、好ましくは、2〜10重量%の量で化粧用製剤中に組み込まれる。
【0088】
UVフィルタ特性を有する好ましい化合物は、3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−ショウノウ、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸、およびそれらのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩である。
【0089】
式Iまたは式Ia〜Idの化合物の1つまたは複数とさらなるUVフィルタを組み合わせると、UV放射のダメージを与える影響に対する保護作用を最適化することが可能になる。
【0090】
最適化組成物は、例えば、有機UVフィルタ4’−メトキシ−6−ヒドロキシフラボンと1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオンおよび3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−ショウノウとの組合せを含み得る。この組合せは、広帯域保護をもたらし、これは、二酸化チタン微粒子などの無機UVフィルタを添加することによって補強される。
【0091】
前記UVフィルタのすべて、および式Iまたは式Ia〜Idの化合物はまた、カプセル形態で用い得る。特に、カプセル形態において有機UVフィルタを用いることが有利である。詳細には、以下の利点が生ずる:
−カプセル壁の親水性は、UVフィルタまたは式Iの化合物の溶解性と独立に設定し得る。したがって、例えば、疎水性UVフィルタまたは本発明による化合物を純粋に水性である組成物中に組み込むことも可能である。加えて、不快であると見なされる場合が多い、疎水性UVフィルタを含む組成物を施用した場合の油っぽい感じも抑制される。
−ある種のUVフィルタ、特に、ジベンゾイルメタン誘導体は、化粧用組成物中で低い光安定性しか示さない。例えば、ケイ皮酸誘導体などの、これらのフィルタの光安定性を低下させるこれらのフィルタまたは化合物をカプセル化することによって、組成物全体の光安定性を増加させることが可能になる。
−有機UVフィルタの皮膚への浸透、およびヒトの皮膚への直接施用におけるそれに伴う刺激の可能性は、文献で繰返し議論されている。ここで提案されている対応物質のカプセル化によってこの影響が抑制される。
−一般に、個々のUVフィルタまたは本発明による化合物または他の成分をカプセル化することによって、結晶化プロセス、沈殿および凝集物の形成などの、個々の組成物成分相互の相互作用により引き起こされる組成物問題は、相互作用が抑制されるので、回避することが可能になる。
【0092】
したがって、上記のUVフィルタまたは式Iもしくは式Ia〜Idの化合物の1つまたは複数がカプセル形態であることが好ましい。カプセルが裸眼ではみることができないほど小さいことがここでは有利である。上記の効果を実現する目的で、カプセルが十分に安定で、活性なカプセル化化合物(UVフィルタ)がわずかしかまたは全く環境に放出されないことがさらに必要である。
【0093】
適切なカプセルは、無機または有機ポリマーの壁を有することができる。例えば、米国特許第6242099B1号には、キチン、キチン誘導体またはポリヒドロキシル化ポリアミンの壁を備えた適切なカプセルの製造が記載されている。本発明に従って用いられる特に好ましいカプセルは、国際公開第00/09652号、国際公開第00/72806号および国際公開第00/71084号の出願において記載されているようなゾルゲル法によって取得し得る壁を有する。その壁がシリカゲル(シリカ;構造が明確でない酸化ケイ素水酸化物)から構成されているカプセルがここでもやはり好ましい。当業者であれば、例えば、その内容が本出願の主題事項にやはり明らかに属している引用された特許出願から、対応するカプセルの製造が分かる。
【0094】
本発明による組成物中のカプセルは、カプセル化されたUVフィルタが組成物中に上記の量で存在することが保証されるような量で好ましくは存在する。
【0095】
式Iまたは式Ia〜Idの少なくとも1つの化合物を含む本発明による組成物は、従来の皮膚保護または皮膚ケア活性化合物をさらに追加で含み得る。これらは、原理的には、当業者に周知である任意の活性化合物であってよい。
【0096】
特に好ましい活性化合物は、ピリミジンカルボン酸および/またはアリールオキシムである。
【0097】
ピリミジンカルボン酸は、親ハロ微生物中に出現し、これらの有機体の浸透圧調節の役割を果たす(E.A.Galinskiら、Eur.J.Biochem.、149(1985)、頁135〜139)。ピリミジンカルボン酸のうちでも、エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸およびそれらの誘導体をここで特に挙げるべきである。これらの化合物は、水溶液および有機溶媒中で酵素および他の生体分子を安定化させる。さらに、特に、それらは、塩、極端なpH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジンおよび他の化合物などの変成条件に抗して酵素を安定化させる。
【0098】
ヒドロキシエクトインなどのエクトインおよびエクトイン誘導体は、有利には、医薬で使用し得る。特に、ヒドロキシエクトインは、皮膚疾患を治療するための医薬を調製するために用いることができる。ヒドロキシエクトインおよび他のエクトイン誘導体の応用の他の領域は、通常、例えば、トレハロースが添加剤として使用される領域である。したがって、ヒドロキシエクトインなどのエクトイン誘導体は、乾燥イーストおよびバクテリア細胞中の保護剤として使用し得る。非グリコシル化医薬用活性ペプチドおよびタンパクなどの医薬用生成物、例えば、t−PAは、エクトインまたはその誘導体によってやはり保護し得る。
【0099】
化粧用用途のうち、老化、乾燥、または過敏性皮膚をケアするためのエクトインおよびエクトイン誘導体の使用を特に挙げるべきである。したがって、欧州特許出願第A−0 671 161号には、エクトインおよびヒドロキシエクトインは、粉末、せっけん、界面活性剤含有洗浄用品、リップスティック、ルージュ、メークアップ、ケアクリームおよびサンスクリーン製剤などの化粧用組成物で用いられることが特に記載されている。
【0100】
以下の式
【0101】
【化11】




【0102】
[式中、Rは、基HまたはC1〜8アルキルであり、Rは、基HまたはC1〜4アルキルであり、R、R、RおよびRは、それぞれ相互に独立に、基H、OH、NHおよびC1〜4アルキルからの基である]
のピリミジンカルボン酸の使用がここでは好ましい。Rが、メチルまたはエチル基であり、RまたはRおよびRが、Hであるピリミジンカルボン酸の使用が好ましい。ピリミジンカルボン酸エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)の使用が特に好ましい。本発明による組成物は、好ましくは、最高15重量%の量でこの種のピリミジンカルボン酸を含む。ここでは、ピリミジンカルボン酸は、好ましくは、本発明による化合物と100:1〜1:100の比で用いられ、1:10〜10:1の範囲の比が特に好ましい。
【0103】
アリールオキシムのうち、HMLO、LPOまたはF5とも呼ばれる2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムの使用が好ましい。化粧用組成物における使用に対するその適切性は、例えば、独国特許出願公開第A−41 16 123号に開示されている。したがって、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む組成物は、炎症に伴う皮膚疾患の治療に適している。この種の組成物は、例えば、乾癬、多様な形態の湿疹、刺激性および毒性の皮膚炎、UV皮膚炎、ならびにさらには、皮膚および皮膚付属物のアレルギー性および/または炎症性疾患を治療するために使用し得ることが知られている。式Iの化合物に加えて、アリールオキシム、好ましくは、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムをさらに含む本発明による組成物は、抗炎症性に対する驚くべき適性を示す。ここでは、組成物は、好ましくは、0.01〜10重量%のアリールオキシムを含み、組成物が0.05〜5重量%のアリールオキシムを含むことが特に好ましい。
【0104】
本発明の同様に好ましいさらなる実施形態では、組成物は、少なくとも1つのセルフタンニング剤を含む。
【0105】
用いることができる有利なセルフタンニング剤は、とりわけ、例えば以下の化合物:
【0106】
【化12】




【0107】
などのトリオースおよびテトロースである。
【0108】
新鮮なくるみの殻から抽出し得る5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ユグロン)、およびヘナの葉に存在する2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ラウソン)も挙げるべきである。フラボノイドジオスメチンおよびそのグリコシドまたはスルフェートも用いることができる。ここでは、これらの化合物は、純物質または植物抽出物の形態で用いることができる。ジオスメチンは、好ましくは、例えば、菊の抽出物の形態で用いることができる。
【0109】
ヒトの体に存在する三官能性糖類である1,3−ジヒドロキシアセトン(DHA)、およびその誘導体が、特に好ましい。
【0110】
【化13】




【0111】
前記セルフタンニング剤は、単独でまたは混合物として用いることができる。ここでは、DHAを上記のさらなるセルフタンニング剤との混合物で用いることが特に好ましい。
【0112】
セルフタンニング剤と本発明による化合物の組合せは、セルフタンニング剤単独の使用に比較してタンニングが加速されることが見出された。したがって、本発明は、セルフタンニング剤のタンニング作用を加速するための本発明による化合物の対応する使用にさらに関する。
【0113】
組成物で使用し得る化合物または成分はすべて、周知および市販であるか、または周知の方法によって合成し得るかのいずれかである。
【0114】
式Iまたは式Ia〜Idの化合物の1つまたは複数は、化粧用または皮膚用組成物内に組み込み得るが、従来の仕方で医薬用組成物または食品中にも組み込み得る。適切な組成物は、外用、例えば、クリーム、ローション、ゲルの形態、または皮膚上にスプレーし得る溶液としてのものである。カプセル、コート付錠剤、粉末、錠剤溶液または溶液などの投与形態は、内用に適している。
【0115】
組成物の使用形態について挙げ得る例は、溶液、懸濁液、エマルジョン、PITエマルジョン、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、せっけん、界面活性剤含有洗浄用製剤、油、アエロゾル、およびスプレーである。他の応用形態の例は、スティック、シャンプーおよびシャワー組成物である。所望の慣用ビヒクル、補助剤、および所望であればさらなる活性化合物のいずれをも組成物に添加し得る。
【0116】
好ましい補助剤は、防腐剤、酸化防止剤、安定化剤、可溶化剤、ビタミン、着色剤、臭気改良剤の群に由来する。
【0117】
軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、慣用ビヒクル、例えば、動物性および植物性脂肪、ロウ、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛またはこれらの物質の混合物を含み得る。
【0118】
粉末およびスプレーは、慣用ビヒクル、例えば、ラクトース、タルク、シリカ、アルミニウム水酸化物、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含み得る。スプレーは、慣用噴射剤、例えば、クロロフルオロ炭素、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルをさらに含み得る。
【0119】
溶液およびエマルジョンは、溶媒、可溶化剤および乳化剤などの慣用ビヒクル、例えば、水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に、綿実油、落花生油、小麦胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物を含み得る。
【0120】
懸濁液は、液体希釈剤などの慣用ビヒクル、例えば、水、エタノール、またはプロピレングリコール、懸濁媒体、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微晶質セルロース、アルミニウムメタ水酸化物、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物を含み得る。
【0121】
せっけんは、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク加水分解物、イソチオネート、ラノリン、脂肪族アルコール、植物油、植物抽出物、グリセリン、糖類、またはこれらの物質の混合物などの慣用ビヒクル含み得る。
【0122】
界面活性剤含有洗浄用製品は、脂肪族アルコールスルフェートの塩、脂肪族アルコールエーテルスルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク加水分解物、イソチオネート、イミダゾリニウム誘導体、タウリン酸メチル、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪族アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセリン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などの慣用ビヒクルを含み得る。
【0123】
フェースおよびボディオイルは、脂肪酸エステル、脂肪族アルコール、シリコーン油などの合成油、植物油および油性植物抽出物、パラフィン油、ラノリン油などの天然油、またはこれらの物質の混合物などの慣用ビヒクルを含み得る。
【0124】
さらなる典型的な化粧用途形態はまた、リップスティック、リップケアスティック、マスカラ、アイライナー、アイシャドウ、ルージュ、粉末メークアップ、エマルジョンメークアップ、およびロウメークアップ、およびサンスクリーン、サン前およびサン後製剤である。
【0125】
好ましい組成物形態として、特に、エマルジョンが挙げられる。
【0126】
エマルジョンは有利であり、例えば、前記脂肪、油、ロウ、および他の脂質、ならびに水、およびこの種の組成物のために通常使用されるような乳化剤を含む。
【0127】
脂質相は、有利には、以下の物質群から選択し得る:
−鉱油、鉱物性油;
−カプリンまたはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、さらには、例えば、ヒマシ油などの天然油;
−脂肪、ロウ、および他の天然および合成脂質、好ましくは、脂肪酸と低炭素数を有するアルコール、例えば、イソプロパノールとのエステル、プロピレングリコールまたはグリセリン、または脂肪族アルコールと低炭素数を有するアルカン酸または脂肪酸のエステル;
−ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびそれらの混合形態などのシリコーン油。
【0128】
本発明の目的では、エマルジョン、オレオゲル、またはヒドロ分散液、またはリポ分散液の油相は、有利には、鎖長が3〜30個のC原子である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸、および鎖長が3〜30個のC原子である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルコールのエステルの群、または芳香族カルボン酸と鎖長が3〜30個のC原子である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルコールのエステルの群から選択される。次いで、この種のエステル油は、有利には、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、およびこの種のエステルの合成、半合成、および天然混合物、例えば、ホホバ油の群から選択し得る。
【0129】
油相は、さらに有利には、分枝および非分枝の炭化水素および炭化水素ロウ、シリコーン油、ジアルキルエーテルの群、飽和または不飽和で、分枝または非分枝のアルコール、および脂肪酸トリグリセリド、詳細には、鎖長が8〜24、特に12〜18個のC原子である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のトリグリセリンエステルの群から選択し得る。脂肪酸トリグリセリドは、有利には、例えば、合成、半合成、および天然油、例えば、オリーブ油、ひまわり油、大豆油、ピーナッツ油、ナタネ油、アーモンド油、パーム油、ココナツ油、パームカーネル油などの群から選択し得る。
【0130】
この種の油およびロウ成分の所望の混合物のいずれでもまた、有利には、本発明で用い得る。ロウ、例えば、パルミチン酸セチルを油相の唯一の脂質成分として用いることも有利である場合がある。
【0131】
油相は、有利には、イソステアリン酸2−エチルヘキシル、オクチルドデカノール、イソノナン酸イソトリデシル、イソエイコサン、2−エチルヘキシルココエート、安息香酸C12〜15アルキル、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、ジカプリルエーテルの群から選択される。
【0132】
安息香酸C12〜15アルキルとイソステアリン酸2−エチルヘキシルの混合物、安息香酸C12〜15アルキルとイソノナン酸イソトリデシルの混合物、ならびに安息香酸C12〜15アルキル、イソステアリン酸2−エチルヘキシルおよびイソノナン酸イソトリデシルの混合物は、特に有利である。
【0133】
炭化水素のなかで、パラフィン油、スクアランおよびスクアレンは、有利には、本発明用として使用し得る。
【0134】
さらに、油相はまた、有利には、環式または直鎖シリコーン油の成分を有してもよく、または、すべてこの種の油からなってもよい。但し、1つまたは複数のシリコーン油に加えて他の油相成分を追加成分として使用することが好ましいが。
【0135】
本発明に従って使用するシリコーン油は、有利には、シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)である。しかし、他のシリコーン油、例えば、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)を使用することも本発明で有利である。
【0136】
シクロメチコンとイソノナン酸イソトリデシルの混合物、シクロメチコンとイソステアリン酸2−エチイヘキシルの混合物も、特に有利である。
【0137】
組成物の水性相は、任意選択で、有利には、炭素数の少ないアルコール、ジオール、またはポリオール、およびそれらのエーテル、好ましくは、エタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類似の生成物;さらには、炭素数の少ないアルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセリン;ならびに、有利には、二酸化ケイ素、アルミニウムシリケート、ポリサッカライドおよびその誘導体、例えば、ヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの群、特に有利には、ポリアクリレート、好ましくは、いわゆるカルボポール、例えば、それぞれ個別または組合せでのカルボポールグレード980、981、1382、2984、5984の群からのポリアクリレートの群から選択され得る1つまたは複数の増粘剤を含む。
【0138】
特に、上記の溶媒の混合物が使用される。アルコール性溶媒の場合、水がさらなる成分であってよい。
【0139】
エマルジョンは、有利であり、例えば、前記脂肪、油、ロウ、および他の脂質、ならびに水、およびこの種の製剤に通常使用される乳化剤を含む。
【0140】
好ましい実施形態では、組成物は、親水性界面活性剤を含む。
【0141】
親水性界面活性剤は、好ましくは、アルキルグルコシド、アシルラクチレート、ベタイン、およびココナツアンフォアセテートの群から選択される。
【0142】
アルキルグルコシドそれ自体は、有利には、次の構造式
【0143】
【化14】




【0144】
[式中、Rは、炭素原子4〜24個を有する分枝または非分枝のアルキル基を表し、
【0145】
【数2】




【0146】
は最高2までのグルコシル化度の平均を表す]
によって区別されるアルキルグルコシドの群から選択される。
【0147】
【数3】




【0148】
値は、本発明に従って使用されるアルキルグルコシドのグルコシド化度を表し、
【0149】
【数4】




【0150】
[式中、p、p、p...pは、重量%でのモノ、ジ、トリ、...i倍のグルコシル化生成物の割合を表す]
として定義される。グルコシル化度が1〜2、特に有利には1.1〜1.5、非常に特に有利に1.2〜1.4、特に1.3である生成物を選択することが本発明に従って有利である。
【0151】
DP値では、アルキルグルコシドが一般に、それらの調製の結果として、モノとオリゴグルコシドの混合物の形態であるという事実が考慮される。モノグルコシドの比較的大きい含有量、通常、40〜70重量%のオーダーが、本発明に従って有利である。
【0152】
特に有利に使用されるアルキルグリコシドは、オクチルグルコピラノシド、ノニルグルコピラノシド、デシルグルコピラノシド、ウンデシルグルコピラノシド、ドデシルグルコピラノシド、テトラデシルグルコピラノシドおよびヘキサデシルグルコピラノシドの群から選択される。
【0153】
天然または合成原材料および補助剤、または本発明に従って使用される活性化合物の有効含有量によって区別される混合物、例えば、Plantaren(登録商標)1200(Henkel KGaA)、Oramix(登録商標)NS10(Seppic)を用いることが同様に有利である。
【0154】
アシルアクチレートそれ自体は、有利には、次の構造式
【0155】
【化15】




【0156】
[式中、Rは、炭素原子1〜30個を有する分枝または非分枝アルキル基を表し、Mは、アルカリ金属イオン群、および、1つまたは複数のアルキルおよび/または1つまたは複数のヒドロキシアルキル基によって置換されているアンモニウムイオン群から選択されるか、またはアルカリ土類金属イオンの当量の半分に対応する]
によって区別される物質群から選択される。
【0157】
例えば、ナトリウムイソステアリルラクチレート、例えば、American Ingredients Companyからの製品Pathionic(登録商標)ISLが有利である。
【0158】
ベタインは、有利には、次の構造式
【0159】
【化16】




【0160】
[式中、Rは、炭素原子1〜30個を有する分枝または非分枝アルキル基を表す]
によって区別される物質群から選択される。
【0161】
は、特に有利には、炭素原子6〜12個を有する分枝または非分枝アルキル基を表す。
【0162】
例えば、カプラミドプロピルベタイン、例えば、Th.Goldschmidt AGからの製品Tego(登録商標)Betain810が有利である。
【0163】
有利なココナツアンフォアセテートは、例えば、Miranol Chemical Corpから商品名Miranol(登録商標)UltraC32で入手可能であるようなナトリウムココナツアンフォアセテートである。
【0164】
組成物は、有利には、親水性界面活性剤(複数可)が、それぞれ組成物の全重量を基準にして、濃度0.01〜20重量%、好ましくは、0.05〜10重量%、特に好ましくは、0.1〜5重量%で存在することを特徴とする。
【0165】
使用の際、化粧用および皮膚用組成物は、化粧品の場合の通常の仕方で適切な量で皮膚および/または毛髪に施用される。
【0166】
式Iまたは式Ia〜Idの化合物の少なくとも1つを含む化粧用および皮膚用組成物は、多様な形態で存在し得る。したがって、それらは、例えば、溶液、無水組成物、油中水(W/O)型、または水中油(O/W)型のエマルジョンまたはマイクロエマルジョン、例えば、水中油中水(W/O/W)型の複合エマルジョン、ゲル、固体スティック、軟膏、またはアエロゾルであってよい。カプセル化形態、例えば、コラーゲンマトリックスおよび他の従来のカプセル化材料、例えば、セルロースカプセル化、ゼラチン、ロウマトリックス、またはリポソーム的なカプセルにおいて活性化合物を投与することも有利である。特に、独国特許出願公開第A43 08 282号で記載のロウマトリックスは好ましいことが実際に示されている。エマルジョンが好ましい。O/Wエマルジョンが特に好ましい。エマルジョン、W/Oエマルジョン、およびO/Wエマルジョンは、従来の仕方で取得可能である。
【0167】
使用し得る乳化剤は、例えば、周知のW/OおよびO/W乳化剤である。本発明による好ましいO/Wエマルジョンで従来の共乳化剤をさらに使用することは有利である。
【0168】
本発明に従って有利である共乳化剤は、O/W乳化剤が飽和基RおよびR’を有する限り、例えば、主としてHLB値が11〜16、非常に特に有利には、HLB値が14.5〜15.5である物質群からのO/W乳化剤である。O/W乳化剤が、不飽和基Rおよび/またはR’を有するか、またはイソアルキル誘導体である場合、かかる乳化剤の好ましいHLB値はまた、より大きくてもより小さくてもよい。
【0169】
エトキシル化ステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)の群から脂肪族アルコールエトキシレートを選択することが有利である。以下:ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリ−エチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)が特に好ましい。
【0170】
以下の群:ポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエートから脂肪酸エトキシレートを選択することがさらに有利である。
【0171】
使用されるエトキシル化アルキルエーテルカルボン酸またはその塩は、有利には、ナトリウムラウレス−11カルボキシレートであってよい。有利に使用し得るアルキルエーテルスルフェートは、ナトリウムラウレス−14スルフェートである。有利に使用し得るエトキシル化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)ソヤステロールもまた、うまくゆくことが実際に示された。有利に使用し得るエトキシル化トリグリセリドは、ポリエチレングリコール(60)マツヨイグサグリセリドである。
【0172】
ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(21)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(22)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(23)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート/カプリネート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアレート、ポリエチレングリコール(18)グリセリルオレエート/ココエートの群から、ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステルを選択することはさらに有利である。
【0173】
ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレエートの群からソルビタンエステルを選択することは同様に好ましい。
【0174】
任意選択のW/O乳化剤であるが、本発明に従って有利に用い得る乳化剤は、以下の:炭素原子8〜30個を有する脂肪族アルコール、鎖長がC原子8〜24個、特に12〜18個である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のモノグリセリンエステル、鎖長がC原子8〜24個、特に12〜18個である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のジグリセリンエステル、鎖長がC原子8〜24個、特に12〜18個である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルコールのモノグリセリンエーテル、鎖長がC原子8〜24個、特に12〜18個である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルコールのジグリセリンエーテル、鎖長がC原子8〜24個、特に12〜18個である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、および鎖長がC原子8〜24個、特に12〜18個である飽和および/または不飽和で、分枝および/または非分枝のアルカンカルボン酸のソルビタンエステルである。
【0175】
特に有利なW/O乳化剤は、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノステアリン酸ジグリセリル、モノイソステアリン酸ジグリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸プロピレングリコール、モノカプリル酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、モノカプリル酸ソルビタン、モノイソオレイン酸ソルビタン、ジステアリン酸スクロース、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、モノラウリン酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノカプリル酸グリセリルである。
【0176】
好ましい組成物は、老化プロセス、および酸化性ストレス、すなわち、例えば、太陽光照射、熱または他の影響によって発生する遊離ラジカルにより引き起こされるダメージに対してヒトの皮膚を保護するのに特に適している。この関連で、それらは、こうした用途のために通常使用される多様な投与形態である。例えば、それらは、特に、クリームまたは乳液(O/W、W/O、O/W/O、W/O/W)の形態、油性−アルコール性、油性−水性、または水性−アルコール性ゲルまたは溶液の形態、固体スティックの形態などのローションまたはエマルジョンの形態であってよく、あるいは、アエロゾルとして製剤されていてもよい。
【0177】
組成物は、例えば、増粘剤、柔軟剤、モイスチャー、界面活性剤、乳化剤、防腐剤、消泡剤、芳香剤、ロウ、ラノリン、噴射剤、染料、および/または組成物それ自体または皮膚、および他の成分の色が、化粧品で通常使用されるような色の顔料などのこの種の組成物で通常使用される化粧用補助剤を含み得る。
【0178】
使用される分散剤または可溶化剤は、油、ロウもしくは他の脂質、低級モノアルコールもしくは低級ポリオール、またはそれらの混合物であってよい。特に好ましいモノアルコールまたはポリオールとして、エタノール、i−プロパノール、プロピレングリコール、グリセリン、およびソルビトールが挙げられる。
【0179】
本発明の好ましい実施形態は、本発明による化合物(複数可)に加えて、水の存在下で、例えば、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、特に、脂肪酸のトリグリセリド、ラノリン、天然および合成油またはロウ、ならびに乳化剤を含む保護クリームまたは乳剤の形態のエマルジョンである。
【0180】
さらなる好ましい実施形態は、天然もしくは合成油およびロウ、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドに基づく油性ローション、あるいは、エタノールなどの低級アルコール、またはプロピレングリコールなどのグリセリンおよび/またはグリセリンなどのポリオール、および油、ロウ、および脂肪酸のトリグリセリドなどの脂肪酸エステルに基づく油性−アルコール性ローションである。
【0181】
本発明による組成物はまた、エタノール、プロピレングリコール、またはグリセリンなどの低級アルコールまたはポリオールの1つまたは複数と、ケイ質土などの増粘剤とを含むアルコール性ゲルの形態であってもよい。油性−アルコール性ゲルはまた、天然または合成油またはロウを含む。
【0182】
固体スティックは、天然または合成ロウおよび油、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、および他の脂質からなる。
【0183】
組成物がアエロゾルとして製剤される場合、アルカン、フルオロアルカン、およびクロロフルオロアルカンなどの慣用の噴射剤が、一般に使用される。
【0184】
化粧用組成物はまた、それを使用することによって、光化学的なダメージから毛髪を保護することにより、変色、漂白、または機械的性質のダメージを防止し得る。この場合、適切な製剤は、リンスアウトシャンプー、ローション、ゲルまたはエマルジョンの形態であり、当該の組成物は、シャンプーの前か後、染色もしくは漂白の前か後、またはパーマネントウエーブの前か後で施用される。毛髪のスタイリングおよびトリートメント用のローションまたはゲルの形態、ブラッシングまたはブローウエーブ用のローションまたはゲルの形態、ヘアラッカー、パーマネントウエーブ組成物、着色剤または毛髪用漂白の形態の組成物を選択することも可能である。本発明による化合物(複数可)の他に、光保護特性を有する組成物は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー、柔軟剤、防腐剤、泡安定剤、電解質、有機溶媒、シリコーン誘導体、油、ロウ、抗グリース剤、染料、および/または組成物それ自体、または毛髪、または他の成分の色が、ヘアケアで通常使用されるような色の顔料などの、この種の組成物で使用される多様な補助剤を含み得る。
【0185】
本発明は、式Iの少なくとも1つの化合物が、化粧用または皮膚用または食品用または家事用製品用に適しているビヒクルと混合されることを特徴とする組成物を調製するための方法、および酸化防止特性を有する組成物を調製するための式Iの化合物の使用にさらに関する。
【0186】
ここでの組成物は、当業者に良く知られた技法の助けによって調製し得る。
【0187】
混合によって、ビヒクル中の本発明による化合物を溶解、乳化、または分散させることができる。
【0188】
本発明に従って好ましい方法では、式Iの化合物は、式I en
【0189】
【化17】




【0190】
[式中、基Ar、Z、およびRは、所望の式Iのものに対応する]
の少なくとも1つの化合物を水素化することによって調製される。
【0191】
類似の状況を式Ia en、Ib en、およびId enの化合物の水素化に適用することによって式Ia〜Idの化合物が得られる。
【0192】
例えば、水素分子は、水素化に適している。式I enの化合物を水素化するために水素分子を使用する場合、水素化は、好ましくは、触媒または触媒系の存在下で行われる。
【0193】
水素化するための適切な触媒は、ありふれた均一および不均一触媒のすべてであり、好ましくは、元素Pt、PdおよびRhから選択される少なくとも1つの貴金属、またはMo、W、Crなど、特にFe、CoおよびNiなどの遷移金属を個々にまたは混合物で使用することが特に好ましい。ここでの触媒(複数可)または触媒混合物(複数可)はまた、炭素、活性炭、酸化アルミニウム、炭酸バリウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウムまたは珪藻土などの担体上で用い得る。ここでの金属はまた、ラネー化合物、例えば、ラネーニッケルの形態で用いてもよい。触媒反応が均一プロセスで行われる場合、用いられる触媒が、例えば、ウイルキンソン触媒[クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム]などの前記金属の1つまたは複数の錯化合物であることが好ましい。さらに、還元剤によってin situで還元され、in situで微分割された金属(0)種を形成し得る前記金属の塩を用いることも可能である。適切な貴金属塩は、例えば、酢酸パラジウム、臭化パラジウム、および塩化パラジウムであり、適切な還元剤は、例えば、水素、ヒドラジン、水素化ホウ素ナトリウム、およびホルメートである。本発明の好ましい変形形態では、不均一触媒が用いられ、本発明による方法で用いられる触媒が、好ましくは、活性炭担体上のPdまたはPt、例えば、C上5重量%のPdまたはPtであることが特に好ましい。
【0194】
水素化は、通常、20〜150℃の範囲の温度で行われる。水素化は、さらに有利には、1〜200バールの水素圧で行われる。
【0195】
適切な溶媒は、プロトン性溶媒、特に、水;例えば、メタノール、エタノール、およびイソプロパノールなどの低級アルコール;および第一級および第二級アミン;ならびにこの種のプロトン性溶媒の混合物などの当業者に知られた普通のプロトン性溶媒であり、用いられる溶媒が水であることが特に好ましい場合がある。
【0196】
さらに、この反応用の適切な溶媒はまた、従来の非プロトン性溶媒である。例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、アセトニトリル、ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、およびN−メチルピロリドンを用い得る。
【0197】
本発明による調製方法の同様な好ましい実施形態では、水素化は、固体状態で行われる、すなわち、追加の溶媒を全く必要としない。
【0198】
反応が完了すると、仕上げ作業は、従来の方法によって実施し得る。例えば、触媒は、ろ別することができ、ろ液は、例えば、大気圧に比べて低い圧力で加熱することによって溶媒から分離することができ、得られた生成物は、従来の方法によってさらに精製し得る。
【0199】
反応生成物のさらなる精製は、従来の方法、例えば、適切な溶媒からの再結晶化によって、またはクロマトグラフィー法によって同様に実施し得る。
【0200】
本発明は、式Ib enの化合物が、
【0201】
【化18】




【0202】
[式中、基R〜RおよびR〜R13は、上記の意味を有する]
が、水素化されていることを特徴とする、式IbまたはIcの化合物を調製するための方法にさらに関する
【0203】
【化19】




【0204】
[式中、RおよびR11は、それぞれ相互に独立に、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基を表し、
は、H、またはカルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらが、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によってエステル化またはアルキル化されていてもよく、
、R、R、R、R10、R12、およびR13は、Hを表す]。
【0205】
しかし、式Iまたは式Ia〜Idの化合物はまた、実施例での特定の形態で開示されているのと同様のカップリング反応を介して調製し得る。これらの合成法、すなわち、適切に置換されたアリールアルデヒドと適切に置換されたアリールケトンの反応の一般的な適用性は、合成技術に精通した人にとっては周知のことである。
【0206】
【化20】




【0207】
式Iまたは式Ia〜Idの化合物は、組成物に対する安定化効果を有し得ることも観察された。対応する生成物で使用された場合、したがって、後者は、より長期に安定性が維持され、それらの医薬としての性質および感覚に訴える性質は変化しない。特に、成分、例えば、ビタミンの有効性は、長期間にわたる施用または長期間にわたる貯蔵の用途の場合でも保持される。これは、UV線の影響に対して皮膚を保護するための組成物の場合、とりわけ特に有利である。というのは、これらの化粧品は、UV放射による特に強いストレスを受けるからである。
【0208】
式Iまたは式Ia〜Idの化合物の有効な効果のために、それらは、化粧用または医薬用組成物で使用するのに特に適している。
【0209】
式Iの化合物の特性は、食品での使用、または食品添加物としてまたは機能性食品としての使用の際に有効であると同様に見なすべきである。食品に対して行われるさらなる説明はまた、食品添加物および機能性食品にも対応して適用される。
【0210】
式Iの化合物または式Ia〜Idの化合物の1つまたは複数で強化し得る食品として、動物による消費またはヒトによる消費に適した材料すべて、例えば、ビタミンおよびそのプロビタミン、脂肪、ミネラルまたはアミノ酸が挙げられる(食品は、固体でも液体でもよく、すなわち、飲料の形態であってよい)。したがって、本発明は、ヒトまたは動物栄養のための食品添加物として式Iの化合物の少なくとも1つを使用すること、および食品または食品添加物であり、対応するビヒクルを含む組成物にさらに関する。
【0211】
式Iの化合物の1つまたは複数で強化し得る食品はまた、例として、例えば、非甘味化リンゴジュース(例えば、また多種類のリンゴジュースの混合物)、グレープフルーツジュース、オレンジジュース、リンゴのシロップ煮、アプリコットスカッシュ、トマトジュース、トマトソース、トマトピューレなどの単一植物種の例えば、砂糖、非甘味化ジュース、スカッシュまたはピューレなどの単一天然供給源に由来する食品である。式Iの化合物の1つまたは複数で、本発明に従って強化し得る食品のさらなる例は、コーン、または単一植物種からの穀類、および例えば、シリアルシロップ、ライ麦粉、小麦粉またはオート麦のふすまなどのこの種の植物種から製造される材料である。この種の食品の混合物はまた、式Iの化合物の1つまたは複数、例えば、マルチビタミン製剤、ミネラル混合物または甘味強化ジュースで強化するのに適している。式Iの化合物の1つまたは複数で、本発明に従って強化し得る食品のさらなる例として、食品組成物、例えば、調理穀類、ビスケット、混合飲料水、ヨーグルトなどの特に子供用に調理された食品、ダイエット食品、低カロリー食品、または動物食品が挙げ得る。
【0212】
したがって、式Iの化合物の1つまたは複数で、本発明に従って強化し得る食品として、炭水化物、脂質、タンパク、無機元素、痕跡元素、ビタミン、水、または植物および動物の活性代謝産物のすべての食用組合せが挙げられる。
【0213】
式Iの化合物の1つまたは複数で、本発明に従って強化し得る食品は、好ましくは、経口で、例えば、ミール、ピル、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液、または懸濁液の形態で投与される。
【0214】
式Iの化合物の1つまたは複数で強化された本発明による食品は、当業者に良く知られた技法の助けで調製し得る。
【0215】
酸化防止剤または遊離ラジカルスカベンジャとしてのそれらの作用のために、式Iの化合物はまた、医薬用成分として適切であり、それらは、身体中の遊離ラジカルをスカベンジする自然のメカニズムを援助または置換する。ある場合には、本発明による化合物は、それらの作用において、ビタミンCなどの遊離ラジカルスカベンジャと比較し得る。式Iの化合物は、例えば、皮膚の炎症およびアレルギーを予防的に治療するために、およびある種の場合ではある種のガンを予防するために使用し得る。本発明による化合物は、特に皮膚の炎症、アレルギー、および刺激を治療するための医薬を調製するために特に適している。血管強壮薬として、毛細血管強度を増強するための薬剤として、クペロセ(cuperose)抑制剤として、化学的、物理的、または化学線紅斑の抑制剤として、過敏性皮膚の治療薬として、うっ血除去薬として、脱水剤として、痩身剤として、しわ防止剤として、細胞外基質成分の合成刺激剤として、皮膚弾性の改良強化剤として、および老化防止剤として作用する医薬を調製することもさらに可能である。さらに、この関連で好ましい本発明による化合物は、抗アレルギー性、および抗炎症性、および抗刺激性作用を示す。したがって、それらは、炎症またはアレルギー性反応を治療するための医薬を調製するのに適している。
【0216】
実施例を参照しながら、以下でより詳細に本発明を説明する。本発明は、特許請求の範囲全体において実施することができ、ここに示した実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0217】
【図1】実施例1の化合物(5)に対する光転換試験の結果を示す図である。
【0218】
実施例
実施例1:2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシフェノールの調製
【0219】
【化21】




【0220】
水素化ホウ素ナトリウムをエタノール75ml中に溶解し、THF5mlに溶解した出発材料(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)フェニルメタノンを約10分かけて滴下する。反応混合物を室温で1時間攪拌し、すべての水素化ホウ素ナトリウムを消費した。溶媒を真空で除去する。残留分をメチルt−ブチルエーテル(MTBE)/水で分液し、水性相をMTBE50mlでさらに3回抽出する。合せた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を真空で除去する。
【0221】
実施例2:2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)−ヒドロキシメチル]安息香酸ヘキシルの調製(2通りの経路)
【0222】
【化22】




【0223】
原理的には、式Iの化合物はすべて、実施例1または2と同様に調製し得る。例えば、以下のアルコールは、対応するケトンから取得し得る:
2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−ジエチルアミノフェノール
2−(ヒドロキシフェニルメチル)フェノール
2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−スルホフェノール
2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシ−4−スルホフェノール
2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチル
2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチルヘキシル
2−[(2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチルヘキシル
3−ヒドロキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−3−フェニルプロパン−1−オン
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン
3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−1−オン
3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン
実施例3:3−(4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−tert−ブチルフェニル)プロパン−1−オンの合成
【0224】
【化23】




【0225】
LDA(ジイソプロピルアミドリチウム)1M溶液3.4mlのTHF溶液(3.4mmol)を窒素下、−78℃でp−tert−ブチルアセトフェノン(500mg、2.8mmol)のTHF溶液(15ml)に加える。混合物を1時間攪拌後、p−メトキシベンズアルデヒド(425mg、3.1mmol)のTHF溶液5mlを加える。反応を放置して1時間かけて−40℃に到達させる。次いで、1NのNHCl冷水溶液を反応混合物に加える。得られた混合物を水(30ml)/ジクロロメタン(30ml)で分液する。次いで、得られた水性相をジクロロメタン(2×30ml)で抽出する。合せた有機相をMgSO上で乾燥する。溶媒を除去すると、3−(4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−tert−ブチルフェニル)プロパン−1−オンが得られる。
【0226】
実施例4:3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オンの合成
【0227】
【化24】




【0228】
LDA1M溶液4.0mlのTHF溶液(4.0mmol)を窒素下、−78℃でp−メトキシアセトフェノン(500mg、3.3mmol)のTHF(テトラヒドロフラン)溶液(15ml)に加える。混合物を1時間攪拌後、p−tert−ブチルベンズアルデヒド(594mg,3.7mmol)のTHF溶液5mlを加える。反応を放置して1時間かけて−40℃に到達させる。次いで、1NのNHCl冷水溶液を反応混合物に加える。得られた混合物を水(30ml)/ジクロロメタン(30ml)で分液する。次いで、得られた水性相をジクロロメタン(2×30ml)で抽出する。合せた有機相をMgSO上で乾燥する。溶媒を除去すると、3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オンが得られる。
【0229】
実施例5:UV光中での酸化
UV光を照射すると、実施例1または2に記載の本発明による化合物のUVスペクトルが変化する。ここでの照射は、UV用特殊ガラスフィルタを備えたAtlas Sun Test CPS、キセノンランプによって、出力95.69W/mで290〜400nmの範囲で実施することができる。わずか約60分後、化合物によるUV吸収の有意な増加が明白であり、この吸収は、照射を続けるとさらに増加する。
【0230】
実施例5a:さらなる酸化防止剤の存在下でのUV光中での酸化
UV光を照射すると、実施例1または2に記載の化合物と、β−カロテンとを含むエマルジョンは、本発明による試料中のβ−カロテンによる吸収(440〜480nmの範囲のEmax)が、β−カロテンのみを含む試料より有意に大きいことを示す。したがって、本発明によるエマルジョン中のβ−カロテンの劣化が減少し;本発明による化合物がβ−カロテンを安定化させる。
【0231】
実施例5b:DPPHアッセイ
本発明による化合物の遊離ラジカル低減作用は、例えば、2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)アッセイによって実際に示すことができる。2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルは、溶液中で安定である遊離ラジカルである。不対電子によって、515nmでの強い吸収帯がもたらされ、溶液は濃紫色である。遊離ラジカルスカベンジャの存在下、電子は、対を形成し、吸収は消滅し、脱色は、取り込まれた電子数を勘定しながら化学量論的に進行する。吸収は光度計で測定される。試験される物質の抗遊離ラジカル特性は、用いられた2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジルの50%が遊離ラジカルスカベンジャと反応した点での濃度を測定することによって求められる。この濃度は、所与の測定条件下での物質特性と見なすことができる値であるEC50として表される。調査された物質は、標準(例えば、トコフェロール)と比較される。ここでのEC50値は、それぞれの化合物が遊離ラジカルをスカベンジする能力の指標である。EC50値が小さいほど、遊離ラジカルをスカベンジする能力は大きい。
【0232】
手順
2,2−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジル(DPPH)をエタノールに溶解した原液を調製する(0.025g/lのDPPH遊離ラジカル)。試験すべき化合物の多様な濃度の液をこの溶液の一定分量に加える。吸収は、それぞれの場合、515nm、25℃、および厚さ1cmで測定される。求められるEC50は、元のDPPH遊離ラジカル濃度の50%が依然として存在する点での値である。この値が小さいほど、対応する遊離ラジカルを低減する活性は大きい。この値を実現するのに要する反応時間は、TEC50値(分で)で示される。
【0233】
今記載のDPPAアッセイの他に、脂質アッセイ(または、2,2’−アゾビス(2−アミノプロパン)=ABAPアッセイ)、またはTEACアッセイ(TEAC=トロロックス(trolox)等価酸化防止能力)に対する詳細な説明がまた、Bungerら、International Journal of Cosmetic Science、2006、28、135〜146中に見出される。
【0234】
実施例1からの化合物(5)=2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシフェノールに対するデータは、Bangerらの方法による。
【0235】
DPPHアッセイEC50[μモル−1]=1.90(この値は際立つものでない)
脂質アッセイ:8%(やはり、際立つものでない)
TEACアッセイ:50%(この値は良好である)。
【0236】
実施例6:光転換試験
実施例6a:
化合物(9)=(4−メトキシフェニル)−フェニルメタノールに対する光転換試験:
該物質の4%ミリスチン酸イソプロピル溶液を2μ/cm−2の速度で粗面Perspex支持体に施用する。試料を太陽試験器中で1時間50分、太陽光をシミュレートした照射にかける。照射後、試料をイソプロパノール40mlで抽出し、体積が正確に50mlになるように補給する。非照射試料と比較して、285nmでの物質の最大吸収の増加は0.77吸収単位である。
実施例6b:実施例1からの化合物(5)=2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシフェノールに対する光転換試験
該物質を粗面化Perspexプレートに施用し(0.75mg/cm−2)、シミュレートされた太陽下で照射する。照射量は、非重み付けの全UV絶対照射量として理解すべきである。各照射段階後、試料のUV吸収は、placebo(placebo=グリセリンを含むPerspexプレート)に対して測定される。物質は、照射によって吸収力が増加し、開始時の値は、吸収が全くない(図1を参照されたい)ことが分かる。
【0237】
実施例7:組成物
実施例1または2による化合物を含む化粧用組成物の例示的な製剤を以下に示す。対応する組成物は、本発明による化合物すべてに関して同じ仕方で調製し得る。
【0238】
加えて、市販の化合物のINCI名を示す。
【0239】
UV−真珠、OMCは、INCI名を有する組成物を表す:水(EUでは:Aqua)、メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、シリカ、PVP、クロロフェネシン、BHT;この組成物は、Merck KGaA、Darmstadtから、名称Eusolex(登録商標)UVPearl(商標)OMCで市販されている。表中に示された他のUV−真珠は、それぞれ、類似の組成物を有し、OMCは、指示されたUVフィルタによって置換されている。
【0240】
【表1−1】

【0241】
【表1−2】

【0242】
【表1−3】

【0243】
【表1−4】

【0244】
【表2−1】

【0245】
【表2−2】

【0246】
【表2−3】

【0247】
【表3−1】

【0248】
【表3−2】

【0249】
【表3−3】

【0250】
【表3−4】

【0251】
【表3−5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】




[式中、Rは、次式を表し、
【化2】




ここで、基Arは、それぞれ相互に独立に、非置換、または一置換もしくは多置換の芳香族環、またはC原子6〜18個を有する縮合環系を表し、該縮合環系の少なくとも1つの環は、芳香族性を有し、さらに、環当り1つまたは2つのCH基は、C=O、N、OまたはSによって置き換えられていてもよく、縮合環系では、さらに、1つまたは2つのCH基は、C=OまたはC=CHによって置き換えられていてもよく、
は、CRまたは単結合を表し、から
からXは、それぞれ相互に独立に、C−R、O、NまたはSから選択され、XからXからの2つの隣接基はまた一緒になって、非置換、または一置換もしくは多置換の環、またはC原子6〜18個を有する縮合環系を表し、該縮合環系の少なくとも1つの環は、好ましくは芳香族性を有し、さらに、環当り1つまたは2つのCH基は、C=O、N、OまたはSによって置き換えられていてもよく、縮合環系では、さらに、1つまたは2つのCH基は、C=OまたはC=CHによって置き換えられていてもよく、
は、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基から選択され、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基によって割り込まれていてもよく、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルキル基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルコキシ基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基(複数可)は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、酸素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキルアミノ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基によって割り込まれていてもよく、
あるいは、Rは、カルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらが、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によって任意選択でエステル化またはアルキル化されていてもよく、
およびRは、それぞれ相互に独立に、H、OH、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルキル基から選択され、ヒドロキシル基は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、酸素、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルコキシ基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基(複数可)は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、酸素によって割り込まれていてもよい]
の化合物、または式Iの化合物の塩の酸化防止剤としての使用。
【請求項2】
式Iの化合物が、式Ia、Ib、Ic、またはIdの化合物、
【化3】




[式中、RからRおよびRからR13は、それぞれ相互に独立に、H、OH、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基から選択され、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基によって割り込まれていてもよく、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルキル基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、それぞれ、酸素または窒素、直鎖もしくは分枝のC〜C20ヒドロキシアルコキシ基によって割り込まれていてもよく、ヒドロキシル基(複数可)は、鎖の第一級または第二級炭素原子に結合していてもよく、さらに、アルキル鎖はまた、酸素、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキルアミノ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基によって割り込まれていてもよく、
あるいは、RからRおよびRからR13は、それぞれ相互に独立に、カルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらは、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によって任意選択でエステル化またはアルキル化されていてもよい]
または式IaからIdの化合物の塩であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
化粧用、皮膚用、もしくは医薬用組成物、または食品もしくは食品添加物を調製する、または家事用製品を調製するための、請求項1または2に記載の式Iの少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項4】
およびR11が、それぞれ相互に独立に、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基から選択されることを特徴とする、請求項2および3の少なくとも1つに記載の式IaからIdの少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項5】
、R、およびR13が、それぞれHを表すことを特徴とする、請求項2から4の一項または複数項に記載の使用。
【請求項6】
、R、R、R10、およびR12が、Hを表すことを特徴とする、請求項2から5の一項または複数項に記載の使用。
【請求項7】
またはR12が、SOHまたはスルホネートを表すことを特徴とする、請求項2から6の一項または複数項に記載の使用。
【請求項8】
が、H、C〜Cアルコキシ基、またはC〜Cジアルキルアミノ基から選択され、
11が、直鎖もしくは分枝のC〜Cアルキル基、C〜Cジアルキルアミノ基、C〜Cアルコキシ基から選択されることを特徴とする、請求項2から7の一項または複数項に記載の使用。
【請求項9】
が、C〜C10アルコキシカルボニルを表すことを特徴とする、請求項2から8の一項または複数項に記載の使用。
【請求項10】
少なくとも1つの化合物が、2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−ジエチルアミノフェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)フェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−スルホフェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシ−4−スルホフェノール、2−(ヒドロキシフェニルメチル)−5−メトキシフェノール、2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチル、2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸ヘキシル、2−[(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチルヘキシル、2−[(2−ヒドロキシフェニル)ヒドロキシメチル]安息香酸エチルヘキシル、3−ヒドロキシ−1,3−ジフェニルプロパン−1−オン、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−3−フェニル−プロパン−1−オン、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン、3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−tert−ブチルフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オン、または3−(4−メトキシフェニル)−3−ヒドロキシ−1−(4−メトキシフェニル)プロパン−1−オンから選択されることを特徴とする、請求項1から9の一項または複数項に記載の式Iの少なくとも1つの化合物の使用。
【請求項11】
式IbまたはIcの化合物
【化4】




【化5】




[式中、RおよびR11は、それぞれ相互に独立に、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基を表し、
は、H、またはカルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらは、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によってエステル化またはアルキル化されていてもよく、
、R、R、R、R10、R12、およびR13は、Hを表す]。
【請求項12】
次の群、
【化6】




または該化合物の塩から選択される、請求項11に記載の化合物。
【請求項13】
次式
【化7】




または該化合物の塩から選択される、式Iの化合物。
【請求項14】
化粧用もしくは医薬用、特に皮膚用組成物、食品もしくは食品添加物、または家事用製品に適している少なくとも1つのビヒクルと、請求項1から13の少なくとも1つに記載の基を含有する式Iの少なくとも1つの化合物とを含む組成物。
【請求項15】
式Iの1つまたは複数の化合物を0.01から20重量%の量で含むことを特徴とする、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
式Ienの少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項14または15に記載の組成物
【化8】




[式中、基Ar、ZおよびRは、式Iのそれらとは独立に、請求項1から11の式Iで定義された基から選択される]。
【請求項17】
1つまたは複数のさらなる酸化防止剤および/またはビタミンを含むことを特徴とする、体細胞を酸化性ストレスから保護するための、請求項14から16の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項18】
少なくとも1つのセルフタンニング剤を含むことを特徴とする、請求項14から17の一項または複数項に記載の組成物。
【請求項19】
請求項1から11の一項または複数項に記載の基を含有する式Iの化合物が、化粧用にもしくは医薬用に、または食品もしくは食品添加物向けに、または家事用製品向けに適しているビヒクルと混合されることを特徴とする、組成物を調製するための方法。
【請求項20】
式Ib enの化合物
【化9】




[式中、基RからRおよびRからR13は、上記の意味を有する]
が水素化されていることを特徴とする、式IbまたはIcの化合物を調製するための方法
【化10】




[式中、RおよびR11は、それぞれ相互に独立に、H、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルコキシ基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20ジアルキルアミノ基を表し、
は、H、またはカルボン酸、リン酸、スルホン酸、硫酸、またはスルホン官能基を表し、それらが、直鎖もしくは分枝のC〜C20アルキル基、または直鎖もしくは分枝のC〜C20アルケニル基によってエステル化またはアルキル化されていてもよく、
、R、R、R、R10、R12、およびR13は、Hを表す]。
【請求項21】
さらに製品保護のための、特に、有機もしくは無機染料、酸化防止剤、ビタミン、香水成分、油成分などの酸化に敏感な製剤成分、または乳化剤、増粘剤、膜形成剤、および界面活性剤などのマトリックス成分を保護するための、請求項1から11の一項または複数項に記載の使用。
【請求項22】
さらに色素沈着制御のための、特に皮膚領域を美白化するための、請求項1から11の一項または複数項に記載の使用。

【図1】
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【公表番号】特表2009−534433(P2009−534433A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506940(P2009−506940)
【出願日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際出願番号】PCT/EP2007/003109
【国際公開番号】WO2007/121845
【国際公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】