説明

C5A受容体調節因子としての置換テトラヒドロイソキノリン

式Iの置換テトラヒドロイソキノリンが提供される。このような化合物はインビボおよびインビトロでC5a受容体活性を調節するために用いることができるリガンドであり、ヒト、家庭内コンパニオンアニマルおよび家畜動物の病的C5a受容体活性化に関連する状態の治療において特に有用である。このような障害の治療においてこれらを用いるための薬学的組成物および方法、ならびに受容体の位置特定試験においてそのようなリガンドを用いる方法が提供される。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は一般に、哺乳動物補体C5a受容体の調節因子として作用する置換テトラヒドロイソキノリン、ならびに様々な炎症および免疫系障害を治療するためのそのような化合物の使用に関する。本発明はさらに、C5a受容体の位置を特定するプローブとしてのそのような化合物の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
74アミノ酸のペプチドであるC5aは、補体カスケードにおいて補体C5コンバターゼ酵素による補体蛋白質C5の切断により生成される。C5aはアナフィラトキシン作用(例えば、気管支収縮および血管痙縮作用)および走化作用の両方を有する。したがって、これは炎症反応の血管相および細胞相両方を発生させる際に作用する。これは血漿蛋白質であり、したがって一般には刺激誘因部位でほぼ即座に生じうるため、初期炎症刺激の増強および増幅を引き起こす一連の複雑な事象の開始に関する主要なメディエーターである。C5aペプチドのアナフィラトキシン作用および走化作用は、ペプチドのC5a受容体(CD88抗原)、すなわち52kDaの膜結合G蛋白質共役型受容体(GPCR)との相互作用を通じて仲介されると考えられている。C5aは多核白血球に対する強力な化学遊走物質で、好中球、好塩基球、好酸球および単球を炎症および/または細胞損傷部位に集める。C5aは多様な炎症細胞型に対して知られている最も強力な走化性物質の一つである。C5aはまた、好中球の様々な抗菌機能(例えば、食作用)を「誘導」または準備する。加えて、C5aは顆粒球からの炎症メディエーター(例えば、ヒスタミン、TNF-α、IL-1、IL-6、IL-8、プロスタグランジン、およびロイコトリエン)の放出ならびにリソソーム酵素および他の細胞毒性成分の放出を刺激する。その他の作用の中でも特に、C5aは活性酸素ラジカルの産生および平滑筋の収縮も促進する。
【0003】
多くの実験的証拠により、いくつかの自己免疫疾患や、炎症および関連障害におけるC5aレベルの上昇が示されている。
【0004】
C5aのその受容体への結合を阻害する物質、C5a-受容体相互作用に関与するシグナル伝達を調節する、逆アゴニストを含む他の物質は、そのような炎症および自己免疫状態に寄与するアナフィラトキシン活性に関与する、走化性を含む病原性事象を阻害することができる。
【発明の開示】
【0005】
発明の概要
本発明は、C5a受容体の調節因子である、置換テトラヒドロイソキノリンおよび関連化合物を提供する。そのような調節因子は、好ましくは、C5a受容体活性化および/またはC5a受容体仲介シグナル伝達を阻害する。特定の局面において、本明細書において提供される化合物およびその薬学的に許容される塩は式Iによって特徴付けられる:

(式中、xは1、2または3である)。
【0006】
式Iにおいて、Rはハロゲン、ヒドロキシ、任意で置換されたアルコキシ、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、任意で置換されたモノおよびジアルキルアミノ、任意で置換されたハロアルキル、ならびに任意で置換されたハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0007】
R1はアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、(アリール)アルキル、(ヘテロアリール)アルキル、およびインダニル(これらはそれぞれ任意で置換されている)から選択される。
【0008】
R2、R3および各出現時のR4は水素、ハロゲン、任意で置換されたアルキル、および任意で置換されたアルコキシから独立に選択される。
【0009】
R5およびR6は(i)水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノ;ならびに(ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ならびにモノおよびジ(アルキル)アミノ(これらはそれぞれ任意で置換されている)から独立に選択される。
【0010】
R7は(a)(i)水素;または(ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシもしくはアリールアルキル(これらはそれぞれ任意で置換されている)であり;かつAr1は(i)フェニル、ナフチル、ビフェニル、または複素環(これらはそれぞれ任意で置換されている)であるか;または(ii)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子はN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子は炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合した、任意で置換されたフェニルであるか、
または
R7は(b)Ar1ならびにR7およびAr1が結合している炭素原子と一緒になって、任意で置換された式

(式中、pが1から約3の整数である)の基を形成する。
【0011】
Ar2は(i)任意で置換されたアリールまたは(ii)5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の環ヘテロ原子を有する、任意で置換されたヘテロアリールである。
【0012】
特定の局面において、前述の化合物は標準のC5a受容体仲介走化性アッセイ法、放射性リガンド結合アッセイ法、またはカルシウム動員アッセイ法において1μM、500nM、200nM、100nM、50nM、25nM、10nMまたは5nM以下のIC50値を示す。好ましいC5a受容体は、クローニングされ、組換え発現された受容体、または天然に発現された受容体のいずれかであってもよい、哺乳動物受容体である。特定の態様において、C5a受容体は、ヒトC5a受容体を含む霊長類C5a受容体である。特定の態様において、本明細書に記載のC5a受容体調節因子は、ヒトC5a受容体に対して非霊長類C5a受容体よりも高い親和性を示す。例えば、特定の態様において、式Iの化合物はヒトC5a受容体に対してほとんどまたはすべての非霊長類C5a受容体の5倍または10倍高い親和性を示す。
【0013】
本発明の特定の局面は、C5a受容体に特異的に結合し、また好ましくは標準のC5a受容体仲介走化性アッセイ法、放射性リガンド結合アッセイ法、カルシウム動員アッセイ法において1μM、500nM、200nM、100nM、50nM、25nM、10nMまたは5nM以下のIC50値を示す、前述の式Iの化合物を目的とする。
【0014】
本発明はさらに、特定の態様において、GTP結合アッセイ法で5%未満のアゴニスト活性を示す式Iの化合物を提供する。
【0015】
本発明はさらに、他の局面において、少なくとも一つの前述の化合物または塩(またはそのプロドラッグもしくは水和物)を生理的に許容される担体または賦形剤との組み合わせで含む薬学的組成物を提供する。
【0016】
本発明は、さらなる局面において、C5a受容体調節に反応性の状態を患う患者(例えば、ヒトまたは家庭内のコンパニオンアニマルもしくは家畜などのヒト以外の動物)を治療する方法を提供する。そのような方法は一般に、患者に少なくとも一つの前述の化合物または塩のC5a受容体調節量を投与する段階を含む。例えば、本発明は抗炎症治療または免疫治療を必要とする患者を本発明の化合物の有効量、例えば、化合物(またはプロドラッグの場合にはその活性代謝物)の血漿濃度を生じるのに十分な、またはインビトロで白血球(例えば、好中球)の走化性を阻害するのに十分高い、本発明の化合物の量で治療する方法を含む。そのような状態を患うヒト、家庭内コンパニオンアニマル(ペット)または家畜の、本発明の化合物の有効量での治療が、本発明によって企図される。いかなる特定の種の非ヒト動物も治療するために、その特定の種のC5a受容体に対して高い親和性を示す化合物が好ましい。
【0017】
さらなる局面において、細胞C5a受容体のシグナル伝達活性を阻害する方法であって、C5a受容体を発現する細胞を少なくとも一つの前述の化合物または塩の有効量と接触させる段階を含む方法が提供される。そのような接触はインビボまたはインビトロのいずれで起こってもよい。特定の態様において、阻害されるシグナル伝達活性はカルシウムコンダクタンスである。他の態様において、阻害されるシグナル伝達活性はC5a受容体が仲介する細胞走化性で、方法は哺乳動物白血球を前述の化合物または塩のC5a受容体調節量と接触させる段階を含む。
【0018】
他の局面において、C5aのC5a受容体への結合を阻害する方法がさらに提供される。特定のそのような局面において、阻害はインビトロで起こる。そのような方法は、C5a受容体を少なくとも一つの前述の化合物または塩と、受容体へのC5aの結合を検出可能な程度に阻害するのに十分な条件下、および量で接触させる段階を含む。他のそのような局面において、C5a受容体は患者体内にある。そのような方法は、患者内のC5a受容体を発現する細胞を少なくとも一つの前述の化合物または塩と、インビトロでクローニングされたC5a受容体を発現する細胞へのC5aの結合を検出可能な程度に阻害するのに十分であると考えられる濃度で接触させる段階を含む。
【0019】
特定の局面において、前述の化合物は検出可能なマーカーによる標識(例えば、放射能標識またはフルオレセイン結合)も行う。本発明は、適当に標識された本発明の化合物を受容体、特にC5a受容体の位置を特定するプローブとして、例えば組織切片中(例えば、オートラジオグラフィにより)またはインビボ(例えば、ポジトロン放射型断層撮影法(PET)または単一ポジトロン放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)走査および画像法により)で用いる方法を提供する。
【0020】
別の局面において、本発明は本発明の化合物を放射性リガンド結合、カルシウム動員、およびC5a仲介走化性アッセイ法などの受容体活性についてのアッセイ法における陽性対照として用いる方法を提供する。
【0021】
本発明はさらに、(a)容器中の本明細書に記載の薬学的組成物;および(b)C5a受容体調節に反応性の一つまたは複数の状態を治療するために組成物を用いるための説明書を含む、包装された薬学的製剤を提供する。
【0022】
さらにもう一つの局面において、本発明は本明細書において開示される、中間体を含む化合物の調製法を提供する。
【0023】
本発明のこれらおよび他の局面は、下記の詳細な説明を読めば明らかになると思われる。
【0024】
発明の詳細な説明
化学的説明および用語
本発明の化合物は一般に標準の命名法を用いて記載する。
【0025】
本明細書において用いられる「置換テトラヒドロイソキノリン」なる用語は、本明細書の式I、IA、II、IIA、III、IV、V、VI、VII、VIII、IXおよびXの一つまたは複数を満足するすべての化合物、ならびにそのような化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグおよび水和物を含む。
【0026】
本明細書に記載の特定の化合物は、ステレオジェン中心、ステレオジェン軸など(例えば、不斉炭素原子)の一つまたは複数の不斉要素を含むため、化合物は異なる立体異性体で存在することがある。これらの化合物は、例えば、ラセミ化合物または光学活性体でありうる。複数の不斉要素を有する化合物について、これらの化合物はさらにジアステレオマーの混合物でありうる。特に記載がないかぎり、不斉中心を有する化合物について、すべての光学異性体およびその混合物が含まれる。加えて、炭素-炭素二重結合を有する化合物はZ体およびE体で出現することもあり、特に記載がないかぎり、化合物のすべての異性体は本発明に含まれる。化合物が様々な互変異性体で存在する場合、本発明は特定の互変異性体のいずれか一つに限定されることはなく、それよりもすべての互変異性体を含む。
【0027】
本発明は本発明の化合物において出現する原子のすべての同位体を含むことが意図される。同位体には同じ原子番号であるが、異なる質量数を有する原子が含まれる。一般例として、水素の同位体にはトリチウムおよび重水素が含まれ、炭素の同位体には11C、13C、および14Cが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0028】
特定の化合物が本発明において、様々なR基、Ar1、Ar2、およびxなどの変数を含む、式Iなどの一般式を用いて記載される。特に記載がないかぎり、そのような式における各変数は他の変数からは独立に定義される。したがって、例えば、一つの基が0〜2個のR*で置換されていることが示されれば、その基は二つまでのR*基で任意で置換されていてもよく、R*は各出現時にR*の定義から独立に選択される。また、置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ許容される。
【0029】
本明細書において用いられる「置換基」とは、対象となる分子内の原子に共有結合された分子部分を意味する。例えば、「環置換基」は、環の構成員である原子(好ましくは炭素または窒素原子)に共有結合された、ハロゲン、アルキル基、ハロアルキル基または本明細書において論じられる他の置換基などの部分であってもよい。本明細書において用いられる「置換された」なる用語は、指定の原子上の任意の一つまたは複数の水素が、指定の原子の通常の原子価を超えないこと、および置換によって安定な化合物(すなわち、単離し、特徴分析し、生物活性を試験することができる化合物)を生じることを条件に、示された置換基から選択されたもので置き換えられていることを意味する。置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素が置き換えられる。芳香族部分がオキソ基で置換される場合、芳香環は対応する部分不飽和環によって置き換えられる。例えば、オキソで置換されたピリジル基はテトラヒドロピリドンである。
【0030】
「任意で置換された」なる句は、一つの基が無置換でも、または可能な位置のいずれかの一つもしくは複数、典型的には1つ、2つ、3つ、4つ、もしくは5つの位置で、本明細書に開示されているものなどの一つもしくは複数の適当な置換基で置換されていてもよいことを示す。本明細書において示される化合物および式中の、例えば、R1、R2、およびAr1を含む様々な基が「任意で置換され」ている。任意の置換は「0からXの置換基で置換された」なる句でも示すことができ、ただしXは置換基の最大数である。
【0031】
適当な置換基には、例えば、ハロゲン、シアノ、アミノ、ヒドロキシ、ニトロ、アジド、カルボキサミド、-COOH、SO2NH2、アルキル(例えば、C1〜C8アルキル)、アルケニル(例えば、C2〜C8アルケニル)、アルキニル(例えば、C2〜C8アルキニル)、アルコキシ(例えば、C1〜C8アルコキシ)アルキルエーテル(例えば、C2〜C8アルキルエーテル)、アルキルチオ(例えば、C1〜C8アルキルチオ)、モノまたはジ(C1〜C8アルキル)アミノ、ハロアルキル(例えば、C1〜C6ハロアルキル)、ヒドロキシアルキル(例えば、C1〜C6ヒドロキシアルキル)、アミノアルキル(例えば、C1〜C6アミノアルキル)、ハロアルコキシ(例えば、C1〜C6ハロアルコキシ)、アルカノイル(例えば、C1〜C8アルカノイル)、アルカノン(例えば、C1〜C8アルカノン)、アルカノイルオキシ(例えば、C1〜C8アルカノイルオキシ)、アルコキシカルボニル(例えば、C1〜C8アルコキシカルボニル)、モノおよびジ(C1〜C8アルキル)アミノ、モノおよびジ(C1〜C8アルキル)アミノC1〜C8アルキル、モノおよびジ(C1〜C8アルキル)カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C8アルキル)スルホンアミド、アルキルスルフィニル(例えば、C1〜C8アルキルスルフィニル)、アルキルスルホニル(例えば、C1〜C8アルキルスルホニル)、アリール(例えば、フェニル)、アリールアルキル(例えば、ベンジルおよびフェネチルなどの(C6〜C18アリール)C1〜C8アルキル)、アリールオキシ(例えば、フェノキシなどのC6〜Cl8アリールオキシ)、アリールアルコキシ(例えば、(C6〜Cl8アリール)C1〜C8アルコキシ)および/または3員から8員複素環基が含まれる。本明細書において提供される式中の特定の基は、1個から3個、1個から4個、または1個から5個の独立に選択された置換基で任意で置換されている。
【0032】
二つの文字または記号の間ではないダッシュ(「-」)は、置換基の結合点を示すために用いられる。例えば、-CONH2は炭素原子を通じて結合されている。
【0033】
本明細書において用いられる「アルキル」は、分枝および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基で、表示されている場合は示された数の炭素原子を有する炭化水素基を含むことが意図される。したがって、本明細書において用いられるC1〜C8アルキルは、1個から6個の炭素原子を有するアルキル基を示す。「C0〜C4アルキル」とは、結合またはC1〜C4アルキル基を意味する。アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、2-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、および3-メチルペンチルなどの1個から8個の炭素原子を有する基(C1〜C8アルキル)、1個から6個の炭素原子を有する基(C1〜C6アルキル)、ならびに1個から4個の炭素原子を有する基(C1〜C4アルキル)が含まれる。「アミノアルキル」は、一つまたは複数の-NH2基で置換された、本明細書において定義されたアルキル基である。「ヒドロキシアルキル」は、一つまたは複数の-OH基で置換された、本明細書において定義されたアルキル基である。
【0034】
「アルケニル」とは、エテニルおよびプロペニルなどの一つまたは複数の不飽和炭素-炭素結合を含む直鎖または分枝炭化水素鎖を意味する。アルケニル基には、エテニル、アリルまたはイソプロペニルなどのC2〜C8アルケニル、C2〜C6アルケニルおよびC2〜C4アルケニル基(それぞれ2個から8個、2個から8個または2個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。
【0035】
「アルキニル」とは、一つまたは複数の三重炭素-炭素結合を含む直鎖または分枝炭化水素鎖を意味する。アルキニル基には、C2〜C8アルキニル、C2〜C6アルキニルおよびC2〜C4アルキニル基(それぞれ2個から8個、2個から8個または2個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。アルキニル基には、例えば、エチニルおよびプロピニルなどの基が含まれる。
【0036】
「アルコキシ」とは、示された数の炭素原子が酸素架橋を通じて結合された、前述の定義のアルキル基を意味する。アルコキシの例にはメトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、2-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、2-ペントキシ、3-ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、n-ヘキソキシ、2-ヘキソキシ、3-ヘキソキシ、および3-メチルペントキシが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0037】
「アルカノイル」なる用語は、直鎖または分枝配列のアシル基(例えば、-(C=O)-アルキル)を意味する。アルカノイル基には、C2〜C8アルカノイル、C2〜C6アルカノイルおよびC2〜C4アルカノイル基(それぞれ2個から8個、2個から8個または2個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。「C1アルカノイル」は-(C=O)-Hを意味し、C2〜C8アルカノイルと共に「C1〜C8アルカノイル」なる用語に含まれる。
【0038】
「アルキルエーテル」なる用語は、炭素-炭素結合によって連結された直鎖または分枝エーテル置換基を意味する。アルキルエーテル基には、C2〜C8アルキルエーテル、C2〜C6アルキルエーテルおよびC2〜C6アルキルエーテル基(それぞれ2個から8個、2個から8個または2個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。例として、C2アルキルエーテル基は構造-CH2-O-CH3を有する。
【0039】
「アルコキシカルボニル」なる用語は、カルボニルによって連結されたアルコキシ基(すなわち、一般構造-C(=O)-O-アルキルを有する基)を意味する。アルコキシカルボニル基には、C2〜C8、C2〜C6、およびC2〜C4アルコキシカルボニル基(それぞれ2個から8個、2個から8個または2個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。「C1アルコキシカルボニル」は-(C=O)OHを意味し、「C1〜C8アルコキシカルボニル」に含まれる。
【0040】
本明細書において用いられる「アルカノイルオキシ」とは、酸素架橋により連結されたアルカノイル基(すなわち、一般構造-O-C(=O)-アルキルを有する基)を意味する。アルカノイルオキシ基には、C2〜C8、C2〜C6、およびC2〜C4アルカノイルオキシ基(それぞれ2個から8個、2個から8個または2個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。
【0041】
本明細書において用いられる「アルキルチオ」なる用語は、チオエーテル結合によって結合されたアルキル基を意味する。アルキルチオ基には、C1〜C8アルキルチオ、C1〜C6アルキルチオおよびC1〜C4アルキルチオ(それぞれ1個から8個、1個から6個または1個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。
【0042】
本明細書において用いられる「アルキルスルフィニル」とは、スルフィニル結合によって結合されたアルキル基を意味する。アルキルスルフィニル基には、C1〜C8アルキルスルフィニル、C1〜C6アルキルスルフィニル、およびC1〜C4アルキルスルフィニル(それぞれ1個から8個、1個から6個または1個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。
【0043】
本明細書において用いられる「アルキルスルホニル」とは、スルホニル結合によって結合されたアルキル基を意味する。アルキルスルホニル基には、C1〜C8アルキルスルホニル、C1〜C6アルキルスルホニル、およびC1〜C4アルキルスルホニル(それぞれ1個から8個、1個から6個または1個から4個の炭素原子を有する)が含まれる。
【0044】
「アルキルアミノ」とは、一般構造-NH-アルキルまたは-N(アルキル)(アルキル)(それぞれのアルキルは同じでも異なっていてもよい)を有する二級または三級アミンを意味する。そのような基には、例えば、モノおよびジ(C1〜C8アルキル)アミノ基(それぞれのアルキルは同じでも異なっていてもよく、1個から8個の炭素原子を含みうる)、ならびにモノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ基とモノおよびジ(C1〜C4アルキル)アミノ基が含まれる。アルキルアミノアルキルとは、アルキル基によって連結されたアルキルアミノ基(すなわち、一般構造-アルキル-NH-アルキルまたは-アルキル-N(アルキル)(アルキル)を有する基)を意味する。そのような基には、例えば、モノおよびジ(C1〜C8アルキル)アミノC1〜C8アルキル、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノC1〜C6アルキル、ならびにモノおよびジ(C1〜C4アルキル)アミノC1〜C4アルキル(それぞれのアルキルは同じでも異なっていてもよい)が含まれる。
【0045】
「カルボキサミド」または「アミド」なる用語はアミド基(すなわち、-(C=O)NH2)を意味する。「アルキルカルボキサミド」とは、-NHC(=O)アルキル、好ましくは-NHC(=O)C1〜C2アルキルを意味する。
【0046】
「シクロアルキル」なる用語は、示された数の炭素原子、通常は3から約8個の環炭素原子を有する炭化水素環基を意味する。シクロアルキル基には、C3〜C8、およびC3〜C7シクロアルキル基(それぞれ3個から8個、および3から7個の炭素原子を有する)が含まれる。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、およびシクロヘキシル基、ならびにノルボルナンまたはアダマンタンなどの架橋およびケージド飽和環基が含まれる。
【0047】
「(シクロアルキル)アルキル」なる用語において、「シクロアルキル」および「アルキル」は前述の定義のとおりであり、結合点はアルキル基上にある。この用語には、シクロプロピルメチル、シクロヘキシルメチル、およびシクロヘキシルエチルが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0048】
「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を示す。
【0049】
「ハロアルキル」とは、一つまたは複数のハロゲン原子で置換された、示された数の炭素原子を有する分枝および直鎖両方の飽和脂肪族炭化水素基を意味する。ハロアルキルの例には、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2-フルオロエチル、およびペンタフルオロエチルが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0050】
「ハロアルコキシ」は、酸素架橋を通じて結合された、前述の定義のハロアルキル基を示す。
【0051】
本明細書において用いられる「アリール」なる用語は、一つまたは複数の芳香環中に炭素だけを含む芳香族基を示す。そのような芳香族基は、炭素もしくは非炭素原子または基でさらに置換されていてもよい。典型的なアリール基は、そのうちの少なくとも一つが芳香族である1個から3個の分離または縮合環、および環構成員として6から約18個の環原子を含み、ヘテロ原子を含まない。特に好ましい炭素環アリール基には、フェニルならびに1-ナフチルおよび2-ナフチルを含むナフチルが含まれる。表示されている場合は、炭素環中の炭素原子は前述の任意の様々な環置換基、または具体的に挙げられた置換基で任意で置換されていてもよい。
【0052】
「アリールアルキル」なる用語は、アリール基によって連結されたアリール基を意味する。特定のアリールアルキル基は(C6〜C18アリール)C1〜C8アルキル基(すなわち、6員から18員アリール基がC1〜C8アルキル基によって連結されている基)である。そのような基には、例えば、ベンジル、1-フェニル-エチル、1-フェニル-プロピルおよび2-フェニルエチルなどの、フェニルまたはナフチルが結合またはC1〜C8アルキル、好ましくはC1〜C4アルキルによって連結された基が含まれる。
【0053】
「アリールオキシ」なる用語は、カルボニルによって連結されたアリール基(すなわち、一般構造-C(=O)-O-アリールを有する基)を意味する。フェノキシは代表的なアリールオキシ基である。
【0054】
本明細書において用いられる「ヘテロアリール」なる用語は、N、O、およびSから選択される1個から4個のヘテロ原子を含み、残りの環原子は炭素である、少なくとも一つの芳香環を含む、安定な5員から7員単環式もしくは二環式、または7員から10員二環式複素環を示すことが意図される。ヘテロアリール基のS原子およびO原子の総数が1を超える場合、これらのヘテロ原子は互いに隣接しない。複素環のS原子およびO原子の総数は1、2、または3以下であることが好ましく、より典型的には1または2である。芳香族複素環のS原子およびO原子の総数が1以下であることが特に好ましい。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、フラニル、インドリル、ピリミジニル、ピリジジニル、ピラジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チエニル、チアゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、キノリニル、ピロリル、ピラゾリル、および5,6,7,8-テトラヒドロイソキノリンが含まれる。
【0055】
「複素環基」または「複素環」なる用語は、1個または2個の環を有し、各環に3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にN、O、およびSから選択される1個から3個の間のヘテロ原子を有する、飽和、部分不飽和、または芳香族基を示すために用いられる。いかなる窒素または硫黄ヘテロ原子も任意で酸化されていてもよい。複素環基はその側鎖に、安定な構造をもたらすいかなるヘテロ原子または炭素原子で結合されていてもよい。本明細書に記載の複素環基は、得られる化合物が安定であるならば、炭素または窒素原子上で置換されていてもよい。複素環の窒素は任意で四級化されていてもよい。
【0056】
ヘテロアリール基および複素環基の代表例には、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、NH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル;- 1,2,5オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリル、およびキサンテニルが含まれるが、これらに限定されることはない。
【0057】
「C5a受容体」はC5a蛋白質を特異的に結合するG蛋白質共役型受容体である。好ましくは、C5a受容体は、GerardおよびGerard、(1991) Nature 349:614-17によって記載された、得られたPCR産物の配列の蛋白質産物などのヒトC5a受容体である。ヒトC5a受容体はBoulay (1991) Biochemistry、30(12): 2993-9によって記載されたもの(GENBANKアクセッション番号M62505)であってもよい。非霊長類C5a受容体はラットC5a受容体、GENBANKアクセッション番号X65862、Y09613、およびAB003042などのラットC5a受容体、イヌC5a受容体、GENBANKアクセッション番号X65860、またはモルモットC5a受容体、GENBANKアクセッション番号U86103であってもよい。
【0058】
「C5a受容体調節因子」は、C5a受容体の活性化および/または活性(すなわち、本明細書において提供されるC5a受容体仲介走化性、放射性リガンド結合アッセイ法、またはカルシウム動員アッセイ法を用いて測定した、C5a受容体仲介シグナル伝達)を調節する任意の化合物である。特定の態様において、そのような調節因子は1マイクロモル濃度未満のC5a受容体への結合に対する親和定数またはIC50を示してもよい。他の態様において、C5a受容体調節因子は標準のC5a受容体仲介走化性アッセイ法、放射性リガンド結合アッセイ法、またはカルシウム動員アッセイ法において、500nM、200nM、100nM、50nM、25nM、10nMまたは5nM未満の親和定数またはIC50を示してもよい。調節因子はC5a受容体アゴニストまたはアンタゴニストであってもよいが、本明細書に記載の特定の目的のために、調節因子は好ましくはC5aの結合から生じるC5a活性化を阻害する(すなわち、調節因子はアンタゴニストである)。好ましいアンタゴニストは、C5a受容体仲介走化性、放射性リガンド結合、および/またはカルシウム動員のアッセイ法において、1マイクロモル濃度未満、好ましくは100ナノモル濃度未満のアンタゴニストIC50(本明細書においてEC50と交換可能に用いる)を示す。加えて、またはその代わりに、調節因子はC5a受容体の逆アゴニストとして作用してもよい。特定の態様において、本明細書において提供される調節因子は、ヒトC5a受容体などの霊長類C5a受容体であって、クローニングされ、組換え発現された受容体でも、または天然に発現された受容体であってもよい受容体の活性化および/または活性を調節する。いかなる特定の種のヒト以外の動物を治療するために、その特定の種のC5a受容体に対して高い親和性を示す化合物が好ましい。
【0059】
C5a受容体の「逆アゴニスト」は、C5a受容体でC5aの活性を阻害し、C5a受容体の活性をC5aを加えていない基準活性レベル以下に低下させる化合物である。C5a受容体の逆アゴニストはC5aのC5a受容体への結合も阻害することがある。C5aのC5a受容体への結合を阻害する化合物の能力は、実施例18に示す放射性リガンド結合アッセイ法などの結合アッセイ法によって測定することができる。C5a受容体の基準活性は、実施例19のアッセイ法などのGTP結合アッセイ法から求めることができる。C5a活性の低下も実施例19のアッセイ法などのGTP結合アッセイ法または実施例20のアッセイ法などのカルシウム動員アッセイ法から求めることができる。
【0060】
C5a受容体の「中性アンタゴニストは、C5a受容体でC5aの活性を阻害するが、C5a受容体の基準活性を著しく変えることはない化合物である。C5a受容体の中性アンタゴニストはC5aのC5a受容体への結合を阻害することもある。
【0061】
C5a受容体の「部分アゴニスト」は、C5a受容体の活性をC5a非存在下での基準活性レベル以上に上昇させるが、C5a受容体の活性を天然アゴニストC5aの飽和レベルによってもたらされるレベルまで高めることはない。部分アゴニスト化合物はC5aのC5a受容体への結合を阻害することもある。C5a受容体の部分アゴニストは通常、C5a受容体の活性を天然アゴニストC5aの飽和濃度によってもたらされる活性レベルの5%から90%まで上昇させる。
【0062】
化合物の「C5a受容体調節量」は、インビトロアッセイ法で用いた場合に、C5a受容体活性および/またはリガンド結合を検出可能な程度に変更(調節)するのに十分高い血漿濃度を得るのに十分な量である。適当なインビトロアッセイ法には、標準のインビトロC5受容体仲介走化性アッセイ法(本明細書の実施例13に記載);C5a受容体仲介カルシウム動員アッセイ法(本明細書の実施例20に記載);および/または実施例18に記載のものなどの放射性リガンド結合アッセイ法が含まれる。
【0063】
化合物の「治療上有効な量」は、患者の識別しうる利益を得るのに十分な量である。例えば、治療上有効な量は症状の重症度または頻度を低下することができる。その代わりに、または加えて、治療上有効な量は患者の転帰を改善および/または疾患もしくは症状の発現を防止もしくは遅延させることができる。
【0064】
本明細書において用いられる「薬学的に許容される塩」とは、当技術分野において一般に、ヒトまたは動物の組織と接触させて、過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の問題もしくは合併症なく用いるのに適していると考えられる、酸性または塩基性塩である。そのような塩には、アミンなどの塩基性残基の鉱酸および有機酸塩、ならびにカルボン酸などの酸性残基のアルカリまたは有機塩が含まれる。具体的な薬学的塩には、塩酸、リン酸、臭化水素酸、リンゴ酸、グリコール酸、フマル酸、硫酸、スルファミン酸、スルファニリン酸、ギ酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、エタン二スルホン酸、2-ヒドロキシエチルスルホン酸、硝酸、安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ステアリン酸、サリチル酸、グルタミン酸、アスコルビン酸、パモ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、プロピオン酸、ヒドロキシマレイン酸、ヨウ化水素酸、フェニル酢酸;酢酸、HOOC-(CH2)n-COOH(nは0〜4である)などのアルカン酸などの酸の塩が含まれるが、これらに限定されることはない。同様に、薬学的に許容されるカチオンには、ナトリウム、カリウム、カルシウム、アルミニウム、リチウムおよびアンモニウムが含まれるが、これらに限定されることはない。当業者であれば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、ペンシルバニア州イーストン、p. 1418 (1985)に挙げられているものを含む、本明細書において提供される化合物のための他の薬学的に許容される塩を理解すると思われる。したがって、本開示は具体的に列挙された化合物のすべての薬学的に許容される塩を含むと解釈されるべきである。一般に、薬学的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含む親化合物から、いかなる通常の化学的方法によっても合成することができる。要するに、そのような塩はこれらの化合物の遊離酸または塩基体を水、有機溶媒、または二つの混合物中で適当な塩基または酸の化学量論量と反応させることにより調製することができ;一般にはエーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒質が好ましい。
【0065】
「プロドラッグ」は、本明細書において提供される化合物の構造的条件をすべて満たしていないこともあるが、患者への投与後に置換テトラヒドロイソキノリンを生ずるようにインビボで変換される化合物である。例えば、プロドラッグは本明細書において提供される化合物のアシル化誘導体であってもよい。プロドラッグには、ヒドロキシ、アミン、またはスルフヒドリル基が、哺乳類被験者に投与された時に、切断されてそれぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ、またはスルフヒドリル基を生成する任意の基に結合されている化合物が含まれる。プロドラッグの例には、本明細書において提供される化合物のアルコールおよびアミン官能基の酢酸、ギ酸、および安息香酸誘導体が含まれるが、これらに限定されることはない。好ましいプロドラッグにはアシル化誘導体が含まれる。プロドラッグは、化合物内の官能基を、修飾部分が切断されて親化合物を生成するような様式で修飾することにより調製することができる。当業者であれば、本明細書において提供される化合物のプロドラッグを調製するために用いることができる、様々な合成法を理解すると思われる。
【0066】
「患者」とは、本明細書において提供されるC5a調節因子で治療される任意の個人である。患者にはヒト、ならびにコンパニオンアニマル(例えば、イヌおよびネコ)および家畜などの他の動物が含まれる。患者はC5an受容体調節に反応性の状態の一つまたは複数の症状を経験することもあり、そのような症状がないこともある(すなわち、治療は予防でありうる)。
【0067】
C5a受容体調節因子
前述のとおり、本発明はC5a受容体調節因子(すなわち、C5a受容体仲介シグナル伝達を調節する化合物;好ましくはC5a受容体に検出可能な程度に結合もする化合物)を提供する。C5a受容体調節因子は、自己免疫障害および炎症状態などのC5a受容体調節に反応性の疾患または障害を患う患者の治療を含む、様々な状況でのC5a受容体活性を調節するために用いることができる。C5a受容体調節因子は、様々なインビトロアッセイ法(例えば、受容体活性についてのアッセイ法)においてC5a受容体の検出および位置特定のためのプローブとして、ならびにリガンド結合およびC5a受容体仲介シグナル伝達のアッセイ法における標準として用いることもできる。
【0068】
本明細書において提供されるC5a受容体調節因子は、マイクロモル濃度以下でC5a受容体活性および/またはシグナル伝達活性を検出可能な程度に変更、好ましくは低下させる、式Iの置換テトラヒドロイソキノリン(ならびにその薬学的に許容される塩およびプロドラッグ)である。C5a受容体活性のそのような変更は、標準のインビトロC5a受容体仲介走化性アッセイ法(実施例13)、C5a受容体仲介カルシウム動員アッセイ法(実施例20)、および/または放射性リガンド結合アッセイ法(実施例18)を用いて評価することができる。本発明は、部分的には、式Iの小分子がC5a受容体のアンタゴニストおよび/または逆アゴニストとして作用するという発見に基づいている。
【0069】
本発明は式Iの化合物

およびその薬学的に許容される塩を含む。
【0070】
本態様において、xは1である。
【0071】
本態様において、Rはハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0072】
R1は(アリール)C0〜C6アルキル、(ヘテロアリール)C0〜C6アルキル、およびインダニル(これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている)から選択される。
【0073】
R2、R3および各出現時のR4は水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシから独立に選択される。
【0074】
R5およびR6は水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ならびにモノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノから独立に選択される。
【0075】
次のいずれか
(a)R7は(i)水素;または(ii)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシもしくは(アリール)C1〜C6アルキル(これらはそれぞれ任意で置換されている)であり;かつAr1は(i)フェニル;(ii)ナフチル;(iii)ビフェニル;(iv)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;または(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子はN、OおよびSから選択され、残りの環原子は炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)はそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されている;または
(b)R7はAr1ならびにR7およびAr1が結合している炭素原子と一緒になって、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換された式

(式中、pが1から約3の整数である)の基を形成する。
【0076】
Ar2は、アリールまたはヘテロアリール(これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されている)である。
【0077】
そのような化合物は式IAの化合物と呼ぶことになる。
【0078】
特定の態様において、本発明はR1がハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2アルキル、ハロC1〜C2アルキル、およびハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基で置換されたインダニルである、式Iおよび式IAの化合物および塩を含む。
【0079】
式Iおよび式IAの他の化合物および塩において、R1はフェニル(C0〜C4アルキル)、ピリジル(C0〜C4アルキル)、C0〜C4アルキル、またはインドリル(C0〜C4アルキル)(これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている)である。
【0080】
式IAのさらに他の化合物および塩において、R1はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C2アルキル)である。
【0081】
本発明は、R2およびR3が水素である、式Iおよび式IAの化合物および塩にも関する。
【0082】
式Iおよび式IAの特定の化合物および塩において、R4は独立に水素またはC1〜C6アルキルである。
【0083】
式Iおよび式IAの特定の化合物および塩において、R5およびR6は水素、ハロゲン、C1〜C2アルキルおよびC1〜C2アルコキシから独立に選択される。
【0084】
本発明の他の態様は、
RがC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2ハロアルコキシ、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基を意味する、式Iおよび式IAの化合物および塩を含む。
【0085】
本発明のもう一つの局面において、
Rが水素、メチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基を表し、R2、R3、およびR6が水素であり;かつR5、R7、および各R4が水素、メチル、およびエチルから独立に選択される、式Iおよび式IAの化合物および塩を含む。
【0086】
本発明は式IIの化合物および薬学的に許容される塩にも関する。

【0087】
式IIのR、Ar1、およびAr2は式Iのこれらの変数に与えられた定義を有するか、または特定の態様においては式IAで与えられた定義を有する。
【0088】
式IIのRはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、任意で置換されたC1〜C6アルコキシおよび任意で置換されたC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0089】
R4は水素、任意で置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロまたはクロロである。
【0090】
R5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、任意で置換されたC1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される。
【0091】
R7は水素またはC1〜C6アルキルである。
【0092】
本発明の特定の態様は、下記のとおりの式IIの化合物および塩に関する。
Ar1およびAr2は式Iのこれらの変数に与えられた定義を有するか、または特定の態様においては式IAで与えられた定義を有する。
【0093】
Rはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0094】
R1はC3〜C7シクロアルキル、(C3〜C7シクロアルキル)C1〜C4アルキル、(ヘテロアリール)C0〜C4アルキル、(アリール)C0〜C4アルキル、およびインダニル(これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている)から選択される。
【0095】
R4は水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロである。
【0096】
R5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロC1〜C6アルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される。
【0097】
R7は水素またはC1〜C6アルキルである。
【0098】
本発明は下記のとおりの式IIの化合物および塩も含む。
Ar1は(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されたフェニル;(ii)ナフチル;(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;(iv)各フェニル基がハロゲン、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から2個の基で置換されたビフェニル;または(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子はN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子は炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;(ii)、(iii)、(iv)および(v)はそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されている。
【0099】
本発明の他の態様は、Ar2が約5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の間の環ヘテロ原子を有し、これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されている、フェニルまたはヘテロアリールである、式IIの化合物および塩に関する。
【0100】
特定の態様において、本発明はAr2が約5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の間の環ヘテロ原子を有し、これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されている、フェニルまたはヘテロアリールである、式IIの化合物および塩に関する。
【0101】
本発明の他の態様は、下記のとおりの式IIの化合物および塩を含む。
Rはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルおよびエチルから独立に選択される0個から2個の置換基を意味する。
【0102】
R1は1-インダニルまたは2-インダニルで、これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている。
【0103】
R4は水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;かつR5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロC1〜C6アルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される。
【0104】
R7は水素、メチルまたはエチルである。
【0105】
Ar1
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ハロC1〜C2アルキル、ならびにハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)ナフチル;
(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;
(iv)ビフェニル;または
(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子はN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子は炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;
(ii)、(iii)、(iv)および(v)はそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から約4個の置換基で置換されている。
【0106】
Ar2はフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジル、ピリジジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、およびトリアゾリルで、これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている。
【0107】
本発明は、さらなる態様として、下記のとおりの式IIの化合物および塩を含む。
Rはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルおよびエチルから独立に選択される0個から2個の置換基を意味する。
【0108】
R1はフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジ、およびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基で置換された2-インダニルである。
【0109】
R4は水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、モノ、ジ、もしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジ、もしくはトリフルオロメトキシである。
【0110】
R5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジ、およびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択される。
【0111】
R7は水素、メチルまたはエチルである。
【0112】
Ar1は:(i)フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、モノ、ジ、およびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル;または(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、およびエトキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたナフチルである。
【0113】
Ar2はフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-チエニル、3-チエニル、または1,3-チアゾル-2-イルで、これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている。
【0114】
本発明はその他の態様は、下記のとおりの式IIの化合物および塩に関する。
Rはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルおよびエチルから独立に選択される0個から2個の置換基を意味する。
【0115】
R1はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C2アルキル)である。または好ましくは、R1はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C4アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル)である。
【0116】
R4は水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;かつR5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロC1〜C6アルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシ、から独立に選択される。
【0117】
R7は水素、メチルまたはエチルである。
【0118】
Ar1は:(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されたフェニル;(ii)ナフチル;(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;(iv)ビフェニル;または(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子はN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子は炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;(ii)、(iii)、(iv)および(v)はそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、ハロC1〜C6アルキル、およびハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から約4個の置換基で置換されている。
【0119】
Ar2はフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジル、ピリジジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、またはトリアゾリルで、これらはそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ハロC1〜C2アルキル、ならびにハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている。
【0120】
本発明は、式IIIの化合物および薬学的に許容される塩も含む。

【0121】
式IIIのRはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0122】
R4は水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロである。
【0123】
R8はC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0124】
R5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、およびハロC1〜C6アルキルから独立に選択される。
【0125】
R7は水素またはC1〜C6アルキルである。
【0126】
R9はハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味する。
【0127】
Ar2は(i)フェニルまたは(ii)5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の環原子を有するヘテロアリールであり;(i)および(ii)はそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される1個から5個の置換基で任意で置換されている。
【0128】
もう一つの局面において、本発明は式IVの化合物および薬学的に許容される塩に関する:

【0129】
式IVのRはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0130】
R4は水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロである。
【0131】
R8はC1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0132】
R5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6ハロアルキルから独立に選択される。
【0133】
R7は水素またはC1〜C6アルキルである。
【0134】
R10はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-COOH、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味する。
【0135】
式IVのAr1は:(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されたフェニル;(ii)ナフチル;(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;(iv)ビフェニル;または(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子はN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子は炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;(ii)、(iii)、(iv)および(v)はそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されている。
【0136】
本発明は式Vの化合物および薬学的に許容される塩も含む。

【0137】
式VのRはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、またはエトキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0138】
R4は水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシである。
【0139】
R5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される。
【0140】
R7は水素、メチル、またはエチルであり;かつR10は水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、またはエトキシである。
【0141】
本発明において式VIの化合物および薬学的に許容される塩も含まれる:

【0142】
式VIのRは水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシである。
【0143】
R4は水素、メチル、またはエチルであり;R8は水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシである。
【0144】
R9はフルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;R9Aは水素、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基を意味する。
【0145】
R10は水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;かつR10Aは水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基を意味する。
【0146】
本発明はさらに式VIIの化合物および薬学的に許容される塩に関する。

式中、変数R4、R9、およびR9Aは式VIで与えられた定義を有する。
【0147】
本発明はさらに式VIIIの化合物および薬学的に許容される塩に関する。

【0148】
式VIIIにおいて、AはNまたはCR10であり、BはNまたはCR10Aであり、AおよびBの少なくとも一つはNではない。
【0149】
Rは水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシである。
【0150】
R4は水素、メチル、またはエチルである。
【0151】
R8は水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシである。
【0152】
R10は、存在する場合には、水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;R10Aは、存在する場合には、水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;かつR10Bはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基を意味する。
【0153】
本発明はさらに式IXの化合物および薬学的に許容される塩にも関する:

【0154】
式IXにおいて、Rは水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシであり;R4は水素、メチル、またはエチルであり;R8は水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシであり;かつR10は水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシである。
【0155】
さらにもう一つの態様において、本発明は式Xの化合物および薬学的に許容される塩に関する。

【0156】
式Xにおいて、Rは水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシであり;R4は水素、メチル、またはエチルであり;R8は水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシであり;R10は水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;かつR10Aは水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基を意味する。
【0157】
本発明は式XIの化合物および薬学的に許容される塩にも関する:

【0158】
Rはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0159】
R4は水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロである。
【0160】
R8はC1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
【0161】
R5およびR6は水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6ハロアルキルから独立に選択される。
【0162】
R7は水素またはC1〜C6アルキルである。
【0163】
R10はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-COOH、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味する。
【0164】
Ar1は:(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される1個から5個の置換基で任意で置換されたフェニル;(ii)ナフチル;(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;(iv)ビフェニル;または(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子はN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子は炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;(ii)、(iii)、(iv)および(v)はそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される1個から4個の置換基で任意で置換されている。
【0165】
もう一つの局面において、本発明は式XIIの化合物

式XII
およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0166】
式XIIのRはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
R1およびAr2は:(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル);および(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基で置換された2-インダニルから独立に選択される。
【0167】
R4はC1〜C6アルキル、C1〜C2ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;かつR7は水素またはC1〜C6アルキルである。
【0168】
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味し;かつ

は一重結合または二重結合を意味する。
【0169】
別の局面において、本発明は式XIIIの化合物

およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0170】
本態様において、R1およびAr2は:(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル);および(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基で置換された2-インダニルから独立に選択される。
【0171】
R4はC1〜C6アルキル、ハロC1〜C6アルキル、フルオロ、またはクロロである。
【0172】
R3およびR7は独立に水素またはC1〜C6アルキルである。
【0173】
R9およびR10は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味する。
【0174】
本発明はさらに式XIVの化合物および薬学的に許容される塩に関する。

【0175】
式XIVのRはフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から2個の置換基を意味する。
【0176】
R1およびAr2は:
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、ハロC1〜C6アルキル、ならびにハロC1〜C6アルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル);および
(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基で置換された2-インダニルから独立に選択される。
【0177】
R4はC1〜C6アルキル、ハロC1〜C6アルキル、フルオロ、またはクロロであり;R7は水素またはC1〜C6アルキルであり;かつR9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味する。
【0178】
さらにもう一つの局面において、本発明は式XVの化合物

およびその薬学的に許容される塩に関する。
【0179】
式XVのRは二つの環構造のいずれの環にも存在し、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味する。
R1およびAr2は:(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル);および(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基で置換された2-インダニルから独立に選択される。
【0180】
R4はC1〜C6アルキル、C1〜C2ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;かつR7は水素またはC1〜C6アルキルである。
【0181】
R9は水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味し;かつ

は一重結合または二重結合を意味する。
【0182】
本明細書において提供される代表的な置換テトラヒドロイソキノリンには、実施例1〜10に具体的に記載したものが含まれるが、これらに限定されることはない。そこに列挙した具体的な化合物は例示的なものにすぎず、本発明の範囲の限定を意図しないことは明らかであると思われる。さらに、前述のとおり、本発明のすべての化合物は水和物、遊離塩基または薬学的に許容される酸付加塩として存在してもよい。
【0183】
本発明において提供される特定の置換テトラヒドロイソキノリンは、一つまたは複数のステレオジェン中心を有する。その特定の態様において、そのような化合物は鏡像異性体であってもよく、少なくとも55%の鏡像体過剰率を有していてもよい。そのさらなる態様において、そのような化合物は少なくとも60%、70%、80%、85%、90%、95%、98%、または99%の鏡像体過剰率を有する。一つまたは複数のステレオジェン中心を有する特定の化合物は、少なくとも99%の鏡像体過剰率を有する。
【0184】
本発明において提供される特定の置換テトラヒドロイソキノリンは、複数のステレオジェン中心を有する。その特定の態様において、そのような化合物は少なくとも55%のジアステレオマー過剰率を有する。その他の態様において、そのような化合物は60%、70%、80%、85%、90%、95%、または98%のジアステレオマー過剰率を有する。複数のステレオジェン中心を有する特定の化合物は、少なくとも99%のジアステレオマー過剰率を有する。
【0185】
本明細書において提供される置換テトラヒドロイソキノリンは、標準のインビトロC5受容体仲介走化性アッセイ法(実施例13に記載)、放射性リガンド結合(実施例18に記載)、またはC5a受容体仲介カルシウム動員アッセイ法(実施例20に記載)により評価して、C5a受容体活性および/またはリガンド結合を検出可能な程度に変更(調節)する。好ましい化合物は、そのような標準のC5a受容体仲介走化性、放射性リガンド結合、および/またはカルシウム動員アッセイ法において、約500nMまたはそれ以下のIC50を示し、より好ましくはそのようなアッセイ法で約250nMまたはそれ以下のIC50、さらにより好ましくはそのようなアッセイ法で約200nM、150nM、100nM、50nM、25nM、10nM、または5nMまたはそれ以下のIC50を示す。
【0186】
化合物の最初の特徴付けは、実施例に示すようなC5a受容体結合アッセイ法または機能アッセイ法を用いて都合よく実施することができ、そのようなアッセイ法を高処理量スクリーニングの設定に適用することにより迅速化することができる。小分子化合物のC5a受容体結合および受容体調節活性に対する効果を調べるのに適したその他のアッセイ法、ならびにインビボでのC5aによる好中球減少に対するそれらの効果を評価するのに適したアッセイ法は、公表されている文献、例えば、米国特許第5,807,824号において見いだすことができ、これはその19〜23段、実施例6〜9のこの点に関する開示、ならびに1〜2段の補体および炎症の議論について、参照として本明細書に組み込まれる。当業者であれば、そのようなアッセイ法は適当と考えられる異なる種の細胞または動物の使用に容易に適合可能であることを理解すると思われる。
【0187】
特定の態様において、好ましい化合物は、経口バイオアベイラビリティ(致死量以下、または好ましくは薬学的に許容される経口用量、好ましくは2グラム未満、より好ましくは1グラムまたはそれ以下の用量で、C5aによる好中球減少の緩和などの検出可能なインビボ効果が得られる)、ナノモル濃度、好ましくはナノモル未満の濃度で白血球走化性を阻害する能力、低毒性(好ましい化合物は、C5a受容体調節量を被験者に投与した場合に非毒性である)、最小限の副作用(好ましい化合物は、化合物のC5a受容体調節量を被験者に投与した場合に、プラシーボと同等の副作用を引き起こす)、低い血清蛋白質結合、ならびに適当なインビトロおよびインビボ半減期(好ましい化合物は一日四回投与、好ましくは一日三回投与、より好ましくは一日二回投与、最も好ましくは一日一回投与を可能にするインビボ半減期と同等のインビトロ半減期を示す)を含む、好都合な薬理学的性質を有する。体内での補体活性部位への分布も望ましい(例えば、CNS障害を治療するために用いる化合物は血液脳関門を通過することが好ましいが、末梢障害を治療するために用いる化合物は、典型的には低い脳内レベルが好ましい)。
【0188】
これらの性質を評価し、特定の使用に合わせて優れた化合物を特定するために、当技術分野において公知の日常的アッセイ法を用いることもできる。例えば、バイオアベイラビリティを予測するために用いるアッセイ法には、Caco-2細胞単層などのヒト腸細胞単層を通過しての輸送が含まれる。ヒトにおける化合物の血液脳関門の通過は、その化合物を投与(例えば、静脈内)した実験動物における化合物の脳内レベルから予測することができる。血清蛋白質結合は、Oravcovaら(1996) Journal of Chromatography B 677:1-27によって記載されたものなどのアルブミン結合アッセイ法から予測することができる。化合物半減期は、有効量を得るために要求される化合物の投与頻度に逆比例する。化合物のインビトロ半減期は、KuhnzおよびGieschen (1998) Drug Metabolism and Disposition 26:1120-27によって記載されたミクロソーム半減期のアッセイ法から予測することができる。
【0189】
毒性および副作用は、いかなる標準的方法を用いても評価することができる。一般に、本明細書において用いられる「非毒性」なる用語は相対的な意味で理解されるべきで、米国食品医薬品局(「FDA」)により哺乳動物(好ましくはヒト)への投与が認められているか、または確立された基準に準拠して、FDAにより哺乳動物(好ましくはヒト)への投与が認可されうる任意の物質を指すことが意図される。毒性は、細胞ATP産生に対する効果を検出するアッセイ法を用いて評価することもできる。用いることができる他のアッセイ法には、エイムス試験などの細菌復帰突然変異アッセイ法、ならびに標準の催奇性および腫瘍原性試験が含まれる。好ましくは、本明細書において提供される化合物の特定用量(すなわち、有効なインビボ濃度が得られる用量)での投与は、心臓のQT間隔延長を引き起こさない(すなわち、モルモット、ミニブタ、またはイヌで心電図により測定)。5日、または好ましくは10日間毎日投与した場合に、そのような用量は、実験用げっ歯類(すなわち、マウスまたはラット)において肝臓拡張により肝臓:体重比が対応のある対照群の100%を超える増大をきたすこともなく、好ましくは75%以下、より好ましくは50%以下である。そのような用量は、好ましくは、イヌまたは他のげっ歯類以外の動物において肝臓拡張により肝臓:体重比が対応のある未治療対照群の50%を超える増大をきたすこともなく、好ましくは25%以下、より好ましくは10%以下である。
【0190】
特定の好ましい化合物は、インビボで肝細胞から肝酵素(例えば、ALT、LDHまたはAST)の実質的放出を促進することもない。好ましくは、前述の用量は、実験用げっ歯類においてインビボでそのような酵素の血清レベルを対応のある未治療対照群の100%を超えて上昇させることはなく、好ましくは75%以下、より好ましくは50%以下である。同様に、インビボでの最小治療濃度の二倍、好ましくは五倍、最も好ましくは十倍の濃度(培地またはインビトロで細胞と接触してインキュベートする他のそのような溶液中)でも、そのようなどの肝酵素もインビトロで肝細胞から培地中に、未治療細胞から培地中で観察される基準レベルを超えて検出可能な程度に放出されることはない。
【0191】
特定の態様において、好ましい化合物はそれらの受容体調節効果を高度に特異的に発揮する。このことは、これらの化合物がC5a受容体以外の特定の受容体に対しては、100ナノモル濃度を超える親和定数、好ましくは1マイクロモル濃度、より好ましくは4マイクロモル濃度を超える親和定数でのみ結合、活性化、または活性阻害することを意味する。本発明は、C5a受容体に対して他の細胞受容体の200倍の親和性を示す、高度に特異的なC5a受容体調節化合物も含む。そのような受容体には、α-またはβ-アドレナリン作動性受容体、ムスカリン受容体(特にm1、m2またはm3受容体)、ドーパミン受容体、および代謝調節型グルタミン酸受容体などの神経伝達物質受容体;ならびにヒスタミン受容体およびサイトカイン受容体(例えば、インターロイキン受容体、特にIL-8受容体)が含まれる。そのような受容体には、 GABAA受容体、生物活性ペプチド受容体(C5a受容体およびC3a受容体以外、NPYまたはVIP受容体を含む)、ニューロキニン受容体、ブラジキニン受容体、およびホルモン受容体(例えば、CRF受容体、サイロトロピン放出ホルモン受容体またはメラニン凝集ホルモン受容体)も含まれうる。高度に特異的に作用する化合物は一般に、有害な副作用を示すことが少ない。
【0192】
特定の態様において、本明細書において提供される調節因子は、GABA受容体、MCH受容体、NPY受容体、ドーパミン受容体、セロトニン受容体、およびVR1受容体などの、炎症反応を仲介しない受容体に、高度または中等度の親和性で検出可能な程度に結合することはない。加えて、またはその代わりに、特定の好ましいC5a受容体調節因子は、C5a受容体に対して炎症反応を仲介しない受容体よりも実質的に高い(例えば、少なくとも5倍、少なくとも10倍、または少なくとも100倍高い)親和性を示す。 炎症反応を仲介しない受容体に対する結合を評価するためのアッセイ法には、例えば、米国特許第6,310,212号(16〜17段、実施例14のGABAA受容体結合アッセイ法の開示について、参照として本明細書に組み込まれる)、米国特許出願第10/152,189号(104〜105ページ、実施例2のMCH受容体結合アッセイ法の開示について、参照として本明細書に組み込まれる)、米国特許第6,362,186号(45〜46段、実施例19のCRF1受容体およびNPY受容体の結合アッセイ法の開示について、参照として本明細書に組み込まれる)、米国特許第6,355,644号(10段のドーパミン受容体結合アッセイ法の開示について、参照として本明細書に組み込まれる)、および米国特許第6,482,611号(14段、実施例4〜5のVR1受容体結合アッセイ法の開示について、参照として本明細書に組み込まれる)に記載のものが含まれる。本明細書において提供されるC5a受容体調節因子は、C3a受容体および/またはA3受容体などの炎症反応を仲介することが知られている、一つまたは複数の他の受容体に結合してもよいが、その必要はない。
【0193】
特定の好ましい化合物は、本明細書に記載のC5a受容体仲介機能アッセイ法のいずれにおいても著しい(例えば、5%を超える)アゴニスト活性を有していないC5a受容体アンタゴニストである。具体的には、この望ましくないアゴニスト活性は、例えば、実施例19のGTP結合アッセイ法において、天然アゴニストであるC5a非存在下で小分子仲介GTP結合を測定することにより評価することができる。同様に、カルシウム動員アッセイ法(例えば、実施例20のもの)において、天然アゴニストであるC5a非存在下でカルシウムレベルを刺激する小分子化合物の能力を直接アッセイすることができる。本明細書において提供される化合物が示すC5aアゴニスト活性の好ましい程度は、天然アゴニストC5aにより誘導される反応の10%、5%、または2%未満である。
【0194】
加えて、好ましいC5a受容体調節因子は、 CYP1A2活性、CYP2A6活性、CYP2C9活性、CYP2C19活性、CYP2D6活性、CYP2E1活性またはCYP3A4活性などのミクロソームチトクロムP450酵素活性を阻害も誘導もしない。また、好ましいC5a受容体調節因子はインビトロでもインビボでも細胞毒性を示さず、染色体異常誘発性でもなく(例えば、マウス赤血球前駆体細胞小核アッセイ法、エイムス小核試験、らせん小核アッセイ法などを用いて評価して)、かつ姉妹染色分体交換(例えば、チャイニーズハムスター卵巣細胞で)を引き起こさない。同様に好ましいものは、インビトロ好中球OBアッセイ法を用いて都合よく評価可能であるとおり、炎症細胞(例えば、好中球)におけるC5a誘導活性酸素生成(OB)の発現を阻害するC5a受容体調節因子である。
【0195】
検出のために、本明細書において提供される化合物は同位体標識または放射能標識してもよい。したがって、式I(または本明細書において具体的に挙げた任意の他の式)に挙げた化合物は、天然で通常見いだされる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する同じ元素の原子で置き換えられた一つまたは複数の原子を有していてもよい。本明細書において提供される化合物中に存在しうる同位体の例には、2H、3H、11C、13C、14C、15N、180、170、31P、32P、35S、18Fおよび36Clなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体が含まれる。加えて、重水素(すなわち、2H)などの重同位体による置換は、代謝安定性がより大きい、例えば、インビボ半減期が長い、または必要用量が低いことから生じる特定の治療上の利点を提供することができ、したがっていくつかの状況においては好ましいこともある。
【0196】
使用法
本明細書において提供されるC5a受容体は、インビトロおよびインビボ両方の様々な状況において、C5a受容体のアゴニストまたは(好ましくは)アンタゴニストとして用いることができる。特定の局面において、C5aアンタゴニストはインビトロまたはインビボでC5a受容体リガンド(例えば、C5a)のC5a受容体への結合を阻害するために用いることができる。一般に、そのような方法は、C5a受容体を本明細書において提供される一つまたは複数の置換テトラヒドロイソキノリンの十分な量と、水溶液中C5a受容体リガンド存在下、それ以外はリガンドのC5a受容体への結合に適した条件下で接触させる段階を含む。C5a受容体は懸濁液中(例えば、単離膜または細胞調製物中)、または培養もしくは単離細胞中に存在してもよい。特定の態様において、C5a受容体は患者体内の細胞によって発現されるため、水溶液は体液である。一般に、受容体と接触させるC5a受容体調節因子の量は、例えば、実施例18に記載の放射性リガンド結合アッセイ法、実施例20に記載のカルシウム動員アッセイ法、または実施例13に記載の走化性アッセイ法により測定して、インビトロでC5aのC5a受容体への結合を阻害するのに十分な水溶液濃度が得られる量であるべきである。好ましくは、濃度はインビトロ走化性アッセイ法で白血球の走化性を阻害するのに十分で、対照アッセイ法(例えば、本明細書において提供される化合物を加えていないもの)で観察される走化性のレベルが、本明細書に記載の化合物を加えたアッセイ法で観察されるレベルよりも有意に高くなる(ここでの有意性は、スチューデントT検定などの通常のパラメトリック統計解析法を用いてp≦0.05と測定される)。
【0197】
同様に、C5a受容体のシグナル伝達活性を調節、好ましくは阻害する方法も、本明細書において提供される。そのような調節は、C5a受容体を(インビトロまたはインビボのいずれかで)本明細書において提供される一つまたは複数のC5a受容体調節因子の有効量と、1つ(または複数)の調節因子の受容体への結合に適した条件下で接触させることにより達成することができる。受容体は、溶液もしくは懸濁液中、培養もしくは単離細胞中、または患者体内に存在してもよい。シグナル伝達活性の調節は、カルシウムイオン伝導度(カルシウム動員または流入とも呼ばれる)に対する効果を検出する、またはC5a受容体仲介の細胞走化性に対する効果を検出することにより評価することができる。一般に、1つ(または複数)のC5a調節因子の有効量は、実施例20に記載のカルシウム動員アッセイ法におけるインビトロでのC5a受容体シグナル伝達活性、または実施例13に記載のアッセイ法におけるC5a受容体仲介の細胞走化性を調節するのに十分な濃度(受容体と接触している水溶液中)を得るのに十分な量である。本明細書において提供される1つ(または複数)のC5a受容体調節因子は、好ましくは患者(例えば、ヒト)に経口または局所投与され、C5a受容体シグナル伝達活性を調節する間、動物の少なくとも一つの体液中に存在する。
【0198】
本発明は、C5a受容体調節に反応性の状態を患っている患者の治療法をさらに提供する。本明細書において用いられる「治療」なる用語は、疾患変更治療および対症治療の両方を含み、これらはいずれも予防的(すなわち、症状発現前に、症状を防止、遅延またはその重症度を軽減するため)であっても治療的(すなわち、症状発現後に、症状の重症度および/または期間を軽減するため)であってもよい。C5a受容体活性の調節により、局所に存在するC5a受容体リガンドの量にかかわらず、C5a受容体の不適当な活性の低下が起こる、および/または状態もしくは症状の軽減が起こる場合、その状態は「C5a受容体調節に反応性」である。患者には霊長類(特にヒト)、家庭内コンパニオンアニマル(イヌ、ネコ、ウマなど)、および家畜(ウシ、ブタ、ヒツジなど)が含まれ、用量は本明細書に記載のとおりである。
【0199】
C5a受容体調節に反応性の状態には下記が含まれる。
【0200】
自己免疫障害
例えば、慢性関節リウマチ、全身性紅斑性狼蒼(および随伴する糸球体腎炎)、乾癬、クローン病、脈管炎、刺激性腸症候群、皮膚筋炎、多発性硬化症、気管支喘息、天疱瘡、類天疱瘡、強皮症、重症筋無力症、自己免疫溶血および血小板減少状態、グッドパスチャー症候群(ならびに随伴する糸球体腎炎および肺出血)、免疫脈管炎、組織移植片拒絶、および移植臓器の超急性拒絶。
【0201】
炎症性障害および関連状態
例えば、好中球減少症、敗血症、敗血症性ショック、アルツハイマー病、卒中、重度の熱傷に随伴する炎症、肺傷害、および虚血-再灌流傷害、骨関節炎、ならびに急性(成人)呼吸困難症候群(ARDS)、全身性炎症反応症候群(SIRS)、および多臓器機能障害(MODS)。同様に、インスリン依存性糖尿病の続発症(糖尿病性網膜症を含む)、ループス腎症、ヘイマン腎炎、膜状腎炎および他の型の糸球体腎炎、接触過敏反応、ならびに体外透析後症候群などの、例えば血液の体外循環中(例えば血液透析中、または例えば冠動脈バイパス移植術もしくは心臓弁置換などの血管手術に伴う心肺機器による)に起こるような、血液と補体活性化を引き起こしうる人工的表面との接触によって生じる、または他の人工血管または容器表面(例えば、心室補助具、人工心臓、輸液チューブ、血液貯蔵バッグ、血漿分離交換、血小板分離交換など)との接触に伴う炎症も含まれる。
【0202】
心血管および脳血管障害
例えば、心筋梗塞、冠動脈血栓症、血管閉塞、術後血管再閉塞、アテローム性動脈硬化症、外傷性中枢神経系傷害、および虚血性心疾患。
【0203】
さらなる局面において、C5a受容体調節因子は臓器の受容患者への移植前に供与臓器を灌流するために用いることもできる。そのような灌流は、好ましくは、インビトロおよび/またはインビボでC5a受容体仲介効果を阻害するのに十分な量の調節因子を含む溶液(例えば、薬学的組成物)を用いて実施する。そのような灌流は、好ましくは、臓器移植後の一つまたは複数の炎症性続発症の重症度または頻度を、そのような灌流を行っていない供与臓器の移植を受けた対照(病歴による対照を含むが、これに限定されることはない)移植受容者に比べて軽減する。
【0204】
本明細書において提供される治療法は、一般に、本明細書において提供される一つまたは複数の化合物の有効量の患者への投与を含む。適当な患者には、本明細書において特定される障害または疾患を患っている、または罹りやすい(すなわち、予防的治療)患者が含まれる。本発明による治療のための典型的患者には、哺乳動物、特に霊長類、特にヒトが含まれる。他の適当な患者には、イヌ、ネコ、ウマなどの家庭内コンパニオンアニマル、またはウシ、ブタ、ヒツジなどの家畜が含まれる。
【0205】
一般に、本明細書において提供される治療法は、本明細書において提供される一つまたは複数の化合物の有効量を患者に投与する段階を含む。有効量は、C5a受容体活性を調節するのに十分な量、および/または患者が示す症状を軽減もしくは緩和するのに十分な量である。好ましくは、投与する量は、インビトロで白血球(例えば、好中球)の走化性を検出可能な程度に阻害するのに十分高い化合物(またはプロドラッグの場合には、その活性代謝物)の血漿濃度を得るのに十分な量である。治療法は用いる化合物および治療する特定の状態に応じて変動しうる。ほとんどの障害に対して、一日4回またはそれ以下の投与頻度が好ましい。一般に、一日2回の投与法がより好ましく、一日一回投与が特に好ましい。しかし、いかなる特定の患者に対しても、具体的用量レベルおよび治療法は、用いる具体的化合物の活性、年齢、体重、全般的健康、性別、食餌、投与時間、投与経路、排出速度、薬物の組み合わせ(すなわち、患者に投与中の他の化合物)、および治療中の特定の疾患の重症度、ならびに指示している医師の判断を含む様々な要因に依存することが理解されると思われる。一般に、有効な治療を提供するのに十分な最小用量の使用が好ましい。一般には、治療中または予防中の状態に適した医学的または獣医学的基準を用いて、治療の有効性について患者を監視することもある。
【0206】
前述のとおり、本明細書において提供される化合物および組成物は、C5a受容体仲介走化性の阻害剤として有用である(例えば、これらはそのような走化性のアッセイ法において標準として用いることもできる)。したがって、C5a受容体仲介の細胞走化性、好ましくは白血球(例えば、好中球)走化性を阻害する方法が提供される。そのような方法は、白血球(特に霊長類白血球、特にヒト白血球)を本明細書において提供される一つまたは複数の化合物と接触させる段階を含む。好ましくは、濃度はインビトロ走化性アッセイ法で白血球の走化性を阻害するのに十分であり、対照アッセイ法で観察される走化性のレベルは前述のとおり、本明細書に記載の化合物を加えたアッセイ法で観察されるレベルよりも有意に高い。
【0207】
別の局面において、本発明は本明細書において提供される化合物のインビトロおよびインビボでの様々な非薬学的使用を提供する。例えば、そのような化合物を標識し、C5a受容体の検出および位置特定(細胞調製物またはその組織切片、標品、もしくは画分などの試料中で)のためのプローブとして用いることもできる。化合物はC5a受容体活性についてのアッセイ法における陽性対照として、C5a受容体に結合する候補化合物の能力を評価するための標準として、またはポジトロン放射型断層撮影法(PET)または単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)のための放射性トレーサーとしても用いることができる。そのような方法は、生体被験者においてC5a受容体を特徴付けるために用いることもできる。例えば、C5a受容体調節因子を、任意の様々な公知の技術(例えば、本明細書に記載のとおり、トリチウムなどの放射性核種による放射能標識)を用いて標識し、適当なインキュベーション時間(例えば、まず結合の時間経過をアッセイすることにより調べる)試料と共にインキュベートしてもよい。インキュベーションの後、未結合の化合物を除去し(例えば、洗浄により)、結合した化合物を用いた標識に適した任意の方法(例えば、放射能標識化合物のオートラジオグラフィまたはシンチレーション計数;発光基および蛍光基を検出するためには分光法を用いることもできる)で検出する。対照として、標識化合物とより多量(例えば、10倍の量)の非標識化合物とを含む、対応のある試料を同じ様式で処理することもできる。対照よりも試験試料中により多量の検出可能な標識が残っていることは、試料中にC5a受容体が存在することを示している。培養細胞または組織試料中のC5a受容体の受容体オートラジオグラフィ(受容体マッピング)を含む検出アッセイ法は、KuharによりCurrent Protocols in Pharmacology (1998) John Wiley & Sons、ニューヨークの第8.1.1から8.1.9章に記載のとおりに行うことができる。
【0208】
本明細書において提供される調節因子は、様々な公知の細胞分離法において用いることもできる。例えば、インビトロでC5a受容体を固定化し、それにより単離する(例えば、受容体発現細胞を単離する)ためのアフィニティリガンドとして使用するために、調節因子を組織培養プレートまたは他の支持体の内部表面に結合させることもできる。一つの好ましい態様において、フルオレセインなどの蛍光マーカーに結合された調節因子を細胞と接触させ、これを次いで蛍光活性化細胞選別(FACS)により分析(または単離)する。
【0209】
薬学的製剤
本発明は、本明細書において提供される一つまたは複数のC5a受容体調節因子を、少なくとも一つの生理的に許容される担体または賦形剤と共に含む薬学的組成物も提供する。薬学的組成物は、例えば、水、緩衝液(例えば、中性緩衝化食塩水またはリン酸緩衝化食塩水)、エタノール、鉱油、植物油、ジメチルスルホキシド、炭水化物(例えば、グルコース、マンノース、スクロースまたはデキストラン)、マンニトール、蛋白質、補助剤、ポリペプチドもしくはグリシンなどのアミノ酸、抗酸化剤、EDTAなどのキレート剤もしくはグルタチオンおよび/または保存剤の一つまたは複数を含んでいてもよい。前述のとおり、他の活性成分も本明細書において提供される薬学的組成物に含まれてもよい(が、含まれる必要はない)。
【0210】
担体は、しばしば化合物の安定性またはバイオアベイラビリティを制御するために、患者への投与前に活性成分と結合させることができる物質である。そのような製剤中で用いるための担体は一般に生体適合性であり、かつ生体分解性であってもよい。担体には、例えば、血清アルブミン(例えば、ヒトまたはウシ)、卵アルブミン、ペプチド、ポリリシンおよびアミノデキストランなどの多糖ならびにポリアミドアミンなどの一価または多価分子が含まれる。担体には、例えば、ポリアセテート、ポリグリコレート、ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)、ポリアクリレート、ラテックス、デンプン、セルロースまたはデキストランを含むビーズおよび微小粒子などの固体支持物質も含まれる。担体は、共有結合(直接またはリンカー基を介してのいずれかで)、非共有結合の相互作用または混合物を含む様々な様式で、化合物を担持することができる。
【0211】
薬学的組成物は、例えば、局所、経口、鼻内、直腸内または非経口投与を含む任意の適当な投与様式のために製剤することができる。特定の態様において、経口使用に適した剤形の組成物が好ましい。そのような剤形には、例えば、丸剤、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性または油性懸濁剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬もしくは軟カプセル剤、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤が含まれる。さらに他の態様において、本明細書において提供される組成物は凍結乾燥物として製剤することもできる。本明細書において用いられる非経口なる用語には、皮下、皮内、血管内(例えば、静脈内)、筋肉内、脊髄、頭蓋内、くも膜下腔内および腹腔内注射、ならびに任意の同様の注射または注入技術が含まれる。
【0212】
経口使用が意図された組成物は、薬学的組成物の製造のために当技術分野において公知のいかなる方法に従って調製してもよく、魅力的で美味な製剤を提供するために、一つまたは複数の物質、甘味剤、着香剤、着色剤、および保存剤を含むこともできる。錠剤は、活性成分を錠剤の製造に適した生理的に許容される賦形剤との混合物で含む。そのような賦形剤には、例えば、不活性希釈剤(炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム)、顆粒化および崩壊剤(例えば、コーンスターチまたはアルギン酸)、結合剤(例えば、デンプン、ゼラチンまたはアカシア)ならびに滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)が含まれる。錠剤はコーティングしていなくてもよく、胃腸管内での崩壊および吸収を遅延させ、それにより長期間にわたる持続性作用を提供するために、公知の技術によってコーティングしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリルまたはジステアリン酸グリセリルなどの時間遅延物質を用いることもできる。
【0213】
経口使用のための製剤は、その中で活性成分が不活性固体希釈剤(例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムまたはカオリン)と混合されているゼラチン硬カプセル剤、またはその中で活性成分が水または油媒質(例えば、落花生油、液体パラフィンまたはオリーブ油)と混合されているゼラチン軟カプセル剤で提供されてもよい。
【0214】
水性懸濁剤は、1つ(または複数)の活性物質を水性懸濁剤の製造に適した賦形剤との混合物で含む。そのような賦形剤には、懸濁化剤(例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴムおよびアカシアゴム);および分散または湿潤剤(例えば、レシチン、ステアリン酸ポリオキシエチレンなどのアルキレンオキシドと脂肪酸との縮合生成物、ヘプタデカエチレンオキシセタノールなどのエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合生成物、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトールなどのエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとの縮合生成物、またはモノオレイン酸ポリエチレンソルビタンなどのエチレンオキシドと脂肪酸およびヘキシトール無水物由来の部分エステルとの縮合生成物)が含まれる。水性懸濁剤は一つまたは複数の保存剤、例えば、p-ヒドロキシ安息香酸エチルまたはp-ヒドロキシ安息香酸n-プロピル、一つまたは複数の着色剤、一つまたは複数の着香剤、およびスクロースまたはサッカリンなどの一つまたは複数の甘味剤も含んでいてもよい。シロップ剤およびエリキシル剤はグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、またはスクロースなどの甘味剤と共に製剤することもできる。そのような製剤は一つまたは複数の粘滑剤、保存剤、着香剤、および/または着色剤も含んでいてもよい。
【0215】
油性懸濁剤は、活性成分を植物油(例えば、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、またはヤシ油)または液体パラフィンなどの鉱油中に懸濁することにより調製することができる。油性懸濁液は蜜蝋、固形パラフィン、またはセチルアルコールなどの増粘剤を含んでいてもよい。前述のものなどの甘味剤、および/または着香剤を加えて、美味な経口製剤を提供することもできる。そのような懸濁剤は、アスコルビン酸などの抗酸化剤を加えることにより保存することもできる。
【0216】
水を加えることにより水性懸濁剤を調製するのに適した分散性散剤および顆粒剤は、活性成分を分散または湿潤剤、懸濁化剤、および一つまたは複数の保存剤との混合物で提供する。適当な分散または湿潤剤および懸濁化剤は、すでに前述したもので例示される。その他の賦形剤、例えば、甘味剤、着香剤および着色剤も加えることができる。
【0217】
薬学的組成物は水中油型乳剤の形であってもよい。油相は植物油(例えば、オリーブ油または落花生油)、鉱油(例えば、液体パラフィン)、またはその混合物であってもよい。適当な乳化剤には、天然ゴム(例えば、アカシアゴムまたはトラガカントゴム)、天然リン脂質(例えば、ダイズ、レシチン、ならびに脂肪酸およびヘキシトール由来のエステルまたは部分エステル)、無水物(例えば、モノオレイン酸ソルビタン)、ならびに脂肪酸およびヘキシトール由来の部分エステルとエチレンオキシドとの縮合生成物(例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン)が含まれる。乳剤は一つまたは複数の甘味剤および/または着香剤も含んでいてもよい。
【0218】
薬学的組成物は、用いる媒体および濃度に応じて調節因子が媒体中に懸濁または溶解されている、滅菌注射用水性または油性懸濁剤として調製してもよい。そのような組成物は、前述のものなどの適当な分散、湿潤剤および/または懸濁化剤を用いて、公知の技術に従い製剤することができる。用いることができる許容される媒体および溶媒には、水、1,3-ブタンジオール、リンゲル液および等張塩化ナトリウム溶液が含まれる。加えて、滅菌固定油を溶媒または懸濁媒質として用いることもできる。このために、合成モノまたはジグリセリドを含む、いかなる無刺激性固定油を用いてもよい。加えて、オレイン酸などの脂肪酸を注射用組成物の調製において用いてもよく、局所麻酔剤、保存剤および/または緩衝剤などの補助剤を媒体中に溶解することもできる。
【0219】
C5a受容体調節因子は坐剤(例えば、直腸内投与のために)の形で投与してもよい。そのような組成物は、通常の温度では固体であるが、直腸内温度では液体であり、したがって直腸で融解して薬物を放出する、適当な非刺激性賦形剤と薬物とを混合することにより調製することができる。そのような材料はカカオ脂およびポリエチレングリコールである。
【0220】
薬学的組成物は持続放出製剤(すなわち、投与後に調節因子をゆっくり放出するカプセル剤などの製剤)として製剤してもよい。そのような製剤は一般に公知の技術を用いて調製し、例えば、経口、直腸内、もしくは皮下移植により、または所望の標的部位への移植により投与することができる。そのような製剤において用いる担体は生体適合性であり、かつ生体分解性であってもよい。好ましくは、製剤は相対的に一定レベルで調節因子を放出する。持続放出製剤中に含まれる調節因子の量は、例えば、移植部位、放出の速度および予想持続期間、ならびに治療または予防する状態の性質に依存する。
【0221】
前述の投与様式に加えて、またはそれと一緒に、調節因子は食物または飲料水に都合よく加えてもよい(例えば、コンパニオンアニマル(イヌおよびネコなど)および家畜を含むヒト以外の動物に投与するために)。動物の飼料および飲料水組成物は、動物がその食餌と共に適当な量の組成物を摂取するように製剤することができる。組成物を飼料または飲料水に添加するためのプレミックスとして提供してもよい。
【0222】
本明細書において提供されるC5a受容体調節因子は一般に、インビトロでアッセイしたときにC5aのC5a受容体への結合を検出可能な程度に阻害するのに十分な体液(例えば、血液、血漿、血清、CSF、滑液、リンパ液、細胞間質液、涙または尿)中の濃度が得られる量で投与する。用量は、本明細書に記載の識別可能な患者の利益をもたらす場合に有効と考える。好ましい全身用量は、一日に体重1kgあたり約0.1mgから約140mg(一日に患者一人あたり約0.5mgから約7g)の範囲で、経口用量は一般に静脈内用量の約5〜20倍である。単回投与剤形を生成するために担体材料と合わせる活性成分の量は、治療する宿主および特定の投与様式に応じて変動することになる。単位投与剤形は一般に、約1mgから約500mgの間の活性成分を含むことになる。
【0223】
薬学的組成物は、C5a受容体調節に反応性の状態(例えば、慢性関節リウマチ、乾癬、心血管疾患、再灌流傷害、気管支喘息、アルツハイマー病、卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患または虚血−再灌流傷害)を治療するために包装してもよい。包装された薬学的組成物は、本明細書に記載の少なくとも一つのC5a受容体調節因子の有効量を保持する容器、および含まれる組成物は患者のC5a受容体調節に反応性の状態を治療するために用いるものであることを示す説明書(例えば、ラベル)を含んでいてもよい。
【0224】
化合物の調製
本明細書において提供される置換テトラヒドロイソキノリンは一般に、標準的合成法を用いて調製することができる。一般に、出発原料はSigma-Aldrich Corp.(ミズーリ州セントルイス)などの供給元から市販されているか、または市販の前駆体から確立されたプロトコルを用いて合成してもよい。例として、下記のスキームに示すものと類似の合成経路を、当業者には認められている合成有機化学の分野において公知の合成法、またはその変法と共に用いて、2-(1-アリール-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル)アセトアミドおよび他の環サイズ(n=0、1、2、3など)の二環式化合物を調製することができる。R、R1、R9およびR10はそれぞれ本明細書において提供される化合物の説明に一致するいかなる基であってもよい。

【0225】
本発明の一般式Cの2-(1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-2-イル)アセトアミドはスキーム1に図示した方法に従って調製することができ、このスキームでは文献法(例えば、ScullyおよびSchlager(1982)「Synthesis of dihydroisoquinolines and 1-substituted tetrahydroisoquinolines」、Heterocycles 19:653-6またはShinoharaら、(1997)「A highly efficient synthesis of 1-methyl-, 1-benzyl-, and 1-phenyl-1,2,3,4-tetrahydroisoquinolines by a modified Pummerer reaction」、Heterocycles 46:555-566)に従って調製した一般式Aの化合物を、2位に脱離基Xを有する、適当に置換されたアセトアミド誘導体と混合(有機または無機塩基存在下、適当な溶媒中で)する。例えば、Xはハロゲン、スルホン酸アルキルもしくはアリール、またはスルホン酸ポリフルオロアルキルであってもよい。一般式Bのアセトアミドは、塩基存在下、適当な二級アミンとハロゲン化2-ハロアセチル(塩化2-クロロアセチルなど)との縮合により調製することができる。または、一般式Bのアセトアミドは、CDIなどのカップリング剤存在下、適当な二級アミンと2-(アルキルスルホニルエステル)酢酸または2-(アリールスルホニルエステル)酢酸のいずれかとの縮合により調製することができる。
【0226】
本明細書において提供される特定の化合物は、一つまたは複数のステレオジェン中心を含む。これらの状況において、不斉合成、光学的に純粋な前駆体からの合成、またはラセミ体の分割により、単一の鏡像異性体(すなわち、光学活性体)を得ることができる。ラセミ体の分割は、例えば、分割剤存在下での結晶化、または例えばキラルHPLCカラムを用いてのクロマトグラフィなどの通常の方法により達成することができる。
【0227】
以下の実施例は例示のために示すものであり、限定のためのものではない。特に記載がないかぎり、すべての試薬および溶媒は市販されている標準の等級で、それ以上精製せずに用いるか、またはそのような材料から日常的方法によって容易に調製される。有機合成の当業者であれば、所望の最終生成物を得るために、出発原料および反応条件を変えうることを理解すると思われる。
【0228】
実施例
実施例1. (N-1-フルオロベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(6,7-ジメトキシ-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル)アセトアミドの合成

アセトニトリル中の6,7-ジメトキシ-1-フェニル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン塩酸塩(1、153mg、0.5mmol)、N-(1-フルオロベンジル)-N-インダン-2-イル-2-ブロモアセトアミド(2、180mg、0.5mmol)および炭酸カリウム(500mg)の混合物を80℃で終夜加熱する。冷却後、混合物をろ過して濃縮する。得られた残渣をカラムクロマトグラフィで、クロロホルム中5%メタノールで溶出して精製し、表題化合物(3)を粘稠油状物で得る。1H NMR (CDC13) 6.8-7.3 (m, 14H), 6.60 (s, 1H), 6.05 (s, 1H)。
【0229】
実施例2. 2-(1-エチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミドの調製
A. 2-ベンジル-l-メチル-l-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン

臭化ベンジル(0.43ml、3.58mmol)を、1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-イソキノリン(755mg、3.41mmol)のアセトニトリル(15ml)溶液に加える。混合物を2時間還流し、次いで冷却し、濃縮して、未精製の臭化イソキノリニウムを黄色泡状物で得、これをTHF(15ml)に溶解する。臭化メチルマグネシウム(3Mエーテル溶液1.7ml、5.12mmol)をゆっくり加え、混合物を室温で2時間撹拌する。反応混合物を飽和NH4Clで反応停止し、酢酸エチルで抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)して濃縮し、残渣をフラッシュクロマトグラフィ(5%EtOAc/Hexで溶出)で精製して、所望のN-ベンジルTHIQを無色油状物で得る。

【0230】
B. 1-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン

酢酸(6ml)中の2-ベンジル-l-メチル-l-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(164mg、0.50mmol)および10%Pd/C(16mg)の混合物を1気圧のH2下、室温で5時間撹拌する。混合物をセライトを通してろ過し、ろ液を濃縮する。残渣を塩化メチレンで希釈し、飽和NaHCO3でpH8まで塩基性化する。層を分離し、水層を塩化メチレンで抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮して、1-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリンを得る。

【0231】
C. 2-(1-エチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド

アセトニトリル(10ml)中の1-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン(96mg、0.40mmol)、2-クロロ-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(147mg、0.40mmol)、および炭酸カリウム(111mg、0.80mmol)の混合物を30時間加熱還流する。反応混合物を冷却し、水で処理し、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣を調製用薄層クロマトグラフィで精製し、2-(1-エチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(化合物4)を淡黄色油状物で得る。LSMS 519.3 (MH+)。
【0232】
実施例3. 2-[1-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミドの調製

A. 1-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-1H-イソキノリン-2-カルボン酸ベンジルエステル

イソキノリン(645mg;5mmol)のTHF(20mL)溶液をクロロギ酸ベンジル(853mg;5mmol)により0℃で処理し、混合物を0℃で1時間撹拌する。2,6-ジフルオロフェニルリチウム(1-ブロモ-2,6-ジフルオロベンゼン(1.37g;7.1mmol)およびn-BuLi(2.5Mヘキサン溶液、2.7mL;6.8mmolから-78℃で調製)をこの混合物に加え、得られた溶液を0℃で1時間と、次いで室温で2時間撹拌する。飽和NH4Cl溶液で反応停止し、エーテルで抽出し、無水Na2SO4で乾燥し、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/エーテル5:1で溶出)で精製して、生成物を無色油状物で得る(0.62g)。LC-MS [MH+] 378.2、RT=3.00分。
【0233】
B. 1-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン

1-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-1H-イソキノリン-2-カルボン酸ベンジルエステル(0.62g;1.64mmol)、エタノール/酢酸エチル(10ml/10ml)、および10%Pd/C(110mg)の混合物を室温、50psiで19時間水素添加する。混合物をセライトを通してろ過し、酢酸エチルで洗浄し、ろ液を減圧濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル1:1で溶出)で精製して、生成物を無色油状物で得る。LC-MS [MH+] 246.2、RT=2.00分。
【0234】
C. 2-[1-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド

1-(2,6-ジフルオロ-フェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン(120mg;0.49mmol)、2-クロロ-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(260mg、0.82mmol)、K2CO3(500mg;3.62mmol)およびアセトニトリル(20mL)の混合物を80℃で20時間撹拌する。混合物を室温まで冷却し、不溶物質をろ去し、酢酸エチルで洗浄して、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル5:1)で精製し、生成物(化合物5)を無色油状物で得る。LC-MS [MH+] 527.21、RT=2.81分。
【0235】
実施例4. (S)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-アセトアミドの調製
A. (S)-(+)-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン

アセトン(50mL)中の1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンのラセミ体(14.23g;63.7mmol)の溶液をアセトン(80mL)中のジ-p-トルオイル-L-酒石酸(23.37g;60.5mmol)の熱溶液で処理する。室温まで冷却すると、混合物は混濁する。混合物を室温で終夜撹拌する。クリーム色の懸濁液をろ過して、塩をオフホワイトの固体で得る(19g)。この塩をイソプロピルアルコール/メタノール(2:1)から結晶化して、白色の結晶性固体を得る(11.4g)。少量の試料を1N水酸化ナトリウムで遊離塩基とし、エーテルで抽出し、蒸発させた。残渣をCDCl3に溶解し、(S)-α-メチルベンジルイソシアネート(3滴)で処理し、NMRチューブ内で振り混ぜる。NMRスペクトルのo-トリルメチルピークの比から、生成物の鏡像異性体としての純度95%が示される。
【0236】
バルク結晶塩を酢酸エチル(200mL)中でスラリーとし、1N NaOH(2×75mL)および食塩水(1×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、生成物を無色油状物で得る。αD(c=1.0、CHCl3)=+19。文献化合物(J. Org. Chem. (1999) 6724)との比較に基づき、この化合物は(S)配置に割り当てられる。(R)-(-)鏡像異性体は、ジ-p-トルオイル-D-酒石酸を用い、同様の方法で調製する。
【0237】
B. (S)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-アセトアミド

(S)-(+)-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン(111mg;0.5mmol)、2-クロロ-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(158mg、0.5mmol)、炭酸カリウム(138mg;1.0mmol)、およびアセトニトリル(10mL)の混合物を16時間加熱還流する。
【0238】
混合物を室温まで冷却し、水(40mL)で処理し、酢酸エチル(3×70ml)で抽出する。合わせた抽出物を食塩水(1×30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルの調製用薄層クロマトグラフィ(エーテル:ヘキサン1:1で溶出)で精製し、生成物(化合物6)を淡黄色泡状物で得る(164mg)。MS 505.3 (MH+)。
【0239】
実施例5. 4-(R)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(4-メチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-アセトアミド
A. (R)-2-メチル-N-(2-フェニル-プロピル)-ベンズアミド

(R)-2-フェニルプロピルアミン(1.24g;9.17mmol)、1N NaOH(20mL)、およびジクロロメタン(20mL)の混合物を塩化o-トルオイル(1.42g;9.17mmol)を滴加して処理する。次いで、混合物を室温で1時間撹拌する。相を分離し、水層をジクロロメタン(2×70ml)で抽出する。合わせた抽出物を水(1×30mL)および食塩水(1×30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させて、生成物を白色固体で得る。
【0240】
B. (R)-4-メチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-イソキノリン

(R)-2-メチル-N-(2-フェニル-プロピル)-ベンズアミド(2.1g;8.29mmol)をポリリン酸(あらかじめ140℃に加熱)に全部一度に加え、得られた混合物を140℃で1時間撹拌する。混合物を氷上に注ぎ、濃NH4OHで塩基性とし、ジクロロメタン(100mL)で希釈する。相を分離し、水相をジクロロメタン(3×70ml)で抽出する。合わせた有機物を水(1×50mL)および食塩水(1×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で蒸発させる。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(エーテルで溶出)で精製して、生成物を黄色油状物で得る。
【0241】
C. 4-(R)-4-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン

(R)-4-メチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-イソキノリン(1.01g;4.29mmol)のメタノール(40mL)溶液に水素化ホウ素ナトリウム(487mg;12.9mmol)を少しずつ加えて処理する。次いで、混合物を室温で6時間撹拌する。メタノールを減圧下で除去し、残渣を水(40mL)で処理し、酢酸エチル(3×70mL)で抽出する。抽出物を水(1×30mL)および食塩水(1×30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、蒸発させる。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(エーテル-ヘキサン(1:1)と、次いでエーテルで溶出)で精製して、生成物(ジアステレオ異性体の混合物)を黄色油状物で得る。
【0242】
D. 4-(R)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(4-メチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-アセトアミド(化合物7)

4-(R)-4-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン(140mg;0.59mmol)、2-クロロ-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(187mg、0.59mmol)、炭酸カリウム(163mg;1.18mmol)、およびアセトニトリル(10mL)の混合物を5時間加熱還流する。混合物を室温まで冷却し、水(50mL)で処理し、酢酸エチル(3×80ml)で抽出する。合わせた抽出物を水(1×50mL)および食塩水(1×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルの調製用薄層クロマトグラフィ(エーテル:ヘキサン1:3で溶出)で精製し、ジアステレオ異性体の混合物である生成物(化合物7)をクリーム色の泡状物で得る
【0243】
実施例6. 1-(R),4-(R)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(4-メチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-アセトアミド
A. 1-(R),4-(R)-4-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン

アセトン(5mL)中の4-(R)-4-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロ-イソキノリン(630mg;2.65mmol)の溶液をアセトン(10mL)中のジ-p-トルオイル-L-酒石酸(973mg;2.52mmol)の温溶液で処理する。15分後、溶液は混濁する。懸濁液を室温で終夜撹拌する。混合物をろ過して白色固体で得、これは1H NMRで一方の異性体77%であることが示される。この異性体混合物をエタノールから二回結晶化して、白色固体を得(369mg)、1H NMRで一方の異性体85%であることが示される。この混合物をアセトン/エタノール(10:1)から結晶化して、生成物を白色固体で得、1H NMRで一方の異性体>92%であることが示される。
【0244】
B. 1-(R),4-(R)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(4-メチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-アセトアミド(化合物8)

1-(R),4-(R)-4-メチル-1-o-トリル-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン ジ-p-トルオイル-L-酒石酸塩(218mg;0.35mmol)、2-クロロ-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(111mg、0.35mmol)、炭酸カリウム(145mg;1.05mmol)、およびアセトニトリル(10mL)の混合物を16時間加熱還流する。混合物を室温まで冷却し、水(50mL)で処理し、酢酸エチル(3×70ml)で抽出する。合わせた抽出物を水(1×30mL)および食塩水(1×30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルの調製用薄層クロマトグラフィ(エーテル:ヘキサン1:1で溶出)で精製し、生成物(化合物8)を白色泡状物で得る。
【0245】
実施例7. N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(S)-[1-(S)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオンアミドの合成
A. (R)-(+)-2-ブロモ-プロピオン酸tert-ブチルエステルおよび(S)-(-)-2-ブロモ-プロピオン酸tert-ブチルエステル

(R)-(+)-2-ブロモ-プロピオン酸tert-ブチルエステルおよび(S)-(-)-2-ブロモ-プロピオン酸tert-ブチルエステルはいずれも本質的にKozikowskiら(1990) J. Med. Chem. 33(16):1561-71に記載のとおりに調製する。
【0246】
B. 2-(S)-(1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-プロピオン酸tert-ブチルエステル

1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリンのラセミ体(0.67g、3.00mmol)を(R)-(+)-2-ブロモ-プロピオン酸tert-ブチルエステル(0.50g、2.39mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に加え、混合物を85℃で16時間撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を酢酸エチル(100mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)で希釈し、有機層を単離し、水(2×100mL)、食塩水(1×100mL)で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過して濃縮した後、40:1ヘキサン:エチルエーテルを用いてのSiO2フラッシュクロマトグラフィにより、2-(S)-(1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-プロピオン酸tert-ブチルエステルを無色シロップで得る。
【0247】
C. 2-(S)-[1-(S)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオン酸

2-(S)-(1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-プロピオン酸tert-ブチルエステル(0.27g、0.768mmol)のジクロロメタン(5.0mL)溶液にトリフルオロ酢酸(5.0mL、64.9mmol)を加える。反応混合物を室温で4時間撹拌する。すべての溶媒を減圧下で除去し、エチルエーテル(50mL)および飽和炭酸水素ナトリウム(100mL)を加え、有機層を除去する。水層を1M HClを用いてpH2.0まで酸性化し、粗生成物をジクロロメタン(100mL)中に抽出し、水(2×50mL)および食塩水(1×100mL)で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過して濃縮した後、20:1ジクロロメタン:メタノールを用いてのSiO2フラッシュクロマトグラフィにより、2-(S)-[1-(R)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオン酸(Rf 0.6)(100mg)および2-(S)-[1-(S)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオン酸(Rf 0.3)(70mg)をいずれも白色泡状物で得る。2-(S)-[1-(R)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオン酸、2-(R)-[1-(S)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオン酸、および2-(R)-[1-(R)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオン酸を同様の様式で調製する。
【0248】
D. N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(S)-[1-(S)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオンアミド(化合物9)

N-メチルモルホリン(0.039mL、0.355mmol)およびクロロギ酸イソブチル(0.037mL、0.284mmol)を、2-(S)-[1-(S)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオン酸(70mg、0.237mmol)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に0℃で加える。反応混合物を1時間撹拌する。次いで、N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダンアミン(0.114g、0.474mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌する。すべての溶媒を減圧下で除去し、飽和炭酸水素ナトリウム(50mL)および酢酸エチル(50mL)を加える。有機層を単離し、水(1×100mL)、食塩水(1×100mL)で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥する。ろ過して濃縮した後、20:1ジクロロメタン:メタノールを用いてのSiO2フラッシュクロマトグラフィにより、N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(S)-[1-(S)-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル]-プロピオンアミド(化合物9)を無色油状物で得る(76mg)。
【0249】
実施例8. 4-(2-フルオロ-フェニル)-3-インダン-2-イル-1-(3-メチル-2-o-トリル-ピペリジン-1-イル)-ブタン-2-オン
A. 3-メチル-2-o-トリル-ピリジン

DME(30ml)中の2-ブロモ-3-メチルピリジン(1.09g;6.34mmol)、o-トリルボロン酸(1.29g;9.50mmol)、およびPd(PPh3)4(147mg;2mol%)の混合物を室温で10分間撹拌する。炭酸ナトリウム(1M水溶液32ml;32mmol)をこの混合物に加え、混合物を80℃で16時間加熱する。反応混合物を水で処理し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘキサンで溶出)で精製して、3-メチル-2-o-トリル-ピリジンを黄色油状物で得る。

【0250】
B. 3-メチル-2-o-トリル-ピペリジン

無水エタノール(30ml)中の3-メチル-2-o-トリル-ピリジン(176mg;3.9mmol)および濃HCl(0.1ml)を含むパー(Parr)容器に酸化白金(44mg;5mol%)を加える。パー容器を振盪機内で密封し、排気した後、窒素と続いて水素でパージする。系を室温で水素70psiまで加圧し、振盪機により振盪する。2日後、振盪を停止し、反応混合物をセライトを通してろ過し、減圧濃縮し、酢酸エチルで希釈し、1N NaOHで処理する。混合物をエーテルで抽出し、合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮して、3-メチル-2-o-トリル-ピペリジンおよび3-メチル-2-(2-メチル-シクロヘキシル)ピペリジンの混合物を得、これを次の段階に直接使用する。
【0251】
C. 4-(2-フルオロ-フェニル)-3-インダン-2-イル-1-(3-メチル-2-o-トリル-ピペリジン-1-イル)-ブタン-2-オン(化合物10)

アセトニトリル(10ml)中の3-メチル-2-o-トリル-ピペリジンおよび3-メチル-2-(2-メチル-シクロヘキシル)ピペリジンの混合物(330mg)、2-クロロ-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(600mg)、および炭酸カリウム(520mg)の混合物を16時間加熱還流する。反応混合物を冷却し、水で処理し、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(5%MeOH/CH2Cl2で溶出)で精製し、4-(2-フルオロ-フェニル)-3-インダン-2-イル-1-(3-メチル-2-o-トリル-ピペリジン-1-イル)-ブタン-2-オン(化合物10)を淡黄色油状物で得る。LCMS 471.3(MH+)。
【0252】
実施例9. 2-(4,5-ジメチル-6-o-トリル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド

A. 4,5-ジメチル-6-o-トリル-3,6-ジヒドロ-1H-ピリジン-2-オン(11)
4,5-ジメチル-6-o-トリル-3,6-ジヒドロ-1H-ピリジン-2-オンを本質的にJ. Org. Chem. (1994) 59(2):291に記載のとおりに合成する。
【0253】
B. 4,5-ジメチル-6-o-トリル-1,2,3,6-テトラヒドロ-ピリジン(12)
4,5-ジメチル-6-o-トリル-3,6-ジヒドロ-1H-ピリジン-2-オン(177mg;0.82mmol)のTHF(5mL)溶液をアラン(10当量)で処理し、混合物を室温で16時間撹拌する。Na2SO4.10H2O(2g)で反応停止し、得られた混合物をろ過し、不溶物質を酢酸エチルで洗浄する。ろ液を減圧濃縮して生成物(12)を得る。
【0254】
C. 2-(4,5-ジメチル-6-o-トリル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(13)
4,5-ジメチル-6-o-トリル-1,2,3,6-テトラヒドロ-ピリジン(170mg;0.85mmol)、2-クロロ-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド(403mg;1.27mmol)およびK2CO3(587mg;4.24mmol)ならびにアセトニトリル(20ml)の混合物を80℃で20時間撹拌する。反応混合物をろ過し、不溶物質を酢酸エチルで洗浄し、ろ液を減圧下で濃縮する。残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル3:1で溶出)で精製し、生成物(化合物13)を油状物で得る。LC-MS [MH+] 483.25, RT=2.69分。
【0255】
実施例10. その他の化合物
表Iに示す本発明のその他の化合物を、スキームIに示し、実施例1〜7にさらに例示した方法により調製する。表IIに示す本発明のその他の化合物を、実施例8〜9に例示した方法により調製する。Ca2+の欄にアステリスクのついている化合物は、実施例20に示すC5a受容体仲介カルシウム動員の標準的アッセイ法で試験し、Kiが1uM未満であることが判明した。
【0256】
表IおよびIIに示すLC/MSデータは、下記の機器および方法を用いて得た。MS分光データは、WATERS 600ポンプ、WATERS 2487 Dual Wavelength Detector、GILSON 215 Autosampler、およびGILSON 841 Microinjectorを装備したWATERS ZMD 2000 Mass Spec Detectorを用い、陽イオンモード、コーン電圧15Vで得たエレクトロスプレーMSである。データ収集および解析にはMassLynxバージョン3.4ソフトウェアを用いた。
【0257】
2〜20マイクロリットルの試料を、33×4.6mmのYMC ProPack C18;5ミクロンカラムに注入し、二相直線勾配を用い、流速4mL/分で溶出した。試料を220nmおよび254nmで検出した。溶出条件は次のとおりであった:移動相A-95/5/0.1水/メタノール/TFA、移動相B:5/95/0.1水/メタノール/TFA。

勾配の全実行時間は4.0分であった。
【0258】
【表1】




















【0259】
【表2】


【0260】
実施例11. 経口および静脈内投与のための薬学的製剤
A. C5aアンタゴニストおよびC5a受容体アンタゴニストではない関節炎治療薬を含む錠剤を以下に示すとおりに調製することができる。

【0261】
B. C5a受容体アンタゴニストを唯一の活性成分として含む錠剤を以下に示すとおりに調製することができる。

【0262】
C. C5a受容体アンタゴニストおよびC5a受容体不活性薬を含む錠剤を以下のとおりに調製することができる。

【0263】
D. C5a受容体アンタゴニストおよびC5a受容体不活性薬を含む静脈内投与製剤を以下のとおりに調製することができる。

【0264】
E. C5a受容体アンタゴニストおよびC5a受容体不活性薬を含む経口懸濁剤を以下のとおりに調製することができる。

【0265】
実施例12. 放射能標識したプローブ化合物の調製と受容体オートラジオグラフィ
本明細書において提供される化合物の合成を、少なくとも一つの放射性同位体原子を含む前駆体を用いて行うことにより、これらの化合物を放射能標識したプローブとして調製する。放射性同位体は、好ましくは、炭素(好ましくは14C)、水素(好ましくは3H)、硫黄(好ましくは35S)、またはヨウ素(好ましくは125I)の少なくとも一つから選択される。そのような放射能標識したプローブは、放射能標識プローブ化合物の受注合成を専門にしている放射性同位体供給業者により都合良く合成される。そのような供給会社にはAmersham Corporation、イリノイ州アーリントンハイツ;Cambridge Isotope Laboratories, Inc.、マサチューセッツ州アンドーバー;SRI International、カリフォルニア州メンローパーク;Wizard Laboratories、カリフォルニア州ウェストサクラメント;ChemSyn Laboratories、カンザス州ルネクサ;American Radiolabeled Chemicals, Inc.、ミズーリ州セントルイス;およびMoravek Biochemicals Inc.、カリフォルニア州ブレアが含まれる。
【0266】
三重水素標識したプローブ化合物も、三重水素化酢酸中での白金触媒交換、三重水素化トリフルオロ酢酸中での酸触媒交換、または三重水素ガス中での不均一触媒交換により触媒を用いて都合良く調製される。そのような調製も、前の段落で挙げた供給業者のいずれかにより、本発明の化合物を基質として用いた受注放射能標識として都合良く実施される。加えて、特定の前駆体を適宜、三重水素ガスによる三重水素-ハロゲン交換、不飽和結合の三重水素還元、または三重水素化ホウ素ナトリウムを用いた還元にかけてもよい。
【0267】
受容体オートラジオグラフィ(受容体マッピング)は、前述のとおりに調製した放射能標識化合物を用い、KuharによりCurrent Protocols in Pharmacology (1998) John Wiley & Sons、ニューヨークの第8.1.1章から第8.1.9章に記載のとおりにインビトロで実施する。
【0268】
実施例13. C5a受容体仲介走化性アッセイ法
このアッセイ法はC5a受容体仲介走化性の標準的アッセイ法である。
【0269】
ヒト前単球U937細胞または精製ヒトもしくは非ヒト好中球をアッセイ実施前にジブチリルcAMPで48時間処理する。ヒト好中球または別の哺乳動物種の好中球を単離後直接用いる。細胞をペレット化し、0.1%ウシ胎仔血清(FBS)および10ug/mlのカルセインAM(蛍光色素)を含む培地中に再懸濁する。次に、この懸濁液を37℃で30分間インキュベートして、細胞に蛍光色素を取り込ませる。次いで、懸濁液を短時間遠心沈降にかけて細胞をペレット化し、これを0.1%FBSを含む培地中に約3×106細胞/mLの濃度で再懸濁する。この細胞懸濁液の一定量を、媒体(1%DMSO)または様々な濃度の対象化合物を含む清浄な試験管に移し、室温で少なくとも30分間インキュベートする。走化性アッセイ法はCHEMO TX 101-8、96穴プレート(Neuro Probe, Inc.、メリーランド州ゲイザースバーグ)中で実施する。プレートの下のウェルには、0〜10nMのC5a、好ましくは好中球または他の細胞と同じ哺乳動物の種由来のもの(例えば、ヒトU937細胞に対してはヒトC5a)を含む培地を充填する。プレートの上のウェルには、細胞懸濁液(化合物または媒体処理したもの)を充填する。次いで、プレートを組織培養インキュベーター中に60分間放置する。プレートの上面をPBSで洗浄して、過剰の細胞懸濁液を除去する。下のウェルに遊走した細胞数を、蛍光読み取り器を用いて測定する。次いで、各化合物濃度について走化性指数(充填した細胞総数に対する遊走細胞の比)を計算し、IC50値を求める。
【0270】
対象化合物存在下で細胞が走化性能力を保持していることを確認するための対照として、プレートの下のウェルに、C5aではなく、様々な濃度のC5a受容体による走化性を仲介しない化学遊走物質(例えば、ザイモザン活性化血清(ZAS)、N-ホルミルメチオニル-ロイシル-フェニルアラニン(FMLP)またはロイコトリエンB4(LTB4))を充填してもよく、その条件下で本明細書において提供される化合物は好ましくは走化性を阻害しない。
【0271】
好ましい化合物は、前述のC5a受容体仲介走化性アッセイ法において1μM未満のIC50値を示す。
【0272】
実施例14. C5A受容体の発現
ヒトC5a受容体cDNAを、1)Kozakリボソーム結合部位を付加する順方向プライマーおよび2)追加配列を加えなかった逆方向プライマー、ならびに3)鋳型として一定量のStratagene Human Fetal Brain cDNAライブラリを用いたPCRによって得る。得られたPCR産物の配列はGerardおよびGerard、(1991) Nature 349:614-17に記載のとおりである。PCR産物をクローニングベクターpCR-Script AMP(STRATAGENE、カリフォルニア州ラホイヤ)中のSrf I部位にサブクローニングする。次いで、これを制限酵素EcoRIおよびNotIを用いて切断し、EcoRIおよびNotIで消化したバキュロウイルス発現ベクターpBacPAK 9(CLONTECH、カリフォルニア州パロアルト)中での発現のために、適当な方向にサブクローニングする。
【0273】
実施例15. C5A発現のためのバキュロウイルス調製物
ヒトC5a(hC5a)受容体バキュロウイルス発現ベクターをBACULOGOLD DNA(BD PharMingen、カリフォルニア州サンディエゴ)と共にSf9細胞中に同時形質移入する。Sf9細胞培養上清を形質移入の3日後に回収する。組換えウイルス含有上清を、グレースの塩および4.1mM L-Gln、3.3g/L LAH、3.3g/L限外ろ過イーストレート(yeastolate)および10%熱不活化ウシ胎仔血清を補足したHinkのTNM-FH昆虫培地(JRH Biosciences、カンザス州レネクサ)(以下「昆虫培地」)中で連続希釈し、組換えプラークについてアッセイする。4日後、組換えプラークを選択し、昆虫培地1ml中に回収して増幅する。各1ml量の組換えバキュロウイルス(継代0)を用いて、昆虫培地5ml中の2×106Sf9細胞を含む別のT25フラスコに感染させる。27℃で5日間インキュベートした後、継代1接種物として用いるために各T25感染物から上清培地を回収する。
【0274】
次いで、継代1保存液1mlを用いて二回目の増幅のために7つの組換えバキュロウイルスクローンの2つを選択し、2つのT175フラスコに分けた昆虫培地100ml中の1×108細胞に感染させる。感染の48時間後、各100mlの調製物から継代2の培地を回収し、力価を調べるためにプラークをアッセイする。第二回の増幅からの細胞ペレットを、下記の親和性結合によりアッセイして組み替え受容体発現を検証する。第三回の増幅を感染多重度0.1を用いて開始し、1リットルのSf9細胞に感染させる。感染の40時間後、上清培地を回収して、継代3のバキュロウイルス保存液を得る。
【0275】
残りの細胞ペレットを、基本的にはDeMartinoら、(1994) J. Biol. Chem. 269:14446-50、14447ページに記載の「Binding Assay」を用い、下記のとおり改変して、親和性結合についてアッセイする。放射性リガンドは0.005〜0.500nM [125I]C5a(ヒト組換え;New England Nuclear Corp.、マサチューセッツ州ボストン)であり;hC5a受容体発現バキュロウイルス細胞を293細胞の代わりに用いる。アッセイ緩衝液は50mM Hepes pH7.6、1mM CaC12、5mM MgCl2、0.1%BSA、pH7.4、0.1mMバシトラシン、および100KIU/mlアプロチニンを含み;ろ過はGF/C WHATMANフィルター(使用前に1.0%ポリエチレンイミンに2時間あらかじめ浸漬)を用いて行い;かつフィルターをBSA、バシトラシン、またはアプロチニンを含まない冷結合緩衝液5mLで二回洗浄する。
【0276】
継代3のバキュロウイルス保存液の力価をプラークアッセイ法によって求め、感染多重度、インキュベーションの時間経過、結合アッセイ実験を実施して、最適な受容体発現のための条件を求める。感染多重度0.1および72時間のインキュベーションが、1リットルまでのSf9細胞感染培養におけるhC5a受容体発現の最良の感染パラメーターであった。
【0277】
実施例16:バキュロウイルス感染
対数期Sf9細胞(INVITROGEN Corp.、カリフォルニア州カールスバッド)を組み替えバキュロウイルスの一つまたは複数の保存液で感染させた後、昆虫培地中、27℃で培養する。感染は、hC5a受容体の発現を指向するウイルスのみ、またはこのウイルスと次の三つのG蛋白質サブユニット発現ウイルス保存液との組み合わせのいずれかで実施する:1)ラットGαi2 G蛋白質コードウイルス保存液(BIOSIGNAL #V5J008)、2)ウシb1 G蛋白質コードウイルス保存液(BIOSIGNAL #V5H012)、および3)ヒトg2 G蛋白質コードウイルス保存液(BIOSIGNAL #V6B003)(これらはすべてBIOSIGNAL Inc.(カナダ、モントリオール)から入手可能である)。
【0278】
感染は感染多重度0.1:1.0:0.5:0.5で都合良く実施される。感染の72時間後、細胞懸濁液の試料をトリパンブルー色素排除により生存度を解析し、残りのSf9細胞を遠心沈降(3000rpm/10分/4℃)により回収する。
【0279】
実施例17. 精製組換え昆虫細胞膜
Sf9細胞ペレットをホモジナイゼーション緩衝液(10mM HEPES、250mMスクロース、0.5ug/mlロイペプチン、2ug/mlアプロチニン、200uM PMSF、および2.5mM EDTA、pH7.4)中に再懸濁し、POLYTRONホモジナイザー(設定5で30秒)を用いてホモジナイズする。ホモジネートを遠心沈降(536×g/10分/4℃)して核をペレット化する。単離膜を含む上清を清浄な遠沈管にデカントし、遠心沈降(48,000×g/30分、4℃)し、得られたペレットを30mlのホモジナイゼーション緩衝液に再懸濁する。この遠心沈降および再懸濁の段階を二回繰り返す。最終のペレットを5mM EDTAを含む氷冷ダルベッコPBSに再懸濁し、要時まで-80℃の凍結一定量で保存する。得られた膜調製物(以下「P2膜」)の蛋白質濃度はBradford蛋白質アッセイ法(Bio-Rad Laboratories、カリフォルニア州ハーキュリーズ)を用いて都合良く測定される。この測定によれば、1リットルの細胞培養物により典型的には100〜150mgの膜蛋白質が得られる。
【0280】
実施例18. 放射性リガンド結合アッセイ法
前述の方法により調製した精製P2膜を、Dounceホモジナイゼーション(密着ペッスル)により結合緩衝液(50mM Hepes pH7.6、120mM NaCl、1mM CaCl2、5mM MgCl2、0.l%BSA、pH7.4、0.1mMバシトラシン、100KIU/mlアプロチニン)中に再懸濁する。
【0281】
飽和結合分析のために、膜(5〜50μg)を0.005〜0.500nM [125I]C5a(ヒト(組換え)、New England Nuclear Corp.、マサチューセッツ州ボストン)を含むポリプロピレン試験管に加える。非特異的結合を300nM hC5a(Sigma Chemical Co.、ミズーリ州セントルイス)存在下で定量し、全結合の10%未満に相当する。受容体親和性に対するグアニンヌクレオチド効果を評価するために、GTPγSを二つ組の試験管に最終濃度50μMで加える。
【0282】
競合分析のために、膜(5〜50μg)を0.030nM [125I]C5a(ヒト)を含むポリプロピレン試験管に加える。非放射能標識置換物を別の試験管に10-10Mから10-5Mの範囲の濃度で加え、最終量0.250mLとする。非特異的結合を300nM hC5a(Sigma Chemical Co.、ミズーリ州セントルイス)存在下で定量し、全結合の10%未満に相当する。室温で2時間インキュベートした後、急速減圧濾過により反応を停止する。試料をあらかじめ浸漬(使用前に1.0%ポリエチレンイミン中、2時間)したGF/C WHATMANフィルターでろ過し、BSA、バシトラシン、またはアプロチニンを含まない冷結合緩衝液5mLで2回洗浄する。残った結合放射能をγ線計数により定量する。SIGMAPLOTソフトウェア(SPSS Inc.、イリノイ州シカゴ)を用いてヒルの式に測定値を挿入することにより、K1およびヒル係数(「nH」)を求める。
【0283】
実施例19:アゴニスト誘導GTP結合
アゴニストにより刺激されたGTP-γ35S結合(「GTP結合」)活性を用いて、アゴニストおよびアンタゴニスト化合物を同定し、中性アンタゴニスト(neutral antagonist)化合物を逆アゴニスト活性を有するものから区別することができる。この活性を用いてアンタゴニスト化合物により仲介される部分アゴニズムを検出することもできる。このアッセイ法で解析する化合物を、本明細書において「試験化合物」と呼ぶ。アゴニスト刺激GTP結合活性を次のとおりに測定する:4つの独立のバキュロウイルス保存液(1つはhC5a受容体の発現を指向し、3つはヘテロ三量体G蛋白質の三つのサブユニットそれぞれの発現を指向する)を用いて、実施例16に記載のとおり、Sf9細胞の培養物に感染させる。
【0284】
受容体/G蛋白質-α-β-γの組み合わせにより、GTP結合で評価して機能的反応が得られることを確認するために、精製膜(実施例17に記載のとおりに調製)上のアゴニスト刺激GTP結合を、hC5a(Sigma Chemical Co.、ミズーリ州セントルイス)をアゴニストとして用いて評価する。
【0285】
P2膜をDounceホモジナイゼーション(密着ペッスル)によりGTP結合アッセイ緩衝液(50mM Tris pH7.0、120mM NaCl、2mM MgCl2、2mM EGTA、0.l%BSA、0.1mMバシトラシン、100KIU/mLアプロチニン、5μM GDP)中に再懸濁し、30μg蛋白質/反応チューブの濃度で反応チューブに加える。アゴニストhC5aの漸増用量を10-12Mから10-6Mの範囲の濃度で加えた後、100pM GTP-γ35Sを加えることにより反応を開始する。競合実験では、非放射能標識試験化合物を別の試験管に10-10Mから10-5Mの範囲の濃度で10nM hC5aと共に加え、最終量0.25mLとする。
【0286】
中性アンタゴニストは、C5a-刺激GTP結合活性を基準値(このアッセイ法でC5aまたは他のアゴニストを加えず、さらにいかなる試験化合物も存在しない場合の、膜により結合されるGTPのレベル)近くまで(基準値を下回ることはない)低下させる試験化合物である。
【0287】
これに対し、C5aを加えていない場合に、特定の化合物は受容体含有膜のGTP結合活性を基準値よりも低い値まで低下させ、したがって、これらの化合物は逆アゴニストとして特徴付けられる。アンタゴニスト活性を示す試験化合物が、C5aアゴニスト非存在下でGTP結合活性を基準値よりも低い値まで低下させない場合、この化合物は中性アンタゴニストとして特徴付けられる。
【0288】
このGTP結合アッセイ法において、hC5aを加えていない場合に、GTP結合活性を基準値よりも高い値まで上昇させるアンタゴニスト試験化合物は、部分アゴニスト活性を持つと特徴付けられる。好ましいアンタゴニスト化合物は、そのような条件下でGTP結合活性を基準値よりも10%、5%、または2%よりも高く上昇させることはない。
【0289】
室温で60分間インキュベートし、続いてGF/Cフィルター(洗浄緩衝液、0.1%BSA中にあらかじめ浸漬)での減圧濾過により反応を停止した後、氷冷洗浄緩衝液(50mM Tris pH7.0、120mM NaCl)で洗浄する。受容体に結合した(それにより膜に結合した)GTP-γ35Sの量を、結合放射能を、好ましくは洗浄フィルターの液体シンチレーションスペクトロメトリーにより測定して定量する。非特異的結合を10mM GTP-γ35Sを用いて定量し、典型的には全結合の5%未満となる。データは基底(基準値)を上回ったパーセントで表す。これらのGTP結合実験の結果は、SIGMAPLOTソフトウェアを用いて都合良く解析することができる。
【0290】
実施例20. カルシウム動員アッセイ法
A. C5aに対する反応
U937細胞を分化培地(10%ウシ胎仔血清を含むRPMI 1640培地中の1mMジブチルcAMP)中、37℃で48時間培養し、次いでFLIPR(商標)プレート読み取り器(Molecular Devices Corp.、カリフォルニア州サニーベール)で用いるのに適した96穴プレートに再度播種する。アッセイ法の前に、細胞をさらに24時間(70〜90%コンフルエンスまで)培養する。次いで、細胞をクレブスリンガー液で一回洗浄する。FLUO-3カルシウム感受性色素(Molecular Probes, Inc.、オレゴン州ユージーン)を10μg/mLまで加え、細胞と共に室温で1時間から2時間インキュベートする。次いで、96穴プレートを洗浄して過剰の色素を除去する。ヒトC5aを最終濃度0.01〜30.0nMまで細胞に添加した後、励起波長480nM、発光波長530nMで測定しての蛍光反応を、FLIPR(商標)(Molecular Devices)を用いて監視する。分化したU937細胞は典型的にアゴニスト刺激に反応して、5,000〜50,000 Arbitrary Fluorescent Light Unitsのシグナルを示す。
【0291】
B. ATP反応定量アッセイ法
分化したU937細胞(前述の「A. C5aに対する反応」で調製および試験した)を、ATP(C5aではなく)を最終濃度0.01μMから30μMまで加えることにより刺激する。この刺激は典型的には、1,000から12,000 arbitrary fluorescence light unitsのシグナルを誘発する。特定の好ましい化合物は、この対照アッセイ法を化合物存在下で行った場合、化合物非存在下で行った時に比べて、カルシウム動員シグナルの10%未満、5%未満、または2%未満の変動を生じる。
【0292】
C. 受容体調節因子同定アッセイ法:アンタゴニストおよびアゴニスト
前述のカルシウム動員アッセイ法は、ヒトC5a受容体でアゴニストまたはアンタゴニスト活性を有する試験化合物を同定するために、容易に改変することができる。
【0293】
例えば、アンタゴニスト化合物を同定するために、前述のとおり分化U937細胞を洗浄し、Fluo-3色素と共にインキュベートする。蛍光シグナル測定の1時間前に、細胞のサブセットを1μMの試験する少なくとも一つの化合物と共にインキュベートする。続いて0.3nM(最終濃度)ヒト組換えC5a添加後の蛍光反応を、FLIPR(商標)プレート読み取り器を用いて監視する。アンタゴニスト化合物は、ヒトC5aのみ存在下で測定したものに比べて、蛍光反応の少なくとも2分の1への低下を引き起こす。好ましいアンタゴニスト化合物は、ヒトC5aのみ存在下で測定したものに比べて、蛍光反応の少なくとも5分の1、好ましくは少なくとも10分の1、より好ましくは少なくとも20分の1への低下を引き起こす。アゴニスト化合物は、C5aの添加なしで蛍光の増強を引き起こし、この増強は公知のC5a受容体アンタゴニストにより少なくとも部分的に阻害されることになる。
【0294】
実施例21. 小分子C5A受容体アンタゴニストのアゴニスト活性を評価するアッセイ法
本明細書において提供される好ましい化合物は、本明細書に記載のC5a仲介機能アッセイ法のいずれにおいても、有意な(例えば、5%よりも高い)アゴニスト活性を有していないC5a受容体アンタゴニストである。具体的には、この望ましくないアゴニスト活性は、例えば、実施例19のGTP結合アッセイ法において、天然アゴニストであるC5a非存在下で小分子仲介GTP結合測定することにより評価可能である。同様に、カルシウム動員アッセイ法(例えば、実施例20のアッセイ法)において、小分子化合物は天然アゴニストであるC5a非存在下でカルシウムレベルを刺激する能力について直接アッセイすることができる。本明細書において提供される化合物が示すC5aアゴニスト活性の好ましい程度は、天然アゴニストであるC5aによって誘発される反応の10%未満、より好ましくは5%未満、最も好ましくは2%未満である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩

(式中、
xが1、2または3であり;
Rがハロゲン、ヒドロキシ、任意で置換されたアルコキシ、任意で置換されたアルキル、任意で置換されたアルケニル、任意で置換されたアルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、任意で置換されたモノおよびジアルキルアミノ、任意で置換されたハロアルキル、ならびに任意で置換されたハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R1がアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、(アリール)アルキル、(ヘテロアリール)アルキル、およびインダニル(これらのそれぞれが任意で置換されている)から選択され;
R2、R3および各出現時のR4が水素、ハロゲン、任意で置換されたアルキル、および任意で置換されたアルコキシから独立に選択され;
R5およびR6
(i)水素、ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、およびシアノ;ならびに
(ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ、ならびにモノおよびジ(アルキル)アミノ(これらのそれぞれが任意で置換されている)から独立に選択され;
R7:(a)(i)水素;または(ii)アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシもしくはアリールアルキル(これらのそれぞれが任意で置換されている)であり;かつ
Ar1
(i)フェニル、ナフチル、ビフェニル、または複素環(これらのそれぞれが任意で置換されている)であるか;または
(ii)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子がN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子が炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合した、任意で置換されたフェニルであるか;
または
(b)Ar1ならびにR7およびAr1が結合している炭素原子と一緒になって、任意で置換された式

(式中、pが1から約3の整数である)の基を形成し;かつ
Ar2が(i)任意で置換されたアリールまたは(ii)5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の環ヘテロ原子を有する、任意で置換されたヘテロアリールである)。
【請求項2】
xが1であり;
Rがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R1が(アリール)C0〜C6アルキル、(ヘテロアリール)C0〜C6アルキル、およびインダニル(これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている)から選択され;
R2、R3および各出現時のR4が水素、ハロゲン、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルコキシから独立に選択され;
R5およびR6が水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ならびにモノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノから独立に選択され;
かつ次のいずれか
(a)R7が(i)水素;または(ii)C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C1〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシもしくは(アリール)C1〜C6アルキル(これらのそれぞれが任意で置換されている)であり;かつ
Ar1が(i)フェニル;(ii)ナフチル;(iii)ビフェニル;(iv)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;または(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子がN、OおよびSから選択され、残りの環原子が炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;
(i)、(ii)、(iii)、(iv)および(v)がそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されている;または
(b)R7がAr1ならびにR7およびAr1が結合している炭素原子と一緒になって、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換された式

(式中、pが1から約3の整数である)の基を形成し;かつ
Ar2が、アリールまたはヘテロアリール(これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、C1〜C6アルコキシカルボニル、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されている)である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項3】
R1がハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2アルキル、ハロC1〜C2アルキル、およびハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基で置換されたインダニルである、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項4】
R1がフェニル(C0〜C4アルキル)、ピリジル(C0〜C4アルキル)、C0〜C4アルキル、またはインドリル(C0〜C4アルキル)(これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている)である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項5】
R1がハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C2アルキル)である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項6】
R2およびR3が水素である、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項7】
R4が独立に水素またはC1〜C6アルキルである、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項8】
R5およびR6が水素、ハロゲン、C1〜C2アルキルおよびC1〜C2アルコキシから独立に選択される、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項9】
RがC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2ハロアルコキシ、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基を意味する、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項10】
Rが水素、メチル、エチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基を表し;
R2、R3、およびR6が水素であり;かつ
R5、R7、および各R4が水素、メチル、およびエチルから独立に選択される、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項11】
式IIの、請求項1記載の化合物または塩

(式中、
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、任意で置換されたC1〜C6アルコキシおよび任意で置換されたC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R4が水素、任意で置換されたC1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロまたはクロロであり;
R5およびR6が水素、フルオロ、クロロ、任意で置換されたC1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択され;かつ
R7が水素またはC1〜C6アルキルである)。
【請求項12】
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R1がC3〜C7シクロアルキル、(C3〜C7シクロアルキル)C1〜C4アルキル、(ヘテロアリール)C0〜C4アルキル、(アリール)C0〜C4アルキル、およびインダニル(これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている)から選択され;
R4が水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;
R5およびR6が水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、ハロC1〜C6アルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択され;かつ
R7が水素またはC1〜C6アルキルである、請求項11記載の化合物または塩。
【請求項13】
Ar1
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)ナフチル;
(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;
(iv)各フェニル基がハロゲン、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から2個の基で置換されたビフェニル;または
(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子がN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子が炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;
(ii)、(iii)、(iv)および(v)がそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されている、請求項11または12記載の化合物または塩。
【請求項14】
Ar2が約5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の間の環ヘテロ原子を有し、これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されている、フェニルまたはヘテロアリールである、請求項13記載の化合物または塩。
【請求項15】
Ar2が約5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の間の環ヘテロ原子を有し、これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されている、フェニルまたはヘテロアリールである、請求項11記載の化合物または塩。
【請求項16】
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルおよびエチルから独立に選択される0個から2個の置換基を意味し;
R1が1-インダニルまたは2-インダニルで、これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されており;
R7が水素、メチルまたはエチルであり;
Ar1
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ハロC1〜C2アルキル、ならびにハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)ナフチル;
(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;
(iv)ビフェニル;または
(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子がN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子が炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;
(ii)、(iii)、(iv)および(v)がそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から約4個の置換基で置換されており;かつ
Ar2がフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジル、ピリジジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、およびトリアゾリルで、これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている、請求項12記載の化合物または塩。
【請求項17】
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルおよびエチルから独立に選択される0個から2個の置換基を意味し;
R1がフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジ、およびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基で置換された2-インダニルであり;
R4が水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、モノ、ジ、もしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジ、もしくはトリフルオロメトキシであり;
R5およびR6が水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジ、およびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択され;
Ar1
(i)フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、エチル、エトキシ、モノ、ジ、およびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジ、およびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル;または
(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、およびエトキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたナフチルであり;
Ar2がフェニル、2-ピリジル、3-ピリジル、4-ピリジル、2-チエニル、3-チエニル、または1,3-チアゾル-2-イルで、これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている、請求項16記載の化合物または塩。
【請求項18】
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、メチルおよびエチルから独立に選択される0個から2個の置換基を意味し;
R1がハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C2アルキル)であり;
R7が水素、メチルまたはエチルであり;
Ar1
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)ナフチル;
(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;
(iv)ビフェニル;または
(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子がN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子が炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;
(ii)、(iii)、(iv)および(v)がそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、ハロC1〜C6アルキル、およびハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から約4個の置換基で置換されており;かつ
Ar2がフェニル、ピリジル、チアゾリル、ピリミジル、ピリジジニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、またはトリアゾリルで、これらのそれぞれがハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ハロC1〜C2アルキル、ならびにハロC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されている、請求項12記載の化合物または塩。
【請求項19】
R1がハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C4アルコキシ、C1〜C4アルキル、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C4アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル)である、請求項18記載の化合物または塩。
【請求項20】
式IIIの、請求項1記載の化合物または塩

(式中、
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R4が水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;
R8がC1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、C1〜C6ハロアルコキシ、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R5およびR6が水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、およびハロC1〜C6アルキルから独立に選択され;
R7が水素またはC1〜C6アルキルであり;
R8がハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味し;かつ
Ar2が(i)フェニルまたは(ii)5個から7個の環原子と、N、OおよびSから独立に選択される1個から3個の環ヘテロ原子を有するヘテロアリールであり;(i)および(ii)がそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、C1〜C2ハロアルキル、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される1個から5個の置換基で任意で置換されている)。
【請求項21】
式IVの、請求項1記載の化合物または塩

(式中、
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R4が水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;
R8がC1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R5およびR6が水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6ハロアルキルから独立に選択され;
R7が水素またはC1〜C6アルキルであり;
R10がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-COOH、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味し;かつ
Ar1
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基で置換されたフェニル;
(ii)ナフチル;
(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;
(iv)ビフェニル;または
(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子がN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子が炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;
(ii)、(iii)、(iv)および(v)がそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基で置換されている)。
【請求項22】
式Vの、請求項21記載の化合物または塩

(式中、
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、またはエトキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R4が水素、フルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;
R5およびR6が水素、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択され;
R7が水素、メチル、またはエチルであり;かつ
R10が水素、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、またはエトキシである)。
【請求項23】
式VIの化合物またはその薬学的に許容される塩

(式中、
Rが水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシであり;
R4が水素、メチル、またはエチルであり;
R8が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシであり;
R9がフルオロ、クロロ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;
R9Aが水素、フルオロ、クロロ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個、または2個の置換基を意味し;
R10が水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;かつ
R10Aが水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基を意味する)。
【請求項24】
式VIIの、請求項23記載の化合物または塩


【請求項25】
式VIIIの化合物またはその薬学的に許容される塩

(式中、
AがNまたはCR10であり;
BがNまたはCR10Aであり、AおよびBの少なくとも一つがNではなく;
Rが水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシであり;
R4が水素、メチル、またはエチルであり;
R8が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシであり;
R10が、存在する場合には、水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;
R10Aが、存在する場合には、水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;かつ
R10Bがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基を意味する)。
【請求項26】
式IXの、請求項25記載の化合物または塩

(式中、
Rが水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシであり;
R4が水素、メチル、またはエチルであり;
R8が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシであり;かつ
R10が水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシである)。
【請求項27】
式Xの、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩

(式中、
Rが水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、またはメトキシであり;
R4が水素、メチル、またはエチルであり;
R8が水素、フルオロ、クロロ、メチル、またはメトキシであり;
R10が水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジもしくはトリフルオロメチル、またはモノ、ジもしくはトリフルオロメトキシであり;かつ
R10Aが水素、フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、メトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個から3個の置換基を意味する)。
【請求項28】
式XIの、請求項1記載の化合物または塩

(式中、
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6アルキルから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R4が水素、C1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;
R8がC1〜C6アルキル、C1〜C6ハロアルキル、フルオロ、およびクロロから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R5およびR6が水素、フルオロ、クロロ、C1〜C6アルキル、任意で置換されたC1〜C6アルコキシ、およびC1〜C6ハロアルキルから独立に選択され;
R7が水素またはC1〜C6アルキルであり;
R10がフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシ、ニトロ、シアノ、-COOH、カルボキサミド、ジメチルカルボキサミド、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味し;
Ar1
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3アルキル、C1〜C2ハロアルキル、C1〜C2アルコキシカルボニル、モノおよびジ(C1〜C2アルキル)アミノ、ならびにC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される1個から5個の置換基で任意で置換されたフェニル;
(ii)ナフチル;
(iii)1個もしくは2個の環と、各環には3個から8個の原子と、少なくとも一つの環にはN、OおよびSから独立に選択される1個から3個のヘテロ原子とを有する複素環;
(iv)ビフェニル;または
(v)5個から7個の環原子を有し、0個、1個、もしくは2個の環原子がN、OおよびSから独立に選択され、残りの環原子が炭素である、飽和もしくは部分不飽和の5員環から7員環に縮合したフェニルであり;
(ii)、(iii)、(iv)および(v)がそれぞれハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C2アルキル、C1〜C2アルコキシ、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される1個から4個の置換基で任意で置換されている)。
【請求項29】
下記の請求項1記載の化合物:
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[8-メトキシ-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-メチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-エチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
2-[1-(2,4-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(2-フルオロベンジル)-N-{3-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-3-オキソプロピル}インダン-2-アミン;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(ピリジン-2-イルメチル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(ピリジン-3-イルメチル)アセトアミド;
2-[1-(2-ブロモフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(1,3-チアゾル-2-イルメチル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(2-メトキシフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(2,3-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(4R)-4-メチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1S)-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(2-エチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(4-メチル-1-o-トリル-3,4-ジヒドロ-1H-イソキノリン-2-イル)-アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R,4S)-4-メチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1S,4S)-4-メチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
2-{[1-(インダン-2-イル)-2-フェニル-1H-イミダゾル-5-イル]メチル}-1-(2-メチルフェニル)-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(3,4-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
2-[1-(2,3-ジクロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-[4-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-{1-[5-フルオロ-2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1S)-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
2-[(1S)-1-(2-ブロモフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1S)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
2-[1-(1,1'-ビフェニル-2-イル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R,4R)-4-メチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
2-[1-(2-クロロ-3-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(3-フルオロ-2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(2,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
2-[1-(5-クロロ-2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
2-[1-(2-クロロ-5-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
2-[1-(2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-7-イル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R,4R)-1-(2-フルオロフェニル)-4-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(3S)-3-メチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[1-(2,6-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(5-フルオロ-2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-(2-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
2-[(1R,4R)-1-(2-クロロフェニル)-4-メチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-(2-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(3-フルオロ-4-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-(1-キノリン-8-イル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)アセトアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
2-[1-(3-クロロ-2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-2-[(1R)-1-(2,3-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-2-[(1S)-1-(2,3-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-ブロモフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-2-[(1R)-1-(2,6-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[6,7-ジメチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-2-[7,8-ジメチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
2-[1-(2,3-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-7-イル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
4-(2-{2-[インダン-2-イル(2-フルオロベンジル)アミノ]-2-オキソエチル}-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン-1-イル)安息香酸メチル;
(2S)-N-ベンジル-2-[(1R)-1-(2-ブロモフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-クロロ-4-ヒドロキシベンジル)プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[8-メチル-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(3-メトキシベンジル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-(1-メシチル-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)アセトアミド;
2-[1-(2,6-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-フェニルアセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(2-メチル-1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロ-5-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-2-[(1S)-1-(2,5-ジメチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[(1R)-1-(2-フルオロ-5-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N,N-ビス(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
4-[(インダン-2-イル{[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセチル}アミノ)メチル]安息香酸;
(2S)-2-[(1R)-1-(2.6-ジフルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-ヒドロキシベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)-N-(2-フェニルエチル)プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(3-ヒドロキシベンジル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
2-[1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)-N-(5-メトキシ-インダン-2-イル)アセトアミド;
N-(2-フルオロベンジル)-N-(5-メトキシ-インダン-2-イル)-2-[1-[2-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
2-[1-(2,6-ジクロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
2-[1-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(1H-イミダゾル-4-イルメチル)プロパンアミド;
3-{[{(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパノイル}(インダン-2-イル)アミノ]メチル}安息香酸;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-[2-フルオロ-6-(トリフルオロメチル)フェニル]-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[8-フルオロ-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロ-5-ヒドロキシベンジル)-2-[1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2,6-ジクロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-[2-(2-フルオロフェニル)エチル]-N-(4-ヒドロキシベンジル)プロパンアミド;
3-{[{(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパノイル}(インダン-2-イル)アミノ]メチル}-N,N-ジメチルベンズアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-[2-(2-フルオロフェニル)エチル]-N-(2-フェニルエチル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(2-フルオロベンジル)-N-[2-(2-フルオロフェニル)エチル]プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2,6-ジクロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(3-シアノベンジル)-N-(インダン-2-イル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(3-ニトロベンジル)プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(3-ヒドロキシベンジル)-2-[(1S)-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(3-ヒドロキシベンジル)プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロ-3-ヒドロキシベンジル)プロパンアミド;
2-[8-クロロ-1-(2-メチルフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
2-[8-クロロ-1-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)アセトアミド;
(2S)-N-(2-フルオロベンジル)-N-[2-(4-ヒドロキシフェニル)エチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-N-(2-フルオロベンジル)-N-[2-(1H-インドル-3-イル)エチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-2-[(1R)-1-(2-クロロフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]-N-[3-(ジフルオロメトキシ)-2-フルオロベンジル]-N-(インダン-2-イル)プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-[(2-メトキシピリジン-3-イル)メチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-N-(2-フルオロベンジル)-N-[(2-メトキシピリジン-3-イル)メチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
N-(インダン-2-イル)-N-(2-フルオロベンジル)-2-[1-(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]アセトアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-[(6-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-N-(2-フルオロベンジル)-N-[(6-メトキシピリジン-2-イル)メチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-[(3-フルオロピリジン-2-イル)メチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;
(2S)-N-(インダン-2-イル)-N-[(5-メトキシピリジン-3-イル)メチル]-2-[(1R)-1-(1-ナフチル)-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル]プロパンアミド;または
その薬学的に許容される塩。
【請求項30】
下記の請求項1記載の化合物または薬学的に許容される塩


【請求項31】
式XIIの化合物またはその薬学的に許容される塩

(式中、
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C8アルキル、C1〜C2ハロアルキル、およびC1〜C2ハロアルコキシから独立に選択される0個から4個の置換基を意味し;
R1およびAr2
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル);および
(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基で置換された2-インダニルから独立に選択され;
R4がC1〜C6アルキル、C1〜C2ハロアルキル、フルオロ、またはクロロであり;
R7が水素またはC1〜C6アルキルであり;
R9が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味し;かつ

が一重結合または二重結合を意味する)。
【請求項32】
下記の請求項31記載の化合物:
N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(3-メチル-2-o-トリル-ピペリジン-1-イル)-アセトアミド;
N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(2-o-トリル-ピペリジン-1-イル)-アセトアミド;
N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-[2-(2-メトキシ-フェニル)-ピペリジン-1-イル]-アセトアミド;
N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(2-o-トリル-ピペリジン-1-イル)-プロピオンアミド;
2-(4,5-ジメチル-6-フェニル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド;
2-(4,5-ジメチル-6-o-トリル-3,6-ジヒドロ-2H-ピリジン-1-イル)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミド;
またはその薬学的に許容される塩。
【請求項33】
式XIIIの化合物またはその薬学的に許容される塩

(式中、
R1およびAr2
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、C1〜C6ハロアルキル、ならびにC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル);および
(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基で置換された2-インダニルから独立に選択され;
R4がC1〜C6アルキル、ハロC1〜C6アルキル、フルオロ、またはクロロであり;
R3およびR7が独立に水素またはC1〜C6アルキルであり;かつ
R9およびR10が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味する)。
【請求項34】
(ベンズヒドリル-メチル-アミノ)-N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-アセトアミドである、請求項33記載の化合物。
【請求項35】
式XIVの化合物またはその薬学的に許容される塩

(式中、
Rがフルオロ、クロロ、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C8アルキル、C1〜C2アルキル、およびC1〜C2アルコキシから独立に選択される0個から2個の置換基を意味し;
R1およびAr2
(i)ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6アルキル、C2〜C6アルケニル、C2〜C6アルキニル、シアノ、アミノ、ニトロ、-COOH、カルボキサミド、モノおよびジ(C1〜C6アルキル)アミノ、ハロC1〜C6アルキル、ならびにハロC1〜C6アルコキシから独立に選択される0個から3個の置換基で置換されたフェニル(C0〜C1アルキル);および
(ii)フルオロ、クロロ、ヒドロキシ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、モノ、ジおよびトリフルオロメチル、ならびにモノ、ジおよびトリフルオロメトキシから独立に選択される0個、1個または2個の置換基で置換された2-インダニルから独立に選択され;
R4がC1〜C6アルキル、ハロC1〜C6アルキル、フルオロ、またはクロロであり;
R7が水素またはC1〜C6アルキルであり;かつ
R9が水素、ハロゲン、ヒドロキシ、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルコキシ、C1〜C6ハロアルキル、およびC1〜C6ハロアルコキシから独立に選択される0個から5個の置換基を意味する)。
【請求項36】
N-(2-フルオロ-ベンジル)-N-インダン-2-イル-2-(4-o-トリル-6,7-ジヒドロ-4H-チエノ[3,2-c]ピリジン-5-イル)-アセトアミドである、請求項34記載の化合物。
【請求項37】
少なくとも90%の鏡像体過剰率を有する、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項38】
少なくとも一つの請求項1記載の化合物もしくは塩、またはそのプロドラッグもしくは水和物を、生理的に許容される担体または賦形剤との組み合わせで含む薬学的組成物。
【請求項39】
標準のインビトロC5a受容体仲介走化性アッセイ法またはカルシウム動員アッセイ法において100nMまたはそれ以下のIC50を示す、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項40】
GTP結合アッセイ法において5%未満のアゴニスト活性を示す、請求項1記載の化合物または塩。
【請求項41】
細胞C5a受容体のシグナル伝達活性を阻害する方法であって、C5a受容体を発現する細胞を少なくとも一つの請求項1記載の化合物または塩と接触させ、それによりC5a受容体によるシグナル伝達を低下させる段階を含む方法。
【請求項42】
細胞を動物体内のインビボで接触させる、請求項41記載の方法。
【請求項43】
動物がヒトである、請求項42記載の方法。
【請求項44】
インビトロでC5aのC5a受容体への結合を阻害する方法であって、C5a受容体を少なくとも一つの請求項1記載の化合物または塩と、C5a受容体へのC5aの結合を検出可能な程度に阻害するのに十分な条件下、および量で接触させる段階を含む方法。
【請求項45】
ヒト患者体内でC5aのC5a受容体への結合を阻害する方法であって、C5a受容体を発現する細胞を少なくとも一つの請求項1記載の化合物または塩と、インビトロでクローニングされたC5a受容体を発現する細胞へのC5aの結合を検出可能な程度に阻害するのに十分な量で接触させ、それにより患者においてC5aのC5a受容体への結合を阻害する段階を含む方法。
【請求項46】
慢性関節リウマチ、乾癬、心血管疾患、再灌流傷害、または気管支喘息を患う患者の治療法であって、患者に請求項1記載の化合物のC5a受容体調節量を投与する段階を含む方法。
【請求項47】
卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患、または虚血−再灌流傷害を患う患者の治療法であって、患者に請求項1記載の化合物のC5a受容体調節量を投与する段階を含む方法。
【請求項48】
C5a受容体仲介細胞走化性を阻害する方法であって、哺乳動物の白血球を請求項1記載の化合物または塩のC5a受容体調節量と接触させる段階を含む方法。
【請求項49】
組織試料中のC5a受容体の位置を特定する方法であって、
C5a受容体を含む組織試料を検出可能に標識した請求項1記載の化合物と、化合物のC5a受容体への結合を可能にする条件下で接触させる段階と;
結合した化合物を検出する段階とを含む方法。
【請求項50】
(a)容器中の請求項38記載の薬学的組成物;および
(b)慢性関節リウマチ、乾癬、心血管疾患、再灌流傷害、または気管支喘息を患う患者を治療するために組成物を用いるための説明書を含む、包装された薬学的製剤。
【請求項51】
(a)容器中の請求項38記載の薬学的組成物;および
(b)卒中、心筋梗塞、アテローム性動脈硬化症、虚血性心疾患または虚血−再灌流傷害を治療するために組成物を用いるための説明書を含む、包装された薬学的製剤。
【請求項52】
注射用液剤、エアロゾル、クリーム、ゲル、丸剤、カプセル剤、シロップ剤、または経皮パッチとして製剤されている、請求項38記載の薬学的組成物。

【公表番号】特表2006−508894(P2006−508894A)
【公表日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−580296(P2003−580296)
【出願日】平成15年3月25日(2003.3.25)
【国際出願番号】PCT/US2003/009046
【国際公開番号】WO2003/082828
【国際公開日】平成15年10月9日(2003.10.9)
【出願人】(500015456)ニューロジェン・コーポレーション (48)
【Fターム(参考)】