説明

電磁式ポンプ、水処理装置

【課題】 エアを圧縮して吐出する風量可変型の電磁式ポンプにおいて、少風量運転の場合であっても、ダイアフラムの異常発生の際にオートストッパー機構を適正に作動させることができ、以って電磁式ポンプの運転適正化を図るのに有効な技術を提供する。
【解決手段】 本発明に係る電磁式ポンプ100は、振動子140を電磁石120,130を介して振動駆動する制御に関し、振動子140の振幅が予め設定された規定振幅に達したときに駆動を停止する停止制御モードと、振動子140が規定振幅を下回る第1の振幅にて振動するように駆動制御する第1の駆動制御モードと、振動子140が規定振幅を上回る第2の振幅にて振動するように駆動制御する第2の駆動制御モードを有する構成とされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置に装着される電磁式ポンプの構築技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、エア等の流体を吸入して圧縮し高圧化して吐出する電磁式ポンプの構成が公知である(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に記載の電磁式ポンプでは、電磁石コアに取り付けられた電磁コイル(励磁コイル)による極性変化に伴い振動子が往復運動し、この振動子に連結されたダイアフラムを振幅動作させ弾性変化させることによって、当該ダイアフラムにより区画される圧縮室の容積変化が発生する。これにより、圧縮室内へのエアの吸入、および吸入したエアの圧縮、吐出という動作が連続的に繰り返されるようになっている。また、この種の電磁式ポンプの一つとして、浄化槽に流入する水の汚水度合いに応じて風量(エア供給量)を変更したいという要請に基づき、風量を可変制御して運転を行う風量可変型の電磁式ポンプが採用されている。このような風量可変型の電磁式ポンプにおいて、ダイアフラムの劣化や破損(損傷)などの異常によって振動子の振幅が増えたときに、ポンプの運転を停止させる機構、いわゆるオートストッパー機構を搭載した場合には、風量を相対的に減らしたとき、ダイアフラムの異常などが発生しても振動子の振幅が規定振幅に到達せずオートストッパー機構が作動しないことが想定される。このような場合には、ダイアフラムの異常検出が適正に行われないことが懸念される。
【特許文献1】特開平9−317650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、エアを圧縮して吐出する風量可変型の電磁式ポンプにおいて、少風量運転の場合であっても、ダイアフラムの異常発生の際にオートストッパー機構を適正に作動させることができ、以って電磁式ポンプの運転適正化を図るのに有効な技術を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前記課題を解決するために、本発明が構成される。
本発明にかかる電磁式ポンプは、エアを圧縮して吐出する電磁式ポンプであって、圧縮室、ダイアフラム、単一の吐出口、振動子、検出部、駆動部及び制御部を少なくとも備える。
【0005】
圧縮室は、エアを圧縮する機能を有する。ダイアフラムは、この圧縮室を区画するとともに、当該圧縮室におけるエアの吸入動作及び吐出動作を行うように弾性変形可能な構成のダイアフラム(diaphragm)とされる。弾性変形が可能な構成のダイアフラムを利用し、このダイアフラムで区画される圧縮室の容積を変化させることによってエアの吸入動作及び吐出動作を行う。典型的には、板状の弾性材料(ゴム材料、樹脂材料など)によって、このダイアフラムが構成される。単一の吐出口は、圧縮室にて圧縮されたエアをポンプハウジング外へと吐出する吐出部分として構成される。振動子は、ダイアフラムに連結され、当該ダイアフラムを吸入動作方向及び吐出動作方向へと駆動するように振動(「往復動作」ともいう)可能な構成とされる。検出部は、振動子の振動時の振幅に関する情報を検出する構成とされる。ここでいう「振幅」とは、静止位置からはかった振動の幅であって、左右に往復動作する振動子に関しては、右側振動の際の振動の幅と左側振動の際の振動の幅の少なくとも一方によって振幅が示される。この場合、振幅は、単一の数値として示されてもよいし、或いは数値範囲によって示されてもよい。また、ここでいう「振幅に関する情報」には、振幅自体のみならず、振幅が所定の振幅に達したか否かを示す情報などが広く包含される。検出部の具体的な構成に関しては、接触式センサ、或いは光学センサなどの非接触式センサを適宜採用することができる。
【0006】
駆動部は、振動子を電磁石を介して振動駆動する構成とされる。電磁石は、典型的には電磁コイルと、この電磁コイルに連接する電磁石コアによって構成される。本構成の場合には、交流電源から電磁コイルに電力が供給されることによって電磁石コアに磁力が発生し、これにより振動子が振動する。この場合、振動子の両側に一対の電磁コイルを対向状に配置する構成や、振動子の一方の側部のみに電磁コイルを配置する構成を用いることができる。また、振動子とダイアフラムとの連結に関しては、振動子がダイアフラム以外の部材を介して当該ダイアフラムに間接的に固定される態様、あるいはダイアフラムに直接的に固定される態様などが包含される。この駆動部が制御部によって可変制御される。この可変制御によって、単一の吐出口から吐出されるエアの風量が、直線的、段階的、或いは間欠的に増加または減少される。
【0007】
特にこの電磁式ポンプでは、単一の吐出口から吐出するエア風量を可変とするべく駆動部を可変制御する制御部が、その制御モードとして、少なくとも停止制御モード、第1の駆動制御モード及び第2の駆動制御モードを有することが特徴とされる。
停止制御モードは、検出部により検出された情報に基づいて振動子の振幅が予め設定された規定振幅に達したとき、駆動部を停止する制御モードとされる。すなわち、ダイアフラムの異常などによって振動子の振幅が増えて規定振幅に達した場合に、制御部は、オートストッパー機構を作動させて駆動部を停止する制御を行う。振動子の振動を速やかに停止させて駆動部を停止させることができ、これによって機器保護が図られる。なお、ダイアフラムの異常として典型的には、ダイアフラムの劣化や破損(損傷)などが挙げられる。第1の駆動制御モードは、振動子が規定振幅を下回る第1の振幅にて振動するように駆動部を制御する制御モードとされる。第2の駆動制御モードは、振動子が規定振幅を上回る第2の振幅にて振動するように前記駆動部を制御する制御モードとされる。
【0008】
ところで、駆動部を可変制御、すなわち風量(エア供給量)を可変制御して運転を行う風量可変型の電磁式ポンプにあっては、風量を相対的に減らした場合に、ダイアフラムの異常などが発生しても振動子の振幅が規定振幅に到達せずオートストッパー機構が作動しない場合が想定される。このような場合には、ダイアフラムの異常検出が適正に行われないことが懸念される。そこで、本発明では、制御部によって、第1の駆動制御モードから第2の駆動制御モードへと一時的に切り替え運転をする構成を採用している。
このような構成によれば、少風量運転の場合であっても、ダイアフラムの異常発生の際にオートストッパー機構を適正に作動させることができ、以って電磁式ポンプの運転適正化を図ることが可能となる。
【0009】
なお、この電磁式ポンプの制御部は、駆動部の制御を単独で遂行する構成であってもよいし、或いは当該電磁式ポンプの外部に設置された主たる制御部から伝送される制御信号に基づいて駆動部の制御を間接的に行う補助的な制御部として構成されてもよい。
【0010】
また、本発明にかかる更なる形態の電磁式ポンプでは、前記の制御部は、第2の駆動制御モードにおいて、ダイアフラムの異常時での振幅が第2の振幅となるように駆動部を制御する構成であるのが好ましい。このような構成によれば、ダイアフラムの異常発生の際にオートストッパー機構をより確実に作動させることが可能となる。
【0011】
また、本発明にかかる更なる形態の電磁式ポンプでは、前記の振動子は、当該振動子に一体状に設けられた押圧部を備え、前記の検出部は、第1の駆動制御モードないし第2の駆動制御モードにおいて、振動子の規定振幅を上回る振動の際に押圧部によって押圧される被押圧部を備え、当該被押圧部が押圧部によって押圧されたときに振動子の振幅が規定振幅に達したことを検出する構成であるのが好ましい。
このような構成によれば、検出部の被押圧部が、振動子に一体状に設けられた押圧部に押圧されることで振動子の振幅が規定振幅に達したことを検出するという検出構造によって、検出構造の簡素化が図られる。
【0012】
また、本発明にかかる更なる形態の電磁式ポンプでは、当該電磁式ポンプは、被処理水の好気処理を行う好気処理部を有する水処理装置に装着される構成であり、当該電磁式ポンプの単一の吐出口が、好気処理部に配設された単一の散気管にエア供給管を介して接続される構成であるのが好ましい。ここでいう「好気処理部」として典型的には、散気用エアを散気することによって被処理水中の有機汚濁物質を好気処理(酸化)する処理槽、いわゆる接触濾床槽や、ばっ気用エアを散気することによって被処理水中の有機汚濁物質を好気処理(酸化)する処理槽、いわゆる接触ばっ気槽、担体流動槽などが挙げられる。
このような構成によれば、圧縮エアを吐出する単一の吐出口を、水処理装置の好気処理部の単一の散気管にエア供給管を介して接続した電磁式ポンプにおいて、少風量運転の場合であっても、ダイアフラムの異常発生の際にオートストッパー機構を適正に作動させることが可能となる。
【0013】
本発明にかかる水処理装置は、被処理水の水処理を行う水処理装置であって、好気処理部及びエア供給装置を少なくとも備える。好気処理部は、単一の散気管を有し、この単一の散気管から散気されたエアによって被処理水の好気処理を行う好気処理領域として構成される。エア供給装置は、好気処理部に配設された単一の散気管にエアを供給する機能を有する。特に、このエア供給装置は、前述の電磁式ポンプを用いて構成される。
このような構成によれば、電磁式ポンプの単一の吐出口が、好気処理部の単一の散気管にエア供給管を介して接続された水処理装置において、電磁式ポンプが少風量運転の場合であっても、ダイアフラムの異常発生の際に、オートストッパー機構を適正に作動させることが可能となる。
【0014】
また、本発明にかかる更なる形態の水処理装置では、前記の電磁式ポンプは、制御部を第1の駆動制御モードから第2の駆動制御モードへと切り替えることによって、好気処理部の風量増加により単一の散気管の洗浄を行う洗浄手段をなす構成であるのが好ましい。
このような構成によれば、制御部を第1の駆動制御モードから第2の駆動制御モードへと切り替えることで、ダイアフラムの異常発生の際にオートストッパー機構を適正に作動させることが可能となる一方、ダイアフラムが正常である場合には、好気処理部の風量を増加させて単一の散気管の洗浄を行うことが可能となり合理的である。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、エアを圧縮して吐出する風量可変型の電磁式ポンプにおいて、振動子を電磁石を介して振動駆動する駆動部の制御に関し、振動子の振幅が予め設定された規定振幅に達したときに駆動部を停止する停止制御モードと、振動子が規定振幅を下回る第1の振幅にて振動するように駆動部を制御する第1の駆動制御モードと、振動子が規定振幅を上回る第2の振幅にて振動するように駆動部を制御する第2の駆動制御モードを設定することによって、少風量運転の場合であっても、ダイアフラムの異常発生の際にオートストッパー機構を適正に作動させることができ、以って電磁式ポンプの運転適正化を図ることが可能となった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明における「電磁式ポンプ」の一実施の形態である電磁式ポンプ100の構成等を図面に基づいて説明する。この電磁式ポンプ100は、エア(空気)を吸入し、圧縮して高圧化し、吐出する機能を有し、いわゆる「電磁式ダイアフラム(diaphragm)」と称呼されるタイプのポンプを構成する。この電磁式ポンプ100は、吐出するエアの風量や圧力によっては、電磁式ブロワ(送風機)、電磁式ダイアフラムブロワ、電磁式ダイアフラムコンプレッサーなどとも称呼される。この電磁式ポンプ100は、典型的には、浄化槽におけるばっ気用エアないし散気用エア、加えて移送エアリフトポンプ用エアの供給手段として好適に用いられる。
【0017】
図1には、本発明の電磁式ポンプの一実施の形態である電磁式ポンプ100の平面図であって、その主要部分の断面構造が示される。
【0018】
図1に示すように、電磁式ポンプ100はそのケーシング101内に、ポンプ機構部110を収容する。このポンプ機構部110は、防振手段(防振ゴムなど)を介してポンプ基台プレート(図示省略)上に配置される。
【0019】
ポンプ機構部110は、板状の電磁石ケース板111を2片備え、これら2片の電磁石ケース板111を図1中の左右位置に互いに対向状に配置することによって電磁石ケースが形成される。当該電磁石ケースによって区画される領域内には、図1中の上下に互いに対向状に配置された一対の電磁石(ソレノイド)120,130と、この一対の電磁石120,130の対向面の間に介在する振動子140が挿着されている。電磁石120,130の電磁石コア122,132は、2片の電磁石ケース板111の各挟持片111aによって両側(図1中の右側及び左側)から挟持された状態で、取付けボルト125によって当該電磁石ケース板111に取付け固定されている。また、各電磁石ケース板111の外側面には、ダイアフラム機構部150,150を介して弁ケース体112,112が配置されている。なお、電磁石ケース板111は、典型的には鉄材料(金属材料)によって構成され、電磁石120,130に接続されることによって当該電磁石120,130による磁気経路の一部を形成する。
【0020】
電磁石120,130は、各々電磁コイル(励磁コイル)124,134が巻かれた電磁石ボビン123,133と、当該電磁コイル124,134に連接する電磁石コア122,132を備えている。この電磁コイル124,134が、本発明における「電磁コイル」に対応しており、電磁石コア122及び電磁石コア132によって、本発明における「電磁石コア」が構成される。なお、詳細については後述するが、電磁石コア122,132は、その第1延在部122a,132aが電磁コイル124,134に挿入されることによって、当該電磁コイル124,134を保持するように構成されている。電磁石120,130の電磁コイル124,134には交流電源(図示省略)が接続され、交流電源の周波数と同一回数の磁極の変化(極性変化)が生じるようになっている。この電磁石120,130は、電磁石コア122,132において振動子140に対しダイアフラム機構部150,150を駆動する駆動用の磁力を付与する機能を有する。
【0021】
振動子140は、その両端に連結用シャフト141,141を備えており、各連結用シャフト141によって固定されたダイアフラム機構部150を介して、一対の電磁石120,130の対向面の間隙に、これら電磁石120,130と接触しないように装着されている。この振動子140には、その振動子本体に極性の異なる永久磁石(N極及びS極)が埋設されており、一対の電磁石120,130の極性変化に伴い、当該振動子140が図1中の矢印10方向ないし矢印12方向へ往復動作(振動)する構成になっている。この振動子140は、後述するダイアフラム152,152に連結され、当該ダイアフラムを吸入動作方向及び吐出動作方向へと駆動するように振動可能な振動子であり、本発明における「振動子」に相当する。
【0022】
また、振動子140には、その上面に一対のストライカー142a,142bが一体状に設けられている。これら一対のストライカー142a,142bは、振動子140の各部位のうちオートストッパーバー160を両側から挟む位置に配設されている。詳細については後述するが、本実施の形態の電磁式ポンプ100はオートストッパー機構を搭載しており、このオートストッパー機構は、一対のストライカー142a,142b及びオートストッパーバー160を用いて構成されている。振動子140に設けられた一対のストライカー142a,142bの少なくとも一方が予め設定された規定振幅に達し、オートストッパーバー160を押圧すると、制御装置(後述する制御装置170)のオートストッパー機構が作動して、ポンプ機構部110を自動的に停止させるように作用する。具体的には、オートストッパーバー160が押圧されて外れることによって、電磁石120,130に関する電源が遮断される。振動子140の振動時の振幅が、ダイアフラム機構部150の異常などによって規定振幅に達したことが、このオートストッパーバー160によって検出されることとなる。このオートストッパーバー160が、本発明における「振動子の振動時の振幅に関する情報を検出する検出部」を構成する。また、ここでいうストライカー142a,142bが、本発明における「押圧部」に相当し、このストライカー142a,142bによって押圧されるオートストッパーバー160が、本発明における「被押圧部」に相当する。
【0023】
各ダイアフラム機構部150は、振動子140の延在方向と直交する方向に延在する円盤状のダイアフラム152を備え、このダイアフラム152の外周縁が本体部151に止着されている。このダイアフラム152は、エアの吸入動作及び吐出動作を行うように弾性変形可能なゴム材料によって形成されている。また、このダイアフラム152は、その両面が2つの円盤状のセンタープレート、すなわち、電磁石120,130側の第1センタープレート153と、弁ケース体112側の第2センタープレート154とによって挟持され、第1センタープレート153及び第2センタープレート154は振動子140の連結用シャフト141に固定されている。従って、ダイアフラム152は、第1センタープレート153及び第2センタープレート154によって挟持された状態で、実質的(間接的)に振動子140に連結される。このダイアフラム152は、エアの圧縮室(後述する圧縮室115)を区画するとともに、当該圧縮室におけるエアの吸入動作及び吐出動作を行うように弾性変形可能なダイアフラムであり、本発明における「ダイアフラム」に相当する。
【0024】
各弁ケース体112には、吸入室113、吐出室114、圧縮室115が形成される。各弁ケース体112において、吸入室113と圧縮室115とを区画する区画壁112aには吸入弁116が設けられ、吐出室114と圧縮室115とを区画する区画壁112bには吐出弁117が設けられている。圧縮室115は、ダイアフラム152によって区画されるエアの圧縮領域であり、本発明における「圧縮室」に対応している。
【0025】
吸入弁116は、弾性を有するゴム材料によって構成され、区画壁112aに形成された連通孔を開放ないし閉鎖する吸入用の弁体(吸入弁機構)を有する。同様に、吐出弁117は、弾性を有するゴム材料によって構成され、区画壁112bに形成された連通孔を開放ないし閉鎖する吐出用の弁体(吐出弁機構)を有する。吸入弁116の弁体が開放された状態では、吸入室113と圧縮室115とが連通される一方、当該弁体が閉鎖された状態では、吸入室113と圧縮室115との連通が阻止される。吐出弁117の弁体が開放された状態では、吐出室114と圧縮室115とが連通される一方、当該弁体が閉鎖された状態では、吐出室114と圧縮室115との連通が阻止される。吐出室114は、ポンプハウジングに設けられた単一の吐出口(後述する吐出口118)に連通しており、圧縮エアは、この単一の吐出口を通じてポンプハウジング外へと吐出されるように構成されている。この単一の吐出口が、本発明における「単一の吐出口」に相当する。
【0026】
ここで、図2には図1中の電磁石120,130のA−A線断面における構造が示される。
【0027】
図2に示すように、電磁石ボビン123,133の電磁コイル124,134は、振動子140の両側(図2中の左右)に、所定の隙間をもって互いに対向状に配置される。
一方、電磁石コア122,132は、2つの電磁石コア122及び電磁石コア132が互いに分離可能であるとともに、装着状態ではこれら2つの電磁石コアが下方側の端部において互いに当接することによって一体状に構成される。これら2つの電磁石コア122及び電磁石コア132によって一体状に構成される電磁石コアは、その両端部が互いに対向するように延在する長尺状に構成され、当該両端部の間に振動子140が介在させる構成であるとともに、電磁石コア全体としての側面視が概ね「C字形状」を形成する。また、電磁石コア122,132は、各々、第1延在部122a,132a、第2延在部122b,132b及び第3延在部122c,132cを備え、各電磁石コアの側面視が概ね「C字形状」または「コ字形状」を形成する。これら電磁石コア122,132は、平面視が「C字形状」または「コ字形状」の珪素鋼板を、電磁ポンプ上下方向であって振動子140の往復動作方向と交差する方向に延在させ、当該往復動作方向に複数積層させた積層構造であり、全体としてブロック状となるように構成されている。
【0028】
次に、上記構成の電磁式ポンプ100の動作を、図1、図3及び図4を参照しつつ説明する。
図1において、交流電源に接続された電磁石120,130の極性変化に伴って、振動子140は、交流電源と同じ周波数で図1中の矢印10及び矢印12方向に往復動作する。この振動子140の往復動作に同期して当該振動子140の両端側に配置されたダイアフラム152,152は、その外周部分が本体部151側に固定された状態で、その中央部が振動子140の振幅(「ストローク」ともいう)と同じ変位量で往復動作方向に関し弾性変形する。
【0029】
ここで、図3には、本実施の形態の電磁式ポンプ100において振動子140が矢印10方向に動作した場合の様子が模式的に示される。この図3に示すように、振動子140の矢印10方向への動作によって図中右側のダイアフラム152が図中の矢印10方向に弾性変形した場合、図中右側の圧縮室115が負圧になり、右側の吸入弁116が開放されて、吸入エアが右側の吸入室113から右側の圧縮室115へと吸入される(吸入動作)。また、振動子140の矢印10方向への動作によって図中左側のダイアフラム152が矢印10方向に弾性変形した場合、図中左側の圧縮室115は圧縮され正圧になり、左側の吐出弁117が開放されて、吐出エアが左側の圧縮室115から左側の吐出室114へと吐出される(吐出動作)。
【0030】
一方、図4には、本実施の形態の電磁式ポンプ100において振動子140が矢印12方向に動作した場合の様子が模式的に示される。この図4に示すように、振動子140の矢印12方向への動作によって図中左側のダイアフラム152が矢印12方向に弾性変形した場合、図中左側の圧縮室115が負圧になり、左側の吸入弁116が開放されて、吸入エアが左側の吸入室113から左側の圧縮室115へと吸入される(吸入動作)。また、振動子140の矢印12方向への動作によって図中右側のダイアフラム152が矢印12方向に弾性変形した場合、図中右側の圧縮室115は圧縮され正圧になり、右側の吐出弁117が開放されて、吐出エアが右側の圧縮室115から右側の吐出室114へと吐出される(吐出動作)。
【0031】
図3及び図4を用いて説明したように、一対のダイアフラム152,152による上記の吸入動作及び吐出動作が交互に連続的に行われることによって、吸入室113から吸入弁116を介して圧縮室115へ吸入され、圧縮室115において圧縮され高圧化されたエアは、吐出弁117を介して吐出室114へ送られ、所定の圧力及び流量のエアが単一の吐出口を通じて所望の供給先(浄化槽等)へ連続的に供給されることとなる。
【0032】
前記電磁石120,130の制御システム構成に関しては、図5が参照される。図5には、本実施の形態の電磁石120,130の制御システムの概略構成が示される。この図5に示すように、本実施の形態の電磁石120,130は、制御装置170によって制御される。制御装置170は、制御部171及び駆動部172を少なくとも備える。
【0033】
駆動部172は、交流電源(図示省略)の周波数と同一回数の磁極の変化(極性変化)によって、振動子140に対し電磁石120,130を介して振動用の駆動力を付与する機能を有し、この駆動部172の駆動力が制御部171によって可変制御される。駆動部172は、振動子140に対し電磁石120,130を介して振動用の駆動力を付与する機能を有し、本発明における「駆動部」に相当し、また単一の吐出口から吐出するエア風量を可変とするべくこの駆動部172の駆動力を可変制御する制御部171が、本発明における「制御部」に相当する。
【0034】
制御部171による駆動部172のこの可変制御によって、単一の吐出口を通じて吐出されるエア風量が、直線的、段階的、或いは間欠的に増加される。この可変制御機能を搭載する本実施の形態の電磁式ポンプ100は、後述する浄化槽(水処理装置200,300)などにおいて流入する水の汚水度合いに応じて風量(エア供給量)を変更したいという要請に基づき、風量を可変制御して運転を行う風量可変型の電磁式ポンプとして構成されている。この制御部171は、通常運転時に例えばエア風量(エア供給量)を相対的に増やした状態で電磁式ポンプ100の運転を行う場合には、電磁石120,130の駆動力を増やすように駆動部172を制御し、反対にエア風量(エア供給量)を相対的に減らした状態で電磁式ポンプ100の運転を行う場合には、電磁石120,130の駆動力を減らすように駆動部172を制御する。制御部171によるこの通常運転時の制御モード(第1の駆動制御モード)が、本発明における「第1の駆動制御モード」に相当する。
【0035】
また、この制御部171は、ダイアフラム機構部150の異常などによって振動子140の振幅が増えて規定振幅に達し、振動子140のストライカー142a,142bの少なくとも一方によってオートストッパーバー160が押圧された場合に、2つのスイッチ端子の接触が解除されて、当該制御部171への電源供給が停止される構成になっている。反対に、オートストッパーバー160の押圧が解除された場合には、2つのスイッチ端子の接触が生じて、当該制御部171への電源供給がなされる。すなわち、この実施形態では、オートストッパー機構が単なるスイッチとして構成されている。このような構成により、振動子140の振動を速やかに停止させてポンプ機構部110を停止させることができ、これによって電磁式ポンプの機器保護が図られる。なお、ダイアフラム機構部150の異常として典型的には、ダイアフラム152,152の劣化や破損などが挙げられる。本実施の形態では、ポンプ機構部110の停止にあわせて、更にこの異常発生を報知するための報知機構(典型的には、表示出力ないし音声出力を用いた報知機構)を更に搭載してもよい。制御部171によるこの制御モード(停止制御モード)が、本発明における「停止制御モード」に相当する。
【0036】
また、図5に示す制御システムに代えて、別の制御システムを用いることもできる。この別の制御システムに関しては、図6が参照される。図6には、別実施の形態の電磁石120,130の制御システムの概略構成が示される。図6に示す形態では、制御部171は、ダイアフラム機構部150の異常などによって振動子140の振幅が増えて規定振幅に達し、振動子140のストライカー142a,142bの少なくとも一方によってオートストッパーバー160が押圧された場合に、制御部171は、オートストッパー機構を作動させて駆動部172による駆動力を停止する制御を行う。オートストッパーバー160の押圧がなされたことは、機械的或いは電気的な機構を介して制御部171に伝送される。ダイアフラム機構部150の異常時にこのオートストッパー機構を作動させることによって、振動子140の振動を速やかに停止させてポンプ機構部110を停止させることができ、これによって電磁式ポンプの機器保護が図られる。
【0037】
なお、この制御部171は、駆動部172の制御を単独で遂行する構成であってもよいし、或いは電磁式ポンプ100の外部に設置された主たる制御部、例えば水処理装置に設置された制御部から伝送される制御信号に基づいて駆動部172の制御を間接的に行う補助的な制御部として構成されてもよい。
【0038】
ところで、風量(エア供給量)を可変制御して運転を行う風量可変型の電磁式ポンプ100にあっては、風量を相対的に減らした場合に、ダイアフラム機構部150の異常などが発生しても振動子140の振幅が規定振幅に到達せずオートストッパー機構が作動しない場合が想定される。このような場合には、ダイアフラム機構部150の異常検出が適正に行われないことが懸念される。そこで、本実施の形態では、この制御部171によって、更に別の駆動制御モード(第2の駆動制御モード)が遂行される構成を採用している。この第2の駆動制御モードが、本発明における「第2の駆動制御モード」に相当する。この第2の駆動制御モードの具体例に関しては、図7が参照される。
【0039】
図7には、本実施の形態のオートストッパー機構を介してダイアフラム152の異常を検出する様子が示されている。この図7に示すように、まず第1の駆動制御モードにおいては、電磁石120,130の駆動力を相対的に減らして風量(エア供給量)を減少させようとする少風量運転(図7中の(1)及び(3)の場合)や、電磁石120,130の駆動力を相対的に増やして風量(エア供給量)を増加させようとする多風量運転(図7中の(2)及び(4)の場合)が行われる。この第1の駆動制御モードにおいてダイアフラム152の破損や劣化などによる異常が発生すると、ダイアフラム152が振動子140に及ぼす負荷、すなわち停止状態に維持しようとする荷重が下がることから、電磁石120,130の駆動力が一定の場合には振動子140の振幅が大きくなる。図7中に示す振動子140の振幅A1,A2,B1,B2が、本発明における「第1の振幅」に相当する。
【0040】
この第1の駆動制御モードにおいて、多風量運転の場合には、振動子140の通常時の振幅が大きい(振幅B1とされる)ことから、例えば図7中右側のダイアフラム152の異常発生時に、振動子140の振幅が振幅B2(>B1)となって規定振幅に到達し、図7中の(4)に示すようにオートストッパー機構が適正に作動する。これに対し、少風量運転の場合には、振動子140の通常時の振幅が小さい(振幅A1とされる)ことから、例えば図7中右側のダイアフラム152の異常発生時においても、振動子140の振幅が振幅A2(>A1)にとどまって規定振幅を下回り、図7中の(3)に示すように、オートストッパー機構が作動しない。かといって、規定振幅の設定自体を下げると、今度は多風量運転の場合にオートストッパー機構が適正に作動しないという問題が生じることとなる。
【0041】
第2の駆動制御モードは、このような問題に対処するべく制御部171において設定された制御モードであって、図7中の(5)に示すように一時的に電磁石120,130の駆動力を相対的に増やし、振動子140の振幅を振幅A3(>A2)にまで高める制御モードとされる。この制御モードは、ダイアフラム152の異常を検出するための異常検知運転(「故障検知(探知)運転」ないし「故障有無確認運転」とも称呼する)とされる。具体的には、この第2の駆動制御モードにおいて制御部171は、ダイアフラム152の異常時での振幅が振幅A3となるような駆動力によって駆動部172を制御する。これにより、少風量運転の場合であっても、振動子140の一方のストライカー(図7中の左側のストライカー)がオートストッパーバー160を押圧することによって、ダイアフラム152の異常発生の際にオートストッパー機構をより確実に作動させることが可能となる。図7中に示す振動子140の振幅A3が、本発明における「第2の振幅」に相当する。
【0042】
なお、この第2の駆動制御モードは、ダイアフラム152の異常を検出するという目的においては、運転期間全体のうち一時的に自動制御ないし手動操作によって遂行される。典型的には、1日あたり1または複数回で、1回あたり数分〜数十分間、第1の駆動制御モードから第2の駆動制御モードへと運転切り替えを行うのが好ましい。
【0043】
上記実施の形態の電磁式ポンプ100によれば、運転時のエア風量を変えることが可能な風量可変型の構造において、少風量運転の場合であっても、ダイアフラム152の異常発生の際にオートストッパー機構を適正に作動させることができ、以って電磁式ポンプの運転適正化を図ることが可能となる。
また、上記実施の形態の電磁式ポンプ100によれば、オートストッパーバー160が、振動子140に一体状に設けられたストライカー142a,142bに押圧されることで振動子140の振幅が規定振幅に達したことを検出するという検出構造によって、検出構造の簡素化が図られる。
【0044】
上記構成の電磁式ポンプ100は、被処理水の好気処理を行う好気処理領域を有する水処理装置に装着されるのが好ましい。電磁式ポンプ100の具体的な装着例に関しては図8及び図9が参照される。
【0045】
図8には、本実施の形態の電磁式ポンプ100が設置された水処理装置200の概略構成が示される。この図8に記載の水処理装置200では、水処理領域の上流側から順に、夾雑物除去槽210、嫌気濾床槽220、接触濾床槽230、処理水槽240、消毒槽250が設けられている。夾雑物除去槽210は、被処理水中に含まれる夾雑物を、流入バッフル(図示省略)などの固液分離手段を用いて被処理水から分離する処理を行う槽であり、被処理水の固液分離機能を果たす。嫌気濾床槽220は、被処理水中の有機汚濁物質を嫌気処理(還元)する機能を有する処理槽であり、典型的には、有機汚濁物質を嫌気処理(還元)する嫌気性微生物が付着する所定量の濾材が濾床に充填される構成を有する。この嫌気処理によってBODの低減と汚泥の減量化が図られる。接触濾床槽230は、被処理水中の有機汚濁物質を好気処理(酸化)する機能を有する処理槽であり、典型的には、散気用エアを散気する単一の散気管231を備える構成とされる。この散気管231が、エア供給管119を介して電磁式ポンプ100の単一の吐出口118に接続されるように構成されており、この単一の吐出口118から吐出された圧縮エアは、エア供給管119を通じて単一の散気管231へと供給されることとなる。ここでいう単一の散気管231が、本発明における「単一の散気管」に相当し、この単一の散気管231が設置された接触濾床槽230の処理領域が、本発明における「好気処理部」を構成する。処理水槽240は、消毒槽250へ移流する前の水を一時的に貯留する機能を有する処理槽とされ、貯留された水の一部が循環水として夾雑物除去槽210へ循環される。消毒槽250は、処理水槽240から流入した水を、塩素などによって消毒処理する機能を有する処理槽とされる。
【0046】
図9には、本実施の形態の電磁式ポンプ100が設置された水処理装置300の概略構成が示される。この図9に記載の水処理装置300では、水処理領域の上流側から順に、嫌気濾床槽第一室310、嫌気濾床槽第二室320、接触ばっ気槽330、処理水槽340、消毒槽350が設けられている。嫌気濾床槽第一室310および嫌気濾床槽第二室320は、被処理水中の有機汚濁物質を嫌気処理(還元)する機能を有する処理槽とされる。接触ばっ気槽330は、被処理水中の有機汚濁物質を好気処理(酸化)する機能を有する処理槽であり、前述の接触濾床槽230と同様に、ばっ気用エアを散気する単一の散気管331を備える構成とされる。この散気管331が、エア供給管119を介して電磁式ポンプ100の単一の吐出口118に接続されるように構成されており、この単一の吐出口118から吐出された圧縮エアは、エア供給管119を通じて単一の散気管331へと供給されることとなる。また、この接触ばっ気槽330において生じた過剰汚泥は、嫌気濾床槽第一室310へと移送されて処理される。ここでいう単一の散気管331が、本発明における「単一の散気管」に相当し、この単一の散気管331が設置された接触ばっ気槽330の処理領域が、本発明における「好気処理部」を構成する。処理水槽340は、前述の処理水槽240と同様に、消毒槽350へ移流する前の水を一時的に貯留する機能を有する処理槽とされる。消毒槽350は、前述の消毒槽250と同様に、処理水槽340から流入した水を、塩素などによって消毒処理する機能を有する処理槽とされる。
【0047】
上記構成の水処理装置200や水処理装置300では、被処理水の処理過程において固形濾過物が生じることがなく、従って当該水処理装置には、固形濾過物をエアによって逆洗する逆洗装置は搭載されていない。従って、本実施の形態の電磁式ポンプ100は、散気管231ないし散気管331にのみエア供給を行う電磁式ポンプであって、被処理水の濾過処理によって生じた被濾過物の逆洗処理を行う逆洗管のような部位にはエア供給を行わない電磁式ポンプとして構成されている。一方で、電磁式ポンプ100の運転が第1の駆動制御モードから第2の駆動制御モードへと切り替えられると、ダイアフラム152が正常である場合には一時的に風量(エア散気量)が増加することとなるため、散気管231ないし散気管331の管内洗浄効果や目詰まり防止効果を得ることができる。
【0048】
〔他の実施の形態〕
なお、本発明は上記の実施の形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
【0049】
上記実施の形態では、振動子140の振幅を接触式のオートストッパーバー160によって検出する場合について記載したが、本発明では、このオートストッパーバー160にかえて、振動子140に対し光学センサなどの非接触式センサを用いることによって、振動子140の振幅を検出するようにすることもできる。
【0050】
また、上記実施の形態では、制御部171による制御モードとして、停止制御モード、第1の駆動制御モード及び第2の駆動制御モードの三つの制御モードについて記載したが、本発明では、制御部171がこれら三つの制御モードに加え、更なる制御モードを有してもよい。
【0051】
また、上記実施の形態では、電磁式ポンプ100の単一の吐出口118から吐出されたエアは、水処理装置の接触濾床槽230や接触ばっ気槽330に供給される場合について記載したが、本発明では、電磁式ポンプ100の単一の吐出口118を、必要に応じて水処理装置における各種の好気処理部に接続することができる。また、この単一の吐出口118から吐出されたエアが流通する配管を複数に分岐させた構成を採用し、バルブによる切り換え操作によって、散気管側から散気管以外の部位(例えば、移送エアリフトポンプや逆洗管等)にエアを分岐させて供給することもできる。
【0052】
また、上記実施の形態では、振動子130の両端部にダイアフラム152を配置した構成の電磁式ポンプ100について記載したが、振動子130の一端部にのみダイアフラム152が配置された構成の電磁式ポンプに対し本発明を適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の電磁式ポンプの一実施の形態である電磁式ポンプ100の平面図であって、その主要部分の断面構造を示す図である。
【図2】図1中の電磁石120,130のA−A線断面における構造を示す図である。
【図3】本実施の形態の電磁式ポンプ100において振動子140が矢印10方向に動作した場合の様子を模式的に示す図である。
【図4】本実施の形態の電磁式ポンプ100において振動子140が矢印12方向に動作した場合の様子を模式的に示す図である。
【図5】本実施の形態の電磁石120,130の制御システムの概略構成を示す図である。
【図6】別実施の形態の電磁石120,130の制御システムの概略構成を示す図である。
【図7】本実施の形態のオートストッパー機構介してダイアフラム152の異常を検出する様子を説明する図である。
【図8】本実施の形態の電磁式ポンプ100が設置された水処理装置200の概略構成を示す図である。
【図9】本実施の形態の電磁式ポンプ100が設置された水処理装置300の概略構成を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
100…電磁式ポンプ
101…ケーシング
110…ポンプ機構部
111…電磁石ケース板
111a…挟持片
112…弁ケース体
113…吸入室
114…吐出室
115…圧縮室
116…吸入弁
117…吐出弁
118…吐出口
119…エア供給管
120,130…電磁石
122,132…電磁石コア
122a,132a…第1延在部
122b,132b…第2延在部
122c,132c…第3延在部
123,133…電磁石ボビン
124,134…電磁コイル
140…振動子
141…連結用シャフト
142a,142b…ストライカー
150…ダイアフラム機構部
151…本体部
152…ダイアフラム
153…第1センタープレート
154…第2センタープレート
160…オートストッパーバー
170…制御装置
171…制御部
172…駆動部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアを圧縮して吐出する電磁式ポンプであって、
エアを圧縮する圧縮室と、
前記圧縮室を区画するとともに、当該圧縮室におけるエアの吸入動作及び吐出動作を行うように弾性変形可能なダイアフラムと、
前記圧縮室にて圧縮されたエアをポンプハウジング外へと吐出する単一の吐出口と、
前記ダイアフラムに連結され、当該ダイアフラムを吸入動作方向及び吐出動作方向へと駆動するように振動可能な振動子と、
前記振動子の振動時の振幅に関する情報を検出する検出部と、
前記振動子を電磁石を介して振動駆動する駆動部と、
前記単一の吐出口から吐出するエア風量を可変とするべく前記駆動部を可変制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された情報に基づいて前記振動子の振幅が予め設定された規定振幅に達したときに前記駆動部を停止する停止制御モードと、前記振動子が前記規定振幅を下回る第1の振幅にて振動するように前記駆動部を制御する第1の駆動制御モードと、前記振動子が前記規定振幅を上回る第2の振幅にて振動するように前記駆動部を制御する第2の駆動制御モードを有することを特徴とする電磁式ポンプ。
【請求項2】
請求項1に記載の電磁式ポンプであって、
前記制御部は、前記第2の駆動制御モードにおいて、前記ダイアフラムの異常時での振幅が前記第2の振幅となるように前記駆動部を制御する構成であることを特徴とする電磁式ポンプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電磁式ポンプであって、
前記振動子は、当該振動子に一体状に設けられた押圧部を備え、
前記検出部は、前記第1の駆動制御モードないし第2の駆動制御モードにおいて、前記振動子の前記規定振幅を上回る振動の際に前記押圧部によって押圧される被押圧部を備え、当該被押圧部が前記押圧部によって押圧されたときに前記振動子の振幅が前記規定振幅に達したことを検出する構成であることを特徴とする電磁式ポンプ。
【請求項4】
請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の電磁式ポンプであって、
当該電磁式ポンプは、被処理水の好気処理を行う好気理部を有する水処理装置に装着される構成であり、前記単一の吐出口が、前記好気処理部に配設された単一の散気管にエア供給管を介して接続される構成であることを特徴とする電磁式ポンプ。
【請求項5】
被処理水の水処理を行う水処理装置であって、
単一の散気管を有し、この単一の散気管から散気されたエアによって被処理水の好気処理を行う好気処理部と、
前記好気処理部に配設された前記単一の散気管にエアを供給するエア供給装置と、
を備え、
前記エア供給装置は、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の電磁式ポンプを用いて構成されていることを特徴とする水処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の水処理装置であって、
前記電磁式ポンプは、前記制御部を前記第1の駆動制御モードから前記第2の駆動制御モードへと切り替えることによって、前記好気処理部の風量増加により前記単一の散気管の洗浄を行う洗浄手段をなす構成であることを特徴とする水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−57941(P2009−57941A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−227768(P2007−227768)
【出願日】平成19年9月3日(2007.9.3)
【出願人】(390021348)フジクリーン工業株式会社 (71)
【Fターム(参考)】