電力変換装置
【課題】容易に組み立てることができ、かつ冷媒の漏出を防ぐことができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2と複数の冷却管3とを積層した積層体10と、該積層体10が固定される被固定部4とを備える。個々の冷却管3は、X方向に対向配置された一対の外殻部材31と、一対の外殻部材31の間に介在する環状のガスケット32とを有する。積層体10における複数の外殻部材31の貫通孔35にボルト5を挿入し、被固定部4材に形成した雌螺子部40にボルト5を螺合することにより、積層体10を積層方向に押圧しつつ被固定部4に固定している。複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位ほど、ガスケット32の積層方向における厚さが厚くなるよう構成されている。
【解決手段】電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2と複数の冷却管3とを積層した積層体10と、該積層体10が固定される被固定部4とを備える。個々の冷却管3は、X方向に対向配置された一対の外殻部材31と、一対の外殻部材31の間に介在する環状のガスケット32とを有する。積層体10における複数の外殻部材31の貫通孔35にボルト5を挿入し、被固定部4材に形成した雌螺子部40にボルト5を螺合することにより、積層体10を積層方向に押圧しつつ被固定部4に固定している。複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位ほど、ガスケット32の積層方向における厚さが厚くなるよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールと冷却管とを積層した積層体を有する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電力と交流電力との間で電力変換を行う電力変換装置として、図13に示すごとく、半導体素子を内蔵した複数の半導体モジュール91と、該半導体モジュール91を冷却する複数の冷却管92とを積層した積層体910を備えたものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
電力変換装置90は、積層体910を内側に保持するためのフレーム930を備える。フレームの内面931と積層体910との間には、板ばね980が設けられている。この板ばね980の弾性力を使って積層体910をX方向に押圧し、フレーム930の他の内面932に積層体910を押し付けている。これにより、半導体モジュール91と冷却管92との間の接触圧を確保しつつ積層体910をフレーム930内に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−173372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電力変換装置90は、ばね部材980の押圧力Fに製造ばらつきがあり、一定に保ちにくいという問題があった。押圧力Fが弱すぎると積層体910を充分に固定できなくなり、押圧力Fが強すぎると冷却管92が凹む等の問題が生じるため、押圧力Fは一定の範囲内にする必要がある。しかし、ばね部材980は、押圧力Fを容易に調節できないため、従来の電力変換装置90は、組み立てにくいという問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、図14に示すごとく、ボルト95を使って積層体910を被固定部96に固定する構造が考えられる。この電力変換装置90aは、図13に示す従来の電力変換装置90と同様に、複数の半導体モジュール91と複数の冷却管92とを積層した積層体910を備える。そして、冷却管92の両端に形成した貫通孔990にボルト95を挿入し、被固定部96に形成した雌螺子部97にボルト95を螺合することにより、積層体910をX方向に押圧しつつ固定している。このようにすると、ボルト95の締結トルクを調節するだけで、積層体910の押圧力Fを簡単に調節できるようになる。そのため、上記電力変換装置90aを容易に組み立てることが可能になる。
【0007】
また、このようにボルト95によって積層体910を組み立てる構成にすると、冷却管92を、積層体910の積層方向(X方向)に対向配置された一対の外殻部材93をロウ付け等によって接合せずに、構成することが可能となる。すなわち、一対の外殻部材93の間にガスケット94を介在させて一対の外殻部材93を組み合わせることにより、冷却管92を構成できる。
【0008】
このようにすれば、外殻部材93と半導体モジュール91とが、接着剤等によって接着されていても、電力変換装置1が故障した場合に、容易に修理することができる。例えば、複数の半導体モジュール91のうち特定の半導体モジュール91aのみが故障した場合、ボルト95を緩め、冷却管92を分解して、故障した半導体モジュール91aを、該半導体モジュール91aに接着した外殻部材93a,93bと共に取り外し、交換できる。
【0009】
しかしながら、上記電力変換装置90aは、ボルト95を使って積層体910を締結するため、冷却管92が反りやすいという問題がある。上述したように、一対の外殻部材93はロウ付け等されていないため、冷却管92が反ると一対の外殻部材93間の隙間が広がり、冷却管92内を流れる冷媒98が漏れやすくなる。
【0010】
特に、冷却管92のうちボルト95から離れた部位は、ボルト95の締結力が加わりにくいため、一対の外殻部材93間の隙間が広がりやすい。例えば図14に示すごとく、冷却管92の両端部をボルト95によって固定すると、冷却管92の中央部920が湾曲し、この中央部920において、一対の外殻部材93間の隙間が広がって、冷媒98が漏れやすくなる。
【0011】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、容易に組み立てることができ、かつ冷媒の漏出を防ぐことができる電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、半導体素子を封止した本体部からパワー端子が突出した複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷媒が流れる複数の冷却管とを積層した積層体と、
該積層体の積層方向の一端において該積層体が固定される被固定部とを備え、
個々の上記冷却管は、上記積層方向に対向配置された一対の外殻部材と、該一対の外殻部材の間に介在する環状のガスケットとを有し、
上記一対の外殻部材は、互いの間に上記ガスケットを挟持して重ね合わされるフランジ部と、該フランジ部の内側から上記積層方向に向って互いに反対側に膨出した膨出部とを有し、対向配置された上記一対の外殻部材の上記膨出部の間に、上記冷媒が流れる冷媒流路が形成されており、上記一対の外殻部材は、上記ガスケットを介して圧接され、
上記冷却管の上記フランジ部には、上記積層方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、上記積層体における複数の上記外殻部材の上記貫通孔にボルトを挿入し、上記被固定部材に形成した雌螺子部に上記ボルトを螺合することにより、上記積層体を上記積層方向に押圧しつつ上記被固定部に固定しており、
上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0013】
上記電力変換装置においては、複数のボルトを使って積層体を固定しているため、ボルトの締結トルクを調節するだけで、積層体を被固定部に押圧する力を簡単に調節することができる。そのため、電力変換装置を容易に組み立てることが可能になる。
【0014】
また、複数のボルトのうち最も近いボルトから離れた部位ほど、ガスケットの厚さが厚くなるか、又はフランジ部のガスケットに接触する面がガスケット側に突出するよう構成されている。そのため、ボルトから離れた部位における、冷媒のシール性を高めることができる。
ボルトを使って積層体を固定すると、冷却管のうちボルトから離れた部位は、ボルトの締結力が加わりにくくなり、上記一対の外殻部材の隙間が広がりやすくなる。そこで、複数のボルトのうち最も近いボルトから離れた部位ほど、ガスケットの厚さが厚くなるか、又はフランジ部のガスケットに接触する面がガスケット側に突出するよう構成した。これにより、ボルトから離れた部位における冷媒のシール性を高めることが可能になる。その結果、ボルトからの距離によってフランジ部とガスケットとの間の圧接力にばらつきが生じにくくなり、ボルトに近い部位においても、遠い部位においても、冷媒の漏出を防ぐことができる。
【0015】
以上のごとく、本発明によれば、容易に組み立てることができ、かつ冷媒の漏出を防ぐことができる電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1における、電力変換装置の平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1のB−B断面図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】実施例1における、ガスケットの平面図。
【図6】実施例1における、冷却管の分解平面図。
【図7】実施例1における、冷却管の平面図。
【図8】実施例1における、ガスケットの中央部のみ厚くした冷却管の分解平面図。
【図9】実施例2における、冷却管の分解平面図。
【図10】実施例2における、冷却管の平面図。
【図11】実施例3における、電力変換装置の断面図。
【図12】実施例3における、冷却管の分解平面図。
【図13】従来例における、電力変換装置の平面図。
【図14】比較例における、電力変換装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明の電力変換装置は、例えば、電気自動車やハイブリッド車に搭載する車載用電力変換装置とすることができる。被固定部としては、例えば、電力変換装置の収納ケースの一部を用いることができる。また、ガスケットとしては、弾性樹脂からなるガスケットや、金属材料からなるガスケットを用いることができる。
【0018】
また、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の両端部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における両端部から中央部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記中央部から冷媒が漏れることを防止できる。すなわち、単に、上記幅方向における冷却管の両端部に貫通孔を形成し、この貫通孔にボルトを挿入して積層体を固定しただけでは、ボルトから離れた部位、すなわち中央部においてボルトの締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材の隙間が広がって冷媒が漏れやすくなるが、上記構造にすると、冷却管の中央部における冷媒のシール性を高めることが可能になる。そのため、中央部から冷媒が漏れることを防止できる。また、冷却管を両端部においてボルト固定することにより、積層体をより安定して被固定部に固定することが可能になる。
【0019】
また、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の中央部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における中央部から両端部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記両端部から冷媒が漏れることを防止できる。すなわち、単に、上記幅方向における冷却管の中央部に貫通孔を形成し、この貫通孔にボルトを挿入して積層体を固定しただけでは、ボルトから離れた部位、すなわち上記両端部においてボルトの締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材の隙間が広がって冷媒が漏れやすくなるが、上記構造にすると、冷却管の両端部における冷媒のシール性を高めることが可能になる。そのため、該両端部から冷媒が漏れることを防止できる。
【0020】
また、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるよう構成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、フランジ部の厚さを均一にした場合でも、冷媒のシール性を高めることができる。そのため、例えば、平らな金属板にプレス加工等を施すことによって外殻部材を形成できる。これにより、冷却管の製造コストを低減することが可能になる。
【0021】
また、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていてもよい(請求項5)。
この場合には、ガスケットの厚さを均一にした場合でも、冷媒のシール性を高めることができる。そのため、ガスケットの製造コストを低減することが可能になる。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図8を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例の電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2と複数の冷却管3とを積層した積層体10と、該積層体10が固定される被固定部4とを備える。
半導体モジュール2は、半導体素子を封止した本体部20を有し、該本体部20からパワー端子21(図2参照)が突出している。冷却管3は、半導体モジュール2を冷却する冷媒11が流れる冷媒流路30(図3参照)を内部に備える。積層体10は、積層体10の積層方向(X方向)の一端において、被固定部4に固定されている。
【0023】
個々の冷却管3は、積層方向(X方向)に対向配置された一対の外殻部材31と、一対の外殻部材31の間に介在する環状のガスケット32とを有する。
図3、図4に示すごとく、一対の外殻部材31は、互いの間にガスケット32を挟持して重ね合わされるフランジ部33と、フランジ部33の内側からX方向に向って互いに反対側に膨出した膨出部34とを有する。対向配置された一対の外殻部材31の膨出部34の間に、冷媒11が流れる冷媒流路30が形成されている。一対の外殻部材31は、ガスケット32を介して圧接されている。
【0024】
図1に示すごとく、冷却管3のフランジ部33には、積層方向に貫通する複数の貫通孔35が形成されている。積層体10における複数の外殻部材31の貫通孔35にボルト5を挿入し、被固定部4材に形成した雌螺子部40にボルト5を螺合することにより、積層体10を積層方向に押圧しつつ被固定部4に固定している。
そして、複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位ほど、ガスケット32の積層方向における厚さが厚くなるよう構成されている。
【0025】
図2に示すごとく、半導体モジュール2は、上記本体部20から突出した複数のパワー端子21と、該パワー端子21とは反対側に突出した制御端子22とを備える。パワー端子21には、直流電源(図示しない)の正電極に接続した正極端子21aと、直流電源の負電極に接続した負極端子21bと、交流負荷に接続した交流端子21cとがある。また、制御端子22には、図示しない制御回路基板が接続される。この制御回路基板が複数の半導体モジュール2のスイッチング動作を制御することにより、正極端子21aと負極端子21bとの間に印加される直流電圧を交流電圧に変換し、交流端子212cから出力している。
【0026】
図1、図2に示すごとく、パワー端子21の突出方向(Z方向)とX方向との双方に直交する幅方向(Y方向)における、冷却管3の両端部37に一対の貫通孔35が形成されている。そして、Y方向における両端部37から中央部38に向かうほど、ガスケット32のX方向における厚さが厚くなるよう構成されている。
【0027】
図1に示すごとく、隣り合う2個の冷却管3の貫通孔35の間には、環状部材15が介在している。そして、1本のボルト5が、複数の冷却管3の貫通孔35と、複数の環状部材15とを貫通している。ボルト5の先端は、上述したように、被固定部4に形成した雌螺子部40に螺合している。これにより、積層体10をX方向に締結し、被固定部4に固定している。
【0028】
また、隣り合う2個の冷却管3の間は、Y方向における膨出部34の両端にて、一対の連結管14によって連結されている。複数の冷却管3のうち、X方向における被固定部4とは反対側に位置する冷却管3aには、冷媒流路30に冷媒11を導入するための導入パイプ12と、冷媒流路30から冷媒11が導出する導出パイプ13とが接続している。導入パイプ12から冷媒11を導入すると、冷媒11は冷媒流路30内を分配されて流れ、導出パイプ13から導出する。これにより、半導体モジュール2を冷却するようになっている。
【0029】
図4に示すごとく、一対のフランジ部33,33の間にガスケット32が介在している。一対の外殻部材31は、ガスケット32を介してX方向に圧接されており、ロウ付けや溶接等はされていない。そのため、ボルト5を緩めた状態では、一対の外殻部材31は互いに分離可能になっている。
【0030】
また、膨出部34の外面340は平坦面になっている。X方向に対向配置された一対の膨出部34,34の間に、冷媒11が流れる冷媒流路30が形成されている。この冷媒流路30には、平板状の中板361と、一対の波板362とからなる冷却フィン36が設けられている。中板361と、波板362と、外殻部材31とは、アルミニウムからなる。冷媒流路30内に冷却フィン36を設けることにより、冷媒11との接触面積を増やし、半導体モジュール2の冷却性能を高めている。
【0031】
図2に示すごとく、フランジ部33は、Y方向に延びる一対の直線状部分33a,33bと、該直線状部分33a,33bの両端を繋ぐ円弧状部分33c,33dとを備えた環状に形成されている。円弧状部分33c,33dは、半円状の外縁部330と内縁部331とを有する。外縁部330の直径は、冷却管3のZ方向における長さと略等しい。また、内縁部331の直径は、膨出部34のZ方向における長さと略等しい。そして、円弧状部分33c,33dに貫通孔35がそれぞれ形成されている。
【0032】
また、フランジ部33の内側に、膨出部34が形成されている。膨出部34のY方向における両端には、上記連結管14又は導入パイプ12、導出パイプ13を接続するための接続用貫通穴140が形成されている。この接続用貫通穴140の直径は、円弧状部分33c,33dの内縁部331の直径よりも小さい。
【0033】
図3に示すごとく、半導体モジュール2の本体部20には、IGBT素子等の半導体素子23と、金属製の一対の放熱板24とが封止されている。放熱板24の表面は、本体部20から露出している。放熱板24は、図示しない接着剤(絶縁部材)を介して、冷却管3と熱的に接触している。半導体素子23と放熱板24とは、はんだ25によって電気的に接続されている。また、図示しないが、パワー端子21は放熱板24に接続している。このように、放熱板24を介して、半導体素子23とパワー端子21とを電気的に接続している。
【0034】
図5に示すごとく、ガスケット32は、X方向から見た形状が、冷却管3のフランジ部33(図2参照)と略同一である。ガスケット32は、Y方向に延びる一対の直線状部分32a,32bと、該直線状部分32a,32bの両端を繋ぐ円弧状部分32c,32dとを備える。ガスケット32の内側には、膨出部34に対応する形状の穴部320が形成されている。また、円弧状部分32c,32dには、貫通孔35に対応する位置に、ボルト5を挿通するためのボルト挿入孔321が形成されている。
【0035】
ガスケット32の2個の直線状部分32a,32bは、図6に示すごとく、Y方向における中央部38が最も厚くなっている。冷却管3を形成する際には、図6、図7に示すごとく、2個の外殻部材31をX方向に対向配置して、フランジ部33においてガスケット32を挟持し、フランジ部33同士を重ね合わせる。そして、2個の外殻部材31をX方向に押圧し、圧接する。2個の外殻部材を押圧すると、ガスケット32は弾性変形し、押圧前と比べて中央部38が若干薄くなる。
【0036】
なお、本例では図6に示すごとく、ガスケット32の厚さは、両端部37から中央部38に近づくほど次第に厚くなっているが、図8に示すごとく、ガスケット32の両端部37に厚さが一定な平板状部39を形成し、中央部38付近のみ厚くしてもよい。
【0037】
本例の作用効果について説明する。本例では図1に示すごとく、ボルト5を使って積層体10を固定した。そのため、ボルト5の締め付けトルクを調整することにより、積層体10のX方向における押圧力Fを簡単に調節することが可能になる。そのため、電力変換装置1を容易に組み立てることができる。
【0038】
また、本例では、複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位(中央部38)ほど、ガスケット32の厚さが厚くなっている。そのため、ボルト5から離れた部位における、冷媒11のシール性を高めることができる。
ボルト5を使って積層体10を固定すると、冷却管3のうちボルト5から離れた部位は、ボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31の隙間が広がりやすくなる。そこで、本例では、複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位ほど、ガスケット32の厚さが厚くなるよう構成した。これにより、ボルト5から離れた部位における冷媒11のシール性を高めることができる。その結果、ボルト5に近い部位においても、遠い部位においても、冷媒11が漏出しにくくなる。
【0039】
また、本例では、積層体10のY方向における両端部37を、ボルト5を使って締結することにより、積層体10を被固定部4に固定した。そして、両端部37から中央部38に向うほどガスケット32の厚さが厚くなるようにした。
このようにすると、中央部38における冷媒11のシール性を高めることが可能になる。ボルト5を用いて積層体10を固定すると、ボルト5から離れた部位(中央部)においてボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31の隙間が広がりやすくなるが、本例では、この中央部のシール性を高めることができるため、中央部38から冷媒11が漏れる不具合を防止できる。また、本例では、積層体10の長手方向(Y方向)の両端部37において積層体10を固定できるため、積層体10をしっかりと固定することができ、耐振性を向上させることができる。
【0040】
また、本例では、フランジ部33の厚さを均一にし、ガスケット32の厚さを、両端部37から中央部38に向うほど厚くなるようにした。このようにすると、フランジ部33の厚さを均一にできるため、例えば、平らな金属板にプレス加工等を施すことによって外殻部材31を形成できる。これにより、冷却管3の製造コストを低減することが可能になる。
【0041】
また、本例では、半導体モジュール2と外殻部材31とは接着剤によって接着されている。そして、一対の外殻部材31はロウ付けや溶接等されていない。このようにすると、電力変換装置1を容易に修理することが可能になる。例えば、複数の半導体モジュール2のうち特定の半導体モジュール2aが故障した場合、ボルト5を緩め、冷却管3を分解して、故障した半導体モジュール2aを、該半導体モジュール2aに接着された外殻部材31と共に取り外し、交換することができる。
【0042】
また、本例の電力変換装置1は、電気自動車やハイブリッド車に搭載される車載用電力変換装置である。本例の電力変換装置1は、一対のボルト5を使って積層体10を固定しているため、積層体10の耐振性が高い。そのため、振動が生じやすい車載用電力変換装置として好適に用いることができる。
【0043】
以上のごとく、本例によれば、容易に組み立てることができ、かつ冷媒の漏出を防ぐことができる電力変換装置を提供することができる。
【0044】
(実施例2)
本例は、冷却管3の構造を変更した例である。図9、図10に示すごとく、本例では、ガスケット32の厚さを均一にし、Y方向における両端部37から中央部38に向うほど、フランジ部33のガスケット32に接触する面335がガスケット32側に突出するようにしてある。また、本例では、フランジ部33の厚さを、中央部38において厚くすることにより、上記面335がガスケット32側に突出するようにした。
【0045】
図10に示すごとく、冷却管3の両端部37に一対の貫通孔35が形成されている。この貫通孔35にボルト5を挿通することにより、積層体10(図1参照)を被固定部4に固定している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0046】
本例の作用効果について説明する。本例では、冷却管3の中央部38において、冷媒11のシール性を高めることができる。ボルト5を使って積層体10を固定すると、中央部38においてボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31間の隙間が広がりやすくなるが、本例では中央部38における冷媒11のシール性が高いため、中央部38から冷媒が漏出することを防止できる。
【0047】
また、本例では、中央部38においてフランジ部33が厚くなっているため、フランジ部33の厚さが均一である場合と比較して、外殻部材31の剛性を高めることが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0048】
なお、本例では、フランジ部33の厚さを、中央部38において厚くすることにより、上記面335がガスケット32側に突出するよう構成したが、フランジ部33の厚さを均一にし、かつ湾曲させることにより、フランジ部33の上記面335がガスケット32側に突出するようにしてもよい。また、本例では、2個の外殻部材31a,31bのうち、一方の外殻部材31aのみ、上記面335が中央部38においてガスケット32側に突出しているが、2個の外殻部材31a,31bを両方とも、このような構造にしてもよい。
【0049】
(実施例3)
本例は、冷却管3の構造を変更した例である。図11に示すごとく、本例では2個の半導体モジュール2を、Y方向に所定の間隔をあけて配置した。そして、これら2個の半導体モジュール2の間、すなわち、Y方向における冷却管3の中央部38に、一対の貫通孔35を形成した。この貫通孔38にボルト5(図1参照)を挿入することにより、積層体10を被固定部4に固定した。一対の貫通孔35は、外殻部材31のフランジ部33において、膨出部34をZ方向から挟む位置に形成されている。そして、図12に示すごとく、Y方向における中央部38から両端部37に向かうほど、ガスケット32のX方向における厚さが厚くなるようにした。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0050】
本例の作用効果について説明する。本例では、Y方向における中央部38から両端部37に向うほど、ガスケットの厚さが厚くなっているため、この両端部37における、冷媒11のシール性を高めることができる。冷却管3の中央部38において積層体10をボルト固定すると、ボルト5から離れた部位(両端部37)は、ボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31間の隙間が広がりやすくなるが、本例では両端部37のシール性を高めることができるため、この両端部37から冷媒11が漏出する不具合を防止できる。
【0051】
また、冷却管3の中央部38において積層体10をボルト固定すると、両端部37をボルト固定した場合(図2参照)と比べて、冷却管3のY方向における長さを短くすることができる。そのため、電力変換装置1を小型化しやすくなる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【符号の説明】
【0052】
1 電力変換装置
10 積層体
2 半導体モジュール
3 冷却管
30 冷媒流路
31 外殻部材
33 フランジ部
34 膨出部
35 貫通孔
4 被固定部
5 ボルト
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体モジュールと冷却管とを積層した積層体を有する電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
直流電力と交流電力との間で電力変換を行う電力変換装置として、図13に示すごとく、半導体素子を内蔵した複数の半導体モジュール91と、該半導体モジュール91を冷却する複数の冷却管92とを積層した積層体910を備えたものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
電力変換装置90は、積層体910を内側に保持するためのフレーム930を備える。フレームの内面931と積層体910との間には、板ばね980が設けられている。この板ばね980の弾性力を使って積層体910をX方向に押圧し、フレーム930の他の内面932に積層体910を押し付けている。これにより、半導体モジュール91と冷却管92との間の接触圧を確保しつつ積層体910をフレーム930内に固定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−173372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の電力変換装置90は、ばね部材980の押圧力Fに製造ばらつきがあり、一定に保ちにくいという問題があった。押圧力Fが弱すぎると積層体910を充分に固定できなくなり、押圧力Fが強すぎると冷却管92が凹む等の問題が生じるため、押圧力Fは一定の範囲内にする必要がある。しかし、ばね部材980は、押圧力Fを容易に調節できないため、従来の電力変換装置90は、組み立てにくいという問題がある。
【0006】
この問題を解決するために、図14に示すごとく、ボルト95を使って積層体910を被固定部96に固定する構造が考えられる。この電力変換装置90aは、図13に示す従来の電力変換装置90と同様に、複数の半導体モジュール91と複数の冷却管92とを積層した積層体910を備える。そして、冷却管92の両端に形成した貫通孔990にボルト95を挿入し、被固定部96に形成した雌螺子部97にボルト95を螺合することにより、積層体910をX方向に押圧しつつ固定している。このようにすると、ボルト95の締結トルクを調節するだけで、積層体910の押圧力Fを簡単に調節できるようになる。そのため、上記電力変換装置90aを容易に組み立てることが可能になる。
【0007】
また、このようにボルト95によって積層体910を組み立てる構成にすると、冷却管92を、積層体910の積層方向(X方向)に対向配置された一対の外殻部材93をロウ付け等によって接合せずに、構成することが可能となる。すなわち、一対の外殻部材93の間にガスケット94を介在させて一対の外殻部材93を組み合わせることにより、冷却管92を構成できる。
【0008】
このようにすれば、外殻部材93と半導体モジュール91とが、接着剤等によって接着されていても、電力変換装置1が故障した場合に、容易に修理することができる。例えば、複数の半導体モジュール91のうち特定の半導体モジュール91aのみが故障した場合、ボルト95を緩め、冷却管92を分解して、故障した半導体モジュール91aを、該半導体モジュール91aに接着した外殻部材93a,93bと共に取り外し、交換できる。
【0009】
しかしながら、上記電力変換装置90aは、ボルト95を使って積層体910を締結するため、冷却管92が反りやすいという問題がある。上述したように、一対の外殻部材93はロウ付け等されていないため、冷却管92が反ると一対の外殻部材93間の隙間が広がり、冷却管92内を流れる冷媒98が漏れやすくなる。
【0010】
特に、冷却管92のうちボルト95から離れた部位は、ボルト95の締結力が加わりにくいため、一対の外殻部材93間の隙間が広がりやすい。例えば図14に示すごとく、冷却管92の両端部をボルト95によって固定すると、冷却管92の中央部920が湾曲し、この中央部920において、一対の外殻部材93間の隙間が広がって、冷媒98が漏れやすくなる。
【0011】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたもので、容易に組み立てることができ、かつ冷媒の漏出を防ぐことができる電力変換装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、半導体素子を封止した本体部からパワー端子が突出した複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷媒が流れる複数の冷却管とを積層した積層体と、
該積層体の積層方向の一端において該積層体が固定される被固定部とを備え、
個々の上記冷却管は、上記積層方向に対向配置された一対の外殻部材と、該一対の外殻部材の間に介在する環状のガスケットとを有し、
上記一対の外殻部材は、互いの間に上記ガスケットを挟持して重ね合わされるフランジ部と、該フランジ部の内側から上記積層方向に向って互いに反対側に膨出した膨出部とを有し、対向配置された上記一対の外殻部材の上記膨出部の間に、上記冷媒が流れる冷媒流路が形成されており、上記一対の外殻部材は、上記ガスケットを介して圧接され、
上記冷却管の上記フランジ部には、上記積層方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、上記積層体における複数の上記外殻部材の上記貫通孔にボルトを挿入し、上記被固定部材に形成した雌螺子部に上記ボルトを螺合することにより、上記積層体を上記積層方向に押圧しつつ上記被固定部に固定しており、
上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0013】
上記電力変換装置においては、複数のボルトを使って積層体を固定しているため、ボルトの締結トルクを調節するだけで、積層体を被固定部に押圧する力を簡単に調節することができる。そのため、電力変換装置を容易に組み立てることが可能になる。
【0014】
また、複数のボルトのうち最も近いボルトから離れた部位ほど、ガスケットの厚さが厚くなるか、又はフランジ部のガスケットに接触する面がガスケット側に突出するよう構成されている。そのため、ボルトから離れた部位における、冷媒のシール性を高めることができる。
ボルトを使って積層体を固定すると、冷却管のうちボルトから離れた部位は、ボルトの締結力が加わりにくくなり、上記一対の外殻部材の隙間が広がりやすくなる。そこで、複数のボルトのうち最も近いボルトから離れた部位ほど、ガスケットの厚さが厚くなるか、又はフランジ部のガスケットに接触する面がガスケット側に突出するよう構成した。これにより、ボルトから離れた部位における冷媒のシール性を高めることが可能になる。その結果、ボルトからの距離によってフランジ部とガスケットとの間の圧接力にばらつきが生じにくくなり、ボルトに近い部位においても、遠い部位においても、冷媒の漏出を防ぐことができる。
【0015】
以上のごとく、本発明によれば、容易に組み立てることができ、かつ冷媒の漏出を防ぐことができる電力変換装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施例1における、電力変換装置の平面図。
【図2】図1のA−A断面図。
【図3】図1のB−B断面図。
【図4】図3の要部拡大図。
【図5】実施例1における、ガスケットの平面図。
【図6】実施例1における、冷却管の分解平面図。
【図7】実施例1における、冷却管の平面図。
【図8】実施例1における、ガスケットの中央部のみ厚くした冷却管の分解平面図。
【図9】実施例2における、冷却管の分解平面図。
【図10】実施例2における、冷却管の平面図。
【図11】実施例3における、電力変換装置の断面図。
【図12】実施例3における、冷却管の分解平面図。
【図13】従来例における、電力変換装置の平面図。
【図14】比較例における、電力変換装置の平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明の電力変換装置は、例えば、電気自動車やハイブリッド車に搭載する車載用電力変換装置とすることができる。被固定部としては、例えば、電力変換装置の収納ケースの一部を用いることができる。また、ガスケットとしては、弾性樹脂からなるガスケットや、金属材料からなるガスケットを用いることができる。
【0018】
また、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の両端部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における両端部から中央部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、上記中央部から冷媒が漏れることを防止できる。すなわち、単に、上記幅方向における冷却管の両端部に貫通孔を形成し、この貫通孔にボルトを挿入して積層体を固定しただけでは、ボルトから離れた部位、すなわち中央部においてボルトの締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材の隙間が広がって冷媒が漏れやすくなるが、上記構造にすると、冷却管の中央部における冷媒のシール性を高めることが可能になる。そのため、中央部から冷媒が漏れることを防止できる。また、冷却管を両端部においてボルト固定することにより、積層体をより安定して被固定部に固定することが可能になる。
【0019】
また、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の中央部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における中央部から両端部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることが好ましい(請求項3)。
この場合には、上記両端部から冷媒が漏れることを防止できる。すなわち、単に、上記幅方向における冷却管の中央部に貫通孔を形成し、この貫通孔にボルトを挿入して積層体を固定しただけでは、ボルトから離れた部位、すなわち上記両端部においてボルトの締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材の隙間が広がって冷媒が漏れやすくなるが、上記構造にすると、冷却管の両端部における冷媒のシール性を高めることが可能になる。そのため、該両端部から冷媒が漏れることを防止できる。
【0020】
また、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるよう構成されていることが好ましい(請求項4)。
この場合には、フランジ部の厚さを均一にした場合でも、冷媒のシール性を高めることができる。そのため、例えば、平らな金属板にプレス加工等を施すことによって外殻部材を形成できる。これにより、冷却管の製造コストを低減することが可能になる。
【0021】
また、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていてもよい(請求項5)。
この場合には、ガスケットの厚さを均一にした場合でも、冷媒のシール性を高めることができる。そのため、ガスケットの製造コストを低減することが可能になる。
【実施例】
【0022】
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電力変換装置につき、図1〜図8を用いて説明する。
図1に示すごとく、本例の電力変換装置1は、複数の半導体モジュール2と複数の冷却管3とを積層した積層体10と、該積層体10が固定される被固定部4とを備える。
半導体モジュール2は、半導体素子を封止した本体部20を有し、該本体部20からパワー端子21(図2参照)が突出している。冷却管3は、半導体モジュール2を冷却する冷媒11が流れる冷媒流路30(図3参照)を内部に備える。積層体10は、積層体10の積層方向(X方向)の一端において、被固定部4に固定されている。
【0023】
個々の冷却管3は、積層方向(X方向)に対向配置された一対の外殻部材31と、一対の外殻部材31の間に介在する環状のガスケット32とを有する。
図3、図4に示すごとく、一対の外殻部材31は、互いの間にガスケット32を挟持して重ね合わされるフランジ部33と、フランジ部33の内側からX方向に向って互いに反対側に膨出した膨出部34とを有する。対向配置された一対の外殻部材31の膨出部34の間に、冷媒11が流れる冷媒流路30が形成されている。一対の外殻部材31は、ガスケット32を介して圧接されている。
【0024】
図1に示すごとく、冷却管3のフランジ部33には、積層方向に貫通する複数の貫通孔35が形成されている。積層体10における複数の外殻部材31の貫通孔35にボルト5を挿入し、被固定部4材に形成した雌螺子部40にボルト5を螺合することにより、積層体10を積層方向に押圧しつつ被固定部4に固定している。
そして、複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位ほど、ガスケット32の積層方向における厚さが厚くなるよう構成されている。
【0025】
図2に示すごとく、半導体モジュール2は、上記本体部20から突出した複数のパワー端子21と、該パワー端子21とは反対側に突出した制御端子22とを備える。パワー端子21には、直流電源(図示しない)の正電極に接続した正極端子21aと、直流電源の負電極に接続した負極端子21bと、交流負荷に接続した交流端子21cとがある。また、制御端子22には、図示しない制御回路基板が接続される。この制御回路基板が複数の半導体モジュール2のスイッチング動作を制御することにより、正極端子21aと負極端子21bとの間に印加される直流電圧を交流電圧に変換し、交流端子212cから出力している。
【0026】
図1、図2に示すごとく、パワー端子21の突出方向(Z方向)とX方向との双方に直交する幅方向(Y方向)における、冷却管3の両端部37に一対の貫通孔35が形成されている。そして、Y方向における両端部37から中央部38に向かうほど、ガスケット32のX方向における厚さが厚くなるよう構成されている。
【0027】
図1に示すごとく、隣り合う2個の冷却管3の貫通孔35の間には、環状部材15が介在している。そして、1本のボルト5が、複数の冷却管3の貫通孔35と、複数の環状部材15とを貫通している。ボルト5の先端は、上述したように、被固定部4に形成した雌螺子部40に螺合している。これにより、積層体10をX方向に締結し、被固定部4に固定している。
【0028】
また、隣り合う2個の冷却管3の間は、Y方向における膨出部34の両端にて、一対の連結管14によって連結されている。複数の冷却管3のうち、X方向における被固定部4とは反対側に位置する冷却管3aには、冷媒流路30に冷媒11を導入するための導入パイプ12と、冷媒流路30から冷媒11が導出する導出パイプ13とが接続している。導入パイプ12から冷媒11を導入すると、冷媒11は冷媒流路30内を分配されて流れ、導出パイプ13から導出する。これにより、半導体モジュール2を冷却するようになっている。
【0029】
図4に示すごとく、一対のフランジ部33,33の間にガスケット32が介在している。一対の外殻部材31は、ガスケット32を介してX方向に圧接されており、ロウ付けや溶接等はされていない。そのため、ボルト5を緩めた状態では、一対の外殻部材31は互いに分離可能になっている。
【0030】
また、膨出部34の外面340は平坦面になっている。X方向に対向配置された一対の膨出部34,34の間に、冷媒11が流れる冷媒流路30が形成されている。この冷媒流路30には、平板状の中板361と、一対の波板362とからなる冷却フィン36が設けられている。中板361と、波板362と、外殻部材31とは、アルミニウムからなる。冷媒流路30内に冷却フィン36を設けることにより、冷媒11との接触面積を増やし、半導体モジュール2の冷却性能を高めている。
【0031】
図2に示すごとく、フランジ部33は、Y方向に延びる一対の直線状部分33a,33bと、該直線状部分33a,33bの両端を繋ぐ円弧状部分33c,33dとを備えた環状に形成されている。円弧状部分33c,33dは、半円状の外縁部330と内縁部331とを有する。外縁部330の直径は、冷却管3のZ方向における長さと略等しい。また、内縁部331の直径は、膨出部34のZ方向における長さと略等しい。そして、円弧状部分33c,33dに貫通孔35がそれぞれ形成されている。
【0032】
また、フランジ部33の内側に、膨出部34が形成されている。膨出部34のY方向における両端には、上記連結管14又は導入パイプ12、導出パイプ13を接続するための接続用貫通穴140が形成されている。この接続用貫通穴140の直径は、円弧状部分33c,33dの内縁部331の直径よりも小さい。
【0033】
図3に示すごとく、半導体モジュール2の本体部20には、IGBT素子等の半導体素子23と、金属製の一対の放熱板24とが封止されている。放熱板24の表面は、本体部20から露出している。放熱板24は、図示しない接着剤(絶縁部材)を介して、冷却管3と熱的に接触している。半導体素子23と放熱板24とは、はんだ25によって電気的に接続されている。また、図示しないが、パワー端子21は放熱板24に接続している。このように、放熱板24を介して、半導体素子23とパワー端子21とを電気的に接続している。
【0034】
図5に示すごとく、ガスケット32は、X方向から見た形状が、冷却管3のフランジ部33(図2参照)と略同一である。ガスケット32は、Y方向に延びる一対の直線状部分32a,32bと、該直線状部分32a,32bの両端を繋ぐ円弧状部分32c,32dとを備える。ガスケット32の内側には、膨出部34に対応する形状の穴部320が形成されている。また、円弧状部分32c,32dには、貫通孔35に対応する位置に、ボルト5を挿通するためのボルト挿入孔321が形成されている。
【0035】
ガスケット32の2個の直線状部分32a,32bは、図6に示すごとく、Y方向における中央部38が最も厚くなっている。冷却管3を形成する際には、図6、図7に示すごとく、2個の外殻部材31をX方向に対向配置して、フランジ部33においてガスケット32を挟持し、フランジ部33同士を重ね合わせる。そして、2個の外殻部材31をX方向に押圧し、圧接する。2個の外殻部材を押圧すると、ガスケット32は弾性変形し、押圧前と比べて中央部38が若干薄くなる。
【0036】
なお、本例では図6に示すごとく、ガスケット32の厚さは、両端部37から中央部38に近づくほど次第に厚くなっているが、図8に示すごとく、ガスケット32の両端部37に厚さが一定な平板状部39を形成し、中央部38付近のみ厚くしてもよい。
【0037】
本例の作用効果について説明する。本例では図1に示すごとく、ボルト5を使って積層体10を固定した。そのため、ボルト5の締め付けトルクを調整することにより、積層体10のX方向における押圧力Fを簡単に調節することが可能になる。そのため、電力変換装置1を容易に組み立てることができる。
【0038】
また、本例では、複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位(中央部38)ほど、ガスケット32の厚さが厚くなっている。そのため、ボルト5から離れた部位における、冷媒11のシール性を高めることができる。
ボルト5を使って積層体10を固定すると、冷却管3のうちボルト5から離れた部位は、ボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31の隙間が広がりやすくなる。そこで、本例では、複数のボルト5のうち最も近いボルト5から離れた部位ほど、ガスケット32の厚さが厚くなるよう構成した。これにより、ボルト5から離れた部位における冷媒11のシール性を高めることができる。その結果、ボルト5に近い部位においても、遠い部位においても、冷媒11が漏出しにくくなる。
【0039】
また、本例では、積層体10のY方向における両端部37を、ボルト5を使って締結することにより、積層体10を被固定部4に固定した。そして、両端部37から中央部38に向うほどガスケット32の厚さが厚くなるようにした。
このようにすると、中央部38における冷媒11のシール性を高めることが可能になる。ボルト5を用いて積層体10を固定すると、ボルト5から離れた部位(中央部)においてボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31の隙間が広がりやすくなるが、本例では、この中央部のシール性を高めることができるため、中央部38から冷媒11が漏れる不具合を防止できる。また、本例では、積層体10の長手方向(Y方向)の両端部37において積層体10を固定できるため、積層体10をしっかりと固定することができ、耐振性を向上させることができる。
【0040】
また、本例では、フランジ部33の厚さを均一にし、ガスケット32の厚さを、両端部37から中央部38に向うほど厚くなるようにした。このようにすると、フランジ部33の厚さを均一にできるため、例えば、平らな金属板にプレス加工等を施すことによって外殻部材31を形成できる。これにより、冷却管3の製造コストを低減することが可能になる。
【0041】
また、本例では、半導体モジュール2と外殻部材31とは接着剤によって接着されている。そして、一対の外殻部材31はロウ付けや溶接等されていない。このようにすると、電力変換装置1を容易に修理することが可能になる。例えば、複数の半導体モジュール2のうち特定の半導体モジュール2aが故障した場合、ボルト5を緩め、冷却管3を分解して、故障した半導体モジュール2aを、該半導体モジュール2aに接着された外殻部材31と共に取り外し、交換することができる。
【0042】
また、本例の電力変換装置1は、電気自動車やハイブリッド車に搭載される車載用電力変換装置である。本例の電力変換装置1は、一対のボルト5を使って積層体10を固定しているため、積層体10の耐振性が高い。そのため、振動が生じやすい車載用電力変換装置として好適に用いることができる。
【0043】
以上のごとく、本例によれば、容易に組み立てることができ、かつ冷媒の漏出を防ぐことができる電力変換装置を提供することができる。
【0044】
(実施例2)
本例は、冷却管3の構造を変更した例である。図9、図10に示すごとく、本例では、ガスケット32の厚さを均一にし、Y方向における両端部37から中央部38に向うほど、フランジ部33のガスケット32に接触する面335がガスケット32側に突出するようにしてある。また、本例では、フランジ部33の厚さを、中央部38において厚くすることにより、上記面335がガスケット32側に突出するようにした。
【0045】
図10に示すごとく、冷却管3の両端部37に一対の貫通孔35が形成されている。この貫通孔35にボルト5を挿通することにより、積層体10(図1参照)を被固定部4に固定している。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0046】
本例の作用効果について説明する。本例では、冷却管3の中央部38において、冷媒11のシール性を高めることができる。ボルト5を使って積層体10を固定すると、中央部38においてボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31間の隙間が広がりやすくなるが、本例では中央部38における冷媒11のシール性が高いため、中央部38から冷媒が漏出することを防止できる。
【0047】
また、本例では、中央部38においてフランジ部33が厚くなっているため、フランジ部33の厚さが均一である場合と比較して、外殻部材31の剛性を高めることが可能になる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【0048】
なお、本例では、フランジ部33の厚さを、中央部38において厚くすることにより、上記面335がガスケット32側に突出するよう構成したが、フランジ部33の厚さを均一にし、かつ湾曲させることにより、フランジ部33の上記面335がガスケット32側に突出するようにしてもよい。また、本例では、2個の外殻部材31a,31bのうち、一方の外殻部材31aのみ、上記面335が中央部38においてガスケット32側に突出しているが、2個の外殻部材31a,31bを両方とも、このような構造にしてもよい。
【0049】
(実施例3)
本例は、冷却管3の構造を変更した例である。図11に示すごとく、本例では2個の半導体モジュール2を、Y方向に所定の間隔をあけて配置した。そして、これら2個の半導体モジュール2の間、すなわち、Y方向における冷却管3の中央部38に、一対の貫通孔35を形成した。この貫通孔38にボルト5(図1参照)を挿入することにより、積層体10を被固定部4に固定した。一対の貫通孔35は、外殻部材31のフランジ部33において、膨出部34をZ方向から挟む位置に形成されている。そして、図12に示すごとく、Y方向における中央部38から両端部37に向かうほど、ガスケット32のX方向における厚さが厚くなるようにした。
その他、実施例1と同様の構成を備える。
【0050】
本例の作用効果について説明する。本例では、Y方向における中央部38から両端部37に向うほど、ガスケットの厚さが厚くなっているため、この両端部37における、冷媒11のシール性を高めることができる。冷却管3の中央部38において積層体10をボルト固定すると、ボルト5から離れた部位(両端部37)は、ボルト5の締結力が加わりにくくなり、一対の外殻部材31間の隙間が広がりやすくなるが、本例では両端部37のシール性を高めることができるため、この両端部37から冷媒11が漏出する不具合を防止できる。
【0051】
また、冷却管3の中央部38において積層体10をボルト固定すると、両端部37をボルト固定した場合(図2参照)と比べて、冷却管3のY方向における長さを短くすることができる。そのため、電力変換装置1を小型化しやすくなる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
【符号の説明】
【0052】
1 電力変換装置
10 積層体
2 半導体モジュール
3 冷却管
30 冷媒流路
31 外殻部材
33 フランジ部
34 膨出部
35 貫通孔
4 被固定部
5 ボルト
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体素子を封止した本体部からパワー端子が突出した複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷媒が流れる複数の冷却管とを積層した積層体と、
該積層体の積層方向の一端において該積層体が固定される被固定部とを備え、
個々の上記冷却管は、上記積層方向に対向配置された一対の外殻部材と、該一対の外殻部材の間に介在する環状のガスケットとを有し、
上記一対の外殻部材は、互いの間に上記ガスケットを挟持して重ね合わされるフランジ部と、該フランジ部の内側から上記積層方向に向って互いに反対側に膨出した膨出部とを有し、対向配置された上記一対の外殻部材の上記膨出部の間に、上記冷媒が流れる冷媒流路が形成されており、上記一対の外殻部材は、上記ガスケットを介して圧接され、
上記冷却管の上記フランジ部には、上記積層方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、上記積層体における複数の上記外殻部材の上記貫通孔にボルトを挿入し、上記被固定部材に形成した雌螺子部に上記ボルトを螺合することにより、上記積層体を上記積層方向に押圧しつつ上記被固定部に固定しており、
上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の両端部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における両端部から中央部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の中央部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における中央部から両端部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項1】
半導体素子を封止した本体部からパワー端子が突出した複数の半導体モジュールと、該半導体モジュールを冷却する冷媒が流れる複数の冷却管とを積層した積層体と、
該積層体の積層方向の一端において該積層体が固定される被固定部とを備え、
個々の上記冷却管は、上記積層方向に対向配置された一対の外殻部材と、該一対の外殻部材の間に介在する環状のガスケットとを有し、
上記一対の外殻部材は、互いの間に上記ガスケットを挟持して重ね合わされるフランジ部と、該フランジ部の内側から上記積層方向に向って互いに反対側に膨出した膨出部とを有し、対向配置された上記一対の外殻部材の上記膨出部の間に、上記冷媒が流れる冷媒流路が形成されており、上記一対の外殻部材は、上記ガスケットを介して圧接され、
上記冷却管の上記フランジ部には、上記積層方向に貫通する複数の貫通孔が形成され、上記積層体における複数の上記外殻部材の上記貫通孔にボルトを挿入し、上記被固定部材に形成した雌螺子部に上記ボルトを螺合することにより、上記積層体を上記積層方向に押圧しつつ上記被固定部に固定しており、
上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の両端部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における両端部から中央部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項3】
請求項1に記載の電力変換装置において、上記パワー端子の突出方向と上記積層方向との双方に直交する幅方向における、上記冷却管の中央部に一対の上記貫通孔が形成され、上記幅方向における中央部から両端部に向かうほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるか、又は上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記ガスケットの上記積層方向における厚さが厚くなるよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【請求項5】
請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置において、上記複数のボルトのうち最も近い上記ボルトから離れた部位ほど、上記フランジ部の上記ガスケットに接触する面が該ガスケット側に突出するよう構成されていることを特徴とする電力変換装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−238681(P2012−238681A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−105811(P2011−105811)
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月11日(2011.5.11)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]