説明

電子部品の樹脂封止成形方法及び装置

【課題】型組品110に形成される外気遮断空間部の真空度を安定して設定する。
【解決手段】型組品110(上型112)に樹脂成形用のキャビティ114と樹脂移送用の樹脂通路115とを有するキャビティ部材603に対して弾性摺動する弾性外気遮断部材604(弾性押圧機構605)を設けて構成すると共に、型組品110を所要の型締圧力にて型締して弾性外気遮断部材604の先端面604aと下型111の型面111aとを所要の押圧力にて当接することにより且つポット141を有するポットブロック140の先端面140aを型組品の側面110aに接合することにより、少なくともポット141とキャビティ114と樹脂通路115とを有する型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成し、更に、この外気遮断空間部501から真空引きすることによって当該外気遮断空間部501を所要の真空度に設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に装着した半導体チップ等の電子部品を樹脂材料にて封止成形する電子部品の樹脂封止成形方法及びその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品の樹脂封止成形装置(金型)を用いて、基板に装着した電子部品を樹脂封止して半導体パッケージ(樹脂成形体)を成形することが行われているが、この基板に装着した電子部品を樹脂封止成形するには、一般的に、次のように行われている。
まず、電子部品の樹脂封止成形用金型における型面(パーティングライン面、P.L面)に設けられた所定位置に基板を供給セットする。
次に、金型を型締めすると共に、金型ポット内で加熱溶融化した樹脂材料をプランジャで加圧することにより、金型キャビティ内に樹脂通路(ランナ、ゲート等)を通して溶融樹脂を注入充填する。
従って、金型キャビティ形状に対応して成形されるパッケージ内に電子部品を封止することが行われている。
【0003】
ところで、金型に設けられたポットとキャビティと樹脂通路は金型の型内空間部として構成されるため、この型内空間部に残留する空気、水分及び樹脂材料の加熱溶融時に発生したガス類(空気等)が溶融樹脂中に混入する。
その結果、この空気等が、例えば、パッケージの内部ボイド(気泡)として形成されること等があり、この内部ボイドの発生によって、基板とパッケージ(樹脂)との密着性を弱める要因となる等の問題がある。
このため、金型キャビティ内に溶融樹脂を注入充填する前に、型内空間部の真空引き(減圧)を行うことにより、型内空間部内に残留する空気等を外部へ積極的に排除することが行われている〔例えば、特開平05−008250号公報(特許文献1)参照〕。
また、電子部品を樹脂封止成形するために用いられる樹脂材料の有効利用率を向上させることを主たる目的として、溶融樹脂の射出シリンダ(樹脂材料供給用のポット)を、電子部品の樹脂封止成形用金型の型締時に、金型の側面に対して接合分離させるように構成したものが知られている(例えば、特開昭59−052842号公報(特許文献2)参照)。
【0004】
また、特許文献1には、金型キャビティ内に溶融樹脂を注入充填する前に、型空間部の真空引きを行うことにより、型内空間部内に残留する空気等を外部へ積極的に排除することが開示されている。
即ち、この残留する空気等(空気と水分及びガス類)の存在に起因してパッケージに内部ボイド或いは外部欠損部が形成されることを効率良く防止することができる。
従って、パッケージに内部ボイドが発生することを効率良く防止し得て、基板とパッケージとの密着性を低下させることがないと云う作用効果を期待することができ、且つ、パッケージに外部欠損部が発生することを効率良く防止し得て、パッケージに外観不良が発生することを効率良く防止することができると云う作用効果を期待することができる。
また、特許文献2には、溶融樹脂の射出シリンダ(ポット)を、金型の型締時に、金型の側面に対して接合分離させる構成であって、溶融樹脂を移送する樹脂通路を短縮化したものが開示され、これによって、樹脂材料の有効利用率を向上させることができる。
なお、特許文献2には、型内空間部から真空引きする構成は開示されていない。
【特許文献1】特開平05−008250号公報
【特許文献2】特開昭59−052842号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
また、従来から、樹脂封止成形用金型(上下両型)を積層し、且つ、金型の側面位置に溶融樹脂の射出シリンダ(ポット)を設けて構成し、基板に装着した電子部品を樹脂封止成形する場合に、溶融樹脂の射出シリンダ(ポット)を、金型の側面に対して接合分離させる構成(所謂、PM方式)が知られている。
また、この金型を積層した装置において、基板とパッケージとの密着性を効率良く向上させることを目的として、また、パッケージにおける外観不良の発生を効率良く防止することを目的として、即ち、これらの目的を達成するために、金型キャビティ内から真空引きして樹脂封止成形することが行われている。
この樹脂封止成形(真空引き成形)には、上型の型面に、密封装置として、Oリング(外気遮断部材)が設けられた金型が用いられている。
例えば、上型の型面に、(一本の線状の)Oリングを、ポット配置側となる金型の側面側の部分を除いた状態で、上型キャビティと上型樹脂通路とを囲んで配設された金型が検討されている。
即ち、まず、この金型を積層した装置において、積層した個々の金型(上下両型)を型締めすることにより、且つ、溶融樹脂の射出シリンダ(ポット)を金型の側面に対して接合することにより、少なくとも、ポットと上型キャビティと上型樹脂通路とからなる型内空間部をOリングにて外気遮断状態に形成して外気遮断空間部を形成すると共に、この外気遮断空間部から空気等を強制的に吸引排出する真空引きを行い、次に、金型の側面に接合したポット内から加熱溶融化した樹脂材料を上型キャビティ内に樹脂通路を通して注入充填することにより、上型キャビティ内で基板に装着した電子部品をパッケージ内に封止成形するようにしている。
なお、一本の紐状のOリングの端面は、金型におけるポット配置側の側面に合致して構成されている。
【0006】
しかしながら、金型(金属材料)の熱膨張係数と上型面から突出した状態で埋設されるOリング(ゴム材料)の熱膨張係数とが異なること、また、金型キャビティの周りに設けられるOリングにおいて、そのコーナー部でのOリングの位置決めが非常に難しいことなどから、上型の型面(金型面)に安定して且つ精度良くOリングを装着することができないと云う弊害がある。
また、金型の型締時に、金型のポット側の側面からOリングの端面側が伸びて広がることによってOリングが突き出た状態に(はみ出した状態に)なり、金型の側面にポットを有する射出シリンダのポット先端面(端部)を効率良く接合できず、上型の型面(金型面)に安定して且つ精度良くOリング(外気遮断部材)を装着することができないと云う弊害がある。
従って、Oリングに代えて、金型に安定して且つ精度良く装着することができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型が求められている。
【0007】
また、Oリングを交換した場合、Oリングの金型面から突出した状態が異なるため(例えば、金型面からの高さ)、金型の型締時に、特に、Oリングの断面先端部と下型面とを接合する中間型締時に、空気が漏れたりすることによって、或いは、Oリングの装設状態によって、型内空間部の真空度が異なって安定しない等、その都度、真空度の確認と金型の調整とを必要としていた。
従って、Oリングに代えて、型内空間部の真空度を効率良く安定させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型が求められている。
【0008】
また、上型面(金型面)に配置されるOリングは、ゴム材料等で成形されたパッキンであり、Oリングの断面を圧縮してシールする(密封して外気遮断する)ものである。
即ち、このOリングは、金型の開閉によって圧縮或いは復元することになるが、経時的に、或いは、加熱、加圧等の外的要因的に、その形状が元に戻らずに塑性変形することになり、また、Oリング自体の損傷が著しくなり易くて保守管理(メンテナンス)が非常に難しく、これらのために、Oリング自体の耐久性が弱いと云う弊害がある。
従って、Oリングに代えて、耐久性を効率良く向上させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型が求められている。
また、前述したように、Oリング自体の耐久性等の点からOリングを頻繁に交換しなければならず、Oリング自体を保守管理するために多大な時間を必要とするので、製品(パッケージ)の生産性を効率良く向上させることができないと云う弊害がある。
従って、Oリングに代えて、製品を効率良く生産することができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型が求められている。
【0009】
即ち、本発明は、金型に安定して且つ精度良く装着することができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することを目的とする。
また、本発明は、外気遮断空間部の真空度を効率良く安定させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することを目的とする。
また、本発明は、耐久性を効率良く向上させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することを目的とする。
また、本発明は、製品の生産性を効率良く向上させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記の技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法電子部品の樹脂封止成形方法は、少なくとも、第1の型と前記第1の型面と対向した第2の型とからなる型組品と、前記した第2の型に設けた樹脂成形用のキャビティと樹脂移送用の樹脂通路とを有するキャビティ部材と、前記したキャビティ部材に対して弾性摺動自在に設けた弾性外気遮断部材と、前記した型組品に接合分離する樹脂材料供給用のポットを有するポットブロックとを備えた電子部品の樹脂成形装置を用意する準備工程と、前記した第1の型に電子部品を装着した基板を供給セットする基板の供給工程と、前記した型組品を所要の型締圧力にて型締めすることにより、前記したキャビティ内に前記した基板に装着した電子部品を嵌装する型組品の型締工程と、前記した型組品の側面に対して前記したポットブロックの先端面を接合するポットブロックの接合工程と、前記した型組品の型締工程に、前記した弾性外気遮断部材の先端面と第1の型面とを当接して所要の押圧力にて密着させることにより、前記した弾性外気遮断部材の先端面と第1の型面とで、少なくとも、ポットとキャビティと樹脂通路からなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部を形成する外気遮断空間部の形成工程と、前記した外気遮断空間部から空気等を強制的に吸引排出して真空引きすることにより、前記した外気遮断空間部を所要の真空度に設定する外気遮断空間部の真空引き工程と、前記したポット内で加熱溶融化された樹脂材料を前記したキャビティ内に樹脂通路を通して注入充填することにより、前記したキャビティ内で前記したキャビティの形状に対応したパッケージ内に前記した基板に装着した電子部品を樹脂封止成形する電子部品の樹脂封止工程とを含むことを特徴とする。
【0011】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法は、前記した型組品の型締工程に、基板の表面とキャビティ部材の型面とを所要の間隔で保持した状態で型締めする型組品の中間型締工程と、前記した型組品の型締工程に、基板の表面とキャビティ部材の型面とを接合することにより、弾性外気遮断部材の先端面で下型の型面を所要の押圧力で押圧する型組品の完全型締工程とを行うことを特徴とする。
【0012】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法は、前記したポットブロックの接合工程時に、前記したポットブロックの先端面におけるポットの周囲に設けたシール部材の断面先端を型組品の側面に当接することにより、前記した型組品の側面とポットブロック先端面のシール部材の断面先端部と所要の間隔で保持した状態で接合するポットブロックの中間接合工程と、前記したポットブロックの接合工程時に、前記したポットブロックの先端面を型組品の側面に当接するポットブロックの完全接合工程とを行うことを特徴とする。
【0013】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形方法は、前記した電子部品の樹脂成形装置を用意する準備工程時に、鏡面にて形成された側面を有する型組品と、鏡面にて形成された先端面を有するポットブロックとを用意する鏡面の準備工程と、前記したポットブロックの接合工程時に、前記した鏡面にて形成されたポットブロック先端面を鏡面にて形成された型組品側面に当接するポットブロックの鏡面接合工程とを行うことを特徴とする。
【0014】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置は、第1の型と、前記した第1の型に対向配置した第2の型とからなる型組品を設けると共に、前記した型組品を開閉する型開閉機構と、前記した型組品に所要の型締圧力を加えるプレス機構と、前記した第1の型に設けられ且つ電子部品を装着した基板を供給するセット面と、前記した第2の型に設けられ且つ樹脂成形用キャビティと樹脂移送用の樹脂通路とを有するキャビティ部材と、前記したキャビティ内に前記した樹脂通路を通して溶融樹脂を注入充填する樹脂材料供給用のポットと樹脂加圧用のプランジャとを有するポットブロックと、前記したポットブロックを前記した型組品に対して接合分離するように往復駆動するポットプランジャの往復駆動機構と、前記した第2の型におけるキャビティ部材の外周囲に設けられ且つ前記したキャビティ部材に弾性摺動して少なくともポットとキャビティと樹脂通路とからなる型内空間部を外気遮断状態に形成する弾性外気遮断部材と、前記した外気遮断空間部から空気等を強制的に吸引排出して真空引きする真空引き機構とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置は、前記した型組品を所要数、積層して設けて構成したことを特徴とする。
【0016】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置は、前記したポットブロックの先端面におけるポットの外周囲に外気遮断用のシール部材を設けたことを特徴とする。
【0017】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置は、前記した型組品の側面と、ポットブロックの先端面とを鏡面にて形成したことを特徴とする。
【0018】
また、前記した技術的課題を解決するための本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置は、前記した弾性外気遮断部材の先端面と、少なくとも、弾性外気遮断部材の先端面が当接する下型の型面における所要個所とを鏡面にて形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、金型に安定して且つ精度良く装着することができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、外気遮断空間部の真空度を効率良く安定させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、耐久性を効率良く向上させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することができると云う優れた効果を奏する。
また、本発明によれば、製品の生産性を効率良く向上させることができる外気遮断部材と電子部品の樹脂封止成形方法及びその金型を提供することができると云う優れた効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、実施例図に基づいて、本発明に係る実施例を詳細に説明する。
図1〜図6は、本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置(第1実施例)である。
図7(1)、図7(2)、図7(3)、図8(1)、図8(3)、図9(1)、図9(2)は、図1〜図6に示す型組品(金型)に設けられた上型チェイスである。
図10は、他の本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置(第2実施例)である。
【0021】
〔第1実施例〕
(電子部品の樹脂封止成形装置の構成について)
本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置には、図1〜図6に示すように、基板(基板或いはリードフレーム)に装着した半導体チップ等の電子部品を樹脂封止成形する樹脂封止成形部100と、成形前基板400を樹脂封止成形部100の所定位置(下型面)に供給セットし且つ成形済基板402を樹脂封止成形部100から取り出す基板供給取出機構200と、樹脂材料を樹脂封止成形部100の所定位置(ポットブロック140のポット141)に搬送供給する樹脂材料搬送供給機構300とが設けられて構成されている。
従って、まず、樹脂封止成形部100の所定位置に基板供給取出機構200で成形前基板400を供給し、且つ、樹脂材料搬送供給機構300の所定位置に樹脂材料を供給し、次に、樹脂材料搬送供給機構300で加熱溶融化した樹脂材料を樹脂封止成形部100に移送することによって成形済基板402を成形し、この成形済基板402を基板供給取出機構200で取り出すことができるように構成されている。
【0022】
(樹脂封止成形部の構成について)
また、樹脂封止成形部100には、図1〜図6に示すように、基板に装着した電子部品を樹脂封止成形する型組品(電子部品の樹脂封止成形用金型)110と、型組品(一の型と二の型)110を開閉する型開閉機構120と、型組品110に所要の型締圧力を加えるプレス機構130と、型組品110の側方に配置され且つ型組品110に樹脂材料を供給するポットブロック140と、ポットブロック140を型組品110の側面110aに対して接合分離自在に往復駆動するポットブロックの往復駆動機構150とが設けられて構成されている。
従って、型開閉機構120で型組品110を型締めし且つプレス機構130で型組品110に所要の型締圧力を加えると共に、往復駆動機構150で型組品110の側面110aにポットブロック140を接合することができるように構成されている。
また、樹脂封止成形部100においては、(少なくとも一組以上となる)所要数の型組品(上下両型)110が型開開閉方向に積層配置されて構成され、図1〜図6及び図10に示す図例では、二組の型組品110が上下方向に積層配置されて構成されている。
なお、この型組品(金型)110の多層方式を有する電子部品の樹脂封止成形装置は、所謂、Pure Malt 方式(PM方式)と呼ばれている。
【0023】
また、図1〜図6に示す図例では、型開閉機構120は、上下方向へ積層(重畳)して配置された二組の型組品110を同時に型開きまたは型締めするための機構であり、油圧や空圧或は電動等の適宜な駆動機構を用いるものである。
図1〜図6に示す図例では、二組の型組品110における上方配置の型組品110の第2の型(上型)112が下方向に移動し、下方配置の型組品110の第1の型111が上方向に移動するように構成されている。
なお、この型開閉機構120としては、これに代えて、所謂、ラック・ピニオン機構、或は、クランク機構等を利用した適宜な型開閉機構を採用しても良い。
【0024】
(型組品における樹脂注入関連の構成について)
また、個々の型組品110は、第1の型面を有する第1の型(下型)111と、この第1の型111に対向配置した第2の型面を有する第2の型(上型)112とから構成されている。
また、第1の型の型面(下型面)には、成形前基板400を供給する基板供給部(基板セット面)113が設けられて構成されている。
このセット面113は、電子部品(図示なし)を装着した一枚の基板400をセットするための単数枚の基板供給部となるものであり、従来において、型面に凹部等の形状で設けられていた基板位置決め用の段差が設けられてなく、セット面113は平面形状として形成されている。
従って、第1の型111の第1の型面(セット面113)の所定位置には、所要の形状及び所要の数の基板位置決め用のピン116が立設されてもよく、第2の型112の第2の型面(上型面)には、ピン116の位置及び数に対応する位置にピン116を嵌入させるためのピン穴(図示なし)が配設されることになる。
これによって、基板400をセット面113の所定位置に案内し且つその位置に確実にセットすることができるように構成されている。
また、前記したセット面113の所定位置とは、基板400の端面(端部)400aと型組品110の側面110aとが同一平面内に位置付けられる位置である。
この場合、成形前基板400の端面400aと、型組品110の側面110aとの間に間隙が生じないので、樹脂封止成形工程時において、溶融樹脂の一部が基板400の裏面(下面)側に浸入してその基板面に樹脂バリ(硬化樹脂)が形成される等の弊害を効率良く防止することができる。
なお、型組品110には当該型組品110を所要の成形温度にまで加熱する加熱手段(図示なし)が設けられて構成されている。
【0025】
また、第1の型(下型)111のセット面113に対向して配設される第2の型(上型)112の型面(第2の型面)には樹脂成形用のキャビティ114が設けられている。
また、第1の型111と第2の型112とを型締した時、型組品110における側面110aと、キャビティ114とは溶融樹脂材料の樹脂通路115を介して連通するように構成されている。
従って、第1の型(下型)111のセット面113に基板400を供給セットして型締めすることにより、基板400に装着した所要数の電子部品(図示なし)をキャビティ114内に嵌装セットすることができるように構成されている。
このとき、基板400の端面400aの位置は型組品110の側面110aの位置に合致するように構成されている。
なお、後述するように、図7(1)、図7(2)に示す図例では、第2の型112の型面に樹脂成形用のキャビティ114が四個、設けられて構成されると共に、四個のキャビティ114内の夫々に、所要数の電子部品(図示なし)が、各別に嵌装されるように構成され、更に、単数枚の矩形状基板400の長辺側の端面400aの位置が型組品110の側面110aの位置に合致することができるように構成されている。
【0026】
(ポットブロックの構成について)
即ち、前述したように、ポットブロック140は、型組品110の側方に配置されて構成されると共に、ポットブロック140は、ポットブロックの往復駆動機構150によって、型締状態にある型組品110の側面110aに対して接合分離自在となるように設けられて構成され、型組品110に対してポットブロック140を所要の押圧力にて押圧駆動することができるように構成されている。
また、ポットブロック140には、樹脂材料供給用のポット141と、ポット141に嵌装した樹脂加圧のプランジャ142(横型プランジャ)と、プランジャの往復駆動機構(図示なし)と、加熱手段(図示なし)とが設けられている。
また、図例に示すように、ポット141の位置は、上下方向においては、上下に配置された二組の型組品110の数とその型合せ面(P.L面)の位置とに対応して配置されて構成されている。
また、ポットブロック140においては、その型組品110配置側に形成された先端面140aにポット141の開口部が設けられると共に、このポット開口部側からポット141内に樹脂材料(樹脂タブレット)を供給することができるように構成されている。
また、図7(2)に示す図例では、ポット141は水平方向にキャビティ114(樹脂通路115)の数と位置とに対応して四個配置されて構成されている。
従って、本発明に係る実施例(図例)では、ポット141は、水平方向の四個配置と垂直方向(上下方向)の二個配置とからなるマトリクス型に配置されて構成されている。
【0027】
また、図例に示すように、ポットブロック140の先端面140aには、上方配置の型組品110に対応する四個のポット141の開口部の周囲を囲った状態でOリング等のシール部材502が突出した状態で配設されて構成されている。
また、上方配置の型組品110と同様に、ポットブロック140の先端面140aには、下方配置の型組品110に対応する四個のポット141の開口部の周囲を囲った状態でOリング等のシール部材502が突出した状態で配設されて構成されている。
なお、図例においては、シール部材502の位置は概略的に示されている。
また、図3に示すように、往復駆動機構150を駆動してポットブロック140を型組品110側に移動させて、ポットブロック140の先端面140aを型組品110の側面110aに接合した時に、ポットブロック140のシール部材502の断面先端部を型組品110の側面110aに当接することにより、ポットブロック140の先端面140aと型組品110の側面110aとを所要の間隔で保持した状態でポットブロック140と型組品110とを中間的に接合することができるように構成されている(ポットブロックの中間接合)。
また、図4に示すように、図3に示す中間接合状態から継続してポットブロック140を移動させることにより、ポットブロック140の先端面140aと型組品110の側面110aとを完全に接合することができるように構成されている(ポットブロックの完全接合)。
従って、後述するように、ポットブロック140の中間接合工程或いは完全接合工程において、少なくとも、ポット141とキャビティ114と樹脂通路115とからなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができるように構成されている。
また、ポットブロック140と型組品110とを完全に接合したときに、ポット141内で加熱溶融化した樹脂材料301をプランジャ142で(水平方向に)加圧することにより、加熱溶融化した樹脂材料をキャビティ114内に樹脂通路115を通して注入充填することができるように構成されている。
従って、硬化に必要な所要時間の経過後、型組品110を型開きすることにより、キャビティ114の形状に対応したパッケージ401内に基板400に装着した電子部品を封止成形して成形済基板402を形成することができる。
【0028】
(樹脂材料搬送供給機構の構成について)
また、樹脂材料搬送供給機構300においては、樹脂材料(樹脂タブレット)301はポットブロック140のポット141の(開口部の)配置に対応して配置係着されると共に、分離(離間)した状態にある型組品110とポットブロック141との間に進入且つ退出することができるように構成されている。
従って、図2に示すように、分離した状態にある型組品110とポットブロック141との間に、樹脂材料搬送供給機構300を進入させると共に、ポット141内に(その開口部を通して)樹脂材料301を供給することができるように構成されている。
【0029】
(減圧手段の構成について)
また、樹脂封止成形部100には、少なくとも、型組品110とポットブロック140とに形成された外気遮断空間部(型内空間部)501を所要の真空度に設定する(減圧する)減圧手段が設けられて構成されている。
即ち、後述するように、減圧手段には、外気遮断空間部501側に吸引口を有する真空経路504と、真空経路504に連通接続し且つ外気遮断空間部501から空気等(空気と水部及びガス類)を強制的に吸引排出する真空ポンプ等の真空引き機構500とが設けられて構成されている。
従って、後述するように、減圧手段を用いることにより、少なくとも、ポットとキャビティと樹脂通路とからなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成すると共に、真空引き機構500にて外気遮断空間部501の吸引口から空気等を強制的に吸引排出して外気遮断空間部501を所要の真空度に迅速に設定することができるように構成されている。
【0030】
(型組品における外気遮断関連の構成について)
また、前述したように、型組品110は第1の型(下型)111と第二の型(上型)112とから構成されている。
また、図例に示すように、上型112は、上型ホルダ600と上型チェイス601とから構成されると共に、上型ホルダ600に対して上型チェイス601が着脱自在に構成されている。
また、上型チェイス601には、上型チェイスベース602と、上型チェイスベース602に固設され且つキャビティ114を有するキャビティ部材603と、上型チェイスベース602に弾性装着され且つキャビティ部材603に対して弾性摺動する弾性外気遮断部材604とが設けられて構成されている。
また、弾性外気遮断部材604は、上型112の型面側から見て、キャビティ部材603の外周囲にポットブロック140側を除いた状態で弾性摺動自在に設けられて構成されている。
また、弾性外気遮断部材604には、後述する弾性押圧機構605が設けられて構成されると共に、弾性押圧機構605にて弾性外気遮断部材604の先端面604aを型面方向に所要の弾性押圧力にて弾性付勢することができるように構成されている。
また、弾性押圧機構605で型面方向に弾性付勢された弾性外気遮断部材604を、キャビティ部材603に設けた係止部603aにて係止することができるように構成されている。
従って、この状態において、即ち、型組品110の型開状態において、キャビティ部材603の型面位置(実質上、上型112の型面位置)から弾性外気遮断部材604の先端面604aの位置が所要の距離(間隔)にて突出した状態で保持されるように構成されている。
【0031】
また、弾性外気遮断部材604には、後述する案内機構606が設けられて構成されると共に、案内機構606にて弾性外気遮断部材604を上下方向に(型開閉方向に)キャビティ部材603に対して上下摺動した状態で案内することができるように構成されている。
また、キャビティ部材603と弾性外気遮断部材604との弾性摺動面におけるキャビティ部材603側に形成された凹部603bにはOリング等のシ−ル部材503が埋設されて構成されると共に、キャビティ部材603と弾性外気遮断部材604との間を密封して外気遮断状態に形成することができるように構成されている。
従って、型組品110の型締時に、所要の型締圧力にて下型111の型面111aに上型112における弾性外気遮断部材604の先端面(当接面)604aで弾性押圧して接合することにより、下型111の型面111aと先端面604aとを所要の押圧力で密着させることができるので、密着した下型111の型面111aと先端面604aとの間を密封して外気遮断状態に効率良く形成することができる。
なお、後述する型組品の(完全)型締状態において、所要の型締圧力にて、キャビティ部材603の型面(上型面)を基板の上面(表面)に当接して挟持することができるように構成されている。
【0032】
また、更に、上型チェイス601の構成を詳述すると、キャビティ部材603には、キャビティ114を有するキャビティブロック607と、上型チェイスベース602に固設され且つキャビティブロック607を取り付けるキャビティブロックの取付部材608とが設けられて構成されている。
また、弾性外気遮断部材604には上下方向に貫通孔604bが設けられると共に、この貫通孔604bにその上方向から取付部材608が嵌装されることにより且つこの貫通孔604bにその下方向からキャビティブロック607が嵌装されることにより、取付部材608にキャビティブロック607を固設すると共に、取付部材608とキャビティブロック607とで形成される取付部材側の凹部603bにおいて、Oリング等のシール部材503をキャビティ部材603(取付部材608)と弾性外気遮断部材604との間で摺動挟持することができるように構成されている。
従って、キャビティ部材603(取付部材608とキャビティブロック607)におけるシール部材503を含む弾性摺動面に対して弾性外気遮断部材604が弾性摺動することができるように構成されている。
【0033】
また、図7(2)に示すように、上型チェイス601(上型112)の型面(第2の型のP.L面)は平面形状が矩形状(四辺)にて形成されている。
また、上型チェイス601の型面におけるポットブロック140側の一辺には矩形状の型面を有するキャビティブロック607(キャビティ部材603)の型面が配置されると共に、上型チェイス601の型面における三辺には弾性外気遮断部材604の先端面604aがキャビティブロック607(キャビティ部材603)の矩形状の型面を、ポットブロック140側を除いて囲んだ状態で配置されている。
また、キャビティブロック607の型面に樹脂成形用キャビティ114がその開口部を有して四個配置されると共に、四個のキャビティ114にはそのポットブロック140側に樹脂通路115が各別に配置されて構成され、ポットブロック140側において、各キャビティ114に対して各別にポット141が設けられて構成されている。
従って、上型112に設けたキャビティ114内にポットブロック140の各ポット141内から樹脂通路115を通して加熱溶融化された樹脂材料を各別に注入充填することができるように構成されている。
【0034】
(弾性外気遮断部材の先端面と下型の型面とにおける鏡面について)
なお、本発明においては、弾性外気遮断部材604の先端面604aと、少なくとも、当該先端面604aが当接する下型111の型面111aにおける所要個所(当接面)とを加工して鏡面に形成することができるように構成されている。
即ち、型組品110を所要の型締圧力にて型締めすることにより、所要の押圧力にて、下型111の型面111aに形成した鏡面に対して弾性外気遮断部材604の先端面604aに形成した鏡面を押圧することができるので、当該当接面を良好に且つ効率良く密着させることができる。
従って、型組品110側において、この両者による当接面を良好に且つ効率良く密着させることにより、型面三辺の弾性外気遮断部材604側から、少なくとも、キャビティ114と樹脂通路115とからなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができるように構成されている。
【0035】
(弾性押圧機構について)
また、図7(1)、図9(1)、図9(2)に示すように、弾性押圧機構605には、先端側が上型チェイスベース602に固設され且つ基端側にヘッドを有する案内ピン620と、ピン620を遊嵌した弾性外気遮断部材604の挿通孔621と、ピン620のヘッド側に設けた遊嵌孔を有する被係止板(ワッシャ)622と、被係止板622と上型チェイスベース602との間に設けた皿ばね等の弾性部材623と、型面方向に弾性付勢された被係止板622を係止する挿通孔621の係止部624とが設けられて構成されている。
従って、弾性外気遮断部材の挿通孔621に形成された係止部624と被係止板622とを介して、弾性部材623にて弾性外気遮断部材604を型面方向に弾性押圧することができるように構成されている。
なお、図9(1)、図9(2)に示す図例では、ポットブロック140の先端面140aに設けたシール部材502の位置(二点鎖線で示す)は概略的に示されている。
【0036】
(案内機構について)
また、案内機構606には、上型チェイスベース602に基端側が固設された摺動ピン630と、弾性外気遮断部材604に設けられた摺動ピン案内用の摺動孔631とが設けられて構成されている。
従って、弾性外気遮断部材604を上下方向に(型開閉方向に)移動させることによって、摺動孔631内で摺動ピン630を上下摺動させることができるので、弾性外気遮断部材604を上下方向に案内することができるように構成されている。
【0037】
(キャビティ側の吸引口について)
また、キャビティブロック607(キャビティ部材603)の型面(上型面)におけるキャビティ114の外側の所要個所には、空気等を強制的に吸引排出する吸引口505が設けられて構成されている。
従って、型組品110側において、真空引き機構500にて、少なくとも、キャビティ114と樹脂通路115とからなる型内空間部を弾性外気遮断部材604等にて外気遮断状態にして形成される外気遮断空間部501から、吸引口505と真空経路504とを通して空気等を強制的に吸引排出することにより、当該外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができるように構成されている。
【0038】
(型組品の中間型締工程と完全型締工程とについて)
また、図3に示すように、型組品110の下型111の型面111aにおける所定位置に成形前基板400を供給すると共に、型組品110を所要の型締圧力にて型締めすることにより、下型111の型面111aに弾性外気遮断部材604の先端面604aを当接する。
このとき、下型111の型面111aに供給セットされた基板400の上面(表面)とキャビティブロック607(キャビティ部材603)の型面(実質的な上型面)との間には所要の間隔が形成される(型組品の中間型締工程)。
また、このとき、下型111の型面111aを弾性外気遮断部材604による所要の押圧力にて押圧することにより、所要の押圧力にて、下型111の型面111aと弾性外気遮断部材604の先端面604aとを当接することができるので、下型面111aと先端面604aとを効率良く密着させることにより、この下型111の型面111aと先端面604aとで外気遮断作用を有するように構成されている。
即ち、基板400の上面(表面)とキャビティブロック607の型面との間に所要の間隔を保持する型組品の中間型締工程時において、少なくとも、キャビティと樹脂通路とで形成される型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501が形成される(この部分での説明ではポットブロック140側を除く)。
なお、この型組品の中間型締工程において、型組品110側の外気遮断空間部501には、下型111の型面111aとキャビティブロック607の型面との間に形成される空間(成形前基板400を除く)が含まれることになる。
従って、キャビティブロック607の型面に設けた吸引口505から型組品の中間型締時に形成された外気遮断空間部501の空気等を強制的に吸引排出する真空引きを行うことにより、当該外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができる。
【0039】
また、図4に示すように、引き続いて、型組品110を型締めして基板400の上面とキャビティブロック607の型面と当接することにより、型組品110の完全型締めを行うことができる。
このとき、型組品110には所要の型締圧力が加えられているので、下型111の型面111aを弾性外気遮断部材604による所要の押圧力にて押圧することができる。
また、所要の押圧力にて、下型111の型面111aと弾性外気遮断部材604の先端面604aとを当接することができるので、下型111の型面111aと先端面604aとを効率良く密着させることにより、この下型111の型面111aと先端面604aとで外気遮断作用を有するように構成されている。
従って、型組品の完全型締工程において、少なくとも、キャビティ114と樹脂通路115とからなる外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができる。
また、この完全型締状態において、継続して真空引きが行われるものである。
なお、下型11の型面と弾性外気遮断部材604の先端面604aとを鏡面に加工して形成した場合、良好に且つ効率良く両者を密着性させることができ、当該外気遮断作用を良好に且つ効率良く発揮させることができる。
【0040】
(ポットブロック側の吸引孔について)
また、ポットブロック140の型組品110側の先端面140aにおける所要個所に空気等を強制的に吸引排出する吸引口506が設けられて構成されると共に、ポット141の内周面の所要個所には吸引口507が設けられて構成されている。
従って、ポットブロック140側において、真空引き機構500にて、少なくとも、ポット141を含む型内空間部を弾性外気遮断部材604等にて外気遮断状態にして形成される外気遮断空間部501から、吸引口507(506)と真空経路504とを通して空気等を強制的に吸引排出することにより、当該外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができるように構成されている。
なお、後述するように、ポットブロック140の先端面140aに設けられた吸引孔506は、型組品110の側面110aとポットブロック140の先端面140aとで形成される空間をポットブロック140の先端面140aに形成されたシール部材502にて外気遮断状態にして形成された外気遮断空間部の空気等を強制的に吸引排出するものである。
【0041】
(ポットブロックの中間接合工程と完全接合工程とについて)
また、図3に示すように、ポットブロック140を型組品110側に移動させて、ポットブロック140のシール部材502を型組品110の側面110aに当接する。
このとき、ポットブロック140先端面140aと型組品110の側面110aとを所要の間隔で保持した状態で(離間した状態で)接合するポットブロックの中間接合工程を行うことができる。
このとき、ポットブロック140側において、少なくとも、ポット141を含む型内空間部をシール部材502で外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができる。
なお、このとき、気遮断空間部501には、ポットブロック140の先端面140aと型組品110の側面110aとで形成される空間が含まれることになる。
従って、ポットブロック140側において、真空引き機構500にて、外気遮断空間部501から吸引口506・507を通して空気等を強制的に吸引排出することにより、当該外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができる。
【0042】
また、更に、図4に示すように、図3に示す中間接合状態から継続してポットブロック140を移動させることにより、ポットブロック140の型組品110側の先端面140aと型組品110の側面110aとを完全に接合するポットブロックの完全接合工程を行うことができる。
従って、ポットブロックの完全接合工程において、少なくとも、ポットを含む型内空間部からなる外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができる。
なお、この完全接合工程において、継続して真空引きが行われるものである。
【0043】
(型組品の型締工程と、ポットブロックの接合工程と、外気遮断空間部からの真空引き工程との関係について)
また、前述した型組品の型締工程における中間型締工程と完全型締工程、及び、前述したポットブロックの接合工程における中間接合工程と完全接合工程について、本発明においては、前述した型組品の型締工程ごとに、また、前述したポットブロックの接合工程ごとに、各別に且つ順次に実施されるものであり、それらの実施時期及び組み合わせは任意に選択して実施されることになる。
また、前述した型組品の型締工程及びポットブロックの接合工程において、外気遮断空間部からの真空引き工程は適宜に実施されるものである。
【0044】
例えば、まず、図3に示すように、型組品の中間型締工程とポットブロックの中間接合工程とを行う。
このとき、少なくとも、ポット141とキャビティ114と樹脂通路115とからなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができる。
また、この状態で、真空引き機構500にて、外気遮断空間部501から吸引口505・506・507お呼び真空経路504を通して真空引きする工程を行うことにより、外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができる。
また、次に、図4に示すように、型組品の完全型締工程とポットブロックの完全接合工程とを行う。
このとき、継続して、型組品110側の外気遮断空間部501及びポットブロック140側の外気遮断空間部から空気等を強制的に吸引排出する真空引きを行って所要の真空度に設定保持することができる。
従って、この後、ポット141内から加熱溶融化した樹脂材料をプランジャ142で加圧することによってキャビティ114内に樹脂通路115を通して溶融樹脂を注入充填することができる。
なお、前述した型組品の中間型締工程とポットブロックの中間接合工程とは、任意に行うことができるが、同時に行っても良い。
また、前述した型組品の完全型締工程とポットブロックの完全接合工程とは、任意に行うことができるが、同時に行っても良い。
【0045】
(作用効果について)
前述したように、本発明に係る外気遮断部材として弾性外気遮断部材604(弾性押圧機構605)を設けて構成したので、従来例に示すOリング等のシール部材(外気遮断部材)に比べて、本発明に係る弾性外気遮断部材604(外気遮断部材)を金型(型組品110)に安定して且つ精度良く装着することができる。
また、前述したように、本発明に係る弾性外気遮断部材604の先端面604aと下型111の型面111aとを所要の押圧力にて押圧することにより、その両者を効率良く密着させることができる。
即ち、弾性外気遮断部材604と下型111の型面111aとで形成される型内空間部を効率良く外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができる。
従って、この外気遮断空間部501から空気等を強制的に吸引排出して真空引きを行うことにより、この外気遮断空間部501を所要の真空度に効率良く安定して設定することができる。
また、前述したように、本発明に係る外気遮断部材として弾性外気遮断部材604(弾性押圧機構605)を設けて構成したので、従来例に示すOリング等のシール部材(外気遮断部材)が圧縮して変形される構成に比べて、本発明に係る弾性外気遮断部材604は型面で圧縮されて変形することがないので、その耐久性を効率良く向上させることができる。
また、本発明によれば、本発明に係る外気遮断部材として弾性外気遮断部材604(弾性押圧機構605)を設けて構成したことにより、本発明に係る弾性外気遮断部材を金型(型組品110)に安定して且つ精度良く装着することができ、且つ、耐久性を効率良く向上させるできるため、従来例に示すOリング等のシール部材(外気遮断部材)を頻繁に交換する必要がなくなるので、製品の生産性を効率良く向上させることができる。
【0046】
なお、弾性外気遮断部材604の先端面604aと下型111の型面111aとを鏡面にて形成した場合、この両者604a・111aによる当接面を良好に且つ効率良く密着させることができる。
従って、前述したような本発明における作用効果を更に効率良く向上させることができる。
【0047】
(電子部品の樹脂封止成形方法について)
まず、図1及び図2に示すように、二組の型組品110の夫々において、基板供給取出機構200で成形前基板400を下型112の型面における所定位置(セット面113)に供給セットする。
このとき、基板の端面400aを型組品110(下型112)におけるポットブロック140側の側面110aに一致させる。
次に、ポットブロック140側において、樹脂材料搬送供給機構300にてポットブロック140のポット141内に樹脂材料(樹脂タブレット)301を各別に供給する。
また、次に、二組の型組品110の夫々において、所要の型締圧力にて各別に型締めを行うことができる。
即ち、下型111の型面111aに弾性外気遮断部材604の先端面604aを当接する型組品の中間型締めを行う。
このとき、キャビティブロック607の型面と基板40の上面とには所要の間隔(距離)が保持形成される。
また、このとき、下型面111a(所要個所)と先端面604aとが鏡面に各別に形成されているので、この両者が所要の押圧力にて効率良く密着して外気遮断作用を有することになる。
また、このとき、型組品110側において、この下型111の型面111aと先端面604aとの両者間にて、少なくとも、キャビティ114と樹脂通路115とからなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができる。
次に、ポットブロックの往復駆動機構150にてポットブロック140を型組品110側に移動させることにより、型組品110の側面110aとポットブロック140の先端面に設けられたOリング等のシール部材(外気遮断部材)502における突出した状態にある断面先端部を所要の押圧力にて接合するポットブロックの中間接合を行う。
このとき、ポットブロック140側において、型組品の側面110aとポットブロックのシール部材502の断面先端部とで、少なくともポット141を含む型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができる。
即ち、前述したように、型組品の中間型締工程とポットブロックの中間接合工程とを行うことにより、弾性外気遮断部材604とポットブロック先端面140aのシール部材502とで、少なくとも、ポット141とキャビティ114と樹脂通路115とからなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができる。
従って、次に、前述した型組品の中間型締工程とポットブロックの中間接合工程とにおいて、外気遮断空間部501から空気等を強制的に吸引排出することにより、外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができる。
【0048】
また、次に、引き続いて、所要の型締圧力にて、基板400の上面にキャビティブロック607の型面を接合する型組品の型締工程を行うと共に、所要の押圧力にて、ポットブロックの先端面140aを型組品の側面110aに接合するポットブロックの完全接合工程を行うことができる。
このとき、型組品110側の所要の型締力にて型締めすることによって発生する弾性押圧機構604による所要の押圧力にて、弾性外遮断部材の先端面604aを下型111の型面111a(の所要個所)に押圧することができる。
また、このとき、弾性外遮断部材の先端面604aと下型111の型面111aとを効率良く密着させることができるので、その両者の当接面が外気遮断作用を有することになる。
また、更に、この状態で、継続して、外気遮断空間部501から真空引きすることが行われる。
従って、少なくとも、ポット141とキャビティ114と樹脂通路115とからなる外気遮断空間部501を所要の真空度に設定することができる。
【0049】
また、次に、ポット141内で加熱溶融化した樹脂材料をプランジャ142で加圧することにより、キャビティ114内に樹脂通路115を通して当該溶融樹脂を注入充填することができる。
硬化に必要な所要時間の経過後、型組品110を型開きすることにより、キャビティ114の形状に対応したパッケージ401内に基板400に装着した電子部品を封止成形して封止済基板402を得ることができる。
従って、次に、型組品110における下型111の型面111a(113)から封止済基板402を基板供給取出機構200で取り出すことになる。
【0050】
即ち、前述したように、本発明に係る外気遮断部材として弾性外気遮断部材(弾性押圧機構)を設けて構成したので、従来例に示すOリング等のシール部材(外気遮断部材)に比べて、本発明に係る弾性外気遮断部材を金型(型組品)に安定して且つ精度良く装着することができる。
【0051】
また、前述したように、本発明に係る弾性外気遮断部材の先端面と下型の型面を所要の押圧力にて押圧して当接することにより、その両者の当接面を効率良く密着させることができる。
即ち、この両者の密着性を有する当接面は外気遮断作用を有するので、弾性外気遮断部材と下型とで形成される型内空間部を効率良く外気遮断状態にして外気遮断空間部を形成することができる。
従って、弾性外気遮断部材と下型とで形成された外気遮断空間部から空気等を強制的に吸引排出して真空引きを行うことにより、この外気遮断空間部を所要の真空度に効率良く安定して設定することができる。
【0052】
また、前述したように、本発明に係る外気遮断部材として弾性外気遮断部材(弾性押圧機構)を設けて構成したので、従来例に示すOリング等のシール部材(外気遮断部材)が圧縮して変形される構成に比べて、本発明に係る弾性外気遮断部材は下型面で圧縮されて変形することがないので、その耐久性を効率良く向上させることができる。
【0053】
また、本発明によれば、本発明に係る外気遮断部材として弾性外気遮断部材(弾性押圧機構)を設けて構成したことにより、本発明に係る弾性外気遮断部材を金型(型組品)に安定して且つ精度良く装着することができ、且つ、その耐久性を効率良く向上させるできるため、従来例に示すOリング等のシール部材(外気遮断部材)を頻繁に交換する必要がなくなるので、製品の生産性を効率良く向上させることができる。
【0054】
なお、本発明によれば、弾性外気遮断部材604の先端面604aと下型111の型面111aとを鏡面にて形成した場合、この両者による当接面を良好に且つ効率良く密着させることができる。
従って、前述したような本発明における作用効果を更に効率良く向上させることができるものである。
【0055】
〔第2実施例〕
また、前述した実施例に代えて、図10に示す他の実施例(第2実施例)を採用することができる。
なお、図10に示す実施例(第2実施例)の基本的な構成は、前述した実施例(第1実施例)と同じであるため、同じ構成部材には同じ符号を付すものである。
【0056】
また、図10に示す実施例(第2実施例)は、ポットブロック140に設けられたポット141の開口部側の先端面140aにOリング等のシール部材(502)を設けることない構成である。
従って、ポットブロック140の先端面140aと型組品110の側面110aとをポットブロックの往復駆動機構150にて所要の接合力(所要の押圧力)にて完全に接合することにより、この両者の接合面を効率良く密着させて外気遮断作用を有することができるように構成されている。
このため、ポットブロックの先端面140aと型組品の側面110aとを所要の押圧力にて完全に接合することにより、少なくとも、ポット141とキャビティ114と樹脂通路115とからなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができる。
即ち、ポットブロックの先端面と型組品の側面とを所要の押圧力にて接合することにより、この両者の接合面における密着性を効率良く向上することができるので、この密着性を有する両者にて、型組品の型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を効率良く形成することができる。
従って、図10に示す実施例(第2実施例)にて形成される外気遮断空間部501から真空引きすることにより、この外気遮断空間部501を所要の真空度に効率良く安定して設定することができる。
【0057】
また、図10に示す実施例(第2実施例)は、前述した実施例(第1実施例)に比べ、ポットブロック先端面140aのシール部材(502)が存在しないため、ポットブロックの中間接合工程は実施されないものである。
即ち、型組品における中間型締工程と完全型締工程とが行われ、この二つの工程時において、外気遮断空間部501から空気等を強制的に吸引排出する真空引き工程が行われるものである。
従って、図10に示す実施例(第2実施例)において、前述した実施例(第1実施例)と同様の作用効果を得ることができる。
また、型組品110の型面に、或いは、ポットブロックの端面にゴム材料にて成形されたOリング等のシール材を設けない構成であるので、圧縮復元するOリングから発生するゴムくずが磨耗粉となってパッケージ401(或いは、溶融樹脂)に混入することを効率良く防止することができる。
なお、図10に示す実施例(第2実施例)において、上方に配置した型組品110は完全型締状態を示し、下方に配置した型組品110は中間型締状態を示している。
【0058】
なお、図10に示す実施例において、前述した実施例と同様に、ポットブロック140の先端面140aと、型組品110の側面110aとを鏡面に加工して形成した場合、前述した実施例と同様の作用効果を得ることができる。
即ち、ポットブロック140の先端面140aと、型組品110の側面110aとを接合することにより、所要の押圧力にて、ポットブロック先端面140aに形成した鏡面に対して型組品の側面110aを押圧することができるので、当該接合面を良好に且つ効率良く密着させることができる。
従って、前述したような本発明における作用効果を更に効率良く向上させることができるものである。
また、この場合、ポットブロック140側において、この両者による当接面を良好に且つ効率良く密着させることにより、少なくとも、ポット141を含む型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部501を形成することができるように構成されている。
【0059】
本発明は、前述した実施例のものに限定されるものでなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて、任意且つ適宜に変更・選択して採用できるものである。
【0060】
(鏡面の加工について)
前述した各実施例において、弾性外気遮断部材604の先端面604a、下型111の型面111aに(少なくとも、弾性外気遮断部材604の先端面604aが当接する個所)、型組品110の側面110a及びポットブロック140の先端面140aは、研削加工にて鏡面に形成することができる。
また、当接する二つの当接面において、その両者における研削方向を互いに平行にして当接した場合、(例えば、互いに直交して当接した場合に比べても、)その密着性は非常に優れて良いものである。
即ち、研削方向を互いに平行にした当接面にてその両当接面間を効率良く密着させることができるので、この両当接面間における外気遮断状態を効率良く向上させることができる。
従って、この研削方向を互いに平行にした当接面にて形成された両当接面間にて形成された外気遮断空間部501から真空引きすることによってこの外気遮断空間部501を所要の真空度に安定して設定することができる。
【0061】
(その他)
なお、前記した各実施例において、下型の型面の所定位置(セット面)に成形前基板の供給した後、型組品の端面(下型の型面におけるセット面)から基板の一部がはみ出していた場合、ポットブロックを移動させてポットブロックの端面を型組品の端面に接合することにより、基板の端面を押圧してその端面の位置を型組品の端面位置に修正してセットすることができる。
なお、この後、ポットブロックを型組品の端面から分離してポット内に樹脂材料を供給することができる。
【0062】
また、前記した各実施例において、ポットブロック140の往復駆動機構150として、ガススプリングユニットを用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は本発明に係る電子部品の樹脂封止成形装置の要部を概略的に示す概略正面図であって、前記した装置に設けた型組品(電子部品の樹脂封止成形用金型)の型開状態を示している。
【図2】図2は図1に示す装置に設けた樹脂封止成形部を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した装置(樹脂封止成形部)に設けた型組品の型開状態を示している。
【図3】図3は図2対応する装置に設けた樹脂封止成形部を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した装置(樹脂封止成形部)に設けた型組品の中間型締状態(及び前記した樹脂封止成形部に設けたポットブロックの中間接合状態)を示している。
【図4】図4は図2対応する装置に設けた樹脂封止成形部を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した装置(樹脂封止成形部)に設けた型組品の完全型締状態(及び前記した樹脂封止成形部に設けたポットブロックの完全接合状態)を示している。
【図5】図5は図2対応する装置に設けた樹脂封止成形部を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した装置(樹脂封止成形部)に設けた型組品に加熱溶融化した樹脂材料を注入充填した状態を示している。
【図6】図6は図2対応する装置に設けた樹脂封止成形部を概略的に示す概略縦断面図であって、前記した装置(樹脂封止成形部)に設けた型組品にて樹脂封止成形した封止済基板の取出状態を示している。
【図7】図7(1)は図2に示す装置に設けた樹脂封止成形部の型組品を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であり、図7(2)は図7(1)に示す型組品の上型の型面を拡大して概略的に示す拡大概略平面図であり、図7(3)は図7(1)に示す型組品の断面とは垂直となる断面を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図である。
【図8】図8(1)、図8(2)は、図7(1)に対応する型組品を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であって、図8(1)は型組品の中間型締状態を示し、図8(2)は型組品の完全型締状態を示している。
【図9】図9(1)は図8(1)に示す型組品を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であって、型組品の中間型締状態を示し、図9(2)図8(2)に示す型組品を拡大して概略的に示す拡大概略縦断面図であって、型組品の完全型締状態を示している。
【図10】図10は本発明に係る他の電子部品の樹脂封止成形装置に設けた樹脂封止成形部を概略的に示す概略縦断面図である。
【符号の説明】
【0064】
100 樹脂封止成形部
110 型組品
110a 型組品の側面(端面)
111 第1の型(下型)
111a 型面
112 第2の型(上型)
113 セット面
114 キャビティ
115 樹脂通路
120 型開閉機構
130 ブレス機構
140 ポットブロック
141 ポット
142 プランジャ
150 ポットブロックの往復駆動機構
200 基板供給取出機構
300 樹脂材料搬送供給機構
301 樹脂材料(樹脂タブレット)
400 (成形前)基板
400a 基板の端面(端部)
401 パッケージ
402 成形済基板
500 真空引き機構
501 外気遮断空間部
502 シール部材(ポットブロック先端部)
503 シール部材(上型チェイス)
504 真空経路
505 吸引口(キャビティブロックの上型面)
506 吸引口(ポットブロックの先端面)
507 吸引口(ポット)
600 上型チェイスホルダ
601 上型チェイス
602 上型チェイスベース
603 キャビティ部材
603a 係止部(キャビティ部材)
603b 凹部(上型チェイスのシール部材)
604 弾性外気遮断部材
604a 先端面(弾性外気遮断部材)
604b 貫通孔(弾性外気遮断部材)
605 弾性押圧機構
606 案内機構
607 キャビティブロック
608 取付部材(キャビティブロック)
620 案内ピン(弾性押圧機構)
621 挿通孔(弾性押圧機構)
622 被係止板(弾性押圧機構)
623 弾性部材(弾性押圧機構)
624 係止部(弾性外気遮断部材の挿通孔)
630 摺動ピン(案内機構)
631 摺動孔(案内機構)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、第1の型と前記第1の型面と対向した第2の型とからなる型組品と、前記した第2の型に設けた樹脂成形用のキャビティと樹脂移送用の樹脂通路とを有するキャビティ部材と、前記したキャビティ部材に対して弾性摺動自在に設けた弾性外気遮断部材と、前記した型組品に接合分離する樹脂材料供給用のポットを有するポットブロックとを備えた電子部品の樹脂成形装置を用意する準備工程と、
前記した第1の型に電子部品を装着した基板を供給セットする基板の供給工程と、
前記した型組品を所要の型締圧力にて型締めすることにより、前記したキャビティ内に前記した基板に装着した電子部品を嵌装する型組品の型締工程と、
前記した型組品の側面に対して前記したポットブロックの先端面を接合するポットブロックの接合工程と、
前記した型組品の型締工程に、前記した弾性外気遮断部材の先端面と第1の型面とを当接して所要の押圧力にて密着させることにより、前記した弾性外気遮断部材の先端面と第1の型面とで、少なくとも、ポットとキャビティと樹脂通路からなる型内空間部を外気遮断状態にして外気遮断空間部を形成する外気遮断空間部の形成工程と、
前記した外気遮断空間部から空気等を強制的に吸引排出して真空引きすることにより、前記した外気遮断空間部を所要の真空度に設定する外気遮断空間部の真空引き工程と、
前記したポット内で加熱溶融化された樹脂材料を前記したキャビティ内に樹脂通路を通して注入充填することにより、前記したキャビティ内で前記したキャビティの形状に対応したパッケージ内に前記した基板に装着した電子部品を樹脂封止成形する電子部品の樹脂封止工程とを含むことを特徴とする電子部品の樹脂封止成形方法。
【請求項2】
型組品の型締工程に、基板の表面とキャビティ部材の型面とを所要の間隔で保持した状態で型締めする型組品の中間型締工程と、
前記した型組品の型締工程に、基板の表面とキャビティ部材の型面とを接合することにより、弾性外気遮断部材の先端面で下型の型面を所要の押圧力で押圧する型組品の完全型締工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の樹脂封止成形方法。
【請求項3】
ポットブロックの接合工程時に、前記したポットブロックの先端面におけるポットの周囲に設けたシール部材の断面先端を型組品の側面に当接することにより、前記した型組品の側面とポットブロック先端面のシール部材の断面先端部と所要の間隔で保持した状態で接合するポットブロックの中間接合工程と、
前記したポットブロックの接合工程時に、前記したポットブロックの先端面を型組品の側面に当接するポットブロックの完全接合工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の樹脂封止成形方法。
【請求項4】
電子部品の樹脂成形装置を用意する準備工程時に、鏡面にて形成された側面を有する型組品と、鏡面にて形成された先端面を有するポットブロックとを用意する鏡面の準備工程と、
前記したポットブロックの接合工程時に、前記した鏡面にて形成されたポットブロック先端面を鏡面にて形成された型組品側面に当接するポットブロックの鏡面接合工程とを行うことを特徴とする請求項1に記載の電子部品の樹脂封止成形方法。
【請求項5】
第1の型と、前記した第1の型に対向配置した第2の型とからなる型組品を設けると共に、前記した型組品を開閉する型開閉機構と、前記した型組品に所要の型締圧力を加えるプレス機構と、前記した第1の型に設けられ且つ電子部品を装着した基板を供給するセット面と、前記した第2の型に設けられ且つ樹脂成形用キャビティと樹脂移送用の樹脂通路とを有するキャビティ部材と、前記したキャビティ内に前記した樹脂通路を通して溶融樹脂を注入充填する樹脂材料供給用のポットと樹脂加圧用のプランジャとを有するポットブロックと、前記したポットブロックを前記した型組品に対して接合分離するように往復駆動するポットプランジャの往復駆動機構と、前記した第2の型におけるキャビティ部材の外周囲に設けられ且つ前記したキャビティ部材に弾性摺動して少なくともポットとキャビティと樹脂通路とからなる型内空間部を外気遮断状態に形成する弾性外気遮断部材と、前記した外気遮断空間部から空気等を強制的に吸引排出して真空引きする真空引き機構とを備えたことを特徴とする電子部品の樹脂封止成形装置。
【請求項6】
型組品を所要数、積層して設けて構成したことを特徴とする請求項5に記載の電子部品の樹脂封止成形装置。
【請求項7】
ポットブロックの先端面におけるポットの外周囲に外気遮断用のシール部材を設けたことを特徴とする請求項5に記載の電子部品の樹脂封止成形装置。
【請求項8】
型組品の側面と、ポットブロックの先端面とを鏡面にて形成したことを特徴とする請求項5に記載の電子部品の樹脂封止成形装置。
【請求項9】
弾性外気遮断部材の先端面と、少なくとも、弾性外気遮断部材の先端面が当接する下型の型面における所要個所とを鏡面にて形成したことを特徴とする請求項5に記載の電子部品の樹脂封止成形装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−113306(P2009−113306A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−288042(P2007−288042)
【出願日】平成19年11月6日(2007.11.6)
【出願人】(390002473)TOWA株式会社 (192)
【Fターム(参考)】