説明

つりあい錘のないハイポサイクロイド遊星歯車機構を用いた直列多気筒往復動機関

【課題】ピストンクランク機構に代えてハイポサイクロイド遊星歯車機構を用いることにより,高圧,低速,ロングストロークの直列多気筒往復動機関において,一層の小型軽量化,低剛性化,高強度化,低振動化,低燃費化と排気ガス清浄化の道を拓く。
【解決手段】つりあい錘のない単気筒往復動機関用ハイポサイクロイド遊星歯車機構(単位機構と略称する。)とその力学モデルを作成し,それらを用いて往復質量の慣性力及びそのクランク軸に直交する軸周りのモーメントを多気筒化によりつりあわせる方法を構築した。そして,その方法により,直列多気筒往復動機関の機構において,同じクランク角,並びに,異なるクランク角の単位機構を適切に配置した機構をもつ特殊配置直列6,10又は12気筒2ストロークサイクロイド往復動機関及び特殊配置直列12気筒4ストロークサイクロイド往復動機関を考案した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,つりあい錘なしで慣性力及びそのクランク軸に直交する軸周りのモーメントをつりあわせることができるハイポサイクロイド遊星歯車機構を用いた直列多気筒往復動機関に関するものであり,小型軽量,高強度,低振動,低燃費と清浄な排気ガスの高圧・低速・ロングストローク往復動機関への道を拓くものである。
なお,以後,ハイポサイクロイド遊星歯車機構をサイクロイド機構,ハイポサイクロイド遊星歯車機構を用いた往復動機関をサイクロイド往復動機関,本発明のつりあい錘のないハイポサイクロイド遊星歯車機構を用いた直列多気筒往復動機関を直列多気筒サイクロイド往復動機関,または,本機関と略称する。
【背景技術】
【0002】
これまで、図2のピストンクランク機構に代えてサイクロイド機構を用いた往復動機関並びにポンプ装置(コンプレッサを含む。)が提案されてきている(特許文献1,特許文献2及び非特許文献1参照。)。
サイクロイド機構の運動及び慣性つりあわせの原理とこの原理を具現する基本構造を,それぞれ図3および図4に示す。以下,図3および図4について説明する,クランクケース1に固定した基準ピッチ円直径4eの静止内歯車53とクランクピンF36上にクランクピン軸受35で回転自在に支えられた基準ピッチ円直径2eの遊星歯車51bがかみあい、遊星歯車はクランクピン軸心O周りに角速度ωで自転するとともに、クランク軸心O周りに逆向きに角速度ωで公転する。このとき、遊星歯車51bのピッチ円筒面上にある自転偏心盤51aの軸心Oは、シリンダ中心線C上をストローク4eの直線往復運動(往復動という。)を行う。そして、この往復動が自転偏心盤51a上に自転偏心盤軸受54を介して回転自在に支えられ、シリンダ21に案内された一体型ピストン41の運動となる。このように,一体型ピストン41の往復動は,互いに逆向きの2つの等速回転運動,即ち,偏心量eの自転偏心盤51aがクランクピン軸心O周りに自転すると,同時に,クランク半径eのクランク軸3がクランク軸心O周りに逆向きに同じ角速度で公転することにより創成される。したがって,図3に示すように,サイクロイド機構の往復質量Mに生じる慣性力I及びそのモーメントは,等速で自転と公転を行う回転体の場合と同様に,半径距離Rに重心Aがある自転つりあい錘質量M及び半径距離Rに重心Bがある公転つりあい錘質量Mが関係式(1)及び(2)を満たすとき,質量M及びMに生じる慣性力I及びIと完全につりあう。これをサイクロイド機構の完全つりあい理論という。なお,これを動つりあわせに発展させる方法は容易なので記述を割愛する。
【0003】
【数1】

【0004】
【数2】

上記のように,ピストンクランク機構との比較において、サイクロイド機構の基本的な特長は以下のように整理される。
「ピストンの往復動は、サイクロイド機構では静止内歯車と遊星歯車の歯数比が2:1の等速運動機構である遊星歯車機構により創成される往復動であり、ピストンクランク機構ではシリンダによるピストンの強制案内と不等速運動機構であるリンク機構により創成される往復動である。このため、ピストンクランク機構を用いた往復動機関では不可避のクランク半径とコンロッド長さの比に関係して発生するシリンダ側圧(ピストン側圧)および慣性不つりあいを,サイクロイド機関では除去できる。」
この特長に拠り、ピストンクランク機構を用いた往復動機関に比べて、シリンダ及びクランクケースの低剛性化、摩擦損失、ピストンスラップ,振動および燃焼ガス漏れの低減、上死点近傍の低ピストン速度,適切なロングストロークと燃焼室形状の最適化などに拠る燃焼状態の改善、さらなる高圧・ロングストローク化による高トルク化と低速化を期待できるなど、サイクロイド往復動機関の実用可能性は高く評価できる。このように、機関、ポンプ、コンプレッサの分野で応用の可能性を有しているものの、図2および図4の比較で明らかなように,サイクロイド往復動機関は,構造が複雑で,寸法・重量が大きくなり,さらに,軸受直径の増大やクランクピンおよび遊星歯車の強度が制約されるなどの問題があり,その普及が進んでいないだけでなく,実用に向けた取り組みすらほとんど見当たらないのが現状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開平09−119301号 公報
【特許文献2】 特開2000−073701号 公報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】 Norman H.Beachley and Martha A.Lenz,“A Critical Evaluation of the Geared Hypocycloid Mechanism for Internal Combustion Engine Application”,SAE Technical Paper Series 880660,1988
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
サイクロイド機構の特長を活かすべく,高圧・低速・ロングストロークのサイクロイド往復動機関を構想した。低速・ロングストロークとすることにより,自動車に実用されている高速・ショートストローク機関への応用で遭遇するクランクピンおよび遊星歯車の強度を十分にできない問題や軸受直径の増大も問題とはならない。逆に,この構想で発生する課題は,ロングストロークによるサイクロイド往復動機関の構造寸法及び重量の増大と複雑な構造の改良である。
本発明は,サイクロイド機構の特長のさらなる活用とこの課題の解決、さらに、ロングストロークと燃焼室形状の最適化による燃焼改善の可能性を与えるものであり,高圧、高トルク,低速,シリンダ及びクランクケースの低剛性、低摩擦損失、低振動,低燃費,清浄な排気ガスの高品質な往復動機関への道を拓くものである。
【0008】
本発明では,ロングストローク化により生じる,長大なピストン,自転つりあい錘及び公転つりあい錘の形状寸法と重量の増大,クランクケースの大型化とクランク部分の複雑な構造を改良することを課題とし,その解決の手段として,つりあい錘の撤去に着目した。この撤去は,自動車用を構想した高速サイクロイド往復動機関では往復質量の慣性力およびそのモーメントをつりあわせること及び各部慣性荷重の低減が重要であること,さらに,サイクロイド往復動機関と完全つりあい理論とが一体化されてきたこともあって,これまで採り上げられることがなかった。つまり,サイクロイド機構により,高圧・低速・ロングストロークの往復動機関の高品質化を構想したことで,初めて導出された課題である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
図4のサイクロイド機構の基本構造から,自転および公転つりあい錘52及び37aを撤去し,クランクウェブをジャーナルとした図5及び図6に示すサイクロイド機構を単気筒機関の単位機構として,クランク軸方向に連接して多気筒化する。この左及び右歯車列単位サイクロイド機構のいずれか一方のみで多気筒を構成して良いし,適切に混合させても構成できるが,その選択は本手段の本質ではないので,この提示にとどめ,以後,図5の本機関の左歯車列単位サイクロイド機構を用いて説明する。そして,多気筒を構成する単位となる,この機構を単位機構,単位機構の機関を単位機関と名付ける。
まず,つりあい錘の撤去方法を導出するため,背景技術で述べたサイクロイド機構における完全つりあい理論を明確化し,さらに拡張して,単位機構に生じる慣性力およびそのモーメントの力学を直感的,かつ,系統的に考察できるように,各部の質量を往復動する自転偏心盤軸心O及びクランクピン軸心Oに集中させた力学モデルを以下のように構築した。サイクロイド機構は等速運動歯車機構なので。慣性力及びそのモーメントのつりあわせと集中質量系力学モデルは,不等速運動リンク機構である従来機構とは本質的に異なる。 なお,機関の力学で実用されているように,遊星歯車51bのクランクピン軸心Oまわりの自転とクランク軸心Oまわりの公転の角加速度は零とする。
1)一体型ピストン41及び自転偏心盤軸受54は全て自転偏心盤軸心Oと共に往復動するので,これら質量は軸心O上の集中質量と見なせる。
2)遊星歯車付自転偏心盤51の自転偏心盤51a部を除く部分及びクランクピン軸受35の質量の重心は軸心O上にある。
3)クランクピン嵌込孔31aへの挿入部を除くクランクピン33a部分の質量の重心軸は軸心O上にある。
4)クランクピン軸受35の外径と直径が同じ貫通孔をもつ自転偏心盤51a部に生じる慣性力をつぎのように扱う。まず,この貫通孔と同一の形状で自転偏心盤51aと同じ材質の円筒を仮想する。このとき,この仮想円筒を充填した仮想自転偏心盤の重心軸は自転偏心盤軸心O上にある。そして,この仮想円筒の重心はクランクピン軸心O上にある。そこで,仮想自転偏心盤の質量を軸心O上の重心に集中させ,仮想円筒の質量を軸心O上の重心に集中させる。このとき,自転偏心盤51aに生じる慣性力は,前者に生じる慣性力から後者に生じる慣性力を減じたものとなる。
上記の解析から,つりあい錘を撤去したサイクロイド機構に生じる慣性力およびモーメントは,つぎの集中質量系から求めることができる。
1)一体型ピストン41,自転偏心盤軸受54及び仮想自転偏心盤の質量の合計Mを自転偏心盤軸心O上のそれらの重心G30に集中させる。
2)遊星歯車付自転偏心盤51の自転偏心盤51a部を除く部分,クランクピン軸受35,及びクランクピン嵌込孔31aへの挿入部を除くクランクピン33a部分の質量の合計から仮想円筒の質量を減じた質量Mをクランクピン軸心O上のそれらの重心G20に集中させる。
このように作成した単位機構の集中質量系モデルを図5に示す。
【0010】
多気筒化により慣性力をつりあわせる方法を直感的,かつ,系統的に検討できるように,前項で構築した集中質量系モデルにおいて,質量Mに生じる慣性力を,クランク軸心O(z軸)周りのモーメントTと軸心O上の点G3への作用力Fに,質量Mに生じる慣性力を,軸心O上の点G2への作用力Fに変換する。
このとき,図3に示す運動と図5の集中質量系モデルから,クランク角θにおける,これらの力及びモーメントは,次式で与えられる。
【0011】
【数3】

【0012】
【数4】

【0013】
【数5】

【0014】
【数6】

なお,上式のkはz軸向きの単位ベクトルである。
これら慣性力及びそれから生じるモーメントを多気筒化によりつりあわせる。なお,質量Mの慣性力によるモーメントTは不つりあいとして残留する場合があるが,高速機関の場合と異なり,高圧,かつ,低速の本機関では問題を生じない。
【0015】
前項の解析に従い,慣性力F及び慣性力Fを,下記の条件を満たすように,単位機構をクランク軸方向(z軸方向)に適切なクランク位相角で配置連接して,本機関の機構を構成する。
1)気筒ごとに生じる質量Mの慣性力Fの総和を零とする。
2)気筒ごとに生じる慣性力Fによるy軸まわりのモーメントの総和を零とする。
3)気筒ごとに生じる公転質量Mの遠心力Fの総和を零とする。
4)気筒ごとに生じる遠心力Fによるx軸及びy軸まわりのモーメントのそれぞれの総和を零とする。
【0016】
前項記載の方法に従い,等しいクランク角間隔で爆発燃焼する直列N(Nは,4以上の偶数)気筒4ストロークの本機関の機構を,つぎの手順で構成する。
1)周知の方法で,N気筒機関における単位機構のクランク角を確定する。
N気筒を構成する,クランク角間隔が(720/N)degのN基の単位機構を定める。
2)気筒ごとに生じる質量Mの慣性力Fと質量Mの遠心力Fのそれぞれの総和を零とする。
項目1)に従うとき,これらは満たされる。
3)気筒ごとに生じる質量Mの慣性力Fによるy軸まわりのモーメントの総和を零とする。
同一クランク角の単位機構をクランク軸中央平面O−xyに関して対称的に,クランク軸方向に配置連接して直列N気筒機関の機構とする。なお,このクランク軸中央平面のいずれか一方の側の単位機構配置の種類は,クランク軸中央平面の片側に置かれるクランク角の異なる(N/2)基の単位機関の順列の数となる。
4)気筒ごとに生じる質量Mの遠心力Fによるx及びy軸まわりのモーメントのそれぞれの総和を零とする。
項目3)に従うとき,これらは満たされる。
以上のように,同一クランク角の単位機構を,クランク軸中央平面O−xyに関して対称的に,クランク軸方向に配置連接することで,所要のつりあわせが実現される。
これを対称配置直列N(Nは,4以上の偶数)気筒4ストロークサイクロイド往復動機関(対称N気筒4ストロークサイクロイド往復動機関と略称する。)の機構と名付ける。この機構により対称N気筒4ストロークサイクロイド往復動機関における慣性力とそのx及びy軸周りのモーメントをつりあい錘なしでつりあわせることができる。
【0017】
0015項記載の手段に従い,等しいクランク角間隔で爆発燃焼する直列2n(nは2以上の整数)気筒2ストロークの本機関の機構構成を,つぎの手順で構成する。
1)周知の方法で,n気筒機関における単位機構のクランク位相角を確定する。
n気筒を構成する,クランク角間隔が(360/n)degのn基の単位機構を定める。
2)n気筒において,気筒ごとに生じる質量Mの慣性力Fと質量Mの遠心力Fのそれぞれの総和を零とする。
項目1)に従うとき,これらは満たされる。
3)2n気筒において,気筒ごとに生じる質量Mの慣性力Fによるy軸まわりのモーメントの総和を零とする。
項目1)に従う直列n気筒2ストローク機関の機構と,クランク軸に直角な一平面に関して,それと鏡面対称的な単位機構配置の直列n気筒2ストローク機関の機構を,クランク軸方向にクランク軸で連結して2n気筒2ストローク機関の機構とする。この同一クランク角単位機構の機関は同時に作用する複動である。なお,このクランク軸中央平面のいずれか一方の側の単位機構配置の種類は,クランク角が異なるn基の単位機構の順列の数となる。
4)2n気筒において,気筒ごとに生じる質量Mの遠心力Fによるx及びy軸まわりのモーメントのそれぞれの総和を零とする。
項目3)に従うとき,これらは満たされる。
以上のように,同一クランク角の単位機構をクランク軸中央平面O−xyに関して対称的に配置連接する。なお,対称的に配置された同一クランク角単位機構の2つの単位機関は同時に爆発燃焼するので,対称配置直列2n気筒(nは,2以上の整数)2ストローク複動サイクロイド往復動機関(対称2n気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関と略称する。)の機構と名付ける。なお,各気筒をクランク2回転に1回燃焼爆発させる2n気筒単動サイクロイド往復動機関として使用することもできる。
この機構により対称2n気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関の慣性力とそのx及びy軸周りのモーメントをつりあい錘なしでつりあわせることができる。
【0018】
対称配置に拠らず,直列N(Nは,3≦N≦12の整数)気筒2ストロークサイクロイド往復動機関について,0015項記載の方法にしたがって単位機構配置を検討し,N=6,10または12において,クランク軸方向に((N/2)−1)基の単位機構を挟むクランク角位相差180degの2つの単位機構に生じる往復質量の慣性力による偶力を適切に組み合わせて,つりあい錘なしで慣性力とそのx及びy軸周りのモーメントをつりあわせることのできる構成を見出した。これを特殊配置直列N(Nは,6,10または12)気筒2ストロークサイクロイド往復動機関(特殊N気筒2ストロークサイクロイド往復動機関と略称する。)の機構と名付ける。なお,この単位機構配置などについては,実施例で触れる。また,12気筒を超える直列多気筒サイクロイド往復動機関では,x及びy軸まわりの偶力を実用上,問題のない程度に小さくできるので,気筒数は12以下とした。
【0019】
対称配置に拠らず,直列N(Nは,3≦N≦12の整数)気筒4ストロークサイクロイド往復動機関について,前項と同様にして2組のクランク角が異なる(N/2)基の単位機構群について,それぞれ単位機構配置を検討し,N=12でつりあい錘なしで慣性力とそのx及びy軸周りのモーメントをつりあい錘なしでつりあわせることのできる構成を見出した。これを特殊配置直列12気筒4ストロークサイクロイド往復動機関(特殊12気筒4ストロークサイクロイド往復動機関と略称する。)の機構と名付ける。なお,この単位機構配置などについては,実施例で触れる。また,12気筒を超える直列多気筒サイクロイド往復動機関では,x及びy軸まわりの偶力を実用上,問題のない程度に小さくできるので,気筒数を12以下とした。
【0020】
請求項1,2,3,4及び5記載の本機関のサイクロイド機構において,図11のように,構成部品の形状寸法や組立誤差,弾性変形などにより生じる自転偏心盤51aの軸心Oに往復動誤差があっても滑らかな動きを得られるように,ピストン61とコンロッド7を別部品として両者をピストンピン62で結合し,両者間において,このピン62の軸心まわりの微小な回転及び軸心方向のすべりを可能とし,さらに,組立を容易とするため,コンロッド大端部をコンロッド大端部A72b及びコンロッド大端部B73のように割型とし,ねじ74で締結した機構をもつ直列多気筒サイクロイド往復動機関。
【0021】
請求項1,2,3,4,5及び6記載の本機関の機構を用いることを特徴とするポンプ装置。
【発明の効果】
【0022】
請求項1,2,3,4,5及び6記載の発明に拠れば,サイクロイド機構の強度上の問題は解決され,高強度,低剛性構造,低摩擦損失,低振動,低燃費,低速,高出力の実用性の高い高圧・低速・ロングストロークの直列多気筒往復動機関の創出を期待できる。
【0023】
請求項1,2,3,4,5及び6記載の発明に拠れば,燃焼室形状の最適化に道が拓かれ,ロングストローク及び低ピストン速度と併せて,低燃費と排ガス清浄化を期待できる。
【0024】
請求項2記載の発明に拠れば,請求項1に記載した実用性の高い高圧・低速・ロングストロークの直列多気筒4ストローク往復動機関を期待できる。
【0025】
請求項3記載の発明に拠れば,請求項1に記載した実用性の高い高圧・低速・ロングストロークの直列多気筒2ストローク複動往復動機関を期待できる。
【0026】
請求項4記載の発明に拠れば,請求項1に記載した実用性の高い高圧・低速・ロングストロークの直列多気筒2ストローク往復動機関を期待できる。
【0027】
請求項5記載の発明に拠れば,請求項1に記載した実用性の高い高圧・低速・ロングストロークの直列多気筒4ストローク往復動機関を期待できる。
【0028】
請求項6記載の発明に拠れば,各種誤差があっても,請求項1に記載した実用性の高い高圧・低速・ロングストロークの直列多気筒往復動機関においてピストンに滑らかな往復動を創成し,燃焼ガス漏れの低減と併せて高効率化を期待できる。
【0029】
請求項7記載の発明に拠れば,高圧,低速,低剛性構造,低摩擦損失,低振動の実用性の高い往復動ポンプを期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】 本発明に係る単位機構を連接して慣性力及びそのモーメントをつりあわせた対称配置直列4気筒4ストロークサイクロイド往復動機関の機構例を示す縦断面図である。(本発明に係る単位機構を連接して慣性力及びそのモーメントをつりあわせた対称配置直列4気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関の機構例を示す縦断面図である。)
【図2】 本発明の背景に係るピストンクランク機構の基本構造を示す縦断面図である
【図3】 本発明の背景に係るサイクロイド機構の運動および慣性つりあわせ原理の説明図である。
【図4】 本発明の背景に係るサイクロイド機構の基本構造を示す縦断面図である。
【図5】 本発明に係るクランクウェブジャーナルを用い,つりあい錘を撤去した左歯車列単位サイクロイド機構の基本構造を示す縦断面図,及びこの構造に生じる慣性力とそのモーメントを解析するための集中質量系表示である。
【図6】 本発明に係るクランクウェブジャーナルを用い,つりあい錘を撤去した右歯車列単位サイクロイド機構の基本構造を示す縦断面図である。
【図7】 本発明に係る単位機構で構成した対称配置直列4気筒4ストロークサイクロイド往復動機関の機構の慣性力及びそのモーメントつりあわせ例の説明図である。
【図8】 本発明に係る単位機構で構成した対称配置直列4気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関の機構の慣性力及びそのモーメントつりあわせ例の説明図である。
【図9】 本発明に係る単位機構で構成した特殊配置直列6気筒2ストロークサイクロイド往復動機関の機構の慣性力及びそのモーメントつりあわせ例の説明図である。
【図10】 発明に係る単位機構を連接して慣性力及びそのモーメントをつりあわせた特殊配置直列6気筒2ストロークサイクロイド往復動機関の機構例を示す縦断面図である。
【図11】 ピストンとコンロッドをピストンピンで連結し,コンロッド大端部を2分割したピストンユニットの構造例を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明は,図1及び図10に示す実施例により開示されている。なお,本明細書では,4ストロークまたは2ストロークなどの仕様態様に応じたシリンダヘッド部の吸排気弁,シリンダ部の掃排気ポート,点火プラグ,燃料噴射ノズルなどの技術並びにオイルシール,油道,潤滑ポンプ及び部品を分割してのねじ締結などの技術については,周知なので省略する。
【実施例】
【0032】
図5において,基本となる単位機関の機構の構成部材について説明する。
クランクケース1とこれにクランクウェブ軸受32及びクランクピン付クランクウェブ軸受34を介して回転支持されたクランク半径eのクランク軸3,及びクランクケース1に取り付けられたシリンダ21内をストローク4eで往復動し偏心量eの自転偏心盤51aに自転偏心盤軸受54を介して回転自在に支持された一体型ピストン41,及びこの一体型ピストン41とクランク軸3との間に介在する,クランクピン33aにクランクピン軸受35を介して回転自在に支持された遊星歯車付自転偏心盤51とクランクケースに固定された静止内歯車53よりなる遊星歯車機構5を主要部材とするものである。なお,この遊星歯車51bの基準ピッチ円直径は2e,静止内歯車53の基準ピッチ円直径は4eである。
本機関の機構は,クランク角に注目して,この単位機構をクランク軸方向に適切に配置連接したものである。
【0033】
つりあい錘のない単位機構の組み合わせによる慣性力及びそのモーメントのつりあわせを直感的,かつ,系統的に進められるように,構築した集中質量系モデルとその利用方法を述べた0009項から0015項と,具体的つりあわせ方法である0016項から0019項を用いて構築した本機関の実施例を以下に示す。
【0034】
0016項記載の手段によって,同一クランク角の単位機構をクランク軸中央平面O−xyに関して対称的に,クランク軸方向に配置連接してN気筒機関の機構とする対称N(Nは,4以上の偶数)気筒4ストロークサイクロイド往復動機関の一例として,対称4気筒4ストロークサイクロイド往復動機関の慣性つりあわせの説明図及び機構例を,それぞれ,図7及び図1に示す。4気筒の等間隔爆発燃焼機関では,点火順序を示すクランクの位相角φJ(J=1〜4)は,基準とする気筒を0度として,それぞれ,0,180,360(0)及び540(180)度となる。括弧内はクランク角を示す。また,機関の点火順序を気筒番号とした。クランク軸を軸心z軸周りに角速度ωで正方向に回転させたとき,気筒1のクランク角θにおける,図7に示す気筒J(J=1〜4)に生じる慣性力は次式となる。
【0035】
【数7】

【0036】
【数8】

【0037】
【数9】

【0038】
慣性力の総和は,関係式(7),(8)及び(9)から明らかなように零となり,慣性力は機構内部でつりあう。
慣性力によるy軸周りのモーメントは,図7(a)のように,F3x1,F3x2,F3x3及びF3x4によるモーメントは零となり,また,F2x1,F2x2,F2x3及びF2x4によるモーメントも零となって,機構内部でつりあう。
慣性力によるx軸周りのモーメントは,図7(b)のように,F2y1,F2y2,F2y3及びF2y4によるモーメントが零となって,機構内部でつりあう。
上記の説明で明らかなように,図7の単位機構配置だけでなく,クランク軸中央平面O−xyの左側の気筒1と4及び右側の気筒2と3をそれぞれ入れ替えた単位機関配置の機構を構成できる。つまり,前者が決まると後者は決まるので,本機関では,平面O−xyの左側における単位機構配置において,その順列の数に等しい異なる配置が可能となる。
このつりあい錘なしで慣性力をつりあわせた対称4気筒4ストロークサイクロイド往復動機関の機構構成の一例を図1に示している。
【0039】
関係式(6)から,各単位機構ごとの慣性力によるz軸周りのモーメントの総和Tは次式となる。
【0040】
【数10】

【0041】
0017項記載の手段に従って構成した対称2n気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関の一例として,対称4気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関の慣性つりあわせの説明図と機構例を,それぞれ,図8及び図1に示す。基準とする気筒を0度として,点火順序J(J=1,2)を示すクランクの位相角φJL(J=1,2)は,0及び180度である。気筒番号L(L=1〜4)は図示の通りで,その構造は0038項記載の対称4気筒4ストロークサイクロ機関と同じになる。
同一クランク角の単位機関が同時に爆発燃焼する複動機関であるが,クランク軸を軸心z軸周りに角速度ωで正方向に回転させたとき,気筒1のクランク角位置θにおける,図8の気筒L(L=1〜4)に生じる慣性力とそのモーメントは,0035項記載の対称4気筒4ストロークサイクロイド往復動機関と同様になるので,説明を省略する。
この説明で明らかなように,図8の単位機構配置だけでなく,本機関では,平面O−xyの左側における単位機構配置において,その順列の数に等しい異なる配置が可能となる。
このつりあい錘なしで慣性力をつりあわせた対称4気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関の機構構成の一例を図1に示している。これは,対称4気筒4ストロークサイクロイド往復動機関の機構構成と同じである。
【0042】
対称配置に拠らず,0018項記載の手段に従って,つりあい錘なしで慣性をつりあわせた特殊6気筒2ストロークサイクロイド往復動機関のつりあわせの説明図と機構例を,それぞれ,図9及び図10に示す。6気筒の等間隔燃焼爆発機関では,点火順序J(J=1〜6)を示すクランクの位相角φJは,それぞれ,0,60,120,180,240及び300度となる。また,機関の点火順序を気筒番号とした。クランク軸を軸心z軸周りに角速度ωで正方向に回転させたとき,気筒1のクランク角θにおける,図9に示す気筒J(J=1〜6)に生じる慣性力は次式となる。
【0043】
【数11】

【0044】
【数12】

【0045】
【数13】

【0046】
慣性力の総和は,関係式(11),(12)及び(13)から明らかなように零となり,慣性力は機構内部でつりあう。
慣性力によるy軸周りのモーメントは,図9(a)のように,F3x4とF3x1による偶力,F3x6とF3x3による偶力及びF3x2とF3x5による偶力の総和,また,F2x4とF2x1による偶力,F2x6とF2x3による偶力及びF2x2とF2x5による偶力の総和が零となり,機構内部でつりあう。
慣性力によるx軸周りのモーメントは,図9(b)のように,F2y4とF2y1による偶力,F2y6とF2y3の偶力及びF2y2とF2y5による偶力の総和が零となり,機構内部でつりあう。
単位機構の配置の種類について簡単に下記に述べる。上記の説明で明らかなように,図9の単位機構配置だけでなく,気筒1と4,気筒2と5及び気筒3と6の3組のうちの任意の2組を入れ替えた配置。つまり,この3組ペアの順列の数の異なる単位機構配置の機構を構成でき,さらに,その数と各ペアを構成する単位機構2基の順列の数の積に等しい数の異なる単位機構配置の機構を構成できる。10及び12気筒についても同様にして,慣性つりあわせ及び単位機構配置の種類を説明できる。
このつりあい錘なしで慣性力をつりあわせた特殊6気筒2ストロークサイクロイド往復動機関の機構の構成例を図10に示す。
【0047】
関係式(6)から,各単位機構ごとの慣性力によるz軸周りのモーメントの総和Tは,次式のように機構内部でつりあう。
【0048】
【数13】

【0049】
対称配置に拠らず,0019項記載の手段に従ってつりあい錘なしで慣性力をつりあわせた特殊12気筒4ストロークサイクロイド往復動機関を構成する方法を述べる。12気筒の等間隔燃焼爆発機関では,点火順序J(J=1〜12)を示すクランクの位相角φJは,基準とする気筒を0度として,それぞれ,0,60,120,180,240,300,360(0),420(60),480(120),540(180),600(240)及び660(300)度となる。なお,括弧内はクランク角を示す。そして,気筒番号は機関の点火順序とする。
まず,同一クランク角で点火順序の異なる2基の単位機構ペアで構成される12基の単位機構から,クランク角の異なる6基の単位機構を抽出し,それを機構群Aとし,残りの単位機構群を機構群Bとする。このとき,両機構群を構成する単位機構のクランク角は,それぞれ,0,60,120,180,240,300である。したがって,機構群A及びB,それぞれにおいて,0042項から0048項記載の特殊6気筒2ストロークサイクロイド往復動機関の機構と同様にして,慣性力及びそのモーメントをつりあわせる単位機構配置を定めることができる。
ついで,このように,機構群A及びBにおいて構成した6気筒機関の機構をクランク軸方向に連接配置して,特殊12気筒4ストロークサイクロイド往復動機関を構成できる。
以上のように,機構群Aを抽出する段階を経た以降は,基本的に前記の特殊6気筒2ストロークサイクロイド往復動機関と同じなので,つりあわせなどの説明を省略する。
なお,上記のように,同一クランク角で点火順序の異なる2基の単位機構のペア6組で構成される12基の単位機構からクランク角の異なる6基の単位機構を抽出する最初の段階で幾通りもあるなど,単位機構配置の種類は非常に多数になるが,発明の本質ではないので,説明を省略する。
【0050】
クランク軸3について説明する。クランク軸3は,クランクウェブ31及びクランクピン付クランクウェブ33においてクランクウェブ軸受32及びクランクピン付クランクウェブ軸受34を介してクランクケース1に回転支持されている。そして,クランクピン33aをクランクウェブ31のクランクピン嵌込孔31aに圧入する組立クランク軸である。
【0051】
往復動する部材である一体型ピストン41について説明する。
図5,図1及び図10に示すように,一体型ピストン41はシリンダ21内を往復動するもので,そのピストン41aはその周縁にピストンリング42を具え,また,そのピストンロッド41bの大端部41cが,自転偏心盤軸受54を介して自転偏心盤51aと回転自在に連結されている。
往復動誤差許容構造として,一体型ピストン41に代えて,図11のようにピストン61とコンロッドニット7を別部品とし,両者をピストンピン62で結合し,その軸方向及び軸心まわりに相対的微動ができるようにし,また。組立の観点から,このコンロッドユニットの大端部を分割して,コンロッド大端部B73を別部品としてコンロッド大端部A72bとねじ74で締結とすることもできる。
【0052】
ピストン41aを往復動させるための遊星歯車機構5関連について説明する。
遊星歯車付自転偏心盤51は,クランクピン軸受35を介してクランクピン33aに対して回転自在に外嵌されるとともに,その自転偏心盤51a部分が自転偏心盤軸受54を介して一体型ピストン大端部41cに回転自在に内嵌されている。
そして,遊星歯車51bは,クランクケース1に固定された静止内歯車53とかみあって,遊星歯車付自転偏心盤51に,クランクピン軸心O周りの角速度ωの自転と同時にクランク軸心O周りの逆向きの角速度ωの公転を与えている。なお,ピストン大端部41cの軸心Oをストローク4eで往復動させるため,遊星歯車51bと静止内歯車53の基準ピッチ円直径はそれぞれ2eと4eであり,クランク軸3のクランク半径及び自転偏心盤51aの偏心量は,それぞれ,eである。
【符号の説明】
【0053】
1 クランクケース
1a クランク室
21 シリンダ
22 シリンダヘッド
22a 作動室
3 クランク軸
31 クランクウェブ
31a クランクピン嵌込孔
32 クランクウェブ軸受
33 クランクピン付きクランクウェブ
33a クランクピン
34 クランクピン付クランクウェブ軸受
36 クランクピンF
37 公転つりあい錘付クランクウェブ
37a 公転つりあい錘
41 一体型ピストン
41a ピストン
41b ピストンロッド
41c ピストン大端部
42 ピストンリング
5 遊星歯車機構
51 遊星歯車付自転偏心盤
51a 自転偏心盤
51b 遊星歯車
52 自転つりあい錘
53 静止内歯車
54 自転偏心盤軸受
6 ピストンユニット
61 ピストン
62 ピストンピン
7 コンロッドユニット
71a コンロッド小端部
72b コンロッド大端部A
73 コンロッド大端部B
74 コンロッド大端部締結ねじ
C/C〜C シリンダ軸心
クランク軸心
クランクピン軸心
自転偏心盤軸心
O 原点(クランク軸心の中央点)
O−xyz 右手直角座標系
x シリンダ軸心方向の座標軸
z クランク軸心座標軸
O−xy クランク軸中央平面
シリンダ軸心とクランク軸心の交点
−x 右手直角座標系
シリンダ軸心の座標軸
クランク軸心の座標軸
u 多気筒機関におけるクランク軸方向の気筒間隔
θ クランク角
φJ 点火順序J,気筒Jのクランクの位相角
φJL 点火順序J,気筒Lのクランクの位相角
ω クランク角速度
単位機構において,クランクピン軸受34及びクランピン37の質 量の合計から仮想円筒の質量を減じた質量
単位機構において,一体型ピストン41,ピストンリング42及び 仮想自転偏心盤の質量の合計
G20 単位機構における質量Mの重心
G30 単位機構において,質量Mと同一の往復動を行う軸心Oとシリ ンダ軸心の交点
G2 単位機構における,点G20を通るクランク軸心Oに直交する平 面と軸心Oの交点
G3 単位機構におけるシリンダ軸心とクランク軸心Oの交点
G2J 気筒Jの点G
G3J 気筒Jの点G
F2X 単位機構において,質量Mに生じる慣性力のx成分
F2Y 単位機構において,質量Mに生じる慣性力のy成分
F3X 単位機構において,質量Mに生じる慣性力
F2XJ 気筒Jの質量Mに生じる慣性力のx成分
F2YJ 気筒Jの質量Mに生じる慣性力のy成分
F3XJ 気筒Jの質量Mに生じる慣性力
1k クランクケースK
1ak クランク室K
21k シリンダK
22k シリンダヘッドK
3k クランク軸K
31k クランクウェブK
33k クランクピンK
35k クランクピン軸受K
42k ピストンリングK
7k コンロッドK
61k ピストンK
62k ピストンピン
63k ピストンピン軸受K
1k クランク軸Kの軸心
2k クランクピンKの軸心

【特許請求の範囲】
【請求項1】
つりあい錘のない単気筒機関用ハイポサイクロイド遊星機構を単位機構とし,これをクランク軸方向に連接して慣性力及びそのクランク軸に直交する軸周りのモーメントをつりあわせた直列多気筒往復動機関の機構を用いて,小型軽量・高強度・低振動・高トルク・高出力・低燃費・清浄な排気ガスの可能性を与えた高圧・低速・ロングストロークの直列多気筒4ストローク及び2ストロークサイクロイド往復動機関。
【請求項2】
請求項1記載の直列多気筒4ストロークサイクロイド往復動機関において,同一クランク角の単位機構をクランク軸に直交する一平面に関して対称的に配置連接したN(Nは,4以上の偶数)気筒4ストローク機関の機構をもつ対称配置直列N気筒4ストロークサイクロイド往復動機関。
【請求項3】
請求項1記載の直列多気筒2ストロークサイクロイド往復動機関において,単位機構を直列n(nは,2以上の整数)気筒2ストローク機関用に配置連接した機構と,クランク軸に直交する一平面に関して,それと鏡面対称的な単位機構配置の機構をクランク軸方向に連接し,同一クランク角単位機構の単位機関が同時に作動する直列2n気筒2ストローク複動往復動機関の機構をもつ,対称配置直列2n気筒2ストローク複動サイクロイド往復動機関。
【請求項4】
請求項1記載の直列多気筒2ストロークサイクロイド往復動機関において,適切に単位機構を配置して構築した直列6,10又は12気筒2ストローク機関の機構をもつ,特殊配置直列6,10又は12気筒2ストロークサイクロイド往復動機関。
【請求項5】
請求項1記載の直列多気筒4ストロークサイクロイド往復動機関において,2組のクランク角の異なる6単位機構を,それぞれ適切に配置して構築した直列12気筒4ストローク機関の機構をもつ,特殊配置直列12気筒4ストロークサイクロイド往復動機関。
【請求項6】
請求項1,2,3,4及び5記載の直列多気筒サイクロイド往復動機関の機構において,ピストンとコンロッドを別部品とし,両者を円筒ピストンピンで結合し,その軸心まわり及び軸心方向に微小な回転及びすべりを可能とするとともに,コンロッド大端部を2分割,ねじ締結して製作を容易にした機構をもつ直列多気筒サイクロイド往復動機関。
【請求項7】
請求項1,2,3,4,5及び6記載の直列多気筒サイクロイド往復動機関の機構を用いることを特徴とするポンプ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−196691(P2010−196691A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−70905(P2009−70905)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(508369995)
【Fターム(参考)】