説明

PTP段積み装置

【課題】ピロー包装の前工程でPTPを段積みするPTP段積み装置において、様々な段積み数に対応できるとともに、段取り替えの容易なものを提供する。
【解決手段】PTP段積み装置1は、PTP100を搬送する第1主コンベア11と第2主コンベア12、第2主コンベア12に並走する副コンベア13、第1主コンベア11、第2主コンベア12、及び副コンベア13の末端に一部が近接配置された段積み用コンベア14、第2主コンベア12上のPTP100を上下反転して副コンベア13に載置する反転移載装置20、及び、第1主コンベア11と第2主コンベア12の上に上下反転無しの状態で存在するPTP100と、副コンベア13上の上下反転有りのPTP100を所定の段積み順序で段積み用コンベア14の第1群のバケット15aまたは第2群のバケット15bに積み上げるロボット30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はPTP段積み装置に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックシートに形成したポケットに物品を入れ、ポケットの開口部をアルミフォイルでシールする包装形態は、錠剤等の包装としてなじみの深いものである。このような包装は、ポケットを押すと物品がアルミフォイルを突き破って出てくることから、英語でPress Through Packageと命名され、その頭文字をとってPTPと呼ばれている。図15にPTPの一例を示す。図15のPTPはアルミフォイル側を下、ポケット側を上にした状態で描かれている。ポケットは2列5行、計10個形成されている。このポケットの配列は単なる例示であり、これ以外の多様な配列があり得ることは言うまでもない。
【0003】
PTPの製造ラインでは、PTPを何個か段積みしてピロー包装したうえでカートンに入れ、出荷形態とする。PTPを出荷形態とするのに用いられる機械装置の例を特許文献1、2に見ることができる。また特許文献3には、広く一般に物品の集合と搬送に用いられる装置が開示されている。
【特許文献1】特開平7−76410号公報
【特許文献2】特開2000−272756号公報
【特許文献3】特許第2651555号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PTPは、アルミフォイル面は平らで、ポケット面は凹凸形状となっている。ピロー包装のため複数個のPTPを段積みするときは、2個一組にできる分についてはポケット面同士を組み合わせ、段積み高さを圧縮する。このため、PTPの中には上下を反転しなければならないものが出てくる。一方、ピロー包装するPTPの個数は物品によりまちまちである。PTPの列の中で、どの順番にあるものが上下反転していなければならないかは段積み数により様々に変化する。またPTPの形態によっては、2個のうち1個の左右を反転すると一層コンパクトにまとまる場合があることも考慮に入れねばならない。
【0005】
本発明はピロー包装の前工程でPTPを段積みするPTP段積み装置において、様々な段積み数に対応できるとともに、段取り替えの容易なものを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明に係るPTP段積み装置は次の構成を備える。すなわちPTP搬送コンベアと、少なくとも一部が前記PTP搬送コンベアの末端に近接配置された段積み用コンベアと、前記PTP搬送コンベアの末端近傍に配置され、PTP搬送コンベア上のPTPを所定の段積み順序で前記段積み用コンベアのバケットに積み上げるロボットと、前記PTP搬送コンベア、段積み用コンベア、及びロボットを統括制御する制御装置である。
【0007】
この構成によると、PTP搬送コンベアが搬送して来たPTPをロボットが段積み用コンベアに所定順序で積み上げることによりPTPの段積みがなされるから、様々な段積み数に柔軟に対応できる。
【0008】
(2)また本発明は、上記構成のPTP段積み装置において、前記PTP搬送コンベアに並走する副コンベアと、前記主コンベア上のPTP列中、所定の順番にあるPTPをピックアップし、それを上下反転したうえで前記副コンベアに載置する反転移載装置とを備え、前記ロボットは、前記主コンベア上に上下反転無しの状態で存在するPTPと、前記副コンベア上の上下反転有りのPTPを、所定の段積み順序で前記段積み用コンベアのバケットに積み上げるものであることを特徴としている。
【0009】
この構成によると、どのPTPを上下反転して副コンベアに置き、どのPTPは上下反転しないで主コンベアに残すかにより、PTPの段積み形態を様々に変えることができる。また主コンベアと副コンベアは並行して流すからロボットがPTPを待つ時間を短くでき、さらに、ロボットは上下反転したPTPと上下反転しないPTPを所定順序で積み上げるだけなので、段積み作業を迅速に行える。
【0010】
(3)また本発明は、上記構成のPTP段積み装置において、前記主コンベアは第1主コンベアと第2主コンベアからなり、前記反転移載装置は前記第2主コンベアからPTPをピックアップすることを特徴としている。
【0011】
この構成によると、上下反転したPTPが上下反転しないPTPと横並びで移動するので、ロボットを待たせない。また第1主コンベア、第2主コンベア、及び副コンベアの三者を使用することにより、複雑な段積みパターンに容易に対応できる。
【0012】
(4)また本発明は、上記構成のPTP段積み装置において、前記反転移載装置は、ピックアップしたPTPの左右方向反転ユニットを含むことを特徴としている。
【0013】
この構成によると、PTPを左右互い違いに組み合わせることにより段積み体の寸法を縮小できるとき、そのメリットを享受できる。
【0014】
(5)また本発明は、上記構成のPTP段積み装置において、前記段積み用コンベアは、第1群のバケットを連結した第1駆動系統と、第2群のバケットを連結した第2駆動系統を備え、前記第1駆動系統と第2駆動系統を個別に駆動するものであることを特徴としている。
【0015】
この構成によると、例えば第2群のバケットにPTPを段積みしているとき、先に段積み作業を終えた第1群のバケットはそれと無関係に下流の工程に移動させることが可能になり、作業の能率が大いに向上する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、PTP搬送コンベアが搬送して来たPTPをロボットが段積み用コンベアに所定順序で積み上げることによりPTPの段積みを行うものであるから、様々な段積み数に柔軟に対応できる。また上下反転したPTPを副コンベアから、上下反転しないPTPを主コンベアから、それぞれロボットが所定順序でピックアップして段積み用コンベアのバケットに段積みするものであるから、どのような段積みパターンにも柔軟に対応できる。また、その際必要とされるのは主として反転移載装置とロボットの制御プログラムの組み換えであるから、段取り替えも容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の第1実施形態を図1−9に基づき説明する。図1はPTP段積み装置の概略平面図、図2及び図3はPTP左右方向反転ユニットの一例を示す概略正面図にして互いに異なる状態のもの、図4及び図5はPTP上下反転ユニットの一例を示す概略正面図にして互いに異なる状態のもの、図6は段積み用コンベアの概念図、図7はPTP段積み状態の一例を示す正面図、図8はPTPの段積み順序説明図、図9は制御ブロック図である。
【0018】
PTP段積み装置1は次の構成要素を含む。すなわち隣り合って配置された第1主コンベア11と第2主コンベア12、第2主コンベア12に隣り合って配置された副コンベア13、中間の一部が第1主コンベア11と第2主コンベア12、それに副コンベア13の末端に近接する段積み用コンベア14、第2主コンベア12から副コンベア13にかけて配置される反転移載装置20、及び第1主コンベア11、第2主コンベア12、副コンベア13の各末端と、それらに近接する段積み用コンベア14の中間部分を作業領域(一点鎖線の円A)に納めるロボット30である。第1主コンベア11と第2主コンベア12はいずれもPTP搬送コンベアである。ロボット30はアームの一部をもって象徴する。
【0019】
第1主コンベア11、第2主コンベア12、及び副コンベア13はそれぞれ平ベルトからなり、同速度で移動する。第1主コンベア11、第2主コンベア12、及び副コンベア13はバケットコンベアであってもよい。
【0020】
段積み用コンベア14はバケットコンベアで、軌道上のバケットをチェーンで移動させるタイプのものである。バケットには第1群のバケットと第2群のバケットがあり、第1群のバケットは第1駆動系統に連結され、第2群のバケットは第2駆動系統に連結されて、互いに独立に移動する。その基本的な仕組みは特許文献3に記載された「物品の集合搬送装置」と同じである。図1及び図6において、ハッチング無しのバケットが第1群のバケット15aであり、ハッチング有りのバケットが第2群のバケット15bである。また図6では、ハッチング無しの無端チェーンで第1駆動系統16aを象徴させ、ハッチング有りの無端チェーンで第2駆動系統16bを象徴させている。
【0021】
第1群のバケット15aは4個一組のグループが複数存在し、それらが所定間隔で第1駆動系統16aに連結されている。第2群のバケット15bも4個一組のグループが複数存在し、それらが所定間隔で第2駆動系統16bに連結されている。バケット15a、15bはPTP100を無理なく受け入れ、段積みできる寸法を備える。なお、バケット15a、15bがそれぞれ4個で1グループを構成するという、「4個」の数字は単なる例示であり、何ら限定的な意味を持たない。何個であってもよい。「1個」でも構わない。
【0022】
第1主コンベア11、第2主コンベア12、及び副コンベア13は図1において左から右へと一定速度で連続走行する。連続走行というのは必須要件ではなく、間欠走行とする構成も可能である。段積み用コンベア14における第1群のバケット15aと第2群のバケット15bも、移動方向は左から右であるが、一定速度で連続移動という訳ではない。これについては後で説明する。
【0023】
図9に示す制御装置40がPTP段積み装置1の動作を統括制御する。制御装置40には第1主コンベア11、第2主コンベア12、副コンベア13、段積み用コンベア14、反転移載装置20、ロボット30、及び運転指令を入力する操作部41が接続される。この他制御装置40には、PTP100の存在や状態を確認する各種センサあるいは視覚認識システム、また制御部40による制御を必要とする各種構成要素が接続される。
【0024】
PTP100は図10のものと同じく2列5行、計10個のポケットを有し、平面形状矩形である。ポケットはPTP100の一方の端の側に偏って配置されており、他方の端には空白領域が存在する。PTP100はアルミフォイル面を上にし、矩形の長手方向をコンベアの進行ラインに直交させ、さらに、コンベアの進行ラインを上流側から見たとき、その右側に前記空白領域が来る形で第1主コンベア11と第2主コンベア12に載置される。このように配置されたPTP100の空白領域の側を、説明の便宜上「PTP100の右側」とし、アルミフォイル面、ポケット面ともに三角形の識別マークを付して「PTP100の左側」と区別する。
【0025】
PTP100は前記した姿勢で、且つ一定間隔で、第1主コンベア11と第2主コンベア12に載置され、図1の左から右へと移動する。反転移載装置20は、第2主コンベア12上のPTP100のうち、所定の順番にあるものをピックアップし、それを上下反転したうえで副コンベア13に載置する。
【0026】
反転移載装置20はPTP左右反転ユニット21とPTP上下反転ユニット22を含む。PTP左右反転ユニット21は、図2、3に見られるように、垂直なシャフト21aと、シャフト21aの下端から一方に張り出したブラケット21bと、ブラケット22bの先端に下向きに保持された真空チャック21cを備える。シャフト21aは上下動及び180°の回転が可能である。PTP100の反転移載にあたっては、図2のように第2主コンベア12上のPTP100を真空チャック21cで吸着し、シャフト21aを上昇させてPTP100をピックアップする。それから図3のようにシャフト21aを180°回転し、シャフト21aを下ろし、真空チャック21cの吸引を遮断する。これによりPTP100は左右が反転した形で副コンベア13に載置される。
【0027】
副コンベア13に載置されたばかりのPTP100は、まだ上下が反転していない。そこで次に、PTP上下反転ユニット22でPTP100の上下を反転する。PTP上下反転ユニット22は、図4、5に見られるように、水平なシャフト22aと、シャフト22aから放射方向に張り出したブラケット22bと、ブラケット22bの先端に保持された真空チャック22cを備える。また、シャフト22aから独立した真空チャック22dを備える。シャフト22aは上下動及び180°の回転が可能であり、真空チャック22dは上下動及び副コンベア13の進行方向に沿った移動が可能である。
【0028】
PTP100の上下を反転させるにあたっては、図4のように副コンベア13上のPTP100を真空チャック22cで吸着し、シャフト22aを上昇させてPTP100をピックアップする。それから図5のようにシャフト22aを180°回転し、下向きだった真空チャック22cを上に向ける。するとPTP100の上下が反転する。上下反転したPTP100を真空チャック22dで吸着し、副コンベア13の上に置く。これによりPTP100は、上下が反転した形で副コンベア13に載置されることになる。
【0029】
上記したPTP左右反転ユニット21とPTP上下反転ユニット22の構造は単なる一例にすぎず、この他にも様々な構造が考えられる。そのいずれを採用しても構わない。
【0030】
ロボット30はエンドエフェクタとして真空吸着ヘッド31を支持する。真空吸着ヘッド31からは、第1群のバケット15aと第2群のバケット15bの1グループ構成個数に合わせた4個の真空チャック32が下向きに突出する。4個の真空チャック32は各コンベアの進行ラインに平行する形で一直線上に並ぶ。4個の真空チャック32の配列ピッチは各コンベア上のPTP100の配列ピッチ、及び第1群のバケット15aと第2群のバケット15bで1グループを形成する4個のバケットの配列ピッチに等しい。
【0031】
真空吸着ヘッド31が、PTPの搬送中に4個の真空チャック32の配列ピッチを変えられる構成になっていれば、各コンベア上のPTP100の配列ピッチと、第1群のバケット15aと第2群のバケット15bで1グループを形成する4個のバケットの配列ピッチとを変えることもできる。
【0032】
ロボット30は、第1主コンベア11、第2主コンベア12、副コンベア13のいずれかに載置されてロボット作業領域に入ったPTP100を4個ずつピックアップし、段積み用コンベア14の第1群のバケット15aまたは第2群のバケット15bに所定順序で段積みする。ロボット30には軽作業に適する産業用ロボット(例えば直角座標形式、水平多関節形式、パラレルリンク形式など)を用いる。
【0033】
ロボット30でPTP100を段積みするから、段積み形態の自由度は大である。1段積みとすることも可能であり、その場合は当然ながらPTP100の上下反転は必要ない。但し通常の場合は複数段のPTP100を抱き合わせてピロー包装するから、上下反転となる段も出てくる。上下反転するPTP100と上下反転しないPTP100をどのようにして得、組み合わせるかを、3段積みのケースを例にとり、図7、8に基づき説明する。
【0034】
図7の3段積み構造は、左右及び上下を反転したPTP100の上に左右反転も上下反転もしないPTP100を重ね、その上に、左右反転も上下反転もしないPTP100をもう1段重ねた構成になっている。このような3段積み構造を連続して形成するためには、副コンベア13の上に「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100をどのように準備しておくかが重要になる。
【0035】
図8の上部は第1主コンベア11、第2コンベア12、及び副コンベア13の平面図であり、下部はバケット15(ここでは単に「バケット15」とし、第1群と第2群を区別しない。また4個分のバケットをまとめて1個に表現してある。)の断面図である。隅丸四角形は4個一組のPTP100を象徴するものであり、識別マークの三角形が下についていれば左右反転されていないことを表し、上についていれば左右反転されたものであることを表す。また隅丸四角形の輪郭が太い単線であれば上下反転されていないことを表し、二重線であれば上下反転されたものであることを表す。PTP100の各組には「1」から始まる識別番号が付されている。
【0036】
図8を見ると、第1主コンベア11には「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100が連続して並んでいる。第2主コンベア12には「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100が間引きされた形で並んでいる。副コンベア13には、第2主コンベア12から3組中2組の割合でピックアップされたPTP100が「左右反転有り・上下反転有り」の状態で並んでいる。すなわち、コンベアの進行方向を「列」、それと直交する方向を「行」と考えた場合、各行には、第1主コンベア11上のPTP100と副コンベア13上に取り出されたPTP100の組み合わせか、第1主コンベア11上のPTP100と第2主コンベア12上に残存するPTP100の組み合わせの、いずれかの組み合わせを構成する、2個ずつのPTP100が存在することになる。
【0037】
図7の3段積み構造を得るには、副コンベア13から「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100(「1」組)をピックアップし、バケット15の底に置く。次いで第1主コンベア11から「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「2」組)をピックアップし、「1」組の上に重ねる。最後に第1主コンベア11からもう一組「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「3」組)をピックアップし、「2」組の上に重ねる。
【0038】
次のバケット15に対しては、副コンベア13から「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100(「4」組)をピックアップし、バケット15の底に置く。次いで第1主コンベア11から「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「5」組)をピックアップし、「4」組の上に重ねる。最後に第2主コンベア12から「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「6」組)をピックアップし、「5」組の上に重ねる。
【0039】
以下同様にして、第1主コンベア11、第2主コンベア12、及び副コンベア13から符号順にピックアップしたPTP100を3組ずつ重ねて行き、図7の3段積み構造を得る。
【0040】
第1群のバケット15aと第2群のバケット15bは、PTP積み込みの順序にあたっているときは停止させるか、あるいは動きを遅くして、ロボット30が積み込みを容易に行えるようにする。その間、PTP100の積み込みを終えた他群のバケットをピロー包装装置に接近させ、ピロー包装装置にPTP100を引き渡すことができる。第1駆動系統16aにおけるバケット15aの4個一組同士の間隔と、第2駆動系統16bにおけるバケット15bの4個一組同士の間隔は、ロボット30によるPTP積み込みと、ピロー包装装置へのPTP引渡しが同時進行で円滑に行われように設定する。
【0041】
続いて図10−12に基づき本発明の第2実施形態を説明する。図10はPTP段積み装置の概略平面図、図11はPTP段積み状態を示す正面図、図12はPTPの段積み順序説明図である。
【0042】
第2実施形態は、副コンベア13を省いたモデルを示すものである。第1主コンベア11には「左右反転無し・上下反転なし」のPTP100が連続して並ぶ。第2主コンベア12には「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100が連続して並ぶ。今回はPTP100を図11のように2段積みとするので、第1主コンベア11上のPTP100と第2主コンベア12上のPTP100は同数で良く、従って両方ともコンベア上に連続して並べて差し支えない。
【0043】
図11の2段積み構造を得るには、図12に示す通り、第2主コンベア12から「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100(「1」組)をピックアップし、バケット15の底に置く。次いで第1主コンベア11から「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「2」組)をピックアップし、「1」組の上に重ねる。次のバケット15に対しては、第2主コンベア12から「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100(「3」組)をピックアップし、バケット15の底に置く。次いで第1主コンベア11から「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「4」組)をピックアップし、「3」組の上に重ねる。このように、第2主コンベア12から「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100)をピックアップし、それをバケット15の底に置いた後、第1主コンベア11から「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100をピックアップし、その上に重ねる、という手順を繰り返し、バケット15に2段積み構造を形成して行く。
【0044】
続いて図13、14に基づき本発明の第3実施形態を説明する。図13はPTP段積み装置の概略平面図、図14はPTPの段積み順序説明図である。
【0045】
第3実施形態は、第2主コンベア12も省いたモデルを示すものである。PTP100は図7の3段積みとする。PTP搬送コンベア11Aが搬送するPTP100は、「左右反転有り・上下反転有り」のものが4個連続した後、「左右反転無し・上下反転なし」のものが8個連続する、というパターンを繰り返す。
【0046】
図7の3段積み構造を得るには、図14に示す通り、PTP搬送コンベア11Aから「左右反転有り・上下反転有り」のPTP100(「1」組)をピックアップし、バケット15の底に置く。次いでPTP搬送コンベア11Aから「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「2」組)をピックアップし、「1」組の上に重ねる。さらにPTP搬送コンベア11Aからもう一組「左右反転無し・上下反転無し」のPTP100(「3」組)をピックアップし、「2」組の上に重ねる。これを繰り返し、バケット15に3段積み構造を形成して行く。
【0047】
以上本発明の各実施形態につき説明したが、発明の主旨を逸脱しない範囲でさらに種々の変更を加えて実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、PTPをピロー包装する際の段積み装置として広く利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】PTP段積み装置の概略平面図
【図2】PTP左右方向反転ユニットの一例を示す概略正面図
【図3】PTP左右方向反転ユニットの一例を示す概略正面図で、図2と異なる状態におけるもの
【図4】PTP上下方向反転ユニットの一例を示す概略正面図
【図5】PTP上下方向反転ユニットの一例を示す概略正面図で、図4と異なる状態におけるもの
【図6】段積み用コンベアの概念図
【図7】PTP段積み状態の一例を示す正面図
【図8】PTPの段積み順序説明図
【図9】制御ブロック図
【図10】第2実施形態に係るPTP段積装置の概略平面図
【図11】PTP段積み状態の他の一例を示す正面図
【図12】PTPの段積み順序説明図
【図13】第3実施形態に係るPTP段積装置の概略平面図
【図14】PTPの段積み順序説明図
【図15】PTPの一例を示す斜視図
【符号の説明】
【0050】
1 PTP段積み装置
11 第1主コンベア(PTP搬送コンベア)
12 第2主コンベア(PTP搬送コンベア)
11A PTP搬送コンベア
13 副コンベア
14 段積み用コンベア
15a 第1群のバケット
15b 第2群のバケット
16a 第1駆動系統
16b 第2駆動系統
20 反転移載装置
21 PTP左右方向反転ユニット
22 PTP上下方向反転ユニット
30 ロボット
40 制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の構成を備えるPTP段積み装置:
(a)PTP搬送コンベア
(b)少なくとも一部が前記PTP搬送コンベアの末端に近接配置された段積み用コンベア
(c)前記PTP搬送コンベアの末端近傍に配置され、PTP搬送コンベア上のPTPを所定の段積み順序で前記段積み用コンベアのバケットに積み上げるロボット
(d)前記PTP搬送コンベア、段積み用コンベア、及びロボットを統括制御する制御装置。
【請求項2】
前記PTP搬送コンベアに並走する副コンベアと、前記主コンベア上のPTP列中、所定の順番にあるPTPをピックアップし、それを上下反転したうえで前記副コンベアに載置する反転移載装置とを備え、前記ロボットは、前記主コンベア上に上下反転無しの状態で存在するPTPと、前記副コンベア上の上下反転有りのPTPを、所定の段積み順序で前記段積み用コンベアのバケットに積み上げるものであることを特徴とする請求項1に記載のPTP段積み装置。
【請求項3】
前記主コンベアは第1主コンベアと第2主コンベアからなり、前記反転移載装置は前記第2主コンベアからPTPをピックアップすることを特徴とする請求項2に記載のPTP段積み装置。
【請求項4】
前記反転移載装置は、ピックアップしたPTPの左右方向反転ユニットを含むことを特徴とする請求項2または3に記載のPTP段積み装置。
【請求項5】
前記段積み用コンベアは、第1群のバケットを連結した第1駆動系統と、第2群のバケットを連結した第2駆動系統を備え、前記第1駆動系統と第2駆動系統を個別に駆動するものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のPTP段積み装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−120540(P2008−120540A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−307491(P2006−307491)
【出願日】平成18年11月14日(2006.11.14)
【出願人】(000141886)株式会社京都製作所 (83)
【Fターム(参考)】