説明

PGI2アンタゴニストとして使用するためのビス(ヘテロ)アリールカルボキサミド誘導体

本発明は、医薬製剤の有効成分として有用な式(I)(式中、Rはカルボキシまたはテトラゾリルを表す)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体に関する。本発明のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン類は、PGI2アンタゴニスト活性を有し、PGI2活性に関連する疾患の予防および処置に使用できる。そのような疾患には、以下のような泌尿器疾患または障害が含まれる:膀胱下閉塞、過活動膀胱、尿失禁、排尿筋反射亢進、排尿筋不安定、膀胱容量の減少、頻繁な尿意、切迫性尿失禁、ストレス性尿失禁、膀胱の反応亢進、前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、頻尿、夜尿症、尿意切迫、骨盤過敏症、尿道炎、骨盤疼痛症候群、前立腺痛、膀胱炎または特発性膀胱過敏症。本発明の化合物はまた、炎症性疼痛、神経因性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、歯痛、月経前疼痛、内臓の疼痛、頭痛などを含むがこれらに限定されるわけではない、疼痛;低血圧;血友病および出血;および炎症の処置にも有用である。なぜなら、これらの疾患も、PGI2に関連するからである。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の詳細な説明
技術分野
本発明は、医薬製剤の有効成分として有用なアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体に関する。本発明のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体は、PGI2[プロスタグランジンI2、プロスタサイクリン]アンタゴニスト活性を有し、PGI2活性に関連する疾患の予防および処置に使用できる。
【0002】
より具体的には、本発明のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体は、泌尿器科の疾患または障害の処置および予防に有用である。
【0003】
本発明の化合物はまた、疼痛;低血圧;血友病および出血;炎症;アレルギーまたは喘息に起因する呼吸状態の処置にも有用である。なぜなら、これらの疾患も、PGI2に関するからである。
【0004】
背景技術
プロスタグランジン類(またはプロスタノイド類、PG類)は、膜のリン脂質から生成される生体活性脂質性介在物質の一群である。それらは、3個、4個または5個の二重結合を含む炭素20個の必須脂肪酸から形成され、シクロペンタン環を有する。それらはシクロペンタン環構造によって6個の主要なクラス(D、E、F、G、HまたはI)に分類される。それらの主要なクラスは、それらの脂肪酸前駆体を反映して、添え字1、2または3によりさらに細分される。PGI2は、プロスタノイド類の一員であり、二重環構造を有し、アラキドン酸から誘導される。PGI2の受容体は、IPと呼ばれる7回膜貫通Gタンパク質共役型受容体である。IPは、少なくともGs型Gタンパク質と共役し、アデニル酸シクラーゼおよびホスホリパーゼCを活性化する。IPの発現は、大動脈、冠/肺/大脳動脈、血小板、肺および後根神経節並びにいくつかの他の組織で明らかにされている。
【0005】
血管に対するPGI2のよく知られている作用の1つは、血管拡張および低血圧を引き起こすことである。特に虚血性ショックにおいて、PGI2が産生され、全身的低血圧の誘導に関与する(G.D. Bottoms et al, Am J Vet Res 1982, 43(6), 999-1002)。従って、IP受容体アンタゴニストは、虚血性ショックに関連する低血圧を防止し得る。
【0006】
他のPGI2の周知作用は、血小板に対する凝集の抑制である。IP受容体ノックアウトマウスでは、FeClに誘導される血栓形成が、野生型マウスのものと比較して高まった(T. Murata et al, Nature 1997, 388, 678- 682.)。このことは、血小板阻害におけるIP受容体の関与を裏付けている。従って、IP受容体アンタゴニストは、血小板活性化を高め、限定されるわけではないが、血友病や出血などの過剰失血を抑制し得る。
【0007】
PGI2はまた、炎症に関与する。炎症組織では、プロスタグランジン類を含む様々な炎症介在物質が産生される。PGI2も生成され、血管拡張を誘導して血流を増加させる。これは、炎症領域における血管透過性、浮腫形成および白血球炎症を高める (T. Murata et al, Nature 1997, 388, 678- 682.)。従って、PGI2受容体アンタゴニストは、炎症の処置に効能があり得る。
【0008】
PGI2は、呼吸器のアレルギーまたは喘息の病因に関与し得る。それは自然に生成され、ヒトの肺における主要なプロスタグランジンであり、適切な抗原攻撃はPGI2産生を増加させる(E.S. Schulman et al, J Appl Physiol 1982, 53(3), 589-595.)。従って、IP受容体アンタゴニストは、これらの呼吸器疾患の処置に有用であり得る。
【0009】
加えて、痛覚過敏の誘導におけるIP受容体のある重要な役割が、IP受容体ノックアウトマウスにより明確に示された(T. Murata et al., Nature 1997, 388, 678 682.)。酢酸の腹腔注射は、PGI2の産生を誘導した。このPGI2は、感覚神経のIP受容体に結合すると考えられる。IP受容体は、アデニル酸シクラーゼとホスホリパーゼCの両方の活性化と共役するので、cAMP依存性タンパク質キナーゼ(PKA)およびタンパク質キナーゼC(PKC)が活性化される。PKAおよびPKCは、VR1、P2X3およびTTX−Rなどの感覚神経上のイオンチャネルを調節することが知られている。結果として、PGI2は、感覚神経を鋭敏化し、神経伝達物質の放出を高める。故に、酢酸注射は、マウスに侵害受容反応(もがき)を誘導する。この酢酸に誘導されるもがきは、PGI2受容体無発現マウスにおいて、インドメタシン処置野生型マウスと同レベルに、大幅に減少した。いくつかの他の齧歯類におけるインビボの痛覚過敏研究およびインビトロの研究は、PGI2が痛覚過敏の誘導に主要な役割を果たすこと、およびPGI2が感覚神経の重要な調節物質として作用することを、さらに支持する(K. Bley et al, Trends in Pharmacological Sciences 1998, 19(4), 141-147.)。従って、PGI2受容体アンタゴニストは、疼痛の処置に有用であり得る。
【0010】
感覚神経は、疼痛の知覚のみならず、膀胱膨満の知覚においても非常に重要な役割を果たす。正常な対象では、Aデルタ感覚線維が膀胱膨満の知覚に主要な役割を果たすと考えられている。しかしながら、限定されるわけではないが、脊椎損傷、膀胱炎、パーキンソン病、多発性硬化症、過去の脳血管の事故および前立腺肥大症(BPH)に起因する膀胱下閉塞(bladder outlet obstruction;BOO)による過活動膀胱の病状では、C線維感覚神経の感度が上方調節され、下部尿路症状の誘導に寄与する。カプサイシンまたはその強力な類似体であるレシニフェラトキシンは、両方とも膀胱を神経支配しているVR1陽性C線維求心性神経を脱感作させるが、それらの膀胱内注射による過活動膀胱患者の処置は、いくつかの治験で有効であると示された(C. Silva et al, Eur Urol. 2000, 38(4), 444-452.)。従って、C線維感覚神経は、過活動膀胱の病理に重要な役割を果たす。PGI2は、膀胱で局所的に生成され、ヒト膀胱から放出される主要なプロスタグランジンである。ウサギのBOOモデルでは、安定なPGI2代謝物がBOO膀胱で増加すると報告された(JM. Masick et al, Prostaglandins Other Lipid Mediat. 2001, 66(3), 211-219.)。故に、疾患膀胱由来のPGI2は、C線維感覚神経を鋭敏化し、結果的に、過活動膀胱の症状を誘導し得る。従って、PGI2受容体アンタゴニストは、過活動膀胱および関連泌尿器障害の処置に有用であると期待される。
【0011】
WO98/44797は、一般式:
【化1】

で表されるインテグリンアンタゴニストおよびファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤を開示している。
【0012】
EP−A−220118は、一般式:
【化2】

で表される、皮膚、呼吸器および眼症状の処置を意図した医薬組成物を開示している。
【0013】
WO00/43369は、一般式:
【化3】

式中、R34は、置換されていることもあるアルキル、置換されていることもあるアリールまたは置換されていることもあるヘテロアリールである、
で表される、免疫または炎症性障害の処置を意図した医薬組成物を開示している。
【0014】
WO9936393は、一般式:
【化4】

式中、Wは−CH=CH−または−N=CH−であり、Rは置換もしくは非置換フェニルまたは置換もしくは非置換ヘテロアリールであり、Rは置換もしくは非置換アリールまたは置換もしくは非置換ヘテロ環である、
で表される、α介在性細胞接着に起因する症状の処置を意図した化合物および医薬組成物を開示している。
【0015】
効果的なPGI2アンタゴニスト活性を有し、PGI2活性に関連する疾患の予防および処置に使用できる化合物の開発が望まれてきた。
【0016】
発明の要旨
アリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体の化学修飾に関する大規模な研究の結果、本発明者らは、本発明に関する構造の化合物が、予想外に優れたPGI2および/またはアンタゴニスト活性を有することを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成された。
【0017】
本発明は、式(I)の新規アリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を提供するものである:
【化5】

式中、
ArおよびArは、独立して、フェニル、またはO、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲンおよび(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
は、−OR11、−SR11、−SOR11、−SO11、−NR1213、−CHR1415、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、(C1−6)アルコキシ(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、アリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレン、または、ヘテロアリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する、3員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表し{ここで、該0個ないし3個のヘテロ原子を有する3員ないし10員の飽和または不飽和環、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある};
12およびR13は、独立して、水素、(C1−6)アルキル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
12およびR13は、窒素原子と一緒になって、OまたはNHにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和複素環式環を形成し;
14およびR15は、独立して、水素、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(C1−6)アルキル(アリール、ヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
14およびR15は、CHと一緒になって、NHまたはOにより中断されていることもある3員ないし8員の飽和環、またはフェニル(ヒドロキシ、ハロゲンまたは(C1−6)アルキルにより置換されていることもある)を形成する];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、またはO、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該アリールおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、または、O、NおよびSの群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、(C1−6)アルキル(ヒドロキシ、モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、または、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ハロゲン、シアノ、または、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し;そして、
は、カルボキシまたはテトラゾリルを表す。
【0018】
本発明の化合物は、驚くべきことに、優れたPGI2アンタゴニスト活性を示す。従って、それらは、PGI2関連疾患の処置に有用であり得る医薬または医学用組成物を産生するのに適する。
【0019】
さらに驚くべきことに、本発明のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体は、PGI2に拮抗するので、泌尿器疾患または障害の処置および予防に有用である。
【0020】
本発明の化合物は、泌尿器疾患または障害の処置にも有用である。そのような疾患または障害には、膀胱下閉塞、過活動膀胱、尿失禁、排尿筋反射亢進、排尿筋不安定、膀胱容量の減少、頻繁な尿意(frequency of micturition)、切迫性尿失禁、ストレス性尿失禁、膀胱の反応亢進、前立腺肥大(BPH)、前立腺炎、頻尿(urinary frequency)、夜尿症、尿意切迫(urinary urgency)、骨盤過敏症(pelvic hypersensitivity)、尿道炎、骨盤疼痛症候群、前立腺痛、膀胱炎または特発性膀胱過敏症(idiophatic bladder hypersensitivity)が含まれる。
【0021】
本発明の化合物はまた、炎症性疼痛、神経因性疼痛、急性疼痛、慢性疼痛、歯痛、月経前疼痛、内臓の疼痛、頭痛などを含むがこれらに限定されるわけではない、疼痛;低血圧;血友病および出血;炎症;アレルギーまたは喘息に起因する呼吸状態の処置に有用である。なぜなら、これらの疾患も、PGI2に関連するからである。
【0022】
式(I)の化合物のなお他の実施態様は、式中、ArおよびArが、独立して、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、イミダゾリルまたはピラゾリルを表すものである。
【0023】
他の実施態様では、本発明は、式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を提供する:
【化6】

式中、
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQは、独立して、CH、CRまたはNを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
は、−OR11、−SR11、−SOR11、−SO11、−NR1213または−CHR1415、アリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレン、またはヘテロアリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし7員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表し{ここで、該5員ないし7員の飽和または不飽和環、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある};
12およびR13は、独立して、水素、(C1−6)アルキル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
12およびR13は、窒素原子と一緒になって、OまたはNHにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和複素環式環を形成し;
14およびR15は、独立して、水素、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(C1−6)アルキル(アリール、ヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
14およびR15は、CHと一緒になって、NHまたはOにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和環、またはフェニル(ヒドロキシ、ハロゲンまたは(C1−6)アルキルにより置換されていることもある)を形成する];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、(C1−6)アルキル(ヒドロキシ、またはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、またはO、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニルおよび、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、または、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ハロゲン、シアノ、または、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し;そして、
は、カルボキシまたはテトラゾリルを表す。
【0024】
式(I−i)の化合物のなお他の実施態様は、式中:
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が−OR11を表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし7員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)を表す{ここで、該5員ないし7員の飽和または不飽和環は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0025】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が−OR11を表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし7員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)を表す{ここで、該5員ないし7員の飽和または不飽和環は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0026】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
およびQが、独立してCHまたはNを表し;
、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が−OR11を表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)を表す{ここで、該5員ないし10員の飽和または不飽和環は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0027】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、アリール(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C3−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
ものである。
【0028】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、アリール(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキルを表し
[ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C3−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRは、水素を表し;そして、
はカルボキシを表す、
ものである。
【0029】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
およびQが、独立してCHまたはNを表し;
、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、アリール(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキルを表し
[ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C3−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
ものである。
【0030】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が、アリール(C1−6)アルコキシ、ヘテロアリール(C1−6)アルコキシ、(C5−7)シクロアルキル(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該アリール、ヘテロアリール、(C5−7)シクロアルキル、および該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0031】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよびフェノキシは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0032】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0033】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
およびQが、独立してCHまたはNを表し;
、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0034】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0035】
式(I−i)の化合物の他の実施態様は、式中:
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が、(C1−4)アルコキシ(フェニル、シクロヘキシル、ピロリルまたはピペリジノにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、(C5−7)シクロアルキルまたはフェニルを表し;
、RおよびRが、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
ものである。
【0036】
他の実施態様では、本発明は、式(I−ii)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を提供する:
【化7】

式中、
、Q、Q、Q、QおよびQ10は、独立してCHまたはNを表し;
11は、CH、S、NHまたはOを表し;
は、−OR11、−SR11、−SOR11、−SO11、−NR1213、−CHR1415、アリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレン、またはヘテロアリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する3員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)または(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表し{ここで、該3員ないし10員の飽和または不飽和環、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある};
12およびR13は、独立して、水素、(C1−6)アルキル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)または(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
12およびR13は、窒素原子と一緒になって、OまたはNHにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和複素環式環を形成し;
14およびR15は、独立して、水素、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(C1−6)アルキル(アリール、ヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)または(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか{ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}、または、
14およびR15は、CHと一緒になって、NHまたはOにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和環、または、フェニル(ヒドロキシ、ハロゲンまたは(C1−6)アルキルにより置換されていることもある)を形成する];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、O、NおよびSの群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該アリールおよびヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニルおよびO、NおよびSの群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は水素を表し;
は水素を表し;
は、水素、ヒドロキシ、シアノまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し;そして、
は、カルボキシまたはテトラゾリルを表す。
【0037】
式(I−ii)の化合物の他の実施態様は、式中:
、Q、Q、QおよびQが、CHを表し;
10がCHまたはNを表し;
11がCH、NHまたはOを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキルまたはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が水素を表し;
が水素を表し;
が水素を表し;そして、
がカルボキシを表す、
ものである。
【0038】
他の実施態様では、本発明は、式(I−iii)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩を提供する:
【化8】

式中、
、Q、Q、Q、Q13およびQ14はCHを表し;
12は、CH、NH、OまたはSを表し;
は、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキルまたはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
は水素を表し;
は水素を表し;
は水素を表し;そして、
はカルボキシを表す。
【0039】
より好ましくは、該式(I)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体は、以下からなる群から選択される:
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−[(4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[6−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリジン−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−[4−(2−ベンジルオキシピリミジン−5−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−[4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−[(4'−ベンジルオキシ−3'−フルオロビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[4'−(3−メチルベンジルオキシ)ビフェニル−4−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[4'−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2,3−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3,5−ジメトキシ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−ニトロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−[(4'−フェネチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−3−フェニル−プロピオン酸;および、
2−{[4'−(3−アミノ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸。
【0040】
さらに、本発明は、上記の化合物の1つおよび場合により医薬的に許容し得る賦形剤を含む医薬を提供する。
【0041】
アルキル自体、並びにアルコキシ、アルカノイル、アルキルアミノ、アルキルアミノカルボニル、アルキルアミノスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アルコキシカルボニル、アルコキシアミドおよびアルカノイルアミノ中の「アルコ(アルカ)」および「アルキル」は、一般的に1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、そして特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキル基を表し、例示的に、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
【0042】
アルコキシは、例示的に、そして好ましくは、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、tert−ブトキシ、n−ペントキシおよびn−ヘキソキシを表す。
【0043】
アルキルアミノは、1個または2個の(独立して選択される)アルキル置換基を有するアルキルアミノ基を表し、例示的に、そして好ましくは、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、tert−ブチルアミノ、n−ペンチルアミノ、n−ヘキシル−アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−t−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノを表す。
【0044】
アリール自体は、一般的に6個ないし14個の炭素原子を有する単環式ないし三環式の芳香族性炭素環式基を表し、例示的に、そして好ましくは、フェニル、ナフチルおよびフェナントレニルを表す。
【0045】
ヘテロアリールは、一般的に5個ないし10個、そして好ましくは5個または6個の環原子を有し、5個まで、好ましくは4個までのS、OおよびNからなる群から選択されるヘテロ原子を有する、芳香族性、単環式または二環式の基を表し、例示的に、そして好ましくは、チエニル、フリル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、インドリル、インダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、キノリニル、イソキノリニルを表す。
【0046】
5員または6員のヘテロ芳香環は、例示的に、そして好ましくは、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピロリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、1,2,4−トリアジンおよび1,3,5−トリアジンを表す。
【0047】
ハロゲンは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、好ましくはフルオロおよびクロロを表す。
【0048】
本発明の実施態様
本発明の式(I)の化合物は、限定されるわけではないが、様々な既知方法を組み合わせることにより製造できる。いくつかの実施態様では、出発物質または中間体として使用される化合物のアミノ基、カルボキシル基およびヒドロキシル基などの1またはそれ以上の置換基は、当業者に知られる保護基により保護されるのが有利である。保護基の例は、"Protective Groups in Organic Synthesis (3rd Edition)" by Greene and Wuts, John Wiley and Sons, New York 1999 に記載されている。
【0049】
本発明の式(I)の化合物は、限定されるわけではないが、下記の方法[A]、[B]、[C]または[D]により製造できる。
方法[A]
【化9】

式(I)の化合物(式中、Ar、Ar、R、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)は、式(II)の化合物(式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)と、式(III)の化合物(式中、Ar、ArおよびRは、上記定義と同じであり、Xは、ヒドロキシまたはその塩、ハロゲンなどを表す)の反応により得ることができる。
【0050】
この反応は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムおよび1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素類;アセトニトリルなどのニトリル類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAC)およびN−メチルピロリドン(NMP)などのアミド類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)などの尿素類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;などを含む溶媒中で実施し得る。場合により、上記列挙したものから選択される2またはそれ以上の溶媒を混合し、使用できる。
【0051】
この反応は、例えばピリジン、トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの有機アミン類、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジンなどを含む塩基の存在下で有利に実施でき、また、例えばヒドロキシベンゾトリアゾール、N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび1−(3−ジメチル−アミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドなどのカルボジイミド類;1,1'−カルボニルジ(1,3−イミダゾール)(CDI)および1,1'−カルボニルジ(1,2,4−トリアゾール)(CDT)などのカルボニルジアゾール類などを含むカップリング剤を使用して有利に実施できる。
【0052】
反応温度は、反応させようとする化合物に応じて、場合により設定できる。反応温度は、通常、限定されるわけではないが、約0℃ないし50℃である。この反応は、通常、30分間ないし48時間、好ましくは1ないし24時間実行し得る。
式(II)の化合物は、市販されているか、既知技法の使用により製造できる。
【0053】
方法[B]
【化10】

【0054】
式(I)の化合物(式中、Ar、Ar、R、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)は、2段階で得ることができる;
段階B−1:式(V)の化合物(式中、Ar、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じであり、Lは、例えば、塩素、臭素またはヨウ素原子などのハロゲン原子;および、例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、メタンスルホニルオキシなどのC1−4アルキルスルホニルオキシ基などを含む脱離基を表す)は、式(IV)の化合物(式中、X、ArおよびLは、上記定義と同じである)を、式(II)の化合物(式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)と、式(I)の化合物の製造のために方法[A]に記載したやり方と同じように反応させることにより得ることができる。
【0055】
段階B−2:式(I)の化合物(式中、Ar、Ar、R、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)は、式(V)の化合物(式中、L、Ar、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)を、式(VI)の化合物(式中、ArおよびRは、上記定義と同じであり、Mは、例えば、ボロン酸およびジ−メトキシボリル(di-methoxy boryl)などの有機ボラン基;トリブチルスタンニルなどの有機スタンニル基などを含む金属の基を表す)を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムなどのパラジウム触媒の存在下で反応させることにより得ることができる。
【0056】
この反応は、例えば炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムなどを含む塩基の存在下で有利に実施できる。
【0057】
この反応は、例えば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール類;水などを含む溶媒中で実施し得る。場合により、上記列挙したものから選択される2またはそれ以上の溶媒を混合し、使用できる。
【0058】
反応温度は、反応させようとする化合物に応じて、場合により設定できる。反応温度は、通常、限定されるわけではないが、約0℃ないし120℃である。この反応は、通常、30分間ないし48時間、好ましくは1ないし24時間実行し得る。
式(IV)および(VI)の化合物は、市販されているか、既知技法の使用により製造できる。
【0059】
方法[C]
【化11】

【0060】
式(I)の化合物(式中、Ar、Ar、R、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)は、2段階で得ることができる;
段階C−1:式(VIII)の化合物(式中、M、Ar、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)は、式(VII)の化合物(式中、X、ArおよびMは、上記定義と同じである)を、式(II)の化合物(式中、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)と、式(I)の化合物の製造のために方法[A]に記載したやり方と同じように反応させることにより得ることができる。
【0061】
段階C−2:式(I)の化合物(式中、Ar、Ar、R、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)は、式(VIII)の化合物(式中、M、Ar、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)を、式(IX)の化合物(式中、L、ArおよびRは、上記定義と同じである)と、式(I)の化合物の製造のために方法[B]の段階B−2に記載したやり方と同じように反応させることにより得ることができる。
【0062】
式(VII)および(IX)の化合物は、市販されているか、既知技法の使用により製造できる。
【0063】
方法[D]
【化12】

式(I')の化合物(式中、Ar、Ar、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じである)は、式(X)の化合物(式中、Ar、Ar、R、R、R、RおよびRは、上記定義と同じであり、YはC1−6アルキルを表す)の加水分解により得ることができる。
【0064】
この反応は、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムおよび水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物;などを含む塩基の存在下で、有利に実施できる。
【0065】
この反応は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムおよび1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール類;水などを含む溶媒中で実施し得る。場合により、上記列挙したものから選択される2またはそれ以上の溶媒を混合し、使用できる。
【0066】
反応温度は、反応させようとする化合物に応じて、場合により設定できる。反応温度は、通常、限定されるわけではないが、約20℃ないし100℃である。この反応は、通常、30分間ないし48時間、好ましくは1ないし24時間実行し得る。
式(X)の化合物は、方法[A]、[B]または[C]の使用により製造できるが、これらに限定されるわけではない。
【0067】
中間体の製造
式(III')の製造
方法[E]
式(III')の化合物(式中、Ar、ArおよびRは、上記定義と同じであり、X'は、ヒドロキシまたはその塩形態を表す)は、以下の操作により製造できるが、これに限定されるわけではない。
【化13】

【0068】
段階E−1:式(XI−ii)の化合物(式中、Arは、上記定義と同じであり、Mは、例えば、ボロン酸およびジ−メトキシボリルなどの有機ボラン基;トリブチルスタンニルなどの有機スタンニル基などを含む金属の基を表し、YはC1−6アルキルを表す)は、式(XI−i)の化合物(式中、ArおよびYは、上記定義と同じである)と、有機ボランまたは有機スズ(例えば、塩化トリブチルスズ、塩化トリメチルスズなど)などの適する有機金属試薬の反応により得ることができる。
【0069】
この反応は、例えば、リチウムジイソプロピルアミン、リチウムヘキサメチルジシルアジド、ピリジン、トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンなどの有機アミン類、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、4−ジメチルアミノピリジンなどを含む塩基の存在下で有利に実施できる。
【0070】
この反応は、例えば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびエチルベンゼンなどの芳香族性炭化水素類;ヘキサン、へプタンおよびオクタンを含む脂肪族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール類などを含む溶媒中で実施し得る。場合により、上記列挙したものから選択される2またはそれ以上の溶媒を混合し、使用できる。
【0071】
反応温度は、反応させようとする化合物に応じて、場合により設定できる。反応温度は、通常、限定されるわけではないが、約−100℃ないし100℃である。この反応は、通常、30分間ないし48時間、好ましくは1ないし24時間実行し得る。
【0072】
段階E−2:式(XI)の化合物(式中、Ar、Ar、RおよびYは、上記定義と同じである)は、式(IX)の化合物(式中、Ar、RおよびLは、上記定義と同じである)を、式(XI−ii)の化合物(式中、Ar、YおよびMは、上記定義と同じである)と、式(I)の化合物の製造のために方法[B]の段階B−2に記載したやり方と同じように反応させることにより得ることができる。
【0073】
段階E−1':式(XI−iii)の化合物(式中、Ar、RおよびMは、上記定義と同じである)は、式(IX)の化合物(式中、Ar、RおよびLは、上記定義と同じである)を、式(XI−ii)の化合物の製造のために方法[E]の段階E−1に記載したやり方と同じように反応させることにより得ることができる。
【0074】
段階E−2':式(XI)化合物(式中、Ar、Ar、RおよびYは、上記定義と同じである)は、式(XI−iii)の化合物(式中、Ar、RおよびMは、上記定義と同じである)を、式(XI−iv)の化合物(式中、Ar、LおよびYは、上記定義と同じである)と、式(I)の化合物の製造のために方法[B]の段階B−2に記載したやり方と同じように反応させることにより得ることができる。
【0075】
段階E−3:式(III')の化合物(式中、Ar、Ar、RおよびX'は、上記定義と同じである)は、式(XI)の化合物(式中、Ar、Ar、RおよびYは、上記定義と同じである)を、式(I')の化合物の製造のために方法[D]に記載したやり方と同じように反応させることにより得ることができる。
【0076】
式(XI−i)および(XI−iv)の化合物は、市販されているか、または、既知技法の使用により製造できる。
【0077】
式(III'')の製造
方法[F]
式(III'')の化合物(式中、ArおよびRは、上記定義と同じであり、YはC1−6アルキルを表し、QはOまたはNHを表す)は、2段階で製造できるがこれに限定されるわけではない。
【化14】

【0078】
段階F−1:式(XII−ii)の化合物(式中、Ar、RおよびYは、上記定義と同じである)は、式(XII−i)の化合物(式中、ArおよびRは、上記定義と同じである)と、式(XII−iii)の化合物(式中、Yは、上記定義と同じである)の反応により得ることができる。
【0079】
この反応は、例えば、ジクロロメタン、クロロホルムおよび1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;などを含む溶媒中で実施し得る。場合により、上記列挙したものから選択される2またはそれ以上の溶媒を混合し、使用できる。
【0080】
この反応は、例えば、炭酸セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、フッ化カリウム、フッ化ナトリウム、トリエチルアミン、水素化ナトリウムなどを含む塩基の存在下で有利に実施できる。
【0081】
反応温度は、反応させようとする化合物に応じて、場合により設定できる。反応温度は、通常、限定されるわけではないが、約0℃ないし120℃である。
この反応は、通常、30分間ないし48時間、好ましくは1ないし10時間実行し得る。
【0082】
段階F−2:式(III'')の化合物(式中、Ar、R、YおよびQは、上記定義と同じである)は、式(XII−ii)の化合物(式中、Ar、RおよびYは、上記定義と同じである)と、式(XII−iv)の化合物(式中、Qは、上記定義と同じである)の反応により得ることができる。
【0083】
この反応は、例えば、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサンおよびテトラヒドロフラン(THF)および1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族性炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリドンなどのアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)などのスルホキシド類;メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノールおよびtert−ブタノールなどのアルコール類などを含む溶媒中で実施し得る。場合により、上記列挙したものから選択される2またはそれ以上の溶媒を混合し、使用できる。
【0084】
反応温度は、反応させようとする化合物に応じて、場合により設定できる。反応温度は、通常、限定されるわけではないが、約20℃ないし100℃である。この反応は、通常、30分間ないし48時間、好ましくは1ないし10時間実行し得る。
【0085】
式(XII−i)、(XII−iii)および(XII−iv)の化合物は、市販されているか、または既知技法の使用により製造できる。
【0086】
式(I)で示される化合物またはその塩が構造中に不斉炭素を有するとき、それらの光学活性化合物およびラセミ混合物も、本発明の範囲に包含される。
【0087】
式(I)で示される化合物の典型的な塩には、本発明の化合物と、無機もしくは有機酸、または有機もしくは無機塩基との反応により製造される塩が含まれる。かかる塩は、順に、酸付加塩および塩基付加塩として知られている。
【0088】
塩を形成する酸には、限定ではないが、硫酸、リン酸、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸などの無機酸、および、限定ではないが、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、蓚酸、p−ブロモフェニルスルホン酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、酢酸などの有機酸が含まれる。
【0089】
塩基付加塩には、限定ではないが、水酸化アンモニウム、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩などの無機塩基、および、限定ではないが、エタノールアミン、トリエチルアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンなどの有機塩基から誘導されるものが含まれる。無機塩基の例には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウムなどが含まれる。
【0090】
本発明の化合物またはそれらの塩は、その置換基に応じて、修飾されて低級アルキルエステル類または既知の他のエステル類;および/または水和物または他の溶媒和物を形成し得る。これらのエステル類、水和物および溶媒和物は、本発明の範囲に包含される。
【0091】
本発明の化合物は、限定ではないが、通常および腸溶性被覆錠剤、カプセル剤、丸剤、粉末剤、顆粒剤、エリキシル剤、チンキ剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、固体および液体エアゾル剤、並びに乳剤などの経口形態で、投与し得る。それらは、限定ではないが、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内などの非経腸形態でも投与し得、このことは医薬分野の当業者に周知である。本発明の化合物は、適する鼻腔内媒体の局所使用により鼻腔内形態で、または、当業者に周知の経皮送達系を使用して経皮経路で、投与できる。
【0092】
本発明の化合物を使用する投薬法は、限定ではないが、年齢、体重、性別および受容者の健康状態、処置しようとする症状の重篤度、投与経路、受容者の代謝および排出機能のレベル、用いる投薬形、用いる特定の化合物およびその塩を含む様々な要因を考慮して、当業者により選択される。
【0093】
本発明の化合物は、好ましくは、投与に先立ち、1またはそれ以上の医薬的に許容し得る賦形剤と一緒に製剤化される。賦形剤は、限定ではないが、担体、希釈剤、着香剤、甘味料、潤滑剤、可溶化剤、懸濁化剤、結合剤、錠剤崩壊剤およびカプセル化材料などの不活性物質である。
【0094】
本発明のさらに他の実施態様は、本発明の化合物および1またはそれ以上の医薬的に許容し得る賦形剤を含む医薬製剤である。賦形剤は、製剤の他の成分に適合し、その受容者に有害ではないものである。本発明の医薬製剤は、治療的有効量の本発明の化合物を、1またはそれ以上の医薬的に許容し得る賦形剤と一緒に合わせることにより製造する。本発明の組成物の作成では、有効成分を希釈剤と混合するか、または、カプセル、小袋(sachet)、紙または他の容器の形態であり得る担体中に封入し得る。担体は、希釈剤として働き得、固体、半固体または媒体として作用する液体物質であってよく、または、錠剤、丸剤、粉末剤、トローチ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアゾル剤、例えば10重量%までの活性化合物を含有する軟膏、ソフトおよびハードゼラチンカプセル剤、坐剤、滅菌注射可能液剤および滅菌包装粉末剤の形態であり得る。
【0095】
経口投与のために、有効成分を、限定ではないが、ラクトース、デンプン、スクロース、グルコース、炭酸ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、メチルセルロースなどの経口用、非毒性、医薬的に許容し得る担体と;場合により、限定ではないが、トウモロコシ、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、キサンタンゴム、アルギン酸などの崩壊剤;および、場合により、例えば、限定ではないが、ゼラチン、天然糖、ベータ−ラクトース、トウモロコシ甘味料、天然および合成ゴム、アカシア、トラガカント、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、蝋などの結合剤;および、場合により、例えば、限定ではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸、オレイン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、タルクなどの潤滑剤と一緒に、合わせ得る。
【0096】
粉末形態では、担体は、細分された固体であり得、それは、細分された有効成分と混合される。有効成分を、結合特性を有する担体と適する割合で混合し、錠剤を製造するのに望ましい形と大きさに成形し得る。粉末剤および錠剤は、好ましくは、約1ないし約99重量パーセントの本発明の新規組成物である有効成分を含有する。適する固体担体は、マグネシウムカルボキシメチルセルロース、低融点蝋およびココアバターである。
【0097】
滅菌液体製剤には、懸濁剤、乳剤、シロップ剤およびエリキシル剤が含まれる。有効成分は、滅菌水、滅菌有機溶媒または滅菌水と滅菌有機溶媒の両方の混合物などの医薬的に許容し得る担体中に、溶解または懸濁させることができる。
【0098】
有効成分は、例えば、水性プロピレングリコールなどの適する有機溶媒に溶解させることもできる。他の組成物は、細分された有効成分を水性デンプンまたはナトリウムカルボキシメチルセルロース溶液または適する油に分散させることにより作成できる。
【0099】
製剤は、単位剤形であり得る。それは、ヒトまたは他の哺乳動物への投与に適する単位用量を含有する、物理的に分離した単位である。単位剤形は、1個のカプセル剤もしくは錠剤、または数個のカプセル剤もしくは錠剤であり得る。「単位用量」は、1またはそれ以上の賦形剤と共同して所望の治療効果を奏するように算出された、本発明の活性化合物の予め定められた量である。単位用量中の有効成分の量は、関係する特定の処置に従って、約0.1ないし約1000ミリグラムまたはそれ以上で変動し得るか、またはそれに合わせ得る。
【0100】
指定された効果のために使用されるとき、本発明の典型的な経口用量は、約0.01mg/kg/日ないし約100mg/kg/日、好ましくは、0.1mg/kg/日ないし30mg/kg/日、最も好ましくは、約0.5mg/kg/日ないし約10mg/kg/日の範囲にある。非経腸投与の場合、約0.001ないし100mg/kg/日、好ましくは、0.01mg/kg/日ないし1mg/kg/日の量を投与するのが有利であると一般的に明らかにされた。本発明の化合物は、一日量を一回で投与してもよく、または、総一日量を、一日に2回、3回、またはそれ以上の回数に分割した用量で投与してもよい。送達が経皮形態である場合、当然、投与は継続的である。
【0101】
実施例
本発明を実施例の形態で以下に詳細に記載するが、それらは決して本発明の境界および限界を定義するものと解釈されるべきではない。
下記実施例では、断りのない限り、全ての量的データは重量パーセントに関する。
【0102】
融点は無補正である。液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS)のデータは、Shimadzu Phenomenex ODS カラム(4.6mm X 30mm)を備えた Micromass Platform LC で記録し、アセトニトリル−水(9:1ないし1:9)の混合物を、流速1ml/分で流した。質量分析は、エレクトロスプレー(ES)イオン化法(micromass Platform LC)を使用して得た。TLCは、予め被覆したシリカゲルプレート(Merck silica gel 60 F-254) 上で実施した。シリカゲル(WAKO-gel C-200(75−150μm))を、全てのカラムクロマトグラフィー分離に使用した。全化学物質は試薬等級であり、Sigma-Aldrich、和光純薬株式会社、英国、東京化成工業株式会社、日本、ナカライテスク株式会社、渡辺化学工業株式会社、Maybridge plc、Lancaster Synthesis Ltd.、英国、Merck KgaA、ドイツ、Kanto Chemical Co., Ltd.から購入した。H NMRスペクトルは、Bruker DRX-300 (1Hに300 MHz) 分光計または Brucker 500 UltraShieled(商標)(1Hに500 MHz)のいずれかを使用して記録した。化学シフトを、テトラメチルシラン(TMS)をゼロppmでの内部標準として、百万分率(ppm)で報告する。結合定数(J)は、ヘルツで示し、略号s、d、t、q、mおよびbrは、各々、一重線、二重線、三重線、四重線、多重線および幅広(broad)を意味する。質量決定は、MAT95 (Finnigan MAT)により実施した。
【0103】
本化合物の効果を、以下のアッセイおよび薬理試験により調べた。
[HEL細胞への[H]−イロプロスト結合の測定](アッセイ1)
ヒト赤白血病細胞株HEL92.1.7は、American Type Culture Correction から購入し、10%ウシ胎児血清(FCS)、2mMグルタミン、4.5g/Lグルコース、10mM Hepes、1mMピルビン酸ナトリウム、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシンを添加したRPMI−1640培地(Gibco BRL)で、加湿5%CO雰囲気中、37℃で維持した。細胞を遠心分離により回収し、結合アッセイ緩衝液(BAB:50mM Tris−HCl、5mM MgCl(pH7.5))で洗浄した。細胞を6.25x10細胞/mlの密度でBABに懸濁し、100万個の細胞を含む細胞懸濁液のアリコート160μlを、96ウェルプレート(Falcon)のウェルに入れた。次いで、20μlの、1%DMSOを含むBABで希釈した化合物溶液、100μMイロプロスト(非特異的結合用)、または緩衝液単独(総結合)を添加した。最後に、別量の[H]−イロプロスト(0.02μCi、0.5−1pmol)含有BAB20μlを添加し、室温で30分間、穏やかに震盪しながらインキュベートした。次いで、GF/Cガラスフィルター(Millipore)を有するマルチスクリーンプレートのウェルに細胞懸濁液を移し、細胞を回収した。細胞を氷冷BAB200μlで2回洗浄し、プレートを55℃で30分間維持し、フィルターを乾燥させた。ウェル中のフィルターを、計測チューブに打ち出し、Ultima Gold XR (Packard) 2mlを添加した。フィルターの[H]−放射活性を、液体シンチレーションカウンター(Beckman, USA)で測定した。
【0104】
[HEL細胞におけるイロプロスト誘導cAMP産生アッセイ](アッセイ2)
HEL細胞を遠心分離により回収し、cAMPアッセイ緩衝液(CAB:ハンクス平衡塩溶液、17mM Hepes、0.1%ウシ血清アルブミン、1mM IBMX、0.4%DMSOおよび1mM L−アスコルビン酸ナトリウム塩(pH7.4))で洗浄した。細胞を2.5x10細胞/mlの密度でCABに懸濁し、細胞懸濁液アリコート80μl中の2万個の細胞を、96ウェルプレート(Falcon)のウェルに入れた。次いで、10μlの1%DMSOを含むCABで希釈した化合物溶液または緩衝液単独を添加した。プレートを37℃で30分間インキュベートした。次いで、別量の10μlの100nMイロプロスト含有CABまたは緩衝液単独を添加し、さらに37℃で30分間インキュベートした。ウェル中のcAMP含量をcAMP ELISAキット(Applied Biosystems, USA)で測定した。
【0105】
[麻酔ラットにおける周期的膀胱収縮の測定]
(1)動物
雌の Sprague-Dawley ラット(200〜250g/日本チャールズ・リバー)を使用した。
(2)麻酔ラットにおける周期的膀胱収縮
1.25g/kgのウレタン(Sigma)の腹腔内投与により、ラットを麻酔した。気管をポリエチレンチューブ(HIBIKI、8番)でカニューレ挿管し、呼吸を容易にした;試験化合物の静脈内投与のために、カニューレ(BECTON DICKINSON, PE-50)を左大腿静脈に設置した。正中切開により腹部を切開し、両尿管を切断した後、水を満たしたバルーン(容量約1ml)を、膀胱円蓋部の頂上を通して挿入した。バルーンを、ポリグラフの圧力変換器に接続した。膀胱内圧を約15cmHOに高めることにより、周期的膀胱収縮を誘起した。周期的膀胱収縮が安定した後、試験化合物を静脈内投与した。周期的膀胱収縮の消失時間および振幅を測定することにより、活性を評価した。膀胱収縮の振幅に対する効果を、消失が回復した後のその振幅のパーセント抑制として表現した。実験値を平均±S.E.M.として表現した。試験化合物が介在する周期的膀胱収縮の阻害を、スチューデントのt検定を使用して評価した。5%より小さい確率水準を、有意差と認めた。
【0106】
PGI2受容体結合/cAMPの結果を、下記の実施例および実施例の表に示す。データは、固相合成により得られたままの化合物に対応し、従って純度レベル約40ないし90%のものに対応する。実用的な理由から、化合物を以下の通りに3つの活性等級にグループ分けする:
インビトロ活性等級=A0.1μM<B1μM<C
本発明の化合物はまた、インビボアッセイにおいて、優れた選択性と強い活性を示す。
【0107】
出発化合物の製造方法
[出発化合物1A]
3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−メトキシカルボニル−3−オキソプロペン−1−オレエート
【化15】

【0108】
アセトン(80ml)中の4−ヒドロキシアセトフェノン(13.3g、97.7mmol)および塩化ベンジル(14.8g、13.5ml、117.2mmol)、ヨウ化ナトリウム(19.0g、127.0mmol)および炭酸カリウム(20.2g、146.5mmol)の混合物を、還流下で5時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した後、残渣を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。分離した有機相を1N HCl、1N NaOHおよび塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチルから再結晶化し、1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン(15.3g、69%)を無色固体として得た。
【0109】
次に、トルエン(20mL)中の水素化ナトリウム(0.707g、油中60%、17.7mmol)の懸濁液に、蓚酸ジメチルエステル(1.566g、13.26mmol)、続いて1−(4−ベンジルオキシフェニル)エタノン(2.000g、8.839mmol)を添加した。混合物を60℃で3時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を水(30mL)で希釈した。得られた沈殿を濾過により回収し、水および酢酸エチルで数回洗浄し、減圧下で乾燥させ、ナトリウム3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−メトキシカルボニル−3−オキソプロペン−1−オレエート(3.050g、定量的)を、淡黄色固体として得た。
【0110】
実施例1−1:
5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル
【化16】

ナトリウム3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−メトキシカルボニル−3−オキソプロペン−1−オレエート(出発化合物1A)(0.500g、1.496mmol)、ヒドラジン一塩酸塩(0.330g、4.82mmol)およびメタノール(15mL)の混合物を、還流で1時間加熱した。室温に冷却後、混合物を水(15mL)で希釈した。得られた沈殿を濾過により回収し、50%メタノール/水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(0.324g、70%)を無色固体として得た。
【0111】
リチウム5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート
【化17】

メタノール(1.5mL)、水(1.5mL)およびTHF(3mL)中の5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボン酸メチルエステル(0.310g、1.01mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.118g、2.81mmol)を添加した。15分後、混合物を60℃で3時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を水(10mL)で希釈した。得られた沈殿を濾過により回収し、エーテルおよび水で連続的に洗浄し、減圧下で乾燥させ、リチウム5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(0.191g、63%)を無色固体として得た。
【0112】
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化18】

リチウム5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボキシレート(0.080g、0.266mmol)、フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.069g、0.320mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.054g、0.400mmol)、トリエチルアミン(0.045ml、0.320mmol)およびDMF(3mL)の混合物に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.077g、0.400mmol)を添加し、撹拌を終夜継続した。混合物を水(10mL)で希釈した。得られた沈殿を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.109g、90%)を無色固体として得た。
【0113】
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸
【化19】

メタノール(1mL)、水(1mL)およびTHF(2mL)中の2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.084g、0.184mmol)の溶液に、水酸化リチウム一水和物(0.022g、0.524mmol)を添加し、撹拌を2時間継続した。反応混合物を水(10mL)で希釈し、エーテルで洗浄した。分離した水相を、1N HClの添加によりpH2に酸性化した。混合物を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をエタノールおよびジイソプロピルエーテルから再結晶化し、2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸(0.060g、77%)を無色固体として得た。
融点:196−200℃
分子量:441.49
質量分析:442(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.13 (1H, br), 3.19 (1H, dd, J = 4.9, 13.7 Hz), 4.65 (1H, dd, J = 8.2, 13.7 Hz), 5.15 (2H, s), 6.96 (1H, br), 7.09 (1H, d, J = 8.7 Hz), 7.18 (1H, ddd, J = 4.4, 8.7, 8.8 Hz), 7.26 (4H, d, J = 4.4 Hz), 7.34 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.40 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.46 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.70 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.98 (1H, br), 12.94 (1H, br), 13.47 (1H, br).
【0114】
実施例1−2:
5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボン酸メチルエステル
【化20】

ナトリウム3−(4−ベンジルオキシフェニル)−1−メトキシカルボニル−3−オキソプロペン−1−オレエート(出発化合物1A)(0.500g、1.496mmol)、ヒドロキシアンモニウムクロリド(0.520g、7.478mmol)およびメタノール(15mL)の混合物を還流で5時間撹拌した。混合物を室温に放冷した後、針状結晶が形成された。混合物を水(約3mL)で希釈し、さらに1時間おいた。結晶を濾過により回収し、メタノールおよび水で洗浄し、真空で乾燥させ、5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボン酸メチルエステル(0.090g、20%)を白色針状物として得た。
【0115】
5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボン酸
【化21】

メタノール(1mL)、水(1mL)およびTHF(2mL)中の5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボン酸メチルエステル(0.080g、0.26mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(0.019g、0.45mmol)を添加し、撹拌を1.5時間継続した。混合物を水で希釈し、エーテルで洗浄し、1N HCl(0.5mL)の添加によりpH1に酸性化した。混合物を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボン酸(0.076g、定量的)を白色固体として得た。
【0116】
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化22】

5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボン酸(0.070g、0.24mmol)、フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.061g、0.28mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.048g、0.36mmol)、トリエチルアミン(0.040ml、0.28mmol)およびDMF(3mL)の混合物に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.068g、0.36mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌し、次いで水で希釈した。得られた沈殿を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をシリカ−ゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、3:1)により精製し、2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.100g、92%)を白色固体として得た。
【0117】
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸
【化23】

メタノール(1.5mL)、水(1.5mL)およびTHF(3mL)中の2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.095g、0.21mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(0.019、0.45mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を1N HCl(0.5mL)で酸性化した。得られた結晶を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸(0.084g、91%)を白色固体として得た。
融点:172−173℃
分子量:442.47
質量分析:443(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.12 (1H, dd, J = 9.9, 14.0 Hz), 3.20 (1H, dd, J = 4.6, 14.0 Hz), 4.62 - 4.67 (1H, m), 5.19 (2H, s), 7.15 - 7.21 (4H, m), 7.25 - 7.28 (4H, m), 7.34 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.41 (2H, t, J = 7.0 Hz), 7.46 (2H, d, J = 7.0 Hz), 7.85 (2H, d, J = 8.8 Hz), 8.85 (1H, d, J = 8.2 Hz), 12.93 (1H, br).
【0118】
実施例2−1:
5−トリブチルスタンナニルチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
【化24】

THF(100mL)中のメチルチオフェン−2−カルボキシレート(10.00g、70.34mmol)の撹拌溶液に、−78℃で、アルゴン雰囲気下、へプタン/THF/エチルベンゼン中の2Mリチウムジイソプロピルアミンの溶液(42.0ml、84.0mmol)を滴下して添加した。1時間後、塩化トリブチルスズ(21.0ml、77.4mmol)を滴下して添加した。−78℃でさらに2時間撹拌した後、混合物を室温に温まらせ、撹拌を終夜継続した。得られた混合物を1N HClによりクエンチし、酢酸エチルで抽出した。有機相を水で2回洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカ−ゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、30:1)により精製し、5−トリブチルスタンナニルチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(8.40g、28%)をわずかに黄色の油状物として得た。
【0119】
5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル
【化25】

4−ベンジルオキシブロモベンゼン(0.500g、1.90mmol)、5−トリブチルスタンナニルチオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(出発化合物2A)(0.819g、1.90mmol)およびDMF(10mL)の混合物に、アルゴン雰囲気下、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.027g、0.038mmol)を添加した。混合物を100℃で終夜撹拌した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルと飽和水性重炭酸ナトリウム溶液とに分配した。分離した有機相を水および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、15:1)により残渣を精製し、5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(0.188g、31%)を白色固体として得た。
【0120】
5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸
【化26】

メタノール(2mL)、水(2mL)およびTHF(2mL)中の5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸メチルエステル(0.125g、0.385mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(0.028g、0.67mmol)を添加し、混合物を60℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を水で希釈し、エーテルで洗浄した。分離した水相を1N HCl(1mL)で酸性化した。得られた沈殿を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸(0.089g、74%)を淡黄色固体として得た。
【0121】
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル
【化27】

5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボン酸(0.085g、0.27mmol)、フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.089g、0.41mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.074g、0.55mmol)、トリエチルアミン(0.057ml、0.41mmol)およびDMF(3mL)の混合物に、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N'−エチルカルボジイミド塩酸塩(0.079g、0.41mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を水(約3mL)で希釈した。得られた結晶を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させた。粗生成物をシリカゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、2:1)により精製し、2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル(0.114g、88%)を白色固体として得た。
【0122】
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸
【化28】

メタノール(1mL)、水(1mL)およびTHF(1mL)中の2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル(0.085g、0.18mmol)の懸濁液に、水酸化リチウム一水和物(0.013g、0.31mmol)を添加し、混合物を室温で1時間撹拌した。混合物を水で希釈し、エーテルで洗浄した。分離した水相を1N HCl(0.5mL)で酸性化した。得られた結晶を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸(0.074g、90%)を白色固体として得た。
融点:215−216℃
分子量:457.55
質量分析:458(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.04 (1H, dd, J = 10.7, 13.9 Hz), 3.18 (1H, dd, J = 4.4, 13.9 Hz), 4.57 (1H, ddd, J = 2.2, 4.4, 8.2 Hz), 5.15 (2H, s), 7.07 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.18 (1H, dd, J = 6.9, 7.3 Hz), 7.25 - 7.35 (5H, m), 7.38 - 7.41 (3H, m), 7.45 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.61 (2H, d, J = 8.8 Hz), 7.77 (1H, d, J = 3.8 Hz), 8.69 (1H, d, J = 8.2 Hz), 12.81 (1H, br).
【0123】
実施例3−1:
4'−ベンジルオキシ−ビフェニル−4−カルボン酸ベンジルエステル
【化29】

4'−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸(1.000g、4.668mmol)、臭化ベンジル(1.680g、9.822mmol)、ヨウ化ナトリウム(0.140mg、0.934mmol)およびDMF(5mL)の混合物に、炭酸カリウム(1.420g、10.27mmol)を添加し、混合物を80℃で終夜撹拌した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈した。有機相を飽和水性塩化アンモニウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボン酸ベンジルエステル(1.130g、61%)を白色粉末として得た。
【0124】
4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボン酸
【化30】

4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボン酸ベンジルエステル(0.500g、1.27mmol)およびテトラヒドロフランの混合物に、1N水酸化ナトリウム水性溶液(5.00ml、5.00mmol)を添加し、混合物を還流で終夜撹拌した。室温に冷却後、沈殿を濾過により回収した。固体を水(10mL)に懸濁し、1N HCl水性溶液(10.00ml、10.00mmol)により酸性化した。懸濁液を濾過し、水で洗浄した。回収した固体を減圧下で乾燥させ、4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボン酸(0.251g、65%)を白色固体として得た。
【0125】
2−[(4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化31】

4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボン酸(0.312g、1.03mmol)、フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.184mg、1.03mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.196g、1.03mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.139g、1.03mmol)、DMF(5.0mL)およびジクロロメタン(5.0mL)の混合物に、トリエチルアミン(0.104g、1.03mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を飽和水性塩化アンモニウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチルおよびヘキサンからの再結晶化により精製し、2−[(4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.344g、72%)を白色固体として得た。
【0126】
2−[(4'−ベンジルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−3−フェニル−プロピオン酸
【化32】

エタノール(5.0mL)、水(2.5mL)およびテトラヒドロフラン(5.0mL)中の2−[(4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.344g、0.739mmol)の溶液に、水酸化リチウム(0.053g、2.2mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。沈殿を濾過により回収し、水で洗浄した。固体を1N HCl水性溶液(2.00ml、2.00mmol)に懸濁し、フィルターで濾過した。固体を水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、2−[(4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸(0.271g、81%)を白色固体として得た。
融点:302℃
分子量:451.52
質量分析:452(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.09 (1H, dd, J = 7.7, 13.4 Hz), 3.22 (1H, dd, J = 4.7, 13.2 Hz), 4.37 (1H, m), 5.16 (2H, s), 7.10-7.13 (3H, m), 7.18-7.24 (4H, m), 7.32-7.35 (1H, m), 7.39-7.42 (2H, m), 7.47 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.65-7.69 (4H, m), 7.78 (2H, d, J = 8.2 Hz), 8.14 (1H, br s).
【0127】
実施例4−1:
2−[(6−クロロピリジン−3−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化33】

フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.300g、1.39mmol)、6−クロロニコチン酸(0.241g、1.53mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.319g、1.67mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.226g、1.67mmol)およびジクロロメタン(10.0mL)の混合物に、トリエチルアミン(0.211g、2.09mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を飽和水性塩化アンモニウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をシリカ−ゲルのカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:エタノール、40:1)により精製し、2−[(6−クロロピリジン−3−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.468g、定量的)を淡黄色油状物として得た。
【0128】
2−{[6−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリジン−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化34】

2−[(6−クロロピリジン−3−カルボニル)アミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル(0.101g、0.317mmol)、4−(ベンジルオキシ)フェニルボロン酸(0.079g、0.349mmol)および1,2−ジメトキシエタン(2.0mL)の混合物に、1.9N水性炭酸ナトリウム溶液(0.500ml、0.950mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.055g、0.048mmol)を添加した。混合物を90℃で4時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLC(クロロホルム:エタノール、40:1)により精製し、2−{[6−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.0065g、4%)を白色固体として得た。
【0129】
2−{[6−(4−ベンジルオキシ−フェニル)−ピリジン−3−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸
【化35】

エタノール(0.250mL)、水(0.500mL)およびテトラヒドロフラン(0.500mL)中の2−{[6−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリジン−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.0065g、0.014mmol)の溶液に、1N水性水酸化リチウム溶液(0.160ml、0.160mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を1N水性HCl溶液により酸性化した。沈殿を濾過により回収し、水で洗浄した。固体を減圧下で乾燥させた。固体を酢酸エチルに懸濁し、濾過し、減圧下で乾燥させ、2−{[6−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリジン−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸(0.0023mg、37%)を白色固体として得た。
融点:240℃
分子量:452.51
質量分析:453(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, MeOD-d4): δ 3.10-3.14 (1H, m), 3.31-3.38 (1H, m), 4.82-4.90 (1H, m), 5.16 (2H, s), 7.10-7.12 (2H, m), 7.18-7.22 (1H, m), 7.28-7.33 (5H, m), 7.36-7.39 (2H, m), 7.45 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.85 (1H, d, J = 8.5 Hz), 7.97-7.99 (2H, m), 8.12 (1H, dd, J = 2.3, 8.5 Hz), 8.67 (1H, s).
【0130】
実施例5−1:
2−ベンジルオキシ−5−ブロモ−ピリミジン
【化36】

ベンジルアルコール(0.123g、1.14mmol)およびテトラヒドロフラン(12.0mL)の混合物に、水素化ナトリウム(60%油懸濁液、0.050g、1.2mmol)を少しずつ添加した。10分後、5−ブロモ−2−クロロピリミジン(0.200g、1.034mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮し、2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリミジン(0.269g、98%)を白色固体として得た。
【0131】
4−[N−(1−メトキシカルボニル−2−フェニルエチル)カルバモイル]フェニルボロン酸
【化37】

フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(1.090g、5.053mmol)、4−カルボキシフェニルボロン酸(0.840g、5.05mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(0.970g、5.05mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.680g、5.05mmol)およびジクロロメタン(20.0mL)の混合物に、トリエチルアミン(0.560g、5.53mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を飽和水性塩化アンモニウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチル:ヘキサンから2回再結晶化して精製し、4−[N−(1−メトキシカルボニル−2−フェニルエチル)カルバモイル]フェニルボロン酸(0.710g、43%)を白色固体として得た。
【0132】
2−[4−(2−ベンジルオキシ−ピリミジン−5−イル)−ベンゾイルアミノ]−3−フェニル−プロピオン酸メチルエステル
【化38】

4−[N−(1−メトキシカルボニル−2−フェニルエチル)カルバモイル]フェニルボロン酸(0.100g、0.306mmol)、2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリミジン(0.081g、0.31mmol)および1,2−ジメトキシエタン(2mL)の混合物に、1.8N炭酸ナトリウム水性溶液(0.500ml、0.917mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.036g、0.031mmol)を添加した。混合物を90℃で1時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をメタノールに懸濁し、濾過により回収し、メタノールで洗浄し、減圧下で乾燥させ、2−[4−(2−ベンジルオキシピリミジン−5−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.039g、27%)を白色固体として得た。
【0133】
2−[4−(2−ベンジルオキシピリミジン−5−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸
【化39】

エタノール(0.500mL)、水(1.00mL)およびテトラヒドロフラン(1.00mL)中の2−[4−(2−ベンジルオキシピリミジン−5−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.039g、0.082mmol)の溶液に、1N水性水酸化リチウム溶液(0.250ml、0.250mmol)を添加し、混合物を室温で2時間撹拌した。混合物を酢酸エチルと1N水性HCl溶液とに分配した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。酢酸エチルおよびヘキサンからの再結晶化により残渣を精製し、2−[4−(2−ベンジルオキシピリミジン−5−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸(0.012g、33%)を白色固体として得た。
融点:184℃
分子量:453.5
質量分析:454(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.06-3.11 (1H, m), 3.21 (1H, dd, J = 4.2, 13.6 Hz), 4.62-4.67 (1H, m), 5.47 (2H, s), 7.17-7.20 (1H, m), 7.27 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.32-7.36 (3H, m), 7.41 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.48 (2H, d, J = 7.6 Hz), 7.84 (2H, d, J = 8.2 Hz), 7.91 (2H, d, J = 7.9 Hz), 8.76 (1H, d, J = 8.2 Hz), 9.02 (2H, s)
【0134】
実施例6−1:
2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリジン
【化40】

トルエン(200mL)中の2,5−ジブロモピリジン(20.0g、84.4mmol)、ジベンゾ−18−クラウン−6(1.5g、4.2mmol)、ベンジルアルコール(11.9g、11.4ml、109.8mmol)およびKOH(11.4g、202.6mmol)の混合物を、ディーン・スタークで1.5時間還流した。溶媒を減圧下で除去した後、残渣を水で希釈し、クロロホルムで抽出した。分離した有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗製油状物をシリカ−ゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、98:2)により、続いてヘキサンからの再結晶化により精製し、2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリジン(20.6g、92%)を無色固体として得た。
【0135】
2−ベンジルオキシ−5−トリブチルスタンナニルピリジン
【化41】

エーテル(200mL)中の2−ベンジルオキシ−5−ブロモピリジン(10.0g、37.9mmol)の冷却(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(n−ヘキサン中1.56M、29.1ml、45.4mmol)を添加した。30分後、Bu3SnClを添加し、反応混合物を−78℃でさらに1時間撹拌し、水性フッ化カリウム溶液でクエンチした。溶液をエーテルで抽出した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカ−ゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、98:2)により精製し、2−ベンジルオキシ−5−トリブチルスタンナニルピリジン(15.4g、86%)を無色油状物として得た。
【0136】
4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル
【化42】

DMF(10mL)中のメチル4−ブロモベンゾエート(0.5g、2.3mmol)、2−ベンジルオキシ−5−トリブチルスタンナニルピリジン(1.0g、2.1mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.15g、0.13mmol)の混合物を、100℃で終夜加熱した。室温に冷却後、反応混合物を水性フッ化カリウム溶液でクエンチし、3時間室温で撹拌した。得られた沈殿を濾過により除去し、濾液を酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をヘキサンから再結晶化し、4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル(76mg、11%)を無色固体として得た。
【0137】
4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)安息香酸
【化43】

メタノール(2mL)中の4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)安息香酸メチルエステル(0.075g、0.23mmol)の溶液に、1M NaOH水性溶液(0.5mL)を室温で添加し、反応混合物を90℃で1時間加熱した。溶液を水で希釈し、1N HCl溶液により酸性化し、酢酸エチルで抽出した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物をイソプロパノールから再結晶化し、4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)安息香酸(0.048g、68%)を無色固体として得た。
【0138】
2−[4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化44】

DMF(2mL)中の4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)安息香酸(0.045g、0.15mmol)、フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(0.038g、0.18mmol)およびトリエチルアミン(0.051ml、0.37mmol)の溶液に、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ピロリジン)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(0.092g、0.18mmol)を添加し、撹拌を終夜継続した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を飽和炭酸ナトリウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカ−ゲルのカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル、80:20)により精製し、2−[4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.064g、93%)を無色油状物として得た。
【0139】
ナトリウム2−[4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオネート
【化45】

メタノール(5mL)中の2−[4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.062g、0.13mmol)および1M NaOH水性溶液(2mL)の混合物を、室温で終夜撹拌した。得られた沈殿を濾過により回収し、エーテルで洗浄し、メタノールから再結晶化し、ナトリウム2−[4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオネート(0.053g、84%)を無色固体として得た。
融点:240−242℃
分子量:474.49
質量分析:453(M−Na+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.08 (1H, dd, J = 5.4, 13.0 Hz), 3.21 (1H, dd, J = 5.0, 13.0 Hz), 4.10 (1H, q, J = 5.4 Hz), 5.41 (2H, s), 6.99 (1H, d, J = 8.2 Hz), 7.08 (1H, m), 7.14 (4H, m), 7.33 (1H, t, J = 7.3 Hz), 7.39 (2H, t, J = 7.3 Hz), 7.47 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.74 (4H, s), 7.79 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.08 (1H, dd, J = 2.5, 8.5 Hz), 8.54 (1H, d, J = 2.5 Hz)
【0140】
実施例7−1:
2−(4−ヨードベンゾイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化46】

フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(1.000g、4.636mmol)、4−ヨード塩化ベンジル(1.300g、4.879mmol)およびDMF(25.0mL)の混合物に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.900g、6.96mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を酢酸エチルで希釈した。有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチルおよびヘキサンから2回再結晶化して精製し、2−(4−ヨードベンゾイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(1.190g、63%)を白色固体として得た。
【0141】
2−[(4'−ベンジルオキシ−3'−フルオロビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化47】

2−(4−ヨードベンゾイルアミノ)−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.070g、0.17mmol)、4−(ベンジルオキシ)−3−フルオロフェニルボロン酸(0.042g、0.17mmol)および1,2−ジメトキシエタン(1.0mL)の混合物に、2.1N炭酸ナトリウム水性溶液(0.250ml、0.513mmol)、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.020g、0.017mmol)を添加した。混合物を90℃で終夜撹拌した。室温に冷却後、混合物を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を分取TLC(クロロホルム:エタノール、60:1)により精製し、2−[(4'−ベンジルオキシ−3'−フルオロビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.045g、54%)を白色固体として得た。
【0142】
2−[(4'−ベンジルオキシ−3'−フルオロビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸
【化48】

エタノール(0.50mL)、水(1.0mL)およびテトラヒドロフラン(1.0mL)中の2−[(4'−ベンジルオキシ−3'−フルオロビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.045g、0.092mmol)の溶液に、1N水酸化リチウム水性溶液(0.280ml、0.280mmol)を添加し、混合物を室温で3時間撹拌した。混合物を1N HCl水性溶液により酸性化した。沈殿を濾過により回収し、水で洗浄した。固体を酢酸エチルおよびヘキサンからの再結晶化により精製し、2−[(4'−ベンジルオキシ−3'−フルオロビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸(0.025mg、57%)を白色固体として得た。
融点:215℃
分子量:469.51
質量分析:470(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 3.09 (1H, dd, J = 11.0, 13.7 Hz), 3.19 (1H, dd, J = 4.4, 13.9 Hz), 4.60-4.65 (1H, m), 5.25 (2H, s), 7.17-7.19 (1H, m), 7.25-7.28 (2H, m), 7.32-7.37 (4H, m), 7.41-7.44 (2H, m), 7.48 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.52-7.54 (1H, m), 7.67 (1H, dd, J = 2.2, 12.6 Hz), 7.76 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.86 (2H, d, J = 8.2 Hz), 8.75 (1H, d, J = 8.2 Hz), 12.80 (1H, s)
【0143】
実施例8−1:
2−[(4'−ヒドロキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル
【化49】

フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(1.980g、9.180mmol)、4'−ヒドロキシビフェニル−4−カルボン酸(2.560g、11.95mmol)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(2.280g、11.93mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.610g、11.91mmol)およびジクロロメタン(50.0mL)の混合物に、トリエチルアミン(1.210g、11.96mmol)を添加し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を酢酸エチルと水とに分配した。分離した有機相を水性飽和塩化アンモニウム溶液および塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を酢酸エチルおよびヘキサンから2回再結晶化して精製し、2−[(4'−ヒドロキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(3.090g、90%)を白色固体として得る。
【0144】
2−{[4'−(3−メチルベンジルオキシ)ビフェニル−4−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸
【化50】

2−[(4'−ヒドロキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸メチルエステル(0.030g、0.080mmol)、3−メチル臭化ベンジル(0.015g、0.080mmol)およびDMF(1.2mL)の混合物に、ポリスチレン上の2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル−ペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(0.110g、0.240mmol)を添加し、混合物を80℃で終夜撹拌した。室温に冷却後、混合物を減圧下で濃縮した。残渣を分取TLC(クロロホルム:エタノール、40:1)により精製し、2−{[4'−(3−メチルベンジルオキシ)ビフェニル−4−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸メチルエステルを白色固体として得た。
【0145】
その固体をエタノール(0.250mL)、水(0.500mL)およびテトラヒドロフラン(0.500mL)に溶解し、1N水酸化リチウム水性溶液(0.160ml、0.160mmol)を混合物に添加し、次いで室温で3時間撹拌した。混合物を1N HCl水性溶液により酸性化した。得られた沈殿を濾過により回収し、水で洗浄し、減圧下で乾燥させ、2−{[4'−(3−メチルベンジルオキシ)ビフェニル−4−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸(0.005g、13%)を白色固体として得た。
融点:204℃
分子量:465.5
質量分析:466(M+H)
インビトロ活性等級:A
1H-NMR (500 MHz, DMSO-d6): δ 2.32 (3H, s), 3.09 (1H, dd, J = 10.7, 13.9 Hz), 3.20 (1H, dd, J = 4.4, 13.9 Hz), 4.61-4.66 (1H, m), 5.12 (2H, s), 7.10-7.12 (2H, m), 7.13-7.18 (2H, m), 7.25-7.29 (5H, m), 7.32 (2H, d, J = 7.3 Hz), 7.66-7.68 (2H, m), 7.70 (2H, d, J = 8.5 Hz), 7.86 (2H, d, J = 8.5 Hz), 8.29 (1H, d, J = 8.2 Hz), 12.74 (1H, s)
【0146】
【表1】

【0147】
【表2】

【0148】
【表3】

【0149】
【表4】

【0150】
【表5】

【0151】
【表6】

【0152】
【表7】

【0153】
【表8】

【0154】
【表9】

【0155】
実施例8−1と同様の合成操作に従い、表8の化合物を製造した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩:
【化1】

式中、
ArおよびArは、独立して、フェニル、またはO、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲンおよび(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
は、−OR11、−SR11、−SOR11、−SO11、−NR1213、−CHR1415、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されている)、(C1−6)アルコキシ(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されている)、アリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレン、または、ヘテロアリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する、3員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表し{ここで、該0個ないし3個のヘテロ原子を有する3員ないし10員の飽和または不飽和環、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある};
12およびR13は、独立して、水素、(C1−6)アルキル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
12およびR13は、窒素原子と一緒になって、OまたはNHにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和複素環式環を形成し;
14およびR15は、独立して、水素、アリール、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(C1−6)アルキル(アリール、ヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
14およびR15は、CHと一緒になって、NHまたはOにより中断されていることもある3員ないし8員の飽和環、またはフェニル(ヒドロキシ、ハロゲンまたは(C1−6)アルキルにより置換されていることもある)を形成する];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、または、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該アリールおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、O、NおよびSの群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ハロゲン、シアノ、または、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し;そして、
は、カルボキシまたはテトラゾリルを表す。
【請求項2】
式中、
ArおよびArが、独立して、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、チエニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピロリル、イミダゾリルまたはピラゾリルを表し;
が、−OR11、−SR11、−SOR11、−SO11、−NR1213、−CHR1415、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、アリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレン、または、ヘテロアリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する、3員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表し{ここで、該0個ないし3個のヘテロ原子を有する3員ないし10員の飽和または不飽和環、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある};
12およびR13は、独立して、水素、(C1−6)アルキル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
12およびR13は、窒素原子と一緒になって、OまたはNHにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和複素環式環を形成し;
14およびR15は、独立して、水素、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(C1−6)アルキル(アリール、ヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
14およびR15は、CHと一緒になって、NHまたはOにより中断されていることもある3員ないし8員の飽和環、またはフェニル(ヒドロキシ、ハロゲンまたは(C1−6)アルキルにより置換されていることもある)を形成する];
が、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、または、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該アリールおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または、(C1−6)アルキル(ヒドロキシまたはモノ−、ジ−もしくはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニルおよびO、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ハロゲン、シアノ、または、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し;そして、
は、カルボキシまたはテトラゾリルを表す、
請求項1に記載の式(I)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項3】
式(I−i)により表される、請求項1に記載のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩:
【化2】

式中、
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQは、独立して、CH、CRまたはNを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
は、−OR11、−SR11、−SOR11、−SO11、−NR1213または−CHR1415、アリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレン、または、ヘテロアリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表し{ここで、該5員ないし10員の飽和または不飽和環、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある};
12およびR13は、独立して、水素、(C1−6)アルキル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
12およびR13は、窒素原子と一緒になって、OまたはNHにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和複素環式環を形成し;
14およびR15は、独立して、水素、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(C1−6)アルキル(アリール、ヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
14およびR15は、CHと一緒になって、NHまたはOにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和環、またはフェニル(ヒドロキシ、ハロゲンまたは(C1−6)アルキルにより置換されていることもある)を形成する];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、またはO、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよびヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、または、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環を表し
[ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSからなる群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素、ハロゲン、シアノ、または、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し;そして、
は、カルボキシまたはテトラゾリルを表す。
【請求項4】
式中、
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が−OR11を表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし7員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)を表す{ここで、該5員ないし7員の飽和または不飽和環は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項5】
式中、
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が−OR11を表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)を表す{ここで、該5員ないし10員の飽和または不飽和環は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項6】
式中、
およびQが、独立してCHまたはNを表し;
、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が−OR11を表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する5員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)を表す{ここで、該5員ないし10員の飽和または不飽和環は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項7】
式中、
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、アリール(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C3−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項8】
式中、
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、アリール(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキルを表し
[ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C3−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、または塩。
【請求項9】
式中、
およびQが、独立してCHまたはNを表し;
、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、アリール(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキルを表し
[ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C3−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項10】
式中、
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が、アリール(C1−6)アルコキシ、ヘテロアリール(C1−6)アルコキシ、(C5−7)シクロアルキル(C1−6)アルコキシ、アリール(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはアリールオキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該アリール、ヘテロアリール、(C5−7)シクロアルキル、および該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、または、フェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項11】
式中、
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項12】
式中、
がNを表し;
、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、または塩。
【請求項13】
式中、
およびQが、独立してCHまたはNを表し;
、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項14】
式中、
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、ハロゲンまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキル、またはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項15】
式中、
、Q、Q、Q、Q、Q、QおよびQが、独立してCHまたはCRを表し
[ここで、Rは、フルオロ、クロロ、ブロモまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表す];
が、(C1−4)アルコキシ(フェニル、シクロヘキシル、ピロリルまたはピペリジノにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該フェニルは、フルオロ、クロロ、ブロモ、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、(C5−7)シクロアルキルまたはフェニルを表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項3に記載の式(I−i)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項16】
式(I−ii)により表される、請求項1に記載のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩:
【化3】

式中、
、Q、Q、Q、QおよびQ10は、独立してCHまたはNを表し;
11は、CH、S、NHまたはOを表し;
は、−OR11、−SR11、−SOR11、−SO11、−NR1213、−CHR1415、アリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレン、またはヘテロアリール置換(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、R11は、(C1−6)アルキル(S、OおよびNからなる群から選択される0個ないし3個のヘテロ原子を有する3員ないし10員の飽和または不飽和環により置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表し{ここで、該3員ないし10員の飽和または不飽和環、アリールおよびヘテロアリールは、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、ヘテロアリール、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある};
12およびR13は、独立して、水素、(C1−6)アルキル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか、または、
12およびR13は、窒素原子と一緒になって、OまたはNHにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和複素環式環を形成し;
14およびR15は、独立して、水素、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(C1−6)アルキル(アリール、ヘテロアリール、アリールオキシまたはヘテロアリールオキシにより置換されていることもある)、(C2−6)アルケニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)、または、(C2−6)アルキニル(アリールまたはヘテロアリールにより置換されていることもある)を表すか{ここで、該アリールおよび該アリールオキシのアリール部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}、または、
14およびR15は、CHと一緒になって、NHまたはOにより中断されていることもある5員ないし7員の飽和環、または、フェニル(ヒドロキシ、ハロゲンまたは(C1−6)アルキルにより置換されていることもある)を形成する];
は、水素、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、(C1−6)アルコキシ、(C2−6)アルケニル、(C2−6)アルキニル、(C3−7)シクロアルキル、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、アリール、O、NおよびSの群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環、または、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し
[ここで、該アリールおよび5員または6員のヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、フェニル、および、O、NおよびSの群から選択される1個ないし4個のヘテロ原子を含有する5員または6員のヘテロ芳香環からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある{ここで、該フェニルおよびヘテロ芳香環は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C1−6)アルキル、(C1−6)アルコキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノおよびN,N−ジ(C1−6)アルキルアミノからなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある}];
は、水素を表し;
は、水素を表し;
は、水素、ヒドロキシ、シアノまたは(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)を表し;そして、
は、カルボキシまたはテトラゾリルを表す。
【請求項17】
式中、
、Q、Q、QおよびQが、CHを表し;
10がCHまたはNを表し;
11がCH、NHまたはOを表し;
が、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)、および、(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
が、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキルまたはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;
が、水素を表し;そして、
が、カルボキシを表す、
請求項16に記載の式(I−ii)のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項18】
式(I−iii)により表される、請求項1に記載のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩:
【化4】

式中、
、Q、Q、Q、Q13およびQ14はCHを表し;
12は、CH、NH、OまたはSを表し;
は、フェニル(C1−6)アルコキシ、フェニル(C1−6)アルコキシ(C1−6)アルキレンまたはフェノキシ(C1−6)アルキレンを表し
[ここで、該フェニルおよび該フェノキシのフェニル部分は、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノ、(C1−6)アルキル(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)および(C1−6)アルコキシ(モノ−、ジ−またはトリ−ハロゲンにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある];
は、ハロゲン、ヒドロキシ、(C5−7)シクロアルキルまたはフェニル(ハロゲン、ヒドロキシ、アミノ、N−(C1−6)アルキルアミノ、N,N−ジ(C1−6)アルキルアミノおよびフェニル(ハロゲン、ヒドロキシまたはアミノにより置換されていることもある)からなる群から選択される1個ないし3個の置換基を有することもある)を表し;
は、水素を表し;
は、水素を表し;
は、水素を表し;そして、
は、カルボキシを表す。
【請求項19】
該誘導体が、以下の化合物:
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)−1H−ピラゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)イソオキサゾール−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[5−(4−ベンジルオキシフェニル)チオフェン−2−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−[(4'−ベンジルオキシビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[6−(4−ベンジルオキシフェニル)ピリジン−3−カルボニル]アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−[4−(2−ベンジルオキシピリミジン−5−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−[4−(6−ベンジルオキシピリジン−3−イル)ベンゾイルアミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−[(4'−ベンジルオキシ−3'−フルオロビフェニル−4−カルボニル)アミノ]−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[4'−(3−メチルベンジルオキシ)ビフェニル−4−カルボニル]アミノ}−3−フェニルプロピオン酸;
2−{[4'−(2−フルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−フルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(4−フルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2,6−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2,3−ジクロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−メトキシ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2−クロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2,4−ジフルオロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−クロロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3,5−ジメトキシ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(2−メチル−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−{[4'−(3−ニトロ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸;
2−[(4'−フェネチルオキシ−ビフェニル−4−カルボニル)−アミノ]−3−フェニル−プロピオン酸;および、
2−{[4'−(3−アミノ−ベンジルオキシ)−ビフェニル−4−カルボニル]−アミノ}−3−フェニル−プロピオン酸
からなる群から選択される、請求項1に記載のアリールまたはヘテロアリールアミドアルカン誘導体、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの塩。
【請求項20】
請求項1に記載の化合物、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの生理的に許容し得る塩を有効成分として含む、医薬。
【請求項21】
1またはそれ以上の医薬的に許容し得る賦形剤をさらに含む、請求項20に記載の医薬。
【請求項22】
該化合物、その互変体もしくは立体異性体、またはそれらの生理的に許容し得る塩が、PGI2アンタゴニストである、請求項20に記載の医薬。
【請求項23】
泌尿器系障害または疾患の予防および/または処置のための、請求項20に記載の医薬。
【請求項24】
疼痛の予防および/または処置のための、請求項20に記載の医薬。
【請求項25】
低血圧の予防および/または処置のための、請求項20に記載の医薬。
【請求項26】
血友病および出血の予防および/または処置のための、請求項20に記載の医薬。
【請求項27】
炎症の予防および/または処置のための、請求項20に記載の医薬。
【請求項28】
泌尿器系障害の処置および/または予防のための医薬を製造するための、請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項29】
PGI2アンタゴニスト的に有効な量の少なくとも1つの請求項1に記載の化合物を投与することによる、ヒトおよび動物における泌尿器系障害の制御方法。





【公表番号】特表2006−517211(P2006−517211A)
【公表日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−501629(P2006−501629)
【出願日】平成16年1月28日(2004.1.28)
【国際出願番号】PCT/EP2004/000711
【国際公開番号】WO2004/069805
【国際公開日】平成16年8月19日(2004.8.19)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】