説明

電界効果トランジスタ

【課題】エンハンスメントモードトランジスタデバイスと、デプレッションモードトランジスタデバイスにおいて、エッチングストッパ層の選択エッチング性を改善し歩留り向上を図る。
【解決手段】チャネル層20の上に、エンハンスメントモードトランジスタデバイスの、InGaPエッチストップ/ショットキーコンタクト層が配置され、その上に、InGaPとは異なる第1の層26が配置され、第1の層の上に、デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層28が配置され、エッチストップ層の上に第2の層30が配置される。デプレッションモードトランジスタデバイスは、第2の層及びエッチストップ層を貫通し第1の層で終止するゲートリセスを有する。エンハンスメントモードトランジスタデバイスは、第2の層、デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、第1の層を貫通しInGaP層で終止するゲートリセスを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電界効果トランジスタに関し、より詳細には、ノイズマージンが改善されつとともに閾値電圧が一様である高電子移動度電界効果トランジスタ(HEMT)に関する。
【背景技術】
【0002】
当該技術分野で知られているように、無線周波数信号を増幅させるためにマイクロ波及びミリメートル波周波数で使用される能動デバイスにはいくつかのタイプがある。一般に、これらの周波数で使用されるより一般的な半導体デバイスの1つは、電界効果トランジスタ、特に、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)及び高電子移動度トランジスタ(HEMT)である。これらトランジスタの各々は、ガリウム砒素等のIII−V族材料から提供される。HEMTをMESFETから区別するのは、HEMTでは、電荷がドープされた電荷ドナー層からドープされていないチャネル層まで移送されるのに対して、MESFETでは、電荷層とチャネル層とが同じ層である、ということである。HEMTでは、ドープされていないチャネル層があるため、ドープされていないチャネル層の電荷輸送特性が、MESFETタイプ構造のドープされたチャネル層の特性より優れている。したがって、HEMTは、MESFETより高い周波数動作を提供する。
【0003】
HEMTでは、電荷ドナー層は一般に、アルミニウムガリウム砒素等のバンドギャップが広い材料であり、チャネル層は、ガリウム砒素又はインジウムガリウム砒素等のよりバンドギャップが狭い材料である。なお、バンドギャップは、半導体材料の価電子帯と伝導帯との間のポテンシャルギャップを言うということを留意しなければならない。
【0004】
一般に、2つのタイプのHEMT構造がある。一方のタイプは、単にHEMTと呼ばれ、他方のタイプはシュードモフィック(pseudomorphic)HEMT又はpHEMTと呼ばれる。HEMTとシュードモフィックHEMTとの相違は、シュードモフィックHEMTでは、HEMT構造に組み込まれる層のうちの1つ又は複数が、デバイスの他の材料の格子定数とは大幅に異なる格子定数を有する材料から構成される、ということである。したがって、格子定数が一致しないことになるため、チャネル層を提供する材料の結晶構造が歪む。
【0005】
上述したように、HEMT構造では、電荷がドナー層からドープされていないチャネル層に移送される。III−V族材料の場合、ドープされた電荷ドナー層は、アルミニウムガリウム砒素等、バンドギャップが広い材料から構成され、チャネル層は、通常、電子輸送特性がより優れた材料から構成される。通常、ガリウム砒素等、バンドギャップが狭い材料が使用される。シュードモフィックHEMTでは、ドープされていないガリウム砒素チャネル層の代りに、インジウムガリウム砒素等、バンドギャップがより狭い材料から成るチャネル層が使用される。しかしながら、いずれの場合も、HEMT構造及びシュードモフィックHEMT構造の各々を使用して、高周波数マイクロ波信号及びミリメートル波信号が増幅される。
【0006】
高電子移動度トランジスタの低ノイズ且つ高周波数用途の場合、デバイスのコンタクト層を通して且つ電荷ドナー層の上に幅の狭いリセスが配置されることが重要である。すなわち、リセス開口は、リセス内に配置されるゲート電極のゲート長よりわずかに長いだけであることが好ましい。この構成により、比較的高い周波数動作特性と比較的低いノイズフィギュア(雑音指数)とを有するHEMT及びシュードモフィックHEMTが提供された。MESFETの電力用途に対し、一般に、ゲート・ドレインブレークダウン電圧特性が比較的高いMESFETを提供するために、ゲートより大きいリセス開口が必要であることが知られている。
【0007】
HEMTに戻ると、大部分のHEMT構造において一般に上面であるエッチングされたアルミニウムガリウム砒素面に、多数の表面準位(状態)がある。こうした表面準位は、GaAs面にも存在する。表面準位が1014cm−2程度もあると推定した著者もいた。これらの準位は、ガリウム及び酸化アルミニウムから生じる可能性が最も高い。これらの準位は、一旦占有すると、電子を捕獲し、そのためトランジスタのドレイン側のゲート金属縁に集中する電界を低減させることにより、ゲート・ドレインブレークダウン電圧特性を増大させるということが示唆されている。
【0008】
高電子移動度トランジスタのブレークダウン電圧特性により、それらの使用が比較的低電力、低ノイズの用途に制限されていた。これは、HEMTの出力インピーダンスが一般にドレインバイアスレベルに関連するために起こる。ブレークダウン電圧特性が低いことにより、HEMTの動作ドレイン電圧が制限される。所与のDC電圧レベルに対し、高電力用途の場合に、比較的高いドレイン電圧且つ低いドレイン電流でHEMTにバイアスをかける方がその逆より概して有利である。高ドレイン電圧でバイアスがかけられることにより、HEMTに対しより高い出力インピーダンスが可能となり、したがって大部分の用途で一般にもたらされる50Ωシステム特性インピーダンスに対するより容易なインピーダンス整合が可能になる。特に、この整合は、広範囲の動作周波数にわたってより容易になされる。さらに、こうしたデバイスから高レベルのRF電圧ゲインを提供するためには、一般に、比較的高ドレイン電圧DCバイアスでデバイスを動作させることが必要である。しかしながら、上述したように、HEMTに対しより高いブレークダウン電圧でバイアスをかけることが望ましいが、これは、一般に、HEMTが比較的低いブレークダウン電圧特性を有するため可能ではない。
【0009】
したがって、高電子移動度トランジスタは、比較的低電力、低ノイズの用途で使用される。それは、既知の高電子移動度トランジスタは、一般に、比較的低いゲート・ドレイン逆ブレークダウン電圧特性を有するためである。HEMTの高周波数特性及びMESFETに比べて比較的高いHEMTのゲインは、より高電力の用途に対して有用であるためこの状況は望ましくない。
【0010】
当該技術分野において同様に知られているように、用途によっては、基板上のいくつかのトランジスタを、同じ基板の他のトランジスタが高速デジタル論理機能を提供する間に、たとえば無線周波数信号で動作させることが望ましい。HEMTを使用する1つのタイプの高速論理回路は、直接結合型FET論理(DCFL)回路である。こうした用途では、複数のFET、たとえば同じ半導体基板上に形成されるDFET(デプレッション型FET)及びEFET(エンハンスメント型FET)は、異なる閾値を有する。
【0011】
より詳細には、エンハンスメント/デプレッション(E/D)pHEMT技術は、レーダ、通信システムのための電子的に操縦されるアレイのようなもので使用される多機能MMIC技術の発展における次の段階であると考えられる。E/DpHEMTは、多機能MMIC技術に基づく従来のGaAsと比較して、性能、サイズ及びコストにおける大幅な改善を提供する。GaAsベースのpHEMTを用いる直接結合型FET論理回路(DCFL)を実装する1つの欠点は、低電圧スイング(およそ600mv)である。この低電圧スイングは、23%アルミニウムモル分率のAlGaAsの固有材料特性による。また、優れた性能のDCFLを実装するために、別の重要な要素は、ウェハにわたって閾値電圧が一様であるということである。
【発明の概要】
【0012】
本発明によれば、III−V基板構造を有する半導体構造が提供され、III−V基板構造は、構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを備える。構造は、デプレッションモードトランジスタデバイス及びエンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有する。構造は、チャネル層の上に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ/ショットキーコンタクト層と、InGaP層の上に配置される第1の層と、第1の層の上に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上に配置される第2の層とを含む。デプレッションモードトランジスタデバイスは、第2の層及びデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層を貫通し第1の層で終端(終止)するゲートリセスを有する。エンハンスメントモードトランジスタデバイスは、第2の層、デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、第1の層を貫通しInGaP層で終止するゲートリセスを有する。第1の層の材料はInGaPとは異なる。
【0013】
こうした構造により、InGaP層の上の第1の層に使用される材料がInGaPとは異なる材料であるため、InGaP層のエッチング停止の有効性が向上する。
一実施の形態では、デプレッションモードトランジスタデバイスは、第1の層とショットキー接触するゲート電極を含み、エンハンスメントモードデバイスは、InGaP層とショットキー接触するゲート電極を含む。
【0014】
本発明の1つの特徴によれば、III−V基板構造を有する半導体構造が提供され、III−V基板構造は、構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを備える。構造は、デプレッションモードトランジスタデバイス及びエンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有する。構造は、チャネル層の上に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ/ショットキーコンタクト層と、InGaP層の上に配置されるAlGaAs層と、AlGaAs層の上に配置されるAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上に配置されるGaAs層とを含む。デプレッションモードトランジスタデバイスは、GaAs層及びAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層を貫通しAlGaAs層で終止するゲートリセスを有する。エンハンスメントモードトランジスタデバイスは、GaAs層、AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、AlGaAs層を貫通しInGaP層で終止するゲートリセスを有する。
【0015】
一実施の形態では、デプレッションモードトランジスタデバイスは、AlGaAs層とショットキー接触するゲート電極を含み、エンハンスメントモードデバイスは、InGaP層とショットキー接触するゲート電極を含む。
【0016】
一実施の形態では、構造は、第2のGaAs層を含むとともに、第2のGaAs層とオーミック接触するトランジスタデバイスのためのソース電極及びドレイン電極を含む。
一実施の形態では、InGaP層はIn0.48Ga0.52Pであり、該層は、最初に述べたGaAs層及びAl0.23GaAs層と格子整合し、それにより構造に蓄積される歪みが低減する。
【0017】
本発明の別の特徴によれば、III−V基板構造を形成する方法が提供され、III−V基板構造は、構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有し、デプレッションモードトランジスタデバイス及びエンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有する。本方法は、チャネル層の上のエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層と、InGaP層の上の第1の層と、第1の層の上のデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上の第2の層とを提供することを含む。本方法は、構造の第1の領域の上に配置される窓(ウインドウ)を有する第1のマスクを提供することを含み、該第1のマスクは構造の第2の領域をマスクする。窓によって露出される構造の第1の領域の部分にエッチング液を接触させ、それにより第2の層、デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層を貫通し第1の層で終止する第1のリセスを形成する。第1のマスクを除去する。エッチングされた構造の上に第2のマスクを提供し、該第2のマスクは、構造の第2の領域の上に配置される窓を有し、構造の第1の領域をマスクする。窓によって露出した構造の第2の領域の部分にエッチング液を接触させ、それにより第2の領域に第2のリセスを形成し、該第2のリセスは、第2の層、デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、第1の層を貫通し、InGaP層で終止する。第1の層に使用される材料は、InGaPとは異なる。
【0018】
こうした方法により、InGaP層の上の層に使用される材料はInGaPとは異なる材料であるため、InGaP層のエッチング停止の有効性が向上する。
本発明の別の特徴によれば、III−V基板構造を形成する方法が提供され、III−V基板構造は、構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有し、デプレッションモードトランジスタデバイス及びエンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有する。本方法は、チャネル層の上のエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層と、InGaP層の上のAlGaAs層と、AlGaAs層の上のAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上のGaAs層とを提供することを含む。本方法は、エッチングされた構造の上に第1のマスクを提供することを含み、該第1のマスクは構造の第1の領域の上に配置される窓を有し、構造の第2の領域をマスクする。窓によって露出される構造の第1の領域の部分にエッチング液を接触させ、それにより、GaAs層内に、次いでAlAs層内に入り、AlGaAs層で終止する第1のリセスを形成する。第1のマスクを除去する。エッチングされた構造の上に第2のマスクを提供し、該第2のマスクは、構造の第2の領域の上に配置される窓を有し、構造の第1の領域をマスクする。窓によって露出された構造の第2の領域の部分にエッチング液を接触させ、それによりGaAs層内に、次いでAlAs層内に、次いでAlGaAs層内に入りInGaP層で終止する第2のリセスを形成する。
【0019】
一実施の形態では、第1の領域のAlGaAs層とショットキー接触するゲート電極を形成し、第2の領域のInGaP層とショットキー接触するゲート電極を形成する。
一実施の形態では、第2のGaAs層を形成し、この第2のGaAs層とオーミック接触するトランジスタデバイスのためのソース電極及びドレイン電極を形成する。
【0020】
本発明は、E/D pHEMT回路の性能及び歩留まりを向上させる2つの特質を提供する。すなわち、1)InGaPは、エッチング選択性を大幅に改善することにより、E/DpHEMT多機能回路の製造可能性及び歩留まりを向上させる。2)InGaPのバンドギャップが広がることにより、デジタル論理回路に対する電圧スイングをより大きくすることができ、そのため論理回路に対する動作マージンが改善され、回路性能及び歩留まりが向上する。3)GaAs、Al0.23GaAs及びIn0.48GaPは格子整合し、したがって層間に歪みが蓄積されない。したがって、48%InGaPの上のショットキー接触は、歪みに関連して変化しない。4)48%InGaPは、AlGaAs層に対する無限エッチストップ層として、且つショットキー層として使用される。より詳細には、本発明は、AlGaAsの代りに48%InGaPを使用することが好ましい。48%インジウムモル分率を有するInGaPにおけるバンドギャップ(1.8eV)は、Al0.23GaAs及びInGaAsのバンドギャップより広い。したがって、電圧スイングはおよそ800mVまで増大し、これはAlGaAsより200mV高い。これにより、ノイズマージンが増大する。優れた性能のDCFLを実装するために、別の重要な要素は、一様な閾値電圧を有することである。InGaP層は、優れた選択エッチング層であり、そのためウェハにわたる閾値電圧の一様性は、InGaP層を使用する別の優れた利点である。このため、よりバンドギャップが広い材料のInGaPを導入することにより、電圧スイングはおよそ800mVまで上昇したが、閾値電圧は非常に一様である。また、プロセスに関する選択性が高くまたInGaP層のショットキー障壁が高いため、電圧スイングは33%増大し、閾値電圧の一様性は95%を上回る。DCFLを有するLSIレベルデジタル論理回路を実装するために、閾値の一様性は非常に重要な要素である。
【0021】
本発明の1つ又は複数の実施の形態の詳細は、添付図面及び以下の説明において述べられている。本発明の他の特徴、目的及び利点は、以下の説明、図面及び特許請求の範囲から明らかとなろう。
【0022】
種々の図面における同じ参照符号は同じ要素を示す。
【発明の詳細な説明】
【0023】
ここで図1を参照すると、半導体構造10が示され、ここでは半絶縁性III−V、ここではガリウム砒素(GaAs)又は他の適当な半導体材料から成る基板12を有し、その上に複数の層が配置されている。後述するように、構造10の第1の領域8にはエンハンスメントモードトランジスタデバイスが配置され、構造10の横方向にずれた第2の領域11にはデプレッションモードトランジスタデバイスが配置される。
【0024】
特に、基板12の上には、ガリウム砒素とアルミニウムガリウム砒素(AlGaAs)との交互の層の対(図示せず)から成る超格子バッファ層14が配置されており、該層の各々は、50〜100オングストロームの典型的な厚さであって、当該技術分野において知られているように超格子を提供するように配置されている。
【0025】
超格子層14の上には、InxGa1−xAsチャネル層20が配置されており、xは通常0.2と0.35との間である。
チャネル層20の上には、バンドギャップが広い材料のアルミニウムガリウム砒素スペーサ層22が配置されており、それは、下部のドープされていないスペーサ領域(図示せず)を有し、30オングストロームから50オングストロームの典型的な厚さであり、チャネル層20に対して電荷ドナー領域を提供する。
【0026】
層22の上には、エンハンスメントデバイスエッチストップ層、ここではN型導電性インジウムガリウムリン(InGaP)層24が配置されている。層24は、エッチストップ層を提供するだけでなく、エンハンスメントモードpHEMTデバイスのためのショットキーコンタクト層を提供する役割も果たす。ここでは、InGaP層はIn0.48Ga0.52Pである。
【0027】
InGaP層24の上には、N型導電性AlGaAsデプレッションモードトランジスタデバイスショットキーコンタクト層26が配置されている。AlGaAs層26の上には、N型導電性AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層28が配置されている。AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層28の上には、第1のN型導電性GaAs層30が配置されている。第1のGaAs層30の上には、N型導電性AlAs第1リセスエッチストップ層32が配置されている。AlAs第1リセスエッチストップ層32の上には、第2のN型導電性GaAs層34が配置されている。
【0028】
ここで図2乃至図5を参照すると、エンハンスメントモードデバイス及びデプレッションモードデバイスを形成するために使用される方法について示している。
第1のマスク(図2)40に、第1の領域8の一部にわたって配置される窓42と、第2の領域11の一部にわたって配置される窓44とを設ける。エッチング液、ここではクエン酸を、窓42、44によって露出される構造の部分に接触させることにより、第1の領域8の第1のリセス45と、構造10の第2の部分11の第1のリセス47とを形成する。こうした第1のリセスは、N型導電性GaAs層34及びAlAs第1リセスエッチストップ層32を貫通し、N型導電性AlGaAs層30で終止する。
【0029】
第1のマスク40を除去する。
エッチングされた構造10の上に第2のマスク50(図3)を設ける。こうした第2のマスク50は、構造10の第1の領域8においてエッチングされた第1のリセス45(図2)の上に配置される窓52を有し、こうした第2のマスク50は、構造10の第2の領域11に形成された第1のリセス47(図2)をマスクする。
【0030】
エッチング液、ここではクエン酸を、構造10の第1の領域8においてエッチングされた第1のリセス45の部分に接触させることにより、こうした第1のリセス45を第1のGaAs層内に、次いでAlAs層内に広げ、AlGaAs層で終止させる。このため、領域8のリセスは、層28及び30の下部の狭い部分(すなわち、リセス49)と、層30、32及び34の上部のより広い部分(すなわち、リセス45、図2)とを含む。
【0031】
第2のマスク50を除去する。
エッチングされた構造の上に第3のマスク60(図4)を設ける。こうした第3のマスク60は、構造10の第2の領域11においてエッチングされた第1のリセス47の上に配置される窓62を有し、こうした第3のマスク60は、構造10の第1の領域8に形成されたリセス45、49(図2及び図3)をマスクする。
【0032】
エッチング液、ここではクエン酸を、構造10の第2の領域11においてエッチングされた第1のリセス47の部分と接触させることにより、こうした第1のリセス47を、第1のN型導電性GaAs層30に形成された第2の狭いリセス53内に、次いでAlAs層28内に、次いでN型導電性AlGaAs層内に、そしてN型導電性、InGaPエンハンスメントモードデバイスエッチストップ層及びショットキーコンタクト層24内に広げる。
【0033】
マスク60を除去し、図5に示す構造を生成する。
図6を参照すると、第1の領域8に形成された第2のリセス49を終止させるAlGaAs層26とショットキー接触するゲート電極70を形成し、第2の領域11に形成された第2のリセスを終止させるInGaP層24とショットキー接触するゲート電極72を形成する。
【0034】
領域8に、トランジスタデバイスのソース電極76及びドレイン電極78を形成する。層34とオーミック接触するドレイン電極80を形成する。
なお、領域8に形成されるデプレッションモード電界効果トランジスタ(FET)デバイス40は、第2のGaAs層34及びAlAs第1リセスエッチストップ層32を貫通し幅狭部分で終止する幅広部分を有するゲートリセスを有することに留意されたい。この幅狭部分は、第1のGaAs層30及びAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層28を貫通し、AlGaAs層26で終止する。
【0035】
領域11におけるエンハンスメントモード電界効果トランジスタ(FET)デバイス41は、第2のGaAs層34、AlAs第1リセスエッチストップ層32を貫通し幅狭部分で終止する幅広部分を有するゲートリセスを有する。この幅狭部分は、第1のGaAs層30、AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層28、AlGaAs層26を貫通し、InGaP層24で終止する。
【0036】
デプレッションモードトランジスタデバイス40は、AlGaAs層26とショットキー接触するゲート電極70を含み、エンハンスメントモードデバイス41は、InGaP層24とショットキー接触するゲート電極72を含む。トランジスタデバイス40、41のソース電極76及びドレイン電極78及び80は、第2のGaAs層36とオーミック接触する。
【0037】
本方法は、上述したように、チャネル層の上のエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層、InGaP層の上のAlGaAs層、AlGaAs層の上のAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、AlAsエンハンスメントモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上の第1のGaAs層、GaAs層の上のAlAs第1リセスエッチストップ層、及びAlAs第1リセスエッチストップ層の上の第2のGaAs層を提供する。
【0038】
本発明は、E/D pHEMT回路の性能及び歩留まりを向上させる2つの特質を提供する。すなわち、1)InGaPは、エッチング選択性を大幅に改善することにより、E/DpHEMT多機能回路の製造可能性及び歩留まりを向上させる。2)InGaPのバンドギャップが広がることにより、デジタル論理回路に対する電圧スイングをより大きくすることができ、そのため論理回路に対する動作マージンが改善され、回路性能及び歩留まりが向上する。より詳細には、本発明は、AlGaAsの代りに48%InGaPを使用することが好ましい。48%インジウムモル分率のInGaPにおけるバンドギャップ(1.8eV)は、InGaAsのバンドギャップより広い。したがって、電圧スイングは、およそ800mVまで増大し、これはAlGaAsより200mV高い。これにより、ノイズマージンが増大する。優れた性能のDCFLを実装するために、別の重要な要素は、一様の閾値電圧を有することである。inGaP層は、優れた選択エッチング層であり、そのため、ウェハにわたる閾値電圧の一様性は、InGaP層を使用する別の優れた利点である。このため、よりバンドギャップが広い材料のInGaPを導入することにより、電圧スイングはおよそ800mVまで上昇したが、閾値電圧は非常に一様である。また、プロセスに関する選択性が高く且つInGaP層のショットキー障壁が高いため、電圧スイングは33%増大し、閾値電圧の一様性は95%を上回る。DCFLを有するLSIレベルのデジタル論理回路を実装するために、閾値の一様性は非常に重要な要素である。
【0039】
本発明の多数の実施形態について説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく種々の変更を行ってもよいということが理解されよう。したがって、他の実施形態も特許請求の範囲に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明によるエンハンスメントモード電界効果トランジスタ及びデプレッションモード電界効果トランジスタの製造の一段階における半導体構造の断面図である。
【図2】本発明によるエンハンスメントモード電界効果トランジスタ及びデプレッションモード電界効果トランジスタの製造の一段階における半導体構造の断面図である。
【図3】本発明によるエンハンスメントモード電界効果トランジスタ及びデプレッションモード電界効果トランジスタの製造の一段階における半導体構造の断面図である。
【図4】本発明によるエンハンスメントモード電界効果トランジスタ及びデプレッションモード電界効果トランジスタの製造の一段階における半導体構造の断面図である。
【図5】本発明によるエンハンスメントモード電界効果トランジスタ及びデプレッションモード電界効果トランジスタの製造の一段階における半導体構造の断面図である。
【図6】本発明によるエンハンスメントモード電界効果トランジスタ及びデプレッションモード電界効果トランジスタの製造の一段階における半導体構造の断面図であり、エンハンスメントモード電界効果トランジスタ及びデプレッションモード電界効果トランジスタを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
III−V基板構造であって、該構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、該構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有し、該デプレッションモードトランジスタデバイス及び前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有し、
該チャネル層の上に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ/ショットキーコンタクト層と、
前記InGaP層の上に配置される第1の層と、
該第1の層の上に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、
該デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上に配置される第2の層と、
を有するIII−V基板構造を具備する半導体構造であって、
前記デプレッションモードトランジスタデバイスは、前記第2の層及び前記デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層を貫通し前記第1の層で終止するゲートリセスを有し、
前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスは、前記第2の層、前記デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、前記第1の層を貫通し前記InGaP層で終止するゲートリセスを有し、
前記第1の層の材料はInGaPとは異なる、
半導体構造。
【請求項2】
前記デプレッションモードトランジスタデバイスは、前記第1の層とショットキー接触するゲート電極を含み、前記エンハンスメントモードデバイスは、前記InGaP層とショットキー接触するゲート電極を含む、請求項1に記載の半導体構造。
【請求項3】
GaAs層を含み、該GaAs層とオーミック接触する前記トランジスタデバイスのためのソース電極及びドレイン電極を含む、請求項2に記載の半導体構造。
【請求項4】
前記InGaP層はIn0.48Ga0.52Pであり、該層は前記第1の層に格子整合する、請求項3に記載の半導体構造。
【請求項5】
III−V基板構造であって、該構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、該構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有し、該デプレッションモードトランジスタデバイス及び前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有し、
該チャネル層の上に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層と、
前記InGaP層の上に配置されるAlGaAs層と、
該AlGaAs層の上に配置されるAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、
該AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上に配置されるGaAs層と、
を備えるIII−V基板構造を具備する半導体構造であって、
前記デプレッションモードトランジスタデバイスは、前記GaAs層及び前記AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層を貫通し前記AlGaAs層で終止するゲートリセスを有し、
前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスは、前記GaAs層、前記AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、前記AlGaAs層を貫通し、前記InGaP層で終止するゲートリセスを有する、
半導体構造。
【請求項6】
前記デプレッションモードトランジスタデバイスは、前記AlGaAs層とショットキー接触するゲート電極を含み、前記エンハンスメントモードデバイスは、前記InGaP層とショットキー接触するゲート電極を含む、請求項5に記載の半導体構造。
【請求項7】
前記GaAs層とオーミック接触する前記トランジスタデバイスのためのソース電極及びドレイン電極を含む、請求項6に記載の半導体構造。
【請求項8】
III−V基板構造であって、該構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、該構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有し、該デプレッションモードトランジスタデバイス及び前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有し、
該チャネル層の上に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層と、
前記InGaP層の上に配置されるAlGaAs層と、
該AlGaAs層の上に配置されるAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、
該AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上に配置される第1のGaAs層と、
該第1のGaAs層の上に配置されるAlAs第1リセスエッチストップ層と、
該AlAs第1リセスエッチストップ層の上に配置される第2のGaAs層と、
を備えるIII−V基板構造を具備する半導体構造であって、
前記デプレッションモードトランジスタデバイスは、前記第2のGaAs層及び前記AlAs第1リセスエッチストップ層を貫通し幅狭部分で終止する幅広部分を有するゲートリセスを有し、該幅狭部分は、前記第1のGaAs層及び前記AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層を貫通し、前記AlGaAs層で終止し、
前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスは、前記第2のGaAs層、前記AlAs第1リセスエッチストップ層を貫通し幅狭部分で終止する幅広部分を有するゲートリセスを有し、該幅狭部分は、前記第1のGaAs層、前記AlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、前記AlGaAs層を貫通し、前記InGaP層で終止する、
半導体構造。
【請求項9】
前記デプレッションモードトランジスタデバイスは、前記AlGaAs層とショットキー接触するゲート電極を含み、前記エンハンスメントモードデバイスは、前記InGaP層とショットキー接触するゲート電極を含む、請求項8に記載の半導体構造。
【請求項10】
前記第2のGaAs層とオーミック接触する前記トランジスタデバイスのためのソース電極及びドレイン電極を含む、請求項9に記載の半導体構造。
【請求項11】
III−V基板構造を形成する方法であって、該構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、前記構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有するIII−V基板構造を形成する方法であって、該構造は、該デプレッションモードトランジスタデバイス及び前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有し、該方法は、
前記チャネル層の上のエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層と、前記InGaP層の上の第1の層と、該第1の層の上のデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、該デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上の第2の層とを有する構造を提供し、前記第1の層に使用される材料はInGaPとは異なり、
前記構造の前記第1の領域の上に配置される窓を有する第1のマスクを提供し、該第1のマスクは前記構造の前記第2の領域をマスクし、
前記窓によって露出される前記構造の前記第1の領域の部分にエッチング液を接触させて、前記第2の層、前記デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層を貫通し前記第1の層で終止する第1のリセスを形成し、
前記第1のマスクを除去し、
前記エッチングされた構造の上に第2のマスクを提供し、該第2のマスクは、前記構造の前記第2の領域の上に配置される窓を有し、該構造の前記第1の領域をマスクし、
前記窓によって露出される前記構造の前記第2の領域の部分にエッチング液を接触させ、それにより該第2の領域に第2のリセスを形成し、該第2のリセスは、前記第2の層、前記デプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層、前記第1の層を貫通し、前記InGaP層で終止する、
ことを含む方法。
【請求項12】
III−V基板構造を形成する方法であって、該構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、該構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有するIII−V基板構造を形成する方法であって、該構造は、該デプレッションモードトランジスタデバイス及び前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有し、該方法は、
前記チャネル層の上のエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層と、前記InGaP層の上のAlGaAs層と、該AlGaAs層の上のAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、該AlAsエンハンスメントモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上のGaAs層とを提供し、
前記エッチングされた構造の上に第1のマスクを提供し、該第1のマスクは前記構造の前記第1の領域の上に配置される窓を有し、前記構造の前記第2の領域をマスクし、
前記第1の領域の部分にエッチング液を接触させ、それにより前記GaAs層内に、次いで前記AlAs層内に入り前記AlGaAs層で終止する第1のリセスを形成し、
前記第1のマスクを除去し、
前記エッチングされた構造の上に第2のマスクを提供し、該第2のマスクは前記構造の前記第2の領域の上に配置される窓を有し、該第3のマスクは前記構造の前記第1の領域をマスクし、
前記構造の前記第2の領域の部分にエッチング液を接触させ、それにより前記GaAs層に、次いで前記AlAs層に、次いで前記AlGaAs層に、そして前記InGaP層に入る第2のリセスを形成する、
ことを含む方法。
【請求項13】
前記第1の領域に、前記AlGaAs層とショットキー接触するゲート電極を形成すること、及び前記第2の領域に、前記InGaP層とショットキー接触するゲート電極を形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
第2のGaAs層を形成することを含み、該第2のGaAs層とオーミック接触する前記トランジスタデバイスのためのソース電極及びドレイン電極を形成することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
III−V基板構造を形成する方法であって、該構造の第1の領域に配置されるエンハンスメントモードトランジスタデバイスと、該構造の横方向にずれた第2の領域に配置されるデプレッションモードトランジスタデバイスとを有するIII−V基板構造を形成する方法であって、該構造は、前記デプレッションモードトランジスタデバイス及び前記エンハンスメントモードトランジスタデバイスのためのチャネル層を有し、該方法は、
前記チャネル層の上のエンハンスメントモードトランジスタデバイスInGaPエッチストップ層と、前記InGaP層の上のAlGaAs層と、該AlGaAs層の上のAlAsデプレッションモードトランジスタデバイスエッチストップ層と、該AlAsエンハンスメントモードトランジスタデバイスエッチストップ層の上の第1のGaAs層と、該GaAs層の上のAlAs第1リセスエッチストップ層と、該AlAs第1リセスエッチストップ層の上の第2のGaAs層とを提供し、
前記第1の領域の一部の上に配置される窓及び前記第2の領域の一部の上に配置される窓を有する第1のマスクを提供し、
前記窓によって露出された前記構造の部分にエッチング液を接触させ、それにより該構造の前記第1の領域の第1のリセスと前記第2の領域の第1のリセスとを形成し、該第1のリセスは前記第2のGaAs層及び前記AlAs第1リセスエッチストップ層を貫通し前記AlGaAs層で終止し、
前記第1のマスクを除去し、
前記エッチングされた構造の上に第2のマスクを提供し、該第2のマスクは、該構造の前記第1の領域でエッチングされた前記第1のリセスの上に配置される窓を有し、前記構造の前記第2の領域に形成された前記第1のリセスをマスクし、
前記構造の前記第1の領域でエッチングされた第1のリセスの部分にエッチング液を接触させ、それにより該第1のリセスを前記第1のGaAs層内に、次いで前記AlAs層内に広げ、前記AlGaAs層で終止させ、
前記第2のマスクを除去し、
前記エッチングされた構造の上に第3のマスクを提供し、該第3のマスクは、該構造の前記第2の領域でエッチングされた前記第1のリセスの上に配置される窓を有し、前記構造の前記第1の領域に形成された前記第1のリセスをマスクし、
前記構造の前記第2の領域でエッチングされた第1のリセスの部分にエッチング液を接触させ、それにより該第1のリセスを前記第1のGaAs層内に、次いで前記AlAs層内に、次いで前記AlGaAs層内に、そして前記InGaP層内に広げる、
ことを含む方法。
【請求項16】
前記第1の領域に形成された前記第2のリセスを終止させる前記AlGaAs層とショットキー接触するゲート電極を形成すること、及び前記第2の領域に形成された前記第2のリセスを終止させる前記InGaP層とショットキー接触するゲート電極を形成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第2のGaAs層とオーミック接触する前記トランジスタデバイスのためのソース電極及びドレイン電極を形成することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
III−V基板構造と、
該基板構造の上に配置されるInGaP層と、
該InGaP層の上に配置されるAlGaAsショットキー層と、
該AlGaAsショットキー層とショットキー接触するゲート電極と、
を具備する電界効果トランジスタ構造。
【請求項19】
前記基板構造の上に配置されるInGaAs層と、
該InGaAs層の上に配置されるAlGaAs層と、を具備し、
前記InGaP層は前記AlGaAs層の上に配置される、請求項18に記載の電界効果トランジスタ構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−74722(P2012−74722A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−259277(P2011−259277)
【出願日】平成23年11月28日(2011.11.28)
【分割の表示】特願2007−515194(P2007−515194)の分割
【原出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(503455363)レイセオン カンパニー (244)
【Fターム(参考)】