説明

露光方法及び露光装置

【課題】 本体構造体の弾性変形を計測するレーザ干渉計を追加することなく、本体構造体の弾性変形により発生するステージ間の相対位置誤差を補正する露光装置を提供すること。
【解決手段】 露光装置1は、マスク2を保持するマスクステージ4と、基板3を保持するプレートステージ5と、マスクステージ4とプレートステージ5の位置を計測するレーザ干渉計と、レーザ干渉計の計測結果に基づいてマスクステージ4とプレートステージ5の位置を制御する制御演算器16および駆動装置と、マスク2に描画されたパターンを基板3に投影する投影光学系6とを有する。本体構造体7上のレーザ干渉計支持台と投影光学系6の傾き量を傾斜角計17(a),17(b),17(c)により計測して、該計測結果からマスクステージ4とプレートステージ5の相対位置誤差を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体、液晶パネルの製造に用いられる露光装置に関し、特に、ステージの位置決めに関する技術分野となる。
【背景技術】
【0002】
投影露光装置は、マスクを保持するマスクステージと基板を保持するプレートステージの相対位置を一定に保ちながら、マスクに描画されたパターンを投影光学系により基板に投影している。マスクステージとプレートステージの位置は、剛性の高い本体構造体上に取付けられたレーザ干渉計によりそれぞれ計測され、リニアモータ等の駆動装置によりステージ間の相対位置を制御している。ここで、マスクステージとプレートステージを支持している本体構造体は、ステージが移動する際に荷重移動やステージ加速反力により弾性変形を生じる。このように本体構造体に弾性変形が生じた場合、マスクステージとプレートステージの干渉計支持台と投影光学系間の距離が変動してマスクと基板の相対位置に誤差が発生し、投影位置の再現性を悪化させる。上記本体構造体の弾性変形を抑制するためには、本体構造体の剛性を高める必要があるが、その場合は本体構造体の更なる大型化を招き、装置重量および製作コストと運搬コストが増大する。
【0003】
上記問題に対し、本体構造体の弾性変形により発生するステージの相対位置誤差を抑えるための従来技術として、干渉計支持台と投影光学系間を計測するレーザ干渉計を備えた露光装置(特許文献1、特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−228382号公報
【特許文献2】特開2004−228383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マスクステージとプレートステージを支持している本体構造体は、ステージが移動する際に荷重移動やステージ加速反力により弾性変形を生じる。この本体構造体の弾性変形は投影位置の再現性を悪化させるため、小さく抑える必要がある。しかし、近年では、露光装置の生産性向上を目的として、スループットの向上や基板の大型化が進んでいるため、本体構造体がより大型化して構造が複雑となる傾向がある。そのため、本体構造体の弾性変形を計測するレーザ干渉計の物理的な配置が困難な場合があり、レーザ干渉計支持台や投影光学系に局所的な弾性変形が存在すると、ステージの相対位置誤差を正確に計測することができないという問題がある。また、レーザ干渉計の追加により、調整工程の増加やコストの増加を招くという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、本体構造体の弾性変形を計測するレーザ干渉計を追加することなく、本体構造体の弾性変形により発生するステージ間の相対位置誤差を補正する露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般的に露光装置は、マスクを保持するマスクステージと、基板を保持するプレートステージと、前記マスクステージと前記プレートステージの位置を計測するレーザ干渉計と、前記レーザ干渉計の計測結果に基づいて前記マスクステージと前記プレートステージの位置を制御する制御演算器および駆動装置と、マスクに描画されたパターンを基板に投影する投影光学系とで構成されている。本発明では、本体構造体上のレーザ干渉計支持台と前記投影光学系にそれぞれの傾き量を計測する傾斜角計を配置して、該計測結果から前記マスクステージと前記プレートステージの相対位置誤差を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本体構造体の弾性変形を計測するレーザ干渉計を追加することなく、本体構造体の弾性変形により発生するステージ間の相対位置誤差を補正する露光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態の露光装置を示した図である。
【図2】本発明の第1実施形態の位置補正ブロック図である。
【図3】本発明の第2実施形態の露光装置を示した図である。
【図4】本発明の第2実施形態の位置補正ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態の露光装置を示した図である。図1では、本発明の露光装置をY軸方向に見た側面図であり、ステージ移動により本体構造体が変形した場合の状態を示している。
【0011】
図1において、マスク2を保持したマスクステージ4と、基板3を保持したプレートステージ5と、投影光学系6は、それぞれを保持する構造体に連結され、本体構造体7に支持されている。また、マスクステージ4は、マスクステージX軸干渉計の支持台9に取付けられたマスクステージX軸干渉計8によりX位置を計測し、制御演算器16の演算結果を駆動装置であるマスクステージX軸駆動用のリニアモータ10(a),10(b)に出力してX位置決め制御を行う。同様に、プレートステージ5は、プレートステージX軸干渉計とY軸回り(θy)干渉計の支持台13に取付けられたプレートステージX軸干渉計11によりX位置を計測し、制御演算器16の演算結果を駆動装置であるプレートステージX軸駆動用のリニアモータ14に出力してX位置決め制御を行う。また、プレートステージY軸回り(θy)干渉計12によりY軸回り(θy)位置を計測し、制御演算器16の演算結果を駆動装置であるプレートステージZ軸とX軸回り(θx)とY軸回り(θy)駆動用のリニアモータ15(a),15(b),15(c),15(d)に出力してθy位置決め制御を行う。
【0012】
マスクステージX軸干渉計の支持台9と、プレートステージX軸干渉計とY軸回り(θy)干渉計の支持台13と、投影光学系6には、それぞれにY軸回りの回転を計測する傾斜角計17(a) , 17(b) , 17(c)が取付けられている。
【0013】
ここで、上記傾斜角計は振り子を中立位置に制御するサーボ式センサである。重力に対してセンサケースが傾いたときに、振り子が中立位置を保つように、内蔵したモータにトルクを発生させることで、傾斜角に比例した信号を出力する。
【0014】
ステージ移動により本体構造体が変形した場合、本体構造体の弾性変形により、Y軸回りのマスクステージ干渉計支持台回転量21と、Y軸回りのプレートステージ干渉計支持台回転量22と、Y軸回りの投影光学系回転量23が発生する。このとき、投影光学系に対するマスクステージX軸の相対位置誤差24(Δmsx)と、投影光学系に対するプレートステージX軸の相対位置誤差25(Δpsx)は、
【0015】
【数1】

【0016】
で表される。
【0017】
但し、(1)、(2)において、LmsxはマスクステージX軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離18、θmsx1,θmsx2は本体構造体が弾性変形する前後の傾斜角計17(a)の計測値(Y軸回りのマスクステージ干渉計支持台角度)、LpsxはプレートステージX軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離19、θpsx1,θpsx2は本体構造体が弾性変形する前後の傾斜角計17(b)の計測値(Y軸回りのプレートステージ干渉計支持台角度)、θumx1,θumx2は本体構造体が弾性変形する前後の傾斜角計17(c)の計測値(Y軸回りの投影光学系角度)である。
【0018】
式(1),式(2)から、投影光学系6に対して、マスクステージ4とプレートステージ5のX軸相対位置誤差(Δmpsx)は、
【0019】
【数2】

【0020】
で表されるので、プレートステージX軸の位置補正量26は−Δmpsxとなる。
【0021】
ここで、(3)において、X軸方向に対してはマスク2と基板3の像は投影光学系6によって反転されるため、マスクステージ4とプレートステージ5の相対位置誤差(Δmpsx)は、投影光学系に対するマスクステージX軸の相対位置誤差24(Δmsx)と、投影光学系に対するプレートステージX軸の相対位置誤差25(Δpsx)の差分となっている。また、(1),(2)では、各干渉計と投影光学系を支持する本体構造体の距離を一つのパラメータとしているが、干渉計支持台が複数の構造体部品で構成されていて、局所的な弾性変形が存在する場合は、傾斜角計をそれぞれの構造体部品に複数個取付けて、(1),(2)と同様にして、複数の算出式の総和から相対位置誤差を算出してもよい。
【0022】
図2(a)にマスクステージとプレートステージのX位置補正ブロック図を示す。マスクステージ4のX軸は、制御演算器16にマスクステージX軸位置補償器29を備えており、その推力指令値をマスクステージX軸駆動装置30からマスクステージX軸駆動用のリニアモータ10(a),10(b)に出力している。また、プレートステージ5のX軸も同様に、制御演算器16にプレートステージX軸位置補償器32を備えており、その推力指令値をプレートステージX軸駆動装置33からプレートステージX軸駆動用のリニアモータ14に出力している。ここで、傾斜角演算器34(a),34(b),34(c)と補正ゲイン35(a),35(b)を介して、前記(3)から算出したプレートステージX軸の位置補正量26(−Δmpsx)をプレートステージX軸位置指令に足し込んで補正している。これにより、本体構造体の弾性変形によりマスクステージ4とプレートステージ5にX軸相対位置誤差が発生した場合でもその位置誤差を補正することができる。また、図2(a)においては、プレートステージX軸位置を補正しているが、マスクステージX軸位置を補正しても良いし、または、マスクステージX軸位置に−Δmsx、および、プレートステージX軸位置にΔpsxを個別に補正しても良い。更に、複数の干渉計によりマスクステージ4、または、プレートステージ5のX軸方向を計測している場合も、複数の干渉計支持台に傾斜角計を取付けて相対位置誤差を算出してもよい。
【0023】
また、図1において、Y軸回りのプレートステージ干渉計支持台回転量22と、Y軸回りの投影光学系回転量23によって、プレートステージ5と投影光学系6間にY軸回り(θy)の相対位置誤差が発生する。特に、プレートステージ5のX位置が投影光学系6の露光中心からずれていると、その場合は投影光学系6に対してZ軸方向に相対位置誤差が発生し、フォーカスずれが発生する。このときの相対位置誤差(Δθy)は、
【0024】
【数3】

【0025】
で表されるので、プレートステージY軸回りの回転位置補正量27は、(−Δθy)となる。
【0026】
図2(b)にプレートステージのθy位置補正ブロック図を示す。プレートステージ5のθy軸は、プレートステージθy軸位置補償器37を備えており、その推力指令値をプレートステージθy軸駆動装置38からプレートステージZ軸とX軸回り(θx)とY軸回り(θy)駆動用のリニアモータ15(a),15(b),15(c),15(d)に出力している。ここで、傾斜角演算器34(c),39と補正ゲイン40を介して、前記(4)から算出したプレートステージY軸回りの回転位置補正量27(−Δθy)をプレートステージθy位置指令に足し込んで、プレートステージ5と投影光学系6の相対位置誤差を補正している。これにより、本体構造体の弾性変形によりプレートステージ5と投影光学系6のθy軸相対位置誤差が発生した場合でも、その位置誤差を補正することができる。
【0027】
このようにプレートステージ5のX軸とθy軸位置を補正することで、ステージ移動により本体構造体7に弾性変形が発生した場合でも、マスクステージ4と、プレートステージ5と、投影光学系6のX軸とθy軸の相対位置誤差を抑えることが可能である。
【0028】
〔第2実施形態〕
第1実施形態では、マスクステージ4のX軸とプレートステージ5のX軸とθy軸に関する位置補正について記載したが、マスクステージ4のY軸とプレートステージ5のY軸とθx軸に関しても全く同様にして補正することが出来る。
【0029】
図3は本発明の第1実施形態の露光装置を示した図である。図3では、本発明の露光装置をX軸方向に見た側面図であり、ステージ移動により本体構造体が変形した場合の状態を示している。
【0030】
図3において、マスク2を保持したマスクステージ4と、基板3を保持したプレートステージ5と、投影光学系6は、それぞれを保持する構造体に連結され、本体構造体7に支持されている。また、マスクステージ4は、マスクステージY軸干渉計の支持台42に取付けられたマスクステージY軸干渉計41によりY位置を計測し、制御演算器16の演算結果を駆動装置であるマスクステージY軸駆動用のリニアモータ43に出力してY位置決め制御を行う。同様に、プレートステージ5は、プレートステージY軸干渉計とX軸回り(θx)干渉計の支持台46に取付けられたプレートステージY軸干渉計44によりY位置を計測し、制御演算器16の演算結果を駆動装置であるプレートステージY軸駆動用のリニアモータ47に出力してY位置決め制御を行う。また、プレートステージX軸回り(θx)干渉計45によりX軸回り(θx)位置を計測し、制御演算器16の演算結果を駆動装置であるプレートステージZ軸とX軸回り(θx)とY軸回り(θy)駆動用のリニアモータ15(a),15(b),15(c),15(d)に出力してθx位置決め制御を行う。
【0031】
マスクステージY軸干渉計の支持台42と、プレートステージY軸干渉計とX軸回り(θx)干渉計の支持台46と、投影光学系6には、それぞれにX軸回りの回転を計測する傾斜角計48(a) ,48(b) ,48(c)が取付けられている。
【0032】
ここで、上記傾斜角計は振り子を中立位置に制御するサーボ式センサである。重力に対してセンサケースが傾いたときに、振り子が中立位置を保つように、内蔵したモータにトルクを発生させることで、傾斜角に比例した信号を出力する。
【0033】
ステージ移動により本体構造体が変形した場合、本体構造体の弾性変形により、X軸回りのマスクステージ干渉計支持台回転量52と、X軸回りのプレートステージ干渉計支持台回転量53と、X軸回りの投影光学系回転量54が発生する。このとき、投影光学系に対するマスクステージY軸の相対位置誤差55(Δmsy)と、投影光学系に対するプレートステージY軸の相対位置誤差56(Δpsy)は、
【0034】
【数4】

【0035】
で表される。
【0036】
但し、(5)、(6)において、LmsyはマスクステージY軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離49、θmsy1,θmsy2は本体構造体が弾性変形する前後の傾斜角計48(a)の計測値(X軸回りのマスクステージ干渉計支持台角度)、LpsyはプレートステージY軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離50、θpsy1,θpsy2は本体構造体が弾性変形する前後の傾斜角計48(b)の計測値(X軸回りのプレートステージ干渉計支持台角度)、θumy1,θumy2は本体構造体が弾性変形する前後の傾斜角計48(c)の計測値(X軸回りの投影光学系角度)である。
【0037】
式(5),式(6)から、投影光学系6に対して、マスクステージ4とプレートステージ5のY軸相対位置誤差(Δmpsy)は、
【0038】
【数5】

【0039】
で表されるので、プレートステージY軸の位置補正量57は−Δmpsyとなる。
【0040】
ここで、(5),(6)では、各干渉計と投影光学系を支持する本体構造体の距離を一つのパラメータとしているが、干渉計支持台が複数の構造体部品で構成されていて、局所的な弾性変形が存在する場合は、傾斜角計をそれぞれの構造体部品に複数個取付けて、(5),(6)と同様にして、複数の算出式の総和から相対位置誤差を算出してもよい。
【0041】
図4(a)にマスクステージとプレートステージのY位置補正ブロック図を示す。マスクステージ4のY軸は、制御演算器16にマスクステージY軸位置補償器60を備えており、その推力指令値をマスクステージY軸駆動装置61からマスクステージY軸駆動用のリニアモータ43に出力している。また、プレートステージ5のY軸も同様に、制御演算器16にプレートステージY軸位置補償器63を備えており、その推力指令値をプレートステージX軸駆動装置64からプレートステージY軸駆動用のリニアモータ47に出力している。ここで、傾斜角演算器65(a),65(b),65(c)と補正ゲイン66(a),66(b)を介して、前記(7)から算出したプレートステージY軸の位置補正量57(−ΔmpsyをプレートステージY軸位置指令に足し込んで補正している。これにより、本体構造体の弾性変形によりマスクステージ4とプレートステージ5にY軸相対位置誤差が発生した場合でもその位置誤差を補正することができる。また、図4(a)においては、プレートステージY軸位置を補正しているが、マスクステージY軸位置を補正しても良いし、または、マスクステージY軸位置に−Δmsy、および、プレートステージY軸位置に−Δpsyを個別に補正しても良い。更に、複数の干渉計によりマスクステージ4、または、プレートステージ5のY軸方向を計測している場合も、複数の干渉計支持台に傾斜角計を取付けて相対位置誤差を算出してもよい。
【0042】
また、図3において、X軸回りのプレートステージ干渉計支持台回転量53と、X軸回りの投影光学系回転量54によって、プレートステージ5と投影光学系6間にX軸回り(θx)の相対位置誤差が発生する。特に、プレートステージ5のY位置が投影光学系6の露光中心からずれていると、その場合は投影光学系6に対してZ軸方向に相対位置誤差が発生し、フォーカスずれが発生する。このときの相対位置誤差(Δθx)は、
【0043】
【数6】

【0044】
で表されるので、プレートステージX軸回りの回転位置補正量58は、(−Δθx)となる。
【0045】
図4(b)にプレートステージのθx位置補正ブロック図を示す。プレートステージ5のθx軸は、プレートステージθx軸位置補償器68を備えており、その推力指令値をプレートステージθx軸駆動装置69からプレートステージZ軸とX軸回り(θx)とY軸回り(θy)駆動用のリニアモータ15(a),15(b),15(c),15(d)に出力している。ここで、傾斜角演算器65(c),70と補正ゲイン71を介して、前記(8)から算出したプレートステージX軸回りの回転位置補正量58(−Δθx)をプレートステージθx位置指令に足し込んで、プレートステージ5と投影光学系6の相対位置誤差を補正している。これにより、本体構造体の弾性変形によりプレートステージ5と投影光学系6のθx軸相対位置誤差が発生した場合でも、その位置誤差を補正することができる。
【0046】
このようにプレートステージ5のY軸とθx軸位置を補正することで、ステージ移動により本体構造体7に弾性変形が発生した場合でも、マスクステージ4と、プレートステージ5と、投影光学系6のY軸とθx軸の相対位置誤差を抑えることが可能である。
【0047】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
【符号の説明】
【0048】
1:露光装置、2:マスク、3:基板、4:マスクステージ、5:プレートステージ、6:投影光学系、7:本体構造体、8:マスクステージX軸干渉計、9:マスクステージX軸干渉計の支持台、10(a),10(b):マスクステージX軸駆動用のリニアモータ、11:プレートステージX軸干渉計、12:プレートステージY軸回り(θy)干渉計、13:プレートステージX軸干渉計とY軸回り(θy)干渉計の支持台、14:プレートステージX軸駆動用のリニアモータ、15(a),15(b),15(c),15(d):プレートステージZ軸とX軸回り(θx)とY軸回り(θy)駆動用のリニアモータ、16:制御演算器、17(a),17(b),17(c):X軸回りの回転を計測する傾斜角計、18:マスクステージX軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離、19:プレートステージX軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離、20:X軸相対誤差補正後のプレートステージ、21:Y軸回りのマスクステージ干渉計支持台回転量、22:Y軸回りのプレートステージ干渉計支持台回転量、23:Y軸回りの投影光学系回転量、24:投影光学系に対するマスクステージX軸の相対位置誤差、25:投影光学系に対するプレートステージX軸の相対位置誤差、26:プレートステージX軸の位置補正量、27:プレートステージY軸回りの回転位置補正量、28:マスクステージX軸指令生成器、29:マスクステージX軸位置補償器、30:マスクステージX軸駆動装置、31:プレートステージX軸指令生成器、32:プレートステージX軸位置補償器、33:プレートステージX軸駆動装置、34(a),34(b),34(c):傾斜角演算器、35(a),35(b):X軸相対誤差補正ゲイン、36:プレートステージθy軸指令生成器、37:プレートステージθy軸位置補償器、38:プレートステージθy軸駆動装置、39:Y軸回りの傾斜角演算器、40:θy軸相対誤差補正ゲイン、41:マスクステージY軸干渉計、42:マスクステージY軸干渉計の支持台、43:マスクステージY軸駆動用のリニアモータ、44:プレートステージY軸干渉計、45:プレートステージX軸回り(θx)干渉計、46:プレートステージY軸干渉計とX軸回り(θx)干渉計の支持台、47:プレートステージY軸駆動用のリニアモータ、48(a),48(b),48(c):X軸回りの回転を計測する傾斜角計、49:マスクステージY軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離、50:プレートステージY軸干渉計と投影光学系を支持する本体構造体間の距離、51:Y軸相対誤差補正後のプレートステージ、52:X軸回りのマスクステージ干渉計支持台回転量、53:X軸回りのプレートステージ干渉計支持台回転量、54:X軸回りの投影光学系回転量、55:投影光学系に対するマスクステージY軸の相対位置誤差、56:投影光学系に対するプレートステージY軸の相対位置誤差、57:プレートステージY軸の位置補正量、58:プレートステージX軸回りの回転位置補正量、59:マスクステージY軸指令生成器、60:マスクステージY軸位置補償器、61:マスクステージY軸駆動装置、62:プレートステージY軸指令生成器、63:プレートステージY軸位置補償器、64:プレートステージY軸駆動装置、65(a),65(b),65(c):X軸回りの傾斜角演算器、66(a),66(b):Y軸相対誤差補正ゲイン、67:プレートステージθx軸指令生成器、68:プレートステージθx軸位置補償器、69:プレートステージθx軸駆動装置、70:X軸回りの傾斜角演算器、71:θx軸相対誤差補正ゲイン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスクを保持するマスクステージと、基板を保持するプレートステージと、前記マスクステージと前記プレートステージの位置を計測するレーザ干渉計と、前記レーザ干渉計の計測結果に基づいて前記マスクステージと前記プレートステージの位置を制御する制御演算器および駆動装置と、マスクに描画されたパターンを基板に投影する投影光学系とを備える露光装置であって、本体構造体上のレーザ干渉計支持台と前記投影光学系の傾き量を傾斜角計により計測して、該計測結果から前記マスクステージと前記プレートステージの相対位置誤差を補正することを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記傾斜角計は、前記レーザ干渉計支持台と前記投影光学系のX軸回りの回転(θx)とY軸回りの回転(θy)を計測し、前記マスクステージと前記プレートステージのX軸とY軸の相対位置誤差を補正することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記プレートステージはZ軸とX軸回りの回転(θx)とY軸回りの回転(θy)の方向に位置制御を行うチルトステージを含み、前記プレートステージのレーザ干渉計支持台と前記投影光学系のX軸回りの回転(θx)とY軸回りの回転(θy)の計測結果から、前記プレートステージのX軸回りの回転(θx)とY軸回りの回転(θy)の相対位置誤差を補正することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項4】
前記傾斜角計は、X軸回りの回転(θx)、または、Y軸回りの回転(θy)の方向に対して、前記マスクステージのレーザ干渉計支持台上と、前記プレートステージのレーザ干渉計支持台上と、前記投影光学系上に、それぞれ1箇所または複数箇所に配置することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の露光装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−114220(P2012−114220A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261549(P2010−261549)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】