説明

電圧検出回路およびこれを用いた内部電圧発生回路

所望の電圧の内部電圧を安定に生成する内部電圧発生回路及び電圧検出回路を提供する。電圧検出回路は、基準電圧をゲートに受ける絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、この絶縁ゲート型電界効果トランジスタと直列に内部ノードの間に接続される電圧降下素子群を含む。基準電圧は、この絶縁ゲート型電界効果トランジスタのしきい値電圧と降下電圧を電圧成分として含む電源電圧を抵抗分割して生成される。基準電圧と内部電圧との差が所定値以上となると、この電圧降下素子群および絶縁ゲート型電界効果トランジスタに電流が流れ、検出ノードの電圧が低下し、内部電圧の低下が検出される。基準電圧はこのトランジスタのしきい値電圧及び電圧降下素子群の降下電圧を構成要素として含んでおり、これらのパラメータのばらつきを相殺して抵抗分割に所望の電圧を設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
この発明は、対象電圧が所定電圧レベルに到達したかを検出する電圧検出回路およびこれを用いた内部電圧発生回路に関し、特に、この発明は電圧検出素子として、絶縁ゲート型電界効果トランジスタを利用する電圧検出回路およびこれを用いた内部電圧発生回路に関する。より特定的には、この発明は、検出電圧レベルを任意の電圧レベルに設定することができ、かつ検出用絶縁ゲート型電界効果トランジスタのしきい値電圧の影響を受けることなく正確に電圧レベルを検出することのできる電圧検出回路およびこれを用いた内部電圧発生回路に関する。
【背景技術】
半導体回路装置においては、電源電圧および接地電圧と異なる電圧レベルの内部電圧が利用されることが多い。このような内部電圧として、電源電圧よりも高い昇圧電圧および接地電圧よりも低い負電圧がある。DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)においては、一般に、昇圧電圧が、選択ワード線を駆動するために利用され、また、負電圧が、メモリアレイの基板をバイアスして、メモリセルトランジスタのしきい値電圧の安定化および寄生容量を低減するために利用される。DRAMにおいて、また、負電圧が非選択ワード線を非選択状態に維持するために利用されることもある。
フラッシュメモリなどの不揮発性メモリにおいては、データの書込/消去のためにこれらの昇圧電圧および負電圧が利用される。これらの昇圧電圧および負電圧が印加されるメモリセルトランジスタのノードは、書込/消去方式によって異なる。
また、液晶表示装置においては、画素トランジスタのゲートを駆動するために、これらの昇圧電圧および負電圧が利用される。
これらの内部電圧は、ピン端子数の低減およびシステム全体の消費電流の低減のために、半導体回路装置内部で生成される。これらの内部電圧を発生させるための回路としては、一般に、キャパシタのチャージポンプ動作を利用するチャージポンプ回路が広く用いられている。
図1は、従来の負電圧を発生する内部電圧発生回路の構成の一例を示す図である。図1において、内部電圧発生回路は、活性化時、容量素子のチャージポンプ動作を利用して負電圧を発生するチャージポンプ回路100と、チャージポンプ回路100の出力ノード9の電圧レベルを検出し、該検出結果を示す信号を生成する電圧検出回路102と、この電圧検出回路102の出力信号に従って、選択的にチャージポンプ回路100を活性化するチャージポンプ制御回路101を含む。
チャージポンプ回路は、通常、少なくとも1個のチャージポンプ用容量素子と、少なくとも2個の1方向性素子(整流素子)とで構成される。これらの少なくとも2個の1方向性素子は、整流機能を有し、一方方向に沿ってのみ電荷を供給する。少なくとも2個の1方向性素子が必要とされるのは、出力ノードからの電荷の引抜きおよび電荷蓄積用の内部ノードのプリチャージのためである。
図1においては、チャージポンプ回路100は、ノード4とノード8の間に接続される容量素子5と、ノード8と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがノード8に接続されるNチャネルMOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)6と、ノード8と出力ノード9の間に接続されかつそのゲートが出力ノード9に接続されるNチャネルMOSトランジスタ7を含む。これらのMOSトランジスタ6および7は、ゲートおよびドレインが相互接続されて、ダイオード(一方向性素子)として動作する。
電圧検出回路102は、電源ノード2とノード14の間に接続される高抵抗の抵抗素子13と、ノード14とチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に直列に接続されるNチャネルMOSトランジスタ10および12を含む。MOSトランジスタ10は、その一方導通ノード(ソース)が、チャージポンプ回路100の出力ノード9に接続されかつそのゲートおよびドレインがノード11に接続される。MOSトランジスタ12は、そのソースがノード11に接続され、ドレインがノード14に接続され、かつそのゲートが接地ノードに接続される。
チャージポンプ制御回路101は、クロックノード1に与えられる繰返し信号(ポンプクロック信号)φと電圧検出回路102のノード14の信号とを受ける2入力AND回路3を含む。このAND回路3から、ノード4を介してチャージポンプ回路100に対し、チャージポンプ用のクロック信号(繰返し信号)が与えられる。
図2は、図1に示す内部電圧発生回路の動作を示す信号波形図である。以下、図2を参照して、図1に示す内部電圧発生回路の動作について説明する。今、MOSトランジスタ6、7、10および12は、しきい値電圧VTNを有するとする。ノード14の電位が論理ハイ(H)レベルのとき、すなわち、MOSトランジスタ10および12の少なくとも一方がオフ状態のときには、チャージポンプ制御回路101においてAND回路3が、バッファ回路として動作し、クロックノード1に与えられる繰返し信号φをノード4に伝達する。
このノード4に与えられる繰返し信号に従って容量素子5がチャージポンプ動作を行ない、ノード8の電位を変化させる。すなわち、繰返し信号φがHレベルに立上がると、容量素子5のチャージポンプ動作により、ノード8の電圧レベルが上昇する。このノード8の電圧レベルが上昇すると、MOSトランジスタ6が導通し、このノード8の電圧レベルを、そのしきい値電圧VTNレベルにクランプする。このとき、MOSトランジスタ7は、出力ノード9の電圧レベルが接地電圧レベル以下であり、オフ状態を維持する。
繰返し信号φがLレベルに立下がると、容量素子5のチャージポンプ動作により、ノード8の電圧レベルが低下する。この繰返し信号φにより与えられるノード4の電圧振幅がVDDの場合、ノード8の電圧レベルは、VTN−VDDの電圧レベルに低下する。この状態において、MOSトランジスタ6はオフ状態である。一方、MOSトランジスタ7は、出力ノード9の電圧レベルが2・VTN−VDD以上の電圧レベルであれば導通し、出力ノード9からノード8へ正電荷が供給され、この出力ノード9の電圧レベルが低下する。
上述の動作を繰返すことにより、出力ノード9から正電荷が引き抜かれ、出力ノード9の電圧レベルが低下する。このチャージポンプ回路100は、出力ノード9に以下の電圧V9を発生する能力を有する。
V9=−VDD+2・VTN …(1)
電圧検出回路102においては、ノード9の電圧V9とノード11の電圧差がVTN以上となると、MOSトランジスタ10が導通し、また、MOSトランジスタ12はゲートに接地電圧を受けており、ノード11の電圧レベルが−VTN以下のときに導通する。したがって、このチャージポンプ回路100からの電圧が、−2・VTNになると、これらのMOSトランジスタ10および12が導通し、ノード14の電圧レベルが低下する。すなわち、この電圧検出回路102において、MOSトランジスタ10および12は、以下の電圧条件が満たされるときに、ともに導通状態となる。
V9=VG12−VTN12−VTN10
=0−VTN−VTN
=−2・VTN …(2)
ここで、VG12は、MOSトランジスタ12のゲード電圧を示す。VTN10およびVTN12は、それぞれ、MOSトランジスタ10および12のしきい値電圧を示し、これらは電圧VTNに等しい。
MOSトランジスタ10および12のオン抵抗(チャネル抵抗)が、高抵抗抵抗素子13の抵抗値よりも十分小さく設定されている場合には、MOSトランジスタ10および12がともに導通すると、ノード14の電圧レベルは、Lレベルとなる。これにより、チャージポンプ制御回路101において、AND回路3の出力信号がLレベルに固定され、チャージポンプ回路100のポンプ動作が停止される。したがって、このチャージポンプ回路100の出力ノード9の電圧V9は、−2・VTNに維持される。
この図1に示すように、電圧検出回路102において、電圧レベル検出素子としてMOSトランジスタ10および12を利用することにより、チャージポンプ回路100の出力ノード9の電圧レベルに応じて選択的にチャージポンプ回路100を活性化することができ、この電圧レベル検出回路102の検出電圧レベルに応じた電圧レベルにある内部電圧V9を生成することができる。
しかしながら、上式(2)に示すように、この出力ノード9からの電圧V9の検出電圧レベルは、−2・VTNであり、MOSトランジスタのしきい値電圧により決定される。したがって、これらのMOSトランジスタ10および12のしきい値電圧が変動した場合、これらのMOSトランジスタ10および12におけるしきい値電圧の変動の影響が直接、検出電圧レベルに現われる。すなわち、MOSトランジスタ10および12それぞれにおいて、しきい値電圧がΔV変動した場合、この検出電圧レベルにおいては、2・ΔVの電圧レベルの変動が生じる。したがって、このチャージポンプ回路100からの生成される内部電圧を利用する回路において、その内部電圧レベルが変動し、動作マージンが低下するという問題が生じる。
特に、低温ポリシリコンTFT回路を内蔵する液晶表示装置等においては、基板ガラスを保護するため低温処理が施され、ポリシリコンおよびゲート絶縁膜を十分に熱処理することができないため、TFT(薄膜トランジスタ)のしきい値電圧のばらつきが大きい。したがって、このような液晶表示装置のアクティブマトリクス素子のスイッチングトランジスタ駆動のために内部電圧を発生する場合、この内部電圧レベル検出のために、アクティブマトリクス素子と同様の低温ポリシリコンTFTを用いた場合、検出電圧レベルのばらつきが大きく、アクティブマトリクス素子を、正確に交流駆動することができなくなる(対称的な波形をスイッチングトランジスタのゲートへ与えて駆動することができない)という問題が生じる。
上述の内部電圧として負電圧が発生される場合の負電圧の検出電圧レベルに対するしきい値電圧の影響の問題は、チャージポンプ回路を用いて昇圧電圧を発生する場合においても、同様の検出回路を用いることにより同様に生じる。
また、この図1に示す電圧検出回路を用いた場合、その検出電圧レベルが、MOSトランジスタ10および12のしきい値電圧VTNの整数倍で決定される。したがって、生成することのできる内部電圧の電圧レベルは、MOSトランジスタのしきい値電圧ステップとなり、所望の電圧レベルの内部電圧を生成することができなくなるという問題が生じる。したがって、内部電圧として、必要以上に絶対値の大きな内部電圧が生成される場合が生じ、素子の信頼性が低下するという問題が生じる。この内部電圧の電圧レベルが、MOSトランジスタのしきい値電圧により決定される場合、通常、しきい値電圧VTNが、0.6V程度の電圧レベルであり、動作電源電圧が1.8Vから1.5Vと低い低電源電圧環境においては、素子の信頼性に対する影響がより大きくなる。
【発明の開示】
この発明の目的は、所望の電圧レベルを安定に検出することのできる電圧検出回路を提供することである。
この発明の他の目的は、所望の電圧レベルの内部電圧を正確に生成することのできる内部電圧発生回路を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、検出素子としてMOSトランジスタを用いても、そのしきい値電圧の影響を受けることなく安定に検出電圧レベルを所望の電圧レベルに設定することのできる電圧検出回路を提供することである。
この発明のさらに他の目的は、電圧レベル検出素子としてMOSトランジスタを用いても、この検出MOSトランジスタのしきい値電圧に規定されない電圧レベルの内部電圧を正確に発生することのできる内部電圧発生回路を提供することである。
この発明の第1の観点に係る内部電圧発生回路は、繰返し信号に従ってチャージポンプ動作を行なって出力ノードに内部電圧を発生するチャージポンプ回路と、基準電圧と内部電圧との差に従って、この内部電圧が予め定められた電圧レベルに到達したかを検出する電圧レベル検出回路とを含む。この電圧レベル検出回路は、少なくとも基準電圧をゲートに受け、この基準電圧と内部電圧との差に応じて選択的に導通する絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成される検出トランジスタを含む。
この発明の第1の観点に係る内部電圧発生回路は、さらに、少なくともこの検出トランジスタのしきい値電圧が、基準電圧と内部電圧との差の検出に及ぼす影響を相殺するように基準電圧を発生する基準電圧発生回路を含む。
この発明の第2の観点に係る電圧検出回路は、第1の電源ノードと出力ノードの間に接続される第1の抵抗素子と、第2の電源ノードと出力ノードの間に接続される第2の抵抗素子と、出力ノードの電圧と内部電圧との差に応じて内部電圧が所定の電圧レベルに到達したかを検出する電圧レベル判定回路を含む。
基準電圧と内部電圧の差に応じて選択的に導通する絶縁ゲート型電界効果トランジスタを用いて内部電圧のレベルを検出する構成において、この検出トランジスタのしきい値電圧の影響を相殺するように基準電圧を発生することにより、検出トランジスタのしきい値電圧が製造パラメータのばらつきおよび動作環境の変動によりばらついても、正確に内部電圧のレベルをそのしきい値電圧の変動を受けることなく検出することができ、所望の電圧レベルの内部電圧を生成することができる。
また、しきい値電圧の影響を相殺しており、この内部電圧のレベルを、しきい値電圧の変動と独立に設定することができ、安定に所望の電圧レベルに内部電圧を設定することができる。このしきい値電圧の影響を相殺する際に、しきい値電圧自体を相殺する様に基準電圧を生成することにより、しきい値電圧と独立の電圧レベルに内部電圧の電圧レベルを設定することができ、所望の電圧レベルの内部電圧を生成することができる。
また、電圧レベル検出時において、抵抗素子により第1および第2の電源ノードの電圧を抵抗分割して基準電圧を生成することにより、抵抗分割の分圧非を調整することにより所望の電圧レベルの基準電圧を生成することができる。この基準電圧と内部電圧との差に基づいて内部電圧のレベルを判定することにより、内部電圧の判定対象電圧レベルを所望の電圧レベルに設定することができる。この判定結果に従って内部電圧発生動作を制御することにより、所望の電圧レベルの内部電圧を生成することができる。
この発明の目的および他の目的と特徴は、以下に添付の図面を参照して説明する好ましい実施例の詳細な説明からより一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
図1は、従来の内部電圧発生回路の構成の一例を示す図である。
図2は、図1に示す内部電圧発生回路の動作を示すタイミング図である。
図3は、この発明の実施の形態1に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図4は、この発明の実施の形態2に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図5は、この発明の実施の形態2の変更例を示す図である。
図6は、この発明の実施の形態3に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図7は、この発明の実施の形態4に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図8は、この発明の実施の形態4の変更例を示す図である。
図9は、この発明の実施の形態5に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図10は、この発明の実施の形態6に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図11は、図10に示す内部電圧発生回路の電源回路の動作を示すタイミング図である。
図12は、この発明の実施の形態7に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図13は、この発明の実施の形態7の変更例を示す図である。
図14は、この発明の実施の形態8に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図15は、この発明の実施の形態9に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図16は、この発明の実施の形態10に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図17は、この発明の実施の形態11に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図18は、この発明の実施の形態11の変更例を示す図である。
図19は、この発明の実施の形態12に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図20は、この発明の実施の形態13に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図21は、図20に示す内部電圧発生回路の電源回路の動作を示すタイミング図である。
図22は、この発明の実施の形態13の変更例を示す図である。
図23は、この発明の実施の形態14に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図24は、この発明の実施の形態15に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図25は、この発明の実施の形態15の変更例の構成を示す図である。
図26は、この発明の実施の形態16に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。
図27は、この発明の実施の形態16の変更例を示す図である。
【発明を実施するための最良の形態】
[実施の形態1]
図3は、この発明の実施の形態1に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。図3において、内部電圧発生回路は、活性化時チャージポンプ動作を行なって出力ノード9に内部電圧V9を生成するチャージポンプ回路100と、第1および第2の電源ノード21および22にそれぞれ与えられる電圧V1+2・VTNおよびV2+2・VTNから基準電圧V25を生成する基準電圧発生回路110と、この基準電圧V25と内部電圧V9との差に基づいて、内部電圧V9の電圧レベルが所定電圧レベルに到達したかを判定する電圧レベル判定回路112と、この電圧レベル判定回路112の判定結果に従って選択的に、クロック入力ノード1へ与えられる繰返し信号φをチャージポンプ回路100へ与えるチャージポンプ制御回路101を含む。
チャージポンプ回路100は、図1に示す従来の内部電圧発生回路と同様、チャージポンプ動作を行なう容量素子5と、内部ノード8をプリチャージするダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタ6と、内部ノード8から出力ノード9へ負電荷を供給するダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタ7を含む。
チャージポンプ制御回路101は、電圧レベル判定回路112の判定結果信号V14と繰返し信号φを受けるAND回路3を含む。このAND回路3の出力信号がノード4を介してチャージポンプ回路100の容量素子5へ与えられる。
基準電圧発生回路110は、第1の電源ノード21とノード25の間に接続される抵抗素子23と、第2の電源ノード22とノード25の間に接続される抵抗素子24を含む。これらの抵抗素子23および24は、それぞれ抵抗値R1およびR2を有する。ノード25に、基準電圧V25が生成される。
電圧レベル判定回路112は、主電源ノード2とノード14の間に接続される高抵抗の抵抗素子13と、ノード14とノード11の間に接続されかつそのゲートに基準電圧V25を受けるNチャネルMOSトランジスタ12と、ノード11とチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に接続されかつそのゲートがノード11に接続されるNチャネルMOSトランジスタ10を含む。
すなわち、この電圧レベル判定回路112の構成においては、図1に示す電圧検出回路102の構成において、MOSトランジスタ12のゲートへ、接地電圧でなく、基準電圧発生回路110からの基準電圧V25が与えられる。
MOSトランジスタ10および12は、それぞれしきい値電圧VTNを有する。
第1の電源ノード21へは、電源回路114から電圧V1+2・VTNが与えられ、第2の電源ノード22へは、電源回路116からの電源電圧V2+2・VTNが与えられる。これらの電源回路114および116の構成については、後に詳細に説明する。
電圧レベル判定回路112においては、基準電圧V25とチャージポンプ回路100の出力電圧V9の差が2・VTNとなると、MOSトランジスタ10および12両者が導通し、抵抗素子13において電圧降下が生じ、その出力信号(電圧レベル判定結果信号)V14が、Lレベルとなる。応じて、チャージポンプ制御回路101のAND回路3の出力信号が、繰返し信号φに係らず、Lレベルに固定され、チャージポンプ回路100のポンプ動作が停止される。
基準電圧V25とチャージポンプ回路100の出力電圧V9の差が、2・VTNよりも小さい場合には、MOSトランジスタ10および12の少なくとも一方は非導通状態にあり、抵抗素子13において電圧降下は生じないため、電圧レベル判定回路112の出力信号V14はHレベルとなり、チャージポンプ制御回路101が、繰返し信号φをチャージポンプ回路100へ与える。
基準電圧発生回路110は、抵抗素子23および24で構成される抵抗分圧回路であり、ノード25に生成される基準電圧V25は、次式(3)で与えられる。
V25=
2・VTN+(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2) …(3)
上式(3)の右辺の第1項は、MOSトランジスタ10および12のしきい値電圧の和に等しい。したがって、これらのMOSトランジスタ10および12のしきい値電圧が変動した場合、この基準電圧V25に含まれる電圧成分2・VTNも同様に変化し、このMOSトランジスタ10および12のしきい値電圧の変動が相殺される。たとえば、MOSトランジスタ10および12のしきい値電圧VTNが増加した場合、上式(3)の右辺第1項も同じ値だけ増加する。この場合、MOSトランジスタ10および12のゲート電極の電圧が、そのしきい値電圧の上昇分増加する。したがって、これらのMOSトランジスタ10および12は、しきい値電圧が変動しないときのしきい値電圧(目標しきい値電圧)の電位差がゲートーソース間に生じたときに、導通する。チャージポンプ回路100から出力ノード9へ与えられる電圧V9は、次式で与えられる。
V9=(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2) …(4)
上式(4)に見られるように、内部電圧V9の電圧レベルを決定するパラメータには、MOSトランジスタ10および12のしきい値電圧成分は含まれていない。すなわち、チャージポンプ回路100が生成する内部電圧V9は、抵抗素子23および24の抵抗値R1およびR2と電源回路114および116の生成する電圧成分V1およびV2により、所望の電圧レベルに設定することができる。
通常、電圧V1およびV2は、電源回路114および116の回路構成および使用可能な電源電圧レベルなどの外部要因により決定される。抵抗素子23および24の抵抗値R1およびR2を調整することにより、この内部電圧V9を所望の電圧レベルに設定することができる。したがって、この内部電圧V9が、たとえばDRAMにおいて基板バイアス電圧として利用される場合において、基板バイアスの電圧レベルがしきい値電圧のステップで決定される場合に比べて、より最適値に設定することができる。また、TFTを用いた画像表示回路装置においても、画素トランジスタのゲートを正確に駆動することができる。
特に、このチャージポンプ回路100の出力する内部電圧V9を、−2・VTNの電圧レベルに設定する場合には、基準電圧V25が接地電圧レベルであればよく、従って、次式(5)が満たされるように、抵抗値R1およびR2と、電圧V1およびV2を設定すればよい。
V9=(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2)=−2・VTN…(5)
すなわち、この図3に示す構成の場合、内部電圧V9として、−2・VTN+Vaの電圧レベルの電圧を生成することができ、しきい値電圧VTNの変動の影響を相殺して、所望の電圧レベルに内部電圧V9を設定することができる。
なお、このチャージポンプ制御回路101においてAND回路3に代えてNAND回路が用いられてもよい。チャージポンプ動作の停止時に、容量素子5に対してHレベルの信号を与えて、ノード8を、出力MOSトランジスタ7を逆バイアス状態に維持することができ、確実に負電荷供給動作を停止させることができる。
[実施の形態2]
図4は、この発明の実施の形態2に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図4に示す内部電圧発生回路の構成においては、電圧レベル判定回路112において、MOSトランジスタ12とチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に、2つのダイオード接続されるMOSトランジスタ10aおよび10bが直列に接続される。電源回路114および116は示していないが、それぞれ、電源ノード21および22に対し、電圧V1+3・VTNおよびV2+3・VTNを与える。この図4に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図3に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照符号を付し、その詳細説明は省略する。
この図4に示す内部電圧発生回路の構成において、基準電圧V25は、次式で与えられる。
V25
=3・VTN+(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2) …(6)
MOSトランジスタ10bは、ノード11bと出力ノード9の間にしきい値電圧VTNの電圧差があるときに導通し、またMOSトランジスタ10aが、ノード11aおよび11bの間に、しきい値電圧VTNの電圧差が生じると導通する。MOSトランジスタ12は、ノード11aの電圧が、V25−VTNとなると導通する。これらのMOSトランジスタ10a,10bおよび12が全て導通すると、電流が流れ、抵抗素子13における電圧降下により、ノード14からの電圧V14がLレベルに設定される。したがって、この場合、内部電圧V9は、V25−3・VTNの電圧レベルに設定される。
したがって、この場合においても、MOSトランジスタ10a、10bおよび12のそれぞれのしきい値電圧VTNが変動した場合、この基準電圧発生回路110の発生する基準電圧V25に含まれる電圧成分3・VTNによりその変動が相殺される。
これにより、しきい値電圧の変動を受けることなく安定に所望の電圧レベルに、チャージポンプ回路100が出力する出力電圧V9の電圧レベルを設定することができる。この図4に示す内部電圧発生回路の構成において内部電圧V9は次式(7)で現わされる。
V9=V25−3・VTN
=(R1・V2+R2・V1)/(R1+R2)…(7)
上式(7)に見られるように、内部電圧V9は、しきい値電圧VTNと独立な電圧である。従って、しきい値電圧の変動の影響を受けることなく、安定に所望の電圧レベルに内部電圧V9を設定することができる。
この図4に示す内部電圧発生回路の構成において、基準電圧V25が、接地電圧レベルに設定されるときには、上式(7)から、内部電圧V9の電圧レベルは、−3・VTNとなる。
[変更例]
図5は、この発明の実施の形態2の変更例の内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図5に示す内部電圧発生回路においては、電圧レベル判定回路112において、ノード11aとチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に、(n−1)個のNチャネルMOSトランジスタ10a−10nが直列に接続される。これらのMOSトランジスタ10a−10nは、それぞれ、ゲートとドレインが相互接続される。これらのMOSトランジスタ10a−10nは、それぞれ、ダイオードモードで動作し、導通時、しきい値電圧VTNの電圧降下を生じさせてもよく、また、抵抗モードで動作して、導通時、そのオン抵抗により電圧降下を生じさせてもよい。MOSトランジスタ10a−10nが全て導通したときに、ノード14からの電圧V14がAND回路3によりLレベルと判定されればよい。
また、基準電圧発生回路110の第1の電源ノード21へは、電圧V1+n・VTNが与えられ、第2の電源ノード22へは、電圧V2+n・VTNが与えられる。この図5に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図4に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図5に示す内部電圧発生回路の場合、基準電圧発生回路110が生成する基準電圧V25は、次式で与えられる。
V25=n・VTN+(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2)…(8)
MOSトランジスタ10a−10nおよび12は、内部電圧V9が電圧V25−n・VTNとなると導通し、ノード14の電圧V14を低下させ、AND回路3の出力信号がLレベルとなり、チャージポンプ回路100のポンプ動作が停止する。従って、内部電圧V9は、次式(9)で現わされる電圧レベルとなる。
V9=V25−n・VTN
=(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2)…(9)
したがって、この図5に示す内部電圧発生回路においても、抵抗素子23および24の抵抗値R1およびR2を調整することにより、所望の電圧レベルの内部電圧V9を生成することができる。この基準電圧V25には、電圧成分n・VTNが含まれており、したがってMOSトランジスタ12および10a−10nにおけるしきい値電圧がそれぞれ変動しても、それらのしきい値電圧の変動は、基準電圧V25に含まれる電圧成分n・VTNにより相殺され、しきい値電圧の変動の影響を受けることなく所望の電圧レベルに、内部電圧V9の電圧レベルを設定することができる。基準電圧V25を接地電圧に設定した場合、内部電圧V9は、−n・VTNの電圧レベルとなる。
以上のように、内部電圧の電圧レベル検出に、複数の直列接続されるMOSトランジスタを利用する場合、基準電圧として、これらの複数のMOSトランジスタのしきい値電圧成分を含む電圧を生成することにより、しきい値電圧の変動を相殺して所望の電圧レベルの内部電圧を安定に生成することができる。
[実施の形態3]
図6は、この発明の実施の形態3に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図6に示す内部電圧発生回路においては、電圧レベル判定回路112において、ノード11aとノード11bの間に、ダイオード接続または抵抗接続されるPチャネルMOSトランジスタ10cが接続される。また、基準電圧発生回路110において、第1の電源ノード21には、電圧V1+2・VTN+|VTP|が与えられ、第2の電源ノード23へは、電圧V2+2・VTN+|VTP|が与えられる。ここで、VTPは、PチャネルMOSトランジスタ10cのしきい値電圧を示す。この図6に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図4に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図6に示す電圧レベル判定回路112においては、ノード11aとチャージポンプ回路100の出力ノード9の間には、VTN+|VTP|の電圧降下が生じたときに、MOSトランジスタ10bおよび10cがともに導通する。MOSトランジスタ12は、基準電圧V25とノード11aの電圧の差がVTNとなると導通する。このときに電圧レベル判定回路112のノード14からの出力電圧V14がLレベルとなり、チャージポンプ回路100のチャージポンプ動作が停止される。従って、内部電圧V9は、次式(10)で現わされる電圧レベルとなる。
V9=V25−2・VTN+|VTP| …(10)
基準電圧V25は、次式(11)で与えられる。
V25=2・VTN+|VTP|
+(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2)…(11)
上式(11)に見られるように、MOSトランジスタ10bおよび10cおよび12のしきい値電圧VTNおよびVTPが変動した場合、そのしきい値電圧の変動と同じ変動が、基準電圧V25においても生じる。したがって、電圧レベル判定回路112において、この内部電圧V9の電圧レベル検出用のMOSトランジスタ10bおよび10cおよび12のしきい値電圧の変動が生じても、その変動が基準電圧V25において相殺され、正確に、内部電圧V9を、これらのしきい値電圧VTPおよびVTNと独立の電圧レベルに設定することができる。
PチャネルMOSトランジスタ10cとNチャネルMOSトランジスタ10bを電圧降下素子として利用する場合、これらのしきい値電圧VTPおよびVTNを個々の電圧レベルに設定することができ、より細かく、内部電圧V9の電圧レベルを設定することができる。特に、基準電圧V25が、接地電圧レベルに設定される場合においても、これらのMOSトランジスタ10bおよび10cのしきい値電圧VTNおよびVTPを適当な値に設定することにより、所望の電圧レベルに、この内部電圧V9の電圧レベルを設定することができる。
なお、この図6に示す内部電圧発生回路の構成においても、電圧レベル判定回路112において、MOSトランジスタ10bおよび12の合計の数がn個であり、PチャネルMOSトランジスタ10cの数がp個の場合、電源ノード21および22へは、それぞれV1+n・VTN+p・|VTP|およびV2+n・VTN+p・|VTP|の電圧が与えられる。
なお、電圧レベル判定回路112において、電圧降下素子として用いられるPおよびNチャネルMOSトランジスタの接続順序は、任意である。
以上のように、この発明の実施の形態3に従えば、電圧レベル判定回路において電圧降下素子として導電型の異なるMOSトランジスタを用いており、これらのしきい値電圧を個々に設定することができ、内部電圧の電圧レベルをより細かく設定することができる。
[実施の形態4]
図7は、この発明の実施の形態4に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図7に示す内部電圧発生回路においては、電圧レベル判定回路112において、ノード11とチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に、ノード11から見て順方向に、d個のダイオード素子15が直列に接続される。
基準電圧発生回路110においては、第1の電源ノード21に、電圧V1+VTN+d・VFが与えられ、また第2の電源ノード22へは、電圧V2+VTN+d・VFが与えられる。ここで、VFは、ダイオード素子15の順方向降下電圧を示す。
この図7に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図5に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図7に示す内部電圧発生回路の構成においては、電圧レベル判定回路112において、d個のダイオード15は、ノード11と出力ノード9の電圧差が、d・VFとなると導通する。MOSトランジスタ12は、ゲートーソース間電圧が、VTNとなると導通する。従って、チャージポンプ回路100が発生する内部電圧V9は、次式(12)で与えられる。
V9=V25−VTN−d・VF
=(R2・V1+R1・V2)/(R1+R2)…(12)
基準電圧V25が、接地電圧レベルに設定される場合、内部電圧V9の電圧レベルは、−VTN−d・VFで与えられる。
この電圧レベル判定回路112において、ダイオード素子15がd個直列に接続される場合においても、これらのダイオード素子の順方向降下電圧およびMOSトランジスタ12のしきい値電圧がばらついても、正確に、そのしきい値電圧の変動を補償して、内部電圧V9を所望の電圧レベルに維持することができる。
電圧レベル判定回路112において、ダイオード素子15を電圧降下素子として利用する場合、MOSトランジスタに比べて、占有面積を低減することができる。また、このMOSトランジスタ12が、TFTで構成される場合、このTFTと同一ノードに(ポリシリコン領域をP型領域、ソース/ドレイン領域をN型領域として)容易に作成することができる。
なお、このダイオード素子15の数dは、基準電圧V25が接地電圧レベルに設定され、内部電圧V9が、電圧−VTN−d・VFに設定される場合には、この内部電圧V9の電圧レベルに応じて適当に定められればよい。また、電圧V1およびV2の利用可能な電圧レベルに応じて、ダイオード15の数が適当に定められればよい。
なお、図5および図7に示す電圧レベル判定回路112を組合わせ、検出用のMOSトランジスタ12のソースノードとチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に、(n−1)のNチャネルMOSトランジスタと、d個のダイオード素子15が直列に接続される場合には、第1の電源ノード21には、電圧V1+n・VTN+d・VFが与えられ、第2の電源ノード22には、電圧V2+n・VTN+d・VFが与えられる。
[変更例]
図8は、この発明の実施の形態4の変更例の内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図8に示す内部電圧発生回路においては、電圧レベル判定回路112において、ノード11とチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に、電圧降下素子群16が設けられる。この電圧降下素子群16は、導通時、電圧Vdrpの電圧降下をノード11および9の間に生じさせる。基準電圧発生回路110において、電源ノード21へは、電圧V1+VTN+Vdrpが与えられ、電源ノード22へは、電圧V2+VTN+Vdrpが与えられる。この電圧降下素子群16は、ダイオード接続されるMOSトランジスタおよび/またはダイオード素子での直列体で構成される。
この図8に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図1から7に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
個の図8に示す内部電圧発生回路の構成においては、基準電圧V25は次式(13)で与えられる。
V25
=VTN+Vdrp+(R1・V2+R2・V1)/(R1+R2)…(13)
MOSトランジスタ12は、ノード11の電圧が、電圧V25−VTNとなると導通し、チャージポンプ回路100のチャージポンプ動作を、チャージポンプ制御回路101を介して停止させる。従って、内部電圧V9は、次式(14)で表される。
V9=V25−VTN−Vdrp …(14)
基準電圧V25は、電圧降下素子群16における降下電圧Vdrpを電圧成分として含む。したがって、この内部電圧V9の電圧レベルを、電圧V1およびV2と抵抗値R1およびR2の値により決定される電圧レベルに設定することができる。したがって、電圧降下素子群16により、内部電圧V9の電圧レベルを粗く設定し、抵抗値R1およびR2を用いて、この内部電圧V9の電圧レベルを細かく調整することにより、所望の電圧レベルの内部電圧を生成することができる。
なお、電圧降下素子群16に含まれる電圧降下素子は、導通時ダイオードモードで動作し、しきい値電圧またはPN接合ビルトイン電圧(順方向降下電圧)の電圧降下を生じさせる。しかしながら、この電圧降下素子群16に含まれる素子は、しきい値電圧または順方向降下電圧の電圧差が生じたときに導通して、電流を流す経路を形成し、その降下電圧が、しきい値電圧または順方向降下電圧と異なる電圧レベルであってもよい。すなわち、この電圧降下素子群16において含まれる素子が、抵抗モードで動作してもよい。
以上のように、この発明の実施の形態4に従えば、内部電圧の電圧レベルを検出するための電圧降下素子として、MOSトジンジスタ以外の素子を用いても、基準電圧において、その電圧降下素子の電圧降下成分を含めることにより安定に、所望の電圧レベルの内部電圧を生成することができる。
[実施の形態5]
図9は、この発明の実施の形態5に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図9に示す内部電圧発生回路において、図5に示す内部電圧発生回路において、ダイオード接続または抵抗接続されたNチャネルMOSトランジスタ10a−10nの数が0個であり、また基準電圧発生回路110の電源ノード21の電圧がVTN、すなわちV1=0Vの場合の、電源回路114および116の構成を示す。チャージポンプ回路100およびチャージポンプ制御回路101の構成および動作は、先の実施の形態1から4に示す構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
電源回路114は、主電源ノード2とノード33の間に接続される高抵抗の抵抗素子31と、ノード33と接地ノードの間に直列に接続されるそれぞれがダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタ30および29と、主電源ノード2と電源ノード21の間に接続されかつそのゲートがノード33に接続されるNチャネルMOSトランジスタ28を含む。
MOSトランジスタ29および30のオン抵抗は、抵抗素子31の抵抗値に比べて十分小さい。したがって、これらのMOSトランジスタ30および29は、ダイオードモードで動作し、それぞれのしきい値電圧VTNの電圧降下を生じさせる。この条件下では、ノード33の電圧は、2・VTNとなる。
MOSトランジスタ28は、そのゲート電位がドレイン電位VDDよりも低いため、ソースフォロアモードで動作し、第1の電源ノード21に、電圧2・VTN−VTN=VTNの電圧を供給する。ここで、内部電圧発生回路において用いられるNチャネルMOSトランジスタのしきい値電圧は、すべてVTNとする。
電源回路116は、負電位供給ノード26と電源ノード22の間に接続されるNチャネルMOSトランジスタ27を含む。このNチャネルMOSトランジスタ27は、そのゲートが、第2の電源ノード22に接続され、ダイオードで動作し、しきい値電圧VTNの電圧降下を生じさせる。したがって、第2の電源ノード22へは、電圧V2+VTNが供給される。ここで、電源ノード26へは、負電圧V2が与えられる。この負電圧V2は、外部から与えられてもよく、また内部で別の負電圧発生回路を用いて内部で生成されてもよい。
この図9に示す内部電圧発生回路の場合、基準電圧V25は、次式(15)で与えられる。
V25=2・VTN+(R1・V2)/(R1+R2)…(15)
したがって、抵抗値R1およびR2の値を適当な値に設定することにより、基準電圧V25の電圧レベルを所望の電圧レベルに設定することができる。また、基準電圧V25に含まれる電圧成分VTNは、電圧レベル判定回路112におけるMOSトランジスタ12のしきい値電圧VTNにより相殺され、内部電圧V9を、電圧R1・V2/(R1+R2)の電圧レベルに設定することができる。
以上のように、この発明の実施の形態5に従えば、ダイオードモードで動作するMOSトランジスタのしきい値電圧の電圧降下を利用して、基準電圧発生回路に対する電源電圧を生成しており、正確に内部電圧レベル検出用のMOSトランジスタのしきい値電圧成分を含む電圧を基準電圧発生回路に対する電源電圧として供給することができる。
[実施の形態6]
図10は、この発明の実施の形態6に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図10に示す内部電圧発生回路は、電源回路116の構成を除いて、図9に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、図10に示す電源回路114、基準電圧発生回路110、電圧レベル判定回路112、チャージポンプ制御回路101およびチャージポンプ回路100の、図9に示す回路構成と対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図10において、電源回路116は、ノード34に与えられる繰返し信号φAに従ってノード38へ電荷を供給する容量素子36と、ノード35に与えられる補の繰返し信号ZφAに従ってノード41へ電荷を供給する容量素子39と、ノード38と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがノード41に接続されるPチャネルMOSトランジスタ37と、ノード41と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがノード38に接続されるPチャネルMOSトランジスタ40と、基準電圧発生回路110の第2の電源ノード22とノード38の間に接続されかつそのゲートが第2の電源ノード22に接続されるNチャネルMOSトランジスタ27を含む。
ノード34および35へそれぞれ与えられる繰返し信号φAおよびZφAは、振幅が|V2|の互いに相補な信号である。
図11は、この図10に示す電源回路116の動作を示すタイミング図である。以下、図11を参照して、図10に示す電源回路116の動作について説明する。
繰返し信号φAがHレベルに立上がると、容量素子36のチャージポンプ動作により、ノード38の電圧レベルが上昇する。このとき、ノード35へ与えられる繰返し信号ZφAが、Lレベルに立下がるため、ノード41から容量素子39により電荷が引抜かれ、ノード41の電圧レベルが低下する。したがって、ノード38の電圧レベルが、接地電圧以上であれば、MOSトランジスタ40はオフ状態、MOSトランジスタ37がオン状態となり、このMOSトランジスタ37により、ノード38が、接地電圧レベルにプリチャージされる(ノード41の電圧は負電圧)。ノード38が接地電圧レベルにプリチャージされても、ノード41は負電圧レベルであり、MOSトランジスタ40は、ゲートおよびソースが同じ接地電圧レベルであり、オフ状態を維持する。
このとき、第2の電源ノード22の電圧レベルが、MOSトランジスタのしきい値電圧VTNより低い場合には、MOSトランジスタ27は、逆バイアス状態となり、非導通状態を維持する。
繰返し信号φAがLレベルに立下がり、また繰返し信号ZφAがHレベルに立上がると、ノード38から容量素子36のチャージポンプ動作により電荷が引抜かれ、ノード38の電圧レベルが、負電圧V2のレベルにまで低下する。一方、ノード41は、容量素子39のチャージポンプ動作により、その電圧レベルが上昇する。MOSトランジスタ40が、ノード38の負電圧によりオン状態となり、ノード41を接地電圧レベルにプリチャージする。応じて、MOSトランジスタ37がオフ状態となり、ノード38は、負電圧V2の電圧レベルを維持する。ノード38の電圧レベルが、第2の電源ノードの電圧よりもMOSトランジスタ27のしきい値電圧VTN低いときには、MOSトランジスタ27が導通し、第2の電源ノード22から静電かをノード38へ伝達し、第2の電源ノード22の電圧レベルを低下させる。
以降、この動作を繰返すことにより、ノード38は、定常状態時、接地電圧と負電圧V2の間で変化する。MOSトランジスタ27は、このノード37の電圧レベルが負電圧V2のとき、第2の電源ノード22に電圧V2+VTNを伝達する。
この繰返し信号φAの半サイクルごとに、MOSトランジスタ27が、電源ノード22へ負電荷を供給する動作は、チャージポンプ回路100の出力ノード9に電荷を供給する動作と同じである。したがって、基準電圧発生回路110の第2の電源ノード22へ、電圧V2+VTNの電圧を供給することができる。これにより、この内部電圧V9を利用する半導体装置内で、負電圧V2を生成して、所望の電圧レベルの内部電圧V9を生成することができる。
なお、繰返し信号φAおよびZφAの振幅は、|V2|である。この場合、外部電源電圧VDDを降圧して電圧|V2|を生成し、この降圧電圧|V2|を繰返し信号φを受けるバッファ回路へ動作電源電圧として供給する。これにより、振幅VDDの繰返し信号φから、振幅|V2|の繰返し信号φAおよびZφAを生成することができる。ただし、この場合、条件として、振幅|V2|は、電源電圧VDD以下であることが要求される。
また、この内部電圧V9を利用する半導体装置が、クロック信号に同期して動作する回路装置の場合、繰返し信号φとしては、外部からのクロック信号を用いられればよい。またこれに代えて、内部で、発振回路を用いて繰返し信号φが生成されてもよい。
なお、図10に示す電源回路116に含まれる負電圧を生成するチャージポンプ回路の構成は単なる一例であり、他の構成の負電圧発生回路が用いられてもよい。
また、電圧レベル判定回路112において、基準電圧と内部電圧V9との差がしきい値電圧VTNに設定されている。しかしながら、この基準電圧V25と内部電圧V9との差が、Vdrp+VTNの場合、電源回路114において、MOSトランジスタ29と接地ノードの間に電圧Vdrpの電圧降下を生じさせる電圧降下回路を接続し、また、電源回路116において、MOSトランジスタ27と直列に電圧Vdrpの電圧降下を生じさせる電圧降下回路を接続することにより、電圧レベル判定回路112における電圧降下に応じた電圧を、基準電圧発生回路110に対する電源電圧として生成することができる。
以上のように、この発明の実施の形態6に従えば、負電圧V2を、回路装置内部で生成するように構成しており、所望の電圧レベルの電圧V2を生成することができる。
[実施の形態7]
図12は、この発明の実施の形態7に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図12に示す内部電圧発生回路の構成においては、電圧レベル判定回路112において、MOSトランジスタ12とチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に、ダイオード接続または抵抗接続されるPチャネルMOSトランジスタ10cが接続される。
電源回路114においては、このMOSトランジスタ10cの接続により、MOSトランジスタ29と接地ノードの間に、ダイオード接続されるPチャネルMOSトランジスタ45がさらに設けられる。また、電源回路116においても、MOSトランジスタ27と電源ノード22の間に、ダイオード接続されるPチャネルMOSトランジスタ43が設けられる。この図12に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図10に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
MOSトランジスタ10cは、ゲート−ソース間電圧が、VTPとなると導通し、MOSトランジスタ45および43は、導通時、|VTP|の電圧降下を生じさせる。したがって、この電源回路114においては、ノード33の電圧は、2・VTN+|VTP|となり、応じて、第1の電源ノード21の電圧は、MOSトランジスタ28のソースフォロア動作により、VTN+|VTP|となる。
また、電源回路116においては、MOSトランジスタ43および27により、電圧VTN+|VTP|の電圧降下が生じるため、第2の電源ノード22の電圧は、V2+VTN+|VTP|となる。基準電圧発生回路110からの基準電圧V25は、したがって、その電圧成分として、VTN+|VTP|を含む。
この図12に示すように、電圧レベル判定回路112において、ゲートおよびドレインが相互接続されるPチャネルMOSトランジスタ10cが用いられる場合、電源回路116および114それぞれにおいて、同様に、ダイオード接続されたPチャネルMOSトランジスタ43および45を追加することにより、このMOSトランジスタ10cのしきい値電圧VTPの変動を抑制することのできる基準電圧V25を生成することができる。応じて、所望の電圧レベルに、内部電圧V9を設定することができる。
[変更例]
図13は、この発明の実施の形態7の変更例を示す図である。この図13に示す内部電圧発生回路は、図10に示す内部電圧発生回路と以下の点が、その構成が異なっている。すなわち、電圧レベル判定回路112において、MOSトランジスタ12のソースノードとチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に導通時、電圧Vdrpの電圧降下を生じさせる電圧降下素子群46が設けられる。電源回路114においては、同様、ノード32と接地ノードの間に、電圧Vdrpの電圧降下を生じさせる電圧降下素子群47が接続される。電源回路116において、電源ノード22とノード38の間に、導通時、電圧Vdrpの電圧降下を生じさせる電圧降下素子群49が接続される。これらの電圧降下素子群46、47および49の各々は、ダイオード接続されるMOSトランジスタおよび/またはダイオード素子の直列体を含む。これらの電圧降下素子群46、47および49は、内部での素子の配列順序を除いて同一の回路構成を有する。
この図13に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図10に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、詳細説明は省略する。
この図13に示す電源回路114においては、ノード33に、電圧2・VTN+Vdrpが生成され、したがって電源ノード21には、電圧VTN+Vdrpの電圧が生成される。また、電源ノード22には、電圧V2+Vdrpが生成される。したがって、この電圧レベル判定回路112において、電圧降下素子群46が接続されており、導通時、電圧Vdrpの電圧降下を生じさせる場合、電圧降下素子群46と同一構成の電圧降下素子群47および49を利用することにより、この電圧降下素子群46に含まれる電圧降下素子のしきい値電圧または順方向降下電圧の変動の影響を抑制して、内部電圧V9を所望の電圧レベルに設定することができる。
なお、この電圧降下素子群46、47および49においては、MOSトランジスタおよび電圧降下素子群の配列順序は任意である。
なお、上述の構成において、電圧レベル判定回路112における電圧降下素子群46は、MOSトランジスタ12のソースノードとチャージポンプ回路100の出力ノード9の間の電圧が、Vdrpとなると導通して抵抗モードで動作してもよい。電圧レベル判定回路112において、電圧降下素子群46とMOSトランジスタ12が全て導通状態となったときにノード14の電圧レベルが、AND回路3によりLレベルと判定されればよい。
以上のように、この発明の実施の形態7に従えば、電圧レベル判定回路112における電圧降下と同じ電圧降下が生じるように電源回路において同様の構成の電圧降下回路を配置しており、電圧レベル判定回路112における電圧降下を生じさせる回路の構成に係らず、正確にそのしきい値電圧等の影響を相殺して所望の電圧レベルの内部電圧を生成することができる。
[実施の形態8]
図14は、この発明の実施の形態8に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図14に示す内部電圧発生回路は、ノード54に与えられる繰返し信号に従ってチャージポンプ動作を行なって出力ノード59に電源電圧VDDよりも高い昇圧電圧V59を生成するチャージポンプ回路200と、基準電圧V75を生成する基準電圧発生回路210と、この基準電圧V75と昇圧電圧V59の差に応じて、昇圧電圧V59の電圧レベルが所定電圧レベル以上であるかを判定する電圧レベル判定回路212と、電圧レベル判定回路212の判定結果に従って、クロック入力ノード1に与えられる繰返し信号φを選択的にチャージポンプ回路200へノード54を介して与えるチャージポンプ制御回路201を含む。
チャージポンプ回路200は、ノード54とノード58の間に接続される容量素子55と、主電源ノード2とノード58の間に接続されかつそのゲートがノード58に接続されるPチャネルMOSトランジスタ56と、ノード58と出力ノード59の間に接続されかつそのゲートが出力ノード59に接続されるPチャネルMOSトランジスタ57を含む。
このチャージポンプ回路200においては、ノード54へ繰返し信号が与えられるとき、容量素子55のチャージポンプ動作により、ノード58の電圧レベルを変化させる。ノード58は、ダイオード接続されたPチャネルMOSトランジスタ56を介して電源ノード2に結合される。したがって、このMOSトランジスタ56は、ノード58の下限電圧を電圧VDD−|VTP|の電圧レベルにクランプする。したがって、ノード54を介して与えられる繰返し信号の振幅が、電源電圧VDDの場合、ノード58は、電圧2・VDD−|VTP|と電圧VDD−|VTP|の間で変化する。MOSトランジスタ57がダイオードとして機能するため、ノード58と出力ノード59の間には、電圧|VTP|の電圧降下が生じる。したがって、このチャージポンプ回路200は、最大、次式(16)で示される電圧V59を発生する能力を有する。
V59=2・VDD−2|VTP| …(16)
基準電圧発生回路210は、電源ノード71および72の間に直列に接続される抵抗素子73および74を含む。電源ノード71へは、電圧V3−2・|VTP|が与えられ、電源ノード72へは、電圧V4−2・|VTP|が与えられる。抵抗素子73および74は、抵抗値R3およびR4をそれぞれ有する。これらの抵抗素子73および74の間の接続ノード75から、基準電圧V75が生成される。
この基準電圧発生回路210は、電源ノード71および72の電圧を抵抗分割して基準電圧V75を生成する。したがって、基準電圧V75は、次式(17)で表わされる。
V75=−2・|VTP|+(R4・V3+R3・V4)/(R3+R4)…(17)
したがって、この基準電圧発生回路210において、抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4ならびに電圧V1およびV2の電圧レベルを適当に設定することにより、しきい値電圧VTPに規定されない所望の電圧レベルの基準電圧V75を生成することができる。
電圧レベル判定回路212は、チャージポンプ回路200の出力ノードとノード61の間に接続されかつそのゲートがノード61に接続されるPチャネルMOSトランジスタ60と、ノード61とノード64の間に接続されかつそのゲートに基準電圧V75を受けるPチャネルMOSトランジスタ62と、ノード64と接地ノードの間に接続される高抵抗の抵抗素子63を含む。MOSトランジスタ60および62は、それぞれしきい値電圧VTPを有する。
MOSトランジスタ60および62のオン抵抗は、抵抗素子63の抵抗値に比べて十分小さい値に設定される。MOSトランジスタ60が、ダイオードモードで動作し、導通時、電圧|VTP|の電圧降下を生じさせる。
これに代えて、MOSトランジスタ60および62のオン抵抗が比較的高く設定されて、MOSトランジスタ60が抵抗モードで動作してもよい。この抵抗モードで動作する場合においても、MOSトランジスタ60および62は、ゲート−ソース間電圧がしきい値電圧VTP以下となると導通する。
MOSトランジスタ62は、ノード61の電圧が基準電圧V75よりも、|VTP|高いときに、導通する。したがって、この昇圧電圧V59が、基準電圧V75よりも、2・|VTP|高くなると、これらのMOSトランジスタ60および62が導通し、抵抗素子63に電流を供給し、ノード64の電圧V64のレベルがHレベルとなる。MOSトランジスタ60および62の少なくとも一方が非導通状態のときには、抵抗素子63へは電流は供給されないため、このノード64は、抵抗素子63により接地電圧レベルに維持される。
チャージポンプ制御回路201は、クロック入力ノード1に与えられる繰返し信号φと、電圧レベル判定回路212からのノード64上の電圧V64を受けるOR回路53を含む。このOR回路53の出力信号が、ノード54を介して、チャージポンプ回路200の容量素子55へ与えられる。ノード64の電圧V64が、昇圧電圧レベル判定結果指示信号として用いられる。
昇圧電圧V59が、電圧V75+2・|VTP|よりも高い電圧レベルのときには、この電圧レベル判定回路212の出力信号(ノード64の電圧V64)がHレベルとなり、応じてOR回路53の出力信号がHレベルに固定される。したがって、チャージポンプ回路200におけるチャージポンプ動作が停止される。チャージポンプ回路200において、ノード58の電圧と出力ノード59の昇圧電圧V59の電圧差が|VTP|のときには、MOSトランジスタ57が非導通状態となり、出力ノード59への正電荷供給動作が停止される。
一方、昇圧電圧V59が、電圧V75+2・|VTP|以下のときには、電圧レベル判定回路212の出力信号(電圧V64)は、Lレベルであり、このOR回路53は、繰返し信号φをノード54を介して、チャージポンプ回路200の容量素子55へ供給する。
したがって、この図14に示す内部電圧発生回路は、昇圧電圧V59として、電圧V75+2・|VTP|の電圧レベルを生成する。基準電圧V75は、その電圧成分として、−2・|VTP|の電圧成分を含んでいる。したがって、昇圧電圧V59は、しきい値電圧VTPと独立に、抵抗素子73および74の有する抵抗値R3およびR4と電圧V3およびV4で決定される電圧レベルに設定される。すなわち、この昇圧電圧V59は、その電圧レベルが次式(18)で表わされる。
V59=(R4・V3+R3・V4)/(R3+R4)…(18)
したがって、この図14に示すように、電源電圧VDDよりも高い昇圧電圧V59を生成する場合においても、電圧レベル検出に、MOSトランジスタ60および62を用いても、そのしきい値電圧の変動の影響を受けることなく、一定の電圧レベルに、この昇圧電圧V59を維持することができる。また、抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4を適当な値に設定することにより、所望の電圧レベルに昇圧電圧V59を設定することができる。特に、この基準電圧V75を、電源電圧VDDレベルに設定した場合、昇圧電圧V59を、電圧2・|VTP|+VDDの電圧レベルに正確に設定することができる。
なお、このチャージポンプ制御回路201において、チャージポンプ回路200のチャージポンプ動作を停止させるとき、その出力信号がLレベルに固定されてもよい。この場合、OR回路53に代えて、NOR回路が用いられる。この構成の場合、昇圧電圧V59が、所定の電圧レベルよりも高くなったときに、ノード58を、電圧VDD−|VTP|に設定して、MOSトランジスタ57から出力ノード59への正電荷の供給を防止でき、確実に、昇圧電圧V59の昇圧動作を停止させることができる。
なお、検出用のMOSトランジスタ60および62は、この内部電圧発生回路が、低温ポリシリコンTFT回路を含む画像表示回路において用いられる場合、同様、TFTで構成される。
[実施の形態9]
図15は、この発明の実施の形態9に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図15に示す内部電圧発生回路は、以下の点において、図14に示す内部電圧発生回路と、その構成が異なる。すなわち、電圧レベル判定回路212において、MOSトランジスタ62のソースノード61とチャージポンプ回路200の出力ノード59の間に、ダイオード接続または抵抗接続されるPチャネルMOSトランジスタ60a−60pが直列に接続される。これらのMOSトランジスタ60a−60pは、合計(p−1)設けられ、それぞれしきい値電圧VTPを有する。
基準電圧発生回路210において、電源ノード71に、電圧V3−p・|VTP|が与えられ、電源ノード72に、電圧V4−p・|VTP|が与えられる。この図15に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図14に示す内部回路発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図15に示す内部電圧発生回路においては、昇圧電圧V59が、基準電圧V75よりも、p・|VTP|以上の電圧レベルとなると、MOSトランジスタ60a−60pおよび62がすべて導通し、ノード64の信号が、Hレベルとなり、チャージポンプ制御回路201を介してチャージポンプ回路200のチャージポンプ動作が停止される。基準電圧V75は、次式(19)で表わされる電圧レベルを有する。
V75=−p・|VTP|+(R3・V4+R4・V3)/(R3+R4)…(19)
したがって、この昇圧電圧V59の電圧レベルとして、図14に示す内部電圧発生回路と同様、次式(20)で表わされる電圧レベルに設定することができる。
V59=(V3・V4+R4・V3)/(R3+R4)…(20)
したがって、このようなMOSトランジスタのしきい値電圧VTPを利用して、電圧レベルを判定する場合においても、正確に、そのしきい値電圧VTPの変動の影響を受けることなく、また、しきい値電圧VTPの電圧レベルに依存することなく、昇圧電圧V59の電圧レベルを所望の電圧レベルに設定することができる。特に、基準電圧V75が、電源電圧VDDに設定される場合、昇圧電圧V59を、VDD+p・|VTP|の電圧レベルに設定することができる。この場合においても、MOSトランジスタ62および60a−60pのしきい値電圧の変動成分は既に基準電圧V75により補償されており、正確に、所望の電圧レベルの昇圧電圧を生成することができる。
抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4の抵抗比および電圧V3およびV4に対し制限が存在する場合においても、このMOSトランジスタ60a−60pを利用して所望の電圧レベルに近い電圧レベルに昇圧電圧のレベルを設定した後、抵抗素子73および74を用いて微調整をして、昇圧電圧V59を所望の電圧レベルに正確に設定することができる。
なお、直列接続されるMOSトランジスタ60a−60pの数(p−1)は、pが1以上の数であればよく、昇圧電圧V59の電圧レベルに応じて適当な数に定められる。
以上のように、複数のMOSトランジスタが直列に接続されて昇圧電圧を降圧して、昇圧電圧のレベル検出を行う構成においても、これらの降圧用のMOSトランジスタと同様の電圧降下の成分を有する基準電圧を抵抗分割により生成することにより、所望の電圧レベルの昇圧電圧をしきい値電圧の影響を受けることなく正確に生成することができる。
[実施の形態10]
図16は、この発明の実施の形態10に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図16に示す内部電圧発生回路は、以下の点において、図14に示す内部電圧発生回路とその構成が異なる。すなわち、電圧レベル判定回路212において、ダイオード接続または抵抗接続されたPチャネルMOSトランジスタ60とチャージポンプ回路200の出力ノード59の間に、ダイオード接続または抵抗接続されたNチャネルMOSトランジスタ65がさらに接続される。
基準電圧発生回路210において、電源ノード71に、電圧V3−VTN−2・|VTP|が与えられる。同様、電源ノード72に、電圧V4−VTN−2・|VTP|が与えられる。この図16に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図14に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図16に示す内部電圧発生回路の構成において、昇圧電圧V59と基準電圧V75の電圧差が、VTN+2・|VTP|となると、MOSトランジスタ65、60および62がすべて導通し、ノード64の電圧レベルがHレベルとなる。応じて、チャージポンプ回路201の出力信号がHレベルに固定され、チャージポンプ回路200のチャージポンプ動作が停止される。
基準電圧V75として、電圧V3およびV4を、抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4で抵抗分割した電圧レベルから、電圧VTN+2・|VTP|低い電圧レベルの電圧を生成する。この電圧VTN+2・|VTP|は、電圧レベル判定回路212における昇圧電圧V59に対する電圧降下に等しい。したがって、昇圧電圧V59を、電圧V3およびV4を、抵抗値R3およびR4で抵抗分割した電圧レベルに設定することができ、しきい値電圧の影響を受けることなく、所望の電圧レベルに、昇圧電圧V59を設定することができる。
特に、しきい値電圧VTNおよびVTPは、個々にそれらの電圧レベルを設定することができ、電圧V3およびV4ならびに抵抗値R3およびR4に、外部要因により制限が生じる場合においても、所望の電圧レベルの昇圧電圧を安定に生成することができる。
なお、この基準電圧V75が、電源電圧VDDに設定される場合には、昇圧電圧V59は、電圧VDD+2・|VTP|+VTNの電圧レベルに維持される。
なお、ダイオード接続または抵抗接続されるNチャネルMOSトランジスタがn個設けられ、またダイオード接続または抵抗接続されるPチャネルMOSトランジスタが、(p−1)個設けられる場合には、電源ノード71および72の電圧は、それぞれ次式(21)および(22)で与えられる。
V71=V3−n・VTN−p・|VTP| …(21)
V72=V4−n・VTN−p・|VTP| …(22)
チャージポンプ回路200の出力ノード59と検出用のMOSトランジスタ62の間の電圧降下量に応じて、最適な電圧レベルに、基準電圧V75の電圧レベルを設定することができる。
なお、基準電圧V75を、電源電圧VDDレベルに設定した場合、昇圧電圧V59として、VDD+n・VTN+p・|VTP|の電圧レベルの電圧が得られる。
以上のように、この発明の実施の形態10に従えば、PおよびNチャネルMOSトランジスタを直列に昇圧電圧の電圧降下のために接続しており、電圧降下量を個々のしきい値電圧により調整することができ、昇圧電圧の電圧レベルを所望の電圧レベルに正確に設定することができる。また、この構成においても、基準電圧として、この昇圧電圧の降下量に対応する電圧成分を含むようにしており、しきい値電圧の変動を正確に相殺して所望の電圧レベルの昇圧電圧を生成することができる。
[実施の形態11]
図17は、この発明の実施の形態11に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図17に示す内部電圧発生回路においては、チャージポンプ回路200の出力ノード59と電圧レベル判定回路212のMOSトランジスタ62のソースノードの間に、出力ノード59から見て順方向に、ダイオード素子66がd個直列に接続される。これらのダイオード素子66の各々は、それぞれ順方向降下電圧VFを有する。
基準電圧発生回路210の電源ノード71には、電圧V3−|VTP|−d・VFが与えられ、電源ノード72には、電圧V4−|VTP|−d・VFが与えられる。この図17に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図16に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図17に示す内部電圧発生回路の構成においては、基準電圧V75は、次式(23)で与えられる。
V75=−|VTP|−d・VF
+(R3・V4+R4・V3)/(R3+R4)…(23)
d個のダイオード素子において、電圧d・VFの電圧降下が生じると、これらのdこのダイオード66が導通する。MOSトランジスタ62は、そのゲート−ソース間に|VTP|以上の電圧差が生じると導通する。したがって、昇圧電圧V59は、次式(24)で与えられる。
V59=V75+|VTP|+d・VF
=(V3・R4+V4・R3)/(R3+R4) …(24)
したがって、この昇圧電圧V59を、電圧V3およびV4と、抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4に依存した電圧レベルに設定することができる。したがって、たとえ、この内部電圧発生回路が、たとえばTFTで構成され、そのしきい値電圧のばらつきが大きい場合においても、正確に、所望の電圧レベルの昇圧電圧V59を安定に生成することができる。
[変更例]
図18は、この発明の実施の形態11の変更例の内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図18に示す内部電圧発生回路の構成において、電圧レベル判定回路212において、チャージポンプ回路200の出力ノード59とPチャネルMOSトランジスタ62のソースノード61の間に、両端に、電圧Vdrpの電圧降下が生じたときに導通する電圧降下素子群67が接続される。電圧降下素子群67は、ゲートおよびドレインが相互接続されたMOSトランジスタおよび/またはダイオード素子で構成される。
基準電圧発生回路210において、電源ノード71は、電圧V3−Vdrpが与えられ、電源ノード72へは、電圧V4−Vdrpが与えられる。この図18に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図17に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図18に示す内部電圧発生回路の構成において、基準電圧V75は、次式(25)で与えられる。
V75
=−Vdrp+(R3・V4+R4・V3)/(R3+R4)…(25)
電圧降下素子群67においては、ダイオード素子、ダイオード接続または抵抗接続されるPチャネルMOSトランジスタ、およびダイオード接続または抵抗接続されるNチャネルMOSトランジスタが適当に組合せて直列に接続される。したがって、この昇圧電圧V59は、基準電圧V75よりも、電圧Vdrp+|VTP|よりも高い電圧レベルであり、したがって、この場合においても、昇圧電圧V59の電圧レベルは、次式(26)で与えられる。
V59=(R3・V4+R4・V3)/(R3+R4)…(26)
基準電圧V75が、電源電圧VDDの電圧レベルであれば、昇圧電圧V59は、VDD+|VTP|+Vdrpの電圧レベルに設定される。したがって、この図18に示す構成においても、所望の電圧レベルに、昇圧電圧V59の電圧レベルを設定することができ、またこの電圧レベル判定回路212におけるMOSトランジスタが、たとえTFTで構成され、そのしきい値電圧のばらつきが大きい場合においても、正確に所望の電圧レベルに昇圧電圧V59の電圧レベルを設定することができる。
この電圧降下素子群67における降下電圧Vdrpは、電圧降下素子群67がたどえば、d個のダイオード素子と、n個のダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタと、(p−1)個のダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタで構成される場合、次式(27)で与えられる。
Vdrp=d・VF+(p−1)・|VTP|+n・VTN…(27)
この降下電圧Vdrpの電圧成分を反映する電圧を、電源ノード71および72へ、それぞれ与えることにより、MOSトランジスタのしきい値電圧の変動の影響を抑制して、正確に所望の電圧レベルに昇圧電圧V59の電圧レベルを設定することができる。
また、抵抗値R3およびR4により所望の電圧レベルに昇圧電圧V59を設定することができる。
[実施の形態12]
図19は、この発明の実施の形態12に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図19に示す内部電圧発生回路においては、電圧レベル判定回路212において、チャージポンプ回路200の出力ノードと電圧レベル判定結果出力ノード64の間に、基準電圧V75をゲートに受けるPチャネルMOSトランジスタ62が接続される。したがって、昇圧電圧V59は、V75+|VTP|の電圧レベルに設定される。
チャージポンプ制御回路201およびチャージポンプ回路200の構成は、先の実施の形態8から11に示す回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、詳細説明は省略する。
基準電圧発生回路210においては、電源ノード71に、電源回路214からの電圧V3−|VTP|が与えられ、電源ノード72に、電源回路216からの電圧VDD−|VTP|が与えられる。この基準電圧発生回路210は、電源ノード71および72に与えられる電圧から、抵抗素子73および74による抵抗分割により基準電圧V75を生成する。
電源回路214は、昇圧ノード76と電源ノード71の間に接続されかつそのゲートが電源ノード71に接続されるPチャネルMOSトランジスタ77を含む。このMOSトランジスタ77は、ダイオードモードで動作し、昇圧ノード76に与えられる電圧を、そのしきい値電圧の絶対値|VTP|降圧して電源ノード71へ伝達する。
電源回路216は、主電源ノード2とノード83の間に直列に接続されかつそれぞれがダイオード接続されるPチャネルMOSトランジスタ79および80と、ノード83と接地ノードの間に接続される高抵抗の抵抗素子81と、電源ノード72と接地ノードの間に接続されかつそのゲートがノード83に接続されるPチャネルMOSトランジスタ78を含む。これらのMOSトランジスタ78−80は、それぞれ、しきい値電圧VTPを有する。
抵抗素子81は、MOSトランジスタ79および80のオン抵抗よりも十分大きな抵抗値を有しており、MOSトランジスタ79および80は、ダイオードモードで動作し、それぞれ|VTP|の電圧降下を生じさせる。したがって、ノード83には、電圧VDD−2・|VTP|の電圧が生成される。
MOSトランジスタ78は、電源ノード72の電圧が、ノード83の電圧よりも|VTP|高くなると導通する。したがって、電源ノード72は、MOSトランジスタ78により、電圧VDD−|VTP|にクランプされる。
この図19に示す構成においては、基準電圧V75は、次式(28)で与えられる。
V75
=−|VTP|+(V3・R4+R3・VDD)/(R3+R4)…(28)
MOSトランジスタ62は、そのゲートーソース間電圧が、VTP以下となると導通するため、昇圧電圧V59は、次式(29)で与えられる。
V59=V75+|VTP|
=(V3・R4+VDD・R3)/(R3+R4) …(29)
電圧V3の電圧レベルを、たとえば別の昇圧回路を用いて所望の電圧レベルに設定し、かつ抵抗素子73および74の抵抗値を適当な値に設定する。これにより、所望の電圧レベルに、この昇圧電圧V59のレベルを、MOSトランジスタ62のしきい値電圧の変動の影響を受けることなく正確に設定することができる。
内部の電源回路216において、電圧VDD−|VTP|を生成することにより、この電源回路216のMOSトランジスタのしきい値電圧の変動を電圧レベル検出用のMOSトランジスタのしきい値電圧の変動を同じとすることができ、正確に電圧レベル検出用のMOSトランジスタのしきい値電圧の影響を相殺することができる。
なお、図19に示す電源回路214および216においては、電圧ベル検出用のMOSトランジスタの電圧降下に応じた電圧降下を、それぞれ、直列接続されるダイオード接続されたMOSトランジスタ数およびトランジスタの極性を調整することにより、電圧レベル検出用MOSトランジスタの構成に応じた電圧を基準電圧発生回路212に対する電源電圧として生成することができる。
[実施の形態13]
図20は、この発明の実施の形態13に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図20に示す内部電圧発生回路は、図19に示す内部電圧発生回路と、電源回路214の構成が異なる。
電源回路214は、主電源ノード2とノード88の間に接続されかつそのゲートがノード91に接続されるNチャネルMOSトランジスタ87と、主電源ノード2とノード91の間に接続されかつそのゲートがノード88に接続されるNチャネルMOSトランジスタ90と、クロックノード80に与えられる繰返し信号φBをノード88に伝達する容量素子86と、クロック入力ノード85に与えられる補の繰返し信号ZφBをノード91に伝達する容量素子89と、ノード88と基準電圧発生回路210の電源ノード71の間にノード88から見て順方向に接続されるダイオード接続されたPチャネルMOSトランジスタ77を含む。
繰返し信号φBおよびZφBは、互いに相補な信号であり、その振幅は、VBである。振幅VBは、しきい値電圧VTNよりも高い電圧レベルである。電圧V3は、VDD+VBで与えられる。
この図20に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図19に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
図21は、図20に示す電源回路214の動作を示す信号波形図である。以下、図21を参照して、図20に示す電源回路214の動作について説明する。
繰返し信号φBおよびZφbは、振幅VBである。繰返し信号φBがHレベルとなると、ノード88が、容量素子86のチャージポンプ動作によりその電圧レベルが上昇する。このとき、ノード91は、繰返し信号ZφPがLレベルに立下がるため、容量素子89によりその電圧レベルが低下する。ノード88がハイレベルであり、MOSトランジスタ90が導通し、ノード91が、電源電圧VDDレベルにクランプされる。
ここで、繰返し信号φBおよびZφBの振幅VBは、しきい値電圧VTNよりも高い電圧レベルである。したがって、ノード88は、この繰返し信号φBが立上ると、そのプリチャージ電圧VDDレベルからさらに電圧VB上昇し、ノード88の電圧レベルは、電圧VB+VDDの電圧レベルとなる。MOSトランジスタ87は、ゲートに電源電圧VDDを受けており、また、そのソースが電源ノードとなり、MOSトランジスタ87は、この状態においては非導通状態を維持する。電圧VBは、しきい値電圧VTNよりも高い電圧であり、ノード91を確実にMOSトランジスタ90を介して電源電圧VDDレベルにプリチャージすることができる。
ノード88の電圧レベルがVDD+VBとなると、電源ノード71の電圧が、VDD+VB−|VTP|以下のときには、MOSトランジスタ77が導通し、電源ノード71へ正電荷を供給し、その電圧レベルを上昇させる。
定常状態においては、ノード88は、電源電圧VDDと電圧VB+VDDの間で変化し、ノード91も、電圧VDDと電圧VDD+VBの間で変化する。この電圧VB+VDDを電圧V3とすれば、基準電圧発生回路210の電源ノード71には、電圧V3−|VTP|の電圧が供給される。
電圧VBは、MOSトランジスタ87および90を導通させて、内部ノード88および91を電源電圧レベルにプリチャージすることができる電圧レベルであればよい。従って、この電圧VBを、電源電圧VDDを降圧して生成して、繰返し信号φBおよびZφBを生成する回路の電源電圧として利用することにより、振幅VBの繰返し信号φBおよびZφBを生成することができる。
この図20に示す内部電圧発生回路を利用することにより、半導体装置内部で、電圧V3−|VTP|を生成することができる。この場合、電源回路214の回路構成においては、繰返し信号φBおよびZφBの振幅および電源電圧VDDの電圧レベルにより、電圧V3の電圧レベルが制限される。しかしながら、抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4を適当な比に設定することにより、この基準電圧V75を所望の電圧レベルに設定することができ、応じて昇圧電圧V59の電圧レベルを所望の電圧レベルに設定することができる。
[変更例]
図22は、この発明の実施の形態13の変更例の構成を概略的に示す図である。この図22に示す内部電圧発生回路は、図19に示す内部電圧発生回路と、以下の点がで、その構成が異なる。
すなわち、電圧レベル判定回路212において、電圧降下素子として、チャージポンプ回路200の出力ノード59とMOSトランジスタ62の間に、ゲートおよびドレインがMOSトランジスタ62のソースに接続されるPチャネルMOSトランジスタ60が接続される。従って、電圧レベル判定回路212は、昇圧電圧V59を電圧V75+2・|VTP|の電圧レベルにあるかを判定する。
電源回路214は、主電源ノード2とノード88の間に接続されかつそのゲートがノード88に接続されるPチャネルMOSトランジスタ93と、クロック入力ノード80に与えられる繰返し信号φCに従って、ノード88へ電荷を供給する容量素子86と、ノード88と基準電圧発生回路210の電源ノード71の間に接続されかつそのゲートが電源ノード71に接続されるPチャネルMOSトランジスタ77を含む。繰返し信号φCは、振幅VDDである。
電源回路216は、主電源ノード2と内部ノード83の間に直列に接続されるそれぞれがダイオード接続されるPチャネルMOSトランジスタ79a−79cと、ノード83と接地ノードの間に接続されかつ高抵抗の抵抗素子81を含む。
この図22に示す内部電圧発生回路の他の構成は図19に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図22に示す内部電圧発生回路の構成においては、電源回路214に対して、振幅VDDの繰返し信号φCが与えられる。この電源回路214の構成は、チャージポンプ回路200の構成と同じである。ノード88は、MOSトランジスタ93により、その下限電圧が、電圧VDD−|VTP|にクランプされる。したがって、このノード88の電圧は、VDD−|VTP|と、2・VDD−|VTP|の間で変化する。MOSトランジスタ77がダイオード素子として動作するため、電源ノード71の電圧レベルは、2・VDD−2・|VTP|の電圧レベルとなる。
電源回路216においては、MOSトランジスタ79a−79cが、それぞれのオン抵抗が、抵抗素子81の抵抗値よりも十分小さいため、ダイオード素子として動作し、それぞれ|VTP|の電圧降下を生じさせる。MOSトランジスタ78が、ソースフォロアモードで動作するため、電源ノード72へは、電圧VDD−2・|VTP|の電圧が伝達される。
したがって、基準電圧発生回路210からは、次式(29)で表わされる基準電圧V75が生成される。
V75
=(2・R4+R3)・VDD/(R3+R4)−2・VTP…(29)
電圧レベル判定回路212においては、MOSトランジスタ60および62により、検出電圧レベルについて、電圧2・|VTP|の電圧降下が生じるため、内部電圧V59の電圧レベルは、次式(30)で表わされる。
V59=VDD(2・R4+R3)/(R3+R4)…(30)
したがって、振幅VDDの繰返し信号φCを用いても、抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4を適当な値に設定することにより、この内部電圧V59を、所望の電圧レベルに設定することができる。
たとえば、抵抗素子73および74の抵抗値R3およびR4が等しい場合には、この内部電圧V59を、3・VDD/2の電圧レベルに設定することができる。この場合、DRAMにおいて、ワード線駆動時においては昇圧電圧として、メモリアレイ電源電圧の1.5倍の電圧が一般に用いられるため、昇圧ワード線駆動方式のDRAMにおいて、選択ワード線を駆動するワード線駆動信号を生成するために、昇圧電圧V59を用いることができる。
以上のように、この発明の実施の形態13に従えば、基準電圧発生回路に対する電源電圧を内部で、電圧検出の電圧降下を考慮して生成しており、安定に所望の電圧レベルの基準電圧を生成することができ、応じて、安定に、昇圧電圧を生成することができる。
[実施の形態14]
図23は、この発明の実施の形態14に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図23に示す内部電圧発生回路は、図20に示す内部電圧発生回路と以下の点においてその構成が異なっている。
すなわち、電圧レベル判定回路212において、PチャネルMOSトランジスタ62とチャージポンプ回路200の出力ノード59の間に、ダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタ96が接続される。このNチャネルMOSトランジスタ96は、そのオン抵抗は、抵抗素子63の抵抗値に比べて十分小さく、導通時ダイオードモードで動作し、昇圧電圧V59に対して電圧VTNの電圧降下を生じさせて、MOSトランジスタ62のソースへ伝達する。
電源回路2142おいては、PチャネルMOSトランジスタ77と基準電圧発生回路210の電源ノード71の間に、ダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタ94が接続される。このNチャネルMOSトランジスタ94は、導通時、ダイオードモードで動作し、MOSトランジスタ77から電源ノード71に対し、VTNの電圧降下を生じさせる。
電源回路216においては、主電源ノード2とPチャネルMOSトランジスタ79aの間に、ダイオード接続されるNチャネルMOSトランジスタ95が接続される。このNチャネルMOSトランジスタ95は、そのゲートおよびドレインが主電源ノード2に接続され、ダイオードモードで動作し、電圧VTNの電圧降下を生じさせる。
この図23に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図20に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図23に示す電源回路214においては、繰返し信号φBおよびZφBは、振幅VBの信号であり、ノード88は、電源電圧VDDと電圧VB+VDDの間で変化する。したがって、基準電圧発生回路210において、電源ノード71に対して、電圧VB+VDD−VTN−|VTP|=V3−VTN−|VTP|の電圧が供給される。
一方、電源回路216において、MOSトランジスタ95による電圧降下VTNとMOSトランジスタ79aおよび79bによる電圧降下2・|VTP|が生じる。したがって、MOSトランジスタ78のソースノード、すなわち基準電圧発生回路210の電源ノード72には、VDD−VTN−|VTP|の電圧が発生する。この構成においては、基準電圧V75は、次式(31)で与えられる。
V75=−VTN−|VTP|
+(R3・VDD+R4・V3)/(R3+R4)…(31)
電圧レベル判定回路212において、MOSトランジスタ62および96により、電圧降下VTN+|VTP|が生じる。したがって、上式(31)の右辺第1項および第2項が相殺され、昇圧電圧V59の電圧レベルを、電圧V3、VDD、および抵抗値R3およびR4により、所望のレベルに設定することができる。
なお、この図23に示す内部電圧発生回路の構成において、電源回路216におけるMOSトランジスタ95および79aおよび79bの接続順序は任意である。同様、電源回路214において、MOSトランジスタ77および94の位置が交換されてもよい。
なお、繰返し信号φBおよびZφBの振幅VBは、電圧VTN以上であればよい。初期状態において、ノード88および91が、電源電圧VDDよりも低い電圧レベルであっても、MOSトランジスタ87および90のプリチャージ動作により、ノード88および91の電圧が上昇し、VDD−VTNにプリチャージされると、ノード88および91の電圧レベルが、VB+VDD−VTNに充電され、それ以降、ノード88および91のプリチャージ電圧レベルが、電源電圧VDDとなる。これ以降、ノード88および91は電圧VDDと電圧VDD+VBの間で変化する。従って、この状態においては、MOSトランジスタ77および94をともに導通状態として基準電圧発生回路210の電源ノード71に所望の電圧レベルの電圧を供給することができる。
なお、この電源回路214および216の構成としては、電圧レベル判定回路212の電圧降下用のMOSトランジスタのしきい値電圧の影響が、この内部電圧V59の電圧レベルに影響を及ぼすのを相殺される構成であれば、先の実施の形態7から12における内部回路の構成を利用することができる。
以上のように、電圧レベル検出用にPおよびNチャネルMOSトランジスタが用いられれる構成であっても、電源回路において、これらの電圧レベル検出トランジスタと同一の構成を利用して、振幅が制御された繰返し信号を利用して基準電圧発生回路に対する電源電圧を生成することにより、所望の電圧レベルの昇圧電圧を正確に生成することができる。
[実施の形態15]
図24は、この発明の実施の形態15に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図24に示す内部電圧発生回路は、図6に示す内部電圧発生回路の構成に対応するものの、以下の点において、この図6に示す内部電圧発生回路の構成と異なる。すなわち、チャージポンプ回路100に対しては、常時、繰返し信号φがクロック入力ノード1からノード4を介して容量素子5へ与えられる。したがって、チャージポンプ回路100は、常時チャージポンプ動作を実行する。
電圧レベル判定回路112においては、電圧レベル検出用のNチャネルMOSトランジスタ12のドレインノード14は、主電源ノード2に結合される。MOSトランジスタ12のソースノード11aは、ダイオード接続されるPチャネルMOSトランジスタ10cに接続される。MOSトランジスタ10cとチャージポンプ回路100の出力ノードの間にダイオード接続されるMOSトランジスタ10bが接続される。MOSトランジスタ10bおよび10cの導通時、ノード11aと出力ノード9の間に、VTN+|VTP|の電圧降下が生じる。
この図24に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図6に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
チャージポンプ回路100が生成する内部電圧V9と基準電圧発生回路110の生成する基準電圧V25の電圧差が、2・VTN+|VTP|となると、MOSトランジスタ12、10cおよび10bが導通する。この状態においては、主電源ノード2から電流が、チャージポンプ回路100の出力ノード9へ供給され、内部電圧V9の電圧レベルが上昇する。内部電圧V9の電圧レベルが、V25−2・VTN−|VTP|よりも高くなると、MOSトランジスタ12、10cおよび10bの少なくとも1つがオフ状態となり、主電源ノード2からチャージポンプ回路100の出力ノード9への電流が供給される経路が遮断される。
したがって、この図24に示す内部電圧発生回路の構成の場合、チャージポンプ回路100の出力電圧V9の電圧の下限電圧レベルをクランプすることができ、内部電圧V9の電圧変動を抑制することができる。
したがって、チャージポンプ回路100が常時動作し、低消費電力性がそれほど要求されない用途においては、安定な電圧レベルの内部電圧V9を供給することができる。
この構成においても、電圧レベル検出用のMOSトランジスタ12、10cおよび10bのしきい値電圧が、製造パラメータのばらつきなどによりばらついても、このしきい値電圧のばらつきの影響を相殺して、所望の電圧レベルに内部電圧V9を設定することができる。
[変更例]
図25は、この発明の実施の形態15の変更例の構成を示す図である。この図25に示す内部電圧発生回路の構成は、図13に示す内部電圧発生回路の構成に対応する。チャージポンプ回路200へは、常時、クロック入力ノード1からノード4を介して繰返し信号φへ与えられる。電圧レベル判定回路112においては、図24に示す構成と同様、検出用のMOSトランジスタ12のドレインノード14が、主電源ノード2に結合される。このMOSトランジスタ12のソースノード11aとチャージポンプ回路100の出力ノード9の間に、導通時、電圧Vdrpの電圧降下を生じさせる電圧降下素子群46が設けられる。この電圧降下素子群46において、直列に接続される電圧降下素子は、ダイオードモードで動作するMOSトランジスタまたはダイオードで構成される。この電圧降下素子群46の内部構成としては、先の実施の形態1から6のいずれの構成が用いられてもよい。
基準電圧発生回路110において、その電源ノード21に対しては、電源回路114から電圧V1+VTN+Vdrpが与えられ、電源ノード22に対しては電源回路116から、電圧V2+VTN+Vdrpが与えられる。この図25に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図24に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図25に示す内部電圧発生回路の構成においても、チャージポンプ回路100の出力電圧V9が、電圧V25−VTN−Vdrpよりも低くなると、このMOSトランジスタ12および電圧降下素子群46において電流が流れる経路が形成される。応じて、主電源ノード2から、チャージポンプ回路100の出力ノード9へ電流が供給され、内部電圧V9の電圧レベルが上昇する。
一方、内部電圧V9の電圧レベルが、電圧V25−VTN−Vdrp以上の場合には、MOSトランジスタ12および電圧降下素子群46において電流が流れる経路が遮断され、チャージポンプ回路100により、この内部電圧V9の電圧レベルが低下される。
電源回路114および116は、それぞれ、電圧降下素子群46に含まれる電圧降下素子のしきい値電圧および/または順方向降下電圧の影響を相殺するように、これらの電圧降下素子群46およびMOSトランジスタ12と同様の接続を備える回路部分を有している(図13参照)。したがって、この図25に示す構成においても、電圧降下素子群46におけるしきい値電圧/順方向降下電圧およびMOSトランジスタ12のしきい値電圧が変動しても、正確に、内部電圧V9の電圧レベルを所定電圧レベルに維持することができ、内部電圧V9の電圧レベルの変動を抑制することができる。
[実施の形態16]
図26は、この発明の実施の形態16に従う内部電圧発生回路の構成を示す図である。この図26に示す内部電圧発生回路の構成は、図16に示す内部電圧発生回路の構成に対応する。チャージポンプ回路200は、クロック入力ノード1を介して繰返し信号φが常時受け、チャージポンプ動作を実行して、内部電圧V59を生成する。このチャージポンプ回路200の構成は、図16に示すチャージポンプ回路200の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図26に示す内部電圧発生回路においては、電圧レベル検出用のPチャネルMOSトランジスタ62のドレインノード64が、接地ノードに結合される。チャージポンプ回路200の出力ノード59とこのMOSトランジスタ64のソースノード61の間に、それぞれダイオード接続されるMOSトランジスタ65および60が直列に接続される。これらのMOSトランジスタ65および60は、それぞれNチャネルMOSトランジスタおよびPチャネルMOSトランジスタであり、導通時、電圧VTNおよび|VTP|の電圧降下を生じさせる。
基準電圧発生回路210は、図16に示す構成と同じ構成を備え、電源ノード71および72にそれぞれ与えられる電圧V3−VTN−2・|VTP|およびV4−VTN−2・|VTP|を、抵抗素子73および74により抵抗分割して基準電圧V75を生成する。
この図26に示す内部電圧発生回路の構成において、内部電圧V59が、電圧V75+2・|VTP|+VTNよりも高くなると、MOSトランジスタ65、60および62が導通し、チャージポンプ回路200の出力ノード59から接地ノードへ電流が流れ、内部電圧(昇圧電圧)V59の電圧レベルが低下する。昇圧電圧V59と基準電圧V75の電圧差が、2・|VTP|−VTNよりも小さい場合には、MOSトランジスタ65、60および62の少なくとも1つが非導通状態である。この状態においては、チャージポンプ回路200が繰返し信号φに従って、チャージポンプ動作を行って、昇圧電圧V59を生成する。
したがって、この構成においても、昇圧電圧V59の上限を、(V3・R4+V4・R3)/(R3+R4)の電圧レベルにクランプすることができ、昇圧電圧V59の電圧変動を抑制することができる。したがって、チャージポンプ回路200が常時動作し、低消費電力特性が要求されない用途において、この昇圧電圧V59を安定に所望の電圧レベルに維持することができる。
また、MOSトランジスタ65、60および62のしきい値電圧の影響は、この電源ノード71および72へそれぞれ電圧を供給する電源回路においてその影響が相殺されるように基準電圧210に対する電源電圧が生成されており、しきい値電圧の変動の影響を受けることなく、この昇圧電圧V59を所望の電圧レベルに維持することができる。
[変更例]
図27は、この発明の実施の形態16の変更例を示す図である。この図27に示す内部電圧発生回路は、図18に示す内部電圧発生回路の構成に対応する。この図27に示す内部電圧発生回路は、図18に示す内部電圧発生回路とその構成が以下の点において異なっている。すなわち、チャージポンプ回路200へは、クロック入力ノード1から繰返し信号φが常時与えられて、チャージポンプ動作が行なわれて、内部電圧V59が生成される。
電圧レベル判定回路212においては、検出用のMOSトランジスタ62のドレインノード64が直接接地ノードに結合される。このMOSトランジスタ62のソースは、電圧降下素子群67を介して、チャージポンプ回路200の出力ノード59に結合される。この電圧降下素子群67は、図18に示す構成と同様、ダイオード素子、またはダイオード接続されるMOSトランジスタで構成され、導通時、電圧Vdrpの降下を生じさせる。
この図27に示す内部電圧発生回路の他の構成は、図18に示す内部電圧発生回路の構成と同じであり、対応する部分には同一参照番号を付し、その詳細説明は省略する。
この図27に示す内部電圧発生回路の構成においては、チャージポンプ回路200が常時チャージポンプ動作を行なって昇圧電圧V59を生成する。この昇圧電圧V59が、基準電圧発生回路210からの基準電圧V75よりも、|VTP|+Vdrp高くなると、電圧降下素子群67における電圧降下素子がすべて導通し、またMOSトランジスタ62も導通し、このチャージポンプ回路59の出力ノードから接地ノードへ電流が流れ、昇圧電圧V59の電圧レベルが低下する。一方、昇圧電圧V59と基準電圧V75の差が、|VTP|+Vdrpよりも小さい場合には、この電圧降下素子群67およびMOSトランジスタ62においては、少なくとも1つの電圧降下素子が非導通状態であり、チャージポンプ回路59から接地ノードへの電流の経路は遮断される。
したがって、この図27に示す構成においても、昇圧電圧V59の電圧レベルの上昇を抑制することができ、安定に所望の電圧レベルの昇圧電圧を生成することができる。また、図18に示す内部電圧発生回路の構成と同様、基準電圧V75には、電圧降下素子群67および検出用のMOSトランジスタ62のしきい値電圧および順方向降下電圧も電圧成分が含まれており、これらの電圧成分が変動しても、その影響を相殺して、正確に所望の電圧レベルに、昇圧電圧V59を設定することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
上述の構成において、チャージポンプ回路は、1個のチャージポンプ容量素子と、2個のダイオード接続されたMOSトランジスタとで構成されている。しかしながら、容量素子のチャージポンプ動作を利用して内部電圧を発生する回路であれば、本発明は適用可能である。
また、内部電圧発生回路に限定されず、この内部電圧の電圧レベルを検出する電圧検出回路に対して、本発明の電圧レベル判定回路、基準電圧発生回路および電源回路の構成を適用することができる。すなわち、基準電圧と目標電圧の差を半導体素子の電圧降下特性を利用して目標電圧のレベルを検出する回路に対して、本発明を提供することができる。
特定的に、この発明は、DRAMにおけるワード線駆動電圧発生回路、メモリアレイの基板バイアス電圧発生回路および負電圧発生回路に対して適用することができる。また、フラッシュメモリなどの不揮発性半導体記憶装置において、書込/消去電圧を発生する回路に対して本発明は適用可能である。
また、TFTアクティブマトリクス回路において、TFT画素ドライブトランジスタを駆動するゲート駆動電圧を発生する回路に対して本発明は適用可能である。
また、本発明は、一般に、MOSトランジスタを構成要素として含み、内部で電源電圧の電圧レベルと異なる電圧を生成する半導体装置の内部電圧発生回路および電圧検出回路に対して適用することができる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19】

【図20】

【図21】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
繰返し信号(φ)に従ってチャージポンプ動作を行なって出力ノード(9;59)に内部電圧を発生するチャージポンプ回路(100;200)、および
基準電圧(V14;V75)と前記内部電圧(V9;V59)との差に従って前記内部電圧が予め定められた電圧レベルに到達したかを検出する電圧レベル検出回路(112;212)を備え、前記電圧レベル検出回路は、少なくとも、前記基準電圧をゲートに受け、前記基準電圧と前記内部電圧との差に応じて選択的に導通する絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成される検出トランジスタ(12;62)を含み、
少なくとも前記検出トランジスタのしきい値電圧(VTN;VTP)が、前記基準電圧と前記内部電圧との差の検出に及ぼす影響を相殺するように前記基準電圧を発生する基準電圧発生回路(110、114、116;210、214、216)を備える、内部電圧発生回路。
【請求項2】
前記電圧レベル検出回路(112;222)の検出結果に従って前記チャージポンプ回路のポンプ動作を選択的に停止させるポンプ制御回路(101;201)をさらに備える、請求の範囲1記載の内部電圧発生回路。
【請求項3】
前記電圧レベル検出回路は(112;212)、該検出結果に従って選択的に前記検出トランジスタ(14;62)を介して前記出力ノード(9;59)と電源ノード(2;GND)の間で電流を流す、請求の範囲1記載の内部電圧発生回路。
【請求項4】
前記電圧レベル検出回路(112;212)は、前記検出トランジスタ(12;62)と前記出力ノード(9;59)の間に接続される少なくとも1個の電圧降下素子(10;10a、10b;10a−10n;10a−10c;15;60;60,65;66)をさらに備え、前記電圧降下素子は、前記内部電圧の検出すべき電圧レベルを、その降下電圧分、変化させ、
前記基準電圧発生回路(110;210)は、前記予め定められた電圧レベルと前記基準電圧(V25;V75)との差が、前記検出トランジスタのしきい値電圧の絶対値と前記電圧降下素子の降下電圧との和に等しくなるように前記基準電圧を生成する、請求の範囲1記載の内部電圧発生回路。
【請求項5】
前記基準電圧発生回路(110;210)は、前記検出トランジスタ(12;62)のしきい値電圧(VTN;VTP)の絶対値と前記電圧降下素子の降下電圧(Vdrp)それぞれに等しい電圧を電圧成分として含む電圧を受ける第1の電源ノード(21;71)と前記しきい値電圧の絶対値と前記電圧降下素子の降下電圧に等しい電圧を電圧成分として含む電圧を受ける第2の電源ノード(22;72)との間に接続される抵抗分圧回路(23,24;73,74)を備え、前記基準電圧(V25;V75)は、前記第1および第2の電源ノードの電圧の抵抗分割した電圧で与えられる、請求の範囲4記載の内部電圧発生回路。
【請求項6】
前記少なくとも1個の電圧降下素子(10;10a,10b;10a−10n;10a−10c;15;60;60,65;66)は、制御電極と一方導通ノードが相互接続された絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(10;10a,10a−10n;10a−10c;60;60a−60p;60;65)を備える、請求の範囲4記載の内部電圧発生回路。
【請求項7】
前記少なくとも1個の電圧降下素子(10;10a、10b;10a−10n;10a−10c;15;60;60,65;66)は、互いに直列に接続されかつそれぞれが一方導通ノードと制御電極ノードが相互接続された複数の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(10a−10c;10a−10n;60a−60p;65)を備える、請求の範囲6記載の内部電圧発生回路。
【請求項8】
前記複数の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ(10a−10n;60a−60p)は、同一導電型である、請求の範囲7記載の内部電圧発生回路。
【請求項9】
前記複数の絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、導電型の異なるトランジスタ(10a−10c;60、65)を含む、請求の範囲7記載の内部電圧発生回路。
【請求項10】
前記電圧降下素子(15;66)は、ダイオード素子(15;66)を備える、請求の範囲4記載の内部電圧発生回路。
【請求項11】
内部ノード(9;59)の内部電圧(V9;V59)のレベルを検出するための電圧検出回路であって、
第1の電源ノード(21;71)と出力ノード(25;75)の間に接続される第1の抵抗素子(23;73)、
第2の電源ノード(22;72)と前記出力ノードの間に接続される第2の抵抗素子(24;74)、
前記出力ノードの電圧(V25;V75)と前記内部電圧との差に応じて、前記内部電圧が所定の電圧レベルに達したかを検出する電圧レベル判定回路(112;212)を備える、電圧検出回路。
【請求項12】
前記電圧レベル判定回路(112;212)は、前記出力ノード(25;75)の電圧をゲートに受ける絶縁ゲート型電界効果トランジスタで構成される検出トランジスタ(12;62)を含み、前記検出トランジスタは、前記出力ノードの電圧と前記内部電圧(V9;V59)との差に応じて選択的に導通し、
前記第1および第2の電源ノード(21、22;71、72)の電圧は、それぞれ、前記検出トランジスタのしきい値電圧(VTN;VTP)に対応する電圧を、その電圧成分として含む、請求の範囲11記載の電圧検出回路。
【請求項13】
前記検出トランジスタ(12;62)は、前記内部ノード(9:59)に結合されて、前記内部電圧(V9;V59)をその一方導通ノードに受けて前記出力ノードの電圧と前記内部電圧との差に応じて選択的に導通する、請求の範囲12記載の電圧検出回路。
【請求項14】
前記電圧レベル判定回路(112;212)は、さらに、前記検出トランジスタ(12;62)と前記出力ノード(9;59)の間に接続される少なくとも1個の電圧降下素子(10;10a−10n;10a−10c;15;60a−60p;65;60,66)を備え、
前記第1および第2の電源ノード(21、22;71、72)の電圧は、それぞれ、前記検出トランジスタのしきい値電圧(VTN;VTP)の絶対値と前記電圧降下素子の降下電圧(Vdrp)の和に対応する電圧を、その電圧成分として含む、請求の範囲12記載の電圧検出回路。
【請求項15】
前記少なくとも1個の電圧降下素子(10;10a−10n;10a−10c;15;60a−60p;65,60;66)は、ダイオードとして機能することのできる少なくとも1個の半導体素子を備える、請求の範囲14記載の電圧検出回路。
【請求項16】
前記電圧レベル判定回路(112;212)は、前記内部電圧(V9;V59)のレベル判定結果に従って、該判定結果を示す信号(V14;V64)を出力する、請求の範囲11記載の電圧レベル検出回路。
【請求項17】
前記電圧レベル判定回路(112;212)は、前記内部電圧(V9;V59)の電圧レベルの判定結果に従って、前記内部ノード(9;59)と電源ノード(2;GND)の間に電流を流す、請求の範囲11記載の電圧レベル検出回路。
【請求項18】
前記第1の電源ノード(21)は、前記内部電圧(V9)と前記基準電圧の差と第1の電圧の和に等しい電圧を受け、前記第2の電源ノード(22)は、前記内部電圧(V9)と前記基準電圧(V25)の差に等しい電圧と第2の電圧の和に等しい電圧を受ける、請求の範囲11記載の電圧検出回路。
【請求項19】
前記第1の電源ノード(71)は、第1の電圧(V3)と前記内部電圧(V59)と前記基準電圧(V75)の差とを減算した電圧を受け、
前記第2の電源ノード(72)は、第2の電圧(V4)と前記内部電圧(V59)と前記基準電圧(V75)の差との減算に等しい電圧を受ける、請求の範囲11記載の電圧検出回路。

【国際公開番号】WO2004/025817
【国際公開日】平成16年3月25日(2004.3.25)
【発行日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−535835(P2004−535835)
【国際出願番号】PCT/JP2002/009301
【国際出願日】平成14年9月11日(2002.9.11)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】