説明

電気光学装置および電子機器

【課題】画素が高精細になっても所望の電気容量を有する保持容量を実現可能な電気光学装置およびこれを備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】本適用例の電気光学装置は、データ線6a及び走査線3aと、データ線6aと走査線3aとの交差に対応して設けられたトランジスター30と、トランジスター30に電気的に接続され、第1容量電極16aと第2容量電極16bとが誘電体層を介して対向配置される保持容量と、を備え、第1容量電極16aは、第1導電膜と第1導電膜の上面及び側面を覆う第2導電膜とを有し、第2容量電極16bは、第1容量電極16aの上面及び側面において誘電体層を介して第1容量電極16aと対向して保持容量を形成している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
上記電気光学装置として、画素ごとに薄膜トランジスターなどのスイッチング素子が設けられたアクティブ駆動型の液晶装置が知られている。アクティブ駆動型の液晶装置は、一対の電極間に液晶層を有し、画素ごとに書き込まれた画像信号は、該一対の電極と液晶層とからなる電気容量において一時的に保持される。これに加えて、該画像信号を所定の期間電気的に保持する保持容量が画素ごとに設けられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、トランジスターの半導体層を覆う遮光部が、基板上において順次に積層された下容量電極および上容量電極を有し、いずれか一方の容量電極が画素電極に電気的に接続された容量素子である電気光学装置が開示されている。つまり、容量素子が非開口領域に設けられているので、容量素子を設けることに伴う画素の開口率の低下が防止された構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−63994号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の画素の構造では、画素が高精細になるにつれて所望の電気容量を有する容量素子の形成が困難になるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]本適用例の電気光学装置は、データ線及び走査線と、前記データ線と前記走査線との交差に対応して設けられたトランジスターと、前記トランジスターに電気的に接続され、第1容量電極と第2容量電極とが誘電体層を介して対向配置される保持容量と、を備え、前記第1容量電極は、第1導電膜と前記第1導電膜の上面及び側面を覆う第2導電膜とを有し、前記第2容量電極は、前記第1容量電極の上面及び側面において前記誘電体層を介して前記第1容量電極と対向して前記保持容量を形成することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、第1容量電極と第2容量電極とが誘電体層を介して重なった部分において、双方が同じ形状の平坦な容量電極である場合に比べて、第1容量電極における第1導電膜の上面及び側面を覆う第2導電膜と誘電体層を介して重なるように第2容量電極が設けられているので、実質的に双方の容量電極が重なり合う面積を増やすことが可能となる。言い換えれば、画素が高精細になったとしても所望の電気容量を有する保持容量を確保することができる。すなわち、安定した電気光学特性を有する電気光学装置を提供できる。
また、第1導電膜は第2導電膜によって保護されるので、第1容量電極と重なるように第2容量電極を例えばフォトリソグラフィ法を用いてパターニング形成するにあたり、現像液やエッチング液などの薬品類を用いたとしても、第1容量電極を構成するところの第1導電膜が損傷したり、劣化するなどの不具合を防止することができる。
【0009】
[適用例2]上記適用例の電気光学装置において、前記第1導電膜は、前記データ線と前記走査線との交差部において、平面的に前記データ線又は前記走査線の延在する方向に延在する本線部と、平面的に前記本線部と交差する方向に突出する複数の突出部とを有してなることを特徴とする。
この構成によれば、第1容量電極と第2容量電極とが重なる部分において、第1導電膜が本線部から突出する複数の突出部を有することにより、第1導電膜の平面的な周長を第2容量電極に比べて長くすることができる。すなわち、本線部だけで構成する場合に比べて保持容量における電気容量を増加させることができる。
【0010】
[適用例3]上記適用例の電気光学装置において、前記第2導電膜及び前記第2容量電極は、前記第1導電膜における前記複数の突出部の間の領域を含んで形成されていることが好ましい。
この構成によれば、第1容量電極の実質的な表面積をさらに増やすことができ、保持容量における電気容量をさらに増加させることができる。
【0011】
[適用例4]上記適用例の電気光学装置において、前記第1導電膜は、前記データ線と前記走査線との交差部において、平面的に開口部を有してなるとしてもよい。
【0012】
この構成によれば、第1導電膜に開口部を設けることにより、第2容量電極に比べて平面的に長い周長を実現することができる。
【0013】
[適用例5]上記適用例の電気光学装置において、前記第2導電膜及び前記第2容量電極は、前記第1導電膜における前記開口部の領域を含んで形成されていることが好ましい。
【0014】
この構成によれば、第1容量電極の実質的な表面積をさらに増やすことができ、保持容量における電気容量をさらに増加させることができる。
【0015】
[適用例6]本適用例の電子機器は、上記適用例の電気光学装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、安定した電気光学特性を有する電気光学装置を備えた電子機器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、(b)は(a)のH−H’線で切った概略断面図。
【図2】液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。
【図3】第1実施形態の液晶装置における画素の配置を示す概略平面図。
【図4】(a)および(b)は第1実施形態の液晶装置における画素の構成を示す概略平面図。
【図5】図4(a)のA−A’線で切った画素の構造を示す概略断面図。
【図6】図4(b)のB−B’線で切った保持容量の構造を示す概略断面図。
【図7】(a)は第1容量電極における第1導電膜の形状を示す概略斜視図、(b)は(a)のC−C’線で切ったときの保持容量の構造を示す断面図。
【図8】電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。
【図9】変形例の保持容量における第1容量電極の形状を示す概略平面図。
【図10】変形例のコンタクトホールの構成を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
【0018】
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
【0019】
(第1実施形態)
本実施形態では、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えた電気光学装置としてのアクティブマトリクス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
【0020】
<液晶装置>
まず、本実施形態の電気光学装置としての液晶装置について、図1および図2を参照して説明する。図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、同図(b)は同図(a)のH−H’線で切った概略断面図、図2は液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
【0021】
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10および対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。素子基板10および対向基板20は、透明な例えば石英などのガラス基板が用いられている。
【0022】
素子基板10は対向基板20よりも一回り大きく、両基板は、額縁状に配置されたシール材40を介して接合され、その隙間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層50を構成している。シール材40は、例えば熱硬化性または紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材40には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
【0023】
額縁状に配置されたシール材40の内側には、同じく額縁状に遮光膜21が設けられている。遮光膜21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、遮光膜21の内側が複数の画素Pを有する表示領域Eとなっている。なお、図1では図示省略したが、表示領域Eにおいても複数の画素Pを平面的に区分する遮光部が設けられている。
【0024】
素子基板10の1辺部に沿ったシール材40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材40の内側に検査回路103が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材40の内側に走査線駆動回路102が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部のシール材40の内側には、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105が設けられている。これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子104に接続されている。
以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。
なお、検査回路103の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路101と表示領域Eとの間のシール材40の内側に沿った位置に設けてもよい。
【0025】
図1(b)に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた光透過性を有する画素電極15およびスイッチング素子としての薄膜トランジスター(TFT;Thin Film Transistor)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。
また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。当該遮光構造については後述する。
【0026】
対向基板20の液晶層50側の表面には、遮光膜21と、これを覆うように成膜された層間膜層22と、層間膜層22を覆うように設けられた共通電極23と、共通電極23を覆う配向膜24とが設けられている。
【0027】
遮光膜21は、図1(a)に示すように平面的にデータ線駆動回路101や走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置において額縁状に設けられている。これにより対向基板20側から入射する光を遮蔽して、これらの駆動回路を含む周辺回路の光による誤動作を防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が表示領域Eに入射しないように遮蔽して、表示領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
【0028】
層間膜層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して遮光膜21を覆うように設けられている。このような層間膜層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
【0029】
共通電極23は、例えばITOなどの透明導電膜からなり、層間膜層22を覆うと共に、図1(a)に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
【0030】
画素電極15を覆う配向膜18および共通電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、液晶分子に対して略水平配向処理が施されたものや、SiOx(酸化シリコン)などの無機材料を気相成長法を用いて成膜して、液晶分子に対して略垂直配向させたものが挙げられる。
【0031】
図2に示すように、液晶装置100は、少なくとも表示領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号線としての複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、データ線6a沿って平行するように配置された容量線3bとを有する。
走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
【0032】
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、保持容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
【0033】
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30のソースに電気的に接続されている。画素電極15はTFT30のドレインに電気的に接続されている。
データ線6aはデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。データ線駆動回路101からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
【0034】
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された共通電極23との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と共通電極23との間に形成される液晶容量と並列に保持容量16が接続されている。保持容量16は、TFT30のドレインと容量線3bとの間に設けられている。詳しくは、後述するが、保持容量16は、遮光性の第1容量電極および第2容量電極との間に誘電体層を有するものである。また、上記第1容量電極が上記容量線3bの機能を果たしており、上記第2容量電極と重なった部分において、第1容量電極が第2容量電極に比べて平面的に長い周長を有している。これにより、双方が同じ形状の容量電極である場合に比べて実質的な表面積を増やすことができ、保持容量16において所望の電気容量が確保されている。また、容量線3b(第1容量電極)は、固定電位に接続されている。
【0035】
なお、図1(a)に示した検査回路103には、データ線6aが接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図2の等価回路では省略している。また、検査回路103は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6aに供給するサンプリング回路、データ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
【0036】
このような液晶装置100は透過型であって、画素Pが非駆動時に明表示となるノーマリーホワイトモードや、非駆動時に暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
【0037】
次に、画素Pの平面的な配置と構造について、図3〜図7を参照して説明する。図3は第1実施形態の液晶装置における画素の配置を示す概略平面図、図4(a)および(b)は第1実施形態の液晶装置における画素の構成を示す概略平面図、図5は図4(a)のA−A’線で切った画素の構造を示す概略断面図、図6は図4(b)のB−B’線で切った保持容量の構造を示す概略断面図、図7(a)は第1容量電極における第1導電膜の形状を示す概略斜視図、(b)は同図(a)のC−C’線で切ったときの保持容量の構造を示す断面図である。
【0038】
図3に示すように、液晶装置100における画素Pは、例えば平面的に略四角形の開口領域を有する。開口領域は、X方向とY方向とに延在し格子状に設けられた遮光性の非開口領域により囲まれている。
【0039】
X方向に延在する非開口領域には、図2に示した走査線3aが設けられている。走査線3aは遮光性の導電部材が用いられており、走査線3aによって非開口領域の少なくとも一部が構成されている。
【0040】
同じく、Y方向に延在する非開口領域には、図2に示したデータ線6aと容量線3bが設けられている。データ線6aおよび容量線3bも遮光性の導電部材が用いられており、これらによって非開口領域の少なくとも一部が構成されている。
【0041】
非開口領域は、素子基板10側に設けられた上記信号線類によって構成されるだけでなく、対向基板20側において格子状にパターニングされた遮光膜21によっても構成することができる。
【0042】
非開口領域の交差部付近には、図2に示したTFT30や保持容量16が設けられている。遮光性を有する非開口領域の交差部付近にTFT30を設けることにより、TFT30の光誤動作を防止すると共に、開口領域における開口率を確保している。詳しい画素Pの構造については後述するが、交差部付近にTFT30や保持容量16を設ける関係上、交差部付近の非開口領域の幅は、他の部分に比べて広くなっている。
【0043】
図4(a)に示すように、画素Pは、走査線3aとデータ線6aの交差部に設けられたTFT30を有している。TFT30は、ソース領域30sと、ドレイン領域30dと、チャネル領域30cと、ソース領域30sとチャネル領域30cとの間に設けられた接合領域30eと、チャネル領域30cとドレイン領域30dとの間に設けられた接合領域30fとを有するLDD(Lightly Doped Drain)構造の半導体層30aを有している。半導体層30aは上記交差部を通過して、走査線3aと重なるように配置されている。
【0044】
走査線3aはデータ線6aとの交差部において、X,Y方向に拡張された平面視で四角形の拡張部を有している。当該拡張部に平面的に重なると共に接合領域30fおよびドレイン領域30dと重ならない開口部を有する折れ曲がった形状のゲート電極30gが設けられている。
【0045】
ゲート電極30gは、Y方向に延在した部分が平面的にチャネル領域30cと重なっている。また、チャネル領域30cと重なった部分から折り曲げられてX方向に延在し、互いに対向する部分がそれぞれ走査線3aの拡張部との間に設けられたコンタクトホールCNT5,CNT6によって、電気的に走査線3aと接続している。
【0046】
コンタクトホールCNT5,CNT6は、平面視でX方向が長い矩形状(長方形)であって、半導体層30aのチャネル領域30cと接合領域30fとに沿って接合領域30fを挟むように両側に設けられている。
【0047】
データ線6aは、Y方向に延在すると共に、走査線3aとの交差部において同じく四角形の拡張部を有し、当該拡張部からX方向に突出した部分に設けられたコンタクトホールCNT1によってソース領域30sと電気的に接続している。コンタクトホールCNT1を含む部分がソース電極31(図5参照)となっている。一方、ドレイン領域30dの端部にもコンタクトホールCNT2,CNT3が設けられており、コンタクトホールCNT2を含む部分がドレイン電極32(図5参照)となっている。コンタクトホールCNT2,CNT3に隣り合うようにコンタクトホールCNT4が設けられており、コンタクトホールCNT2とコンタクトホールCNT3とは島状に設けられた中継電極6bによって電気的に接続している。コンタクトホールCNT3とコンタクトホールCNT4とは、保持容量16の第2容量電極16bによって中継されて電気的に接続されている。詳しいコンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3,CNT4の構造については、後述する。
【0048】
画素電極15は、走査線3aやデータ線6aと外縁部が重なるように設けられており、本実施形態では走査線3aと重なる位置に設けられた2つのコンタクトホールCNT3,CNT4を介してドレイン電極32に電気的に接続されている。
【0049】
図4(a)および(b)に示すように、保持容量16は、第1容量電極16aと、第1容量電極16aに対向配置された第2容量電極16bとを有している。第1容量電極16aは、走査線3aの拡張部と重なる部分と、該拡張部と重なった部分から走査線3aの延在方向とデータ線6aの延在方向とに延出された部分とを有しており、非開口領域(図3参照)に配置されている。
【0050】
第1容量電極16aは、データ線6aに沿って延在し、複数の画素Pに跨って設けられた本線部16aaと、本線部16aaと交差してX方向に突出すると共に、Y方向において間隔をおいて設けられた3つの突出部16ab,16ac,16adとを有している。突出部16ab,16ac,16adは、データ線6aと走査線3aの交差部における拡張部と平面的に重なるように設けられている。また、突出部16abと突出部16adとの間の突出部16acは、コンタクトホールCNT3が設けられた部分を除いて、走査線3aに沿って延在して、走査線3aと平面的に重なるように設けられている。
【0051】
一方、第2容量電極16bは、図4(b)に示すように、画素Pごとに独立して島状に設けられている。1つの画素Pを囲むようにして当該画素Pの第2容量電極16bと隣り合う画素Pの第2容量電極16bとが配置され、遮光性の非開口領域(図3参照)を構成している。
【0052】
より具体的には、第2容量電極16bは、データ線6aと走査線3aとの交差部における拡張部と平面的に重なる四角形部分16bbと、四角形部分16bbからデータ線6aに沿ってY方向に突出した突出部16ba,16bdと、同じく四角形部分16bbから走査線3aに沿って突出した突出部16bc,16beとを有している。突出部16bcはコンタクトホールCNT4と重なる位置まで突出し、コンタクトホールCNT3とコンタクトホールCNT4とを電気的に接続させる中継層としても機能している。
【0053】
隣り合う画素Pの第2容量電極16b同士が同一配線層において向かい合う部分、具体的には、突出部16bcと突出部16beが向かい合う部分16cと、突出部16baと突出部16bdが向かい合う部分16dとには、それぞれ第1容量電極16aを覆う絶縁膜13aが設けられている。
【0054】
次に、図5〜図7を参照して、画素Pの構造について、さらに詳しく説明する。
図5に示すように、素子基板10上には、まず走査線3aが形成される。走査線3aは、例えばAl、Ti、Cr、W、Ta、Moなどの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性を有している。
【0055】
走査線3aを覆うように例えば酸化シリコンなどからなる下地絶縁膜11aが形成され、下地絶縁膜11a上に島状に半導体層30aが形成される。半導体層30aは例えば多結晶シリコン膜からなり、不純物イオンが注入されて、前述したソース領域30s、接合領域30e、チャネル領域30c、接合領域30f、ドレイン領域30dを有するLDD構造が形成されている。
【0056】
半導体層30aを覆うように第1絶縁膜(ゲート絶縁膜)11bが形成される。さらに第1絶縁膜11bを挟んでチャネル領域30cに対向する位置にゲート電極30gが形成される。
【0057】
ゲート電極30gと第1絶縁膜11bとを覆うようにして第2絶縁膜11cが形成され、半導体層30aのそれぞれの端部と重なる位置に第1絶縁膜11b、第2絶縁膜11cを貫通する2つのコンタクトホールCNT1,CNT2が形成される。そして、2つのコンタクトホールCNT1,CNT2を埋めると共に第2絶縁膜11cを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT1を介してソース領域30sに繋がるソース電極31ならびにデータ線6aが形成される。同時にコンタクトホールCNT2を介してドレイン領域30dに繋がるドレイン電極32(中継電極6b)が形成される。
【0058】
次に、データ線6aおよび中継電極6bと第2絶縁膜11cを覆って層間絶縁膜12が形成される。層間絶縁膜12は、例えばシリコンの酸化物や窒化物からなり、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生ずる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的研磨処理(Chamical Mechanical Polishing;CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。
【0059】
層間絶縁膜12を覆うように導電膜が形成され、これを後にコンタクトホールCNT3が形成される部分を除去してパターニングすることにより、第1容量電極16aが形成される。
【0060】
第1容量電極16aを覆って誘電体層13bが成膜される。誘電体層13bとしては、シリコン窒化膜や、酸化ハウニュウム(HfO2)、アルミナ(Al23)、酸化タンタル(Ta25)などの単層膜、またはこれらの単層膜のうち少なくとも2種の単層膜を積層した多層膜を用いてもよい。
【0061】
平面的に中継電極6bと重なる位置に層間絶縁膜12と誘電体層13bとを貫通するコンタクトホールCNT3が形成される。このコンタクトホールCNT3を埋めるとともに誘電体層13bを覆う導電膜が形成され、これをパターニングすることにより、第1容量電極16aに対向配置され、コンタクトホールCNT3を介して中継電極6bに繋がる第2容量電極16bが形成される。
【0062】
次に、第2容量電極16bと誘電体層13bとを覆う層間絶縁膜14が形成される。層間絶縁膜14も例えばシリコンの酸化物や窒化物からなり、層間絶縁膜12と同様に平坦化処理を施してもよい。
【0063】
層間絶縁膜14を貫通するコンタクトホールCNT4が第2容量電極16bと重なる位置に形成され、このコンタクトホールCNT4を埋めるようにしてITOなどの透明導電膜が成膜される。この透明導電膜をパターニングしてコンタクトホールCNT4を介して第2容量電極16bと繋がる画素電極15が形成される。
【0064】
上述したように第2容量電極16bはコンタクトホールCNT3および中継電極6bを介してTFT30のドレイン電極32と電気的に接続すると共に、コンタクトホールCNT4を介して画素電極15と電気的に接続している。第1容量電極16aの本線部16aaは上述したようにデータ線6aの延在方向(Y方向)において複数の画素Pに跨るように形成され、等価回路(図2参照)における容量線3bとしても機能している。これにより、TFT30のドレイン電極32を介して画素電極15に与えられた電位を第1容量電極16aと第2容量電極16bとの間において保持することができる。
【0065】
次に、保持容量16の構成や構造について、図6および図7を参照してさらに詳しく説明する。図6に示すように、層間絶縁膜12上に設けられた第1容量電極16aは、第1導電膜16a1と、第1導電膜16a1を覆ってこれを保護する第2導電膜16a2とを有している。
【0066】
第1導電膜16a1は、例えば低抵抗配線材料であるAl(アルミニウム)を用いて形成され、厚みはおよそ200nm〜350nmである。
【0067】
第2導電膜16a2は、第1導電膜16a1が酸化したりや損傷したりして機能が損なわれないように保護するために設けられるものであり、例えば、金属の窒化物であるTi−N(窒化チタン)などを用いることができる。厚みはおよそ100nm〜150nmである。
【0068】
第1容量電極16a上において、隣り合う画素Pの第2容量電極16b同士が向かい合う部分16c,16d(図4(b)参照)には、第1容量電極16aを覆うように絶縁膜13aが形成されている。絶縁膜13aは例えば、シリコンの酸化物や窒化物であって、厚みがおよそ50nm〜100nmである。
【0069】
絶縁膜13aが形成された第1容量電極16aを覆って誘電体層13bが形成される。前述したように、誘電体層13bは、シリコン窒化膜や、酸化ハウニュウム(HfO2)、アルミナ(Al23)、酸化タンタル(Ta25)などの単層膜、またはこれらの単層膜のうち少なくとも2種の単層膜を積層した多層膜を用いることができる。本実施形態では、アルミナ(Al23)と酸化ハウニュウム(HfO2)の多層膜とし、厚みはおよそ20nm〜30nmとした。
【0070】
続いて、誘電体層13b上に導電膜を成膜し、これを第1容量電極16aと対向するようにパターニングすることにより第2容量電極16bを形成する。
第2容量電極16bを構成する導電膜は、例えば、上記第2導電膜16a2と同じ金属の窒化物であるTi−N(窒化チタン)を用いることができる。厚みはおよそ200nmである。耐薬品性や耐磨耗性に優れたTi−Nを用いることにより、この後に層間絶縁膜14や画素電極15などを形成する工程において、保持容量16が劣化や損傷することを防ぐことができる。また、第2容量電極16bのパターニング時に、第2導電膜16a2上で上記導電膜がエッチングされたとしても、当該エッチングされる部分は、絶縁膜13aと誘電体層13bとにより覆われているので、同一材料の第2導電膜16a2までエッチングされることが防止されている。
【0071】
図7(a)に示すように、走査線3aとデータ線6aとの交差部における拡張部と平面的に重なる部分において、第1容量電極16aは、データ線6aに沿ってY方向に延在する本線部16aaと、本線部16aaと交差し、X方向つまり走査線3aに沿った方向に突出する3つの突出部16ab,16ac,16adとを有している。
【0072】
画素Pが高精細になればなるほど、上記拡張部の平面的な大きさが制約され小さくせざるを得なくなる。そうなると、非開口領域に配置される保持容量16の各容量電極における平面的な大きさも制約される。そこで、本実施形態のように突出部16ab,16ac,16adを設けることにより、第1容量電極16aを上記拡張部と同じように単純な四角形とするよりも、平面的な周長を長くして、上面だけでなく厚み方向における側面部分も容量電極として利用可能とする。
【0073】
図7(b)に示すように、上記拡張部と平面的に重なる部分において、第2導電膜16a2は、層間絶縁膜12上に露出した第1導電膜16a1の上面および側面と、突出部16ab,16ac,16adの間の領域とを含めて覆うように形成することが好ましい。
誘電体層13bは第2導電膜16a2を覆うように形成され、第2容量電極16bはさらに誘電体層13bを覆うように形成される。
【0074】
したがって、第1容量電極16aと第2容量電極16bとを上記拡張部と同じように単純な四角形とするよりも、双方の容量電極の面積を実質的に増やすことができる。
【0075】
上記実施形態における効果は、以下の通りである。
(1)保持容量16は、走査線3aとデータ線6aとの交差部における拡張部に重なるようにして非開口領域に配置されている。保持容量16の第1容量電極16aは、容量線3bとして機能する本線部16aaと、第2容量電極16bと重なる部分において、本線部16aaと交差する3つの突出部16ab,16ac,16adとを有している。したがって、第2容量電極16bと重なる部分において、第1容量電極16aの形状を上記拡張部と同じように単純な四角形とする場合に比べて、第1容量電極16aの平面的な周長が長くなり、誘電体層13bを介して第2容量電極16bと向かい合う面積が大きくなる。ゆえに、画素Pが高精細となっても所望の電気容量を有する保持容量16を実現することができる。
【0076】
(2)保持容量16の第1容量電極16aは、平面的な周長が長い第1導電膜16a1と、第1導電膜16a1を覆って保護する第2導電膜16a2とを有する。したがって、第2導電膜16a2上に誘電体層13bや第2容量電極16bを形成するためにフォトリソグラフィ法を用いたとしても、第2導電膜16a2が第1導電膜16a1に比べて耐薬品性や耐摩耗性に優れているので、下層の第1導電膜16a1がエッチングされたり傷ついたりするなどの不具合が生じ難くなる。それゆえに、電気的に安定した特性が得られる保持容量16を構成することができる。
【0077】
(3)加えて、第2導電膜16a2は、3つの突出部16ab,16ac,16adの間の領域を含んで第1導電膜16a1を覆うように形成されることにより、単に第1導電膜16a1の表面(上面および側面)だけを覆う場合に比べて、保持容量16における実質的な電気容量を増やすことができる。
【0078】
(第2実施形態)
<電子機器>
図8は電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。図8に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
【0079】
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
【0080】
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
【0081】
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
【0082】
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
【0083】
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
【0084】
このような投射型表示装置1000によれば、複数の画素Pが高精細に配置されていても、所望の電気容量を有する保持容量16により安定した動作状態が得られる液晶装置100を備え、光源としてのランプユニット1101から強い(明るい)光が各液晶ライトバルブ1210,1220,1230に照射されたとしても、高い表示品位が実現されている。
【0085】
上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
【0086】
(変形例1)上記実施形態の液晶装置100において、保持容量16の第1容量電極16aの平面的な周長を長くする方法は、本線部16aaと交差する方向に突出部16ab,16ac,16adを設けることに限定されない。図9は変形例の保持容量における第1容量電極の形状を示す概略平面図である。
図9に示すように、例えば、第1容量電極16aが、第2容量電極16bと重なる部分において、本線部16aaと、本線部16aaから少なくとも2つに分かれて再び本線部16aaに接続される分岐部16af,16agとを有する構成としてもよい。これによれば、第2容量電極16bと重なる部分に、分岐部16af,16agとこれに囲まれた開口部16ahとを設けることで、第1容量電極16aの平面的な周長を長くすることができる。なお、第1容量電極16aは、第1導電膜16a1と第1導電膜16a1を覆う第2導電膜16a2とからなる。また、第1導電膜16a1が上記分岐部16af,16agを有し、第2導電膜16a2は上記開口部16ahを含んで第1導電膜16a1を覆うように形成することがより大きな電気容量を確保する点で好ましい。
また、上記実施形態のように本線部16aaと交差する突出部16ab,16ac,16adを形成する際に、本線部16aaが所定の幅よりも狭くなると電気的な抵抗が上昇するおそれがある。変形例のように本線部16aaに対して分岐部16af,16agを閉じたパターン形状とすることで、容量線3bとしての機能において所定の電気抵抗を確保することができる。
【0087】
(変形例2)上記実施形態の液晶装置100において、画素電極15とドレイン電極32とを電気的に接続させるコンタクトホールCNT3の構成は、これに限定されない。図10は、変形例のコンタクトホールの構成を示す概略断面図である。
図10に示すように、層間絶縁膜12のドレイン電極32(中継電極6b)と重なる位置にコンタクトホールCNT3を形成し、このコンタクトホールCNT3を埋めると共に層間絶縁膜12を覆うようにして導電膜を成膜して、パターニングすることにより、第1容量電極16aと、コンタクトホールCNT3を介してドレイン電極32に繋がる中継電極16eとを形成する。
次に、中継電極16eを保護する目的で、中継電極16eのコンタクトホールCNT4と重なる部分および端部を覆うように絶縁膜13aを形成する。
第1容量電極16a、中継電極16e、絶縁膜13aを覆うように誘電体層13bを形成する。誘電体層13bは、パターニングよりコンタクトホールCNT3と重なる部分を除去しておく。
そして、誘電体層13bを覆うように導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより第2容量電極16bを形成する。このようにすれば、コンタクトホールCNT3は、第1容量電極16aおよび第2容量電極16bを構成するところの導電膜により埋めて構成されるので、安定した電気接続が得られると共に、コンタクトホールCNT3上における層間絶縁膜14の凹凸を小さくすることができる。つまり、配向膜が形成される層間絶縁膜14の表面における凹凸が小さくなり、該凹凸に起因する液晶分子の配向乱れを低減できる。
【0088】
(変形例3)TFT30における半導体層30aの配置は、上記第1実施形態のように走査線3aと重ねる配置に限定されない。例えば、データ線6aと重ねる配置や半導体層30aを途中で折り曲げて、走査線3aとデータ線6aとに重ねるように配置したとしても、本願の保持容量16の構成を適用することができる。
【0089】
(変形例4)上記液晶装置100が適用される電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
【0090】
(変形例5)上記素子基板10の配線構造を適用可能な電気光学装置は、上記液晶装置100に限定されない。例えば、トランジスターを備えたアクティブ駆動型の電気光学装置であって、有機EL(Electro Luminessence)装置、電気泳動装置などの表示装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
3a…走査線、6a…データ線、16…保持容量、16a…第1容量電極、16aa…第1容量電極の本線部、16a1…第1導電膜、16a2…第2導電膜、16ab,16ac,16ad…突出部、16af,16ag…分岐部、16ah…開口部、16b…第2容量電極、16ba,16bc,16bd,16be…突出部、100…電気光学装置としての液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
データ線及び走査線と、
前記データ線と前記走査線との交差に対応して設けられたトランジスターと、
前記トランジスターに電気的に接続され、第1容量電極と第2容量電極とが誘電体層を介して対向配置される保持容量と、を備え、
前記第1容量電極は、第1導電膜と前記第1導電膜の上面及び側面を覆う第2導電膜とを有し、
前記第2容量電極は、前記第1容量電極の上面及び側面において前記誘電体層を介して前記第1容量電極と対向して前記保持容量を形成する
ことを特徴とする電気光学装置。
【請求項2】
前記第1導電膜は、前記データ線と前記走査線との交差部において、平面的に前記データ線又は前記走査線の延在する方向に延在する本線部と、平面的に前記本線部と交差する方向に突出する複数の突出部とを有してなる
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項3】
前記第2導電膜及び前記第2容量電極は、前記第1導電膜における前記複数の突出部の間の領域を含んで形成されている
ことを特徴とする請求項2に記載の電気光学装置。
【請求項4】
前記第1導電膜は、前記データ線と前記走査線との交差部において、平面的に開口部を有してなる
ことを特徴とする請求項1に記載の電気光学装置。
【請求項5】
前記第2導電膜及び前記第2容量電極は、前記第1導電膜における前記開口部の領域を含んで形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の電気光学装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の電気光学装置を備えたことを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−220753(P2012−220753A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−87007(P2011−87007)
【出願日】平成23年4月11日(2011.4.11)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】