説明

CCR−3レセプターアンタゴニストとしてのアゼチジン誘導体

【課題】CCR3により介在される病状の処置に有用なアゼチジン誘導体およびそれらを含む医薬組成物を提供すること。
【解決手段】遊離または塩の形態の、式I


〔式中、Arは置換されたフェニルであり;Rは、水素等であり;Rは水素等であるか、あるいはRおよびRが、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望によりベンゼン環が縮合していてもよいN−複素環を有する複素環基を示し;
Xが、−O−、−C(=O)−または−CH−であり;
Yが、酸素または硫黄であり;そして
mが、1、2、3または4である。〕
で示される化合物、およびそれを含む医薬組成物の提供により上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化合物、それらの製造および医薬としてのそれらの使用に関する。
【発明の開示】
【0002】
1つの態様において、本発明は、遊離または塩の形態の、式I
【化1】

〔式中、
Arは、所望によりハロゲン、C−C−アルキル、シアノまたはニトロから選択される1またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素、あるいは、所望によりヒドロキシ、C−C−アルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、カルボキシ、C−C−アルコキシカルボニル、−N(R)R、−CON(R)Rにより、または環系内に3〜15個の原子を有する一価環状有機基により置換されていてもよいC−C−アルキルであり;
は、水素、C−C−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルであり、そしてRは、フェニル、フェノキシ、アシルオキシまたはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりベンゾ基が縮合していてもよいC−C10−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1〜4個は、ヘテロ原子である。)を有する複素環基、フェニルまたはナフチルであり、当該フェニル、フェノキシまたはナフチル基は、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アシル、ニトロ、−SONH、所望によりC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、−SO−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、所望により窒素原子上でC−C−アルキルにより置換されていてもよいC−C−アシルアミノ、C−C−アルキルアミノ、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノ−カルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル−メトキシから選択される1またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいか、
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5〜10個の環原子(そのうちの1、2または3個は、ヘテロ原子である。)を有する複素環基を示し;
およびRは、それぞれ独立して、水素またはC−C−アルキルであるか、あるいはRは水素であり、そしてRはヒドロキシ−C−C−アルキル、アシル、−SOまたは−CON(R)Rであるか、あるいはRおよびRはそれらが結合している窒素原子と一体となって、5−または6−員の複素環基を示し;
およびRは、それぞれ独立して、水素またはC−C−アルキルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5−または6−員の複素環基を示し;
は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、または所望によりC−C−アルキルにより置換されていてもよいフェニルであり;
Xは、−C(=O)−、−O−、−CH−、またはCH(OH)であり;
Yは、酸素または硫黄であり;
mは、1、2、3または4であり;そして
n、pおよびqは、それぞれ、0または1であり、n+p+q=1または2、n+q=1、p+q=1であり、そしてnが0である場合、pは0である。〕
で示される化合物を提供する。
【0003】
本明細書において使用される用語は、以下の意義を有する:
本明細書において使用される「C−C−アルキル」は、直鎖または分枝鎖C−C−アルキルを示し、これは、たとえば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、直鎖または分枝鎖ペンチル、直鎖または分枝鎖ヘキシル、直鎖または分枝鎖ヘプチル、あるいは直鎖または分枝鎖オクチルであり得る。好ましくは、C−C−アルキルは、C−C−アルキルである。
【0004】
本明細書において使用される「C−C10−シクロアルキル」は、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、メチルシクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、ジメチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロオクチル、ビシクロノニル、トリシクロノニルまたはトリシクロデシルであり得る。
【0005】
本明細書において使用される「C−C−アルコキシ」は、直鎖または分枝鎖C−C−アルコキシを示し、これは、たとえば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、直鎖または分枝鎖ペントキシ、直鎖または分枝鎖ヘキシルオキシ、直鎖または分枝鎖ヘプチルオキシ、あるいは直鎖または分枝鎖オクチルオキシであり得る。好ましくは、C−C−アルコキシは、C−C−アルコキシである。
【0006】
本明細書において使用される「C−C−ハロアルキル」は、1個またはそれ以上のハロゲン原子、好ましくは1、2または3個のハロゲン原子により置換された、上で定義したC−C−アルキルを示す。
【0007】
本明細書において使用される「C−C−ハロアルコキシ」は、1個またはそれ以上のハロゲン原子、好ましくは1、2または3個のハロゲン原子により置換された、上で定義したC−C−アルコキシを示す。
【0008】
本明細書において使用される「アミノカルボニル」は、窒素原子を介してカルボニル基に結合したアミノを示す。
【0009】
本明細書において使用される「C−C−アルキルアミノ」および「ジ(C−C−アルキル)アミノ」は、それぞれ、上で定義した1または2個のC−C−アルキル基(これは、同一または異なり得る。)により置換されたアミノを示す。好ましくは、C−C−アルキルアミノおよびジ(C−C−アルキル)アミノは、それぞれ、C−C−アルキルアミノおよびジ(C−C−アルキル)アミノである。
【0010】
本明細書において使用される「C−C−アルキルアミノカルボニル」および「ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル」は、それぞれ、上で定義した1または2個のC−C−アルキル基(これは、同一または異なり得る。)により置換されたアミノカルボニルを示す。好ましくは、C−C−アルキルアミノカルボニルおよびジ(C−C−アルキル)アミノカルボニルは、それぞれ、C−C−アルキルアミノカルボニルおよびジ(C−C−アルキル)アミノカルボニルである。
【0011】
本明細書において使用される「C−C−アルキルチオ」は、−S−に結合した、上で定義したC−C−アルキルを示す。
【0012】
本明細書において使用される「アシル」は、所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、アルキルカルボニル、たとえばC−C−アルキルカルボニル(ここで、C−C−アルキルは、上で述べたC−C−アルキル基の1つであり得る。);シクロアルキルカルボニル、たとえばC−C−シクロアルキルカルボニル(ここで、C−C−シクロアルキルは、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルであり得る。);環内に窒素、酸素および硫黄から選択される1または2個のヘテロ原子を有する5−または6−員のヘテロシクリルカルボニル、たとえばフリルカルボニルまたはピリジルカルボニル;アリールカルボニル、たとえばC−C10−アリールカルボニル、たとえばベンゾイル;あるいはアラルキルカルボニル、たとえばC−C10−アリール−C−C−アルキルカルボニル、たとえばベンジルカルボニルまたはフェニルエチルカルボニルを示す。好ましくは、アシルは、C−C−アルキルカルボニルである。
【0013】
本明細書において使用される「アシルオキシ」は、所望により1個またはそれ以上のハロゲン原子により置換されていてもよい、アルキルカルボニルオキシ、たとえばC−C−アルキルカルボニルオキシ(ここで、C−C−アルキルは、上で述べたC−C−アルキル基の1つであり得る。);シクロアルキルカルボニルオキシ、たとえばC−C−シクロアルキルカルボニルオキシ(ここで、C−C−シクロアルキルは、たとえば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルであり得る。);環内に窒素、酸素および硫黄から選択される1またはそれ以上のヘテロ原子を有する5−または6−員のヘテロシクリルカルボニルオキシ、たとえばフリルカルボニルオキシまたはピリジルカルボニルオキシ;アリールカルボニルオキシ、たとえばC−C10−アリールカルボニルオキシ、たとえばベンゾイルオキシ;あるいはアラルキルカルボニルオキシ、たとえばC−C10−アリール−C−C−アルキルカルボニルオキシ、たとえばベンジルカルボニルオキシもしくはフェニルエチルカルボニルオキシ、またはアリールオキシアルキルカルボニルオキシ、たとえばC−C10−アリールオキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシを示し、これらはいずれも、そのアリール部分が所望によりC−C−アルコキシ、ハロゲン、C−C−アルキルカルボニル、アミノスルホニル、C−C−アルキルアミノスルホニルおよびジ(C−C−アルキル)アミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。好ましくは、アシルオキシは、C−C−アルキルカルボニルオキシ、あるいはベンゼン環が所望によりC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルまたはアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよいベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシである。
【0014】
本明細書において使用される「アシルアミノ」は、上で定義したアシルにより置換されたアミノを示す。
【0015】
本明細書において使用される「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素であり得;好ましくは、フッ素、塩素または臭素である。
【0016】
本発明において使用される「C−C−アルコキシカルボニル」は、酸素原子を介してカルボニル基に結合した、上で定義したC−C−アルコキシを示す。
【0017】
本明細書において使用される「ジ−(C−C−アルキル)アミノカルボニルメトキシ」は、アミノ窒素原子上で、上で定義したC−C−アルキル(2つのC−C−アルキル基は、同一または異なり得る。)によりジ置換されたアミノカルボニルメトキシを示す。
【0018】
「所望により置換されていてもよい(optionally substituted)」は、以下に列挙した基の1つまたは任意の組合せにより1箇所またはそれ以上の箇所で置換されていてもよい基を意味する。
【0019】
Arにおいて、フェニル基は、たとえば1、2または3個の、好ましくは1または2個のハロゲン原子、好ましくはフッ素および塩素原子から選択されるものにより、あるいは1または2個のC−C−アルキル、シアノまたはニトロ基により、あるいはC−C−アルキルおよび1または2個のハロゲン、好ましくはフッ素または塩素原子により置換されていてもよい。1個のハロゲン置換基が存在する場合、それは、好ましくは示された基Xに対してパラ位である。2または3個のハロゲン置換基が存在する場合、好ましくは、1個は、示された基Xに対してパラ位であり、そして他方の少なくとも1つは、パラ位のハロゲン置換基に対してオルト位である。
【0020】
置換フェニルとしてのRは、たとえば、1、2、3、4または5個の、好ましくは1、2または3個の、上記の置換基により置換されていてもよい。Rは、たとえば、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、C−C−ハロアルコキシ、−CO−NH、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニルメトキシ、所望によりC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルチオ、−SO−NH、−SO−C−C−アルキル、ジ(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルアミノカルボニルまたはC−C−アルキル−カルボニルアミノから選択される1、2または3個の置換基により置換されたフェニルであり得る。置換フェニルとしてのRは、好ましくは、シアノ、ハロゲン、所望によりC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、−CO−NH、−SO−NH、−SO−C−C−アルキル、C−C−アルキル−アミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル−メトキシまたはC−C−アルキル−カルボニルアミノ、とりわけシアノフェニル、特にメタ−シアノフェニル、およびジ置換フェニル[ここで、1つの置換基は、好ましくは、Rを、式Iにおいて示された分子の残りと結ぶ結合に対してオルト位の、C−C−アルコキシまたはジ(C−C−アルキル)アミノカルボニルメトキシであり、そして他方は、好ましくはC−C−アルコキシ基に対してパラ位の、C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノまたはC−C−アルキルである。]から選択される1またはそれ以上の置換基により置換されたフェニルである。
【0021】
が、所望により置換されていてもよいフェノキシにより置換されたC−C−アルキルである場合、フェノキシ上の当該置換基(複数も可)は、たとえば、ハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルカルボニルから選択される1、2または3個の置換基であり得る。
【0022】
複素環基としてのRは、たとえば、5〜11個の環原子(そのうちの1、2、3または4個、好ましくは1または2個は、窒素、酸素または硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有する基、たとえばピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピラニル、ピラジニル、あるいはベンゼン環に縮合した5−、6−または7−員の複素環、好ましくは1または2個の酸素または窒素環原子を有する環(当該複素環基は、所望によりハロゲン、所望によりC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、−SO−C−C−アルキル、C−C10−シクロアルキル、フェニル、フェニル−C−C−アルキルおよびC−C−アルキニルを含む置換基により置換されていてもよい。)であり得る。
【0023】
複素環基としての、それらが結合している窒素原子と一体となったRおよびRは、たとえば、所望によりベンゼン環に縮合していてもよい5−または6−員の環(そのうちの1、2または3個は、ヘテロ原子である。)、たとえば所望によりC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、C−C10−シクロアルキルおよびハロゲンを含む1またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいピペリジル、ピペラジニル、モルホリノ、またはベンゾピペリジルであり得る。
【0024】
所望により置換されていてもよいC−C−アルキルとしてのRは、好ましくは、所望により置換されていてもよいC−C−アルキル、とりわけC−C−アルキルあるいは置換メチルまたはエチルであり得る。Rが環状有機基により置換されている場合、後者は炭素環または複素環基、たとえばC−C15−炭素環基、あるいは窒素、酸素および硫黄から選択される1個またはそれ以上の、好ましくは1、2または3個の環ヘテロ原子を有する5〜7−員の複素環基であり得る。当該C−C15−炭素環基は、たとえば、3〜8個の炭素原子を有する環状脂肪族基、好ましくはC−またはC−シクロアルキル、たとえばシクロペンチル、メチルシクロペンチルまたはシクロヘキシルであり得る。あるいは、当該C−C15−炭素環基は、たとえば、C−C15芳香族基、たとえばフェニルであり得、これは、非置換であるか、またはC−C−アルキル、C−C−アルコキシ、ハロゲン、シアノ、−CON(R)R、−SON(R)RもしくはC−C−アルキルスルホニルアミノ(ここで、RおよびRは、上で定義したとおりである。)により置換されている。当該複素環基は、環内に1つの窒素、酸素または硫黄原子を有し得るか、あるいはそれは、環内に2個の窒素、または1個の酸素および1もしくは2個の窒素、または1個の硫黄および1もしくは2個の窒素を有し得る。当該複素環基は、好ましくは複素環芳香族基、とりわけ5−または6−員の複素環基、たとえばフリル、イミダゾリル、チアゾリルまたはピリジルである。好適な実施態様には、Rが水素またはヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されたC−C−アルキルであるものが含まれる。
【0025】
本明細書および後続のクレームにおいて、特記しない限り、「含む」なる語、または「含有する」のような変形語は、記載された実体(integer)もしくは工程、または実体もしくは工程の群を包含するが、他の実体もしくは工程、または実体もしくは工程の群を除外するわけではないことを意味すると理解される。
【0026】
好適な化合物には、遊離または塩の形態の式I〔式中、
Arが、ハロゲンおよびC−C−アルキルから選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり;
は、水素、所望によりヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、アシルオキシ、ベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、あるいはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであり;
は水素またはC−C−アルキルであり、そしてRはフェニルもしくはフェノキシにより置換されたC−C−アルキル、またはベンゾイルオキシもしくはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、またはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりベンゾ基が縮合していてもよいC−C−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1または2個は、窒素、酸素または硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有する複素環基、あるいはフェニル、ベンジルまたはナフチルであり、当該フェニル、フェノキシおよびナフチル基は、所望によりハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルチオ、ジ(C−C−アルキル)アミノまたはC−C−アルキルカルボニルアミノから選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望によりベンゼン環が縮合していてもよいN−複素環を有する複素環基を示し;
Xは、−O−、−C(=O)−または−CH−であり;
Yは、酸素または硫黄であり;そして
mは、1、2、3または4である。〕
で示される化合物が含まれる。
【0027】
とりわけ好適な化合物には、遊離または塩の形態の式I〔式中、
Arが、ハロゲンおよびC−C−アルキルから選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり;
は、水素、所望によりヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、アシルオキシ、ベンゾイルオキシもしくはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、またはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであり;
は、水素またはC−C−アルキルであり、そしてRは、フェニルもしくはフェノキシにより置換されたC−C−アルキル、またはベンゾイルオキシもしくはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、またはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりベンゾ基が縮合していてもよいC−C−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1または2個は、窒素、酸素または硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有する複素環基、あるいはフェニル、ベンジルまたはナフチルであり、当該フェニル、フェノキシおよびナフチル基は、所望によりハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルチオ、ジ(C−C−アルキル)アミノまたはC−C−アルキルカルボニルアミノから選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望によりベンゼン環が縮合していてもよいN−複素環を有する複素環基を示し;
Xは、−O−、−C(=O)−または−CH−であり;
Yは、酸素または硫黄であり;そして
mは、1、2、3または4である。〕
で示される化合物が含まれる。
【0028】
第2の態様において、本発明は、遊離または塩の形態の式I〔式中、
Arが、所望によりハロゲン、C−C−アルキル、シアノまたはニトロから選択される1またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素、あるいは所望によりヒドロキシ、C−C−アルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、カルボキシ、C−C−アルコキシカルボニル、−N(R)R、−CON(R)Rにより、または環系内に3〜15個の原子を有する一価環状有機基により置換されていてもよいC−C−アルキルであり;
は水素またはC−C−アルキルであり、そしてRはフェニル、フェノキシ、アシルオキシまたはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりベンゾ基に縮合していてもよいC−C10−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1〜4個は、ヘテロ原子である。)を有する複素環基、フェニルまたはナフチルであり、当該フェニル、フェノキシまたはナフチル基は、所望により、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アシル、ニトロ、−SONH、所望によりC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、−SO−C−C−アルキル、C−C−アルコキシカルボニル、所望により窒素原子上でC−C−アルキルにより置換されていてもよいC−C−アシルアミノ、C−C−アルキルアミノ、アミノカルボニル、C−C−アルキルアミノ−カルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル−メトキシから選択される1またはそれ以上の置換基により置換されていてもよく、
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5〜10個の環原子(そのうちの1、2または3個は、ヘテロ原子である。)を有する複素環基を示し;
およびRは、それぞれ独立して、水素またはC−C−アルキルであるか、あるいはRは水素であり、そしてRはヒドロキシ−C−C−アルキル、アシル、−SOまたは−CON(R)Rであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5−または6−員の複素環基を示し;
およびRは、それぞれ独立して、水素またはC−C−アルキルであるか、
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5−または6−員の複素環基を示し;
は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、または所望によりC−C−アルキルにより置換されていてもよいフェニルであり;
Xは、−C(=O)−、−O−、−CH−、またはCH(OH)であり;
Yは、酸素または硫黄であり;
mは、1、2、3または4であり、そして
n、pおよびqは、それぞれ、0または1であり、n+p+q=1または2、n+q=1、p+q=1であり、そしてnが0である場合、pは0である。〕
で示される化合物を提供する。
【0029】
好適な遊離または塩の形態の式Iの化合物には、
Arは、フッ素および塩素から選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり;
は、水素、ヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されたC−C−アルキル、アシルオキシ、ベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、あるいはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであり;
は、水素またはC−C−アルキルであり、そしてRは、フェニルまたはフェノキシにより置換されたC−C−アルキル、あるいはベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、あるいはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりベンゾ基に縮合していてもよいC−C−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1または2個は、窒素、酸素または硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有する複素環基、あるいはフェニル、ベンジルまたはナフチルであり、当該フェニル、フェノキシおよびナフチル基は、所望によりハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルチオ、ジ(C−C−アルキル)アミノまたはC−C−アルキルカルボニルアミノから選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望によりベンゼン環が縮合していてもよいN−複素環を有する複素環基を示し;
Xは、−O−、−C(=O)−または−CH−であり;
Yは、酸素であり;そして
mは、2、3または4である、
化合物が含まれる。
【0030】
第3の態様において、本発明は、遊離または塩の形態の式I〔式中、
Arが、所望によりハロゲン、C−C−アルキル、シアノまたはニトロから選択される1またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素、または所望によりヒドロキシ、C−C−アルコキシ、アシルオキシ、ハロゲン、カルボキシ、C−C−アルコキシカルボニル、−N(R)R、−CON(R)Rにより、もしくは環系内に3〜15個の原子を有する一価環状有機基により置換されていてもよいC−C−アルキルであり;
は水素またはC−C−アルキルであり、そしてRはフェニル、フェノキシ、アシルオキシまたはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりベンゾ基に縮合していてもよいC−C10−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1〜4個は、ヘテロ原子である。)を有する複素環基、フェニルまたはナフチルであり、当該フェニル、フェノキシまたはナフチル基は、所望によりハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、アシル、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキルチオ、C−C−アルコキシカルボニル、アシルアミノ、C−C−アルキルアミノ、ジ(C−C−アルキル)アミノまたはジ(C−C−アルキル)アミノカルボニルメトキシから選択される1またはそれ以上の置換基により置換されていてもよいか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5〜10個の環原子(そのうちの1、2または3個は、ヘテロ原子である。)を有する複素環基を示し;
およびRは、それぞれ独立して、水素またはC−C−アルキルであるか、あるいはRは水素であり、そしてRはヒドロキシ−C−C−アルキル、アシル、−SOまたは−CON(R)Rであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5−または6−員の複素環基を示し;
およびRは、それぞれ独立して、水素またはC−C−アルキルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5−または6−員の複素環基を示し;
は、C−C−アルキル、C−C−ハロアルキル、または所望によりC−C−アルキルにより置換されていてもよいフェニルであり;
Xは、−C(=O)−、−O−、−CH−、またはCH(OH)であり;
Yは、酸素または硫黄であり;
mは、1、2、3または4であり;そして
n、pおよびqは、それぞれ、0または1であり、n+p+q=1または2であり、n+q=1、p+q=1であり、そしてnが0である場合、pは0である。〕
で示される化合物を提供する。
【0031】
遊離または塩の形態の好適な式Iの化合物には、
Arが、フッ素および塩素から選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり;
は、水素、ヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されたC−C−アルキル、ベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、あるいはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであり;
は、水素またはC−C−アルキルであり、そしてRは、フェニルまたはフェノキシにより置換されたC−C−アルキル、あるいはベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、あるいはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりベンゾ基に縮合していてもよいC−C−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1または2個は、窒素、酸素または硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有する複素環基、あるいはフェニル、ベンジルまたはナフチルであり、当該フェニル、フェノキシおよびナフチル基は、所望によりハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、C−C−アルコキシ、C−C−ハロアルコキシ、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニル、C−C−アルキルチオ、ジ(C−C−アルキル)アミノまたはC−C−アルキルカルボニルアミノから選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよく、
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望によりベンゼン環が縮合していてもよいN−複素環を有する複素環基を示し;
Xは、−O−、−C(=O)−または−CH−であり;
Yは、酸素であり;そして
mは、2、3または4である、
化合物が含まれる。
【0032】
遊離または塩の形態のとりわけ好適な式Iの化合物は、
(1)式II
【化2】

〔式中、
Arは、フッ素および塩素から選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり、当該置換基の1つは、Xで示される基のパラ位であり;
は、水素、ヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されたC−C−アルキル、ベンゾイルオキシもしくはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキル、あるいはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであり;
は、ハロゲン、シアノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノまたはC−C−アルコキシから選択される1、2または3個の置換基により置換されたフェニルであるか、あるいはRは、所望によりフッ素により置換されていてもよいナフチルであるか、あるいはRは、所望によりハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシまたはC−C−アルキルカルボニルから選択される1または2個の置換基により置換されていてもよいフェノキシにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、ベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりハロゲン、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルカルボニルから選択される1または2個の置換基により置換されていてもよいベンゼン環に所望より縮合していてもよい5−または6−員の複素環[該複素環において、1または2個の環原子が窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。]を有する複素環基であり;
Xは、−O−であり;そして
mは、2または3である。〕
で示される化合物。
【0033】
(2)式III
【化3】

〔式中、
Arは、フッ素および塩素から選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり、当該置換基の1つは、Xで示される基のパラ位であり;
は、水素、ヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されたC−C−アルキルであり、
は、水素またはC−C−アルキルであり、そしてRは、C−C−シクロアルキル、5〜11個の環原子(そのうちの1もしくは2個は、窒素もしくは酸素原子である。)を有する複素環基、所望によりフッ素、塩素、ヒドロキシ、ニトロ、C−C−アルキル、C−C−アルキルカルボニルもしくはC−C−アルコキシから選択される1、2もしくは3個の置換基により置換されていてもよいフェニル、フェニル基がハロゲンおよびC−C−アルキルから選択される1もしくは2個の置換基により置換されたフェニル−C−C−アルキル、ナフチルにより置換されたC−C−アルキル、またはベンゾ基に縮合したC−C−シクロアルキルであるか、あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、所望により2までのC−C−アルコキシ基により置換されていてもよいベンゼン環に縮合した6−員のN−複素環を有する複素環基を示し;
Xは、−O−または−C(=O)−であり;そして
mは、2または3である。〕
で示される化合物。
【0034】
(3)式III
〔式中、
Arは、Xで示される基のパラ位が塩素により置換され、そして所望によりXで示される基のメタ位も塩素により置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素、またはヒドロキシ、C−C−アルコキシもしくはC−C−アシルオキシにより置換されたC−C−アルキルであり;
は、水素であり;
は、5〜11個の環原子(そのうちの1〜4個は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。)または原子を有する複素環基、好ましくは5個の原子(そのうちの1〜4個は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有し、そしてC−C−アルキル、C−C−シクロアルキルおよび−SO−C−C−アルキルから選択される1または2個の置換基により置換された複素環基であるか、あるいは、Rは、所望により、ハロゲン、シアノ、所望によりC−C−アルコキシにより置換されていてもよいC−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルコキシ、C−C−アルコキシカルボニル、(C−C−アルキル)アミノカルボニル、ジ(C−C−アルキル)アミノカルボニル、アミノカルボニル、−SONH、−SO−C−C−アルキル、および所望により窒素原子上でC−C−アルキルにより置換されていてもよいC−C−アシルアミノから選択される1、2または3個の置換基により置換されていてもよいフェニルであり;
Xは、−O−、−CH−または−C(=O)−であり;そして
mは、2である。〕
で示される化合物。
【0035】
(4)式IIIa
【化4】

〔式中、
Arは、所望によりXで示される基のパラ位がフッ素もしくは塩素により置換されていてもよい、そして/または所望によりXで示される基のメタ位がフッ素、塩素もしくはC−C−アルキルにより置換されていてもよいフェニルであり;
は、水素、または所望によりヒドロキシにより置換されていてもよいC−C−アルキルであり;
は、水素またはC−C−アルキルであり;
は、C−C−シクロアルキルであるか、あるいはRは、5〜11個の環原子(そのうちの1〜4個は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。)または原子を有する複素環基、好ましくは5個の原子(そのうちの1〜4個は、窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有し、そしてC−C−アルキルおよびC−C−シクロアルキルから選択される1または2個の置換基により置換された複素環であるか、あるいはRは、C−C−アルコキシにより置換されたフェニルであり;
Xは、−O−、−CH−または−C(=O)−であり;
Yは、OまたはSであり;そして
mは、1または2である。〕
で示される化合物。
【0036】
(5)式IV
【化5】

〔式中、
Arは、フッ素および塩素から選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり、当該置換基の1つは、Xで示される基のパラ位であり;
は、水素、またはヒドロキシもしくはC−C−アルコキシにより置換されたC−C−アルキルであり;
は、所望によりハロゲン、C−C−アルキルまたはシアノにより置換されていてもよいフェニルであるか、あるいはRは、5〜10個の環原子を有する芳香族N−またはS−複素環基であるか、あるいはRは、フェニル−C−C−アルキルであり;
Xは、−O−であり;そして
mは、2または3である。〕
で示される化合物。
【0037】
式Iにより表される化合物は、酸付加塩、特に医薬上許容される酸付加塩を形成することができる。式Iの化合物の医薬上許容される酸付加塩としては、無機酸、たとえば、ハロゲン化水素酸、たとえばフッ化水素酸、塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸の;ならびに有機酸、たとえば脂肪族モノカルボン酸、たとえばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸および酪酸、脂肪族ヒドロキシ酸、たとえば乳酸、クエン酸、酒石酸またはリンゴ酸、ジカルボン酸、たとえばマレイン酸またはコハク酸、芳香族カルボン酸、たとえば安息香酸、p−クロロ安息香酸、ジフェニル酢酸またはトリフェニル酢酸、芳香族ヒドロキシ酸、たとえばo−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、1−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸または3−ヒドロキシナフタレン−2−カルボン酸、およびスルホン酸、たとえばメタンスルホン酸またはベンゼンスルホン酸の酸付加塩が挙げられる。これらの塩は、既知の塩形成手順により式Iの化合物から製造され得る。
【0038】
酸性基、たとえばカルボキシル基を含む式Iの化合物は、また、塩基、特に当分野において周知のもののような医薬上許容される塩基と塩を形成することができる;かかる適当な塩としては、金属塩、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属塩、たとえばナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウム塩、あるいはアンモニアまたは医薬上許容される有機アミンまたは複素環塩基、たとえばエタノールアミン、ベンジルアミンまたはピリジンとの塩が挙げられる。これらの塩は、既知の塩形成手順により式Iの化合物から製造され得る。
【0039】
が水素ではない場合、式IにおけるRが結合している炭素原子は不斉であり、その場合には、当該化合物は、個々の光学活性異性体形態で、またはそれらの混合物として、たとえばラセミまたはジアステレオ混合物として存在する。本発明は、個々の光学活性なRおよびS異性体のそれぞれならびに混合物、たとえばそのラセミ体またはジアステレオ混合物を包含する。
【0040】
特にとりわけ好適な本発明の化合物は、後記の実施例において記載したものである。
【0041】
本発明は、また、式Iの化合物の製造方法であって、
(i)(A) nが1であり、pが1であり、qが0であり、そしてRが水素である式Iの化合物の製造のために、式V:
【化6】

〔式中、Ar、X、mおよびRは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物を、式VI:
【化7】

〔式中、YおよびRは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と、Rが反応性官能基を含む場合には、それは保護された形態であってもよいことを条件として反応させること、ならびに生成物中のRが、保護された官能基を含む場合、当該保護基を水素により置換すること;
(B) nが1であり、pが1であり、qが0であり、そしてRが水素またはC−C−アルキルである式Iの化合物の製造のために、式VII:
【化8】

〔式中、Ar、X、mおよびRは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物を、式VIII:
【化9】

〔式中、RおよびRは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させること、
またはならびに、生成物中のRが、保護された官能基を含む場合、当該保護基を水素により置換すること;
(C) nが1であり、pが1であり、qが0であり、そしてRおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、複素環基を示す式Iの化合物の製造のために、式IX:
【化10】

〔式中、ArおよびXは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物を、式X:
【化11】

〔式中、m、RおよびYは、上で定義したとおりであり、RおよびRは、それらが結合している窒素原子と一体となって、5〜10個の環原子(そのうちの1、2または3個は、ヘテロ原子である。)を有する複素環基を示し、そしてLはハロゲン、好ましくは臭素である。〕
で示される化合物と反応させること;
(D) nが1であり、pが0であり、qが0であり、そしてYが酸素である式Iの化合物の製造のために、ArおよびXが上で定義したとおりである式IXの化合物を、式XI:
【化12】

〔式中、L、m、RおよびRは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させること;
(E) nが1であり、pが0であり、qが0であり、そしてYが酸素である式Iの化合物の製造のために、Ar、X、mおよびRが上で定義したとおりである式Vの化合物を、式XII:
【化13】

〔式中、Rは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させ、そして、生成物中のRが、保護された官能基を含む場合、当該保護基を水素により置換すること;
(F) nが1であり、pが0であり、qが0であり、Rが水素であり、そしてYが酸素である式Iの化合物の製造のために、Ar、X、mおよびRが上で定義したとおりである式Vの化合物を、式XIII:
【化14】

〔式中、Rは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させること、ならびに、生成物中のRが、保護された官能基を含む場合、当該保護基を水素により置換すること;
(G) nが0であり、pが0であり、そしてqが1である式Iの化合物の製造のために、ArおよびXが塩酸塩の形態で上で定義された式IXの化合物を、式XIV:
【化15】

〔式中、L、m、RおよびRは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させること;
(H) nが1であり、pが1であり、qが0であり、そしてYが酸素である式Iの化合物の製造のために、Ar、X、mおよびRは、上で定義したとおりである式Vの化合物を、式XV:
【化16】

〔式中、RおよびRは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させること;あるいは
(I) nが1であり、pが0であり、qが0であり、Yが酸素であり、そしてRがC−C−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルである式Iの化合物の製造のために、Ar、X、mおよびRは、上で定義したとおりである式Vの化合物を、式XVI:
【化17】

〔式中、Rは、C−C−アルキルまたはC−C10−シクロアルキルであり、Rは、上で定義したとおりであり、そしてZは、ハロゲンである。〕
で示される化合物と、Rが反応性官能基を含む場合には、それは保護された形態であってもよいことを条件として反応させること、ならびに生成物中のRが、保護された官能基を含む場合、当該保護基を水素により置換すること;ならびに
(ii)遊離または塩の形態で生成物を回収すること、
を含んでなる方法を提供する。
【0042】
方法(A)は、アミンとイソシアナートとの反応について既知の手順を用いて、またはたとえば実施例において後記したのと同様に行われ得る。該反応は、簡便には有機溶媒、たとえばハロ炭化水素、たとえばジクロロメタン(DCM)またはエーテル、たとえばジオキサン中で行われる。反応温度は、たとえば0℃〜100℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0043】
方法(B)は、カルバミン酸 フェニルエステルとアミンの反応について既知の反応を用いて、またはたとえば実施例において後記したのと同様に行われ得る。該反応は、簡便には有機溶媒、たとえばジメチルスルホキシド(DMSO)中で行われる。反応温度は、たとえば0〜100℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0044】
方法(C)は、複素環第2級アミンとハロアルキルウレアの反応について既知の手順を用いて、またはたとえば実施例において後記したのと同様に行われ得る。当該反応は、通常、第3級アミンの存在下にて式IXの化合物の塩酸塩と式Xの化合物との間で行われる。当該反応は、簡便には有機溶媒、たとえばハロ炭化水素、たとえばDCM中で行われる。反応温度は、たとえば0〜100℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0045】
方法(D)は、複素環第2級アミンとN−(ハロアルキル)アミドとの反応について既知の手順を用いて、またはたとえば実施例において後記したのと同様に行われ得る。当該反応は、通常、第3級アミンの存在下にて式IXの化合物と式XIの化合物の間で行われる。反応は、簡便には有機溶媒、たとえばアセトニトリル中で行われる。反応温度は、たとえば0〜100℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0046】
方法(E)は、アミンと酸ハライドのアミド形成反応について既知の手順を用いて、または同様に行われ得る。
【0047】
方法(F)は、アミド形成について既知の手順を用いて、たとえば第3級アミンおよびペプチドカップリング剤の存在下での反応により、簡便には有機溶媒、たとえばハロ炭化水素、たとえばDCM中で行われ得る。反応温度は、たとえば0〜40℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0048】
方法(G)は、複素環第2級アミンとN−(ハロアルキル)スルホンアミドの反応について既知の手順を用いて、またはたとえば実施例において後記したのと同様に行われ得る。当該反応は、通常、第3級アミンの存在下にて、簡便には有機溶媒、たとえばアセトニトリル中で行われる。反応温度は、たとえば0〜100℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0049】
方法(H)は、アミンとカルバミン酸 フェニルエステルの反応について既知の手順を用いて、またはたとえば実施例において後記したのと同様に行われ得る。当該反応は、簡便には有機溶媒、たとえばジメチルスルホキシド(DMSO)において行われる。反応温度は、たとえば20〜100℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0050】
方法(I)は、アミンとハロ−ホルムアミドのアミド形成反応について既知の手順を用いて、またはたとえば実施例において後記したのと同様に行われ得る。反応温度は、たとえば0〜40℃、簡便には周囲温度であり得る。
【0051】
式Vの化合物は、式IXの化合物を式XVII:
【化18】

〔式中、R、Lおよびmは、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と、Rがヒドロキシ基のような反応性官能基を含む場合に、当該反応基は、保護された形態、たとえばtert−ブトキシ基のように保護されたヒドロキシ基であり得、そしてRは、水素またはアミン−保護基、たとえばtert−ブトキシカルボニル基であることを条件として反応させること、ならびに、Rが保護基である場合に、生成物中のRを水素により置換すること、ならびに、生成物中のRが、保護された官能基を含む場合、当該保護基を水素により置換することにより製造され得る。Rが水素である場合、式XVIIの化合物と式IXの化合物の塩との間の反応は、US 4559349に記載された手順により行われ得る。Rが保護基である場合、式XVIIの化合物と式IXの化合物との間の反応は、既知の方法を用いて、たとえば第3級有機塩基、たとえばトリエチルアミンまたは1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の存在下にて、簡便には不活性有機溶媒、たとえば極性溶媒、たとえばジメチルホルムアミド中で行われ得る。反応温度は、適当には、0〜40℃、好ましくは周囲温度である。水素による保護基Rの置換は、既知の手順を用いて;たとえば、Rがtert−ブトキシカルボニルである場合には、カルボン酸、たとえばトリフルオロ酢酸での処理により行われ得る。Rにおける保護基の置換は、既知の手順を用いて、たとえば、Rがエーテル基のように保護されたヒドロキシ基、たとえばtert−ブトキシを含む場合に、カルボン酸、たとえば酢酸中のHBrでの処置により行われ得る;Rが保護基である場合、この処理は、またはRを水素により置き換える。
【0052】
本明細書において保護化された官能基または保護基という場合、その保護基は、官能基の性質にしたがって、たとえば、Protective Groups in Organic Synthesis, T.W. Greene および P.G.M. Wuts, John Wiley & Sons Inc, Second Edition, 1991(この文献は、また、水素による保護基の置換に適した手順も記載している。)に記載されたように選択され得る。
【0053】
式VIの化合物は、商品として入手可能であるか、または既知の方法により製造され得る。
【0054】
式VIIの化合物は、塩基、たとえば第3級アミンの存在下で、式Vの化合物をフェニル クロロホルメートと、たとえば実施例において後記したように反応させることにより製造され得る。
【0055】
式VIIIの化合物は、商品として入手可能であるか、または既知の方法により製造され得る。
【0056】
Xが−O−である式IXの化合物は、式XVIII:
【化19】

で示される化合物を、Ar−OHで示される化合物〔ここで、Arは上で定義したとおりであり、そしてR10は保護基である。〕と、水素化ナトリウムの存在下で反応させること、ならびに生成物中のR10を水素により置換することにより製造される。当該反応は、不活性溶媒、たとえばDMF中で行われ得る。適当な反応温度は、20℃〜150℃、簡便には50〜70℃であり得る。水素によるR10の置換は、既知の手順を用いて、たとえばR10がベンズヒドリルである場合、式XVIIの化合物およびAr−OHの反応生成物を、1−クロロエチル クロロホルメートと反応させることにより行われ得る。適当な反応温度は、10〜30℃、簡便には室温である。
【0057】
Xが−C(=O)−である式IXの化合物は、式XIXaまたは式XIXb:
【化20】

で示される化合物を、式XX:
【化21】

〔式中、ArおよびR10は、上で定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させること、ならびに生成物中のR10を水素により置換することにより製造され得る。式XIXa/bの化合物と式XXの化合物との反応は、不活性有機溶媒、たとえばエーテル、たとえばTHFおよび/またはジエチルエーテル中で行われ得る;適当な反応温度は、−10℃〜10℃、簡便には−5〜5℃であり得る。水素による生成物中のR10の置換は、前記のように行われ得る。
【0058】
Xが−CH−である式IXの化合物は新規であり、そしてXが−C(=O)−である式IXの化合物の還元により、たとえば既知の還元手順を用いて製造され得る。これは、好ましくは、対応するアルコールへの還元、ヨウ素への変換、次いで還元を含む。
【0059】
式Xの化合物は、式XXI:
【化22】

で示される化合物を、式H−N(R)R
〔式中、L、R、RおよびRは、式Xにおいて定義したとおりである。〕
で示される化合物と反応させることにより、たとえば実施例において後記したように製造され得る。
【0060】
式XIの化合物は、式XXII:
【化23】

で示される化合物を、式XIIIの化合物と反応させることにより、たとえば実施例において後記したように製造され得る。
【0061】
式XIIの化合物および式XIIIの化合物は既知であるか、または既知の手順により製造され得る。
【0062】
式XIVの化合物は、式XXIIの化合物を、式RSOClの化合物と、たとえば実施例において後記したように反応させることにより製造され得る。
【0063】
式XV、XVI、XVII、XVIIIの化合物は既知であるか、または既知の手順により製造され得る。
【0064】
式XIXaの化合物は、式XXIII
【化24】

で示される化合物を、O,N−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩と、ペプチドカップリング剤、たとえばジ−イミダゾール−l−イル−メタノンの存在下にて、簡便には不活性有機溶媒、たとえばTHF中で、適当には還流温度にて反応させることにより製造され得る。
【0065】
式XIXb、XX、XXI、XXIIおよびXXIIIの化合物は既知であるか、または既知の手順を用いて製造され得る。
【0066】
遊離の形態の式Iの化合物は、慣用的方法で塩の形態に変換され得、そしてその逆もあり得る。遊離または塩の形態の化合物は、水和物または結晶化に用いた溶媒を含む溶媒和物の形態で得られ得る。式Iの化合物は、慣用的方法で反応混合物から回収され、そして精製され得る。異性体、たとえばエナンチオマーは、慣用的方法、たとえば分別晶出により、または相当するように不斉に置換された、たとえば光学活性の出発物質からの不斉合成により得られ得る。
【0067】
遊離または医薬上許容される塩の形態の式Iの化合物(あるいは、以下、本明細書において「本発明の剤」と呼ばれる)は医薬として有用である。したがって、本発明は、また、医薬として使用するための遊離または医薬上許容される塩の形態の式Iの化合物を提供する。本発明の剤は、CCR−3レセプターアンタゴニストとして作用し、それにより炎症性細胞、特に好酸球の湿潤および活性化を阻害し、アレルギー反応を阻害する。本発明の医薬の阻害特性は下記のアッセイで示され得る:
【0068】
CCR−3結合アッセイ
本アッセイにおいて、ヒトCCR−3に対するヒトエオタキシンの結合に関する本発明の剤の効果が測定される。ヒトCCR−3を発現している組換え細胞を、WGAと細胞表面上の糖タンパク質の炭水化物残基との間の特異的な相互作用を介して、小麦麦芽(WGA) ポリビニルトルイデン(PVT) SPA ビーズ(Amershamから入手可能)に結合させる。[125I]−ヒトエオタキシン(Amershamから入手可能)は、該SPAビーズに近接して[125I]−ヒトエオタキシンを保持しているCCR−3レセプターに特異的に結合する。[125I]−ヒトエオタキシンから放出された粒子は、近接しているビーズ中のフルオロフォア(fluorophore)を励起し、そして光を産生する。溶液中の遊離の[125I]−ヒトエオタキシンは、シンチラント(scintillant)に接近していないので、光を産生しない。したがって、シンチレーション・カウントは、試験化合物がCCR−3へのエオタキシンの結合を阻害する程度の測定である。
【0069】
アッセイ用緩衝液の調製:5.96gのHEPESおよび7.0gの塩化ナトリウムを蒸留水に溶かし、そして1M水性CaCl(1ml)および1M水性MgCl(5ml)を加える。pHを、NaOHを用いて7.6に調節し、そして蒸留水を用いて該溶液の最終的な体積を1Lとする。次いで、5gのウシ血清アルブミンおよび0.1gのアジ化ナトリウムを溶液に溶かし、そして得られた緩衝液を4℃で貯蔵する。使用する日に、50mlの緩衝液につき1個のComplete(商標)プロテアーゼ・インヒビター・カクテル・タブレット(Boehringerから入手可能)を添加する。
【0070】
ホモジナイズ用緩衝液の調製:トリス塩基(2.42g)を蒸留水中に溶かし、塩酸を用いて溶液のpHを7.6に調節し、そして溶液を蒸留水で希釈して最終的な体積を1Lとする。得られた緩衝液を4℃で貯蔵する。使用する日に、50mlの緩衝液につき1個のComplete(商標)プロテアーゼ・インヒビター・カクテル・タブレット(Boehringerから入手可能)を添加する。
【0071】
膜の調製:CCR3を安定して発現しているコンフルエントラット好塩基性白血球(RBL−2H3)を、酵素フリーの解離用緩衝液を用いて組織培養フラスコから取り除き、そしてリン酸緩衝性生理食塩水中に再懸濁させる。細胞を遠心分離(800g、5分)し、ペレットを、細胞1グラムにつき1mlのホモジナイズ用緩衝液を用いて、氷冷ホモジナイズ用緩衝液中に再懸濁させ、そして氷上で30分間インキュベートする。細胞を、ガラス性の乳鉢と乳棒を用いて10ストローク(stroke)にて氷上でホモジナイズする。ホモゲネートを遠心分離(800g、5分、4℃)し、上清をさらに遠心分離(48000g、30分、4℃)し、そして10%(v/v)グリセロールを含むホモジナイズ用緩衝液中にペレットを再溶解させる。膜調製物のタンパク含有量を、Bradfordの方法(Anal.Biochem. (1976) 72:248)により評価し、そしてアリコートを急速冷凍(snap frozen)し、−80℃で貯蔵する。
【0072】
本アッセイを、Optiplate(商標)マイクロプレート(たとえばCanberra Packard)のウェルあたり250μlの最終体積中で行う。Optiplate(商標)の選択されたウェルに、5%DMSO(0.01nMから10μMの濃度)を含有するアッセイ用緩衝液中の試験化合物の50μlの溶液を添加する。総合的な結合を測定するために、5%DMSOを含有する50μlのアッセイ用緩衝液を、他の選択されたウェルに添加する。非特異的な結合を測定するために、5%DMSOを含有するアッセイ用緩衝液中の50μlの100nMヒトエオタキシン(たとえばR&D Systems)を、さらなる選択されたウェルに加える。すべてウェルに、250pM(各ウェルあたり50pMの最終濃度とする)の濃度で、5%DMSOを含有するアッセイ用緩衝液中の50μlの[125I]−ヒトエオタキシン(たとえばAmersham)、アッセイ用緩衝液中50μlのWGA−PVT SPAビーズ(各ウェルあたり1.0mgビーズの最終濃度とする)およびアッセイ用緩衝液中100μgのタンパク質の濃度の100μlの膜調製物(各ウェルあたり10μgのタンパク質の最終濃度とする)を添加する。次いで、プレートを室温にて4時間インキュベートする。プレートを、製造者の指示にしたがってTopSeal−S(商標)シーリングテープ(たとえばCanberra Packard)を用いて密封する。得られたシンチレーションを、Canberra Packard TopCount(商標)シンチレーション・カウンターを用いて計数する(各ウェルは、1分間計数される)。50%の阻害が起こる試験化合物の濃度(IC50)を、慣用的方法で濃度−阻害曲線から決定する。
【0073】
下記の実施例の化合物は、一般に、上記のアッセイにおいて1μM以下のIC50値を有する。たとえば、実施例16、26、37、45、83、88、99、122、134、190および195の化合物は、それぞれ、0.103μM、0.007μM、0.018μM、0.011μM、0.005μM、0.006μM、0.007μM、0.022μM、0.012μM、0.011μM、および0.002μMのIC50値を有する。
【0074】
実施例のたいていの化合物は、α1アドレナリンレセプターの結合の阻害と比較してCCR−3結合の阻害に選択性を示す。いくつかの化合物、たとえば実施例190の化合物は、また、ヒスタミンH1アンタゴニストでもある。α1アドレナリンレセプターの結合に対する本発明の剤の阻害特性は、下記のアッセイで測定され得る:
【0075】
雄Sprague−Dawleyラット(175−200g)由来の大脳皮質を切開し、そしてガラス/テフロン(登録商標)・ホモジナイザーを用いて10容積部の氷冷0.32Mスクロース(1mM MgCl二水和物および1mM KHPO含有)中でホモジナイズする。膜を1000×gにて15分間遠心分離し、ペレットを捨て、そして遠心分離を繰り返す。上清をプールし、そして18000×gにて15分間遠心分離する。ペレットに10容積部の水で浸透性の衝撃を与え、そして氷上で30分間維持する。懸濁液を39000×gにて20分間遠心分離し、20mMトリスを含有するKrebs−Henseleit緩衝液pH7.4(1.17mM MgSO無水物、4.69mM KCl、0.7mM KHPO無水物、0.11M NaCl、11mM D−グルコースおよび25mM NaHCO)中で再懸濁させ、そして−20℃で2日間維持する。次いで膜を20−23℃で解凍し、18000×gにて15分間遠心分離することによりKrebs−Henseleit緩衝液を用いて3回洗浄し、4℃にて一夜放置し、そして再び3回洗浄する。最終的なペレットを同じ緩衝液中で125ml/100膜中でガラス/テフロン(登録商標)・ホモジナイザーを用いて再懸濁させる。試料を、タンパク質濃度を測定するために採取し(標準としてガンマグロブリンの入ったBradford Assayを用いる)、そして残りを分割して−80℃にて貯蔵する。
【0076】
得られる膜をラジオリガンド結合アッセイにかける。本アッセイを、[125I]−HEAT(Amersham)(40pM、K:58.9±18.7pM)を含有する96ウェル・プレート、非標識の試験化合物および膜(57.1μg/ml)を用いてトリプリケートで行うと、250μl(50mMトリス塩基および0.9%(w/v)NaCl、pH7.4を含有するアッセイ用緩衝液)の最終容積を得る。プレートを37℃で60分間インキュベートし、その後、Whatman(商標)GF/C 96ウェル・フィルター・プレートで急速真空濾過(rapid vacuum filtration)を行う。次いで各プレートを、Brandel Cellハーベスター(Gaithersburg、MD)を用いて10mlの氷冷アッセイ用緩衝液で3回洗浄する。続いてプレートを50℃にて3時間乾燥し、40μlのMicroscint 20を各ウェルに添加し、プレートを室温にてさらに20分間インキュベートし、そして保持された放射活性(radioactivity)をPackard Topcount NXT(商標)シンチレーション・カウンターで定量する。
【0077】
最初に試験化合物のストック溶液を100% DMSO中に溶かし、そしてアッセイ用緩衝液を用いて必要な濃度まで希釈して1%(v/v)DMSOを得る。
【0078】
50%の阻害が起こる試験化合物の濃度(IC50)を、慣用的方法で濃度−阻害曲線から決定する。
【0079】
それらのCCR−3の結合阻害に関し、本発明の剤はCCR−3により仲介される病状、特に炎症性またはアレルギー性病状の処置において有用である。本発明の処置は症候的または予防的であり得る。
【0080】
したがって、本発明の剤は、炎症性または閉塞性気道疾患の処置において有用であり、その結果、たとえば、組織の損傷、気管支の活動亢進、リモデリングまたは疾患の進行が減少する。本発明が適用可能である炎症性または閉塞性気道疾患には、内因性(非アレルギー性)喘息および外因性(アレルギー性)喘息、軽症喘息、中等症喘息、重症喘息、気管支喘息、運動誘発喘息、職業性喘息および細菌またはウイルス感染後に誘発される喘息を含むあらゆる種類または起源の喘息が含まれる。喘息の処置は、また、喘鳴徴候を示し、「幼児喘鳴(wheezy infant)」と診断されるかまたは診断することが可能な、4または5歳未満の対象の処置を包含するものと理解され、「幼児喘鳴」は、確立されたよくある疾患の患者カテゴリーであり、現在では、しばしば、初期または早期喘息患者とみなされる(便宜上、この特定の喘息病状を、「幼児喘鳴症候群(wheezy infant syndrome)」と呼ぶ)。
【0081】
喘息の処置における予防の有効性は、症状の発作、たとえば、急性の喘息もしくは気管支収縮発作の頻度もしくは重症度の軽減、肺機能の改善または気道活動亢進の改善によって証明される。それは、さらに、他の対症治療、すなわち、症状の発作が起こった場合にそれを軽減または阻止するための治療、たとえば抗炎症薬(たとえばコルチコステロイド)または気管支拡張薬の需要の減少によって証明される。喘息における予防の利点は、特に、「モーニング・ディップ」の傾向にある患者において明らかであり得る。「モーニング・ディップ(morning dipping)」は、認知された喘息症候群であり、かなりの割合の喘息患者に共通であり、そして、たとえば、だいたい午前4時から6時の間、すなわち前に投与された対症的な喘息治療からかなり離れた時間の喘息発作を特徴とする。
【0082】
本発明が適用され得る他の炎症性または閉塞性気道疾患および病状は、急性肺損傷(ALI)、急性/成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、慢性閉塞性肺、気道または肺疾患(COPD、COADまたはCOLD)を含み、それに伴う慢性気管支炎または呼吸困難、肺気腫ならびに他の薬物治療、特に他の吸入薬治療の結果として生ずる気道の活動亢進の増悪を含む。本発明は、また、たとえば、急性、アラキドン酸性、カタル性、クループ性、慢性もしくはフチノイド(phthinoid)性の気管支炎を含む、いかなる種類または起源の気管支炎の処置にも適用可能である。本発明が適用され得るさらなる炎症性または閉塞性気道疾患としては、急性もしくは慢性のいずれでも、たとえば、アルミニウム症、炭粉症、石綿症、石肺症、チローシス(ptilosis)、鉄症、珪肺症、タバコ症および綿繊維肺沈着症を含む、塵肺(炎症性、一般に職業上の、粉塵の反復吸入により引き起こされる肺の疾病)が挙げられる。
【0083】
抗炎症性活性に関し、特に好酸球活性の阻害に関し、本発明の剤は、また、好酸球関連障害、たとえば好酸球増加症、特に気道の好酸球関連障害(たとえば、肺組織の病的な好酸球の湿潤に関するもの)、ならびに、たとえば、レフラー症候群(Loeffler’s syndrome)、好酸球増殖性肺炎、寄生虫(特に後生動物)の侵入(熱帯性好酸球増加症を含む)、気管支肺のアルペルギルス症、結節性多発動脈炎(Churg−Strauss症候群を含む)、好酸球増加性肉芽腫、および薬物反応により起こる気道に作用する好酸球関連障害の後に起こるかまたは付随して起こる気道の好酸球関連障害の処置においても有用である。
【0084】
本発明の剤は、また、皮膚の炎症性またはアレルギー性の病状、たとえば乾癬、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、円形脱毛症、多形紅斑、ヘルペス性皮膚炎、硬皮症、白斑、過敏性脈管炎、蕁麻疹、水疱性類天疱瘡、エリテマトーデス、天疱瘡、後天性表皮水疱症(epidermolysis bullosa acquisita)、および皮膚の他の炎症性またはアレルギー性病状の処置において有用である。
【0085】
本発明の剤は、また、他の疾患または病状、特に炎症性要素を有する疾患または病状の処置、たとえば結膜炎、乾性角結膜炎、および春季結膜炎のような目の疾患および病状、アレルギー性鼻炎、たとえば萎縮性、慢性または季節性鼻炎を含む鼻に影響する疾患、消化管の炎症性の病状、たとえば潰瘍性大腸炎およびクローン病のような炎症性腸疾患、リウマチ様関節炎、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎および全身性硬化症を含む骨および関節の疾患、ならびに、多発性硬化症、(I型)糖尿病、重症筋無力症、高IgE症候群ならびにたとえば心臓、腎臓、肝臓、肺または骨髄移植後の急性および慢性移植変拒絶のような他の疾患の処置にも使用され得る。
【0086】
炎症性の病状、たとえば炎症性気道疾患を阻害することにおける本発明の剤の有効性は、動物モデル、たとえばマウスまたはラットモデルの気道の炎症性病状または他の炎症性の病状により例示され得、たとえばSzarka et al, J. Immunol. Methods (1997) 202:49−57; Renzi et al, Am. Rev. Respir. Dis. (1993) 148:932−939; Tsuyuki et al., J. CliN Invest. (1995) 96:2924−2931;およびCernadas et al (1999) Am. J. Respir. Cell Mol. Biol. 20:1−8に記載されている。
【0087】
本発明の剤は、また、特に前記のような閉塞性または炎症性の気道疾患の処置において、抗炎症薬、気管支拡張薬または抗ヒスタミン薬のような他の医薬物質と組合せて使用するための共治療剤として、たとえば、このような医薬の治療活性の強化剤として、またはこのような医薬の必要とされる投与量もしくは起こり得る副作用を減少させる手段として有用であり得る。本発明の剤は、一定の医薬組成物中に他の医薬物質とともに混合され得るか、または、他の医薬物質と別個に、前もって、同時に、もしくは後に投与され得る。このような抗炎症薬には、ステロイド、特にブデソニド、ベクラメタゾン、フルチカゾン、シクレソニドまたはモメタゾンのようなグルココルチコステロイド、US 5451700に記載されたようなLTB4アンタゴニスト、モンテルカストおよびザフィルルカストのようなLTD4アンタゴニスト、カベルゴリン、ブロモクリプチン、ロピニロールおよび4−ヒドロキシ−7−[2−[[2−[[3−(2−フェニルエトキシ)プロピル]スルホニル]エチル]−アミノ]エチル]−2(3H)−ベンゾチアゾロンならびに医薬上許容されるそれらの塩(その塩酸塩は、Viozan(登録商標)−AstraZenecaである。)のようなドパミンレセプターアゴニスト、ならびにAriflo(登録商標)(GlaxoSmith Kline)、Roflumilast (Byk Gulden),V−11294A (Napp)、BAY19−8004 (Bayer)、SCH−351591 (Schering−Plough)、Arofylline (Almirall Prodesfarma)およびPD189659 (Parke−Davis)のようなPDE4インヒビターが含まれる。このような気管支拡張薬には、抗コリン薬または抗ムスカリン薬、特に臭化イプラトロピウム、臭化オキシトロピウムおよび臭化チオトロピウム、ならびにサルブタモール、テルブタリン、サルメテロールおよび、とりわけ、ホルモテロールおよび医薬上許容されるそれらの塩のようなβ2アドレナリンレセプターアゴニスト、ならびにPCT国際公開番号第WO 00/75114号(当該文献を、出典明示により本明細書の一部とする。)の(遊離または塩または溶媒和物の形態の)式Iの化合物、好ましくはその実施例の化合物、とりわけ式
【化25】

の化合物および医薬上許容されるその塩が含まれる。共治療用抗ヒスタミン薬には、塩酸セチリジン、アセトアミノフェン、フマル酸クレマスチン、プロメタジン(promethazine)、ロラチジン、デスロラチジン、ジフェンヒドラミンおよび塩酸フェキソフェナジンが含まれる。本発明の剤とステロイド、β2アゴニスト、PDE4インヒビターまたはLTD4アンタゴニストとの組合せは、たとえばCOPD、または特に喘息の処置において使用され得る。本発明の剤と抗コリン薬または抗ムスカリン薬、PDE4インヒビター、ドパミンレセプターアゴニストまたはLTB4アンタゴニストとの組合せは、たとえば、喘息、または特にCOPDの処置において使用され得る。
【0088】
本発明の剤と抗炎症薬との他の有用な組合せは、ケモカインレセプター、たとえばCCR−1、CCR−2、CCR−3、CCR−4、CCR−5、CCR−6、CCR−7、CCR−8、CCR−9およびCCR10、CXCR1、CXCR2、CXCR3、CXCR4、CXCR5、特にSchering−PloughのアンタゴニストのSC−351125、SCH−55700およびSCH−DのようなCCR−5アンタゴニスト、N−[[4−[[[6,7−ジヒドロ−2−(4−メチルフェニル)−5H−ベンゾシクロヘプテン−8−イル]カルボニル]アミノ]フェニル]−メチル]テトラヒドロ−N,N−ジメチル−2H−ピラン−4−アミニウム クロライド(TAK−770)のようなTakedaのアンタゴニスト、ならびにUS 6166037(特に、請求項18および19)、WO 00/66558(特に、請求項8)、およびWO 00/66559(特に、請求項9)に記載されたCCR−5アンタゴニスト、といったアンタゴニストと組合せたものである。
【0089】
前記にしたがって、本発明は、また、CCR−3により介在される病状、たとえば炎症性またはアレルギー性の病状、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置方法であって、それを必要とする対象、特にヒトの対象に、前記の遊離または医薬上許容される塩の形態の有効量の式Iの化合物を投与することを含む方法を提供する。別の態様において、本発明は、CCR−3により介在される疾患、たとえば炎症性またはアレルギー性の病状、特に炎症性または閉塞性気道疾患の処置のための医薬の製造に関して前記したような、遊離または医薬上許容される塩の形態の式Iの化合物の使用を提供する。
【0090】
本発明の剤は、任意の適当な経路、たとえば経口的に、たとえば錠剤またはカプセル剤の形態で;非経腸的に、たとえば静脈内に;吸入により、たとえば炎症性または閉塞性気道疾患の処置において;経鼻的に、たとえばアレルギー性鼻炎の処置において;皮膚に局所的に、たとえばアトピー性皮膚炎の処置において;または経直腸内に、たとえば炎症性腸疾患の処置において、投与され得る。
【0091】
さらなる態様において、本発明は、また、所望により医薬上許容される希釈剤または担体とともに、遊離または医薬上許容される塩の形態の式Iの化合物を活性成分として含んでなる医薬組成物を提供する。該組成物は、抗炎症薬または気管支拡張薬のような共治療薬を含有し得る。このような組成物は、慣用的な希釈剤または賦形剤およびガレヌス分野(galenic art)において既知の技術を用いて製造され得る。したがって、経口投与形態には、錠剤およびカプセル剤が含まれ得る。局所投与のための製剤は、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤または経皮送達システム(transdermal delivery systems)、たとえばパッチ剤の形態をとり得る。吸入のための組成物は、エアロソルまたは他の噴霧可能な製剤またはドライパウダー製剤を含み得る。
【0092】
組成物がエアロゾル製剤を含んでなる場合には、組成物は、好ましくはたとえばヒドロフルオロアルカン(HFA)プロペラント、たとえばHFA134aまたはHFA227またはその混合物を含有し、そして当業者に既知の共溶媒(たとえばエタノール(20重量%まで))の1種またはそれ以上および/または界面活性剤(たとえばオレイン酸またはソルビタントリオレエート)の1種またはそれ以上および/または増量剤(たとえば乳糖)の1種またはそれ以上を含有し得る。組成物がドライパウダー製剤を含んでなる場合には、組成物は、好ましくは、所望により希釈剤または担体(たとえば所望の粒径分布を持つ乳糖および湿気による生成物劣化を防ぐ化合物)とともに、たとえば粒径10ミクロンまでの式Iで示される化合物を含有する。組成物がネブライザー製剤(nebulized formulation)を含んでなる場合には、組成物は、好ましくはたとえば水を含むビヒクル、共溶媒(たとえばエタノールまたはプロピレングリコール)および界面活性剤であってもよい安定化剤に溶解または懸濁した式Iで示される化合物を含有する。
【0093】
本発明は、(A)吸入可能な、たとえばエアロゾルまたは他の噴霧可能な組成物または吸入可能な粒子の、たとえば微粉化された形態の本発明の剤、(B)吸入可能な形態の本発明の剤を含んでなる吸入可能な医薬;(C)吸入デバイスとともに吸入可能なこのような本発明の剤を含んでなる医薬製剤;および(D)吸入可能な形態の本発明の剤を含有する吸入デバイスを含む。
【0094】
本発明の実施において使用される本発明の剤の用量は、もちろん、たとえば、処置されるべき特定の病状、所望の効果および投与様式に依存して変動する。一般に、吸入による適当な1日投与量は、0.01〜30mg/kgのオーダーであり、一方、適当な1日経口投与量は、0.01〜100mg/kgのオーダーである。
【0095】
本発明を、以下の実施例により説明する。
【実施例】
【0096】
実施例1〜19
式IIの化合物を以下の表において示し、その製造方法を以下に記載する。該表は、また、特徴的な質量分析データも示している。実施例7以外では、XはOであり、実施例7においては、XはC=Oである。式IIにおけるmの値は2である。化合物は、すべて遊離の形態である。
【0097】
【表1】

【0098】
【表2】

【0099】
【表3】

【0100】
実施例20〜57
式IIIの化合物を以下の表において示し、その製造方法を以下に記載する。該表は、また、特徴的な質量分析データも示している。実施例34、37および49を除いてXはOであり、実施例34、37および49においては、XはC=Oである。実施例54以外においては、Rは水素であり、実施例54においては、RはCHであり、そして実施例55において、RおよびRは窒素原子と一体となって、Rの欄に記載された基を示す。式IIIにおけるmの値は、実施例20〜56に関して2であり、そして実施例57に関して3である。実施例24〜25、27、29〜33および36は、トリフルオロ酢酸塩の形態であり;他のものは遊離の形態である。
【0101】
【表4】

【0102】
【表5】

【0103】
【表6】

【0104】
【表7】

【0105】
実施例58〜65
式IVの化合物を以下の表において示し、その製造方法を以下に記載する。該表は、また、特徴的な融点および/または質量分析データを示している。式IVにおけるmの値は、これらすべての実施例において2であり、Rは水素であり、そしてXはOである。これらの化合物は、すべて遊離の形態である。
【0106】
【表8】

【0107】
実施例66〜128
が水素であり、そしてmが2である式IIIの化合物を以下の表において示し、その製造方法を以下に記載する。該表は、また、特徴的な融点および/または質量分析データを示している。実施例77および92は、トリフルオロ酢酸塩の形態であり、他のものは遊離の形態である。
【0108】
【表9】

【0109】
【表10】

【0110】
【表11】

【0111】
【表12】

【0112】
【表13】

【0113】
実施例129〜203
式IIIa
【化26】

〔式中、mは、2である(mが1である実施例129を除く)。〕
の化合物を以下の表において示し、その製造方法を以下に記載する。該表は、また、特徴的な融点および/または質量分析データを示している。すべての化合物は遊離の形態である。
【0114】
【表14】

【0115】
【表15】

【0116】
【表16】

【0117】
【表17】

【0118】
【表18】

【0119】
【表19】

【表20】

【0120】
出発化合物の製造
(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール
{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.46g、1.24mmol)のジクロロメタン(6ml)溶液をトリフルオロ酢酸(2ml)で処理し、そして反応混合物を周囲温度にて1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして残渣を水に溶かす。得られた水溶液を、飽和水性NaHCOで塩基性化し、そしてジクロロメタンで抽出する。そのジクロロメタンをMgSOで乾燥し、そして蒸発させると、透明のオイルとして(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールを得る。[MH]+ 271.0。
【0121】
{1−[(S)−3−アミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−ブチル]−アゼチジン−3−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン
{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.188g、0.321mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を、トリフルオロ酢酸で処理し、そして周囲温度にて0.5時間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンで希釈し、そして水および飽和水性NaHCOで洗浄する。有機相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させると、{1−[(S)−3−アミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−ブチル]−アゼチジン−3−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノンを得る。[MH]+ 505.2。
【0122】
アゼチジン−3−イル−(4−クロロ−フェニル)−メタノン塩酸塩
−4℃に冷却した(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−(4−クロロ−フェニル)−メタノン(19.8g、54.8mmol)のジクロロメタン(250ml)溶液を、1−クロロエチルクロロホルメート(8.0ml、73.8mmol)で処理し、そして周囲温度まで加温する。反応混合物を18時間撹拌し、次いで蒸発させる。残渣をメタノール(220ml)に溶かし、そして周囲温度にて3.5時間撹拌する。溶液をメタノール濃縮し、そして生成物をジエチルエーテルの添加により沈澱させる。沈澱を濾過により集め、そして高度の真空下で乾燥すると、アゼチジン−3−イル−(4−クロロ−フェニル)−メタノン塩酸塩を得る。[MH]+ 195.95。
【0123】
他の置換ベンゾイルアゼチジン化合物は、同様に製造される。
【0124】
(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−(4−クロロ−フェニル)−メタノン
1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−カルボニトリル(23.6g、95mmol)のクロロベンゼン(250ml)溶液を、窒素下で、温度が30℃を超えないことを確実にしながら、ジエチルエーテル中1.0M4−クロロフェニルマグネシウムブロマイドの溶液(100ml、100mmol)で1時間かけて処理する。撹拌された反応混合物を60℃で1時間加熱し、次いで周囲温度に戻し、そして塩化アンモニアの飽和水溶液(250ml)でクエンチする。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると黄色のオイルとなる。このオイルをメタノール(300ml)に溶かし、濃塩酸(25ml)で処理し、そして周囲温度にて18時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして残渣を酢酸エチル(250ml)および飽和炭酸水素ナトリウム溶液(250ml)の間で分液する。水相をさらなる酢酸エチルで抽出し、そして合わせた有機層を硫酸マグネシウムおよび木炭(charcoal)で処理し、濾過し、そして蒸発させると、(1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イル)−(4−クロロ−フェニル)−メタノンを得る。[MH]+ 361.99。
【0125】
1−ベンズヒドリル−3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン
3,4−ジクロロフェノール(4.12g、25.3mmol)のDMF(150ml)溶液を、アルゴン下で、鉱物油中60%分散水素化ナトリウム(40.4mmol)で処理し、そして反応混合物を10分間撹拌する。メタンスルホン酸 1−ベンズヒドリル−アゼチジン−3−イルエステル(7.27g、22.96mmol)のDMF(50ml)溶液を添加し、そして反応混合物を60℃にて20時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび水の間で分液する。有機相を水(×2)で洗浄し、硫酸マグネシウムを乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(1:4 酢酸エチル/イソヘキサンで溶出)により精製すると、1−ベンズヒドリル−3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジンを得る。[M+H] 383.8。
【0126】
N−(3−ブロモ−プロピル)−3−シアノ−ベンゼンスルホンアミド
ブロモプロピルアミン 臭化水素酸塩(0.219g、1mmol)のジクロロメタン(2ml)懸濁液を、ジメチルアミノピリジン(0.004g)のジクロロメタン(0.5ml)溶液で処理し、続いて3−シアノ−ベンゼンスルホニルクロライド(0.2g、1.0mmol)のジクロロ−メタン(0.5ml)溶液を添加する。トリエチルアミン(0.3ml、2.16mmol)を添加し、そして反応混合物を周囲温度にて2時間撹拌し、次いで水および飽和水性NaHCOでクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出する。有機相を水性1M HCl溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させると、粗製N−(3−ブロモ−プロピル)−3−シアノ−ベンゼンスルホンアミドを得る(13C NMR,100MHz,CDCl,30.2,32.6,41.9,114.3,117.5,130.7,130.9,131.1,136.3,142.1)。
【0127】
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−4−オキソ−酪酸 ベンジルエステル
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−コハク酸 1−ベンジルエステル(5.0g、13.99mmol)のジクロロメタン(50ml)溶液を、ジイソプロピルエチルアミン(7.51ml、41.97mmol)および2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチル−ウロニウム テトラフルオロボレート(4.49g、13.99mmol)で処理する。反応混合物に、3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩(3.06g、13.99mmol)を添加し、そして撹拌を3時間継続する。ジクロロメタンを蒸発させ、そして残渣を酢酸エチルおよび飽和NaHCO溶液の間で分液する。酢酸エチル相を1M HCl溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製し、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−4−オキソ−酪酸 ベンジルエステルを得る。[M−BOC] 389.0。
【0128】
(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヨード−酪酸 ベンジルエステル
ポリマー結合トリフェニルホスフィン(18.25g、54.76mmol)のDCM(100ml)懸濁液を、ヨウ素(12.2g、48.1mmol)で処理し、そして反応混合物を周囲温度にて15分間撹拌する。イミダゾール(3.72g、54.7mmol)を添加し、そして反応混合物をさらに15分間撹拌する。(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ−酪酸 ベンジルエステル(6.76g、21.9mmol)のDCM(100ml)溶液を添加する。懸濁液を加熱還流しながら1.5時間撹拌し、次いでセライト(Celite)(商標)フィルター材を通して濾過し、DCMで洗浄する。合わせた有機相を10%チオ硫酸ナトリウムの水溶液、水およびブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、溶離液としてイソヘキサン中8%酢酸エチルを用いるフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヨード−酪酸 ベンジルエステルを得る。[M−BOC] 320.12。
【0129】
(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシ−酪酸 ベンジルエステル
(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ−酪酸 ベンジルエステル(31.4g、101mmol)(Rodriguez,Marc;Linares,Muriel;Doulut,Sylvie;Heitz,Annie;Martinez,Jean ;Tetrahedron Lett. (1991), 32(7), 923−6の方法を用いて製造した)のジクロロメタン(280ml)溶液を、−20℃に冷却し、そしてテトラフルオロホウ酸の48%水溶液(13.3ml、101mmol)を添加する。激しく撹拌しながら、ヘキサン中の2.0Mトリメチルシリル−ジアゾメタン(50.8ml、101mmol)の溶液を35分かけて滴下する。さらに30分間撹拌後、トリメチルシリルジアゾメタンの第2のアリコート(12.7ml、25mmol)をゆっくりと10分間かけて添加する。−20℃にてさらに30分間撹拌後、トリメチルシリル−ジアゾメタン(12.7ml、25mmol)のさらなるアリコートを10分間かけて添加する。総計127mlのトリメチルシリルジアゾメタン溶液(254mmol)が添加されるまで、このパターンを繰り返す。最後の添加後、反応混合物を−20℃にて1.5時間撹拌する。次いで、反応混合物を水でクエンチし、そしてジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(2:8 酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製すると、透明のオイルとして(S)−3−tert−ブトキシカルボニル−アミノ−4−メトキシ−酪酸 ベンジルエステルを得る。[M−BOC] 224.19。
【0130】
(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−酪酸 ベンジルエステル
(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヒドロキシ−酪酸 ベンジルエステル(1.34g、4.37mmol)(Rodriguez,Marc;Linares,Muriel;Doulut,Sylvie;Heitz,Annie;Martinez,Jean;Tetrahedron Lett. (1991), 32(7), 923−6の方法を用いて製造した)およびイミダゾール(0.88g、13.01mmol)のジメチルホルムアミド(7ml)溶液を、tert−ブチルジフェニルシリル クロライド(1.69ml、6.5mmol)で処理する。反応混合物を、室温にて1時間撹拌し、次いで水で希釈し、そして酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(1:1 酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製すると、(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−酪酸 ベンジルエステルを得る。[M−BOC] 448.0。
【0131】
(S)−1−tert−ブトキシメチル−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン
炭素担持10%パラジウム(66mg)を含有する{(S)−1−tert−ブトキシメチル−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 ベンジルエステル(0.2g、0.45mmol)のメタノール溶液を水素雰囲気下で3時間撹拌し、次いでセライト(celite)(商標)フィルターを通して濾過する。濾液を蒸発させ、そして残渣を酢酸エチルに溶かし、水性NaHCO溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させると、(S)−1−tert−ブトキシメチル−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミンを得る。
【0132】
{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
4−フルオロベンゾイル−アゼチジン塩酸塩(0.192g、0.892mmol)、トリエチルアミン(0.252ml、3.24mmol)および[(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−ヨード−プロピル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.448g、0.811mmol)のジメチルホルムアミド(3ml)溶液を、周囲温度にて18時間撹拌し、次いで、酢酸エチルおよび水の間で分液する。酢酸エチル相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(1:99 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[MH]+ 605.2。
【0133】
1−{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレア
1−[(S)−3−アミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−ブチル]−アゼチジン−3−イル}−(4−フルオロ−フェニル)−メタノン(0.152g、0.301mmol)および3,5−ジメトキシフェニルイソシアナート(0.054g、0.301mmol)のジクロロメタン(3ml)溶液を、周囲温度にて18時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(2:98 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、1−{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレアを得る。[MH]+ 684.1。
【0134】
[(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−ヒドロキシ−プロピル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシ)−酪酸 ベンジルエステル(2.37g、4.33mmol)の乾燥ジエチルエーテル(25ml)溶液を、0℃にてTHF中2M水素化ホウ素リチウムの溶液(4.33ml)で処理する。反応混合物を周囲温度まで加温し、そしてアルゴン下で3時間撹拌し、次いで水(10ml)および0.5M水性クエン酸溶液(20ml)の添加によりクエンチする。このエーテルを分離し、そして水相をさらなるエーテルで抽出する。合わせたエーテル層をMgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、バイオタージ(biotage)カラム(90g)でのフラッシュシリカクロマトグラフィー(1:3 酢酸エチル/ヘキサン、次いでメタノールで溶出)により精製すると、[(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−ヒドロキシ−プロピル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[M−BOC] 344.1。
【0135】
[(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−ヨード−プロピル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
ポリスチレン樹脂結合トリフェニルホスフィン(2.33g、3mmol/g)の乾燥ジクロロメタン(25ml)の懸濁液を、ヨウ素(1.56g、6.16mmol)で処理し、そしてアルゴン下で15分間撹拌する。イミダゾール(0.477g、7.0mmol)を添加し、そして反応混合物を室温にてさらに15分間撹拌する。次いで、反応混合物を[(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−ヒドロキシ−プロピル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.24g、2.8mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液で処理する。反応混合物を、アルゴン下で2時間加熱還流し、次いでセライト(celite)(商標)フィルターパッドを通して濾過し、ジクロロメタンで洗浄する。濾液を5%水性チオ硫酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(1:99 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、[(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−ヨード−プロピル]−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[M−BOC] 453.9。
【0136】
3−(4−クロロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
アゼチジン−3−イル−(4−クロロ−フェニル)−メタノン塩酸塩(50g、210mmol)のジオキサン:水 1:1溶液(800ml)に、粉末炭酸水素ナトリウム(61.7g、730mmol)を添加し、そして反応混合物10℃にまで冷却する。ジ−tert−ブチル−ジカーボネート(52.6g、240mmol)を分割して添加し、そして反応混合物を1.5時間撹拌しながら室温まで加温する。反応混合物を水(1500ml)に注ぎ、そして得られた白色の沈澱を濾取し、そして真空下で乾燥すると、3−(4−クロロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得る。
H NMR 400MHz,CDCl,δ 1.45(9H),4.10(1H),4.20(4H),7.47(2H),7.80(2H)。
【0137】
3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
3−[(4−クロロ−フェニル)−ヨード−メチル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(58g、140mmol)のジメチルスルホキシド(450ml)溶液を、冷却しながら水素化ホウ素ナトリウムで処理する。反応混合物を室温にて20時間撹拌し、次いで水(1000ml)のゆっくりとした添加によりクエンチする。水性混合物を、酢酸エチルで抽出し、そして酢酸エチル相を飽和ブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、バイオタージ(biotage)75カラム(溶出液、グラジエント イソヘキサン:酢酸エチル 9:1から85:15)を用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製すると、3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得る。
H NMR 400MHz,CDCl,δ 1.35(9H),2.70(1H),2.80(2H),3.55(2H),3.90(2H),6.97(2H),7.17(2H)。
【0138】
{3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン(1.0g、5.50mmol)、(3−ブロモ−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.31g、5.50mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(1.91ml、11.0mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(20ml)溶液を、周囲温度にて18時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび水の間で分液する。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、溶出液としてジクロロメタン中5%メタノールを用いるフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、{3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[M+H] 339.15。
【0139】
3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン
{3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.48g、1.43mmol)のDCM(5ml)溶液を、トリフルオロ酢酸(2ml)で処理し、そして反応混合物を1.25時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物を1M水酸化ナトリウム溶液およびDCM中20%イソプロパノールの間で分液する。有機相を蒸発させると、3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミンを得る。[M+H] 239.13。
【0140】
3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジニウム トリフルオロ酢酸塩
3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(1.61g、5.71mmol)のジクロロメタン(20ml)溶液をトリフルオロ酢酸(20ml)で処理し、そして周囲温度にて1時間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、次いでトルエンに再懸濁させ、そして蒸発乾固させると3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジニウム トリフルオロ酢酸塩を得る。[MH]+ 182.12(遊離塩基)。
【0141】
他のすべての置換ベンジルアゼチジン化合物は、同様に製造される。
【0142】
{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−4−オキソ−酪酸 ベンジルエステル(1.0g、2.04mmol)の乾燥THF(10ml)溶液を、氷−水浴を用いて、20〜30℃の間の温度を維持しながら、水素化リチウムアルミニウム(5.1ml)の1M溶液で処理する。反応混合物を、周囲温度にてアルゴン下で2時間撹拌し、次いで飽和水性NaSOの添加によりクエンチし、そしてセライト(celite)(商標)フィルターを通して濾過する。濾液を酢酸エチルおよび飽和ブラインの間で分液する。酢酸エチル相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(5:95 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[MH]+ 371.0。
【0143】
(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩(0.669g、3.04mmol)、トリエチルアミン(1.7ml、12.16mmol)および((S)−3−ヨード−1−メトキシメチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(1.0g、3.04mmol)のジメチルホルムアミド(10ml)溶液を、周囲温度にて18時間撹拌し、次いで酢酸エチルおよび水の間で分液する。酢酸エチル相を飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(5:95 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、透明のオイルとして{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[MH]+ 385.25。
【0144】
(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピルアミン
{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.87g、2.26mmol)のジクロロメタン(7ml)溶液をトリフルオロ酢酸(2ml)で処理し、そして周囲温度にて18時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして残渣を水に溶かし、4.0M水性水酸化ナトリウム溶液でアルカリ性にし、そしてジクロロメタンで抽出する。有機相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させると(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピルアミンを得る。[MH]+ 285.20。
【0145】
{(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
((R)−3−ヨード−1−メチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.038mg、0.13mmol)、3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩(0.030g、0.13mmol)およびトリエチルアミン(0.073ml、0.52mmol)のDMF(1ml)溶液を、室温にて18時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび炭酸水素ナトリウムの飽和溶液の間で分液する。有機相を水およびブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、溶出液として1:1 酢酸エチル:ヘキサンを用いるフラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、{(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[M+H] 355.33。
【0146】
(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピルアミン
{(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.019mg、0.053mmol)のDCM(1ml)溶液を、トリフルオロ酢酸(0.042ml)で処理し、そして室温にて一夜撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして残渣をDCMおよび1M水酸化ナトリウム溶液の間で分液する。水相をさらなるDCM(×3)で抽出し、そして合わせた有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピルアミンを得る。[M+H] 255.22。
【0147】
3−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
10℃に冷却した3−(4−クロロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(62.5g、210mmol)のエタノール(1000ml)を、水素化ホウ素ナトリウム(9.5g、250mmol)で処理する。反応混合物を室温まで加温し、そして2時間撹拌する。反応混合物を水に加え、そして沈澱を濾過により集め、そして真空下で乾燥すると、3−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得る。融点 123〜125℃。
3−[(4−クロロ−フェニル)−ヨード−メチル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル
【0148】
ポリマー担持トリフェニルホスフィン(125g、370mmol)をテトラヒドロフラン:アセトニトリル 9:1(1000ml)に懸濁させ、そしてヨウ素(95.2g、370mmol)で処理し、続いて15分間撹拌する。イミダゾール(25.5g、370mmol)、続いて3−[(4−クロロ−フェニル)−ヒドロキシ−メチル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステル(44.7g、150mmol)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液を添加し、そして反応混合物を周囲温度にて20時間撹拌する。反応混合物を、セライト(celite)(商標)フィルター材を通して濾過しそして濾液を蒸発させる。残渣をクロロホルムに溶かし、そしてチオ硫酸ナトリウム溶液、水およびブラインで洗浄する。溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、3−[(4−クロロ−フェニル)−ヨード−メチル]−アゼチジン−1−カルボン酸 tert−ブチルエステルを得る。
H NMR 400MHz,CDCl,δ 1.35(9H),3.21(1H),3.37(1H),3.60(2H),4.05(1H),5.12(1H),7.20(4H)。
【0149】
(5−シクロブチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル
0℃に冷却した5−シクロブチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(0.156g、1.03mmol)のジメチルホルムアミド(3ml)溶液を、フェニルクロロホルメート(0.13ml、1.03mmol)の滴下により処理し、そして0℃にて1時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび1.0M塩酸溶液の間で分液し、そして有機相を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、(5−シクロブチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルを得る。[M+H] 272.22。
【0150】
(5−エチル−2−イソプロピル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(2−tert−ブチル−5−エチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルおよび(2,5−ジエチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルは、適当な出発物質を用いて同様に製造される。
【0151】
5−シクロブチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
これは、3−オキソ−ペンタンニトリルの代わりに3−シクロブチル−3−オキソプロピオニトリルを用いること以外は、5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミンと同様の方法で合成される。
【0152】
(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル
5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(3.0g、22mmol)(65ml)および炭酸水素ナトリウム(2g、24mmol)のTHF溶液を0℃に冷却する。フェニルクロロホルメート(3.4g、22mmol)を15分間かけて滴下する。反応混合物を周囲温度まで加温し、そして5時間撹拌し、次いで濾過し、そして濾液を酢酸エチルおよび水との間で分液する。有機相を水、5%水性クエン酸溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させると、(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルを得る。[M+H] 258.17。
【0153】
3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩
1−ベンズヒドリル−3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン(2.14g、6.4mmol)の乾燥ジクロロメタン(20ml)溶液を、撹拌しながら、1−クロロエチルクロロホルメート(0.832ml、7.7mmol)で4時間処理する。溶媒を蒸発させ、そして残渣をメタノールに溶かし、そして18時間加熱還流する。メタノールを飽和溶液となるまで蒸発させ、次いでジエチルエーテルで処理する。得られる沈澱を濾過し、そして真空下で乾燥すると、3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩を得る。
1H NMR(D6 DMSO,400Mhz) δ 9.5(2H,brS)、7.6(1H,d),7.2(1H,s),6.9(1H,d),5.1(1H,m),4.4(2H,m),3.95(2H,m)。
【0154】
他のすべての置換フェノキシアゼチジン塩酸塩化合物は同様に製造される。
【0155】
(3,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル−カルバモイルクロライド
ホスゲン(11.6mmol)のトルエン(6ml)溶液をジクロロメタン(15ml)で希釈し、そして0℃に冷却する。これに、(3,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル−アミン(1.67g、10mmol)およびトリエチルアミン(1.78ml、14.0mmol)のジクロロメタン(5ml)溶液を30分間かけてゆっくりと加え、そして反応混合物を撹拌しながら2時間かけて周囲温度まで加温する。周囲温度にてさらに2時間撹拌後、反応混合物をエーテルおよび1M塩酸溶液の間で分液する。エーテル相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、白色の固体として(3,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル−カルバモイルクロライドを得る。
【0156】
(2−エチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−アセトニトリル
3−オキソ−ペンタンニトリル(1.582g、16.49mmol)、エチレングリコール(1.026ml、84.59mmol)および触媒量のp−トルエンスルホン酸(8mg)のトルエン(10ml)溶液を、Dean−Stark装置を用いて、150℃にて2日間加熱還流する。反応混合物を酢酸エチルで希釈し、そして飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄する。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発させると、(2−エチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−アセトニトリルを得る。
1H NMR(400MHz,CDCl3) d 4.15(2H,m),4.05(2H,m),2.65(2H,s),1.80(2H,q),0.95(3H,t)。
【0157】
2−(2−エチル [1,3]ジオキソラン−2−イル)−N−ヒドロキシ−アセトアミジン
氷浴中で0℃に冷却したNaOH(1.17g、29.3mmol)の水/メタノール(1:1)(18ml)溶液を、撹拌しながらヒドロキシルアミン塩酸塩(1.58g、22.78mmol)で5分間処理する。(2−エチル−[1,3]ジオキソラン−2−イル)−アセトニトリル(1.42g、10.125mmol)を添加し、そして反応混合物を室温にて18時間撹拌し、次いでさらに2時間加熱還流する。反応混合物を冷却し、そして酢酸エチルおよび水の間で分液する。有機相をMgSOで乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発させると、2−(2−エチル [1,3]ジオキソラン−2−イル)−N−ヒドロキシ−アセトアミジンを得る。[M+H] 175.21。
【0158】
5−エチル−イソキサゾール−3−イルアミン
濃塩酸溶液でpH1にまで酸性化した2−(2−エチル [1,3]ジオキソラン−2−イル)−N−ヒドロキシ−アセトアミジン(1.49g、8.564mmol)のエタノール(49ml)溶液を、50℃にて3日間加熱還流する。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物を水に溶かし、そして酢酸エチル(×2)で抽出する。有機相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させると、5−エチル−イソキサゾール−3−イルアミンを得る。[M+H] 113.02。
【0159】
(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル
5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン(10g、79.8mmol)(500ml)および炭酸カリウムのTHF(12.14g、87.8mmol)溶液を0℃に冷却する。フェニルクロロホルメート(10.15ml、80.6mmol)を20分間かけて滴下する。反応混合物を0℃にて40分間撹拌し、次いで周囲温度にまで加温し、そしてさらに2.5時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび水の間で分液する。有機相を5%水性クエン酸溶液およびブラインで洗浄する。有機相をMgSOで処理し、次いで木炭(charcoal)で濾過し、そして蒸発させると(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルを得る。[M+H] 246.21。
【0160】
5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミン
3−オキソ−ペンタンニトリル(0.5g、5.15mmol)およびメチルヒドラジン(0.24g、5.15mmol)のエタノール(5ml)溶液を1.5時間加熱還流する。溶媒を蒸発させ、そして残渣を酢酸エチルおよびブラインの間で分液する。有機相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させると、5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミンを得る。
【0161】
(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル
2−エチル−2H−テトラゾール−5−イルアミン(0.1g、0.88mmol)の乾燥THF(2ml)溶液を、ピリジン(0.09ml、1.10mmol)、続いてフェニルクロロホルメート(0.11ml、0.911mmol)のTHF(1ml)溶液で処理する。反応混合物を周囲温度にて1.5時間撹拌し、次いで酢酸エチルおよび水の間で分液する。酢酸エチル相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、白色の固体として(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルを得る。
1H NMR(CDCl3,400MHz) δ,7.90(1H,brs),7.30(2H,m),7.15(3H,m),4.60(2H,q),1.60(3H,t)。
【0162】
(3−エチニル−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(3−ジメチルカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(3−メチルカルバモイル−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、ベンゾチアゾール−2−イル−カルバミン酸 フェニルエステル、(4−メタンスルホニル−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(5−プロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(2−エチル−2H−テトラゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(3−スルファモイル−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(1−メタンスルホニル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、キノリン−6−イル−カルバミン酸 フェニルエステル、(5−シクロ−プロピル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(2,4−ジメトキシ−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(4−メトキシメチル−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(4−カルバモイル−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、[4−(アセチル−メチル−アミノ)−フェニル]−カルバミン酸 フェニルエステル、(3−イソプロピル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(3−tert−ブチル−イソキサゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(5−メチル−イソキサゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(3−メチル−[1,2,4]チアジアゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(2−シアノ−4,5−ジメトキシ−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(4−フルオロ−2−メトキシ−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステルおよび(2−フルオロ−4−メトキシ−フェニル)−カルバミン酸 フェニルエステルはすべて、適当な出発物質を用いて、同様に製造される。
【0163】
(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル
5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イルアミン(2.5g、19.4mmol)およびピリジン(1.72ml、21.3mmol)のジクロロメタン(70ml)の溶液を、−70℃に冷却し、そしてフェニルクロロホルメート(2.45ml、19.6mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液の滴下で処理する。反応混合物を周囲温度にまで加温し、そして3時間撹拌すると、沈澱が形成される。沈澱を濾過により集め、そして真空下で乾燥すると、白色の固体として(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルを得る。[M+H] 250.15。
【0164】
{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 フェニルエステル
3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン(0.05g、0.223mmol)、フェニルクロロホルメート(0.056ml、0.446mmol)およびジメチルアミノピリジン(0.027g、0.223mmol)のジクロロメタン(4ml)溶液を周囲温度にて24時間撹拌する。反応混合物を蒸発させ、そして粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 5:95 メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 フェニルエステルを得る。[MH]+ 344.9。
【0165】
{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩(2.0g、9.85mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(4.28ml、24mmol)および(3−ブロモ−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(2.84g、12mmol)のアセトニトリル(20ml)溶液を、周囲温度にて3日間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンおよび水の間で分液し、有機相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(5:95 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[MH]+ 325.1。
【0166】
3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン
3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(2.4g、7.4mmol)のジクロロメタン(10ml)溶液を、撹拌しながら、周囲温度にてジオキサン中4M HCl(5.7ml)で処理する。溶媒を蒸発させ、そして残渣をジクロロメタンおよび4M NaOH溶液の間で分液する。ジクロロメタン相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させると、3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミンを得る。[MH]+ 225.0。
【0167】
((S)−3−ヒドロキシ−1−メトキシメチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
0℃に冷却した(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシ−酪酸 ベンジルエステル(10.4g、32.3mmol)の乾燥ジエチルエーテル(70ml)溶液をゆっくりとTHF中2.0M LiBH溶液(32.2ml、64.4mmol)で処理する。反応混合物を周囲温度にまで加温し、次いで撹拌する。6時間後、反応混合物を0.5Mクエン酸水溶液の添加によりクエンチし、そしてエーテルで抽出する。エーテル相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(グラジエント3:7から6:4 酢酸エチル/ヘキサンで溶出)により精製すると、透明のオイルとして((S)−3−ヒドロキシ−1−メトキシメチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[M−BOC] 120.13。
【0168】
((R)−3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
0℃に冷却した(S)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−ヨード−酪酸 ベンジルエステル(0.2g、0.477mmol)の乾燥ジエチルエーテル(3ml)溶液を、アルゴン下で、THF中2.0M水素化ホウ素リチウムの溶液(0.95ml、1.9mmol)で処理する。反応混合物を、撹拌しながら周囲温度まで18時間加温する。反応を、水の添加によりクエンチし、そして酢酸エチルおよび10%クエン酸溶液の間で分液する。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、溶出液としてDCM中1%メタノールを用いて、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、((R)−3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。
【0169】
((S)−3−ヨード−1−メトキシメチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
ポリスチレン樹脂結合トリフェニルホスフィン(18.645g、3mmol/g)の乾燥ジクロロメタン(250ml)懸濁液をヨウ素(12.5g、49.22mmol)で処理し、そしてアルゴン下で15分間撹拌する。イミダゾール(3.87g、55.94mmol)を添加し、そして反応混合物を室温にてさらに15分間撹拌する。次いで、反応混合物を((S)−3−ヒドロキシ−1−メトキシメチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(4.9g、22.37mmol)のジクロロメタン(30ml)溶液で処理し、そしてアルゴン下で1.5時間加熱還流する。樹脂を、ジクロロメタンで洗浄しながら、セライト(celite)パッドを通過させる濾過により除去する。濾液を5%水性チオ硫酸ナトリウム溶液および水で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させると、粗製オイルとして((S)−3−ヨード−1−メトキシメチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[M−BOC] 230.06。
【0170】
((R)−3−ヨード−1−メチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル
ポリマー結合トリフェニルホスフィン(0.200g、0.595mmol)のDCM(2ml)懸濁液をヨウ素(0.133g、0.523mmol)で処理し、そして反応混合物を周囲温度にて15分間撹拌する。イミダゾール(39mg、0.57mmol)を添加し、そして反応混合物をさらに15分間撹拌する。((R)−3−ヒドロキシ−1−メチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル(0.045g、0.238mmol)のDCM(2ml)溶液を添加する。懸濁液を撹拌しながら2.5時間加熱還流し、次いでDCMで洗浄しながら、セライト(Celite)(商標)フィルター材を通過させて濾過する。合わせた有機相を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、水およびブラインで洗浄し、次いで硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、((R)−3−ヨード−1−メチル−プロピル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステルを得る。[M+H] 285.05。
【0171】
ピリジン−4−イル−カルバミン酸 フェニルエステル
4−アミノピリジン(0.6g、6.37mmol)のジクロロメタン(15ml)溶液を、トリエチルアミン(0.89ml、6.37mmol)、続いてフェニルクロロホルメート(0.80ml、6.37mmol)で処理し、次いで室温にて3日間撹拌する。反応混合物をジクロロメタンおよび水性炭酸水素ナトリウムの間で分液する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、ピリジン−4−イル−カルバミン酸 フェニルエステルを得る。
【0172】
(5−メチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(2−メチル−チアゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、(3−メチル−イソキサゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル、ピリジン−3−イル−カルバミン酸 フェニルエステルおよび(3−イソプロピル−イソキサゾール−5−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルはすべて、適当な出発物質を用いて同様に製造される。
【0173】
キノリン−3−カルボン酸(3−ブロモ−プロピル)−アミド
キノリン−3−カルボン酸(0.1g、0.57mmol)のジクロロメタン(1.5ml)懸濁液をジメチルホルムアミド(0.02ml)、次いで塩化オキサリル(0.1ml、1.15mmol)で処理する。反応混合物をアルゴン下で周囲温度にて1.6時間撹拌し、次いで蒸発させると、粗製淡黄色固体としてキノリン−3−カルボニル クロライドを得る。粗製物質をジクロロメタン(2.0ml)に懸濁させ、そしてブロモプロピルアミン塩酸塩(0.125g、0.57mmol)およびトリエチルアミン(0.42ml、3mmol)で処理する。反応混合物を、周囲温度にて3.25時間撹拌し、次いで水でクエンチし、そして水性NaHCO溶液およびジクロロメタンの間で分液する。有機相をNaHCO溶液およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 酢酸エチル)により精製すると、キノリン−3−カルボン酸(3−ブロモ−プロピル)−アミドを得る。[MH]+ 292.9。
【0174】
最終化合物の製造
N−{(S)−1−tert−ブトキシメチル−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド − 実施例1
3,4,5−トリメトキシ−安息香酸(0.246g、1.16mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.62ml、3.47mmol)の乾燥ジメチルホルムアミド(10ml)溶液を、[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ メチレン]−ジメチル−アンモニウム;テトラフルオロボレート(0.32g、1.0mmol)で処理する。反応混合物を周囲温度にて5分間撹拌し、次いで(S)−1−tert−ブトキシメチル−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン(0.968mmol)を添加し、そして反応混合物を20時間撹拌する。ジメチルホルムアミドを蒸発させ、そして残渣を酢酸エチルおよび飽和水性NaHCOの間で分液する。酢酸エチル相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 50%酢酸エチル/ヘキサンから100%酢酸エチル)により精製すると、N−{(S)−1−tert−ブトキシメチル−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミドを得る。[MH]+ 505.3。
【0175】
N−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド − 実施例2
N−{(S)−1−tert−ブトキシメチル−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミド(実施例1、0.066g、0.130mmol)のジクロロメタン(2ml)溶液をトリフルオロ酢酸(0.11ml、0.65mmol)で処理し、そして反応混合物を20時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして残渣を酢酸エチルおよび飽和水性NaHCOの間で分液する。酢酸エチル相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 100%酢酸エチル、次いで5:95 メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、N−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3,4,5−トリメトキシ−ベンズアミドを得る。[MH]+ 449.1。
【0176】
実施例3は同様に製造される。
【0177】
実施例14、15、17および18の化合物は、ヒドロキシ鎖が保護されていないことを除いて同様に製造され、そして実施例17および18に関して、得られるエステルは、アルカリ、たとえば水酸化ナトリウム溶液での処理により切断される。
【0178】
キノリン−3−カルボン酸 {3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−アミド − 実施例5
これは、2−(3−アセチル−フェノキシ)−N−(3−ブロモプロピル)−アセトアミドの代わりにキノリン−3−カルボン酸(3−ブロモ−プロピル)−アミドを用いて、以下の実施例10と同様に製造される。
【0179】
2−(3−アセチル−フェノキシ)−N−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−アセトアミド−実施例10
(3−アセチル−フェノキシ)−酢酸(0.194g、1.0mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.38g、3mmol)の乾燥DMF(3ml)溶液を[ジメチルアミノ−([1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イルオキシ)−メチレン]−ジメチル−アンモニウム ヘキサフルオロホスフェート(0.38g、1.0mmol)で処理する。5分間の撹拌後、3−ブロモ−プロピルアミン臭化水素酸塩(0.26g、1.2mmol)を添加し、そしてさらに40分間撹拌を継続する。溶媒を蒸発させ、そして粗製混合物を酢酸エチルおよび飽和水性NaHCOの間で分液する。酢酸エチル相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させると、2−(3−アセチル−フェノキシ)−N−(3−ブロモ−プロピル)−アセトアミドを得る。この粗製物質をアセトニトリル(3ml)に溶かし、そしてトリエチルアミン(0.38g、3mmol)および3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩(0.11g、1.2mmol)で処理する。反応混合物を周囲温度にて20時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、そして粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 10:90 メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、2−(3−アセチル−フェノキシ)−N−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−アセトアミドを得る。[MH]+ 401.14。
【0180】
実施例4、6〜13、16および19は同様に製造される。
【0181】
1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−3−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−ウレア − 実施例23
3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン(0.04g、0.178mmol)および3,4−ジフルオロフェニルイソシアナート(0.020ml、0.178mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を室温にて5時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、そして粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 グラジエント3:97から5:95 メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、1−(3,4−ジフルオロ−フェニル)−3−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−ウレアを得る。[MH]+ 379.9。
【0182】
実施例22は同様に製造される。
【0183】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレア − 実施例26
(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール(0.2g、0.74mmol)のジクロロメタン(6ml)溶液を、3,5−ジメトキシ−フェニル−イソシアナート(0.12g、0.667mmol)で処理する。反応混合物を周囲温度にて24時間撹拌し、次いで蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 グラジエント3:97から7:93 メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレアを得る。[MH]+ 449.9。
【0184】
実施例21、24、25、27〜33、36、38〜42、44〜48、50〜53、57、96、101、105、112、196および203は同様に製造される。実施例43は、ベンジル基が脱保護されること以外は同様に製造される。
【0185】
1−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−ウレア − 実施例34
1−{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレア(0.862g、0.126mmol)のTHF(3ml)溶液を、テトラブチル アンモニウムフルオライドの1M溶液(TBAF、0.126ml)で処理し、そして反応混合物を周囲温度にて2時間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび飽和NaHCO溶液の間で分液する。酢酸エチル相を水およびブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(5:95 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、1−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−ウレアを得る。
【0186】
実施例35、37、49、90、114および120は同様に製造される。
【0187】
1−シクロヘキシル−3−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−1−メチル−ウレア − 実施例54
3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−カルバミン酸 フェニルエステル(0.035g、0.101mmol)およびN−メチルシクロヘキシルアミン(0.02ml、0.15mmol)のジメチルスルホキシド(1ml)溶液を、周囲温度にて2日間撹拌する。反応混合物を酢酸エチルおよび水の間で分液し、有機相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 5:95 メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、1−シクロヘキシル−3−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−1−メチル−ウレアを得る。
【0188】
3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸 {3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−アミド−実施例55
1−ブロモ−3−イソシアナート−プロパン(0.164g、1.0mmol)のアセトニトリル溶液を1,2,3,4−テトラヒドロ−キノリン(0.133g、1.0mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(0.2ml、1.2mmol)とともに撹拌する。反応混合物を周囲温度にて2時間撹拌し、次いで溶媒を除去する。粗生成物をアセトニトリル(4ml)に溶かし、そしてジイソプロピルエチルアミン(0.2ml、1.2mmol)および3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩(0.11g、1.0mmol)を添加する。反応混合物を周囲温度にて18時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、そして粗生成物を酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム溶液の間で分液する。有機相をブラインで洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 グラジエント酢酸エチル、次いで5:95 メタノール/ジクロロメタン)により精製すると、3,4−ジヒドロ−2H−キノリン−1−カルボン酸 {3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−アミドを得る。[MH]+ 444.2。
【0189】
1−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3メトキシ−フェニル)−ウレア − 実施例56
3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン(0.07g、0.31mmol)および1−イソシアナート−3−メトキシ−ベンゼン(0.041g、0.31mmol)のジオキサン(15ml)溶液を100℃で3時間加熱する。反応混合物を蒸発させ、そして粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(1:9 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、1−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3メトキシ−フェニル)−ウレアを得る。[MH]+ 374.0。
【0190】
実施例20は同様に製造される。
【0191】
3−シアノ−N−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−ベンゼンスルホンアミド − 実施例58
3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン塩酸塩(0.049g、0.24mmol)のアセトニトリル(1.0ml)懸濁液をアセトニトリル(1.0ml)およびトリエチルアミン(0.1ml、0.72mmol)中の粗製N−(3−ブロモ−プロピル)−3−シアノ−ベンゼンスルホンアミド(0.072g)で処理する。得られる均一な反応混合物を周囲温度にて70時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、そして残渣を酢酸エチルおよび水性NaHCO溶液の間で分液する。酢酸エチル相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、フラッシュシリカクロマトグラフィー(溶出液 酢酸エチル)により精製すると、3−シアノ−N−{3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−ベンゼンスルホンアミドを得る。[MH]+ 390。
【0192】
実施例59〜65は同様に製造される。
【0193】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例78
(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピルアミン(1.6g、5.6mmol)および(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル(1.65g、6.7mmol、以下の製造を参照)のDMSO(7ml)溶液を周囲温度にて4時間撹拌し、次いで水および酢酸エチルの間で分液する。有機相を水で再び洗浄し、MgSO4で乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(5:95 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メトキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアを得る。[M+H] 436.37。
【0194】
実施例69、70、75、76、80、89、93および116は同様に製造される。
【0195】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例83
(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール(0.158g、0.58mmol)および(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル(0.150g、0.58mmol)のDMSO(3ml)溶液を、周囲温度にて6時間撹拌し、次いで水および酢酸エチルの間で分液する。有機相を水で再び洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィー(10:90 メタノール/ジクロロメタンで溶出)により精製すると、1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアを得る。[M+H] 434.33。
【0196】
実施例66、67、71〜74、77、79、81〜88、91、92、94、95、97、98、100、102、103、104、106〜111、113、115、117〜119、121および123〜128の化合物は、適当なカルバミン酸 フェニルエステルを用いて同様に製造される。
【0197】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例88
(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール(0.45g、2mmol)および(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル(0.49g、1.66mmol)のDMSO(5ml)溶液を周囲温度にて1時間撹拌し、次いで水および酢酸エチルの間で分液する。有機相をMgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を熱い酢酸エチルからの再結晶により精製すると、1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアを得る。
【0198】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例99
(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩(1.04g、2.82mmol)、(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル(0.70g、2.82mmol)およびトリエチルアミン(1.6ml、11.28mmol)のDMSO(70ml)溶液を、周囲温度にて18時間撹拌し、次いで酢酸エチルおよび飽和水性炭酸水素ナトリウム溶液の間で分液する。有機相をブラインで洗浄し、MgSOで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を熱い酢酸エチルからの再結晶により精製すると、1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアを得る。[M+H] 426.18。
【0199】
実施例129の化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロパン−1−オールを用いて、同様に製造される。ここで、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロパン−1−オールは、(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−コハク酸の代わりにNBOC−D セリンを用いること以外は(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールと同様に製造される。
【0200】
酢酸(S)−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−2−[3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレイド]−ブチルエステル − 実施例122
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレア(0.05g、0.111mmol)およびトリエチルアミン(0.031ml、0.222mmol)のDCM(3ml)溶液を、無水酢酸で処理し、そして室温にて3時間撹拌する。反応混合物をDCMおよび水の間で分液する。有機相を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させると、酢酸(S)−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−2−[3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレイド]−ブチルエステルを得る。[M+H] 492.08。
【0201】
3−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−1−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレア − 実施例130
【0202】
1−{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレア
(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン(0.1g、0.196mmol)、(3,5−ジメトキシ−フェニル)−メチル−カルバモイルクロライド(45mg、0.19mmol)およびトリエチルアミン(0.027ml、0.19mmol)のジクロロメタン(2ml)の溶液を室温にて2日間撹拌する。反応混合物を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。溶出液として酢酸エチルを用いて、粗生成物をフラッシュシリカクロマトグラフィーにかけると、1−{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレアを得る。[M+H] 702.3。
【0203】
3−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−1−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレア
1−{(S)−1−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレアを、実施例34における1−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−3−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−ウレアと同じ方法で脱保護すると、3−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−1−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−メチル−ウレアを得る。[M+H] 463.5。
【0204】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(3−メトキシ−フェニル)−チオウレア − 実施例131
この化合物は、最終工程においてイソシアナートが適当なイソチオシアナートと置き換えられること以外は、実施例26において1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(3,5−ジメトキシ−フェニル)−ウレアを製造するために使用したのと同様の方法で製造される。
【0205】
実施例132および133の化合物は同様に製造される。
【0206】
1−{(S)−3−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロ−プロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例134
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールを用いること以外は、実施例83における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0207】
実施例135〜137の化合物は、適当なハロ−置換フェノキシ−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0208】
1−{(S)−3−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例138
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は実施例88において1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアを製造するために使用したのと同様の方法で製造される。
【0209】
実施例139〜141の化合物は、適当なハロ−置換フェノキシ−アゼチジン化合物を用いて、同様に製造される。
【0210】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例142
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例99における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0211】
実施例143および144の化合物は、適当なハロ−置換フェノキシ−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0212】
1−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロ−プロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例145
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールを用いること以外は、実施例83において1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアを製造するために使用したのと同様の方法で製造される。
【0213】
実施例146〜149の化合物は、適当なハロ−置換フェノキシ−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0214】
1−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例150
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例88における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0215】
実施例151〜154の化合物は、適当なハロ−置換フェノキシ−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0216】
1−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例155
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−フルオロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例99における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0217】
実施例156〜159の化合物は、適当なハロ−置換フェノキシ−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0218】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロ−プロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例160
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールを用いること以外は、実施例83における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0219】
実施例161および162の化合物は、適当なハロ−置換ベンゾイル−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例163
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例88における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0220】
実施例164および165の化合物は、適当なハロ−置換ベンゾイル−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0221】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例166
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−3−フルオロ−ベンゾイル)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例99における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0222】
実施例167および168の化合物は、適当なハロ−置換ベンゾイル−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0223】
1−{(S)−3−[3−フェノキシ−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例169
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−フェノキシ−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0224】
1−{(S)−3−[3−(3−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例170
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(3−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例99における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0225】
実施例171の化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(3−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いて同様に製造される。
【0226】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロ−プロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例172
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールを用いること以外は、実施例83における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0227】
実施例173〜177の化合物は、適当なメチルおよびハロ−置換フェノキシ/ベンジル/ベンゾイル−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0228】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例178
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例88における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0229】
実施例179および183の化合物は、適当なメチルおよびハロ−置換フェノキシ/ベンジル/ベンゾイル−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0230】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例184
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例99における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0231】
実施例185〜189の化合物は、適当なメチルおよびハロ−置換フェノキシ/ベンジル/ベンゾイル−アゼチジン化合物を用いて同様に製造される。
【0232】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例190
3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミン(0.100mg、0.418mmol)および(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル(0.11mg、0.439mmol)のDMSO溶液を室温にて18時間撹拌し、次いで、酢酸エチルおよび水で分液する。有機相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を、溶出液としてDCM中5%メタノールを用いて、フラッシュシリカクロマトグラフィーにより精製すると、1−{3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレアを得る。[M+H] 394.1。
【0233】
1−{(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例191
(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピルアミン(0.145mg、0.569mmol)および(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−カルバミン酸 フェニルエステル(0.142mg、0.569mmol)のDMSO溶液を室温にて4時間撹拌し、次いで酢酸エチルおよび水の間で分液する。有機相をブラインで洗浄し、そして硫酸マグネシウムで乾燥し、そして蒸発させる。粗生成物を熱い酢酸エチルから再結晶すると、1−{(R)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−メチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレアを得る。[M+H] 410.14。
【0234】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−イソキサゾール−3−イル)−ウレア − 実施例192
この化合物は、(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル))−カルバミン酸 フェニルエステルの代わりに(5−エチル−イソキサゾール−3−イル)−カルバミン酸 フェニルエステルを用いること以外は、実施例88と同様に製造される。
【0235】
実施例193〜195の化合物は、適当なカルバミン酸 フェニルエステルを用いて同様に製造される。個々の場合において、関連するヘテロ環は、メチル ヒドラジンを適当なアルキル−ヒドラジンに置き換えること以外は、5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イルアミンを製造するために使用したのと同様の方法で製造される。
【0236】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−シクロヘプチル−ウレア − 実施例196
この化合物は、実施例26と同様に製造される。
【0237】
1−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例197
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例99における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]−チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0238】
1−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロ−プロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例198
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールの代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オールを用いること以外は、実施例83における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−シクロプロピル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0239】
1−{(S)−3−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレア − 実施例199
この化合物は、(S)−2−アミノ−4−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩の代わりに(S)−2−アミノ−4−[3−(4−フルオロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−ブタン−1−オール塩酸塩を用いること以外は、実施例88における1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル)−ウレアと同様に製造される。
【0240】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例200
この実施例の化合物は、3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミンの代わりに3−[3−(4−クロロ−3−メチル−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミンを用いること以外は、実施例192において1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレアを製造するために使用したのと同様の方法で製造される。[M+H] 410.2。
【0241】
1−{(S)−3−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレア − 実施例201
この化合物は、3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミンの代わりに3−[3−(3,4−ジクロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−プロピルアミンを用いること以外は、実施例192における{(S)−3−[3−(4−クロロ−ベンジル)−アゼチジン−1−イル]−プロピル}−3−(5−エチル−[1,3,4]チアジアゾール−2−イル)−ウレアと同様に製造される。[M+H] 430.1。
【0242】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−(5−メチル−イソキサゾール−3−イル−メチル)−ウレア − 実施例202
この化合物は、(5−エチル−2−メチル−2H−ピラゾール−3−イル))−カルバミン酸 フェニルエステルの代わりに(5−メチル−イソキサゾール−3−イル−メチル)−カルバミン酸 フェニルエステルを用いること以外は、実施例88と同様に製造される。
【0243】
1−{(S)−3−[3−(4−クロロ−フェノキシ)−アゼチジン−1−イル]−1−ヒドロキシメチル−プロピル}−3−シクロペンチル−ウレア − 実施例203
この化合物は、実施例26と同様に製造される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊離形または塩形の、式II
【化1】

〔式中、
Arは、フッ素および塩素から選択される1または2個の置換基により置換されたフェニルであり、当該置換基の1つは、Xで示される基のパラ位であり、
は、水素、ヒドロキシまたはC−C−アルコキシにより置換されたC−C−アルキル、ベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ(これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。)により置換されたC−C−アルキル、もしくはナフチルにより置換されたC−C−アルキルであり、
は、ハロゲン、シアノ、ジ(C−C−アルキル)アミノ、C−C−アルキルカルボニルアミノ、C−C−アルコキシおよびアミノスルホニルから選択される1、2または3個の置換基により置換されたフェニルであるか、あるいはRは、所望によりフッ素により置換されていてもよいナフチルであるか、あるいはRは、所望によりハロゲン、シアノ、C−C−アルキル、C−C−アルコキシおよびC−C−アルキルカルボニルから選択される1または2個の置換基により置換されていてもよいフェノキシにより置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、ベンゾイルオキシまたはフェノキシ−C−C−アルキルカルボニルオキシ[これらは、所望によりベンゼン環がC−C−アルコキシ、C−C−アルキルカルボニルおよびアミノスルホニルから選択される少なくとも1つの置換基により置換されていてもよい。]により置換されたC−C−アルキルであるか、あるいはRは、所望によりハロゲン、C1−C4−アルコキシおよびC1−C4アルキルカルボニルから選択される1または2個の置換基により置換されていてもよいベンゼン環に所望により縮合していてもよい5−または6−員の複素環(該複素環において、1または2個の環原子が窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である。)を有する複素環基であり、
Xは、−O−であり、そして
mは、2または3である。〕
で示される、請求項1に記載の化合物。
【請求項2】
式II
【化2】

〔式中、mは2であり、そしてAr、X、RおよびRは、以下の表:
【表1】

【表2】

において定義したとおりである。〕
で示される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
抗炎症薬、気管支拡張薬または抗ヒスタミン薬である、別の医薬物質と組合せて使用する、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
活性成分として請求項1または2に記載の化合物を含む、炎症性または閉塞性気道疾患のようなCCR−3により仲介される病状を処置するための医薬。
【請求項5】
請求項1に記載の式IIの化合物の製造方法であって、
(a)式V:
【化3】

〔式中、Ar、X、mおよびRは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物を、式VI’:
【化4】

〔式中、Rは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物と、Rが反応性官能基を含む場合には、それが保護された形態であってもよいことを条件として反応させ、そして反応成績体中のRが保護された官能基を含む場合には、当該保護基を水素により置換すること;
(b)式IX:
【化5】

〔式中、ArおよびXは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物を、式XI:
【化6】

〔式中、Lは、ハロゲンであり、m、RおよびRは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物と、Rが反応性官能基を含む場合には、それが保護された形態であってもよいことを条件として反応させ、そして生成物中のRが保護された官能基を含む場合には、当該保護基を水素により置換すること;
(c)式V:
【化7】

〔式中、Ar、X、mおよびRは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物を、式XII:
【化8】

〔式中、Rは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物と、Rが反応性官能基を含む場合には、それが保護された形態であってもよいことを条件として反応させ、そして反応成績体中のRが保護された官能基を含む場合には、当該保護基を水素により置換すること;または
(d)式V:
【化9】

〔式中、Ar、X、mおよびRは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物を、式XIII:
【化10】

〔式中、Rは、請求項1において定義したとおりである。〕
で示される化合物と、Rが反応性官能基を含む場合には、それが保護された形態であってもよいことを条件として反応させ、そして反応成績体中のRが保護された官能基を含む場合には、当該保護基を水素により置換すること
を特徴とする方法。

【公開番号】特開2009−102325(P2009−102325A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−302924(P2008−302924)
【出願日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【分割の表示】特願2003−575960(P2003−575960)の分割
【原出願日】平成15年3月14日(2003.3.14)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】