MEMSデバイス及びその製造方法
【課題】本発明は、MEMS素子をパッケージ化する際、パッケージ全体の厚さを小さくし、MEMS素子に及ぼされる基板とICとの熱膨張係数の違いによる反りによって生じる応力の影響を緩和するMEMSデバイス及びその製造方法を提供する。
【手段】本発明のMEMSデバイスは、開口を有する配線基板と、配線基板の前記開口内に配置された制御素子と、制御素子の一方の面上に配置された少なくとも1つのMEMS素子と、を具備し、制御素子は、他方の面が露出するとともに、樹脂を介して配線基板に固定されていることを特徴とする。
【手段】本発明のMEMSデバイスは、開口を有する配線基板と、配線基板の前記開口内に配置された制御素子と、制御素子の一方の面上に配置された少なくとも1つのMEMS素子と、を具備し、制御素子は、他方の面が露出するとともに、樹脂を介して配線基板に固定されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMSデバイス及びその製造方法に関し、特に樹脂を介して基板に固定されるMEMS素子を有するMEMSデバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器の小型軽量化、多機能化や高機能化が進み、実装される電子部品に高密度化が要求されている。このような要求に応じて各種電子部品が半導体デバイスとして製造されるものが増加している。また、回路素子として製造される半導体デバイス以外に各種センサも半導体デバイスとして製造されて、小型軽量化が図られている。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて小型で単純な構造を有する加速度センサあるいは角速度センサでは、外力に応じて変位する可動部を半導体基板に形成し、この可動部の変位が電気信号の変化として検出されるタイプの力学量センサ等が実用化されている。
【0003】
上述の力学量センサの一例として、ピエゾ抵抗型加速度センサが挙げられる。ピエゾ抵抗型加速度センサは、保護ケースを用いたパッケージ(特許文献1)や、モールド樹脂で封止した樹脂パッケージ(特許文献2)などによりパッケージングされている。
【0004】
特許文献1によるセンサパッケージでは、保護ケースの厚みによりパッケージを低背化することが困難である。また、特許文献2によるセンサパッケージでは、基板上にICが配置されるため、パッケージを低背化することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−133123号公報
【特許文献2】特開2008−91845号公報
【0006】
基板上にICが配置され、IC上にMEMS素子としてセンサが配置される場合、パッケージ全体の厚さを低背化するために、基板を薄型化すると、基板が変形し易くなり、その変形による応力や基板とICとの熱膨張係数の差による反りの応力の影響がセンサに及び、且つ基板の強度が下がることにより、自動機によるハンドリングが困難になるという問題がある。また、基板に凹状の収納空間(キャビティ)を形成することによってパッケージ全体の厚さの低背化を図る場合も、キャビティが深くなると、基板の強度が下がり、上述の基板を薄型化した場合と同様の問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の課題に鑑み、MEMS素子をパッケージ化する際、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなくパッケージ全体の厚さを小さくし、MEMS素子に及ぼされる基板とICとの熱膨張係数の違いによる反りによって生じる応力の影響を緩和するMEMSデバイス及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るMEMSデバイスは、開口を有する配線基板と、配線基板の前記開口内に配置された制御素子と、制御素子の一方の面上に配置された少なくとも1つのMEMS素子を具備し、制御素子は、他方の面が露出するとともに、樹脂を介して配線基板に固定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、配線基板に開口を形成し、前記開口を塞ぐように支持部材を配線基板の片側に配置し、前記開口内における支持部材上に制御素子を配置し、制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、制御素子及びMEMS素子と配線基板とを電気的に接続し、前記開口内における配線基板と制御素子との間の空間を樹脂で充填し、支持部材を配線基板、制御素子及び樹脂から剥離することを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の一実施形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、配線基板に開口を形成し、前記開口を塞ぐように支持部材を配線基板の片側に配置し、前記開口内における支持部材上に制御素子を配置し、制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、制御素子及びMEMS素子と配線基板とを電気的に接続し、配線基板と制御素子と少なくとも1つのMEMS素子とを樹脂で封止し、支持部材を配線基板及び制御素子から剥離すること含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、MEMS素子をパッケージ化する際、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなくパッケージ全体の厚さを小さくし、MEMS素子に及ぼされる基板とICとの熱膨張係数の違いによる反りによって生じる応力の影響を緩和するMEMSデバイス及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【図1B】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの別の一例を上から見た透過図である。
【図2A】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図2B】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図3A】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図3B】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図4A】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4B】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4C】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4D】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4E】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4F】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4G】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4H】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4I】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4J】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【図6A】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図6B】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図7A】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図7B】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。MEMS素子とはMEMS技術を用いた素子であり、以下に説明する実施形態では、MEMS素子として主にピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合のMEMSデバイスについて説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1Aは、本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100の一例を上から見た透過図である。図1Bは、本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの別の一例である加速度センサデバイス100´を上から見た透過図である。。図2A及び図2Bはセンサを覆うパッケージキャップを使用した場合の加速度センサデバイス100aの全体構成を示す断面図であり、図3A及び図3Bはセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bの全体構成を示す断面図である。図2A及び図3Aは、図1Aに示した加速度センサデバイス100のA−A線に沿った断面図であり、図2B及び図3Bは、図1Aに示した加速度センサデバイス100のB−B線に沿った断面図である。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施形態の加速度センサデバイス100を上から見た透過図であり、図1Bは、本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの別の一例である加速度センサデバイス100´を上から見た透過図である。尚、図1A及び図1Bに示す加速度センサデバイス100、100´において、センサのパッケージキャップ或いはモールド樹脂、貫通電極など一部の構成はその図示が省略されている。
【0016】
図1Aを参照すると、加速度センサデバイス100は、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、電極105、112、122、135、137及び配線126、128、139を含む。センサ114はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。センサ114からの信号は、電極122、配線128、電極105、配線126、及び電極112を通じてIC110に伝達される。IC110からの信号は、電極135、配線139、及び電極137を通じて配線基板102に伝達される。
【0017】
図1Bを参照すると、加速度センサデバイス100´は、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、電極112、122、135、137及び配線141、139を含む。センサ114はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。センサ114からの信号は、電極122、配線141、及び電極112を通じてIC110に伝達される。IC110からの信号は、電極135、配線139、及び電極137を通じて配線基板102に伝達される。
【0018】
本発明の実施形態1について、図2A、図2B及び図3A、図3Bを参照して説明する。図2A及び図3Aは、図1Aに示した本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100をA−A線に沿って見た断面図である。図2B及び図3Bは、図1Aに示した本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100をB−B線に沿って見た断面図である。実施形態1の加速度センサデバイスとして、図1Aに示した本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100の構成を有する加速度センサデバイスを例として説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、図1Bに示した加速度センサデバイス100´の構成を有してもよい。尚、図1Aに示した加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0019】
図2A及び図2Bは、パッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aを示す。図2A及び図2Bを参照すると、パッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aは、図1Aに示した加速度センサデバイス100と同一の構成を有し、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、及びパッケージキャップ130を含む。
【0020】
配線基板102は、開口103を有する。配線基板102は、導電物質を含む部分104b(以下、導電部分104bともいう)及び絶縁物質を含む部分104a(以下、絶縁部分104aともいう)を有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。導電物質とは、金属などであり、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムなどを用いることができる。絶縁物質には、絶縁性樹脂を用いる。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR−4、FR−5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタラート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は、単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナなどの無機フィラーを併用して用いてもよい。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。本実施形態では、配線基板102が3層からなる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。配線基板102には、IC110及びセンサ114からの信号を外部に伝達するための貫通電極109、141が形成される。
【0021】
IC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して配線基板102に固定される。IC110は、電極112を有しており、IC110からの信号は、電極135、配線139、電極137及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。IC110を配線基板102に固定する樹脂113は、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、樹脂113の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。さらに、樹脂113は、配線基板102を構成する絶縁性樹脂よりも曲げ弾性率が低いことが好ましい。これにより、MEMS素子に樹脂が及ぼす影響を小さくすることができる。尚、樹脂113は、IC110の電極112やセンサ114の電極122まで覆うように充填されてもよい。
【0022】
センサ114は、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出するための複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122とを含む。センサ114に加速度が加わると、錘部116が変位し、この変位に伴って可撓部118が撓む。可撓部118が撓むと、可撓部118に配置されたピエゾ抵抗素子に力が加わり、ピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出して、センサ114に加えられた加速度の大きさ、方向などを検出する。図1Aに示す加速度センサ100と同様に、センサ114からの信号は、電極122から配線128、電極105、配線126及び電極112を通してIC110に伝達される。同時に配線128からの信号は、電極105を通じて配線基板102に伝達され、貫通電極109を通して配線基板102の第1基板104から外部に伝達されてもよい。なおセンサ上部キャップ124は、錘部116と可撓部118の上方向への過大な変位を制限し、破損を防止する。センサ上部キャップ124は省略されてもよく、センサ上部キャップ124が省略される場合は、パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たす場合、パッケージキャップ130のセンサ114に対応する部分に凸形状のストッパーが形成されてもよい。センサ114は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されているが、IC110とセンサ114との間に中継基板を配置してもよい。
【0023】
加速度センサデバイス100aのパッケージキャップ130は、有機材料を含む絶縁性樹脂又はガラス、シリコン、金属などであってもよく、配線基板102が有機材料を含む場合、熱膨張係数の差を考慮すると、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などが好ましい。センサ114は、パッケージキャップ130、配線基板102、及び樹脂113により中空封止されている。
【0024】
上述したように、図2A及び図2Bに図示された本実施形態に係るセンサ114、IC110、及び配線基板102は、有機材料を含むパッケージキャップ130により覆われてパッケージ化されており、IC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。本実施形態に係る配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス100aのパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114との線膨張率が揃い、センサ114にかかる応力が緩和される。また、図2A及び図2Bに図示された加速度センサデバイス100aのパッケージキャップ130の内側は中空であるため、パッケージキャップ130からの応力はセンサ114にかからない。センサ114にかかる応力が低減すると、センサ114のオフセット電圧値のずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス100aの性能や信頼性が向上する。
【0025】
図3A及び図3Bを参照して、センサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bを説明する。尚、図1Aに加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0026】
図3A及び図3Bを参照すると、センサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bは、配線基板102とIC110とセンサ114と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されていることを除いて、図2に示された加速度センサデバイス100aと同様の構成を有する。図3に示された加速度センサデバイス100bは、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、及びモールド樹脂133を含む。加速度センサデバイス100bの配線基板102は、開口103を有し、導電物質を含む部分104b及び絶縁物質を含む部分104aを有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる絶縁物質又は導電物質は、図2に示された加速度センサデバイス100aの第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。配線基板102には、図2に示された加速度センサデバイス100aと同様に貫通電極109が形成される。加速度センサデバイス100bのIC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して多層基板102に固定される。図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に、IC110は、電極112、135を有しており、IC110からの信号は、電極135、配線139、電極137、及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。樹脂113に用いられる樹脂材料は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aの樹脂113と同様である。尚、樹脂113は、IC110の電極112やセンサ114の電極122まで覆うように充填されてもよい。加速度センサデバイス100bのセンサ114は、図2に示された加速度センサデバイス100aと同様に、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122とを含む。センサ114からの信号は、電極122から配線128、電極105、配線126及び電極112を通してIC110に伝達される。同時に配線128からの信号は、電極105を通じて配線基板102に伝達され、貫通電極109を通して配線基板102の第1基板104から外部に伝達されてもよい。電極122から配線128、電極105及び貫通電極109を通して配線基板102に伝達され、配線基板102から外部に伝達される。センサ114は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されているが、IC110とセンサ114との間に中継基板を配置してもよい。
【0027】
図3A及び図3Bに示された加速度センサデバイス100bにおいて、配線基板102とIC110とセンサ114と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されている。モールド樹脂133は、樹脂113と同様に、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、モールド樹脂133の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。さらに、モールド樹脂133は、配線基板102を構成する絶縁性樹脂よりも曲げ弾性率が低いことが好ましい。これにより、MEMS素子に樹脂が及ぼす影響を小さくすることができる。モールド樹脂133は、樹脂133と同一の樹脂であってもよい。
【0028】
上述したように、図3A及び図3Bに図示された本実施形態に係るIC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。本実施形態に係る配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス100bのパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114との線膨張率が揃い、センサ114にかかる応力が緩和される。センサ114はモールド樹脂133によって封止されるが、モールド樹脂133として曲げ弾性率が5GPa以下の樹脂を使用すれば、モールド樹脂133が硬化した際の応力を緩和することが可能である。センサ114にかかる応力が低減すると、センサ114のオフセット電圧値がずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス100bの性能や信頼性が向上する。
【0029】
(加速度センサデバイスの製造方法)
図2A及び図2Bに示した加速度センサデバイス100a及び図3A及び図3Bに示した加速度センサデバイス100bの製造方法について図4A乃至図4Jを参照して説明する。図4A乃至図4Jにおいて、図2A及び図2Bに示した加速度センサデバイス100a、図3A及び図3Bに示した加速度センサデバイス100bと同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0030】
先ず、図4Aに示されるように、第1基板104と第2基板106と第3基板108とを含み、貫通電極109が形成された配線基板102を準備し、この配線基板102をパターニングして開口103を形成する。配線基板102のパターニング方法は、レーザや、ルーターなどで行ってもよく、エッチングであってもよい。
【0031】
次に、図4Bに示すように、配線基板102に形成された開口103を塞ぐように、配線基板102の一面に支持部材であるフィルム202を配置する。このフィルム202は、図2及び図3に図示されている加速度センサデバイス100a、100bの配線基板102とIC110と樹脂113とを一時的に支持するためのものである。フィルム202は、配線基板102及びIC110に使用されるシリコンに対して接着性を備え、配線基板102、シリコン、及び樹脂113に対して剥離性を備え、後述するワイヤボンディングの際の加熱温度(150℃程度)に対する耐熱性を備えるものであればよく、例えば、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂などであってもよい。また、上述の接着性、剥離性、及び耐熱性を有するものであれば、フィルム以外のもの、例えば、金属板、或いは樹脂バルクであってもよい。
【0032】
次に、図4Cに示すように、配線基板102に形成された開口103内において、フィルム上にIC110を配置し、センサ114をダイアタッチ材などによってIC110上に配置する。次に、図4Dに示すように、ワイヤボンディングを行い、電極105、配線126、128などによって、配線基板102とIC110及びセンサ114とを電気的に接続する。次に、図4Eに示すように、配線基板102の開口103内に配置されたIC110と配線基板102との間の空間を樹脂113で充填する。尚、樹脂113をIC110の電極112まで覆うように充填して、水分等による電極112の劣化を防止してもよい。樹脂113を硬化させ、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定された後、図4Fに示すようにフィルム202を配線基板102、IC110、及び樹脂113から剥離する。尚、フィルム202は、パッケージキャップ装着後に剥離してもよい。
【0033】
図2A及び図2Bに図示されたパッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aを製造する場合は、フィルム202を剥離した後、図4Gに示すように、センサ114を覆うように、パッケージキャップ130を配線基板102上に接着剤等を用いて接着させて封止する。これにより、図2A及び図2Bに図示されたような加速度センサデバイス100aが得られる。以上のように、配線基板102を用いることで、パッケージキャップ130を配線基板102に固定でき、センサ114を中空パッケージすることができる。
【0034】
図3A及び図3Bに図示されたセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bを製造する場合は、フィルム202を剥離した後、図4Hに示すように、配線基板102、IC110、樹脂113、センサ114、配線126及び配線128をモールド樹脂133で封止する。これにより、図3A及び図3Bに図示されたような加速度センサデバイス100bが得られる。
【0035】
また、図3A及び図3Bに図示されたセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bを製造する場合、上述の製造方法に他に、IC110を配線基板102に固定する樹脂113と配線基板102、IC110及びセンサ114を封止するモールド樹脂133とを一括で形成する方法もある。樹脂133とモールド樹脂133を一括で形成する場合、図4Dに示すように、電極105、配線126、128などによって、配線基板102とIC110及びセンサ114とを電気的に接続した後、図4Iに図示するように、配線基板102、IC110、樹脂113、センサ114、配線126及び配線128をモールド樹脂133´で封止する。このとき、モールド樹脂133´によって配線基板102とIC110と間の空間も充填される。このため、モールド樹脂133´は、配線基板102、IC110、樹脂113、センサ114、配線126及び配線128を封止すると同時に、IC110を配線基板102に固定する、即ち、モールド樹脂133´は図3A及び図3Bに図示された加速度センサデバイス100bの樹脂133と同じ機能を果たす。モールド樹脂133´は、樹脂113及びモールド樹脂130と同様に、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、モールド樹脂133´の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。モールド樹脂133´によって、IC110を配線基板102に固定すると共に、配線基板102、IC110、センサ114、配線126及び128を封止したモールド樹脂133´が硬化した後、図4Jに示すようにフィルム202を配線基板102、IC110及びモールド樹脂133´から剥離する。これにより、図3A及び図3Bに図示されたような加速度センサデバイス100bが得られる。この場合、IC110を配線基板102に固定するための樹脂と配線基板102、IC110、センサ114、配線126及び128を封止するための樹脂と一括して成形することが可能となり、製造工程数を削減し、コストを削減することができる。尚、フィルム202は、樹脂モールド後に剥離してもよい。
【0036】
ここでは、図2A及び図2B、図3及び図3Bに示した加速度センサデバイス100a、100bの製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されずに、個々のデバイスの実装方法や配置などに応じて、適宜変更されてもよい。
【0037】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る加速度センサデバイス300を説明する。図5は、本発明の実施形態2に係る加速度センサデバイス300の一例を上から見た透過図である。加速度センサデバイス300は、センサを覆うパッケージキャップを使用した場合のフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスである。図6A及び図6Bは、センサを覆うパッケージキャップを使用した場合の加速度センサデバイス300aの全体構成を示す断面図であり、図7A及び図7Bはセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス300bの全体構成を示す断面図である。図6A及び図7Aは、図5に示した加速度センサデバイス300のA´−A´線に沿った断面図であり、図6B及び図7Bは、図5に示した加速度センサデバイス300のB´−B´線に沿った断面図である。
【0038】
図5を参照すると、加速度センサデバイス300は、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114´、センサ上部キャップ124、電極105、112、122´、135、137及び配線126、139を含む。センサ114´はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。センサ114´からの信号は、電極122´及びバンプ302を通じてIC110に伝達される。IC110からの信号は、電極112、配線126、及び電極105を通して配線基板102に伝達されてもよく、電極135、配線139、及び電極137を通じて配線基板102に伝達されてもよい。図5に示される加速度センサデバイス300において、センサ114´とIC110とはフリップチップ実装されており、バンプ302を介して接続される。そのため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなる。配線がセンサ114´とIC110との接続に使用されない場合、実装面積を小さくでき、加速度センサデバイス300のパッケージ全体を小型化することが可能となる。
【0039】
図6A及び図6Bを参照して、センサを覆うパッケージキャップを使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300aを説明する。尚、図2A及び図2Bに示したパッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aと同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0040】
図6A及び図6Bを参照すると、パッケージキャップを使用するフリップチップ実装の加速度センサデバイス300aは、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114´、バンプ302、センサ上部キャップ124、及びパッケージキャップ130を含む。センサ114´はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。
【0041】
図6A及び図6Bに示す加速度センサデバイス300aは、センサ114´がIC110上にバンプ302を介してフリップチップ実装されていることを除いて、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様の構成を有する。加速度センサデバイス300の配線基板102は、開口103を有し、導電物質を含む部分104b(以下、導電部分104bともいう)及び絶縁物質を含む部分104a(以下、絶縁部分104aともいう)を有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる絶縁物質又は導電物質は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aの第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。配線基板102には、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に貫通電極109、141が形成される。加速度センサデバイス300aのIC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して配線基板102に固定される。IC110は、電極112を有しており、IC110からの信号は、電極112から配線126、電極105及び貫通電極109を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。また、ICからの信号は、電極135、配線139、電極137、及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。樹脂113に用いられる樹脂材料は、図2A及び図2Bに示される加速度センサデバイス100aの樹脂113と同様である。尚、樹脂113は、IC110の電極112まで覆うように充填されてもよい。加速度センサデバイス300aのセンサ114´は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122´とを含む。センサ114からの信号は、電極122´からバンプ302を介してIC110に伝達される。センサ114´は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されている。
【0042】
図6A及び図6Bに示されるように、加速度センサデバイス300aにおいて、センサ114´とIC110とはフリップチップ実装されており、バンプ302を介して接続されている。そのため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなる。配線がセンサ114´とIC110との接続に使用されない場合、実装面積を小さくでき、加速度センサデバイス300aのパッケージ全体を小型化することが可能となる。なお、センサ上部キャップ124は、錘部116と可撓部118の上方向への過大な変位を制限し、破損を防止する。センサ上部キャップ124は省略されてもよく、センサ上部キャップ124が省略される場合は、パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たす場合、パッケージキャップ130のセンサ114に対応する部分に凸形状のストッパーが形成されてもよい。
【0043】
図6A及び図6Bに示される加速度センサデバイス300aのセンサ114´は、パッケージキャップ130、配線基板102、及び樹脂113により中空封止されている。
【0044】
上述したように、図6A及び図6Bに図示された本実施形態に係る加速度センサデバイス300aにおいて、センサ114´、IC110、及び配線基板102は、有機材料を含むパッケージキャップ130により覆われてパッケージ化されており、且つIC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。本実施形態に係る配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス300のパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。さらに、上述したように、センサ114´とIC110とがフリップチップ実装されているため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなり、加速度センサデバイス300aのパッケージ全体を小型化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114´との線膨張率が揃い、センサ114´にかかる応力が緩和される。また、図6A及び図6Bに示された加速度センサデバイス300aのパッケージキャップ130の内側は中空であるため、パッケージキャップ130からの応力はセンサ114´にかからない。センサ114´にかかる応力が低減すると、センサ114´のオフセット値のずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス300aの性能がや信頼性が向上する。
【0045】
図7A及び図7Bを参照して、センサを樹脂封止した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300bを説明する。尚、図3A及び図3Bに示したセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100b、図6A及び図6Bに示したセンサを覆うパッケージキャップを使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300aと同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0046】
図7A及び図7Bを参照すると、センサを樹脂封止した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300bは、配線基板102とIC110とセンサ114´と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されていることを除いて、図6A及び図6Bに示された加速度センサデバイス300aと同様の構成を有する。図7A及び図7Bに示された加速度センサデバイス300bは、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114´、バンプ302、センサ上部キャップ124、及びモールド樹脂133を含む。加速度センサデバイス300bの配線基板102は、開口103を有し、導電物質を含む部分104b及び絶縁物質を含む部分104aを有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる絶縁物質又は導電物質は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aの第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。配線基板102には、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に貫通電極109、141が形成される。加速度センサデバイス300bのIC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して配線基板102に固定される。IC110は、電極112を有しており、IC110からの信号は、電極112、配線126、電極105及び貫通電極109を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。また、ICからの信号は、電極135、配線139、電極137、及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。樹脂113に用いられる樹脂材料は、図2に示される加速度センサデバイス100aの樹脂113と同様である。尚、樹脂113は、IC110の電極112まで覆うように充填されてもよい。加速度センサデバイス300bのセンサ114´は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100a、図6A及び図6Bに示された加速度センサ300aと同様に、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122´とを含む。センサ114´からの信号は、電極122´からバンプ302を介してIC110に伝達される。センサ114は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されているが、IC110とセンサ114との間に中継基板を配置してもよい。
【0047】
図7A及び図7Bに示されるように、加速度センサデバイス300bにおいて、センサ114´とIC110とはフリップチップ実装されており、バンプ302を介して接続されている。そのため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなる。配線がセンサ114´とIC110との接続に使用されない場合、実装面積を小さくでき、加速度センサデバイス300bのパッケージ全体を小型化することが可能となる。なお、図6A及び図6Bに示された加速度センサデバイス300aとは異なり、図7A及び図7Bに示された加速度センサデバイス300bにおいて、配線基板102とIC110とセンサ114´と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されている。モールド樹脂133は、図3A及び図3Bに示される加速度センサデバイス100bのモールド樹脂133と同様、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、モールド樹脂133の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。さらに、モールド樹脂133は、配線基板102を構成する絶縁性樹脂よりも曲げ弾性率が低いことが好ましい。これにより、MEMS素子に樹脂が及ぼす影響を小さくすることができる。モールド樹脂133は、樹脂133と同一の樹脂であってもよい。加速度センサデバイス300bにおいて、センサ114の錘部116、及び錘部116に接続された可撓部118とIC110との間にモールド樹脂133が入り込まないように、センサ114の支持部120とIC110との間を予め樹脂304を充填しておく。しかし、本願発明はこれに限定されず、モールド樹脂133が入り込まないように、センサ114の錘部116と錘部116に接続された可撓部118とを覆うキャップがセンサ114に備えられていてもよい。
【0048】
上述したように、図7A及び図7Bに示された加速度センサデバイス300bにおいて、配線基板102とIC110とセンサ114´と樹脂113とは、モールド樹脂133で封止されており、且つIC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス300bのパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。さらに、上述したように、センサ114´とIC110とがフリップチップ実装されているため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなり、加速度センサデバイス300bのパッケージ全体を小型化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114´との線膨張率が揃い、センサ114´にかかる応力が緩和される。センサ114´はモールド樹脂133によって封止されるが、モールド樹脂133として曲げ弾性率が5GPa以下の樹脂を使用すれば、モールド樹脂133が硬化した際の応力を緩和することが可能である。センサ114´にかかる応力が低減すると、センサ114´のオフセット値がずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス300bの性能や信頼性が向上する。
【0049】
以上図1A乃至図7Bを参照して、本発明の実施形態に係る加速度センサデバイスについて説明したが、本願発明はこれに限定されない。図1A乃至図7Bに示した加速度センサデバイスは、IC110が配線基板102に接しないように配線基板102の開口に配置されて樹脂113を介して配線基板102に固定されていたが、図8及び図9に示すように、IC110は、IC110の少なくとも一辺が配線基板102に接するように配置されてもよい。図8は、IC110の一辺が配線基板102に接するように配置された加速度センサデバイス700の上から見た透過図であり、図9は、IC110の二辺が配線基板102に接するように配置された加速度センサデバイス800の上から見た透過図である。図8及び図9において、図1Aに示した加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。また、図8及び図9において、便宜上、各電極や配線などいくつかの構成の図示を省略している。
【0050】
以上、図1A乃至図9を参照して、本発明の実施形態に係るMEMS素子として主にピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合のMEMSデバイスについて説明した。ただし、本発明は、MEMS素子としてピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合だけではなく、外力に応じて変位する変位部を有する静電容量型、圧電型、熱検知型、FET型加速度センサやジャイロセンサ、地磁気センサ、圧力センサなどの種々の力学量センサや、MEMS技術を用いた他の素子、例えば、MEMSマイクロホン、マイクロミラー、RFスイッチなどを用いる場合にも適用することができ、さらに種々の変形が可能である。また、MEMS素子を1つ搭載する例を示したが、これに限定されずMEMS素子を複数搭載してもよい。その場合、測定対象の異なるセンサの組合せ、測定レンジに異なるセンサの組合せ、機能の異なるMEMS素子の組合せ、等の種々のバリエーションを採用することができる。
【符号の説明】
【0051】
100 加速度センサデバイス
102 配線基板
110 IC
114 センサ
113 樹脂
【技術分野】
【0001】
本発明は、MEMSデバイス及びその製造方法に関し、特に樹脂を介して基板に固定されるMEMS素子を有するMEMSデバイス及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器の小型軽量化、多機能化や高機能化が進み、実装される電子部品に高密度化が要求されている。このような要求に応じて各種電子部品が半導体デバイスとして製造されるものが増加している。また、回路素子として製造される半導体デバイス以外に各種センサも半導体デバイスとして製造されて、小型軽量化が図られている。例えば、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)技術を用いて小型で単純な構造を有する加速度センサあるいは角速度センサでは、外力に応じて変位する可動部を半導体基板に形成し、この可動部の変位が電気信号の変化として検出されるタイプの力学量センサ等が実用化されている。
【0003】
上述の力学量センサの一例として、ピエゾ抵抗型加速度センサが挙げられる。ピエゾ抵抗型加速度センサは、保護ケースを用いたパッケージ(特許文献1)や、モールド樹脂で封止した樹脂パッケージ(特許文献2)などによりパッケージングされている。
【0004】
特許文献1によるセンサパッケージでは、保護ケースの厚みによりパッケージを低背化することが困難である。また、特許文献2によるセンサパッケージでは、基板上にICが配置されるため、パッケージを低背化することが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−133123号公報
【特許文献2】特開2008−91845号公報
【0006】
基板上にICが配置され、IC上にMEMS素子としてセンサが配置される場合、パッケージ全体の厚さを低背化するために、基板を薄型化すると、基板が変形し易くなり、その変形による応力や基板とICとの熱膨張係数の差による反りの応力の影響がセンサに及び、且つ基板の強度が下がることにより、自動機によるハンドリングが困難になるという問題がある。また、基板に凹状の収納空間(キャビティ)を形成することによってパッケージ全体の厚さの低背化を図る場合も、キャビティが深くなると、基板の強度が下がり、上述の基板を薄型化した場合と同様の問題が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の課題に鑑み、MEMS素子をパッケージ化する際、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなくパッケージ全体の厚さを小さくし、MEMS素子に及ぼされる基板とICとの熱膨張係数の違いによる反りによって生じる応力の影響を緩和するMEMSデバイス及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るMEMSデバイスは、開口を有する配線基板と、配線基板の前記開口内に配置された制御素子と、制御素子の一方の面上に配置された少なくとも1つのMEMS素子を具備し、制御素子は、他方の面が露出するとともに、樹脂を介して配線基板に固定されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の一実施形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、配線基板に開口を形成し、前記開口を塞ぐように支持部材を配線基板の片側に配置し、前記開口内における支持部材上に制御素子を配置し、制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、制御素子及びMEMS素子と配線基板とを電気的に接続し、前記開口内における配線基板と制御素子との間の空間を樹脂で充填し、支持部材を配線基板、制御素子及び樹脂から剥離することを含むことを特徴とする。
【0010】
本発明の一実施形態に係るMEMSデバイスの製造方法は、配線基板に開口を形成し、前記開口を塞ぐように支持部材を配線基板の片側に配置し、前記開口内における支持部材上に制御素子を配置し、制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、制御素子及びMEMS素子と配線基板とを電気的に接続し、配線基板と制御素子と少なくとも1つのMEMS素子とを樹脂で封止し、支持部材を配線基板及び制御素子から剥離すること含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、MEMS素子をパッケージ化する際、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなくパッケージ全体の厚さを小さくし、MEMS素子に及ぼされる基板とICとの熱膨張係数の違いによる反りによって生じる応力の影響を緩和するMEMSデバイス及びその製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【図1B】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの別の一例を上から見た透過図である。
【図2A】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図2B】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図3A】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図3B】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図4A】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4B】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4C】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4D】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4E】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4F】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4G】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4H】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4I】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図4J】本発明に係る加速度センサデバイスの製造の一工程図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【図6A】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図6B】センサを覆うパッケージキャップを用いた場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図7A】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図7B】センサを樹脂モールドした場合の本発明の実施形態2に係るフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスの全体構成を示す断面図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの一例を上から見た透過図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。MEMS素子とはMEMS技術を用いた素子であり、以下に説明する実施形態では、MEMS素子として主にピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合のMEMSデバイスについて説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1Aは、本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100の一例を上から見た透過図である。図1Bは、本発明の実施形態1に係る加速度センサデバイスの別の一例である加速度センサデバイス100´を上から見た透過図である。。図2A及び図2Bはセンサを覆うパッケージキャップを使用した場合の加速度センサデバイス100aの全体構成を示す断面図であり、図3A及び図3Bはセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bの全体構成を示す断面図である。図2A及び図3Aは、図1Aに示した加速度センサデバイス100のA−A線に沿った断面図であり、図2B及び図3Bは、図1Aに示した加速度センサデバイス100のB−B線に沿った断面図である。
【0015】
図1Aは、本発明の一実施形態の加速度センサデバイス100を上から見た透過図であり、図1Bは、本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイスの別の一例である加速度センサデバイス100´を上から見た透過図である。尚、図1A及び図1Bに示す加速度センサデバイス100、100´において、センサのパッケージキャップ或いはモールド樹脂、貫通電極など一部の構成はその図示が省略されている。
【0016】
図1Aを参照すると、加速度センサデバイス100は、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、電極105、112、122、135、137及び配線126、128、139を含む。センサ114はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。センサ114からの信号は、電極122、配線128、電極105、配線126、及び電極112を通じてIC110に伝達される。IC110からの信号は、電極135、配線139、及び電極137を通じて配線基板102に伝達される。
【0017】
図1Bを参照すると、加速度センサデバイス100´は、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、電極112、122、135、137及び配線141、139を含む。センサ114はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。センサ114からの信号は、電極122、配線141、及び電極112を通じてIC110に伝達される。IC110からの信号は、電極135、配線139、及び電極137を通じて配線基板102に伝達される。
【0018】
本発明の実施形態1について、図2A、図2B及び図3A、図3Bを参照して説明する。図2A及び図3Aは、図1Aに示した本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100をA−A線に沿って見た断面図である。図2B及び図3Bは、図1Aに示した本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100をB−B線に沿って見た断面図である。実施形態1の加速度センサデバイスとして、図1Aに示した本発明の一実施形態に係る加速度センサデバイス100の構成を有する加速度センサデバイスを例として説明するが、本発明はこれに限定されず、例えば、図1Bに示した加速度センサデバイス100´の構成を有してもよい。尚、図1Aに示した加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0019】
図2A及び図2Bは、パッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aを示す。図2A及び図2Bを参照すると、パッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aは、図1Aに示した加速度センサデバイス100と同一の構成を有し、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、及びパッケージキャップ130を含む。
【0020】
配線基板102は、開口103を有する。配線基板102は、導電物質を含む部分104b(以下、導電部分104bともいう)及び絶縁物質を含む部分104a(以下、絶縁部分104aともいう)を有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。導電物質とは、金属などであり、例えば、銅、銀、金、ニッケル、パラジウムなどを用いることができる。絶縁物質には、絶縁性樹脂を用いる。例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、フェノール樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、液晶ポリマー、ポリアミドイミド、ポリベンゾオキサゾール、シアネート樹脂、アラミド、ポリオレフィン、ポリエステル、BTレジン、FR−4、FR−5、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタラート、シンジオタクチック・ポリスチレン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテルポリサルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。上記樹脂は、単体で用いられてもよく、2種類以上の樹脂を組み合わせて用いられてもよい。また、上記樹脂に、ガラス、タルク、マイカ、シリカ、アルミナなどの無機フィラーを併用して用いてもよい。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。本実施形態では、配線基板102が3層からなる例を説明するが、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。配線基板102には、IC110及びセンサ114からの信号を外部に伝達するための貫通電極109、141が形成される。
【0021】
IC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して配線基板102に固定される。IC110は、電極112を有しており、IC110からの信号は、電極135、配線139、電極137及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。IC110を配線基板102に固定する樹脂113は、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、樹脂113の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。さらに、樹脂113は、配線基板102を構成する絶縁性樹脂よりも曲げ弾性率が低いことが好ましい。これにより、MEMS素子に樹脂が及ぼす影響を小さくすることができる。尚、樹脂113は、IC110の電極112やセンサ114の電極122まで覆うように充填されてもよい。
【0022】
センサ114は、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出するための複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122とを含む。センサ114に加速度が加わると、錘部116が変位し、この変位に伴って可撓部118が撓む。可撓部118が撓むと、可撓部118に配置されたピエゾ抵抗素子に力が加わり、ピエゾ抵抗素子の抵抗値が変化する。この抵抗値の変化を検出して、センサ114に加えられた加速度の大きさ、方向などを検出する。図1Aに示す加速度センサ100と同様に、センサ114からの信号は、電極122から配線128、電極105、配線126及び電極112を通してIC110に伝達される。同時に配線128からの信号は、電極105を通じて配線基板102に伝達され、貫通電極109を通して配線基板102の第1基板104から外部に伝達されてもよい。なおセンサ上部キャップ124は、錘部116と可撓部118の上方向への過大な変位を制限し、破損を防止する。センサ上部キャップ124は省略されてもよく、センサ上部キャップ124が省略される場合は、パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たす場合、パッケージキャップ130のセンサ114に対応する部分に凸形状のストッパーが形成されてもよい。センサ114は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されているが、IC110とセンサ114との間に中継基板を配置してもよい。
【0023】
加速度センサデバイス100aのパッケージキャップ130は、有機材料を含む絶縁性樹脂又はガラス、シリコン、金属などであってもよく、配線基板102が有機材料を含む場合、熱膨張係数の差を考慮すると、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂などが好ましい。センサ114は、パッケージキャップ130、配線基板102、及び樹脂113により中空封止されている。
【0024】
上述したように、図2A及び図2Bに図示された本実施形態に係るセンサ114、IC110、及び配線基板102は、有機材料を含むパッケージキャップ130により覆われてパッケージ化されており、IC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。本実施形態に係る配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス100aのパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114との線膨張率が揃い、センサ114にかかる応力が緩和される。また、図2A及び図2Bに図示された加速度センサデバイス100aのパッケージキャップ130の内側は中空であるため、パッケージキャップ130からの応力はセンサ114にかからない。センサ114にかかる応力が低減すると、センサ114のオフセット電圧値のずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス100aの性能や信頼性が向上する。
【0025】
図3A及び図3Bを参照して、センサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bを説明する。尚、図1Aに加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0026】
図3A及び図3Bを参照すると、センサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bは、配線基板102とIC110とセンサ114と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されていることを除いて、図2に示された加速度センサデバイス100aと同様の構成を有する。図3に示された加速度センサデバイス100bは、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114、センサ上部キャップ124、及びモールド樹脂133を含む。加速度センサデバイス100bの配線基板102は、開口103を有し、導電物質を含む部分104b及び絶縁物質を含む部分104aを有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる絶縁物質又は導電物質は、図2に示された加速度センサデバイス100aの第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。配線基板102には、図2に示された加速度センサデバイス100aと同様に貫通電極109が形成される。加速度センサデバイス100bのIC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して多層基板102に固定される。図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に、IC110は、電極112、135を有しており、IC110からの信号は、電極135、配線139、電極137、及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。樹脂113に用いられる樹脂材料は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aの樹脂113と同様である。尚、樹脂113は、IC110の電極112やセンサ114の電極122まで覆うように充填されてもよい。加速度センサデバイス100bのセンサ114は、図2に示された加速度センサデバイス100aと同様に、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122とを含む。センサ114からの信号は、電極122から配線128、電極105、配線126及び電極112を通してIC110に伝達される。同時に配線128からの信号は、電極105を通じて配線基板102に伝達され、貫通電極109を通して配線基板102の第1基板104から外部に伝達されてもよい。電極122から配線128、電極105及び貫通電極109を通して配線基板102に伝達され、配線基板102から外部に伝達される。センサ114は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されているが、IC110とセンサ114との間に中継基板を配置してもよい。
【0027】
図3A及び図3Bに示された加速度センサデバイス100bにおいて、配線基板102とIC110とセンサ114と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されている。モールド樹脂133は、樹脂113と同様に、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、モールド樹脂133の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。さらに、モールド樹脂133は、配線基板102を構成する絶縁性樹脂よりも曲げ弾性率が低いことが好ましい。これにより、MEMS素子に樹脂が及ぼす影響を小さくすることができる。モールド樹脂133は、樹脂133と同一の樹脂であってもよい。
【0028】
上述したように、図3A及び図3Bに図示された本実施形態に係るIC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。本実施形態に係る配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス100bのパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114との線膨張率が揃い、センサ114にかかる応力が緩和される。センサ114はモールド樹脂133によって封止されるが、モールド樹脂133として曲げ弾性率が5GPa以下の樹脂を使用すれば、モールド樹脂133が硬化した際の応力を緩和することが可能である。センサ114にかかる応力が低減すると、センサ114のオフセット電圧値がずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス100bの性能や信頼性が向上する。
【0029】
(加速度センサデバイスの製造方法)
図2A及び図2Bに示した加速度センサデバイス100a及び図3A及び図3Bに示した加速度センサデバイス100bの製造方法について図4A乃至図4Jを参照して説明する。図4A乃至図4Jにおいて、図2A及び図2Bに示した加速度センサデバイス100a、図3A及び図3Bに示した加速度センサデバイス100bと同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0030】
先ず、図4Aに示されるように、第1基板104と第2基板106と第3基板108とを含み、貫通電極109が形成された配線基板102を準備し、この配線基板102をパターニングして開口103を形成する。配線基板102のパターニング方法は、レーザや、ルーターなどで行ってもよく、エッチングであってもよい。
【0031】
次に、図4Bに示すように、配線基板102に形成された開口103を塞ぐように、配線基板102の一面に支持部材であるフィルム202を配置する。このフィルム202は、図2及び図3に図示されている加速度センサデバイス100a、100bの配線基板102とIC110と樹脂113とを一時的に支持するためのものである。フィルム202は、配線基板102及びIC110に使用されるシリコンに対して接着性を備え、配線基板102、シリコン、及び樹脂113に対して剥離性を備え、後述するワイヤボンディングの際の加熱温度(150℃程度)に対する耐熱性を備えるものであればよく、例えば、ポリイミド系樹脂、エポキシ樹脂などであってもよい。また、上述の接着性、剥離性、及び耐熱性を有するものであれば、フィルム以外のもの、例えば、金属板、或いは樹脂バルクであってもよい。
【0032】
次に、図4Cに示すように、配線基板102に形成された開口103内において、フィルム上にIC110を配置し、センサ114をダイアタッチ材などによってIC110上に配置する。次に、図4Dに示すように、ワイヤボンディングを行い、電極105、配線126、128などによって、配線基板102とIC110及びセンサ114とを電気的に接続する。次に、図4Eに示すように、配線基板102の開口103内に配置されたIC110と配線基板102との間の空間を樹脂113で充填する。尚、樹脂113をIC110の電極112まで覆うように充填して、水分等による電極112の劣化を防止してもよい。樹脂113を硬化させ、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定された後、図4Fに示すようにフィルム202を配線基板102、IC110、及び樹脂113から剥離する。尚、フィルム202は、パッケージキャップ装着後に剥離してもよい。
【0033】
図2A及び図2Bに図示されたパッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aを製造する場合は、フィルム202を剥離した後、図4Gに示すように、センサ114を覆うように、パッケージキャップ130を配線基板102上に接着剤等を用いて接着させて封止する。これにより、図2A及び図2Bに図示されたような加速度センサデバイス100aが得られる。以上のように、配線基板102を用いることで、パッケージキャップ130を配線基板102に固定でき、センサ114を中空パッケージすることができる。
【0034】
図3A及び図3Bに図示されたセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bを製造する場合は、フィルム202を剥離した後、図4Hに示すように、配線基板102、IC110、樹脂113、センサ114、配線126及び配線128をモールド樹脂133で封止する。これにより、図3A及び図3Bに図示されたような加速度センサデバイス100bが得られる。
【0035】
また、図3A及び図3Bに図示されたセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100bを製造する場合、上述の製造方法に他に、IC110を配線基板102に固定する樹脂113と配線基板102、IC110及びセンサ114を封止するモールド樹脂133とを一括で形成する方法もある。樹脂133とモールド樹脂133を一括で形成する場合、図4Dに示すように、電極105、配線126、128などによって、配線基板102とIC110及びセンサ114とを電気的に接続した後、図4Iに図示するように、配線基板102、IC110、樹脂113、センサ114、配線126及び配線128をモールド樹脂133´で封止する。このとき、モールド樹脂133´によって配線基板102とIC110と間の空間も充填される。このため、モールド樹脂133´は、配線基板102、IC110、樹脂113、センサ114、配線126及び配線128を封止すると同時に、IC110を配線基板102に固定する、即ち、モールド樹脂133´は図3A及び図3Bに図示された加速度センサデバイス100bの樹脂133と同じ機能を果たす。モールド樹脂133´は、樹脂113及びモールド樹脂130と同様に、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、モールド樹脂133´の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。モールド樹脂133´によって、IC110を配線基板102に固定すると共に、配線基板102、IC110、センサ114、配線126及び128を封止したモールド樹脂133´が硬化した後、図4Jに示すようにフィルム202を配線基板102、IC110及びモールド樹脂133´から剥離する。これにより、図3A及び図3Bに図示されたような加速度センサデバイス100bが得られる。この場合、IC110を配線基板102に固定するための樹脂と配線基板102、IC110、センサ114、配線126及び128を封止するための樹脂と一括して成形することが可能となり、製造工程数を削減し、コストを削減することができる。尚、フィルム202は、樹脂モールド後に剥離してもよい。
【0036】
ここでは、図2A及び図2B、図3及び図3Bに示した加速度センサデバイス100a、100bの製造方法について説明したが、本発明はこれに限定されずに、個々のデバイスの実装方法や配置などに応じて、適宜変更されてもよい。
【0037】
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る加速度センサデバイス300を説明する。図5は、本発明の実施形態2に係る加速度センサデバイス300の一例を上から見た透過図である。加速度センサデバイス300は、センサを覆うパッケージキャップを使用した場合のフリップチップ(Flip Chip)実装の加速度センサデバイスである。図6A及び図6Bは、センサを覆うパッケージキャップを使用した場合の加速度センサデバイス300aの全体構成を示す断面図であり、図7A及び図7Bはセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス300bの全体構成を示す断面図である。図6A及び図7Aは、図5に示した加速度センサデバイス300のA´−A´線に沿った断面図であり、図6B及び図7Bは、図5に示した加速度センサデバイス300のB´−B´線に沿った断面図である。
【0038】
図5を参照すると、加速度センサデバイス300は、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114´、センサ上部キャップ124、電極105、112、122´、135、137及び配線126、139を含む。センサ114´はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。センサ114´からの信号は、電極122´及びバンプ302を通じてIC110に伝達される。IC110からの信号は、電極112、配線126、及び電極105を通して配線基板102に伝達されてもよく、電極135、配線139、及び電極137を通じて配線基板102に伝達されてもよい。図5に示される加速度センサデバイス300において、センサ114´とIC110とはフリップチップ実装されており、バンプ302を介して接続される。そのため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなる。配線がセンサ114´とIC110との接続に使用されない場合、実装面積を小さくでき、加速度センサデバイス300のパッケージ全体を小型化することが可能となる。
【0039】
図6A及び図6Bを参照して、センサを覆うパッケージキャップを使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300aを説明する。尚、図2A及び図2Bに示したパッケージキャップを使用する加速度センサデバイス100aと同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0040】
図6A及び図6Bを参照すると、パッケージキャップを使用するフリップチップ実装の加速度センサデバイス300aは、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114´、バンプ302、センサ上部キャップ124、及びパッケージキャップ130を含む。センサ114´はIC110上に配置されており、IC110は、樹脂113を介して配線基板102に固定されている。
【0041】
図6A及び図6Bに示す加速度センサデバイス300aは、センサ114´がIC110上にバンプ302を介してフリップチップ実装されていることを除いて、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様の構成を有する。加速度センサデバイス300の配線基板102は、開口103を有し、導電物質を含む部分104b(以下、導電部分104bともいう)及び絶縁物質を含む部分104a(以下、絶縁部分104aともいう)を有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる絶縁物質又は導電物質は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aの第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。配線基板102には、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に貫通電極109、141が形成される。加速度センサデバイス300aのIC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して配線基板102に固定される。IC110は、電極112を有しており、IC110からの信号は、電極112から配線126、電極105及び貫通電極109を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。また、ICからの信号は、電極135、配線139、電極137、及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。樹脂113に用いられる樹脂材料は、図2A及び図2Bに示される加速度センサデバイス100aの樹脂113と同様である。尚、樹脂113は、IC110の電極112まで覆うように充填されてもよい。加速度センサデバイス300aのセンサ114´は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122´とを含む。センサ114からの信号は、電極122´からバンプ302を介してIC110に伝達される。センサ114´は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されている。
【0042】
図6A及び図6Bに示されるように、加速度センサデバイス300aにおいて、センサ114´とIC110とはフリップチップ実装されており、バンプ302を介して接続されている。そのため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなる。配線がセンサ114´とIC110との接続に使用されない場合、実装面積を小さくでき、加速度センサデバイス300aのパッケージ全体を小型化することが可能となる。なお、センサ上部キャップ124は、錘部116と可撓部118の上方向への過大な変位を制限し、破損を防止する。センサ上部キャップ124は省略されてもよく、センサ上部キャップ124が省略される場合は、パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たしてもよい。パッケージキャップ130がセンサ上部キャップ124と同一の役割を果たす場合、パッケージキャップ130のセンサ114に対応する部分に凸形状のストッパーが形成されてもよい。
【0043】
図6A及び図6Bに示される加速度センサデバイス300aのセンサ114´は、パッケージキャップ130、配線基板102、及び樹脂113により中空封止されている。
【0044】
上述したように、図6A及び図6Bに図示された本実施形態に係る加速度センサデバイス300aにおいて、センサ114´、IC110、及び配線基板102は、有機材料を含むパッケージキャップ130により覆われてパッケージ化されており、且つIC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。本実施形態に係る配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス300のパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。さらに、上述したように、センサ114´とIC110とがフリップチップ実装されているため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなり、加速度センサデバイス300aのパッケージ全体を小型化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114´との線膨張率が揃い、センサ114´にかかる応力が緩和される。また、図6A及び図6Bに示された加速度センサデバイス300aのパッケージキャップ130の内側は中空であるため、パッケージキャップ130からの応力はセンサ114´にかからない。センサ114´にかかる応力が低減すると、センサ114´のオフセット値のずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス300aの性能がや信頼性が向上する。
【0045】
図7A及び図7Bを参照して、センサを樹脂封止した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300bを説明する。尚、図3A及び図3Bに示したセンサを樹脂封止した場合の加速度センサデバイス100b、図6A及び図6Bに示したセンサを覆うパッケージキャップを使用した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300aと同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。
【0046】
図7A及び図7Bを参照すると、センサを樹脂封止した場合のフリップチップ実装の加速度センサデバイス300bは、配線基板102とIC110とセンサ114´と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されていることを除いて、図6A及び図6Bに示された加速度センサデバイス300aと同様の構成を有する。図7A及び図7Bに示された加速度センサデバイス300bは、配線基板102、制御素子であるIC110、樹脂113、センサ114´、バンプ302、センサ上部キャップ124、及びモールド樹脂133を含む。加速度センサデバイス300bの配線基板102は、開口103を有し、導電物質を含む部分104b及び絶縁物質を含む部分104aを有する第1基板104と、絶縁物質を含み第1基板104上に配置された第2基板106と、絶縁物質を含み第2基板106上に配置された第3基板108とを含む3つの層により形成される。但し、本発明はこれに限定されず、配線基板102の層は3層以下であってもよく、3層以上であってもよい。第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる絶縁物質又は導電物質は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aの第1基板104、第2基板106、及び第3基板108に用いられる導電物質又は絶縁物質と同様である。第1基板104の導電物質を含む部分104bに配線パターンが形成されている。配線基板102には、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100aと同様に貫通電極109、141が形成される。加速度センサデバイス300bのIC110は、配線基板102の開口103内に配置され、樹脂113を介して配線基板102に固定される。IC110は、電極112を有しており、IC110からの信号は、電極112、配線126、電極105及び貫通電極109を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。また、ICからの信号は、電極135、配線139、電極137、及び貫通電極141を通して第1基板104の導電部分104bに伝達され、第1基板104の導電部分104bから外部に伝達される。IC110は、一面が外部に露出される。樹脂113に用いられる樹脂材料は、図2に示される加速度センサデバイス100aの樹脂113と同様である。尚、樹脂113は、IC110の電極112まで覆うように充填されてもよい。加速度センサデバイス300bのセンサ114´は、図2A及び図2Bに示された加速度センサデバイス100a、図6A及び図6Bに示された加速度センサ300aと同様に、錘部116と、錘部116に接続された可撓部118と、可撓部118に接続された支持部120と、可撓部118に配置されて可撓部118の変位をXYZの3軸方向で検出する複数のピエゾ抵抗素子(図示せず)と、電極122´とを含む。センサ114´からの信号は、電極122´からバンプ302を介してIC110に伝達される。センサ114は、IC110の外部に露出する面と対向する面上に配置されているが、IC110とセンサ114との間に中継基板を配置してもよい。
【0047】
図7A及び図7Bに示されるように、加速度センサデバイス300bにおいて、センサ114´とIC110とはフリップチップ実装されており、バンプ302を介して接続されている。そのため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなる。配線がセンサ114´とIC110との接続に使用されない場合、実装面積を小さくでき、加速度センサデバイス300bのパッケージ全体を小型化することが可能となる。なお、図6A及び図6Bに示された加速度センサデバイス300aとは異なり、図7A及び図7Bに示された加速度センサデバイス300bにおいて、配線基板102とIC110とセンサ114´と樹脂113とがモールド樹脂133で封止されている。モールド樹脂133は、図3A及び図3Bに示される加速度センサデバイス100bのモールド樹脂133と同様、熱硬化性又は熱可塑性樹脂であればよく、例えば、シリコン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂、ウレタン系樹脂などであってもよい。樹脂が硬化した際の応力を考慮して、モールド樹脂133の曲げ弾性率は、5GPa以下であることが好ましい。さらに、モールド樹脂133は、配線基板102を構成する絶縁性樹脂よりも曲げ弾性率が低いことが好ましい。これにより、MEMS素子に樹脂が及ぼす影響を小さくすることができる。モールド樹脂133は、樹脂133と同一の樹脂であってもよい。加速度センサデバイス300bにおいて、センサ114の錘部116、及び錘部116に接続された可撓部118とIC110との間にモールド樹脂133が入り込まないように、センサ114の支持部120とIC110との間を予め樹脂304を充填しておく。しかし、本願発明はこれに限定されず、モールド樹脂133が入り込まないように、センサ114の錘部116と錘部116に接続された可撓部118とを覆うキャップがセンサ114に備えられていてもよい。
【0048】
上述したように、図7A及び図7Bに示された加速度センサデバイス300bにおいて、配線基板102とIC110とセンサ114´と樹脂113とは、モールド樹脂133で封止されており、且つIC110は、配線基板102に設けられた開口103内に配置されて樹脂113によって配線基板102に固定されている。配線基板102には開口103が形成され、IC110がこの開口103内に配置されているため、必要以上に薄型の基板や深いキャビティ基板を採用することなく、配線基板102の強度を維持したまま、加速度センサデバイス300bのパッケージ全体の厚さを低背化することが可能となる。さらに、上述したように、センサ114´とIC110とがフリップチップ実装されているため、センサ114´とIC110との接続に配線を使用する必要がなくなり、加速度センサデバイス300bのパッケージ全体を小型化することが可能となる。また、IC110が樹脂113によって配線基板102に固定されており、IC110の一面が外部に露出しているため、IC110で発生する熱を放熱することができる。さらに放熱効率を上げるために、IC110の外部に露出している面に放熱シートを取り付けることも可能である。また、IC110の一面が露出されるため、IC110のダイに電源、若しくはGNDの端子を直接接続することが可能となる。さらに、IC110が配線基板102に樹脂113を介して固定されるため、IC110と配線基板102との熱膨張率の差によって生じる反りによる応力が緩和され、且つIC110とセンサ114´との線膨張率が揃い、センサ114´にかかる応力が緩和される。センサ114´はモールド樹脂133によって封止されるが、モールド樹脂133として曲げ弾性率が5GPa以下の樹脂を使用すれば、モールド樹脂133が硬化した際の応力を緩和することが可能である。センサ114´にかかる応力が低減すると、センサ114´のオフセット値がずれる量は低減されるため、加速度センサデバイス300bの性能や信頼性が向上する。
【0049】
以上図1A乃至図7Bを参照して、本発明の実施形態に係る加速度センサデバイスについて説明したが、本願発明はこれに限定されない。図1A乃至図7Bに示した加速度センサデバイスは、IC110が配線基板102に接しないように配線基板102の開口に配置されて樹脂113を介して配線基板102に固定されていたが、図8及び図9に示すように、IC110は、IC110の少なくとも一辺が配線基板102に接するように配置されてもよい。図8は、IC110の一辺が配線基板102に接するように配置された加速度センサデバイス700の上から見た透過図であり、図9は、IC110の二辺が配線基板102に接するように配置された加速度センサデバイス800の上から見た透過図である。図8及び図9において、図1Aに示した加速度センサデバイス100と同一又は類似の構成要素には同一の参照番号を付与し、重複する説明は省略する。また、図8及び図9において、便宜上、各電極や配線などいくつかの構成の図示を省略している。
【0050】
以上、図1A乃至図9を参照して、本発明の実施形態に係るMEMS素子として主にピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合のMEMSデバイスについて説明した。ただし、本発明は、MEMS素子としてピエゾ抵抗素子を用いた3軸の加速度センサを用いる場合だけではなく、外力に応じて変位する変位部を有する静電容量型、圧電型、熱検知型、FET型加速度センサやジャイロセンサ、地磁気センサ、圧力センサなどの種々の力学量センサや、MEMS技術を用いた他の素子、例えば、MEMSマイクロホン、マイクロミラー、RFスイッチなどを用いる場合にも適用することができ、さらに種々の変形が可能である。また、MEMS素子を1つ搭載する例を示したが、これに限定されずMEMS素子を複数搭載してもよい。その場合、測定対象の異なるセンサの組合せ、測定レンジに異なるセンサの組合せ、機能の異なるMEMS素子の組合せ、等の種々のバリエーションを採用することができる。
【符号の説明】
【0051】
100 加速度センサデバイス
102 配線基板
110 IC
114 センサ
113 樹脂
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する配線基板と、
前記配線基板の前記開口内に配置された制御素子と、
前記制御素子の一方の面上に配置された少なくとも1つのMEMS素子と、を具備し、
前記制御素子は、他方の面が露出するとともに、樹脂を介して前記配線基板に固定されていることを特徴とするMEMSデバイス。
【請求項2】
前記配線基板上に配置され、前記MEMS素子を覆うパッケージキャップをさらに具備し、
前記パッケージキャップの内側は、中空であることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記MEMS素子は、前記パッケージキャップ、前記配線基板、前記制御素子、及び前記樹脂によって囲まれた空間内で中空封止されていることを特徴とする請求項2記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記配線基板は、絶縁性樹脂からなる絶縁樹脂層と、導電材料からなる導電層とを含み、
前記樹脂は、前記絶縁性樹脂層の絶縁性材料よりも曲げ弾性率が低いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記制御素子と前記MEMS素子とを電気的に接続するバンプをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
前記制御素子と前記MEMS素子は、樹脂封止されていることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項7】
前記MEMS素子は、外力に応じて変位する変位部を有する力学量センサであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項8】
配線基板に開口を形成し、
前記開口を塞ぐように支持部材を前記配線基板の片側に配置し、
前記開口内における前記支持部材上に制御素子を配置し、
前記制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、
前記制御素子及び前記MEMS素子と前記配線基板とを電気的に接続し、
前記開口内における前記配線基板と前記制御素子との間の空間に樹脂を充填し、
前記支持部材を前記配線基板、前記制御素子及び前記樹脂から剥離すること、
を含むMEMSデバイスの製造方法。
【請求項9】
前記配線基板上に前記MEMS素子を覆うパッケージキャップを配置することをさらに含み、
前記パッケージキャップの内側は、中空であることを特徴とする請求項8に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項10】
前記制御素子と前記MEMS素子とは、バンプを介して電気的に接続することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項11】
前記配線基板と前記制御素子と前記MEMS素子と前記樹脂とを樹脂封止することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項12】
配線基板に開口を形成し、
前記開口を塞ぐように支持部材を前記配線基板の片側に配置し、
前記開口内における前記支持部材上に制御素子を配置し、
前記制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、
前記制御素子及び前記MEMS素子と前記配線基板とを電気的に接続し、
前記配線基板と前記制御素子と前記少なくとも1つのMEMS素子とを樹脂で封止し、
前記支持部材を前記配線基板及び前記制御素子から剥離すること、
を含むMEMSデバイスの製造方法。
【請求項13】
前記制御素子と前記MEMS素子とは、バンプを介して電気的に接続することを特徴とする請求項12に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項1】
開口を有する配線基板と、
前記配線基板の前記開口内に配置された制御素子と、
前記制御素子の一方の面上に配置された少なくとも1つのMEMS素子と、を具備し、
前記制御素子は、他方の面が露出するとともに、樹脂を介して前記配線基板に固定されていることを特徴とするMEMSデバイス。
【請求項2】
前記配線基板上に配置され、前記MEMS素子を覆うパッケージキャップをさらに具備し、
前記パッケージキャップの内側は、中空であることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項3】
前記MEMS素子は、前記パッケージキャップ、前記配線基板、前記制御素子、及び前記樹脂によって囲まれた空間内で中空封止されていることを特徴とする請求項2記載のMEMSデバイス。
【請求項4】
前記配線基板は、絶縁性樹脂からなる絶縁樹脂層と、導電材料からなる導電層とを含み、
前記樹脂は、前記絶縁性樹脂層の絶縁性材料よりも曲げ弾性率が低いことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項5】
前記制御素子と前記MEMS素子とを電気的に接続するバンプをさらに具備することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項6】
前記制御素子と前記MEMS素子は、樹脂封止されていることを特徴とする請求項1に記載のMEMSデバイス。
【請求項7】
前記MEMS素子は、外力に応じて変位する変位部を有する力学量センサであることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のMEMSデバイス。
【請求項8】
配線基板に開口を形成し、
前記開口を塞ぐように支持部材を前記配線基板の片側に配置し、
前記開口内における前記支持部材上に制御素子を配置し、
前記制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、
前記制御素子及び前記MEMS素子と前記配線基板とを電気的に接続し、
前記開口内における前記配線基板と前記制御素子との間の空間に樹脂を充填し、
前記支持部材を前記配線基板、前記制御素子及び前記樹脂から剥離すること、
を含むMEMSデバイスの製造方法。
【請求項9】
前記配線基板上に前記MEMS素子を覆うパッケージキャップを配置することをさらに含み、
前記パッケージキャップの内側は、中空であることを特徴とする請求項8に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項10】
前記制御素子と前記MEMS素子とは、バンプを介して電気的に接続することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項11】
前記配線基板と前記制御素子と前記MEMS素子と前記樹脂とを樹脂封止することをさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【請求項12】
配線基板に開口を形成し、
前記開口を塞ぐように支持部材を前記配線基板の片側に配置し、
前記開口内における前記支持部材上に制御素子を配置し、
前記制御素子上に少なくとも1つのMEMS素子を配置し、
前記制御素子及び前記MEMS素子と前記配線基板とを電気的に接続し、
前記配線基板と前記制御素子と前記少なくとも1つのMEMS素子とを樹脂で封止し、
前記支持部材を前記配線基板及び前記制御素子から剥離すること、
を含むMEMSデバイスの製造方法。
【請求項13】
前記制御素子と前記MEMS素子とは、バンプを介して電気的に接続することを特徴とする請求項12に記載のMEMSデバイスの製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図4G】
【図4H】
【図4I】
【図4J】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2012−91243(P2012−91243A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−238379(P2010−238379)
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月25日(2010.10.25)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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