高輝度点光源用の蛍光体ホイール構成
【課題】可動基板上に改良された発光蛍光体構造を有する蛍光体点光源を提供する
【解決手段】蛍光体点光源素子は、基板と、基板上に配置された発光蛍光体粒子を備えることで、動作トラック領域の平坦な動作表面の近くに密集状態の粒子配置を有する円形の動作トラックを提供する。動作トラック領域は、高輝度点光源を提供する点において照射されながら回転される。密集状態の粒子配置は、キャビティ内の蛍光体粒子を回転させてキャビティ周辺の基板上で蛍光体を圧縮することにより、または他の機械的な圧縮方法により達成され得る。密集状態の粒子配置を、キャビティを囲む形成要素に当てて圧縮するか、機械加工することにより、平坦な動作表面を提供することができる。蛍光体粒子に浸透した接着結合剤を硬化させることで、密集状態の粒子配置を固定することができる。
【解決手段】蛍光体点光源素子は、基板と、基板上に配置された発光蛍光体粒子を備えることで、動作トラック領域の平坦な動作表面の近くに密集状態の粒子配置を有する円形の動作トラックを提供する。動作トラック領域は、高輝度点光源を提供する点において照射されながら回転される。密集状態の粒子配置は、キャビティ内の蛍光体粒子を回転させてキャビティ周辺の基板上で蛍光体を圧縮することにより、または他の機械的な圧縮方法により達成され得る。密集状態の粒子配置を、キャビティを囲む形成要素に当てて圧縮するか、機械加工することにより、平坦な動作表面を提供することができる。蛍光体粒子に浸透した接着結合剤を硬化させることで、密集状態の粒子配置を固定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には光源に関し、より詳細にはクロマティックポイントセンサ(chromatic point sensor)などの精密測定計器の使用に好適な高輝度で安定した広帯域および/または多波長の光源に関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度広帯域光源の様々な用途は知られている。例えば、光学的高さセンサにおいて色共焦点技術によりこのような光源を使用することは知られている。米国特許出願公開第2006/0109483号に記載されるような光学的高さセンサにおいては、焦点までの軸方向距離が波長に伴って変化するように広帯域光源の焦点を合わせるために、軸方向色収差(軸方向または縦方向色分散とも呼ばれる)を有する光学素子を使用することができる。したがって、1つの波長だけが表面上に正確に焦点を合わせられることになり、焦点素子に対する表面高または位置によって、どの波長が最も良く焦点を合わせられるかが決まる。表面から反射すると、光は、ピンホールまたは光ファイバ端などの小さな検出器開口部上に焦点を再び合わせられる。表面から反射し光学系を介し入射/出射ファイバに戻ると、表面上にうまく焦点を合わせられた波長だけがファイバ上にうまく焦点を合わせられる。他のすべての波長はファイバ上に焦点をうまく合わせられないため、ファイバ内にパワーを効率的にカップリングできない。したがってファイバを通って戻る光に関しては、信号レベルは表面高または表面の位置に対応する波長に対して最大となる。分光計型検出器は表面高を判断するために各波長の信号レベルを測定する。
【0003】
ある製造業者らは、上述のように動作し、かつ工業環境におけるクロマティック共焦点測距に好適な実用的でコンパクトなシステムをクロマティックポイントセンサ(CPS:chromatic point sensor)と呼ぶ。このようなシステムと共に使用されるコンパクトな色分散光学アセンブリ(chromatically dispersive optical assembly)は「光学ペン」と呼ばれる。光学ペンは光ファイバを介しCPSの電装部に接続される。電装部は光学ペンから出射される光を、ファイバを介し送り、戻り光を検知し解析する分光計を提供する。
【0004】
公知の実施形態では、連続波キセノンアーク灯が、通常、30kHz程度の測定速度を有するCPSの高輝度広帯域(例えば白色)光源として使用される。キセノンアーク灯は、CPSのスペクトル範囲、したがって高さ測定範囲をカバーする広帯域光放射を提供する。キセノンアーク灯はまた、約30kHzの測定速度と約33μs(=1/30×10-3)の読み取り時間で良好なS/N比を得るのに十分なエネルギーを有する高輝度光源である。しかしながら、実際のアプリケーションではキセノンアーク灯は、望ましいとは言えない寿命およびアーク空間的安定性などのいくつかの望ましくない特性を呈する。アーク動作に伴う光源スペクトル放射の変化によるCPS較正におけるいかなる変動も最小限にするためには、またCPSの休止時間も最小限にするためには、空間的に安定でかつ長寿命の光源が望ましい。さらに、製造される多くの加工物は、異なる反射率特性を有し、したがって異なる輝度で飽和する複数種の異なる材料を含む。したがってCPS光源は、複数種の異なる材料の測定を可能にするために、CPS測定速度(例えば30kHz)以上の速度で輝度変調され得る(例えば、低輝度から高輝度まで)ことが好ましい。このような高速度光変調は公知のキセノンアーク灯では現実的ではない。同様な光源欠陥はまた、分光計などの他の計器アプリケーションに関連しても見出されている。
【0005】
米国特許出願公開第2010/0097779A1(公報‘779号)号は、高輝度光源を開示し、ここで発光蛍光体などは可動部材上で分散され、可動部材は固定された照射スポットおよび放射光出射結合領域を通して連続的に移動される。開示された構成は、多くの点でキセノンの光源より優れており、数ある利点の中でも長い動作寿命を有する、高い変調レートを提供する、光ファイバに光を効率的および経済的に結合するといった利点を有する高輝度光源として特に好ましい。したがって、例えば、このような光源は、先に概説したようなCPSシステムによく適している。ただし、公報‘779号では、光源の動作特性が最適化されるように、可動部材に発光蛍光体などを適用するためのカスタマイズされた設計パラメータおよび/または対応する製造方法を開示していない。したがって、公報‘779号などに開示された光源の動作特性を強化するために、カスタマイズされた設計パラメータと製造方法は望ましいものとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念のうちの選択されたものを単純化された形式で導入するために提供される。本概要は、権利請求される主題の重要な特徴を特定することを目的としておらず、また権利請求される主題の範囲を判断する際の助けとして使用されることを目的としてもいない。
【0007】
従来技術の設計パラメータおよび/または製造方法では、公報‘779号などに開示された光源に対して完全に最適化された動作特性を提供することができないことが分かっている。特に、1つの光パルスから次の光パルスまでの輝度および/または波長がわずかな変動を表すことがあり、これはいくつかのアプリケーションでは望ましい水準より低い。このようなわずかな変動は、可動基板上の発光蛍光体構造の微小特性に関係する場合がある。本明細書で開示された特定の設計パラメータおよび/または製造方法を使用することにより、可動基板上に改良された発光蛍光体構造を有する蛍光体点光源を提供することができ、この改良された発光蛍光体構造を光源構成で使用すれば、係る変動を実用的な最小値まで経済的に減少させることができる。
【0008】
様々な実施形態では、蛍光体点光源素子上の動作トラックから蛍光体を放射する高輝度点光源を提供するよう回転される蛍光体点光源素子が提供される。蛍光体点光源素子は、長寿命の光源構成で利用でき、特定の実施形態では、CPSの代表的な測定レートまたは他の精密計測機器と等しい、またはそれより高い変調レートをサポートする。一実施形態では、蛍光体点光源素子は、基板と、基板によって支持されるとともに中心軸の周りを回転する基板上の円形の動作トラック領域に配置される発光蛍光体とを有し、「ホイール」タイプの構成を形成する。様々な実施形態では、発光蛍光体は蛍光体粒子を含み、動作トラック領域は、発光蛍光体を励起するよう照射されることが可能な動作表面を含み、動作トラック領域内の蛍光体粒子は、動作表面に隣接する位置に固定される密集状態の粒子配置で配置され、および動作表面は密集状態の粒子配置の表面を含むとともに、名目上平坦になるように形成され、ここで、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の近くで蛍光体粒子を互いに押し付けることにより提供されることになる充填配置に実質的に類似している。
【0009】
動作表面における発光蛍光体の平坦度は、精密計測装置に対する実装において特に有益である。例えば、蛍光体点光源素子がクロマティックポイントセンサシステムの一部として利用される場合、動作表面が平坦であり、蛍光体粒子が回転すると、動作表面に当てて密集状態にされた蛍光体粒子は、動作トラック領域から集光するのに使用される光システムのフィールド深度(DOF)内で安定した距離に維持されることが望ましい。特定の例示的な一実施形態では、50μmのファイバに光を集めるのに使用される光システムのフィールド深度は、約20μmとなり得る。したがって、特定の例示的な一実施形態では、動作表面の平坦度が約20μm以下(いくつかの実施形態では発光蛍光体粒子の粒子サイズ程度となり得る)である場合、光パルス間における光源の安定性(例えば、輝度および/または波長の安定性)が向上する。
【0010】
他の実施形態では、集光に使用される光システムは、大きなフィールド深度を持つことも、従来のフィールド深度を持たない光ファイバとなることもある。それにも関わらず、一般には、動作表面から光システムへの距離が安定すればするほど、動作トラック領域へのおよび/または動作トラック領域からの光パワーのカップリングはより効率的および安定的になる。光源構成と、設計パラメータと、本明細書で開示された製造方法をカスタマイズすることにより、精密かつ経済的なやり方でそのような安定した距離を提供できる。
【0011】
いくつかの実施形態では、動作トラック領域は、蛍光体粒子の間に入り込み、蛍光体粒子を互いに結合し、および基板に結合する結合剤を有し得る。一実施形態では、結合剤は低粘着性の接着結合剤(例えば、UVまたは2液混合型硬化接着剤)を有し得る。この接着結合剤の場合は、蛍光体粉末を密集状態の粒子配置に圧縮しながら、硬化することができる。結合剤の利用により、蛍光体がシフトするのを防止することができ、また、結合剤を利用すれば、製造時に粉末を所定の位置に維持するためのウィンドウまたは他の要素を排除して、光路長を短縮し、質量を低減することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、動作表面が、密集状態の粒子配置の機械加工された表面を含む。他の実施形態では、動作表面が、密集状態の粒子配置の成形された表面を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、動作トラック領域が、動作表面と基板との間で定義されている名目厚さ寸法Tを有し、動作トラック領域内の蛍光体粒子がそれぞれ最大寸法を有し、動作トラック領域内の平均最大寸法がDであり、名目厚さ寸法Tが少なくともN*Dであり、Nが指定された最小値(例えば、2、4など)を有し、Tは指定された最小値(例えば、100μm)を有し、平均最大寸法は指定の最大値(例えば、35μm、50μmなど)を有する。いくつかの実施形態では、寸法Tは70μm未満に制限され得る。いくつかの実施形態では、これらのパラメータに適合する動作トラック領域は、輝度および/または波長安定性の有利なレベルを提供し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、寸法F以下(例えば、50μm、150μmなど)の間隔が取られた理想的な並列平面の間に適合するように、動作平面が平坦である。
【0015】
いくつかの実施形態では、動作トラック領域が、動作トラック領域に沿って配置された複数の蛍光体サブ領域を有し、蛍光体粒子が、複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含み、隣り合う第1および第2のサブ領域において、第1のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第1の組成比が提供され得、第2のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第2の組成比が提供され得、第1の組成比と第2の組成比が異なる。いくつかの実施形態では、動作表面が、蛍光体サブ領域の間のポケット分割領域によって遮断され、蛍光体保持サブ領域に対応する動作表面部分を有する。あるいは、いくつかの実施形態では、動作表面が、蛍光体サブ領域の連続体と、蛍光体サブ領域に対応する動作表面部分とを有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、蛍光体点光源素子は平面を含むウィンドウ要素を更に有し、ここで、動作表面の所望の場所に平面が配置されるように、ウィンドウ要素が、基板に対して一定の関係で配置される。
【0017】
一実施形態では、蛍光体点光源素子は次の方法で製造される。即ち、蛍光体点光源素子の基板と、円形の動作トラック領域に沿って配置される少なくとも1つのキャビティとを提供することから開始される。キャビティは形成要素と基板によって囲まれ、少なくとも1つの形成壁面を備える。一実施形態では、基板は蛍光体粉末(および使用される場合には結合剤)を受け入れる円形の貯蓄層を有する金属製ディスクを含み得る。形成要素は、透明ガラスウィンドウ、または金属板などを含み得る。蛍光体粒子(および使用される場合には結合剤)は、キャビティに配置される。特定の実施形態では、これには、基板内の1つまたは複数の円形の貯蓄層に蛍光体粒子(および使用される場合には結合剤)を置くことを含み得る。次に、蛍光体粒子(および使用される場合には結合剤)は、動作トラック領域の近くに密集状態の粒子配置を提供するために、キャビティの少なくとも1つの形成壁面に押し付けまたは圧縮される。蛍光体粒子は密集状態の粒子配置で固定され、動作トラック領域内の動作トラックに沿って名目上平坦な動作表面を持つように、密集状態の粒子配置が形成される。一実施形態では、所望の圧縮を達成する技法には、反遠心力が必要であり、この場合、蛍光体粒子を形成壁面に押しつけるステップが、基板、形成要素、および蛍光体粒子を回転させることにより生じる力を利用することを含み、回転により、蛍光体粒子が少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置を達成するのに十分な力がもたらされる。基板は、所望の密集状態の粒子配置を生じさせるのに十分な速度(例えば、1,000〜40,000rpm)で回転する。他の実施形態では機械的な圧縮技法を利用できる。プロセス時に液状結合剤が利用されている場合、液状結合剤を硬化させることができる。このプロセスに続き、形成要素を所定の位置に放置することも(いくつかの実施形態で)、または除去することも(他の実施形態で)でき、これにより、可動部材の質量が減少し、および/または動作トラック領域と動作トラック領域から光を収集するのに使用される光システムとの間の光路の長さが短縮される。いくつかの実施形態では、この光路を短縮することにより、以下に詳細に説明する特定の利点が得られる。いくつかの実施形態では、密集状態の粒子配置の動作平面が名目上平坦になるように密集状態の粒子配置を形成するステップが、動作表面が名目上平坦になるように動作平面を機械加工するステップを含む。あるいは、他の実施形態では、密集状態の粒子配置が名目上平坦な動作平面を有するように密集状態の粒子配置を形成するステップが、密集状態の粒子配置を平坦な形成壁面にあてて成形し、次に蛍光体粒子を密集状態の粒子配置で固定し、結果として対応する成形された表面が名目上平坦な動作表面を提供するステップとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、動作時に、入射光源(例えば、レーザー)は蛍光体点光源素子の動作トラック領域に位置する照射スポットに高輝度の入射光を提供し、これにより、発光蛍光体は、動作トラック領域の発光出射結合領域に含まれる励起された蛍光体スポットまたはトラックから高輝度の出射光を放射する。いくつかの実施形態では、発光出射結合領域は照射スポットの直近に位置する。同時に、稼動部材アクチュエータの動作の場合、動作トラック領域と発光蛍光体領域は照射スポットに対して連続的に移動し(例えば、照射スポットの場所を通り抜けて回転し)、これにより、発光出射結合領域内での高い光束による消光(適用可能な場合)が回避され、蛍光体の寿命が延び、結果として光源構成の全体の動作寿命が延びる。様々な実施形態で、光学的な消光および/または光退色および/または寿命に関する検討事項は、蛍光体材料と関連付けられ、基本的な蛍光体の発光体および/または関連する添加剤および/または結合剤またはカプセル材料の特性に依存し得ることが把握される。いくつかの実施形態では、光源は、CPSまたは他の精密測定装置の代表的な測定レートと同じまたはそれ以上のレートで光源を変調することも可能である。
【0019】
本発明の様々な実施形態は、高輝度光を光ファイバ端に結合するための特にコンパクトで経済的手段を提供するものであることが把握される。このことは、光ファイバの出射端が多くの応用にとってほぼ理想的な(すなわち、非常に小さな寸法を有する)経済的点光源を提供できるという点で、高輝度「理想点源」の恩恵を受ける応用(例えば、CPSアプリケーション、コリメート光プロジェクタなど)において特に価値がある。さらに、様々な実施形態は、点光源から様々なスペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性を備えた様々な波長スペクトルを提供することができる。さらに、本発明は、基板と発光蛍光体を含む動作トラックの運動にもかかわらず非常に安定した輝度出射レベルおよび/または波長を持つ光源を提供する。さらに、様々な実施形態は、点光源から種々のスペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性とを備えた種々の波長スペクトルを提供することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体は、YAG−Ce+ベースの蛍光体など1つまたは複数(例えば、混合物)の従来の蛍光体材料、または、フォトルミネッセンス半導体ナノ粒子もしくはナノ結晶、Q粒子蛍光体(一般に量子ドットまたは半導体量子ドットと呼ばれる)、酸化亜鉛ナノロッドその他がある。したがって、本明細書で開示される原理にしたがって構成および使用され得る当該および他の任意の適切な発光材料を参照するために、本明細書では「発光蛍光体」という用語が一般に使用されることを理解されたい。
【0021】
上述の態様と本発明の付随する利点の多くは、添付図面と併せると、以下の詳細な説明を参照することによりさらに良く、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に従って形成された蛍光体点光源素子を使用する光源が利用可能な例示的なクロマティックポイントセンサのブロック図である。
【図2】本発明に従って形成された蛍光体点光源素子を含む光源を示す平断面図である。
【図3】ロータリアクチュエータと、図2の蛍光点光源素子の第1の実施形態との分解図である。
【図4A】図3に示した蛍光体点光源素子の基板の正面図、垂直断面図、および背面図である。
【図4B】図3に示した蛍光体点光源素子の基板の正面図、垂直断面図、および背面図である。
【図4C】図3に示した蛍光体点光源素子の基板の正面図、垂直断面図、および背面図である。
【図5A】蛍光体が、図3の蛍光体点光源素子に密集状態の粒子配置で配置される方法を示す。
【図5B】蛍光体が、図3の蛍光体点光源素子に密集状態の粒子配置で配置される方法を示す。
【図6A】蛍光体点光源素子の第2の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図6B】蛍光体点光源素子の第2の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図7A】蛍光体点光源素子の第3の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図7B】蛍光体点光源素子の第3の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図8A】蛍光体点光源素子の第4の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図8B】蛍光体点光源素子の第4の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図9A】蛍光体点光源素子の第5の実施形態において、様々なタイプの蛍光体粒子のポケットを示す水平断面図と垂直断面図である。
【図9B】蛍光体点光源素子の第5の実施形態において、様々なタイプの蛍光体粒子のポケットを示す水平断面図と垂直断面図である。
【図10A】蛍光体点光源素子の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図10B】蛍光体点光源素子の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図10C】蛍光体点光源素子の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11A】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11B】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11C】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11D】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図12A】蛍光体点光源素子の第8の実施形態の密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図12B】蛍光体点光源素子の第8の実施形態の密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図12C】蛍光体点光源素子の第8の実施形態の密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図13】蛍光体点光源素子を形成するための例示的な一般的方法を示すフローチャートである。
【図14A】従来技術に従って形成された蛍光体層内の望ましくない粒子配置を示した断面図である。
【図14B】従来技術に従って形成された蛍光体層内の望ましくない粒子配置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の内容を紹介するために、図1に関する以下の説明において、本明細書に開示した様々な例示的な実施形態に係る蛍光体点光源素子を使用した光源がクロマティックポイントセンサ(CPS)システムにどのように利用され得るかについて概説する。CPSシステムは光ファイバ照射に対応する光源の恩恵を受ける高性能で高価な測定システムであるということを、理解する必要がある。CPSシステムのパフォーマンスおよび価値については、サンプルレートを高めることにより(例えば、短く大量の高輝度照射により)、ならびに輝度レベルおよび照射波長のスペクトルの再現可能性を高めることにより強化することができる。一般的に言えば、これらの要因のいずれかで無視できない改良を実現し得る光源は、ホストCPSシステムのパフォーマンスおよび価値において無視できない改良を実現し得る。したがって、光源に関する小さな改良であったとしても、それは評価に値する。しかしながら、このような改良された光源は他の精密測定計器(例えば分光計)などの他の様々なシステムでも同等にうまく適用され得るということは当業者にとって明らかである。
【0024】
図1は例示的クロマティックポイントセンサ100のブロック線図である。図1に示すように、クロマティックポイントセンサ100は光学ペン120と電子部160を含む。光学ペン120は入力/出力光ファイバサブアセンブリ105、筐体130および光学系部150を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、取り付け用ねじ110を使用して筐体130の端に取り付けられる取り付け用素子180を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、入射/出射光ファイバを包む光ファイバケーブル112と光ファイバコネクタ108とを介し入射/出射光ファイバ(図示せず)を受容する。入射/出射光ファイバは約50μmのコア径を有するマルチモードファイバ(MMF)であってよい。入射/出射光ファイバは開口部195を介し出射ビームを出力し、反射された測定信号光を開口部195を介し受光する。
【0025】
クロマティック共焦点センサシステムでは公知のように、動作中、開口部195を介しファイバ端から放射される光は、光学軸OAに沿った焦点が光の波長に依存して異なる距離に存在するように軸方向色分散(axial chromatic dispersion)を与えるレンズを含む光学系部150により焦点を合わせられる。光は加工物表面190上に焦点を合わせられる。加工物表面190で反射すると、反射光は、限界光線LR1とLR2により例示されるように光学系部150により開口部195上に再び焦点を合わせられる。軸方向色分散のために、1つの波長だけが光学ペン100から表面190までの測定距離に一致する結合位置までの距離FDを有することになる。表面190で最も良く焦点を合わせられた波長はまた開口部195において最も良く焦点を合わせられた反射光の波長となる。開口部195は、主に最も良く焦点を合わせられた波長が開口部195を通過して光ファイバケーブル112の芯に入るように反射光を空間的にフィルタする。光ファイバケーブル112は、支配的輝度を有する波長(加工物表面190までの測定距離に対応する)を判断するために利用される波長検出器162へ反射信号光を送る。
【0026】
電子部160は、光ファイバ結合器161、光ファイバ結合器161と波長検出器162間の光ファイバ112B、光ファイバ結合器161と光源164間の光ファイバ112A、信号処理装置166、およびメモリ部168を含む。波長検出器162は、分散素子(例えば格子)が光ファイバケーブル112、光ファイバ結合器161および光ファイバ112Bを介し反射光を受光するとともに分光強度プロフィール結果を検出器アレイ163へ送る、分光計配置を含む。
【0027】
信号処理装置166により制御される光源164は、光ファイバ112Aに結合され、そして光ファイバ結合器161(例えば、2×1光ファイバ結合器)を通って光ファイバケーブル112に結合される。上述のように、光は、焦点距離が光の波長とともに変化するように縦色収差を生成する光学ペン120を伝播する。ファイバを介し最も効率的に返送される光の波長は表面190上に焦点が存在する波長である。検出器アレイ163の測定軸に沿った画素アレイ全体に分散された分光強度プロフィールを受信するとともに対応するプロファイルデータを供給するように動作する波長検出器162に光の約50%が向けられるように、反射された波長依存光は次に光ファイバ結合器161を再び通過する。表面までの測定距離はメモリ部168に格納された距離較正ルックアップテーブルを介し判断される。光源164は、蛍光体をベースとした高輝度光源素子(例えば、以下に詳細を説明する蛍光体点光源素子の1つ)を含むことができる。以下にさらに詳細に説明されるように、このような蛍光体点光源素子は小スペースにおいて光ファイバ端に安定した高輝度光を経済的に結合するのに特に好都合である。したがって、このような光源構成はそれ自体が新規であるだけでなく、光ファイバを含む光路を介し光源を加工物まで運ぶCPSシステム、ある種の分光計システムなどのホストシステムの経済性と有用性を特に高めることができる。
【0028】
図2は、本発明に従って形成された蛍光体点光源素子202を含む光源構成164’を示す平断面図である。光源構成164’は、様々なアプリケーションで使用することができる(例えば、図1に示す光源164のように)。したがって、光源164’は、信号線245を介してホストシステム制御装置166’(例えば、CPS制御装置/信号処理装置)に結合され、光ファイバ112A’(例えば、図1に示す光ファイバ112Aおよび/または112)を介してホストシステム光アプリケーション(例えば光学ペン)に光学的に結合され得る。蛍光体点光源素子を利用する光源が、どのように動作するか、そして係るシステムにどのように結合され得るのかに関するいくつかの様態は、公報‘779号に詳細に説明されている。
【0029】
図2に示すように、光源構成164’は、ロータリアクチュエータ206(例えば、小型の精密回転モータ)を備える可動部材アクチュエータ204に取り付けられる蛍光体点光源素子202を含む。可動部材アクチュエータ204は、必要に応じてリニアアクチュエータ208(例えば、小型の精密リニアモータまたはモータおよび主ネジ)に取り付けることも可能である。図示した実施形態では、蛍光体点光源素子202は、基板270と、動作トラック領域210を含む蛍光領域210’とを有する。図示した実施形態では、蛍光体点光源素子202は軸207の周りを回転し、軸207は、蛍光体点光源素子202の動作トラック領域210の表面に対して略垂直に延在している。いくつかの実施形態では、蛍光体点光源素子202は、およそ10〜75ミリメートルまたはそれ以上の直径を持つことができ、最大で40,000RPMまたはそれ以上の回転数で回転され得る。いくつかの実施形態では、蛍光体点光源素子202は、ウィンドウ要素(図示せず)を含み得、図3を参照して以下に概説するウィンドウ要素211−1などが挙げられる。
【0030】
図2に示す実施形態では、光源構成164’はまた、少なくとも第1の入射光源212と、出射光路光学素子セット220と、光源制御装置265とを備え、当該光源制御装置265は、電源および/または信号線240を介してリニアアクチュエータ208へ、電源および/または信号線241を介してロータリアクチュエータ206へ、電源および/または信号線242を介して第1の入射光源212へ動作可能に結合される。第1の入射光源212は、以下に詳細に説明するように、照射スポット224で蛍光体点光源素子202の動作トラック領域210を照射する入射光L1を提供または生成する。動作トラック領域210は、その名称が示すように、入射光L1によって実際に照射され、出射光L2を実際に放射するトラックである。様々な実施形態では、動作トラック領域210は、より広い発光蛍光体領域(または組成物)210’の一部または略全体を含み得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域210’は、狭帯域光を生成するのに適したタイプの発光蛍光体などを含み得る。いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域210’は、広帯域光(例えば、CPSシステムアプリケーションで有用であると考えられる400〜700nm)を生成するのに適したタイプの発光蛍光体またはそのために混合されるタイプの発光蛍光体などを含み得る。例えば、蛍光体混合物は、青色放射蛍光体、緑色放射蛍光体、および/または赤色放射蛍光体の組み合わせを含んでよい。広域帯光の生成に適したタイプの蛍光体混合物については、米国特許第6,255,670号、米国特許第6,765,237号、米国特許第7,026,755号、米国特許第7,088,038号に開示されている。これらの特許は、広帯域光を出射する連続波UV LEDに密に接触または隣接面で接触する蛍光体混合物について記載している。その代わりまたは追加として、広帯域光を生成するのに適したタイプの蛍光体混合物は、米国特許第6,066,861号、米国特許第6,417,019号、および米国特許第6,641,448号に開示される。これらの特許は、連続青色LED光を吸収し広帯域光を出射するYAG−Ce+ベースの蛍光体混合物について記載している。その代わりまたは追加として、広帯域光を生成するのに適するタイプの蛍光体混合物は、米国特許第7,279,832号に開示されるようなサイズが異なる光輝性の半導体ナノ粒子、または米国特許第7,235,792号に開示されるようなナノ結晶材料、または米国特許第7,083,490号に開示されるような半導体ナノ結晶を含み得る。これらの特許は、公報‘832号、公報‘792号、公報‘490号として後で参照する。その代わりまたは追加として、広帯域光を生成するのに適するタイプの蛍光体混合物は、高輝特性を示す酸化亜鉛ナノロッドを開示する米国特許出願公開第20050255629号と白色光源におけるナノ材料/蛍光体ヘテロ構造用のナノ材料として酸化亜鉛ナノロッドを開示する米国特許出願公開第20050208302号とに開示されるような酸化亜鉛ナノロッドをベースにしたナノ構造とを含み得る(これらの公報は、公報‘629号および公報‘302号としてそれぞれ参照する)。
【0032】
光源164’の基本的な動作を簡潔に概説するために、第1の入射光源212は、蛍光体点光源202の動作トラック領域210を照射スポット224で照射する入射光L1を生成するものとする。照射スポット224は、放射光出射結合領域216に対して固定される。光源制御装置265は、照射スポット224にわたる動作トラック領域210の少なくとも1つの速度(例えば、様々な実施形態およびアプリケーションでは、2.5m/s、10m/s、またはさらに50m/s以上)を実現するようにロータリアクチュエータ206を動作させることで、消光を少なくし、動作トラック領域210に沿って、公報‘779号に記載されているような光退色を最小限に抑える。照射スポット224に近接して配置される動作トラック領域210の発光蛍光体は、放射光出射結合領域216に光を放射する。特に、動作トラック領域210のアクティブな発光部は、第1の波長(または波長範囲)を有する入射光L1を吸収し、第1の波長とは異なる第2の波長範囲を有する出射光L2を放射する。いくつかの実施形態では、放射光出射結合領域は、出射光ファイバの端部へ実際に結合される放射光(例えば、ファイバ端214に結合される出射光L2)を生成する領域として定義され得る。放射光が、ホストシステムなどに含まれる未定義の素子に出射される様々な他の実施形態では、放射光出射結合領域は、照射スポット224を取り囲む励起蛍光体スポットと同一の広がりを持つように定義されてもよい。どんな場合でも、放射光出射結合領域216内の出射光L2は、出射光路光学素子セット220(例えば、ファイバ端214と光ファイバ112A’とを含む)へ入射され、ホストシステムへの照射として提供され得る。
【0033】
図2に示す実施形態では、入射光源212は、公報‘779号に概説されているような高輝度短パルスを提供するように制御可能な光発生器218(例えば、KHzまたはMHzのレートでパルス化可能な500mWまたは1Wバイオレットダイオードレーザーなどのレーザー光源)と、強く収束される照射スポット224を実現することが可能な、入射レンズ219Aと219Bを備える入射光路光学素子セット219(これにより、結果として得られる局所的な出射光L2をファイバ端214に効率的に結合させることができる)とを含む。例えば、一部の実施形態では、動作トラック領域210の表面を、ほぼ入射光路光学素子セット219の焦点面FPに位置させることができ、結果として得られる照射スポット224の直径は5〜10μm程度となり得、または、他の実施形態では、照射スポット224の直径は100〜150μm程度となり得る。いくつかの実施形態では、発光動作トラック領域210は、照射スポット224より広く照射スポット224を囲む(例えば、励起スポットの直径が150μm)励起蛍光体スポットから光を放射し得る。
【0034】
図2に示す実施形態では、出射光路光学素子セット220は、ファイバ端214を備える光ファイバ112A’と、レンズ222Aおよびレンズ222Bを備える集光光学系222とを含む。しかしながら、公報‘779に開示されるようないくつかの実施形態では、集光光学系222は省略することができ、出射光L2を直接受光するために、ファイバ端214を発光動作トラック領域210と放射光出射結合領域216とにごく接近させて取り付けることが可能である(いくつかの実施形態では、この距離は100〜300μm以内)。出射光路光学素子セット220が集光光学系222を備える場合、焦点面FPは、入射光路光学素子セット219の当該素子の焦点面FPとなる場合、または集光光学系222の焦点面FPとなる場合、またはその両方となる場合がある。図11Bを参照して以下に詳細に説明されるように、焦点面FPに隣接していない、蛍光体粒子の表面上の点において、集光光学系222の受光角に対応する角度範囲内で放射される光の一部は、出射光路光学素子セット220の限界光線LR1およびLR2から外れるため、出射光路光学素子セット220を介して入射および/または伝達されない。したがって、蛍光体粒子上の点から、焦点を合わせられた出射光路光学素子セット220を介して、実際に出射される光の割合は、焦点面FPから当該点までの距離に依存する。したがって、(例えば、図11Bに示すような従来技術の方法で製造されるような)動作トラック領域210の「平坦でない」蛍光体表面については、図2に示すような、焦点を合わせられた出射光路光学素子セット220を使用する光源内を移動するとき、出射輝度が大きく変動する一因となる。さらに、焦点面FPでも焦点が合わせられる入射光路光学素子セット219を光源が備える場合、動作トラック領域210での結果として得られる照射スポット224内のサイズと平均輝度は、焦点面FPと動作トラック領域210内の蛍光体表面との距離に応じて変化する。これは、(例えば、従来技術の方法で製造されるような)「平坦でない」蛍光体表面での出射輝度変動の一因ともなり得る。
【0035】
したがって、本明細書で開示される様々な実施形態によれば、密集状態の蛍光体粒子の配置496における平坦な動作表面OSは、動作トラック領域210内で実現される。このような密集状態の粒子の平坦な動作表面の場合は、当該表面を、連続する励起蛍光体粒子と入射および/または出射光路の焦点平面FPとの間の距離の変化を大きくすることなしに、照射スポット224を介して回転させることができる。したがって、公知の方法で製造される蛍光体素子とは対照的に、動作トラック領域210内に平坦な動作表面OSを有する蛍光体点光源素子202は、本明細書で開示および請求されるように、図2に示すような光源で使用される場合に、より安定した出射輝度を提供することができ、さらに、(定義された焦点面を持たない、簡単な「光ファイバのみによる」入射および出射光路で構成されたものであっても)公報‘779号に開示される光源実施形態のような移動形の蛍光体点光源素子を使用し得る他の光源実施形態における出射安定性を高めることもできる。
【0036】
図2に示す様々なオプション機能に関して、いくつかの実施形態では、第2の入射光源212’を含めることで、光源164’によって提供可能な光輝度を強めることができる。第2の入射光源212’は、第1の光源212と同様に構成および制御することができる。他の実施形態では、必要に応じて、類似の入射光源を追加してもよい。先述のとおり、いくつかの実施形態ではリニアアクチュエータ208もオプションである。可動部材アクチュエータ204がリニアアクチュエータ208を備える場合、ロータリアクチュエータ206は蛍光体点光源素子202を回転させるように構成および制御されるが、リニアアクチュエータ208は照射スポット224に対して蛍光体点光源素子202を(例えば、1つのトラックで効率の低下あるいは破損が生じた場合に、発光蛍光体領域210’にフレッシュな動作トラック領域210を提供するように半径方向内側に)直線的に移動させるように構成および制御される。より一般的には、リニアアクチュエータ208とロータリアクチュエータ206を組み合わせて使用することにより、照射スポット224は、動作トラック領域210および/または発光蛍光体領域210’の外側エッジと内側エッジとの間で、概ね円軌道および/またはらせん軌道に沿って、発光蛍光体領域210’の動作トラック領域210を横切ることができる。以下に詳細に説明するように、蛍光体領域210’における使用可能な動作トラック領域210の幅は、動作トラック領域210及び蛍光体領域210’を形成するのに使用されるプロセスによってある程度決定され得る。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ208を省略し、単一の動作トラック領域210を蛍光体領域210’に沿って使用することができる。どんな場合でも、照射スポット224に対する動作トラック領域210の相対運動により、動作トラック領域210は、高輝度の光を持続的に生成することができ、これにより、公報‘779号に概説するように長寿命にわたって高輝度ストローブサイクル(例えば、50μ秒、33μ秒、またはこれ以下の露光時間で)がサポートされる。
【0037】
図3はロータリアクチュエータ206と、図2に示した一般的な蛍光点光源素子202の代わりに使用可能な蛍光体点光源素子202−1の第1の実施形態との分解図である。図3に示すように、蛍光体点光源素子202−1は、基板470と、動作トラック領域210−1を備える蛍光体領域210’−1と、透明ウィンドウ要素211−1とを含む。ウィンドウ要素211−1の全体の平坦度が、以下に概説する様々な実施形態における必要性と一致するように維持され得る場合、ウィンドウ要素211−1は、いくつかの実施形態では現実的な軽さおよび薄さとするのが好ましい(いくつかの実施形態ではおよそ500μm以下の厚さを有する)。いくつかの実施形態では、ウィンドウ要素211−1は、蛍光体領域210’−1を保護および/または支持するものとなり得る。ただし、他の実施形態では、入射および/または出射光ファイバ端を動作トラック領域210−1に近接して配置できるように(例えば、公報‘779号に開示される光源実施形態に説明されるように)、ウィンドウ要素211−1を省略するのが有利である。より一般的に、蛍光体領域210’が本来接着結合剤などによって支持される実施形態では、本明細書のかかる実施形態に示すウィンドウ要素はいずれも省略可能であることを理解されたい。
【0038】
基板470は、製造プレートショルダー478A、蛍光体トラック支持ショルダー410、および取り付け用穴479A、ならびに図4A〜図4Cおよび図5A〜図5Bを参照して以下に説明する他のフィーチャーを含んでよい。図3ではまた、取り付け用ハブ479を示す。この取り付け用ハブ479は、蛍光体点電極素子202−1をロータリアクチュエータ206に取り付けるために、取り付け用穴479Aおよび/または基板470の隣接ショルダーと係合する。しかし、他の実施形態では、基板470は、ロータリアクチュエータ206に基板470を直接取り付け可能にするフィーチャーを備えてもよい。図3において蛍光体領域210’−1と動作トラック領域210−1は独立した素子のように見えるが、これらの素子は、以下に詳細に説明するように製造することができ、様々な実施形態では基板470から距離をおいて位置するための機械的強度または機械的完全性を持たない場合があることを理解されたい。いくつかの実施形態では、蛍光体領域210’−1および動作トラック領域210−1は、以下に詳細に説明するように、蛍光体トラック支持ショルダー410によって形成および支持され得る。組み立ておよび/または製造の後、蛍光体領域210’−1は、蛍光体トラック支持ショルダー410に当接し、および/またはこれに結合され得る、さらに、動作トラック領域210−1は、透明ウィンドウ要素211−1に当接し得る。この透明ウィンドウ要素211−1は、製造プレートショルダー478Aに当接し、これによって支持され得る。前述のように、組み立てられた蛍光体点光源素子202−1は、回転軸207の周りを回転する。蛍光体点光源素子202−1を構成する素子およびこの製造については、図4A〜図4Cおよび図5A〜図5Bを参照しながら以下に詳細に説明する。
【0039】
図4A〜図4Cは、図3に示した基板470の正面図、垂直断面図、および背面図である。図4Aと図4Bによく示したように、基板470は、製造プレートショルダー478A、478B(以下に詳細に説明するように製造プレートなどの形成要素を配置するための平面を区画し得る)、および/またはウィンドウ要素(例えば、図3に示したウィンドウ要素211−1)、および貯蔵層領域471を備える。より具体的には、貯蔵層領域471内においては、製造プレートショルダー478A、478Bの平面から窪んだ部分に円形の溝および/またはショルダーが設けられ、接着結合剤貯蔵層472と、蛍光体貯蔵層474と、蛍光体トラック支持ショルダー410とが含まれる(図5Aと図5Bについて以下に詳細に説明する)。一部のアプリケーションでは高速で回転される場合があるため、基板の軽さおよびバランスが現実的である場合が有利である。したがって、図5Aと図5Bを参照して以下に概説するように、基板470の全体的な平坦度が、特に製造プレートショルダーの領域478Aおよび478Bと蛍光体トラック支持ショルダー410において製造時および製造後に維持される場合、いくつかの実施形態では基板470の背部の材料は(RELIEF領域において)可能な限り除去され得る。
【0040】
図5Aと図5Bは、図4A〜図4Cに示す基板470の貯蔵層領域471(結合剤貯蔵層472と、蛍光体貯蔵層474と、蛍光体トラック支持ショルダー410を有する)を示す断面図であり、動作トラック領域210−1を形成して図3に示す蛍光体点光源素子202−1を提供できるようにする方法を示す。以下に詳細に説明するように、図5Aでは、動作トラック領域210−1の製造準備における蛍光体494および接着結合剤492のそれぞれの貯蔵層への配置と、製造プレートFBAなどの形成要素の配置について示し、一方、図5Bでは、動作トラック領域210−1に平坦で密集した蛍光体粒子の配置を形成する技法が適用された後での製造結果を示す。
【0041】
図5Aに示すように、製造の1ステップとして、接着結合剤492を接着結合剤貯蔵層472に配置することができ、蛍光体494は蛍光体貯蔵層474に配置する。蛍光体494は、任意の適切な発光材料の個々の蛍光体粒子495(例えば、真の蛍光体またはナノ粒子など)を含むことができ、いくつかの実施形態では、蛍光体粒子495が、(例えば、サイズ指定されたメッシュなどを介して粒子をフィルタリングすることにより提供される)制御される最大寸法を有する場合が有利ではあるが、個々の蛍光体粒子495は様々なサイズを有し得る。一般に、接着結合剤貯蔵層472と蛍光体貯蔵層474は、任意の便宜的なサイズと形状を有し得る。しかし、いくつかの実施形態では、それぞれが、保持する材料の所望の製造量に略対応する量を有することが望ましい。
【0042】
製造における別のステップとして、製造プレートFABの平滑表面FABSURFを、平坦な製造プレートショルダー478Aに対して(および製造プレートショルダー478Bが基板470上に含められる場合は製造プレートショルダー478Bに対しても)位置決めし、製造時に所定の位置にクランプおよび結合することができる。この位置では、表面FABSURFは名目上平坦であり、接着結合剤492、蛍光体494、蛍光体トラック支持ショルダー410の上に空間が確保される閉キャビティを提供する。図5Aでこの構成について示したように、蛍光体トラックショルダー410に直近のキャビティは厚さ寸法Tを有し、この寸法は製造プレートショルダー478Aの表面から蛍光体トラック支持ショルダー410が窪む距離に対応する。製造プレートショルダー478Aの側部は外壁410Wを提供し得る。
【0043】
製造における別のステップとして、図5Aに示す素子が、先に概説したように構成される場合、基板470はその中心軸(例えば、図3に示す回転軸207)を中心に高速で回転させることができる。結果として、接着結合剤492と蛍光体494は、それぞれ矢印492Aと矢印494Aとで示されるように、蛍光体トラック支持ショルダー410の方へ流れる。図示した特定の例示的な実施形態では、接着結合剤貯蔵層472と蛍光体貯蔵層474は、外周に沿って傾斜面を有するように示されており、この構造は、内容物が蛍光体トラック支持ショルダー410の方へ流れるように促す際に有利となり得る。回転(および回転によって生じる反遠心力)は、図5Bにほぼ示すように、表面FABSURFと外壁410W(蛍光体トラック支持ショルダー410の近傍にある)に対して蛍光体粒子495が密集状態になるまで回転を維持され得る。回転はまた、接着結合剤492が蛍光体粒子495の間の実質的にすべての空間に浸透し、蛍光体粒子495に挟まれて硬化し、蛍光体粒子が互いにおよび蛍光体トラック支持ショルダー410および外壁410Wに対して所定の位置で結合されるまで維持される。
【0044】
図5Bに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−1(厚さ寸法Tの動作トラック領域210−1を含む)が形成される。ここで、動作トラック領域210−1内の蛍光体粒子は、動作表面OSをもたらす密集状態の粒子配置496内で配置される。動作表面OSは先に概説した表面FABSURFに適合するように、密集状態の粒子配置496内の蛍光体粒子495に力を加えることで製造されている/製造されるため、動作表面OSは表面FABSURFに適合しており/適合し、名目上は平滑である。動作表面OSにおける所望の平坦度および/または滑らかさを実現するのに、表面FABSURFの平坦さおよび/または滑らさが十分でない場合、または、単により便利なまたは信頼できる製造方法が提供されている場合は、動作トラック領域の近傍で密集状態の粒子配置が達成された後で、動作表面OSを機械加工して(例えば、旋削、研磨、粗研磨など)、所望の平坦度および/または滑らかさを実現することができる。動作表面OSの近くで(例えば、内側で)密集状態の粒子配置が達成された後、動作表面OSは表面として機械加工されるため、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の近傍で互いに接触した蛍光体粒子に力を加えることによりもたらされることになる充填配置に実質的に類似している。
【0045】
いくつかの実施形態では、製造プレートFABは、図3を参照して先に概説したウィンドウ要素211−1と一致し得る。前述した製造ステップが完了すると、図5Bに示すオプションのウィンドウ要素211−1を提供するために、製造プレートFABを所定の位置に維持し結合することができる。一つの代替実施形態では、ウィンドウ要素211−1を使用する場合は、接着結合剤492を省略することができ、デバイスの通常動作時の回転によって提供される摩擦および/または反遠心力により、動作時に所望の密集状態の粒子配置496と動作表面OSを維持することができる。他の実施形態では、製造プレートFABは、透明プレートとすることも不透明プレートとすることもでき、接着結合剤が硬化した後では除去することができる。このような実施形態では、製造プレートFABの取り外しを簡単にするために、製造プレートFAB上に初めに接着ボンド抑制剤または離型剤を利用することが望ましいと考えられる。
【0046】
先に概説したように、および図11Aと図11Bを参照して以下にさらに教示されるように、密集状態の粒子配置496の平坦な動作表面OSは、照射スポット224(図2を参照)で回転することができ、この場合、連続した励起蛍光体粒子495と、焦点面FPおよび/または入射および/または出射光路の開口との間に重大な距離変化は発生しない(例えば、いくつかのアプリケーションでは、重大な距離変化は、およそ30〜50μm程度(またはこれ未満)でさえあり得る)。これにより、図2に示すような光源で、または公報‘779号で開示される実施形態で、蛍光体点光源素子が使用される場合は、より安定した出射輝度が提供される。
【0047】
より小さい蛍光体粒子495は、大きな粒子に比べて動作表面OSにより密におよびより均一に充填され、出射輝度の安定性が高まることを理解されたい。いくつかの実施形態では、大きな粒子の周りに密に充填するための小さな粒子が十分に存在する場合、大きな粒子も許容され得る。いくつかの実施形態では、粒子495(略円形とは言えない)は、最大寸法Dで特徴づけすることができる。所望の粒子密度は、いくつかの実施形態では蛍光体粒子495の平均最大寸法Dが動作表面で最大でも100μmである場合、他の実施形態では当該寸法が最大でも50μmである場合、さらに他の実施形態では当該寸法が最大でも35μmである場合に得られる。様々な実施形態では、動作トラック領域における光の均一な吸収および放射を確実にするために、動作トラック領域の厚さ寸法Tが平均最大寸法Dの少なくとも2倍であることが望ましく、平均最大寸法Dの少なくとも4倍であることがより望ましいと考えられる。いくつかの実施形態では、寸法Tは70μm以下に制限され得る。いくつかの実施形態では、粒子495は、動作トラック領域内で粒子495が専有する体積のパーセンテージで特徴づけることができる。粒子495のサイズに範囲がある場合、粒子495の密度は、いくつかの実施形態では動作トラック領域の体積の約75%、他の実施形態では約80%、さらに他の実施形態では約85%となり得る。いくつかの実施形態では、寸法Tが少なくとも100μmであることが望ましいと考えられ、これにより、粒子495および/または接着結合剤492は動作トラック領域に容易に流れ得る。しかし、先に概説した特定の寸法および設計関係は例示的なものに過ぎず、これに限定されるものではないことを理解されたい。
【0048】
いくつかの実施形態では、接着結合剤は、2液混合型硬化接着剤とすることが有利である。他の実施形態では、接着結合剤は、UVもしくは熱硬化結合剤、または他の望ましい材料とすることができる。いくつかの実施形態では、接着結合剤が硬化前に流れるステップ中において、接着結合剤は、1000センチポアズ未満の粘着性を有するのが有利であると考えられ、または500センチポアズ未満、もしくは200センチポアズ未満、もしくは100センチポアズ以下の粘着性を有するのがさらに有利であると考えられる。しかし、製造中に結合剤によって粒子が動作表面の近くに密集状態の粒子配置を取ることができるように、および結合剤が粒子の周りに十分に流れ込んで粒子を所定の位置に所望の密集状態の粒子配置にて結合するように、結合剤が選択される場合、先に概説した結合剤の特性は例示的なものに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0049】
図6Aと図6B、図7Aと図7B、図8Aと図8B、図9Aと図9Bは、それぞれ図5Aと図5Bに類似している。前の図の素子と同じまたはこれに類似した素子は、同じ参照番号または同じ接尾辞を有する(つまり、番号9XX、8XX、7XX、6XX、および4XXで、接尾辞XXが一致する)参照番号を参照して示される。同じ接尾辞は、機能的に類似または一致した素子を指定することができ、同様に理解され得る。したがって、図6Aと図6B、図7Aと図7B、図8Aと図8B、図9Aと図9Bの説明では重要な差異のみを示す。
【0050】
図6Aと図6Bは、蛍光体点光源素子202−2の第2の実施形態において密集状態の粒子配置に蛍光体を配置する方法を示す断面図である。図6Aと図6Bの蛍光体点光源素子202−2が、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、蛍光体貯蔵層674から分離された接着結合剤貯蔵層672を備えるのでなく、結合された貯蔵層671を使用して接着結合剤492と蛍光体494の両方を保持する点である。あるいは、蛍光体点光源素子202−2とその派生的な代替実施形態の製造と特徴とについては、蛍光体点光源素子202−1に関する前の説明を使用して同様に理解することができる。
【0051】
図7Aと図7Bは、蛍光体点光源素子202−3の第3の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。図7Aと図7Bの蛍光体点光源素子202−3が、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、ウィンドウ要素211−3がオプションとなっていないこと、および反遠心力を使用して密集粒子配置496を作成するのでなく、機械的圧縮構成が利用される点である。図7Aに示すように、基板770は環状溝777を備える。環状圧縮素子720(例えば、金属製のリング)は、環状溝777にぴったりとフィットする。環状圧縮素子720の上面は、環状溝777の側面と共に、蛍光体貯蔵層774を形成する。環状圧縮素子720の上面はまた、以下に概説するように、蛍光体トラック支持ショルダー710として機能する。
【0052】
製造の一ステップとして、蛍光体494は蛍光体貯蔵層474に配置される。製造の別のステップとして、ウィンドウ要素211−3(平滑な表面FABSURFを持つ製造プレートFABとしての役割も果たす)は、製造時には、表面FABSURFと一緒に、平坦な製造プレートショルダー778Aと778Bに対して位置決めされ、その位置にクランプされるか(例えば、図7Bに示すクランプリング798によって)、接着される。製造の別のステップとして、圧縮力は、圧縮機構730によって(例えば、図7Aと図7Bに示す実施形態では、環状溝777の底部に穴799を通して圧力注入される硬化性の接着剤によって)環状圧縮素子720の底部表面に加えられる。この結果、環状圧縮素子720によってもたらされる蛍光体トラック支持ショルダー710は表面FABSURFに向けて駆動され、この駆動は、図7Bに概略を示したように、表面FABSURFと、環状溝777の側面と、蛍光体トラック支持ショルダー710に対して蛍光体粒子495が密集した状態に詰め込まれるまで継続される。
【0053】
図7Bは、先に概説した製造ステップの結果として、厚さ寸法Tを有する動作トラック領域210−3を含む蛍光体領域210’−3が形成されることを示している。ここで、動作トラック領域210−3内の蛍光体粒子は、動作表面OSを提供する密集状態の粒子配置496にて配置される。動作表面OSは、先に概説したように表面FABSURFと適合するように密集状態の粒子配置496の蛍光体粒子495に力を加えることにより製造されている/製造されるため、動作表面OSは表面FABSURFに適合している/適合し、名目上は平滑である。密集状態の粒子配置496は、製造後、所定の位置に蛍光体トラック支持ショルダー710を固定することにより維持される。例えば、圧縮機構730によってもたらされる力を維持することにより、および/または、環状圧縮要素720を所定の位置に接着することにより(図7Aと図7Bに示す実施形態では、製造時に環状溝777の底部に穴799を通して注入された接着剤を硬化することにより)維持される。
【0054】
図8Aと図8Bは、蛍光体点光源素子202−4の第4の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。図8Aと図8Bの蛍光体点光源素子202−4は、蛍光体点光源素子202−3に類似しているが、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、ウィンドウ要素211−4がオプションとなっていないこと、密集粒子配置496を作成するために機械的圧縮構成が利用される点である。図8Aに示すように、基板870は環状溝877を備えており、この溝は周囲の環状隆起部の頂点の間に位置する。環状隆起部の頂点は、平坦な平面に製造プレートショルダー878Aと878Bを提供する。環状溝877は、以下に概説するように、蛍光体貯蔵層874と、蛍光体トラック支持ショルダー810として機能する環状溝の床面とを形成する。
【0055】
製造の一ステップとして、蛍光体494は蛍光体貯蔵層874を充填するように配置される。製造の別のステップとして、ウィンドウ要素211−4(平滑な表面FABSURFを有する製造プレートFABとしての役割も果たす)は、充填された蛍光体494を圧縮するために矢印FABAによって示されるように(例えば、ウィンドウ要素211−4を充填された蛍光体494に対して押し付けてねじることにより)押し下げされる。この操作は、ウィンドウ要素211−4が表面FABSURFと共に製造プレートショルダー778Aおよび778Bに押し当てるように配置され、蛍光体粒子495が、表面FABSURF、環状溝877の側面、および蛍光体トラック支持ショルダー810に押し当てられて密集状態となるまで(概略は図8Bを参照)継続される。次に、ウィンドウ要素211−4はその位置にクランプ(例えば、図8Bに示すクランプリング898によって)または接着され、密集状態の粒子配置496が維持される。蛍光体貯蔵層874の外に落ちる残りのまたは余分な蛍光体494は、アクセスホール899を通して吸引または流し出すことができる。
【0056】
図8Bに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−4(厚さ寸法Tの動作トラック領域210−4を含む)が形成される。ここで、動作トラック領域210−4内の蛍光体粒子は、動作表面OSをもたらす密集状態の粒子配置496にて配置される。動作表面OSは先に概説した表面FABSURFに適合するように密集状態の粒子配置496内の蛍光体粒子495に力を加えることで製造されている/製造されるため、動作表面OSは表面FABSURFに適合しており/適合し、名目上は平滑である。
【0057】
図9Aと図9Bは、蛍光体点光源素子202−5の第5の実施形態において、様々なタイプの蛍光体粒子のポケット内に密集状態の粒子配置496で蛍光体を配置する方法を示す水平断面図と垂直断面図である。図9Aは基板970の角切片のみを示す。図9Aに示す角切片のフィーチャーは、360度にわたって続いており、完全なディスク型蛍光体点光源素子202−5を形成することを理解されたい。図9Aと図9Bの蛍光体点光源素子202−5は、蛍光体点光源素子202−1と類似しているが、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、蛍光体貯蔵層が、半径方向に延びるポケット分割領域PDRによって分離される個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pを備えること、およびこの個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pには、円形の動作トラック領域210−5に沿って配置される個々の動作表面部分「OS−X」を設けるために製造された様々な組成比の異なるタイプの蛍光体粒子が個別に充填され得ることである。様々な組成比の蛍光体粒子を用いることにより、個々の蛍光体貯蔵ポケットに対応する個々の動作表面部分「OS−X」(例えば、OS−B)は、隣の動作表面部分(例えば、OS−Cなど)と比較して、異なる波長、または複数の波長および/または波長強度の異なる組み合わせを出射することができる。
【0058】
蛍光体点光源素子202−1と同様に、製造の一ステップとして、接着結合剤(例えば、接着結合剤492)を接着結合剤貯蔵層972に配置し、第1の組成比「A」の異なるタイプの蛍光体粒子を第1の蛍光体貯蔵ポケット974P(または第1の蛍光体貯蔵ポケット974Pセット)に配置し、第2の組成比「B」の異なるタイプの蛍光体粒子を第2の蛍光体貯蔵ポケット974P(または第2の蛍光体貯蔵ポケット974Pセット)に配置し、必要に応じて、所望の蛍光体貯蔵ポケット974Pのすべてに所望の組成比の蛍光体粒子が充填されるまで、追加の組成比についても同様の配置を行うことができる。
【0059】
製造の別のステップとして、製造時に、製造プレートFABの平滑な表面FABSURFは、平坦な製造プレートショルダー978Aとポケット分割領域PDRに押し当てて配置され、その位置でクランプまたは接着され得る。この位置において、表面FABSURFは、名目上は平坦であり、接着結合剤(例えば、接着結合剤492)の上に空間を含む閉キャビティをもたらすとともに、個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pのそれぞれに配置された蛍光体粒子の上に閉空間をもたらす。図9Bに示すように、蛍光体貯蔵ポケット974Pの底部によって提供される蛍光体トラック支持ショルダー910−Pに隣接したキャビティの厚さ寸法Tは、製造プレートショルダー978Aの表面から蛍光体トラック支持ショルダー910−Pが窪んでいる距離に対応する。
【0060】
製造における別のステップとして、様々な素子が先に概説したように構成される場合、基板970はその中心軸(例えば、図9Bに示す回転軸207)を中心に高速で回転させることができる。結果として、接着結合剤と様々な蛍光体組成物は、個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pの外端に向かって流れる。このような回転は、図9Bにほぼ示したように、蛍光体粒子が、表面FABSURFと個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pの壁面とに当たって密集状態となることで密集状態の粒子配置が形成され、接着結合剤が蛍光体粒子の間の実質的にすべて空間に浸透し、蛍光体粒子間に挟まれて硬化し、適所で蛍光体粒子が結合されるまで維持される。
【0061】
図9Bに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−5(動作トラック領域210−5を含む)が形成される。ここで、動作トラック領域210−5内の蛍光体粒子は、蛍光体貯蔵ポケット974Pのそれぞれにおいて密集状態の粒子配置496にて配置される。これにより、円形の動作トラック領域210−5に沿って配置される個々の動作表面部分「OS−X」(例えば、OS−A〜OS−Hまでの動作表面部分の繰り返し)を有する平坦な動作表面OSがもたらされる。動作表面部分OS−Xは先に概説した表面FABSURFに適合するように密集状態の粒子配置496内の蛍光体粒子495に力を加えることで製造されている/製造されるため、動作表面部分OS−Xは表面FABSURFに適合しており/適合し、個別にも集合的にも名目上は平滑である。動作表面OSにおける所望の平坦度および/または滑らかさを実現するのに、表面FABSURFの平坦さおよび/または滑らさが十分でない場合、または、単により便利なまたは信頼できる製造方法が提供されている場合は、動作トラック領域の近傍で密集状態の粒子配置が達成された後で、動作表面OS(およびポケット分割領域PDR)を機械加工して(例えば、旋削、研磨、粗研磨など)、所望の平坦度および/または滑らかさを実現することができる。動作表面OSの近くで(例えば、内側で)密集状態の粒子配置が達成された後、動作表面OSは表面として機械加工されるため、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の近傍で互いに接触した蛍光体粒子に力を加えることによりもたらされることになる充填配置に実質的に類似している。
【0062】
特定の実施形態では、蛍光体貯蔵ポケット974Pは、半径方向と垂直である約300μmの寸法を有し得る。様々な波長または波長の組み合わせは、適用された照射スポットでのパワーの制御および同期化に応じて、蛍光体点光源素子202−5から放射され得ることを理解されたい。例えば、公報‘779号では、図7Aと図7Bを参照しながらパワーの制御および同期化に関する適用可能な方法が概説されている。
【0063】
先に概説した実施形態では複数の例を提供している。これらの例では、蛍光体点光源素子の動作表面は、蛍光体点光源素子の基板との組み合わせで閉キャビティを提供する形成要素として平坦な製造プレートまたはウィンドウ要素を使用することにより、所望の平坦度でまたはそれに近い平坦度で動作表面を成形することにより形成され得る。閉キャビティは、少なくとも1つの形成壁面、即ち、蛍光体粒子を強制的に密集状態の粒子配置にするために蛍光体粒子が押し付けられ得る表面を有する。動作表面は、製造プレートまたはウィンドウ要素の平面に当てて成形され得る。任意選択により結合剤を使用する場合、動作表面を機械加工することにより(例えば、フライス削り、旋削、研磨、粗研磨など)、動作表面の平坦度を高めることができる。対照的に、以下に概説する実施形態で提供される例では、蛍光体点光源素子の動作表面の平坦度は、主に動作表面を機械加工することにより実現される。機械加工の前に、様々な実施形態では、形成要素は、蛍光体点光源素子の基板と組み合わせて開キャビティまたは閉キャビティのいずれかを提供する。前の実施形態の場合と同様に、キャビティは、少なくとも1つの形成壁面、即ち、蛍光体粒子を強制的に密集状態の粒子配置にするために蛍光体粒子が押し付けられ得る表面を有する。密集状態の粒子配置が形成されると、動作表面を提供する密集状態の粒子配置を機械加工(例えば、フライス削り、旋削、研磨、粗研磨など)することにより、動作表面の所望の平坦度が実現される。いくつかの実施形態では、形成要素を基板と一体化することができ、名目上平坦な動作表面を形成する機械削り作業により形成要素を削り取ることが可能である。
【0064】
図10A、図10B、および図10Cは、蛍光体点光源素子202−6の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。図10A、図10B、および図10Cは、基板1070の角切片のみを示す。図10A、図10B、および図10Cに示す角切片のフィーチャーは、360度にわたって続いており、完全なディスク型蛍光体点光源素子202−6を形成することを理解されたい。図10A、図10B、および図10Cの蛍光体点光源素子202−6は、蛍光体貯蔵層が、半径方向に延びるポケット分割領域PDRによって分離された個々の蛍光体貯蔵ポケット1074Pを備える点において、図9Aと図9Bの蛍光体点光源202−5に類似している。個々の蛍光体貯蔵ポケット1074Pには、円形の動作トラック領域210−6に沿って配置される個々の動作表面部分を設けるために製造された異なる組成比の異なるタイプの蛍光体粒子が個別に充填され得る。ただし、以下に説明するように、個々の蛍光体貯蔵ポケットには蛍光体粒子が充填される。この個々の蛍光体貯蔵ポケットは蛍光体貯蔵ポケット210−5の場合とは異なる方法で形成される。
【0065】
図10Aに示すように、接着結合剤および蛍光体粒子を受け入れるキャビティを形成するために基板1070を形成要素FE−6と合わせることが可能である。図10Aに示す実施形態では、基板1070は、窪んだ矩形貯蔵ポケット1074とその外径ODの近くで隣り合う仕切りを含み、形成要素FE−6は貯蔵ポケット1074と一致する窪みを含む。製造の例示的な一方法では、接着結合剤492は、第1の組成比「A」の異なるタイプの蛍光体粒子495と混合され、結果として生じる混合物は、第1の蛍光体貯蔵ポケット1074P(または、第1の蛍光体貯蔵ポケット1074Pセット)に、さらに必要に応じて追加の組成比に対する蛍光体貯蔵ポケットに対応するキャビティに充填される。この作業はすべての所望のキャビティに所望の組成比の蛍光体粒子が充填されるまで続けられる。一実施形態では、図10Bにおいて破線の輪郭線で示すように、各蛍光体粒子混合物は、対応するキャビティに図示した外径ODのキャビティ開口部を介して充填され、各キャビティ開口部は、シール素子1097を使用して密封される。シール素子1097(例えば、一実施形態では金属製粘着テープ)は、いくつかの実施形態では形成要素として見なされる場合もあるが、蛍光体粒子を各キャビティ内に保持する。シール素子1097は、いくつかの実施形態では(例えば、図10Bについて以下に概説するように、回転時に密集状態の粒子配置を形成するために)、キャビティを閉じて形成壁面を提供する。
【0066】
図10Bに示すように、様々な素子が先に概説したように構成される場合、形成要素のアセンブリと、混合物と、基板1070は、その中心軸を中心に高速で回転され得る。結果として、接着結合剤と様々な蛍光体組成物は、個々の蛍光体貯蔵ポケット1074Pに対応するキャビティの外端に向かって流れる。回転により、蛍光体粒子は、シール素子1097および他のキャビティ壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置496がもたらされる。この回転は、図10Bにほぼ示したように蛍光体粒子が密集状態の粒子配置496を形成し、接着結合剤が蛍光体粒子の間に浸透し、硬化して、適所で蛍光体粒子を結合するまで維持され得る。形成要素FE−6とシール素子1097は除去することが可能である。この場合、形成要素FE−6内の窪みにより、結合剤で基板1070に接着され、対応する蛍光体貯蔵ポケット1074Pの上に延びる固定された密集状態の粒子配置496は残される。
【0067】
図10Cに示すように、密集状態の粒子配置496の結果として得られる構造は機械切削され、動作トラック領域210−6に沿って名目上平坦になるような動作表面OS(例えば、OS−A’、OS−B’、OS−C’、OS−D’、およびOS−E’部分を含む)が得られる。図10Cに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−6が形成され、この領域には動作トラック領域210−6が含まれる。こ
こで、動作トラック領域210−6内の蛍光体粒子は密集状態の粒子配置496にて配置され(例えば、蛍光体貯蔵ポケット1074Pのそれぞれにおいて)、これにより、個々の動作表面部分を含むとともに円形の動作トラック領域210−6に沿って配置される平坦な動作表面OSがもたらされる。図10Cに示す実施形態では、動作表面OSは、機械加工されて名目上平坦になった密集状態の粒子配置496の表面を有する。動作表面が、機械加工された、密集状態の粒子配置の表面を有する追加の実施形態を以下に説明する。
【0068】
図11A、図11B、図11C、および図11Dは、蛍光体点光源素子202−7の第7の実施形態の角切片において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。図11A、図11B、図11C、および図11Dの蛍光体点光源素子202−7は、図10A〜図10Cの蛍光体点光源素子202−6にいくつかの点で類似しており、図10と図11の類似した素子は類似した参照番号で表わしている(例えば、基板1070と基板1170は類似した要素である)。蛍光体点光源素子202−7は、蛍光体点光源素子202−6に基づく類推によって大部分を理解することができる。特に、一実施形態では、図11Aで表わす素子、アセンブリ、および製造作業は、図10Bによって表わされるものと類似または一致していると理解され得る。接着結合剤を硬化させ、密集状態の粒子配置496を所定の場所に結合した後で、硬化の前に使用する形成要素FE−7と任意のシール素子は除去することが可能である。この場合、形成要素FE−7内の窪みにより、結合剤で基板1170に接着され、対応する蛍光体貯蔵ポケット1174Pの上に延びる密集状態の粒子配置496は残される。蛍光体点光源素子202−7は、以下に説明する追加のフィーチャーを提供する製造ステップによって形成される。
【0069】
図11Bに示すように、様々な素子が先に概説したように構成されている場合は、シール素子1197(図11Bに図示していない形成要素とみなすことができる)を適用することができ、異なるタイプの蛍光体粒子495’と接着結合剤との追加の混合物は、硬化した密集状態の粒子配置496の上およびその中間において、結果として得られた開キャビティ内に堆積され得る。必要ならば、混合物495’の上に形成要素FE−7’を固定して、閉キャビティを形成することができる。
【0070】
図11Cに示すように、様々な素子が先に概説したように構成されている場合、形成要素のアセンブリ、混合物、および基板1170は、中心軸を中心として再度、高速で回転する。この結果、接着結合剤と蛍光混合物495’は基板1170の外径ODの方へ流れる。回転により、混合物495’内の蛍光体粒子は、シール要素1197と形成要素FE−7’に押し当てられる。この回転は、図11Cにほぼ示したように、蛍光体粒子が密集状態の粒子配置を形成し、接着結合剤が蛍光体粒子の間の実質的にすべて空間に浸透し、硬化し、適所で蛍光体粒子を結合するまで維持される。形成要素FE−7’とシール素子1197は除去することが可能である。この場合、結合剤によって密集状態の粒子配置496と基板1170に接着された固定された密集状態の粒子配置496’は残される。
【0071】
図11Dに示すように、密集状態の粒子配置496および496’の結果として得られる構造は機械切削され、動作トラック領域210−7に沿って名目上平坦になるような動作表面OS(例えば、OS−A”、OS−B”、OS−C”、OS−D”、OS−E”、OS−F”部分を含む)が得られる。図11Dに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−7が形成され、この領域には動作トラック領域210−7が含まれる。ここで、動作トラック領域210−7内の蛍光体粒子は密集状態の粒子配置496(例えば、蛍光体貯蔵ポケット1174Pのそれぞれにおいて)および496’にて配置され、これにより、円形の動作トラック領域210−7に沿って配置される個々の動作表面部分を含む平坦な動作表面OSがもたらされる。蛍光体点光源素子202−6(動作表面OSが蛍光体貯蔵ポケット1174P間のポケット分割領域PDRによって遮断される)とは対照的に、蛍光体点光源素子202−7の動作表面OSは、蛍光体サブ領域の連続体と、蛍光体サブ領域に対応する動作表面部分とを有する。いくつかの実施形態では、動作表面部分OS−F”は、動作表面部分OS−A”、OS−B”、OS−C”、OS−D”、およびOS−E”より長手方向に細くなることが望ましいと考えられる。この理由として、蛍光体点光源素子202−7が回転するとき、このような動作表面部分OS−F”は他のすべての動作表面部分より頻繁に繰り返され、特定の共有蛍光体混合物に対応する波長で輝度をより頻繁に提供し得ることが挙げられる。代替実施形態では、単一の蛍光体混合物495’ではなく、異なる蛍光体の混合体を、硬化した密集状態の粒子配置496のそれぞれの間のキャビティに充填することができ、図11B〜図11Dを参照して説明した形成作業では、図11Dに示す結果として得られた個別の密集状態の粒子配置496’内で様々な蛍光体波長が生成される。
【0072】
前述した実施形態では、回転及び硬化の前に蛍光体混合物用に閉キャビティが提供されていた。開キャビティ製造構成を以下に説明する。
【0073】
図12A、図12B、および図12Cは、蛍光体点光源素子202−8の第8の実施形態において開キャビティ内に製造されるような密集状態の粒子配置496で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。一実施形態では、図12A、図12B、および図12Cの蛍光体点光源素子202−8の断面は、開いている環状貯蔵層またはキャビティの断面とみなすことができ、あるいは、別の実施形態では、円形の動作トラック領域に沿って配置される様々な蛍光体粒子の複数の個別ポケットのうちの1つの断面とみなすことができる。後者の場合、蛍光体点光源素子202−8は、次の点で蛍光体点光源素子202−5と類似している。即ち、蛍光体貯蔵層は、半径方向に延びるポケット分割領域によって分離される個別の蛍光体貯蔵ポケット(例えば、基板1270内のポケット1274P)を含み、蛍光体貯蔵ポケット1274Pを備える個別の蛍光体貯蔵キャビティには、異なる組成比の蛍光体粒子が充填され、当該個別の蛍光体貯蔵キャビティは、円形の動作トラック領域に沿って配置される個別の動作表面部分を提供するように製造され得る。ただし、本実施形態では個々の蛍光体貯蔵キャビティは開キャビティを含み得る。
【0074】
図12Aに示すように、接着結合剤492と蛍光体粒子495を含む混合物を受け入れるための1つまたは複数の開キャビティ1274を備える貯蔵層を形成するために、基板1270は、形成要素FE−8に合わせることも(2つの素子をクランプまたは接着することにより)、形成要素FE−8と一体成形する(例えば、機械加工および/または成形された材料またはステレオリソグラフィー技術で形成された一体成形の材料を使用する)こともできる。図12Aに示す実施形態では、基板1270は、窪んだ矩形貯蔵ポケット1274Pを含み、形成要素FE−8は貯蔵ポケット1274Pと一致する、壁の開口部を含み得る。一実施形態では、図12Aと図12Bに示すように、形成要素FE−8は、製造時に蛍光体混合物が入る形成壁面を含み得る。
【0075】
製造の例示的な一方法では、接着結合剤492と蛍光体粒子495の混合物は開キャビティ1274Aに充填され、必要に応じて追加の組成比については追加の個々のキャビティに同様に充填される。
【0076】
図12Bに示すように、様々な素子が先に概説したように構成される場合、形成要素FE−8のアセンブリと、混合物と、基板1270は、その中心軸(例えば、図12Bに示す回転軸207)を中心に高速で回転され得る。結果として、各キャビティ1274Aでは、接着結合剤492と蛍光体組成物495は、外側の形成壁面OFWと見なされ得る外壁の方へ流れる。回転により、蛍光体粒子はキャビティ1274Aの壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置496がもたらされる。図示した実施形態では、キャビティの半径方向外側の形成壁面OFWは内側に傾斜が付けられ、回転動作時に蛍光体混合物が壁面を上昇し開キャビティから溢れ出るのを防止する。この回転は、図12Bにほぼ示したように蛍光体粒子が密集状態の粒子配置496を形成し、接着結合剤492が蛍光体粒子の間に浸透し、硬化して、蛍光体粒子を適所で結合および基板1270に結合するまで維持され得る。
【0077】
図12Cに示すように、結果として生じる密集状態の粒子配置496の構造は、少なくとも動作表面OSの近辺で機械加工され、結果として、形成要素FE−8は除去され、密集状態の粒子配置496は機械加工されて、動作トラック領域210−8内の動作表面OSに沿って名目上平坦になる。図12Cに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、動作トラック領域210−8を含む蛍光体領域210’−8が形成される。ここで、動作トラック領域210−8内の蛍光体粒子はそれぞれ、密集状態の粒子配置496にて配置される(例えば、蛍光体貯蔵ポケット1274Pのそれぞれにおいて)。これにより、円形の動作トラック領域210−8に沿って配置される個々の動作表面部分を有する平坦な動作表面OSがもたらされる。前に示したように、必要に応じて、個々の動作表面部分ではなく、連続した環状蛍光体動作表面OSは、先に概説した方法と類似した方法によって製造され得る。
【0078】
図13は、蛍光体点光源素子を形成するための例示的な一般的方法1300を示すフローチャートである。ブロック1310で、基板が提供される。前述したように、特定の例示的な実施では、基板は蛍光体粒子(および使用される場合は結合剤)を受け入れるための1つまたは複数の円形の貯蔵層を備える円形ディスク(例えば、金属製ディスク)を含んでもよく、あるいは基板は環状トラックに沿って配置される個々の蛍光体組成ポケットを含んでもよい。ブロック1320では、少なくとも1つのキャビティが提供される。キャビティは、蛍光体点光源素子の円形の動作トラック領域に沿って配置される。キャビティは形成要素と基板によって囲まれ、少なくとも1つの形成壁面を有する。いくつかの実施形態では、形成要素は製造プレートを含むことができる。この製造プレートは、任意の所望の材料(例えば、透明ガラスウィンドウや金属など)で製造された名目上平滑なプレートとすることができる。いくつかの実施形態では、形成要素は蛍光体を充填するための窪みまたは開口部を有することができ、キャビティは動作表面の所望の最終平面の上に延在し得る。
【0079】
ブロック1330では、蛍光体粒子はキャビティ内で位置決めされる。前述したように、特定の実施形態では、基板内の1つまたは複数の貯蔵層に蛍光体粒子(および使用する場合は結合剤)を配置し、次いで、基板に対して一定の関係で形成要素を位置決めすることを含み得る(例えば、先に概説したように基板上の他のフィーチャーに対する所望の場所に配置された製造プレートショルダー)。他の実施形態では、これには形成要素と基板との間にすでに形成されているキャビティ内に蛍光体粒子を配置すること、およびシール要素を使用してキャビティを閉じるまたはシールすることが含まれ得る。他の実施形態では、これには、形成要素と基板によって形成された開キャビティ内に蛍光体粒子を配置することが含まれ得る。
【0080】
ブロック1340では、蛍光体粒子は、キャビティの少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、動作トラック領域の近くに密集状態の粒子配置が提供される。前述したように、所望の圧縮を達成する一技法では、基板、形成要素、および蛍光体粒子を十分な速度(例えば、1000〜40000rpm)で回転することによって反遠心力を利用して、所望の密集状態の粒子配置を引き起こす必要がある。ここで、回転により、蛍光体粒子は少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置を達成するのに十分な力がもたらされる。他の実施形態では、機械的圧縮など、他の圧縮技法が利用され得る。
【0081】
ブロック1350で、蛍光体粒子は密集状態の粒子配置で固定される。いくつかの実施形態では、プロセス中に液状結合剤が利用された場合、液状結合剤は回転前に与えられ、回転中および/または回転後に固める(例えば、硬化させる)ことができるようにする。いくつかの実施形態では、形成要素は、蛍光体粒子が密集状態の粒子配置で固定された後で除去される。前述したように、形成要素を除去する必要がある実施形態では、形成要素に結合剤が接着しないように形成要素上に抑制剤を使用することができる。いくつかの実施形態(例えば、液状結合剤が利用されていない)では、形成要素は一般に透明な製造プレートを含み得る。この製造プレートは、密集状態の粒子配置を支持、保護、および/または維持するために所定の位置に残される。
【0082】
ブロック1360では、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の動作トラックに沿って名目上平坦な動作表面を有するように形成される。いくつかの実施形態では、これには、固定された密集状態の粒子配置の動作表面を機械加工して、その動作表面を名目上平坦にすることを含み得る。他の実施形態では、これには、固定された密集状態の粒子配置を平坦な形成壁面に当てて成形することを含み得る。これにより、対応する成形された表面により名目上平坦な動作表面が提供される。他の実施形態では、これには、平坦な形成壁面(例えば、ウィンドウ)に当てて密集状態の粒子配置を永続的に圧縮することを含み得る。これにより、対応する圧縮された表面により名目上平坦な動作表面が提供される。
【0083】
図14Aと図14Bは、米国特許第7,354,785号の図3Cと図3Dにも示されるような従来技術に従って形成された蛍光体層内の粒子配置を示した断面図である。図14Aは、ウェットポリマー溶媒組成27で懸濁され、概ね無作為に配置されている蛍光体粒子26を示す。発光層25の蛍光体インクは、スクリーン印刷、バーコーティング、または様々なフィルムアプリケータによって1つの層または複数の層に堆積される。絶縁層20に関する詳細は、本議論とは関連がない。発光層を敷くための技法の例については、公報‘789号に以下のように説明されている。インクは、重量にしてCR−S10%およびCR−u1.1%と、DMF33.3%と、GG4355.55%で作成される。これは、フィルムアプリケータ(Braive InstrumentsのBird Applicator)技法によって、約80〜110μmの湿潤厚さの絶縁層に適用される。適用後、基板をプリンタから取り出して乾燥させる。
【0084】
図14Bは低温乾燥後の発光層を示す、ここで大部分の溶剤が蒸発しており、量が減った乾燥結合剤28が残される。初期の低温乾燥後、発光層25の上面25aは起伏のある面として図示されている。低温乾燥後の発光層の起伏の程度は、複数の要因によって決定され、例えば、樹脂に対する蛍光体粒子の量などが挙げられる。
【0085】
図14Bはまた、図2に示す焦点面FPに対応し得る焦点面FPを示す。これは、図2に示すように、入射光路光学素子セット219の素子の焦点面FP、出射光路222の素子の焦点面FP、またはその両方となり得る。図14Bに概略的に示したように、焦点面FPに近い、蛍光体粒子の表面上の点については(例えば、蛍光体粒子30の場合のように)、出射光路(例えば、出射光路222)の素子の受光角AA内で放射される光線は、例えば、出射光路の限界光線LR1とLR2との間の光L2について図示したように、出射光路に入射される。対照的に、焦点面FPに近くない、蛍光体粒子の表面上の点については(例えば、蛍光体粒子31の場合のように)、出射光路の素子の同じ受光角AA内で放射される光のいくつかは、例えば、出射光路の限界光線LR1とLR2の外側のクロスハッチング領域に示される光LVとして図示したように、出射光路に入射されない。したがって、焦点を合わせた出射光路を介して蛍光体粒子上の点から実際に出射される光の割合は、当該出射光路の焦点面FPと当該点との間の距離に依存する(例えば、光L2の輝度は光L2’の輝度と同じでない)。一部の光源は、焦点面FPからのそのような偏差に対して非常に高い感度を示し得ることを理解されたい。例えば、図2に示す光源の例示的な一実施形態では、50umのファイバに光を集めるとき出射光路220のフィールド深度は約20umとなり得る。これは、焦点面FPからの20umの粒子偏差が重大な輝度の変化を引き起こし得ることを示唆するものである。いくつかの実施形態では、発光蛍光体粒子の寸法が約20μmとなり得ることを理解されたい。したがって、少なくともこのような理由により、図14Bに示すような、従来技術の方法で製造された「起伏のある」蛍光体粒子の場合は、図2に示すような焦点が合わされた出射光路を使用する光源内を移動するとき、重大な出射輝度の変動の一因となり得る。光源の入射光路もまた焦点面FPで焦点が合わされる場合、結果として得られる照射点(例えば、図2に示す照射点224)でのそのサイズと平均輝度は、照射される蛍光体表面と焦点面との距離に応じて変化し、このことは、従来技術の方法によって製造される「起伏のある」蛍光体表面での出射輝度の変動の一因ともなり得ることを理解されたい。
【0086】
図14Aと図14Bに示すような公報’785号の従来技術の蛍光体製造技法とは対照的に、本明細書で開示および請求される種々実施形態によれば、密集状態の粒子配置496の平坦な動作表面OSが達成される。密集状態の粒子の動作表面がこのように平坦ならば、励起された蛍光体粒子の連続と入射および/または出射光路との距離に重大な変化が生じることなく照射スポット224を介して、表面を回転することができる。したがって、あらかじめ知られている方法によって製造された蛍光体プレートとは対照的に、本明細書で開示および請求される平坦な動作表面を持つ蛍光体素子は、図2に示すような光源で使用される場合より安定した出射輝度を提供する。
【0087】
本発明の様々な例示的な実施形態を図示および説明したが、図示および説明したフィーチャーの配置と作業シーケンスにおける多くの変形例は、この開示に基づけば当業者には明らかである。例えば、蛍光体点光源202の形状および/または構成は、軸を中心に回転するホイールタイプの構成に限定されるものでなく、軸を中心に回転し得る他の任意の形状および/または入射と出射光の位置に対して直線的に移動され得る任意の他の形状(例えば、往復式蛍光体点光源素子)を挙げることができる。さらに、先に概説した様々な例示的な寸法は、小さな光ファイバ直径、コンパクトな構造、および非常に短いパルス期間から恩恵を受けるシステムに特に適していることを理解されたい。しかし、他のシステムでは、先に概説した寸法以外の寸法を使用することができることを理解されたい。したがって、本明細書における教示による様々な変更は本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく先に概説された様々な特定の実施形態に対しなし得るということが理解される。
【符号の説明】
【0088】
112、112A、112A’・・・光ファイバ、 160・・・電子部分、 162・・・波長検出器、 163・・・検出器アレイ、 164・・・光源、 166・・・信号処理装置、 166’・・・ホストシステム制御装置、 168・・・メモリ部、 202・・・蛍光体点光源素子、 202−1〜8・・・蛍光体点光源素子、 204・・・可動部材アクチュエータ、 206・・・ロータリアクチュエータ、 207・・・軸、 208・・・リニアアクチュエータ、 210・・・動作トラック領域、 212・・・第1の入射光源、 214・・・ファイバ端、 216・・・放射光出射結合領域、 219・・・入射レンズ、 220・・・出射光路光学素子セット、 222・・・集光光学系、 224・・・照射スポット、 240・・・電源および/または信号線、 242、245・・・信号線、 265・・・光源制御装置、 270・・・基板、 210’・・・発光蛍光体領域、 210’−1〜8・・・蛍光体領域、 210−1〜8・・・動作トラック領域、 211−1・・・透明ウィンドウ要素、 211−3、4・・・ウィンドウ要素、 212’・・・第2の入射光源、 219A、B・・・入射レンズ、 222A、B・・・レンズ、 410・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 470・・・基板、 471・・・貯蔵層領域、 472・・・接着結合剤貯蔵層、 474・・・蛍光体貯蔵層、 479・・・取り付け用ハブ、 492・・・接着結合剤、 494・・・蛍光体、 495・・・蛍光体粒子、 496・・・密集状態の粒子配置、 410W・・・外壁、 478A・・・製造プレートショルダー、 479A・・・取り付け用穴、 492A、494A・・・矢印、 495’・・・蛍光体粒子、 496’・・・密集状態の粒子配置、 672・・・接着結合剤貯蔵層、 674・・・蛍光体貯蔵層、 710・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 720・・・環状圧縮素子、 730・・・圧縮機構、 770・・・基板、 774・・・蛍光体貯蔵層、 777・・・環状溝、 798・・・クランプリング、 799・・・穴、 778A、778B・・・製造プレートショルダー、 810・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 870、970、1070、1170、1270・・・基板、 898・・・クランプリング、 899・・・アクセスホール、 974P、1074P、1174P・・・蛍光体貯蔵ポケット、 1097・・・シール素子、 1274P・・・窪んだ矩形貯蔵ポケット、 878A、878B、978A・・・製造プレートショルダー、 910−P・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 AA・・・受光角、 FAB・・・製造プレート、 FABA・・・矢印、 FABSURF・・・表面、 FD・・・測定距離、 FE−6、7、7’、8・・・形成要素、 FP・・・焦点面、 L1・・・入射光、 L2・・・出射光、 L2’・・・光、 LR1、2・・・限界光線、 LV・・・光、 OD・・・外径、 OS・・・動作表面、 PDR・・・ポケット分割領域、 T・・・キャビティの厚さ寸法、
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般には光源に関し、より詳細にはクロマティックポイントセンサ(chromatic point sensor)などの精密測定計器の使用に好適な高輝度で安定した広帯域および/または多波長の光源に関する。
【背景技術】
【0002】
高輝度広帯域光源の様々な用途は知られている。例えば、光学的高さセンサにおいて色共焦点技術によりこのような光源を使用することは知られている。米国特許出願公開第2006/0109483号に記載されるような光学的高さセンサにおいては、焦点までの軸方向距離が波長に伴って変化するように広帯域光源の焦点を合わせるために、軸方向色収差(軸方向または縦方向色分散とも呼ばれる)を有する光学素子を使用することができる。したがって、1つの波長だけが表面上に正確に焦点を合わせられることになり、焦点素子に対する表面高または位置によって、どの波長が最も良く焦点を合わせられるかが決まる。表面から反射すると、光は、ピンホールまたは光ファイバ端などの小さな検出器開口部上に焦点を再び合わせられる。表面から反射し光学系を介し入射/出射ファイバに戻ると、表面上にうまく焦点を合わせられた波長だけがファイバ上にうまく焦点を合わせられる。他のすべての波長はファイバ上に焦点をうまく合わせられないため、ファイバ内にパワーを効率的にカップリングできない。したがってファイバを通って戻る光に関しては、信号レベルは表面高または表面の位置に対応する波長に対して最大となる。分光計型検出器は表面高を判断するために各波長の信号レベルを測定する。
【0003】
ある製造業者らは、上述のように動作し、かつ工業環境におけるクロマティック共焦点測距に好適な実用的でコンパクトなシステムをクロマティックポイントセンサ(CPS:chromatic point sensor)と呼ぶ。このようなシステムと共に使用されるコンパクトな色分散光学アセンブリ(chromatically dispersive optical assembly)は「光学ペン」と呼ばれる。光学ペンは光ファイバを介しCPSの電装部に接続される。電装部は光学ペンから出射される光を、ファイバを介し送り、戻り光を検知し解析する分光計を提供する。
【0004】
公知の実施形態では、連続波キセノンアーク灯が、通常、30kHz程度の測定速度を有するCPSの高輝度広帯域(例えば白色)光源として使用される。キセノンアーク灯は、CPSのスペクトル範囲、したがって高さ測定範囲をカバーする広帯域光放射を提供する。キセノンアーク灯はまた、約30kHzの測定速度と約33μs(=1/30×10-3)の読み取り時間で良好なS/N比を得るのに十分なエネルギーを有する高輝度光源である。しかしながら、実際のアプリケーションではキセノンアーク灯は、望ましいとは言えない寿命およびアーク空間的安定性などのいくつかの望ましくない特性を呈する。アーク動作に伴う光源スペクトル放射の変化によるCPS較正におけるいかなる変動も最小限にするためには、またCPSの休止時間も最小限にするためには、空間的に安定でかつ長寿命の光源が望ましい。さらに、製造される多くの加工物は、異なる反射率特性を有し、したがって異なる輝度で飽和する複数種の異なる材料を含む。したがってCPS光源は、複数種の異なる材料の測定を可能にするために、CPS測定速度(例えば30kHz)以上の速度で輝度変調され得る(例えば、低輝度から高輝度まで)ことが好ましい。このような高速度光変調は公知のキセノンアーク灯では現実的ではない。同様な光源欠陥はまた、分光計などの他の計器アプリケーションに関連しても見出されている。
【0005】
米国特許出願公開第2010/0097779A1(公報‘779号)号は、高輝度光源を開示し、ここで発光蛍光体などは可動部材上で分散され、可動部材は固定された照射スポットおよび放射光出射結合領域を通して連続的に移動される。開示された構成は、多くの点でキセノンの光源より優れており、数ある利点の中でも長い動作寿命を有する、高い変調レートを提供する、光ファイバに光を効率的および経済的に結合するといった利点を有する高輝度光源として特に好ましい。したがって、例えば、このような光源は、先に概説したようなCPSシステムによく適している。ただし、公報‘779号では、光源の動作特性が最適化されるように、可動部材に発光蛍光体などを適用するためのカスタマイズされた設計パラメータおよび/または対応する製造方法を開示していない。したがって、公報‘779号などに開示された光源の動作特性を強化するために、カスタマイズされた設計パラメータと製造方法は望ましいものとなる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに説明される概念のうちの選択されたものを単純化された形式で導入するために提供される。本概要は、権利請求される主題の重要な特徴を特定することを目的としておらず、また権利請求される主題の範囲を判断する際の助けとして使用されることを目的としてもいない。
【0007】
従来技術の設計パラメータおよび/または製造方法では、公報‘779号などに開示された光源に対して完全に最適化された動作特性を提供することができないことが分かっている。特に、1つの光パルスから次の光パルスまでの輝度および/または波長がわずかな変動を表すことがあり、これはいくつかのアプリケーションでは望ましい水準より低い。このようなわずかな変動は、可動基板上の発光蛍光体構造の微小特性に関係する場合がある。本明細書で開示された特定の設計パラメータおよび/または製造方法を使用することにより、可動基板上に改良された発光蛍光体構造を有する蛍光体点光源を提供することができ、この改良された発光蛍光体構造を光源構成で使用すれば、係る変動を実用的な最小値まで経済的に減少させることができる。
【0008】
様々な実施形態では、蛍光体点光源素子上の動作トラックから蛍光体を放射する高輝度点光源を提供するよう回転される蛍光体点光源素子が提供される。蛍光体点光源素子は、長寿命の光源構成で利用でき、特定の実施形態では、CPSの代表的な測定レートまたは他の精密計測機器と等しい、またはそれより高い変調レートをサポートする。一実施形態では、蛍光体点光源素子は、基板と、基板によって支持されるとともに中心軸の周りを回転する基板上の円形の動作トラック領域に配置される発光蛍光体とを有し、「ホイール」タイプの構成を形成する。様々な実施形態では、発光蛍光体は蛍光体粒子を含み、動作トラック領域は、発光蛍光体を励起するよう照射されることが可能な動作表面を含み、動作トラック領域内の蛍光体粒子は、動作表面に隣接する位置に固定される密集状態の粒子配置で配置され、および動作表面は密集状態の粒子配置の表面を含むとともに、名目上平坦になるように形成され、ここで、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の近くで蛍光体粒子を互いに押し付けることにより提供されることになる充填配置に実質的に類似している。
【0009】
動作表面における発光蛍光体の平坦度は、精密計測装置に対する実装において特に有益である。例えば、蛍光体点光源素子がクロマティックポイントセンサシステムの一部として利用される場合、動作表面が平坦であり、蛍光体粒子が回転すると、動作表面に当てて密集状態にされた蛍光体粒子は、動作トラック領域から集光するのに使用される光システムのフィールド深度(DOF)内で安定した距離に維持されることが望ましい。特定の例示的な一実施形態では、50μmのファイバに光を集めるのに使用される光システムのフィールド深度は、約20μmとなり得る。したがって、特定の例示的な一実施形態では、動作表面の平坦度が約20μm以下(いくつかの実施形態では発光蛍光体粒子の粒子サイズ程度となり得る)である場合、光パルス間における光源の安定性(例えば、輝度および/または波長の安定性)が向上する。
【0010】
他の実施形態では、集光に使用される光システムは、大きなフィールド深度を持つことも、従来のフィールド深度を持たない光ファイバとなることもある。それにも関わらず、一般には、動作表面から光システムへの距離が安定すればするほど、動作トラック領域へのおよび/または動作トラック領域からの光パワーのカップリングはより効率的および安定的になる。光源構成と、設計パラメータと、本明細書で開示された製造方法をカスタマイズすることにより、精密かつ経済的なやり方でそのような安定した距離を提供できる。
【0011】
いくつかの実施形態では、動作トラック領域は、蛍光体粒子の間に入り込み、蛍光体粒子を互いに結合し、および基板に結合する結合剤を有し得る。一実施形態では、結合剤は低粘着性の接着結合剤(例えば、UVまたは2液混合型硬化接着剤)を有し得る。この接着結合剤の場合は、蛍光体粉末を密集状態の粒子配置に圧縮しながら、硬化することができる。結合剤の利用により、蛍光体がシフトするのを防止することができ、また、結合剤を利用すれば、製造時に粉末を所定の位置に維持するためのウィンドウまたは他の要素を排除して、光路長を短縮し、質量を低減することができる。
【0012】
いくつかの実施形態では、動作表面が、密集状態の粒子配置の機械加工された表面を含む。他の実施形態では、動作表面が、密集状態の粒子配置の成形された表面を含む。
【0013】
いくつかの実施形態では、動作トラック領域が、動作表面と基板との間で定義されている名目厚さ寸法Tを有し、動作トラック領域内の蛍光体粒子がそれぞれ最大寸法を有し、動作トラック領域内の平均最大寸法がDであり、名目厚さ寸法Tが少なくともN*Dであり、Nが指定された最小値(例えば、2、4など)を有し、Tは指定された最小値(例えば、100μm)を有し、平均最大寸法は指定の最大値(例えば、35μm、50μmなど)を有する。いくつかの実施形態では、寸法Tは70μm未満に制限され得る。いくつかの実施形態では、これらのパラメータに適合する動作トラック領域は、輝度および/または波長安定性の有利なレベルを提供し得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、寸法F以下(例えば、50μm、150μmなど)の間隔が取られた理想的な並列平面の間に適合するように、動作平面が平坦である。
【0015】
いくつかの実施形態では、動作トラック領域が、動作トラック領域に沿って配置された複数の蛍光体サブ領域を有し、蛍光体粒子が、複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含み、隣り合う第1および第2のサブ領域において、第1のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第1の組成比が提供され得、第2のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第2の組成比が提供され得、第1の組成比と第2の組成比が異なる。いくつかの実施形態では、動作表面が、蛍光体サブ領域の間のポケット分割領域によって遮断され、蛍光体保持サブ領域に対応する動作表面部分を有する。あるいは、いくつかの実施形態では、動作表面が、蛍光体サブ領域の連続体と、蛍光体サブ領域に対応する動作表面部分とを有する。
【0016】
いくつかの実施形態では、蛍光体点光源素子は平面を含むウィンドウ要素を更に有し、ここで、動作表面の所望の場所に平面が配置されるように、ウィンドウ要素が、基板に対して一定の関係で配置される。
【0017】
一実施形態では、蛍光体点光源素子は次の方法で製造される。即ち、蛍光体点光源素子の基板と、円形の動作トラック領域に沿って配置される少なくとも1つのキャビティとを提供することから開始される。キャビティは形成要素と基板によって囲まれ、少なくとも1つの形成壁面を備える。一実施形態では、基板は蛍光体粉末(および使用される場合には結合剤)を受け入れる円形の貯蓄層を有する金属製ディスクを含み得る。形成要素は、透明ガラスウィンドウ、または金属板などを含み得る。蛍光体粒子(および使用される場合には結合剤)は、キャビティに配置される。特定の実施形態では、これには、基板内の1つまたは複数の円形の貯蓄層に蛍光体粒子(および使用される場合には結合剤)を置くことを含み得る。次に、蛍光体粒子(および使用される場合には結合剤)は、動作トラック領域の近くに密集状態の粒子配置を提供するために、キャビティの少なくとも1つの形成壁面に押し付けまたは圧縮される。蛍光体粒子は密集状態の粒子配置で固定され、動作トラック領域内の動作トラックに沿って名目上平坦な動作表面を持つように、密集状態の粒子配置が形成される。一実施形態では、所望の圧縮を達成する技法には、反遠心力が必要であり、この場合、蛍光体粒子を形成壁面に押しつけるステップが、基板、形成要素、および蛍光体粒子を回転させることにより生じる力を利用することを含み、回転により、蛍光体粒子が少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置を達成するのに十分な力がもたらされる。基板は、所望の密集状態の粒子配置を生じさせるのに十分な速度(例えば、1,000〜40,000rpm)で回転する。他の実施形態では機械的な圧縮技法を利用できる。プロセス時に液状結合剤が利用されている場合、液状結合剤を硬化させることができる。このプロセスに続き、形成要素を所定の位置に放置することも(いくつかの実施形態で)、または除去することも(他の実施形態で)でき、これにより、可動部材の質量が減少し、および/または動作トラック領域と動作トラック領域から光を収集するのに使用される光システムとの間の光路の長さが短縮される。いくつかの実施形態では、この光路を短縮することにより、以下に詳細に説明する特定の利点が得られる。いくつかの実施形態では、密集状態の粒子配置の動作平面が名目上平坦になるように密集状態の粒子配置を形成するステップが、動作表面が名目上平坦になるように動作平面を機械加工するステップを含む。あるいは、他の実施形態では、密集状態の粒子配置が名目上平坦な動作平面を有するように密集状態の粒子配置を形成するステップが、密集状態の粒子配置を平坦な形成壁面にあてて成形し、次に蛍光体粒子を密集状態の粒子配置で固定し、結果として対応する成形された表面が名目上平坦な動作表面を提供するステップとを含む。
【0018】
いくつかの実施形態では、動作時に、入射光源(例えば、レーザー)は蛍光体点光源素子の動作トラック領域に位置する照射スポットに高輝度の入射光を提供し、これにより、発光蛍光体は、動作トラック領域の発光出射結合領域に含まれる励起された蛍光体スポットまたはトラックから高輝度の出射光を放射する。いくつかの実施形態では、発光出射結合領域は照射スポットの直近に位置する。同時に、稼動部材アクチュエータの動作の場合、動作トラック領域と発光蛍光体領域は照射スポットに対して連続的に移動し(例えば、照射スポットの場所を通り抜けて回転し)、これにより、発光出射結合領域内での高い光束による消光(適用可能な場合)が回避され、蛍光体の寿命が延び、結果として光源構成の全体の動作寿命が延びる。様々な実施形態で、光学的な消光および/または光退色および/または寿命に関する検討事項は、蛍光体材料と関連付けられ、基本的な蛍光体の発光体および/または関連する添加剤および/または結合剤またはカプセル材料の特性に依存し得ることが把握される。いくつかの実施形態では、光源は、CPSまたは他の精密測定装置の代表的な測定レートと同じまたはそれ以上のレートで光源を変調することも可能である。
【0019】
本発明の様々な実施形態は、高輝度光を光ファイバ端に結合するための特にコンパクトで経済的手段を提供するものであることが把握される。このことは、光ファイバの出射端が多くの応用にとってほぼ理想的な(すなわち、非常に小さな寸法を有する)経済的点光源を提供できるという点で、高輝度「理想点源」の恩恵を受ける応用(例えば、CPSアプリケーション、コリメート光プロジェクタなど)において特に価値がある。さらに、様々な実施形態は、点光源から様々なスペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性を備えた様々な波長スペクトルを提供することができる。さらに、本発明は、基板と発光蛍光体を含む動作トラックの運動にもかかわらず非常に安定した輝度出射レベルおよび/または波長を持つ光源を提供する。さらに、様々な実施形態は、点光源から種々のスペクトルを供給する公知の方法に比較して、改良された多用途性と経済性とを備えた種々の波長スペクトルを提供することができる。
【0020】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体は、YAG−Ce+ベースの蛍光体など1つまたは複数(例えば、混合物)の従来の蛍光体材料、または、フォトルミネッセンス半導体ナノ粒子もしくはナノ結晶、Q粒子蛍光体(一般に量子ドットまたは半導体量子ドットと呼ばれる)、酸化亜鉛ナノロッドその他がある。したがって、本明細書で開示される原理にしたがって構成および使用され得る当該および他の任意の適切な発光材料を参照するために、本明細書では「発光蛍光体」という用語が一般に使用されることを理解されたい。
【0021】
上述の態様と本発明の付随する利点の多くは、添付図面と併せると、以下の詳細な説明を参照することによりさらに良く、容易に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に従って形成された蛍光体点光源素子を使用する光源が利用可能な例示的なクロマティックポイントセンサのブロック図である。
【図2】本発明に従って形成された蛍光体点光源素子を含む光源を示す平断面図である。
【図3】ロータリアクチュエータと、図2の蛍光点光源素子の第1の実施形態との分解図である。
【図4A】図3に示した蛍光体点光源素子の基板の正面図、垂直断面図、および背面図である。
【図4B】図3に示した蛍光体点光源素子の基板の正面図、垂直断面図、および背面図である。
【図4C】図3に示した蛍光体点光源素子の基板の正面図、垂直断面図、および背面図である。
【図5A】蛍光体が、図3の蛍光体点光源素子に密集状態の粒子配置で配置される方法を示す。
【図5B】蛍光体が、図3の蛍光体点光源素子に密集状態の粒子配置で配置される方法を示す。
【図6A】蛍光体点光源素子の第2の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図6B】蛍光体点光源素子の第2の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図7A】蛍光体点光源素子の第3の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図7B】蛍光体点光源素子の第3の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図8A】蛍光体点光源素子の第4の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図8B】蛍光体点光源素子の第4の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図9A】蛍光体点光源素子の第5の実施形態において、様々なタイプの蛍光体粒子のポケットを示す水平断面図と垂直断面図である。
【図9B】蛍光体点光源素子の第5の実施形態において、様々なタイプの蛍光体粒子のポケットを示す水平断面図と垂直断面図である。
【図10A】蛍光体点光源素子の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図10B】蛍光体点光源素子の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図10C】蛍光体点光源素子の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11A】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11B】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11C】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図11D】蛍光体点光源素子の第7の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。
【図12A】蛍光体点光源素子の第8の実施形態の密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図12B】蛍光体点光源素子の第8の実施形態の密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図12C】蛍光体点光源素子の第8の実施形態の密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。
【図13】蛍光体点光源素子を形成するための例示的な一般的方法を示すフローチャートである。
【図14A】従来技術に従って形成された蛍光体層内の望ましくない粒子配置を示した断面図である。
【図14B】従来技術に従って形成された蛍光体層内の望ましくない粒子配置を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の内容を紹介するために、図1に関する以下の説明において、本明細書に開示した様々な例示的な実施形態に係る蛍光体点光源素子を使用した光源がクロマティックポイントセンサ(CPS)システムにどのように利用され得るかについて概説する。CPSシステムは光ファイバ照射に対応する光源の恩恵を受ける高性能で高価な測定システムであるということを、理解する必要がある。CPSシステムのパフォーマンスおよび価値については、サンプルレートを高めることにより(例えば、短く大量の高輝度照射により)、ならびに輝度レベルおよび照射波長のスペクトルの再現可能性を高めることにより強化することができる。一般的に言えば、これらの要因のいずれかで無視できない改良を実現し得る光源は、ホストCPSシステムのパフォーマンスおよび価値において無視できない改良を実現し得る。したがって、光源に関する小さな改良であったとしても、それは評価に値する。しかしながら、このような改良された光源は他の精密測定計器(例えば分光計)などの他の様々なシステムでも同等にうまく適用され得るということは当業者にとって明らかである。
【0024】
図1は例示的クロマティックポイントセンサ100のブロック線図である。図1に示すように、クロマティックポイントセンサ100は光学ペン120と電子部160を含む。光学ペン120は入力/出力光ファイバサブアセンブリ105、筐体130および光学系部150を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、取り付け用ねじ110を使用して筐体130の端に取り付けられる取り付け用素子180を含む。入射/出射光ファイバサブアセンブリ105は、入射/出射光ファイバを包む光ファイバケーブル112と光ファイバコネクタ108とを介し入射/出射光ファイバ(図示せず)を受容する。入射/出射光ファイバは約50μmのコア径を有するマルチモードファイバ(MMF)であってよい。入射/出射光ファイバは開口部195を介し出射ビームを出力し、反射された測定信号光を開口部195を介し受光する。
【0025】
クロマティック共焦点センサシステムでは公知のように、動作中、開口部195を介しファイバ端から放射される光は、光学軸OAに沿った焦点が光の波長に依存して異なる距離に存在するように軸方向色分散(axial chromatic dispersion)を与えるレンズを含む光学系部150により焦点を合わせられる。光は加工物表面190上に焦点を合わせられる。加工物表面190で反射すると、反射光は、限界光線LR1とLR2により例示されるように光学系部150により開口部195上に再び焦点を合わせられる。軸方向色分散のために、1つの波長だけが光学ペン100から表面190までの測定距離に一致する結合位置までの距離FDを有することになる。表面190で最も良く焦点を合わせられた波長はまた開口部195において最も良く焦点を合わせられた反射光の波長となる。開口部195は、主に最も良く焦点を合わせられた波長が開口部195を通過して光ファイバケーブル112の芯に入るように反射光を空間的にフィルタする。光ファイバケーブル112は、支配的輝度を有する波長(加工物表面190までの測定距離に対応する)を判断するために利用される波長検出器162へ反射信号光を送る。
【0026】
電子部160は、光ファイバ結合器161、光ファイバ結合器161と波長検出器162間の光ファイバ112B、光ファイバ結合器161と光源164間の光ファイバ112A、信号処理装置166、およびメモリ部168を含む。波長検出器162は、分散素子(例えば格子)が光ファイバケーブル112、光ファイバ結合器161および光ファイバ112Bを介し反射光を受光するとともに分光強度プロフィール結果を検出器アレイ163へ送る、分光計配置を含む。
【0027】
信号処理装置166により制御される光源164は、光ファイバ112Aに結合され、そして光ファイバ結合器161(例えば、2×1光ファイバ結合器)を通って光ファイバケーブル112に結合される。上述のように、光は、焦点距離が光の波長とともに変化するように縦色収差を生成する光学ペン120を伝播する。ファイバを介し最も効率的に返送される光の波長は表面190上に焦点が存在する波長である。検出器アレイ163の測定軸に沿った画素アレイ全体に分散された分光強度プロフィールを受信するとともに対応するプロファイルデータを供給するように動作する波長検出器162に光の約50%が向けられるように、反射された波長依存光は次に光ファイバ結合器161を再び通過する。表面までの測定距離はメモリ部168に格納された距離較正ルックアップテーブルを介し判断される。光源164は、蛍光体をベースとした高輝度光源素子(例えば、以下に詳細を説明する蛍光体点光源素子の1つ)を含むことができる。以下にさらに詳細に説明されるように、このような蛍光体点光源素子は小スペースにおいて光ファイバ端に安定した高輝度光を経済的に結合するのに特に好都合である。したがって、このような光源構成はそれ自体が新規であるだけでなく、光ファイバを含む光路を介し光源を加工物まで運ぶCPSシステム、ある種の分光計システムなどのホストシステムの経済性と有用性を特に高めることができる。
【0028】
図2は、本発明に従って形成された蛍光体点光源素子202を含む光源構成164’を示す平断面図である。光源構成164’は、様々なアプリケーションで使用することができる(例えば、図1に示す光源164のように)。したがって、光源164’は、信号線245を介してホストシステム制御装置166’(例えば、CPS制御装置/信号処理装置)に結合され、光ファイバ112A’(例えば、図1に示す光ファイバ112Aおよび/または112)を介してホストシステム光アプリケーション(例えば光学ペン)に光学的に結合され得る。蛍光体点光源素子を利用する光源が、どのように動作するか、そして係るシステムにどのように結合され得るのかに関するいくつかの様態は、公報‘779号に詳細に説明されている。
【0029】
図2に示すように、光源構成164’は、ロータリアクチュエータ206(例えば、小型の精密回転モータ)を備える可動部材アクチュエータ204に取り付けられる蛍光体点光源素子202を含む。可動部材アクチュエータ204は、必要に応じてリニアアクチュエータ208(例えば、小型の精密リニアモータまたはモータおよび主ネジ)に取り付けることも可能である。図示した実施形態では、蛍光体点光源素子202は、基板270と、動作トラック領域210を含む蛍光領域210’とを有する。図示した実施形態では、蛍光体点光源素子202は軸207の周りを回転し、軸207は、蛍光体点光源素子202の動作トラック領域210の表面に対して略垂直に延在している。いくつかの実施形態では、蛍光体点光源素子202は、およそ10〜75ミリメートルまたはそれ以上の直径を持つことができ、最大で40,000RPMまたはそれ以上の回転数で回転され得る。いくつかの実施形態では、蛍光体点光源素子202は、ウィンドウ要素(図示せず)を含み得、図3を参照して以下に概説するウィンドウ要素211−1などが挙げられる。
【0030】
図2に示す実施形態では、光源構成164’はまた、少なくとも第1の入射光源212と、出射光路光学素子セット220と、光源制御装置265とを備え、当該光源制御装置265は、電源および/または信号線240を介してリニアアクチュエータ208へ、電源および/または信号線241を介してロータリアクチュエータ206へ、電源および/または信号線242を介して第1の入射光源212へ動作可能に結合される。第1の入射光源212は、以下に詳細に説明するように、照射スポット224で蛍光体点光源素子202の動作トラック領域210を照射する入射光L1を提供または生成する。動作トラック領域210は、その名称が示すように、入射光L1によって実際に照射され、出射光L2を実際に放射するトラックである。様々な実施形態では、動作トラック領域210は、より広い発光蛍光体領域(または組成物)210’の一部または略全体を含み得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域210’は、狭帯域光を生成するのに適したタイプの発光蛍光体などを含み得る。いくつかの実施形態では、発光蛍光体領域210’は、広帯域光(例えば、CPSシステムアプリケーションで有用であると考えられる400〜700nm)を生成するのに適したタイプの発光蛍光体またはそのために混合されるタイプの発光蛍光体などを含み得る。例えば、蛍光体混合物は、青色放射蛍光体、緑色放射蛍光体、および/または赤色放射蛍光体の組み合わせを含んでよい。広域帯光の生成に適したタイプの蛍光体混合物については、米国特許第6,255,670号、米国特許第6,765,237号、米国特許第7,026,755号、米国特許第7,088,038号に開示されている。これらの特許は、広帯域光を出射する連続波UV LEDに密に接触または隣接面で接触する蛍光体混合物について記載している。その代わりまたは追加として、広帯域光を生成するのに適したタイプの蛍光体混合物は、米国特許第6,066,861号、米国特許第6,417,019号、および米国特許第6,641,448号に開示される。これらの特許は、連続青色LED光を吸収し広帯域光を出射するYAG−Ce+ベースの蛍光体混合物について記載している。その代わりまたは追加として、広帯域光を生成するのに適するタイプの蛍光体混合物は、米国特許第7,279,832号に開示されるようなサイズが異なる光輝性の半導体ナノ粒子、または米国特許第7,235,792号に開示されるようなナノ結晶材料、または米国特許第7,083,490号に開示されるような半導体ナノ結晶を含み得る。これらの特許は、公報‘832号、公報‘792号、公報‘490号として後で参照する。その代わりまたは追加として、広帯域光を生成するのに適するタイプの蛍光体混合物は、高輝特性を示す酸化亜鉛ナノロッドを開示する米国特許出願公開第20050255629号と白色光源におけるナノ材料/蛍光体ヘテロ構造用のナノ材料として酸化亜鉛ナノロッドを開示する米国特許出願公開第20050208302号とに開示されるような酸化亜鉛ナノロッドをベースにしたナノ構造とを含み得る(これらの公報は、公報‘629号および公報‘302号としてそれぞれ参照する)。
【0032】
光源164’の基本的な動作を簡潔に概説するために、第1の入射光源212は、蛍光体点光源202の動作トラック領域210を照射スポット224で照射する入射光L1を生成するものとする。照射スポット224は、放射光出射結合領域216に対して固定される。光源制御装置265は、照射スポット224にわたる動作トラック領域210の少なくとも1つの速度(例えば、様々な実施形態およびアプリケーションでは、2.5m/s、10m/s、またはさらに50m/s以上)を実現するようにロータリアクチュエータ206を動作させることで、消光を少なくし、動作トラック領域210に沿って、公報‘779号に記載されているような光退色を最小限に抑える。照射スポット224に近接して配置される動作トラック領域210の発光蛍光体は、放射光出射結合領域216に光を放射する。特に、動作トラック領域210のアクティブな発光部は、第1の波長(または波長範囲)を有する入射光L1を吸収し、第1の波長とは異なる第2の波長範囲を有する出射光L2を放射する。いくつかの実施形態では、放射光出射結合領域は、出射光ファイバの端部へ実際に結合される放射光(例えば、ファイバ端214に結合される出射光L2)を生成する領域として定義され得る。放射光が、ホストシステムなどに含まれる未定義の素子に出射される様々な他の実施形態では、放射光出射結合領域は、照射スポット224を取り囲む励起蛍光体スポットと同一の広がりを持つように定義されてもよい。どんな場合でも、放射光出射結合領域216内の出射光L2は、出射光路光学素子セット220(例えば、ファイバ端214と光ファイバ112A’とを含む)へ入射され、ホストシステムへの照射として提供され得る。
【0033】
図2に示す実施形態では、入射光源212は、公報‘779号に概説されているような高輝度短パルスを提供するように制御可能な光発生器218(例えば、KHzまたはMHzのレートでパルス化可能な500mWまたは1Wバイオレットダイオードレーザーなどのレーザー光源)と、強く収束される照射スポット224を実現することが可能な、入射レンズ219Aと219Bを備える入射光路光学素子セット219(これにより、結果として得られる局所的な出射光L2をファイバ端214に効率的に結合させることができる)とを含む。例えば、一部の実施形態では、動作トラック領域210の表面を、ほぼ入射光路光学素子セット219の焦点面FPに位置させることができ、結果として得られる照射スポット224の直径は5〜10μm程度となり得、または、他の実施形態では、照射スポット224の直径は100〜150μm程度となり得る。いくつかの実施形態では、発光動作トラック領域210は、照射スポット224より広く照射スポット224を囲む(例えば、励起スポットの直径が150μm)励起蛍光体スポットから光を放射し得る。
【0034】
図2に示す実施形態では、出射光路光学素子セット220は、ファイバ端214を備える光ファイバ112A’と、レンズ222Aおよびレンズ222Bを備える集光光学系222とを含む。しかしながら、公報‘779に開示されるようないくつかの実施形態では、集光光学系222は省略することができ、出射光L2を直接受光するために、ファイバ端214を発光動作トラック領域210と放射光出射結合領域216とにごく接近させて取り付けることが可能である(いくつかの実施形態では、この距離は100〜300μm以内)。出射光路光学素子セット220が集光光学系222を備える場合、焦点面FPは、入射光路光学素子セット219の当該素子の焦点面FPとなる場合、または集光光学系222の焦点面FPとなる場合、またはその両方となる場合がある。図11Bを参照して以下に詳細に説明されるように、焦点面FPに隣接していない、蛍光体粒子の表面上の点において、集光光学系222の受光角に対応する角度範囲内で放射される光の一部は、出射光路光学素子セット220の限界光線LR1およびLR2から外れるため、出射光路光学素子セット220を介して入射および/または伝達されない。したがって、蛍光体粒子上の点から、焦点を合わせられた出射光路光学素子セット220を介して、実際に出射される光の割合は、焦点面FPから当該点までの距離に依存する。したがって、(例えば、図11Bに示すような従来技術の方法で製造されるような)動作トラック領域210の「平坦でない」蛍光体表面については、図2に示すような、焦点を合わせられた出射光路光学素子セット220を使用する光源内を移動するとき、出射輝度が大きく変動する一因となる。さらに、焦点面FPでも焦点が合わせられる入射光路光学素子セット219を光源が備える場合、動作トラック領域210での結果として得られる照射スポット224内のサイズと平均輝度は、焦点面FPと動作トラック領域210内の蛍光体表面との距離に応じて変化する。これは、(例えば、従来技術の方法で製造されるような)「平坦でない」蛍光体表面での出射輝度変動の一因ともなり得る。
【0035】
したがって、本明細書で開示される様々な実施形態によれば、密集状態の蛍光体粒子の配置496における平坦な動作表面OSは、動作トラック領域210内で実現される。このような密集状態の粒子の平坦な動作表面の場合は、当該表面を、連続する励起蛍光体粒子と入射および/または出射光路の焦点平面FPとの間の距離の変化を大きくすることなしに、照射スポット224を介して回転させることができる。したがって、公知の方法で製造される蛍光体素子とは対照的に、動作トラック領域210内に平坦な動作表面OSを有する蛍光体点光源素子202は、本明細書で開示および請求されるように、図2に示すような光源で使用される場合に、より安定した出射輝度を提供することができ、さらに、(定義された焦点面を持たない、簡単な「光ファイバのみによる」入射および出射光路で構成されたものであっても)公報‘779号に開示される光源実施形態のような移動形の蛍光体点光源素子を使用し得る他の光源実施形態における出射安定性を高めることもできる。
【0036】
図2に示す様々なオプション機能に関して、いくつかの実施形態では、第2の入射光源212’を含めることで、光源164’によって提供可能な光輝度を強めることができる。第2の入射光源212’は、第1の光源212と同様に構成および制御することができる。他の実施形態では、必要に応じて、類似の入射光源を追加してもよい。先述のとおり、いくつかの実施形態ではリニアアクチュエータ208もオプションである。可動部材アクチュエータ204がリニアアクチュエータ208を備える場合、ロータリアクチュエータ206は蛍光体点光源素子202を回転させるように構成および制御されるが、リニアアクチュエータ208は照射スポット224に対して蛍光体点光源素子202を(例えば、1つのトラックで効率の低下あるいは破損が生じた場合に、発光蛍光体領域210’にフレッシュな動作トラック領域210を提供するように半径方向内側に)直線的に移動させるように構成および制御される。より一般的には、リニアアクチュエータ208とロータリアクチュエータ206を組み合わせて使用することにより、照射スポット224は、動作トラック領域210および/または発光蛍光体領域210’の外側エッジと内側エッジとの間で、概ね円軌道および/またはらせん軌道に沿って、発光蛍光体領域210’の動作トラック領域210を横切ることができる。以下に詳細に説明するように、蛍光体領域210’における使用可能な動作トラック領域210の幅は、動作トラック領域210及び蛍光体領域210’を形成するのに使用されるプロセスによってある程度決定され得る。いくつかの実施形態では、リニアアクチュエータ208を省略し、単一の動作トラック領域210を蛍光体領域210’に沿って使用することができる。どんな場合でも、照射スポット224に対する動作トラック領域210の相対運動により、動作トラック領域210は、高輝度の光を持続的に生成することができ、これにより、公報‘779号に概説するように長寿命にわたって高輝度ストローブサイクル(例えば、50μ秒、33μ秒、またはこれ以下の露光時間で)がサポートされる。
【0037】
図3はロータリアクチュエータ206と、図2に示した一般的な蛍光点光源素子202の代わりに使用可能な蛍光体点光源素子202−1の第1の実施形態との分解図である。図3に示すように、蛍光体点光源素子202−1は、基板470と、動作トラック領域210−1を備える蛍光体領域210’−1と、透明ウィンドウ要素211−1とを含む。ウィンドウ要素211−1の全体の平坦度が、以下に概説する様々な実施形態における必要性と一致するように維持され得る場合、ウィンドウ要素211−1は、いくつかの実施形態では現実的な軽さおよび薄さとするのが好ましい(いくつかの実施形態ではおよそ500μm以下の厚さを有する)。いくつかの実施形態では、ウィンドウ要素211−1は、蛍光体領域210’−1を保護および/または支持するものとなり得る。ただし、他の実施形態では、入射および/または出射光ファイバ端を動作トラック領域210−1に近接して配置できるように(例えば、公報‘779号に開示される光源実施形態に説明されるように)、ウィンドウ要素211−1を省略するのが有利である。より一般的に、蛍光体領域210’が本来接着結合剤などによって支持される実施形態では、本明細書のかかる実施形態に示すウィンドウ要素はいずれも省略可能であることを理解されたい。
【0038】
基板470は、製造プレートショルダー478A、蛍光体トラック支持ショルダー410、および取り付け用穴479A、ならびに図4A〜図4Cおよび図5A〜図5Bを参照して以下に説明する他のフィーチャーを含んでよい。図3ではまた、取り付け用ハブ479を示す。この取り付け用ハブ479は、蛍光体点電極素子202−1をロータリアクチュエータ206に取り付けるために、取り付け用穴479Aおよび/または基板470の隣接ショルダーと係合する。しかし、他の実施形態では、基板470は、ロータリアクチュエータ206に基板470を直接取り付け可能にするフィーチャーを備えてもよい。図3において蛍光体領域210’−1と動作トラック領域210−1は独立した素子のように見えるが、これらの素子は、以下に詳細に説明するように製造することができ、様々な実施形態では基板470から距離をおいて位置するための機械的強度または機械的完全性を持たない場合があることを理解されたい。いくつかの実施形態では、蛍光体領域210’−1および動作トラック領域210−1は、以下に詳細に説明するように、蛍光体トラック支持ショルダー410によって形成および支持され得る。組み立ておよび/または製造の後、蛍光体領域210’−1は、蛍光体トラック支持ショルダー410に当接し、および/またはこれに結合され得る、さらに、動作トラック領域210−1は、透明ウィンドウ要素211−1に当接し得る。この透明ウィンドウ要素211−1は、製造プレートショルダー478Aに当接し、これによって支持され得る。前述のように、組み立てられた蛍光体点光源素子202−1は、回転軸207の周りを回転する。蛍光体点光源素子202−1を構成する素子およびこの製造については、図4A〜図4Cおよび図5A〜図5Bを参照しながら以下に詳細に説明する。
【0039】
図4A〜図4Cは、図3に示した基板470の正面図、垂直断面図、および背面図である。図4Aと図4Bによく示したように、基板470は、製造プレートショルダー478A、478B(以下に詳細に説明するように製造プレートなどの形成要素を配置するための平面を区画し得る)、および/またはウィンドウ要素(例えば、図3に示したウィンドウ要素211−1)、および貯蔵層領域471を備える。より具体的には、貯蔵層領域471内においては、製造プレートショルダー478A、478Bの平面から窪んだ部分に円形の溝および/またはショルダーが設けられ、接着結合剤貯蔵層472と、蛍光体貯蔵層474と、蛍光体トラック支持ショルダー410とが含まれる(図5Aと図5Bについて以下に詳細に説明する)。一部のアプリケーションでは高速で回転される場合があるため、基板の軽さおよびバランスが現実的である場合が有利である。したがって、図5Aと図5Bを参照して以下に概説するように、基板470の全体的な平坦度が、特に製造プレートショルダーの領域478Aおよび478Bと蛍光体トラック支持ショルダー410において製造時および製造後に維持される場合、いくつかの実施形態では基板470の背部の材料は(RELIEF領域において)可能な限り除去され得る。
【0040】
図5Aと図5Bは、図4A〜図4Cに示す基板470の貯蔵層領域471(結合剤貯蔵層472と、蛍光体貯蔵層474と、蛍光体トラック支持ショルダー410を有する)を示す断面図であり、動作トラック領域210−1を形成して図3に示す蛍光体点光源素子202−1を提供できるようにする方法を示す。以下に詳細に説明するように、図5Aでは、動作トラック領域210−1の製造準備における蛍光体494および接着結合剤492のそれぞれの貯蔵層への配置と、製造プレートFBAなどの形成要素の配置について示し、一方、図5Bでは、動作トラック領域210−1に平坦で密集した蛍光体粒子の配置を形成する技法が適用された後での製造結果を示す。
【0041】
図5Aに示すように、製造の1ステップとして、接着結合剤492を接着結合剤貯蔵層472に配置することができ、蛍光体494は蛍光体貯蔵層474に配置する。蛍光体494は、任意の適切な発光材料の個々の蛍光体粒子495(例えば、真の蛍光体またはナノ粒子など)を含むことができ、いくつかの実施形態では、蛍光体粒子495が、(例えば、サイズ指定されたメッシュなどを介して粒子をフィルタリングすることにより提供される)制御される最大寸法を有する場合が有利ではあるが、個々の蛍光体粒子495は様々なサイズを有し得る。一般に、接着結合剤貯蔵層472と蛍光体貯蔵層474は、任意の便宜的なサイズと形状を有し得る。しかし、いくつかの実施形態では、それぞれが、保持する材料の所望の製造量に略対応する量を有することが望ましい。
【0042】
製造における別のステップとして、製造プレートFABの平滑表面FABSURFを、平坦な製造プレートショルダー478Aに対して(および製造プレートショルダー478Bが基板470上に含められる場合は製造プレートショルダー478Bに対しても)位置決めし、製造時に所定の位置にクランプおよび結合することができる。この位置では、表面FABSURFは名目上平坦であり、接着結合剤492、蛍光体494、蛍光体トラック支持ショルダー410の上に空間が確保される閉キャビティを提供する。図5Aでこの構成について示したように、蛍光体トラックショルダー410に直近のキャビティは厚さ寸法Tを有し、この寸法は製造プレートショルダー478Aの表面から蛍光体トラック支持ショルダー410が窪む距離に対応する。製造プレートショルダー478Aの側部は外壁410Wを提供し得る。
【0043】
製造における別のステップとして、図5Aに示す素子が、先に概説したように構成される場合、基板470はその中心軸(例えば、図3に示す回転軸207)を中心に高速で回転させることができる。結果として、接着結合剤492と蛍光体494は、それぞれ矢印492Aと矢印494Aとで示されるように、蛍光体トラック支持ショルダー410の方へ流れる。図示した特定の例示的な実施形態では、接着結合剤貯蔵層472と蛍光体貯蔵層474は、外周に沿って傾斜面を有するように示されており、この構造は、内容物が蛍光体トラック支持ショルダー410の方へ流れるように促す際に有利となり得る。回転(および回転によって生じる反遠心力)は、図5Bにほぼ示すように、表面FABSURFと外壁410W(蛍光体トラック支持ショルダー410の近傍にある)に対して蛍光体粒子495が密集状態になるまで回転を維持され得る。回転はまた、接着結合剤492が蛍光体粒子495の間の実質的にすべての空間に浸透し、蛍光体粒子495に挟まれて硬化し、蛍光体粒子が互いにおよび蛍光体トラック支持ショルダー410および外壁410Wに対して所定の位置で結合されるまで維持される。
【0044】
図5Bに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−1(厚さ寸法Tの動作トラック領域210−1を含む)が形成される。ここで、動作トラック領域210−1内の蛍光体粒子は、動作表面OSをもたらす密集状態の粒子配置496内で配置される。動作表面OSは先に概説した表面FABSURFに適合するように、密集状態の粒子配置496内の蛍光体粒子495に力を加えることで製造されている/製造されるため、動作表面OSは表面FABSURFに適合しており/適合し、名目上は平滑である。動作表面OSにおける所望の平坦度および/または滑らかさを実現するのに、表面FABSURFの平坦さおよび/または滑らさが十分でない場合、または、単により便利なまたは信頼できる製造方法が提供されている場合は、動作トラック領域の近傍で密集状態の粒子配置が達成された後で、動作表面OSを機械加工して(例えば、旋削、研磨、粗研磨など)、所望の平坦度および/または滑らかさを実現することができる。動作表面OSの近くで(例えば、内側で)密集状態の粒子配置が達成された後、動作表面OSは表面として機械加工されるため、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の近傍で互いに接触した蛍光体粒子に力を加えることによりもたらされることになる充填配置に実質的に類似している。
【0045】
いくつかの実施形態では、製造プレートFABは、図3を参照して先に概説したウィンドウ要素211−1と一致し得る。前述した製造ステップが完了すると、図5Bに示すオプションのウィンドウ要素211−1を提供するために、製造プレートFABを所定の位置に維持し結合することができる。一つの代替実施形態では、ウィンドウ要素211−1を使用する場合は、接着結合剤492を省略することができ、デバイスの通常動作時の回転によって提供される摩擦および/または反遠心力により、動作時に所望の密集状態の粒子配置496と動作表面OSを維持することができる。他の実施形態では、製造プレートFABは、透明プレートとすることも不透明プレートとすることもでき、接着結合剤が硬化した後では除去することができる。このような実施形態では、製造プレートFABの取り外しを簡単にするために、製造プレートFAB上に初めに接着ボンド抑制剤または離型剤を利用することが望ましいと考えられる。
【0046】
先に概説したように、および図11Aと図11Bを参照して以下にさらに教示されるように、密集状態の粒子配置496の平坦な動作表面OSは、照射スポット224(図2を参照)で回転することができ、この場合、連続した励起蛍光体粒子495と、焦点面FPおよび/または入射および/または出射光路の開口との間に重大な距離変化は発生しない(例えば、いくつかのアプリケーションでは、重大な距離変化は、およそ30〜50μm程度(またはこれ未満)でさえあり得る)。これにより、図2に示すような光源で、または公報‘779号で開示される実施形態で、蛍光体点光源素子が使用される場合は、より安定した出射輝度が提供される。
【0047】
より小さい蛍光体粒子495は、大きな粒子に比べて動作表面OSにより密におよびより均一に充填され、出射輝度の安定性が高まることを理解されたい。いくつかの実施形態では、大きな粒子の周りに密に充填するための小さな粒子が十分に存在する場合、大きな粒子も許容され得る。いくつかの実施形態では、粒子495(略円形とは言えない)は、最大寸法Dで特徴づけすることができる。所望の粒子密度は、いくつかの実施形態では蛍光体粒子495の平均最大寸法Dが動作表面で最大でも100μmである場合、他の実施形態では当該寸法が最大でも50μmである場合、さらに他の実施形態では当該寸法が最大でも35μmである場合に得られる。様々な実施形態では、動作トラック領域における光の均一な吸収および放射を確実にするために、動作トラック領域の厚さ寸法Tが平均最大寸法Dの少なくとも2倍であることが望ましく、平均最大寸法Dの少なくとも4倍であることがより望ましいと考えられる。いくつかの実施形態では、寸法Tは70μm以下に制限され得る。いくつかの実施形態では、粒子495は、動作トラック領域内で粒子495が専有する体積のパーセンテージで特徴づけることができる。粒子495のサイズに範囲がある場合、粒子495の密度は、いくつかの実施形態では動作トラック領域の体積の約75%、他の実施形態では約80%、さらに他の実施形態では約85%となり得る。いくつかの実施形態では、寸法Tが少なくとも100μmであることが望ましいと考えられ、これにより、粒子495および/または接着結合剤492は動作トラック領域に容易に流れ得る。しかし、先に概説した特定の寸法および設計関係は例示的なものに過ぎず、これに限定されるものではないことを理解されたい。
【0048】
いくつかの実施形態では、接着結合剤は、2液混合型硬化接着剤とすることが有利である。他の実施形態では、接着結合剤は、UVもしくは熱硬化結合剤、または他の望ましい材料とすることができる。いくつかの実施形態では、接着結合剤が硬化前に流れるステップ中において、接着結合剤は、1000センチポアズ未満の粘着性を有するのが有利であると考えられ、または500センチポアズ未満、もしくは200センチポアズ未満、もしくは100センチポアズ以下の粘着性を有するのがさらに有利であると考えられる。しかし、製造中に結合剤によって粒子が動作表面の近くに密集状態の粒子配置を取ることができるように、および結合剤が粒子の周りに十分に流れ込んで粒子を所定の位置に所望の密集状態の粒子配置にて結合するように、結合剤が選択される場合、先に概説した結合剤の特性は例示的なものに過ぎず、これに限定されるものではない。
【0049】
図6Aと図6B、図7Aと図7B、図8Aと図8B、図9Aと図9Bは、それぞれ図5Aと図5Bに類似している。前の図の素子と同じまたはこれに類似した素子は、同じ参照番号または同じ接尾辞を有する(つまり、番号9XX、8XX、7XX、6XX、および4XXで、接尾辞XXが一致する)参照番号を参照して示される。同じ接尾辞は、機能的に類似または一致した素子を指定することができ、同様に理解され得る。したがって、図6Aと図6B、図7Aと図7B、図8Aと図8B、図9Aと図9Bの説明では重要な差異のみを示す。
【0050】
図6Aと図6Bは、蛍光体点光源素子202−2の第2の実施形態において密集状態の粒子配置に蛍光体を配置する方法を示す断面図である。図6Aと図6Bの蛍光体点光源素子202−2が、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、蛍光体貯蔵層674から分離された接着結合剤貯蔵層672を備えるのでなく、結合された貯蔵層671を使用して接着結合剤492と蛍光体494の両方を保持する点である。あるいは、蛍光体点光源素子202−2とその派生的な代替実施形態の製造と特徴とについては、蛍光体点光源素子202−1に関する前の説明を使用して同様に理解することができる。
【0051】
図7Aと図7Bは、蛍光体点光源素子202−3の第3の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。図7Aと図7Bの蛍光体点光源素子202−3が、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、ウィンドウ要素211−3がオプションとなっていないこと、および反遠心力を使用して密集粒子配置496を作成するのでなく、機械的圧縮構成が利用される点である。図7Aに示すように、基板770は環状溝777を備える。環状圧縮素子720(例えば、金属製のリング)は、環状溝777にぴったりとフィットする。環状圧縮素子720の上面は、環状溝777の側面と共に、蛍光体貯蔵層774を形成する。環状圧縮素子720の上面はまた、以下に概説するように、蛍光体トラック支持ショルダー710として機能する。
【0052】
製造の一ステップとして、蛍光体494は蛍光体貯蔵層474に配置される。製造の別のステップとして、ウィンドウ要素211−3(平滑な表面FABSURFを持つ製造プレートFABとしての役割も果たす)は、製造時には、表面FABSURFと一緒に、平坦な製造プレートショルダー778Aと778Bに対して位置決めされ、その位置にクランプされるか(例えば、図7Bに示すクランプリング798によって)、接着される。製造の別のステップとして、圧縮力は、圧縮機構730によって(例えば、図7Aと図7Bに示す実施形態では、環状溝777の底部に穴799を通して圧力注入される硬化性の接着剤によって)環状圧縮素子720の底部表面に加えられる。この結果、環状圧縮素子720によってもたらされる蛍光体トラック支持ショルダー710は表面FABSURFに向けて駆動され、この駆動は、図7Bに概略を示したように、表面FABSURFと、環状溝777の側面と、蛍光体トラック支持ショルダー710に対して蛍光体粒子495が密集した状態に詰め込まれるまで継続される。
【0053】
図7Bは、先に概説した製造ステップの結果として、厚さ寸法Tを有する動作トラック領域210−3を含む蛍光体領域210’−3が形成されることを示している。ここで、動作トラック領域210−3内の蛍光体粒子は、動作表面OSを提供する密集状態の粒子配置496にて配置される。動作表面OSは、先に概説したように表面FABSURFと適合するように密集状態の粒子配置496の蛍光体粒子495に力を加えることにより製造されている/製造されるため、動作表面OSは表面FABSURFに適合している/適合し、名目上は平滑である。密集状態の粒子配置496は、製造後、所定の位置に蛍光体トラック支持ショルダー710を固定することにより維持される。例えば、圧縮機構730によってもたらされる力を維持することにより、および/または、環状圧縮要素720を所定の位置に接着することにより(図7Aと図7Bに示す実施形態では、製造時に環状溝777の底部に穴799を通して注入された接着剤を硬化することにより)維持される。
【0054】
図8Aと図8Bは、蛍光体点光源素子202−4の第4の実施形態において密集状態の粒子配置で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。図8Aと図8Bの蛍光体点光源素子202−4は、蛍光体点光源素子202−3に類似しているが、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、ウィンドウ要素211−4がオプションとなっていないこと、密集粒子配置496を作成するために機械的圧縮構成が利用される点である。図8Aに示すように、基板870は環状溝877を備えており、この溝は周囲の環状隆起部の頂点の間に位置する。環状隆起部の頂点は、平坦な平面に製造プレートショルダー878Aと878Bを提供する。環状溝877は、以下に概説するように、蛍光体貯蔵層874と、蛍光体トラック支持ショルダー810として機能する環状溝の床面とを形成する。
【0055】
製造の一ステップとして、蛍光体494は蛍光体貯蔵層874を充填するように配置される。製造の別のステップとして、ウィンドウ要素211−4(平滑な表面FABSURFを有する製造プレートFABとしての役割も果たす)は、充填された蛍光体494を圧縮するために矢印FABAによって示されるように(例えば、ウィンドウ要素211−4を充填された蛍光体494に対して押し付けてねじることにより)押し下げされる。この操作は、ウィンドウ要素211−4が表面FABSURFと共に製造プレートショルダー778Aおよび778Bに押し当てるように配置され、蛍光体粒子495が、表面FABSURF、環状溝877の側面、および蛍光体トラック支持ショルダー810に押し当てられて密集状態となるまで(概略は図8Bを参照)継続される。次に、ウィンドウ要素211−4はその位置にクランプ(例えば、図8Bに示すクランプリング898によって)または接着され、密集状態の粒子配置496が維持される。蛍光体貯蔵層874の外に落ちる残りのまたは余分な蛍光体494は、アクセスホール899を通して吸引または流し出すことができる。
【0056】
図8Bに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−4(厚さ寸法Tの動作トラック領域210−4を含む)が形成される。ここで、動作トラック領域210−4内の蛍光体粒子は、動作表面OSをもたらす密集状態の粒子配置496にて配置される。動作表面OSは先に概説した表面FABSURFに適合するように密集状態の粒子配置496内の蛍光体粒子495に力を加えることで製造されている/製造されるため、動作表面OSは表面FABSURFに適合しており/適合し、名目上は平滑である。
【0057】
図9Aと図9Bは、蛍光体点光源素子202−5の第5の実施形態において、様々なタイプの蛍光体粒子のポケット内に密集状態の粒子配置496で蛍光体を配置する方法を示す水平断面図と垂直断面図である。図9Aは基板970の角切片のみを示す。図9Aに示す角切片のフィーチャーは、360度にわたって続いており、完全なディスク型蛍光体点光源素子202−5を形成することを理解されたい。図9Aと図9Bの蛍光体点光源素子202−5は、蛍光体点光源素子202−1と類似しているが、前述した蛍光体点光源素子202−1と異なる点は、蛍光体貯蔵層が、半径方向に延びるポケット分割領域PDRによって分離される個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pを備えること、およびこの個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pには、円形の動作トラック領域210−5に沿って配置される個々の動作表面部分「OS−X」を設けるために製造された様々な組成比の異なるタイプの蛍光体粒子が個別に充填され得ることである。様々な組成比の蛍光体粒子を用いることにより、個々の蛍光体貯蔵ポケットに対応する個々の動作表面部分「OS−X」(例えば、OS−B)は、隣の動作表面部分(例えば、OS−Cなど)と比較して、異なる波長、または複数の波長および/または波長強度の異なる組み合わせを出射することができる。
【0058】
蛍光体点光源素子202−1と同様に、製造の一ステップとして、接着結合剤(例えば、接着結合剤492)を接着結合剤貯蔵層972に配置し、第1の組成比「A」の異なるタイプの蛍光体粒子を第1の蛍光体貯蔵ポケット974P(または第1の蛍光体貯蔵ポケット974Pセット)に配置し、第2の組成比「B」の異なるタイプの蛍光体粒子を第2の蛍光体貯蔵ポケット974P(または第2の蛍光体貯蔵ポケット974Pセット)に配置し、必要に応じて、所望の蛍光体貯蔵ポケット974Pのすべてに所望の組成比の蛍光体粒子が充填されるまで、追加の組成比についても同様の配置を行うことができる。
【0059】
製造の別のステップとして、製造時に、製造プレートFABの平滑な表面FABSURFは、平坦な製造プレートショルダー978Aとポケット分割領域PDRに押し当てて配置され、その位置でクランプまたは接着され得る。この位置において、表面FABSURFは、名目上は平坦であり、接着結合剤(例えば、接着結合剤492)の上に空間を含む閉キャビティをもたらすとともに、個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pのそれぞれに配置された蛍光体粒子の上に閉空間をもたらす。図9Bに示すように、蛍光体貯蔵ポケット974Pの底部によって提供される蛍光体トラック支持ショルダー910−Pに隣接したキャビティの厚さ寸法Tは、製造プレートショルダー978Aの表面から蛍光体トラック支持ショルダー910−Pが窪んでいる距離に対応する。
【0060】
製造における別のステップとして、様々な素子が先に概説したように構成される場合、基板970はその中心軸(例えば、図9Bに示す回転軸207)を中心に高速で回転させることができる。結果として、接着結合剤と様々な蛍光体組成物は、個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pの外端に向かって流れる。このような回転は、図9Bにほぼ示したように、蛍光体粒子が、表面FABSURFと個々の蛍光体貯蔵ポケット974Pの壁面とに当たって密集状態となることで密集状態の粒子配置が形成され、接着結合剤が蛍光体粒子の間の実質的にすべて空間に浸透し、蛍光体粒子間に挟まれて硬化し、適所で蛍光体粒子が結合されるまで維持される。
【0061】
図9Bに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−5(動作トラック領域210−5を含む)が形成される。ここで、動作トラック領域210−5内の蛍光体粒子は、蛍光体貯蔵ポケット974Pのそれぞれにおいて密集状態の粒子配置496にて配置される。これにより、円形の動作トラック領域210−5に沿って配置される個々の動作表面部分「OS−X」(例えば、OS−A〜OS−Hまでの動作表面部分の繰り返し)を有する平坦な動作表面OSがもたらされる。動作表面部分OS−Xは先に概説した表面FABSURFに適合するように密集状態の粒子配置496内の蛍光体粒子495に力を加えることで製造されている/製造されるため、動作表面部分OS−Xは表面FABSURFに適合しており/適合し、個別にも集合的にも名目上は平滑である。動作表面OSにおける所望の平坦度および/または滑らかさを実現するのに、表面FABSURFの平坦さおよび/または滑らさが十分でない場合、または、単により便利なまたは信頼できる製造方法が提供されている場合は、動作トラック領域の近傍で密集状態の粒子配置が達成された後で、動作表面OS(およびポケット分割領域PDR)を機械加工して(例えば、旋削、研磨、粗研磨など)、所望の平坦度および/または滑らかさを実現することができる。動作表面OSの近くで(例えば、内側で)密集状態の粒子配置が達成された後、動作表面OSは表面として機械加工されるため、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の近傍で互いに接触した蛍光体粒子に力を加えることによりもたらされることになる充填配置に実質的に類似している。
【0062】
特定の実施形態では、蛍光体貯蔵ポケット974Pは、半径方向と垂直である約300μmの寸法を有し得る。様々な波長または波長の組み合わせは、適用された照射スポットでのパワーの制御および同期化に応じて、蛍光体点光源素子202−5から放射され得ることを理解されたい。例えば、公報‘779号では、図7Aと図7Bを参照しながらパワーの制御および同期化に関する適用可能な方法が概説されている。
【0063】
先に概説した実施形態では複数の例を提供している。これらの例では、蛍光体点光源素子の動作表面は、蛍光体点光源素子の基板との組み合わせで閉キャビティを提供する形成要素として平坦な製造プレートまたはウィンドウ要素を使用することにより、所望の平坦度でまたはそれに近い平坦度で動作表面を成形することにより形成され得る。閉キャビティは、少なくとも1つの形成壁面、即ち、蛍光体粒子を強制的に密集状態の粒子配置にするために蛍光体粒子が押し付けられ得る表面を有する。動作表面は、製造プレートまたはウィンドウ要素の平面に当てて成形され得る。任意選択により結合剤を使用する場合、動作表面を機械加工することにより(例えば、フライス削り、旋削、研磨、粗研磨など)、動作表面の平坦度を高めることができる。対照的に、以下に概説する実施形態で提供される例では、蛍光体点光源素子の動作表面の平坦度は、主に動作表面を機械加工することにより実現される。機械加工の前に、様々な実施形態では、形成要素は、蛍光体点光源素子の基板と組み合わせて開キャビティまたは閉キャビティのいずれかを提供する。前の実施形態の場合と同様に、キャビティは、少なくとも1つの形成壁面、即ち、蛍光体粒子を強制的に密集状態の粒子配置にするために蛍光体粒子が押し付けられ得る表面を有する。密集状態の粒子配置が形成されると、動作表面を提供する密集状態の粒子配置を機械加工(例えば、フライス削り、旋削、研磨、粗研磨など)することにより、動作表面の所望の平坦度が実現される。いくつかの実施形態では、形成要素を基板と一体化することができ、名目上平坦な動作表面を形成する機械削り作業により形成要素を削り取ることが可能である。
【0064】
図10A、図10B、および図10Cは、蛍光体点光源素子202−6の第6の実施形態において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。図10A、図10B、および図10Cは、基板1070の角切片のみを示す。図10A、図10B、および図10Cに示す角切片のフィーチャーは、360度にわたって続いており、完全なディスク型蛍光体点光源素子202−6を形成することを理解されたい。図10A、図10B、および図10Cの蛍光体点光源素子202−6は、蛍光体貯蔵層が、半径方向に延びるポケット分割領域PDRによって分離された個々の蛍光体貯蔵ポケット1074Pを備える点において、図9Aと図9Bの蛍光体点光源202−5に類似している。個々の蛍光体貯蔵ポケット1074Pには、円形の動作トラック領域210−6に沿って配置される個々の動作表面部分を設けるために製造された異なる組成比の異なるタイプの蛍光体粒子が個別に充填され得る。ただし、以下に説明するように、個々の蛍光体貯蔵ポケットには蛍光体粒子が充填される。この個々の蛍光体貯蔵ポケットは蛍光体貯蔵ポケット210−5の場合とは異なる方法で形成される。
【0065】
図10Aに示すように、接着結合剤および蛍光体粒子を受け入れるキャビティを形成するために基板1070を形成要素FE−6と合わせることが可能である。図10Aに示す実施形態では、基板1070は、窪んだ矩形貯蔵ポケット1074とその外径ODの近くで隣り合う仕切りを含み、形成要素FE−6は貯蔵ポケット1074と一致する窪みを含む。製造の例示的な一方法では、接着結合剤492は、第1の組成比「A」の異なるタイプの蛍光体粒子495と混合され、結果として生じる混合物は、第1の蛍光体貯蔵ポケット1074P(または、第1の蛍光体貯蔵ポケット1074Pセット)に、さらに必要に応じて追加の組成比に対する蛍光体貯蔵ポケットに対応するキャビティに充填される。この作業はすべての所望のキャビティに所望の組成比の蛍光体粒子が充填されるまで続けられる。一実施形態では、図10Bにおいて破線の輪郭線で示すように、各蛍光体粒子混合物は、対応するキャビティに図示した外径ODのキャビティ開口部を介して充填され、各キャビティ開口部は、シール素子1097を使用して密封される。シール素子1097(例えば、一実施形態では金属製粘着テープ)は、いくつかの実施形態では形成要素として見なされる場合もあるが、蛍光体粒子を各キャビティ内に保持する。シール素子1097は、いくつかの実施形態では(例えば、図10Bについて以下に概説するように、回転時に密集状態の粒子配置を形成するために)、キャビティを閉じて形成壁面を提供する。
【0066】
図10Bに示すように、様々な素子が先に概説したように構成される場合、形成要素のアセンブリと、混合物と、基板1070は、その中心軸を中心に高速で回転され得る。結果として、接着結合剤と様々な蛍光体組成物は、個々の蛍光体貯蔵ポケット1074Pに対応するキャビティの外端に向かって流れる。回転により、蛍光体粒子は、シール素子1097および他のキャビティ壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置496がもたらされる。この回転は、図10Bにほぼ示したように蛍光体粒子が密集状態の粒子配置496を形成し、接着結合剤が蛍光体粒子の間に浸透し、硬化して、適所で蛍光体粒子を結合するまで維持され得る。形成要素FE−6とシール素子1097は除去することが可能である。この場合、形成要素FE−6内の窪みにより、結合剤で基板1070に接着され、対応する蛍光体貯蔵ポケット1074Pの上に延びる固定された密集状態の粒子配置496は残される。
【0067】
図10Cに示すように、密集状態の粒子配置496の結果として得られる構造は機械切削され、動作トラック領域210−6に沿って名目上平坦になるような動作表面OS(例えば、OS−A’、OS−B’、OS−C’、OS−D’、およびOS−E’部分を含む)が得られる。図10Cに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−6が形成され、この領域には動作トラック領域210−6が含まれる。こ
こで、動作トラック領域210−6内の蛍光体粒子は密集状態の粒子配置496にて配置され(例えば、蛍光体貯蔵ポケット1074Pのそれぞれにおいて)、これにより、個々の動作表面部分を含むとともに円形の動作トラック領域210−6に沿って配置される平坦な動作表面OSがもたらされる。図10Cに示す実施形態では、動作表面OSは、機械加工されて名目上平坦になった密集状態の粒子配置496の表面を有する。動作表面が、機械加工された、密集状態の粒子配置の表面を有する追加の実施形態を以下に説明する。
【0068】
図11A、図11B、図11C、および図11Dは、蛍光体点光源素子202−7の第7の実施形態の角切片において密集状態の粒子配置にて蛍光体を配置する方法を示す透視図である。図11A、図11B、図11C、および図11Dの蛍光体点光源素子202−7は、図10A〜図10Cの蛍光体点光源素子202−6にいくつかの点で類似しており、図10と図11の類似した素子は類似した参照番号で表わしている(例えば、基板1070と基板1170は類似した要素である)。蛍光体点光源素子202−7は、蛍光体点光源素子202−6に基づく類推によって大部分を理解することができる。特に、一実施形態では、図11Aで表わす素子、アセンブリ、および製造作業は、図10Bによって表わされるものと類似または一致していると理解され得る。接着結合剤を硬化させ、密集状態の粒子配置496を所定の場所に結合した後で、硬化の前に使用する形成要素FE−7と任意のシール素子は除去することが可能である。この場合、形成要素FE−7内の窪みにより、結合剤で基板1170に接着され、対応する蛍光体貯蔵ポケット1174Pの上に延びる密集状態の粒子配置496は残される。蛍光体点光源素子202−7は、以下に説明する追加のフィーチャーを提供する製造ステップによって形成される。
【0069】
図11Bに示すように、様々な素子が先に概説したように構成されている場合は、シール素子1197(図11Bに図示していない形成要素とみなすことができる)を適用することができ、異なるタイプの蛍光体粒子495’と接着結合剤との追加の混合物は、硬化した密集状態の粒子配置496の上およびその中間において、結果として得られた開キャビティ内に堆積され得る。必要ならば、混合物495’の上に形成要素FE−7’を固定して、閉キャビティを形成することができる。
【0070】
図11Cに示すように、様々な素子が先に概説したように構成されている場合、形成要素のアセンブリ、混合物、および基板1170は、中心軸を中心として再度、高速で回転する。この結果、接着結合剤と蛍光混合物495’は基板1170の外径ODの方へ流れる。回転により、混合物495’内の蛍光体粒子は、シール要素1197と形成要素FE−7’に押し当てられる。この回転は、図11Cにほぼ示したように、蛍光体粒子が密集状態の粒子配置を形成し、接着結合剤が蛍光体粒子の間の実質的にすべて空間に浸透し、硬化し、適所で蛍光体粒子を結合するまで維持される。形成要素FE−7’とシール素子1197は除去することが可能である。この場合、結合剤によって密集状態の粒子配置496と基板1170に接着された固定された密集状態の粒子配置496’は残される。
【0071】
図11Dに示すように、密集状態の粒子配置496および496’の結果として得られる構造は機械切削され、動作トラック領域210−7に沿って名目上平坦になるような動作表面OS(例えば、OS−A”、OS−B”、OS−C”、OS−D”、OS−E”、OS−F”部分を含む)が得られる。図11Dに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、蛍光体領域210’−7が形成され、この領域には動作トラック領域210−7が含まれる。ここで、動作トラック領域210−7内の蛍光体粒子は密集状態の粒子配置496(例えば、蛍光体貯蔵ポケット1174Pのそれぞれにおいて)および496’にて配置され、これにより、円形の動作トラック領域210−7に沿って配置される個々の動作表面部分を含む平坦な動作表面OSがもたらされる。蛍光体点光源素子202−6(動作表面OSが蛍光体貯蔵ポケット1174P間のポケット分割領域PDRによって遮断される)とは対照的に、蛍光体点光源素子202−7の動作表面OSは、蛍光体サブ領域の連続体と、蛍光体サブ領域に対応する動作表面部分とを有する。いくつかの実施形態では、動作表面部分OS−F”は、動作表面部分OS−A”、OS−B”、OS−C”、OS−D”、およびOS−E”より長手方向に細くなることが望ましいと考えられる。この理由として、蛍光体点光源素子202−7が回転するとき、このような動作表面部分OS−F”は他のすべての動作表面部分より頻繁に繰り返され、特定の共有蛍光体混合物に対応する波長で輝度をより頻繁に提供し得ることが挙げられる。代替実施形態では、単一の蛍光体混合物495’ではなく、異なる蛍光体の混合体を、硬化した密集状態の粒子配置496のそれぞれの間のキャビティに充填することができ、図11B〜図11Dを参照して説明した形成作業では、図11Dに示す結果として得られた個別の密集状態の粒子配置496’内で様々な蛍光体波長が生成される。
【0072】
前述した実施形態では、回転及び硬化の前に蛍光体混合物用に閉キャビティが提供されていた。開キャビティ製造構成を以下に説明する。
【0073】
図12A、図12B、および図12Cは、蛍光体点光源素子202−8の第8の実施形態において開キャビティ内に製造されるような密集状態の粒子配置496で蛍光体を配置する方法を示す断面図である。一実施形態では、図12A、図12B、および図12Cの蛍光体点光源素子202−8の断面は、開いている環状貯蔵層またはキャビティの断面とみなすことができ、あるいは、別の実施形態では、円形の動作トラック領域に沿って配置される様々な蛍光体粒子の複数の個別ポケットのうちの1つの断面とみなすことができる。後者の場合、蛍光体点光源素子202−8は、次の点で蛍光体点光源素子202−5と類似している。即ち、蛍光体貯蔵層は、半径方向に延びるポケット分割領域によって分離される個別の蛍光体貯蔵ポケット(例えば、基板1270内のポケット1274P)を含み、蛍光体貯蔵ポケット1274Pを備える個別の蛍光体貯蔵キャビティには、異なる組成比の蛍光体粒子が充填され、当該個別の蛍光体貯蔵キャビティは、円形の動作トラック領域に沿って配置される個別の動作表面部分を提供するように製造され得る。ただし、本実施形態では個々の蛍光体貯蔵キャビティは開キャビティを含み得る。
【0074】
図12Aに示すように、接着結合剤492と蛍光体粒子495を含む混合物を受け入れるための1つまたは複数の開キャビティ1274を備える貯蔵層を形成するために、基板1270は、形成要素FE−8に合わせることも(2つの素子をクランプまたは接着することにより)、形成要素FE−8と一体成形する(例えば、機械加工および/または成形された材料またはステレオリソグラフィー技術で形成された一体成形の材料を使用する)こともできる。図12Aに示す実施形態では、基板1270は、窪んだ矩形貯蔵ポケット1274Pを含み、形成要素FE−8は貯蔵ポケット1274Pと一致する、壁の開口部を含み得る。一実施形態では、図12Aと図12Bに示すように、形成要素FE−8は、製造時に蛍光体混合物が入る形成壁面を含み得る。
【0075】
製造の例示的な一方法では、接着結合剤492と蛍光体粒子495の混合物は開キャビティ1274Aに充填され、必要に応じて追加の組成比については追加の個々のキャビティに同様に充填される。
【0076】
図12Bに示すように、様々な素子が先に概説したように構成される場合、形成要素FE−8のアセンブリと、混合物と、基板1270は、その中心軸(例えば、図12Bに示す回転軸207)を中心に高速で回転され得る。結果として、各キャビティ1274Aでは、接着結合剤492と蛍光体組成物495は、外側の形成壁面OFWと見なされ得る外壁の方へ流れる。回転により、蛍光体粒子はキャビティ1274Aの壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置496がもたらされる。図示した実施形態では、キャビティの半径方向外側の形成壁面OFWは内側に傾斜が付けられ、回転動作時に蛍光体混合物が壁面を上昇し開キャビティから溢れ出るのを防止する。この回転は、図12Bにほぼ示したように蛍光体粒子が密集状態の粒子配置496を形成し、接着結合剤492が蛍光体粒子の間に浸透し、硬化して、蛍光体粒子を適所で結合および基板1270に結合するまで維持され得る。
【0077】
図12Cに示すように、結果として生じる密集状態の粒子配置496の構造は、少なくとも動作表面OSの近辺で機械加工され、結果として、形成要素FE−8は除去され、密集状態の粒子配置496は機械加工されて、動作トラック領域210−8内の動作表面OSに沿って名目上平坦になる。図12Cに示すように、先に概説した製造ステップの結果として、動作トラック領域210−8を含む蛍光体領域210’−8が形成される。ここで、動作トラック領域210−8内の蛍光体粒子はそれぞれ、密集状態の粒子配置496にて配置される(例えば、蛍光体貯蔵ポケット1274Pのそれぞれにおいて)。これにより、円形の動作トラック領域210−8に沿って配置される個々の動作表面部分を有する平坦な動作表面OSがもたらされる。前に示したように、必要に応じて、個々の動作表面部分ではなく、連続した環状蛍光体動作表面OSは、先に概説した方法と類似した方法によって製造され得る。
【0078】
図13は、蛍光体点光源素子を形成するための例示的な一般的方法1300を示すフローチャートである。ブロック1310で、基板が提供される。前述したように、特定の例示的な実施では、基板は蛍光体粒子(および使用される場合は結合剤)を受け入れるための1つまたは複数の円形の貯蔵層を備える円形ディスク(例えば、金属製ディスク)を含んでもよく、あるいは基板は環状トラックに沿って配置される個々の蛍光体組成ポケットを含んでもよい。ブロック1320では、少なくとも1つのキャビティが提供される。キャビティは、蛍光体点光源素子の円形の動作トラック領域に沿って配置される。キャビティは形成要素と基板によって囲まれ、少なくとも1つの形成壁面を有する。いくつかの実施形態では、形成要素は製造プレートを含むことができる。この製造プレートは、任意の所望の材料(例えば、透明ガラスウィンドウや金属など)で製造された名目上平滑なプレートとすることができる。いくつかの実施形態では、形成要素は蛍光体を充填するための窪みまたは開口部を有することができ、キャビティは動作表面の所望の最終平面の上に延在し得る。
【0079】
ブロック1330では、蛍光体粒子はキャビティ内で位置決めされる。前述したように、特定の実施形態では、基板内の1つまたは複数の貯蔵層に蛍光体粒子(および使用する場合は結合剤)を配置し、次いで、基板に対して一定の関係で形成要素を位置決めすることを含み得る(例えば、先に概説したように基板上の他のフィーチャーに対する所望の場所に配置された製造プレートショルダー)。他の実施形態では、これには形成要素と基板との間にすでに形成されているキャビティ内に蛍光体粒子を配置すること、およびシール要素を使用してキャビティを閉じるまたはシールすることが含まれ得る。他の実施形態では、これには、形成要素と基板によって形成された開キャビティ内に蛍光体粒子を配置することが含まれ得る。
【0080】
ブロック1340では、蛍光体粒子は、キャビティの少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、動作トラック領域の近くに密集状態の粒子配置が提供される。前述したように、所望の圧縮を達成する一技法では、基板、形成要素、および蛍光体粒子を十分な速度(例えば、1000〜40000rpm)で回転することによって反遠心力を利用して、所望の密集状態の粒子配置を引き起こす必要がある。ここで、回転により、蛍光体粒子は少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、密集状態の粒子配置を達成するのに十分な力がもたらされる。他の実施形態では、機械的圧縮など、他の圧縮技法が利用され得る。
【0081】
ブロック1350で、蛍光体粒子は密集状態の粒子配置で固定される。いくつかの実施形態では、プロセス中に液状結合剤が利用された場合、液状結合剤は回転前に与えられ、回転中および/または回転後に固める(例えば、硬化させる)ことができるようにする。いくつかの実施形態では、形成要素は、蛍光体粒子が密集状態の粒子配置で固定された後で除去される。前述したように、形成要素を除去する必要がある実施形態では、形成要素に結合剤が接着しないように形成要素上に抑制剤を使用することができる。いくつかの実施形態(例えば、液状結合剤が利用されていない)では、形成要素は一般に透明な製造プレートを含み得る。この製造プレートは、密集状態の粒子配置を支持、保護、および/または維持するために所定の位置に残される。
【0082】
ブロック1360では、密集状態の粒子配置は、動作トラック領域の動作トラックに沿って名目上平坦な動作表面を有するように形成される。いくつかの実施形態では、これには、固定された密集状態の粒子配置の動作表面を機械加工して、その動作表面を名目上平坦にすることを含み得る。他の実施形態では、これには、固定された密集状態の粒子配置を平坦な形成壁面に当てて成形することを含み得る。これにより、対応する成形された表面により名目上平坦な動作表面が提供される。他の実施形態では、これには、平坦な形成壁面(例えば、ウィンドウ)に当てて密集状態の粒子配置を永続的に圧縮することを含み得る。これにより、対応する圧縮された表面により名目上平坦な動作表面が提供される。
【0083】
図14Aと図14Bは、米国特許第7,354,785号の図3Cと図3Dにも示されるような従来技術に従って形成された蛍光体層内の粒子配置を示した断面図である。図14Aは、ウェットポリマー溶媒組成27で懸濁され、概ね無作為に配置されている蛍光体粒子26を示す。発光層25の蛍光体インクは、スクリーン印刷、バーコーティング、または様々なフィルムアプリケータによって1つの層または複数の層に堆積される。絶縁層20に関する詳細は、本議論とは関連がない。発光層を敷くための技法の例については、公報‘789号に以下のように説明されている。インクは、重量にしてCR−S10%およびCR−u1.1%と、DMF33.3%と、GG4355.55%で作成される。これは、フィルムアプリケータ(Braive InstrumentsのBird Applicator)技法によって、約80〜110μmの湿潤厚さの絶縁層に適用される。適用後、基板をプリンタから取り出して乾燥させる。
【0084】
図14Bは低温乾燥後の発光層を示す、ここで大部分の溶剤が蒸発しており、量が減った乾燥結合剤28が残される。初期の低温乾燥後、発光層25の上面25aは起伏のある面として図示されている。低温乾燥後の発光層の起伏の程度は、複数の要因によって決定され、例えば、樹脂に対する蛍光体粒子の量などが挙げられる。
【0085】
図14Bはまた、図2に示す焦点面FPに対応し得る焦点面FPを示す。これは、図2に示すように、入射光路光学素子セット219の素子の焦点面FP、出射光路222の素子の焦点面FP、またはその両方となり得る。図14Bに概略的に示したように、焦点面FPに近い、蛍光体粒子の表面上の点については(例えば、蛍光体粒子30の場合のように)、出射光路(例えば、出射光路222)の素子の受光角AA内で放射される光線は、例えば、出射光路の限界光線LR1とLR2との間の光L2について図示したように、出射光路に入射される。対照的に、焦点面FPに近くない、蛍光体粒子の表面上の点については(例えば、蛍光体粒子31の場合のように)、出射光路の素子の同じ受光角AA内で放射される光のいくつかは、例えば、出射光路の限界光線LR1とLR2の外側のクロスハッチング領域に示される光LVとして図示したように、出射光路に入射されない。したがって、焦点を合わせた出射光路を介して蛍光体粒子上の点から実際に出射される光の割合は、当該出射光路の焦点面FPと当該点との間の距離に依存する(例えば、光L2の輝度は光L2’の輝度と同じでない)。一部の光源は、焦点面FPからのそのような偏差に対して非常に高い感度を示し得ることを理解されたい。例えば、図2に示す光源の例示的な一実施形態では、50umのファイバに光を集めるとき出射光路220のフィールド深度は約20umとなり得る。これは、焦点面FPからの20umの粒子偏差が重大な輝度の変化を引き起こし得ることを示唆するものである。いくつかの実施形態では、発光蛍光体粒子の寸法が約20μmとなり得ることを理解されたい。したがって、少なくともこのような理由により、図14Bに示すような、従来技術の方法で製造された「起伏のある」蛍光体粒子の場合は、図2に示すような焦点が合わされた出射光路を使用する光源内を移動するとき、重大な出射輝度の変動の一因となり得る。光源の入射光路もまた焦点面FPで焦点が合わされる場合、結果として得られる照射点(例えば、図2に示す照射点224)でのそのサイズと平均輝度は、照射される蛍光体表面と焦点面との距離に応じて変化し、このことは、従来技術の方法によって製造される「起伏のある」蛍光体表面での出射輝度の変動の一因ともなり得ることを理解されたい。
【0086】
図14Aと図14Bに示すような公報’785号の従来技術の蛍光体製造技法とは対照的に、本明細書で開示および請求される種々実施形態によれば、密集状態の粒子配置496の平坦な動作表面OSが達成される。密集状態の粒子の動作表面がこのように平坦ならば、励起された蛍光体粒子の連続と入射および/または出射光路との距離に重大な変化が生じることなく照射スポット224を介して、表面を回転することができる。したがって、あらかじめ知られている方法によって製造された蛍光体プレートとは対照的に、本明細書で開示および請求される平坦な動作表面を持つ蛍光体素子は、図2に示すような光源で使用される場合より安定した出射輝度を提供する。
【0087】
本発明の様々な例示的な実施形態を図示および説明したが、図示および説明したフィーチャーの配置と作業シーケンスにおける多くの変形例は、この開示に基づけば当業者には明らかである。例えば、蛍光体点光源202の形状および/または構成は、軸を中心に回転するホイールタイプの構成に限定されるものでなく、軸を中心に回転し得る他の任意の形状および/または入射と出射光の位置に対して直線的に移動され得る任意の他の形状(例えば、往復式蛍光体点光源素子)を挙げることができる。さらに、先に概説した様々な例示的な寸法は、小さな光ファイバ直径、コンパクトな構造、および非常に短いパルス期間から恩恵を受けるシステムに特に適していることを理解されたい。しかし、他のシステムでは、先に概説した寸法以外の寸法を使用することができることを理解されたい。したがって、本明細書における教示による様々な変更は本発明の趣旨および範囲を逸脱することなく先に概説された様々な特定の実施形態に対しなし得るということが理解される。
【符号の説明】
【0088】
112、112A、112A’・・・光ファイバ、 160・・・電子部分、 162・・・波長検出器、 163・・・検出器アレイ、 164・・・光源、 166・・・信号処理装置、 166’・・・ホストシステム制御装置、 168・・・メモリ部、 202・・・蛍光体点光源素子、 202−1〜8・・・蛍光体点光源素子、 204・・・可動部材アクチュエータ、 206・・・ロータリアクチュエータ、 207・・・軸、 208・・・リニアアクチュエータ、 210・・・動作トラック領域、 212・・・第1の入射光源、 214・・・ファイバ端、 216・・・放射光出射結合領域、 219・・・入射レンズ、 220・・・出射光路光学素子セット、 222・・・集光光学系、 224・・・照射スポット、 240・・・電源および/または信号線、 242、245・・・信号線、 265・・・光源制御装置、 270・・・基板、 210’・・・発光蛍光体領域、 210’−1〜8・・・蛍光体領域、 210−1〜8・・・動作トラック領域、 211−1・・・透明ウィンドウ要素、 211−3、4・・・ウィンドウ要素、 212’・・・第2の入射光源、 219A、B・・・入射レンズ、 222A、B・・・レンズ、 410・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 470・・・基板、 471・・・貯蔵層領域、 472・・・接着結合剤貯蔵層、 474・・・蛍光体貯蔵層、 479・・・取り付け用ハブ、 492・・・接着結合剤、 494・・・蛍光体、 495・・・蛍光体粒子、 496・・・密集状態の粒子配置、 410W・・・外壁、 478A・・・製造プレートショルダー、 479A・・・取り付け用穴、 492A、494A・・・矢印、 495’・・・蛍光体粒子、 496’・・・密集状態の粒子配置、 672・・・接着結合剤貯蔵層、 674・・・蛍光体貯蔵層、 710・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 720・・・環状圧縮素子、 730・・・圧縮機構、 770・・・基板、 774・・・蛍光体貯蔵層、 777・・・環状溝、 798・・・クランプリング、 799・・・穴、 778A、778B・・・製造プレートショルダー、 810・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 870、970、1070、1170、1270・・・基板、 898・・・クランプリング、 899・・・アクセスホール、 974P、1074P、1174P・・・蛍光体貯蔵ポケット、 1097・・・シール素子、 1274P・・・窪んだ矩形貯蔵ポケット、 878A、878B、978A・・・製造プレートショルダー、 910−P・・・蛍光体トラック支持ショルダー、 AA・・・受光角、 FAB・・・製造プレート、 FABA・・・矢印、 FABSURF・・・表面、 FD・・・測定距離、 FE−6、7、7’、8・・・形成要素、 FP・・・焦点面、 L1・・・入射光、 L2・・・出射光、 L2’・・・光、 LR1、2・・・限界光線、 LV・・・光、 OD・・・外径、 OS・・・動作表面、 PDR・・・ポケット分割領域、 T・・・キャビティの厚さ寸法、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光体点光源素子であって、前記蛍光体点光源素子上の動作トラックから蛍光体を放射する高輝度点光源を提供するよう回転され、
基板と、
前記基板によって支持され前記基板上の円形の動作トラック領域に配置される発光蛍光体と、
を有しており、
前記発光蛍光体は蛍光体粒子を含み、
前記動作トラック領域は、前記発光蛍光体を励起するよう照射されることが可能な動作表面を含み、
前記動作トラック領域内の前記蛍光体粒子は、前記動作表面に隣接する位置に固定される密集状態の粒子配置で配置され、および
前記動作表面は前記密集状態の粒子配置の表面を含むとともに、名目上平坦になるように形成され、前記密集状態の粒子配置は、前記動作トラック領域の近くで前記蛍光体粒子を互いに押し付けることにより提供されることになる充填配置に実質的に類似している、蛍光体点光源素子。
【請求項2】
前記密集状態の粒子配置が、前記蛍光体粒子の間に入り込み前記蛍光体粒子を互いに結合する結合剤を有する、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項3】
前記動作表面が、前記密集状態の粒子配置の機械加工された表面を含む、請求項2に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項4】
前記動作表面が、前記密集状態の粒子配置の成形された表面を含む、請求項2に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項5】
前記動作トラック領域が、前記動作表面と前記基板との間で定義されている名目厚さ寸法Tを有し、前記蛍光体粒子が、前記動作トラック領域の体積の少なくとも75%を占有する、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項6】
Tが少なくとも100μmである、請求項5に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項7】
前記動作トラック領域が、前記動作表面と前記基板との間で定義される名目厚さ寸法Tを有し、前記動作トラック領域内の前記蛍光体粒子がそれぞれ最大寸法を有し、前記動作トラック領域の前記平均最大寸法がDであり、前記名目厚さ寸法Tが少なくともN*Dであり、Nが少なくとも2である、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項8】
Nが少なくとも4である、請求項7に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項9】
前記平均最大寸法Dが最大でも35μmである、請求項7に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項10】
前記動作表面が、寸法Fの間隔が取られた理想的な並列平面の間に適合するように前記動作表面が平坦であり、Fが最大でも150μmである、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項11】
Fが最大でも50μmである、請求項10に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項12】
前記動作トラック領域が、前記動作トラック領域に沿って配置された複数の蛍光体サブ領域を有し、
前記蛍光体粒子が、複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含み、
隣り合う第1および第2のサブ領域において、前記第1のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第1の組成比が提供され、前記第2のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第2の組成比が提供され、前記第1の組成比と前記第2の組成比が異なる、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項13】
前記動作表面が、前記蛍光体サブ領域の間のポケット分割領域によって遮断され、前記蛍光体保持サブ領域に対応する動作表面部分を有する、請求項12に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項14】
前記動作表面が、蛍光体サブ領域の連続体と、前記蛍光体サブ領域に対応する動作表面部分とを有する、請求項12に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項15】
平面を含むウィンドウ要素を更に有し、前記動作表面の所望の場所に前記平面が配置されるように、前記ウィンドウ要素が、前記基板に対して一定の関係で配置される、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項16】
蛍光体点光源素子を形成するための方法であって、前記蛍光体点光源素子は、前記蛍光体点光源素子上の動作トラックから蛍光体を放射する高輝度点光源を提供するよう回転され、かつ基板を備え、発光蛍光体が蛍光体粒子を備え、
当該方法は、
前記蛍光体点光源素子の前記基板を提供するステップと、
前記蛍光体点光源素子の円形の動作トラック領域に沿って配置される少なくとも1つのキャビティを提供するステップであって、前記キャビティは形成要素と前記基板によって囲まれ、少なくとも1つの形成壁面を備えるステップと
前記キャビティ内に蛍光体粒子を位置決めするステップと、
前記蛍光体粒子を前記キャビティの前記少なくとも1つの形成壁面に押し付けて、前記動作トラック領域の近くに密集状態の粒子配置を提供するステップと、
前記密集状態の粒子配置で前記蛍光体粒子を固定するステップと、
前記密集状態の粒子配置が前記動作トラック領域内の前記動作トラックに沿って名目上平坦な動作表面を持つように、前記密集状態の粒子配置を形成するステップと、を有する方法。
【請求項17】
前記蛍光体粒子を前記形成壁面に押し付けるステップが、前記基板、前記形成要素、および前記蛍光体粒子を回転させることにより生じる力を利用することを含み、前記回転により、前記蛍光体粒子が前記少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、前記密集状態の粒子配置を達成するのに十分な力がもたらされる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記密集状態の粒子配置の動作表面が名目上平坦になるように前記密集状態の粒子配置を形成するステップが、前記動作表面が名目上平坦になるように前記動作平面を機械加工することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記密集状態の粒子配置の動作表面が名目上平坦になるように前記密集状態の粒子配置を形成するステップが、前記密集状態の粒子配置を平坦な形成壁面に当てて成形することと、前記蛍光体粒子を前記密集状態の粒子配置で固定することを含み、結果として前記対応する成形された表面が前記名目上平坦な動作表面を提供する、請求項16に記載の方法。
【請求項1】
蛍光体点光源素子であって、前記蛍光体点光源素子上の動作トラックから蛍光体を放射する高輝度点光源を提供するよう回転され、
基板と、
前記基板によって支持され前記基板上の円形の動作トラック領域に配置される発光蛍光体と、
を有しており、
前記発光蛍光体は蛍光体粒子を含み、
前記動作トラック領域は、前記発光蛍光体を励起するよう照射されることが可能な動作表面を含み、
前記動作トラック領域内の前記蛍光体粒子は、前記動作表面に隣接する位置に固定される密集状態の粒子配置で配置され、および
前記動作表面は前記密集状態の粒子配置の表面を含むとともに、名目上平坦になるように形成され、前記密集状態の粒子配置は、前記動作トラック領域の近くで前記蛍光体粒子を互いに押し付けることにより提供されることになる充填配置に実質的に類似している、蛍光体点光源素子。
【請求項2】
前記密集状態の粒子配置が、前記蛍光体粒子の間に入り込み前記蛍光体粒子を互いに結合する結合剤を有する、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項3】
前記動作表面が、前記密集状態の粒子配置の機械加工された表面を含む、請求項2に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項4】
前記動作表面が、前記密集状態の粒子配置の成形された表面を含む、請求項2に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項5】
前記動作トラック領域が、前記動作表面と前記基板との間で定義されている名目厚さ寸法Tを有し、前記蛍光体粒子が、前記動作トラック領域の体積の少なくとも75%を占有する、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項6】
Tが少なくとも100μmである、請求項5に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項7】
前記動作トラック領域が、前記動作表面と前記基板との間で定義される名目厚さ寸法Tを有し、前記動作トラック領域内の前記蛍光体粒子がそれぞれ最大寸法を有し、前記動作トラック領域の前記平均最大寸法がDであり、前記名目厚さ寸法Tが少なくともN*Dであり、Nが少なくとも2である、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項8】
Nが少なくとも4である、請求項7に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項9】
前記平均最大寸法Dが最大でも35μmである、請求項7に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項10】
前記動作表面が、寸法Fの間隔が取られた理想的な並列平面の間に適合するように前記動作表面が平坦であり、Fが最大でも150μmである、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項11】
Fが最大でも50μmである、請求項10に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項12】
前記動作トラック領域が、前記動作トラック領域に沿って配置された複数の蛍光体サブ領域を有し、
前記蛍光体粒子が、複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含み、
隣り合う第1および第2のサブ領域において、前記第1のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第1の組成比が提供され、前記第2のサブ領域では1つまたは複数の化学的に異なるタイプの蛍光体粒子を含む第2の組成比が提供され、前記第1の組成比と前記第2の組成比が異なる、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項13】
前記動作表面が、前記蛍光体サブ領域の間のポケット分割領域によって遮断され、前記蛍光体保持サブ領域に対応する動作表面部分を有する、請求項12に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項14】
前記動作表面が、蛍光体サブ領域の連続体と、前記蛍光体サブ領域に対応する動作表面部分とを有する、請求項12に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項15】
平面を含むウィンドウ要素を更に有し、前記動作表面の所望の場所に前記平面が配置されるように、前記ウィンドウ要素が、前記基板に対して一定の関係で配置される、請求項1に記載の蛍光体点光源素子。
【請求項16】
蛍光体点光源素子を形成するための方法であって、前記蛍光体点光源素子は、前記蛍光体点光源素子上の動作トラックから蛍光体を放射する高輝度点光源を提供するよう回転され、かつ基板を備え、発光蛍光体が蛍光体粒子を備え、
当該方法は、
前記蛍光体点光源素子の前記基板を提供するステップと、
前記蛍光体点光源素子の円形の動作トラック領域に沿って配置される少なくとも1つのキャビティを提供するステップであって、前記キャビティは形成要素と前記基板によって囲まれ、少なくとも1つの形成壁面を備えるステップと
前記キャビティ内に蛍光体粒子を位置決めするステップと、
前記蛍光体粒子を前記キャビティの前記少なくとも1つの形成壁面に押し付けて、前記動作トラック領域の近くに密集状態の粒子配置を提供するステップと、
前記密集状態の粒子配置で前記蛍光体粒子を固定するステップと、
前記密集状態の粒子配置が前記動作トラック領域内の前記動作トラックに沿って名目上平坦な動作表面を持つように、前記密集状態の粒子配置を形成するステップと、を有する方法。
【請求項17】
前記蛍光体粒子を前記形成壁面に押し付けるステップが、前記基板、前記形成要素、および前記蛍光体粒子を回転させることにより生じる力を利用することを含み、前記回転により、前記蛍光体粒子が前記少なくとも1つの形成壁面に押し付けられ、前記密集状態の粒子配置を達成するのに十分な力がもたらされる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記密集状態の粒子配置の動作表面が名目上平坦になるように前記密集状態の粒子配置を形成するステップが、前記動作表面が名目上平坦になるように前記動作平面を機械加工することを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記密集状態の粒子配置の動作表面が名目上平坦になるように前記密集状態の粒子配置を形成するステップが、前記密集状態の粒子配置を平坦な形成壁面に当てて成形することと、前記蛍光体粒子を前記密集状態の粒子配置で固定することを含み、結果として前記対応する成形された表面が前記名目上平坦な動作表面を提供する、請求項16に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図9A】
【図9B】
【図10A】
【図10B】
【図10C】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【公開番号】特開2012−18162(P2012−18162A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−140022(P2011−140022)
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月24日(2011.6.24)
【出願人】(000137694)株式会社ミツトヨ (979)
【Fターム(参考)】
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