説明

電子放出電極の製造方法および発光装置

【課題】効率良く電子を放出できる電子放出電極を製造する方法を提供する。
【解決手段】本発明の電子放出電極の製造方法は、(1)カーボンナノホーン粒子を構成するカーボンナノホーンに、触媒粒子を担持させる触媒粒子担持工程と、(2)触媒粒子を担持させたカーボンナノホーンから構成されたカーボンナノホーン粒子を、バインダ等を含む溶媒と混合してペーストを調製するペースト調製工程と、(3)そのペーストを、カソード電極にマトリックス状に塗布するペースト塗布工程と、(4)カソード電極上に塗布されたペースト中のカーボンナノホーン粒子を構成するカーボンナノホーンに担持させた触媒粒子から、カーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程と、から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子放出電極の製造方法、特に、カソード電極上に取り付けられたカーボンナノチューブを電子放出源とする電子放出電極の製造方法、および該製造方法で製造した電子放出電極を備える発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電界放出発光素子は、陰極(カソード)と陽極(アノード)を対向配置して、陰極上に電子放出源(エミッタ)となる物質を取り付けて構成される面状の発光装置である。この電界放出発光素子では、陰極と陽極の間に電界をかけて電子を放出させると、その電子が陽極に当たって発光を生じる。
【0003】
この電界放出発光素子は、素子の平面全体が発光し、また、素子自体の厚みも小さいので、取り付け場所を選ばない。そのため、天井あるいは壁面等への取付が容易であるので、蛍光灯や冷陰極ランプに代わる照明光源として期待されている。また、電界放出発光素子は、情報機器やAV機器の画像表示装置としても期待されている。
【0004】
さて、陰極上に電子放出源を取り付けてなる電界放出発光素子の部品は、電子放出素子と呼ばれ、カーボンナノチューブ(CNT)を電子放出源とする電界放出素子が知られている(例えば、特許文献1、2)。
【0005】
カーボンナノチューブを陰極に取り付けて電子放出素子を製造する方法として、カーボンナノチューブをバインダと混ぜたペーストを陰極にスプレーやスクリーン印刷などの手段で塗布することが一般に行われている。
【0006】
しかし、カーボンナノチューブは、バインダ内での分散性が悪いので、ペースト内で束(バンドル)状になるという問題があった。バンドル状になったカーボンナノチューブは、電界を効率的に集中できないので、バンドル状になったカーボンナノチューブを含むペーストを塗布した電子放出電極は電子放出効率が低い。
【0007】
また、本願発明者らは、カーボンナノチューブとカーボンナノホーン粒子から構成されるカーボンナノチューブ・カーボンナノホーン複合体(以下、複合体という)について提案している(特願2008−169942)。この複合体では、カーボンナノホーン粒子(特許文献3)を構成するカーボンナノホーンに担持させた触媒粒子からカーボンナノチューブが成長している。
【0008】
さて、この複合体では、触媒粒子がカーボンナノホーンに所定の間隔を空けて担持されるので、触媒粒子から成長するカーボンナノチューブも、所定の間隔で配置される。そのため、この複合体を電子放出電極の電子放出源として使用すると、電子放出効率の高い電子放出素子を得ることができる。
【0009】
しかしながら、この複合体を、従来のカーボンナノチューブと同様に、バインダに混ぜてペースト状にして陰極に塗布しても、複合体中のカーボンナノチューブはやはりバンドル状になるので、電子放出効率を十分に高くすることは難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−143645号公報
【特許文献2】特開2000−086219号公報
【特許文献3】特開2008−037661号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この課題を解決する手段として、本願発明者らは、触媒粒子を担持させたカーボンナノホーンから構成されるカーボンナノホーン粒子をペーストにし、このペーストをカソード電極上に面状に拡げて塗布した後、その触媒粒子から、化学気相成長法(CVD法)によってカーボンナノチューブを成長させて電子放出電極を製造する方法を別途出願している。
【0012】
この方法によれば、所定の間隔を空けて触媒粒子を担持させたカーボンナノホーンを含むペーストをカソード電極に塗布した後で、その触媒粒子からカーボンナノチューブを成長させることができるので、カーボンナノチューブはカソード電極上でバンドル状にならない。
【0013】
しかし、カソード電極上にペーストを面状に拡げて塗布した場合、カーボンナノホーンに担持させた全ての触媒粒子に、炭素源化合物を均一に接触させることは難しいので、カソード電極上でのカーボンナノチューブの分布に偏りが生じる。そのため、この電子放出電極は、効率良く電子を放出することが難しかった。また、この電子放出電極が発光装置に備えられると、輝度ムラが大きくなるという問題があった。
【0014】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、効率良く電子を放出できる電子放出電極を製造する方法および輝度ムラの少ない発光装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る電子放出電極の製造方法は、カーボンナノチューブを電子放出源とする電子放出電極を製造する方法において、カーボンナノホーンに、前記カーボンナノチューブが成長する基盤となる触媒粒子を担持させる触媒粒子担持工程と、前記触媒粒子を担持させた前記カーボンナノホーンを溶媒と混合してペーストを調製するペースト調製工程と、カソード電極上の複数の独立した区画に前記ペーストを塗布するペースト塗布工程と、前記カソード電極に塗布された前記ペースト中の前記カーボンナノホーンに担持させた前記触媒粒子から、前記カーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程と、を有することを特徴とする。
【0016】
本発明に係る発光装置は、前記方法で製造された電子放出電極を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、カソード電極上に複数の独立した区画に分割して塗布して形成した、触媒粒子を担持させたカーボンナノホーンから構成されるカーボンナノホーン粒子の層(ナノホーン粒子層)の各区画の間を通って、炭素源化合物が各触媒粒子に均一に供給されるので、カーボンナノチューブがカソード電極上で均一に分布する電子放出電極を製造できる。
【0018】
また、本発明によれば、カソード電極上に複数の独立した区画に分割して形成したナノホーン粒子層を構成する各区画のエッジ部分にある触媒粒子からカーボンナノチューブが成長するので、ナノホーン粒子層で成長するカーボンナノチューブの本数が増加した電子放出電極、つまり、電子放出効率が高まるとともに、耐久性が改善された電子放出電極を製造できる。
【0019】
さらに、前記方法で製造した電子放出電極が発光装置に備えられると、輝度ムラの少ない発光装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】(a)は、本発明の実施形態に係る電子放出電極の斜視図、(b)は、図1(a)のA−A線での断面図の一部である。
【図2】電子放出電極の製造方法の手順を説明する図である。
【図3】(a)乃至(d)は、触媒粒子担持工程を説明する図である。
【図4】(a)はペースト塗布工程を説明する平面図を、(b)は、図4(a)のA−A線での断面図である。
【図5】(a)乃至(c)は、カーボンナノチューブ成長工程を説明する図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係る電子放出電極の平面図である。
【図7】(a)は、触媒粒子の一部を側面の開孔部から露出させて担持させた例を、(b)は触媒粒子をカーボンナノホーンの外表面に担持させた例を示す図である。
【図8】本発明の実施形態に係る発光装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0022】
本発明の一実施形態に係る電子放出電極1は、図1に示すように、カソード電極5とカソード電極5に積層されたエミッタ4から構成される。カソード電極5は、カソード基板2とカソード基板2に積層されたカソード導体層3から構成される。
【0023】
カソード基板2は、例えばガラスのような絶縁性素材からなる基板である。カソード導体層3は、カソード基板2に積層された銀やITO膜(Indium Tin Oxide)などを素材とする層である。また、エミッタ4は、複数のブロック6がマトリックス状に配列された電子放出電極1の電子放出源であり、図1(b)に示すように、カーボンナノチューブ・カーボンナノホーン複合体7を含んでいる。
【0024】
カーボンナノチューブ・カーボンナノホーン複合体7は、図1(b)に示すように、カーボンナノホーン粒子8とカーボンナノチューブ9から構成される複合体である。カーボンナノチューブ9は、そのカーボンナノホーン粒子8の外側に向かって延びている。
【0025】
カーボンナノホーン粒子8は、多数のカーボンナノホーン10を球状に集合させた粒子であり、その直径は20nm〜200nm程度である。また、カーボンナノホーン10の直径は、1nm〜5nmであり、カーボンナノホーン10のホーン状に尖った先端部は、カーボンナノホーン10の外側を向いている。
【0026】
カーボンナノチューブ9は、カーボンナノホーン10の内部に配置されるとともに、その一部が、カーボンナノホーン10に形成された開口を介して外部に露出する触媒粒子11の外部に露出した部分から成長している。触媒粒子11は、所定の間隔を空けて配置されているので、触媒粒子11から成長するカーボンナノチューブ9は、各ブロック6でバンドル状にならない。また、カーボンナノチューブ9は、単層、二層または多層をなしている。
【0027】
さて、電子放出電極1は、概略、図2に示すような工程、すなわち次の4工程を経て製造される。
(1)カーボンナノホーン粒子8を構成するカーボンナノホーン10に、触媒粒子11を担持させる触媒粒子担持工程。
(2)触媒粒子11を担持させたカーボンナノホーン10から構成されたカーボンナノホーン粒子8を、バインダ等を含む溶媒と混合してペーストを調製するペースト調製工程。
(3)そのペーストを、カソード電極5にマトリックス状に塗布するペースト塗布工程。
(4)カソード電極5上に塗布されたペースト中のカーボンナノホーン粒子8を構成するカーボンナノホーン10に担持させた触媒粒子11から、カーボンナノチューブ9を成長させるカーボンナノチューブ成長工程。
以下、これらの4工程をそれぞれ詳細に説明する。
【0028】
(触媒粒子担持工程)
図3(a)乃至(d)は、触媒粒子担持工程を説明するための図であり、それぞれの図は、カーボンナノホーン粒子8を構成するカーボンナノホーン10の一部を拡大して示している。なお、本明細書において、「担持」とは、カーボンナノホーン10に形成した開孔部から一部を露出させて触媒粒子11を固定すること、あるいは触媒粒子11をカーボンナノホーン10の外表面に付着させることなどのあらゆる固定態様を意味するものとする。
【0029】
まず、図3(a)に示すように、カーボンナノホーン粒子8を構成するカーボンナノホーン10の側面の五員環や七員環を有する部分を開口して開孔部12を形成する。開孔部12は、カーボンナノホーン10の先端に形成されてもよい。なお、開孔部12の形成は、カーボンナノホーン10を酸化処理または酸処理して行う。
【0030】
酸化処理は、カーボンナノホーン10を酸素雰囲気中で350℃〜550℃に加熱して行う。この処理によれば、0.3nm〜1.0nmの大きさの開孔部12を形成できる。
【0031】
酸処理は、カーボンナノホーン10を110℃の硝酸溶液に15分間浸漬して行う。この処理によれば、1nmの大きさの開孔部12を形成することができる。あるいは、100℃の過酸化水素溶液にカーボンナノホーン10を2時間浸漬しても、同じ大きさの開孔部12を形成することができる。
【0032】
開孔部12を形成したら、開孔部12からカーボンナノホーン10の内部に触媒微粒子13を導入して、図3(b)に示すように、カーボンナノホーン10の内部に触媒微粒子13を内包させる。触媒微粒子13には、Fe、Ni、Co、Pt、Au、Cu、Mo、W、Mgなどの金属またはこれらの金属の合金、あるいはこれらの金属を含む無機または有機化合物を選べばよい。無機化合物には金属酸化物を、有機化合物にはフェロセン、フタロシアニン、シスプラチンとの金属錯体、あるいは金属を内包する金属内包フラーレン類の有機性分子等を選べばよい。
【0033】
触媒微粒子13は、例えば、密閉容器と真空ポンプと熱源を備える昇華装置を用いた場合、以下のステップを経て、カーボンナノホーン10の内部に気相中で導入される。つまり、i)カーボンナノホーン10とともに、触媒微粒子13を密閉容器内に設置した後、真空ポンプを駆動して、その密閉容器内を所定の圧力(1気圧(101325Pa)以下)に調整するステップと、ii)熱源により、密閉容器内を触媒微粒子13が昇華する所定の温度まで加熱して、触媒微粒子13を昇華させるステップと、iii)昇華させた触媒微粒子13を、開孔部12を介してカーボンナノホーン10の内部に導入するステップと、を経てカーボンナノホーン10の内部に導入される。
【0034】
あるいは、浸漬槽を用いた場合、触媒微粒子13は、以下のステップを経て、カーボンナノホーン10の内部に液相中で導入される。つまり、i)浸漬槽内に触媒微粒子13と所定の溶媒を投入した後、触媒微粒子13をその溶媒に溶かして浸漬溶液を調整するステップと、ii)その浸漬溶液に、カーボンナノホーン10を浸漬させるステップと、iii)浸漬溶液中の触媒微粒子13を、開孔部12を介してカーボンナノホーン10の内部に導入するステップと、を経てカーボンナノホーン10の内部に導入される。
【0035】
カーボンナノホーン10の内部に導入された触媒微粒子13は、互いに凝集して、図3(c)に示すように、所定の大きさの触媒粒子11になる。
【0036】
触媒粒子11の大きさは、カーボンナノホーン10に対する触媒微粒子13の内包量を変えることによって調整できる。例えば、触媒微粒子13の内包量を重量比で1%〜20%にすれば、触媒粒子11の大きさは、1nm〜3nmになる。内包量を20%〜40%にすれば、触媒粒子11の大きさは3nm〜6nmになり、50%〜70%にすれば6nm以上になる。なお、触媒微粒子13の内包量は、重量比で80%程度以下とするのが好ましい。
【0037】
触媒微粒子13を気相中でカーボンナノホーン10の内部に導入する場合は、導入温度、導入時間を変えることによって、触媒微粒子13の内包量を調整できる。なお、導入温度は23℃〜1800℃程度が好ましく、導入時間は1〜48時間程度が好ましい。
【0038】
触媒微粒子13を液相中でカーボンナノホーン10の内部に導入する場合は、溶媒の種類、水素イオン濃度(pH)、溶媒中の触媒微粒子13の濃度、導入温度、時間等を変えることによって、触媒微粒子13の内包量を調整できる。
【0039】
次に、触媒粒子11が有する作用(触媒作用)により酸化反応を促進させて、カーボンナノホーン10の先端部14を燃焼除去して、図3(d)に示すように、触媒粒子11の一部をカーボンナノホーン10の外部に露出させる。以上のステップを経て、触媒粒子11は、カーボンナノホーン粒子8を構成するカーボンナノホーン10に担持される。
【0040】
なお、カーボンナノホーン10の先端部14を気相中で除去するには、酸素濃度30%以下かつ温度200℃〜400℃の環境に、カーボンナノホーン10から構成されるカーボンナノホーン粒子8を曝すとよい。酸素濃度が30%よりも高い環境では、酸化反応が進行し過ぎて、先端部14が除去され過ぎるので、触媒粒子11を固定できなくなる。また、温度が200℃よりも低い環境では、触媒粒子11の触媒作用による酸化反応を促進できないため、先端部14を除去できない。また、温度が400℃よりも高い環境でも同様に、酸化反応が進行し過ぎて、先端部14が除去され過ぎるので、触媒粒子11を固定できなくなる。
【0041】
先端部14を液相中で除去するには、濃度30%以下の硝酸溶液に室温で、カーボンナノホーン10から構成されるカーボンナノホーン粒子8を浸漬させればよい。濃度が30%よりも高い硝酸溶液では、酸化反応が進行し過ぎて、先端部14が除去されすぎるので、触媒粒子11を固定できなくなる。
【0042】
(ペースト調製工程)
次に、有機バインダと結着剤を混ぜたテルピオネール溶液に、触媒粒子11を担持させたカーボンナノホーン10から構成されるカーボンナノホーン粒子8を分散してペーストを調製する。
【0043】
有機バインダには、ニトロセルロース、エチルセルロース、アクリル樹脂などを選び、結着剤には、ガラスフリット、金属錯体、導電性微粒子などを選べばよい。
【0044】
(ペースト塗布工程)
ペースト調製工程で調製したペーストを、図4(a)に平面図で、(b)に断面図で示すように、所定のブロック長さ15(ブロック6の一辺の長さ)とブロック間隔16(隣接するブロック6同士の間隔)を有する複数のブロック6が形成されるようにマトリックス状にカソード電極5に塗布する。その後、ペーストを塗布したカソード電極5を加熱処理すると、ナノホーン粒子層17が形成される。
【0045】
なお、ペーストは、ブロック長さ15が、50μm〜1000μm、ブロック間隔16が10μm〜0.1cmになるように塗布すると好ましい。また、ペーストは、厚さ0.1μm〜10μmで均一に塗布することが好ましく、厚さ0.5μm〜3μmで塗布するとより好ましい。
【0046】
なお、加熱処理は、例えば、空気雰囲気下で350℃〜500℃で15〜30分間焼成するか、窒素雰囲気下で400℃〜600℃で15〜30分間焼成すればよい。
【0047】
(カーボンナノチューブ成長工程)
次に、図5(a)に示すように、ナノホーン粒子層17が形成されたカソード電極5を、CVD装置18の反応管19の内部に設置する。そして、反応管19の内部を真空ポンプ20で排気した後、第1のバルブ21を開けてガスボンベ22に封入された不活性ガス(窒素、アルゴンなど)を反応管19に導入し、電気炉23で所定の温度に加熱して、ナノホーン粒子層17を還元処理する。
【0048】
還元処理が終了したら、反応管19を所定の温度(350℃〜1200℃)まで昇温した後、第1のバルブ21を閉じて不活性ガスの供給を停止する。そして、第2のバルブ24を開けて、ガス供給器26に封入された炭素源化合物の反応管19までの流路を開放する。その後、第3のバルブ25を開けて、ガスボンベ22に封入された不活性ガスをキャリアガスとしてガス供給器26に供給すると、ガス供給器26に封入された炭素源化合物は、不活性ガスによって運ばれて、反応管19に導入される。
【0049】
なお、炭素源化合物が、ガス供給器26に気体状態で充填されている場合には、その炭素源化合物は、そのままの状態で、キャリアガスである不活性ガスによって運ばれて、反応管19に導入される。しかし、炭素源化合物が、ガス供給器26に液体状態で充填されている場合には、そのままの状態では炭素源化合物を反応管19に導入できない。そこで、このような場合は、ガス供給器26に温浴装置(不図示)を外設し、この温浴装置でガス供給器26を加熱して炭素源化合物を気化させてから、その炭素源化合物を不活性ガスによって運んで、反応管19に導入すればよい。
【0050】
なお、炭素源化合物の流量は、図示しない流量計で計測されており、反応管19の管径の大きさに応じて調整される。例えば、反応管19の管径が30mm〜100mmの場合には、炭素源化合物の流量は、0.1mL/min〜10L/minの範囲に調整されると好ましく、100mL/min〜1L/minの範囲に調整されるとさらに好ましい。
【0051】
また、炭素源化合物には、メタン、エタン、エチレン、アセチレン、メタノールまたはエタノールなどのガス、あるいはCOガスなどを使用する。
【0052】
また、本実施形態では、不活性ガスをキャリアガスとしているが、他のガス、例えば、水素ガスと不活性ガスを所定の比率で混合した混合ガスをキャリアガスとしてもよい。
【0053】
そして、反応管19に導入された炭素源化合物が、図5(b)に示すように、ブロック間隔16を通って、ナノホーン粒子層17にある各触媒粒子(不図示)に均一に供給されて接触すると、それらの触媒粒子に炭素源化合物が堆積されて成長していく(CVD反応)。このCVD反応を所定時間行うと、図5(c)に示すように、所定の長さまで成長したカーボンナノチューブ9が、均一な分布で形成される。その後、第3のバルブ25を閉じて、ガス供給器26への不活性ガスの供給を停止した後、第2のバルブ24を閉じて、炭素源化合物の反応管19までの流路を遮断することによって、反応管19への炭素源化合物の供給を停止する。以上のプロセスによって、電子放出電極1が完成する。
【0054】
また、ナノホーン粒子層17のブロック間隔16を通って供給された炭素源化合物は、ナノホーン粒子層17を構成する各ブロック6のエッジ部分にある各触媒粒子(不図示)と接触した後、それらの触媒粒子(不図示)にも堆積されて成長していくので、ナノホーン粒子層17で成長するカーボンナノチューブ9の本数は多くなる。
【0055】
なお、触媒粒子11から成長するカーボンナノチューブ9の種類は、成長基盤となる触媒粒子11の大きさによって異なるので、触媒粒子11の大きさを調整することによって、種々のカーボンナノチューブ9を成長させることができる。例えば、触媒粒子11の大きさを1nm〜3nmに調整すれば、主に単層のカーボンナノチューブ9を成長させることができる。また、触媒粒子11の大きさを、3nm〜6nmにすれば、主に2層のカーボンナノチューブ9を、6nm以上にすれば、主に多層のカーボンナノチューブ9をそれぞれ成長させることができる。
【0056】
本実施形態では、触媒粒子11の大きさは、触媒粒子担持工程において、カーボンナノホーン10への触媒微粒子13の内包量を変えて調整する例を示したが、実施形態はこれに限られない。例えば、カーボンナノチューブ成長工程中に、触媒微粒子13を内包したカーボンナノホーン10を真空中または不活性ガス中で熱処理して、触媒粒子11の大きさを調整してもよい。例えば、真空中または不活性ガス中において、500℃〜800℃で1〜30分間熱処理すれば、触媒粒子11の大きさを1nm〜3nmに調整できる。また、500℃〜800℃で30〜60分間熱処理すれば3nm〜6nmに、800℃以上で30分〜3時間熱処理すれば6nm以上にそれぞれ調整できる。
【0057】
また、ナノホーン粒子層17を構成する複数のブロック6のブロック長さ15、および/または、ブロック間隔16を変えたり、炭素源化合物の供給濃度や供給流量を変えたりすれば、カーボンナノチューブ9を所望の長さに調整できる。
【0058】
また、カーボンナノホーン10に対するカーボンナノチューブ9の割合は、炭素源化合物の供給流量や、カーボンナノチューブ9の成長時間を変えることにより、重量比で1%〜99%の範囲で調整できる。
【0059】
また、本実施形態では、複数のブロック6を整列させてナノホーン粒子層17をマトリックス状に形成する例を示したが、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。ブロック6は必ずしも整列して配置する必要はなく、ブロック6の形状も角形に限定されない。例えば、図6に平面図で示すように、ブロック6をドット形状にして、所定のドット間ピッチ27を有するようにナノホーン粒子層17を形成してもよい。
【0060】
また、本実施形態では、カーボンナノホーン10の内部に配置させた触媒粒子11の一部が、カーボンナノホーン10の先端部14で外部に露出する例を示したが、本発明の実施形態はこれに限られない。例えば、図7(a)で、カーボンナノホーン粒子8を構成するカーボンナノホーン10の一部を拡大して示すように、カーボンナノホーン10の内部に配置させた触媒粒子11の一部が、カーボンナノホーン10の側面に開口する開孔部12で外部に露出するようにしてもよい。
【0061】
あるいは、触媒粒子11を所定の溶媒に溶解させてなる溶液に、開口していないカーボンナノホーン10を浸漬して、その外表面に触媒粒子11を含浸させた後、高温で焼成する方法(含浸焼成法)によって、図7(b)で、カーボンナノホーン粒子8を構成するカーボンナノホーン10の一部を拡大して示すように、カーボンナノホーン10の外表面に触媒粒子11を担持させてもよい。
【0062】
図8は、電子放出電極1を部品として含む、発光装置28の概念的な構成を示す断面図である。図8に示すように、発光装置28は、電子放出電極1とアノード電極29を対向配置して、電子放出電極1とアノード電極29の間の空間30を、フリットガラスからなるシール部材31で閉囲して、空間30を10−2Torr以下の真空に保持して構成されている。
【0063】
なお、アノード電極29は、絶縁性素材(例えばガラス)からなるアノード基板32上に、酸化インジウムとスズの複合酸化物(ITO;(Indium Tin Oxide))の薄膜を成膜してアノード導体層33を形成し、更に、その上に蛍光物質を積層して蛍光体層34を形成している。
【0064】
また、発光装置28において、カソード導体層3に金属または合金などの反射性を有する素材を用いると、マトリックス状に形成されたエミッタ4を構成する複数のブロック6のブロック間隔16で、蛍光体層34から放射された光を反射できるので、発光装置28の輝度を高めることができる。また、カソード導体層3に透明電極膜を用いると、ブロック間隔16から光が外部に透過できるので、電子放出電極1とアノード電極29の両面から発光させることができる。
【0065】
以上、本発明によれば、カソード電極上に複数の独立した区画に分割して塗布して形成した、触媒粒子を担持させたカーボンナノホーンから構成されるカーボンナノホーン粒子の層(ナノホーン粒子層)の各区画の間を通って、炭素源化合物が各触媒粒子に均一に供給されるので、カーボンナノチューブがカソード電極上で均一に分布する電子放出電極を製造できる。また、本発明によれば、カソード電極上に複数の独立した区画に分割して形成したナノホーン粒子層を構成する各区画のエッジ部分にある触媒粒子からカーボンナノチューブが成長するので、ナノホーン粒子層で成長するカーボンナノチューブの本数が増加した電子放出電極、つまり、電子放出効率が高まるとともに、耐久性が改善された電子放出電極を製造できる。さらに、前記方法で製造した電子放出電極が発光装置に備えられると、輝度ムラを少なくできる。
【実施例】
【0066】
以下に実施例を示し、さらに詳しく本発明について例示する。以下の例は、本発明の技術的範囲を制限するものではない。
【0067】
(実施例1)
本発明の製造方法で電子放出電極を作製し、その電極の電子放出特性を評価した。
【0068】
(触媒粒子の担持)
カーボンナノホーン(CNH)の開孔を、乾燥空気中で500℃まで1℃/minで昇温した後、自然放冷して形成した(以下、この生成物をCNHOXと略記する)。この時の乾燥空気の流量は、200mL/minで行った。次に、酢酸鉄(50mg)とCNHOX(50mg)とをエタノール溶液20mL中で混合し、室温で約24時間撹拌した。その混合液を、フィルターを用いて2回濾過した後、24時間真空乾燥を行い、溶媒を完全に留去した(以下、この生成物をFe−CNHOXと略記する)。透過型電子顕微鏡(以下、TEMと略記する)でCNHOXを観察すると、先端部や側面にある欠陥部(五員環や七員環が存在する部位)に1nm程度の大きさの孔が形成されていた。また、Fe−CNHOXをTEMで観察した結果、1〜3nm程度の大きさの酸化鉄粒子が、先端部や側面にある欠陥部に形成された孔から一部が外部に露出した状態で担持されていた。
【0069】
(ペーストの調製)
上記手法で作製したFe−CNHOX(200mg)を、α−テルピオネール(15mL)中で30分間超音波処理して分散させて分散液を調製した後、200mgのセルロース系有機バインダと400mgのガラスフリットを混合して、30分間超音波処理してペーストを調製した。
【0070】
(ペーストの塗布)
前記ペーストを、ITOをスパッタしたガラス基板(カソード電極)上に、ブロック長さ0.1mm、ブロック間隔0.05mm、厚さが2μm程度になるようにマトリックス状にスクリーン印刷した後、窒素雰囲気下500℃で熱処理して有機バインダを除去して、Fe−CNHOXの層をカソード電極上に形成した(以下、マトリックス状カソード電極と略記する)。また、電子放出特性を比較するため、上述したのと同じ手順で、カーボンナノホーン粒子を面状に塗布したカソード電極(以下、面状カソード電極と略記する)を作製した。
【0071】
(カーボンナノチューブの成長)
上記手法で作製したマトリックス状カソード電極を電気炉内に設置し、アルゴンと水素の混合ガス気流中(Ar:500mL/min、水素:50mL/min)で400℃まで昇温し、30分間保持してFe−CNHOXの層を還元した後、アルゴン気流中で600℃まで昇温した。そして、アルゴンガスをエタノールにバブリングさせて、エタノールガスを反応管に導入し、20分間CNTを成長させて電子放出電極(以下、マトリックス状電子放出電極と略記する)を作製した。また、面状カソード電極についても、上述した手順でCNTを成長させて電子放出電極(以下、面状電子放出電極と略記する)を作製した。これらの電極の表面を走査型電子顕微鏡(以下、SEMと略記する)で観察したところ、面状電子放出電極では、CNTの成長にムラがあるのに対して、マトリックス状電子放出電極では、各ブロックのエッジ部分での密度が高いものの、ほぼ均一な分布でCNTは成長していた。
【0072】
(発光装置の作製)
上記手法で作製した各電極を用いて発光装置を作製した。ここで、アノード電極は、透明なガラス基板の上面にITO膜をスパッタにより形成し、ITO膜の上面に蛍光体層をスクリーン印刷で塗布して作製した。電極の大きさは、2cm×2cmとし、電極間の距離は3mmに設定した。また、発光装置内部の真空度を4×10−5Paまで低下させた後、アノード電極と電子放出電極の間をガラスフリットで封止した。
【0073】
(電子放出特性の評価)
上記手法で作製した発光装置を点灯して、各発光装置の輝度を測定したところ、マトリックス状電子放出電極を備える発光装置は、面状電子放出電極を備える発光装置と比較して、発光開始電圧が小さくなり、また、エミッタの単位面積当たりの輝度の平均((cd/m)/(cm))が、同じエミッタ面積(1cm)で比較した場合、30%向上することが確認された(マトリックス状電子放出電極の輝度:13000、面状電子放出電極の輝度:10000)。また、マトリックス状電子放出電極を備える発光装置は、輝度ムラが20%減少していた。さらに、各発光装置を、100時間連続して点灯したところ、面状電子放出電極を備える発光装置の輝度は、マトリックス状電子放出電極を備える発光装置の輝度と比較して、10%低下していた。
【0074】
(実施例2)
ブロック長さが0.05mm、ブロック間隔が0.05mmのマトリックス状電子放出電極を作製した後、実施例1と同様の方法で、この電極を備える発光装置を作製した。この発光装置と電子放出特性を比較するため、実施例1と同様の手法で、面状電子放出電極を備える発光装置を作製した。これらの各発光装置を点灯して輝度ムラを測定したところ、マトリックス状電子放出電極を備える発光装置は、面状電子放出電極を備える発光装置と比べて、輝度ムラが5%減少していた。
【0075】
(実施例3)
ブロック長さが0.1mm、ブロック間隔が0.05mmのマトリックス状電子放出電極とブロック長さが0.05mm、ブロック間隔が0.05mmのマトリックス状電子放出電極を作製した後、これらの電極表面をSEMで観察したところ、ブロック長さ0.05mmの電極は、ブロック長さが0.1mmの電極と比べて、CNTが均一な分布で成長しており、また、成長しているCNTの本数も多いことが確認された。
【0076】
(実施例4)
ガラス基板にアルミニウムをベタ状に蒸着させて導電層を形成した後、実施例1と同様の手法でマトリックス状電子放出電極を作製した。この電極を備える発光装置を作製して、点灯させたところ、実施例1のマトリックス状電子放出電極を備える発光装置と比べて電流電圧特性に変化は見られなかったが、輝度が10%程度増加していた。
【0077】
(実施例5)
酢酸鉄とCNHOXとの重量比が、それぞれ1:4、1:1、4:1になるようにエタノール溶液中に混合させてFe−CNHOXを生成した後、熱重量分析により、それぞれのFe−CNHOXのFe担持率を調べたところ、重量比で10%、30%、50%であることが分かった。これらのFe−CNHOXを、さらにアルゴンガス雰囲気下550℃で熱処理した後、TEMで観察したところ、Fe担持率の増加に伴って、触媒粒子が大きくなることが確認された。また、実施例1と同様の方法で、CNTを成長させた後に、TEMで観察したところ、触媒粒子の大きさに従って選択的に、単層、2層、多層のCNTが成長していることが確認された。また、このようにCNTが成長したFe−CNHOXを用いて、実施例1と同様の手法で発光装置を作製し、発光特性を評価したところ、いずれの発光装置も均一に発光していた。さらに、定電圧で各発光装置を100時間連続して点灯したところ、多層のCNTを備える発光装置の輝度の低下は、単層、2層のCNTを備える発光装置と比べて少なかった。
【符号の説明】
【0078】
1 電子放出電極
2 カソード基板
3 カソード導体層
4 エミッタ
5 カソード電極
6 ブロック
7 カーボンナノチューブ・カーボンナノホーン複合体
8 カーボンナノホーン粒子
9 カーボンナノチューブ
10 カーボンナノホーン
11 触媒粒子
12 開孔部
13 触媒微粒子
14 先端部
15 ブロック長さ
16 ブロック間隔
17 ナノホーン粒子層
18 CVD装置
19 反応管
20 真空ポンプ
21 第1のバルブ
22 ガスボンベ
23 電気炉
24 第2のバルブ
25 第3のバルブ
26 ガス供給器
27 ドット間ピッチ
28 発光装置
29 アノード電極
30 空間
31 シール部材
32 アノード基板
33 アノード導体層
34 蛍光体層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カーボンナノチューブを電子放出源とする電子放出電極を製造する方法において、
カーボンナノホーンに、前記カーボンナノチューブが成長する基盤となる触媒粒子を担持させる触媒粒子担持工程と、
前記触媒粒子を担持させた前記カーボンナノホーンを溶媒と混合してペーストを調製するペースト調製工程と、
カソード電極上の複数の独立した区画に前記ペーストを塗布するペースト塗布工程と、
前記カソード電極に塗布された前記ペースト中の前記カーボンナノホーンに担持させた前記触媒粒子から、前記カーボンナノチューブを成長させるカーボンナノチューブ成長工程と、を有する、
ことを特徴とする電子放出電極の製造方法。
【請求項2】
前記触媒粒子担持工程は、
前記触媒粒子の一部を、前記カーボンナノホーンの外部に露出させて担持させる工程である、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項3】
前記触媒粒子担持工程は、
前記カーボンナノホーンの一部を開口して開孔部を形成し、前記開孔部から前記カーボンナノホーン内部に触媒微粒子を導入するステップと、
前記カーボンナノホーン内部に導入された前記触媒微粒子を凝集させて、前記触媒粒子を形成するステップと、
前記カーボンナノホーンの一部を除去して、前記触媒粒子の一部を前記カーボンナノホーンの外部に露出させるステップと、を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項4】
前記触媒粒子担持工程は、
前記触媒粒子を溶解させた溶液に前記カーボンナノホーンを浸漬して、前記カーボンナノホーンの外表面に前記触媒粒子を含浸させるステップと、
前記触媒粒子を含浸させた前記カーボンナノホーンを焼成するステップと、を有する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項5】
前記触媒粒子担持工程において、鉄、ニッケル、コバルト、白金、金、銅、モリブデン、タングステン、マグネシウムからなる金属群のいずれか、または前記金属群に属する金属の合金のいずれかを前記触媒微粒子として用いる、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項6】
前記カーボンナノチューブ成長工程は、
炭素源化合物が前記触媒粒子に接触するステップと、
前記触媒粒子に接触した前記炭素源化合物が、化学気相堆積法によって、前記カーボンナノチューブを形成するステップと、を有する、
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項7】
前記化学気相堆積法の反応温度は、350℃〜1200℃である、
ことを特徴とする請求項6に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項8】
前記カーボンナノチューブ成長工程において、メタン、エタン、アセチレン、ベンゼン、メタノールまたはエタノールのガスまたはCOガスのいずれかを前記炭素源化合物として使用する、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項9】
前記カーボンナノチューブの成長工程において、
前記炭素源化合物は、前記カソード電極上に複数の独立した区画に分割して形成されたナノホーン粒子層の各区画の間を通って供給され、
前記カーボンナノチューブは、前記炭素源化合物が接触した各区画のエッジ部分にある前記触媒粒子から成長する、
ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項10】
前記電子放出電極の製造方法において、
前記カソード電極のカソード導体層に光反射性を有する素材を用いる、
ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項11】
前記光反射性を有する素材は、金属または前記金属を含む合金である、
ことを特徴とする請求項10に記載の電子放出電極の製造方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の方法で製造した電子放出電極を備える、
ことを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−205500(P2010−205500A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−48386(P2009−48386)
【出願日】平成21年3月2日(2009.3.2)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(300022353)NECライティング株式会社 (483)
【Fターム(参考)】