アライメントセンサの位置校正方法、基準パターン校正方法、露光位置補正方法、校正用パターン及びアライメント装置
【課題】アライメントカメラ(アライメントセンサ)の位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができるようにする。
【解決手段】基準スケールの基準パターンにて校正されたアライメントカメラで校正用部材に形成された第1〜第3のマークを撮像する。第1のマークの座標(第1の座標)と第2のマークの座標(第2の座標)から第1の線分を求め、さらに、第1の線分とステージ移動方向と直交する方向(X方向)とのなす角(第1の角度θ1)を求める。前記第1の座標と第3のマークの座標(第3の座標)から第3の線分を求め、さらに、第3の線分とステージ移動方向(Y方向)とのなす角(第2の角度θ2)を求める。そして、位置ずれ(調整角度φ)=(第1の角度±θ1)−(第2の角度±θ2)を求め、この調整角度φが許容範囲を超えていれば、調整角度φだけアライメントカメラの位置を校正する。
【解決手段】基準スケールの基準パターンにて校正されたアライメントカメラで校正用部材に形成された第1〜第3のマークを撮像する。第1のマークの座標(第1の座標)と第2のマークの座標(第2の座標)から第1の線分を求め、さらに、第1の線分とステージ移動方向と直交する方向(X方向)とのなす角(第1の角度θ1)を求める。前記第1の座標と第3のマークの座標(第3の座標)から第3の線分を求め、さらに、第3の線分とステージ移動方向(Y方向)とのなす角(第2の角度θ2)を求める。そして、位置ずれ(調整角度φ)=(第1の角度±θ1)−(第2の角度±θ2)を求め、この調整角度φが許容範囲を超えていれば、調整角度φだけアライメントカメラの位置を校正する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、校正用パターンを検出してアライメントセンサの位置を校正するアライメントセンサの位置校正方法と、基準パターンが形成された基準スケールに従って補正を行ったアライメントセンサを校正用パターンに基づいてアライメントセンサと基準スケールの校正を行う基準パターン校正方法と、該基準パターン校正方法を用いて露光位置の補正を行う露光位置補正方法と、上述したアライメントセンサの位置校正方法や基準パターン校正方法にて使用される校正用パターンと、上述したアライメントセンサの位置校正方法や基準パターン校正方法の原理を用いたアライメント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、所望の画像パターンに従ってレーザビームを制御し、シート状の感光材料を露光走査することにより、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフィルタやプリント基板を製造する露光装置が開発されている。図24は、このような露光装置300の概略構成を示す(特許文献1参照)。
【0003】
露光装置300は、例えば6本の脚部302により支持される長方形状の定盤304と、定盤304上に配設された2本のガイドレール306a、306bに沿って移動可能な移動ステージ308と、定盤304上に配設される門型のコラム310と、コラム310に固定され、移動ステージ308に位置決めされたワーク312をレーザビームにより照射するスキャナ314とを備える。
【0004】
ワーク312は、移動ステージ308と共に矢印方向に移動される一方、スキャナ314から出力されるレーザビームが矢印方向と直交する方向に照射されることで、二次元画像が記録される。
【0005】
ここで、スキャナ314は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等の空間光変調素子をパターンジェネレータとする複数の露光ヘッドからなり、各露光ヘッドにより二次元画像パターンを高精細且つ高速度に記録するように構成されている。
【0006】
DMDは、制御信号に応じて反射面の角度が変化する多数のマイクロミラーをシリコン等の半導体基板上に二次元的に配列したミラーデバイスであり、レーザ光源から出力されたレーザビームをコリメータレンズでコリメートした後、反射面の角度が制御されたDMDによって選択的に反射させ、マイクロレンズアレーを介してワーク312上に集光させることにより、二次元画像パターンの記録が行われる。
【0007】
そして、このような露光装置300では、ワーク312に対する例えばワークの搬送方向(Y方向)とそれと直交する方向(X方向)の露光位置を正確に合わせるため、露光に先立って、ワークに設けられたアライメントマークをCCDカメラ等のアライメントカメラで撮影し、この撮影によって得られたマーク測定位置(基準位置データ)に基づいて露光位置を適正位置に合わせるアライメントを行っている。
【0008】
このようなアライメント機能(露光位置合わせ機能)については、その精度を保証するため、アライメント測定に関わる各部の校正を製造時やメンテナンス時などに行っている。
【0009】
例えばアライメントスコープの位置校正では、載置テーブルに載置されたプリント回路基板に対して処理部で所定の処理を施すのに先立ち、プリント回路基板の計測を行うアライメントスコープの位置を校正する装置において、基準パターンが形成された基準スケールを載置テーブルに備え、所定位置の基準パターンにアライメントスコープを移動した後、基準パターンの交点とアライメントスコープの視野中心との位置ずれ量に基づいてアライメントスコープの位置校正を行うことにより、簡単な構成でアライメントスコープの位置校正を容易、且つ、高精度に実施するようにした技術がある(例えば特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2004−62155号公報
【特許文献2】特開2000−329523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ワークの搬送方向と基準スケールにおける基準パターンの相対位置関係が容易に判別することができないため、基準スケール自体がずれて設置されていた場合、そのずれ量がアライメントカメラの位置にも反映してしまい、結果的にワークに所望の画像を描画・露光することができないという問題がある。
【0012】
従って、基準パターンのずれ量が反映されたアライメントカメラの位置を校正したり、あるいは、基準スケールの基準パターンをワークの搬送方向に対して高精度に位置決めして設置する必要があるが、いずれも困難を極める。
【0013】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、アライメントカメラ(アライメントセンサ)の位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができるアライメントセンサの位置校正方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明の他の目的は、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターンのずれを校正することができる基準パターン校正方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、ワークに露光を行う際に、基準スケールの基準パターンのずれに伴ってアライメントセンサの位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができ、露光位置を高精度に補正することができる露光位置補正方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明の他の目的は、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる校正用パターン及びアライメント装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法は、予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得ステップと、前記アライメントセンサの位置を前記校正値に基づいて校正するセンサ校正ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
これにより、アライメントカメラ(アライメントセンサ)の位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができる。
【0019】
そして、前記方法において、前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正ステップを行う判別ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0020】
また、前記方法において、ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0021】
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0022】
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0023】
そして、前記予め決められた所定の角度は直角であってもよい。
【0024】
また、前記方法において、前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出するようにしてもよい。
【0025】
前記センサ校正ステップは、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正するようにしてもよい。
【0026】
また、前記方法において、ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、前記校正値を、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定するようにしてもよい。
【0027】
次に、本発明に係る基準パターン校正方法は、ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップと、予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記補正後の前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、少なくとも前記検出された校正用パターンに基づいて前記基準パターンの校正値を求める校正値取得ステップと、前記基準スケールを前記校正値だけ傾けて設置し直す基準スケール再設置ステップとを有することを特徴とする。
【0028】
これにより、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターンのずれを校正することができる。
【0029】
そして、前記方法において、前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記基準スケール再設置ステップを行う判別ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0030】
また、前記方法において、ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0031】
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0032】
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0033】
そして、前記予め決められた所定の角度が直角であってもよい。
【0034】
また、前記方法において、前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出するようにしてもよい。
【0035】
また、前記方法において、ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、前記校正値を、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定するようにしてもよい。
【0036】
次に、本発明に係る露光位置補正方法は、ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンと前記ワークに形成されたアライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正する露光位置補正方法において、上述した基準パターン校正方法に係る発明を使用して前記基準パターンを校正し、校正された前記基準パターンと前記ワークに形成された前記アライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正することを特徴とする。
【0037】
これにより、ワークに露光を行う際に、基準スケールの基準パターンのずれに伴ってアライメントセンサの位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができ、露光位置を高精度に補正することができる。
【0038】
次に、本発明に係る校正用パターンは、ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする。
【0039】
また、本発明に係る校正用パターンは、ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする。
【0040】
これら校正用パターンに係る発明により、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【0041】
そして、前記校正用パターンにおいて、前記予め決められた所定の角度が直角であってもよい。
【0042】
次に、本発明に係るアライメント装置は、ワークの搬送するステージのワーク載置面に対するアライメントセンサのずれを校正するためのアライメント装置において、予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出手段と、前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得手段と、前記アライメントセンサを前記校正値に基づいて校正するセンサ校正手段とを有することを特徴とする。
【0043】
これにより、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【0044】
そして、前記構成において、前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正手段での処理に制御を移す判別手段をさらに有するようにしてもよい。
【0045】
また、前記構成において、前記ワーク載置面に載置され、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材をさらに有するようにしてもよい。
【0046】
この場合、前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0047】
また、前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0048】
また、前記構成において、前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正手段をさらに有し、前記校正用パターン検出手段は、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出するようにしてもよい。
【0049】
前記センサ校正手段は、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正するようにしてもよい。
【0050】
また、前記構成において、ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、前記校正値を、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0051】
以上説明したように、本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法によれば、アライメントカメラ(アライメントセンサ)の位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができる。
【0052】
また、本発明に係る基準パターン校正方法によれば、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターンのずれを校正することができる。
【0053】
また、本発明に係る露光位置補正方法によれば、ワークに露光を行う際に、基準スケールの基準パターンのずれに伴ってアライメントセンサの位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができ、露光位置を高精度に補正することができる。
【0054】
また、本発明に係る校正用パターン及びアライメント装置によれば、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法、基準パターン校正方法、露光位置補正方法、校正用パターン及びアライメント装置を例えばDMDを有するデジタル露光装置に適用した実施の形態例を図1〜図23を参照しながら説明する。
【0056】
本実施の形態に係るデジタル露光装置10は、図1に示すように、6本の脚部16に支持された設置台18を有する。設置台18の上面には、長手方向に沿って2本のガイド20が延在されており、これら2本のガイド20には、ステージ14が摺動自在に設けられている。ステージ14は、長手方向がガイド20の延在方向を向くように配置され、ガイド20により設置台18上を往復移動可能に支持されており、図示しない駆動装置に駆動されてガイド20に沿って往復移動する(図1の矢印Y方向)。
【0057】
ステージ14の上面(ワーク載置面)には、露光対象物となるワーク12が図示しない位置決め部より所定の載置位置に位置決めされた形態で載置される。このステージ14のワーク載置面には、図示しない複数の溝部が形成されており、それらの溝部内が負圧供給源によって負圧にされることにより、ワーク12はステージ14のワーク載置面に吸着されて保持される。また、ワーク12には、露光位置の基準を示すアライメントマーク13がワーク12の四隅近傍にそれぞれ1個づつ計4個配置されている。ワーク12としては、基板、感光材料、プリント基板、表示装置用基板、表示装置用フィルタ等が挙げられる。
【0058】
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐように、コ字状のゲート22が設けられている。ゲート22は、両端部がそれぞれ設置台18の両側面に固定されており、ゲート22を挟んで一方の側にはワーク12を露光するスキャナ24が設けられ、他方の側にはワーク12に設けられたアライメントマーク13を撮影する複数(例えば、2台)のアライメントカメラ26(CCDカメラ等)を備えたアライメントユニット100が設けられている。なお、2つのアライメントカメラをそれぞれ個別に示す場合は、第1のアライメントカメラ26A及び第2のアライメントカメラ26Bと記す。
【0059】
図7に示すように、アライメントユニット100は、ゲート22に取り付けられる矩形状のユニットベース102を備えている。ユニットベース102のカメラ配設面側には、ステージ14の移動方向(矢印Y方向:ワーク12の搬送方向)と直交する方向(矢印X方向)に沿って一対のガイドレール104が設けられており、各アライメントカメラ26は、これら一対のガイドレール104に摺動可能に案内されると共に、各々に個別に用意されたボールねじ機構106及びそれを駆動する図示しないステッピングモータ等の駆動源により駆動されて、ステージ14の移動方向と直交する方向に独立して移動する。また、アライメントカメラ26は、カメラ本体26aの先端に設けられたレンズ部26bを下方に向けると共に、レンズ光軸がほぼ垂直になる姿勢で配置されており、このレンズ部26bの先端部にはリング状のストロボ光源(LEDストロボ光源)26cが取り付けられている。
【0060】
そして、ワーク12のアライメントマーク13を撮影する際には、各アライメントカメラ26は、上記の駆動源及びボールねじ機構106により矢印X方向に移動されてそれぞれ所定の撮影位置に配置され、すなわち、レンズ光軸が、ステージ14の移動に伴って移動するワーク12が所定の撮影位置に至ったタイミングで、ストロボ光源26cを発光させ、ワーク12へ照射したストロボ光のワーク12上面での反射光をレンズ部26bを介してカメラ本体26aに入力させることにより、アライメントマーク13を撮影する。
【0061】
また、ステージ14の駆動装置、スキャナ24、アライメントカメラ26、及びアライメントカメラ26を移動させるための駆動源は、これらを制御するコントローラ28に接続されている。このコントローラ28により、後述する露光装置10の露光動作時には、ステージ14は所定の速度で移動するよう制御され、アライメントカメラ26は所定の位置に配置されて所定のタイミングでワーク12のアライメントマーク13を撮影するように制御され、スキャナ24は所定のタイミングでワーク12を露光するように制御される。
【0062】
図2に示すように、スキャナ24の内部は、m行n列(例えば2行4列)のほぼマトリックス状に配列された複数(例えば8個)の露光ヘッド30が配置されている。
【0063】
露光ヘッド30による露光エリア32は、例えば走査方向を短辺とする矩形状に校正する。この場合、ワーク12には、その走査露光の移動動作に伴って露光ヘッド30毎に帯状の露光済み領域34が形成される。
【0064】
また、図2に示すように、帯状の露光済み領域34が走査方向と直交する方向に隙間なく並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、配列方向に所定間隔(露光エリア32の長辺の自然数倍)ずらして配置されている。このため、例えば第1列目の露光エリア32と第2列目の露光エリア32との間の露光できない部分は、第2行目の露光エリア32により露光することができる。
【0065】
図3に示すように、各露光ヘッド30は、それぞれ入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部を備えた上述のコントローラ28に接続されている。
【0066】
コントローラ28のデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド30毎にDMD36の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、DMDコントローラとしてのミラー駆動制御部では、データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド30毎にDMD36における各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、この反射面の角度の制御については後述する。
【0067】
各露光ヘッド30におけるDMD36の光入射側には、図1に示すように、紫外波長領域を含む一方向に延在したマルチビームをレーザ光として出射する照明装置38からそれぞれ引き出されたバンドル状の光ファイバ40が接続される。
【0068】
照明装置38は、図示は省略するが、その内部に、複数の半導体レーザチップから出射されたレーザ光を合成して光ファイバに入力する合波モジュールが複数個設置されている。各合波モジュールから延びる光ファイバは、合波したレーザ光を伝搬する合波光ファイバであって、複数の光ファイバが1つに束ねられてバンドル状の光ファイバ40として形成される。
【0069】
また、各露光ヘッド30におけるDMD36の光入射側には、図3に示すように、光ファイバ40の接続端部から出射されたレーザ光を均一の照明光にする均一照明光学系41と、均一照明光学系41を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42とが配置されている。
【0070】
各露光ヘッド30におけるDMD36の光反射側に設けられる投影光学系は、DMD36の光反射側の露光面にあるワーク12上に光源像を投影するため、DMD36側からワーク12に向かって順に、レンズ系50、マイクロレンズアレイ54、対物レンズ系56の各露光用の光学部材が配置されている。
【0071】
ここで、レンズ系50及び対物レンズ系56は、図3に示すように、複数枚のレンズ(凸レンズや凹レンズ等)を組み合わせた拡大光学系として構成されており、DMD36により反射されるレーザビーム(光線束)の断面積を拡大することで、DMD36により反射されたレーザビームによるワーク12上の露光エリア32の面積を所定の大きさに拡大している。なお、ワーク12は、対物レンズ系56の後方焦点位置に配置される。
【0072】
マイクロレンズアレイ54は、図3に示すように、照明装置38から各光ファイバ40を通じて照射されたレーザ光を反射するDMD36の各マイクロミラーに1対1で対応する複数のマイクロレンズ60が二次元状に配され、一体的に成形されて矩形平板状に形成されるたものであり、各マイクロレンズ60は、それぞれレンズ系50を透過した各レーザビーム(露光ビーム)の光軸上にそれぞれ配置されている。
【0073】
また、DMD36は、図5に示すように、SRAMセル(メモリセル)44上に、マイクロミラー(微小ミラー)46が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば600個×800個)の微小ミラー46を格子状に配列したミラーデバイスとして構成されている。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー46が設けられており、マイクロミラー46の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。
【0074】
また、マイクロミラー46の直下には、図示しないヒンジ及びヨークを含む支柱を介して半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル44が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成される。
【0075】
DMDのSRAMセル44にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー46が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±a度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図6A及び図6Bには、DMD36の一部を拡大し、マイクロミラー46が+a度又は−a度に制御されている状態の一例を示しており、図6Aは、マイクロミラー46がオン状態である+a度に傾いた状態を示し、図6Bは、マイクロミラー46がオフ状態である−a度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー46の傾きを、図6A及び図6Bに示すように制御することによって、DMD36に入射した光は、それぞれのマイクロミラー46の傾き方向へ反射される。
【0076】
それぞれのマイクロミラー46のオンオフ制御は、DMD36に接続されたコントローラ28のミラー駆動制御部によって行われ、オン状態のマイクロミラー46により反射された光は露光状態に変調され、DMD36の光出射側に設けられた投影光学系(図3参照)に入射する。また、オフ状態のマイクロミラー46により反射された光は非露光状態に変調され、光吸収体(図示せず)に入射する。
【0077】
また、DMD36は、その短辺方向が走査方向と所定角度(例えば0.1°〜0.5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図4Aは、DMD36を傾斜させない場合の各マイクロミラー46による反射光像(露光ビーム)48の走査軌跡を示し、図4Bは、DMD36を傾斜させた場合の露光ビームの走査軌跡を示している。
【0078】
DMD36には、長手方向(行方向)に沿ってマイクロミラー46が多数個(例えば800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば600組)配列されているが、図4Bに示すように、DMD36を傾斜させることにより、各マイクロミラー46による露光ビームの走査軌跡(走査線)のピッチP2が、DMD36を傾斜させない場合の走査線のピッチP1より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD36の傾斜角は微小であるので、DMD36を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD36を傾斜させない場合の走査幅W1とはほぼ同一である。
【0079】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上におけるほぼ同一の位置(ドット)が重ねて露光(多重露光)されることによる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、走査方向に配列された複数の露光ヘッド30間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差なくつなぐことができる。
【0080】
なお、DMD36を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配列しても、同様の効果を得ることができる。
【0081】
次に、本実施の形態に係る露光装置10に設けられたコントローラ28における制御用の電気系の概略構成を、図10のブロック図を用いて説明する。
【0082】
コントローラ28における制御用の電気系では、バス78を介して、装置各部の制御を統括して行う主制御部で、且つ、前述したデータ処理部としてのCPU80と、オペレータが指令を入力するため、コントローラ28に装着されたスイッチ類を有する指示入力手段82と、画像データ等が一時的に記憶されるメモリ84と、後述する校正用データが記憶されるメモリ85と、それぞれのDMD36における各々のマイクロミラー46を制御するミラー駆動制御部としてのDMDコントローラ86と、各アライメントカメラ26を移動させるための駆動源(ステッピングモータ等)を駆動制御するカメラ移動用コントローラ88と、ワーク12が載置されたステージ14の上面の溝部内に負圧を発生させる負圧供給源、及びステージ14を走査方向に移動させるための駆動装置等を駆動制御するステージ駆動用コントローラ90と、その他に、露光装置10で露光処理する際に必要となる照明装置38といった各種装置の制御を行う露光処理制御用コントローラ92とが接続されて構成されている。
【0083】
この制御用電気系で露光処理を行う場合には、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作して例えば露光処理の対象となる画像データ等の指示を入力する。画像データが伝達されたCPU80は、画像データを一旦メモリ84に格納し、露光処理開始の指令によって、メモリ84から読み出された画像データに基づいて画像の形成処理を行うようにDMDコントローラ86を制御し、且つ、ステージ駆動用コントローラ90と露光処理制御用コントローラ92とにより駆動装置、照明装置38等を制御して露光処理を行う。
【0084】
そして、本実施の形態に係る露光装置10には、図1及び図2に示すように、ステージ14の移動方向(矢印Y方向)におけるアライメント計測方向の下流側(露光方向の上流側)に、照射されたビーム位置と、その光量を検出して上記の位置ずれを検出する検出手段が配置されており、この検出手段は、ステージ14のアライメント計測方向における下流側の端縁部に取り付けられた基準スケール70と、この基準スケール70の裏側に移動可能に装着したフォトセンサ72とを備えている。
【0085】
基準スケール70は、矩形状のガラス板により形成されており、ステージ14のアライメント計測方向の下流側にビーム位置検出部70Aが設けられ、上流側にカメラ位置検出部70Bが設けられている(図8参照)。
【0086】
ビーム位置検出部70Aには、クロムメッキ等の金属膜によるパターニングで、X方向に向かって開く「く」の字型で透明部(透光部)に形成された複数の検出用スリット74がX方向に沿って所定の間隔で配列されている。
【0087】
図9Aに示すように、「く」の字型の検出用スリットは、ステージ移動方向の上流側に位置する所定長さを持つ直線状の第1スリット部74aと、ステージ移動方向の下流側に位置する所定長さを持つ直線状の第2スリット部74bと、をそれぞれの一端部で直角に接続した形状に形成されている。すなわち、第1スリット部74aと、第2スリット部74bとは互いに直交すると共に、Y軸に対して第1スリット部74aは135度、第2スリット部74bは45度の角度を有している。
【0088】
なお、検出用スリット74における第1スリット部74aと第2スリット部74bとは、ステージ14の移動方向に対して45度の角度を成すように形成したものを図示したが、これら第1スリット部74aと第2のスリット部74bとを、露光ヘッド30の画素配列に対して傾斜すると同時に、ステージ移動方向に対して傾斜する状態(互いが平行でないように配置した状態)にできれば、ステージ移動方向に対する角度を任意に設定してもよい。また、検出用スリット74に代えて回折格子を使用してもよい。
【0089】
このビーム位置検出部70Aにおける検出用スリット74の下方には、露光ヘッド30からの光を検出するフォトセンサ72(CCD、CMOS又はフォトディテクタ等)と、フォトセンサ72を移動操作する移動装置76とが配置されている。移動装置76は、コントローラ28の指令によって駆動制御されるリニアモータ送り機構、ねじ送り機構又は搬送ベルト機構等の搬送手段によって、フォトセンサを、X方向に沿って移動し、各所定位置で停止させられるように構成されており、ここでは、コントローラ28の指令に基づいてフォトセンサ72を、ビーム位置検出部70Aにおける各検出用スリット74直下の所定位置へそれぞれ移動して停止させる動作を行う。
【0090】
一方、カメラ位置検出部70Bには、図8に示すように、クロムメッキ等の金属膜によるパターニングで、円形に形成された検出用マーク77A及び十字形に形成された検出用マーク77BがX方向に沿って所定の間隔で交互に複数配列されている。つまり、検出用マーク77Bは、アライメントカメラ26の位置を検出するための基準パターンとして機能する。
【0091】
図11A〜図11Dに示すように、この検出用マーク77Aの幅寸法:MAと検出用マーク77Bの幅寸法:MBとは等しくされ(MA=MB)、検出用マーク77A、77Bの配列ピッチ:P1は、アライメントカメラ26の視野(撮影視野)VのX方向における長さ寸法:Lから、検出用マーク77A、77Bの幅寸法の1/2を差し引いた値に設定されている(P1=L−(MA/2)=L−(MB/2))。また、ここでは、アライメントカメラ26のX方向への移動単位:U1は、検出用マーク77A、77Bの幅寸法の1/2に設定されている(U1=MA/2=MB/2)。
【0092】
また、本実施の形態では、図12に示すように、ステージ14のワーク載置面14aにワーク12を載置する前に、校正用部材200が載置される。この校正用部材200は、1以上のパターンが形成され、このパターンは、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定する。図12の例では、互いに相対位置関係が判明している円形のマークが3つ配列されたパターン(第1〜第3のマーク202A〜202C)を有し、校正用部材200がワーク載置面14aに理想的に載置された場合を想定したとき、校正用部材200の四隅のうち、3つの隅に円形のマーク202A〜202Cが形成され、そのうちの2つのマーク(第1及び第2のマーク202A及び202B)にてステップ移動方向と直交する方向(X方向)に沿った第1の線分204Aが特定され、2つのマーク(第1及び第3のマーク202A及び202C)にてステージ移動方向(Y方向)に沿った第2の線分204Bが特定される。従って、2つの線分204A及び204Bのなす角は、この例では、直角とされている。この校正用部材200は、上述した基準スケール70と同様に矩形状のガラス板で構成することができる。
【0093】
ここで、本実施の形態に係る校正方法を説明する前に、上述した基準スケール70による調整方法について説明する。
【0094】
まず、基準スケール70に形成されたビーム位置検出部70Aでの調整方法について図9A及び図9B及び図10を参照しながら説明する。
【0095】
ここでは、スキャナ24の各露光ヘッドから照射されるビーム位置を検出し、DMD36の1つの特定画素Z1が点灯している(1つの特定画素をオンとしているとき)実際の位置を特定する手順について説明する。なお、特定画素Z1が点灯している実際の位置を特定し、点灯している特定画素Z1の光量を検出して行うこの方法は、特定画素Z1の適正状態の確認や、初期条件の確認等にも利用できる。
【0096】
まず、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作して1つの特定画素Z1が点灯している実際の位置を特定する指示を入力すると、この指令を受けたCPU80は、ステージ14を移動操作して基準スケール70の所定の露光ヘッド30用の所定の検出用スリット74をスキャナ24の下方に位置させる。
【0097】
次に、CPU80は、DMDコントローラ86と露光処理制御用コントローラ92とに制御信号を出力して、所定のDMD36における特定画素Z1だけを点灯状態とするように制御する。さらにCPU80は、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を移動制御し、図9Aに実線で示すように、検出用スリット74が露光エリア32上の所定位置(例えば原点とすべき位置)となるように移動させる。このとき、CPU80は、第1スリット部74aと第2スリット部74bとの交点を(X0,Y0)と認識し、メモリ84に記憶する。なお、図9Aでは、Y軸から反時計方向に回転する方向を正の角度とする。
【0098】
次に、図9Aに示すように、CPU80は、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を移動制御することにより、検出用スリット74をY軸に沿って図9Aにおける右方へ移動を開始させる。そして、CPU80は、検出用スリット74が上記所定位置の右方の想像線で示した位置で、図9Bに示すように、点灯している特定画素Z1からの光が第1スリット部74aを透過してフォトセンサ72で検出されたことを検知した際に、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を停止させる。CPU80は、このときの第1スリット部74aと第2スリット部74bとの交点を(X0,Y11)として認識し、メモリ84に記憶する。
【0099】
次に、CPU80は、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を移動させ、検出用スリット74をY軸に沿って図9Aにおける左方へ移動を開始させる。そして、CPU80は、検出用スリット74が上記所定位置の左方の想像線で示した位置で、図9Bに示すように、点灯している特定画素Z1からの光が第2スリット部74bを透過してフォトセンサ72で検出されたことを検知した際に、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を停止させる。CPU80は、このときの第1スリット部74aと第2スリット部74bとの交点を(X0,Y12)として認識し、メモリ84に記憶する。
【0100】
次に、CPU80は、メモリ84に記憶した座標(X0,Y11)と(X0,Y12)とを読み出して特定画素Z1の座標を求め、実際の位置を特定する。ここで、特定画素Z1の座標を(X1,Y1)とすると、X1=X0+(Y11−Y12)/2で表され、Y1=(Y11+Y12)/2で表される。
【0101】
なお、上述のように、第1スリット部74aと交差する第2スリット部74bを有する検出用スリット74と、フォトセンサ72とを組み合わせて用いる場合には、フォトセンサ72が、第1スリット部74a又は第2スリット部74bを通過する所定範囲の光だけを検出することになる。よって、フォトセンサ72は、第1スリット部74a又は第2スリット部74bに対応する狭い範囲だけの光量を検出する微細で特別な構成とすることなく、市販の廉価なもの等を利用できる。
【0102】
次に、本実施の形態に係る露光装置10におけるアライメント機能(露光位置合わせ機能)の校正方法について説明する。
【0103】
上述したアライメント機能を備える本実施の形態に係る露光装置10では、前述したように、アライメントカメラ26が移動に伴い姿勢変化(ローリング、ピッチング及びヨーイング)を起こし、撮影位置に配置された状態で撮影レンズの光軸中心が正規の位置からずれる場合があるため、その影響により、アライメント機能を用いて露光位置を補正し、画像露光を行っても、露光位置が適正位置から外れて許容範囲を超えてしまう場合がある。
【0104】
このアライメントカメラ26の姿勢変化による光軸ずれ要因により、精度が影響されるアライメント機能を校正するため、露光装置10の製造時やメンテナンス時などに、以下に説明する校正方法によりアライメント機能の校正作業を実施する。
【0105】
この校正作業の手順としては、先にアライメントカメラ26の校正を行い、次に露光基準とカメラ光軸中心との位置関係を取得して、その取得情報を露光ヘッド30による露光位置合わせに反映させる手順で行うが、この校正作業は、ワーク12に対する露光手順とは別に事前に実施する、又は、ワーク12に対する露光時に同時に実施することができる。また、アライメントカメラ26の校正、及び露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得については、連続的又は個別に行うことができるが、ここでは、連続的に行う場合で説明する。
【0106】
アライメントカメラの校正については、図13に示すステップS1で、まず、オペレータがワーク12のアライメントマーク13の位置データをコントローラ28に入力する。この位置データの入力によりアライメントマーク13の座標が取得される。
【0107】
続いて、オペレータがコントローラ28の指示入力手段82から校正開始の入力操作を行うと、露光装置10の校正動作が開始し、ステップS2で、コントローラ28のカメラ移動用コントローラ88は上記の入力された位置データに基づいてアライメントカメラ26の駆動源を制御し、各アライメントカメラ26をワーク12のアライメントマーク13を撮影する所定の撮影位置にそれぞれ移動させる。このとき、各アライメントカメラ26の位置は、各駆動源(ステッピングモータ)のパルスをカウントすることでコントローラ28に制御され、また、前述した移動単位(U1)のステップで送られる。
【0108】
各アライメントカメラ26がアライメントマーク13の撮影位置に配置されると、ステップS3で、ステージ14がガイド20に沿ってアライメント計測方向の上流側から下流側に移動し、基準スケール70のカメラ位置検出部70Bを各アライメントカメラ26の下方(視野内)に配置する位置まで移動する。
【0109】
各アライメントカメラ26の視野内に基準スケール70のカメラ位置検出部70Bが配置されると、各アライメントカメラ26はコントローラ28により制御されてカメラ位置検出部70Bをそれぞれ撮影する。このとき、各アライメントカメラ26は、カメラ位置検出部70Bに配列された複数の検出用マーク77A、77Bのうち、少なくとも1つをそれぞれ撮影する。
【0110】
次に、ステージS4で、撮影された検出用マーク77A、77Bの視野中心(光軸中心)からの位置ずれ量を、コントローラ28が画像処理等によって計測する。なお、ここでは、撮影した検出用マークが検出用マーク77A、77Bのいずれであるかは、パターンマッチング等の画像処理を用いて切り替える。
【0111】
ここで、撮影された検出用マーク77A、77Bが、複数設けられたうちのいずれの検出用マークであるかは上記のパルスによって特定し、また、各検出用マーク77A、77Bの絶対位置データは予め別の測定手段によって測定し、コントローラ28に記憶されており、この絶対位置データと、上記の計測結果(計測値)との差分を演算して、基準スケール70と各アライメントカメラ26の光軸中心との位置ずれデータを取得する。この計測及び演算結果から、アライメントマーク13を撮影する位置(アライメント計測位置)における各アライメントカメラ26の光軸中心ずれ量を補正するための校正用データが得られ、この校正用データは、コントローラ28のメモリ85に記憶される(図7参照)。そして、アライメントカメラ26の校正動作を終了し、次に、露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得動作に移行する。
【0112】
この動作が開始されると、図13に示すステップS101で、コントローラ28により駆動装置が制御され、ステージ14は、基準スケール70のビーム位置検出部70Aを露光ヘッド30によるレーザビームの照射位置(露光位置)まで移動する。次に、ステップS102で、基準スケール70のビーム位置検出部70Aへ向けて露光ヘッド30からレーザビームを照射し、前述したビーム位置検出動作により、露光基準点の位置を計測する(ステップS103)。
【0113】
ここで、ビーム位置検出部70Aとカメラ位置検出部70Bとは同一の基準スケール70に設けられており、これらの位置関係は予め別の測定手段により測定されている。これにより、露光基準と、上記のカメラの校正動作で撮影した検出用マーク77A、77Bとの位置関係が判明する。従って、本動作により計測した露光基準データと、カメラの構成動作により取得したアライメントカメラ26の光軸中心との位置ずれデータ(校正用データ)とを演算することで、露光基準とカメラ光軸中心との位置関係を示す露光基準−カメラ光軸中心位置データ(補正データ)が得られ、このデータはコントローラのメモリ85に記憶される(ステップS104)。そして、露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得動作を終了し、校正動作を終了する。
【0114】
次に、本実施の形態に係る校正方法、特に、校正用部材200を用いたアライメントカメラの位置方法(第1の校正方法)について図12、図15〜図19を参照しながら説明する。
【0115】
まず、図15のステップS201において、ステージ14のワーク載置面14aに校正用部材200を載置する(図12参照)。このとき、理想的には図12に示すように、第1及び第2のマーク202A及び202Bがステップ移動方向に沿い、第1及び第3のマーク202A及び202Cがステップ移動方向と直交する方向に沿うように校正用部材200が載置される。
【0116】
その後、ステップS202において、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作してステージ14を一方向に移動させる指令を入力することで、CPU80は、ステージ14を一方向に移動させる。このステージ14の移動に当たっては、アライメントカメラ26の視野内に、最初に、基準スケール70の基準パターン(カメラ位置検出部70B)が入り、続いて、校正用部材200のパターンが入るようになっている。従って、次のステップ203において、上述した露光位置合わせ処理(図13のステップS1〜ステップS5参照)が行われる。前記露光位置合わせ処理によって取得される校正用データは、あくまでもアライメントユニット100が理想的に取り付けられて、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの配列方向がステージ移動方向と直交する方向に一致していることを前提としている。しかし、経時変化や周囲の温度変化によってアライメントユニット100等がステージ移動方向と直交する方向に対して僅かにずれる場合もある。そこで、以下の処理が行われる。
【0117】
すなわち、ステップS204において、第1のアライメントカメラ26Aの視野内に第1のマーク202Aが入った段階で、CPU80は第1のマーク202Aの座標(第1の座標m1)を求め、第2のアライメントカメラ26Bの視野内に第2のマーク202Bが入った段階で、CPU80は第2のマーク202Bの座標(第2の座標m2)を求める。例えば図16に示すように、アライメントユニット100が経時変化で位置ずれが生じ、第1のアライメントカメラ26Aの位置が第2のアライメントカメラ26Bよりも校正用部材200寄りにある場合、第1〜第3のマーク202A〜202Cの座標m1〜m3は、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの位置ずれに対応してずれて認識されることになる。なお、図16では、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの位置ずれがわかるように強調して図示している。つまり、第1の座標m1と第2の座標m2で特定される1つの線分(第1の線分204A)とステージ移動方向と直交する方向(X方向)とは一致しなくなり、ある角度をもった位置関係となる。この角度は、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの各カメラ光軸を結ぶ線分(基準線分206)とX方向とのなす角に等しい。
【0118】
これら第1及び第2の座標m1及びm2は、校正用部材200に形成された第1及び第2のマーク202A及び202Bの撮像データに対するパターンマッチング処理と、各マーク202A及び202Bが対応するアライメントカメラ26A及び26Bの視野内に入った段階でのステージ14の移動距離並びに第1のマーク202Aと第2のマーク202Bとの離間距離に基づいて算出することができる。これら第1及び第2の座標m1及びm2はメモリ85に記憶される。
【0119】
その後、ステップS205において、ステージ14がさらに一方向に移動されることによって、第1のアライメントカメラ26Aの視野内に第3のマーク202Cが入った段階で、CPU80は、第3のマークの座標(第3の座標m3)を求める。この第3の座標m3は、上述と同様に、校正用部材200に形成された第3のマーク202Cの撮像データに対するパターンマッチングと、第3のマーク202Cが第1のアライメントカメラ26Aの視野内に入った段階でのステージ14の移動距離並びに第1のマーク202Aと第3のマーク202Cとの離間距離に基づいて算出することができる。この第3の座標m3はメモリ85に記憶される。
【0120】
その後、ステップS206において、2つのアライメントカメラ26A及び26Bの見かけ上の位置ずれが演算される。この演算は、第1の座標m1と第2の座標m2にて特定される第1の線分204Aとステージ移動方向と直交する方向とのなす角(第1の角度θ1)にて求めることができる。ここで、図17に示すように、ステージ移動方向と直交する方向をxy座標系のx軸方向とし、0以上の実数領域のみを考えたとき、第1の線分204Aが第1象限にある場合、+θ1とし、第4象限にあるとき、−θ1とする。なお、校正用部材200が理想的に載置されていれば、この第1の角度θ1が2つのアライメントカメラ26A及び26Bの実際の位置ずれとして求められることになる。しかし、校正のたびに、校正用部材200を理想的に載置する(第1の座標m1と第3の座標m2で特定される第2の線分204Bとステージ移動方向とのなす角を0°とする)ことは困難であり、ある程度傾いて載置されることになる。
【0121】
そこで、次のステップS207において、校正用部材200の載置ずれが演算される。この演算は、第1の座標m1と第3の座標m2にて特定される第2の線分204Bとステージ移動方向とのなす角(第2の角度θ2)にて求めることができる。ここで、図18に示すように、ステージ移動方向をxy座標系のy軸方向とし、0以下の実数領域のみを考えたとき、第2の線分204Bが第4象限にある場合、+θ2とし、第3象限にあるとき、−θ2とする。
【0122】
その後、ステップS208において、アライメントカメラ26A及び26Bの実際の位置ずれ(調整角度φ)を演算する。この位置ずれ(調整角度φ)は、上述したように、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの各カメラ光軸を結ぶ線分(基準線分206)とステージ移動方向と直交する方向とのなす角であって、この場合、アライメントユニット100の位置ずれでもある。この演算は、
位置ずれ(調整角度φ)=(第1の角度±θ1)−(第2の角度±θ2)
で求めることができる。
【0123】
そして、図19に示すように、ステージ移動方向と直交する方向をxy座標系のx軸方向とし、0以上の実数領域のみを考えたとき、調整角度+φは、第1及び第2の基準線分が第1象限に向かって、φだけずれていることを示し、調整角度−φは、基準線分が第4象限に向かって、φだけずれていることを示す。
【0124】
その後、ステップS209において、調整角度φが許容範囲から逸脱しているか否かが判別される。許容範囲としては、例えば±2(秒)等が挙げられる。調整角度φが許容範囲を逸脱していれば、次のステップS210に進み、上述したステップS203の露光位置合わせ処理(図13のステップS1〜ステップS5参照)によって取得された校正用データに、前記ステップS208にて求められた調整角度φを反映させる。
【0125】
すなわち、校正用データと調整角度φを反映させることで、擬似的にアライメントカメラ26A及び26Bが互いに正しい位置(図16の基準線分206がステージ移動方向と直交する方向に一致する位置)に設置された形となり、以下に示すその後の露光処理において高精度にワーク12に対して露光を行うことができる。
【0126】
前記ステップS209において調整角度φが許容範囲内であると判別された場合、あるいは前記ステップS210での処理が終了した段階で、この第1の校正方法が終了する。
【0127】
次に、本実施の形態に係る他の校正方法、特に、校正用部材200を用いた基準スケール70の校正方法(第2の校正方法)について図20を参照しながら説明する。
【0128】
まず、図20のステップS301〜ステップS309までの処理は、図15に示す第1の校正方法のステップS201〜ステップS209までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0129】
そして、次のステップS309において、調整角度φが許容範囲を逸脱していると判別された場合は、次のステップS310に進み、オペレータは、前記ステップS308にて求められた調整角度φだけ基準スケール70の傾きを校正する。すなわち、基準スケール70を調整角度φを打ち消す方向に傾けて設置し直す。その後、ステップS311において、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作してステージ14を元の位置に復帰させる指令を入力することで、CPU80は、ステージ14を元の位置に移動復帰させる。その後、ステップS302に戻り、該ステップS302以降の処理を繰り返す。
【0130】
前記ステップS309において、調整角度φが許容範囲内であると判別された段階でこの第2の校正方法が終了する。
【0131】
上述の例では、アライメントカメラ26A及び26Bがアライメントユニット100の一対のガイドレール104に沿って移動する場合に適用した例を示したが、その他、アライメントカメラ26A及び26Bが一対のガイドレール104に沿って移動するほか、例えばガイドレール104の延在方向と直交する方向やその他方向に移動する場合にも容易に適用させることができる。
【0132】
次に、上記のように構成された露光装置10によるワーク12に対する露光処理について説明する。
【0133】
まず、露光パターンに応じた画像データがコントローラ28に入力されると、コントローラ28内のメモリ84に一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0134】
次に、ワーク12をステージ14のワーク載置面14aにセットし、オペレータがコントローラ28の指示入力手段82から露光開始の入力操作を行う。
【0135】
上述の入力操作により、露光装置10の露光動作が開始すると、コントローラ28により駆動装置が制御され、ワーク12を上面に吸着したステージ14は、ガイド20に沿って、且つ、アライメント計測方向の上流側から下流側に一定速度で移動開始する。このステージ14の移動開始に同期して、又は、ワーク12に先端が各アライメントカメラ26の真下に達する少し手前のタイミングで、各アライメントカメラ26はコントローラ28により制御されて作動する。
【0136】
ステージ14の移動に伴い、ワーク12がアライメントカメラ26の下方を通過する際には、アライメントカメラ26によるアライメント測定が行われる。
【0137】
このアライメント測定では、まず、ワーク12の移動方向下流側(前端側)の角部近傍に設けられた2個のアライメントマーク13が各アライメントカメラ26の真下(レンズの光軸上)に達すると、所定のタイミングで各アライメントカメラ26はそれぞれアライメントマーク13を撮影し、その撮影した画像データを、すなわち、露光位置の基準がアライメントマーク13によって示された基準位置データを含む画像データをコントローラ28のデータ処理部であるCPU80に出力する。アライメントマーク13の撮影後は、ステージ14が下流側への移動を再開する。
【0138】
また、本実施の形態のワーク12のように、移動方向(走査方向)に沿って複数のアライメントマーク13が設けられている場合には、次のアライメントマーク13(移動方向上流側(後端側)の角部近傍に設けられた2個のアライメントマーク13)が各アライメントカメラ26の真下に達すると、同様に所定のタイミングで各アライメントカメラ26はそれぞれアライメントマーク13を撮影してその画像データをコントローラ28のCPU80に出力する。
【0139】
なお、ワーク12に移動方向に沿って3個以上のアライメントマーク13が設けられている場合も同様に、各アライメントマーク13がアライメントカメラ26の下方を通過する毎に、所定のタイミングでアライメントカメラ26によるアライメントマーク13の撮影が繰り返し行われ、全てのアライメントマーク13に対し、その撮影した画像データがコントローラ28のCPU80に出力される。
【0140】
CPU80は、入力された各アライメントマーク13の画像データ(基準位置データ)から判明する画像内におけるマーク位置及びマーク間ピッチ等と、そのアライメントマーク13を撮影したときのステージ14の位置及びアライメントカメラ26の位置から、演算処理によって、ステージ14上におけるワーク12の載置位置のずれ、移動方向に対するワーク12の傾きのずれ、及びワーク12の寸法精度誤差等を把握し、ワーク12の被露光面に対する適正な露光位置を算出する。そして、後述するスキャナ24による画像露光時に、メモリ84に記憶されている露光パターンの画像データに基づいて作成する制御信号をその適正な露光位置に合わせ込んで画像露光する補正制御(アライメント)を実行する。
【0141】
ワーク12がアライメントカメラ26の下方を通過すると、アライメントカメラ26によるアライメント測定が完了し、続いてステージ14は駆動装置により逆方向に駆動され、ガイド20に沿って露光方向へ移動する。そして、ワーク12は、ステージ14の移動に伴いスキャナ24の下方を露光方向の下流側へ移動し、被露光面の画像露光領域が露光開始位置に達すると、スキャナ24の各露光ヘッド30は光ビームを照射してワーク12の被露光面に対する画像露光を開始する。
【0142】
ここで、コントローラ28のメモリ84に記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部としてのCPU80で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド30毎に制御信号が生成される。この制御信号には、前述した補正制御(アライメント)により、アライメント測定したワーク12に対する露光位置ずれの補正が加えられる。そして、ミラー駆動制御部としてのDMDコントローラ86は、生成及び補正された制御信号に基づいて各露光ヘッド30毎にDMDのマイクロミラー46の各々をオンオフ制御する。
【0143】
照明装置38の光ファイバ40から出射されたレーザ光がDMD36に照射されると、DMD36のマイクロミラー46がオン状態のときに反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ54の各対応するマイクロレンズ60を含むレンズ系によりワーク12の露光面上に結像される。このようにして、照明装置38から出射されたレーザ光が画素毎にオンオフされて、ワーク12がDMD36の使用画素数とほぼ同数の画素単位(露光エリア32)で露光される。
【0144】
また、ワーク12がステージ14と共に一定速度で移動されることにより、ワーク12がスキャナ24によりステージ移動方向と反対の方向に走査され、各露光ヘッド30毎に帯状の露光済み領域34(図2参照)が形成される。
【0145】
スキャナ24によるワーク12の画像露光が完了すると、ステージ14は、駆動装置により、そのまま露光方向の下流側へ駆動されて露光方向の最下流側(アライメント計測方向の最上流側)にある原点に復帰する。以上により、露光装置10によるワーク12に対する露光動作が終了する。
【0146】
このように、本実施の形態に係る第1及び第2の校正方法においては、アライメントカメラ26の位置(アライメントユニット100の位置等)がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができる。また、基準スケール70の基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターン70のずれを校正することができる。つまり、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【0147】
上述した校正用部材200は、3つの円形のマーク202A〜202Cが形成された例を示したが、その他、図21に示すように、校正用部材200の四隅に、それぞれ円形のマーク(合計4つのマーク202A〜202D)を形成するようにしてもよい。この場合、上述したように、第1〜第3のマーク202A〜202Cで校正処理を行うようにしてもよいが、以下のような処理を行ってもよい。
【0148】
すなわち、図22に示すように、例えば第1のマーク202Aの座標(第1の座標m1)と第2のマーク202Bの座標(第2の座標m2)でステージ移動方向と直交する方向に沿った線分(第1の線分204A)を特定する。第3のマーク202Cの座標(第3の座標m3)と第4のマーク202Dの座標(第4の座標m4)でステージ移動方向と直交する方向に沿った線分(第3の線分204C)を特定する。そして、第1の線分204Aの中点座標n1と第3の線分204Cの中点座標n2で第4の線分204Dを特定し、さらに、例えば第1の線分204Aと第4の線分204Dとのなす角を第3の角度θ3とする。この第3の角度θ3は(90°+第1の角度θ1)の関係を有するため、上述した第1の校正方法や第2の校正方法に簡単に適用させることができる。なお、第2の角度θ2(図示せず)は、第1及び第2の校正方法にて説明した処理と同様に、第1の座標m1と第3の座標m3にて特定される第2の線分204Bとステージ移動方向とのなす角にて求めることができる。
【0149】
また、上述の例では、校正用部材200に形成されたマーク202A〜202C並びに202A〜202Dのみで第1及び第2の線分204A及び204B並びに第1の線分204A〜第4の線分204Dを特定したが、その他、図23に示すように、ステージ14のワーク載置面14aのうち、校正用部材200が載置されていない部分に設けられた部材の一部210あるいはステージ14に設けられた部材の一部212を1つのマークとして使用してもよい。図23では、校正用部材200に形成された2つのマーク202A及び202Bと、ワーク載置面14aに存在する部材の一部210あるいはステージ14に存在する部材の一部212で上述した第1及び第2の校正方法で用いられる1つのパターンが形成されている場合を示している。
【0150】
また、上述の例では、2つのアライメントカメラ26A及び26Bを用いた例を示したが、アライメントユニット100におけるアライメントカメラ(例えば26A)のX方向の移動範囲を長くすることで、1つのアライメントカメラ(例えば26A)でも同様の位置校正を行うことができる。
【0151】
なお、上述の実施の形態では、デジタル露光装置10に適用した例を示したが、その他、アナログ露光装置、インクジェット装置、各種アライメント装置にも適用させることができる。
【0152】
すなわち、本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法、基準パターン校正方法、露光位置補正方法、校正用パターン及びアライメント装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本実施の形態に係る露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る露光装置におけるスキャナの概略構成を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る露光装置における露光ヘッドの光学系を示す概略構成図である。
【図4】図4Aは本実施の形態に係る露光装置におけるDMDを傾斜させない場合の各マイクロミラーによる露光ビームの走査軌跡を示す要部平面図であり、図4BはDMDを傾斜させた場合の露光ビームの走査軌跡を示す要部平面図である。
【図5】本実施の形態に係る露光装置に設けられたDMDの構成を示す部分拡大図である。
【図6】図6A及び図6Bは図5のDMDの動作を説明するための説明図である。
【図7】本実施の形態に係る露光装置におけるアライメントユニットの構成を示す斜視図である。
【図8】本実施の形態に係る露光装置に設置される基準スケールを示す平面図である。
【図9】図9Aは本実施の形態に係る露光装置において検出用スリットを利用して点灯している特定画素と光の回り込み画素を検出する状態を示す説明図であり、図9Bは点灯している特定画素をフォトセンサが検知したときの信号を示す説明図である。
【図10】本実施の形態に係る露光装置に設けられたコントローラおける制御用の電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図11A〜図11Dは、本実施の形態に係る露光装置におけるカメラ位置検出部をアライメントカメラにより撮影する際の検出用マークと撮影視野の関係を示す説明図である。
【図12】本実施の形態に係る露光装置のワーク載置面に載置される基準スケールと校正用部材及びアライメントカメラとの関係を示す説明図である。
【図13】本実施の形態に係る露光装置で行われるカメラ校正動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態に係る露光装置で行われる露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【図15】本実施の形態に係る第1の校正方法(アライメントカメラの位置校正方法)を示すフローチャートである。
【図16】アライメントカメラの位置を校正する原理を示す説明図である。
【図17】第1及び第2のマークで特定された第1の線分に基づいて求められた第1の角度の関係を示す説明図である。
【図18】第1及び第3のマークで特定された第2の線分に基づいて求められた第2の角度の関係を示す説明図である。
【図19】第1及び第2の角度から求められた調整角度の関係を示す説明図である。
【図20】本実施の形態に係る第2の校正方法(基準パターン校正方法)を示すフローチャートである。
【図21】校正用部材に形成されるマークの他の配置例を示す平面図である。
【図22】図21の配置例でアライメントカメラの位置を校正する原理を示す説明図である。
【図23】アライメントカメラの位置を構成するためのパターンの他の例を示す平面図である。
【図24】従来例に係るデジタル露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0154】
10…露光装置 12…ワーク
14…ステージ 24…スキャナ
26、26A、26B…アライメントカメラ
28…コントローラ 30…露光ヘッド
70…基準スケール 70A…ビーム位置検出部
70B…カメラ位置検出部 74…検出用スリット
84、85…メモリ 100…アライメントユニット
200…校正用部材 202A〜202D…マーク
204A〜204D…線分 210、212…部材の一部
【技術分野】
【0001】
本発明は、校正用パターンを検出してアライメントセンサの位置を校正するアライメントセンサの位置校正方法と、基準パターンが形成された基準スケールに従って補正を行ったアライメントセンサを校正用パターンに基づいてアライメントセンサと基準スケールの校正を行う基準パターン校正方法と、該基準パターン校正方法を用いて露光位置の補正を行う露光位置補正方法と、上述したアライメントセンサの位置校正方法や基準パターン校正方法にて使用される校正用パターンと、上述したアライメントセンサの位置校正方法や基準パターン校正方法の原理を用いたアライメント装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、所望の画像パターンに従ってレーザビームを制御し、シート状の感光材料を露光走査することにより、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ等のフィルタやプリント基板を製造する露光装置が開発されている。図24は、このような露光装置300の概略構成を示す(特許文献1参照)。
【0003】
露光装置300は、例えば6本の脚部302により支持される長方形状の定盤304と、定盤304上に配設された2本のガイドレール306a、306bに沿って移動可能な移動ステージ308と、定盤304上に配設される門型のコラム310と、コラム310に固定され、移動ステージ308に位置決めされたワーク312をレーザビームにより照射するスキャナ314とを備える。
【0004】
ワーク312は、移動ステージ308と共に矢印方向に移動される一方、スキャナ314から出力されるレーザビームが矢印方向と直交する方向に照射されることで、二次元画像が記録される。
【0005】
ここで、スキャナ314は、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)等の空間光変調素子をパターンジェネレータとする複数の露光ヘッドからなり、各露光ヘッドにより二次元画像パターンを高精細且つ高速度に記録するように構成されている。
【0006】
DMDは、制御信号に応じて反射面の角度が変化する多数のマイクロミラーをシリコン等の半導体基板上に二次元的に配列したミラーデバイスであり、レーザ光源から出力されたレーザビームをコリメータレンズでコリメートした後、反射面の角度が制御されたDMDによって選択的に反射させ、マイクロレンズアレーを介してワーク312上に集光させることにより、二次元画像パターンの記録が行われる。
【0007】
そして、このような露光装置300では、ワーク312に対する例えばワークの搬送方向(Y方向)とそれと直交する方向(X方向)の露光位置を正確に合わせるため、露光に先立って、ワークに設けられたアライメントマークをCCDカメラ等のアライメントカメラで撮影し、この撮影によって得られたマーク測定位置(基準位置データ)に基づいて露光位置を適正位置に合わせるアライメントを行っている。
【0008】
このようなアライメント機能(露光位置合わせ機能)については、その精度を保証するため、アライメント測定に関わる各部の校正を製造時やメンテナンス時などに行っている。
【0009】
例えばアライメントスコープの位置校正では、載置テーブルに載置されたプリント回路基板に対して処理部で所定の処理を施すのに先立ち、プリント回路基板の計測を行うアライメントスコープの位置を校正する装置において、基準パターンが形成された基準スケールを載置テーブルに備え、所定位置の基準パターンにアライメントスコープを移動した後、基準パターンの交点とアライメントスコープの視野中心との位置ずれ量に基づいてアライメントスコープの位置校正を行うことにより、簡単な構成でアライメントスコープの位置校正を容易、且つ、高精度に実施するようにした技術がある(例えば特許文献2参照)。
【0010】
【特許文献1】特開2004−62155号公報
【特許文献2】特開2000−329523号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、ワークの搬送方向と基準スケールにおける基準パターンの相対位置関係が容易に判別することができないため、基準スケール自体がずれて設置されていた場合、そのずれ量がアライメントカメラの位置にも反映してしまい、結果的にワークに所望の画像を描画・露光することができないという問題がある。
【0012】
従って、基準パターンのずれ量が反映されたアライメントカメラの位置を校正したり、あるいは、基準スケールの基準パターンをワークの搬送方向に対して高精度に位置決めして設置する必要があるが、いずれも困難を極める。
【0013】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、アライメントカメラ(アライメントセンサ)の位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができるアライメントセンサの位置校正方法を提供することを目的とする。
【0014】
また、本発明の他の目的は、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターンのずれを校正することができる基準パターン校正方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、ワークに露光を行う際に、基準スケールの基準パターンのずれに伴ってアライメントセンサの位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができ、露光位置を高精度に補正することができる露光位置補正方法を提供することを目的とする。
【0016】
また、本発明の他の目的は、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる校正用パターン及びアライメント装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法は、予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得ステップと、前記アライメントセンサの位置を前記校正値に基づいて校正するセンサ校正ステップとを有することを特徴とする。
【0018】
これにより、アライメントカメラ(アライメントセンサ)の位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができる。
【0019】
そして、前記方法において、前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正ステップを行う判別ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0020】
また、前記方法において、ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0021】
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0022】
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0023】
そして、前記予め決められた所定の角度は直角であってもよい。
【0024】
また、前記方法において、前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出するようにしてもよい。
【0025】
前記センサ校正ステップは、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正するようにしてもよい。
【0026】
また、前記方法において、ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、前記校正値を、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定するようにしてもよい。
【0027】
次に、本発明に係る基準パターン校正方法は、ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップと、予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記補正後の前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、少なくとも前記検出された校正用パターンに基づいて前記基準パターンの校正値を求める校正値取得ステップと、前記基準スケールを前記校正値だけ傾けて設置し直す基準スケール再設置ステップとを有することを特徴とする。
【0028】
これにより、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターンのずれを校正することができる。
【0029】
そして、前記方法において、前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記基準スケール再設置ステップを行う判別ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0030】
また、前記方法において、ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有するようにしてもよい。
【0031】
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0032】
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0033】
そして、前記予め決められた所定の角度が直角であってもよい。
【0034】
また、前記方法において、前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出するようにしてもよい。
【0035】
また、前記方法において、ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、前記校正値を、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定するようにしてもよい。
【0036】
次に、本発明に係る露光位置補正方法は、ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンと前記ワークに形成されたアライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正する露光位置補正方法において、上述した基準パターン校正方法に係る発明を使用して前記基準パターンを校正し、校正された前記基準パターンと前記ワークに形成された前記アライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正することを特徴とする。
【0037】
これにより、ワークに露光を行う際に、基準スケールの基準パターンのずれに伴ってアライメントセンサの位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができ、露光位置を高精度に補正することができる。
【0038】
次に、本発明に係る校正用パターンは、ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする。
【0039】
また、本発明に係る校正用パターンは、ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする。
【0040】
これら校正用パターンに係る発明により、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【0041】
そして、前記校正用パターンにおいて、前記予め決められた所定の角度が直角であってもよい。
【0042】
次に、本発明に係るアライメント装置は、ワークの搬送するステージのワーク載置面に対するアライメントセンサのずれを校正するためのアライメント装置において、予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出手段と、前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得手段と、前記アライメントセンサを前記校正値に基づいて校正するセンサ校正手段とを有することを特徴とする。
【0043】
これにより、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【0044】
そして、前記構成において、前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正手段での処理に制御を移す判別手段をさらに有するようにしてもよい。
【0045】
また、前記構成において、前記ワーク載置面に載置され、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材をさらに有するようにしてもよい。
【0046】
この場合、前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0047】
また、前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されるようにしてもよい。
【0048】
また、前記構成において、前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正手段をさらに有し、前記校正用パターン検出手段は、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出するようにしてもよい。
【0049】
前記センサ校正手段は、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正するようにしてもよい。
【0050】
また、前記構成において、ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、前記校正値を、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0051】
以上説明したように、本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法によれば、アライメントカメラ(アライメントセンサ)の位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができる。
【0052】
また、本発明に係る基準パターン校正方法によれば、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターンのずれを校正することができる。
【0053】
また、本発明に係る露光位置補正方法によれば、ワークに露光を行う際に、基準スケールの基準パターンのずれに伴ってアライメントセンサの位置がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができ、露光位置を高精度に補正することができる。
【0054】
また、本発明に係る校正用パターン及びアライメント装置によれば、アライメントセンサの位置がずれている、あるいは、基準スケールの基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0055】
以下、本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法、基準パターン校正方法、露光位置補正方法、校正用パターン及びアライメント装置を例えばDMDを有するデジタル露光装置に適用した実施の形態例を図1〜図23を参照しながら説明する。
【0056】
本実施の形態に係るデジタル露光装置10は、図1に示すように、6本の脚部16に支持された設置台18を有する。設置台18の上面には、長手方向に沿って2本のガイド20が延在されており、これら2本のガイド20には、ステージ14が摺動自在に設けられている。ステージ14は、長手方向がガイド20の延在方向を向くように配置され、ガイド20により設置台18上を往復移動可能に支持されており、図示しない駆動装置に駆動されてガイド20に沿って往復移動する(図1の矢印Y方向)。
【0057】
ステージ14の上面(ワーク載置面)には、露光対象物となるワーク12が図示しない位置決め部より所定の載置位置に位置決めされた形態で載置される。このステージ14のワーク載置面には、図示しない複数の溝部が形成されており、それらの溝部内が負圧供給源によって負圧にされることにより、ワーク12はステージ14のワーク載置面に吸着されて保持される。また、ワーク12には、露光位置の基準を示すアライメントマーク13がワーク12の四隅近傍にそれぞれ1個づつ計4個配置されている。ワーク12としては、基板、感光材料、プリント基板、表示装置用基板、表示装置用フィルタ等が挙げられる。
【0058】
設置台18の中央部には、ステージ14の移動経路を跨ぐように、コ字状のゲート22が設けられている。ゲート22は、両端部がそれぞれ設置台18の両側面に固定されており、ゲート22を挟んで一方の側にはワーク12を露光するスキャナ24が設けられ、他方の側にはワーク12に設けられたアライメントマーク13を撮影する複数(例えば、2台)のアライメントカメラ26(CCDカメラ等)を備えたアライメントユニット100が設けられている。なお、2つのアライメントカメラをそれぞれ個別に示す場合は、第1のアライメントカメラ26A及び第2のアライメントカメラ26Bと記す。
【0059】
図7に示すように、アライメントユニット100は、ゲート22に取り付けられる矩形状のユニットベース102を備えている。ユニットベース102のカメラ配設面側には、ステージ14の移動方向(矢印Y方向:ワーク12の搬送方向)と直交する方向(矢印X方向)に沿って一対のガイドレール104が設けられており、各アライメントカメラ26は、これら一対のガイドレール104に摺動可能に案内されると共に、各々に個別に用意されたボールねじ機構106及びそれを駆動する図示しないステッピングモータ等の駆動源により駆動されて、ステージ14の移動方向と直交する方向に独立して移動する。また、アライメントカメラ26は、カメラ本体26aの先端に設けられたレンズ部26bを下方に向けると共に、レンズ光軸がほぼ垂直になる姿勢で配置されており、このレンズ部26bの先端部にはリング状のストロボ光源(LEDストロボ光源)26cが取り付けられている。
【0060】
そして、ワーク12のアライメントマーク13を撮影する際には、各アライメントカメラ26は、上記の駆動源及びボールねじ機構106により矢印X方向に移動されてそれぞれ所定の撮影位置に配置され、すなわち、レンズ光軸が、ステージ14の移動に伴って移動するワーク12が所定の撮影位置に至ったタイミングで、ストロボ光源26cを発光させ、ワーク12へ照射したストロボ光のワーク12上面での反射光をレンズ部26bを介してカメラ本体26aに入力させることにより、アライメントマーク13を撮影する。
【0061】
また、ステージ14の駆動装置、スキャナ24、アライメントカメラ26、及びアライメントカメラ26を移動させるための駆動源は、これらを制御するコントローラ28に接続されている。このコントローラ28により、後述する露光装置10の露光動作時には、ステージ14は所定の速度で移動するよう制御され、アライメントカメラ26は所定の位置に配置されて所定のタイミングでワーク12のアライメントマーク13を撮影するように制御され、スキャナ24は所定のタイミングでワーク12を露光するように制御される。
【0062】
図2に示すように、スキャナ24の内部は、m行n列(例えば2行4列)のほぼマトリックス状に配列された複数(例えば8個)の露光ヘッド30が配置されている。
【0063】
露光ヘッド30による露光エリア32は、例えば走査方向を短辺とする矩形状に校正する。この場合、ワーク12には、その走査露光の移動動作に伴って露光ヘッド30毎に帯状の露光済み領域34が形成される。
【0064】
また、図2に示すように、帯状の露光済み領域34が走査方向と直交する方向に隙間なく並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッド30の各々は、配列方向に所定間隔(露光エリア32の長辺の自然数倍)ずらして配置されている。このため、例えば第1列目の露光エリア32と第2列目の露光エリア32との間の露光できない部分は、第2行目の露光エリア32により露光することができる。
【0065】
図3に示すように、各露光ヘッド30は、それぞれ入射された光ビームを画像データに応じて各画素毎に変調する空間光変調素子として、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)36を備えている。このDMD36は、データ処理部とミラー駆動制御部を備えた上述のコントローラ28に接続されている。
【0066】
コントローラ28のデータ処理部では、入力された画像データに基づいて、各露光ヘッド30毎にDMD36の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、DMDコントローラとしてのミラー駆動制御部では、データ処理部で生成した制御信号に基づいて、各露光ヘッド30毎にDMD36における各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、この反射面の角度の制御については後述する。
【0067】
各露光ヘッド30におけるDMD36の光入射側には、図1に示すように、紫外波長領域を含む一方向に延在したマルチビームをレーザ光として出射する照明装置38からそれぞれ引き出されたバンドル状の光ファイバ40が接続される。
【0068】
照明装置38は、図示は省略するが、その内部に、複数の半導体レーザチップから出射されたレーザ光を合成して光ファイバに入力する合波モジュールが複数個設置されている。各合波モジュールから延びる光ファイバは、合波したレーザ光を伝搬する合波光ファイバであって、複数の光ファイバが1つに束ねられてバンドル状の光ファイバ40として形成される。
【0069】
また、各露光ヘッド30におけるDMD36の光入射側には、図3に示すように、光ファイバ40の接続端部から出射されたレーザ光を均一の照明光にする均一照明光学系41と、均一照明光学系41を透過したレーザ光をDMD36に向けて反射するミラー42とが配置されている。
【0070】
各露光ヘッド30におけるDMD36の光反射側に設けられる投影光学系は、DMD36の光反射側の露光面にあるワーク12上に光源像を投影するため、DMD36側からワーク12に向かって順に、レンズ系50、マイクロレンズアレイ54、対物レンズ系56の各露光用の光学部材が配置されている。
【0071】
ここで、レンズ系50及び対物レンズ系56は、図3に示すように、複数枚のレンズ(凸レンズや凹レンズ等)を組み合わせた拡大光学系として構成されており、DMD36により反射されるレーザビーム(光線束)の断面積を拡大することで、DMD36により反射されたレーザビームによるワーク12上の露光エリア32の面積を所定の大きさに拡大している。なお、ワーク12は、対物レンズ系56の後方焦点位置に配置される。
【0072】
マイクロレンズアレイ54は、図3に示すように、照明装置38から各光ファイバ40を通じて照射されたレーザ光を反射するDMD36の各マイクロミラーに1対1で対応する複数のマイクロレンズ60が二次元状に配され、一体的に成形されて矩形平板状に形成されるたものであり、各マイクロレンズ60は、それぞれレンズ系50を透過した各レーザビーム(露光ビーム)の光軸上にそれぞれ配置されている。
【0073】
また、DMD36は、図5に示すように、SRAMセル(メモリセル)44上に、マイクロミラー(微小ミラー)46が支柱により支持されて配置されたものであり、画素(ピクセル)を構成する多数の(例えば600個×800個)の微小ミラー46を格子状に配列したミラーデバイスとして構成されている。各ピクセルには、最上部に支柱に支えられたマイクロミラー46が設けられており、マイクロミラー46の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。
【0074】
また、マイクロミラー46の直下には、図示しないヒンジ及びヨークを含む支柱を介して半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル44が配置されており、全体はモノリシック(一体型)に構成される。
【0075】
DMDのSRAMセル44にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー46が、対角線を中心としてDMD36が配置された基板側に対して±a度(例えば±10度)の範囲で傾けられる。図6A及び図6Bには、DMD36の一部を拡大し、マイクロミラー46が+a度又は−a度に制御されている状態の一例を示しており、図6Aは、マイクロミラー46がオン状態である+a度に傾いた状態を示し、図6Bは、マイクロミラー46がオフ状態である−a度に傾いた状態を示す。従って、画像信号に応じて、DMD36の各ピクセルにおけるマイクロミラー46の傾きを、図6A及び図6Bに示すように制御することによって、DMD36に入射した光は、それぞれのマイクロミラー46の傾き方向へ反射される。
【0076】
それぞれのマイクロミラー46のオンオフ制御は、DMD36に接続されたコントローラ28のミラー駆動制御部によって行われ、オン状態のマイクロミラー46により反射された光は露光状態に変調され、DMD36の光出射側に設けられた投影光学系(図3参照)に入射する。また、オフ状態のマイクロミラー46により反射された光は非露光状態に変調され、光吸収体(図示せず)に入射する。
【0077】
また、DMD36は、その短辺方向が走査方向と所定角度(例えば0.1°〜0.5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図4Aは、DMD36を傾斜させない場合の各マイクロミラー46による反射光像(露光ビーム)48の走査軌跡を示し、図4Bは、DMD36を傾斜させた場合の露光ビームの走査軌跡を示している。
【0078】
DMD36には、長手方向(行方向)に沿ってマイクロミラー46が多数個(例えば800個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば600組)配列されているが、図4Bに示すように、DMD36を傾斜させることにより、各マイクロミラー46による露光ビームの走査軌跡(走査線)のピッチP2が、DMD36を傾斜させない場合の走査線のピッチP1より狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD36の傾斜角は微小であるので、DMD36を傾斜させた場合の走査幅W2と、DMD36を傾斜させない場合の走査幅W1とはほぼ同一である。
【0079】
また、異なるマイクロミラー列により同じ走査線上におけるほぼ同一の位置(ドット)が重ねて露光(多重露光)されることによる。このように、多重露光されることで、露光位置の微少量をコントロールすることができ、高精細な露光を実現することができる。また、走査方向に配列された複数の露光ヘッド30間のつなぎ目を微少量の露光位置制御により段差なくつなぐことができる。
【0080】
なお、DMD36を傾斜させる代わりに、各マイクロミラー列を走査方向と直交する方向に所定間隔ずらして千鳥状に配列しても、同様の効果を得ることができる。
【0081】
次に、本実施の形態に係る露光装置10に設けられたコントローラ28における制御用の電気系の概略構成を、図10のブロック図を用いて説明する。
【0082】
コントローラ28における制御用の電気系では、バス78を介して、装置各部の制御を統括して行う主制御部で、且つ、前述したデータ処理部としてのCPU80と、オペレータが指令を入力するため、コントローラ28に装着されたスイッチ類を有する指示入力手段82と、画像データ等が一時的に記憶されるメモリ84と、後述する校正用データが記憶されるメモリ85と、それぞれのDMD36における各々のマイクロミラー46を制御するミラー駆動制御部としてのDMDコントローラ86と、各アライメントカメラ26を移動させるための駆動源(ステッピングモータ等)を駆動制御するカメラ移動用コントローラ88と、ワーク12が載置されたステージ14の上面の溝部内に負圧を発生させる負圧供給源、及びステージ14を走査方向に移動させるための駆動装置等を駆動制御するステージ駆動用コントローラ90と、その他に、露光装置10で露光処理する際に必要となる照明装置38といった各種装置の制御を行う露光処理制御用コントローラ92とが接続されて構成されている。
【0083】
この制御用電気系で露光処理を行う場合には、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作して例えば露光処理の対象となる画像データ等の指示を入力する。画像データが伝達されたCPU80は、画像データを一旦メモリ84に格納し、露光処理開始の指令によって、メモリ84から読み出された画像データに基づいて画像の形成処理を行うようにDMDコントローラ86を制御し、且つ、ステージ駆動用コントローラ90と露光処理制御用コントローラ92とにより駆動装置、照明装置38等を制御して露光処理を行う。
【0084】
そして、本実施の形態に係る露光装置10には、図1及び図2に示すように、ステージ14の移動方向(矢印Y方向)におけるアライメント計測方向の下流側(露光方向の上流側)に、照射されたビーム位置と、その光量を検出して上記の位置ずれを検出する検出手段が配置されており、この検出手段は、ステージ14のアライメント計測方向における下流側の端縁部に取り付けられた基準スケール70と、この基準スケール70の裏側に移動可能に装着したフォトセンサ72とを備えている。
【0085】
基準スケール70は、矩形状のガラス板により形成されており、ステージ14のアライメント計測方向の下流側にビーム位置検出部70Aが設けられ、上流側にカメラ位置検出部70Bが設けられている(図8参照)。
【0086】
ビーム位置検出部70Aには、クロムメッキ等の金属膜によるパターニングで、X方向に向かって開く「く」の字型で透明部(透光部)に形成された複数の検出用スリット74がX方向に沿って所定の間隔で配列されている。
【0087】
図9Aに示すように、「く」の字型の検出用スリットは、ステージ移動方向の上流側に位置する所定長さを持つ直線状の第1スリット部74aと、ステージ移動方向の下流側に位置する所定長さを持つ直線状の第2スリット部74bと、をそれぞれの一端部で直角に接続した形状に形成されている。すなわち、第1スリット部74aと、第2スリット部74bとは互いに直交すると共に、Y軸に対して第1スリット部74aは135度、第2スリット部74bは45度の角度を有している。
【0088】
なお、検出用スリット74における第1スリット部74aと第2スリット部74bとは、ステージ14の移動方向に対して45度の角度を成すように形成したものを図示したが、これら第1スリット部74aと第2のスリット部74bとを、露光ヘッド30の画素配列に対して傾斜すると同時に、ステージ移動方向に対して傾斜する状態(互いが平行でないように配置した状態)にできれば、ステージ移動方向に対する角度を任意に設定してもよい。また、検出用スリット74に代えて回折格子を使用してもよい。
【0089】
このビーム位置検出部70Aにおける検出用スリット74の下方には、露光ヘッド30からの光を検出するフォトセンサ72(CCD、CMOS又はフォトディテクタ等)と、フォトセンサ72を移動操作する移動装置76とが配置されている。移動装置76は、コントローラ28の指令によって駆動制御されるリニアモータ送り機構、ねじ送り機構又は搬送ベルト機構等の搬送手段によって、フォトセンサを、X方向に沿って移動し、各所定位置で停止させられるように構成されており、ここでは、コントローラ28の指令に基づいてフォトセンサ72を、ビーム位置検出部70Aにおける各検出用スリット74直下の所定位置へそれぞれ移動して停止させる動作を行う。
【0090】
一方、カメラ位置検出部70Bには、図8に示すように、クロムメッキ等の金属膜によるパターニングで、円形に形成された検出用マーク77A及び十字形に形成された検出用マーク77BがX方向に沿って所定の間隔で交互に複数配列されている。つまり、検出用マーク77Bは、アライメントカメラ26の位置を検出するための基準パターンとして機能する。
【0091】
図11A〜図11Dに示すように、この検出用マーク77Aの幅寸法:MAと検出用マーク77Bの幅寸法:MBとは等しくされ(MA=MB)、検出用マーク77A、77Bの配列ピッチ:P1は、アライメントカメラ26の視野(撮影視野)VのX方向における長さ寸法:Lから、検出用マーク77A、77Bの幅寸法の1/2を差し引いた値に設定されている(P1=L−(MA/2)=L−(MB/2))。また、ここでは、アライメントカメラ26のX方向への移動単位:U1は、検出用マーク77A、77Bの幅寸法の1/2に設定されている(U1=MA/2=MB/2)。
【0092】
また、本実施の形態では、図12に示すように、ステージ14のワーク載置面14aにワーク12を載置する前に、校正用部材200が載置される。この校正用部材200は、1以上のパターンが形成され、このパターンは、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定する。図12の例では、互いに相対位置関係が判明している円形のマークが3つ配列されたパターン(第1〜第3のマーク202A〜202C)を有し、校正用部材200がワーク載置面14aに理想的に載置された場合を想定したとき、校正用部材200の四隅のうち、3つの隅に円形のマーク202A〜202Cが形成され、そのうちの2つのマーク(第1及び第2のマーク202A及び202B)にてステップ移動方向と直交する方向(X方向)に沿った第1の線分204Aが特定され、2つのマーク(第1及び第3のマーク202A及び202C)にてステージ移動方向(Y方向)に沿った第2の線分204Bが特定される。従って、2つの線分204A及び204Bのなす角は、この例では、直角とされている。この校正用部材200は、上述した基準スケール70と同様に矩形状のガラス板で構成することができる。
【0093】
ここで、本実施の形態に係る校正方法を説明する前に、上述した基準スケール70による調整方法について説明する。
【0094】
まず、基準スケール70に形成されたビーム位置検出部70Aでの調整方法について図9A及び図9B及び図10を参照しながら説明する。
【0095】
ここでは、スキャナ24の各露光ヘッドから照射されるビーム位置を検出し、DMD36の1つの特定画素Z1が点灯している(1つの特定画素をオンとしているとき)実際の位置を特定する手順について説明する。なお、特定画素Z1が点灯している実際の位置を特定し、点灯している特定画素Z1の光量を検出して行うこの方法は、特定画素Z1の適正状態の確認や、初期条件の確認等にも利用できる。
【0096】
まず、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作して1つの特定画素Z1が点灯している実際の位置を特定する指示を入力すると、この指令を受けたCPU80は、ステージ14を移動操作して基準スケール70の所定の露光ヘッド30用の所定の検出用スリット74をスキャナ24の下方に位置させる。
【0097】
次に、CPU80は、DMDコントローラ86と露光処理制御用コントローラ92とに制御信号を出力して、所定のDMD36における特定画素Z1だけを点灯状態とするように制御する。さらにCPU80は、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を移動制御し、図9Aに実線で示すように、検出用スリット74が露光エリア32上の所定位置(例えば原点とすべき位置)となるように移動させる。このとき、CPU80は、第1スリット部74aと第2スリット部74bとの交点を(X0,Y0)と認識し、メモリ84に記憶する。なお、図9Aでは、Y軸から反時計方向に回転する方向を正の角度とする。
【0098】
次に、図9Aに示すように、CPU80は、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を移動制御することにより、検出用スリット74をY軸に沿って図9Aにおける右方へ移動を開始させる。そして、CPU80は、検出用スリット74が上記所定位置の右方の想像線で示した位置で、図9Bに示すように、点灯している特定画素Z1からの光が第1スリット部74aを透過してフォトセンサ72で検出されたことを検知した際に、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を停止させる。CPU80は、このときの第1スリット部74aと第2スリット部74bとの交点を(X0,Y11)として認識し、メモリ84に記憶する。
【0099】
次に、CPU80は、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を移動させ、検出用スリット74をY軸に沿って図9Aにおける左方へ移動を開始させる。そして、CPU80は、検出用スリット74が上記所定位置の左方の想像線で示した位置で、図9Bに示すように、点灯している特定画素Z1からの光が第2スリット部74bを透過してフォトセンサ72で検出されたことを検知した際に、ステージ駆動用コントローラ90に制御信号を出力してステージ14を停止させる。CPU80は、このときの第1スリット部74aと第2スリット部74bとの交点を(X0,Y12)として認識し、メモリ84に記憶する。
【0100】
次に、CPU80は、メモリ84に記憶した座標(X0,Y11)と(X0,Y12)とを読み出して特定画素Z1の座標を求め、実際の位置を特定する。ここで、特定画素Z1の座標を(X1,Y1)とすると、X1=X0+(Y11−Y12)/2で表され、Y1=(Y11+Y12)/2で表される。
【0101】
なお、上述のように、第1スリット部74aと交差する第2スリット部74bを有する検出用スリット74と、フォトセンサ72とを組み合わせて用いる場合には、フォトセンサ72が、第1スリット部74a又は第2スリット部74bを通過する所定範囲の光だけを検出することになる。よって、フォトセンサ72は、第1スリット部74a又は第2スリット部74bに対応する狭い範囲だけの光量を検出する微細で特別な構成とすることなく、市販の廉価なもの等を利用できる。
【0102】
次に、本実施の形態に係る露光装置10におけるアライメント機能(露光位置合わせ機能)の校正方法について説明する。
【0103】
上述したアライメント機能を備える本実施の形態に係る露光装置10では、前述したように、アライメントカメラ26が移動に伴い姿勢変化(ローリング、ピッチング及びヨーイング)を起こし、撮影位置に配置された状態で撮影レンズの光軸中心が正規の位置からずれる場合があるため、その影響により、アライメント機能を用いて露光位置を補正し、画像露光を行っても、露光位置が適正位置から外れて許容範囲を超えてしまう場合がある。
【0104】
このアライメントカメラ26の姿勢変化による光軸ずれ要因により、精度が影響されるアライメント機能を校正するため、露光装置10の製造時やメンテナンス時などに、以下に説明する校正方法によりアライメント機能の校正作業を実施する。
【0105】
この校正作業の手順としては、先にアライメントカメラ26の校正を行い、次に露光基準とカメラ光軸中心との位置関係を取得して、その取得情報を露光ヘッド30による露光位置合わせに反映させる手順で行うが、この校正作業は、ワーク12に対する露光手順とは別に事前に実施する、又は、ワーク12に対する露光時に同時に実施することができる。また、アライメントカメラ26の校正、及び露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得については、連続的又は個別に行うことができるが、ここでは、連続的に行う場合で説明する。
【0106】
アライメントカメラの校正については、図13に示すステップS1で、まず、オペレータがワーク12のアライメントマーク13の位置データをコントローラ28に入力する。この位置データの入力によりアライメントマーク13の座標が取得される。
【0107】
続いて、オペレータがコントローラ28の指示入力手段82から校正開始の入力操作を行うと、露光装置10の校正動作が開始し、ステップS2で、コントローラ28のカメラ移動用コントローラ88は上記の入力された位置データに基づいてアライメントカメラ26の駆動源を制御し、各アライメントカメラ26をワーク12のアライメントマーク13を撮影する所定の撮影位置にそれぞれ移動させる。このとき、各アライメントカメラ26の位置は、各駆動源(ステッピングモータ)のパルスをカウントすることでコントローラ28に制御され、また、前述した移動単位(U1)のステップで送られる。
【0108】
各アライメントカメラ26がアライメントマーク13の撮影位置に配置されると、ステップS3で、ステージ14がガイド20に沿ってアライメント計測方向の上流側から下流側に移動し、基準スケール70のカメラ位置検出部70Bを各アライメントカメラ26の下方(視野内)に配置する位置まで移動する。
【0109】
各アライメントカメラ26の視野内に基準スケール70のカメラ位置検出部70Bが配置されると、各アライメントカメラ26はコントローラ28により制御されてカメラ位置検出部70Bをそれぞれ撮影する。このとき、各アライメントカメラ26は、カメラ位置検出部70Bに配列された複数の検出用マーク77A、77Bのうち、少なくとも1つをそれぞれ撮影する。
【0110】
次に、ステージS4で、撮影された検出用マーク77A、77Bの視野中心(光軸中心)からの位置ずれ量を、コントローラ28が画像処理等によって計測する。なお、ここでは、撮影した検出用マークが検出用マーク77A、77Bのいずれであるかは、パターンマッチング等の画像処理を用いて切り替える。
【0111】
ここで、撮影された検出用マーク77A、77Bが、複数設けられたうちのいずれの検出用マークであるかは上記のパルスによって特定し、また、各検出用マーク77A、77Bの絶対位置データは予め別の測定手段によって測定し、コントローラ28に記憶されており、この絶対位置データと、上記の計測結果(計測値)との差分を演算して、基準スケール70と各アライメントカメラ26の光軸中心との位置ずれデータを取得する。この計測及び演算結果から、アライメントマーク13を撮影する位置(アライメント計測位置)における各アライメントカメラ26の光軸中心ずれ量を補正するための校正用データが得られ、この校正用データは、コントローラ28のメモリ85に記憶される(図7参照)。そして、アライメントカメラ26の校正動作を終了し、次に、露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得動作に移行する。
【0112】
この動作が開始されると、図13に示すステップS101で、コントローラ28により駆動装置が制御され、ステージ14は、基準スケール70のビーム位置検出部70Aを露光ヘッド30によるレーザビームの照射位置(露光位置)まで移動する。次に、ステップS102で、基準スケール70のビーム位置検出部70Aへ向けて露光ヘッド30からレーザビームを照射し、前述したビーム位置検出動作により、露光基準点の位置を計測する(ステップS103)。
【0113】
ここで、ビーム位置検出部70Aとカメラ位置検出部70Bとは同一の基準スケール70に設けられており、これらの位置関係は予め別の測定手段により測定されている。これにより、露光基準と、上記のカメラの校正動作で撮影した検出用マーク77A、77Bとの位置関係が判明する。従って、本動作により計測した露光基準データと、カメラの構成動作により取得したアライメントカメラ26の光軸中心との位置ずれデータ(校正用データ)とを演算することで、露光基準とカメラ光軸中心との位置関係を示す露光基準−カメラ光軸中心位置データ(補正データ)が得られ、このデータはコントローラのメモリ85に記憶される(ステップS104)。そして、露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得動作を終了し、校正動作を終了する。
【0114】
次に、本実施の形態に係る校正方法、特に、校正用部材200を用いたアライメントカメラの位置方法(第1の校正方法)について図12、図15〜図19を参照しながら説明する。
【0115】
まず、図15のステップS201において、ステージ14のワーク載置面14aに校正用部材200を載置する(図12参照)。このとき、理想的には図12に示すように、第1及び第2のマーク202A及び202Bがステップ移動方向に沿い、第1及び第3のマーク202A及び202Cがステップ移動方向と直交する方向に沿うように校正用部材200が載置される。
【0116】
その後、ステップS202において、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作してステージ14を一方向に移動させる指令を入力することで、CPU80は、ステージ14を一方向に移動させる。このステージ14の移動に当たっては、アライメントカメラ26の視野内に、最初に、基準スケール70の基準パターン(カメラ位置検出部70B)が入り、続いて、校正用部材200のパターンが入るようになっている。従って、次のステップ203において、上述した露光位置合わせ処理(図13のステップS1〜ステップS5参照)が行われる。前記露光位置合わせ処理によって取得される校正用データは、あくまでもアライメントユニット100が理想的に取り付けられて、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの配列方向がステージ移動方向と直交する方向に一致していることを前提としている。しかし、経時変化や周囲の温度変化によってアライメントユニット100等がステージ移動方向と直交する方向に対して僅かにずれる場合もある。そこで、以下の処理が行われる。
【0117】
すなわち、ステップS204において、第1のアライメントカメラ26Aの視野内に第1のマーク202Aが入った段階で、CPU80は第1のマーク202Aの座標(第1の座標m1)を求め、第2のアライメントカメラ26Bの視野内に第2のマーク202Bが入った段階で、CPU80は第2のマーク202Bの座標(第2の座標m2)を求める。例えば図16に示すように、アライメントユニット100が経時変化で位置ずれが生じ、第1のアライメントカメラ26Aの位置が第2のアライメントカメラ26Bよりも校正用部材200寄りにある場合、第1〜第3のマーク202A〜202Cの座標m1〜m3は、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの位置ずれに対応してずれて認識されることになる。なお、図16では、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの位置ずれがわかるように強調して図示している。つまり、第1の座標m1と第2の座標m2で特定される1つの線分(第1の線分204A)とステージ移動方向と直交する方向(X方向)とは一致しなくなり、ある角度をもった位置関係となる。この角度は、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの各カメラ光軸を結ぶ線分(基準線分206)とX方向とのなす角に等しい。
【0118】
これら第1及び第2の座標m1及びm2は、校正用部材200に形成された第1及び第2のマーク202A及び202Bの撮像データに対するパターンマッチング処理と、各マーク202A及び202Bが対応するアライメントカメラ26A及び26Bの視野内に入った段階でのステージ14の移動距離並びに第1のマーク202Aと第2のマーク202Bとの離間距離に基づいて算出することができる。これら第1及び第2の座標m1及びm2はメモリ85に記憶される。
【0119】
その後、ステップS205において、ステージ14がさらに一方向に移動されることによって、第1のアライメントカメラ26Aの視野内に第3のマーク202Cが入った段階で、CPU80は、第3のマークの座標(第3の座標m3)を求める。この第3の座標m3は、上述と同様に、校正用部材200に形成された第3のマーク202Cの撮像データに対するパターンマッチングと、第3のマーク202Cが第1のアライメントカメラ26Aの視野内に入った段階でのステージ14の移動距離並びに第1のマーク202Aと第3のマーク202Cとの離間距離に基づいて算出することができる。この第3の座標m3はメモリ85に記憶される。
【0120】
その後、ステップS206において、2つのアライメントカメラ26A及び26Bの見かけ上の位置ずれが演算される。この演算は、第1の座標m1と第2の座標m2にて特定される第1の線分204Aとステージ移動方向と直交する方向とのなす角(第1の角度θ1)にて求めることができる。ここで、図17に示すように、ステージ移動方向と直交する方向をxy座標系のx軸方向とし、0以上の実数領域のみを考えたとき、第1の線分204Aが第1象限にある場合、+θ1とし、第4象限にあるとき、−θ1とする。なお、校正用部材200が理想的に載置されていれば、この第1の角度θ1が2つのアライメントカメラ26A及び26Bの実際の位置ずれとして求められることになる。しかし、校正のたびに、校正用部材200を理想的に載置する(第1の座標m1と第3の座標m2で特定される第2の線分204Bとステージ移動方向とのなす角を0°とする)ことは困難であり、ある程度傾いて載置されることになる。
【0121】
そこで、次のステップS207において、校正用部材200の載置ずれが演算される。この演算は、第1の座標m1と第3の座標m2にて特定される第2の線分204Bとステージ移動方向とのなす角(第2の角度θ2)にて求めることができる。ここで、図18に示すように、ステージ移動方向をxy座標系のy軸方向とし、0以下の実数領域のみを考えたとき、第2の線分204Bが第4象限にある場合、+θ2とし、第3象限にあるとき、−θ2とする。
【0122】
その後、ステップS208において、アライメントカメラ26A及び26Bの実際の位置ずれ(調整角度φ)を演算する。この位置ずれ(調整角度φ)は、上述したように、第1及び第2のアライメントカメラ26A及び26Bの各カメラ光軸を結ぶ線分(基準線分206)とステージ移動方向と直交する方向とのなす角であって、この場合、アライメントユニット100の位置ずれでもある。この演算は、
位置ずれ(調整角度φ)=(第1の角度±θ1)−(第2の角度±θ2)
で求めることができる。
【0123】
そして、図19に示すように、ステージ移動方向と直交する方向をxy座標系のx軸方向とし、0以上の実数領域のみを考えたとき、調整角度+φは、第1及び第2の基準線分が第1象限に向かって、φだけずれていることを示し、調整角度−φは、基準線分が第4象限に向かって、φだけずれていることを示す。
【0124】
その後、ステップS209において、調整角度φが許容範囲から逸脱しているか否かが判別される。許容範囲としては、例えば±2(秒)等が挙げられる。調整角度φが許容範囲を逸脱していれば、次のステップS210に進み、上述したステップS203の露光位置合わせ処理(図13のステップS1〜ステップS5参照)によって取得された校正用データに、前記ステップS208にて求められた調整角度φを反映させる。
【0125】
すなわち、校正用データと調整角度φを反映させることで、擬似的にアライメントカメラ26A及び26Bが互いに正しい位置(図16の基準線分206がステージ移動方向と直交する方向に一致する位置)に設置された形となり、以下に示すその後の露光処理において高精度にワーク12に対して露光を行うことができる。
【0126】
前記ステップS209において調整角度φが許容範囲内であると判別された場合、あるいは前記ステップS210での処理が終了した段階で、この第1の校正方法が終了する。
【0127】
次に、本実施の形態に係る他の校正方法、特に、校正用部材200を用いた基準スケール70の校正方法(第2の校正方法)について図20を参照しながら説明する。
【0128】
まず、図20のステップS301〜ステップS309までの処理は、図15に示す第1の校正方法のステップS201〜ステップS209までの処理と同様であるため、その説明を省略する。
【0129】
そして、次のステップS309において、調整角度φが許容範囲を逸脱していると判別された場合は、次のステップS310に進み、オペレータは、前記ステップS308にて求められた調整角度φだけ基準スケール70の傾きを校正する。すなわち、基準スケール70を調整角度φを打ち消す方向に傾けて設置し直す。その後、ステップS311において、オペレータが、コントローラ28の指示入力手段82を操作してステージ14を元の位置に復帰させる指令を入力することで、CPU80は、ステージ14を元の位置に移動復帰させる。その後、ステップS302に戻り、該ステップS302以降の処理を繰り返す。
【0130】
前記ステップS309において、調整角度φが許容範囲内であると判別された段階でこの第2の校正方法が終了する。
【0131】
上述の例では、アライメントカメラ26A及び26Bがアライメントユニット100の一対のガイドレール104に沿って移動する場合に適用した例を示したが、その他、アライメントカメラ26A及び26Bが一対のガイドレール104に沿って移動するほか、例えばガイドレール104の延在方向と直交する方向やその他方向に移動する場合にも容易に適用させることができる。
【0132】
次に、上記のように構成された露光装置10によるワーク12に対する露光処理について説明する。
【0133】
まず、露光パターンに応じた画像データがコントローラ28に入力されると、コントローラ28内のメモリ84に一旦記憶される。この画像データは、画像を構成する各画素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
【0134】
次に、ワーク12をステージ14のワーク載置面14aにセットし、オペレータがコントローラ28の指示入力手段82から露光開始の入力操作を行う。
【0135】
上述の入力操作により、露光装置10の露光動作が開始すると、コントローラ28により駆動装置が制御され、ワーク12を上面に吸着したステージ14は、ガイド20に沿って、且つ、アライメント計測方向の上流側から下流側に一定速度で移動開始する。このステージ14の移動開始に同期して、又は、ワーク12に先端が各アライメントカメラ26の真下に達する少し手前のタイミングで、各アライメントカメラ26はコントローラ28により制御されて作動する。
【0136】
ステージ14の移動に伴い、ワーク12がアライメントカメラ26の下方を通過する際には、アライメントカメラ26によるアライメント測定が行われる。
【0137】
このアライメント測定では、まず、ワーク12の移動方向下流側(前端側)の角部近傍に設けられた2個のアライメントマーク13が各アライメントカメラ26の真下(レンズの光軸上)に達すると、所定のタイミングで各アライメントカメラ26はそれぞれアライメントマーク13を撮影し、その撮影した画像データを、すなわち、露光位置の基準がアライメントマーク13によって示された基準位置データを含む画像データをコントローラ28のデータ処理部であるCPU80に出力する。アライメントマーク13の撮影後は、ステージ14が下流側への移動を再開する。
【0138】
また、本実施の形態のワーク12のように、移動方向(走査方向)に沿って複数のアライメントマーク13が設けられている場合には、次のアライメントマーク13(移動方向上流側(後端側)の角部近傍に設けられた2個のアライメントマーク13)が各アライメントカメラ26の真下に達すると、同様に所定のタイミングで各アライメントカメラ26はそれぞれアライメントマーク13を撮影してその画像データをコントローラ28のCPU80に出力する。
【0139】
なお、ワーク12に移動方向に沿って3個以上のアライメントマーク13が設けられている場合も同様に、各アライメントマーク13がアライメントカメラ26の下方を通過する毎に、所定のタイミングでアライメントカメラ26によるアライメントマーク13の撮影が繰り返し行われ、全てのアライメントマーク13に対し、その撮影した画像データがコントローラ28のCPU80に出力される。
【0140】
CPU80は、入力された各アライメントマーク13の画像データ(基準位置データ)から判明する画像内におけるマーク位置及びマーク間ピッチ等と、そのアライメントマーク13を撮影したときのステージ14の位置及びアライメントカメラ26の位置から、演算処理によって、ステージ14上におけるワーク12の載置位置のずれ、移動方向に対するワーク12の傾きのずれ、及びワーク12の寸法精度誤差等を把握し、ワーク12の被露光面に対する適正な露光位置を算出する。そして、後述するスキャナ24による画像露光時に、メモリ84に記憶されている露光パターンの画像データに基づいて作成する制御信号をその適正な露光位置に合わせ込んで画像露光する補正制御(アライメント)を実行する。
【0141】
ワーク12がアライメントカメラ26の下方を通過すると、アライメントカメラ26によるアライメント測定が完了し、続いてステージ14は駆動装置により逆方向に駆動され、ガイド20に沿って露光方向へ移動する。そして、ワーク12は、ステージ14の移動に伴いスキャナ24の下方を露光方向の下流側へ移動し、被露光面の画像露光領域が露光開始位置に達すると、スキャナ24の各露光ヘッド30は光ビームを照射してワーク12の被露光面に対する画像露光を開始する。
【0142】
ここで、コントローラ28のメモリ84に記憶された画像データが複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部としてのCPU80で読み出された画像データに基づいて各露光ヘッド30毎に制御信号が生成される。この制御信号には、前述した補正制御(アライメント)により、アライメント測定したワーク12に対する露光位置ずれの補正が加えられる。そして、ミラー駆動制御部としてのDMDコントローラ86は、生成及び補正された制御信号に基づいて各露光ヘッド30毎にDMDのマイクロミラー46の各々をオンオフ制御する。
【0143】
照明装置38の光ファイバ40から出射されたレーザ光がDMD36に照射されると、DMD36のマイクロミラー46がオン状態のときに反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ54の各対応するマイクロレンズ60を含むレンズ系によりワーク12の露光面上に結像される。このようにして、照明装置38から出射されたレーザ光が画素毎にオンオフされて、ワーク12がDMD36の使用画素数とほぼ同数の画素単位(露光エリア32)で露光される。
【0144】
また、ワーク12がステージ14と共に一定速度で移動されることにより、ワーク12がスキャナ24によりステージ移動方向と反対の方向に走査され、各露光ヘッド30毎に帯状の露光済み領域34(図2参照)が形成される。
【0145】
スキャナ24によるワーク12の画像露光が完了すると、ステージ14は、駆動装置により、そのまま露光方向の下流側へ駆動されて露光方向の最下流側(アライメント計測方向の最上流側)にある原点に復帰する。以上により、露光装置10によるワーク12に対する露光動作が終了する。
【0146】
このように、本実施の形態に係る第1及び第2の校正方法においては、アライメントカメラ26の位置(アライメントユニット100の位置等)がずれていたとしても、簡単にその位置を校正することができる。また、基準スケール70の基準パターンがずれて設置されていたとしても、そのずれを容易に判別することができ、基準パターン70のずれを校正することができる。つまり、高精度のアライメント計測を実現させることができる。
【0147】
上述した校正用部材200は、3つの円形のマーク202A〜202Cが形成された例を示したが、その他、図21に示すように、校正用部材200の四隅に、それぞれ円形のマーク(合計4つのマーク202A〜202D)を形成するようにしてもよい。この場合、上述したように、第1〜第3のマーク202A〜202Cで校正処理を行うようにしてもよいが、以下のような処理を行ってもよい。
【0148】
すなわち、図22に示すように、例えば第1のマーク202Aの座標(第1の座標m1)と第2のマーク202Bの座標(第2の座標m2)でステージ移動方向と直交する方向に沿った線分(第1の線分204A)を特定する。第3のマーク202Cの座標(第3の座標m3)と第4のマーク202Dの座標(第4の座標m4)でステージ移動方向と直交する方向に沿った線分(第3の線分204C)を特定する。そして、第1の線分204Aの中点座標n1と第3の線分204Cの中点座標n2で第4の線分204Dを特定し、さらに、例えば第1の線分204Aと第4の線分204Dとのなす角を第3の角度θ3とする。この第3の角度θ3は(90°+第1の角度θ1)の関係を有するため、上述した第1の校正方法や第2の校正方法に簡単に適用させることができる。なお、第2の角度θ2(図示せず)は、第1及び第2の校正方法にて説明した処理と同様に、第1の座標m1と第3の座標m3にて特定される第2の線分204Bとステージ移動方向とのなす角にて求めることができる。
【0149】
また、上述の例では、校正用部材200に形成されたマーク202A〜202C並びに202A〜202Dのみで第1及び第2の線分204A及び204B並びに第1の線分204A〜第4の線分204Dを特定したが、その他、図23に示すように、ステージ14のワーク載置面14aのうち、校正用部材200が載置されていない部分に設けられた部材の一部210あるいはステージ14に設けられた部材の一部212を1つのマークとして使用してもよい。図23では、校正用部材200に形成された2つのマーク202A及び202Bと、ワーク載置面14aに存在する部材の一部210あるいはステージ14に存在する部材の一部212で上述した第1及び第2の校正方法で用いられる1つのパターンが形成されている場合を示している。
【0150】
また、上述の例では、2つのアライメントカメラ26A及び26Bを用いた例を示したが、アライメントユニット100におけるアライメントカメラ(例えば26A)のX方向の移動範囲を長くすることで、1つのアライメントカメラ(例えば26A)でも同様の位置校正を行うことができる。
【0151】
なお、上述の実施の形態では、デジタル露光装置10に適用した例を示したが、その他、アナログ露光装置、インクジェット装置、各種アライメント装置にも適用させることができる。
【0152】
すなわち、本発明に係るアライメントセンサの位置校正方法、基準パターン校正方法、露光位置補正方法、校正用パターン及びアライメント装置は、上述の実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本実施の形態に係る露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態に係る露光装置におけるスキャナの概略構成を示す斜視図である。
【図3】本実施の形態に係る露光装置における露光ヘッドの光学系を示す概略構成図である。
【図4】図4Aは本実施の形態に係る露光装置におけるDMDを傾斜させない場合の各マイクロミラーによる露光ビームの走査軌跡を示す要部平面図であり、図4BはDMDを傾斜させた場合の露光ビームの走査軌跡を示す要部平面図である。
【図5】本実施の形態に係る露光装置に設けられたDMDの構成を示す部分拡大図である。
【図6】図6A及び図6Bは図5のDMDの動作を説明するための説明図である。
【図7】本実施の形態に係る露光装置におけるアライメントユニットの構成を示す斜視図である。
【図8】本実施の形態に係る露光装置に設置される基準スケールを示す平面図である。
【図9】図9Aは本実施の形態に係る露光装置において検出用スリットを利用して点灯している特定画素と光の回り込み画素を検出する状態を示す説明図であり、図9Bは点灯している特定画素をフォトセンサが検知したときの信号を示す説明図である。
【図10】本実施の形態に係る露光装置に設けられたコントローラおける制御用の電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図11】図11A〜図11Dは、本実施の形態に係る露光装置におけるカメラ位置検出部をアライメントカメラにより撮影する際の検出用マークと撮影視野の関係を示す説明図である。
【図12】本実施の形態に係る露光装置のワーク載置面に載置される基準スケールと校正用部材及びアライメントカメラとの関係を示す説明図である。
【図13】本実施の形態に係る露光装置で行われるカメラ校正動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【図14】本実施の形態に係る露光装置で行われる露光基準とカメラ光軸中心との位置関係の取得動作の制御の流れを示すフローチャートである。
【図15】本実施の形態に係る第1の校正方法(アライメントカメラの位置校正方法)を示すフローチャートである。
【図16】アライメントカメラの位置を校正する原理を示す説明図である。
【図17】第1及び第2のマークで特定された第1の線分に基づいて求められた第1の角度の関係を示す説明図である。
【図18】第1及び第3のマークで特定された第2の線分に基づいて求められた第2の角度の関係を示す説明図である。
【図19】第1及び第2の角度から求められた調整角度の関係を示す説明図である。
【図20】本実施の形態に係る第2の校正方法(基準パターン校正方法)を示すフローチャートである。
【図21】校正用部材に形成されるマークの他の配置例を示す平面図である。
【図22】図21の配置例でアライメントカメラの位置を校正する原理を示す説明図である。
【図23】アライメントカメラの位置を構成するためのパターンの他の例を示す平面図である。
【図24】従来例に係るデジタル露光装置の概略構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0154】
10…露光装置 12…ワーク
14…ステージ 24…スキャナ
26、26A、26B…アライメントカメラ
28…コントローラ 30…露光ヘッド
70…基準スケール 70A…ビーム位置検出部
70B…カメラ位置検出部 74…検出用スリット
84、85…メモリ 100…アライメントユニット
200…校正用部材 202A〜202D…マーク
204A〜204D…線分 210、212…部材の一部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、
前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得ステップと、
前記アライメントセンサの位置を前記校正値に基づいて校正するセンサ校正ステップとを有することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項2】
請求項1記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正ステップを行う判別ステップをさらに有することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項4】
請求項3記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項5】
請求項3記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項6】
請求項4又は5記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記予め決められた所定の角度が直角であることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、
前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項8】
請求項7記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記センサ校正ステップは、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項に記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、
前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、
前記校正値は、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定されることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項10】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップと、
予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記補正後の前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、
少なくとも前記検出された校正用パターンに基づいて前記基準パターンの校正値を求める校正値取得ステップと、
前記基準スケールを前記校正値だけ傾けて設置し直す基準スケール再設置ステップとを有することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項11】
請求項10記載の基準パターン校正方法において、
前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記基準スケール再設置ステップを行う判別ステップをさらに有することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項12】
請求項10又は11記載の基準パターン校正方法において、
ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項13】
請求項12記載の基準パターン校正方法において、
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項14】
請求項12記載の基準パターン校正方法において、
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の基準パターン校正方法において、
前記予め決められた所定の角度が直角であることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか1項に記載の基準パターン校正方法において、
前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、
前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれか1項に記載の基準パターン校正方法において、
ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、
前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、
前記校正値は、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定されることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項18】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンと前記ワークに形成されたアライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正する露光位置補正方法において、
請求項10〜17のいずれか1項に記載の基準パターン校正方法を使用して前記基準パターンを校正し、
校正された前記基準パターンと前記ワークに形成された前記アライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正することを特徴とする露光位置補正方法。
【請求項19】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、
前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする校正用パターン。
【請求項20】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、
前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする校正用パターン。
【請求項21】
請求項19又は20記載の校正用パターンにおいて、
前記予め決められた所定の角度が直角であることを特徴とする校正用パターン。
【請求項22】
ワークの搬送するステージのワーク載置面に対するアライメントセンサのずれを校正するためのアライメント装置において、
予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出手段と、
前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得手段と、
前記アライメントセンサを前記校正値に基づいて校正するセンサ校正手段とを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項23】
請求項22記載のアライメント装置において、
前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正手段での処理に制御を移す判別手段をさらに有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項24】
請求項22又は23記載のアライメント装置において、
前記ワーク載置面に載置され、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材をさらに有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項26】
請求項22〜25のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項27】
請求項22〜26のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正手段をさらに有し、
前記校正用パターン検出手段は、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出することを特徴とするアライメント装置。
【請求項28】
請求項27記載のアライメント装置において、
前記センサ校正手段は、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正することを特徴とするアライメント装置。
【請求項29】
請求項25〜28のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、
前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、
前記校正値は、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項1】
予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、
前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得ステップと、
前記アライメントセンサの位置を前記校正値に基づいて校正するセンサ校正ステップとを有することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項2】
請求項1記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正ステップを行う判別ステップをさらに有することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項4】
請求項3記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項5】
請求項3記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項6】
請求項4又は5記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記予め決められた所定の角度が直角であることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項7】
請求項3〜6のいずれか1項に記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、
前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項8】
請求項7記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
前記センサ校正ステップは、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正することを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項9】
請求項4〜8のいずれか1項に記載のアライメントセンサの位置校正方法において、
ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、
前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、
前記校正値は、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定されることを特徴とするアライメントセンサの位置校正方法。
【請求項10】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップと、
予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記補正後の前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出ステップと、
少なくとも前記検出された校正用パターンに基づいて前記基準パターンの校正値を求める校正値取得ステップと、
前記基準スケールを前記校正値だけ傾けて設置し直す基準スケール再設置ステップとを有することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項11】
請求項10記載の基準パターン校正方法において、
前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記基準スケール再設置ステップを行う判別ステップをさらに有することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項12】
請求項10又は11記載の基準パターン校正方法において、
ワークを搬送するステージのワーク載置面に、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材を載置する載置ステップをさらに有することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項13】
請求項12記載の基準パターン校正方法において、
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項14】
請求項12記載の基準パターン校正方法において、
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項15】
請求項13又は14記載の基準パターン校正方法において、
前記予め決められた所定の角度が直角であることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項16】
請求項12〜15のいずれか1項に記載の基準パターン校正方法において、
前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正ステップをさらに有し、
前記校正用パターン検出ステップは、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出することを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項17】
請求項13〜16のいずれか1項に記載の基準パターン校正方法において、
ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、
前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、
前記校正値は、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定されることを特徴とする基準パターン校正方法。
【請求項18】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンと前記ワークに形成されたアライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正する露光位置補正方法において、
請求項10〜17のいずれか1項に記載の基準パターン校正方法を使用して前記基準パターンを校正し、
校正された前記基準パターンと前記ワークに形成された前記アライメントマークの相対位置関係に基づいて前記ワークへの露光位置を補正することを特徴とする露光位置補正方法。
【請求項19】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、
前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする校正用パターン。
【請求項20】
ワークを搬送するステージのワーク載置面に載置される部材に形成された1以上のパターンを含み、少なくともアライメントセンサの位置を校正する校正用パターンであって、
前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とする校正用パターン。
【請求項21】
請求項19又は20記載の校正用パターンにおいて、
前記予め決められた所定の角度が直角であることを特徴とする校正用パターン。
【請求項22】
ワークの搬送するステージのワーク載置面に対するアライメントセンサのずれを校正するためのアライメント装置において、
予め相対位置関係が判明している1以上のパターンを含む校正用パターンを、前記アライメントセンサで検出する校正用パターン検出手段と、
前記検出された校正用パターンに基づいて前記アライメントセンサの校正値を求める校正値取得手段と、
前記アライメントセンサを前記校正値に基づいて校正するセンサ校正手段とを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項23】
請求項22記載のアライメント装置において、
前記取得された校正値が許容範囲にあるか否かを判別し、前記校正値が前記許容範囲にない場合に、前記センサ校正手段での処理に制御を移す判別手段をさらに有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項24】
請求項22又は23記載のアライメント装置において、
前記ワーク載置面に載置され、前記予め相対位置関係が判明している1以上のパターンが形成された部材をさらに有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項25】
請求項22〜24のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンで構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項26】
請求項22〜25のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
前記部材における前記校正用パターンは、前記部材に形成された前記1以上のパターンと、前記ステージ上の特定された部位で構成され、互いに予め決められた所定の角度の関係にある2つの線分を特定し、
前記2つの線分は、前記アライメントセンサにおける少なくとも前記ワークの搬送方向と直交する方向に対する位置ずれを校正するために使用されることを特徴とするアライメント装置。
【請求項27】
請求項22〜26のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
前記ワーク載置面に設置された基準スケール上の基準パターンを少なくとも1つのアライメントセンサで検出して、その基準パターンの撮像データに基づいて前記アライメントセンサの位置をデータ的に補正する補正手段をさらに有し、
前記校正用パターン検出手段は、前記校正用パターンを、データ的に補正された前記アライメントセンサで検出することを特徴とするアライメント装置。
【請求項28】
請求項27記載のアライメント装置において、
前記センサ校正手段は、データ的に補正された前記アライメントセンサの位置をさらに前記校正値だけデータ的に補正することを特徴とするアライメント装置。
【請求項29】
請求項25〜28のいずれか1項に記載のアライメント装置において、
ワークの搬送方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、一方の線分とのなす角を第1の角度とし、
前記ワークの搬送方向と直交する方向と、前記検出された前記校正用パターンにおける前記2つの線分のうち、他方の線分とのなす角を第2の角度としたとき、
前記校正値は、前記第1の角度と第2の角度の相対角度に基づいて決定されることを特徴とするアライメント装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2006−284890(P2006−284890A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−104264(P2005−104264)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】
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