説明

駆動力伝達機構および画像形成装置

【課題】 小型化、軽量化および低コスト化が可能でかつこれらの機能を発揮させる構成を用いた場合の回転精度の悪化を防止できる構成を備えた駆動力伝達機構を提供する。
【解決手段】 メタル軸受け104内蔵モータ103の軸103A中心を基準としてラジアル方向対称位置に配置されているギヤ202,203が前記メタル軸受け104内蔵モータ103の軸103Aに装備されている駆動ギヤ201に噛み合う駆動力伝達部200と、該メタル軸受け104内蔵モータ103側に設けられた回転状態検知用の被検知部301およびこれに対向して近接配置された検知部302とを有し、モータの回転を所定条件に維持する制御を行うモータ回転変動制御手段とを備えた駆動力伝達機構であって、前記メタル軸104内蔵受けモータ103の軸103Aに作用するスラスト方向荷重を、前記モータ回転変動制御手段における前記検知部302に向けて前記被検知部301を接近させる方向に作用させる構成を備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動力伝達機構および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、ブラシレスモータにおける軸支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にモータなどの駆動源での回転を減速して伝達する方式には、歯車列を用いた方式やウォームギヤを用いる方式あるいはベルトの掛け回し径を変化させる方式などが知られている。
【0003】
一方、減速機構を用いた装置の一つに画像形成装置がある。
画像形成装置においては、駆動モータからの回転を伝達される感光体ドラムや転写ベルトの駆動ローラあるいは定着ローラが装備されている。これら各被駆動部材に対する駆動モータの回転数は数千rpmであることが多く、この回転数を数十〜百数十rpmに減速して用いられている(例えば、特許文献1)。
【0004】
駆動モータの回転数を各被駆動部材に必要な回転数に減速する際に、上述した回転減速方式を用いることは、大きな減速比を設定するための回転精度に悪影響を及ぼすことがあり、これにより、例えば、多色画像を形成するような場合の画像同士の位置合わせ精度に影響して画質低下を招く虞がある。このような回転精度の問題は、部品の加工精度や組み立て精度が原因することが多い。
【0005】
ところで、減速機構を用いて駆動源であるモータの回転を従動部材として用いられる感光体ドラムや転写ベルトの駆動プーリなどに伝達する際に、駆動源の出力軸に取り付けられた駆動ギヤに対して従動ギヤを噛み合わせて減速歯車群を構成する場合がある。
【0006】
【特許文献1】特開003−42238号公報(段落「0002」欄)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
駆動ギヤに従動ギヤを噛み合わせて減速する場合に用いられる駆動モータには、例えば、ブラシレスモータを用いるような場合、モータ内に挿通されている駆動軸は軸方向に沿った複数箇所でボールベアリングにより支持されていることが多い。
【0008】
一方、駆動軸にはギヤ同士の噛み合い回転時にスラスト方向の荷重が作用することがある。
スラスト方向の荷重により駆動軸の位置が変化すると、例えば、インナーロータ側とこれに対向する位置に配置された回路基板とで磁気検知による回転速度制御を行うエンコーダが装備されている場合、インナーロータ側と回路基板側との間の対向間隔が変化し、結果として、回転変動を正確に検知することができなくなる虞がある。
【0009】
そこで、ボールベアリングを用いた支持構造の場合には、ボールベアリングとして剛性の高いものを使用し、その剛性を利用してスラスト方向の荷重を吸収することが行われる場合がある。
しかし、ボールベアリングとして、高剛性のものを用いた場合には、部品の大型化による重量増加を招くだけでなく、高コスト部品となる虞がある。
【0010】
ボールベアリングに対して比較的低コスト、軽量化が図れる軸受け部材としてメタル軸受けなどの滑り軸受けがある。
【0011】
メタル軸受けを用いた場合、スラスト方向の荷重が作用すると駆動軸に引きずられてメタル軸受けがスラスト方向に移動することがあり、これにより、メタル軸受けが駆動軸周辺に設けてある不動部材に衝突して損傷することがある。
【0012】
特に、画像形成装置の場合には、駆動源で上述したような異常事態が発生すると画像形成処理が続行できなくなるばかりでなく、回転精度が悪化して画像品質にも悪影響を及ぼすことになる。
【0013】
本発明は、上記従来の駆動力伝達機構およびこれを用いる画像形成装置における問題に鑑み、小型化、軽量化および低コスト化が可能でかつこれらの機能を発揮させる構成を用いた場合の回転精度の悪化を防止できる構成を備えた駆動力伝達機構および画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
請求項1記載の発明は、メタル軸受け内蔵モータの軸中心を基準としてラジアル方向対称位置に配置されているギヤが前記メタル軸受け内蔵モータの軸に装備されている駆動ギヤに噛み合う駆動力伝達部と、該メタル軸受け内蔵モータ側に設けられた回転状態検知用の被検知部およびこれに対向して近接配置された検知部とを有し、モータの回転を所定条件に維持する制御を行うモータ回転変動制御手段とを備えた駆動力伝達機構であって、前記メタル軸受け内蔵モータ軸に作用するスラスト方向荷重を、前記モータ回転変動制御手段における前記検知部に向けて前記被検知部を接近させる方向に作用させる構成を備えていることを特徴としている。
【0015】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の駆動力伝達機構において、前記検知部に向けて前記被検知部を接近させる方向にスラスト方向荷重を作用させる構成として、前記駆動力伝達部に用いられるギヤをはすば歯車としたことを特徴としている。
【0016】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の駆動力伝達機構において、前記検知部に向けて前記被検知部を接近させる方向にスラスト方向荷重を作用させる構成に用いられるはすば歯車は、そのねじれ角を、前記検知部と被検知部との間の隙間が非接触で最も小さくなる状態を維持できるスラスト方向荷重を設定可能な角度とされていることを特徴としている。
【0017】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の駆動力伝達機構を画像形成装置に用いることを特徴としている。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、メタル軸受け内蔵モータの軸中心を基準としてラジアル方向対称位置にギヤを配置することで出力軸に対するラジアル方向での負荷を均等化できることによりスラスト方向への荷重の変動が不均一となるのを防止することができる。これにより、ボールベアリングと違って小型化、軽量化および低コスト化が可能なメタル軸受けを用いた場合にスラスト方向での荷重変動を防止することが可能となる。
【0019】
一方、スラスト方向の荷重に関しては、モータ回転変動制御手段に用いられる被検知部が検知部に対して接近する方向に作用させることで常に被検知部と検知部とが近接対向した状態を維持できる。これにより、スラスト方向で軸が不用意に移動するのを防止し、検知部と被検知部との対向間隔が変化することが原因となる回転状態の誤検知をなくして回転精度を向上させた状態に維持することが可能となる。
【0020】
特に請求項2記載の発明においては、スラスト方向荷重を作用させる構成としてはすば歯車を用いることにより、簡単な構成を利用することができる。
【0021】
また請求項3記載の発明においては、はすば歯車のねじれ角が被検知部と検知部との間の隙間が非接触で最も小さくなる状態を維持できるスラスト方向荷重を設定可能な角度とされているので、検知部と被検知部との間の隙間変動を常に一定化して回転変動制御誤差を低減することができる。従って、ボールベアリングの場合と違って低コストのメタル軸受けを用いたモータでの回転精度の向上および軸の変位を一定化できることで負荷変動をなくして軸受けの寿命を向上させることが可能となる。
【0022】
また請求項4記載の発明においては、スラスト方向荷重を一定の状態で維持できることにより、軸受けの寿命および回転精度の向上が図れることとなり、これにより、軸受けの損傷を低減して画像形成不良を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明を、画像形成装置である電子写真方式のカラー複写機(以下、「複写機」という。)に適用した場合を対象として本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、本実施形態における複写機は、特許文献1に開示されたいわゆるタンデム式の画像形成装置であって、乾式二成分現像剤を用いた乾式二成分現像方式を採用したものである。
【実施例】
【0024】
図2は、本実施形態に係る複写機における画像形成部全体の概略構成図である。この複写機1000は、図示しない画像読取部から画像情報である画像データを受け取って画像形成処理を行う。この複写機には、図に示すように、イエロー(以下、「Y」と省略する。)、マゼンタ(以下、「M」と省略する。)、シアン(以下、「C」と省略する。)、ブラック(以下、「Bk」と省略する。)の各色用の4個の回転体としての潜像担持体である感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkが並設されている。これら感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkは、駆動ローラを含む回転可能な複数のローラに支持された無端ベルト状の中間転写ベルト5に接触するように、そのベルト移動方向に沿って並んで配置されている。また、感光体ドラム1Y,1M,1C,1Bkの周りには、それぞれ、帯電器2Y,2M,2C,2Bk、各色対応の現像装置9Y,9M,9C,9Bk、クリーニング装置4Y,4M,4C,4Bk、除電ランプ3Y,3M,3C,3Bk等の電子写真プロセス用部材がプロセス順に配設されている。
【0025】
本実施例に係る複写機でフルカラー画像を形成する場合、まず、図2に示すように、後述する感光体駆動装置により、感光体ドラム1Yを図中矢印の方向に回転駆動しながら帯電器2Yで一様帯電した後、図示しない光書込装置からの光ビームLYを照射して感光体ドラム1Y上にY静電潜像を形成する。このY静電潜像は、現像装置9Yにより、現像剤中のYトナーにより現像される。現像時には、現像ローラと感光体ドラム1Yとの間に所定の現像バイアスが印加され、現像ローラ上のYトナーは、感光体ドラム1Y上のY静電潜像部分に静電吸着する。
【0026】
このように現像されて形成されたYトナー像は、感光体ドラム1Yの回転に伴い、感光体ドラム1Yと中間転写ベルト5とが接触する1次転写位置に搬送される。この1次転写位置において、中間転写ベルト5の裏面には、1次転写ローラ6Yにより所定のバイアス電圧が印加される。そして、このバイアス印加によって発生した1次転写電界により、感光体ドラム1Y上のYトナー像を中間転写ベルト5側に引き寄せ、中間転写ベルト5上に1次転写する。以下、同様にして、Mトナー像、Cトナー像、Bkトナー像も、中間転写ベルト5上のYトナー像に順次重ね合うように1次転写される。
【0027】
中間転写ベルト5上に4色重なり合ったトナー像は、中間転写ベルト5の回転に伴い、2次転写ローラ7と対向する2次転写位置に搬送される。また、この2次転写位置には、図示しないレジストローラにより所定のタイミングで転写紙が搬送される。
2次転写位置において、2次転写ローラ7により転写紙の裏面に所定のバイアス電圧が印加され、そのバイアス印加により発生した2次転写電界及び2次転写位置での当接圧により、中間転写ベルト5上のトナー像が転写紙上に一括して2次転写される。その後、トナー像が2次転写された転写紙は、定着ローラ対8により定着処理がなされた後に装置外に排出される。
【0028】
次に、本実施例における特徴について説明する。
本実施例の特徴は、メタル軸受けを用いた場合にスラスト方向での軸の変位位置を常時一定の位置に維持させるようにしたことにある。以下、対象とする駆動力伝達機構の構成について説明する。
【0029】
図1は、本実施例による駆動力伝達機構の要部を示す図であり、同図に示す要部は、ブラシレスモータを用いる駆動部100と、駆動部100から延出するモータ軸、いわゆる、駆動軸の回転を伝達される駆動力伝達部200と、モータの回転変動制御部300とを備えている。
【0030】
駆動部100は、画像形成装置内の不動部である取り付け基板101に対してネジ止め(図1中、符号Sで示す箇所が締結位置)により一体化されている有底筒状のモータフレーム102を備えている。
モータフレーム102には、後述するブラシレスモータ103の駆動軸103Aが挿通されており、モータフレーム102から延出している駆動軸103Aの軸端には、駆動力伝達部200を構成する駆動ギヤ201および駆動ギヤ201に対して複数箇所で噛み合う複数の連結ギヤ202,203が備えられている。
【0031】
連結ギヤ202,203は、駆動軸103Aを駆動力伝達部200から遠ざかる向きに移動させることができるねじれ方向が設定された、はすば歯車が用いられている。
図3は、駆動軸103Aの軸端側からみた状態の模式図であり、同図において、連結ギヤ202,203は、駆動軸103Aの中心を基準としてラジアル方向対称位置、換言すれば180度の位相を以て駆動ギヤ201に噛み合うように配置されている。しかも、図1に示すように、駆動ギヤ201に対して歯幅方向の中心線を一致させるように噛み合い位置が規定されている。
これにより、図3に示すように、駆動軸103Aの中心を基準として対称位置でスラスト方向の荷重が作用することになり、駆動軸103Aの軸を中心とした場合に周方向での荷重の偏倚をなくすことができ、駆動軸103Aの撓みを生じることなくスラスト方向の荷重が得られるようになっている。
【0032】
図1において、モータフレーム102は、駆動軸103Aが挿通される中心位置が内方に向けて絞り加工されており、その加工部102Aの内面には駆動軸103Aを回転可能に支持するメタル軸受け104が圧入されている。
メタル軸受け104の近傍には、駆動軸103Aの軸上に固定されてモータフレーム102の底部側と対向している受け部材105が設けられており、受け部材105は、駆動軸103Aのスラスト方向の移動に連動するようになっている。
【0033】
一方、駆動軸103Aには、外周面にラジアル方向マグネット106Aが取り付けられた有底筒状のインナーロータ支持体106が一体化されて設けられている。また、インナーロータ支持体106側のラジアル方向マグネット105Aに対向するモータフレーム102の内面にはステータコイル106が設けられている。
【0034】
回転変動制御部300は、ブラシレスモータの定速回転を維持させるための制御部であり、インナーロータ支持体106の底部側に設けられた被検知部としての複数のマグネット301と、モータフレーム102側に取り付けられていてマグネット301に対向する検知部としての磁気検知パターン(図示されず)を備えた回路基板302とを備えたエンコーダが用いられ、インナーロータ支持体106の回転変動をマグネット301と磁気検知パターンとの間で生じる検知タイミングのずれとして割り出すことにより、ずれを補正するようにモータへの給電制御を行うようになっている。
【0035】
本実施例では、上述した駆動部100,駆動力伝達部200および回転変動制御部300を備えた駆動力伝達機構において、駆動軸103Aがスラスト方向に移動した場合の位置を一定位置に保持するための構成として、連結ギヤ202,203のねじれ角、およびスラスト方向での位置決め部材としての受け部材105が用いられる。
【0036】
連結ギヤ202,203は、前述したように、駆動軸103Aに対してモータフレーム102の底部から離れる向きの移動、つまり、図1において右側に向けた移動が可能な荷重を生起できるねじれ方向が設定されており、そのねじれ角として0度と90度を除く範囲が設定され、本実施例では20度に設定されている。この角度を規定する条件としては、回転変動制御部300におけるインナーロータ支持体106側のマグネット301と回路基板302との間の間隔が、これら両部材同士を非接触な状態で最小となるスラスト方向の荷重が生起できることと、噛み合い効率を低下させないことにある。
【0037】
受け部材105は、駆動軸103Aがスラスト方向に移動した際、換言すれば、インナーロータ支持体106と対向する側に向けて移動した際にはインナーロータ支持体106に有する凸状の基底部106Bに衝合し、回転変動制御部300におけるマグネット301と回路基板302との間の間隔を非接触で最小間隔に維持するようになっている。
【0038】
本実施例は以上のような構成であるから、駆動力伝達機構においてブラシレスモータが起動されると、インナーロータ支持体106が駆動軸103後ともに回転して駆動ギヤ201も回転する。これにより、駆動力伝達部200における連結ギヤ202,203も連動して回転することにより、連結ギヤ202,203の回転軸に設けられている被駆動部材が駆動されることになる。
【0039】
一方、連結ギヤ202,203は、はすば歯車のねじれ角により噛み合い時にスラスト方向の荷重が生起されると、駆動軸103Aを回転制御部300におけるマグネット301が回路基板302に向けて接近する方向に移動させる力を作用させる。
【0040】
これにより、駆動軸103Aとともに受け部材105が移動し、インナーロータ支持体106の基底部106Bに突き当たることで回転変動制御部300におけるマグネット301と回路基板302との間の間隔を非接触で最小間隔に維持することができ、この間隔の変動が原因する検知誤差の発生を抑えることができる。この結果、回転変動の検知精度の悪化を防止されて駆動力伝達機構におけるブラシレスモータの回転精度を向上させることが可能となる。
【0041】
一方、駆動軸103Aがスラスト方向に変位する際には、駆動軸103Aがメタル軸受け104内で摺動するにすぎず、メタル軸受け104を引きずることがないので、メタル軸受け104が周辺部材に衝突することがなく、これにより、メタル軸受けの損傷が防止されて寿命を延ばすことが可能となる。
【0042】
本実施例によれば、駆動力伝達機構に用いられるブラシレスモータの回転精度を向上させることができるので、例えば、単一色だけでなく複数色の画像を重畳転写する形式の画像形成装置を対象とした場合に、各駆動力伝達部で回転精度を一定に維持することができるので、画像を転写する際の転写位置ずれをなくすことができ、色ずれなどの異常画像の発生を防止することも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明実施例による駆動力伝達機構の構成を説明するための図である。
【図2】図1に示した駆動力伝達機構が用いられる画像形成装置の一例を示す図である。
【図3】図1に示した駆動力伝達機構におけるギヤの噛み合い状態を示す配置図である。
【符号の説明】
【0044】
100 駆動力伝達機構の駆動部
103 ブラシレスモータ
103A 駆動軸
104 メタル軸受け
105 受け部材
106 インナーロータ支持体
107 ステータコイル
200 駆動力伝達部
201 駆動ギヤ
202,203 連結ギヤ
300 回転変動制御部
301 被検知部であるマグネット
302 検知部である回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
メタル軸受け内蔵モータの軸中心を基準としてラジアル方向対称位置に配置されているギヤが前記メタル軸受け内蔵モータの軸に装備されている駆動ギヤに噛み合う駆動力伝達部と、該メタル軸受け内蔵モータ側に設けられた回転状態検知用の被検知部およびこれに対向して近接配置された検知部とを有し、モータの回転を所定条件に維持する制御を行うモータ回転変動制御手段とを備えた駆動力伝達機構であって、
前記メタル軸受け内蔵モータ軸に作用するスラスト方向荷重を、前記モータ回転変動制御手段における前記検知部に向けて前記被検知部を接近させる方向に作用させる構成を備えていることを特徴とする駆動力伝達機構。
【請求項2】
請求項1記載の駆動力伝達機構において、
前記検知部に向けて前記被検知部を接近させる方向にスラスト方向荷重を作用させる構成として、前記駆動力伝達部に用いられるギヤをはすば歯車としたことを特徴とする駆動力伝達機構。
【請求項3】
請求項1または2記載の駆動力伝達機構において、
前記検知部に向けて前記被検知部を接近させる方向にスラスト方向荷重を作用させる構成に用いられるはすば歯車は、そのねじれ角を、前記検知部と被検知部との間の隙間が非接触で最も小さくなる状態を維持できるスラスト方向荷重を設定可能な角度とされていることを特徴とする駆動力伝達機構。
【請求項4】
請求項1乃至3のうちの一つに記載の駆動力伝達機構を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−262572(P2006−262572A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74069(P2005−74069)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】